(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171651
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】管理サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241205BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/08
G08G1/09 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088779
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柿崎 貴文
(72)【発明者】
【氏名】西前 翔平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 祥平
(72)【発明者】
【氏名】福田 優輝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真悟
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H181AA07
5H181BB04
5H181DD08
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181MA48
5H181MB05
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】建設現場の周辺での搬出入車両の待機時間を抑制することができる管理サーバ及びプログラムを得る。
【解決手段】管理サーバ10は、ユーザが保持する端末30、50と管理サーバ10とを備える管理システム90における管理サーバ10であって、建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得する取得部11Aと、位置情報が建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて端末30、50にアラートを出力する出力部11Bと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが保持する端末と管理サーバとを備える管理システムにおける管理サーバであって、
建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得し、
前記位置情報が前記建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて前記端末にアラートを出力する、
管理サーバ。
【請求項2】
前記予め定められた範囲は、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域であり、
前記ユーザは、前記搬出入車両を運転する運転手、及び前記搬出入車両が前記建設現場への入場に利用する搬出入ゲートの管理者の少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項3】
前記搬出入車両の位置情報が、所定時間以上、前記駐車禁止区域又は前記駐停車禁止区域内である場合に、前記アラートを前記端末に出力する、
請求項2に記載の管理サーバ。
【請求項4】
前記搬出入車両が前記搬出入ゲートへの入場が可能となった場合に、前記端末に当該入場が可能となったことを通知する、
請求項2又は請求項3に記載の管理サーバ。
【請求項5】
前記搬出入車両が前記搬出入ゲートへの入場が可能となる時刻である入場可能時刻を前記端末に通知する、
請求項2又は請求項3に記載の管理サーバ。
【請求項6】
前記予め定められた範囲は、前記搬出入車両が前記建設現場への入場に利用する搬出入ゲートを境界として前記建設現場の外側の範囲で、かつ、前記搬出入車両が待機する範囲か、又は、前記外側の範囲で、かつ、前記搬出入ゲートからの距離が前記予め定められた範囲内の範囲であり、
前記ユーザは、前記搬出入ゲートの管理者である、
請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項7】
前記アラートには、
前記搬出入車両の識別情報と、前記搬出入車両の運転手の連絡先と、前記搬出入車両の位置情報と、の少なくとも1つが含まれる、
請求項1に記載の管理サーバ。
【請求項8】
建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得し、
前記位置情報が前記建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて端末にアラートを出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路上駐車されている車両の管理者に前記車両の移動を促す情報を通知する情報処理装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、ユーザが道路交通法の定める駐停車禁止区域で駐停車しようとした場合に、より効果的に駐停車違反を抑止する駐停車違反抑止システムが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-100149号公報
【特許文献2】特開2007-248155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建設現場には、当該建設現場に対する資機材の搬出入を行う搬出入車両が数多く出入りする。また、搬出入車両が建設現場の搬出入ゲートへ入場する時刻は予め決められているものの、交通事情や搬出入ゲートの混み具合等により、事前に決められている入場時刻と当日実際に入場する時刻との間にはズレが生じる場合が多い。この場合、搬出入車両には、建設現場の周辺において待機する事態が生じ得る。なお、本明細書において「搬出入ゲート」とは、建設現場への資機材の搬入のみを行うゲート、当該資機材の搬出のみを行うゲート、及び当該資機材の搬入及び搬出の双方を行うゲートを含むものである。また、本明細書において「搬出入車両」とは、建設現場に資機材の搬入のみを行う車両、当該資機材の搬出のみを行う車両、及び当該資機材の搬入及び搬出の双方を行う車両を含むものである。
【0006】
しかしながら、搬出入ゲートへの搬出入車両の実際の入場時刻と予定入場時刻とにズレが生じる場合、当該ズレが大きくなるほど搬出入車両が搬出入ゲートの外側に待機する時間も長くなってしまう傾向がある。特に、その待機場所が駐停車禁止区域等である場合には、当該搬出入車両の運転手は、関係各所から注意を受けてしまう場合もあり得る。
【0007】
本発明は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、建設現場の周辺での搬出入車両の待機時間を抑制することができる管理サーバ及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明に係る管理サーバは、ユーザが保持する端末と管理サーバとを備える管理システムにおける管理サーバであって、建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得し、前記位置情報が前記建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて前記端末にアラートを出力する。
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る管理サーバによれば、建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得し、位置情報が建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて端末にアラートを出力することで、建設現場の周辺での搬出入車両の待機時間を抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明に係る管理サーバは、請求項1に記載の管理サーバであって、前記予め定められた範囲が、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域であり、前記ユーザが、前記搬出入車両を運転する運転手、及び前記搬出入車両が前記建設現場への入場に利用する搬出入ゲートの管理者の少なくとも一方を含むものである。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係る管理サーバによれば、予め定められた範囲を、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域とし、ユーザを、搬出入車両を運転する運転手、及び搬出入車両が建設現場への入場に利用する搬出入ゲートの管理者の少なくとも一方を含むものとすることで、適用したユーザに対して、搬出入車両が駐車禁止区域又は駐停車禁止区域に存在することを警告することができる。
【0012】
請求項3に記載の本発明に係る管理サーバは、請求項2に記載の管理サーバであって、前記搬出入車両の位置情報が、所定時間以上、前記駐車禁止区域又は前記駐停車禁止区域内である場合に、前記アラートを前記端末に出力するものである。
【0013】
請求項3に記載の本発明に係る管理サーバによれば、搬出入車両の位置情報が、所定時間以上、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域内である場合にアラートを端末に出力することで、状況に応じて、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域での許容待機時間を調整することができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明に係る管理サーバは、請求項2又は請求項3に記載の管理サーバであって、前記搬出入車両が前記搬出入ゲートへの入場が可能となった場合に、前記端末に当該入場が可能となったことを通知するものである。
【0015】
請求項4に記載の本発明に係る管理サーバによれば、搬出入車両が搬出入ゲートへの入場が可能となった場合に、端末に当該入場が可能となったことを通知することで、搬出入ゲートが他の搬出入車両に用いられていたことが原因で駐車禁止区域又は駐停車禁止区域で待機している搬出入車両を、当該搬出入ゲートに誘導することができる。
【0016】
請求項5に記載の本発明に係る管理サーバは、請求項2又は請求項3に記載の管理サーバであって、前記搬出入車両が前記搬出入ゲートへの入場が可能となる時刻である入場可能時刻を前記端末に通知するものである。
【0017】
請求項5に記載の本発明に係る管理サーバによれば、搬出入車両が搬出入ゲートへの入場が可能となる時刻である入場可能時刻を端末に通知することで、搬出入ゲートが他の搬出入車両に用いられていたことが原因で駐車禁止区域又は駐停車禁止区域で待機している搬出入車両を、効果的に当該搬出入ゲートに誘導することができる。
【0018】
請求項6に記載の本発明に係る管理サーバは、請求項1に記載の管理サーバであって、前記予め定められた範囲が、前記搬出入車両が前記建設現場への入場に利用する搬出入ゲートを境界として前記建設現場の外側の範囲で、かつ、前記搬出入車両が待機する範囲か、又は、前記外側の範囲で、かつ、前記搬出入ゲートからの距離が前記予め定められた範囲内の範囲であり、前記ユーザが、前記搬出入ゲートの管理者であるものである。
【0019】
請求項6に記載の本発明に係る管理サーバによれば、予め定められた範囲を、搬出入車両が建設現場への入場に利用する搬出入ゲートを境界として建設現場の外側の範囲で、かつ、搬出入車両が待機する範囲か、又は、上記外側の範囲で、かつ、搬出入ゲートからの距離が上記予め定められた範囲内の範囲とし、ユーザを、搬出入ゲートの管理者とすることで、搬出入ゲートの管理者に対して、搬出入車両の待機場所、又は位置に応じた適切な行動を促すことができる。
【0020】
請求項7に記載の本発明に係る管理サーバは、請求項1から請求項6の何れか1項に記載の管理サーバであって、前記アラートには、前記搬出入車両の識別情報と、前記搬出入車両の運転手の連絡先と、前記搬出入車両の位置情報と、の少なくとも1つが含まれるものである。
【0021】
請求項7に記載の本発明に係る管理サーバによれば、アラートに、搬出入車両の識別情報と、搬出入車両の運転手の連絡先と、搬出入車両の位置情報と、の少なくとも1つを含めることで、ユーザに対して、アラートに含めた情報を把握させることができる。
【0022】
請求項8に記載の本発明に係るプログラムは、建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得し、前記位置情報が前記建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて端末にアラートを出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【0023】
請求項8に記載の本発明に係るプログラムによれば、建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得し、位置情報が建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて端末にアラートを出力することで、建設現場の周辺での搬出入車両の待機時間を抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、建設現場の周辺での搬出入車両の待機時間を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態に係る管理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る管理システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る管理システムが対象としている各種範囲の一例を示す平面図である。
【
図4】実施形態に係る範囲情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】実施形態に係る車両位置情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図6】実施形態に係る管理処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係るゲート端末処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る第1アラート画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図9】実施形態に係る第2アラート画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図10】実施形態に係る第3アラート画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図11】実施形態に係る第4アラート画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図12】実施形態に係る運転手端末処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態に係る車両用アラート画面の構成の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、建設現場に対する資機材の搬出入を管理する管理サーバと、建設現場に対して資機材を搬出入する複数の搬出入車両の運転手が各々保持する運転手端末と、建設現場の搬出入ゲートにおいて搬出入車両の入場及び退場を管理する複数の管理者が各々保持するゲート管理者端末と、を含む管理システムに適用した場合について説明する。
【0027】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る管理システム90の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る管理システム90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る管理システム90は、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、管理サーバ10と、複数の運転手端末30と、複数のゲート管理者端末50と、を含む。なお、管理サーバ10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、運転手端末30及びゲート管理者端末50の例としては、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)等の携帯型の端末が挙げられる。
【0029】
本実施形態に係る運転手端末30は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)31、一時記憶領域としてのメモリ32、不揮発性の記憶部33、タッチパネル等の入力部34、液晶ディスプレイ等の表示部35及び媒体読み書き装置(R/W)36を備えている。また、運転手端末30は、無線通信部38及び位置検出部39を備えている。CPU31、メモリ32、記憶部33、入力部34、表示部35、媒体読み書き装置36、無線通信部38及び位置検出部39はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置36は、記録媒体37に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体37への情報の書き込みを行う。
【0030】
記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部33には、運転手端末処理プログラム33Aが記憶されている。運転手端末処理プログラム33Aは、当該プログラム33Aが書き込まれた記録媒体37が媒体読み書き装置36にセットされ、媒体読み書き装置36が記録媒体37からの上記プログラム33Aの読み出しを行うことで、記憶部33へ記憶(インストール)される。CPU31は、運転手端末処理プログラム33Aを記憶部33から適宜読み出してメモリ32に展開し、運転手端末処理プログラム33Aが有するプロセスを順次実行する。
【0031】
また、位置検出部39は、自身の位置を検出し、当該位置を示す位置情報を発信するためのものである。本実施形態では、位置検出部39による位置の検出を行うシステムとして、GPS(Global Positioning Systems)を利用したシステムを適用しているが、これに限るものではない。例えば、ビーコン(Beacon)や二次元コード、気圧を利用したシステムを、位置検出部39による位置の検出を行うシステムとして適用する形態としてもよい。
【0032】
一方、本実施形態に係るゲート管理者端末50は、プロセッサとしてのCPU51、一時記憶領域としてのメモリ52、不揮発性の記憶部53、タッチパネル等の入力部54、液晶ディスプレイ等の表示部55、媒体読み書き装置(R/W)56及び無線通信部58を備えている。CPU51、メモリ52、記憶部53、入力部54、表示部55、媒体読み書き装置56及び無線通信部58はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置56は、記録媒体57に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体57への情報の書き込みを行う。
【0033】
記憶部53は、HDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部53には、ゲート端末処理プログラム53Aが記憶されている。ゲート端末処理プログラム53Aは、当該プログラム53Aが書き込まれた記録媒体57が媒体読み書き装置56にセットされ、媒体読み書き装置56が記録媒体57からの上記プログラム53Aの読み出しを行うことで、記憶部53へ記憶(インストール)される。CPU51は、ゲート端末処理プログラム53Aを記憶部53から適宜読み出してメモリ52に展開し、ゲート端末処理プログラム53Aが有するプロセスを順次実行する。
【0034】
一方、本実施形態に係る管理サーバ10は、プロセッサとしてのCPU11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB3を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0035】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、管理プログラム13Aが記憶されている。管理プログラム13Aは、当該プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの上記プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶(インストール)される。CPU11は、管理プログラム13Aを記憶部13から適宜読み出してメモリ12に展開し、管理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0036】
また、記憶部13には、範囲情報データベース13B及び車両位置情報データベース13Cが記憶される。範囲情報データベース13B及び車両位置情報データベース13Cについては、詳細を後述する。
【0037】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る管理システム90の機能的な構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る管理システム90の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図2に示すように、本実施形態に係る管理サーバ10は、取得部11A及び出力部11Bを含む。管理サーバ10のCPU11が管理プログラム13Aを実行することで、取得部11A及び出力部11Bとして機能する。また、本実施形態に係る運転手端末30は、送受信部31A及び表示制御部31Bを含む。運転手端末30のCPU31が運転手端末処理プログラム33Aを実行することで、送受信部31A及び表示制御部31Bとして機能する。更に、本実施形態に係るゲート管理者端末50は、送受信部51A及び表示制御部51Bを含む。ゲート管理者端末50のCPU51がゲート端末処理プログラム53Aを実行することで、送受信部51A及び表示制御部51Bとして機能する。
【0039】
本実施形態に係る管理サーバ10の取得部11Aは、建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得する。本実施形態に係る取得部11Aでは、搬出入車両の運転手が保持する運転手端末30に設けられた位置検出部39によって得られる位置情報を当該運転手端末30から受信することで上記位置情報を取得する。
【0040】
そして、本実施形態に係る管理サーバ10の出力部11Bは、取得部11Aによって取得された位置情報が建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じて、ユーザが保持する運転手端末30及びゲート管理者端末50の少なくとも一方にアラートを出力する。
【0041】
これに応じて、本実施形態に係る運転手端末30の送受信部31Aは、管理サーバ10の出力部11Bによって出力されたアラートを受信する。そして、運転手端末30の表示制御部31Bは、送受信部31Aによって受信したアラートを示す情報を表示するように、自身の表示部35を制御する。同様に、本実施形態に係るゲート管理者端末50の送受信部51Aは、管理サーバ10の出力部11Bによって出力されたアラートを受信する。そして、ゲート管理者端末50の表示制御部51Bは、送受信部51Aによって受信したアラートを示す情報を表示するように、自身の表示部55を制御する。
【0042】
本実施形態に係る管理システム90では、上記予め定められた範囲として、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域(本実施形態では、駐車禁止区域であり、以下、「第1範囲」という。)を適用しており、この場合の上記ユーザとして、搬出入車両を運転する運転手、及び搬出入車両が建設現場への入場に利用する搬出入ゲートの管理者を適用している。そして、本実施形態に係る管理システム90の出力部11Bは、搬出入車両の位置情報が、所定時間以上、駐車禁止区域内である場合に、アラートを運転手端末30及びゲート管理者端末50に出力する。
【0043】
また、本実施形態に係る管理システム90では、上記予め定められた範囲として、搬出入車両が建設現場への入場に利用する搬出入ゲートを境界として当該建設現場の外側の範囲で、かつ、搬出入車両が待機する範囲、及び、上記外側の範囲で、かつ、搬出入ゲートからの距離が予め定められた範囲内の範囲(以下、「第3範囲」という。)も適用している。そして、本実施形態に係る管理システム90では、この場合の上記ユーザとして、搬出入ゲートの管理者を適用している。
【0044】
ここで、本実施形態に係る管理システム90では、搬出入ゲートを境界として建設現場の外側の範囲で、かつ、搬出入車両が待機する範囲として、搬出入車両が搬出入ゲートに進入可能な状態で待機する範囲(以下、「第2範囲」という。)、及び上記外側の範囲に予め設けられた搬出入車両の待機用の範囲(以下、「第4範囲」という。)の2種類を適用している。
【0045】
なお、本実施形態に係る管理システム90では、上記アラートに含まれる情報として、搬出入車両の識別情報と、搬出入車両の運転手の連絡先と、搬出入車両の位置情報と、の全ての情報を適用しているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
【0046】
次に、
図3を参照して、上述した第1範囲~第4範囲の各範囲について説明する。なお、
図3は、本実施形態に係る管理システム90が対象としている各種範囲の一例を示す平面図である。
【0047】
一例として
図3に示すように、建設現場の領域(本実施形態では、建設現場の敷地)が領域82(以下、「現場領域82」という。)である場合、本実施形態に係る第1範囲70Aは、現場領域82の近隣に位置し、かつ、駐車禁止区域に指定されている範囲(
図3に示す例では、現場領域82に面する南西側のT字状の道路)とされている。このように、本実施形態では、第1範囲70Aとして、現場領域82の近隣に位置する範囲を適用しているのは、搬出入ゲートからの建設現場への入場待ちをしている搬出入車両は、現場領域82の近隣に駐車する可能性が高いからである。
【0048】
また、一例として
図3に示すように、本実施形態に係る第2範囲70Bは、現場領域82における搬出入ゲート(
図3では図示省略。)の直前に位置し、かつ、停車は許容されている範囲(
図3に示す例では、現場領域82の搬出入ゲートに面する南西側の直線道路)とされている。
【0049】
また、一例として
図3に示すように、本実施形態に係る第3範囲70Cは、現場領域82の搬出入ゲートからの距離が予め定められた2段階の距離で囲まれた範囲とされている。更に、本実施形態に係る第4範囲70Dは、現場領域82からの距離とは無関係に、搬出入車両の待機用の場所として予め用意された範囲とされている。
【0050】
なお、
図3では、搬出入ゲートが1箇所のみであり、第1範囲70A~第4範囲70Dの各範囲ともに1箇所のみ例示しているが、搬出入ゲート及び各範囲ともに複数存在する形態としてもよいことも言うまでもない。
【0051】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る範囲情報データベース13Bについて説明する。
図4は、本実施形態に係る範囲情報データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0052】
図4に示すように、本実施形態に係る範囲情報データベース13Bは、建設現場、搬出入ゲート、位置情報、及び管理対象範囲の各情報を含む。
【0053】
上記建設現場は、管理システム90が対象としている建設現場の名称を示す情報であり、上記搬出入ゲートは、対応する建設現場に設けられた搬出入ゲートの名称を示す情報である。
【0054】
また、上記位置情報は、対応する建設現場における、対応する搬出入ゲートの位置を示す情報である。本実施形態では、位置情報として、運転手端末30に設けられた位置検出部39によって得られる位置情報と同一の座標系の情報(本実施形態では、緯度及び経度を示す情報)を適用しているが、これに限るものではない。例えば、管理システム90において管理対象としている領域(本実施形態では、関東地方)における予め定められた地点を原点とした、予め定められた座標系による座標値を、搬出入ゲートの位置を示す位置情報として適用する形態としてもよい。
【0055】
更に、上記管理対象範囲は、対応する建設現場に対して予め設定された、上述した第1範囲70A~第4範囲70Dの各々の範囲を示す情報である。本実施形態では、管理対象範囲としても、運転手端末30に設けられた位置検出部39によって得られる位置情報と同一の座標系の情報を適用しているが、これに限るものでないことは搬出入ゲートの位置情報と同様である。
【0056】
本実施形態に係る管理システム90では、範囲情報データベース13Bにおける各情報を、管理サーバ10の管理者が登録する場合について説明するが、これに限るものでないことも言うまでもない。
【0057】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る車両位置情報データベース13Cについて説明する。
図5は、本実施形態に係る車両位置情報データベース13Cの構成の一例を示す模式図である。
【0058】
図5に示すように、本実施形態に係る車両位置情報データベース13Cは、車両ID(Identification)、位置情報、及び時刻の各情報が記憶される。
【0059】
上記車両IDは、管理システム90が対象としている搬出入車両の各々を識別するために、搬出入車両の各々毎に異なるものとして予め付与された情報である。また、上記位置情報は、対応する搬出入車両の位置を示す情報であり、本実施形態では、対応する搬出入車両の位置検出部39によって検出された位置情報を適用している。更に、上記時刻は、対応する位置情報が得られた時刻を示す情報である。
【0060】
本実施形態に係る管理システム90では、管理サーバ10が、管理システム90が対象としている全ての搬出入車両の位置情報を、各搬出入車両を運転する運転手が保持する運転手端末30から逐次受信する。そして、管理サーバ10は、受信した位置情報を、その時点の時刻と共に、対応する搬出入車両に関する情報として車両位置情報データベース13Cに登録する。
【0061】
従って、車両位置情報データベース13Cを参照することで、各搬出入車両の位置の時系列順での推移を、その時刻と共に把握することができる。
【0062】
次に、
図6~
図13を参照して、本実施形態に係る管理システム90の作用を説明する。
【0063】
まず、
図6を参照して、本実施形態に係る管理処理を実行する場合の管理サーバ10の作用を説明する。
図6は、本実施形態に係る管理処理の一例を示すフローチャートである。
【0064】
管理サーバ10のCPU11が管理プログラム13Aを実行することによって、
図6に示す管理処理が実行される。
図6に示す管理処理は、管理システム90が稼働する時間帯として予め定められた時間帯(本実施形態では、平日の5時から24時の時間帯)の開始時刻となった場合に実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、範囲情報データベース13Bが構築済みであり、車両位置情報データベース13Cが逐次更新されている場合について説明する。
【0065】
図6のステップ100で、CPU11は、範囲情報データベース13Bから全ての情報(以下、「範囲情報」という。)を読み出す。ステップ102で、CPU11は、その時点から予め定められた時間(本実施形態では、20分)遡った期間内に対応する、対象とする全ての搬出入車両の位置情報を車両位置情報データベース13Cから読み出す。
【0066】
ステップ104で、CPU11は、読み出した位置情報が示す位置に、対応する建設現場における第1範囲70A~第4範囲70Dの少なくとも1つの範囲に位置するものがあるか否かを判定する。そして、CPU11は、この判定において否定判定となった場合はステップ126に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ106に移行する。
【0067】
ステップ106で、CPU11は、読み出した位置情報が示す位置に、対応する建設現場における第1範囲70Aに位置するものがあるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ112に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ108に移行する。
【0068】
ステップ108で、CPU11は、ステップ106の処理において第1範囲70Aに位置すると判定された搬出入車両が予め定められた時間(本実施形態では、15分)以上、予め定められた距離(本実施形態では、20m)以上移動していないか否かを判定する。そして、CPU11は、この判定において否定判定となった場合はステップ112に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ110に移行する。
【0069】
ステップ110で、CPU11は、予め定められた第1アラートを、対応する搬出入車両の運転手が保持する運転手端末30、及び対応する搬出入ゲートを管理する管理者が保持するゲート管理者端末50に送信(出力)する。
【0070】
ステップ112で、CPU11は、読み出した位置情報が示す位置に、対応する建設現場における第2範囲70Bに位置するものがあるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ118に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ114に移行する。
【0071】
ステップ114で、CPU11は、ステップ112の処理において第2範囲70Bに位置すると判定された搬出入車両が、対応する搬出入ゲートへの侵入が可能な状態となっているか否かを判定する。そして、CPU11は、この判定において否定判定となった場合はステップ118に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ116に移行する。
【0072】
なお、本実施形態では、上記搬出入車両が対応する搬出入ゲートへの侵入が可能な状態となっているか否かを、上記搬出入車両のエンジンが駆動しており、かつ、運転手が乗車しているか否かを判定することにより行っているが、これに限るものではない。例えば、上記搬出入車両のエンジンが駆動しているか、又は、運転手が乗車しているか否かを判定することにより、上記搬出入車両が対応する搬出入ゲートへの侵入が可能な状態となっているか否かを判定する形態としてもよい。この形態において、搬出入車両のエンジンが駆動しており、かつ、運転手が乗車しているか否かの判定は、運転手端末30による、従来既知の音声認識技術によって行う形態や、搬出入車両のECU(Electronic Control Unit)と、運転手端末30のCPU31とが通信を行うことで判定する形態等を例示することができる。
【0073】
ステップ116で、CPU11は、予め定められた第2アラートを、対応する搬出入ゲートを管理する管理者が保持するゲート管理者端末50に送信(出力)する。
【0074】
ステップ118で、CPU11は、読み出した位置情報が示す位置に、対応する建設現場における第3範囲70Cに位置するものがあるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ122に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ120に移行する。
【0075】
ステップ120で、CPU11は、予め定められた第3アラートを、対応する搬出入ゲートを管理する管理者が保持するゲート管理者端末50に送信(出力)する。
【0076】
ステップ122で、CPU11は、読み出した位置情報が示す位置に、対応する建設現場における第4範囲70Dに位置するものがあるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ126に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ124に移行する。
【0077】
ステップ124で、CPU11は、予め定められた第4アラートを、対応する搬出入ゲートを管理する管理者が保持するゲート管理者端末50に送信(出力)する。
【0078】
ステップ126で、CPU11は、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ102に戻る一方、肯定判定となった時点で本管理処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、上述した予め定められた時間帯における終了時刻となったタイミングを適用しているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
【0079】
次に、
図7~
図11を参照して、本実施形態に係るゲート端末処理を実行する場合のゲート管理者端末50の作用を説明する。
図7は、本実施形態に係るゲート端末処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
ゲート管理者端末50のCPU51がゲート端末処理プログラム53Aを実行することによって、
図7に示すゲート端末処理が実行される。
図7に示すゲート端末処理は、管理サーバ10から、上述した第1アラート~第4アラートの何れかのアラートを受信した場合に実行される。
【0081】
図7のステップ200で、CPU51は、管理サーバ10から第1アラートを受信したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ206に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ202に移行する。
【0082】
ステップ202で、CPU51は、予め定められた構成とされた第1アラート画面を表示するように表示部55を制御し、ステップ204で、CPU51は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図8には、本実施形態に係る第1アラート画面の構成の一例が示されている。
【0083】
図8に示すように、本実施形態に係る第1アラート画面では、駐車禁止区域への予め定められた時間(本実施形態では、15分)以上の駐車が確認された旨のメッセージが表示される。また、本実施形態に係る第1アラート画面では、対応する搬出入車両に関する、当該搬出入車両の識別情報(
図8に示す例では、「協力会社・職長」、「予約情報」、「運転手」の各情報)と、当該搬出入車両の運転手の連絡先(
図8に示す例では、「運転手電話番号」)と、当該搬出入車両の位置情報(
図8に示す例では、「駐車検知位置」)とを含む各種情報が表示される。従って、管理サーバ10には、これらの情報がデータベースとして登録されており、当該情報を利用する。
【0084】
図8に示される第1アラート画面が表示部55に表示されると、対応する管理者は、表示内容を把握した後、入力部54を介して終了ボタン55Aを指定する。管理者によって終了ボタン55Aが指定されると、ステップ204が肯定判定となってステップ206に移行する。
【0085】
ステップ206で、CPU51は、管理サーバ10から第2アラートを受信したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ212に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ208に移行する。
【0086】
ステップ208で、CPU51は、予め定められた構成とされた第2アラート画面を表示するように表示部55を制御し、ステップ210で、CPU51は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図9には、本実施形態に係る第2アラート画面の構成の一例が示されている。
【0087】
図9に示すように、本実施形態に係る第2アラート画面では、対応する搬出入ゲートに進入可能な状態とされた搬出入車両が第2範囲70Bに存在することが確認された旨のメッセージが表示される。また、本実施形態に係る第2アラート画面では、対応する搬出入車両に関する、第1アラート画面と略同様の各種情報が表示される。
【0088】
図9に示される第2アラート画面が表示部55に表示されると、対応する管理者は、表示内容を把握した後、入力部54を介して終了ボタン55Aを指定する。管理者によって終了ボタン55Aが指定されると、ステップ210が肯定判定となってステップ212に移行する。
【0089】
ステップ212で、CPU51は、管理サーバ10から第3アラートを受信したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ218に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ214に移行する。
【0090】
ステップ214で、CPU51は、予め定められた構成とされた第3アラート画面を表示するように表示部55を制御し、ステップ216で、CPU51は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図10には、本実施形態に係る第3アラート画面の構成の一例が示されている。
【0091】
図10に示すように、本実施形態に係る第3アラート画面では、対応する搬出入ゲートに間もなく到着する搬出入車両があることが確認された旨のメッセージが表示される。また、本実施形態に係る第3アラート画面では、対応する搬出入車両に関する、第1アラート画面と略同様の各種情報が表示される。
【0092】
図10に示される第3アラート画面が表示部55に表示されると、対応する管理者は、表示内容を把握した後、入力部54を介して終了ボタン55Aを指定する。管理者によって終了ボタン55Aが指定されると、ステップ216が肯定判定となってステップ218に移行する。
【0093】
ステップ218で、CPU51は、管理サーバ10から第4アラートを受信したか否かを判定し、否定判定となった場合は本ゲート端末処理を終了する一方、肯定判定となった場合はステップ220に移行する。
【0094】
ステップ220で、CPU51は、予め定められた構成とされた第4アラート画面を表示するように表示部55を制御し、ステップ222で、CPU51は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図11には、本実施形態に係る第4アラート画面の構成の一例が示されている。
【0095】
図11に示すように、本実施形態に係る第4アラート画面では、指定した待機場所で搬出入車両が確認された旨のメッセージが表示される。また、本実施形態に係る第4アラート画面では、対応する搬出入車両に関する、第1アラート画面と略同様の各種情報が表示される。
【0096】
図11に示される第4アラート画面が表示部55に表示されると、対応する管理者は、表示内容を把握した後、入力部54を介して終了ボタン55Aを指定する。管理者によって終了ボタン55Aが指定されると、ステップ222が肯定判定となって本ゲート端末処理を終了する。
【0097】
以上のゲート端末処理により、搬出入ゲートの管理者は、第1範囲70A~第4範囲70Dの各範囲に存在する搬出入車両を把握することができるので、当該搬出入車両が存在する範囲に応じた行動を行うことができる。例えば、管理者は、駐車禁止区域に搬出入車両が存在する場合には、当該搬出入車両の運転手に対して、当該駐車禁止区域からの退去を指示する等といったことを行う。この際、管理者は、第1アラート画面によって運転手の連絡先も把握しているため、搬出入車両が駐車している位置まで出向くことなく、当該連絡先を用いて上記指示等を行うことができる。
【0098】
次に、
図12~
図13を参照して、本実施形態に係る運転手端末処理を実行する場合の運転手端末30の作用を説明する。
図12は、本実施形態に係る運転手端末処理の一例を示すフローチャートである。
【0099】
運転手端末30のCPU31が運転手端末処理プログラム33Aを実行することによって、
図12に示す運転手端末処理が実行される。
図12に示す運転手端末処理は、管理サーバ10から、上述した第1アラートを受信した場合に実行される。
【0100】
図12のステップ300で、CPU31は、予め定められた構成とされた車両用アラート画面を表示するように表示部35を制御し、ステップ302で、CPU31は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図13には、本実施形態に係る車両用アラート画面の構成の一例が示されている。
【0101】
図13に示すように、本実施形態に係る車両用アラート画面では、駐車禁止区域への予め定められた時間(本実施形態では、15分)以上の自身の搬出入車両の駐車が確認された旨のメッセージが表示される。また、本実施形態に係る車両用アラート画面では、上述した第1アラート画面と同様の、自身の搬出入車両に関する各種情報が表示される。但し、車両用アラート画面では、自車両そのものに関する情報(
図13に示す例では、「運転手」、「運転手電話番号」、及び「駐車検知位置」)は表示されない。
【0102】
図13に示される車両用アラート画面が表示部35に表示されると、運転手は、表示内容を把握した後、入力部34を介して終了ボタン35Aを指定する。運転手によって終了ボタン35Aが指定されると、ステップ302が肯定判定となって本運転手端末処理を終了する。
【0103】
以上の運転手端末処理により、駐車禁止区域に駐車している搬出入車両の運転手は、自身が駐車している位置が駐車禁止区域であることを認識することができる結果、当該駐車禁止区域から自車を待避させる等といったことができる。
【0104】
以上説明したように、本実施形態によれば、建設現場へ入場予定の搬出入車両の位置情報を逐次取得し、位置情報が建設現場の周辺の予め定められた範囲内であることを判定し、当該判定の結果に応じてユーザが保持する端末にアラートを出力している。従って、建設現場の周辺での搬出入車両の待機時間を抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、予め定められた範囲を、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域とし、ユーザを、搬出入車両を運転する運転手、及び搬出入車両が建設現場への入場に利用する搬出入ゲートの管理者の少なくとも一方を含むものとしている。従って、適用したユーザに対して、搬出入車両が駐車禁止区域又は駐停車禁止区域に存在することを警告することができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、搬出入車両の位置情報が、所定時間以上、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域内である場合にアラートを端末に出力している。従って、状況に応じて、駐車禁止区域又は駐停車禁止区域での許容待機時間を調整することができる。
【0107】
また、本実施形態によれば、予め定められた範囲を、搬出入車両が建設現場への入場に利用する搬出入ゲートを境界として建設現場の外側の範囲で、かつ、搬出入車両が待機する範囲か、又は、上記外側の範囲で、かつ、搬出入ゲートからの距離が上記予め定められた範囲内の範囲とし、ユーザを、搬出入ゲートの管理者としている。従って、搬出入ゲートの管理者に対して、搬出入車両の待機場所、又は位置に応じた適切な行動を促すことができる。
【0108】
更に、本実施形態によれば、アラートに、搬出入車両の識別情報と、搬出入車両の運転手の連絡先と、搬出入車両の位置情報と、の少なくとも1つを含めている。従って、ユーザに対して、アラートに含めた情報を把握させることができる。
【0109】
なお、上記実施形態では言及しなかったが、第1範囲70A、第2範囲70B、及び第4範囲70Dの何れかの範囲に待機している搬出入車両が利用予定としている搬出入ゲートへの入場が可能となった場合に、管理サーバ10により、当該搬出入車両の運転手が保持する運転手端末30に対して、当該入場が可能となったことを通知する形態としてもよい。
【0110】
なお、この形態においては、搬出入ゲートが入場可能となったことの指定を、当該搬出入ゲートの管理者が行う形態としてもよい。また、管理サーバ10やゲート管理者端末50により、他の搬出入車両の当該搬出入ゲートを介した建設現場への入場が予定より早く行われた場合等に、自動的に上記通知を行う形態等としてもよい。これらの形態により、運転手は、自身が運転する搬出入車両が、対応する搬出入ゲートから入場可能となったことを把握することができ、この結果として、当該搬出入車両を当該搬出入ゲートに誘導することができる。
【0111】
また、この形態において、管理サーバ10やゲート管理者端末50により、上記入場可能となる時刻(本発明の「入場可能時刻」に相当。)を、対応する運転手端末30に対して更に通知する形態としてもよい。この形態によれば、運転手は、自身が運転する搬出入車両が、対応する搬出入ゲートから入場可能となる時刻を把握することができ、この結果として、当該搬出入車両を、効果的に当該搬出入ゲートに誘導することができる。
【0112】
なお、これらの通知の方法としては、プッシュ通知及びプル通知の何れも適用可能であることは言うまでもない。
【0113】
また、上記実施形態では、第1アラート~第4アラートの各アラートを対象とする端末に送信する方法としては特に言及しなかったが、各アラートの送信方法としては、電子メールによる送信やプッシュ通知による送信、プル通知による送信等の各種送信方法を適用することができる。
【0114】
また、上記実施形態では、各アラートを受信した端末が、第1アラート画面~第4アラート画面、及び車両用アラート画面の各画面により対応する情報を表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、音声再生装置による音声によってアラートを提示する形態や、画像形成装置による印刷によってアラートを提示する形態としてもよい。また、搬出入ゲートの管理者にアラートを送信する形態については、当該搬出入ゲートの付近にパトランプを設けておき、当該パトランプを鳴動させる形態としてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、各アラートを、対応する搬出入車両の運転手や搬出入ゲートの管理者に送信する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、これらの運転手や管理者に加えて、管理サーバ10の管理者や、協力会社の担当者等に各アラートを送信する形態としてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、第2範囲70B、第3範囲70C、及び第4範囲70Dを対象として搬出入車両が位置している場合には、対応する範囲に当該搬出入車両が進入次第、即座にアラートを出力する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、対応する範囲に進入した時点から予め設定した時間が経過した場合にアラートを出力する形態としてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、管理サーバ10において管理処理を実行する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、運転手端末30又はゲート管理者端末50の何れか一方によって管理処理を実行する形態としてもよいし、管理サーバ10、運転手端末30、及びゲート管理者端末50が連携して、管理処理における各処理を分担して実行する形態としてもよい。
【0118】
また、上記実施形態では言及しなかったが、第1範囲70A、第2範囲70B、及び第4範囲70Dに位置している搬出入車両の運転手が保持する運転手端末30に対して、建設現場に予め設けられた工事車両駐車ヤードに誘導する地図を表示させる形態としてもよい。
【0119】
また、上記実施形態において、例えば、取得部11A、出力部11B、送受信部31A、表示制御部31B、送受信部51A、及び表示制御部51Bの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0120】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0121】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0122】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0123】
10 管理サーバ
11 CPU
11A 取得部
11B 出力部
12 メモリ
13 記憶部
13A 管理プログラム
13B 範囲情報データベース
13C 車両位置情報データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
30 運転手端末
31 CPU
31A 送受信部
31B 表示制御部
32 メモリ
33 記憶部
33A 運転手端末処理プログラム
34 入力部
35 表示部
35A 終了ボタン
36 媒体読み書き装置
37 記録媒体
38 無線通信部
39 位置検出部
50 ゲート管理者端末
51 CPU
51A 送受信部
51B 表示制御部
52 メモリ
53 記憶部
53A ゲート端末処理プログラム
54 入力部
55 表示部
55A 終了ボタン
56 媒体読み書き装置
57 記録媒体
58 無線通信部
70A 第1範囲
70B 第2範囲
70C 第3範囲
70D 第4範囲
80 ネットワーク
82 現場領域
90 管理システム