(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171722
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ロール製品パッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 85/67 20060101AFI20241205BHJP
B65D 65/42 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B65D85/67 Z
B65D65/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088882
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯野 里保
(72)【発明者】
【氏名】清水 美沙
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
【テーマコード(参考)】
3E037
3E086
【Fターム(参考)】
3E037AA03
3E037BA09
3E037BB08
3E037BC01
3E037CA06
3E086AD01
3E086BA04
3E086BA15
3E086BA24
3E086BB51
3E086BB62
3E086BB85
(57)【要約】
【課題】長尺のロール製品を包装してもコンパクト性が維持され、フィルムの印刷部におけるインキが剥がれにくく、ヒートシール性があり、かつ、強度が保たれており、更に積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージを提供する。
【解決手段】フィルムからなる包装袋に、ロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージであって、ロール製品の巻柔らかさが1.0mm以上5.0mm以下、巻直径が90mm以上160mm以下、ロール重量(コアを除く)が200g以上340g以下、ロール密度が0.14g/cm
3以上0.29g/cm
3以下であり、フィルムは基材層、印刷部及びニス塗布層を含み、外気と接する面の反対側の面に印刷部及びニス塗布層を有し、フィルムの厚さは20μm/1プライ以上45μm/1プライ以下であり、ニスの塗布量は1.3g/m
2以上2.3g/m
2以下である、ロール製品パッケージを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムからなる包装袋に、衛生薄葉紙の2プライのシートを巻いたロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージであって、
前記ロール製品の巻柔らかさが1.0mm以上5.0mm以下、巻直径が90mm以上160mm以下、ロール重量(コアを除く)が200g以上340g以下、ロール密度が0.14g/cm3以上0.29g/cm3以下であり、
前記フィルムは基材層、印刷部及びニス塗布層を含み、外気と接する面の反対側の面に前記印刷部及び前記ニス塗布層を有し、フィルムの厚さは20μm/1プライ以上45μm/1プライ以下であり、ニスの塗布量は1.3g/m2以上2.3g/m2以下であることを特徴とする、ロール製品パッケージ。
【請求項2】
前記ロール製品の収納される個数は4個、6個、8個又は12個であり、
前記ロール製品は軸方向を上にして、1列又は2列に2個並べた段を2段重ねて前記包装袋に包装され、
前記包装袋は筒状のガセット袋であり、前記ロール製品を囲む略直方体状の本体部と、前記本体部の上辺のうち、互いに対向する長辺から上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合された把持部を有し、
前記把持部には指掛け穴が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項3】
パッケージを段ボール箱に梱包するときに、2個のパッケージを高さ方向に2段積み重ねることを特徴とする、請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項4】
ニスは、少なくとも樹脂及び助剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項5】
ニスに含まれる樹脂成分のうち、ポリアミド樹脂が50重量%以上含まれていることを特徴とする、請求項4に記載のロール製品パッケージ。
【請求項6】
前記フィルムがコロナ処理をしていることを特徴とする、請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項7】
前記フィルムがコロナ処理をしていないことを特徴とする、請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【請求項8】
前記印刷部は、前記包装袋のパネル部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のロール製品パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール製品をフィルム包装した、ロール製品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
トイレットペーパーは、主に4ロール、又は1~2ロール等を単位として包装されたものが市販されている。
【0003】
これらの包装体は嵩張るため、購入時に持ち運べる量は限られており、一度に購入できる量は自ずと限度がある。また、家庭や職場、公共施設などにおいても保管スペースが限られている。
このようなことから、トイレットペーパーのシート1枚当りの坪量を低減し、巻長を長くした(すなわち、長尺の)トイレットロールが開発されている。
【0004】
また、トイレットロールを包装する包装フィルムに、インキによって商品名やデザイン向上のための絵柄・模様などが印刷されている。
この印刷は、出荷時、配送時や商品購入後の持ち運び時等に生ずる製品外面の擦れによるインキの脱落を防止するために、包装袋内面、すなわち包装フィルムのトイレットロールと接する側の面に印刷されている。
【0005】
長尺のトイレットロールに係る発明の先行技術文献として、例えば、特許文献1には、複数枚のウェブを重ね合せた積層体をロール状に巻き取ってなるロール状トイレットペーパーであって、ウェブ1枚当りの坪量が8~13g/m2であり、ウェブを重ね合せた積層体の坪量が15~30g/m2であり、積層体を巻き取ったロールは、その巻き取り長さが60~100mであり、かつ、直径が100~115mmであることを特徴とするロール状トイレットペーパーが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、2プライの長尺のトイレットペーパーを巻き取ってロール状としたトイレットペーパーロールであって、各プライを構成するシートの坪量が10~14g/m2であり、各シートの長手方向の伸び率の差が2~10%であり、各シートがトイレットペーパーの幅方向縁部に形成されたコンタクトエンボスによって一体化され、直径が100~120mmであり、巻き長さが60~90mである、ことを特徴とするトイレットペーパーロールが開示されている。
【0007】
さらに、フィルムに印刷が施されたトイレットロール包装体に係る発明の先行技術文献として、特許文献3には、複数個のトイレットロールが包装フィルムにより包装されているトイレットロール包装体であって、トイレットロールが香料を含み、包装フィルムが、酸素透過度が40cc/m2・day・atm以下であり、かつ、フィルム基材のトイレットロールと接する内面側に印刷が施され、その印刷が施されている印刷部分が塩化ビニル系樹脂層により被覆されている、ことを特徴とするトイレットロール包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-087703号公報
【特許文献2】特開2013-208297号公報
【特許文献3】特開2015-171907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、トイレットロールとフィルムが擦れた際に、トイレットロールにインクが付着してしまう恐れがある。さらに長尺化によって、トイレットロールの巻柔らかさが低くなり(ロールが固くなり)、ロール重量も大きくなることで、より強い力で擦れやすくなり、インキ剥がれが起きやすくなると考えられる。
【0010】
そのようなインキ剥がれを防止するために、インキが印刷された部分の上にニスが塗布されたフィルムを用いると、中身のロールが長尺であっても、インクが剥がれにくくなることが分かった。しかし、インキが印刷された部分の上にニスを塗布することで、ヒートシール性が悪くなるため、インキを剥がれにくくしつつ、さらにヒートシール性を保持することは困難であった。
また、トイレットロールの包装袋(以下、ロール製品パッケージ、又は単にパッケージとも称する)は工場から販売店に輸送するときに、段ボール箱に複数の包装袋を梱包して積載するが、その際に過剰に詰め込みすぎると、他の包装袋と擦れ合ってインキ剥がれが起きやすくなるため、積載効率・運搬性に劣ることも問題となっていた。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、長尺のロール製品を包装してもコンパクト性が維持され、フィルムの印刷部におけるインキが剥がれにくく、ヒートシール性があり、かつ、強度が保たれており、更に積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、フィルムからなる包装袋に、衛生薄葉紙の2プライのシートを巻いたロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージにおいて、ロール製品の巻柔らかさ、巻直径、ロール重量及びロール密度を規定し、更にフィルムを基材層、印刷部及びニス塗布層を含むものとして、外気と接する面の反対側の面に印刷部及びニス塗布層を設け、フィルムの厚さ及びニスの塗布量を規定することで、長尺のロール製品を包装してもコンパクト性が維持され、フィルムの印刷部におけるインキが剥がれにくく、ヒートシール性があり、かつ、強度が保たれており、更に積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージとすることができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0013】
(1)本発明の第1の態様は、フィルムからなる包装袋に、衛生薄葉紙の2プライのシートを巻いたロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージであって、前記ロール製品の巻柔らかさが1.0mm以上5.0mm以下、巻直径が90mm以上160mm以下、ロール重量(コアを除く)が200g以上340g以下、ロール密度が0.14g/cm3以上0.29g/cm3以下であり、前記フィルムは基材層、印刷部及びニス塗布層を含み、外気と接する面の反対側の面に前記印刷部及び前記ニス塗布層を有し、フィルムの厚さは20μm/1プライ以上45μm/1プライ以下であり、ニスの塗布量は1.3g/m2以上2.3g/m2以下であることを特徴とする、ロール製品パッケージである。
【0014】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のロール製品パッケージであって、前記ロール製品の収納される個数は4個、6個、8個又は12個であり、前記ロール製品は軸方向を上にして、1列又は2列に2個並べた段を2段重ねて前記包装袋に包装され、前記包装袋は筒状のガセット袋であり、前記ロール製品を囲む略直方体状の本体部と、前記本体部の上辺のうち、互いに対向する長辺から上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合された把持部を有し、前記把持部には指掛け穴が形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
(3)本発明の第3の態様は、(1)に記載のロール製品パッケージであって、パッケージを段ボール箱に梱包するときに、2個のパッケージを高さ方向に2段積み重ねることを特徴とするものである。
【0016】
(4)本発明の第4の態様は、(1)に記載のロール製品パッケージであって、ニスは、少なくとも樹脂及び助剤を含むことを特徴とするものである。
【0017】
(5)本発明の第5の態様は、(4)に記載のロール製品パッケージであって、ニスに含まれる樹脂成分のうち、ポリアミド樹脂が50重量%以上含まれていることを特徴とするものである。
【0018】
(6)本発明の第6の態様は、(1)に記載のロール製品パッケージであって、前記フィルムがコロナ処理をしていることを特徴とするものである。
【0019】
(7)本発明の第7の態様は、(1)に記載のロール製品パッケージであって、前記フィルムがコロナ処理をしていないことを特徴とするものである。
【0020】
(8)本発明の第8の態様は、(1)に記載のロール製品パッケージであって、前記印刷部は、前記包装袋のパネル部に配置されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、長尺のロール製品を包装してもコンパクト性が維持され、フィルムの印刷部におけるインキが剥がれにくく、ヒートシール性があり、かつ、強度が保たれており、更に積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るロール製品パッケージの一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明のロール製品の巻柔らかさの測定装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
【0024】
<ロール製品パッケージ>
図1は、本発明の一実施形態に係るロール製品パッケージの一例を示す斜視図である。
図1に示すように、フィルム16からなる包装袋10に、衛生薄葉紙の2プライのシートを巻いたロール製品2を複数個収納してなるものである。ロール製品2の収納個数及び包装形態に関しては後述する。
【0025】
(フィルム)
フィルム16は、プラスチック製の基材の上に印刷部19を有し、その上にニスが塗布されている。すなわち、フィルム16は基材層(以下、単に基材とも称する)、印刷部19及びニス塗布層を含むものである。フィルム16を基材層、印刷部19及びニス塗布層を含むものとすることで、後述する印刷部19におけるインキの脱落を防ぐことができるが、代わりにヒートシール性に劣ることとなる。原因としては、ニス塗布層を有することにより、フィルム16の厚さが厚くなっていることが考えられる。そのため、後述するフィルム16の厚さを薄肉化しつつ、フィルム16が薄すぎてヒートシールの際に破れやすくならないように、ロール製品2の紙質やフィルム16の組成等を調整する。
【0026】
フィルム16の基材の材質としては、リサイクルに適した熱可塑性樹脂(いわゆるプラスチック)であることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレン等)、ポリエステル(PET等)、ポリアミド(ナイロン等)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等、従来公知の熱可塑性樹脂を挙げることができる。それらの中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、延伸性や強度の面で、ポリエチレンが更に好ましく、直鎖低密度ポリエチレン(LLPDE)が特に好ましい。
【0027】
また、フィルム16におけるニスの塗布量は1.3g/m2以上2.3g/m2以下であり、1.5g/m2以上2.1g/m2以下であることが好ましく、1.6g/m2以上2.0g/m2以下であることがより好ましい。ニスの塗布量が1.3g/m2未満であると、印刷部19におけるインキが剥がれやすくなる。ニスの塗布量が2.3g/m2を超えると、フィルム16が厚くなりすぎて、ヒートシール性に劣る。
ニスの塗布量は、フィルム16の坪量と、ニスを塗布する前に測定した基材の坪量とから、下記式により算出する。なお、「ニスを塗布する前に測定した基材の坪量」とは、基材及び印刷部19のみを含み、ニス塗布層は含まないことを意味する。
ニスの塗布量=フィルム16の坪量-ニスを塗布する前の基材の坪量
なお、フィルム16の坪量とニスを塗布する前の基材の坪量は、いずれもJIS P 8124に準拠して測定する。
【0028】
ニス塗布層を形成するためのニスは、印刷部19を覆うように塗布する(印刷部19がニス塗布層に完全に覆われる)。印刷部19より狭く塗布してもよい(印刷部19が露出してもよい)が、印刷部19より広く塗布することが好ましい。また、印刷部19以外を含めて全体に塗布してもよい。特に、包装体10のパネル部の印刷部19には、ニスを塗布することがより好ましい。
なお、ニスの塗布量は、1つのロール製品パッケージ1単位の塗布量とみなす。例えば、フィルム16の面積に対して印刷部19の面積が50%、ニスを印刷部19の上部のみに1g/m
2塗布した場合、上記塗布量は、1g/m
2の50%になるため、0.5g/m
2となる。
また、印刷部19の面積は、フィルム16の面積に対して、20%以上95%以下が好ましく、30%以上90%以下がより好ましく、40%以上85%以下が更に好ましい。フィルム16の面積は、例えば
図1に示すような切妻屋根型のガセット包装の場合、底面(ヒートシール部を含んだヒートシールより下部)および天面(持ち手部を含んだ持ち手部より上部)以外の面積とする。
【0029】
なお、ニスは少なくとも樹脂及び助剤を含むことが好ましいが、ニスに含まれる樹脂成分のうち、ポリアミド樹脂が50重量%以上含まれていることが好ましい。ポリアミド樹脂が50重量%以上含まれることにより、フィルム16とロール製品2が擦れても、印刷部19におけるインキを剥がれにくくすることができる。
助剤に関しては、帯電防止剤や酸化防止剤等、通常ニスやコーティング剤に含まれる添加剤を特に制限なく用いることができる。
【0030】
フィルム16の坪量は、16.1g/m2以上42.6g/m2以下であることが好ましく、19.0g/m2以上33.1g/m2以下であることがより好ましく、22.2g/m2以上29.0g/m2以下であることが更に好ましい。坪量が16.1g/m2未満であると、フィルム16の強度が低すぎて、破れやすくなる。坪量が42.6g/m2を超えると、フィルム16の強度が高すぎて、ヒートシール性に劣る。フィルム16の坪量が上記の数値範囲内であることにより、ヒートシール性に優れ、かつ、破れにくい包装袋10及びロール製品パッケージ1を得ることができる。
【0031】
また、フィルム16の厚さは、20μm/1プライ以上45μm/1プライ以下であり、23μm/1プライ以上35μm/1プライ以下であることが好ましく、25μm/1プライ以上30μm/1プライ以下であることがより好ましい。厚さが20μm/1プライ未満であると、フィルム16が薄すぎて、ヒートシールをしたときに破れやすくなる。厚さが45μm/1プライを超えると、フィルム16が厚すぎて、ヒートシール性に劣る。また、ロール製品2と印刷部19が擦れて、インキが剥がれやすくなる。フィルム16の厚さを上記の範囲内にすることで、ヒートシール性に優れ、かつ、インキが剥がれにくい包装袋10及びロール製品パッケージ1を得ることができる。
フィルム16の厚さは、JIS K7130に準拠して測定することができる。
【0032】
さらに、フィルム16は、出荷時、配送時や商品購入後の持ち運び時等に生ずる外面の擦れによるインキの脱落を防止するために、包装袋10の内面、すなわち外気と接する面の反対側の面に印刷部19(及びニス塗布層)を有する。印刷部19の詳細は後述する。
なお、フィルム16は、基材、ニス塗布層及び印刷部19以外に、他の層を備えていてもよい。他の層としては、例えば、ヒートシール層、水蒸気バリア層、酸素バリア層、印刷適性向上層、オーバープリント層、遮光層等が挙げられる。これら他の層は、例えば、基材の表面側又は裏面側に設けることができ、1層でもよく、2層以上であってもよい。
なお、フィルム16は印刷特性を改善するためにコロナ処理をしてもよいが、しなくてもよい。コロナ処理をすることで、フィルム16のインキ剥がれを防ぐことができるが、一方でコロナ処理をしないことで、フィルム16のヒートシール性が向上し、ヒートシール時に過剰に熱をかける必要がなく、ヒートシール部での破れが低減される。
【0033】
(ロール製品)
本発明のロール製品パッケージ1は、複数個のロール製品2を包装する。ロール製品2の収納される個数は4個、6個、8個又は12個であることが好ましく、また、ロール製品2は軸方向を上にして、1列又は2列に2個並べた段を2段重ねて包装袋10に包装されることが好ましい。例えば、
図1に示すように4個のロール製品2が、1列に2個並べた段を2段重ねて包装袋10に包装される。
なお、ロール製品2は、衛生薄葉紙の2プライのシートを巻いたものであれば特に限定されないが、中でもトイレットロールであることが好ましい。
【0034】
ロール製品2の巻柔らかさは1.0mm以上5.0mm以下であり、1.5mm以上4.0mm以下であることが好ましく、1.8mm以上3.0mm以下であることがより好ましい。巻柔らかさが1.0mm未満であると、ロール製品2が固くなり、フィルム16と擦れて、インキが剥がれやすくなる。巻柔らかさが5.0mmを超えると、ロール製品2が柔らかすぎて、包装袋10の中で形が崩れやすくなり、積載効率・運搬性に劣る。
【0035】
巻き柔らかさは、
図2に示す測定装置20を使って測定し、ロール製品2に荷重を掛けた際のロール製品2の変形量として規定することができる。測定装置20は、ベース板21、支持板22、ロール挿入孔23、移動錘乗せ板24、625gの錘25を備える。ベース板21は、縦127mm・横530mm・厚さ15mmであり、支持板22は、それぞれ縦151mm・横100mm・厚さ8mm、横40mm・高さ120mm・厚さ8mm、横40mm・縦184mm・厚さ5mmであり、ボルトによってベース板21に固定され、垂直に立ち上っている。
【0036】
支持板22には移動錘乗せ板24が蝶番で取り付けられており、開閉が可能である。移動錘乗せ板24は、縦79mm・横130mmの長方形と、横97mm・縦120mmの長方形のそれぞれの角を約26.5mmになるようにカットした六角形と、底辺が85mm、上辺が39mm、高さが170mmの台形を、組み合わせたような形状である。厚さは3mmのプラスチック製で、重さは142gであり、先端(台形の先)には、150mm定規が固定されている。錘25を乗せる位置は、六角形の真ん中である。支持板22には、磁石が固定されており、その磁石に150mm定規をくっつけることができ、移動錘乗せ板24の先端に取り付けられた150mm定規との交点を読み取ることで、ロール製品2の変形量を測ることができる。
支持板22には、直径30mm高さ120mmのロール挿入孔23が垂直に固定されており、測定する際は、ロール挿入孔23に差し込まれたロール製品2の上に移動錘乗せ板24を乗せる。この状態の移動錘乗せ板24の高さを初期高さH1とする。さらに、移動錘乗せ板24に錘25を乗せると、錘25の重さによって移動錘乗せ板24がロール製品2を変形させて沈み込むので、このときの高さを測定して高さH2とし、変形量(高さH2-高さH1)をロール製品2の巻柔らかさとして求める。
【0037】
ロール製品2の巻長は、70m以上98m以下であることが好ましく、75m以上95m以下であることがより好ましく、80m以上90m以下であることが更に好ましい。巻長が70m未満であると、ロール製品2が長尺ではなくなり、交換頻度に劣る。巻長が98mを超えると、結果として巻直径が大きくなり、印刷部19と擦れて、インクが剥がれやすくなる。
【0038】
また、ロール製品2の巻直径は90mm以上160mm以下であり、100mm以上140mm以下であることが好ましく、110mm以上125mm以下であることがより好ましい。巻直径が90mm未満であると、巻長が短くなることによってロール製品2が長尺ではなくなり、交換頻度に劣る。巻直径が160mmを超えると、一定の巻長にする場合、ロール密度が低くなり、結果としてロール製品2とフィルム16とが擦れやすくなって、インキが剥がれやすくなる。
ロール製品2の巻長及び巻直径を上記の範囲にすることで、コンパクト性が維持され、フィルム16の印刷部19におけるインキが剥がれにくくなる。そして、積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージ1を得ることができる。
【0039】
さらに、ロール製品2のコアを除くロールにおける、ロール幅114mm当たりの重量は、200g以上340g以下であり、243g以上305g以下であることが好ましく、262g以上280g以下であることがより好ましい。また、ロール製品2のコアを含む1ロールにおける、ロール幅114mm当たりの重量は、205g以上345g以下であることが好ましく、248g以上310g以下であることがより好ましく、267g以上285g以下であることが更に好ましい。コアを除く重量が200g未満であるか、又はコアを含む重量が205g未満であると、一定の巻長にする場合、ロール密度が低くなり、結果としてシートの紙厚が高くなって、巻直径が大きくなりコンパクト性に劣る。コアを除く重量が340gを超えるか、コアを含む重量が345gを超えると、ロール製品パッケージ1が重くなって、フィルム16が破れやすくなったり、ロール製品パッケージ1が積載効率・運搬性に劣ったりする。
【0040】
そして、ロール製品2のロール幅は108mm以上120mm以下であることが好ましく、110mm以上118mm以下であることがより好ましく、112mm以上116mm以下であることが更に好ましい。ロール幅が108mm未満であると、シートの大きさが小さくなり、結果として使用枚数が増えて、交換頻度に劣る。ロール幅が120mmを超えると、ロール製品2及びロール製品パッケージ1がコンパクト性に劣る。
【0041】
また、ロール製品2に用いるシート10枚分(2プライであるため、5組分で10枚)の紙厚は、0.45mm/10枚以上1.20mm/10枚以下であることが好ましく、0.60mm/10枚以上0.90mm/10枚以下であることがより好ましく、0.74mm/10枚以上0.82mm/10枚以下であることが更に好ましい。シートの紙厚が0.45mm/10枚未満であると、結果としてロール密度が低くなり、結果としてシートの紙厚が高くなって、巻直径が大きくなりコンパクト性に劣る。シートの紙厚が1.20mm/10枚を超えると、一定の巻直径にする場合、ロール重量が重くなり、結果としてロール製品2とフィルム16が擦れやすくなって、インキ剥がれやフィルム破れが起きやすくなる。
紙厚は、シックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。また、10枚(2プライであるため、5組分で10枚)に重ねられたシート100mm2を2束用意し、それぞれの束を5箇所等間隔測定し、合計10箇所を測って測定結果を平均する。
【0042】
さらに、ロール製品2の1プライ当たりの坪量は、10.0g/m2以上19.0g/m2以下であることが好ましく、12.0g/m2以上18.0g/m2以下であることがより好ましく、14.0g/m2以上16.0g/m2以下であることが更に好ましい。坪量が10.0g/m2未満であると、一定の巻長にする場合、ロール密度が低くなり、結果としてシートの紙厚が高くなって、巻直径が大きくなりコンパクト性に劣る。坪量が19.0g/m2を超えると、ロール重量が重くなり、結果としてロール製品2とフィルム16が擦れやすくなって、インキ剥がれやフィルム破れが起きやすくなる。
【0043】
そして、ロール製品2のコア(紙管)の外径は、34mm以上46mm以下であることが好ましく、36mm以上43mm以下であることがより好ましく、38mm以上41mm以下であることが更に好ましい。コアの外径が34mm未満であると、一定の巻直径にする場合、巻長が長くなってロール重量が重くなり、結果としてロール製品2とフィルム16が擦れやすくなって、インキ剥がれやフィルム破れが起きやすくなる。コアの外径が46mmを超えると、一定の巻直径にする場合、巻長が短くなってロール製品2が長尺ではなくなり、交換頻度に劣る。
【0044】
また、ロール製品2のコア(紙管)の重量は3.5g以上6.0g以下であることが好ましく、4.0g以上5.3g以下であることがより好ましく、4.2g以上4.9g以下であることが更に好ましい。コアの重量が3.5g未満であると一定の巻長にする場合、ロール密度が低くなり、結果としてシートの紙厚が高くなって、巻直径が大きくなりコンパクト性に劣る。コアの重量が6.0gを超えると、ロール重量が重くなり、結果としてロール製品2とフィルム16が擦れやすくなって、インキ剥がれやフィルム破れが起きやすくなる。
ロール製品2のコアの外径、坪量及び各々の重量を上記の範囲にすることで、所定のロール重量に調整しやすくなる。そして、フィルム16の印刷部19におけるインキが剥がれにくく、積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージ1を得ることができる。
【0045】
さらに、ロール製品2のロール密度は、0.14g/cm3以上0.29g/cm3以下であり、0.21g/cm3以上0.27g/cm3以下であることが好ましく、0.22g/cm3以上0.25g/cm3以下であることがより好ましい。ロール密度が0.14g/cm3未満であると、一定の巻直径にする場合、ロール重量が軽くなり、結果としてロール製品2のシート坪量が低くなったり、巻長が低くなったりする等の不具合が起きてしまう。ロール密度が0.29g/cm3を超えると、一定の巻直径にする場合、ロール重量が重くなり、結果としてロール製品2とフィルム16が擦れやすくなって、インキ剥がれやフィルム破れが起きやすくなる。
ロール製品2のロール密度を上記の範囲内にすることで、所定のロール重量に調整しやすくなる。そして、フィルム16の印刷部19におけるインキが剥がれにくく、積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージ1を得ることができる。
【0046】
ロール密度は、コアを除く1個のロール製品2の底面積にロール幅(高さ)を乗じた値(すなわち、コアを除く1個のロール製品2の体積)を求め、コアを除く1個のロール製品2の重量をこの体積で除して求める。
例えば、ロール幅114mmあたりのロール重量(コアを除く)が201g、巻直径130mm、コアの外径が39mmの場合、ロール密度=201g÷[{3.14×(130mm÷2÷10)2-3.14×(39mm÷2÷10)2}×(114mm÷10)]=0.15g/cm3となる。
このとき、ロール密度の測定は、JIS P 8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行う。
【0047】
なお、ロール製品2の比容積は3.1cm3/g以上7.2cm3/g以下であることが好ましく、4.2cm3/g以上6.6cm3/g以下であることがより好ましく、4.8cm3/g以上5.5cm3/g以下であることが更に好ましい。比容積が3.1cm3/g未満であると、ロール重量が重くなり、結果としてロール製品2とフィルム16が擦れやすくなって、インキ剥がれやフィルム破れが起きやすくなる。比容積が7.2cm3/gを超えると、一定の巻長にする場合、ロール密度が低くなり、結果としてロール製品2とフィルム16とが擦れやすくなって、インキが剥がれやすくなる。
ロール製品2の比容積は、ロール製品2の紙厚を坪量で割り、単位gあたりの容積cm3で表す。
【0048】
(包装形式)
本発明の一実施形態に係るロール製品パッケージ1の包装形式としては、ガセット袋(ガセット包装)であることが好ましい。
具体的には、
図1に示すように、ロール製品2を囲む略直方体状の本体部11と、本体部11の上辺のうち、互いに対向する長辺から上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合された把持部12を有し、把持部12には指掛け穴15が形成されている。以下、包装袋10について詳細に説明する。
【0049】
包装袋10は、ロール製品2を囲む部分となる有底筒状の本体部11と、本体部11の上端から連続して上方へ延びる把持部12とを一体的に備える。把持部12は、本体部11の上辺11a~11dのうち、互いに対向する上辺11a及び上辺11cから上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合されている。本体部11の上辺11a及び上辺11cと把持部12との間には、傾斜する切妻屋根状のパネル部13a,13bが設けられる。パネル部13a,13bの幅方向(Y方向)の両端部には、妻側の端縁となる山折り稜線14がそれぞれ設けられる。把持部12は、指掛け穴15を有している。本実施形態では、把持部12は、2つの指掛け穴15を有している。なお、指掛け穴15は1つであってもよいが、本発明のロール製品パッケージ1はフィルム16の厚さを薄くしているため、指掛け穴15から破れにくくなるように、指掛け穴15は2つあることが好ましい。
なお、フィルム16とは別に、把持部12を補強するために、把持部12の周辺において補強フィルム17を更に接合してもよい。補強フィルム17の基材はフィルム16と同じ材質であってもよいし、より強度が高い材質としてもよい。
【0050】
包装袋10のフィルム16は、ロール製品2を収納する前において、チューブ状(筒状)に形成される。包装袋10のフィルム16は、ロール製品2を収納する前において、本体側フィルム16の幅方向の両側をガゼットとして内側に対称的に折り込まれて平面状に折り畳まれることで、折り込み端縁が形成される。また、本体側フィルム16の上端側をヒートシールで一体化して固定することによって、幅方向に長尺に延びる矩形状の扁平部分が形成され、係る扁平部分が把持部12として機能する。すなわち、包装袋10の幅方向(Y方向)が、把持部12の長手方向となる。
【0051】
ロール製品2を収納する際には、本体側フィルム16の本体部11は、下方へ開口しており、下側からロール製品2を収納する。ロール製品2を本体側フィルム16の本体部11に下方から収納した後、本体部11の下方の開口端をヒートシールして封止部18を形成する。本体側フィルム16の本体部11のガゼットは、ロール製品2を収納した際に展開され、本体部11は、4つの側面を有する断面矩形状の略直方体を構成し、ロール製品2を囲う。なお、ロール製品2を包装袋10に収納する際には、封止部18を形成した後に、包装袋10の下端部を必要に応じて適宜カットして寸法を調整することができる。
【0052】
また、印刷部19は、視認性及びロール製品2との擦れやすさの観点から、パネル部13(包装袋10の天面部)に配置されることが好ましい。印刷部19は、上述したように基材の上にインキで印刷した後にニスを塗布することで形成される。
印刷部19において印刷される情報は、製品名、ロゴ、特徴、組成、注意書き等、顧客に提示する必要がある情報であれば、特に限定されない。
【0053】
(梱包及び運搬方法)
本発明のロール製品パッケージ1は、複数個を段ボール箱に梱包して運搬する。このとき、パッケージを段ボール箱に梱包するときに、好ましくは2個のパッケージを高さ方向に2段積み重ねることで、インキの剥がれを抑制しつつ、積載効率・運搬性に優れるロール製品パッケージ1とすることができる。なお、段ボール箱の1段におけるパッケージの個数は特に限定されない。
【0054】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが、当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例0055】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】
表1及び表2に示す条件によって、実施例1~18及び比較例1~8のトイレットロール製品、包装フィルム及びロール製品パッケージを作製し、段ボール箱に梱包した。また、各実施例及び比較例のトイレットロール製品、包装フィルム及びロール製品パッケージに関して、以下の評価を行った。
【0057】
(フィルムインキ剥がれ)
作製したロール製品パッケージを100回上下及び左右に振った後、包装フィルムを開封して印刷部のインキ剥がれをモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:インキが剥がれたり、シートに色移りしたりしていないと感じた人が28人以上
〇:インキが剥がれたり、シートに色移りしたりしていないと感じた人が25人以上27人以下
△:インキが剥がれたり、シートに色移りしたりしていないと感じた人が21人以上24人以下
×:インキが剥がれたり、シートに色移りしたりしていないと感じた人が20人以下
【0058】
(フィルムヒートシール性)
作製したロール製品パッケージのヒートシール部分を破って、ヒートシール性をモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:ヒートシールの強度が充分であると感じた人が28人以上
〇:ヒートシールの強度が充分であると感じた人が25人以上27人以下
△:ヒートシールの強度が充分であると感じた人が21人以上24人以下
×:ヒートシールの強度が充分であると感じた人が20人以下
【0059】
(フィルム破れ)
作製したロール製品パッケージのヒートシール部分以外の箇所を破って、フィルムの破れにくさをモニター30人で評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:フィルムを破くのに時間がかかったり、力を入れたりした人が28人以上
〇:フィルムを破くのに時間がかかったり、力を入れたりした人が25人以上27人以下
△:フィルムを破くのに時間がかかったり、力を入れたりした人が21人以上24人以下
×:フィルムを破くのに時間がかかったり、力を入れたりした人が20人以下
【0060】
(ロールのコンパクト性)
作製したロール製品パッケージに収納されているロール製品のロール密度から、ロールのコンパクト性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:ロール製品のロール密度が0.22g/cm3以上
〇:ロール製品のロール密度が0.19g/cm3以上0.21g/cm3以下
△:ロール製品のロール密度が0.14g/cm3以上0.18g/cm3以下
×:ロール製品のロール密度が0.13g/cm3以下
【0061】
(トラックへの積載効率・運搬性)
作製したロール製品パッケージについて、表1及び表2に示すパック数、段数及び入り数で段ボール箱に梱包し、トラックで100km輸送した後のロール製品パッケージの状態を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:全てのパッケージの印刷部は鮮明なままであった
〇:パッケージのほとんどの印刷部は鮮明なままであった
△:パッケージの一部が印刷部のインクが剥がれたり、ロール製品表面に移ったりしていたが、問題ない程度であった。
×:パッケージの大半が印刷部のインクが剥がれたり、ロール製品表面に移ったりしていた
【0062】
以上の評価及び各パラメータの測定結果を表1及び表2に示す。
【0063】
【0064】
【0065】
表1及び表2に示される結果から明らかなとおり、実施例1~18のロール製品パッケージはいずれもフィルムがインキ剥がれしにくく、ヒートシール性も良好であって破れにくく、かつ、ロールのコンパクト性、及びトラックへの積載効率・運搬性にも優れるものであった。それに対して、比較例1~8はいずれもフィルムのインキ剥がれ、フィルムヒートシール性、フィルム破れ、ロールのコンパクト性、トラックへの積載効率・運搬性のいずれかにおいて劣るものであった。
よって、本発明のロール製品パッケージは、長尺のロール製品を包装してもコンパクト性が維持され、フィルムの印刷部におけるインキが剥がれにくく、ヒートシール性があり、かつ、強度が保たれており、更に積載効率及び運搬性に優れるロール製品パッケージを提供することができる。