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特開2024-171654照明演出システム、照明演出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171654
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】照明演出システム、照明演出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20241205BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20241205BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241205BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/13
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088782
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】向 健二
【テーマコード(参考)】
3K273
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
3K273PA04
3K273QA13
3K273QA15
3K273QA30
3K273RA03
3K273RA04
3K273RA06
3K273RA07
3K273RA08
3K273RA17
3K273SA02
3K273SA19
3K273SA21
3K273SA37
3K273SA40
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA28
3K273TA31
3K273TA46
3K273TA57
3K273TA75
3K273UA16
3K273UA22
3K273UA23
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】人に適した照射対象の誘目性を高めることができる照明演出システム等を提供する。
【解決手段】照明演出システム1は、店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に光を照射する照明照射部11と、照明照射部11の近辺の人を検知する人検知部12と、人検知部12が検知した人に関する情報を取得し、取得した人に関する情報に基づいて、照明照射部11が光を照射するために、当該人に適した照射対象を抽出する制御部13とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に光を照射する照明照射部と、
前記照明照射部の近辺の人を検知する人検知部と、
前記人検知部が検知した人に関する情報を取得し、取得した前記人に関する情報に基づいて、前記照明照射部が光を照射するために、当該人に適した照射対象を抽出する制御部とを備える
照明演出システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記人に関する情報に基づいて、抽出した照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
請求項1に記載の照明演出システム。
【請求項3】
前記人に関する情報は、前記人検知部が検知した人の属性情報を含み、
前記制御部は、前記属性情報に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
請求項1に記載の照明演出システム。
【請求項4】
前記属性情報は、年齢、性別、身長、体重、着用品、所持品、および、検知した人が集団の場合は集団構成のうちの少なくとも1つを含む
請求項3に記載の照明演出システム。
【請求項5】
前記人に関する情報は、前記人検知部が検知した人の顧客情報を含む
請求項1に記載の照明演出システム。
【請求項6】
前記顧客情報は、購買履歴、会員情報、嗜好、および、生活パターンのうちの少なくとも1つを含み、
前記制御部は、前記顧客情報に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
請求項5に記載の照明演出システム。
【請求項7】
前記顧客情報は、前記人検知部に検知された人が公開している情報を含み、
前記制御部は、前記人が公開している情報を、ネットワークを介して検索し、検索した結果に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
請求項5に記載の照明演出システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記店舗が保有しているデータベースから前記顧客情報に示される人を検索し、検索した結果に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
請求項5または6に記載の照明演出システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記顧客情報に示される人が公開している情報と、前記店舗が保有しているデータベースに含まれる前記顧客情報に示される人の情報とに基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
請求項5または6に記載の照明演出システム。
【請求項10】
前記人検知部は、前記照明照射部が照射する光または前記照明照射部が照射する光の照射対象である第1照射対象に光を照射した後の人の様子を検知し、
検知した人の様子に基づいて前記第1照射対象と別の第2照射対象を抽出する
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明演出システム。
【請求項11】
前記人に関する情報は、前記人検知部が検知した人の視界を示す情報をさらに含み、
前記制御部は、人の視界に存在する1以上の照射対象から当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
請求項1~6のいずれか1項に記載の照明演出システム。
【請求項12】
店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に照明照射部が光を照射することと、
前記照明照射部の近辺の人を人検知部が検知することと、
前記人検知部が検知した人に関する情報を取得し、取得した前記人に関する情報に基づいて、前記照明照射部が光を照射するために、当該人に適した照射対象を抽出することとを含む
照明演出方法。
【請求項13】
請求項12に記載の照明演出方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明演出システム、照明演出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アイキャッチのために店舗等の照明空間を演出照明する照明システム及び照明装置の制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-56009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、同一の照射対象に対して光を照射するため、人に適した照射対象の誘目性を高め難いという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、人に適した照射対象の誘目性を高めることができる照明演出システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明演出システムは、店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に光を照射する照明照射部と、前記照明照射部の近辺の人を検知する人検知部と、前記人検知部が検知した人に関する情報を取得し、取得した前記人に関する情報に基づいて、前記照明照射部が光を照射するために、当該人に適した照射対象を抽出する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の照明演出システムは、人に適した照射対象の誘目性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る照明演出システムを示すブロック図である。
図2図2は、検知した人に適した照射対象に照明照射部が光を照射する様子を示す図である。
図3図3は、検知した人に適した照射対象に照明照射部が光を照射する様子を示す別の図である。
図4図4は、実施の形態に係る照明演出システムの処理動作を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態の変形例1に係る照明演出システムを示すブロック図である。
図6図6は、実施の形態の変形例1の動作例1に係る照明演出システムの処理動作を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態の変形例1の動作例2に係る照明演出システムの処理動作を示すフローチャートである。
図8図8は、実施の形態の変形例1の動作例3に係る照明演出システムの処理動作を示すフローチャートである。
図9図9は、実施の形態の変形例2に係る照明演出システムの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
【0010】
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されてはいない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
(実施の形態)
<構成及び機能>
以下、図1図3を参照し、実施の形態に係る照明演出システム1について説明する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る照明演出システム1を示すブロック図である。図2は、検知した人に適した照射対象に照明照射部11が光を照射する様子を示す図である。図3は、検知した人に適した照射対象に照明照射部11が光を照射する様子を示す別の図である。
【0013】
図1に示すように、照明演出システム1は、店舗又は店舗近辺の構造体に設けられている。店舗は、不特定多数の人が訪問することで、人が直接的に物品を購入したり、人がサービスの提供を受けたり、人が設備を利用したりするための施設である。本実施の形態では、主に、施設内に設けられている店舗を例示している。施設は、ビル、駅、ショッピングセンター等の建築物である。また、店舗近辺の構造体は、店舗外つまり室外(部屋の外)に設けられている、照明演出システム1を設置するための台、支柱、壁、床及び天井等である。
【0014】
照明演出システム1では、店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に光を照射する。これにより、照明演出システム1では、照明照射部11から出射する光の照明態様を調節することによって、人の目を引くことができる。例えば、照明演出システム1では、光の明るさを変化させたり、光の色味を変化させたりするように光を遷移させることで、照射対象を目立たせて、人の目を引かせることが期待できる。なお、本実施の形態では、店舗における床、壁、天井、および、商品を総称して照射対象と呼ぶことがある。
【0015】
また、照明演出システム1では、照明照射部11が照射対象に照射する光には、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方が含まれていてもよい。この場合、照明演出システム1は、照明照射部11が照射対象に照射した光によって、文字情報、及び、画像情報のうちの少なくとも一方を表示させることができる。
【0016】
図1及び図2に示すように、照明演出システム1は、人検知部12と、記憶部15と、制御部13と、照明照射部11と、電源部14とを備えている。
【0017】
人検知部12は、照明照射部11の近辺の人を検知する。人検知部12は、例えば、カメラセンサ等の撮像部、人感センサ、赤外線センサ、温度センサ、および、顔認証可能なセンサ等である。近辺の人は、例えば、人検知部12又は照明照射部11から数m以内、数十m以内に存在している周囲の人であり、店舗の内または店舗の外であってもよい。
【0018】
人検知部12は、店舗の近辺に存在する人を検知すると、検知した人に関する情報を制御部13へ出力する。以下では、人に関する情報は、人検知情報という。
【0019】
人検知情報には、さらに、人検知部12が検知した人の視界、つまり人の視界を示す情報が含まれていてもよい。人検知部12が人の頭部の向きまたは視線を検知することで、人の視界を推定してもよい。
【0020】
また、人検知情報には、人の身体の動き、人の進行方向、人の進行速度等が含まれていてもよい。人の身体の動きは、例えば人の腕、指、脚、頭部等の位置および向きといった人の姿勢、人の腕、指、脚、頭部等の動作である。人の進行方向は、人が歩行している方向である。
【0021】
また、人検知情報は、人検知部12が検知した人である被検知者の属性情報を含む。属性情報は、年齢、性別、身長、体重、着用品、所持品、および、検知した人が集団の場合は集団構成のうちの少なくとも1つを含む。なお、検知した集団の服装が同じ場合、持ち物が同じ場合、手を繋いだりしている場合、集団が互いに近い距離に存在し、同様の歩調で同様の方向に進んでいる場合等であれば、人検知部12は、複数の被検知者を集団として検知する。
【0022】
また、人検知情報は、被検知者の顧客情報を含む。顧客情報は、購買履歴、会員情報、嗜好、および、生活パターンのうちの少なくとも1つを含む。また、顧客情報には、被検知者が公開している情報と、店舗が管理しているデータベースに保存されている被検知者の登録情報および購買履歴とが存在する。被検知者が公開している情報は、SNS(Social Networking Service)等へ被検知者が自ら発信している情報である。店舗が管理しているデータベースに保存されている被検知者の登録情報は、被検知者が店舗に対してユーザ登録を行うことで、被検知者を特定可能な情報である。店舗が管理しているデータベースに保存されている被検知者の購買履歴は、被検知者が店舗で購入した商品と、被検知者が店舗で提供されたサービスとを示す履歴である。なお、人検知部12は、被検知者が公開している情報を検索したり、データベースから取得したりすることで、顧客情報を得ることができる。
【0023】
店舗に配置されている全ての照射対象の名称、全ての照射対象のID、全ての照射対象の位置、全ての照明照射部11の位置、照射方向および性能等を含む照射対象情報は、記憶部15に記憶されている。記憶部15は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよく、特に限定されることなく公知の情報記憶の手段を用いることができる。
【0024】
制御部13は、人検知部12が検知した人検知情報に基づいて、照明照射部11の照明態様を制御することができる。つまり、制御部13は、照明照射部11に対して制御情報を出力することで、照明照射部11の照明態様を制御することができる。また、照明演出システム1が複数の照明照射部11を備えている場合、制御部13は、複数の照明照射部11を個別に又は一括して制御することができる。
【0025】
また、制御部13は、複数の照明照射部11を制御することで、所定の照明態様となるような演出をすることができる。具体的には、制御部13は、人検知部12から人検知情報を取得し、取得した人検知情報に基づいて、当該被検知者に適した照射対象を複数の照射対象から抽出する。制御部13は、抽出した照射対象に対し、人検知情報に基づいて、照明照射部11が照射する光を設定(照明態様を変更)する。
【0026】
例えば、制御部13は、被検知者の視界に存在する1以上の照射対象から、被検知者の属性情報または顧客情報に基づいて、照明照射部11が照射するための被検知者に適した照射対象を、照射対象情報から抽出する。
【0027】
具体的には、属性情報を用いる場合、制御部13は、年齢、性別、身長、体重、着用品、所持品、および、集団構成のうちの少なくとも1つから被検知者の好みを分析して推定することで、被検知者に適した照射対象を照射対象情報から抽出することができる。例を挙げると、被検知者が高齢者である場合、履きやすい好みの靴を抽出する等、制御部13は、年齢に適した商品を照射対象情報から抽出することができる。また、制御部13は、性別に応じた商品、身長または体重といった被検知者の身体の大きさに応じた商品を照射対象情報から抽出することができる。また、制御部13は、所持品から被検知者の好みを分析して推定し、被検知者の好みに応じた商品を照射対象情報から抽出することができる。また、学生、家族、サークル団体等の集団構成においては、制御部13は、それぞれの集団構成に好ましい商品を照射対象情報から抽出することができる。
【0028】
具体的には、顧客情報を用いる場合、制御部13は、購買履歴、会員情報、嗜好、および、生活パターンのうちの少なくとも1つから被検知者の好みを分析して推定することで、被検知者に適した照射対象を、照射対象情報から抽出することができる。例を挙げると、制御部13は、被検知者にある商品の購買履歴が存在すれば、同一または類似する商品を抽出することができる。また、制御部13は、被検知者の嗜好から、被検知者の好みに応じた商品を抽出することができる。また、制御部13は、被検知者の生活パターンに応じた商品を抽出することができる。
【0029】
次に、制御部13は、抽出した照射対象に対し、被検知者の属性情報または顧客情報に基づいて、照明照射部11が照射する光を設定する。ここで、照射する光を設定するとは、照明態様を変更することを含む。照明態様を変更するとは、光の照射方向、明るさ、色合い、および、照射範囲のうちの少なくとも1つを変更することである。光の照射範囲を変更するとは、照射面積の大きさ、照射領域の形状、および、照射位置のうちの少なくとも1つを変更することである。
【0030】
具体的には、制御部13は、属性情報を用いる場合、年齢、性別、身長、体重、着用品、所持品、および、集団構成のうちの少なくとも1つから分析して推定した被検知者の好みに応じた光、つまり被検知者に適した光を設定する。例を挙げると、制御部13は、ある年齢に好まれる光の明るさ、色合い、および、照射範囲等を設定したり、性別に応じて好まれる光の明るさ、色合い、および、照射範囲等を設定したりすることができる。また、制御部13は、身長または体重といった被検知者の大きさに応じて、光が照射された商品を認識し易いように、光の照射方向、明るさ、色合い、および、照射範囲を設定することができる。また、制御部13は、所持品から分析した被検知者の好みに応じて、光の明るさ、色合い、および、照射範囲を設定することができる。また、集団構成においては、制御部13は、それぞれの集団構成に適した光の明るさ、色合い、照射範囲を設定することができる。
【0031】
具体的には、顧客情報を用いる場合、制御部13は、購買履歴、嗜好、および、生活パターンのうちの少なくとも1つから分析して推定した被検知者の好みから、被検知者に適した光を設定する。例を挙げると、制御部13は、被検知者の購買履歴から推定した被検知者が好む光の明るさ、色合い、および、照射範囲等を設定することができる。また、制御部13は、被検知者の嗜好から推定した被検知者が好む光の明るさ、色合い、および、照射範囲等を設定することができる。また、制御部13は、被検知者の生活パターンから推定した被検知者が好む光の明るさ、色合い、および、照射範囲等を設定することができる。
【0032】
つまり、制御部13は、照射対象を抽出した場合、照射対象情報から光を照射する照明照射部11を設定し、抽出した照射対象に対して設定した照明照射部11から光を照射させる。
【0033】
また、制御部13は、被検知者の視界に存在する照射対象において、照明照射部11が照射する光を設定する。つまり、制御部13は、被検知者の視界に存在する1以上の照射対象を照射対象情報から抽出し、抽出した照射対象に対し、人検知情報に基づいて照明照射部11が照射する光を設定する。これにより、制御部13は、被検知者の視界が変化しても、変化後の被検知者の視界に存在する照射対象に設定した光が照射されるように、照明照射部11を制御できる。また、照明照射部11は、被検知者の視界に存在する1以上の照射対象に設定した光を照射できる。
【0034】
また、制御部13は、人検知情報に含まれる、被検知者の身体の動き、被検知者の進行方向、被検知者の進行速度等に基づいて、照明照射部11が照射する光を設定する。つまり、制御部13は、被検知者の身体の動き、被検知者の進行方向、被検知者の進行速度等に基づいて、照射対象を照射対象情報から抽出し、抽出した照射対象に照明照射部11が照射する光を設定する。例えば、被検知者が商品を手に取った場合、制御部13は、被検知者が手に取った商品と関連する照射対象を照射対象情報から抽出し、照射対象情報から光を照射する照明照射部11を設定する。そして、制御部13は、設定した照明照射部11が抽出した照射対象に対して照射する光を人検知情報に基づいて設定する。
【0035】
照明照射部11は、店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に光を照射する。また、照明照射部11は、照射対象だけでなく、照射対象の周囲に光を照射することもできる。
【0036】
また、照明照射部11は、調光機能、および、調色機能を備えている。照明照射部11は、制御信号に基づいて、照射対象に照射する光を調光、および、調色することができる。照明照射部11は、照射対象に照射される光の明るさ、色味、相関色温度、演色性、光に含まれる陰影のコントラスト、光の形状、光の大きさ、光の動きの速さ等を変化させることができる。
【0037】
例えば、照明照射部11は、取得した制御信号に応じた照明態様で点灯する。例えば、照明照射部11は、調光機能として、照明照射部11の発光モジュールが出射する光の明るさを複数の段階に分けて調節することで、出射する光の明るさを暗くしたり、明るくしたりすることができる。このため、照明照射部11は、出射する光の明暗を周期的に揺らがせることができる。
【0038】
また、照明照射部11は、調色機能として、電球色等の低い色温度から温白色、昼白色又は昼光色等の高い色温度までの白色光を発することができる。つまり、照明照射部11は、出射する光の色合いを周期的に揺らがせることができる。例えば、照明照射部11は、出射する光の赤みを増したり赤みを減らしたりすることを繰り返すように、周期的に色温度を変更することができる。このため、照明照射部11は、出射する光の色合いを周期的に変更することができる。
【0039】
また、照明照射部11は、制御部13に制御されることで、照射位置を変更することができる。つまり、照明照射部11は、制御部13に制御されることで、動的な光を抽出された照射対象へ照射させることができる。動的な光は、経時的に出力(光度又は照度)が変化する光、経時的に色合い(色温度)が変化する光、経時的に照射位置が変化する光である。
【0040】
また、照明照射部11は、例えば施設内に設置される屋内照明装置等である。複数の照明照射部11は、複数の照射対象と一対一となるように、構造体に配置されていてもよく、1つの照射対象に対して2以上の照明照射部11が光を照射できるように、複数の照明照射部11が構造体に配置されていてもよい。また、2以上の照射対象に対して1つの照明照射部11が光を照射できるように、複数の照明照射部11が構造体に配置されていてもよい。
【0041】
このように、複数の照明照射部11のそれぞれは、出力した光を異なる個所に光を照射できたり、同様の個所に光を照射できたりするように配置されている。
【0042】
また、照明照射部11は、発光モジュール、および、発光制御回路等で構成される。発光モジュールは、複数のLED(Light Emitting Diode)素子が実装されたLEDモジュールである。複数のLED素子のそれぞれは、赤色LEDチップ、青色LEDチップ、及び、緑色LEDチップを含んでいる。なお、照明照射部11は、半導体レーザ、有機EL(Electro-Luminescence)、又は、無機EL等の他の発光素子によって実現されてもよい。
【0043】
電源部14は、複数の照明照射部11、人検知部12、および、制御部13等に電力を供給する機能を有する。電源部14は、例えば、プリント基板に複数の電子部品が実装された電源回路である。電源部14は、例えば、複数の照明照射部11のそれぞれを発光させるための駆動電力を生成する。具体的には、電源部14は、照明照射部11を発光させるための駆動電力を生成し、この駆動電力をそれぞれの照明照射部11に供給する。これにより、照明照射部11が光を照射できる。
【0044】
<処理動作>
次に、図4を参照し、本実施の形態における照明演出システム1の処理動作について説明する。
【0045】
図4は、実施の形態に係る照明演出システム1の処理動作を示すフローチャートである。
【0046】
まず、人検知部12は、照明照射部11の近辺の人を検知することで、検知した被検知者の人検知情報を取得する(S11)。人検知部12は、店舗の近辺に存在する人を検知すると、検知した人検知情報を制御部13へ出力する。
【0047】
次に、制御部13は、人検知部12が検知した人検知情報を取得し、取得した人検知情報に基づいて、当該人に適した照射対象を照射対象情報から抽出する(S12)。このとき、制御部13は、人検知情報に基づいて、被検知者の視界に存在する照射対象を照射対象情報から抽出する。
【0048】
次に、制御部13は、抽出した照射対象に対して、光を照射可能な照明照射部11を照射対象情報から抽出する。制御部13は、抽出した照射対象に対し、人検知情報に基づいて抽出した照明照射部11が照射する光を設定する。これにより、制御部13が、設定した照明照射部11から光を照射させるように照明照射部11を制御することで、照明照射部11は、設定した光を抽出した照射対象に照射する(S13)。そして、処理動作を終了する。
【0049】
例えば、図2に示すように、人検知部12が検知した被検知者の服装に猫の模様が示されている場合、制御部13は、人検知情報として被検知者の服装の模様から、被検知者の好みが「猫」であると分析することで、照射対象情報から「猫」に関連する商品である「猫の置物」を照射対象として抽出する。また、制御部13は、抽出した照射対象に対して光を照射可能な照明照射部11を照射対象情報から抽出する。制御部13は、抽出した「猫」に関連する商品を照射対象とし、人検知情報に基づいてその照射対象に対して照明照射部11が照射する光を設定する。つまり、制御部13は、抽出した「猫」に関連する商品に、被検知者が好む光を設定する。これにより、照明照射部11は、「猫の置物」に被検知者が好む光を照射する。
【0050】
例えば、図3に示すように、人検知部12が集団構成として家族を検知した場合、制御部13は、人検知情報として家族が興味を持つ子供向けのデザイン商品を分析することで、照射対象情報から「車の絵が描かれた服」を照射対象として抽出する。また、制御部13は、抽出した照射対象に対して光を照射可能な照明照射部11を照射対象情報から抽出する。制御部13は、抽出した「車の絵が描かれた服」を照射対象とし、人検知情報に基づいてその照射対象に対して照明照射部11が照射する光を設定する。つまり、制御部13は、抽出した「車の絵が描かれた服」に、被検知者が好む光を設定する。これにより、照明照射部11は、「車の絵が描かれた服」に被検知者が好む光を照射する。
【0051】
<作用効果>
次に、本実施の形態における照明演出システム1の作用効果について説明する。
【0052】
上述したように、本実施の形態に係る照明演出システム1は、店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に光を照射する照明照射部11と、照明照射部11の近辺の人(被検知者)を検知する人検知部12と、人検知部12が検知した人に関する情報を取得し、取得した人に関する情報に基づいて、照明照射部11が光を照射するために、当該人に適した照射対象を抽出する制御部13とを備える。
【0053】
これによれば、被検知者に適した照射対象を抽出することができるため、抽出した照射対象に対して光が照射される。
【0054】
したがって、被検知者に適した照射対象の誘目性を高めることができる。
【0055】
特に、従来の技術では、同一の商品に対して光を照射するだけであるため、被検知者に薦めたい商品が店舗に存在している場合、商品を薦めるための人員を店舗に配置しなければならなくなる。
【0056】
しかしながら、本実施の形態によれば、被検知者に適した照射対象に光を照射することができるため、被検知者に薦めたい商品に光を照射することができる。その結果、店舗に配置する人員の増大を抑制することができるため、店舗経営における固定費の増大を抑制することができる。
【0057】
また、被検知者に薦めたい商品に光を照射することで、自動的に、被検知者に対して購買機会を提供することができる。このため、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0058】
また、本実施の形態に係る照明演出方法は、店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に照明照射部11が光を照射することと、照明照射部11の近辺の人(被検知者)を人検知部12が検知することと、人検知部12が検知した人に関する情報を取得し、取得した人に関する情報に基づいて、照明照射部11が光を照射するために、当該人(被検知者)に適した照射対象を抽出することとを含む。
【0059】
この方法によれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0060】
また、本実施の形態に係るプログラムは、照明演出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0061】
このプログラムによれば、上述と同様の作用効果を奏する。
【0062】
また、本実施の形態に係る照明演出システム1において、制御部13は、人に関する情報に基づいて、抽出した照射対象に対して照明照射部11が照射する光を設定する。
【0063】
これによれば、被検知者に適した光を設定し、抽出した照射対象に対して設定した光を照射することができる。その結果、照射対象の誘目性を高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0064】
また、本実施の形態に係る照明演出システム1において、人に関する情報は、人検知部12が検知した被検知者の属性情報を含む。そして、制御部13は、属性情報に基づいて、当該被検知者に適した照射対象を抽出し、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定する。
【0065】
これによれば、属性情報に基づいて被検知者に適した照射対象を抽出することができ、抽出した照射対象に対して光を照射することができる。また、属性情報に基づいて被検知者に適した光を設定し、抽出した照射対象に設定した光を照射することができる。その結果、照射対象の誘目性を高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0066】
また、本実施の形態に係る照明演出システム1において、属性情報は、年齢、性別、身長、体重、着用品、所持品、および、検知した人(被検知者)が集団の場合は集団構成のうちの少なくとも1つを含む。
【0067】
これによれば、年齢、性別、身長、体重、着用品、所持品、および、集団構成のうちの少なくとも1つに基づいて被検知者に適した光に設定し、抽出した照射対象に設定した光を照射することができる。その結果、照射対象の誘目性をより高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0068】
また、本実施の形態に係る照明演出システム1において、人に関する情報は、人検知部12が検知した被検知者の顧客情報を含む。
【0069】
これによれば、顧客情報に基づいて被検知者に適した光に設定し、抽出した照射対象に設定した光を照射することができる。その結果、照射対象の誘目性をより高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0070】
また、本実施の形態に係る照明演出システム1において、顧客情報は、購買履歴、会員情報、嗜好、および、生活パターンのうちの少なくとも1つを含む。そして、制御部13は、顧客情報に基づいて、当該被検知者に適した照射対象を抽出し、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定する。
【0071】
これによれば、購買履歴、嗜好、および、生活パターンのうちの少なくとも1つに基づいて被検知者に適した光に設定し、抽出した照射対象に設定した光を照射することができる。その結果、照射対象の誘目性をより高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0072】
また、本実施の形態に係る照明演出システム1において、人に関する情報は、人検知部12が検知した被検知者の視界を示す情報を含む。そして、制御部13は、被検知者の視界に存在する1以上の照射対象から当該被検知者に適した照射対象を抽出し、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定する。
【0073】
これによれば、被検知者の視界に存在する照射対象を抽出して光を照射することができるため、照射対象の誘目性をより高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0074】
(実施の形態の変形例1)
本変形例では、被検知者(人)が公開している情報、および、店舗が保有しているデータベースの顧客情報の少なくとも一方を用いる点で実施の形態と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0075】
本変形例の顧客情報は、さらに、被検知者が公開している情報を含んでいる。被検知者が公開している情報は、被検知者が自らSNS等に公開しているプライベートな情報であり、検索履歴、SNSの発信履歴等である。
【0076】
本変形例では、照明演出システム1は、さらに情報取得部16を有している。
【0077】
例えば、被検知者が店舗のアプリケーションをインストールしているスマートフォン等の端末装置を所持している場合、情報取得部16は、被検知者の端末装置と通信することで、人検知部12が被検知者を特定可能なユーザ情報を取得する。
【0078】
制御部13は、情報取得部16からユーザ情報を取得すると、ユーザ情報から、被検知者が公開している情報を、ネットワークを介して検索することができる。制御部13は、検索した結果に基づいて、当該被検知者に適した照射対象を照射対象情報から抽出する。制御部13は、抽出した照射対象に対し、検索した結果に基づいて照明照射部11が照射する光を設定することができる。
【0079】
また、制御部13は、情報取得部16からユーザ情報を取得すると、店舗が保有しているデータベースからユーザ情報に対応する(被検知者に対応する)顧客情報を検索することができる。制御部13は、検索した結果に基づいて当該被検知者に適した照射対象を照射対象情報から抽出する。例えば、制御部13は、検索した結果に基づいて、被検知者の好みおよびサイズといった被検知者の特性を分析し、店舗が被検知者に薦めたい商品を照射対象情報から抽出する。制御部13は、抽出した商品に対し、検索した結果に基づいて照明照射部11が照射する光を設定することができる。
【0080】
また、制御部13は、顧客情報に示される被検知者が公開している情報と、店舗が保有しているデータベースに含まれる顧客情報とに基づいて、当該被検知者に適した照射対象を照射対象情報から抽出する。制御部13は、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定することができる。データベースに含まれる顧客情報は、購買履歴、会員情報、接客履歴、EC行動履歴、メール反応履歴等である。
【0081】
<処理動作>
次に、図6図8を参照し、本変形例における照明演出システム1の処理動作について説明する。
【0082】
図6は、実施の形態の変形例1の動作例1に係る照明演出システム1の処理動作を示すフローチャートである。図7は、実施の形態の変形例1の動作例2に係る照明演出システム1の処理動作を示すフローチャートである。図8は、実施の形態の変形例1の動作例3に係る照明演出システム1の処理動作を示すフローチャートである。
【0083】
図4と同様の処理については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0084】
(動作例1)
まず、図6に示すように、ステップS11を経て、情報取得部16は、被検知者が所持している端末装置と通信することで、被検知者を特定可能なユーザ情報を端末装置から取得する。このとき、端末装置には、店舗のアプリケーションが予めインストールされているものとする。制御部13は、情報取得部16が取得したユーザ情報を用いて、その被検知者が公開している情報を、ネットワークを介して検索する(S11a)。
【0085】
次に、制御部13は、被検知者が公開している情報を取得できると、当該情報から被検知者の好みを抽出し、抽出した被検知者の好みをから被検知者に適した照射対象を照射対象情報から抽出する(S12)。
【0086】
そして、ステップS13を経て、処理動作を終了する。
【0087】
(動作例2)
まず、図7に示すように、ステップS11を経て、情報取得部16は、被検知者が所持している端末装置と通信することで、被検知者を特定可能なユーザ情報を端末装置から取得する。このとき、端末装置には、店舗のアプリケーションが予めインストールされているものとする。制御部13は、情報取得部16が取得したユーザ情報を用いて、店舗が保有しているデータベースからユーザ情報に対応する顧客情報を検索する(S11b)。
【0088】
次に、制御部13は、顧客情報から被検知者の好みを抽出し、抽出した被検知者の好みから被検知者に適した照射対象を照射対象情報から抽出する(S12)。
【0089】
そして、ステップS13を経て、処理動作を終了する。
【0090】
(動作例3)
まず、図8に示すように、ステップS11、S11a、S11bを経て、制御部13は、顧客情報に示される被検知者が公開している情報と、店舗が保有しているデータベースに含まれる顧客情報に示されるその被検知者の情報とに基づいて、被検知者の好みを抽出し、抽出した被検知者の好みから被検知者に適した照射対象を照射対象情報から抽出する(S12)。
【0091】
そして、ステップS13を経て、処理動作を終了する。なお、ステップS11bを実行した後にステップS11aを実行してもよい。
【0092】
このような、本変形例に係る照明演出システム1において、顧客情報は、人検知部12に検知された人(被検知者)が公開している情報を含む。そして、制御部13は、人(被検知者)が公開している情報を、ネットワークを介して検索し、検索した結果に基づいて、当該人(被検知者)に適した照射対象を抽出し、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定する。
【0093】
これによれば、被検知者が公開している情報に基づいてその被検知者の好みを抽出することで、当該被検知者に適した照射対象を抽出することができる。これにより、制御部13は、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定することができる。その結果、照射対象の誘目性をより高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0094】
このような、本変形例に係る照明演出システム1において、制御部13は、店舗が保有しているデータベースから検知した人(被検知者)に対応する顧客情報を検索し、検索した結果に基づいて、当該人(被検知者)に適した照射対象を抽出し、抽出した照射対象に対して照明照射部11が照射する光を設定する。
【0095】
これによれば、店舗が保有している被検知者の情報に基づいてその被検知者の好みを抽出することで、当該被検知者に適した照射対象を抽出することができる。これにより、制御部13は、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定することができる。その結果、照射対象の誘目性をより高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0096】
このような、本変形例に係る照明演出システム1において、制御部13は、顧客情報に示される人(被検知者)が公開している情報と、店舗が保有しているデータベースに含まれる顧客情報に示される人(被検知者)の情報とに基づいて、当該人(被検知者)に適した照射対象を抽出し、抽出した照射対象に対して照明照射部11が照射する光を設定する。
【0097】
これによれば、被検知者が公開している情報と、店舗が保有している被検知者の情報に基づいて、より正確にその被検知者の好みを抽出することができるため、当該被検知者に適した照射対象を抽出することができる。これにより、制御部13は、抽出した照射対象に対して、照明照射部11が照射する光を設定することができる。その結果、照射対象の誘目性をより高めることができ、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0098】
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、照射対象から別の照射対象に変更する点で実施の形態と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0099】
本変形例の照明演出システム1は、抽出した照射対象(第1照射対象)から別の照射対象(第2照射対象)に変更することができる。
【0100】
具体的には、人検知部12は、照明照射部11が照射する光または照明照射部11が照射する光の照射対象である第1照射対象に光を照射した後の被検知者の様子を検知する。被検知者の様子は、被検知者の表情、会話、仕草等である。この場合、人検知部12は、例えば、カメラおよびマイク等であってもよい。照明演出システム1では、人検知部12が複数搭載されていてもよい。
【0101】
制御部13は、検知した被検知者の様子に基づいて第1照射対象と別の第2照射対象を抽出する。具体的には、制御部13は、被検知者の表情、会話、仕草等を分析し、第1照射対象が被検知者の好みであるか、つまり第1照射対象が被検知者に適しているか否かを判定する。例えば、制御部13は、被検知者の表情から、目線が別の方を向いている等のように興味を示しているか否かを分析する。また、制御部13は、被検知者の会話から、第1照射対象以外の会話をしている等のように興味を示しているか否かを分析する。また、制御部13は、被検知者の仕草から、第1照射対象以外の方向を指さしている等のように興味を示しているか否かを分析する。制御部13が興味を示していると判定した場合は、第1照射対象に対して光を照射し続ける。しかし、制御部13が興味を示してないと判定した場合は、次の候補として、制御部13は、第1照射対象と別の第2照射対象を抽出し、抽出した第2照射対象に対して照明照射部11が照射する光を設定する。第2照射対象は、第1照射対象と関連する照射対象である。関連するとは、照射対象の種類が類似したり、カテゴリが同じ場合であったりする。
【0102】
<処理動作>
次に、本変形例における照明演出システム1の処理動作について説明する。
【0103】
図9は、実施の形態の変形例2に係る照明演出システム1の処理動作を示すフローチャートである。
【0104】
図4と同様の処理については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0105】
まず、図9に示すように、人検知部12は、第1照射対象に光を照射した後の被検知者の様子を検知する(S21)。
【0106】
次に、制御部13は、被検知者の様子を分析し、第1照射対象が被検知者に適しているか否かを判定する(S22)。
【0107】
制御部13は、第1照射対象が被検知者に適していると判定した場合(S22でYES)、設定した光を抽出した第1照射対象に対して光の照射を継続する(S25)。そして、処理動作を終了する。
【0108】
一方、制御部13は、第1照射対象が被検知者に適していないと判定した場合(S22でNO)、つまり制御部13が興味を示してないと判定した場合は、次の候補として、第1照射対象と別の第2照射対象を照射対象情報から抽出する(S23)。
【0109】
次に、制御部13は、抽出した第2照射対象に対して、抽出した照明照射部11が照射する光を設定する。これにより、制御部13が、設定した光を照射させるように照明照射部11を制御することで、照明照射部11は、第1照射対象から設定した第2照射対象に照射する光を切替えるように、設定した光を抽出した第2照射対象に照射させる(S24)。つまり、照明照射部11は、第1照射対象に照射する光を消灯し、設定した第2照射対象に光を照射する。そして、処理動作を終了する。
【0110】
このような、本変形例に係る照明演出システム1において、人検知部12は、照明照射部11が照射する光または照明照射部11が照射する光の照射対象である第1照射対象に光を照射した後の人(被検知者)の様子を検知する。そして、検知した人(被検知者)の様子に基づいて第1照射対象と別の第2照射対象を抽出する。
【0111】
これによれば、第1照射対象が被検知者の好みでなくても、別の第2照射対象を抽出することができる。その結果、別の照射対象を提案することで、店舗経営における固定費の増大を抑制することができ、被検知者の購買意欲を増進させることが期待できる。
【0112】
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態等に限定されるものではない。
【0113】
例えば、実施の形態の変形例1における照明演出システムでは、情報取得部を有していなくてもよい。この場合、人検知部が店舗の近傍に存在する人を検知して顔認証してもよい。人検知部が顔認証することで、近傍に存在する人を特定することができる場合、制御部は、特定した人が公開している情報を、ネットワークを介して検索してもよい。
【0114】
また、上記実施の形態等における照明演出システムでは、人検知部から最も近い人に対してアピールするように、照射対象を抽出し、最も近い人が好むような光を照射対象に照射してもよい。
【0115】
また、本実施の形態における照明演出システム等に含まれる制御部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0116】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0117】
なお、上記実施の形態において、それぞれの構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、それぞれの構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。それぞれの構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0118】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
【0119】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0120】
また、フローチャートにおけるそれぞれのステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0121】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつくそれぞれの種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0122】
(付記)
以下に、上記実施の形態に基づいて説明した照明演出システム等の特徴を示す。
【0123】
<技術1>
店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に光を照射する照明照射部と、
前記照明照射部の近辺の人を検知する人検知部と、
前記人検知部が検知した人に関する情報を取得し、取得した前記人に関する情報に基づいて、前記照明照射部が光を照射するために、当該人に適した照射対象を抽出する制御部とを備える
照明演出システム。
【0124】
<技術2>
前記制御部は、前記人に関する情報に基づいて、抽出した照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
技術1に記載の照明演出システム。
【0125】
<技術3>
前記人に関する情報は、前記人検知部が検知した人の属性情報を含み、
前記制御部は、前記属性情報に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
技術1または2に記載の照明演出システム。
【0126】
<技術4>
前記属性情報は、年齢、性別、身長、体重、着用品、所持品、および、検知した人が集団の場合は集団構成のうちの少なくとも1つを含む
技術3に記載の照明演出システム。
【0127】
<技術5>
前記人に関する情報は、前記人検知部が検知した人の顧客情報を含む
技術1~4のいずれか1つに記載の照明演出システム。
【0128】
<技術6>
前記顧客情報は、購買履歴、会員情報、嗜好、および、生活パターンのうちの少なくとも1つを含み、
前記制御部は、前記顧客情報に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
技術5に記載の照明演出システム。
【0129】
<技術7>
前記顧客情報は、前記人検知部に検知された人が公開している情報を含み、
前記制御部は、前記人が公開している情報を、ネットワークを介して検索し、検索した結果に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
技術5に記載の照明演出システム。
【0130】
<技術8>
前記制御部は、前記店舗が保有しているデータベースから前記顧客情報に示される人を検索し、検索した結果に基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
技術5または6に記載の照明演出システム。
【0131】
<技術9>
前記制御部は、前記顧客情報に示される人が公開している情報と、前記店舗が保有しているデータベースに含まれる前記顧客情報に示される人の情報とに基づいて、当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
技術5または6に記載の照明演出システム。
【0132】
<技術10>
前記人検知部は、前記照明照射部が照射する光または前記照明照射部が照射する光の照射対象である第1照射対象に光を照射した後の人の様子を検知し、
検知した人の様子に基づいて前記第1照射対象と別の第2照射対象を抽出する
技術1~9のいずれか1つに記載の照明演出システム。
【0133】
<技術11>
前記人に関する情報は、前記人検知部が検知した人の視界を示す情報をさらに含み、
前記制御部は、人の視界に存在する1以上の照射対象から当該人に適した前記照射対象を抽出し、抽出した前記照射対象に対して前記照明照射部が照射する光を設定する
技術1~10のいずれか1つに記載の照明演出システム。
【0134】
<技術12>
店舗における床、壁、天井、および、商品を含む複数の照射対象のうちの少なくとも1つの照射対象に照明照射部が光を照射することと、
前記照明照射部の近辺の人を人検知部が検知することと、
前記人検知部が検知した人に関する情報を取得し、取得した前記人に関する情報に基づいて、前記照明照射部が光を照射するために、当該人に適した照射対象を抽出することとを含む
照明演出方法。
【0135】
<技術13>
技術12に記載の照明演出方法をコンピュータに実行させるための
プログラム。
【符号の説明】
【0136】
1 照明演出システム
11 照明照射部
12 人検知部
13 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9