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  • 特開-火災受信機又は防災表示装置 図1
  • 特開-火災受信機又は防災表示装置 図2
  • 特開-火災受信機又は防災表示装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171719
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】火災受信機又は防災表示装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G08B17/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088878
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大上 佳一郎
【テーマコード(参考)】
5G405
【Fターム(参考)】
5G405AA06
5G405CA22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リニューアルに関する情報の通知が可能な火災受信機又は防災表示装置を提供する。
【解決手段】防火対象物の防災センター等に設けられ、火災の発生状況等の情報を画面表示する表示部(3)を備える火災受信機(1)又は防災表示装置であって、自身のリニューアルに関する情報を前記表示部(3)に画面表示可能であることを特徴とする。これにより、火災受信機(1)においては、自身のリニューアルに関する情報をユーザーである監視員等や防火対象物のオーナー等に通知することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防火対象物の防災センター等に設けられ、火災の発生状況等の情報を画面表示する表示部を備える火災受信機又は防災表示装置であって、
自身のリニューアルに関する情報を前記表示部に画面表示可能であることを特徴とする火災受信機又は防災表示装置。
【請求項2】
スピーカをさらに備え、
前記リニューアルに関する情報を前記スピーカから音声として発出可能であることを特徴とする請求項1に記載の火災受信機又は防災表示装置。
【請求項3】
プリンタをさらに備え、
前記リニューアルに関する情報を前記プリンタによって印刷可能であることを特徴とする請求項1に記載の火災受信機又は防災表示装置。
【請求項4】
前記リニューアルに関する情報の表示は、自動的に所定のタイミングで行われることを特徴とする請求項1に記載の火災受信機又は防災表示装置。
【請求項5】
前記リニューアルに関する情報の表示は、手動で停止可能であることを特徴とする請求項4に記載の火災受信機又は防災表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災受信機又は防災表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動火災報知設備が設けられる防火対象物の防災センター、中央管理室、守衛室、管理人室等(以下「防災センター等」という)には、火災感知器等から火災信号を受信し、火災発生の報知等を行うための火災受信機が設けられる。火災受信機には、火災の発生状況等を画面表示する表示部を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、大規模な防火対象物の防災センター等には、自動火災報知設備や消火設備等の併設される防災関係の設備全体の総合的な監視、操作等を行うための総合操作盤を構成するものとして、火災の発生状況等を含む防災関係の情報を画面表示する表示部を備える防災表示装置(防災表示盤とも称される盤型のものや、ディスプレイシステムとも称される卓型のもの等がある)が設けられることがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-66149号公報
【特許文献2】特開2013-178690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、火災受信機や防災表示装置は、設置後、10~20年でリニューアルが推奨されている。
【0006】
しかしながら、ユーザーは、火災受信機や防災表示装置がリニューアルの必要なものであることを知らなかったり、知っていたとしても、リニューアル時期が迫っていることに気付かないでいたりすることが多い。
【0007】
この発明は、前記の事情に鑑み、リニューアルに関する情報の通知が可能な火災受信機又は防災表示装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、防火対象物の防災センター等に設けられ、火災の発生状況等の情報を画面表示する表示部を備える火災受信機又は防災表示装置であって、自身のリニューアルに関する情報を前記表示部に画面表示可能であることを特徴とする火災受信機又は防災表示装置である(請求項1)。
【0009】
この発明においては、スピーカをさらに備えるものとすることができ、前記リニューアルに関する情報を前記スピーカから音声として発出可能なものとすることができる(請求項2)。また、プリンタをさらに備えるものとすることができ、前記リニューアルに関する情報を前記プリンタによって印刷可能なものとすることができる(請求項3)。また、前記リニューアルに関する情報の表示は、自動的に所定のタイミングで行われるものとすることができる(請求項4)。また、前記リニューアルに関する情報の表示は、手動で停止可能なものとすることができる(請求項5)。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、火災受信機又は防災表示装置において、リニューアルに関する情報を表示部に画面表示して、ユーザー(監視員等や防火対象物のオーナー等)に通知することができる。すなわち、リニューアルに関する情報の通知が可能な火災受信機又は防災表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の火災受信機の機器構成の一例を示したものであり、火災受信機前面側の正面図である。
図2】同上の火災受信機の表示部に表示されるリニューアルに関する情報を表示する画面の一例を示したものである。
図3】この発明の防災表示装置の装置構成の一例を示したものであり、防災表示装置前面側の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の火災受信機又は防災表示装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
[火災受信機]
まず、この発明を火災受信機に適用する場合について説明する。
【0014】
火災受信機1は、処理部や記憶部等(以下「処理部等」という)を内蔵する箱状の本体2に設けられるものとして、火災の発生状況等の情報を画面表示する液晶ディスプレイ等からなる表示部3を備える(図1参照)。
【0015】
この火災受信機1は、火災感知器等と共に自動火災報知設備を構成するものであり、火災発生時、火災感知器等から火災信号を受信し、火災発生の報知を行うものとして、防火対象物の防災センター等に設けられる。
【0016】
[リニューアル情報の通知機能]
そして、火災受信機1は、自身(火災受信機全体又は一部)のリニューアルに関する情報を表示部3に画面表示可能に構成される。
【0017】
したがって、火災受信機1においては、自身のリニューアルに関する情報をユーザーに通知することができる。
【0018】
[画面表示の具体例]
・表示内容
図2は、リニューアルに関する情報を表示する画面の一例を示したものである。画面表示の内容としては、同図に示したように、例えば、リニューアルの推奨期間が設置後15年の場合、「この受信機は設置後10年が経過しました。リニューアル時期が近づいています。(受信機は設置後15年でリニューアル推奨)」等の文字列を含む文字メッセージによるものとすることができる。
【0019】
・切り替えの態様
画面表示の切り替えの態様としては、例えば、表示部3の表示がスクリーンセーバの状態から画面タッチ等でリニューアルに関する情報画面に切り替わるものとすることができる。
【0020】
・画面の復帰方法
画面表示の内容には、リニューアルに関する情報に加えて、通常画面(メニュー画面等)への復帰スイッチ部分と、復帰方法をガイドする文字メッセージを含むものとすることができる。すなわち、復帰スイッチ部分として、例えば、画面タッチ等により通常画面に切り替わる部分を含むものとしたり、その復帰操作をガイドする文字メッセージを含むものとしたりすることができる(図2参照)。
【0021】
[音声による通知]
火災受信機1は、スピーカ4を備えるものとすることができ、リニューアルに関する情報の通知をスピーカ4から音声メッセージとして発出して行うものとすることができる。
【0022】
なお、この音声により通知は、特定の時間帯(人がいる可能性が高い時間帯等)に通知が行われるようにしてもよい。
【0023】
[印刷による通知]
火災受信機1は、プリンタ5を備えるものとすることができ、リニューアルに関する情報の通知をプリンタによって文字メッセージを印刷して行うものとすることができる。
【0024】
[通知のタイミング、頻度]
リニューアルに関する情報の通知は、自動的に所定のタイミングで行うものとすることができる。具体的には、火災受信機1は、例えば、設置後、最初に電源をオンした時から時間経過を本体2内蔵の処理部等によってカウントするものとし、所定の時間(例えば、推奨期間が設置後15年であれば、10年の期間。本体2内蔵の処理部等で適宜変更が可能)が経過した時に初めて、リニューアルに関する情報の通知を自動的に行うものとすることができ、以降、定期的(例えば、6カ月ごとの定期。本体2内蔵の処理部等で適宜変更が可能。段階的に期間を変えることも可能。所定回数の通知を行った後に停止させることも可能)に繰り返して行うものとすることができる。また、所定の時間経過後は表示部3が表示するたびであったり、数回表示する毎にリニューアルに関する情報の表示を行うようにしてもよい。ただし、この場合、火災等の非常時には、リニューアルに関する表示をしないようにしたほうがよい。
【0025】
[通知の停止機能]
リニューアルに関する情報の通知は、手動で停止可能なものとすることができる。その場合、メーカー社員、施工代理店社員、点検業者社員等の特定の人のみが停止可能なものとすることができる。具体的には、画面タッチ等によるパスワードの入力で停止可能なものとすることができる。なお、通知停止は、リニューアルが決定する等、表示が不要となったタイミングとすることが望ましい。
【0026】
[防災表示装置]
次に、この発明を防災表示装置に適用する場合について説明する。
【0027】
防災表示装置10は、処理部等を内蔵する箱状の本体11とは別体に設けられるものとして、火災の発生状況等を含む防災関係の情報を画面表示する、液晶ディスプレイ装置等からなる表示部12を備える(図3参照)。
【0028】
防災表示装置10は、自動火災報知設備や消火設備等の併設される防災関係の設備全体の総合的な監視、操作等を行う総合操作盤を構成するものとして、火災受信機等と共に防火対象物の防災センター等に設けられる。
【0029】
なお、防災表示装置10としては、図示の例の場合、本体11と表示部12が別体に設けられて、表示部12等がデスク上に置かれる卓型のタイプのものを示しているが、本体11と表示部12が火災受信機1のように一体に設けられて、防災表示盤等とも称される盤型のタイプのものとしてもよい。
【0030】
そして、防災表示装置10も、火災受信機1と同様、自身(防災表示装置全体又は一部)のリニューアルに関する情報を表示部12に画面表示可能に構成される。
【0031】
したがって、防災表示装置10においても、自身のリニューアルに関する情報をユーザーに通知することができる。
【0032】
また、防災表示装置においても、火災受信機1に関し、上記で説明したリニューアルに関する情報の通知についての具体的な機能を同様に有するもの(スピーカやプリンタによるものを含む)とすることができ、同様の利点が得られるものとすることができる。
【0033】
[構成の変更例]
以上、この発明の火災受信機又は防災表示装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明したが、この発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で構成の変更等が可能である。
【0034】
例えば、この発明は、火災受信機又は防災表示装置に限らず、防災関係の情報を画面表示可能な表示部を備える機器又は装置であれば、適用が可能である(例えば、消火設備制御盤等への適用が可能である)。
【符号の説明】
【0035】
1:火災受信機 2:本体 3:表示部 4:スピーカ 5:プリンタ
10:防災表示装置 11:本体 12:表示部
図1
図2
図3