(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171649
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】取引管理システム、取引管理装置、取引管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088775
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】三輪 聡哉
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB54
5L030BB72
5L049BB54
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】取引における調整業務の負担を低減させること。
【解決手段】取引管理システムは、発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得部と、受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得部と、検索情報を取得する検索情報取得部と、前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得部と、
受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得部と、
検索情報を取得する検索情報取得部と、
前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成部と、
を備える取引管理システム。
【請求項2】
前記生成部は、前記検索情報に対応する前記発注情報に含まれる数値情報と、前記検索情報に対応する発注情報に含まれる数値情報とが一致しない場合に、前記数値情報が一致しないことを示す照合情報を生成する、
請求項1に記載の取引管理システム。
【請求項3】
前記発注情報は、支払に関する支払い対象の商品数量と、商品単価とを少なくとも含む支払データであり、
前記受注情報は、請求に関する請求対象の商品数量と、商品単価とを少なくとも含む請求データである、
請求項2に記載の取引管理システム。
【請求項4】
発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得部と、
受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得部と、
検索情報を取得する検索情報取得部と、
前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成部と、
を備える取引管理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する取引管理方法であって、
発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得過程と、
受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得過程と、
検索情報を取得する検索情報取得過程と、
前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成過程と、
を有する取引管理方法。
【請求項6】
コンピュータに、
発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得ステップと、
受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得部ステップ、
検索情報を取得する検索情報取得ステップと、
前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引管理システム、取引管理装置、取引管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
資材を調達する発注側企業と、調達先である受注側企業との間において商取引を行う場合、発注書、受注書、納品書、請求書等の各種帳票が用いられる。これらの帳票は、電子メールやFAX(ファクシミリ)を利用することで送受信される場合がある。近年、各帳票を、EDI(Electronic Data Interchange;電子データ交換)を用いることで、専用回線またはインターネットを介して電子的に送受信するシステムも提供されつつある。特許文献1には、例えば、商品を発注するシステムを、専用回線を用いずに構成する通信システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、帳票を電子的に取り扱うことができたとしても、注文後に、発注数量の変更や単価の変更等が生じる場合がある。このような場合には、発注側企業と受注側企業との間において電話、FAX、電子メール等を用いて変更可能か否かの調整業務が担当者間において行われる。このような場合、調整業務に伴って支払や請求にも変更が生じるが、この確認は担当者が行う必要があり、担当者の負担が大きい。
【0005】
本発明の一態様は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、取引における調整業務の負担を低減させることができる取引管理システム、取引管理装置、取引管理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る取引管理システムは、発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得部と、受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得部と、検索情報を取得する検索情報取得部と、前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成部と、を備える取引管理システムである。
【0007】
また、本発明の一態様に係る取引管理装置は、発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得部と、受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得部と、検索情報を取得する検索情報取得部と、前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成部と、を備える取引管理装置である。
【0008】
また、本発明の一態様に係る取引管理方法は、コンピュータが実行する取引管理方法であって、発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得過程と、受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得過程と、検索情報を取得する検索情報取得過程と、前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成過程と、を有する取引管理方法である。
【0009】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、発注者端末装置から発注情報を取得する発注情報取得ステップと、受注者端末装置から受注情報を取得する受注情報取得部ステップ、検索情報を取得する検索情報取得ステップと、前記検索情報に対応する前記発注情報および前記受注情報を含む照合情報を生成する生成ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、取引における調整業務の負担を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る取引管理システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【
図2】本実施形態に係る取引管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る発注情報の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る受注情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る表示画面の他の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る表示画面の他の一例を示す図である。
【
図8】本本実施形態に係る表示画面の他の一例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る取引管理システムにおける取引管理処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】本実施形態に係る取引管理装置における取引管理処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る取引管理システムSYSの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る取引管理システムSYSの構成の一例を示すシステム構成図である。
取引管理システムSYSは、取引管理装置100と、発注者端末装置200と、受注者端末装置300と、を含んで構成される。取引管理装置100と、発注者端末装置200と、受注者端末装置300とは、ネットワークNWを介して通信可能に相互に接続される。
ここで、発注者端末装置200は、発注者により使用される端末装置である。発注者は、例えばメーカである。受注者端末装置300は、受注者によって使用される端末装置である。受注者は、例えばサプライヤである。なお、発注者と受注者は、発注と受注の関係があればよく、発注者はメーカでなくてもよいし、受注者はサプライヤでなくてもよい。なお、発注者および受注者の一方または両方は、複数であってもよい。また、取引管理装置100は、クラウド上に構成されることで機能させてもよい。
【0014】
取引管理装置100は、発注者端末装置200と受注者端末装置300との間で商取引に関する情報を伝達する。例えば、取引管理装置100は、発注者端末装置200から送信される発注情報などの各種情報を、ネットワークNWを介して取得する。取引管理装置100は、受注者端末装置300から受注情報などの各種情報を、ネットワークを介して取得する。
【0015】
発注情報は、例えば、サービス、物品、資材等の商品の注文内容を表す情報である。商品の注文内容を表す情報は、商品を表す情報、商品の数量、商品の単価などが含まれる。より具体的には、商品を表す情報は、商品の識別情報と、商品の注文数と、商品の入荷数などの情報である。本実施形態では、発注情報が、支払情報である場合の一例について説明する。支払情報については、後述する。
【0016】
また、受注情報は、例えば、サービス、物品、資材等の商品の受注内容を表す情報である。商品の受注内容を表す情報は、商品を表す情報、商品の数量、商品の単価などが含まれる。より具体的には、商品を表す情報は、商品の識別情報と、商品の受注数と、商品の出荷数などの情報である。本実施形態では、受注情報が、請求情報である場合の一例について説明する。受注情報については、後述する。
【0017】
取引管理装置100は、発注情報と受注情報とを照合する照合情報を生成する。取引管理装置100は、生成した照合情報を、発注者端末装置200、または受注者端末装置300からの要求に応じて、要求元の発注者端末装置200、または受注者端末装置300に送信する。
【0018】
発注者端末装置200は、入力装置(マウス、キーボード、タッチパネル等)、出力装置(ディスプレイ等)、中央処理装置等を備える端末装置である。発注者端末装置200は、例えばコンピュータ、タブレット、スマートフォン等のような端末装置である。
発注者端末装置200は、発注者からの発注情報の入力を受け付ける。発注者端末装置200は、受け付けた発注情報を、ネットワークNWを介して取引管理装置100に送信する。
【0019】
受注者端末装置300は、入力装置(マウス、キーボード、タッチパネル等)、出力装置(ディスプレイ等)、中央処理装置等を備える端末装置である。受注者端末装置300は、例えばコンピュータ、タブレット、スマートフォン等のような端末装置である。
受注者端末装置300は、受注者からの受注情報の入力を受け付ける。受注者端末装置300は、受け付けた受注情報を、ネットワークNWを介して取引管理装置100に送信する。
【0020】
ここで、発注者端末装置200および受注者端末装置300のそれぞれには、取引管理システムSYSにおけるアカウントが割り当てられる。各アカウントは、ログインIDやパスワードなどを用いて取引管理装置100によって管理される。
なお、発注者端末装置200よび受注者端末装置300の一方または両方は、複数の端末装置であってもよい。この場合、各端末装置に対するアカウントが割り当てられていればよい。
【0021】
ここで、発注者(例えばメーカ)は、受注者(例えばサプライヤ)から調達した資材等を用いて製品を製造し、納品先に製品を納品する。納品先から受けた注文内容に変更が生じた場合には、サプライヤに対する注文内容に変更が生じる場合がある。例えば、納品する数量の変更等があった場合には、これらの変更内容に対応するようにサプライヤに対して注文対象の資材を変更したり、数量を増減させたり、納期を変更したりするための調整が必要な場合がある。
【0022】
なお、注文内容の変更は、納品先からの注文変更に限らず、市場のニーズの変化に応じて注文数を変更するなどを行ってもよい。
【0023】
このような調整は、従来であれば電話やFAX等を利用していたが、本実施形態においては、メーカは、発注者端末装置200を利用することで、取引管理装置100を介して、受注者端末装置300と通信することで調整を行うことができる。
【0024】
このように、取引管理システムSYSは、発注者端末装置200から発注情報を取得し、受注者端末装置300から受注情報を取得する。発注者端末装置200または受注者端末装置300から検索情報を取得すると、検索情報に対応する発注情報および受注情報を含む照合情報を生成する。検索情報については後述する。
このようにすることで、取引管理システムSYSは、照合情報に基づいて、支払や請求処理が行えるため、取引における調整業務の負担を低減させることができる。
【0025】
次いで、取引管理装置100の構成について説明する。
【0026】
図2は、本実施形態に係る取引管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
取引管理装置100は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15と、を含んで構成される。
【0027】
通信部11は、各種情報を、ネットワークNWを介して発注者端末装置200または受注者端末装置300から受信する。また、通信部11は、各種情報を、ネットワークNWを介して発注者端末装置200または、受注者端末装置300に送信する。
【0028】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体など、または、これらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。また、記憶部12は、例えば、不揮発性メモリを用いて構成されてもよい。記憶部12は、制御部15によって実行されるアプリケーション、プログラム、各種データなどを記憶する。
記憶部12は、利用者データ記憶部121と、支払データ記憶部122と、請求データ記憶部123と、照合情報記憶部124と、を含んで構成される。
【0029】
利用者データ記憶部121は、利用者情報を記憶する。利用者情報は、取引管理システムSYSを利用するユーザに関する情報(ユーザ情報とも称する)である。ユーザ情報は、ユーザID、ユーザ名、ユーザの所属、ログインID、パスワード等である。ユーザIDは、ユーザを識別する識別情報であるである。ユーザIDは、ユーザを識別することができれば任意の文字列を用いてもよい。ユーザ名は、ユーザIDに対応付けられたユーザの名称である。ユーザ名は、取引管理システムにおける表示画面においてユーザIDを用いてログインした際に表示されてもよい。ユーザの所属は、ユーザが所属する企業名または、および当該企業を識別する識別情報である。ログインIDとパスワードは、取引サイトにログインするためのIDとパスワードであり、ユーザ毎に予め付与される。これらの利用者データは、例えば、予め利用者登録によって登録される。
【0030】
支払データ記憶部122は、支払データを記憶する。支払データは、支払いに関する情報である。支払データは、メーカ企業コードと、サプライヤ企業コードと、メーカ商品コードと、締日付と、入荷日付と、支払数量と、支払単価と、支払金額と、支払場所と、が対応付けられた情報である。メーカ企業コードは、発注者であるメーカを識別する識別情報である。サプライヤ企業コードは、受注者であるサプライヤを識別する識別情報である。メーカ商品コードは、メーカにおける商品を識別する識別情報である。締日付は、請求締め日を表す日付情報である。入荷日付は、製品の入荷日付を表す情報である。支払数量は、支払対象の製品の数量を表す情報である。支払単価は、支払対象の製品の単価を表す情報である。支払金額は、支払対象の製品代金を表す情報である。支払場所は、製品代金を支払う支払先を表す情報であり、例えば、支払先の事業所を識別する識別情報などの情報である。
【0031】
請求データ記憶部123は、請求データを記憶する。請求データは、請求に関する情報である。請求データは、メーカ企業コードと、サプライヤ企業コードと、メーカ商品コードと、締日付と、納入日付と、請求数量と、請求単価と、請求金額、請求場所と、が対応付けられた情報である。メーカ企業コードは、発注者であるメーカを識別する識別情報である。サプライヤ企業コードは、受注者であるサプライヤを識別する識別情報である。メーカ商品コードは、メーカにおける商品を識別する識別情報である。締日付は、請求の締め日付を表す情報である。納入日付は、製品が納入された納入日付を表す情報である。請求数量は、請求対象の製品の数量を表す情報である。請求単価は、請求対象の製品の単価を表す情報である。請求金額は、請求対象の製品代金を表す情報である。請求場所は、製品代金を請求する請求先を表す情報であり、例えば、請求先の事業所を識別する識別情報などの情報である。
【0032】
照合情報記憶部124は、照合情報を記憶する。照合情報は、支払データと請求データとが対応付けられた情報である。照合情報には、発注者または受注者による照合結果の情報も含まれる。
【0033】
入力部13は、入力を受け付ける機能を有する。入力部13は、例えば、取引管理装置100がハードウェアとして備えるマウス、キーボード、タッチパネルなどの入力装置によって入力された情報を受け付ける。入力部13は、入力された情報を制御部15に出力する。
【0034】
出力部14は、各種情報を出力する機能を有する。出力部14は、例えば、取引管理装置100がハードウェアとして備えるディスプレイやタッチパネルなどの表示装置、スピーカなどの音声出力装置によって実現される。出力部14は、制御部15からの入力に応じて、例えば画像や音声などを出力する。
【0035】
制御部15は、取引管理装置100の動作全般を制御する機能を有する。制御部15は、例えば、取引管理装置100がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
制御部15は、支払データ取得部151と、請求データ取得部152と、照合情報生成部153と、を含んで構成される。
【0036】
支払データ取得部151は、支払データを、通信部11を介して発注者端末装置200から取得する。支払データ取得部151は、取得した支払データを、支払データ記憶部122に記憶させる。
【0037】
請求データ取得部152は、請求データを、通信部11を介して受注者端末装置300から取得する。請求データ取得部152は、取得した請求データを、請求データ記憶部123に記憶させる。
【0038】
照合情報生成部153は、支払データ記憶部122から支払データを読み出し、請求データを請求データ記憶部123から読み出す。照合情報生成部153は、読み出した支払データと請求データとを対応付けて照合情報を生成する。具体的には、照合情報生成部153は、支払データおよび請求データにおける各項目の情報と対応付けて照合情報を生成する。照合情報生成部153は、照合情報において、支払データと請求データとで一致する項目と、支払データと請求データとで相違する項目とを受注者または発注者が確認可能に生成する。例えば、照合情報生成部153は、相違する項目の文字色を、一致する項目の文字色と異なる文字色を用いて提示可能に照合情報を生成する。照合情報生成部153は、生成した照合情報を照合情報記憶部124に記憶させる。
【0039】
照合情報生成部153は、検索情報を、通信部11を介して発注者端末装置200または受注者端末装置300から取得する。検索情報は、支払データおよび請求データを検索するための情報である。検索情報は、例えば、締日付、支払日、照合ステータス、分類、発注先企業コード、発注元企業名、受注元企業コード、受注元企業名などのうちの少なくともいずれかの情報を含む。
【0040】
ここで、照合ステータスは、支払データおよび請求データにおける未照合、照合済、メーカ照合済、サプライヤ照合済などの状態を表す情報である。換言すれば、照合ステータスは、照合結果を表す情報である。未照合は、メーカおよびサプライヤのいずれも請求データと支払データとの照合を行っていない状態を表す。照合済は、メーカおよびサプライヤの両方において請求データと支払データとが照合済の状態を表す。メーカ照合済は、メーカにおいて、請求データと支払データとが照合済の状態を表す。サプライヤ照合済は、サプライヤにおいて、請求データと支払データとが照合済の状態を表す。
【0041】
また、分類は、例えば、紙器、プラスチック、ダンボールなどの製品の分類を表す情報である。
【0042】
照合情報生成部153は、検索情報を取得すると、検索情報に対応する照合情報を、照合情報記憶部124から読み出す。照合情報生成部153は、照合情報を、通信部11を介して発注者端末装置200または受注者端末装置300に送信する。
【0043】
照合情報生成部153は、発注者端末装置200または受注者端末装置300に送信した照合情報において照合ステータスが更新されると、照合情報記憶部124に記憶された照合情報を更新する。照合情報生成部153は、更新した照合情報を、照合情報記憶部124に記憶させる。
【0044】
次いで、支払データの一例について説明する。
【0045】
図3は、本実施形態に係る発注情報の一例を示す図である。
上述のように、本実施形態に係る発注情報は、支払データである。
支払データは、メーカ企業コードと、サプライヤ企業コードと、メーカ商品コードと、締日付と、入荷日付と、支払数量と、支払単価と、支払金額と、支払場所とが対応付けられた情報である。
図示する例において、支払データは、「メーカ企業コード」が、「XXX」であり、「サプライヤ企業コード」が「YYY」であり、「メーカ商品コード」が「makeritem1」であり、「締日付」が「2022/4/20」であり、「入荷日付」が「2022/3/30」であり、「支払数量」が「2000」であり、「支払単価」が「500」であり、「支払金額」が「1000000」であり、「支払場所」が「倉庫A」である。
ここで、「支払先」には、例えば、支払先の事業所名や支払先の事業所コードなどが格納される。
【0046】
次いで、請求データの一例について説明する。
【0047】
図4は、本実施形態に係る受注情報の一例を示す図である。
上述のように、本実施形態に係る受注情報は、請求データである。
請求データは、メーカ企業コードと、サプライヤ企業コードと、メーカ商品コードと、締日付と、納入日付と、請求数量と、請求単価と、請求金額と、が対応付けられた情報である。
図示する例において、請求データは、「メーカ企業コード」が、「XXX」であり、「サプライヤ企業コード」が「YYY」であり、「メーカ商品コード」が「makeritem1」であり、締日付」が「2022/4/20」であり、「納入日付」が「2022/3/30」であり、「請求数量」が「2500」であり、「請求単価」が「500」であり、「支払金額」が「1250000」であり、「請求場所」が「倉庫A」である。
【0048】
次いで、表示画面例について説明する。
【0049】
図5から
図8は、本実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。
図5に図示する例は、ユーザIDおよびパスワードが入力されたことで、WEBブラウザにおいて検索情報を入力する場合に表示される表示画面例である。
図示する例においては、「締日付」、「日付範囲」、「納品場所」、「発注先企業」、「照合ステータス」、「分類」などの検索情報の各項目に対する入力ウインドウが表示される。また、照合情報の検索対象を「支払請求」であるか「入荷済」であるかを絞り込むための操作子が表示される。
発注者端末装置200または受注者端末装置300において、少なくともいずれか1つ以上の項目に対する入力ウインドウに検索情報が入力され、「検索」の操作子が選択操作されたことに基づいて、取引管理装置100は、入力された検索情報に対応する照合情報を、照合情報記憶部124から読み出す。
【0050】
図6は、
図5の後に表示される表示画面例である。
図6に図示する例は、
図5で示した検索情報の各入力ウインドウおよび、入力ウインドウに入力された情報に加えて、検索情報に対応する照合情報が表示された場合の一例である。
図示する例における照合情報は、メーカにおいて検索情報を入力した場合に表示され、メーカによる検索情報に対応する「サプライヤ1」、「サプライヤ2」、「サプライヤ3」の3つのサプライヤへの支払いに関連する照合情報となる。図示する照合情報には、発注先企業、すなわちサプライヤ企業「サプライヤ1」、「サプライヤ2」、「サプライヤ3」ごとに、照合ステータスと、合計数量と、合計金額とが対応付けられている。合計数量には、支払数量および請求数量が対比可能に表示され、合計金額には、支払金額および請求金額が対比可能に表示される。また、図示する照合情報には、各サプライヤへの合計数量、合計金額をそれぞれ合算することで算出される総計が含まれる。総計には、支払数量と、請求数量と、支払金額と、請求金額との各総計が含まれる。
【0051】
図示する例では、支払と請求とで異なる数量、金額箇所は、相違が発生していることが視認可能に、相違が発生していない項目とは異なる表示態様で表示される。さらに、照合ステータスにおいて、照合が完了していない項目、すなわち、照合済ではない照合ステータス、例えば、サプライヤ照合済、未照合の照合ステータスは、完了していないことが視認可能に、照合済の照合ステータスとは異なる表示態様で表示される。
【0052】
また、
図6におけるサプライヤごとのサマリー表示において、「サプライヤ1」「サプライヤ2」「サプライヤ3」の企業名のいずれかを選択すると、選択したサプライヤにおける照合情報の細目が表示される。
【0053】
図7は、
図6に示した例において「サプライヤ1」の操作子を選択する操作がなされたことで、当該操作子に対応付けられたリンク項目が表示され、「サプライヤ1」の細目が表示された場合の一例である。
図7に図示する例では、製品ごと、例えば、商品IDに対応する商品名ごとに、請求数量と支払数量、請求金額と支払金額とが、入荷日付(あるいは出荷日付)ごとに一覧表示される。当該一覧表示では、請求数量と支払数量、請求金額と支払金額とに相違がある項目は、相違があることが視認可能に、相違がない項目とはことなる表示態様で表示される。
このようにすることで、どの項目において相違が発生しているかを発注者あるいは受注者が確認することができる。
【0054】
ここで、
図7における商品名ごとのサマリー表示において、「メーカ商品1」、「メーカ商品2」、「メーカ商品3」の商品名のいずれかを選択すると、選択した商品における照合情報の明細が表示される。
【0055】
図8は、
図7に示した例において「メーカ商品2」の操作子を選択する操作がなされたことで、当該操作子に対応付けられたリンク項目が表示され、「メーカ商品2」の明細が表示された場合の一例である。
図示する例では、「日付」ごとに、請求数量、請求単価、請求金額、支払数量、支払単価、支払金額の各項目を含む照合情報が明細表示される。当該明細表示では、請求数量と支払数量、請求単価と支払単価、請求金額と支払金額とのそれぞれが対比可能に表示される。請求数量と支払数量、請求単価と支払単価、請求金額と支払金額とにおいて相違が発生している項目は、相違が発生していない項目とは異なる表示態様により、相違が発生していることを視認可能に表示される。
【0056】
ここで、
図6、7、8の各表示画面例において、支払いの各項目と請求の各項目とにおいて、相違が発生していることを視認可能に、例えば、
図6、7、8に示すように、相違が発生している項目の文字列を太文字で表示する。
なお、相違が発生している項目の文字列を太文字で表示することに代えて、または加えて、文字列の色を変更したり、文字列のフォントサイズを変更したりするなど、相違している箇所の表示態様をを、相違が発生していない項目とは異なる表示態様により表示させてもよい。
【0057】
次いで、本実施形態に係る取引管理処理の流れについて説明する。
【0058】
図9は、本実施形態に係る取引管理システムSYSにおける取引管理処理の一例を示すシーケンス図である。
ステップST101において、発注者端末装置200は、取引管理システムSYSに接続するためのユーザID、パスワードを含むログイン情報を、例えばWEBブラウザに入力することで取引管理装置100に送信する。
【0059】
ステップST102において、取引管理装置100は、ログイン情報が利用者データ記憶部121に記憶されたログイン情報と一致するか確認し、ログイン情報に含まれるユーザ情報に対応する発注者管理情報を、発注者端末装置200に送信する。発注者管理情報は、例えば、発注者用の照合情報に対する検索情報の入力画面や、支払データのアップロード画面などである。
【0060】
ステップST103において、発注者端末装置200は、発注者操作によって入力された支払データファイルをアップロードすることで、支払データを取引管理装置100に送信する。
【0061】
ステップST104において、受注者端末装置300は、取引管理システムSYSに接続するためのユーザID、パスワードを含むログイン情報を、例えばWEBブラウザに入力することで取引管理装置100に送信する。
【0062】
ステップST105において、取引管理装置100は、ログイン情報が利用者データ記憶部121に記憶されたログイン情報と一致するか確認し、ログイン情報に含まれるユーザ情報に対応する受注者管理情報を、受注者端末装置300に送信する。受注者管理情報は、例えば、受注者用の照合情報に対する検索情報の入力画面や、請求データのアップロード画面などである。
【0063】
ステップST106において、受注者端末装置300は、受注者操作によって入力された請求データファイルをアップロードすることで、請求データを取引管理装置100に送信する。
【0064】
ステップST107において、受注者端末装置300は、受注者から検索情報の入力を受け付け、受け付けた検索情報を取引管理装置100に送信する。
【0065】
ステップST108において、取引管理装置100は、検索情報に基づいて、照合情報記憶部124から検索情報に対応する照合情報を読み出す。取引管理装置100は、読み出した照合情報を受注者端末装置300に送信する。
【0066】
ステップST109において、受注者端末装置300は、照合情報を表示し、受注者による照合情報の照合結果を受け付ける。
【0067】
ステップST110において、受注者端末装置300は、受注者から照合結果として、照合ステータスが更新されると、更新された照合ステータスの情報を取引管理装置100に送信する。
【0068】
ステップST111において、発注者端末装置200は、発注者から検索情報の入力を受け付け、受け付けた検索情報を取引管理装置100に送信する。
【0069】
ステップST112において、取引管理装置100は、検索情報に基づいて、照合情報記憶部124から検索情報に対応する照合情報を読み出す。取引管理装置100は、読み出した照合情報を発注者端末装置200に送信する。
【0070】
ステップST113において、発注者端末装置200は、照合情報を表示し、発注者による照合情報の照合結果を受け付ける。
【0071】
ステップST114において、発注者端末装置200は、発注者から照合結果として、照合ステータスが更新されると、更新された照合ステータスの情報を取引管理装置100に送信する。
【0072】
なお、ステップST104からステップST106の処理は、ステップST101からステップST103の処理より前に行ってもよい。ステップST101からステップST103の処理と、ステップST104からステップST106の処理との一方、または両方は、ステップST107以降の処理とは別のタイミングで実行されてもよい。
【0073】
また、ステップST111からステップST114の処理は、ステップST107からステップST110の処理より前に行ってもよい。ステップST107からステップST110の処理と、ステップST111からステップST114の処理とは異なるタイミングで実行されてもよい。
【0074】
図10は、本実施形態に係る取引管理装置100における取引管理処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101において、取引管理装置100は、発注者端末装置200または受注者端末装置300から検索情報を取得する。
【0075】
ステップS102において、取引管理装置100は、検索情報に基づいて、対応する照合情報を照合情報記憶部124から取得する。
【0076】
ステップS103において、取引管理装置100は、照合情報を、検索情報を受け付けた発注者端末装置200または受注者端末装置300に送信する。
【0077】
ステップS104において、取引管理装置100は、照合情報に対する照合結果を、発注者端末装置200または受注者端末装置300から取得する。
【0078】
このように、本実施形態に係る取引管理システムSYSは、発注者端末装置200から発注情報を取得する発注情報取得部(支払データ取得部151)と、受注者端末装置300から受注情報を取得する受注情報取得部(請求データ取得部152)と、検索情報を取得する検索情報取得部(照合情報生成部153)と、検索情報に対応する発注情報および受注情報を含む照合情報を生成する生成部(照合情報生成部153)と、を備える。
【0079】
これにより、支払データと請求データとの照合と行うことができるため、取引における調整業務の負担を低減させることができる。
【0080】
以上、図面を参照してこの発明の各実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0081】
例えば、上述した各実施形態では、取引管理装置100によって構成される一例について説明したが、取引管理装置100の一部を実現可能な他の装置との複数の装置によって本発明の一態様を実現してもよい。
【0082】
なお、本発明の一態様における取引管理装置100で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、1つ、または複数の、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。ここでいう、コンピュータは、量子コンピュータも含まれる。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の各種ストレージに格納され、必要に応じてCPU等によって読み出し、修正・書き込みが行われても良い。
【0083】
なお、上述した各実施形態や変形例における取引管理装置100の一部又は全部を1つ、または複数のプロセッサを備えたコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0084】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、取引管理装置100に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0085】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0086】
また、上述した各実施形態や変形例における取引管理装置100の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例における取引管理装置100の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0087】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【符号の説明】
【0088】
SYS 取引管理システム
100 取引管理装置
11 通信部
12 記憶部
121 利用者データ記憶部
122 支払データ記憶部
123 請求データ記憶部
124 照合情報記憶部
13 入力部
14 出力部
15 制御部
151 支払データ取得部
152 請求データ取得部
153 照合情報生成部
200 発注者端末装置
300 受注者端末装置