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特開2024-171708業務支援装置、業務支援方法、及び業務支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171708
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088862
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】宗 佑亮
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB15
5L040BB23
5L055BB15
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】商品または役務の提供(例えば融資など)について申し込みをした申込人に関する情報(主に個人属性情報)であって当該提供にあたり必要な審査(例えば融資審査など)に用いられたものが修正された場合に行われる、当該審査のやり直し(再審査)の要否を判断する業務を、効率よくかつ正確に実施することができ、延いては適正な当該再審査の実現に貢献することができる業務支援装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)融資について申し込みをした申込人に関する個人属性情報であって融資審査に用いられたものが修正された場合、当該修正された情報の項目を基に、審査制御マスタ106bを参照して、審査のやり直しの要否を判断し、(2)やり直しが必要と判断された場合、案件データ106aに保持されている審査の結果を、「審査前」のステータスに更新する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品または役務の提供について申し込みをした申込人に関する情報であって前記提供にあたり必要な審査に用いられたものが修正された場合に行われる、前記審査のやり直しの要否を判断する業務を支援する業務支援装置であって、
前記修正された前記情報の属性を基に、前記要否が前記属性別に設定されている要否設定データを参照して、前記要否を判断する判断部と、
前記判断部で前記やり直しが必要と判断された場合、審査結果データに保持されている前記審査の結果を、前記審査が未実行であることを識別するための識別情報に更新する更新部と、
を備えることを特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記審査は、前記審査結果データにおいて前記結果として前記識別情報が設定されている前記申込人を対象に実行されるものであること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記判断部は、前記修正された前記情報の前記属性が一申込人につき複数存在する場合、少なくとも1つの前記属性について前記やり直しが必要と確認されたときに一申込人に対し前記やり直しが必要と判断すること、
を特徴とする請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記修正された前記情報は、個人属性情報に該当するものであること、
を特徴とする請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記提供は、融資であり、
前記審査は、融資審査であること、
を特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
商品または役務の提供について申し込みをした申込人に関する情報であって前記提供にあたり必要な審査に用いられたものが修正された場合に行われる、前記審査のやり直しの要否を判断する業務を支援する業務支援方法であって、
判断部が、前記修正された前記情報の属性を基に、前記要否が前記属性別に設定されている要否設定データを参照して、前記要否を判断する判断ステップと、
更新部が、前記判断ステップで前記やり直しが必要と判断された場合、審査結果データに保持されている前記審査の結果を、前記審査が未実行であることを識別するための識別情報に更新する更新ステップと、
を含むことを特徴とする業務支援方法。
【請求項7】
商品または役務の提供について申し込みをした申込人に関する情報であって前記提供にあたり必要な審査に用いられたものが修正された場合に行われる、前記審査のやり直しの要否を判断する業務を支援する業務支援プログラムであって、
情報処理装置を、
前記修正された前記情報の属性を基に、前記要否が前記属性別に設定されている要否設定データを参照して、前記要否を判断する判断手段、
前記判断手段で前記やり直しが必要と判断された場合、審査結果データに保持されている前記審査の結果を、前記審査が未実行であることを識別するための識別情報に更新する更新手段、
として機能させるための業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スマートフォン等を使用して住所等の届出事項の変更手続きを迅速に行い、届出事項変更処理と同時に融資内容の見直し処理を行う届出事項変更システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-57941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、金融機関は、融資を行う際に、申込人を審査し、融資の可否を判断する必要がある。具体的には、金融機関では、他社での借入額や過去の延滞情報等について個人信用情報機関から取得した個人信用情報を用いて把握して融資可能かどうかを判断したり、申し込まれた案件に対しての信用力についてリスク計量化モデルを用いて評価したりしている。
【0005】
そして、上記判断や上記評価に係る業務(つまり審査業務)は、個人信用情報の他に申込内容(例えば案件種別および融資額など)や個人属性情報(例えば氏名、生年月日、住所、電話番号、居住情報、勤務先情報、年収情報、および家族人数など)を基に行われているため、何らかの理由(例えば担当者による登録情報の間違いの発見または申込人からの修正依頼など)により当該基となる情報の修正(主に個人属性情報の修正)が必要となった場合、金融機関では、審査のやり直し(再審査)が必要か否かを担当者が都度判断していた。
【0006】
しかし、この判断は担当者(つまり人)により実施されていたため、手間と時間を要するのはもちろん、判断漏れや判断ミスにより正しい融資判断ができないおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、商品または役務の提供(例えば融資など)について申し込みをした申込人に関する情報(主に個人属性情報)であって当該提供にあたり必要な審査(例えば融資審査など)に用いられたものが修正された場合に行われる、当該審査のやり直し(再審査)の要否を判断する業務を、効率よくかつ正確に実施することができ、延いては適正な当該再審査の実現に貢献することができる業務支援装置、業務支援方法、及び業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる業務支援装置は、商品または役務の提供について申し込みをした申込人に関する情報であって前記提供にあたり必要な審査に用いられたものが修正された場合に行われる、前記審査のやり直しの要否を判断する業務を支援する業務支援装置であって、前記修正された前記情報の属性を基に、前記要否が前記属性別に設定されている要否設定データを参照して、前記要否を判断する判断部と、前記判断部で前記やり直しが必要と判断された場合、審査結果データに保持されている前記審査の結果を、前記審査が未実行であることを識別するための識別情報に更新する更新部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
なお、本発明にかかる業務支援装置において、前記審査は、前記審査結果データにおいて前記結果として前記識別情報が設定されている前記申込人を対象に実行されるものでもよい。
【0010】
また、本発明にかかる業務支援装置において、前記判断部は、前記修正された前記情報の前記属性が一申込人につき複数存在する場合、少なくとも1つの前記属性について前記やり直しが必要と確認されたときに一申込人に対し前記やり直しが必要と判断してもよい。
【0011】
また、本発明にかかる業務支援装置において、前記修正された前記情報は、個人属性情報に該当するものでもよい。
【0012】
また、本発明にかかる業務支援装置において、前記提供は、融資でもよく、前記審査は、融資審査でもよい。
【0013】
また、本発明にかかる業務支援方法は、商品または役務の提供について申し込みをした申込人に関する情報であって前記提供にあたり必要な審査に用いられたものが修正された場合に行われる、前記審査のやり直しの要否を判断する業務を支援する業務支援方法であって、判断部が、前記修正された前記情報の属性を基に、前記要否が前記属性別に設定されている要否設定データを参照して、前記要否を判断する判断ステップと、更新部が、前記判断ステップで前記やり直しが必要と判断された場合、審査結果データに保持されている前記審査の結果を、前記審査が未実行であることを識別するための識別情報に更新する更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる業務支援プログラムは、商品または役務の提供について申し込みをした申込人に関する情報であって前記提供にあたり必要な審査に用いられたものが修正された場合に行われる、前記審査のやり直しの要否を判断する業務を支援する業務支援プログラムであって、情報処理装置を、前記修正された前記情報の属性を基に、前記要否が前記属性別に設定されている要否設定データを参照して、前記要否を判断する判断手段、前記判断手段で前記やり直しが必要と判断された場合、審査結果データに保持されている前記審査の結果を、前記審査が未実行であることを識別するための識別情報に更新する更新手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、商品または役務の提供(例えば融資など)について申し込みをした申込人に関する情報(主に個人属性情報)であって当該提供にあたり必要な審査(例えば融資審査など)に用いられたものが修正された場合に行われる、当該審査のやり直し(再審査)の要否を判断する業務を、効率よくかつ正確に実施することができ、延いては適正な当該再審査の実現に貢献することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、新規登録された案件データの一例を示す図である。
図3図3は、新規登録後に実行された自動審査処理後の案件データの一例を示す図である。
図4図4は、自動審査処理後に実行された修正登録後の案件データの一例を示す図である。
図5図5は、修正登録後に実行された審査制御処理後の案件データの一例を示す図である。
図6図6は、審査制御処理後に実行された自動審査処理後の案件データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0018】
[1.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100の構成の一例について、図1等を参照して説明する。図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0020】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0022】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0023】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0024】
記憶部106は、案件データ106a(本発明の「申込人に関する情報」および審査結果データを含む)および審査制御マスタ106b(本発明の要否設定データに相当)等を格納する。なお、業務支援装置100は、記憶部106に格納されているマスタをメンテナンス(新規登録、修正、または削除)する機能を備えてもよい。
【0025】
図2図6には、案件データ106aに格納される情報の一例が示されている。案件データ106aは、図2図6で示すように、大別して案件情報および審査結果が格納されている。案件情報には、例えば、融資案件の案件識別情報(例えば案件Noなど)、融資商品の商品識別情報(例えば商品名など)、融資の申込額、申込人情報(例えば、氏名、電話番号、年収、住所等)、および連絡要否情報(例えば、DM(ダイレクトメール)の要否等)等が格納され、審査結果には、例えば、個人信用情報照会審査によるネガティブ情報の有無(項目名:個信・ネガ)、個人信用情報照会審査による勤務先の在籍確認(項目名:個信・在確)、リスク計量化モデルを用いた審査による融資可能額(項目名:リ計・可能額)、およびリスク計量化モデルを用いた審査による総合スコア(項目名:リ計・総合スコア)等を格納する。
【0026】
図5には、審査制御マスタ106bに格納される情報の一例が示されている。審査制御マスタ106bは、図5で示すように、連番、審査種別識別情報(例えば個人信用情報照会審査またはリスク計量化モデルを用いた審査等)、審査要否判断項目(本発明にかかる属性に相当。例えば氏名または電話番号等)、および審査要否区分等を格納する。なお、図5に示す審査制御マスタ106bにおいて、「個信照会」との文字は個人信用情報照会審査を意味し、「リスク計量化モデル」との文字はリスク計量化モデルを用いた審査を意味する。
【0027】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、(1)商品または役務の提供(例えば融資など)について申し込みをした申込人に関する情報(主に個人属性情報(例えば氏名、生年月日、住所、電話番号、居住情報、勤務先情報、年収情報、および家族人数など))であって当該提供にあたり必要な審査(例えば融資審査など)に用いられたものが当該提供前に修正された場合、当該修正された情報の属性を基に、審査制御マスタ106bを参照して、当該審査のやり直し(再審査)の要否を判断し、(2)やり直しが必要と判断された場合、案件データ106aに保持されている審査の結果を、審査が未実行であることを識別するための識別情報(例えば「審査前」といったステータスなど)に更新する。なお、審査は、案件データ106aにおいて審査の結果として当該識別情報が設定されている申込人を対象に、業務支援装置100により自動で実行されるものでもよい。また、制御部102は、修正された情報の属性が一申込人につき複数存在する場合、少なくとも1つの属性についてやり直しが必要と確認されたときに一申込人に対しやり直しが必要と判断してもよい。
【0029】
制御部102は、機能概念的に、各種案件情報入力部102a、自動審査処理部102b、および自動審査制御処理部102c(本発明の判断部と更新部に相当)などを備える。
【0030】
各種案件情報入力部102aは、各種案件情報入力画面(図示せず)において、オペレータ等により各種案件情報が新規に設定され登録ボタンが押下されると、以下の(11)と(12)の処理を実行する。
(11)各種案件情報入力画面において設定された情報を案件データ106aの対応する項目に格納する(図2参照)。
(12)案件データ106aの審査結果に関する項目の全てに、審査前であることを示す「審査前」というステータス(本発明の識別情報に相当)を格納する(図2参照)。
【0031】
また、各種案件情報入力部102aは、各種案件情報入力画面において、オペレータ等により修正対象とする申込人が指定されると、当該指定された申込人の案件情報を案件データ106aから抽出し、当該画面に表示させる。そして、各種案件情報入力部102aは、修正対象の案件情報が表示されている各種案件情報入力画面において、オペレータ等により修正後の情報が、必要な項目に設定され登録ボタンが押下されると、以下の(21)から(23)の処理を実行する。
(21)案件データ106aから抽出した案件情報と各種案件情報入力画面に設定された案件情報との相違を項目ごとに確認し、情報の相違があった項目(要するに情報の修正があった項目)を認識する。
(22)各種案件情報入力画面に設定された案件情報を案件データ106aに格納(上書き)する(図4参照)。
(23)自動審査制御処理部102cを起動し、認識した項目を転送する。
【0032】
自動審査処理部102bは、以下の(31)と(32)の処理を実行する。
(31)定期的に、案件データ106aの審査結果項目について「審査前」のステータスの有無を確認する。
(32)「審査前」のステータスが有ることが確認された審査結果項目(「個信・ネガ」、「個信・在確」、「リ計・可能額」、または「リ計・総合スコア」)に対応する審査を実行し、審査結果を案件データ106aに格納する(図3図6参照)。
【0033】
自動審査制御処理部102cは、以下の(41)と(42)の処理を実行する。
(41)審査制御マスタ106bを参照して、各種案件情報入力部102aから転送された項目(要するに情報の修正があった項目)に紐づく審査種別および審査要否区分を確認する。
(42)一申込人に対し審査要と確認された項目が少なくとも1つあった場合、確認された審査種別に対応する、案件データ106aの審査結果項目に、「審査前」といったステータスを格納する(図5参照)。
【0034】
上記構成によって、案件情報を案件データ106aに新規で登録し、案件データ106aの案件情報を基に審査を自動で実行することが可能となった。また、上記構成によって、審査実行後に申込人の都合等で案件情報が修正された場合には、(1)案件データ106aの案件情報を修正登録し、(2)情報が修正された項目に基づき、審査制御マスタ106bを参照して、どの審査をやり直す必要があるかを自動で判定し、(3)判定に従い、必要な審査を自動で実行することが可能となった。
【0035】
[2.処理の具体例]
ここでは、業務支援装置100で実行される各種処理の具体例を、典型的な業務の進行に合わせて、図2から図6を参照して説明する。
【0036】
[ステップS1:新規案件情報の登録(図2参照)]
オペレータが、各種案件情報入力画面(図示せず)において、商品、申込額、氏名、電話番号、年収、住所、DM要否等を設定し、登録ボタンを押下する。すると、各種案件情報入力部102aは、図2で示すように、各種案件情報入力画面から、設定された情報を取得し、案件データ106aの対応する項目に格納し、案件データ106aの審査結果の全ての項目に「審査前」のステータスを格納する。
【0037】
[ステップS2:自動審査処理(初回)の実行(図3参照)]
自動審査処理部102bは、案件データ106aの審査結果項目について「審査前」のステータスの有無を確認し、「審査前」のステータスが有ることが確認された審査結果項目(「個信・ネガ」、「個信・在確」、「リ計・可能額」、または「リ計・総合スコア」)に対応する審査(個人信用報照会による審査および/またはリスク計量化モデルを用いた審査)を実行し、審査結果を案件データ106aに格納する。
【0038】
[ステップS3:案件情報の修正の登録(図4参照)]
申込人から案件情報の修正(例えば、電話番号の間違い、年収の誤り、引越しによる電話番号変更・住所変更、または戸籍移動による名前変更、等)についての申出を受けたオペレータは、各種案件情報入力画面において、申込人を指定する。ここでは、申込人は山田太郎さん、申出の内容は「111-111-3333」への電話番号の変更、として説明する。
【0039】
各種案件情報入力部102aは、指定された申込人の案件情報を案件データ106aから抽出し、抽出した案件情報を各種案件情報入力画面に表示させる。具体的には、案件データ106aに含まれる案件Noが「1」のレコード(ただし審査結果項目は除く)が表示される。
【0040】
オペレータは、各種案件情報入力画面において、指定された申込人の案件情報に対し、申込人からの修正内容(修正後の情報)の設定を行い、登録ボタンを押下する。具体的には、オペレータは、変更後の電話番号「111-111-3333」を設定する。
【0041】
各種案件情報入力部102aは、案件データ106aから抽出した案件情報と各種案件情報入力画面に設定された案件情報との相違を項目ごとに確認し、情報の修正があった項目を認識する。具体的には、電話番号について、抽出した案件情報では「111-111-1111」であるのに対し、各種案件情報入力画面に設定された案件情報では「111-111-3333」であるので、情報の修正があった項目として「電話番号」が認識される。
【0042】
各種案件情報入力部102aは、各種案件情報入力画面に設定された案件情報(特に修正後の情報)を案件データ106aに上書きする。特に、各種案件情報入力画面に設定された「111-111-3333」が電話番号として上書きされる。
【0043】
各種案件情報入力部102aは、自動審査制御処理部102cを起動し、認識した項目を転送する。具体的には、「電話番号」という項目が転送される。
【0044】
[ステップS4:審査要否の判断(図5参照)]
自動審査制御処理部102cは、審査制御マスタ106bを参照して、各種案件情報入力部102aから転送された項目に紐づく審査種別および審査要否区分を確認する。具体的には、「電話番号」という審査要否判断項目に紐づく審査種別および審査要否区分として、「個信照会」および「要」ならびに「リスク計量化」および「要」が確認される。
【0045】
自動審査制御処理部102cは、一申込人に対し審査要と確認された項目が少なくとも1つあった場合、確認された審査種別に対応する、案件データ106aの審査結果項目に、「審査前」というステータスを格納する。具体的には、山田太郎さんに対し「要」と確認された項目が「電話番号」という項目1つであったので、確認された「個信照会」に対応する、案件データ106aの「個信・ネガ」と「個信・在確」の項目に、「審査前」というステータスが格納され、確認された「リスク計量化」に対応する、案件データ106aの「リ計・可能額」と「リ計・総合スコア」の項目に、「審査前」というステータスが格納される。
【0046】
なお、佐藤花子さんから「¥3,000,000」から「¥4,000,000」への年収変更の申出があった場合は、ステップS4で「要」と確認される審査種別は「リスク計量化」のみとなるので、案件データ106aの「リ計・可能額」と「リ計・総合スコア」の項目のみに、「審査前」というステータスが格納される。また、小林次郎さんからDM不要の申出があった場合は、ステップS4で「要」と確認される審査種別は無いので、案件データ106aの審査結果項目は更新されない。
【0047】
[ステップS5:自動審査処理(2回目)の実行(図6参照)]
自動審査処理部102bは、案件データ106aの審査結果項目について「審査前」のステータスの有無を確認し、「審査前」のステータスが有ることが確認された審査結果項目(「個信・ネガ」、「個信・在確」、「リ計・可能額」、または「リ計・総合スコア」)に対応する審査(個人信用報照会による審査および/またはリスク計量化モデルを用いた審査)を実行し、審査結果を案件データ106aに格納する。
【0048】
ステップS5の実行タイミングでは、図5に示す案件データ106aを基に「審査前」のステータスが確認されることになるので、山田太郎さんに対しは個人信用報照会による審査(「個信・ネガ」と「個信・在確」)とリスク計量化モデルを用いた審査(「リ計・可能額」と「リ計・総合スコア」)が自動で実行され、図6に示すような審査結果が格納され、佐藤花子さんに対してはリスク計量化モデルを用いた審査(「リ計・可能額」と「リ計・総合スコア」)が自動で実行され、図6に示すような審査結果が格納される。なお、小林次郎さんに対しては「審査前」のステータスは無いので個人信用報照会による審査もリスク計量化モデルを用いた審査も実行されない。
【0049】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0052】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0053】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0054】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0055】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0056】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0057】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0058】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0059】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0060】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0061】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0062】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、個人向けフリーローン・カードローンを取り扱う金融機関を含む金融業界など様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0064】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 各種案件情報入力部
102b 自動審査処理部
102c 自動審査制御処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 案件データ
106b 審査制御マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6