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特開2024-171692情報処理システム、情報処理装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171692
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088842
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 歩夢
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】需要家に対し、再生可能エネルギーの供給に見合った行動変容を促す。
【解決手段】情報処理システムは、予め定められた期間に再生可能エネルギーとして発電され供給可能となる電力の予測量を取得する取得手段と、少なくとも取得手段が取得した電力の予測量に基づいて、予め定められた期間に消費することで需要家が報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定する決定手段と、決定手段が決定した報酬付き電力の利用可能量に係る情報を、各需要家に通知する通知手段と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた期間に再生可能エネルギーとして発電され供給可能となる電力の予測量を取得する取得手段と、
少なくとも前記取得手段が取得した前記電力の予測量に基づいて、前記予め定められた期間に消費することで需要家が報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した前記報酬付き電力の前記利用可能量に係る情報を、各需要家に通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記予め定められた期間における前記報酬付き電力の利用に係る利用情報を各需要家から受け付ける受付手段をさらに備え、
前記決定手段は、前記受付手段の受け付けた前記利用情報に基づいて、前記報酬付き電力の前記利用可能量を決定する
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記利用情報は、前記予め定められた期間における前記報酬付き電力の利用希望量の情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通知手段は、前記予め定められた期間に消費した前記報酬付き電力の量に係る消費情報を、各需要家に通知することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記通知手段は、前記報酬付き電力の利用可能量と前記予め定められた期間に消費した前記報酬付き電力の量との差を把握可能な態様にて、前記消費情報を通知することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記取得手段は、前記予め定められた期間よりも短い予め定められた単位時間毎の前記電力の予測量を取得し、
前記決定手段は、前記予め定められた単位時間毎の前記報酬付き電力の前記利用可能量を決定することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
予め定められた期間に再生可能エネルギーとして発電され供給可能となる電力の予測量を取得する取得手段と、
少なくとも前記取得手段が取得した前記電力の予測量に基づいて、前記予め定められた期間に消費することで需要家が報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定する決定手段と、
前記決定手段が決定した前記報酬付き電力の前記利用可能量に係る情報を、各需要家の保有する端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、
予め定められた期間に消費することで報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定するサーバに対し、自装置を保有する需要家の前記報酬付き電力の利用可能量の決定に用いられる情報を送信する機能と、
前記サーバにて、前記情報および前記予め定められた期間に再生可能エネルギーとして発電され供給可能となる電力の予測量に基づいて決定された、前記自装置を保有する需要家の前記報酬付き電力の前記利用可能量に係る情報を受信する機能と、
受信した前記報酬付き電力の利用可能量に係る情報を通知する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光発電の発電能力を予測した発電能力予測データと、一般消費電力を予測した一般消費電力予測データと、充電可能車両への充電電力を予測した充電電力予測データとに基づいて、発電能力が充電電力と一般消費電力との合計を上回ることが予測されるときに、発電能力が総消費量を上回り始める時刻の所定時間前に、充電可能車両の利用料金を低く設定させることで、太陽光発電の余剰電力を抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-157753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、再生可能エネルギーの供給が多い時間帯などの予め定められた期間(「対象期間」と呼ぶ場合がある。)における電力消費に報酬を付与し、対象期間における電力消費を促すことで、再生可能エネルギーを効率的に活用する技術が存在する。例えば、太陽光発電の余剰電力が発生する期間における充電可能車両の使用料金を低く設定すること(特許文献1)や、ダイナミックプライシングにより再生可能エネルギーを含む電力の供給が増大するほど電気料金を低く設定することが行われる。このような従来技術では、需要家は、対象期間における電力消費が増大するように電力の消費に係る行動を変化(「行動変容」と呼ぶ場合がある。)させ、電気料金の割引等の報酬を得る。
しかしながら、従来技術のように事後的に報酬が付与されるだけでは、再生可能エネルギーの供給に見合った行動変容が実施されず、効率的な活用に繋がらない恐れがある。
本発明の目的は、需要家に対し、再生可能エネルギーの供給に見合った行動変容を促すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、予め定められた期間に再生可能エネルギーとして発電され供給可能となる電力の予測量を取得する取得手段と、少なくとも前記取得手段が取得した前記電力の予測量に基づいて、前記予め定められた期間に消費することで需要家が報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定する決定手段と、前記決定手段が決定した前記報酬付き電力の前記利用可能量に係る情報を、各需要家に通知する通知手段と、を備えることを特徴とする情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記予め定められた期間における前記報酬付き電力の利用に係る利用情報を各需要家から受け付ける受付手段をさらに備え、前記決定手段は、前記受付手段の受け付けた前記利用情報に基づいて、前記報酬付き電力の前記利用可能量を決定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記利用情報は、前記予め定められた期間における前記報酬付き電力の利用希望量の情報を含むことを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記通知手段は、前記予め定められた期間に消費した前記報酬付き電力の量に係る消費情報を、各需要家に通知することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記通知手段は、前記報酬付き電力の利用可能量と前記予め定められた期間に消費した前記報酬付き電力の量との差を把握可能な態様にて、前記消費情報を通知することを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記取得手段は、前記予め定められた期間よりも短い予め定められた単位時間毎の前記電力の予測量を取得し、前記決定手段は、前記予め定められた単位時間毎の前記報酬付き電力の前記利用可能量を決定することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、予め定められた期間に再生可能エネルギーとして発電され供給可能となる電力の予測量を取得する取得手段と、少なくとも前記取得手段が取得した前記電力の予測量に基づいて、前記予め定められた期間に消費することで需要家が報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定する決定手段と、前記決定手段が決定した前記報酬付き電力の前記利用可能量に係る情報を、各需要家の保有する端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、予め定められた期間に消費することで報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定するサーバに対し、自装置を保有する需要家の前記報酬付き電力の利用可能量の決定に用いられる情報を送信する機能と、前記サーバにて、前記情報および前記予め定められた期間に再生可能エネルギーとして発電され供給可能となる電力の予測量に基づいて決定された、前記自装置を保有する需要家の前記報酬付き電力の前記利用可能量に係る情報を受信する機能と、受信した前記報酬付き電力の利用可能量に係る情報を通知する機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、需要家に対し、再生可能エネルギーの供給に見合った行動変容を促す情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】本実施の形態に係る管理サーバ、需要家端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本実施の形態に係る管理サーバの機能構成例を示す図である。
図4】本実施の形態に係る需要家端末の機能構成例を示す図である。
図5】利用券購入画面の一例を示す図である。
図6】本実施の形態が適用される情報処理システムの利用の流れの一例を示す図である。
図7】需要家端末における利用可能量に係る情報の通知について説明する図である。
図8】結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態(以下、「本実施の形態」と呼ぶ場合がある。)について説明する。
本実施の形態では、電力の小売事業者などの電力を供給する供給元(以下、「小売事業者」と呼ぶ場合がある。)が、再生可能エネルギーとして発電される電力の一例として、太陽光発電により発電される電力(以下、「PV(Photovoltaic)電力」と呼ぶ場合がある。)を供給可能である場合を例にして説明する。ここで、PV電力には、小売事業者が保有する太陽光発電設備により発電した電力だけでなく、例えば他の事業者や個人から買い取った電力も含まれる。
【0009】
太陽光発電では、一般に、日中の日射量が多い時間帯(例えば、9時~16時)において発電量が大きくなる。そこで、本実施の形態において、小売事業者は、1日のうち日射量が多い時間帯を対象期間として予め設定し、この対象期間に消費することで需要家に報酬(インセンティブ)がもたらされる報酬付き電力を用意する。
報酬としては例えば、一般の電力より安く設定された単価(割引)や、利用量に応じたポイントの付与が挙げられる。
【0010】
<情報処理システム1>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、小売事業者から需要家へのPV電力の供給に利用されるシステムである。図1に示すように、本実施の形態が適用される情報処理システム1は、需要家への電力の供給に係る情報を管理する管理サーバ10と、管理サーバ10から各需要家への情報の通知に用いられる需要家端末20(20a,20b,20c)と、各需要家により消費される電力の量を記録する電力メータ30(30a,30b,30c)と、需要家に供給可能なPV電力の量を予測する予測装置80と、管理サーバ10と他装置との間を通信可能に接続するネットワーク90と、を備える。
なお、図1の例では、PV電力の供給先として需要家a、需要家b、需要家cを記載しているが、需要家の数は限定されるものではない。また、需要家の種別は限定されるものではなく、一般家庭(住居)や企業(オフィス)の他、工場や店舗など各種の施設であってもよい。
【0011】
ネットワーク90は、管理サーバ10と需要家端末20や電力メータ30、予測装置80との間のデータ通信に利用可能であれば特に限定されず、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどを用いてよい他、接続の方法は有線でも無線でもよい。また、ネットワーク90には、ゲートウェイ装置やルータ等の中継装置が含まれていてもよく、複数のネットワークや通信回線を接続して構築されていてもよい。
その他、本実施の形態に係るネットワーク90は、管理サーバ10以外の装置間のデータ通信にも利用される。
【0012】
電力メータ30は、いわゆるスマートメータであり、小売事業者等から供給され需要家にて消費される電力の量(「消費電力」と呼ぶ場合がある。)を記録し、管理サーバ10に送信する機能を有する。
本実施の形態に係る電力メータ30は、対応する需要家の消費電力を30分単位で記録して管理サーバ10に送信する。このため、本実施の形態に係る管理サーバ10は、各需要家の30分毎の消費電力の情報を取得可能となっている。なお、電力メータ30が記録を送信する間隔は限定されず、30分より長く/短く設定してもよい。
【0013】
予測装置80は、小売事業者が対象期間中に需要家に供給可能なPV電力の量を予測する情報処理装置である。具体的な例として、予測装置80は、小売事業者が所有する太陽光発電設備の対象期間中の稼働予定や、対象期間中の気象情報などに基づいて、対象期間中に小売事業者が発電し供給可能となるPV電力の量を予測する。また、PV電力の買い取り契約を結んだ他の業者や個人から、対象期間中に買い取るPV電力の量の情報を取得する。このようにして、予測装置80は、小売事業者が対象期間中に需要家に供給可能なPV電力の量を予測する。
なお、図1の例では、管理サーバ10と予測装置80とを異なる装置として記載しているが、管理サーバ10が予測装置80と同様の機能を有することとして、一体的に構成してもよい。また、管理サーバ10が予測装置80の機能の一部を有することとして、予測装置80と協同で予測を行うこととしてもよい。
【0014】
管理サーバ10は、小売事業者が対象期間中に需要家に供給可能なPV電力の予測量に基づいて、需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定する情報処理装置である。そして、決定した報酬付き電力の利用可能量に係る情報を、各需要家の需要家端末20に送信する。
その他、管理サーバ10は、小売事業者から各需要家への電力の供給に係る契約内容や、契約に伴い登録された需要家の情報、各需要家の電力の消費に係る情報、各需要家へ請求する電気料金に係る情報など、小売事業者から需要家への電力の供給に係る各種の情報を管理する。
なお、管理サーバ10としては、サーバ装置の他、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPCなどを例示することができる。
【0015】
需要家端末20は、各需要家が利用する情報処理端末であり、管理サーバ10から各需要家への、各種の情報の通知に用いられる。需要家端末20は例えば、対象期間中の報酬付き電力の利用可能量に係る情報を、管理サーバ10から受信して、需要家が把握可能な態様で通知する。
また、図4を用いて詳細を後述するが、本実施の形態に係る需要家端末20は、自装置を保有する需要家の報酬付き電力の利用可能量の決定に用いられる、各種の情報の入力を受け付け、入力された情報を管理サーバ10に送信する機能を有する。
なお、需要家端末20としては、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、多機能携帯電話(いわゆる「スマートフォン」)、携帯電話(いわゆる「フィーチャーフォン」)などを例示することができる。
【0016】
図2は、本実施の形態に係る管理サーバ10、需要家端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10および需要家端末20の各装置は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0017】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10および需要家端末20の各装置の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。
メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0018】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。付言すると、記憶部13は、他装置から受信した各種のデータや自装置にて作成したデータなどの各種のデータを格納するための格納場所(図3を用いて後述する。)を提供し、格納されたデータを記録する。
通信部14は、ネットワーク90を介して外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0019】
図3は、本実施の形態に係る管理サーバ10の機能構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る管理サーバ10は、対象期間中に供給可能となるPV電力の予測量を取得する予測量取得部111と、対象期間中の報酬付き電力の総量を設定する総量設定部112と、各需要家の利用情報(後述)を取得する利用情報取得部113と、需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定する利用可能量決定部114と、需要家端末20にて通知される情報を送信する情報送信部115と、を備える。
また、管理サーバ10は、各種データを格納するための格納場所として、需要家に係る各種の情報が格納される需要家データベース131と、情報送信部115により出力された情報が格納される出力情報データベース132と、を備える。
【0020】
需要家データベース131には、需要家に係る各種の情報が、需要家毎の識別情報に紐づけて格納される。
より具体的に、需要家データベース131には、需要家の個人情報や需要家への電力の供給に係る契約内容など、小売事業者と需要家との契約に際し登録された情報が格納される。また、電力メータ30から取得した需要家の消費電力の情報や、需要家端末20から取得した各需要家の利用情報が格納される。
【0021】
出力情報データベース132には、情報送信部115により出力され需要家端末20にて通知される情報が、需要家毎の識別情報に紐づけて格納される。
より具体的に、出力情報データベース132には、需要家の報酬付き電力の利用可能量に係る情報の他、後述する需要家の消費情報などが格納される。
【0022】
予測量取得部111は、通信部14を介して予測装置80より受信した情報から、対象期間中に供給可能となるPV電力の予測量を取得する。なお、この予測量の取得は、少なくとも対象期間よりも前の時点で行われればよく、本実施の形態においては、対象期間を含む日の前日に行われる。
なお、予測量取得部111は、取得手段の一例である。
【0023】
総量設定部112は、予測量取得部111が取得したPV電力の予測量に基づいて、対象期間中の報酬付き電力の総量を設定する。
総量設定部112は例えば、対象期間中の報酬付き電力の総量を、予測量取得部111が取得したPV電力の予測量と等しい値に設定する。また例えば、PV電力の予測量と実際の発電量とのずれや、各需要家への電力の供給に際して発生する損失などを考慮して、PV電力の予測量に予め定められた係数をかけ、報酬付き電力の総量をPV電力の予測量よりも小さく設定してもよい。
【0024】
利用情報取得部113は、需要家データベース131に格納された利用情報を取り出して取得する。より具体的には、例えば、需要家a、需要家b、需要家cが利用可能量の決定の対象となる場合、各々の利用情報を需要家データベース131から取り出して取得する。
利用情報は、対象期間における需要家の報酬付き電力の利用に係る情報であり、後述する利用可能量決定部114における需要家毎の利用可能量の決定に用いられる。
利用情報には、例えば、対象期間における需要家の報酬付き電力の利用希望量の情報が含まれる。これにより、本実施の形態では、各需要家の利用情報として、対象期間よりも前に需要家が購入した利用券の情報が用いられる。
【0025】
ここで、「利用券」は、報酬付き電力の利用希望量を需要家に事前に申告させるための仕組みであり、需要家は、対象期間中の利用希望量に応じた電力が設定された利用券を購入することができる。つまり、利用券の情報には、対象期間における需要家の報酬付き電力の利用希望量の情報が含まれる。
なお、本実施の形態における利用券は、需要家端末20を介して購入することで、電子チケットの態様で提供される。利用券の購入については、図4図5を用いて詳細を後述する。
【0026】
利用可能量決定部114は、対象期間における需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定する。より詳しくは、本実施の形態に係る利用可能量決定部114は、PV電力の予測量に基づいて総量設定部112により設定された報酬付き電力の総量と、利用情報取得部113により取得された需要家毎の利用情報とに基づいて、対象期間における需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定する。
本実施の形態に係る利用可能量決定部114は、報酬付き電力の総量を、各需要家の購入した利用券に設定された電力の大きさに比例した割合で割り振って、需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定する。言い換えると、各需要家の利用券に設定された電力の大きさを元に、報酬付き電力を按分する。
なお、利用可能量決定部114は、決定手段の一例である。
【0027】
ここで、本実施の形態に係る利用可能量決定部114は、各需要家の報酬付き電力の利用可能量を、対象期間全体で1つの量として決定するだけでなく、対象期間中の予め定められた単位時間毎の量として決定することもできる。
より具体的には、利用可能量決定部114は、ある需要家の報酬付き電力の利用可能量を、対象期間(例えば9時~16時)全体で○○kWhと決定することができる。
また、利用可能量決定部114は、例えば30分を単位時間として、ある需要家の報酬付き電力の利用可能量を、9時~9時30分で○kWh、9時30分~10時で○kWh、…というように時間帯別で決定することができる。この場合、予測量取得部111は、同じ単位時間毎のPV電力の予測量を取得することとする。なお、単位時間の長さは少なくとも対象期間よりも短ければよく、限定されない。ただし、電力メータ30(図1参照)における消費電力の記録および管理サーバ10への送信の間隔と対応させることが好ましい。
【0028】
情報送信部115は、需要家端末20にて通知される情報を、各需要家端末20に送信する。情報送信部115は、利用可能量決定部114が決定した需要家毎の報酬付き電力の利用可能量に係る情報を、各需要家端末20に送信する。具体的な例として、利用可能量決定部114が需要家a、需要家b、需要家cのPV電力の利用可能量を決定した場合、需要家端末20aに需要家aの利用可能量に係る情報を、需要家端末20bに需要家bの利用可能量に係る情報を、需要家端末20cに需要家cの利用可能量に係る情報を、それぞれ送信する処理を行う。
その他、情報送信部115は、例えば、各需要家の消費電力の情報を需要家データベース131から取り出して、各需要家端末20に送信する処理などを行う。
なお、情報送信部115は、送信手段の一例である。
【0029】
このように、本実施の形態に係る管理サーバ10は、対象期間中に供給可能となるPV電力の予測量を取得する手段と、少なくともPV電力の予測量に基づいて報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定する手段と、報酬付き電力の利用可能量に係る情報を各需要家の需要家端末20に送信する手段と、を備える。
【0030】
図4を用いて、需要家端末20の機能構成について説明する。
図4は、本実施の形態に係る需要家端末20の機能構成例を示す図である。
図示するように、本実施の形態に係る需要家端末20は、各種の情報の入力を受け付ける入力受付部211と、管理サーバ10との間の通信に係る制御を行う通信制御部212と、表示部16(図2参照)の表示を制御する表示制御部213と、を備えている。
【0031】
入力受付部211は、自装置を利用する需要家からの各種の情報の入力を受け付ける機能部であり、例えば需要家による利用情報の入力を受け付ける。
本実施の形態に係る入力受付部211は、利用情報の入力として、需要家による利用券の購入を受け付ける。より具体的には、表示部16に表示された利用券購入画面(図5を用いて後述する。)において、需要家が利用券を選択し購入する操作を、利用情報の入力として受け付ける。
なお、入力受付部211は、受付手段の一例である。
【0032】
ここで、図5を用いて、利用券購入画面について説明する。
図5は、利用券購入画面500の一例を示す図である。図示するように、利用券購入画面500には、需要家が購入可能な利用券の一覧が、「時間帯制限なし」/「時間帯制限あり」の利用券の種別(後述)、利用券に設定された電力、利用券の価格の情報とともに表示される。
その他、利用券購入画面500には、図5の例における「おすすめ」のテキストのように、ユーザに対し何れかの利用券を推奨する情報が表示されていてもよい。利用券の推奨は、管理サーバ10にて管理されている需要家の情報に基づいて行われればよく、例えば過去の利用券の購入の実績や、報酬付き電力の消費の実績などに基づいて行われるとよい。
【0033】
続けて、利用券の種別について説明する。
「利用時間帯制限なし」の利用券を購入した場合、需要家は、対象期間内かつ決定された利用可能量の範囲内であれば、時間帯の制限なしに、報酬付き電力を利用することができる。なお、この利用券を購入した場合、対象期間中に報酬付き電力として消費された電力量が利用券に設定された電力量よりも小さければ、差分が次回以降の対象期間に持ち越される。また、対象期間中に報酬付き電力として消費された電力量が利用券に設定された電力量よりも大きければ、差分が報酬付き電力ではない一般の電力として扱われる。
一方、「利用時間帯制限あり」の利用券を購入した場合、需要家は、利用券に設定された時間帯かつ決定された利用可能量の範囲内でのみ、報酬付き電力を利用することができる。この場合、対応する時間帯において報酬付き電力として消費された電力量が利用券に設定された電力量よりも大きければ、「利用時間帯制限なし」の場合と同様に、差分が一般の電力として扱われる。ただし、対応する時間帯において報酬付き電力として消費された電力量が利用券に設定された電力量よりも小さい場合、差分は他の時間帯や次回以降の対象期間には持ち越されない。なお、利用時間帯は、図3を用いて上述した単位時間に合わせて設定されるとよい。
【0034】
再び図4を参照して、通信制御部212は、管理サーバ10との間の通信に係る制御を行う。より具体的には、例えば、入力受付部211が受け付けた需要家の利用情報を、管理サーバ10に送信する処理を行う。また例えば、管理サーバ10から受信したデータから、利用可能量に係る情報などの必要な情報を取り出し、表示制御部213などの各機能部に渡し、後の処理に利用させる。
【0035】
表示制御部213は、表示部16にて表示される内容を制御する。本実施の形態に係る表示制御部213は、需要家の報酬付き電力の利用可能量に係る情報を、表示部16に表示することで、需要家に通知する。この通知の具体例や詳細については、図7を用いて後述する。
その他、表示制御部213は、表示部16において利用券購入画面500(図5参照)や結果画面800(図8を用いて後述)を表示する制御を行う。
なお、表示制御部213は、通知手段の一例である。
【0036】
このように、本実施の形態に係る需要家端末20は、管理サーバ10に対し、自装置を保有する需要家の報酬付き電力の利用可能量の決定に用いられる情報を送信する機能と、管理サーバ10にて、利用可能量の決定に用いられる情報および対象期間中に供給可能となるPV電力の予測量に基づいて決定された、需要家の報酬付き電力の利用可能量に係る情報を受信する機能と、受信した報酬付き電力の利用可能量に係る情報を通知する機能と、を備える。
【0037】
次に、図1図6を用いて、情報処理システム1の利用の流れについて説明する。
図6は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の利用の流れの一例を示す図である。なお、紙面右側に向かって伸びる矢印は時間経過に対応する。また、符号601~符号605は、例示する情報処理システム1の利用の流れを、5段階に分けた場合の各段階(ステップ)に対応する。さらに、紙面上側に向かって伸びる白抜きの矢印は、需要家端末20から管理サーバ10に対するデータ(情報)の送信に対応し、紙面下側に向かって伸びる白抜きの矢印は、管理サーバ10から需要家端末20に対するデータ(情報)の送信に対応する。
【0038】
まず、ステップ601として示すように、報酬付き電力の利用を希望する需要家は、対象期間よりも前の時点、例えば対象期間を含む月の始めや週の始めのような対象期間よりも前の日に、需要家端末20を用いて、利用券購入画面500から利用券を購入する。購入した利用券の情報は、利用情報として管理サーバ10に送信され、管理される。
なお、小売事業者は、利用券の購入期限を予め設定してもよく、例えば、購入期限の後には需要家端末20における利用券の購入が行われないように制限してもよい。また例えば、ある対象期間に対する購入期限の後に利用券が購入された場合、今回の対象期間には利用不可として、次回以降の対象期間に利用可能としてもよい。
購入した利用券の料金は、報酬付き電力ではない一般の電力の料金と合算されて電気料金として請求されてもよいし、利用券の購入の度に請求されてもよい。
【0039】
次に、ステップ602として示すように、対象期間よりも前の時点、例えば対象期間を含む日の前日に、管理サーバ10が需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定し、各需要家の需要家端末20に送信する。なお、利用券の購入期限が設定されている場合には、利用可能量の決定は、購入期限の後かつ対象期間の前に行われる。
そして、需要家端末20は、管理サーバ10から受信した報酬付き電力の利用可能量に係る情報を、通知画面として表示して、自装置を利用する需要家に通知する。
【0040】
ここで、図7を用いて、利用可能量に係る情報の通知について説明する。
図7は、需要家端末20における利用可能量に係る情報の通知について説明する図であり、(A)は対象期間よりも前の通知画面710の一例を示す図、(B)は対象期間中の通知画面720の一例を示す図である。なお、図7(A),(B)は、いずれも、時間帯別の利用可能量が決定されている場合の例である。また、図7(B)の通知画面720については、後段のステップ603にて詳細を述べる。
図7(A)に破線の棒グラフで示すように、通知画面710には、対象期間中の報酬付き電力の利用可能量が、時間帯別で表示される。その他、通知画面710には、適用される利用券の購入日や価格などが表示されていてもよい。
通知画面710を確認した需要家は、時間帯別の利用可能量を把握することで、事前に各時間帯の行動を計画するなどして、行動変容に活かすことができる。なお、図7(A)の通知画面710では、棒グラフにより時間帯別の利用可能量を示しているが、需要家が利用可能量を把握可能であれば態様は限定されず、他のグラフや画像、テキスト情報などにより利用可能量を示してもよい。また、グラフ、画像、テキスト情報などを組み合わせて用いてもよい。このことは、後述する図7(B)の通知画面においても同様である。
【0041】
再び図6を参照して、ステップ603として示すように、需要家は、対象期間において行動変容を実施する。需要家は例えば、需要家端末20にて通知された報酬付き電力の利用可能量に係る情報を参考に、対象期間中に報酬付き電力の活用効率がより高くなるように、報酬付き電力の利用可能量が大きい時間帯により多くの電力が消費され、報酬付き電力の利用可能量が小さい時間帯や対象期間外の電力消費が少なくなるように、行動を変化させる。
【0042】
ここで、本実施の形態では、対象期間中にも、需要家端末20における通知が行われる。より具体的には、管理サーバ10は、対象期間中の時間帯が切り替わる毎に、報酬付き電力の消費に係る消費情報を需要家端末20に送信する。そして、需要家端末20は、受信した消費情報を通知するための通知画面720を表示する。
図7(B)に示すように、通知画面720には、それぞれ時間帯別で、破線の棒グラフで示す利用可能量と、実線の棒グラフで示す報酬付き電力の消費の実績と、折れ線グラフで示す、報酬付き電力と一般の電力とを合わせた全体の消費の実績とが表示される。
この通知画面720を確認することにより、需要家は、報酬付き電力の消費の状況を把握することができる。また、報酬付き電力の利用可能量と消費した量との差を把握することができる。したがって、需要家は、同じ対象期間中の以降の時間帯における行動変容や、次回以降の対象期間における利用券の購入や行動変容に活かすことができる。なお、報酬付き電力の利用可能量と消費した量との差を把握可能とする態様は、例示した棒グラフを用いたものに限定されず、例えば差に対応する数値をテキスト情報により表示してもよい。
【0043】
次に、ステップ604として示すように、対象期間の後、例えば対象期間を含む日の夜に、管理サーバ10は1日の消費電力の実績や対象期間中の報酬付き電力の消費情報などの情報を需要家端末20に送信する。そして、需要家端末20は、受信した情報を表示部16に表示して、自装置を利用する需要家に通知する。この際の通知画面としては、例えば、上述した通知画面720と同様のものを用いることができる。この通知により、需要家は、今回の対象期間における報酬付き電力の活用の実績や、利用可能量との差を把握して、次回以降の対象期間における利用券の購入や行動変容に活かすことができる。
【0044】
次に、ステップ605として示すように、対象期間の後、例えば対象期間を含む月や週における対象期間を含む日よりも後の日に、管理サーバ10は、対象期間中の報酬付き電力の活用の結果を需要家端末20に送信する。なお、週や月に複数回の対象期間を含む場合、累積の結果を送信してもよい。需要家端末20は、受信した情報を用いて、報酬付き電力の活用の結果を、自装置を利用する需要家に通知する。この通知は、例えば結果画面800の表示によって行われる。
図8は、結果画面800の一例を示す図である。
図示するように、結果画面800には、例えば、報酬付き電力の消費量または報酬付き電力をPV電力に換算した場合のPV電力の消費量(図8における「PV電力消費量(累積)」)や、一般の電力のみを利用する場合と比較したCOの削減効果(図8における「CO削減効果(累積)」)が表示される。また例えば、報酬として一般の電力よりも安い料金が設定されている場合には、一般の電力のみを利用する場合と比較した電気料金の削減量(図8における「電気料金削減効果(累積)」)が表示される。さらに例えば、報酬としてポイントの付与が設定されている場合には、付与されたポイントが表示される。
【0045】
<その他、変形例など>
(再生可能エネルギー)
上述した実施の形態では、再生可能エネルギーにより発電される電力の一例としてPV電力を示したが、種別は限定されない。例えば、水力発電や風力発電、バイオマス発電により発電される電力を利用してもよい。この場合にも、予測装置80は、発電設備の近傍の気象情報や発電設備の稼働予定に基づいて、供給可能となる電力を予測すればよい。
【0046】
(利用可能量の決定)
上述した実施の形態では、報酬付き電力の総量を、各需要家の利用券に設定された電力の大きさを用いて按分して、需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定することとした。つまり、利用情報の一例として利用券の情報を用い、利用可能量を決定することとした。しかしながら、需要家毎の報酬付き電力の利用可能量を決定する方法は、利用券によるものに限定されず、他の方法を用いてもよい。
例えば、利用券購入画面500(図5参照)に代えて対象期間中の報酬付き電力の利用希望量を入力させる入力画面を設け、入力された希望量を利用情報として利用可能量を決定してもよい。
【0047】
また例えば、利用券の購入に代えて、需要家が対象期間中の電力の消費の予定を示すスケジュールを管理サーバ10に提出し、このスケジュールを利用情報として利用可能量を決定することとしてもよい。
さらに例えば、スケジュールの提出に代えて、需要家に対象期間中の行動変容に係るアンケートを提出させてもよい。そして、管理サーバ10は、このアンケートの結果を利用情報として利用可能量を決定することとしてもよい。
【0048】
さらに例えば、利用情報を用いずに、各需要家の契約容量の値や、需要家の構成人数(一般家庭の居住人数や企業の従業員数など、電力を消費する者の人数)を用いて按分を行ってもよい。ただし、この場合、需要家により入力された利用情報に基づいて利用可能量を決定する場合と比較して、需要家の希望が反映されづらくなる恐れがある。
【0049】
また、過去の報酬付き電力の消費の実績や一般の電力も含めた消費の実績を管理サーバ10にて管理しておき、これらの実績に基づいて、利用可能量を決定してもかまわない。この場合、例えば、報酬付き電力の総量を、過去の実績の合計値や期間毎の平均値などを用いて按分するとよい。
さらに、需要家の施設が位置する地域や敷地面積など、需要家の環境に係る状況を管理サーバ10にて管理しておき、需要家の環境に基づいて、利用可能量を決定してもよい。
【0050】
また、需要家のスマート制御設備の導入状況に応じて、利用可能量を決定しても良い。この場合、スマート制御設備の種類や数に応じて、例えば消費電力量の大きい設備や多数の設備を有する需要家ほど利用可能量が大きくなるように、利用可能量を決定するとよい。
その他、需要家に対象期間中の行動変容に係る提案(アドバイス)を提示し、行動変容を実施するか否かを問い合わせ、行動変容を実施する旨の回答が得られた場合に、より利用可能量が大きくなるように、利用可能量を決定するとよい。
【0051】
なお、上述した利用可能量を決定する方法のうち、複数を利用可能としてもよい。この場合、各方法に予め優先順位を設定しておき、需要家端末20から受信した情報に基づいて利用可能な方法を選定し、選定された方法の中から優先順位が最も高い方法を選択して利用可能量を決定するように、管理サーバ10を構成するとよい。
また、上述した利用可能量を決定する方法のうち複数を組み合わせ、各方法の結果から総合的に利用可能量を決定することとしてもよい。
【0052】
(プログラム)
需要家端末20が行う処理は、例えば、アプリケーションソフトウェア等のプログラムとして用意される。この場合、かかるプログラムは、情報処理端末などのコンピュータに、対象期間中に消費することで報酬を得られる報酬付き電力の需要家毎の利用可能量を決定する管理サーバ10に対し、自装置を保有する需要家の報酬付き電力の利用可能量の決定に用いられる情報を送信する機能と、管理サーバ10にて、利用可能量の決定に用いられる情報および対象期間中に供給可能となるPV電力の予測量に基づいて決定された、需要家の報酬付き電力の利用可能量に係る情報を受信する機能と、受信した報酬付き電力の利用可能量に係る情報を通知する機能と、を実現させるプログラムとしても捉えられる。
このような本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0053】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記した実施の形態の範囲には限定されない。複数の実施例を組み合わせたものや、上記した実施の形態に種々の変更または改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0054】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、20…需要家端末、30…電力メータ、500…利用券購入画面、710,720…通知画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8