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特開2024-171744間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法
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  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図1
  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図2
  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図3
  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図4
  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図5
  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図6
  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図7
  • 特開-間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171744
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20241205BHJP
   E04B 2/82 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
E04B2/74 531N
E04B2/82 501E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088925
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128392
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】西山 真由
(57)【要約】
【課題】間仕切り1の縦支柱4を、該縦支柱に上下動自在に嵌入した支持部材8を介して上レール部3に取り付け支持するものにおいて、コ字形をした支持部材8が不用意に下動しないよう脚片部8aを縦支柱よりも幅広にして摺動抵抗による制動を与えた構成にした場合に、支持部材8を縦支柱4に嵌入する作業がしづらくなるのを改善する。
【解決手段】 支持部材8の跨片部8aと脚片部8bとのコーナー部8eの下端部に切り欠き部8fを形成し、該切り欠かれた跨片部8aを嵌入部として縦支柱4への最初に嵌入するようにする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に取り付けられる上レール部と、該上レール部に上端部が支持される縦支柱と、隣接する左右縦支柱間に支持されるパネル体とを備え、
縦支柱の上端部を、該縦支柱の上端部に上下動自在に内嵌した支持部材を介して上レール部に連結するよう構成した間仕切りにおいて、
前記縦支柱が四角筒形状をし、支持部材が、跨片部と一対の脚片部とを備えた平面視でコ字形をし、一対の脚片部の先端縁部間の外幅が縦支柱の内幅よりも幅広になるよう構成されたものとして、
縦支柱に内嵌した支持部材を、該支持部材の先端縁部が縦支柱の内面に摺接することで支持部材の上下動に制動が与えられた構成にするにあたり、
前記支持部材は、跨片部と両脚片部とのコーナー部の下端部部位が少なくとも切り欠かれた切り欠き部を備えていることを特徴とする間仕切りにおける縦支柱の支持構造。
【請求項2】
跨片部の下端部は、切り欠き部が形成されることで幅狭になって縦支柱の上端部に嵌入する嵌入部を構成していることを特徴とする請求項1記載の間仕切りにおける縦支柱の支持構造。
【請求項3】
切り欠き部は、脚片部側にまで及んでいることを特徴とする請求項2記載の間仕切りにおける縦支柱の支持構造。
【請求項4】
天井に取り付けられる上レール部と、該上レール部に上端部が支持される縦支柱と、隣接する左右縦支柱間に支持されるパネル体とを備え、
縦支柱の上端部を、該縦支柱の上端部に上下動自在に内嵌した支持部材を介して上レール部に支持するよう構成した間仕切りにおいて、
前記縦支柱が四角筒形状をし、支持部材を、跨片部と一対の脚片部とを備えた平面視でコ字形をし、一対の脚片部の先端縁部間の外幅が縦支柱の内幅よりも幅広になるよう構成することで、
支持部材を、該支持部材の先端縁部が縦支柱の内面に摺接して支持部材の上下動に制動が与えられる状態で縦支柱の上端部に嵌入するための嵌入方法であって、
支持部材を、跨片部と両脚片部とのコーナー部の下端部部位が少なくとも切り欠かれた切り欠き部が形成されたものとして、
前記嵌入方法を、
・跨片部の下端部を、嵌入部として両脚片部に先行して縦支柱の上端部から嵌入する工程、
・跨片部の下端部が嵌入された状態で、一対の脚片部を、跨片部側の下端部から縦支柱の上端部に嵌入する工程、
・跨片部側下端部が嵌入した状態の一対の脚片部を、先端縁部まで縦支柱の上端部に嵌入する工程、
の各工程が順次実行されることを特徴とする間仕切りにおける縦支柱への支持部材の嵌入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の室内空間を仕切る間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ビル等の建物の室内空間を仕切るため間仕切りを設けることがあるが、このような間仕切りのなかには、縦支柱を床面と天井面とのあいだに立設し、該立設した左右の縦支柱間にパネル体を支持するようにして構成したものがある。このような間仕切りのなかには、天井に取り付けられる上レール部に縦支柱の上端部を支持する(連結する)構成として、縦支柱に嵌入した支持部材(連結部材)介して支持するようにしたものがある。
このように構成するものでは、縦支柱を四角筒形状にし、支持部材を、跨片部と一対の脚片部とを備えた平面視でコ字形をしたものにし、そして縦支柱の上端部に上下動自在に内嵌した支持部材を上レール部に取り付け支持することで縦支柱の簡便な上レール部への支持ができるようにしている。
そしてこの場合に、支持部材は、縦支柱の上端部から延出(突出)した状態の上端部を上レール部に取り付けることで縦支柱の支持をすることになるが、上レール部への取り付け作業をする際に、支持部材が不用意に下動(落下)しないようにすることが作業上の観点から要求される。そこで一対の脚片部を拡開状にする等して一対の脚片部の先端縁部間の外幅を、縦支柱の内幅よりも幅広にし、これによって幅広にした脚片部の先端縁部が縦支柱の内面に弾圧状に摺接する構成にして支持部材の不用意な下動に制動(摺動抵抗)を与えるようにしたものが提唱されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-170862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そして前記従来のものとすることで、支持部材を上レールに取り付ける際に、支持部材の不用意な下動を規制できるという利点があるが、該支持部材を縦支柱に嵌入組み込みする際に、前記幅広になった一対の脚片部が、嵌入組み込みをするときに支障となって邪魔をすることになり、このため支持部材の縦支柱への嵌入操作がしづらいものとなって作業性が低下する等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、天井に取り付けられる上レール部と、該上レール部に上端部が支持される縦支柱と、隣接する左右縦支柱間に支持されるパネル体とを備え、縦支柱の上端部を、該縦支柱の上端部に上下動自在に内嵌した支持部材を介して上レール部に連結するよう構成した間仕切りにおいて、前記縦支柱が四角筒形状をし、支持部材が、跨片部と一対の脚片部とを備えた平面視でコ字形をし、一対の脚片部の先端縁部間の外幅が縦支柱の内幅よりも幅広になるよう構成されたものとして、縦支柱に内嵌した支持部材を、該支持部材の先端縁部が縦支柱の内面に摺接することで支持部材の上下動に制動が与えられた構成にするにあたり、前記支持部材は、跨片部と両脚片部とのコーナー部の下端部部位が少なくとも切り欠かれた切り欠き部を備えていることを特徴とする間仕切りにおける縦支柱の支持構造である。
請求項2の発明は、跨片部の下端部は、切り欠き部が形成されることで幅狭になって縦支柱の上端部に嵌入する嵌入部を構成していることを特徴とする請求項1記載の間仕切りにおける縦支柱の支持構造である。
請求項3の発明は、切り欠き部は、脚片部側にまで及んでいることを特徴とする請求項2記載の間仕切りにおける縦支柱の支持構造である。
請求項4の発明は、天井に取り付けられる上レール部と、該上レール部に上端部が支持される縦支柱と、隣接する左右縦支柱間に支持されるパネル体とを備え、縦支柱の上端部を、該縦支柱の上端部に上下動自在に内嵌した支持部材を介して上レール部に支持するよう構成した間仕切りにおいて、前記縦支柱が四角筒形状をし、支持部材を、跨片部と一対の脚片部とを備えた平面視でコ字形をし、一対の脚片部の先端縁部間の外幅が縦支柱の内幅よりも幅広になるよう構成することで、支持部材を、該支持部材の先端縁部が縦支柱の内面に摺接して支持部材の上下動に制動が与えられる状態で縦支柱の上端部に嵌入するための嵌入方法であって、支持部材を、跨片部と両脚片部とのコーナー部の下端部部位が少なくとも切り欠かれた切り欠き部が形成されたものとして、前記嵌入方法を、跨片部の下端部を、嵌入部として両脚片部に先行して縦支柱の上端部から嵌入する工程、跨片部の下端部が嵌入された状態で、一対の脚片部を、跨片部側の下端部から縦支柱の上端部に嵌入する工程、跨片部側下端部が嵌入した状態の一対の脚片部を、先端縁部まで縦支柱の上端部に嵌入する工程、の各工程が順次実行されることを特徴とする間仕切りにおける縦支柱への支持部材の嵌入方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1または4の発明とすることにより、間仕切りを構成する縦支柱の上端部を、上下動自在に嵌入した支持部材を介して上レール部に支持する構成にするにあたり、支持部材を、一対の脚片部の先端縁部間の外幅を縦支柱の内幅よりも幅広にして不用意に下動しないようした場合に、該幅広になった脚片部が、支持部材を縦支柱に嵌入する際の邪魔になって嵌入しづらくなることを、脚片部と跨片部とのコーナー部の下端部部位に切り欠き部を形成することで回避できるようにする。
請求項2の発明とすることにより、跨片部の下端部が、切り欠き部が形成されることで縦支柱に嵌入する幅狭な嵌入部となり、この結果、跨片部の幅狭になった下端部を嵌入部として先行する状態で嵌入することで、幅広の脚片部が支障となって邪魔されることが回避され、嵌入作業の作業性が向上する。
請求項3の発明とすることにより、切り欠き部がコーナー部だけでなく、脚片部にまで及ぶ広いものになることで、先端縁部間が幅広となった脚片部の縦支柱への嵌入作業がより容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(A)(B)は間仕切りの正面図、側面図である。
図2】縦支柱の上端部部位の正面図である。
図3】縦支柱の上端部部位の断面側面図である。
図4】縦支柱の組み込み状態を示す分解斜視図である。
図5】(A)(B)(C)(D)は支持部材の側面図、平面図、正面図、斜視図である。
図6】(A)は縦支柱、支持部材の水平断面図、(B)は縦支柱に支持部材を嵌入した状態の水平断面図である。
図7】(A)~(E)は縦支柱の上端部に支持部材を嵌入する過程を示す作用説明図である。
図8】(A)(B)は第二の実施の形態の支持部材の斜視図、参考例の支持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1はビル等の建物の室内空間を仕切るため建て付けられる間仕切りであって、該間仕切り1は、床面Fに設けられる下レール部(床レール部)2、天井面Hに設けられる上レール部(天井レール部)3に上下端部が支持される状態で建て付けられる縦支柱4、隣接する左右の縦支柱4間に支持されるパネル体5を用いて構成されていること等は何れも従来通りである。
【0009】
前記下レール部2は凵字形をしたものであって、底片部2aに支持される状態で設けられる調整部材(アジャスター)6によって上下調整される下側の支持部材7、7aに縦支柱4の下端部4aが組み付けられることで、該縦支柱4の下端部4aが下レール部2に取り付け支持される構成になっている。
一方、上レール部3は冂字形をしたものであって、縦支柱4の上端部4bに上下動自在に内嵌した上側の支持部材(本発明の「支持部材」を構成している。)8を介して縦支柱4の上端部4bが上レール部3に取り付け支持がなされるように構成されている。
そしてこのようにして床面Fと天井面Hとのあいだに建て付けられた縦支柱4には、見付け面部(前後面部)4cに、左右に隣接する状態の係止孔4dが上下に間隙を存して複数が形成され、該係止孔4dに係止した係止金具9をパネル体5の背面に形成した係止孔5aに係止することで、隣接する左右の縦支柱4間にパネル体5の左右両端縁部が取り付け支持される構成になっている。
【0010】
前記縦支柱4は、本実施の形態ではC型鋼材を用いて構成されることで、左右方向の見込み面部(左右面部)4eのうち、一方の見込み面部4eに開口4eaが形成されているものの四角筒形状の縦支柱として機能している。勿論、縦支柱4として、前記開口4eaがない四角形状の筒型鋼材を用いて実施できることは言うまでもない。
一方、前記上側の支持部材(以降、実施の形態の記載において単に「支持部材」という。)8は、跨片部8aと一対の脚片部8bとを備えた平面視でコ字形をしているとともに、跨片部8aの上端部には、脚片部8bが形成される側とは逆側に向けて連結片部8cが折曲形成されたものとなっている。
そして支持部材8を、縦支柱4の上端部4bに上下動自在に嵌入した状態で前記連結片部8cを上レール部3の跨片部3aにビス8dを介して固定することで、縦支柱上端部4bの上レール部3側への取り付け支持ができるように構成されている。
因みに本実施の形態では、縦支柱4に支持部材8を嵌入組み込みする場合に、支持部材8の脚片部8bの先端縁部8bbを、縦支柱4の開口4eaが形成されるとは反対側の見込み面部4eに対向する状態で嵌入する構成にしているが、逆に開口4eaが形成された側の見込み面部4eと同じ側に嵌入する構成にしてもよいことは勿論である。
【0011】
このように構成される支持部材8は、跨片部8aと脚片部8bとのコーナー部8eの外幅(前後一対の脚片部8bの基端縁部8ba間の外幅(前後幅))Xが縦支柱4の前後見付け面部4c間の内幅Yよりも僅かに幅狭(X<Y)になっていて、前記コーナー部8eが縦支柱4に隙間のある遊嵌状態で内嵌できるよう構成されている。
これに対し前後一対の脚片部8bは、先端縁部8bb側が順次拡開した傾斜状態になっており、そして前後先端縁部8bb間の外幅Zが縦支柱4の前後見付け面部4c間の内幅Yよりも幅広(Z>Y)となるように構成されている。
そして支持部材8がこのように構成されることで、該支持部材8を縦支柱4の上端部から嵌入したときに、前記幅広になった脚片部8bの先端縁部8bbが、縦支柱4の前後見付け面部4cの内周面に弾圧状に摺接することになって、支持部材8の縦支柱4に対する上下動に制動が与えられるように構成され、これによって縦支柱4に嵌入した支持部材8が不用意に下動(落下)することがないよう配慮されたものになっている。
因みに支持部材8には、該支持部材8を上レール3に嵌入した場合に該支持部材8が上レールに沿って不用意に移動しないよう上レール3に摺接するべく脚片部8bに形成された突起部8g、必要において電気コード(図示せず)等の敷設物を上レール3に配する場合に該敷設物を通すための貫通孔8h、縦支柱4に上下動自在に嵌入した支持部材8が必要以上に下動しないよう縦支柱4の上端縁4baに係止する係止突起8iが形成されたものとなっている。
【0012】
さらに支持部材8は、前記コーナー部8eの下端部部位に切り欠き部8fが形成されたものとなっており、この様に切り欠き部8fが形成されたものとすることで、前記跨片部8aのコーナー部8eに切り欠き部8fが形成された下端部8aaの外幅Xaは、切り欠き部8fのないコーナー部8eの外幅Xよりも幅狭(Xa<X<Y)となっていて、支持部材8を縦支柱4の上端部4bに嵌入する際の嵌入部を構成している。
【0013】
そしてこのように構成された支持部材8を縦支柱4の上端部4bに嵌入組み込みする場合に、その方法として、
・支持部材跨片部8aの切り欠き部8fが形成された下端部8aaを嵌入部として両脚片部8bに先行して縦支柱4の上端部4bから嵌入する第一の嵌入工程、
・前記跨片部8aの下端部8aaが嵌入された状態で、一対の脚片部8bを、跨片部8a側となる基端縁部8ba側の下端部から縦支柱4の上端部4bに嵌入する第二の嵌入工程、
・跨片部8a側下端部が縦支柱4の上端部4bに嵌入した状態の一対の脚片部8bを、先端縁部8bbまで縦支柱4の上端部4bに嵌入する第三の嵌入工程、
の各嵌入工程を順次実行することで、支持部材8を簡単に縦支柱4の上端部4bに嵌入することができる。
【0014】
そしてこの連結方法をさらに詳しく説明すると、図7に示すように、支持部材8を、縦支柱4に対して跨片部8aの下端部8aaが、脚片部8bよりも低位になるよう傾斜した状態で、該低位になった切り欠き部8fが形成されることで幅狭となった部位の下端部8aaを、脚片部8bに先行する状態で縦支柱4の上端縁4baから嵌入することで前記第一の嵌入工程が実行される。
次いで、縦支柱4の上端部4bに下端部8aaが嵌入した傾斜状態の支持部材8を、正規の嵌入姿勢になるよう起立させながら縦支柱4に支持部材8を嵌入していくことにより、一対の脚片部8bが、跨片部8a側となる基端縁部8baの下端部側から縦支柱4の上端部4bに嵌入することになって第二の嵌入工程が実行される。
しかる後、跨片部8a側下端部が縦支柱4の上端部4bに嵌入した状態の支持部材8を、さらに縦支柱4に嵌入するべく起立させながら嵌入することにより、一対の脚片部8bの先端縁部8bbまで縦支柱4の上端部4bに嵌入することになって第三の嵌入工程が実行される。
そしてこのようにして縦支柱4に跨片部8a、脚片部8bが嵌入した状態の支持部材8は、脚片部8bの先端縁部8bbが縦支柱4の見付け面部4cの内周面に弾圧状に摺接して摺動抵抗を受けることになる結果、縦支柱4に上下動自在に嵌入した支持部材8は、手で把持しない非支持状態であっても落下することがなくセット位置に保持されることになる。
【0015】
叙述のごとく構成された本発明の実施の形態において、間仕切り1において、縦支柱4の上端部4bを、該縦支柱4に上下動自在に嵌入した支持部材8を介して上レール3に支持する構成にする場合に、該支持部材8の一対の脚片部8の先端縁部8bb間の外幅Zを縦支柱4の内幅Yよりも幅広にすることで、該嵌入した先端縁部8bbが縦支柱4に摺接して摺動抵抗を受けて支持部材8が不用意に下動しないよう制動が与えられる構成にしたものでは、該幅広になった脚片部8bの先端縁部8bbが、支持部材8を縦支柱4に嵌入する際の邪魔になって嵌入しづらくなることが、脚片部8bと跨片部8aとのコーナー部8eの下端部部位に切り欠き部8fを形成して跨片部8aの下端部8aaの外幅Xaを、切り欠き部8fが形成されていない部位の跨片部8aの外幅Xよりも幅狭にすることで、跨片部8aの切り欠き部8fが形成された下端部8aaを嵌入部としての嵌入作業ができることになって支持部材8の嵌入作業の作業性が向上する。
【0016】
つまり跨片部8aの下端部8aaが、切り欠き部8fが形成されることで幅狭になっていることで、縦支柱4の上端縁4baに嵌入する嵌入部を構成することになり、この結果、跨片部8aの幅狭になった下端部8aaを縦支柱4への嵌入部として脚片部8bに先行する状態で嵌入することで、先端部側が幅広となった脚片部8bが支障部材となって縦支柱4への嵌入が邪魔されることが低減され、嵌入作業がしやすいものとなって嵌入作業の作業性が向上する。
【0017】
そしてこの場合に、支持部材8の縦支柱4への嵌入方法として、前述したように
・支持部材跨片部8aの切り欠き部8fが形成された下端部8aaを嵌入部として両脚片部8bに先行して縦支柱4の上端部4bから嵌入する第一の嵌入工程、
・前記跨片部8aの下端部8aaが嵌入された状態で、一対の脚片部8bを、跨片部8a側となる基端縁部8ba側の下端部から縦支柱4の上端部4bに嵌入する第二の嵌入工程、
・跨片部8a側下端部が縦支柱4の上端部4bに嵌入した状態の一対の脚片部8bを、先端縁部8bbまで縦支柱4の上端部4bに嵌入する第三の嵌入工程、
の各工程を順次実行することで、脚片部8bの先端縁部8bbが拡開した幅広状態の支持部材8を縦支柱4に嵌入する場合に、切り欠き部8fが形成されることで幅狭になった跨片部8aを嵌入部とし、脚片部8bに先行する状態での嵌入作業が実行できることになって、幅広な脚片部8bに邪魔されることのない嵌入作業ができ、作業性の向上が図れることになる。
【0018】
因みに本発明を完成するにあたり、前記実施の形態のようにコーナー部8eの下端部に切り欠き部8fを形成したものの他に、図8(A)に示す第二の実施の形態のもののように切り欠き部8fを、脚片部8b側に広く形成したもの、図8(B)に示す参考例に示すもののように跨片部8aの下端部8aaを切り欠いたものを用意し、これら支持部材8を縦支柱4に嵌入する作業を試みたところ図8(A)の第二の実施の形態のものは、本実施の形態のものと略同様、支持部材8の嵌入作業において作業性が改善されることが確認されたが、図8(B)に示す参考例のものは作業性の改善が確認されることがなく、これによって、支持部材8のコーナー部8eの下端縁部に少なくとも切り欠き部8fが形成されたものであれば支持部材8の嵌入作業の効率化が図れることが確認され、本発明が完成した。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、建物の室内空間を仕切る間仕切りにおける縦支柱の支持構造および縦支柱への支持部材の嵌入方法として利用することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 間仕切り
3 上レール部
4 縦支柱
4a 下端部
4b 上端部
4c 見付け面部
4e 見込み面部
5 パネル体
8 支持部材
8a 跨片部
8b 脚片部
8ba 基端縁部
8bb 先端縁部
8e コーナー部
8f 切り欠き部
F 床面
H 天井面
X 跨片部の切り欠き部が形成されていない部位の外幅
Xa 跨片部の切り欠き部が形成された部位の外幅
Y 縦支柱の内幅
Z 先端縁部の外幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8