(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171711
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】巻取装置、繰出装置、及び、印刷システム
(51)【国際特許分類】
B65H 23/04 20060101AFI20241205BHJP
B41J 15/16 20060101ALI20241205BHJP
B65H 23/182 20060101ALI20241205BHJP
B65H 23/195 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65H23/04
B41J15/16
B65H23/182
B65H23/195
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088867
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】小林 優揮
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 聡
【テーマコード(参考)】
2C060
3F104
3F105
【Fターム(参考)】
2C060CB31
3F104AA01
3F104AA07
3F104EA03
3F104EA11
3F104JB01
3F105AA01
3F105AA11
3F105BA02
3F105CA15
3F105DA09
3F105DB11
3F105DC03
(57)【要約】
【課題】テンションバーがねじれるおそれを低減した巻取装置、繰出装置、及び、印刷システムを提供する。
【解決手段】巻取装置は、巻取部と、媒体にテンションを付与する巻取テンション付与部35と、を備え、巻取テンション付与部は、巻取駆動部40と、巻取駆動部によって回転する第1巻取駆動体46と、第1巻取駆動体とともに回転する第2巻取駆動体47と、第1巻取駆動体と第2巻取駆動体とを連結する巻取連結軸45と、第1巻取駆動体が回転することによって回転する第1巻取回転体48と、第2巻取駆動体が回転することによって回転する第2巻取回転体49と、第1巻取回転体とともに回転する第1巻取アーム37と、第2巻取回転体とともに回転する第2巻取アーム38と、第1巻取アーム及び第2巻取アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する巻取テンションバー36と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を巻き取る巻取部と、
前記巻取部によって巻き取られる媒体にテンションを付与する巻取テンション付与部と、を備え、
前記巻取テンション付与部は、
巻取駆動部と、
前記巻取駆動部と接続され、前記巻取駆動部によって回転する第1巻取駆動体と、
前記第1巻取駆動体とともに回転する第2巻取駆動体と、
前記第1巻取駆動体と前記第2巻取駆動体とを連結する巻取連結軸と、
前記第1巻取駆動体と接続され、前記第1巻取駆動体が回転することによって回転する第1巻取回転体と、
前記第2巻取駆動体と接続され、前記第2巻取駆動体が回転することによって回転する第2巻取回転体と、
前記第1巻取回転体と接続され、前記第1巻取回転体とともに回転する第1巻取アームと、
前記第2巻取回転体と接続され、前記第2巻取回転体とともに回転する第2巻取アームと、
前記第1巻取アーム及び前記第2巻取アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する巻取テンションバーと、を有することを特徴とする巻取装置。
【請求項2】
前記巻取装置は、媒体に印刷する印刷装置に取り付けられ、
前記巻取部は、前記巻取装置に装着されるロール体を回転させることによって媒体を巻き取り、
前記巻取テンションバーは、前記印刷装置と前記ロール体との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
【請求項3】
媒体を繰り出す繰出部と、
前記繰出部によって繰り出される媒体にテンションを付与する繰出テンション付与部と、を備え、
前記繰出テンション付与部は、
繰出駆動部と、
前記繰出駆動部と接続され、前記繰出駆動部によって回転する第1繰出駆動体と、
前記第1繰出駆動体とともに回転する第2繰出駆動体と、
前記第1繰出駆動体と前記第2繰出駆動体とを連結する繰出連結軸と、
前記第1繰出駆動体と接続され、前記第1繰出駆動体が回転することによって回転する第1繰出回転体と、
前記第2繰出駆動体と接続され、前記第2繰出駆動体が回転することによって回転する第2繰出回転体と、
前記第1繰出回転体と接続され、前記第1繰出回転体とともに回転する第1繰出アームと、
前記第2繰出回転体と接続され、前記第2繰出回転体とともに回転する第2繰出アームと、
前記第1繰出アーム及び前記第2繰出アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する繰出テンションバーと、を有することを特徴とする繰出装置。
【請求項4】
前記繰出装置は、媒体に印刷する印刷装置に取り付けられ、
前記繰出部は、前記繰出装置に装着されるロール体を回転させることによって媒体を繰り出し、
前記繰出テンションバーは、前記印刷装置と前記ロール体との間に位置することを特徴とする請求項3に記載の繰出装置。
【請求項5】
媒体を繰り出す繰出装置と、
媒体に印刷する印刷装置と、
媒体を巻き取る巻取装置と、を備え、
前記繰出装置は、
前記印刷装置に媒体を繰り出す繰出部と、
前記繰出部によって繰り出される媒体にテンションを付与する繰出テンション付与部と、を備え、
前記繰出テンション付与部は、
繰出駆動部と、
前記繰出駆動部と接続され、前記繰出駆動部によって回転する第1繰出駆動体と、
前記第1繰出駆動体とともに回転する第2繰出駆動体と、
前記第1繰出駆動体と前記第2繰出駆動体とを連結する繰出連結軸と、
前記第1繰出駆動体と接続され、前記第1繰出駆動体が回転することによって回転する第1繰出回転体と、
前記第2繰出駆動体と接続され、前記第2繰出駆動体が回転することによって回転する第2繰出回転体と、
前記第1繰出回転体と接続され、前記第1繰出回転体とともに回転する第1繰出アームと、
前記第2繰出回転体と接続され、前記第2繰出回転体とともに回転する第2繰出アームと、
前記第1繰出アーム及び前記第2繰出アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する繰出テンションバーと、を有し、
前記巻取装置は、
前記印刷装置から媒体を巻き取る巻取部と、
前記巻取部によって巻き取られる媒体にテンションを付与する巻取テンション付与部と、を備え、
前記巻取テンション付与部は、
巻取駆動部と、
前記巻取駆動部と接続され、前記巻取駆動部によって回転する第1巻取駆動体と、
前記第1巻取駆動体とともに回転する第2巻取駆動体と、
前記第1巻取駆動体と前記第2巻取駆動体とを連結する巻取連結軸と、
前記第1巻取駆動体と接続され、前記第1巻取駆動体が回転することによって回転する第1巻取回転体と、
前記第2巻取駆動体と接続され、前記第2巻取駆動体が回転することによって回転する第2巻取回転体と、
前記第1巻取回転体と接続され、前記第1巻取回転体とともに回転する第1巻取アームと、
前記第2巻取回転体と接続され、前記第2巻取回転体とともに回転する第2巻取アームと、
前記第1巻取アーム及び前記第2巻取アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する巻取テンションバーと、を有することを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
前記繰出テンション付与部は、
前記第1繰出アームが取り付けられる第1繰出サイドフレームと、
前記第2繰出アームが取り付けられる第2繰出サイドフレームと、を有し、
前記巻取テンション付与部は、
前記第1巻取アームが取り付けられる第1巻取サイドフレームと、
前記第2巻取アームが取り付けられる第2巻取サイドフレームと、を有し、
前記第1繰出サイドフレーム及び前記第1巻取サイドフレームは、前記繰出テンションバー及び前記巻取テンションバーの軸方向において前記繰出装置及び前記巻取装置を二分する基準線に対して、前記軸方向において一方に位置することを特徴とする請求項5に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取装置、繰出装置、及び、印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、媒体を繰り出す繰出装置と、媒体を巻き取る巻取装置と、媒体に印刷する印刷装置とを備える印刷システムが記載されている。巻取装置は、媒体にテンションを付与するテンション付与部を備える。テンション付与部は、媒体に接触するテンションバーと、テンションバーを支持する第1アーム及び第2アームと、第1アームにトルクを付与する駆動部とを有する。巻取装置は、駆動部が第1アームに付与するトルクを調整することによって、テンションバーが媒体に付与するテンションを調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される巻取装置においては、駆動部が第1アームにトルクを付与する場合に、テンションバーを介して第2アームにトルクが伝達される。そのため、駆動部が第1アームにトルクを付与する場合に、第2アームに対して第1アームが先行することによって、テンションバーがねじれるおそれがある。テンションバーがねじれると、巻取装置は、媒体を正しく巻き取れないおそれがある。また、巻取装置に限らず、繰出装置がテンション付与部を備えることもある。この場合、テンションバーがねじれると、繰出装置は、媒体を正しく繰り出せないおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する巻取装置は、媒体を巻き取る巻取部と、前記巻取部によって巻き取られる媒体にテンションを付与する巻取テンション付与部と、を備え、前記巻取テンション付与部は、巻取駆動部と、前記巻取駆動部と接続され、前記巻取駆動部によって回転する第1巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体とともに回転する第2巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体と前記第2巻取駆動体とを連結する巻取連結軸と、前記第1巻取駆動体と接続され、前記第1巻取駆動体が回転することによって回転する第1巻取回転体と、前記第2巻取駆動体と接続され、前記第2巻取駆動体が回転することによって回転する第2巻取回転体と、前記第1巻取回転体と接続され、前記第1巻取回転体とともに回転する第1巻取アームと、前記第2巻取回転体と接続され、前記第2巻取回転体とともに回転する第2巻取アームと、前記第1巻取アーム及び前記第2巻取アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する巻取テンションバーと、を有する。
【0006】
上記課題を解決する繰出装置は、媒体を繰り出す繰出部と、前記繰出部によって繰り出される媒体にテンションを付与する繰出テンション付与部と、を備え、前記繰出テンション付与部は、繰出駆動部と、前記繰出駆動部と接続され、前記繰出駆動部によって回転する第1繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体とともに回転する第2繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体と前記第2繰出駆動体とを連結する繰出連結軸と、前記第1繰出駆動体と接続され、前記第1繰出駆動体が回転することによって回転する第1繰出回転体と、前記第2繰出駆動体と接続され、前記第2繰出駆動体が回転することによって回転する第2繰出回転体と、前記第1繰出回転体と接続され、前記第1繰出回転体とともに回転する第1繰出アームと、前記第2繰出回転体と接続され、前記第2繰出回転体とともに回転する第2繰出アームと、前記第1繰出アーム及び前記第2繰出アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する繰出テンションバーと、を有する。
【0007】
上記課題を解決する印刷システムは、媒体を繰り出す繰出装置と、媒体に印刷する印刷装置と、媒体を巻き取る巻取装置と、を備え、前記繰出装置は、前記印刷装置に媒体を繰り出す繰出部と、前記繰出部によって繰り出される媒体にテンションを付与する繰出テンション付与部と、を備え、前記繰出テンション付与部は、繰出駆動部と、前記繰出駆動部と接続され、前記繰出駆動部によって回転する第1繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体とともに回転する第2繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体と前記第2繰出駆動体とを連結する繰出連結軸と、前記第1繰出駆動体と接続され、前記第1繰出駆動体が回転することによって回転する第1繰出回転体と、前記第2繰出駆動体と接続され、前記第2繰出駆動体が回転することによって回転する第2繰出回転体と、前記第1繰出回転体と接続され、前記第1繰出回転体とともに回転する第1繰出アームと、前記第2繰出回転体と接続され、前記第2繰出回転体とともに回転する第2繰出アームと、前記第1繰出アーム及び前記第2繰出アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する繰出テンションバーと、を有し、前記巻取装置は、前記印刷装置から媒体を巻き取る巻取部と、前記巻取部によって巻き取られる媒体にテンションを付与する巻取テンション付与部と、を備え、前記巻取テンション付与部は、巻取駆動部と、前記巻取駆動部と接続され、前記巻取駆動部によって回転する第1巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体とともに回転する第2巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体と前記第2巻取駆動体とを連結する巻取連結軸と、前記第1巻取駆動体と接続され、前記第1巻取駆動体が回転することによって回転する第1巻取回転体と、前記第2巻取駆動体と接続され、前記第2巻取駆動体が回転することによって回転する第2巻取回転体と、前記第1巻取回転体と接続され、前記第1巻取回転体とともに回転する第1巻取アームと、前記第2巻取回転体と接続され、前記第2巻取回転体とともに回転する第2巻取アームと、前記第1巻取アーム及び前記第2巻取アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する巻取テンションバーと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、繰出装置、巻取装置、及び、印刷装置を備える印刷システムの一実施例を示す側面図である。
【
図3】
図3は、繰出テンション付与部の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3とは異なる角度から見た繰出テンション付与部の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3及び
図4とは異なる角度から見た繰出テンション付与部の斜視図である。
【
図7】
図7は、繰出テンション付与部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、繰出装置、巻取装置、及び、印刷装置を備える印刷システムの一実施例について図を参照しながら説明する。印刷システムは、例えば、用紙、布帛の媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を印刷する。
【0010】
図1に示すように、印刷システム11は、印刷装置12と、繰出装置13と、巻取装置14とを備える。印刷装置12、繰出装置13、及び、巻取装置14は、それぞれ連携していてもよいし、連携していなくともよい。すなわち、印刷装置12、繰出装置13、及び、巻取装置14は、相互に通信してもよいし、通信しなくてもよい。
【0011】
<印刷装置>
まず、印刷装置12について説明する。印刷装置12は、媒体M1に印刷するように構成される。印刷装置12は、繰出装置13から繰り出される媒体M1に印刷する。媒体M1は、印刷装置12によって印刷された後、巻取装置14によって巻き取られる。印刷装置12は、媒体M1が繰出装置13に繰り出されてから巻取装置14に巻き取られるまでの間で、媒体M1に印刷する。印刷装置12は、繰出装置13から巻取装置14にかけて延びる長尺の媒体M1に印刷する。
【0012】
印刷装置12は、筐体21を備える。印刷装置12は、脚部22を備える。脚部22は、筐体21を支持する。
印刷装置12は、印刷部23を備える。印刷部23は、筐体21内に位置する。印刷部23は、媒体M1に印刷するように構成される。一例では、印刷部23は、媒体M1に液体を吐出するヘッドである。印刷部23は、媒体M1に対して走査するシリアルヘッドでもよいし、媒体M1の幅にわたって一斉に液体を吐出可能なラインヘッドでもよい。印刷部23は、トナージェットによって媒体M1に印刷してもよいし、ドットインパクトによって媒体M1に印刷してもよい。
【0013】
印刷装置12は、支持部24を備える。支持部24は、筐体21内に位置する。支持部24は、媒体M1を支持する。支持部24は、印刷部23と対向する。支持部24は、媒体M1のうち、印刷部23によって印刷される領域を支持する。
【0014】
印刷装置12は、上流支持部25を備えてもよい。上流支持部25は、筐体21内に位置してもよいし、筐体21外に位置してもよい。上流支持部25は、媒体M1の搬送方向において、支持部24よりも上流に位置する。上流支持部25は、媒体M1のうち、支持部24が支持する領域よりも上流に位置する領域を支持する。上流支持部25は、媒体M1を支持することによって、媒体M1を繰出装置13から支持部24にガイドする。
【0015】
印刷装置12は、下流支持部26を備えてもよい。下流支持部26は、筐体21内に位置してもよいし、筐体21外に位置してもよい。
図1に示す例では、下流支持部26の搬送方向の下流側端部が、筐体21外まで延設されている。下流支持部26は、搬送方向において、支持部24よりも下流に位置する。下流支持部26は、媒体M1のうち、支持部24が支持する領域よりも下流に位置する領域を支持する。下流支持部26は、媒体M1を支持することによって、媒体M1を支持部24から巻取装置14にガイドする。
【0016】
印刷装置12は、搬送部27を備える。搬送部27は、媒体M1を搬送するように構成される。搬送部27は、筐体21内に位置する。搬送部27は、媒体M1を印刷部23に搬送する。搬送部27は、繰出装置13から繰り出される媒体M1を搬送する。搬送部27は、繰出装置13から巻取装置14に向かって媒体M1を搬送する。一例では、搬送部27は、支持部24と上流支持部25との間に位置する。搬送部27は、例えば、ローラー対で構成される。この場合、搬送部27は、媒体M1を挟む状態で回転することによって、媒体M1を搬送する。
【0017】
印刷装置12は、制御部を備える。詳しくは、印刷装置12は、印刷制御部28を備える。印刷制御部28は、印刷装置12を制御する。印刷制御部28は、例えば、印刷部23及び搬送部27を制御する。
【0018】
印刷制御部28は、コンピュータープログラムにしたがって各種処理を実行する1つ以上のプロセッサーで構成されてもよい。印刷制御部28は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路などの1つ以上の専用のハードウェア回路で構成されてもよい。印刷制御部28は、プロセッサー及びハードウェア回路の組み合わせを含む回路で構成されてもよい。プロセッサーは、CPU、並びに、RAM及びROMなどのメモリーを含む。メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は、指令を格納する。メモリー、すなわちコンピューター可読媒体は、汎用又は専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0019】
<繰出装置>
次に、繰出装置13について説明する。繰出装置13は、印刷装置12に媒体M1を繰り出すように構成される。繰出装置13は、媒体M1が巻き重ねられたロール体R1から印刷装置12に媒体M1を繰り出す。詳しくは、繰出装置13は、印刷前の媒体M1が巻き重ねられたロール体R1から印刷装置12に媒体M1を繰り出す。
【0020】
繰出装置13は、印刷装置12に取り付けられる。一例では、繰出装置13は、脚部22に取り付けられる。繰出装置13は、印刷装置12の後方に位置する。繰出装置13は、支持部24よりも下方に位置する。そのため、繰出装置13は、印刷装置12に向けて上方に媒体M1を繰り出す。
【0021】
図2に示すように、繰出装置13は、2つの繰出サイドフレームを備える。詳しくは、繰出装置13は、第1繰出サイドフレーム31と、第2繰出サイドフレーム32とを備える。第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32は、互いに対向する。第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32は、繰出スピンドルS1を着脱可能に構成される。繰出スピンドルS1は、繰出装置13に取り付けられることによって、第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32に架設される。繰出スピンドルS1は、ロール体R1を回転可能に支持する。したがって、繰出装置13は、ロール体R1を着脱可能である。繰出スピンドルS1は、ロール体R1と一体的に回転する。なお、
図2では、下流支持部26が省略されている。
図2は、下流支持部26の全体が筐体21内に位置している印刷システム11の一例を示してもよい。
【0022】
第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32は、軸方向D1に間隔をあけて対向する。軸方向D1は、ロール体R1が延びる方向である。すなわち、軸方向D1は、ロール体R1を支持する繰出スピンドルS1が延びる方向である。
【0023】
第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32は、脚部22に取り付けられる。第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32は、繰出装置13が備える各種構成を保持する。
【0024】
第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32は、軸方向D1において、基準線L1に対して一方及び他方に分かれて位置する。基準線L1は、軸方向D1において印刷システム11を二分する仮想線である。基準線L1は、例えば、軸方向D1において印刷装置12の中央位置を延びる。
【0025】
繰出装置13は、繰出部33を備える。繰出部33は、媒体M1を繰り出すように構成される。繰出部33は、繰出スピンドルS1を回転させる。これにより、ロール体R1から媒体M1が繰り出される。すなわち、繰出部33は、ロール体R1を回転させることによって媒体M1を繰り出す。繰出部33は、例えば、モーターである。繰出部33は、第1繰出サイドフレーム31に取り付けられる。繰出部33は、第2繰出サイドフレーム32に取り付けられてもよい。
【0026】
繰出装置13は、繰出ガイドローラー34を備える。詳しくは、繰出装置13は、繰出ガイドローラー34を備える。繰出ガイドローラー34は、第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32に取り付けられる。繰出ガイドローラー34は、第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32に架設される。
【0027】
繰出ガイドローラー34には、ロール体R1から繰り出される媒体M1が巻き掛けられる。一例では、繰出ガイドローラー34には、媒体M1が上方から巻き掛けられる。繰出ガイドローラー34は、ロール体R1から繰り出される媒体M1をガイドする。繰出ガイドローラー34は、後述する繰出テンション付与部35に媒体M1をガイドする。繰出ガイドローラー34が媒体M1をガイドすることによって、ロール体R1の周面における分離位置が一定に保たれる。分離位置は、ロール体R1から媒体M1が分離する位置である。
【0028】
繰出装置13は、繰出テンション付与部35を備える。繰出テンション付与部35は、繰出部33によって繰り出される媒体M1にテンションを加えるように構成される。繰出テンション付与部35は、媒体M1に荷重を加えることによって、媒体M1にテンションを加える。繰出テンション付与部35は、媒体M1に加えるテンションを変更可能に構成される。繰出テンション付与部35は、媒体M1に加える荷重を変更することによって、媒体M1に加えるテンションを変更する。
【0029】
繰出テンション付与部35は、媒体M1がロール体R1から繰り出されてから印刷部23に到達するまでの間で、媒体M1に接触することによって媒体M1にテンションを加える。詳しくは、繰出テンション付与部35は、媒体M1のうち繰出ガイドローラー34と搬送部27との間で媒体M1に接触することによって、媒体M1にテンションを加える。繰出テンション付与部35が媒体M1に適切なテンションを加えることによって、繰出装置13から印刷装置12に向かって媒体M1がスムーズに繰り出される。
【0030】
繰出テンション付与部35は、繰出テンションバー36を有する。繰出テンションバー36は、軸方向D1に延びる。繰出テンションバー36は、媒体M1に接触する。繰出テンションバー36は、媒体M1に接触することによって媒体M1にテンションを付与する。
【0031】
繰出テンションバー36には、媒体M1が巻き掛けられる。詳しくは、繰出テンションバー36には、繰出ガイドローラー34によってガイドされた媒体M1が巻き掛けられる。繰出テンションバー36は、媒体M1が下方から巻き掛けられるように位置する。繰出テンションバー36は、媒体M1を下方に押すことによって媒体M1にテンションを加える。
【0032】
繰出テンションバー36は、自重によって、媒体M1にテンションを加える。繰出テンションバー36は、後述する繰出駆動部40によるトルクと自重とによって、媒体M1にテンションを加えることもある。繰出テンションバー36は、繰出駆動部40によるトルクによって、媒体M1に加えるテンションを変更する。
【0033】
繰出テンションバー36は、上下に変位するように構成される。詳しくは、繰出テンションバー36は、媒体M1に加わるテンションが一定になるように変位する。繰出テンションバー36は、搬送部27による媒体M1の搬送速度と、繰出部33による媒体M1の繰出速度との差に応じて変位する。搬送速度が繰出速度よりも速い場合には、搬送部27によって媒体M1が引っ張られる。この場合、繰出テンションバー36は、搬送部27が媒体M1を引っ張ることによって上方に移動する。搬送速度が繰出速度よりも遅い場合には、媒体M1が弛む。この場合、繰出テンションバー36は、媒体M1が弛むことによって下方に移動する。
【0034】
繰出装置13は、繰出テンションバー36が所定位置に位置するように、繰出部33による繰出速度を制御する。詳しくは、繰出装置13は、繰出テンションバー36の位置が所定範囲に収まるように、繰出部33による繰出速度を制御する。繰出テンションバー36が所定位置に位置することによって、媒体M1に加わるテンションが一定に維持される。例えば、繰出テンションバー36が所定位置よりも上方に位置する場合には、繰出装置13は、繰出速度を速くする。繰出テンションバー36が所定位置よりも下方に位置する場合には、繰出装置13は、繰出速度を遅くする。これにより、繰出テンションバー36が所定位置に位置する状態に保たれる。
【0035】
繰出テンションバー36は、ローラーで構成されてもよい。この場合、媒体M1が繰り出されることに伴い、繰出テンションバー36が回転する。これにより、繰出テンションバー36と媒体M1との摩擦が低減されるため、媒体M1がスムーズに搬送される。繰出テンションバー36は、ローラーに限らず、例えば、回転不能なロッドで構成されてもよい。
【0036】
繰出テンションバー36は、印刷装置12とロール体R1との間に位置する。詳しくは、繰出テンションバー36は、軸方向D1と直交する交差方向D2において、筐体21とロール体R1との間の位置に配置される。これにより、繰出装置13に対してロール体R1を着脱する場合、すなわち繰出スピンドルS1を着脱する場合に、繰出テンションバー36がロール体R1に干渉しにくい。繰出装置13に対してロール体R1を着脱する場合、ユーザーは、繰出装置13の後方から繰出装置13にアクセスする。そのため、繰出テンションバー36が印刷装置12とロール体R1との間に位置することによって、ロール体R1を着脱しやすくなる。なお、繰出テンションバー36は、ロール体R1の巻径が最大である状態において、印刷装置12とロール体R1との間に位置することが望ましい。交差方向D2において、繰出装置13、印刷装置12、巻取装置14がこの順で並ぶ。
【0037】
図3、
図4、
図5、
図6、及び、
図7に示すように、繰出テンション付与部35は、2つのアームを有する。詳しくは、繰出テンション付与部35は、第1繰出アーム37と、第2繰出アーム38とを有する。第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38は、繰出テンションバー36を支持する。第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38に、繰出テンションバー36が取り付けられる。詳しくは、第1繰出アーム37の先端部分、及び、第2繰出アーム38の先端部分に、繰出テンションバー36が取り付けられる。第1繰出アーム37には、繰出テンションバー36の両端のうち一端が取り付けられる。第2繰出アーム38には、繰出テンションバー36の両端のうち他端が取り付けられる。
【0038】
第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38は、回転するように構成される。詳しくは、第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38は、それぞれの基端部分を軸に回転する。第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38が回転することによって、繰出テンションバー36が変位する。すなわち、第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38が回転することによって、繰出テンションバー36が上下に移動する。
【0039】
第1繰出アーム37は、第1繰出サイドフレーム31に取り付けられる。詳しくは、第1繰出アーム37の基端部分が第1繰出サイドフレーム31に取り付けられる。そのため、第1繰出アーム37は、第1繰出サイドフレーム31に対して回転する。第2繰出アーム38は、第2繰出サイドフレーム32に取り付けられる。詳しくは、第2繰出アーム38の基端部分が第2繰出サイドフレーム32に取り付けられる。そのため、第2繰出アーム38は、第2繰出サイドフレーム32に対して回転する。
【0040】
繰出テンション付与部35は、繰出トルク付与機構39を有する。繰出トルク付与機構39は、繰出テンションバー36にトルクを付与する機構である。詳しくは、繰出トルク付与機構39は、第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38にトルクを付与することによって、繰出テンションバー36にトルクを付与する。
【0041】
繰出トルク付与機構39は、1以上の繰出駆動部40を有する。一例では、繰出トルク付与機構39は、3つの繰出駆動部40を有する。繰出駆動部40は、第1繰出サイドフレーム31に取り付けられる。
【0042】
繰出駆動部40は、繰出モーター41と、繰出ピニオン42とを有する。繰出ピニオン42は、繰出モーター41の出力軸に取り付けられる。繰出駆動部40は、駆動することによって第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38にトルクを付与する。
【0043】
繰出トルク付与機構39は、繰出伝達機構43を有する。繰出伝達機構43は、繰出駆動部40のトルクを第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38に伝達する機構である。
繰出伝達機構43は、繰出伝達歯車44を有する。繰出伝達歯車44は、第1繰出サイドフレーム31に取り付けられる。繰出伝達歯車44は、繰出駆動部40と接続される。繰出伝達歯車44は、繰出ピニオン42が回転することによって回転する。繰出伝達歯車44は、例えば、繰出ピニオン42と噛み合うことによって繰出駆動部40と接続される。繰出伝達歯車44は、歯車、チェーン、ベルトなどの部材を介して繰出ピニオン42と接続されてもよい。一例では、繰出伝達歯車44は、3つの繰出ピニオン42と噛み合う。繰出伝達歯車44に複数の繰出ピニオン42が噛み合うことによって、繰出伝達歯車44が長寿命化する。
【0044】
繰出伝達機構43は、繰出連結軸45を有する。繰出連結軸45は、後述する第1繰出駆動体46及び後述する第2繰出駆動体47を連結する軸である。繰出連結軸45は、繰出伝達歯車44に取り付けられる。繰出連結軸45は、繰出伝達歯車44と一体的に回転する。したがって、繰出駆動部40によって繰出伝達歯車44が回転すると、繰出連結軸45も回転する。
【0045】
繰出連結軸45は、第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32に取り付けられる。繰出連結軸45は、第1繰出サイドフレーム31及び第2繰出サイドフレーム32に架設される。繰出連結軸45は、印刷装置12とロール体R1との間に位置する。詳しくは、繰出連結軸45は、交差方向D2において、筐体21とロール体R1との間の位置に配置される。これにより、繰出装置13に対してロール体R1を着脱する場合、すなわち繰出スピンドルS1を着脱する場合に、繰出連結軸45がロール体R1に干渉しにくい。繰出装置13に対してロール体R1を着脱する場合、ユーザーは、繰出装置13の後方から繰出装置13にアクセスする。そのため、繰出連結軸45が印刷装置12とロール体R1との間に位置することによって、ロール体R1を着脱しやすくなる。なお、繰出連結軸45は、ロール体R1の巻径が最大である状態において、印刷装置12とロール体R1との間に位置することが望ましい。
【0046】
繰出伝達機構43は、2つの繰出駆動体を有する。詳しくは、繰出伝達機構43は、第1繰出駆動体46と、第2繰出駆動体47とを有する。第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47は、例えば、歯付プーリーである。
【0047】
第1繰出駆動体46は、繰出駆動部40と接続される。そのため、第1繰出駆動体46は、繰出駆動部40によって回転する。詳しくは、第1繰出駆動体46は、繰出伝達歯車44とともに回転する。第1繰出駆動体46は、繰出伝達歯車44と一体的に回転する。第2繰出駆動体47は、第1繰出駆動体46とともに回転する。第2繰出駆動体47は、第1繰出駆動体46と一体的に回転する。
【0048】
第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47は、繰出連結軸45に取り付けられる。詳しくは、第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47は、繰出連結軸45の一端及び他端にそれぞれ取り付けられる。第1繰出駆動体46は、第1繰出サイドフレーム31に収容される。第2繰出駆動体47は、第2繰出サイドフレーム32に収容される。
【0049】
第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47は、繰出連結軸45と一体的に回転する。すなわち、第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47は、一体的に回転する。第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47には、繰出連結軸45によって繰出駆動部40のトルクが伝達される。
【0050】
繰出伝達機構43は、2つの繰出回転体を有する。詳しくは、繰出伝達機構43は、第1繰出回転体48と、第2繰出回転体49とを有する。第1繰出回転体48及び第2繰出回転体49は、例えば、歯付プーリーである。
【0051】
第1繰出回転体48は、第1繰出駆動体46と接続される。一例では、第1繰出回転体48は、後述する第1繰出ベルト58によって第1繰出駆動体46と接続される。第1繰出回転体48は、第1繰出駆動体46と噛み合うことによって接続されてもよい。第1繰出回転体48は、第1繰出駆動体46が回転することによって回転する。第1繰出回転体48は、第1繰出サイドフレーム31に収容される。
【0052】
第2繰出回転体49は、第2繰出駆動体47と接続される。一例では、第2繰出回転体49は、後述する第2繰出ベルト59によって第2繰出駆動体47と接続される。第2繰出回転体49は、第2繰出駆動体47と噛み合うことによって接続されてもよい。第2繰出回転体49は、第2繰出駆動体47が回転することによって回転する。第2繰出回転体49は、第2繰出サイドフレーム32に収容される。
【0053】
第1繰出回転体48は、第1繰出アーム37に取り付けられる。第1繰出回転体48は、第1繰出アーム37とともに回転する。第1繰出回転体48は、第1繰出アーム37と一体的に回転する。第2繰出回転体49は、第2繰出アーム38に取り付けられる。第2繰出回転体49は、第2繰出アーム38とともに回転する。第2繰出回転体49は、第2繰出アーム38と一体的に回転する。
【0054】
図6及び
図8に示すように、第1繰出回転体48は、第1繰出固定部分50を有する。第1繰出固定部分50は、第1繰出アーム37に固定される部分である。第1繰出固定部分50は、例えば、ねじによって第1繰出アーム37に固定される。第1繰出固定部分50は、第1繰出回転体48の回転中心に位置する。
【0055】
図9に示すように、第2繰出回転体49は、第2繰出固定部分51を有する。第2繰出固定部分51は、第2繰出アーム38に固定される部分である。第2繰出固定部分51は、例えば、ねじによって第2繰出アーム38に固定される。第2繰出固定部分51は、第2繰出回転体49に回転中心に位置する。
【0056】
図8に示すように、第1繰出回転体48は、第1繰出補助部分52を有してもよい。第1繰出補助部分52は、第1繰出アーム37に対する固定を補助する部分である。第1繰出補助部分52は、例えば、ねじによって第1繰出アーム37に固定される。第1繰出補助部分52は、第1繰出回転体48の回転中心と異なる位置に位置する。第1繰出補助部分52は、第1繰出アーム37に対する第1繰出回転体48の作用点である。すなわち、第1繰出回転体48が第1繰出補助部分52を有することによって、第1繰出回転体48において支点から作用点までの距離が大きくなる。そのため、第1繰出補助部分52によって、第1繰出回転体48から第1繰出アーム37にトルクが効果的に伝達される。
【0057】
第1繰出補助部分52は、1以上の第1繰出固定具53が挿入されることによって、第1繰出アーム37に固定される。第1繰出固定具53は、ねじである。第1繰出アーム37には、第1繰出固定具53と対応する1以上の第1繰出挿入穴54が開口する。第1繰出挿入穴54は、円弧状に延びる長穴でもよい。これにより、第1繰出回転体48に対する第1繰出アーム37の取付角度を調整できる。第1繰出アーム37の取付角度を第2繰出アーム38の取付角度と合わせることによって、繰出テンションバー36がねじれるおそれが低減される。複数の第1繰出固定具53によって、第1繰出回転体48が第1繰出アーム37に対して強固に固定される。
【0058】
図9に示すように、第2繰出回転体49は、第2繰出補助部分55を有してもよい。第2繰出補助部分55は、第2繰出アーム38に固定される部分である。第2繰出補助部分55は、例えば、ねじによって第2繰出アーム38に固定される。第2繰出補助部分55は、第2繰出回転体49の回転中心と異なる位置に位置する。第2繰出補助部分55は、第2繰出アーム38に対する第2繰出回転体49の作用点である。すなわち、第2繰出回転体49が第2繰出補助部分55を有することによって、第2繰出回転体49において支点から作用点までの距離が大きくなる。そのため、第2繰出補助部分55によって、第2繰出回転体49から第2繰出アーム38にトルクが効果的に伝達される。
【0059】
第2繰出補助部分55は、1以上の第2繰出固定具56が挿入されることによって、第2繰出アーム38に固定される。第2繰出固定具56は、ねじである。第2繰出アーム38には、第2繰出固定具56と対応する1以上の第2繰出挿入穴57が開口する。第2繰出挿入穴57は、円弧状に延びる長穴でもよい。これにより、第2繰出回転体49に対する第2繰出アーム38の取付角度を調整できる。第2繰出アーム38の取付角度を第1繰出アーム37の取付角度と合わせることによって、繰出テンションバー36がねじれるおそれが低減される。複数の第2繰出固定具56によって、第2繰出回転体49が第2繰出アーム38に対して強固に固定される。
【0060】
図3、
図4、
図5、及び、
図6に示すように、繰出伝達機構43は、2つの繰出ベルトを有する。詳しくは、繰出伝達機構43は、第1繰出ベルト58と、第2繰出ベルト59とを有する。繰出ベルトは、歯付ベルトである。繰出ベルトは、歯付ベルトに限らず、歯を有しないベルトであってもよい。
【0061】
第1繰出ベルト58は、第1繰出駆動体46と第1繰出回転体48とに巻き掛けられる。第1繰出駆動体46が回転することによって、第1繰出ベルト58を介して第1繰出回転体48が回転する。第2繰出ベルト59は、第2繰出駆動体47と第2繰出回転体49とに巻き掛けられる。第2繰出駆動体47が回転することによって、第2繰出ベルト59を介して第2繰出回転体49が回転する。
【0062】
繰出伝達機構43は、繰出ベルトに代えて、例えば、1以上の歯車を有してもよい。繰出伝達機構43は、この歯車によって、繰出駆動体及び繰出回転体を接続してもよい。すなわち、繰出駆動体及び繰出回転体は、輪列を構成してもよい。
【0063】
繰出伝達機構43は、2つの繰出アイドラプーリーを有してもよい。一例では、繰出伝達機構43は、第1繰出アイドラプーリー60と、第2繰出アイドラプーリー61とを有する。第1繰出アイドラプーリー60は、第1繰出ベルト58に接触する。これにより、第1繰出ベルト58が第1繰出駆動体46及び第1繰出回転体48に適切なテンションで巻き掛けられる。第2繰出アイドラプーリー61は、第2繰出ベルト59に接触する。これにより、第2繰出ベルト59が第2繰出駆動体47及び第2繰出回転体49に適切なテンションで巻き掛けられる。
【0064】
繰出テンション付与部35において、第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47は、繰出連結軸45によって一体的に回転する。そのため、第1繰出アーム37と第2繰出アーム38とに対するトルクの伝達が同期される。これにより、繰出テンションバー36がねじれるおそれが低減される。仮に、第1繰出アーム37と第2繰出アーム38とに対するトルクの伝達がずれると、繰出テンションバー36がねじれる。繰出テンション付与部35においては、第1繰出アーム37が第2繰出アーム38に対して先行しやすい。これは、繰出駆動部40のトルクが第1繰出アーム37に伝達されやすいためである。詳しくは、繰出駆動部40及び第1繰出アーム37においては、双方が第1繰出サイドフレーム31に取り付けられるため、両者の距離が小さい。そのため、繰出駆動部40のトルクが第1繰出アーム37に伝達されやすい。例えば、第2繰出アーム38に対して第1繰出アーム37が先行すると、繰出テンションバー36がねじれる。すなわち、ロール体R1に対する繰出テンションバー36の平行度が損なわれる。繰出テンションバー36がねじれると、繰出テンションバー36が媒体M1に対して均等に荷重を加えることができなくなる。そのため、繰出装置13において、繰出テンションバー36がねじれるおそれを低減することが肝要である。
【0065】
図7に示すように、繰出テンション付与部35は、繰出検出部62を有する。繰出検出部62は、第1繰出アーム37の回転角度を検出する。一例では、繰出検出部62は、第1繰出回転体48の回転角度を検出する。繰出検出部62は、例えば、ロータリーエンコーダーである。繰出検出部62は、繰出スケール63と、繰出エンコーダー64とを有する。繰出スケール63は、第1繰出回転体48に取り付けられる。繰出スケール63は、第1繰出回転体48と一体的に回転する。繰出エンコーダー64は、繰出スケール63を読み取る。これにより、繰出検出部62は、第1繰出アーム37の回転角度を検出する。繰出エンコーダー64は、第1繰出サイドフレーム31に取り付けられる。繰出装置13は、第1繰出アーム37の回転角度に基づいて、繰出テンションバー36の位置を制御する。すなわち、繰出装置13は、第1繰出アーム37の回転角度に基づいて、繰出速度を制御する。
【0066】
図1に示すように、繰出装置13は、繰出ストッパー65を備える。繰出ストッパー65は、第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38に接触する。繰出ストッパー65は、繰出テンションバー36の移動を規制する。繰出ストッパー65は、例えば、第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38に対して下方から接触する。そのため、繰出ストッパー65は、第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38が下方に移動することを規制する。すなわち、繰出ストッパー65は、繰出テンションバー36の下限位置を規定する。
【0067】
繰出ストッパー65は、繰出エンコーダー64の基準角度を規定する。すなわち、繰出ストッパー65が繰出テンションバー36の移動を規制することによって、繰出エンコーダー64の測定基準を定めることができる。例えば、繰出エンコーダー64は、繰出テンションバー36が繰出ストッパー65に接触する状態でエンコーダーリセットする。繰出エンコーダー64は、繰出テンションバー36が繰出ストッパー65に接触する状態からエンコーダーパルスをカウントすることによって、第1繰出アーム37の回転角度を検出する。
【0068】
繰出ストッパー65は、繰出テンションバー36のねじれを検出できる。詳しくは、繰出ストッパー65は、第1繰出回転体48及び第2繰出回転体49に対する第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38の取付時に、繰出テンションバー36のねじれを検出できる。繰出テンションバー36に第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38を接触させることによって、繰出ストッパー65が繰出テンションバー36のねじれを検出できる。
【0069】
第1繰出回転体48に対する第1繰出アーム37の取付角度と第2繰出回転体49に対する第2繰出アーム38の取付角度とがずれると、繰出テンションバー36がねじれる。例えば、繰出テンションバー36に対して第1繰出アーム37及び第2繰出アーム38のうち片方のみが接触する場合、第1繰出アーム37の取付角度と第2繰出アーム38の取付角度とがずれていることが分かる。そのため、繰出テンションバー36がねじれていることが分かる。この場合に、ユーザーは、第1繰出固定具53、第2繰出固定具56、又は、その双方を緩めることによって、繰出回転体に対する繰出アームの取付角度を調整する。すなわち、ユーザーは、第1繰出アーム37の取付角度、第2繰出アーム38の取付角度、又は、その双方を調整する。これにより、第1繰出アーム37の取付角度及び第2繰出アーム38の取付角度に起因する繰出テンションバー36のねじれが解消される。
【0070】
繰出装置13は、制御部を備える。詳しくは、繰出装置13は、繰出制御部66を備える。繰出制御部66は、繰出装置13を制御する。繰出制御部66は、例えば、繰出部33、繰出テンション付与部35などを制御する。繰出制御部66は、印刷制御部28と同様に、プロセッサーで構成されてもよいし、ハードウェア回路で構成されてもよいし、両者の組み合わせを含む回路で構成されてもよい。
【0071】
繰出制御部66は、繰出検出部62が検出する第1繰出アーム37の回転角度に基づいて、繰出部33を制御する。繰出制御部66は、繰出テンションバー36が所定位置に位置するように、繰出部33を制御する。繰出制御部66は、繰出部33を制御することによって、繰出スピンドルS1による繰出速度を制御する。
【0072】
繰出制御部66は、印刷制御部28と通信可能に構成されてもよいし、印刷制御部28と通信しなくともよい。繰出制御部66は、繰出テンションバー36の位置に基づいて繰出部33による繰出速度を制御するため、搬送部27による搬送速度を示すパラメーターを印刷装置12から得ずとも、媒体M1を適切に繰り出すことができる。
【0073】
<巻取装置>
次に、巻取装置14について説明する。一例では、巻取装置14は、繰出装置13と同様の構成を備える。巻取装置14は、印刷装置12から媒体M1を巻き取るユニットである。巻取装置14は、印刷装置12から媒体M1を巻き取ることによって、ロール体R2を保持する。詳しくは、巻取装置14は、印刷済みの媒体M1が巻き重ねられたロール体R2を保持する。
【0074】
巻取装置14は、印刷装置12に取り付けられる。一例では、巻取装置14は、脚部22に取り付けられる。巻取装置14は、印刷装置12の前方に位置する。巻取装置14は、支持部24よりも下方に位置する。そのため、巻取装置14は、印刷装置12から下方に向かって媒体M1を巻き取る。
【0075】
図2に示すように、巻取装置14は、2つの巻取サイドフレームを備える。詳しくは、巻取装置14は、第1巻取サイドフレーム71と、第2巻取サイドフレーム72とを備える。第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72は、互いに対向する。第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72は、巻取スピンドルS2を着脱可能に構成される。巻取スピンドルS2は、巻取装置14に取り付けられることによって、第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72に架設される。巻取スピンドルS2は、ロール体R2を回転可能に支持する。したがって、巻取装置14は、ロール体R2を着脱可能である。巻取スピンドルS2は、ロール体R2と一体的に回転する。
【0076】
第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72は、軸方向D1に間隔をあけて対向する。軸方向D1は、ロール体R2が延びる方向である。すなわち、軸方向D1は、ロール体R2を支持する巻取スピンドルS2が延びる方向である。
【0077】
第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72は、脚部22に取り付けられる。第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72は、巻取装置14が備える各種構成を保持する。
【0078】
第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72は、軸方向D1において、基準線L1に対して一方及び他方に分かれて位置する。第1巻取サイドフレーム71及び第1繰出サイドフレーム31は、軸方向D1において、基準線L1に対して一方に位置する。第2巻取サイドフレーム72及び第2繰出サイドフレーム32は、軸方向D1において、基準線L1に対して他方に位置する。
【0079】
巻取装置14は、巻取部73を備える。巻取部73は、媒体M1を巻き取るように構成される。巻取部73は、巻取スピンドルS2を回転させる。これにより、印刷装置12からロール体R2に媒体M1が巻き取られる。すなわち、巻取部73は、ロール体R2を回転させることによって媒体M1を巻き取る。巻取部73は、例えば、モーターである。巻取部73は、第1巻取サイドフレーム71に取り付けられる。巻取部73は、第2巻取サイドフレーム72に取り付けられてもよい。
【0080】
巻取装置14は、巻取ガイドローラー74を備える。詳しくは、巻取装置14は、巻取ガイドローラー74を備える。巻取ガイドローラー74は、第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72に取り付けられる。巻取ガイドローラー74は、第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72に架設される。
【0081】
巻取ガイドローラー74には、印刷装置12から搬送される媒体M1が巻き掛けられる。一例では、巻取ガイドローラー74には、媒体M1が上方から巻き掛けられる。巻取ガイドローラー74は、印刷済みの媒体M1をガイドする。詳しくは、巻取ガイドローラー74は、後述する巻取テンション付与部75によってテンションを付与された媒体M1をガイドする。巻取ガイドローラー74は、媒体M1をロール体R2にガイドする。巻取ガイドローラー74が媒体M1をガイドすることによって、ロール体R2の周面における接触位置が一定に保たれる。接触位置は、媒体M1がロール体R2に接触する位置である。
【0082】
巻取装置14は、巻取テンション付与部75を備える。巻取テンション付与部75は、巻取部73によって巻き取られる媒体M1にテンションを加えるように構成される。巻取テンション付与部75は、媒体M1に荷重を加えることによって、媒体M1にテンションを加える。巻取テンション付与部75は、媒体M1に加えるテンションを変更可能に構成される。巻取テンション付与部75は、媒体M1に加える荷重を変更することによって、媒体M1に加えるテンションを変更する。
【0083】
巻取テンション付与部75は、媒体M1が印刷部23に印刷されてから巻取部73に巻き取られるまでの間で、媒体M1に接触することによって媒体M1にテンションを加える。詳しくは、巻取テンション付与部75は、媒体M1のうち搬送部27と巻取ガイドローラー74との間で媒体M1に接触することによって、媒体M1にテンションを加える。巻取テンション付与部75が媒体M1に適切なテンションを加えることによって、印刷装置12から媒体M1がスムーズに巻き取られる。
【0084】
巻取テンション付与部75は、巻取テンションバー76を有する。巻取テンションバー76は、軸方向D1に延びる。巻取テンションバー76は、媒体M1に接触する。巻取テンションバー76は、媒体M1に接触することによって媒体M1にテンションを付与する。
【0085】
巻取テンションバー76には、媒体M1が巻き掛けられる。詳しくは、巻取テンションバー76には、印刷装置12から搬送された媒体M1が巻き掛けられる。巻取テンションバー76は、媒体M1が下方から巻き掛けられるように位置する。巻取テンションバー76は、媒体M1を下方に押すことによって媒体M1にテンションを加える。
【0086】
巻取テンションバー76は、自重によって、媒体M1にテンションを加える。巻取テンションバー76は、後述する巻取駆動部80によるトルクと自重とによって、媒体M1にテンションを加えることもある。巻取テンションバー76は、巻取駆動部80によるトルクによって、媒体M1に加えるテンションを変更する。
【0087】
巻取テンションバー76は、上下に変位するように構成される。詳しくは、巻取テンションバー76は、媒体M1に加わるテンションが一定になるように変位する。巻取テンションバー76は、搬送部27による媒体M1の搬送速度と、巻取部73による媒体M1の巻取速度との差に応じて変位する。搬送速度が巻取速度よりも速い場合には、媒体M1が弛む。この場合、巻取テンションバー76は、媒体M1が弛むことによって下方に移動する。搬送速度が巻取速度よりも遅い場合には、巻取部73によって媒体M1が引っ張られる。この場合、巻取テンションバー76は、巻取部73が媒体M1を引っ張ることによって上方に移動する。
【0088】
巻取装置14は、巻取テンションバー76が所定位置に位置するように、巻取部73による巻取速度を制御する。詳しくは、巻取装置14は、巻取テンションバー76の位置が所定範囲に収まるように、巻取部73による巻取速度を制御する。巻取テンションバー76が所定位置に位置することによって、媒体M1に加わるテンションが一定に維持される。例えば、巻取テンションバー76が所定位置よりも上方に位置する場合には、巻取装置14は、巻取速度を遅くする。巻取テンションバー76が所定位置よりも下方に位置する場合には、巻取装置14は、巻取速度を速くする。これにより、巻取テンションバー76が所定位置に位置する状態に保たれる。
【0089】
巻取テンションバー76は、ローラーで構成されてもよい。この場合、媒体M1が繰り出されることに伴い、巻取テンションバー76が回転する。これにより、巻取テンションバー76と媒体M1との摩擦が低減されるため、媒体M1がスムーズに搬送される。巻取テンションバー76は、ローラーに限らず、例えば、回転不能なロッドで構成されてもよい。
【0090】
巻取テンションバー76は、印刷装置12とロール体R2との間に位置する。詳しくは、巻取テンションバー76は、交差方向D2において、筐体21とロール体R2との間の位置に配置される。これにより、巻取装置14に対してロール体R2を着脱する場合、すなわち巻取スピンドルS2を着脱する場合に、巻取テンションバー76がロール体R2に干渉しにくい。巻取装置14に対してロール体R2を着脱する場合、ユーザーは、巻取装置14の前方から巻取装置14にアクセスする。そのため、巻取テンションバー76が印刷装置12とロール体R2との間に位置することによって、ロール体R2を着脱しやすくなる。なお、巻取テンションバー76は、ロール体R2の巻径が最大である状態において、印刷装置12とロール体R2との間に位置することが望ましい。
【0091】
図10、
図11、
図12、
図13、及び
図14に示すように、巻取テンション付与部75は、2つのアームを有する。詳しくは、巻取テンション付与部75は、第1巻取アーム77と、第2巻取アーム78とを有する。第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78は、巻取テンションバー76を支持する。第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78に、巻取テンションバー76が取り付けられる。詳しくは、第1巻取アーム77の先端部分、及び、第2巻取アーム78の先端部分に、巻取テンションバー76が取り付けられる。第1巻取アーム77には、巻取テンションバー76の両端のうち一端が取り付けられる。第2巻取アーム78には、巻取テンションバー76の両端のうち他端が取り付けられる。
【0092】
第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78は、回転するように構成される。詳しくは、第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78は、それぞれの基端部分を軸に回転する。第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78が回転することによって、巻取テンションバー76が変位する。すなわち、第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78が回転することによって、巻取テンションバー76が上下に移動する。
【0093】
第1巻取アーム77は、第1巻取サイドフレーム71に取り付けられる。詳しくは、第1巻取アーム77の基端部分が第1巻取サイドフレーム71に取り付けられる。そのため、第1巻取アーム77は、第1巻取サイドフレーム71に対して回転する。第2巻取アーム78は、第2巻取サイドフレーム72に取り付けられる。詳しくは、第2巻取アーム78の基端部分が第2巻取サイドフレーム72に取り付けられる。そのため、第2巻取アーム78は、第2巻取サイドフレーム72に対して回転する。
【0094】
巻取テンション付与部75は、巻取トルク付与機構79を有する。巻取トルク付与機構79は、巻取テンションバー76にトルクを付与する機構である。詳しくは、巻取トルク付与機構79は、第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78にトルクを付与することによって、巻取テンションバー76にトルクを付与する。
【0095】
巻取トルク付与機構79は、1以上の巻取駆動部80を有する。一例では、巻取トルク付与機構79は、3つの巻取駆動部80を有する。巻取駆動部80は、第1巻取サイドフレーム71に取り付けられる。
【0096】
巻取駆動部80は、巻取モーター81と、巻取ピニオン82とを有する。巻取ピニオン82は、巻取モーター81の出力軸に取り付けられる。巻取駆動部80は、駆動することによって第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78にトルクを付与する。
【0097】
巻取トルク付与機構79は、巻取伝達機構83を有する。巻取伝達機構83は、巻取駆動部80のトルクを第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78に伝達する機構である。
巻取伝達機構83は、巻取伝達歯車84を有する。巻取伝達歯車84は、第1巻取サイドフレーム71に取り付けられる。巻取伝達歯車84は、巻取駆動部80と接続される。巻取伝達歯車84は、巻取ピニオン82が回転することによって回転する。巻取伝達歯車84は、例えば、巻取ピニオン82と噛み合うことによって巻取駆動部80と接続される。巻取伝達歯車84は、歯車、チェーン、ベルトなどの部材を介して巻取ピニオン82と接続されてもよい。一例では、巻取伝達歯車84は、3つの巻取ピニオン82と噛み合う。巻取伝達歯車84に複数の巻取ピニオン82が噛み合うことによって、巻取伝達歯車84が長寿命化する。
【0098】
巻取伝達機構83は、巻取連結軸85を有する。巻取連結軸85は、後述する第1巻取駆動体86及び後述する第2巻取駆動体87を連結する軸である。巻取連結軸85は、巻取伝達歯車84に取り付けられる。巻取連結軸85は、巻取伝達歯車84と一体的に回転する。したがって、巻取駆動部80によって巻取伝達歯車84が回転すると、巻取連結軸85も回転する。
【0099】
巻取連結軸85は、第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72に取り付けられる。巻取連結軸85は、第1巻取サイドフレーム71及び第2巻取サイドフレーム72に架設される。巻取連結軸85は、印刷装置12とロール体R2との間に位置する。詳しくは、巻取連結軸85は、交差方向D2において、筐体21とロール体R2との間の位置に配置される。これにより、巻取装置14に対してロール体R2を着脱する場合、すなわち巻取スピンドルS2を着脱する場合に、巻取連結軸85がロール体R2に干渉しにくい。巻取装置14に対してロール体R2を着脱する場合、ユーザーは、巻取装置14の前方から巻取装置14にアクセスする。そのため、巻取連結軸85が印刷装置12とロール体R2との間に位置することによって、ロール体R2を着脱しやすくなる。なお、巻取連結軸85は、ロール体R2の巻径が最大である状態において、印刷装置12とロール体R2との間に位置することが望ましい。
【0100】
巻取伝達機構83は、2つの巻取駆動体を有する。詳しくは、巻取伝達機構83は、第1巻取駆動体86と、第2巻取駆動体87とを有する。第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87は、例えば、歯付プーリーである。
【0101】
第1巻取駆動体86は、巻取駆動部80と接続される。そのため、第1巻取駆動体86は、巻取駆動部80によって回転する。詳しくは、第1巻取駆動体86は、巻取伝達歯車84とともに回転する。第1巻取駆動体86は、巻取伝達歯車84と一体的に回転する。第2巻取駆動体87は、第1巻取駆動体86とともに回転する。第2巻取駆動体87は、第1巻取駆動体86と一体的に回転する。
【0102】
第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87は、巻取連結軸85に取り付けられる。詳しくは、第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87は、巻取連結軸85の一端及び他端にそれぞれ取り付けられる。第1巻取駆動体86は、第1巻取サイドフレーム71に収容される。第2巻取駆動体87は、第2巻取サイドフレーム72に収容される。
【0103】
第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87は、巻取連結軸85と一体的に回転する。すなわち、第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87は、一体的に回転する。第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87には、巻取連結軸85によって巻取駆動部80のトルクが伝達される。
【0104】
巻取伝達機構83は、2つの巻取回転体を有する。詳しくは、巻取伝達機構83は、第1巻取回転体88と、第2巻取回転体89とを有する。第1巻取回転体88及び第2巻取回転体89は、例えば、歯付プーリーである。
【0105】
第1巻取回転体88は、第1巻取駆動体86と接続される。一例では、第1巻取回転体88は、後述する第1巻取ベルト98によって第1巻取駆動体86と接続される。第1巻取回転体88は、第1巻取駆動体86と噛み合うことによって接続されてもよい。第1巻取回転体88は、第1巻取駆動体86が回転することによって回転する。第1巻取回転体88は、第1巻取サイドフレーム71に収容される。
【0106】
第2巻取回転体89は、第2巻取駆動体87と接続される。一例では、第2巻取回転体89は、後述する第2巻取ベルト99によって第2巻取駆動体87と接続される。第2巻取回転体89は、第2巻取駆動体87と噛み合うことによって接続されてもよい。第2巻取回転体89は、第2巻取駆動体87が回転することによって回転する。第2巻取回転体89は、第2巻取サイドフレーム72に収容される。
【0107】
第1巻取回転体88は、第1巻取アーム77に取り付けられる。第1巻取回転体88は、第1巻取アーム77とともに回転する。第1巻取回転体88は、第1巻取アーム77と一体的に回転する。第2巻取回転体89は、第2巻取アーム78に取り付けられる。第2巻取回転体89は、第2巻取アーム78とともに回転する。第2巻取回転体89は、第2巻取アーム78と一体的に回転する。
【0108】
図13及び
図15に示すように、第1巻取回転体88は、第1巻取固定部分90を有する。第1巻取固定部分90は、第1巻取アーム77に固定される部分である。第1巻取固定部分90は、例えば、ねじによって第1巻取アーム77に固定される。第1巻取固定部分90は、第1巻取回転体88の回転中心に位置する。
【0109】
図16に示すように、第2巻取回転体89は、第2巻取固定部分91を有する。第2巻取固定部分91は、第2巻取アーム78に固定される部分である。第2巻取固定部分91は、例えば、ねじによって第2巻取アーム78に固定される。第2巻取固定部分91は、第2巻取回転体89に回転中心に位置する。
【0110】
図15に示すように、第1巻取回転体88は、第1巻取補助部分92を有してもよい。第1巻取補助部分92は、第1巻取アーム77に対する固定を補助する部分である。第1巻取補助部分92は、例えば、ねじによって第1巻取アーム77に固定される。第1巻取補助部分92は、第1巻取回転体88の回転中心と異なる位置に位置する。第1巻取補助部分92は、第1巻取アーム77に対する第1巻取回転体88の作用点である。すなわち、第1巻取回転体88が第1巻取補助部分92を有することによって、第1巻取回転体88において支点から作用点までの距離が大きくなる。そのため、第1巻取補助部分92によって、第1巻取回転体88から第1巻取アーム77にトルクが効果的に伝達される。
【0111】
第1巻取補助部分92は、1以上の第1巻取固定具93が挿入されることによって、第1巻取アーム77に固定される。第1巻取固定具93は、ねじである。第1巻取アーム77には、第1巻取固定具93と対応する1以上の第1巻取挿入穴94が開口する。第1巻取挿入穴94は、円弧状に延びる長穴でもよい。これにより、第1巻取回転体88に対する第1巻取アーム77の取付角度を調整できる。第1巻取アーム77の取付角度を第2巻取アーム78の取付角度と合わせることによって、巻取テンションバー76がねじれるおそれが低減される。複数の第1巻取固定具93によって、第1巻取回転体88が第1巻取アーム77に対して強固に固定される。
【0112】
図16に示すように、第2巻取回転体89は、第2巻取補助部分95を有してもよい。第2巻取補助部分95は、第2巻取アーム78に固定される部分である。第2巻取補助部分95は、例えば、ねじによって第2巻取アーム78に固定される。第2巻取補助部分95は、第2巻取回転体89の回転中心と異なる位置に位置する。第2巻取補助部分95は、第2巻取アーム78に対する第2巻取回転体89の作用点である。すなわち、第2巻取回転体89が第2巻取補助部分95を有することによって、第2巻取回転体89において支点から作用点までの距離が大きくなる。そのため、第2巻取補助部分95によって、第2巻取回転体89から第2巻取アーム78にトルクが効果的に伝達される。
【0113】
第2巻取補助部分95は、1以上の第2巻取固定具96が挿入されることによって、第2巻取アーム78に固定される。第2巻取固定具96は、ねじである。第2巻取アーム78には、第2巻取固定具96と対応する1以上の第2巻取挿入穴97が開口する。第2巻取挿入穴97は、円弧状に延びる長穴でもよい。これにより、第2巻取回転体89に対する第2巻取アーム78の取付角度を調整できる。第2巻取アーム78の取付角度を第1巻取アーム77の取付角度と合わせることによって、巻取テンションバー76がねじれるおそれが低減される。複数の第2巻取固定具96によって、第2巻取回転体89が第2巻取アーム78に対して強固に固定される。
【0114】
図10、
図11、
図12、及び、
図13に示すように、巻取伝達機構83は、2つの巻取ベルトを有する。詳しくは、巻取伝達機構83は、第1巻取ベルト98と、第2巻取ベルト99とを有する。巻取ベルトは、歯付ベルトである。巻取ベルトは、歯付ベルトに限らず、歯を有しないベルトであってもよい。
【0115】
第1巻取ベルト98は、第1巻取駆動体86と第1巻取回転体88とに巻き掛けられる。第1巻取駆動体86が回転することによって、第1巻取ベルト98を介して第1巻取回転体88が回転する。第2巻取ベルト99は、第2巻取駆動体87と第2巻取回転体89とに巻き掛けられる。第2巻取駆動体87が回転することによって、第2巻取ベルト99を介して第2巻取回転体89が回転する。
【0116】
巻取伝達機構83は、巻取ベルトに代えて、例えば、1以上の歯車を有してもよい。巻取伝達機構83は、この歯車によって、巻取駆動体及び巻取回転体を接続してもよい。すなわち、巻取駆動体及び巻取回転体は、輪列を構成してもよい。
【0117】
巻取伝達機構83は、2つの巻取アイドラプーリーを有してもよい。一例では、巻取伝達機構83は、第1巻取アイドラプーリー100と、第2巻取アイドラプーリー101とを有する。第1巻取アイドラプーリー100は、第1巻取ベルト98に接触する。これにより、第1巻取ベルト98が第1巻取駆動体86及び第1巻取回転体88に適切なテンションで巻き掛けられる。第2巻取アイドラプーリー101は、第2巻取ベルト99に接触する。これにより、第2巻取ベルト99が第2巻取駆動体87及び第2巻取回転体89に適切なテンションで巻き掛けられる。
【0118】
巻取テンション付与部75において、第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87は、巻取連結軸85によって一体的に回転する。そのため、第1巻取アーム77と第2巻取アーム78とに対するトルクの伝達が同期される。これにより、巻取テンションバー76がねじれるおそれが低減される。仮に、第1巻取アーム77と第2巻取アーム78とに対するトルクの伝達がずれると、巻取テンションバー76がねじれる。巻取テンション付与部75においては、第1巻取アーム77が第2巻取アーム78に対して先行しやすい。これは、巻取駆動部80のトルクが第1巻取アーム77に伝達されやすいためである。詳しくは、巻取駆動部80及び第1巻取アーム77においては、双方が第1巻取サイドフレーム71に取り付けられるため、両者の距離が小さい。そのため、巻取駆動部80のトルクが第1巻取アーム77に伝達されやすい。例えば、第2巻取アーム78に対して第1巻取アーム77が先行すると、巻取テンションバー76がねじれる。すなわち、ロール体R2に対する巻取テンションバー76の平行度が損なわれる。巻取テンションバー76がねじれると、巻取テンションバー76が媒体M1に対して均等に荷重を加えることができなくなる。そのため、巻取装置14において、巻取テンションバー76がねじれるおそれを低減することが肝要である。
【0119】
図14に示すように、巻取テンション付与部75は、巻取検出部102を有する。巻取検出部102は、第1巻取アーム77の回転角度を検出する。一例では、巻取検出部102は、第1巻取回転体88の回転角度を検出する。巻取検出部102は、例えば、ロータリーエンコーダーである。巻取検出部102は、巻取スケール103と、巻取エンコーダー104とを有する。巻取スケール103は、第1巻取回転体88に取り付けられる。巻取スケール103は、第1巻取回転体88と一体的に回転する。巻取エンコーダー104は、巻取スケール103を読み取る。これにより、巻取検出部102は、第1巻取アーム77の回転角度を検出する。巻取エンコーダー104は、第1巻取サイドフレーム71に取り付けられる。巻取装置14は、第1巻取アーム77の回転角度に基づいて、巻取テンションバー76の位置を制御する。すなわち、巻取装置14は、第1巻取アーム77の回転角度に基づいて、巻取速度を制御する。
【0120】
図1に示すように、巻取装置14は、巻取ストッパー105を備える。巻取ストッパー105は、第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78に接触する。巻取ストッパー105は、巻取テンションバー76の移動を規制する。巻取ストッパー105は、例えば、第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78に対して下方から接触する。そのため、巻取ストッパー105は、第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78が下方に移動することを規制する。すなわち、巻取ストッパー105は、巻取テンションバー76の下限位置を規定する。
【0121】
巻取ストッパー105は、巻取エンコーダー104の基準角度を規定する。すなわち、巻取ストッパー105が巻取テンションバー76の移動を規制することによって、巻取エンコーダー104の測定基準を定めることができる。例えば、巻取エンコーダー104は、巻取テンションバー76が巻取ストッパー105に接触する状態でエンコーダーリセットする。巻取エンコーダー104は、巻取テンションバー76が巻取ストッパー105に接触する状態からエンコーダーパルスをカウントすることによって、第1巻取アーム77の回転角度を検出する。
【0122】
巻取ストッパー105は、巻取テンションバー76のねじれを検出できる。詳しくは、巻取ストッパー105は、第1巻取回転体88及び第2巻取回転体89に対する第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78の取付時に、巻取テンションバー76のねじれを検出できる。巻取テンションバー76に第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78を接触させることによって、巻取ストッパー105が巻取テンションバー76のねじれを検出できる。
【0123】
第1巻取回転体88に対する第1巻取アーム77の取付角度と第2巻取回転体89に対する第2巻取アーム78の取付角度とがずれると、巻取テンションバー76がねじれる。例えば、巻取テンションバー76に対して第1巻取アーム77及び第2巻取アーム78のうち片方のみが接触する場合、第1巻取アーム77の取付角度と第2巻取アーム78の取付角度とがずれていることが分かる。そのため、巻取テンションバー76がねじれていることが分かる。この場合に、ユーザーは、第1巻取固定具93、第2巻取固定具96、又は、その双方を緩めることによって、巻取回転体に対する巻取アームの取付角度を調整する。すなわち、ユーザーは、第1巻取アーム77の取付角度、第2巻取アーム78の取付角度、又は、その双方を調整する。これにより、第1巻取アーム77の取付角度及び第2巻取アーム78の取付角度に起因する巻取テンションバー76のねじれが解消される。
【0124】
巻取装置14は、制御部を備える。詳しくは、巻取装置14は、巻取制御部106を備える。巻取制御部106は、巻取装置14を制御する。巻取制御部106は、例えば、巻取部73、巻取テンション付与部75などを制御する。巻取制御部106は、印刷制御部28と同様に、プロセッサーで構成されてもよいし、ハードウェア回路で構成されてもよいし、両者の組み合わせを含む回路で構成されてもよい。
【0125】
巻取制御部106は、巻取検出部102が検出する第1巻取アーム77の回転角度に基づいて、巻取部73を制御する。巻取制御部106は、巻取テンションバー76が所定位置に位置するように、巻取部73を制御する。巻取制御部106は、巻取部73を制御することによって、巻取スピンドルS2による巻取速度を制御する。
【0126】
巻取制御部106は、印刷制御部28と通信可能に構成されてもよいし、印刷制御部28と通信しなくともよい。巻取制御部106は、巻取テンションバー76の位置に基づいて巻取部73による巻取速度を制御するため、搬送部27による搬送速度を示すパラメーターを印刷装置12から得ずとも、媒体M1を適切に巻き取ることができる。
【0127】
<印刷システム>
次に、印刷システム11について説明する。印刷システム11において、第1繰出サイドフレーム31及び第1巻取サイドフレーム71は、基準線L1に対して、軸方向D1において一方に位置する。すなわち、第1繰出サイドフレーム31及び第1巻取サイドフレーム71は、軸方向D1において一方にまとめられている。これにより、印刷システム11において、媒体M1にしわが生じるおそれが低減される。
【0128】
繰出装置13において、第1繰出駆動体46及び第2繰出駆動体47が繰出連結軸45によって連結されるが、繰出連結軸45の長さが長いと、第1繰出アーム37が第2繰出アーム38に対して先行しやすくなる。また、巻取装置14において、第1巻取駆動体86及び第2巻取駆動体87が巻取連結軸85によって連結されるが、巻取連結軸85の長さが長いと、第1巻取アーム77が第2巻取アーム78に対して先行しやすくなる。第1繰出サイドフレーム31及び第1巻取サイドフレーム71が軸方向D1において基準線L1に対して一方と他方に分かれて位置する場合、第1繰出アーム37及び第1巻取アーム77が基準線L1を基準に対角に位置する。この場合、第1繰出アーム37が第2繰出アーム38に対して先行する且つ第1巻取アーム77が第2巻取アーム78に対して先行すると、媒体M1にしわが生じるおそれがある。したがって、第1繰出サイドフレーム31及び第1巻取サイドフレーム71が軸方向D1において基準線L1に対して一方にまとめて位置することによって、媒体M1にしわが生じるおそれが低減される。
【0129】
<作用及び効果>
次に、上記実施例の作用及び効果について説明する。
(1)巻取テンション付与部75は、巻取駆動部80と、第1巻取駆動体86と、第2巻取駆動体87と、第1巻取駆動体86と第2巻取駆動体87とを連結する巻取連結軸85とを有する。巻取テンション付与部75は、第1巻取回転体88と、第2巻取回転体89と、第1巻取アーム77と、第2巻取アーム78と、巻取テンションバー76とを有する。上記構成によれば、巻取駆動部80のトルクが巻取連結軸85を介して第2巻取アーム78に伝達される。これにより、巻取駆動部80のトルクが巻取テンションバー76を介して第2巻取アーム78に伝達される場合と比べて、巻取テンションバー76がねじれるおそれが低減される。
【0130】
(2)巻取テンションバー76は、印刷装置12とロール体R2との間に位置する。上記構成によれば、ロール体R2を着脱する場合に、巻取テンションバー76がロール体R2に干渉するおそれが低減される。したがって、ロール体R2を着脱しやすくなる。
【0131】
(3)繰出テンション付与部35は、繰出駆動部40と、第1繰出駆動体46と、第2繰出駆動体47と、第1繰出駆動体46と第2繰出駆動体47とを連結する繰出連結軸45とを有する。繰出テンション付与部35は、第1繰出回転体48と、第2繰出回転体49と、第1繰出アーム37と、第2繰出アーム38と、繰出テンションバー36とを有する。上記構成によれば、繰出駆動部40のトルクが繰出連結軸45を介して第2繰出アーム38に伝達される。これにより、繰出駆動部40のトルクが繰出テンションバー36を介して第2繰出アーム38に伝達される場合と比べて、繰出テンションバー36がねじれるおそれが低減される。
【0132】
(4)繰出テンションバー36は、印刷装置12とロール体R1との間に位置する。上記構成によれば、ロール体R1を着脱する場合に、繰出テンションバー36がロール体R1に干渉するおそれが低減される。したがって、ロール体R1を着脱しやすくなる。
【0133】
(5)第1繰出サイドフレーム31及び第1巻取サイドフレーム71は、基準線L1に対して、軸方向D1において一方に位置する。第1繰出サイドフレーム31及び第1巻取サイドフレーム71が基準線L1に対して一方と他方に分かれて位置する場合、繰出装置13から巻取装置14にかけて媒体M1にしわが生じるおそれがある。これは、第1巻取アーム77が第2巻取アーム78に対して先行したり、第1繰出アーム37が第2繰出アーム38に対して先行したりするおそれがあるためである。上記構成によれば、第1繰出サイドフレーム31及び第1巻取サイドフレーム71が基準線L1に対して一方にまとめて位置するため、媒体M1にしわが生じるおそれが低減される。
【0134】
<変更例>
上記実施例は、以下のように変更して実施できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0135】
・繰出装置13において、繰出補助固定部分は、第1繰出回転体48のみに設けられていてもよいし、第2繰出回転体49のみに設けられていてもよい。
・巻取装置14において、巻取補助固定部分は、第1巻取回転体88のみに設けられていてもよいし、第2巻取回転体89のみに設けられていてもよい。
【0136】
・印刷部23が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、印刷部23が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材又は画素材料などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を吐出してもよい。
【0137】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0138】
(A)巻取装置は、媒体を巻き取る巻取部と、前記巻取部によって巻き取られる媒体にテンションを付与する巻取テンション付与部と、を備え、前記巻取テンション付与部は、巻取駆動部と、前記巻取駆動部と接続され、前記巻取駆動部によって回転する第1巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体とともに回転する第2巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体と前記第2巻取駆動体とを連結する巻取連結軸と、前記第1巻取駆動体と接続され、前記第1巻取駆動体が回転することによって回転する第1巻取回転体と、前記第2巻取駆動体と接続され、前記第2巻取駆動体が回転することによって回転する第2巻取回転体と、前記第1巻取回転体と接続され、前記第1巻取回転体とともに回転する第1巻取アームと、前記第2巻取回転体と接続され、前記第2巻取回転体とともに回転する第2巻取アームと、前記第1巻取アーム及び前記第2巻取アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する巻取テンションバーと、を有する。上記構成によれば、巻取駆動部のトルクが巻取連結軸を介して第2巻取アームに伝達される。これにより、巻取駆動部のトルクが巻取テンションバーを介して第2巻取アームに伝達される場合と比べて、巻取テンションバーがねじれるおそれが低減される。
【0139】
(B)上記巻取装置において、前記巻取装置は、媒体に印刷する印刷装置に取り付けられ、前記巻取部は、前記巻取装置に装着されるロール体を回転させることによって媒体を巻き取り、前記巻取テンションバーは、前記印刷装置と前記ロール体との間に位置してもよい。上記構成によれば、ロール体を着脱する場合に、巻取テンションバーがロール体に干渉するおそれが低減される。したがって、ロール体を着脱しやすくなる。
【0140】
(C)繰出装置は、媒体を繰り出す繰出部と、前記繰出部によって繰り出される媒体にテンションを付与する繰出テンション付与部と、を備え、前記繰出テンション付与部は、繰出駆動部と、前記繰出駆動部と接続され、前記繰出駆動部によって回転する第1繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体とともに回転する第2繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体と前記第2繰出駆動体とを連結する繰出連結軸と、前記第1繰出駆動体と接続され、前記第1繰出駆動体が回転することによって回転する第1繰出回転体と、前記第2繰出駆動体と接続され、前記第2繰出駆動体が回転することによって回転する第2繰出回転体と、前記第1繰出回転体と接続され、前記第1繰出回転体とともに回転する第1繰出アームと、前記第2繰出回転体と接続され、前記第2繰出回転体とともに回転する第2繰出アームと、前記第1繰出アーム及び前記第2繰出アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する繰出テンションバーと、を有する。上記構成によれば、繰出駆動部のトルクが繰出連結軸を介して第2繰出アームに伝達される。これにより、繰出駆動部のトルクが繰出テンションバーを介して第2繰出アームに伝達される場合と比べて、繰出テンションバーがねじれるおそれが低減される。
【0141】
(D)上記繰出装置において、前記繰出装置は、媒体に印刷する印刷装置に取り付けられ、前記繰出部は、前記繰出装置に装着されるロール体を回転させることによって媒体を繰り出し、前記繰出テンションバーは、前記印刷装置と前記ロール体との間に位置してもよい。上記構成によれば、ロール体を着脱する場合に、繰出テンションバーがロール体に干渉するおそれが低減される。したがって、ロール体を着脱しやすくなる。
【0142】
(E)印刷システムは、媒体を繰り出す繰出装置と、媒体に印刷する印刷装置と、媒体を巻き取る巻取装置と、を備え、前記繰出装置は、前記印刷装置に媒体を繰り出す繰出部と、前記繰出部によって繰り出される媒体にテンションを付与する繰出テンション付与部と、を備え、前記繰出テンション付与部は、繰出駆動部と、前記繰出駆動部と接続され、前記繰出駆動部によって回転する第1繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体とともに回転する第2繰出駆動体と、前記第1繰出駆動体と前記第2繰出駆動体とを連結する繰出連結軸と、前記第1繰出駆動体と接続され、前記第1繰出駆動体が回転することによって回転する第1繰出回転体と、前記第2繰出駆動体と接続され、前記第2繰出駆動体が回転することによって回転する第2繰出回転体と、前記第1繰出回転体と接続され、前記第1繰出回転体とともに回転する第1繰出アームと、前記第2繰出回転体と接続され、前記第2繰出回転体とともに回転する第2繰出アームと、前記第1繰出アーム及び前記第2繰出アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する繰出テンションバーと、を有し、前記巻取装置は、前記印刷装置から媒体を巻き取る巻取部と、前記巻取部によって巻き取られる媒体にテンションを付与する巻取テンション付与部と、を備え、前記巻取テンション付与部は、巻取駆動部と、前記巻取駆動部と接続され、前記巻取駆動部によって回転する第1巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体とともに回転する第2巻取駆動体と、前記第1巻取駆動体と前記第2巻取駆動体とを連結する巻取連結軸と、前記第1巻取駆動体と接続され、前記第1巻取駆動体が回転することによって回転する第1巻取回転体と、前記第2巻取駆動体と接続され、前記第2巻取駆動体が回転することによって回転する第2巻取回転体と、前記第1巻取回転体と接続され、前記第1巻取回転体とともに回転する第1巻取アームと、前記第2巻取回転体と接続され、前記第2巻取回転体とともに回転する第2巻取アームと、前記第1巻取アーム及び前記第2巻取アームに取り付けられ、媒体に接触することによって媒体にテンションを付与する巻取テンションバーと、を有する。上記構成によれば、巻取駆動部のトルクが巻取連結軸を介して第2巻取アームに伝達される。繰出駆動部のトルクが繰出連結軸を介して第2繰出アームに伝達される。これにより、巻取駆動部のトルクが巻取テンションバーを介して第2巻取アームに伝達される場合と比べて、巻取テンションバーがねじれるおそれが低減される。繰出駆動部のトルクが繰出テンションバーを介して第2繰出アームに伝達される場合と比べて、繰出テンションバーがねじれるおそれが低減される。
【0143】
(F)上記印刷システムにおいて、前記繰出テンション付与部は、前記第1繰出アームが取り付けられる第1繰出サイドフレームと、前記第2繰出アームが取り付けられる第2繰出サイドフレームと、を有し、前記巻取テンション付与部は、前記第1巻取アームが取り付けられる第1巻取サイドフレームと、前記第2巻取アームが取り付けられる第2巻取サイドフレームと、を有し、前記第1繰出サイドフレーム及び前記第1巻取サイドフレームは、前記繰出テンションバー及び前記巻取テンションバーの軸方向において前記繰出装置及び前記巻取装置を二分する基準線に対して、前記軸方向において一方に位置してもよい。第1繰出サイドフレーム及び第1巻取サイドフレームが基準線に対して一方と他方に分かれて位置する場合、繰出装置から巻取装置にかけて媒体にしわが生じるおそれがある。これは、第1巻取アームが第2巻取アームに対して先行したり、第1繰出アームが第2繰出アームに対して先行したりするおそれがあるためである。上記構成によれば、第1繰出サイドフレーム及び第1巻取サイドフレームが基準線に対して一方にまとめて位置するため、媒体にしわが生じるおそれが低減される。
【符号の説明】
【0144】
11…印刷システム、12…印刷装置、13…繰出装置、14…巻取装置、21…筐体、22…脚部、23…印刷部、24…支持部、25…上流支持部、26…下流支持部、27…搬送部、28…印刷制御部、31…第1繰出サイドフレーム、32…第2繰出サイドフレーム、33…繰出部、34…繰出ガイドローラー、35…繰出テンション付与部、36…繰出テンションバー、37…第1繰出アーム、38…第2繰出アーム、39…繰出トルク付与機構、40…繰出駆動部、41…繰出モーター、42…繰出ピニオン、43…繰出伝達機構、44…繰出伝達歯車、45…繰出連結軸、46…第1繰出駆動体、47…第2繰出駆動体、48…第1繰出回転体、49…第2繰出回転体、50…第1繰出固定部分、51…第2繰出固定部分、52…第1繰出補助部分、53…第1繰出固定具、54…第1繰出挿入穴、55…第2繰出補助部分、56…第2繰出固定具、57…第2繰出挿入穴、58…第1繰出ベルト、59…第2繰出ベルト、60…第1繰出アイドラプーリー、61…第2繰出アイドラプーリー、62…繰出検出部、63…繰出スケール、64…繰出エンコーダー、65…繰出ストッパー、66…繰出制御部、71…第1巻取サイドフレーム、72…第2巻取サイドフレーム、73…巻取部、74…巻取ガイドローラー、75…巻取テンション付与部、76…巻取テンションバー、77…第1巻取アーム、78…第2巻取アーム、79…巻取トルク付与機構、80…巻取駆動部、81…巻取モーター、82…巻取ピニオン、83…巻取伝達機構、84…巻取伝達歯車、85…巻取連結軸、86…第1巻取駆動体、87…第2巻取駆動体、88…第1巻取回転体、89…第2巻取回転体、90…第1巻取固定部分、91…第2巻取固定部分、92…第1巻取補助部分、93…第1巻取固定具、94…第1巻取挿入穴、95…第2巻取補助部分、96…第2巻取固定具、97…第2巻取挿入穴、98…第1巻取ベルト、99…第2巻取ベルト、100…第1巻取アイドラプーリー、101…第2巻取アイドラプーリー、102…巻取検出部、103…巻取スケール、104…巻取エンコーダー、105…巻取ストッパー、106…巻取制御部、D1…軸方向、D2…交差方向、L1…基準線、M1…媒体、R1…ロール体、R2…ロール体、S1…繰出スピンドル、S2…巻取スピンドル。