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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171735
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ウェビング巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/46 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B60R22/46 142
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088905
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 優太
(72)【発明者】
【氏名】坂口 善輝
(72)【発明者】
【氏名】中條 健吾
(72)【発明者】
【氏名】村仲 淳一
【テーマコード(参考)】
3D018
【Fターム(参考)】
3D018MA02
(57)【要約】
【課題】車両の緊急時に長尺状で樹脂製の移動部材を用いて回転部材を回転させる構成において緊急時の初期段階において回転部材と動力伝達用の部材との噛合いを良好にすることができるウェビング巻取装置を得る。
【解決手段】車両の緊急時に回転部材32がスプールに一体回転可能に連結される。長尺状で樹脂製の移動部材36は軸方向先端側に移動されて回転部材32を一側へ回転させる。移動部材36の軸方向先端側には金属製の噛合部材34が設けられている。噛合部材34は、複数のラック歯34Aを有し、複数のラック歯34Aの一個が回転部材32の外歯32Aと接した状態で配置され、移動部材36に押されることでラック歯34Aが外歯32Aに噛合いながら直進して回転部材32を一側へ回転させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取方向へ回転されてシートベルト装置のウェビングが巻取られるスプールと、
外周に複数の第一歯が形成され、車両の緊急時に前記スプールに一体回転可能に連結されると共に、前記スプールに連結された状態で一側へ回転されることで前記スプールが前記巻取方向へ回転される回転部材と、
長尺状に形成され、軸方向先端側に移動されて前記第一歯が食込むことで前記回転部材を前記一側へ回転させる樹脂製の移動部材と、
前記移動部材の軸方向先端側に設けられ、複数の第二歯を有して前記複数の第二歯のうちの少なくとも一個が前記第一歯と接した状態で配置され、前記移動部材に押されることで前記第二歯が前記第一歯に噛合いながら直進して前記回転部材を前記一側へ回転させる金属製の噛合部材と、
を備えるウェビング巻取装置。
【請求項2】
前記移動部材に押されて移動した前記噛合部材を受止めることで前記噛合部材を前記移動部材の軸方向先端側から離す受止部を備える、請求項1に記載のウェビング巻取装置。
【請求項3】
前記受止部は、前記噛合部材が前記回転部材を前記一側へ回転させる場合の当該噛合部材の直進方向側に設けられている、請求項2に記載のウェビング巻取装置。
【請求項4】
前記噛合部材において前記移動部材に押される側の端部には、前記噛合部材が前記受止部に受止められた場合に前記移動部材を所定の進行方向へ案内する案内面が形成されている、請求項2に記載のウェビング巻取装置。
【請求項5】
前記回転部材は、その中心軸方向に直列的に並ぶ第一回転部と第二回転部とを有し、
前記第一回転部は、その外周に前記複数の第一歯の一部として複数の噛合歯を有し、前記第二歯が前記噛合歯に噛合うように構成され、
前記第二回転部は、その外周に前記複数の第一歯の他の一部として複数の食込歯を有し、前記食込歯が前記移動部材に食込むように構成されており、
更に、前記移動部材を前記第一回転部の外周付近から前記第二回転部の外周側へ案内する案内部が設けられている、請求項1に記載のウェビング巻取装置。
【請求項6】
前記移動部材に押されて移動した前記噛合部材を受止めることで前記噛合部材を前記移動部材の軸方向先端側から離す受止部を備え、
前記案内部は、前記噛合部材において前記移動部材に押される側の端部に形成されて前記噛合部材が前記受止部に受止められた場合に前記移動部材を前記第二回転部の外周側へ案内する案内面とされ、
前記第二回転部は、前記第一回転部と一体回転可能に設けられると共に前記第一回転部に対する前記第二回転部の相対回転の回転荷重が所定値を超えた場合に前記第一回転部に対して相対回転するように構成されている、請求項5に記載のウェビング巻取装置。
【請求項7】
前記第二回転部は、前記第一回転部よりも大径に形成されている、請求項5に記載のウェビング巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転部材が一側へ回転されてスプールが巻取方向へ回転されるウェビング巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のシートベルト装置では、緊急時にプリテンショナのロッド状の動力伝達部材が塑性変形しながらリングギアに動力を伝達することで、スプールが回転されて、スプールにウェビングが巻取られる。また、このシートベルト装置では、動力伝達部材の先端側には動力伝達部材よりも強度の高い先端補強部材が配置され、リングギアを駆動させる初期段階に先端補強部材をリングギアに最初に衝突させることによって、動力伝達部材の欠損や破損を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-37184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、緊急時の初期段階におけるリングギアと動力伝達用の部材との噛合いについては改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、車両の緊急時に長尺状で樹脂製の移動部材を用いて回転部材を回転させる構成において緊急時の初期段階において回転部材と動力伝達用の部材との噛合いを良好にすることができるウェビング巻取装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のウェビング巻取装置は、巻取方向へ回転されてシートベルト装置のウェビングが巻取られるスプールと、外周に複数の第一歯が形成され、車両の緊急時に前記スプールに一体回転可能に連結されると共に、前記スプールに連結された状態で一側へ回転されることで前記スプールが前記巻取方向へ回転される回転部材と、長尺状に形成され、軸方向先端側に移動されて前記第一歯が食込むことで前記回転部材を前記一側へ回転させる樹脂製の移動部材と、前記移動部材の軸方向先端側に設けられ、複数の第二歯を有して前記複数の第二歯のうちの少なくとも一個が前記第一歯と接した状態で配置され、前記移動部材に押されることで前記第二歯が前記第一歯に噛合いながら直進して前記回転部材を前記一側へ回転させる金属製の噛合部材と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のウェビング巻取装置は、本発明の第1態様のウェビング巻取装置において、前記移動部材に押されて移動した前記噛合部材を受止めることで前記噛合部材を前記移動部材の軸方向先端側から離す受止部を備える。
【0008】
本発明の第3態様のウェビング巻取装置は、本発明の第2態様のウェビング巻取装置において、前記受止部は、前記噛合部材が前記回転部材を前記一側へ回転させる場合の当該噛合部材の直進方向側に設けられている。
【0009】
本発明の第4態様のウェビング巻取装置は、本発明の第2態様又は第3態様のウェビング巻取装置において、前記噛合部材において前記移動部材に押される側の端部には、前記噛合部材が前記受止部に受止められた場合に前記移動部材を所定の進行方向へ案内する案内面が形成されている。
【0010】
本発明の第5態様のウェビング巻取装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのウェビング巻取装置において、前記回転部材は、その中心軸方向に直列的に並ぶ第一回転部と第二回転部とを有し、前記第一回転部は、その外周に前記複数の第一歯の一部として複数の噛合歯を有し、前記第二歯が前記噛合歯に噛合うように構成され、前記第二回転部は、その外周に前記複数の第一歯の他の一部として複数の食込歯を有し、前記食込歯が前記移動部材に食込むように構成されており、更に、前記移動部材を前記第一回転部の外周付近から前記第二回転部の外周側へ案内する案内部が設けられている。
【0011】
本発明の第6態様のウェビング巻取装置は、本発明の第5態様のウェビング巻取装置において、前記移動部材に押されて移動した前記噛合部材を受止めることで前記噛合部材を前記移動部材の軸方向先端側から離す受止部を備え、前記案内部は、前記噛合部材において前記移動部材に押される側の端部に形成されて前記噛合部材が前記受止部に受止められた場合に前記移動部材を前記第二回転部の外周側へ案内する案内面とされ、前記第二回転部は、前記第一回転部と一体回転可能に設けられると共に前記第一回転部に対する前記第二回転部の相対回転の回転荷重が所定値を超えた場合に前記第一回転部に対して相対回転するように構成されている。
【0012】
本発明の第7態様のウェビング巻取装置は、本発明の第5態様又は第6態様のウェビング巻取装置において、前記第二回転部は、前記第一回転部よりも大径に形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1態様のウェビング巻取装置では、車両の緊急時に回転部材がスプールに一体回転可能に連結される。回転部材がスプールに連結された状態で、長尺状で樹脂製の移動部材が、軸方向先端側に移動されて、回転部材の第一歯が移動部材に食込むことで、移動部材が回転部材を一側へ回転させて、スプールが巻取方向へ回転される。このため、シートベルト装置のウェビングがスプールに巻取られる。
【0014】
ここで、移動部材の軸方向先端側には金属製の噛合部材が設けられ、この噛合部材は、複数の第二歯を有し、複数の第二歯のうちの少なくとも一個が第一歯と接した状態で配置されている。この噛合部材が移動部材に押されると、噛合部材の第二歯が回転部材の第一歯に噛合いながら回転して回転部材を一側へ回転させる。このため、車両の緊急時の初期段階において回転部材と動力伝達用の部材との噛合いを良好にすることができる。
【0015】
本発明の第2態様のウェビング巻取装置では、噛合部材は、移動部材に押されて移動されると受止部に受止められ、移動部材の軸方向先端側から離れる。このため、金属製の噛合部材が移動部材の進行ルートの周辺部材に当接することによる不具合の発生を抑えることができる。
【0016】
本発明の第3態様のウェビング巻取装置では、受止部は、噛合部材が回転部材を一側へ回転させる場合の当該噛合部材の直進方向側に設けられているので、噛合部材の移動量を最低限に抑えることが可能となる。
【0017】
本発明の第4態様のウェビング巻取装置では、噛合部材が受止部に受止められると、噛合部材の案内面によって移動部材が所定の進行方向へ案内される。このため、移動部材をスムーズに所定の進行方向へ移動させることができる。
【0018】
本発明の第5態様のウェビング巻取装置では、噛合部材が移動部材に押されると、噛合部材の第二歯が回転部材の第一回転部の噛合歯(複数の第一歯の一部)に噛合って回転部材を一側へ回転させる。また、移動部材は、案内部によって、第一回転部の外周付近から第二回転部の外周側へ案内される。移動部材が第二回転部の外周側で移動されると、回転部材の第二回転部の食込歯(複数の第一歯の他の一部)が移動部材に食込んで、移動部材が回転部材を一側へ回転させる。この本発明の第5態様のウェビング巻取装置では、回転部材において、噛合部材の第二歯と噛合う部分と、移動部材に食込む部分と、が別々に設けられているので、緊急時の初期段階における回転部材と噛合部材との噛合いを良好にしつつ、移動部材の移動によって回転部材を回転させるための設計の自由度を高めることができる。
【0019】
本発明の第6態様のウェビング巻取装置では、噛合部材は、移動部材に押されて移動されると受止部に受止められ、移動部材の軸方向先端側から離れる。また、噛合部材が受止部に受止められると、噛合部材の案内面によって、移動部材が第二回転部の外周側へ案内される。移動部材が第二回転部の外周側で移動されると、回転部材の第二回転部の食込歯が移動部材に食込んで、移動部材が回転部材の第二回転部を一側へ回転させようとする。このとき、第一回転部は、受止部に受止められた噛合部材の第二歯と噛み合っていて回転不能であると、第一回転部に対する第二回転部の相対回転の回転荷重が作用し、その回転荷重が所定値を超えると、第一回転部に対して第二回転部が一側へ相対回転する。このため、第一回転部と噛合う噛合部材に移動部材を案内する機能を持たせながら、移動部材によって第二回転部を回転させることができる。
【0020】
本発明の第7態様のウェビング巻取装置では、第二回転部は、第一回転部よりも大径に形成されているので、第二回転部が第一回転部と同径の場合と比べて、小さい力で回転部材を回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係るウェビング巻取装置を車幅方向内側から見た状態で示す背面図である。
図2図1のウェビング巻取装置を車両前側から見た状態で簡略化して示す側面断面図である。
図3】移動部材が移動された状態を示す図2に対応する側面断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るウェビング巻取装置を車幅方向内側から見た状態で示す背面図である。
図5図4のウェビング巻取装置を車両前側から見た状態で簡略化して示す側面断面図である。
図6】移動部材が移動された状態を示す図4に対応する背面図である。
図7A】移動部材と噛合部材とを一体化するための構成の第1の変形例を示す分解背面図である。
図7B】移動部材と噛合部材とを一体化するための構成の第2の変形例を示す分解背面図である。
図7C】移動部材と噛合部材とを一体化するための構成の第3の変形例を示す背面図である。
図8】変形例に係るウェビング巻取装置を車両前側から見た状態で簡略化して示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るウェビング巻取装置について図1図3を用いて説明する。なお、各図において矢印FRは、本実施形態のウェビング巻取装置10が適用された車両の前側を示し、矢印OUTは、車幅方向外側を示し、矢印UPは、車両上側を示す。また、各図において矢印Aは、スプール14がウェビング16を巻取る際のスプール14の回転方向である巻取方向を示し、矢印Bは、巻取方向とは反対の引出方向を示す。
【0023】
<構成>
図1に示される本実施形態に係るウェビング巻取装置10は、車両用のシートベルト装置の一部とされ、フレーム12を備えている。フレーム12は、車両の車体としてのセンターピラー(図示省略)の車両下側部分に固定されている。
【0024】
また、フレーム12にはスプール14が設けられている。スプール14は、略円筒形状に形成されており、中心軸線周り(矢印A方向及び矢印B方向)に回転可能とされている。スプール14には、長尺帯状のウェビング16の長手方向基端部が係止されており、スプール14が巻取方向(矢印A方向)へ回転されると、ウェビング16は、長手方向基端側からスプール14に巻取られる。また、ウェビング16の長手方向先端側は、スプール14から車両上側へ延び、フレーム12の車両上側でセンターピラーに支持されたスルーアンカ(図示省略)に形成されたスリット孔を通って車両下側へ折返されている。
【0025】
さらに、ウェビング16の長手方向先端部は、アンカプレート(図示省略)に係止されている。アンカプレートは、鉄等の金属板材によって形成されており、車両の床部(図示省略)又はウェビング巻取装置10に対応するシート(図示省略)の骨格部材等に固定されている。
【0026】
また、ウェビング巻取装置10が適用された車両用のシートベルト装置は、バックル装置(図示省略)を備えている。バックル装置は、ウェビング巻取装置10が適用されるシート(図示省略)の車幅方向内側に設けられている。シートに着座した乗員の身体にウェビング16が掛回された状態で、ウェビング16に設けられたタング(図示省略)がバックル装置に係合されることによって、ウェビング16が乗員の身体に装着される。
【0027】
また、図1に示されるように、フレーム12の車両後側には、スプリングハウジング18が設けられている。スプリングハウジング18の内側には、ぜんまいばね等のスプール付勢手段(図示省略)が設けられている。スプール付勢手段は、スプール14に直接又は間接的に係合され、スプール14は、スプール付勢手段の付勢力によって巻取方向(矢印A方向)へ付勢されている。
【0028】
一方、フレーム12の車両前側には、カバープレート20が固定されている。カバープレート20の内側にはロック機構(図示省略)の一部及びプリテンショナ30の一部が設けられている。なお、図1では、カバープレート20の一部を切り欠いてカバープレート20の内側の一部を図示している。カバープレート20の車両前側には、センサホルダ22が固定されている。センサホルダ22は、車両後側へ開口された容器状に形成されている。センサホルダ22の内側には、車両の緊急状態を検出するセンサ(図示省略)が収容されている。前記ロック機構は、前記センサの検出結果に基づいて、車両の緊急時にスプール14の引出方向への回転を制限するように構成されている。
【0029】
プリテンショナ30は、車両の緊急時にスプール14を強制的に巻取方向へ回転させることで、乗員に装着されたウェビング16の弛みを取除く機構である。プリテンショナ30は、カバープレート20の内側に図1及び図2に示される回転部材(「ピニオン」と称されることもある)32を備えている。
【0030】
回転部材32は、金属製とされてスプール14と同軸上に配置されている。回転部材32は、車両の緊急時に、クラッチ(図示省略)を介してスプール14に接続されて、スプール14に一体回転可能に連結される。回転部材32がスプール14に連結された状態で一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転されるとスプール14が巻取方向へ回転されるように構成されている。図2に示されるように、回転部材32の外周には、複数の第一歯としての外歯32Aが周方向に並ぶように形成されている。
【0031】
また、図1に示されるように、プリテンショナ30は、筒状に形成された案内部材としてのパイプ(「シリンダ」と称されることもある)40を備えている。パイプ40は、金属製とされ、軸方向中間部で適宜に略直角に曲げられている。パイプ40の軸方向基端部40Aは、フレーム12の車両後上側に配置され、中心軸が直線となるように形成されると共にパイプ40の他の一般部分よりも径が大きく設定されている。また、パイプ40の軸方向先端部40Bは、カバープレート20の車幅方向内側の上部に挿込まれた状態で固定されている。
【0032】
パイプ40の軸方向基端部40Aには、流体供給手段としてのマイクロガスジェネレータ42(図中では便宜上マイクロガスジェネレータ42の基端部の外形を二点鎖線で図示)が挿入されている。なお、以下の説明においては、マイクロガスジェネレータ42を「MGG42」と称する。MGG42は、制御手段としてのECUを介して車両に設けられた衝突検知センサ(何れも図示省略)に電気的に接続されており、車両衝突時の衝撃が衝突検知センサによって検知されると、MGG42がECUによって作動され、MGG42において発生された流体の一態様であるガスが、パイプ40の内側へ供給される。
【0033】
また、パイプ40の内側には、シールボール38及び移動部材36が配置される。パイプ40は、シールボール38及び移動部材36の移動を案内する部材とされる。シールボール38は、ピストンとして把握できる要素であり、樹脂製とされ、MGG42から供給されるガスを受けて、パイプ40の内面をシールしつつ摺動するように形成されている。移動部材36は、樹脂製で長尺状に形成されており、外力を受けることによって変形可能とされている。なお、移動部材36は樹脂ラック、樹脂ピストンと称されることもある。
【0034】
移動部材36は、パイプ40の内側においてシールボール38に対してMGG42側とは反対側に配置される。シールボール38がMGG42から供給されるガスを受けてパイプ40に案内されつつ移動されると、移動部材36は、シールボール38に押圧されてパイプ40の内側を移動される。図2に示される移動部材36が軸方向先端側に移動されて図3に示されるように回転部材32の外歯32Aが食込むことで回転部材32を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させる。この回転部材32の回転によってスプール14(図1参照)が巻取方向へ回転されるようになっている。
【0035】
カバープレート20の内面の一部は、回転部材32を通過した移動部材36を所定の進行方向へ案内するガイド部20Gになっている。また、図1に示されるように、移動部材36の直径は、回転部材32の外歯32Aの幅(図1の左右方向の長さ)よりも大きく設定されている。移動部材36において回転部材32の外歯32Aを食込ませる部分を十分に確保するためである。
【0036】
図2に示されるように、移動部材36の軸方向先端側には金属製(一例として鋼製)の噛合部材34が設けられている。なお、鋼製の噛合部材34は鉄ピストンと称される場合もある。移動部材36と噛合部材34とは、一例として、モールド成形により一体化されている。なお、変形例として、移動部材(36)と噛合部材(34)とは、その両者に突刺さる別体のピンによって、一体化されてもよい。
【0037】
噛合部材34は、板棒状に形成されて一方面側に一列に並ぶ複数の第二歯としてのラック歯34Aを有しており、複数のラック歯34Aのうちの一個が回転部材32の外歯32Aと接した状態で配置されている。噛合部材34は、移動部材36に押されることでラック歯34Aが外歯32Aに噛合いながら直進して回転部材32を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させる。
【0038】
一方、カバープレート20の下部には、下方側へ凹んだ凹部20Xが形成されている。凹部20Xの下部を形成する受止部20Aは、噛合部材34が回転部材32を一側へ回転させる場合の当該噛合部材34の直進方向側(ここでは噛合部材34の直下)に設けられている。図3に示されるように、受止部20Aは、移動部材36に押されて移動した噛合部材34を受止めることで噛合部材34を移動部材36の軸方向先端側から離すための構成部とされる。
【0039】
また、噛合部材34において移動部材36に押される側の端部には、噛合部材34が受止部20Aに受止められた場合に移動部材36を所定の進行方向へ案内する案内面34Bが形成されている。案内面34Bは、回転部材32の中心軸に沿った方向に見て(図3の方向視で)移動部材36を進行させたい方向へ傾斜円弧状に形成されている。
【0040】
<作用・効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0041】
図1に示されるウェビング巻取装置10では、車両緊急時の一態様である車両衝突時に、ECUによってプリテンショナ30のMGG42が作動されると、MGG42からパイプ40の内側へ高圧のガスが瞬時に供給される。このガスの圧力によってシールボール38がパイプ40の内側で移動されると、このシールボール38によって樹脂製の移動部材36が押圧されて軸方向先端側へ移動される。また、車両の緊急時には回転部材32がスプール14に一体回転可能に連結される。
【0042】
樹脂製の移動部材36に金属製の噛合部材34が押されると、図2に示される噛合部材34のラック歯34Aが回転部材32の外歯32Aに噛合いながら直進して回転部材32を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させる。ここで、噛合部材34は、金属製であるため、回転部材32との噛合い時に変形が抑えられ、回転部材32と良好に噛み合うことができる。すなわち、車両の緊急時の初期段階において回転部材32と動力伝達用の部材との噛合いを良好にすることができる。回転部材32が回転されると図1に示されるスプール14が巻取方向へ回転され、ウェビング16がスプール14に巻取られる。
【0043】
その後、図3に示されるように、回転部材32の外歯32Aが移動部材36に食込むことで、移動部材36が回転部材32を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させて、引き続きスプール14(図1参照)が巻取方向へ回転される。
【0044】
一方、噛合部材34は、移動部材36に押されて移動すると受止部20Aに受止められて移動部材36の軸方向先端側から離れるので、金属製の噛合部材34が移動部材36の進行ルートの周辺部材に当接することによる不具合の発生を抑えることができると共に作動抵抗も抑えられる。また、受止部20Aは、噛合部材34が回転部材32を一側へ回転させる場合の当該噛合部材34の直進方向側に設けられているので、噛合部材34の移動量を最低限に抑えることができる。
【0045】
さらに、本実施形態では、噛合部材34が受止部20Aに受止められると、噛合部材34の案内面34Bによって移動部材36が所定の進行方向へ案内される。このため、移動部材36をスムーズに所定の進行方向へ移動させることができる。
【0046】
なお、本実施形態では、前述したように車両の緊急時の初期段階において回転部材32と動力伝達用の部材との噛合いを良好にすることができるので、移動部材36の長尺方向の長さを低減することが可能となり、ひいては装置の体格を低減することが可能になる。また、本実施形態では、車両の緊急時に長尺状で樹脂製の移動部材36を用いて回転部材32を回転させる構成を備えているので、比較的低コストで軽量化に有利等といったそもそもの利点もある。
【0047】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係るウェビング巻取装置50について、図4図6を用いて説明する。なお、第2の実施形態は、以下に説明する点を除いて、第1の実施形態と実質的に同様の構成とされる。よって、第2の実施形態において、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
<構成>
図4に示されるように、ウェビング巻取装置50は、第1の実施形態のカバープレート20(図1参照)に代えて、カバープレート52を備える。カバープレート52の内部形状については後述する。図4では、カバープレート52の一部を切り欠いてカバープレート52の内側の一部を図示している(図6も同様)。本実施形態のプリテンショナ60は、カバープレート52の内側に図4及び図5に示される回転部材62を備えている。なお、プリテンショナ60は、以下に説明する点を除いて、第1の実施形態のプリテンショナ30(図1参照)と同様の構成とされる。
【0049】
図4に示される回転部材62は、金属製とされてスプール14と同軸上に配置されている。回転部材62は、車両の緊急時に、クラッチ(図示省略)を介してスプール14に接続されて、スプール14に一体回転可能に連結される。回転部材62がスプール14に連結された状態で一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転されるとスプール14が巻取方向へ回転されるように構成されている。
【0050】
回転部材62は、その中心軸方向に直列的に並ぶ第一回転部64と第二回転部66とを有している。第一回転部64は、第二回転部66よりも強度が高い材料で形成されている。第二回転部66は、第一回転部64よりもスプール14に近い側に配置され、第一回転部64よりも大径に形成されている。第二回転部66は、一例として図示しない破断ピンによって第一回転部64と接続され、第一回転部64と一体回転可能に設けられると共に第一回転部64に対する第二回転部66の相対回転の回転荷重が所定値を超えた場合に前記破断ピンが破断して第一回転部64に対して相対回転するように構成されている。
【0051】
図5に示されるように、第一回転部64の外周には、複数(本実施形態では一例として六個)の噛合歯64A(複数の第一歯の一部)が周方向に並ぶように形成されている。また、第二回転部66の外周には、複数(本実施形態では一例として九個)の食込歯66A(複数の第一歯の他の一部)が周方向に並ぶように形成されている。本実施形態では、第二回転部66の食込歯66Aの数(九個)が第一回転部64の噛合歯64Aの数(六個)よりも多い。
【0052】
ウェビング巻取装置50は、第1の実施形態の移動部材36(図1参照)に代えて、移動部材74を有する。移動部材74は、図4に示される装置背面視で、軸方向先端部に装置幅方向内側へ向けて装置下方側へ傾斜する傾斜面74Aを備える点で、第1の実施形態の移動部材36(図1参照)と異なるが、他の点は、第1の実施形態の移動部材36(図1参照)と実質的に同様の構成とされる。長尺状で樹脂製の移動部材74は、軸方向先端側に移動されて図5に示される回転部材62の食込歯66Aが食込むことで回転部材62を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させる。カバープレート52の内面の一部は、回転部材62を通過した移動部材74を所定の進行方向へ案内するガイド部52Gになっている。
【0053】
移動部材74の軸方向先端側には金属製(一例として鋼製)の噛合部材70が設けられている。移動部材74と噛合部材70とは、その両者に突刺さる別体のピン72(図4参照)によって、一体化されている。噛合部材70は、板棒状に形成されて一方面側に一列に並ぶ複数の第二歯としてのラック歯70Aを有しており、複数のラック歯70Aが回転部材62の噛合歯64Aと接した状態で配置されている。噛合部材70は、移動部材74に押されることでラック歯70Aが回転部材62の噛合歯64Aに噛合いながら直進して回転部材62を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させる。
【0054】
一方、図4に示されるように、カバープレート52の下部側には、受止部52Aが形成されている。受止部52Aは、噛合部材70が回転部材62を一側へ回転させる場合の当該噛合部材70の直進方向側(ここでは噛合部材70の直下)に設けられている。図6に示されるように、受止部52Aは、移動部材74に押されて移動した噛合部材70を受止めることで噛合部材70を移動部材74の軸方向先端側から離すための構成部である。
【0055】
また、噛合部材70において移動部材74に押される側の端部には、噛合部材70が受止部52Aに受止められた場合に移動部材74を第一回転部64の外周付近から第二回転部66の外周側(所定の進行方向)へ案内する案内部としての案内面70Bが形成されている。案内面70Bは、装置背面視で(図6の方向視で)第二回転部66側へ向けて装置下方側へ傾斜している。
【0056】
<作用・効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0057】
図4に示されるウェビング巻取装置50では、車両の緊急時にプリテンショナ60のMGG42が作動されると、MGG42からパイプ40の内側へ高圧のガスが瞬時に供給される。このガスの圧力によってシールボール38がパイプ40の内側で移動されると、このシールボール38によって樹脂製の移動部材74が押圧されて軸方向先端側へ移動される。また、車両の緊急時には回転部材62がスプール14に一体回転可能に連結される。
【0058】
樹脂製の移動部材74に金属製の噛合部材70が押されると、図5に示される噛合部材70のラック歯70Aが回転部材62の噛合歯64Aに噛合いながら直進して回転部材62を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させる。このため、車両の緊急時の初期段階において回転部材62と動力伝達用の部材との噛合いを良好にすることができる。回転部材62が回転されると図4に示されるスプール14が巻取方向へ回転され、ウェビング16がスプール14に巻取られる。
【0059】
その後、図6に示されるように、噛合部材70が受止部52Aに受止められると、噛合部材70の案内面70Bによって、移動部材74が第二回転部66の外周側へ案内される。移動部材74が第二回転部66の外周側へ移動して第二回転部66の食込歯66Aが移動部材74に食込んで、移動部材74が回転部材62の第二回転部66を一側(矢印A方向と同じ方向)へ回転させようとする。
【0060】
このとき、第一回転部64は、受止部52Aに受止められた噛合部材70のラック歯70A(図5参照)と噛み合っていて回転不能であるため、第一回転部64に対する第二回転部66の相対回転の回転荷重が作用し、その回転荷重が所定値を超えると、破断ピン(図示省略)が破断されて第一回転部64に対して第二回転部66が相対回転する。すなわち、第2の実施形態では、第一回転部64と噛合う噛合部材70に移動部材74を案内する機能を持たせながら、移動部材74によって第二回転部66を回転させることができる。第二回転部66が回転すると、スプール14が巻取方向へ回転されて、ウェビング16がスプール14に巻取られる。
【0061】
また、本実施形態では、第二回転部66は、第一回転部64よりも大径に形成されている。このため、例えば、第二回転部(66)が第一回転部(64)と同径の場合と比べて、小さい力で回転部材62を回転させることができる。なお、本実施形態のように、回転部材62において、図5に示される噛合部材70のラック歯70Aと噛合う部分(第一回転部64の噛合歯64A)と、移動部材74に食込む部分(第二回転部66の食込歯66A)と、が別々に設けられている構成では、緊急時の初期段階における回転部材62と噛合部材70との噛合いを良好にしつつ、移動部材74の移動によって回転部材62を回転させるための設計の自由度を高めることができる。
【0062】
一方、図6に示されるように、噛合部材70は、受止部52Aに受止められて移動部材74の軸方向先端側から離れるので、金属製の噛合部材70が移動部材74の進行ルートの周辺部材に当接することによる不具合の発生を抑えることができると共に、作動抵抗も抑えられる。また、受止部52Aは、噛合部材70が回転部材62を一側へ回転させる場合の当該噛合部材70の直進方向側に設けられているので、噛合部材70の移動量を最低限に抑えることができる。
【0063】
[変形例]
次に、移動部材74と噛合部材70とを一体化するための構成の変形例について、図7A図7Cを参照しながら説明する。なお、図7A図7Cに示される各部材において、図4等に示される移動部材74及び噛合部材70と一部構成が異なる部分があっても、便宜上、各図中において各部材に付す符号は同一符号としている。
【0064】
まず、第1の変形例として、図7Aに示されるように、噛合部材70において案内面70B側から突出する凸部70Cが形成されると共に、移動部材74の傾斜面74A側に凸部70Cが嵌まる形状の凹部74Bが形成され、凸部70Cが凹部74Bに嵌められる(圧入される)ことによって移動部材74と噛合部材70とが一体化されてもよい。
【0065】
また、第2の変形例として、図7Bに示されるように、移動部材74において傾斜面74A側から突出する凸部74Cが形成されると共に、噛合部材70の案内面70B側に凸部74Cが嵌まる形状の凹部70Dが形成され、凸部74Cが凹部70Dに嵌められる(圧入される)ことによって移動部材74と噛合部材70とが一体化されてもよい。
【0066】
さらに、第3の変形例として、図7Cに示されるように、移動部材74と噛合部材70とは、モールド成形により一体化されてもよい。
【0067】
次に、移動部材74と噛合部材70とを一体化させないで配置する変形例について図8を用いて説明する。なお、図8では、第2の実施形態と実質的に同様の構成部については同一符号を付している。
【0068】
図8に示す変形例に係るウェビング巻取装置80では、移動部材74と噛合部材70とを一体化させずに隣接配置しているが、便宜上、移動部材74及び噛合部材70については、第2の実施形態と同一符号を付している。ウェビング巻取装置80は、カバープレート52の一部で第二回転部66の車両前側(図8の紙面手前側)に配置される部分(図示省略)から第二回転部66側へ突出するシェアピン82を有する。噛合部材70は、ラック歯70A同士の間の凹状部分をシェアピン82が通るように配置されることで、シェアピン82に支持されている。シェアピン82は、プリテンショナ60の作動時に噛合部材70によって下方側への荷重を受けると破断するように設定されている。このような構成によっても、第2の実施形態と実質的に同様の作用及び効果を得ることができる。
【0069】
なお、図1図6に示される第1、第2の実施形態のウェビング巻取装置10、50では、移動部材36、74の移動途中で噛合部材34、70が移動部材36、74の軸方向先端側から離れるように構成されており、このような構成が好ましいが、変形例として、噛合部材(34、70)が移動部材(36、74)に固定されていて、移動部材(36、74)の移動途中において噛合部材(34、70)が噛合部材(34、70)から分離しないような構成も採り得る。
【0070】
また、上記第1、第2の実施形態では、受止部20A、52Aは、噛合部材34、70が回転部材32、62を一側へ回転させる場合の当該噛合部材34、70の直進方向側に設けられており、このような構成が好ましいが、例えば、図3に示す凹部20Xに相当する部分を全体的に車両下方側へ向けて車幅方向外側に若干傾斜させることで受止部(20A)が噛合部材(34)の前記直進方向側から外れて設けられている、というような構成も採り得る。
【0071】
また、図1図6に示される第1、第2の実施形態では、噛合部材34、70が案内面34B、70Bを備えており、このような構成が好ましいが、変形例として、噛合部材(34、70)が案内面(34B、70B)を備えず、別途案内用の構成部が設けられている、という構成も採り得る。
【0072】
また、上記第2の実施形態では、噛合部材70が受止部52Aに受止められた状態で噛合部材70のラック歯70Aと第一回転部64の噛合歯64Aとが噛合っており、このような構成が好ましいが、変形例として、例えば、噛合部材(70)が上記第2の実施形態よりもその直進方向の長さが短くて噛合部材(70)が受止部(52A)に受止められた状態で噛合部材(70)のラック歯(70A)と第一回転部(64)の噛合歯(64A)とが噛合っていないような構成も採り得る。なお、このような変形例の場合は、噛合部材(70)の案内面(70B)に代えて、別途、移動部材(74)を第一回転部(64)の外周付近から第二回転部(66)の外周側へ案内する案内部が設けられる。一方、このような変形例では、所定条件を満たした場合に第一回転部(64)と第二回転部(66)とが相対回転するような連結形態を採る必要はなく、第一回転部(64)が第二回転部(66)に固定されていてもよい。
【0073】
なお、上記第1、第2の実施形態及び上述の複数の変形例は、適宜組み合わされて実施可能である。
【0074】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0075】
10・・・ウェビング巻取装置、14・・・スプール、16・・・ウェビング、20A・・・受止部、32・・・回転部材、32A・・・外歯(第一歯)、34・・・噛合部材、34A・・・ラック歯(第二歯)、34B・・・案内面、36・・・移動部材、50・・・ウェビング巻取装置、52A・・・受止部、62・・・回転部材、64・・・第一回転部、64A・・・噛合歯(第一歯)、66・・・第二回転部、66A・・・食込歯(第一歯)、70・・・噛合部材、70A・・・ラック歯(第二歯)、70B・・・案内面(案内部)、74・・・移動部材、80・・・ウェビング巻取装置、A・・・巻取方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8