(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171690
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】テープ切断装置
(51)【国際特許分類】
B26D 3/08 20060101AFI20241205BHJP
B65B 15/04 20060101ALI20241205BHJP
B26D 1/06 20060101ALI20241205BHJP
B26D 7/26 20060101ALI20241205BHJP
H05K 13/02 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B26D3/08 Z
B65B15/04 P
B26D1/06 Z
B26D7/26
H05K13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088840
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】川口 輝男
(72)【発明者】
【氏名】礒端 美伯
(72)【発明者】
【氏名】豊丸 浩司
【テーマコード(参考)】
3C021
3C027
5E353
【Fターム(参考)】
3C021JA04
3C021JA08
3C021JA09
3C027HH02
3C027HH05
3C027HH17
5E353HH32
5E353HH34
5E353QQ14
(57)【要約】
【課題】異なる種類のキャリアテープであっても、カバーテープの前端がベーステープの前端に対して前方に位置するようにキャリアテープのベーステープを切断する。
【解決手段】キャリアテープ200、300において、カバーテープを切断せずにベーステープを切断するテープ切断装置は、キャリアテープ200、300の幅方向に延在する刃先92aを備える切断刃92と、切断刃92を保持し、切断刃92がベーステープを切断するようにキャリアテープ200、300に対して厚さ方向に相対移動するテープ切断ヘッド80と、キャリアテープ200、300を挟んでテープ切断ヘッド80に対して厚さ方向に対向し且つキャリアテープ200、300を受けるテープ受け面98aを備えるテープ受け部材98とを有する。テープ切断ヘッド80が、キャリアテープ200、300の長さ方向に延在する揺動中心線C4を中心にして揺動可能に、切断刃92を保持する。
【選択図】
図22
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品ポケットを備えるベーステープと前記部品ポケットを覆うカバーテープとを含むキャリアテープにおいて、前記カバーテープを切断せずに前記ベーステープを切断するテープ切断装置であって、
前記キャリアテープの幅方向に延在する刃先を備える切断刃と、
前記切断刃を保持し、前記切断刃が前記ベーステープを切断するように前記キャリアテープに対して厚さ方向に相対移動するテープ切断ヘッドと、
前記キャリアテープを挟んで前記テープ切断ヘッドに対して前記厚さ方向に対向し且つ前記キャリアテープを受けるテープ受け面を備えるテープ受け部材と、を有し、
前記テープ切断ヘッドが、前記キャリアテープの長さ方向に延在する揺動中心線を中心にして揺動可能に、前記切断刃を保持する、テープ切断装置。
【請求項2】
前記切断刃を保持し、前記揺動中心線を中心にして揺動可能に前記テープ切断ヘッドに支持されている切断刃保持部材と、
前記切断刃保持部材と接触することにより、前記切断刃の前記刃先と前記テープ受け部材の前記テープ受け面との間の隙間が前記カバーテープの厚さと等しくなるように、前記切断刃の前記刃先を前記テープ受け部材の前記テープ受け面に対して位置決めするストッパ部材とを有する、請求項1に記載のテープ切断装置。
【請求項3】
前記ストッパ部材と接触する前記切断刃保持部材の部分が、前記切断刃に対して前記幅方向の両側それぞれに設けられている、請求項2に記載のテープ切断装置。
【請求項4】
前記テープ切断ヘッドを前記厚さ方向に駆動させる切断刃駆動装置を、さらに有し、
前記切断刃駆動装置が、前記切断刃の刃先が前記ベーステープの切断を完了する切断完了位置と、前記切断刃の刃先が前記ベーステープに対して離れる切断刃退避位置との間で前記テープ切断ヘッドを移動させ、
前記切断刃駆動装置が、前記切断完了位置に前記テープ切断ヘッドを所定の時間待機させた後、前記テープ切断ヘッドを前記切断刃退避位置に向かって移動させる、請求項1に記載のテープ切断装置。
【請求項5】
前記切断完了位置から前記切断刃退避位置への前記テープ切断ヘッドの移動が完了したことを報知する報知装置を、さらに有する、請求項4に記載のテープ切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品供給装置に使用されるキャリアテープを切断するテープ切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、カバーテープの前端がベーステープの前端に対して前方に位置するようにキャリアテープを切断するテープ切断装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キャリアテープには、テープ幅が異なる、カバーテープとベーステープの厚さが異なるなど、様々な種類が存在する。このように異なる種類のキャリアテープそれぞれを、カバーテープの前端がベーステープの前端に対して前方に位置するようにキャリアテープを切断することができるテープ切断装置が求められている。これにより、キャリアテープの種類毎に、対応するテープ切断装置を用意する必要がなくなる。
【0005】
そこで、本開示は、異なる種類のキャリアテープであっても、カバーテープの前端がベーステープの前端に対して前方に位置するようにキャリアテープのベーステープのみを切断可能なテープ切断装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
部品ポケットを備えるベーステープと前記部品ポケットを覆うカバーテープとを含むキャリアテープにおいて、前記カバーテープを切断せずに前記ベーステープを切断するテープ切断装置であって、
前記キャリアテープの幅方向に延在する刃先を備える切断刃と、
前記切断刃を保持し、前記切断刃が前記ベーステープを切断するように前記キャリアテープに対して厚さ方向に相対移動するテープ切断ヘッドと、
前記キャリアテープを挟んで前記テープ切断ヘッドに対して前記厚さ方向に対向し且つ前記キャリアテープを受けるテープ受け面を備えるテープ受け部材と、を有し、
前記テープ切断ヘッドが、前記キャリアテープの長さ方向に延在する揺動中心線を中心にして揺動可能に、前記切断刃を保持する、テープ切断装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、異なる種類のキャリアテープであっても、カバーテープの前端がベーステープの前端に対して前方に位置するようにキャリアテープのベーステープのみを切断可能なテープ切断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施の形態に係るテープ切断装置の斜視図
【
図2A】テープ切断装置によって切断される第1のキャリアテープの前端部分の斜視図
【
図2B】テープ切断装置によって切断される第2のキャリアテープの前端部分の斜視図
【
図3A】キャリアテープのテープセット位置を示す斜視図
【
図3B】キャリアープのテープ切断位置を示す斜視図
【
図9A】第1のキャリアテープを保持した状態のテープ保持ユニットの斜視図
【
図9B】第2のキャリアテープを保持した状態のテープ保持ユニットの斜視図
【
図10】キャリアテープの幅方向の一方側部分を支持するテープ保持ユニットの構成要素を示す斜視図
【
図11A】第1の係合位置に第1の位置決めピンが位置する状態を示す部分断面図
【
図11B】第1の係合解除位置に第1の位置決めピンが位置する状態を示す部分断面図
【
図12】第2および第3のテープ支持部材を示す斜視図
【
図13】第2および第3のテープ支持部材の分解斜視図
【
図14】テープ押さえ部材が第2の位置決めピンの上方から移動した状態の第2のテープ支持部材を示す斜視図
【
図15A】第2の係合位置に第2の位置決めピンが位置する状態の第2のテープ支持部材の正面図
【
図15B】第2の係合解除位置に第2の位置決めピンが位置する状態の第2のテープ支持部材の正面図
【
図16】第2の係合位置に第2の位置決めピンが位置する状態の第2のテープ支持部材の側面図
【
図17A】第3のテープ支持部材のテープ保持ユニットのユニットベース部材に対するロックピンによるロック状態を示す図
【
図17B】第3のテープ支持部材のテープ保持ユニットのユニットベース部材に対するロックピンによるロックが解除された状態を示す図
【
図18A】テープ保持ユニットが第1のキャリアテープを保持した状態でテープセット位置に位置する状態の本体部の斜視図
【
図18B】テープ保持ユニットが第1のキャリアテープを保持した状態でテープ切断位置に位置する状態の本体部の斜視図
【
図19A】テープ保持ユニットが第2のキャリアテープを保持した状態でテープセット位置に位置する状態の本体部の斜視図
【
図19B】テープ保持ユニットが第2のキャリアテープを保持した状態でテープ切断位置に位置する状態の本体部の斜視図
【
図20】ロックピン駆動レバーのカムフォロアと接触するカム面を示す本体部の一部分の側面図
【
図21】テープ切断ヘッドを備える本体部を示す斜視図
【
図22】テープ切断ヘッドを備える本体部を示す側面図
【
図25】テープ切断ヘッドとテープ受け部材とを示す斜視図
【
図26】第2の切断刃がキャリアテープのベーステープに接触し、それによりたわみ変形するトップベース部材を示す概念図
【
図27A】第2の切断刃が揺動可能にテープ切断ヘッドに設けられていない比較例の概念図
【
図27B】第2の切断刃が揺動可能にテープ切断ヘッドに設けられている実施例の概念図
【
図28】第2のキャリアテープが筺体の開口を通過している状態の比較例のテープ切断装置の側面図
【
図29】切断された第2のキャリアテープをテープ切断装置から取り出した状態の比較例のテープ切断装置の側面図
【
図30】第2の遮蔽部材によって筺体の開口が塞がれた状態のテープ切断装置の側面図
【
図31】筺体の開口を第2のキャリアテープが通過している状態のテープ切断装置の側面図
【
図32】テープ保持ユニットがテープセット位置に位置するときの第2の遮蔽部材の位置を示す斜視図
【
図33】テープ保持ユニットがテープセット位置に位置するときの第2の遮蔽部材の位置を示す側面図
【
図34】テープ保持ユニットがテープ切断位置に位置するときの第2の遮蔽部材の位置を示す斜視図
【
図35】テープ保持ユニットがテープ切断位置に位置するときの第2の遮蔽部材の位置を示す側面図
【
図36】本実施の形態に係るテープ切断装置を動作させるためのエア回路図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0010】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0011】
以下、本開示の一実施の形態に係るテープ切断装置について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施の形態に係るテープ切断装置の斜視図である。また、
図2Aおよび
図2Bは、テープ切断装置によって切断される第1および第2のキャリアテープの前端部分の斜視図である。さらに、
図3Aは、キャリアテープのテープセット位置を示す斜視図である。そして、
図3Bは、キャリアープのテープ切断位置を示す斜視図である。
【0013】
本実施の形態に係るテープ切断装置10は、
図2Aおよび
図2Bに示すように、幅および厚さの異なる様々な種類のキャリアテープを切断するように構成されている。
図2Aに示す第1のキャリアテープ200は、本実施の形態のテープ切断装置10によって切断可能な複数種類のキャリアテープにおいて、テープ幅が最小なキャリアテープである。また、
図2Bに示す第2のキャリアテープ300は、テープ幅が最大なキャリアテープである。例えば、前者のテープ幅は8mmであって、後者のテープ幅は104mmである。
【0014】
図2Aおよび
図2Bに示すように、第1および第2のキャリアテープ200、300それぞれは、ベーステープ202、302と、ベーステープ202、302に貼り付けられたカバーテープ204、304とを有する。
【0015】
ベーステープ202、302には、部品を収容するエンボス状の複数の部品ポケット202a、302aが設けられている。複数の部品ポケット202a、302aは、ベーステープ202、302の長手方向に並んでいる。また、ベーステープ202、302には、長手方向に並んだ貫通穴状の複数の送り孔202b、302bが形成されている。なお、
図2Aに示すように、テープ幅が小さい第1のキャリアテープ200の場合、複数の送り孔202bは、幅方向の一方側部分にのみ形成されている。
図2Bに示すように、テープ幅が大きい第2のキャリアテープ300の場合、複数の送り孔302bは、部品ポケット302aを挟んで、幅方向の両側部分に形成されている。
【0016】
カバーテープ204、304は、部品ポケット202a、302aの開口を覆うように、ベーステープ202、302に貼り付けられている。
【0017】
本実施の形態のテープ切断装置10は、
図2Aおよび
図2Bに示すように、カバーテープ204、304の長手方向の前端204a、304aが、ベーステープ202、302の前端202c、302cに比べて、所定の距離Dだけ前方に位置するように、第1および第2のキャリアテープ200、300を切断する。具体的には、テープ切断装置10は、まず、ベーステープ202、302とカバーテープ204、304の両方を切断する第1の切断工程を実行する。また、テープ切断装置10は、第1の切断工程によって形成された新しいベーステープ202、302の切断面から所定の距離Dだけ離れた位置で、ベーステープ202、302のみを切断する第2の切断工程を実行する。第1および第2の切断工程は同時に実行され、第1の切断工程によってカバーテープ204、304の前端204a、304aが形成され、第2の切断工程によってベーステープ202、302の前端202c、302cが形成される。
【0018】
本実施の形態のテープ切断装置10は、詳細は後述するが、
図3Aに示すように、筺体12の前方で、すなわち筺体12の外部で、第1のキャリアテープ200がセットされるように構成されている。また、テープ切断装置10は、筺体12の内部で第1のキャリアテープ200を切断するように構成されている。なお、
図3Aおよび
図3Bでは、テープ切断装置10が切断可能な複数種類のキャリアテープの一例として第1のキャリアテープ200が示されているが、他の種類のキャリアテープも同様である。
【0019】
具体的には、テープ切断装置10は、第1のキャリアテープ200を含む複数種類のキャリアテープを
図3Aに示すテープセット位置P1から
図3Bに示すテープ切断位置P2に搬送可能に構成されている。具体的には、テープセット位置P1において、キャリアテープは、その長手方向がテープ切断装置10の左右方向に一致するように、テープ切断装置10にセットされる。テープセット位置P1でセットされたキャリアテープは、その幅方向、本実施の形態の場合にはテープ切断装置10の前後方向に移動され、テープセット位置P1の後方に位置して筺体12の内部に位置するテープ切断位置P2に配置される。テープ切断位置P2に配置されているとき、キャリアテープは、筺体12の左右方向に筺体12を貫通する。すなわち、キャリアテープは、テープ切断位置P2では筺体12に設けられた開口12aを通過し、テープセット位置P1では開口12aの外部に位置する。
なお、開口12aは、筺体12の右側面と左側面の両方それぞれに存在する。
【0020】
ここからは、テープ切断装置10の構成について、具体的に説明する。
【0021】
図4は、テープ切断装置の本体部の斜視図である。また、
図5は、テープ切断装置の本体部の分解斜視図である。
【0022】
図4および
図5に示すように、テープ切断装置10は、本体部14を有する。なお、本体部14は、
図1に示す筺体12から筺体カバー16、脚18などを取り除いたものである。
【0023】
図4および
図5に示すように、テープ切断装置10は、キャリアテープを保持するテープ保持ユニット20を有する。
【0024】
図6は、テープ保持ユニットの斜視図である。また、
図7は、テープ保持ユニットの上面図である。さらに、
図8は、テープ保持ユニットの分解斜視図である。さらにまた、
図9Aは、第1のキャリアテープを保持した状態のテープ保持ユニットの斜視図である。そして、
図9Bは、第2のキャリアテープを保持した状態のテープ保持ユニットの斜視図である。
【0025】
図9Aおよび
図9Bに示すように、テープ保持ユニット20は、第1および第2のキャリアテープ200、300を含む複数種類のキャリアテープを保持可能に構成されている。
【0026】
具体的には、本実施の形態の場合、テープ保持ユニット20は、第1および第2のキャリアテープ200、300を含む複数種類のキャリアテープを、その長手方向がテープ切断装置10の左右方向に一致するように保持する。また、テープ保持ユニット20は、カバーテープ(第1および第2のキャリアテープ200、300のカバーテープ204、304)が上方に向いた状態で、複数種類のキャリアテープを保持する。すなわち、本実施の形態の場合、キャリアテープの幅方向とテープ切断装置10の前後方向が一致し、キャリアテープの長手方向とテープ切断装置10の左右方向が一致し、キャリアテープの厚さ方向とテープ切断装置10の上下方向が一致する。
【0027】
また、テープ保持ユニット20は、
図5に示すように、本体部14におけるプレート状のミドルベース部材22に移動可能に支持されている。具体的には、テープ保持ユニット20は、ユニットベース部材24を含み、そのユニットベース部材24が、スライドレール26を介して、テープ切断装置10の前後方向に移動可能にミドルベース部材22に取り付けられている。これにより、テープ保持ユニット20は、キャリアテープを切断するためのテープ切断位置P2とキャリアテープをテープ保持ユニット20にセットするためのテープセット位置P1との間で平行移動する。
【0028】
さらに、テープ保持ユニット20は、第1および第2のキャリアテープ200、300を含む複数種類のキャリアテープを、その幅方向の両側部分で支持するように構成されている。すなわち、第1および第2のキャリアテープ200、300の場合、テープ保持ユニット20は、エンボス状の部品ポケット202a、302aに対して幅方向の外側部分を支持する。
【0029】
図10は、キャリアテープの幅方向の一方側部分を支持するテープ保持ユニットの構成要素を示す斜視図である。
【0030】
図7、
図8、および
図10に示すように、テープ保持ユニット20は、複数種類のキャリアテープの幅方向の一方側部分を支持する複数の第1のテープ支持部材28を含んでいる。第1のテープ支持部材28は、テープ切断装置10の左右方向に間隔をあけて設けられ、キャリアテープにおけるベーステープと接触してキャリアテープを支持する第1のテープ支持面28aを備える。また、第1のテープ支持部材28それぞれは、プレート状であって、固定ブロック30を介してユニットベース部材24に固定されている。なお、本実施の形態の場合、第1のテープ支持部材28は、テープ保持ユニット20に保持されている状態のキャリアテープにおけるテープ切断装置10の前方側の部分を支持する。
【0031】
また、
図10に示すように、第1のテープ支持部材28が取り付けられた固定ブロック30には、キャリアテープの送り孔に進入して係合する複数の第1の位置決めピン32が設けられている。第1の位置決めピン32は、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28aから突出するように設けられている。これにより、
図9Aおよび
図9Bに示す第1および第2のキャリアテープ200、300のように、第1のテープ支持面28aに支持されているキャリアテープの幅方向の一方側部分上に形成された送り孔に、第1の位置決めピン32が係合する。送り孔に第1の位置決めピン32が係合した状態のキャリアテープは、その幅方向と長手方向(すなわちテープ切断装置10の前後方向と左右方向)の移動が制限される。
【0032】
図9Aおよび
図9Bに示す第1および第2のキャリアテープ200、300のように、送り孔に第1の位置決めピン32が係合した状態のキャリアテープの厚さ方向(すなわちテープ切断装置10の上下方向)の上下方向の移動は、テープ押さえ部材34によって規制されている。
【0033】
具体的には、
図10に示すように、テープ押さえ部材34は、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28aに対して間隔をあけて対向するテープ押さえ面34aを備える。本実施の形態の場合、テープ押さえ面34aは、半球面状である。なお、キャリアテープの種類によっては、すなわちキャリアテープの厚さによっては、テープ押さえ面34aはキャリアテープに接触しない。その対処として、テープ押さえ面34aの最下点は、第1の位置決めピン32の頂点に比べて下方に位置する(
図11A参照)。これにより、どのような厚さのキャリアテープであっても、第1の位置決めピン32がその送り孔から抜けることがない。
【0034】
なお、テープ押さえ部材34が第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28a上に存在すると、キャリアテープをその第1のテープ支持面28a上に載置することができない、すなわち、第1の位置決めピン32を送り孔に挿入することができない。そのために、テープ押さえ部材34は、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28aの上方から退避する。具体的には、
図8および
図10に示すように、テープ押さえ部材34は、スライドレール36を介して、テープ切断装置10の前後方向に移動可能に、固定ブロック30に取り付けられている。これにより、キャリアテープを第1のテープ支持面28a上に載置するときに、その第1のテープ支持面28aの上方から前方に、テープ押さえ部材34は退避することができる。なお、本実施の形態の場合、テープ押さえ部材34の前後方向の移動は、ユーザの手動によって行われる。
【0035】
本実施の形態の場合、第1の位置決めピン32は、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28aに対して下方に退避可能にされている。
【0036】
図11Aは、第1の係合位置に第1の位置決めピンが位置する状態を示す部分断面図であって、
図11Bは、第1の係合解除位置に第1の位置決めピンが位置する状態を示す部分断面図である。
【0037】
図11Aおよび
図11Bに示すように、第1の位置決めピン32は、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28aを突出する第1の係合位置(
図11Aに示す位置)と、第1のテープ支持面28aに対して下方に位置する第1の係合解除位置(
図11Bに示す位置)との間で移動可能に、第1のテープ支持部材28に対して設けられている。
【0038】
具体的には、
図11Aに示す第1の係合位置に位置するとき、第1の位置決めピン32は、
図9Aおよび
図9Bに示す第1および第2のキャリアテープ200、300のように、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28a上に載置されたキャリアテープの送り孔内に進入する。また、
図11Bに示す第1の係合解除位置に位置するとき、第1の位置決めピン32は、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28a上に載置されたキャリアテープの送り孔の外部に位置する。
【0039】
図11Bに示すように第1の位置決めピン32が第1の係合解除位置に位置するとき、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28a上に載置されたキャリアテープは、その長手方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の左右方向)に移動することができる。これにより、ユーザは、
図11Aに示すように、テープ押さえ部材34が第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28aの上方に存在する状態で、キャリアテープをテープ保持ユニット20から取り出すことができる。
【0040】
なお、本実施の形態の場合、複数の第1の位置決めピン32の第1の係合位置(
図11A)と第1の係合解除位置(
図11B)の間の移動は、同時に且つユーザの手動によって行われる。そのために、複数の第1の位置決めピン32は、
図8、
図11A、および
図11Bに示すように、位置決めピン駆動レバー38に取り付けられている。位置決めピン駆動レバー38は、テープ切断装置10の左右方向に延在する揺動中心線C1を中心にして揺動可能に、複数の固定ブロック30に支持されている。位置決めピン駆動レバー38の後端38aに、複数の第1の位置決めピン32が設けられている。
【0041】
ピン駆動レバー38の前端38bをユーザが上方向に持ち上げると、複数の第1の位置決めピン32が、同時に第1の係合位置(
図11A)から第1の係合解除位置(
図11B)に向かって下方向に移動する。なお、位置決めピン駆動レバー38の後端38aは、スプリング40によって上方向に付勢されている。したがって、位置決めピン駆動レバー38がユーザによって操作されていないとき、複数の第1の位置決めピン32は、第1の係合位置で維持されている。また、第1の位置決めピン32が揺動中心線C1を中心にして揺動すると、第1の位置決めピン32がキャリアテープの送り孔に引っ掛かり、キャリアテープが第1の位置決めピン32に同伴して下方向に移動しようとする。しかしながら、そのキャリアテープの下方向の移動は、第1のテープ支持部材28によって制限されている。すなわち、第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28aが固定されているので、第1の位置決めピン32が送り孔に接触した状態で下方向に移動しても、キャリアテープは移動できない。
【0042】
図6~
図8に示すように、テープ保持ユニット20は、キャリアテープの幅方向の他方側部分を支持する第2および第3のテープ支持部材42、44を含んでいる。
図7に示すように、第2および第3のテープ支持部材42、44は、第1のテープ支持部材28に対して、テープ切断装置10の前後方向に対向している。この第2および第3のテープ支持部材42、44の詳細について説明する。
【0043】
図12は、第2および第3のテープ支持部材を示す斜視図である。また、
図13は、第2および第3のテープ支持部材の分解斜視図である。さらに、
図14は、テープ押さえ部材が第2の位置決めピンの上方から移動した状態の第2のテープ支持部材を示す斜視図である。
【0044】
図12および
図13に示すように、第2および第3のテープ支持部材42、44は、ブロック状であって、複数種類のキャリアテープの幅方向の他方側部分を支持する第2および第3のテープ支持面42a、44aを備える。第2および第3のテープ支持部材42、44は、テープ切断装置10の左右方向に間隔をあけて設けられ、キャリアテープにおけるベーステープと接触してキャリアテープを支持する。なお、本実施の形態の場合、第2および第3のテープ支持部材42、44は、テープ保持ユニット20に保持されている状態のキャリアテープにおけるテープ切断装置10の後方側の部分を支持する。
【0045】
図13に示すように、第2のテープ支持部材42は、ブロック体46と、ブロック体46の前面に取り付けられるカバー48とを備える。なお、第2のテープ支持面42aは、ブロック体46の上面とカバー48の上面から構成されている。また、第2のテープ支持部材42には、キャリアテープの送り孔と係合する第2の位置決めピン50が設けられている。
【0046】
第2の位置決めピン50は、第2のテープ支持部材42の第2のテープ支持面42a上のキャリアテープの幅方向の他方側部分(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の後方側の部分)上の送り孔と係合する。
【0047】
具体的には、
図2Bに示す第2のキャリアテープ300のように幅方向の両側に送り孔が存在するキャリアテープについては、その幅方向の他方側部分の送り孔に対して、第2の位置決めピン50は係合する。
【0048】
これに対して、
図2Aに示す第1のキャリアテープ200のように幅方向の一方側部分(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前方側の部分)にのみ送り孔が存在するキャリアテープについては、その幅方向の他方側部分に第2の位置決めピン50と係合する送り孔が存在しない。したがって、第2の位置決めピン50は、このようなキャリアテープの送り孔と係合しない。
【0049】
なお、本実施の形態の場合、第2のテープ支持部材42がキャリアテープの送り孔と係合する第2の位置決めピン50を備えているのに対して、第3のテープ支持部材44は、キャリアテープの係合する位置決めピンを備えていない。
【0050】
図2Bに示す第2のキャリアテープ300のように幅方向の両側部分の送り孔を備えるキャリアテープは、その幅方向の他方側部分上の送り孔に第2の位置決めピン50が係合することにより、その幅方向と長手方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向と左右方向)の移動が制限される。
【0051】
図9Bに示す第2のキャリアテープ300のように、幅方向の他方側部分上の送り孔に第2の位置決めピン50が係合した状態のキャリアテープは、その厚さ方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の上下方向)の移動が、テープ押さえ部材52によって制限されている。
【0052】
図14は、テープ押さえ部材が第2の位置決めピンの上方から退避した状態を示す第2のテープ支持部材の斜視図である。
【0053】
テープ押さえ部材52が第2のテープ支持部材42の第2のテープ支持面42a上に存在すると、キャリアテープをその第2のテープ支持面42a上に載置することができない、すなわち第2の位置決めピン50を送り孔に挿入することができない。そのために、
図14に示すように、テープ押さえ部材52は、第2のテープ支持部材42の第2のテープ支持面42aの上方から退避する。本実施の形態の場合、テープ押さえ部材52は、テープ切断装置10の後方に向かって退避する。
【0054】
具体的には、
図13に示すように、テープ押さえ部材52は、スライドレール54を介して、テープ切断装置10の前後方向に移動可能に、第2のテープ支持部材42のブロック体46に取り付けられている。これにより、キャリアテープを第2のテープ支持面42a上に載置するときに、その第2のテープ支持面42aの上方から後方に、テープ押さえ部材52は退避することができる。なお、本実施の形態の場合、テープ押さえ部材52の前後方向の移動は、ユーザの手動によって行われる。
【0055】
なお、
図12および
図13に示すように、第3のテープ支持部材44にも、テープ押さえ部材52と同様のテープ押さえ部材56が設けられている。しかしながら、第3のテープ支持部材44には、送り孔に係合する位置決めピンが存在しないので、テープ押さえ部材56は、移動不可能に第3のテープ支持部材44に固定されている。
【0056】
また、第2の位置決めピン50も、第1の位置決めピン32と同様に、第2のテープ支持部材42の第2のテープ支持面42aに対して下方に退避可能にされている。
【0057】
図15Aは、第2の係合位置に第2の位置決めピンが位置する状態の第2のテープ支持部材の正面図であって、また、
図15Bは、第2の係合解除位置に第2の位置決めピンが位置する状態の第2のテープ支持部材の正面図である。さらに、
図16は、第2の係合位置に第2の位置決めピンが位置する状態の第2のテープ支持部材の側面図である。なお、
図15Aおよび
図15Bは、カバー48を取り除いた状態の第2のテープ支持部材42を示している。
【0058】
図15A、
図15B、および
図16に示すように、第2の位置決めピン50は、第2のテープ支持部材42の第2のテープ支持面42aを突出する第2の係合位置(
図14Aに示す位置)と、第2のテープ支持面42aに対して下方に位置する第2の係合解除位置(
図14Bに示す位置)との間で移動可能に、第2のテープ支持部材42に対して設けられている。
【0059】
具体的には、本実施の形態の場合、
図13に示すように、第2のテープ支持部材42のブロック体46とカバー48との間に、キャリアテープの幅方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向)に延在する揺動中心線C2を中心にして揺動する揺動ブロック58が設けられている。その揺動ブロック58に第2の位置決めピン50が設けられている。また、揺動ブロック58は、第2の位置決めピン50が第2の係合位置(
図14Aに示す位置)で維持されるように、トーションスプリング59によって左に付勢されている。したがって、送り孔が第2の位置決めピン50に係合した状態のキャリアテープを右に移動させると、第2の位置決めピン50が第2の係合位置から第2の係合解除位置(
図14Bに示す位置)に移動する。その結果、テープ押さえ部材52が第2の位置決めピン50の上方に存在する状態で、キャリアテープをテープ保持ユニット20から取り出すことができる。
【0060】
また、本実施の形態の場合、第1のテープ支持部材28に対して相対的に、第2および第3のテープ支持部材42、44は、キャリアテープの幅方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向)に移動可能にテープ保持ユニット20に設けられている。具体的には、本実施の形態の場合、第1のテープ支持部材28は上述したようにテープ保持ユニット20に対して固定され、第2および第3のテープ支持部材42、44は、テープ切断装置10の前後方向に移動可能にテープ保持ユニット20に設けられている。これにより、
図9Aおよび
図9Bに示す第1および第2のキャリアテープ200、300のように幅が異なる複数種類のキャリアテープが、その幅方向の両側部分で、第1、第2、および第3のテープ支持部材28、42、44によって支持される。
【0061】
図2Bに示す第2のキャリアテープ300のように、幅方向の両側部分に送り孔を備えるキャリアテープの場合、キャリアテープをテープ保持ユニット20にセットする前に、第2および第3のテープ支持部材42、44の位置調整が行われる。具体的には、テープ保持ユニット20にセットされるキャリアテープに対応するように、第2および第3のテープ支持部材42、44のキャリアテープの幅方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向)の位置が調整される。
【0062】
本実施の形態の場合、まず、第2および第3のテープ支持部材42、44は、
図8に示すように、第1の遮蔽部材60、62と、第1の遮蔽部材60、62を連結する「コ」字状の連結部材64とを介して連結されている。第1の遮蔽部材60は第2のテープ支持部材42から後方に延在し、第1の遮蔽部材62は第3のテープ支持部材44から後方に延在している。第1の遮蔽部材60、62それぞれの後側部分が、連結部材64によって連結されている。これにより、第2および第3のテープ支持部材42、44に対して同時に位置調整を行うことができる。なお、第1および第2の遮蔽部材60、62の役割については後述する。
【0063】
また、本実施の形態の場合、
図12および
図13に示すように、テープ保持ユニット20にセットされるキャリアテープに対応する位置で第3のテープ支持部材44を固定するロック機構として、第3のテープ支持部材44は、ロックピン66を備えている。
【0064】
図17Aは、第3のテープ支持部材のテープ保持ユニットのユニットベース部材に対するロックピンによるロック状態を示す図である。また、
図17Bは、第3のテープ支持部材のテープ保持ユニットのユニットベース部材に対するロックピンによるロックが解除された状態を示す図である。
【0065】
図17Aおよび
図17Bに示すように、ロックピン66は、キャリアテープの厚さ方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の上下方向)に移動可能に、第3のテープ支持部材44に設けられている。このロックピン66と係合する貫通穴状の複数の位置決め穴24aが、
図7に示すように、テープ保持ユニット20のユニットベース部材24に形成されている。ロックピン66が1つの位置決め穴24a内に係合しているとき、その位置決め穴24aに対応するキャリアテープの幅方向の他方側部分(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の後方側の部分)が、第2および第3のテープ支持部材42、44の第2および第3のテープ支持面42a、44aに支持される。すなわち、幅が異なる複数種類のキャリアテープそれぞれを第2および第3のテープ支持部材42、44が支持できるように、複数の位置決め穴24aがその幅に対応する位置に形成されている。
【0066】
なお、本実施の形態の場合、第2および第3のテープ支持部材42、44の位置決めはユーザによって行われる。しかしながら、位置決め穴24aは、第3のテープ支持部材44が上方に配置されると、ユーザからは見えない。すなわち、ロックピン66が、これから切断されるキャリアテープに対応する位置決め穴24aの上方に位置することがユーザは確認できない。
【0067】
そこで、
図7および
図8に示すように、ユニットベース部材24には、第2および第3のテープ支持部材42、44を位置決めするための位置決め用レール部材68が取り付けられている。そして、その位置決め用レール部材68上を転動する位置決め用ローラ70が、第1の遮蔽部材60、62に取り付けられている。なお、第1の遮蔽部材62に取り付けられている位置決め用ローラ70は、
図8においては見えていない。
【0068】
位置決め用レール部材68には、位置決め用ローラ70が係合する「V」字状の複数の溝68aが形成されている。この複数の溝68aの配置関係は、複数の位置決め穴24aの配置関係に対応する。したがって、位置決め用ローラ70が1つの溝68aに係合しているとき、対応する位置決め穴24aの上方にロックピン66が位置する。これにより、ユーザは、位置決め用ローラ70が溝68aに係合する感触をよりどころにして第2および第3のテープ支持部材42、44の位置調整を行うことができる。
【0069】
また、
図13および
図17Aに示すように、ロックピン66は、スプリング72によって上に向かって付勢されている。すなわち、スプリング72により、ロックピン66は、テープ保持ユニット20のユニットベース部材24の位置決め穴24aの外部で維持されている。このようなスプリング72の付勢力に逆らってロックピン66を位置決め穴24aに進入させるために、ロックピン66を位置決め穴24aに向かって押すロックピン駆動レバー74が、第3のテープ支持部材42に設けられている。ロックピン駆動レバー74は、キャリアテープの長手方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の左右方向)に延在する揺動中心線C3を中心にして揺動可能に、第3のテープ支持部材44に支持されている。また、ロックピン駆動レバー74は、ロックピン66の上端と接触する接触部74aを備える。さらに、ロックピン駆動レバー74は、カムフォロア76を備えている。カムフォロア76とロックピン駆動レバー74によるロックピン66の駆動については後述する。
【0070】
図2Bおよび
図9Bに示す第2のキャリアテープ300のように、幅方向の両側部分に送り孔を備えるキャリアテープをテープ保持ユニット20にセットする場合、まず、第2および第3のテープ支持部材42、44の位置調整がユーザによって行われる。第2および第3のテープ支持部材42、44の位置調整が完了すると、テープ押さえ部材34、52が、複数の第1の位置決めピン32と第2の位置決めピン50の上方からユーザによって退避される。この状態で、ユーザが、キャリアテープを第1のテープ支持部材28の第1のテープ支持面28a、第2のテープ支持部材42の第2のテープ支持面42a、および第3のテープ支持部材44の第3のテープ支持面44a上に載置する。それと同時に、ユーザは、複数の第1の位置決めピン32と第2の位置決めピン50を、そのキャリアテープの送り孔に進入させる。キャリアテープの載置および位置決めピンの送り孔への進入が完了した後、ユーザによって、テープ押さえ部材34、52が、キャリアテープの上方に移動される。これにより、幅方向の両側部分に送り孔を備えるキャリアテープのテープ保持ユニット20へのセットが完了する。
【0071】
図2Aおよび
図9Aに示す第1のキャリアテープ200のように、幅方向の一方側部分にのみ送り孔を備えるキャリアテープをテープ保持ユニット20にセットする場合、ユーザは、まず、複数の第1の位置決めピン32をキャリアテープの送り孔に進入させ、その後、テープ押さえ部材34を第1の位置決めピン32の上方に移動させる。次に、ユーザが第2および第3のテープ支持部材42、44をキャリアテープに向かって移動させる。これにより、キャリアテープの幅方向の他方の端部が、第2のテープ支持面42aとテープ押さえ部材52との間に進入するとともに、第3のテープ支持面44aとテープ押さえ部材56との間に進入する。そして、キャリアテープの幅方向の他方の端部が第2の位置決めピン50に接触すると、幅方向の一方側部分にのみ送り孔を備えるキャリアテープのテープ保持ユニット20へのセットが完了する。
【0072】
なお、本実施の形態の場合、
図16および
図17Aに示すように、第2および第3のテープ支持部材42、44は、第2および第3のテープ支持面42a、44aの前縁(第1のテープ支持部材28側の縁)から斜め下方向に延在するテープガイド面42b、44bを備える。第2および第3のテープ支持部材42、44を幅方向の一方側部分にのみ送り孔を備えるキャリアテープに向かって移動させると、そのキャリアテープの幅方向の端部が、テープガイド面42b、44bにガイドされ、第2のテープ支持面42aとテープ押さえ部材52との間および第3のテープ支持面44aとテープ押さえ部材56との間に容易に進入する。
【0073】
以上のようなテープ保持ユニット20によれば、テープ幅が異なる、テープ厚さが異なる、送り孔が幅方向の一方側部分に設けられている、送り孔が幅方向の両側部分に設けられているなど、異なる種類のキャリアテープを保持できる。また、異なる種類のキャリアテープを、筺体12の外部のテープセット位置P1でテープ保持ユニット20にセットすることができるとともに、そのセット後に筺体12の内部のテープ切断位置P2に搬送することができる。
【0074】
図18Aは、テープ保持ユニットが第1のキャリアテープを保持した状態でテープセット位置に位置する状態の本体部の斜視図である。また、
図18Bは、テープ保持ユニットが第1のキャリアテープを保持した状態でテープ切断位置に位置する状態の本体部の斜視図である。さらに、
図19Aは、テープ保持ユニットが第2のキャリアテープを保持した状態でテープセット位置に位置する状態の本体部の斜視図である。そして、
図19Bは、テープ保持ユニットが第2のキャリアテープを保持した状態でテープ切断位置に位置する状態の本体部の斜視図である。なお、
図18Aおよび
図18Bは、
図3Aおよび
図3Bに対応する。
【0075】
図18Bおよび
図19Bに示すように、テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2に位置するとき、第1および第2のキャリアテープ200、300のように、キャリアテープは、キャリアテープを切断するためのテープ切断ヘッド80の上方に位置する。また、
図18Aおよび
図19Aに示すように、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1に位置するとき、第1および第2のキャリアテープ200、300のように、キャリアテープは、テープ切断ヘッド80の上方から幅方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向)に離れた位置に位置する。具体的には、キャリアテープは、テープ切断ヘッド80の上方から前方に離れた位置に位置する。なお、テープ切断ヘッド80の詳細については後述する。
【0076】
また、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1からテープ切断位置P2に移動すると、第3のテープ支持部材44に設けられたロックピン66が、
図17Bに示す状態から
図17Aに示す状態に変化する。
【0077】
図20は、ロックピン駆動レバーのカムフォロアと接触するカム面を示す本体部の一部分の側面図である。なお、
図20では、第1の遮蔽部材62の図示が省略されている。
【0078】
図20および
図18A~
図19Bに示すように、本体部14は、ミドルベース部材22の上方に間隔をあけて配置されたトップベース部材82を含んでいる。ミドルベース部材22とトップベース部材82は、それぞれの後端で、スペーサ部材84を介して連結されている。すなわち、トップベース部材82は、スペーサ部材84に片持ち支持されている。
【0079】
テープ保持ユニット20がテープセット位置P1からテープ切断位置P2に移動すると、テープ保持ユニット20に保持されたキャリアテープは、
図18Bおよび
図19Bに示す第1および第2のキャリアテープ200、300のように、ミドルベース部材22とトップベース部材82との間の空間に進入する。その結果、キャリアテープを支持する第3のテープ支持部材44に設けられたロックピン駆動レバー74のカムフォロア76も、ミドルベース部材22とトップベース部材82との間の空間に進入する。
【0080】
図20に示すように、トップベース部材82には、カムフォロア76と接触するカム面82aが設けられている。カム面82aは、前側部分に比べて後側部分が低くなるように形成されている。
【0081】
このようなカム面82aによれば、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1からテープ切断位置P2に移動すると、カムフォロア76はカム面82a上を転動しつつ下方向に移動する。これにより、ロックピン駆動レバー74が揺動し、
図17Aに示すように、その接触部74aがロックピン66を下方向に押す。これにより、ロックピン66が、ユニットベース部材24の位置決め穴24a内に進入し、第2および第3のテープ支持部材42、44がユニットベース部材24に対して移動不可能にロックされる。
【0082】
一方、テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2からテープセット位置P1に移動すると、カムフォロア76とカム面82aが離れ、
図17Bに示すように、ロックピン66がスプリング72に付勢されて位置決め穴24aから退避する。これにより、テープセット位置P1において、第2および第3のテープ支持部材42、44がユニットベース部材24に対して移動可能になる。その結果、テープセット位置P1において、幅が異なるキャリアテープをテープ保持ユニット20にセットすることができる。
【0083】
ここまでは、キャリアテープを保持するテープ切断装置10のテープ保持ユニット20について説明してきた。ここからは、テープ保持ユニット20に保持されているキャリアテープを切断するためのテープ切断装置10の構成要素、すなわちテープ切断ヘッド80について説明する。
【0084】
図21および
図22は、テープ切断ヘッドを備える本体部を示す斜視図および側面図である。また、
図23は、テープ切断ヘッドの斜視図である。さらに、
図24は、テープ切断ヘッドの分解斜視図である。そして、
図25は、テープ切断ヘッドとテープ受け部材とを示す斜視図である。なお、
図21および
図22においては、テープ切断ヘッド80が見えるように、テープ保持ユニット20などの一部の構成要素の図示が省略されている。
【0085】
図23に示すように、テープ切断ヘッド80は、キャリアテープを切断するための第1および第2の切断刃90、92を保持している。
【0086】
第1の切断刃90は、キャリアテープの幅方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向)に延在しつつ、前方斜め上に延在する刃先90aを備える。第1の切断刃90は、キャリアテープにおけるベーステープとカバーテープの両方を切断する第1の切断工程を実行するための切断刃である。
【0087】
第2の切断刃92は、キャリアテープの幅方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向)に延在する刃先92aを備える。第2の切断刃92は、ベーステープのみを切断する第2の切断工程を実行するための切断刃である。
【0088】
第1および第2の切断刃90、92は、その刃先90a、92aがキャリアテープの長さ方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の左右方向)に所定の距離Dだけ離れるように、テープ切断ヘッド80に保持されている。これにより、
図2Aおよび
図2Bに示す第1および第2のキャリアテープ200、300のように、カバーテープの長手方向の前端が、ベーステープの前端に比べて、所定の距離Dだけ前方に位置するようにキャリアテープが切断される。
【0089】
テープ切断ヘッド80は、切断刃駆動装置94によって駆動される。本実施の形態の場合、切断刃駆動装置94は、エアシリンダである。テープ切断ヘッド80は、切断刃駆動装置94によって、キャリアテープの厚さ方向(本実施の形態の場合には、テープ切断装置10の上下方向)に駆動される。
【0090】
テープ切断ヘッド80は、
図21および
図22に示すように、本体部14におけるミドルベース部材22に形成された貫通穴22aを通過する。また、切断刃駆動装置94は、ミドルベース部材22に対して間隔をあけて下方に位置するボトムベース部材96に取り付けられている。なお、
図21および
図22は、テープ切断ヘッド80が最下位に位置する状態を示している。この位置は、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1からテープ切断位置P2に移動するときまたはその逆方向に移動するとき、テープ切断ヘッド80がテープ保持ユニット20に干渉しない位置、すなわちテープ切断ヘッド80の退避位置である。
【0091】
テープ保持ユニット20によってテープ切断位置P2に配置されたキャリアテープを切断するために、テープ切断ヘッド80は、切断刃駆動装置94によって退避位置から上昇される。そのとき、
図6および
図7に示すように、テープ切断ヘッド80は、テープ保持ユニット20のユニットベース部材24に形成された貫通穴24bを通過する。これにより、テープ切断ヘッド80は、テープ保持ユニット20に保持されているキャリアテープを切断することができる。
【0092】
図25に示すように、テープ切断ヘッド80が上昇してキャリアテープを切断するときに、第1および第2の切断刃90、92によって押されるキャリアテープを受けるテープ受け部材98が、トップベース部材82の下面に取り付けられている。テープ受け部材98は、キャリアテープを挟んでテープ切断ヘッド80に対してキャリアテープの厚さ方向(本実施の形態の場合には、テープ切断装置10の上下方向)に対向し、キャリアテープを受けるテープ受け面98aを備える。なお、第1の切断刃90の刃先90a全体が、テープ受け面98aを通過できるように、テープ受け面98aには第1の切断刃90の刃先90aが進入する凹部98bが形成されている。これにより、第1の切断刃90の刃先90aは、ベーステープとカバーテープの両方を完全に切断することができる。
【0093】
理由は後述するが、
図23に示すように、第2の切断刃92は、キャリアテープの長さ方向に延在する揺動中心線C4を中心にして揺動可能に、テープ切断ヘッド80に保持されている。本実施の形態の場合、第2の切断刃92は、テープ切断ヘッド80に揺動中心線C4を中心にして揺動可能に支持されている切断刃保持部材100に保持されている。
【0094】
第2の切断刃92は、上述したように、カバーテープを切断せずに、ベーステープのみを切断する。そのためには、第2の切断刃92の刃先92aとテープ受け部材98のテープ受け面98aとの間の隙間がカバーテープの厚さと実質的に等しくなるように、第2の切断刃92の刃先92aをテープ受け部材98のテープ受け面98aに対して位置決めする必要がある。そのために、本実施の形態の場合、
図21および
図22に示すように、テープ受け部材98が設けられているトップベース部材82に、切断刃保持部材100と接触するストッパ部材102が設けられている。本実施の形態の場合、ストッパ部材102は、トップベース部材82に形成されたねじ穴に係合するねじであって、その先端に切断刃保持部材100と接触する接触面102aを備える。ストッパ部材102がねじであるので、その接触面102aのキャリアテープの厚さ方向(本実施の形態の場合には、テープ切断装置10の上下方向)の位置を調整することが可能である。
【0095】
なお、本実施の形態の場合、ストッパ部材102の接触面102aと接触する切断刃保持部材100の部分は、第2の切断刃92の刃先92aに対して位置調整が可能である。本実施の形態の場合、切断刃保持部材100には、キャリアテープの厚さ方向(本実施の形態の場合には、テープ切断装置10の上下方向)に移動可能に、ストッパ部材102を受けるストッパ受け部材104が取り付けられている。ストッパ受け部材104は、ストッパ部材102の接触面102aと接触する接触面104aを備える。ストッパ受け部材104が切断刃保持部材100に対して移動可能に設けられているので、その接触面104aの第2の切断刃92の刃先92aに対する相対位置を調整することが可能である。
【0096】
したがって、本実施の形態の場合、切断するキャリアテープにおけるカバーテープの厚さに応じて、ストッパ部材102の接触面102aの位置および/またはストッパ受け部材104の接触面104aの位置を調整することができる。その結果、複数種類のキャリアテープにおいて、カバーテープを切断せずにベーステープのみを切断することができる。
【0097】
ここからは、第2の切断刃92が揺動可能にテープ切断ヘッド80に設けられている理由について説明する。
【0098】
図22に示すように、本実施の形態に係るテープ切断装置10における第2の切断刃92は、幅が小さい第1のキャリアテープ200のベーステープ202および幅が大きい第2のキャリアテープ300のベーステープ302の両方を、カバーテープ204、304を切断することなく、切断する。特に、幅が大きいキャリアテープ300において、カバーテープ304を切断せずにベーステープ302のみを幅方向全体にわたって完全に切断するためには、第2の切断刃92の刃先の傾き(キャリアテープの長さ方向視での傾き)を厳密に管理する必要がある。しかしながら、現実的には、それは困難である。
【0099】
また、本実施の形態の場合、テープ受け部材98が設けられたトップベース部材82は、片持ち梁状である。そのため、第2の切断刃92がキャリアテープに接触すると、トップベース部材82は、キャリアテープとテープ受け部材98とを介して、テープ切断ヘッド80から逃げるようにたわみ変形する。このことについて具体的に説明する。
【0100】
図26は、第2の切断刃がキャリアテープのベーステープに接触し、それによりたわみ変形するトップベース部材を示す概念図である。
【0101】
図26に示すように、テープ切断ヘッド80が切断刃駆動装置94によって移動されて第2の切断刃92の刃先92aがキャリアテープ400におけるベーステープ402に接触すると、トップベース部材82が、ベーステープ402、カバーテープ404、およびテープ受け部材98を介して、テープ切断ヘッド80に押される。これにより、トップベース部材82が、テープ切断ヘッド80から逃げるようにたわみ変形する。
【0102】
このとき、第2の切断刃92が揺動可能にテープ切断ヘッド80に設けられていない場合、第2の切断刃92の刃先92aは、ベーステープ402を幅方向全体にわたって切断できない可能性がある。
【0103】
図27Aは、第2の切断刃が揺動可能にテープ切断ヘッドに設けられていない比較例の概念図である。
図27Bは、第2の切断刃が揺動可能にテープ切断ヘッドに設けられている実施例の概念図である。
【0104】
図27Aに示す比較例のように、トップベース部材82がベーステープ402、カバーテープ404、およびテープ受け部材98を介してテープ切断ヘッド80に押されることよってたわむと、テープ受け部材98に受けられているキャリアテープ400が傾く。第2の切断刃92が揺動可能にテープ切断ヘッド80に設けられていない比較例の場合、キャリアテープ400の傾きに対応して第2の切断刃92の刃先92aは傾くことができない。その結果、第2の切断刃92の刃先92aは、ベーステープ402全体を通過することができず、ベーステープ402に切り残しが発生する。場合によっては、カバーテープ404の一部分が、第2の切断刃92によって切断される。
【0105】
図27Bに示す実施例においても、比較例と同様に、トップベース部材82がベーステープ402、カバーテープ404、およびテープ受け部材98を介してテープ切断ヘッド80に押されることよってたわむと、テープ受け部材98に受けられているキャリアテープ400が傾く。しかしながら、第2の切断刃92が揺動可能にテープ切断ヘッド80に設けられているので、その刃先92aがキャリアテープ400の傾きに対応するように傾くことができる。その結果、第2の切断刃92の刃先92aは、ベーステープ402全体を通過することができ、ベーステープ402を幅全体にわたって完全に切断することができる。
【0106】
なお、第2のキャリアテープ300のように幅が大きいキャリアテープを切断する場合、ストッパ部材102と接触する切断刃保持部材100の部分(本実施の形態の場合、ストッパ受け部材104)は、第2の切断刃92に対してキャリアテープの幅方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の前後方向)の両側それぞれに設けられているのが好ましい。ストッパ部材102と接触する部分が片側のみである場合、そのストッパ部材102との接点を中心にして切断刃保持部材100が回動する可能性がある。その結果として、第2の切断刃92がベーステープを幅方向全体にわたって切断できない可能性がある。
【0107】
さらに、本実施の形態の場合、
図1および
図5に示すように、テープ切断装置10は、筺体12の開口12aを塞ぐ第2の遮蔽部材110、112を備える。この第2の遮蔽部材110、112の役割を説明するために、第2の遮蔽部材110、112が存在しない場合に起こる問題について、比較例を参照しながら説明する。
【0108】
図28は、第2のキャリアテープが筺体の開口を通過している状態の比較例のテープ切断装置の側面図である。また、
図29は、切断された第2のキャリアテープをテープ切断装置から取り出した状態の比較例のテープ切断装置の側面図である。
【0109】
図28に示すように、第2のキャリアテープ300がテープ切断位置P2に位置する場合、第2のキャリアテープ300は、筺体12(すなわち筺体カバー16)の開口12aを通過する。この筺体12の開口12aは、テープ切断装置10が切断可能なキャリアテープの最大幅および最大厚さを考慮した大きさである。本実施の形態の場合、開口12aは、第2のキャリアテープ300が通過できる大きさである。
【0110】
図29に示すように、切断が完了した後の第2のキャリアテープ300をテープ切断装置10から取り出すと、開口12aに連通する空間S1が、筺体12内に現れる。この空間S1は、テープ保持ユニット20のユニットベース部材24と本体部14のトップベース部材82との間の空間である。その結果、開口12aを介して、その空間S1内にユーザの指が進入可能な状態になる。また、空間S1の下方には、第1および第2の切断刃90、92が存在する。そのため、空間S1内に進入したユーザの指が、第1および第2の切断刃90、92に触れる可能性がある。
【0111】
このように、ユーザの指が筺体12内に配置されている第1および第2の切断刃90、92に触れる可能性が生じる原因は、テープ切断装置10が幅および厚さが異なる複数種類のキャリアテープを切断可能に構成されているためである。すなわち、第1のキャリアテープ200のように幅および厚さが小さいキャリアテープのみを切断する場合、そのようなキャリアテープが通過する筺体12の開口12aは、ユーザの指が通過できない大きさである。一方、第2のキャリアテープ300のように幅および厚さが大きいキャリアテープの切断を可能とすると、そのようなキャリアテープが通過する筺体12の開口12aは、ユーザの指が通過可能な大きさである。
【0112】
このような筺体12の開口12aをユーザの指が進入できないように塞ぐために、
図5に示すように、第2の遮蔽部材110、112が、テープ切断装置10に設けられている。
【0113】
本実施の形態の場合、
図5に示すように、第2の遮蔽部材110、112は、本体部14のミドルベース部材22に、上下方向に移動可能に取り付けられている。また、第2の遮蔽部材110、112は、スプリング114によって上方向に付勢されている。なお、第2の遮蔽部材110、112は、左右対称の形状である以外、動作や機能が同一なので、ここからは、第2の遮蔽部材110のみ説明する。
【0114】
図30は、第2の遮蔽部材によって筺体の開口が塞がれた状態のテープ切断装置の側面図である。また、
図31は、筺体の開口を第2のキャリアテープが通過している状態のテープ切断装置の側面図である。
【0115】
図30に示すように、第2の遮蔽部材110が最大限上昇し、筺体12の開口12aに対してキャリアテープの長さ方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の左右方向)に対向すると、開口12aの大部分が塞がれる。第2の遮蔽部材110は、その上端と開口12aの上縁との間の距離Lが、指が進入できない大きさになるまで上昇する。
【0116】
図31に示すように、テープ厚さが大きい第2のキャリアテープ300が筺体12の開口12aを通過している場合、すなわち第2のキャリアテープ300がテープ切断位置P2に配置されてテープ切断ヘッド80によって切断された直前および直後では、第2の遮蔽部材110は、第2のキャリアテープ300に接触して停止している。切断後の第2のキャリアテープ300がテープ切断装置10から取り出されると、第2の遮蔽部材110は、スプリング114に付勢されて上昇する。そのため、スプリング114は、第2の遮蔽部材110によってキャリアテープが厚さ方向につぶれない程度の付勢力で第2の遮蔽部材110を上方向に付勢している。また、第2のキャリアテープ300と第2の遮蔽部材110が接触することにより、第2のキャリアテープ300とテープ保持ユニット20のユニットベース部材24との間の空間へのユーザの指の進入を阻止している。
【0117】
なお、第1のキャリアテープ200のように厚さが小さいキャリアテープの場合、すなわち距離Lより小さい厚さのキャリアテープは、第2の遮蔽部材110と接触しない。
【0118】
第2の遮蔽部材110は、常に筺体12の開口12aを塞いでいるわけではない。テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2以外の位置に存在するときは、第2の遮蔽部材110は、開口12aに対向していない。
【0119】
理由を説明すると、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1からテープ切断位置P2に移動することにより、保持されているキャリアテープが、開口12aの外部から開口12a内に移動する。このとき、第2の遮蔽部材110が開口12aに対向していると、キャリアテープは開口12aに進入できない。したがって、キャリアテープが開口12の外部に位置するときは、第2の遮蔽部材110は、開口12aに対向する位置から下方に退避している。
【0120】
したがって、第2の遮蔽部材110の移動は、テープ保持ユニット20の移動に連動している。
【0121】
図32および
図33は、テープ保持ユニットがテープセット位置に位置するときの第2の遮蔽部材の位置を示す斜視図および側面図である。また、
図34および
図35は、テープ保持ユニットがテープ切断位置に位置するときの第2の遮蔽部材の位置を示す斜視図および側面図である。
【0122】
図32~
図35に示すように、本実施の形態の場合、テープ保持ユニット20のテープセット位置P1からテープ切断位置P2への移動にともない、第2の遮蔽部材110は、筺体12の開口12a対向する位置に上昇する。また、テープ保持ユニット20のテープ切断位置P2からテープセット位置P1への移動に伴い、第2の遮蔽部材110は、開口12aに対向する位置から降下する。このような連動を実現するために、本実施の形態の場合、テープ保持ユニット20と第2の遮蔽部材110とを駆動連結する駆動連結機構が、テープ切断装置10に設けられている。
【0123】
具体的には、本実施の形態の場合、駆動連結機構は、第2の遮蔽部材110に設けられたカム溝110aと、テープ保持ユニット20に設けられてカム溝110a内に配置されるカムフォロア116とから構成されている。
図33および
図35に示すように、カム溝110aは、その前端から後方に向かって一定の幅で延在している。そして、後端近くで、カム溝110aは、その幅が徐々に拡大している。すなわち、カム溝110aの下側面110bは、前端から中継点110cまでは前後方向に直線上に延在し、中継点110cから後端までは下方向に傾斜している。したがって、このようなカム溝110aによれば、第2の遮蔽部材110は、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1に位置するとき、開口12aに対向する位置に向かう上昇が制限されている。また、第2の遮蔽部材110は、テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2に位置するとき、開口12aに対向する位置に向かう上昇が許容されている。
【0124】
このようなカム溝110aとカムフォロア116とから構成されている駆動連結機構と、第2の遮蔽部材110を上方向に付勢するスプリング114とを併用して第2の遮蔽部材110をテープ保持ユニット20に連動させる理由は、開口12aに配置される複数種類のキャリアテープそれぞれの厚さが異なるからである。カム溝110aとカムフォロア116のみで第2の遮蔽部材110を上昇させることは可能であるが、その場合、厚さが大きいキャリアテープを、第2の遮蔽部材110がその厚さ方向に潰す可能性がある。または、厚さが小さいキャリアテープと第2の遮蔽部材110との間にユーザの指が進入可能な大きさの隙間が生じる可能性がある。このような複数種類のキャリアテープの厚さの違いを考慮し、第2の遮蔽部材110を、カム溝110aとカムフォロア116のみで上昇させておらず、スプリング114を使用している。
【0125】
テープ保持ユニット20がテープセット位置P1からテープ切断位置P2に向かって移動すると、カムフォロア116が、カム溝110aの下側面110b上を転動して後方に移動する。カムフォロア116が中継点110cに到達するまでに、キャリアテープの一部(厳密には、
図30に示す距離Lより大きい厚さのキャリアテープの一部)が開口12a内に進入する。カムフォロア116が中継点110cを通過すると、第2の遮蔽部材110が開口12aに対向する位置に向かって上昇し始める。このような駆動連結機構により、第2の遮蔽部材110がキャリアテープの開口12aへの進入を妨害することなく、第2の遮蔽部材110がテープ保持ユニット20に連動することができる。
【0126】
なお、本実施の形態の場合、カム溝110aが第2の遮蔽部材110に設けられ、カムフォロア116がテープ保持ユニット20に設けられている。これと異なり、カム溝をテープ保持ユニット20に設け、カムフォロアを第2の遮蔽部材110に設けてもよい。
【0127】
図35に示すように、テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2の位置するとき、第2の遮蔽部材110は、スプリング114の付勢力に逆らって下方向に押せば、強制的に降下可能である。このような第2の遮蔽部材110の強制的な降下を抑制するために、テープ保持ユニット20には、第2の遮蔽部材110と係合して降下を制限する一方向係止部材118が設けられている。
【0128】
具体的には、一方向係止部材118は、ラチェット歯118aを備える部材である。このラチェット歯118aに接触する板ばね120が第2の遮蔽部材110に設けられている。板ばね120は、第2の遮蔽部材110から、ラチェット歯118aに向かって斜め下方向に延在している。
【0129】
また、
図32および
図33に示すように、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1に位置するときは、一方向係止部材118は、第2の遮蔽部材110に接触していない。その一方、
図34および
図35に示すように、テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2に位置するときは、一方向係止部材118は、板ばね120を介して第2の遮蔽部材110に接触する。
【0130】
このような一方向係止部材118と第2の遮蔽部材110の板ばね120によれば、
図34および
図35に示すように互いに接触しているとき(テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2に位置するとき)、第2の遮蔽部材110の降下が制限される。その一方で、第2の遮蔽部材110の上昇は許容されている。その理由は、切断が完了したキャリアテープがテープ切断装置10から取り出された後、第2の遮蔽部材110が上昇して筺体12の開口12aを塞ぐ必要があるからである。
【0131】
なお、上述したように、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1に位置するときは、
図33に示すように、第2の遮蔽部材110は、筺体12の開口12aに対向する位置に位置しない。その代わりに、テープ保持ユニット20に設けられた第1の遮蔽部材60が、開口12aに対向する位置に存在する。これにより、テープ保持ユニット20がテープセット位置P1に位置するとき、第1の遮蔽部材60が開口12aを覆う。また、
図35に示すように、テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2に位置するとき、第1の遮蔽部材60は、開口12aに対向しない位置に存在する。
【0132】
本実施の形態の場合、上述したようにおよび
図23に示すように、テープ切断ヘッド80を駆動する切断刃駆動装置94は、空圧で作動するエアシリンダである。本実施の形態のテープ切断装置10は、電力を使用することなく動作する。
【0133】
図36は、本実施の形態に係るテープ切断装置を動作させるためのエア回路図である。
【0134】
図36に示すように、本実施の形態に係るテープ切断装置10を動作させるエア回路は、コンプレッサなどの空圧源130と、テープ切断装置10の動作をユーザの手動で開始するためのスタートハンドバルブ132と、外力を受けて動作するメカバルブ134と、パイロットエアの供給を受けて動作するエアオペレートバルブ136と、切断刃駆動装置94(エアシリンダ)と、ユーザにキャリアテープの取り出しタイミングを報知するためのタイミング報知用エアシリンダ138とを含んでいる。なお、
図36では、スタートハンドバルブ132、メカバルブ134、およびエアオペレートバルブ136は、OFF状態で示されている。
【0135】
スタートハンドバルブ132は、5ポートバルブであって、
図1に示すように、テープ切断装置10の筺体12の前面に設けられる。スタートハンドバルブ132は、ユーザの操作によってON/OFFされる。
【0136】
メカバルブ134は、3ポートバルブであって、
図20に示すように、ミドルベース部材22に設けられている。メカバルブ134は、テープ保持ユニット20に設けられたメカバルブ動作レバー140と接触するとOFF状態からON状態になる。メカバルブ動作レバー140は、テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2に位置するとき、メカバルブ134に接触する。
【0137】
エアオペレートバルブ136は、3ポートバルブであって、
図4に示すように、ボトムベース部材96に設けられている。エアオペレートバルブ136は、パイロット圧が所定の圧力になるとOFF状態からON状態になる。
【0138】
タイミング報知用エアシリンダ138は、
図4に示すように、スタートハンドバルブ132の近くに設けられている。また、そのロッド138aは、
図1に示すように、筺体12の前面から突出している。
【0139】
図36に示すように、テープ切断装置10の動作が開始されていない、すなわちOFF状態のとき、空圧源130のからのエアは、切断刃駆動装置94(エアシリンダ)のロッド側ポートに供給され、ロッド94aが後退した状態である。すなわち、テープ切断ヘッド80が、テープ保持ユニット20のテープセット位置P1とテープ切断位置P2間の移動に干渉しない位置に退避している状態である。
【0140】
ユーザによってスタートハンドバルブ132がON状態にされると、空圧源130からのエアがメカバルブ134に供給される。それと同時に、切断刃駆動装置94(エアシリンダ)のロッド側ポートが大気に連通される。
【0141】
メカバルブ134がON状態(テープ保持ユニット20がテープ切断位置P2に位置する状態)であれば、スタートハンドバルブ132から供給されたエアが、メカバルブ134とOFF状態のエアオペレートバルブ136とを通過して、切断刃駆動装置94(エアシリンダ)とタイミング報知用エアシリンダ138それぞれのヘッド側ポートに供給される。それにより、テープ切断ヘッド80が、テープ切断位置P2に位置するテープ保持ユニット20に保持されているキャリアテープに向かって移動する。それと同時に、タイミング報知用エアシリンダ138のロッド138aが前進する。
【0142】
さらに、ON状態のメカバルブ134を通過したエアは、スピードコントローラ142を介して、パイロットエアとして、エアオペレートバルブ136に供給される。
【0143】
切断刃駆動装置94のロッド94aの前進は、
図22に示すように、テープ切断ヘッド80のストッパ受け部材104がストッパ部材102に接触することによって停止する。すなわち、テープ切断ヘッド80の第2の切断刃92によるキャリアテープにおける切断が完了すると、テープ切断ヘッド80がその切断完了位置で停止する。それとほぼ同時に、
図1に示すタイミング報知用エアシリンダ138のロッド138aが最大限前進する(最大限筺体12から突出する)。
【0144】
エアオペレートバルブ136は、テープ切断ヘッド80が切断完了位置で所定の時間(例えば2~3秒)待機した後、パイロット圧が所定の圧力に達してOFF状態からON状態になる。テープ切断ヘッド80が切断完了位置で所定の時間待機した後にパイロット圧が所定の圧力に達するように、スピードコントローラ142によってパイロットエアの流量が調整されている。なお、テープ切断ヘッド80を切断完了位置で所定の時間待機させる理由は、複数種類のキャリアテープにおける、せん断抵抗および厚さが異なるベーステープを時間をかけて確実に第2の切断刃92によって切断するためである。
【0145】
エアオペレートバルブ136がON状態になると、切断刃駆動装置94(エアシリンダ)とタイミング報知用エアシリンダ138それぞれのヘッド側ポートが大気に連通される。これにより、切断刃駆動装置94のロッド94aは、テープ切断ヘッド80の重みによって後退する。
【0146】
タイミング報知用エアシリンダ138のロッド138aは、テープ切断ヘッド80が第2の切断刃92の刃先92aが切断後のベーステープから離れる切断刃退避位置まで移動すると、後退する。テープ切断ヘッド80が切断刃退避位置に到達するタイミングでロッド138aが後退するように、エアオペレートバルブ136とタイミング報知用エアシリンダ138との間に配置されたスピードコントローラ142が流量調整している。ユーザは、テープ保持ユニット20をテープセット位置P1に移動させることなく、ロッド138aの後退を確認して切断後のキャリアテープをその長さ方向(本実施の形態の場合、テープ切断装置10の左右方向)にテープ切断装置10から取り出すことができる。すなわち、切断が完了した後、不要な待ち時間なく(必要以上に待つことなく)、直ちに、キャリアテープを取り出すことができる。
【0147】
このような構成のテープ切断装置10によれば、ユーザは以下のようにテープ切断装置10を操作する。
【0148】
まず、ユーザは、切断するキャリアテープのカバーテープの厚さに応じて、
図22にし示すストッパ部材102の接触面102aの位置および/またはストッパ受け部材104の接触面104aの位置を調整する。この調整は、テープ切断装置10によって切断されるキャリアテープの種類が変わるときに実行される。
【0149】
次に、ユーザは、テープ保持ユニット20をテープセット位置P1まで前方に引き出す。テープセット位置P1上のテープ保持ユニット20に対して、ユーザは、上述したようにキャリアテープをセットする。これにより、テープ保持ユニット20がキャリアテープを保持する。
【0150】
続いて、ユーザは、キャリアテープを保持するテープ保持ユニット20を後方に向かって押してテープ切断位置P2に移動させる。
【0151】
そして、ユーザは、スタートハンドバルブ132を操作してON状態にする。タイミング報知用エアシリンダ138のロッド138aの前進を確認することにより、ユーザはキャリアテープの切断の開始を知ることができる。
【0152】
スタートハンドバルブ132を操作してON状態にしてからしばらく経過した後、タイミング報知用エアシリンダ138のロッド138aが後退する。このロッド138aの後退を確認すると、ユーザは、ピン駆動レバー38を持ち上げキャリアテープの送り孔から位置決めピン32を抜いた(位置決めピン32を第1の係合解除位置(
図11B)に向かって下方向に移動させた)後にキャリアテープをその長さ方向に引っ張り、切断が完了したキャリアテープをテープ切断装置10から取り出す。そして、ユーザは、スタートハンドバルブ132を操作してOFF状態にする。
【0153】
以上のような本実施の形態によれば、異なる種類のキャリアテープであっても、カバーテープの前端がベーステープの前端に対して前方に位置するようにキャリアテープのベーステープのみを切断可能なテープ切断装置を提供することができる。
【0154】
以上、上述の実施の形態を挙げて説明したが、本開示の実施の形態は上述の実施の形態に限らない。
【0155】
例えば、上述の実施の形態の場合、第2の切断刃92がベーステープのみを切断するために、すなわちテープ受け部材98のテープ受け面98aに対する第2の切断刃92の刃先92aの位置決めのために、ストッパ部材102が使用されている。これは、テープ切断ヘッド80を移動させる切断刃駆動装置94がエアシリンダだからである。切断刃駆動装置94がテープ切断ヘッド80を高精度に位置決めできる装置であれば、ストッパ部材を省略することが可能である。
【0156】
すなわち、本開示の実施の形態に係るテープ切断装置は、広義には、部品ポケットを備えるベーステープと前記部品ポケットを覆うカバーテープとを含むキャリアテープにおいて、前記カバーテープを切断せずに前記ベーステープを切断するテープ切断装置であって、前記キャリアテープの幅方向に延在する刃先を備える切断刃と、前記切断刃を保持し、前記切断刃が前記ベーステープを切断するように前記キャリアテープに対して厚さ方向に相対移動するテープ切断ヘッドと、前記キャリアテープを挟んで前記テープ切断ヘッドに対して前記厚さ方向に対向し且つ前記キャリアテープを受けるテープ受け面を備えるテープ受け部材と、を有し、前記テープ切断ヘッドが、前記キャリアテープの長さ方向に延在する揺動中心線を中心にして揺動可能に、前記切断刃を保持する。
【0157】
以上のように、本開示における技術の例示として、上述の実施の形態を説明してきた。そのために、図面および詳細な説明を提供している。したがって、図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上述の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0158】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0159】
本開示は、キャリアテープとそのキャリアテープに貼り付けられたカバーテープとから構成される部品供給テープを切断する装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0160】
80 テープ切断ヘッド
92 切断刃(第2の切断刃)
92a 刃先
98 テープ受け部材
98a テープ受け面
200 キャリアテープ(第1のキャリアテープ)
300 キャリアテープ(第2のキャリアテープ)
C4 揺動中心線