IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特開2024-171691照明制御システム、照明制御方法及びプログラム
<>
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図1
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図2A
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図2B
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図3A
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図3B
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図4A
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図4B
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図5
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図6
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図7
  • 特開-照明制御システム、照明制御方法及びプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171691
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】照明制御システム、照明制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/16 20200101AFI20241205BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20241205BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20241205BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B45/10
H05B45/37
H05B47/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088841
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石原 佳苗
(72)【発明者】
【氏名】八田 和洋
(72)【発明者】
【氏名】原田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】市川 太一
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA06
3K273QA07
3K273TA03
3K273TA04
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA39
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】照射対象物の誘目性を高めつつ、快適な明るさを提供することができる照明制御システム等を提供する。
【解決手段】照明制御システム1は、入力部21と、1以上の光源部(照明装置10)と、入力部21からの入力に応じて1以上の光源部(照明装置10)を制御するための制御信号を生成する制御部20と、を備える。また、制御部20は、1以上の光源部(照明装置10)を制御することで、1以上の光源部(照明装置10)から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の光源部(照明装置10)から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替え可能であり、静的照明の出力光量をL1とした場合、L1に対応するような明るさ感を実現する動的照明を行うための制御信号を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部と、
1以上の光源部と、
前記入力部からの入力に応じて1以上の前記光源部を制御するための制御信号を生成する制御部と、を備え、
前記制御部は、
1以上の前記光源部を制御することで、1以上の前記光源部から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の前記光源部から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替え可能であり、
前記静的照明の出力光量をL1とした場合、前記L1に対応するような明るさ感を実現する前記動的照明を行うための前記制御信号を生成する
照明制御システム。
【請求項2】
1以上の前記光源部が前記動的照明を行ったときの一定の期間あたりの出力光量の平均値をL2とすると、前記制御部は、前記静的照明の出力光量である前記L1と前記動的照明における前記出力光量の平均値L2との関係が
L1≧L2≧L1×0.40
を満たすような前記動的照明を行うための前記制御信号を自動的に生成する
請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記動的照明を行うための前記制御信号では、1以上の前記光源部の光度又は照度を周期的に変動させる
請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記動的照明を行うための前記制御信号では、1以上の前記光源部の光度又は照度が周期的に変動するときの1周期における出力光量の平均値をL3とすると、
前記制御部は、前記静的照明の出力光量である前記L1と前記動的照明における前記出力光量の平均値である前記L3との関係が
L1≧L3≧L1×0.40
を満たすような前記動的照明を行うための前記制御信号を自動的に生成する
請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記入力部に出力光量L4が入力された場合、
前記制御部は、
L4×0.97≦L1≦L4×1.03
を満たすような前記静的照明及び前記動的照明を行うための前記制御信号を生成する
請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記入力部は、環境照度を測定するセンサを含み、
前記制御部は、前記センサが測定した前記環境照度も加味して1以上の前記光源部を制御することで、前記L1又は前記L4を調節する
請求項5に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記L1を設定した時に前記センサが測定した環境照度を記録するメモリをさらに備え、
前記制御部は、前記センサが測定した最新の環境照度から、前記L1を設定した時に前記センサが測定した前記環境照度を減算した値をL5とすると、
前記L1から前記L5を減じた値を、最新のL1として設定する
請求項6に記載の照明制御システム。
【請求項8】
2つ以上の前記光源部を備える
請求項1又は2に記載の照明制御システム。
【請求項9】
入力部からの入力に応じて1以上の光源部を制御するための制御信号を生成することと、
1以上の前記光源部を制御することで、1以上の前記光源部から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の前記光源部から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替えることと、
前記静的照明の出力光量をL1とした場合、前記L1に対応するような明るさ感を実現する前記動的照明を行うための前記制御信号を生成することとを含む
照明制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の照明制御方法をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明制御システム、照明制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1照明部と、第2照明部と、第1照明部及び第2照明部のそれぞれの点灯状態を制御する制御部とを備える照明装置が開示されている。この照明装置では、制御部が、光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンの光を第1照明部から照射させ、第1照明部の前記ゆらぎパターンの光よりも光束値及び色温度の前記少なくとも一方の変化が小さいパターンの光を第2照明部から照射させることで、高いリフレッシュ効果を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7194364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、照明することによって、照射対象物の誘目性を高め、かつ、快適な明るさを提供することについては、何ら対策がなされていないという課題がある。
【0005】
そこで、本開示では、照射対象物の誘目性を高めつつ、快適な明るさを提供することができる照明制御システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明制御システムは、入力部と、1以上の光源部と、前記入力部からの入力に応じて1以上の前記光源部を制御するための制御信号を生成する制御部と、を備え、前記制御部は、1以上の前記光源部を制御することで、1以上の前記光源部から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の前記光源部から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替え可能であり、前記静的照明の出力光量をL1とした場合、前記L1に対応するような明るさ感を実現する前記動的照明を行うための前記制御信号を生成する。
【0007】
また、本開示の一態様に係る照明制御方法は、入力部からの入力に応じて1以上の光源部を制御するための制御信号を生成することと、1以上の前記光源部を制御することで、1以上の前記光源部から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の前記光源部から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替えることと、前記静的照明の出力光量をL1とした場合、前記L1に対応するような明るさ感を実現する前記動的照明を行うための前記制御信号を生成することとを含む。
【0008】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、照明制御方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の照明制御システム等によれば、照射対象物の誘目性を高めつつ、快適な明るさを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る照明制御システムを示すブロック図である。
図2A図2Aは、複数の照明装置のそれぞれが照射面に光を照射した場合を示した模式図である。
図2B図2Bは、複数の照明装置のそれぞれが照射面に光を照射した場合において、照射面に照射された光が一方から他方に遷移する様子を示す図である。
図3A図3Aは、静的照明における出力光量を示す図である。
図3B図3Bは、動的照明における出力光量を示す図である。
図4A図4Aは、実施の形態に係る照明制御システムの制御信号を示す図である。
図4B図4Bは、実施の形態に係る照明制御システムにおける別の制御信号を示す図である。
図5図5は、実施の形態の変形例に係る照明制御システムを示すブロック図である。
図6図6は、動的照明における出力光量の位相差を示す図である。
図7図7は、原波形に基づいて生成された動的照明における出力光量を示す図である。
図8図8は、その他変形例に係る照明制御システムにおけるさらに別の制御信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ、ステップの順序等は、一例であって本開示を限定する主旨ではない。
【0013】
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されてはいない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0014】
(実施の形態)
<構成及び機能>
以下、図1図4Bを参照し、実施の形態に係る照明制御システム1について説明する。
【0015】
図1は、実施の形態に係る照明制御システム1を示すブロック図である。図2Aは、複数の照明装置10のそれぞれが照射面に光を照射した場合を示した模式図である。図2Bは、複数の照明装置10のそれぞれが照射面に光を照射した場合において、照射面に照射された光が一方から他方に遷移する様子を示す図である。図3Aは、静的照明における出力光量を示す図である。図3Bは、動的照明における出力光量を示す図である。図4Aは、実施の形態に係る照明制御システム1の制御信号を示す図である。図4Bは、実施の形態に係る照明制御システム1における別の制御信号を示す図である。
【0016】
図1に示すように、照明制御システム1は、1以上の照明装置10と、入力部21と、制御部20と、電源部30とを備えている。本開示では、特に言及しない限り、主に複数の照明装置10について説明する。
【0017】
複数の照明装置10のそれぞれは、例えば街路灯等の屋外用の照明器具、施設内に設置される施設用の照明器具等である。このような複数の照明装置10のそれぞれは、光源11、発光制御回路等で構成される。光源11は、複数のLED(Light Emitting Diode)素子が実装された発光モジュールである。複数のLED素子のそれぞれは、赤色LEDチップ、青色LEDチップ、及び、緑色LEDチップを含んでいる。発光制御回路が各LEDチップを独立して制御することで、複数の照明装置10のそれぞれは、光を出射することで照射面に光を照射する。つまり、照明装置10は、調光機能、及び、調色機能を備えている。光源11は、光源部の一例であってもよい。また、照明装置10は、光源部の一例であってもよい。
【0018】
照明装置10は、制御部20から制御信号を取得すると、制御信号に応じた照明態様で点灯する。例えば、照明装置10は、調光機能として、光源11が出射する光の明るさを複数の段階に調節することで、出射する光の明るさを暗くしたり、明るくしたりすることができる。つまり、照明装置10は、出射する光の明暗を周期的に揺らがせることができる。
【0019】
また、照明装置10は、調色機能として、電球色等の低い色温度から温白色、昼白色又は昼光色等の高い色温度までの白色光を発することができる。つまり、照明装置10は、出射する光の色合いを周期的に揺らがせることができる。例えば、照明演出では、照明装置10は、出射する光の赤みを増したり赤みを減らしたりを繰り返すように、周期的に色温度を変更できる。
【0020】
なお、照明装置10は、照明演出として、出射する光の波長を変更することによって、出射する光の色を変更してもよい。
【0021】
また、複数の照明装置10のそれぞれは、出力した光を照射面の異なる個所に照射することができてもよい。この場合、1つの照明装置10に複数の光源11が配置されていてもよい。複数の光源11のそれぞれは、光を出力する方向が異なるように照明装置10に取付けられていてもよい。ここで、光を出力する方向とは、照明装置10又は光源11が出射する光の光軸に沿った方向、つまり主たる光の方向である。
【0022】
また、複数の照明装置10のそれぞれは、出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、光束を変動させる動的照明とを行うことができる。
【0023】
静的照明では、照明装置10が出力する光束は一定又は実質的に一定となるため、図2Aに示すように、照射面に光を照射したときに、照射面に照射される光の輝度は一定又は実質的に一定となる。
【0024】
例えば、図2Aでは、複数の照明装置10のうちの一方側に配置されている第1照明装置10a、第2照明装置10b、及び、他方側に配置されている第3照明装置10cが静的照明を行う場合を例示している。第1照明装置10aが出力した光束によって第1光照射面A1が形成され、第2照明装置10bが出力した光束によって第2光照射面A2が形成され、第3照明装置10cが出力した光束によって第3光照射面A3が形成される。第1光照射面A1から第3光照射面A3では、輝度が一定又は実質的に一定となる。
【0025】
動的照明では、照明装置10が出力する光束を変動させるため、図2Bに示すように、照射面に光を照射したときに、照射面に照射される光の輝度は周期的に増減を繰り返す。変動とは、例えば、1秒間以上、照明装置10が出力する光束が同一でない場合である。
【0026】
例えば、図2Bでは、複数の照明装置10のうちの一方側に配置されている第1照明装置10a、第2照明装置10b、及び、他方側に配置されている第3照明装置10cが動的照明を行う場合を例示している。
【0027】
例えば、第1段階では、第1照明装置10aが出力した光束によって、第1光照射面A1が最も暗い第1の明るさで照らされ、第2照明装置10bが出力した光束によって、第2光照射面A2が第1の明るさよりも明るい第2の明るさで照らされ、第3照明装置10cが出力した光束によって、第3光照射面A3が最も明るい第3の明るさで照らされる。
【0028】
次に、第2段階では、第1照明装置10aが出力した光束によって、第1光照射面A1が第2の明るさで照らされ、第2照明装置10bが出力した光束によって、第2光照射面A2が第1の明るさで照らされ、第3照明装置10cが出力した光束によって、第3光照射面A3が第2の明るさで照らされる。
【0029】
次に、第3段階では、第1照明装置10aが出力した光束によって、第1光照射面A1が第3の明るさで照らされ、第2照明装置10bが出力した光束によって、第2光照射面A2が第2の明るさで照らされ、第3照明装置10cが出力した光束によって、第3光照射面A3が第1の明るさで照らされる。
【0030】
このように、第1照明装置10a、第2照明装置10b、及び、第3照明装置10cが次第に光の出力を増加させたり、次第に光の出力を減少させたりすることで、出力する光束を変動させる。このように、照射面の光照射面に照射される光の明るさを変化させることで、動的照明を実現することができる。
【0031】
入力部21は、複数の照明装置10のそれぞれを制御するための入力を受け付ける。例えば、入力部21は、ユーザによる入力、外部装置からの入力、照明制御システム1にタイマスイッチが内蔵されている場合にはタイマスイッチ等の装置からの入力を受け付ける。
【0032】
入力部21には、例えば、複数の照明装置10のそれぞれが静的照明を行うための調光率及び/又は調色率が入力されたり、複数の照明装置10のそれぞれが動的照明を行うための調光率及び/又は調色率が入力されたりする。入力部21は、受け付けた入力を制御部20へ出力する。
【0033】
制御部20は、複数の照明装置10を個別に又は一括して制御することができる。つまり、制御部20は、複数の照明装置10のそれぞれを所定の演出で照明させるための制御信号を、複数の照明装置10のそれぞれに出力することで、制御信号に応じて複数の照明装置10を所定の演出で照明させる。つまり、制御部20は、複数の照明装置10を、制御信号に示される所定の演出で照明させるように制御する。
【0034】
制御部20は、入力部21からの入力に応じて複数の照明装置10を制御するための制御信号を生成する。具体的には、制御部20は、入力部21からの入力に応じて、図3Aに示すような静的照明を実行させるための制御信号と、図3Bに示すような動的照明を実行させるための制御信号とを生成できる。制御部20は、静的照明のときの複数の照明装置10の出力光量がL1となる制御信号を生成する場合、出力光量L1に対応するような明るさ感(空間の明るさ感)を実現する動的照明を行うための制御信号を生成する。
【0035】
具体的には、複数の照明装置10が動的照明を行ったときの一定の期間あたりの出力光量の平均値をL2とすると、制御部20は、静的照明の出力光量L1と動的照明における出力光量の平均値L2との関係が
L1≧L2≧L1×0.40
を満たすような動的照明を行うための制御信号を自動的に生成する。
【0036】
つまり、動的照明の平均値L2は、静的照明の出力光量L1よりも小さくてもL1×0.40よりも大きければ、出力光量L1に対応するような明るさ感を実現できる。
【0037】
また、動的照明を行うための制御信号では、複数の照明装置10の光度又は照度を周期的に変動させる。つまり、図4A及び図4Bに示すように、制御部20は、動的照明を実行させるための制御信号を生成する。
【0038】
具体的には、動的照明を行うための制御信号では、複数の照明装置10の光度又は照度が周期的に変動するときの1周期における出力光量の平均値をL3とすると、制御部20は、静的照明の出力光量L1と出力光量の平均値L3との関係が
L1≧L3≧L1×0.40
を満たすような動的照明を行うための制御信号を自動的に生成する。
【0039】
つまり、動的照明の平均値L3は、静的照明の出力光量L1よりも小さくてもL1×0.40よりも大きければ、出力光量L1に対応するような明るさ感を実現できる。
【0040】
また、入力部21に出力光量L4が入力された場合、制御部20は、
L4×0.97≦L1≦L4×1.03
を満たすような、静的照明及び動的照明を行うための制御信号を生成する。つまり、入力部21に入力された出力光量L4に対する約±3%の変動幅の範囲であれば、静的照明の出力光量L1を一定又は実質的に一定とみなし、静的照明としてもよい。そして、制御部20は、入力部21に入力された出力光量L4の約±3%の変動幅の範囲内で静的照明の出力光量L1を設定して静的照明の制御信号を生成できる。
【0041】
また、制御部20は、動的照明を行う場合、入力部21に入力された出力光量L4に対する±3%の変動幅を加味して、
L1≧L2≧L1×0.40
L1≧L3≧L1×0.40
を満たすような動的照明の制御信号を生成できる。
【0042】
このように、制御部20は、入力部21に入力される出力光量L4に応じて、静的照明及び動的照明が行われる制御信号を生成できる。制御部20は、生成した制御信号を複数の照明装置10のそれぞれに出力する。これにより、制御部20は、複数の照明装置10を制御することで、複数の照明装置10から出力される光束を変動させない静的照明と、複数の照明装置10から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替え可能である。
【0043】
複数の照明装置10が静的照明を行う場合、制御信号は、出力が一定又は実質的に一定な信号である。また、複数の照明装置10に動的照明を行わせる場合、制御信号は、出力が変動する信号である。出力が変動する信号は、増減を周期的に繰り返す動的な出力信号である。
【0044】
制御信号は、図4Aに示すように、1周期T1あたりの制御信号が1回以上増加する波形の信号と、1回以上減少する波形の信号とからなる動的な出力信号であってもよい。また、図4Bに示すように、1周期T2あたりの制御信号は、2回以上増加する波形の信号と、2回以上減少する波形の信号とからなる動的な出力信号であってもよい。つまり、1周期T1、T2あたりの制御信号は、1回以上が増加する波形の信号と、1回以上が減少する波形の信号とを組み合わせた信号で構成されている。なお、制御信号には、光源11の出力をOFFにしたり、ONにしたりするものも含まれる。
【0045】
なお、図4A及び図4Bで示した制御信号はあくまでも一例であり、制御信号は、本実施の形態に限定されない。
【0046】
また、制御部20が複数の照明装置10のそれぞれへ送信するそれぞれの制御信号における位相は、動的照明の場合、異なっている。つまり、制御部20は、図4A及び図4Bのような位相を異ならせた制御信号を複数の照明装置10のそれぞれに送信する。これにより、例えば、図2Bに示すように、第1照明装置10a、第2照明装置10b、及び、第3照明装置10cのそれぞれが照射面に照射した光、つまり光照射面の照度は、位相が異なる。
【0047】
また、複数の照明装置10のそれぞれへ出力されるそれぞれの制御信号の周期は、同一であってもよい。つまり、図4Aに示す波形の制御信号が複数の照明装置10のそれぞれに対して異なる位相で出力されてもよい。また、図4Bに示す制御信号の場合でも同様である。
【0048】
また、複数の照明装置10のそれぞれへ出力されるそれぞれの制御信号の周期は、異なっていてもよい。つまり、図4Aに示す波形の制御信号が複数の照明装置10のそれぞれに対して異なる周期で出力されてもよい。また、図4Bに示す制御信号の場合でも同様である。さらに、複数の照明装置10のうちの1つの照明装置10に対して図4Aに示す波形の制御信号を出力し、複数の照明装置10のうちの別の照明装置10に対して図4Bに示す波形の制御信号を出力してもよい。
【0049】
電源部30は、複数の照明装置10及び制御部20に電力を供給する機能を有する。電源部30は、例えば、プリント基板に複数の電子部品が実装された電源回路である。電源部30は、例えば、複数の照明装置10のそれぞれにおける光源11のそれぞれを発光させるための駆動電力を生成する。具体的には、電源部30は、光源11を発光させるための駆動電力を生成し、この駆動電力をそれぞれの光源11に供給する。つまり、電源部30は、商用の交流電力を直流電力に変換し、この直流電力によって光源11を発光させるための駆動電力としてそれぞれの光源11に供給して、図1の光源11の発光素子を発光させる。
【0050】
次に、静的照明と、静的照明の出力光量L1に対応するような明るさ感を実現する動的照明とについて説明する。
【0051】
出力光量L1に対応するような明るさ感を実現する動的照明は、複数の照明装置10によって静的照明を行った場合と、複数の照明装置10によって動的照明を行った場合との明るさ感が同等となる場合である。そこで、複数の観察者によって、この明るさ感が同等となるための出力光量を導いた。
【0052】
具体的には、複数の照明装置10によって静的照明を行った場合の出力光量を一定にし、複数の照明装置10によって動的照明を行った場合の出力光量の平均値を次第に変化させた。このときに、複数の観察者が静的照明と動的照明とを行った場合のそれぞれを目視で確認し、複数の観察者のうちの約5%以上の観察者が「静的照明よりも動的照明の方が明るい」又は「静的照明と動的照明との明るさが同等」と感じたときの、静的照明の出力光量L1に対する動的照明における出力光量の平均値L2を算出した。これにより、複数の照明装置10によって静的照明を行った場合と、複数の照明装置10によって動的照明を行った場合との明るさ感が同等となるには、動的照明における出力光量の平均値L2=L1×0.71を満たすときであることが判った。
【0053】
そこで、静的照明の出力光量L1と動的照明における出力光量の平均値L2との関係が
L1≧L2≧L1×0.40
を満たすとした。
【0054】
また、静的照明の出力光量L1と動的照明の1周期における出力光量の平均値L3との関係が
L1≧L3≧L1×0.40
を満たすとした。
【0055】
なお、制御部20は、静的照明の出力光量L1と動的照明における出力光量の平均値L3との関係が
L3≧L1×0.48
を満たすような動的照明を行うための制御信号を生成してもよい。
【0056】
この場合、約25%以上の観察者が「静的照明よりも動的照明の方が明るい」又は「静的照明と動的照明との明るさが同等」と感じているため、
L1≧L3≧L1×0.40
を満たす場合よりも、照射対象物の誘目性をより高めつつ、より快適な明るさを提供できることが期待できる。
【0057】
なお、制御部20は、静的照明の出力光量L1と動的照明における出力光量の平均値L3との関係が
L3≧L1×0.71
を満たすような動的照明を行うための制御信号を生成してもよい。
【0058】
この場合、約55%以上の観察者が「静的照明よりも動的照明の方が明るい」又は「静的照明と動的照明との明るさが同等」と感じているため、
L3≧L1×0.48
を満たす場合よりも、照射対象物の誘目性をより高めつつ、より快適な明るさを提供できることが期待できる。
【0059】
例えば、図2Bに示すように、照射面に照射された光は、照明制御システム1の足元側から直線状又は面状に広がって遷移するように見える。このため、ある地点から別の地点へ光が流れるような照明演出をすることで、照射対象物の誘目性を高めることが期待できる。
【0060】
また、本実施の形態の照明制御システム1では、照度の変更及び色温度の変更と、光の遷移とを組み合わせて、ある地点から別の地点へ光が流れるような照明演出をすることで、照射対象物の誘目性をより高めることができる。
【0061】
<作用効果>
次に、本実施の形態における照明制御システム1、照明制御方法及びプログラムの作用効果について説明する。
【0062】
上述したように、本実施の形態の照明制御システム1は、入力部21と、1以上の光源部(照明装置10)と、入力部21からの入力に応じて1以上の光源部(照明装置10)を制御するための制御信号を生成する制御部20と、を備える。また、制御部20は、1以上の光源部(照明装置10)を制御することで、1以上の光源部(照明装置10)から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の光源部(照明装置10)から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替え可能であり、静的照明の出力光量をL1とした場合、L1に対応するような明るさ感を実現する動的照明を行うための制御信号を生成する。
【0063】
これによれば、動的照明によって照射対象物の誘目性を高めることができる。また、静的照明によって、快適な明るさを提供することができる。
【0064】
したがって、本開示によれば、照射対象物の誘目性を高めつつ、快適な明るさを提供することができる。
【0065】
また、本実施の形態の照明制御システム1は、2つ以上の光源部(照明装置10)を備える。
【0066】
これによれば、より照射対象物の誘目性を高めつつ、快適な明るさを提供することができる。
【0067】
また、本実施の形態の照明制御方法は、入力部21からの入力に応じて1以上の光源部(照明装置10)を制御するための制御信号を生成することと、1以上の光源部(照明装置10)を制御することで、1以上の光源部(照明装置10)から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の光源部(照明装置10)から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替えることと、静的照明の出力光量をL1とした場合、L1に対応するような明るさ感を実現する動的照明を行うための制御信号を生成することとを含む。
【0068】
この方法においても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0069】
また、本実施の形態のプログラムは、照明制御方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0070】
このプログラムにおいても、上述と同様の作用効果を奏する。
【0071】
また、本実施の形態の照明制御システム1において、1以上の光源部(照明装置10)が動的照明を行ったときの一定の期間あたりの出力光量の平均値をL2とすると、制御部20は、静的照明の出力光量L1と動的照明における出力光量の平均値L2との関係が
L1≧L2≧L1×0.40
を満たすような動的照明を行うための制御信号を自動的に生成する。
【0072】
これによれば、制御部20は、動的照明における1以上の照明装置10からの出力光量の平均値を、静的照明における1以上の照明装置10からの出力光量以下にすることができている。このため、動的照明が静的照明と同等の空間の明るさ感を実現しながら、1以上の照明装置10の消費電力を、静的照明における1以上の照明装置10の消費電力よりも小さくすることができる。
【0073】
また、本実施の形態の照明制御システム1において、動的照明を行うための制御信号では、1以上の光源部(照明装置10)の光度又は照度を周期的に変動させる。
【0074】
これによれば、制御部20が周期的に変動する制御信号を1以上の照明装置10に出力することで、動的照明を実現することができる。
【0075】
また、本実施の形態の照明制御システム1において、動的照明を行うための制御信号では、1以上の光源部(照明装置10)の光度又は照度が周期的に変動するときの1周期における出力光量の平均値をL3とする。この場合、制御部20は、静的照明の出力光量であるL1と動的照明における出力光量の平均値であるL3との関係が
L1≧L3≧L1×0.40
を満たすような動的照明を行うための制御信号を自動的に生成する。
【0076】
これによれば、1周期における出力光量の平均値を用いることで、動的照明における出力光量の平均値を精度よく算出することができる。このため、静的照明と動的照明とにおいて、より同等の明るさ感を実現することができるようになる。その結果、動的照明における1以上の照明装置10の消費電力を適切にすることができるため、動的照明のときの消費電力が増大してしまうことを抑制することができる。
【0077】
また、本実施の形態の照明制御システム1において、入力部21に出力光量L4が入力された場合、制御部20は、
L4×0.97≦L1≦L4×1.03
を満たすような静的照明及び動的照明を行うための制御信号を生成する。
【0078】
これによれば、出力光量L4によって、静的照明の出力光量L1を設定することができる。これにより、動的照明における出力光量の平均値L2、L3の変動幅を約6%増やすことができる。
【0079】
(実施の形態の変形例)
まず、図5を参照し、本変形例の照明制御システム1aについて説明する。
【0080】
図5は、実施の形態の変形例に係る照明制御システム1aを示すブロック図である。
【0081】
本変形例では、入力部が環境照度を測定することと、メモリ25が環境照度を記録することとを行う点で実施の形態と相違する。本変形例における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
【0082】
本変形例の入力部は、環境照度を測定するセンサ22を含んでいる。この場合、センサ22は、周囲の環境照度を計測することで環境照度を取得し、取得した環境照度を制御部20及びメモリ25に出力することができる。
【0083】
制御部20は、センサ22が測定した環境照度も加味して複数の照明装置10を制御することで、静的照明における出力光量L1又はセンサ22に入力された出力光量L4を調節する。例えば、制御部20は、環境照度が高いほど、静的照明における出力光量L1又はL4を低くするように、静的照明における出力光量L1を調節してもよい。
【0084】
例えば、センサ22は、1時間又は数時間に1回程度、環境照度を測定してもよい。この場合、制御部20は、1時間又は数時間に1回程度、取得した環境照度を加味して静的照明における出力光量L4を調節してもよい。
【0085】
例えば、静的照明の制御信号又は動的照明の制御信号を生成する場合、センサ22が24時間に1回程度、環境照度を測定してもよい。この場合、制御部20は、24時間に1回程度、取得した環境照度を加味して静的照明における出力光量L1を調節してもよい。
【0086】
また、制御部20が静的照明における出力光量L1又はL4を調節することで、結果的に、動的照明における出力光量の平均値L2、L3が調整されてもよい。
【0087】
メモリ25は、静的照明における出力光量L1を設定した時にセンサ22が測定した環境照度を記録する記録媒体である。
【0088】
制御部20は、静的照明における出力光量L1を設定した時に、メモリ25に記録された環境照度を用いて最新のL1として設定する。具体的には、制御部20は、センサ22が測定した最新の環境照度から、L1を設定した時にセンサ22が測定した環境照度を減算した値をL5とすると、L1からL5を減じた値を、最新のL1として設定する。
【0089】
例えば、以前の静的照明における出力光量L1を設定した時がL1=5.0lxであり、その時の環境照度が0.5lxであり、今回の環境照度が1.5lxである場合を想定する。この場合、環境照度は、0.5lxから1.5lxへと、1.0lx増加している。このため、制御部20は、静的照明における出力光量L1を1.0lx減らすように制御する。つまり、制御部20は、静的照明における出力光量L1を5.0lxから4.0lxへ減らし、減らした値4.0lxを最新のL1として設定する。
【0090】
このような、本変形例の照明制御システム1aにおいて、入力部は、環境照度を測定するセンサ22を含む。そして、制御部20は、センサ22が測定した環境照度も加味して1以上の光源部(照明装置10)を制御することで、L1又はL4を調節する。
【0091】
これによれば、制御部20が環境照度を加味して静的照明における出力光量L1又はL4を調節することができる。制御部20は、調節された出力光量L1又はL4に基づいて、動的照明における出力光量の平均値L2、L3も調整する。その結果、より適切な静的照明と動的照明とを実現することができるため、照射対象物の誘目性をより高めつつ、より快適な明るさを提供することができる。
【0092】
このような、本変形例の照明制御システム1aは、L1を設定した時にセンサ22が測定した環境照度を記録するメモリ25をさらに備える。そして、制御部20は、センサ22が測定した最新の環境照度から、L1を設定した時にセンサ22が測定した環境照度を減算した値をL5とすると、L1からL5を減じた値を、最新のL1として設定する。
【0093】
これによれば、環境照度に応じて静的照明における出力光量L1を調節することができる。制御部20は、調節された出力光量L1に基づいて、動的照明における出力光量の平均値L2、L3も調整する。その結果、より適切な静的照明と動的照明とを実現することができるため、照射対象物の誘目性をより高めつつ、より快適な明るさを提供することができる。
【0094】
(その他変形例等)
以上、本開示に係る照明制御システム等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。実施の形態の変形例は、実施の形態の構成に含まれるものとする。
【0095】
例えば、上記実施の形態に係る照明制御システムは、図6に示す形態であってもよい。図6は、動的照明における出力光量の位相差を示す図である。複数の照明装置のうちの一部の第1照明装置から任意の時刻T1に出力する出力光量をL6、第1照明装置以外の第2照明装置と第1照明装置との位相差をT2、時刻T1+T2に第2照明装置から出力する出力光量をL7とすると、制御部は、
L6×0.9≦L7≦L6×1.10
より好ましくは
L6×0.97≦L7≦L6×1.03
を満たす動的照明を生成してもよい。
【0096】
この場合、複数の照明装置のうちの1以上の第1照明装置と、1以上の第2照明装置とで位相差のある光を出射することができる。このため、照射面に照射された光は、形状及び明るさが変化する。これにより、照射対象物の誘目性をより高めることができる。なお、第1照明装置と第2照明装置とは、約3秒等の数秒程度の位相差があってもよい。また、複数の照明装置のそれぞれが約3秒等の数秒程度の位相差があってもよい。
【0097】
また、上記実施の形態に係る照明制御システムにおいて、図7に示すような動的照明を実行してもよい。図7は、原波形に基づいて生成された動的照明における出力光量を示す図である。具体的には、入力部に動的照明を行うための原波形(信号)を入力することで、原波形における一定期間の出力光量の平均値をL8、原波形における任意時刻T3の出力光量をL9、動的照明を行う時刻T3における出力光量をL10とする。この場合、制御部は、
(L9×L2/L8)×0.97≦L10≦(L9×L2/L8)×1.03
を満たす動的照明を生成してもよい。
【0098】
この場合、任意の時刻T3における出力光量L10を原波形に基づいて設定することができるため、入力部に入力された原波形を加味して動的照明の制御信号を修正することができる。このため、時刻及び原波形に応じた動的照明を実現することができ、照射対象物の誘目性をより高めつつ、複数の照明装置の消費電力の増大を抑制することができる。
【0099】
また、上記実施の形態に係る照明制御システムは、静的照明における出力光量、動的照明における制御信号、及び、動的照明における出力光量を表示する表示部をさらに備えていてもよい。この場合、ユーザは、静的照明及び動的照明における出力光量及び制御信号を把握することができる。
【0100】
また、上記実施の形態に係る照明制御システムにおいて、任意の時刻T1と、センサが測定した最新の環境照度から、L1を設定した時にセンサが測定した環境照度を減算した値L5とに関し、複数の照明装置のうちの一部の1以上の第1照明装置の任意の時刻T1における出力光量がL5×0.97以上、かつL5×1.03以下を満たしてもよく、1以上の第1照明装置以外他の第2照明装置の出力光量がL8×0.97未満、又はL8×1.03を上回ることを満たしてもよい。
【0101】
また、上記実施の形態に係る照明制御システムにおいて、図8に示すような制御信号によって動的照明を実行してもよい。図8は、その他変形例に係る照明制御システムにおけるさらに別の制御信号を示す図である。制御信号は、図8に示すように三角波形状であってもよい。
【0102】
また、上記実施の形態に係る照明制御システムにおいて、複数の照明装置から出射する光の照明態様を調整することによって、照射面に照射された光が一方から他方に遷移するように見えるため、所定領域内に存在している人を誘導することができる。例えば、本実施の形態の照明制御システムでは、照明態様を調整することによって、人を所定方向に誘導したり、所定方向に誘導した人を所定領域内に集めたり、所定領域内に集まっている人を誘導して分散させたりすることが期待できる。例えば、人は、暗いところよりも明るいところに誘導される効果が知られているため、照明制御システムでは、明るい光を遷移させることで、人の感情に働きかけて人を誘導することが期待できる。このような照明制御システムは、例えば、公園、遊園地、駅及び大規模施設等のように、多くの人を誘導する必要のある個所に用いられてもよい。なお、光が変化する速度は、人が歩く時の速度と同様の速度(時速数Km程度の速度)で遷移してもよい。
【0103】
また、上記実施の形態に係る制御部等は典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0104】
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0105】
なお、上記実施の形態において、制御部は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0106】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0107】
(付記)
以下に、上記各実施の形態に基づいて説明した照明制御システム等の特徴を示す。
【0108】
<技術1>
入力部と、
1以上の光源部と、
前記入力部からの入力に応じて1以上の前記光源部を制御するための制御信号を生成する制御部と、を備え、
前記制御部は、
1以上の前記光源部を制御することで、1以上の前記光源部から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の前記光源部から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替え可能であり、
前記静的照明の出力光量をL1とした場合、前記L1に対応するような明るさ感を実現する前記動的照明を行うための前記制御信号を生成する
照明制御システム。
【0109】
<技術2>
1以上の前記光源部が前記動的照明を行ったときの一定の期間あたりの出力光量の平均値をL2とすると、前記制御部は、前記静的照明の出力光量である前記L1と前記動的照明における前記出力光量の平均値L2との関係が
L1≧L2≧L1×0.40
を満たすような前記動的照明を行うための前記制御信号を自動的に生成する
技術1に記載の照明制御システム。
【0110】
<技術3>
前記動的照明を行うための前記制御信号では、1以上の前記光源部の光度又は照度を周期的に変動させる
技術1又は2に記載の照明制御システム。
【0111】
<技術4>
前記動的照明を行うための前記制御信号では、1以上の前記光源部の光度又は照度が周期的に変動するときの1周期における出力光量の平均値をL3とすると、
前記制御部は、前記静的照明の出力光量である前記L1と前記動的照明における前記出力光量の平均値である前記L3との関係が
L1≧L3≧L1×0.40
を満たすような前記動的照明を行うための前記制御信号を自動的に生成する
技術3に記載の照明制御システム。
【0112】
<技術5>
前記入力部に出力光量L4が入力された場合、
前記制御部は、
L4×0.97≦L1≦L4×1.03
を満たすような前記静的照明及び前記動的照明を行うための前記制御信号を生成する
技術1~4のいずれか1つに記載の照明制御システム。
【0113】
<技術6>
前記入力部は、環境照度を測定するセンサを含み、
前記制御部は、前記センサが測定した前記環境照度も加味して1以上の前記光源部を制御することで、前記L1又は前記L4を調節する
技術5に記載の照明制御システム。
【0114】
<技術7>
前記L1を設定した時に前記センサが測定した前記環境照度を記録するメモリをさらに備え、
前記制御部は、前記センサが測定した最新の環境照度から、前記L1を設定した時に前記センサが測定した環境照度を減算した値をL5とすると、
前記L1から前記L5を減じた値を、最新のL1として設定する
技術6に記載の照明制御システム。
【0115】
<技術8>
2つ以上の前記光源部を備える
技術1~7のいずれか1つに記載の照明制御システム。
【0116】
<技術9>
入力部からの入力に応じて1以上の光源部を制御するための制御信号を生成することと、
1以上の前記光源部を制御することで、1以上の前記光源部から出力される光束が一定又は実質的に一定な静的照明と、1以上の前記光源部から出力される光束を変動させる動的照明との間で切り替えることと、
前記静的照明の出力光量をL1とした場合、前記L1に対応するような明るさ感を実現する前記動的照明を行うための前記制御信号を生成することとを含む
照明制御方法。
【0117】
<技術10>
技術9に記載の照明制御方法をコンピュータに実行させる
プログラム。
【符号の説明】
【0118】
1、1a 照明制御システム
10 照明装置(光源部)
10a 第1照明装置(光源部)
10b 第2照明装置(光源部)
10c 第3照明装置(光源部)
20 制御部
21 入力部
22 センサ
25 メモリ
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8