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特開2024-171668移動体または移動体モデルの進行評価装置、および進行評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171668
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】移動体または移動体モデルの進行評価装置、および進行評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/09 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
B60W40/09
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088805
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207859
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 尚人
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 崇宏
(72)【発明者】
【氏名】竹本 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐貴
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA60
3D241CE02
3D241CE08
3D241CE09
3D241CE10
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DA52Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DD13B
3D241DD14B
(57)【要約】
【課題】シミュレーションを繰り返し実行することなく、コンピュータ等により人間らしい操作を実行して移動体等を進行評価する。
【解決手段】進行評価装置1は、評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら移動体または移動体をモデル化した移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行し、進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、目標パターンに従って移動体を操作者が実際に操作した際の進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出部11と、算出した特徴量に基づいて評価用パターンを変更し、評価用パターンを操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンに変更するパターン変更部21と、進行評価の実行に際し、特徴反映パターンに基づいて移動体または移動体モデルを進行させる進行制御部22と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら移動体または前記移動体をモデル化した移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する進行評価装置(1)であって、
前記進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、前記目標パターンに従って前記移動体を操作者が実際に操作した際の前記進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、前記操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出部(11)と、
前記特徴量算出部が算出した前記特徴量に基づいて、前記評価用パターンを変更し、前記評価用パターンを前記操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンに変更するパターン変更部(21)と、
前記進行評価の実行に際し、前記特徴反映パターンに基づいて、前記移動体または前記移動体モデルを進行させる進行制御部(22)と、を備える進行評価装置。
【請求項2】
前記特徴量算出部は、
前記進行操作パラメータとして前記移動体の速度が設定されている前記目標パターンおよび前記実操作パターンに基づいて、前記特徴量を算出し、
前記特徴量は、前記目標パターンに対する実パターンの遅れ時間、追従速度、速度ピークにおける行き過ぎ量、速度差、加減速度差、加減速度変化量の差、のうちの少なくともいずれか1つを含む請求項1に記載の進行評価装置。
【請求項3】
前記特徴量算出部は、前記移動体の速度を前記進行操作パラメータとして入力された前記目標パターンおよび前記実操作パターンに基づいて前記特徴量を算出する場合に、前記移動体が加速する時間域における加速時特徴量と、前記移動体が減速する時間域における減速時特徴量とを区別して算出する請求項1または2に記載の進行評価装置。
【請求項4】
前記特徴量は、1次元もしくは2次元の特徴量を少なくとも含み、3次元以上の特徴量をさらに含む請求項1または2に記載の進行評価装置。
【請求項5】
前記パターン変更部は、前記特徴量に基づいて設定した伝達関数を用いて前記評価用パターンを変更することにより、前記特徴反映パターンを算出する請求項1または2に記載の進行評価装置。
【請求項6】
前記パターン変更部は、前記特徴量を学習用データとする機械学習により前記評価用パターンを変更することにより、前記特徴反映パターンを算出する請求項1または2に記載の進行評価装置。
【請求項7】
予め定められた評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら移動体または前記移動体をモデル化した移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する進行評価プログラムであって、コンピュータに、
前記進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、前記目標パターンに従って前記移動体を操作者が実際に操作した際の前記進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、前記操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
前記特徴量算出ステップが算出した前記特徴量に基づいて、前記評価用パターンを変更し、前記評価用パターンを前記操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンに変更するパターン変更ステップと、
前記進行評価の実行に際し、前記特徴反映パターンに基づいて、前記移動体または前記移動体モデルを進行させる進行制御ステップと、を実行させる、進行評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンピュータ等によって移動体または移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する進行評価装置および進行評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体の操作者をモデル化した操作者モデルを構築し、コンピュータ等によって操作者モデルを用いて移動体または移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する技術が知られている。例えば、自動車などの車両の製造、販売においては、国や地域により規定された特定の走行パターン(モード)により車両を走行させた際の燃費や排出ガスを測定し、これを表示する必要がある。走行モードは、例えば、走行開始から経過した時間と、その時に到達すべき車速との関係を示すグラフにより表わされる。この到達すべき車速は、目標車速と呼ばれることがある。
【0003】
移動体が車両であって操作者がドライバである場合、操作者モデルはドライバモデルと称される。上記のような、燃費に関する試験は、車両や車両モデルをドライバモデルにより走行させることにより行われる。ドライバモデルは、例えば、ドライバによるアクセルペダル及びブレーキペダルの操作を模擬し、車両や車両モデルの車速を制御する。
【0004】
燃費等に関する試験を適切に実行するためには、人間らしい操作を実行するドライバモデルを構築することが好ましい。例えば、アクセルペダルやブレーキペダルの操作が人間では行うことができないような急激なものになる等、ドライバモデルによる操作が人間らしい操作から乖離していると、車両の燃費性能を適切に評価することが困難となる。
【0005】
特許文献1には、強化学習によって、人間らしいペダル操作を行うドライバモデルを構築する走行シミュレーション装置が記載されている。具体的には、走行シミュレーション装置は、ドライバモデルのゲインの値を変更させながら、車両モデルを複数回走行させ、この時に変更されたゲインの値を報酬値に基づいて評価することによって、ドライバモデルのゲインの設定を自動的に行う。上記ゲインの値は、車速の追従性を評価する車速報酬関数のみならず、アクセルペダルの操作の滑らかさを評価するアクセル報酬関数、ブレーキペダルの操作の滑らかさを評価するブレーキ報酬関数によっても評価が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014-115168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の走行シミュレーション装置では、評価の高いゲイン値をドライバモデルのゲイン値として採用するために、ドライバモデルにおけるゲインの値を変化させながら車両モデルの走行シミュレーションを繰り返し実行する必要があり、処理負荷が大きいという課題があった。
【0008】
上記に鑑み、本発明は、シミュレーションを繰り返し実行することなく、コンピュータ等により人間らしい操作を実行して移動体等を進行評価する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、予め定められた評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら前記移動体または前記移動体をモデル化した移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する進行評価装置を提供する。この進行評価装置は、前記進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、前記目標パターンに従って前記移動体を前記操作者が実際に操作した際の前記進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、前記操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出部と、前記特徴量算出部が算出した前記特徴量に基づいて、前記評価用パターンを変更し、前記評価用パターンを前記操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンに変更するパターン変更部と、前記進行評価の実行に際し、前記特徴反映パターンに基づいて、前記移動体または前記移動体モデルを進行させる進行制御部と、を備える。
【0010】
上記の進行評価装置によれば、特徴量算出部により、操作者の操作行動の特徴を反映した特徴量を算出する。特徴量は、進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、目標パターンに従って移動体を操作者が実際に操作した際の進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて算出する。そして、パターン変更部により、この特徴量に基づいて、評価用パターンを特徴反映パターンに変更する。特徴量に基づいて評価用パターンを変更することにより、操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンを得ることができる。進行制御部は、特徴反映パターンに基づいて移動体または移動体モデルを進行させる。評価用パターンではなく、特徴反映パターンに基づいて(例えば、指令値として)、移動体または移動体モデルを進行制御することにより、移動体または移動体モデルを操作者が実際に操作したように進行させることができる。その結果、シミュレーションを繰り返し実行することなく、コンピュータ等により人間らしい操作を実行して、移動体または移動体モデルを進行評価できる。
【0011】
本発明は、予め定められた評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら前記移動体または前記移動体をモデル化した移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する進行評価プログラムとして提供することもできる。このプログラムは、コンピュータに、前記進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、前記目標パターンに従って前記移動体を前記操作者が実際に操作した際の前記進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、前記操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出ステップと、前記特徴量算出ステップが算出した前記特徴量に基づいて、前記評価用パターンを変更し、前記評価用パターンを前記操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンに変更するパターン変更ステップと、前記進行評価の実行に際し、前記特徴反映パターンに基づいて、前記移動体または前記移動体モデルを進行させる進行制御ステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る進行評価装置を示す図。
図2】実施形態に係る特徴量算出部および操作者モデル構築部を示すブロック図。
図3】実施形態に係る進行評価処理のフローチャート。
図4】実施形態に係る特徴量の算出について説明する図。
図5】実施形態に係るパターン変更部の一例である伝達関数を示す図。
図6】実施形態に係るパターン変更部の一例であるニューラルネットワークを示す図。
図7】実施形態に係る評価用パターンを示す図。
図8】実施形態に係る評価用パターンと特徴反映パターンとを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
図1に示すように、第1実施形態に係る進行評価装置1は、インタフェイス2と、通信部3と、表示部4と、進行評価部10と、記憶部30と、を備えている。進行評価装置1は、操作者モデルに基づいて、移動体または移動体モデルの挙動を計算することで、その進行評価を行う。ここで、進行評価とは、移動体や移動体モデルを進行させて評価することを意味し、移動体を実際に動かして評価する実機試験や移動体モデルをコンピュータ上で動かして評価する進行シミュレーション等を含む。進行評価装置1は、移動体および移動体モデルの進行評価システム全般に適用でき、特に、システムを構築する制御や制御対象をモデル化し、シミュレーションすることで、検証を行いながら設計開発を進めていくモデルベース開発(MBD)における走行シミュレーションや、車両を自動操縦する実機試験に好適に用いることができる。モデルベース開発(MBD)における走行シミュレーションとしては、MILS(Model In the Loop Simulation)、SILS(Software In the Loop Simulation)、HILS(Hardware In the Loop Simulation)を例示できる。本実施形態では、主に、移動体が車両であり、操作者が移動体のドライバである場合に、車両モデルの走行シミュレーションを実行する場合を例示して説明する。
【0014】
インタフェイス2は、ユーザの操作を受け付けて各種情報を進行評価部10に入力する。例えば、インタフェイス2は、シミュレーション処理を実行する指示を、ユーザから受け付けて、受け付けた指示を進行評価部10に入力する。インタフェイス2の一例としては、キーボードやマウスなどを含む操作受付デバイスが挙げられる。
する。
【0015】
通信部3は、所定のネットワーク(図示せず)と接続され、外部の情報処理装置(図示せず)との間で情報を相互に送受信する。通信部3の一例としては、有線LANや無線LANを挙げられる。本実施形態では、移動体モデルの進行評価を実行する場合を例示して説明しているが、移動体(例えば、実際の車両)を動かす実機試験の場合には、進行評価装置が移動体の外部に設けられており、通信により移動体を進行させることができるように通信部3が構成されていてもよい。
【0016】
表示部4は、例えば液晶ディスプレイであり、文字や図形等により種々の情報を表示してユーザに提示する。表示部4は、走行シミュレーション結果を表示する。
【0017】
記憶部30は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部30は、上記の種類の記憶装置に限定されるものではなく、RAM、ROM等であってもよい。
【0018】
記憶部30には、操作者モデル31と、移動体モデル32と、特徴量33とが記憶される。本実施形態では、操作者モデル31として、ドライバモデルが記憶され、移動体モデル32として、車両モデルが記憶される。車両モデルは、車両の内部状態および外部状態を模擬的に計算するためのモデルである。内部状態には、エンジン状態、動力伝達系状態、タイヤ状態が含まれる。また、外部状態には、車両の位置、進行方向、速度、車種が含まれる。本実施形態におけるドライバモデルは、ドライバによるアクセルペダル及びブレーキペダルの操作を模擬し、車両や車両モデルの車速を制御するためのモデルである。例えば、燃費に関する試験に際しては、その試験のために規定された特定の走行パターンである評価用パターンに従って車両や車両モデルをドライバモデルにより走行させることにより行われる。燃費に関する試験のための走行シミュレーションは進行評価の一例であり、進行評価の内容により、操作者モデルの態様は適宜変更することができる。例えば、ドライバモデルは、ドライバ状態および運転操作状態を計算するためのモデルであってもよい。この場合、ドライバ状態には、走行予定経路、認知・判断状態が含まれる。運転操作状態には、ハンドル状態、アクセル状態、ブレーキ状態が含まれる。特徴量33は、操作者の操作行動の特徴を示す特徴量であり、後述する特徴量算出部11により算出される。
【0019】
図1および図2に示すように、進行評価部10は、特徴量算出部11と、操作者モデル構築部20とを備えている。進行評価部10は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ等からなる周知のマイクロコンピュータ(マイコン)を主体に構成されている。例えば、CPUが記憶部30やROMにインストールされている進行評価プログラムを実行することで進行評価部10が備える特徴量算出部11、操作者モデル構築部20等の機能を実現する。マイコンによって提供される機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウエアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウエアのみ、ハードウエアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供されるものであってもよい。例えば、マイコンがハードウエアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって提供することができる。例えば、マイコンは、自身が備える記憶装置としての非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行する。プログラムには、例えば、後述する進行評価処理のプログラムが含まれる。プログラムが実行されることにより、プログラムに対応する方法が実行される。記憶装置は、例えば不揮発性メモリである。なお、マイコンが備える記憶装置や記憶部30に記憶されたプログラムは、例えば、インターネット等のネットワークを介して更新可能である。
【0020】
特徴量算出部11は、操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する。操作者の操作行動の特徴とは、具体的には、ブレーキペダルやアクセルペダルの踏み込みのタイミングや踏み込み速度等の、操作者の操作における癖や傾向を意味する。特徴量算出部11は、進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、目標パターンに従って移動体を操作者が実際に操作した際の進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、特徴量を算出する。特徴量算出部11は、目標パターンと実操作パターンとの比較に基づいて抽出可能な特徴量を全て算出するように構成されていてもよいし、抽出可能な特徴量の一部を算出する(例えば、目標パターンと実操作パターンとの相違に大きく寄与する特徴量を算出する)ように構成されていてもよい。
【0021】
特徴量の具体例としては、例えば、速度に関する特徴量、操舵に関する特徴量、操作タイミングに関する特徴量等が挙げられる。速度に関する特徴量は、例えば、車両の速度、加速度、減速度などが挙げられる。操舵に関する特徴量は、例えば、ステアリングの舵角、角速度、各加速度などが挙げられる。操作タイミングに関する特徴量は、例えば、ブレーキ、アクセル、ウィンカレバー、ステアリングホイールの操作タイミングなどが挙げられる。
【0022】
目標パターンおよび実操作パターンにおける進行操作パラメータは、抽出したい特徴量や後述する評価用パターンにおける進行操作パラメータに応じて設定する。進行操作パラメータとしては、移動体の速度および加減速度、アクセルおよびブレーキの操作量および操作タイミング、操舵量および操舵タイミング等を挙げることができる。例えば、評価用パターンが、例えば、車両の走行開始から経過した時間と、その時に到達すべき車速との関係によって表される場合、すなわち、移動体の速度の時間変化により表される場合には、目標パターンおよび実操作パターンも、移動体の速度の時間変化により表される。目標パターンにおける進行操作パラメータの目標値の変化は、抽出したい特徴量に応じて設定することが好ましい。例えば、移動体の加減速度を特徴量として抽出したい場合には、移動体の速度が加減速されるような目標パターンを設定することが好ましい。実操作パターンは、例えば、目標パターンに従って移動体を操作者が実際に操作した際に、進行操作パラメータをセンサ等により実測することによって、取得できる。移動体が車両である場合には、車両の速度および加減速度の実測値は、速度センサおよび加減速度センサ等から取得できる。アクセルおよびブレーキの操作量および操作タイミングの実測値は、ブレーキペダル、アクセルペダル等から取得できる。操舵量および操舵タイミングの実測値は、操舵角センサ等から取得できる。
【0023】
本実施形態では、特徴量算出部11は、進行操作パラメータとして移動体の速度が設定され、移動体における速度の時間変化により表される目標パターンおよび実操作パターンに基づいて、特徴量を算出する場合を例示して説明する。この場合、特徴量は、目標パターンに対する実操作パターンの遅れ時間、追従速度、速度ピークにおける行き過ぎ量、速度差、加減速度差、加減速度変化量の差、のうちの少なくともいずれか1つを含む。このような特徴量を抽出することにより、後述する特徴反映パターンにおいて、操作者の操作行動の特徴を適切に反映させることができる。例えば図2に示すように、特徴量算出部11は、目標パターンとして目標速度パターンVf(t)を取得し、実操作パターンとして実操作速度パターンVr(t)を取得し、目標速度パターンVf(t)と、実操作速度パターンVr(t)との相違に基づいて、操作者の操作行動の特徴を示す特徴量fを算出する。図4に示すように、目標速度パターンVf(t)は、車両が到達すべき目標速度の時間変化を示したパターンである。また、実操作速度パターンVr(t)は、目標速度パターンVf(t)に従って移動体を操作者が実際に操作した際の移動体の速度を実測値として取得し、その実測値の時間変化を示したパターンである。
【0024】
特徴量は、1次元もしくは2次元の特徴量を少なくとも含み、3次元以上の特徴量をさらに含むことが好ましい。例えば、速度差は1次元の特徴量であり、加減速度差は2次元の特徴量であり、加減速度変化量の差は、3次元の特徴量である。1次元もしくは2次元の特徴量に加えて、3次元以上の特徴量を抽出することにより、後述する特徴反映パターンにおいて、操作者の操作行動の特徴をより適切に反映させることができる。
【0025】
特徴量算出部11は、移動体が加速する時間域における加速時特徴量と、移動体が減速する時間域における減速時特徴量とを区別して算出するように構成されていてもよい。操作者の操作行動の特徴が加速時と減速時とで相違する場合を考慮して、後述する特徴反映パターンにおいて、操作者の操作行動の特徴をより適切に反映させることができる。
【0026】
操作者モデル構築部20は、移動体の操作者による進行操作の傾向をモデル化した操作者モデル31を構築する。移動体の進行評価を実行する際には、操作者モデル31は、予め定められた評価用パターンを取得し、操作者モデル31を用いて、この評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら、移動体または移動体モデル32を進行させる。本実施形態では、図2に示すように、操作者モデル構築部20は、進行操作パラメータを移動体モデル32の速度に設定し、操作者モデル31として、ドライバモデルを構築する。
【0027】
ドライバモデルは、移動体モデル32をコンピュータによって仮想的に走行させる際の制御則として形成される。本実施形態では、図2に示すように、ドライバモデルは、操作者モデル構築部20に入力された評価用速度パターンVe(t)に基づいて移動体モデル32におけるアクセルペダル及びブレーキペダルを操作し、移動体モデル32の速度を制御する。
【0028】
操作者モデル構築部20は、パターン変更部21と、進行制御部22とを備えている。パターン変更部21は、特徴量算出部11が算出した特徴量fに基づいて、ドライバモデルに入力された評価用パターンを特徴反映パターンに変更する。特徴反映パターンとは、操作者の操作行動の特徴を反映したパターンであると言える。図2に示すように、ドライバモデルは、パターン変更部21により、入力された評価用速度パターンVe(t)を特徴反映速度パターンVa(t)に変更し、進行制御部22により、特徴反映速度パターンVa(t)を指令車速として、移動体モデル32に出力するアクセルペダル及びブレーキペダルの操作量の値を演算する操作者モデルとして構築される。この出力されたアクセル及びブレーキペダル操作量の値に基づいて、移動体モデル32の走行状態をコンピュータ上で演算して走行シミュレーションを実行できる。
【0029】
評価用パターンは、典型的には、移動体の速度等の進行制御パラメータを時間や進行距離等に応じて変化させたものとして表される。評価用パターンは、移動体または移動体モデルの進行評価に用いるパターンであればよく、規格により定められたものであってもよいし、実験や開発のために個別に定められたものであってもよい。規格により定められた評価用パターンとしては、例えば、WLTC(Worldwide harmonized Light duty driving Test Cycle)モード、JC08モード等の車両の燃料消費率試験に関する評価用速度パターンを挙げることができる。図2に示す評価用速度パターンVe(t)は、WLTCモードにより規定された評価用速度パターンVe(t)を示す。パターン変更部21は、特徴量fに基づいて、評価用速度パターンVe(t)を特徴反映速度パターンVa(t)に変更する。
【0030】
パターン変更部21は、例えば図5に示すように、特徴量fに基づいて設定した伝達関数を用いて評価用パターンを変更することにより、特徴反映パターンを算出するように構成されていてもよい。伝達関数としては、例えば、無駄時間やn次遅れ系ローパスフィルタを組み合わせたものを好適に用いることができる。
【0031】
また、パターン変更部21は、特徴量fを学習用データとするニューラルネットワーク等の機械学習により評価用パターンを変更することにより、特徴反映パターンを算出するように構成されていてもよい。
【0032】
進行制御部22は、特徴反映パターンに基づいて、移動体または移動体モデル32の進行制御を実行する。例えば図2に示すように、進行制御部22は、パターン変更部21から取得した特徴反映速度パターンVa(t)を指令速度として移動体モデル32に出力するアクセルペダル及びブレーキペダルの操作量の値を演算する。そして、進行制御部22は、この出力されたアクセル及びブレーキペダル操作量の値に基づいて、移動体モデル32を走行させたときの速度であるVo(t)を演算する。進行制御部22は、この速度Vo(t)を指令速度としてのVa(t)に対するフィードバック値として、比例ゲイン、微分ゲイン、積分ゲインを設定する。
【0033】
図3は、進行評価装置1が実行する進行評価のフローチャートである。図3のフローチャートに示す処理は、進行評価部10を構成するCPUがROMにインストールされている進行評価プログラムを実行することにより実現され、所定の間隔で繰り返し実行される。
【0034】
ステップS101では、目標速度パターンVf(t)、実操作速度パターンVr(t)、評価用速度パターンVe(t)を取得する。例えば、図4、7に示すような、目標速度パターンVf(t)、実操作速度パターンVr(t)、評価用速度パターンVe(t)を取得する。
【0035】
ステップS102では、ステップS101で取得した目標速度パターンVf(t)および実操作速度パターンVr(t)に基づき、特徴量fを算出する。ステップS102は、特徴量算出ステップに相当する。特徴量fとして、3種類の特徴量f1,f2,f3を例示して説明する。例えば、図4に示すように、目標速度パターンVf(t)および実操作速度パターンVr(t)が得られたとき、目標速度パターンVf(t)に対する実操作速度パターンVr(t)の遅れ時間はf1によって表される。より具体的には、遅れ時間f1は、速度の値が同じである時間t1と時間t2との差により算出できる(f1=t2-t1)。
【0036】
目標速度パターンVf(t)に対する実操作速度パターンVr(t)の追従速度f2は、所定の速度における目標速度パターンVf(t)における速度変化f2fと、実操作速度パターンVr(t)における速度変化f2rとの相違に基づき算出できる。図4において速度v3と速度v5は等しく、(t4-t3)と(t6-t5)とは等しい。速度変化f2fは、f2f=(v4-v3)/(t4-t3)により算出でき、速度変化f2fは、f2r=(v6-v5)/(t6-t5)により算出できる。追従速度f2は、例えば、速度変化f2fと速度変化f2rとの比(f2r/f2f)により表すことができる。
【0037】
目標速度パターンVf(t)の速度ピークに対する実操作速度パターンVr(t)の速度ピークにおける行き過ぎ量はf3によって表される。行き過ぎ量f3は、f3=v7-v8により算出できる。
【0038】
なお、目標速度パターンVf(t)は、上記の特徴量f1,f2,f3を取得できるように、加速した後で略一定速度に収束するようなパターンが設定されている。目標速度パターンVf(t)においては、加速する時間域と、その後の加減速しながら略一定速度に収束する時間域との間に、速度ピークが形成されているため、行き過ぎ量f3を抽出できる。
【0039】
ステップS103では、ステップS102で算出した特徴量fに基づき、ステップS101で取得した評価用速度パターンVe(t)を特徴反映速度パターンVa(t)に変更する。ステップS103は、パターン変更ステップに相当する。特徴反映速度パターンVa(t)は、評価用速度パターンVe(t)に特徴量fを反映させて変更した速度パターンである。単純化して説明すると、例えば、特徴反映速度パターンVa(t)は、評価用速度パターンVe(t)に対して遅れ時間f1に対応する時間だけ遅れたものに変更される。また、例えば、特徴反映速度パターンVa(t)の速度ピークは、評価用速度パターンVe(t)の速度ピークに対して行き過ぎ量f3に対応する分だけ超過したものに変更される。
【0040】
本実施形態では、抽出した複数の特徴量fに基づいて設定した伝達関数を用いて評価用速度パターンVe(t)を変更することにより、特徴反映速度パターンVa(t)を算出する。より具体的には、図5に示すように、無駄時間およびn次遅れ系ローパスフィルタから構成された伝達関数を評価用速度パターンVe(t)に適用することにより、図5に示すn次遅れ系ローパスフィルタの固有定数(減衰係数sや固有周波数a0~an-1)と特徴量fとを紐づけることにより、特徴反映速度パターンVa(t)を算出できる。
【0041】
ステップS103では、図6に示すように、ニューラルネットワーク(NN)を用いた機械学習により特徴反映速度パターンVa(t)を算出するように構成されていてもよい。図6に示すニューラルネットワークの入力層に、特徴量fと紐づけした数値a0~anを入力し、出力層から特徴反映速度パターンVa(t)を取得する。入力層と出力層との間を構成する中間層の層数を増やすことによって、抽出した特徴量fをより正確に反映した特徴反映速度パターンVa(t)を算出でき、後述する走行シミュレーションの精度向上に寄与する。
【0042】
図7に、評価用速度パターンVe(t)として、WLTCモードの評価用速度パターンの一部を示す。図8には、図7における時間0~t11までの評価用速度パターンVe(t)のを拡大して示すとともに、この評価用速度パターンVe(t)に特徴量fを反映させて変更することにより得られた特徴反映速度パターンVa(t)を示す。図5に示す伝達関数を用いる手法や、図6に示すニューラルネットワーク等の機械学習の手法を用いて、評価用速度パターンVe(t)に特徴量fを反映させることにより、図8に示すように特徴反映速度パターンVa(t)に変更できる。図8に示すように、特徴反映速度パターンVa(t)は、評価用速度パターンVe(t)に対して遅れ時間や行き過ぎ量があるものとして算出されており、特徴量fが反映されていることが見て取れる。
【0043】
ステップS104では、ステップS103で推定した特徴反映速度パターンVa(t)を指令速度として移動体モデル32を進行制御し、進行評価として走行シミュレーションを実行する。ステップS104は、進行制御ステップに相当する。特徴反映速度パターンVa(t)には、操作者の操作行動の特徴を示す特徴量fが反映されているため、特徴反映速度パターンVa(t)を指令速度として移動体モデル32の走行制御を実行することにより、あたかも評価用速度パターンVe(t)を目標として移動体モデル32を操作者が操作したかのように、人間らしい操作を実現できる。
【0044】
上記のとおり、本実施形態に係る進行評価プログラムおよびこれにより実行される進行評価方法によれば、ステップS101により、進行操作パラメータを移動体モデル32の速度とし、目標パターンとして目標速度パターンVf(t)を取得し、実操作パターンとして実操作速度パターンVr(t)を取得し、評価用パターンとして評価用速度パターンVe(t)を取得する。特徴量算出ステップ(ステップS102)により、目標速度パターンVf(t)と、実操作速度パターンVr(t)との相違に基づいて、操作者の操作行動の特徴を示す特徴量fを算出する。パターン変更ステップ(ステップS103)により、特徴量算出ステップにおいて算出した特徴量fに基づいて、評価用速度パターンVe(t)を特徴反映速度パターンVa(t)に変更する。評価用速度パターンVe(t)に特徴量fを反映させることにより、操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映速度パターンVa(t)に変更できる。このため、特徴反映速度パターンVa(t)における速度の時間変化は、評価用速度パターンVe(t)を目標として移動体モデル32を操作者が実際に操作したときの速度の時間変化に近いものとなる。従って、進行制御ステップ(S104)において、特徴反映速度パターンVa(t)を指令速度として移動体モデル32を制御することにより、評価用速度パターンVe(t)を目標として操作者が実際に走行させたかのように移動体モデル32を走行させることができる。パターン変更ステップおよび進行制御ステップにより、走行シミュレーションを繰り返し実行することなく、人間らしい操作を実行するドライバモデルを構築して、移動体モデル32の走行シミュレーションを実行できる。
【0045】
上記の実施形態では、移動体が車両である場合を例示して説明したが、これに限定されず、上記の進行評価に係る技術は、航空機、船舶等のあらゆる移動体およびその移動体モデルを進行評価する装置、プログラムおよび方法に適用できる。例えば、移動体が航空機である場合には、シミュレーションを繰り返し実行することなく、人間らしい操作を実行するパイロットモデルを構築でき、そのパイロットモデルに基づいて航空機および航空機モデルを進行評価できる。
【0046】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0047】
以下、上述した各実施形態から抽出される特徴的な構成を記載する。
[構成1]
予め定められた評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら移動体または前記移動体をモデル化した移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する進行評価装置(1)であって、
前記進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、前記目標パターンに従って前記移動体を操作者が実際に操作した際の前記進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、前記操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出部(11)と、
前記特徴量算出部が算出した前記特徴量に基づいて、前記評価用パターンを変更し、前記評価用パターンを前記操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンに変更するパターン変更部(21)と、
前記進行評価の実行に際し、前記特徴反映パターンに基づいて、前記移動体または前記移動体モデルを進行させる進行制御部(22)と、
を備える進行評価装置。
[構成2]
前記特徴量算出部は、
前記進行操作パラメータとして前記移動体の速度が設定されている前記目標パターンおよび前記実操作パターンに基づいて、前記特徴量を算出し、
前記特徴量は、前記目標パターンに対する実パターンの遅れ時間、追従速度、速度ピークにおける行き過ぎ量、速度差、加減速度差、加減速度変化量の差、のうちの少なくともいずれか1つを含む構成1に記載の進行評価装置。
[構成3]
前記特徴量算出部は、前記移動体の速度を前記進行操作パラメータとして入力された前記目標パターンおよび前記実操作パターンに基づいて前記特徴量を算出する場合に、前記移動体が加速する時間域における加速時特徴量と、前記移動体が減速する時間域における減速時特徴量とを区別して算出する構成1または2に記載の進行評価装置。
[構成4]
前記特徴量は、1次元もしくは2次元の特徴量を少なくとも含み、3次元以上の特徴量をさらに含む構成1~3のいずれかに記載の進行評価装置。
[構成5]
前記パターン変更部は、前記特徴量に基づいて設定した伝達関数を用いて前記評価用パターンを変更することにより、前記特徴反映パターンを算出する構成1~4のいずれかに記載の進行評価装置。
[構成6]
前記パターン変更部は、前記特徴量を学習用データとする機械学習により前記評価用パターンを変更することにより、前記特徴反映パターンを算出する構成1~5のいずれかに記載の進行評価装置。
[構成7]
予め定められた評価用パターンに基づき所定の進行操作パラメータを変化させながら移動体または前記移動体をモデル化した移動体モデルを進行させて、その進行評価を実行する進行評価プログラムであって、コンピュータに、
前記進行操作パラメータの目標値の変化を示す目標パターンと、前記目標パターンに従って前記移動体を操作者が実際に操作した際の前記進行操作パラメータの実測値の変化を示す実操作パターンとの相違に基づいて、前記操作者の操作行動の特徴を示す特徴量を算出する特徴量算出ステップと、
前記特徴量算出ステップが算出した前記特徴量に基づいて、前記評価用パターンを変更し、前記評価用パターンを前記操作者の操作行動の特徴を反映した特徴反映パターンに変更するパターン変更ステップと、
前記進行評価の実行に際し、前記特徴反映パターンに基づいて、前記移動体または前記移動体モデルを進行させる進行制御ステップと、を実行させる、進行評価プログラム。
【符号の説明】
【0048】
1…進行評価装置、11…特徴量算出部、20…操作者モデル構築部、21…パターン変更部、22…進行制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8