(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171769
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】検出装置、検出システムおよびモデル生成装置
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20241205BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20241205BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20241205BHJP
G01S 13/56 20060101ALI20241205BHJP
G01S 13/34 20060101ALI20241205BHJP
G01V 3/12 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
H04Q9/00 341Z
G01S13/56
G01S13/34
G01V3/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088969
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】FCLコンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】江端 員好
【テーマコード(参考)】
2G105
5C086
5C087
5J070
5K048
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB14
2G105BB15
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE02
2G105FF02
2G105GG03
2G105HH01
2G105JJ05
2G105KK06
5C086AA22
5C086CA01
5C086CA06
5C086CA09
5C086CB01
5C086CB07
5C086DA07
5C086FA18
5C087AA21
5C087DD03
5C087DD29
5C087DD31
5C087EE02
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG70
5C087GG83
5J070AB24
5J070AH35
5K048BA34
5K048EB02
5K048EB03
5K048EB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】通信の負荷を低減することが可能な検出装置を提供する。
【解決手段】検出装置は、利用者の生体活動に関する第1情報を検出するセンサと、前記利用者の生体活動に関する第2情報D10b、D10cを検出する別の検出装置から前記第2情報D10b、D10cを取得し、前記第1情報および前記第2情報D10b、D10cに基づき、第3情報D12を生成し、前記第3情報D12を別途設置されたサーバに送信する処理部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体活動に関する第1情報を検出するセンサと、
前記利用者の生体活動に関する第2情報を検出する別の検出装置から前記第2情報を取得し、前記第1情報および前記第2情報に基づき、第3情報を生成し、前記第3情報を別途設置されたサーバに送信する処理部と、
を備える検出装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記第1情報および前記第2情報のうち一部のみを前記第3情報として生成する請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第1情報は、前記利用者の人体の少なくとも一部の動きに対応する値が時系列に並んだ情報であり、
前記第3情報は、前記利用者の心拍数および/または呼吸数に相当する情報を含み、前記第1情報を含まない請求項1に記載の検出装置。
【請求項4】
前記第1情報は、前記利用者の人体の少なくとも一部の動きに対応する値が時系列に並んだ情報であり、
前記処理部は、前記第1情報に基づき、前記利用者の心拍数および/または呼吸数に相当する第4情報を生成し、
前記第2情報は、前記別の検出装置が生成した前記利用者の心拍数および/または呼吸数に相当する情報であり、
前記第3情報は、前記第2情報および前記第4情報の少なくとも一方を含み、前記第1情報を含まない請求項1に記載の検出装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記サーバからの指示に基づき、
前記第1情報を前記サーバに送信する、および/または
前記別の検出装置が検出した前記利用者の人体の少なくとも一部の動きに対応する値が時系列に並んだ第5情報を、前記別の検出装置から取得し、前記第5情報を前記サーバに送信する請求項4に記載の検出装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記サーバから受信したモデルを用い、前記第1情報および前記第2情報に基づき、前記利用者の状態を判定する請求項1から5のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項7】
前記センサは、第1電磁波を送信し、前記第1電磁波が対象物において反射した第2電磁波を受信し、前記第1電磁波と前記第2電磁波とに基づき前記第1情報を生成する請求項1から5のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項8】
複数の区画に各々1つ設置され、対応する区画内の利用者の生体活動に関する第1情報を取得する複数の第1検出装置と、
前記複数の区画に各々1または複数設置され、対応する区画内の利用者の生体活動に関する第2情報を取得する複数の第2検出装置と、
を備え、
前記複数の第1検出装置は、前記複数の第2検出装置のうち同じ区画に設置された第2検出装置から前記第2情報を取得し、前記第1情報および前記第2情報に基づき、第3情報を生成し、前記第3情報を前記複数の区画外に設置されたサーバに送信する検出システム。
【請求項9】
メモリと、
複数の区画にそれぞれ設置され、対応する区画内の利用者の生体活動に関する情報を検出する複数の検出装置がそれぞれ出力する複数の情報を取得し、前記複数の情報に基づき、前記複数の区画内の利用者の状態を判定するためのモデルを生成し、前記モデルを前記複数の検出装置に送信する処理部と、
を備えるモデル生成装置。
【請求項10】
前記複数の区画は、複数のグループに分割され、
前記処理部は、前記複数のグループの各々に対応する検出装置が出力する情報に基づき、前記複数のグループにそれぞれ対応する複数の前記モデルを生成し、前記複数のモデルをそれぞれ対応するグループの検出装置に送信する請求項9に記載のモデル生成装置。
【請求項11】
第1電磁波を送信し、前記第1電磁波が対象物において反射した第2電磁波を受信し、前記第1電磁波および前記第2電磁波に基づき、前記対象物の動きに関するアナログ信号を生成するセンサと、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に基づき前記対象物の動きに関する情報を生成する処理部と、
前記デジタル信号に基づき、前記アナログ信号の振幅を調整し、調整された前記アナログ信号を前記処理部に出力する調整器と、
を備える検出装置。
【請求項12】
第1電磁波を送信し、前記第1電磁波が対象物において反射した第2電磁波を受信し、前記第1電磁波および前記第2電磁波に基づき、前記対象物に関する情報を生成するセンサと、
前記第1電磁波および前記第2電磁波が通過する窓と、
前記窓を加熱することにより、前記窓の結露を抑制する加熱器と、
を備える検出装置。
【請求項13】
前記加熱器は、前記センサの発熱を用い前記窓の結露を抑制する請求項12に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置、検出システムおよびモデル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波ドップラーセンサを用いて、利用者の安否確認を行う装置が知られている。トイレまたは浴室内の利用者の見守りまたは安否確認を行うシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-75861号公報
【特許文献2】特開2021-149220号公報
【特許文献3】特開2016-218773号公報
【特許文献4】特表2022-547258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の区画の各々における利用者の状態をモニターする場合、同じ区画内の複数の検出装置が各々サーバと通信すると、通信の負荷が大きくなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、通信の負荷を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、利用者の生体活動に関する第1情報を検出するセンサと、前記利用者の生体活動に関する第2情報を検出する別の検出装置から前記第2情報を取得し、前記第1情報および前記第2情報に基づき、第3情報を生成し、前記第3情報を別途設置されたサーバに送信する処理部と、を備える検出装置である。
【0007】
本発明は、複数の区画に各々1つ設置され、対応する区画内の利用者の生体活動に関する第1情報を取得する複数の第1検出装置と、前記複数の区画に各々1または複数設置され、対応する区画内の利用者の生体活動に関する第2情報を取得する複数の第2検出装置と、を備え、前記複数の第1検出装置は、前記複数の第2検出装置のうち同じ区画に設置された第2検出装置から前記第2情報を取得し、前記第1情報および前記第2情報に基づき、第3情報を生成し、前記第3情報を前記複数の区画外に設置されたサーバに送信する検出システムである。
【0008】
本発明は、メモリと、複数の区画にそれぞれ設置され、対応する区画内の利用者の生体活動に関する情報を検出する複数の検出装置がそれぞれ出力する複数の情報を取得し、前記複数の情報に基づき、前記複数の区画内の利用者の状態を判定するためのモデルを生成し、前記モデルを前記複数の検出装置に送信する処理部と、を備えるモデル生成装置である。
【0009】
本発明は、第1電磁波を送信し、前記第1電磁波が対象物において反射した第2電磁波を受信し、前記第1電磁波および前記第2電磁波に基づき、前記対象物の動きに関するアナログ信号を生成するセンサと、前記アナログ信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に基づき前記対象物の動きに関する情報を生成する処理部と、前記デジタル信号に基づき、前記アナログ信号の振幅を調整し、調整された前記アナログ信号を前記処理部に出力する調整器と、を備える検出装置である。
【0010】
本発明は、第1電磁波を送信し、前記第1電磁波が対象物において反射した第2電磁波を受信し、前記第1電磁波および前記第2電磁波に基づき、前記対象物に関する情報を生成するセンサと、前記第1電磁波および前記第2電磁波が通過する窓と、前記窓を加熱することにより、前記窓の結露を抑制する加熱器と、を備える検出装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通信の負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1に係る検出装置のブロック図である。
【
図2】実施例1における検出システムを示すブロック図である。
【
図3】実施例1における区画の例を示す平面図である。
【
図4】実施例1における区画の例を示す平面図である。
【
図5】実施例1におけるサーバのブロック図である。
【
図7】実施例1における検出装置の処理部が実行する処理のフローチャートである。
【
図8】(a)は、実施例1における信号26eにおける時間に対する電圧を示す図、(b)は、信号26fを示すテーブルである。
【
図9】実施例1における情報D10aからD10cを示すテーブルである。
【
図10】実施例1における情報D12を示すテーブルである。
【
図11】実施例1におけるサーバのプロセッサが実行する処理のフローチャートである。
【
図13】実施例1における検出装置の処理部が実行する処理のフローチャートである。
【
図14】実施例1における情報D16、D20およびD22を示すテーブルである。
【
図15】実施例1におけるサーバのプロセッサが実行する処理のフローチャートである。
【
図16】実施例1における検出装置の処理部が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ホテル等の宿泊施設、病院、学校、警察または公共機関などの施設は、複数の区画に分割されている。各区画には、それぞれ1または複数のユーザ(利用者)が滞在している。例えば、ホテルでは、複数の区画は複数の部屋に対応する。ホテルでは、各部屋にトイレおよび浴室が存在する。このため、利用者の生体情報を検出する検出装置を、1つの部屋に1個のみ設置すると、利用者が、トイレまたは浴室にいる場合に、利用者の生体情報を検出できないことがある。そこで、1つの部屋に複数の検出装置を設置することが考えられる。1つの部屋に複数の検出装置を設定した場合に、複数の部屋の複数の検出装置の情報を個々にサーバに送信すると、通信の負荷が大きくなる。
【0014】
以下の実施例では、1つの部屋に設置された複数の検出装置のうち、1つの検出装置のみがサーバと通信する。これにより、検出装置とサーバとの通信の負荷を低減できる。
【0015】
以下、図面を参照し、本発明の実施例を説明する。
【実施例0016】
図1は、実施例1に係る検出装置のブロック図である。検出装置10aから10cは、センサ12、PGA(Programable Gain Amplifier)18およびメモリ22を備えている。センサ12は、送信用のアンテナ13a、受信用のアンテナ13b、高周波回路11、増幅器16およびLPF(Low Pass Filter)17を備えている。高周波回路11は、発振器14およびミキサ15を備えている。なお、高周波回路11は、他に増幅器などを備えるが説明を省略する。アンテナ13aおよび13bは、例えば基板上に設けられたパッチアンテナである。アンテナ13aは、発振器14が生成した信号26aを利用者25等に送信する。アンテナ13bは、信号26aが利用者25に照射され、反射された信号26bを受信する。信号26aおよび26bは、電磁波であり、例えばマイクロ波またはミリ波である。信号26aの周波数は、例えば10GHz以上120GHz以下であり、一例として24GHz付近である。ミキサ15は、信号26aと26bをミキシングし、変換された信号26cを出力する。ミキサ15が出力する信号26cの周波数は、信号26aの周波数と信号26bの周波数との差に相当する。これにより、信号26aは、信号26aが照射された範囲の動きに相当するアナログ信号となる。
【0017】
増幅器16は、信号26cを増幅する。LPF20は、増幅された信号26cのうち、生体振動の信号より周波数の高い信号を抑圧し、生体振動の信号の周波数(例えば10Hz以下)の信号を通過させ、濾過した信号26dを出力する。PGA18は、信号26dを増幅し、増幅した信号を信号26eとして出力する。信号26eは、利用者25の動きに相当するアナログ信号のうち生体情報を主に含むアナログ信号である。
【0018】
処理部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはマイクロコンピュータ等のプロセッサであり、ソフトウエアと協働し、処理を実行する。処理部20は、A/D(Analog-Digital)変換器21およびインターフェース(I/F)23aから23cを備えている。A/D変換器21は、アナログ信号26eをデジタル信号26fに変換する。I/F23aはサーバ30に情報を送受信する。I/F23bは他の検出装置10aから10cに情報を送受信する。I/F23cはセンサ28に情報を送受信する。検出装置10aから10cのうち検出装置10bおよび10cには、I/F23aおよび23cが設けられていなくてもよい。処理部20は、信号26fに基づき、利用者25の心拍数、呼吸数、体動および心拍変動などの情報を生成する。また、生成した心拍数、呼吸数、体動または心拍変動などの情報から利用者の状態を判定する。メモリ22は、不揮発性メモリまたは揮発性メモリであり、処理を行うための設定条件、情報を算出する途中のデータおよびプログラム等を記憶する。
【0019】
図2は、実施例1における検出システムを示すブロック図である。施設に複数の区画40aから40fが設けられている。検出システム100では、複数の区画40aから40dに、複数の検出装置10aおよび10bが各々設置され、複数の区画40eおよび40fに、複数の検出装置10aから10cが各々設置されている。複数の区画40aから40fには、センサ28が各々設置されている。区画40aから40fは、例えば宿泊施設の部屋に相当する。区画40aと40bとは宿泊施設における左右対称な部屋であり、区画40cと40dとは左右対称な部屋であり、区画40eと40fとは左右対称な部屋である。
【0020】
検出装置10aは親機に相当し、検出装置10bおよび10cは子機に相当する。センサ28は、各区画40aから40fの温度、湿度、照度、音の大きさ、音の周波数、ドアの開閉、および/または照明スイッチのオン/オフなどの指標を検出する。1つの区画40aから40fには、異なる指標を検出する複数のセンサが設置されていてもよい。1つの区画40aから40f内の検出装置10aと検出装置10b、10cおよびセンサ28とは、Wi-Fi(登録商標)またはBuletooth(登録商標)等の無線または有線により接続されている。各区画40aから40fの検出装置10aはネットワーク33を介しサーバ30および管理端末32に接続されている。ネットワーク33は、無線または有線のネットワークであり、LAN(Local Area Network)またはワイヤレスLANである。
【0021】
図3(a)から
図4(b)は、実施例1における区画の例を示す平面図である。
図3(a)および
図3(b)の区画40aおよび40bは、シングルルームの例である。区画40aおよび40b内には、1つのベッド80、枕81、机82および椅子83がセットされている。ベッド80は例えばシングルベッドである。浴室89内には便座84、洗面台85および浴槽86が設けられている。浴室89は、トイレと浴室を兼ねた準区画である。浴室89にはドア87が設けられ、区画40aおよび40bにはドア88が設けられている。検出装置10aは、区画40aおよび40bの角に設置され、検出装置10bは、浴室89内に設けられている。区画40a内に1つの検出装置10aのみを設けた場合、検出装置10aを区画40aの角に設置すれば、信号26aは区画40a内にいきわたる。しかし、利用者が浴室89内にいる場合、ドア87が閉じている、またはカーテン等に水滴が付着していると、検出装置10aは利用者の生体情報を取得できない場合がある。そこで、検出装置10bを浴室89内に設置している。これにより、検出装置10bが送信する信号26bは区画40a内の浴室89内にいきわたる。区画40aと区画40bとは左右対称な部屋である。
【0022】
図4(a)の区画40cはダブルルームの例である。区画40cでは、ベッド80が区画40aおよび40bより大きく、ベッド80は例えばダブルベッドである。また、机82の横に椅子83が設置されている。このため、区画40cの面積は区画40aおよび40bの面積より大きい。検出装置10aは、区画40cの角に設置され、検出装置10bは、浴室89内に設けられている。
図2の区画40dは、区画40cと左右対称な区画である。ホテル等の宿泊施設またはアパートメント等の居住施設では壁を境にして対称な構造および配置の部屋が多い。
【0023】
図4(b)の区画40eはトリプルルームの例である。区画40eでは、3つのベッド80が設けられている。このため、区画40eの面積は区画40cの面積より大きい。区画40eの面積が大きいため、区画40eには3つの検出装置10aから10cが設けられている。
図2の区画40fは、区画40eと左右対称な区画である。
【0024】
区画は、病院では病室単位、学校では教室単位、警察および公共機関では、例えば部屋単位または座席単位とすることができる。
【0025】
図5は、実施例1におけるサーバのブロック図である。サーバ30は、プロセッサ34、メモリ35、入出力装置36および内部バス37を備えている。プロセッサ34は、例えばCPUであり、モデルの生成等の処理を実行する。メモリ35は、例えば揮発性メモリまたは不揮発性メモリであり、プロセッサ34が処理を実行するときに用いるデータ等を記憶する。メモリ35は、プロセッサ34が実行するプログラムを記憶してもよい。入出力装置36は、プロセッサ34が取得するデータおよび情報を外部装置から入力し、プロセッサ34が出力するデータを外部装置に出力する。内部バス37は、プロセッサ34、メモリ35および入出力装置36を接続し、データ等を伝送する。サーバ30は、ソフトウエアと協働し、それぞれの区画40aから40fの状況を把握することに加えて、モデル生成装置として機能する。
【0026】
まず、サーバ30が区画40aから40fの状況を把握するとともにモデルを生成するときの各装置の処理を説明する。
図6は、実施例1におけるシーケンス図である。1つの区画には3つの検出装置10aから10cが設置されている。検出装置10aは、情報D10aを生成する(S12)。次に、検出装置10aは、検出装置10bに情報の要求R10bを行う。検出装置10bは、検出装置10aに、検出装置10bが取得した利用者の生体活動に関する情報D10bを送信する。次に、検出装置10aは、検出装置10cに情報の要求R10cを行う。次に、検出装置10cは、検出装置10aに、検出装置10cが取得した利用者の生体活動に関する情報D10cを送信する。
【0027】
次に、検出装置10aは、情報D10aからD10cに基づき、情報D12を生成する(S18)。次に、検出装置10aは、サーバ30に情報D12を送信する。サーバ30は、複数の区画40aから40fの検出装置10aから情報D12を受信し、情報D12をメモリ35に蓄積する。次に、サーバ30は、蓄積された情報D12に基づき、検出装置10aが利用者の状態を判定するためのモデルD14を類似する構造の区画等を参照しながら生成する(S36)。次に、サーバ30は、生成されたモデルD14を検出装置10aに送信し、検出装置10aはモデルD14を受信する。類似する構造の区画とは 、
図2の例では区画40a同士、区画40b同士、区画40c同士、区画40d同士、区画40e同士、および区画40f同士である。
【0028】
図7は、実施例1における検出装置の処理部が実行する処理のフローチャートである。
図8(a)は、実施例1における信号26eにおける時間に対する電圧を示す図、
図8(b)は、信号26fを示すテーブルである。
図9(a)から
図9(c)は、実施例1における情報D10aからD10cを示すテーブルである。
図10は、実施例1における情報D12を示すテーブルである。
【0029】
図7に示すように、検出装置10aの処理部20は、信号26fを取得する(S10)。信号26fの取得について説明する。A/D変換器21は、PGA18から信号26eを取得する。
図8(a)のように信号26eは、時間に対する電圧のアナログ信号であり、心拍および呼吸などの利用者の生体情報に対応する波形が重畳されている。A/D変換器21は、アナログ信号26eをデジタル信号26fに変換する。
図8(b)のように、信号26fは、電圧V(1)…V(i)…V(n)である。iは、1からnの整数であり、
図8(a)の時間に対応する。すなわち、信号26fは、V(i)が時系列に並んだ情報である。例えば、A/D変換器21のサンプリング間隔がtの場合、V(i)とV(i+1)との時間間隔はtである。
【0030】
次に、処理部20は、信号26fに基づき情報D10aを生成する(S12)。
図9(a)のように、情報D10aには、装置IDとして「10a」が格納され、データとして、「心拍数」、「呼吸数」、「体動」および「心拍変動」等が格納されている。装置IDは、信号26eを取得した検出装置を示す識別符号である。「心拍数」は、利用者の1分間の心拍数に相当するデータである。「呼吸数」は利用者の1分間の呼吸数に相当するデータである。「体動」は、心拍および呼吸以外の利用者の体の動きであり、例えば1分間の動きの回数および強さなどである。「心拍変動」は心拍数の変動に相当する。これらのデータは、信号26fをフーリエ変換した後、処理部20がフーリエ変換された信号を解析することで生成される。
【0031】
図6および
図7のように、処理部20は、検出装置10bから情報D10bを取得し、検出装置10cから情報D10cを取得する(S14)。
図9(b)および
図9(c)のように、情報D10bおよびD10cには、装置IDとしてそれぞれ「10b」が格納され、データとして、各々「心拍数」、「呼吸数」、「体動」および「心拍変動」等が格納されている。検出装置10bおよび10cの処理部20は、
図7のS10およびS12と同様に、情報D10bおよびD10cをそれぞれ生成しており、
図6の要求R10bおよびR10cに基づき、検出装置10aに情報D10bおよびD10cをそれぞれ送信する。
【0032】
図7のように、処理部20は、センサ28からセンサデータを取得する(S16)。センサデータは、例えば温度、湿度、照度、音の大きさ、音の周波数、ドアの開閉、および/または照明スイッチのオン/オフなどを示すデータである。S10およびS12と、S14と、S16と、を実行する順番は適宜設定できる。
【0033】
次に、処理部20は、情報D10aからD10cおよびセンサデータに基づき、情報D12を生成する(S18)。
図10のように、情報D12には、ヘッダとして「XX」、パケットIDとして「YY]、装置IDとして「10a」、「10b」および/または「10c」、区画IDとして「40f」が格納され、データとして、各々「心拍数」、「呼吸数」、「体動」、「心拍変動」および「センサデータ」等が格納されている。ヘッダは、サーバ30の送信するパケットのヘッダである、パケットIDは、パケットを示す識別符号である。装置IDは、信号26eを取得した検出装置の識別符号である。区画IDは、検出した区画の識別符号である。区画IDは、各区画の検出装置10aのMAC(Media Access Control)アドレスまたはIPアドレス(Internet Protocol)を用いてもよい。検出装置10aから10cのうち1つの検出装置が主に利用者の生体情報を検出した場合には、処理部20は、情報D12に、利用者の生体情報を検出した1つの検出装置に対応する情報D10aからD10cのうち1つの情報を含ませる。検出装置10aから10cのうち複数の検出装置が1または複数の利用者の生体情報を検出した場合には、処理部20は、情報D12に、利用者の生体情報を検出した複数の検出装置に対応する複数の情報D10aからD10cの情報を含ませる。
【0034】
図7のように、処理部20は、サーバ30に情報D12を送信する(S20)。処理部20とサーバ30との通信は、暗号化されていてもよい。次に、処理部20は、終了するか否か判定する(S22)。例えば、サーバ30から終了を指示された場合には、処理部20はYesと判定し、その他の場合にはNoと判定する。Noのとき、ステップS10に戻る。Yesのとき終了する。
【0035】
図11は、実施例1におけるサーバのプロセッサが実行する処理のフローチャートである。まず、プロセッサ34は、
図2における複数の区画40aから40fに設置された各々の検出装置10aから各区画40aから40fに相当する情報D12を取得する(S30)。次に、プロセッサ34は、情報D12をグループ毎にメモリ35に記憶する(S32)。例えば
図2において、複数の区画40aは1つのグループであり、複数の区画40bは区画40aとは別の1つのグループである。同様に、各区画40aから40fはそれぞれ異なるグループである。このとき、各情報D12に対応付けて利用者の状態に関する情報をメモリ35に記憶する。利用者の状態は、例えば、利用者がリラックスしている状態、利用者が就寝している状態、利用者が緊張している状態、利用者が異常な状態等である。利用者の状態に関する情報は、情報D12に含まれていてもよいし、他から取得してもよい。
【0036】
次に、プロセッサ34は、モデルを生成するか否か判定する(S34)。例えば、所定期間経過したとき、または外部装置からモデルの生成を指示された場合、プロセッサ34はYesと判定し、その他の場合、Noと判定する。Noの場合、S30に戻り、S30およびS32において、情報D12を蓄積する。
【0037】
S34においてYesのとき、プロセッサ34は、情報D12に基づき、グループごとにモデルD14を生成する(S36)。例えば、プロセッサ34は、グループごとの情報D12と情報D12を取得したときの利用者の状態に関する情報とを教師データとし、機械学習により、モデルD14を生成する。教師データには、情報D12内のセンサデータ、平日および休日または曜日などの日付に関する情報、時間帯に関する情報、および/または区画内の利用者の人数などを含んでもよい。例えば、利用者の心拍数が同じであっても、照度が小さいときまたは深夜では就寝している場合が多く、照度が大きいまたは昼まではリラックスしている場合が多い。次に、プロセッサ34は、グループごとに生成したモデルD14を対応するグループに含まれる区画40aから40fの検出装置10aに送信する(S38)。その後終了する。
【0038】
検出装置10aがモデルを用いて利用者の状態を判定するときの各装置の処理を説明する。
図12は、実施例1におけるシーケンス図である。1つの区画には3つの検出装置10a~10cが設置されている。
図6と同様に、検出装置10aは、情報D10aを生成する(S12)。検出装置10aは、検出装置10bおよび10cからそれぞれ情報D10bおよびD10cを受信する。
【0039】
次に、検出装置10aは、モデルを用い、情報D10aからD10cに基づき、利用者の状態を判定する(S52)。検出装置10aは、利用者(または区画)が異常と判定したとき、異常を示す情報D16をサーバ30に送信する。このときに、異常を示す情報D16は、例えばデータを含まず「異常」を示す情報を含む情報量の小さい情報でもよい。サーバ30は、情報D16を受信すると、検出装置10aに受信確認の情報D17を送信する。検出装置10aは、情報D17を受信するまで情報D16を何回も送信してもよい。この場合、検出装置10aは情報D17を受信すると、情報D16の送信を停止する。これにより、ネットワーク33が混雑していても重要な情報である情報D16がサーバ30に届かないことを抑制できる。次に、サーバ30は、情報D16に基づき、詳細な情報を要求するか判定する(S72)。サーバ30は、詳細な情報を要求すると判定したとき、検出装置10aに詳細な情報の要求R18を送信する。次に、サーバ30は、管理端末32に、注視の情報D24を送信する。管理端末32を操作している管理人は、注視が必要なことを認識する。
【0040】
次に、検出装置10aは、利用者の生体情報を検出した検出装置10cに詳細な情報の要求R20を送信する。次に、検出装置10cは、詳細な情報D20を検出装置10aに送信する。次に、検出装置10aは、情報D20を含む情報D22をサーバ30に送信する。次に、サーバ30は、情報D22に基づき、利用者(または区画)が異常か否か判定する(S80)。サーバ30が利用者(または区画)を異常と判定したとき、サーバ30は管理端末32に、異常の情報D26を送信する。管理端末32を操作している管理人は、異常が発生したことを認識する。管理端末32またはサーバ30は、異常を知らせる人のスマートフォン等の携帯端末に警報を送信し、異常を通知してもよい。
【0041】
図13は、実施例1における検出装置の処理部が実行する処理のフローチャートである。
図14(a)から
図14(c)は、それぞれ実施例1における情報D16、D20およびD22を示すテーブルである。
【0042】
図13に示すように、検出装置10aの処理部20は、サーバ30からモデルD14を取得する(S50)。次に、処理部20は、
図7と同様にS10、S12、S14およびS16を実行する。次に、処理部20は、情報D10aからD10cおよびセンサデータに基づき、利用者(または区画)の状態を判定する(S52)。モデルD14は、
図11のステップS36において生成されたモデルである。例えばモデルに情報D10aからD10cおよびセンサデータを入力すると、処理部20は利用者(または区画)の状態を判定できる。次に、処理部20は、利用者(または区画)の状態が異常か否か判定する(S54)。Noのとき、S10に戻る。
【0043】
Yesのとき、処理部20は、サーバ30に情報D16を送信する(S56)。
図14(a)のように、情報D16には、ヘッダとして「XX」、パケットIDとして「YY]、装置IDとして「10a」、「10b」および/または「10c」、区画IDとして「40f」、状態として「異常」が格納され、データとして、各々「心拍数」、「呼吸数」、「体動」、「心拍変動」および「センサデータ」等が格納されている。情報D16には、
図10の情報D12に加え、利用者の状態が含まれている。装置IDの「10c」は、利用者の生体情報を検出装置10cが検出したことを示している。利用者の状態が「異常」は、モデルD14を用いて判定した利用者(または区画)の状態が「異常」であることを示している。情報D16は、データを含まず、利用者(または区画)が異常であることを示す情報のみでもよい。情報D16の情報が緊急性のある情報を含む場合、サーバ30はこの情報を受信すると情報D17を検出装置10aに送信する。検出装置10aは情報D17を受信するまで、複数回にわたり情報D16を含むパケットを送る。これにより、情報D16のパケットロスが生じても、情報D16がサーバ30に届くようにすることができる。 緊急性のある情報D16は、例えば心拍を計測できていた利用者の心拍や呼吸が止まったことを示す情報である。検出装置10aは、UDP(User Datagram Protocol)などのコネクションレス型のプロトコルを用いて、情報D16を短いパケットとして有限回数、サーバ30に送り続けてもよい。
【0044】
図13に戻り、処理部20は、サーバ30から要求R18を受信する(S58)。次に、処理部20は、検出装置10aの詳細な情報を要求しているか否か判定する(S60)。Yesのとき、S64に進む。Noのとき、処理部20は、検出装置10bおよび10cのうち詳細な情報を要求する検出装置に要求R20を送信し、検出装置10bまたは10cから情報D20を取得する(S62)。
図14(b)のように、情報D20には、装置IDとして「10c」、データとして、V(1)…V(i)…V(n)が格納されている。V(i)は、検出装置10cの処理部20が取得した信号26f(
図8(b)参照)に相当する。
【0045】
図13に戻り、処理部20は、情報D22を生成する(S64)。
図14(c)のように、情報D22には、ヘッダとして「XX」、パケットIDとして「YY]、装置IDとして「10a」、「10b」および/または「10c」、区画IDとして「40f」が格納され、データとして、V(1)…V(i)…V(n)が格納されている。検出装置10aのデータV(i)を送信する場合、データV(i)は、S10において取得した信号26fに相当する。検出装置10bまたは10cのデータV(i)を送信する場合、データV(i)は、S62において取得した情報D20に相当する。
【0046】
図13のように、処理部20は、サーバ30に情報D22を送信する(S66)。次に、処理部20は、終了するか否か判定する(S68)。Noのとき、ステップS10に戻る。Yesのとき終了する。
【0047】
図15は、実施例1におけるサーバのプロセッサが実行する処理のフローチャートである。まず、プロセッサ34は、検出装置10aから情報D16を取得する(S70)。次に、プロセッサ34は、情報D16に基づき、詳細な情報の要求が必要か否かを判定する(S72)。例えば、利用者がいないはずの区画の検出装置10aから情報D16を受信した場合、プロセッサ34は、詳細な情報の要求は不要と判断する。Noのとき、終了する。S72を行わず、情報D16を受信した場合には、S74に進んでもよい。
【0048】
S72において、Yesのとき、プロセッサ34は、検出装置10aに詳細な情報の要求R18を送信する(S74)。次に、プロセッサ34は、管理端末32に注視の情報D24を送信する(S76)。S74とS76の順番は逆でもよいし、S76は行わなくてもよい。次にプロセッサ34は、検出装置10aから詳細な情報D22を受信する(S78)。次に、プロセッサ34は、情報D22に基づき、利用者(または区画)が異常か否か判定する(S80)。例えば、プロセッサ34は、同じグループの別の区画の情報と比較し、同じグループの別の区画の詳細な情報が同様であった場合には、利用者の異常ではないと判定する。Noの場合、終了する。Yesの場合、プロセッサ34は、管理端末32に異常の情報D26を送信する(S82)。その後、終了する。
【0049】
検出装置10aから10cが各々サーバ30とネットワーク33を介して通信すると、ネットワーク33のトラフィックが増大し、検出装置10aから10cとサーバ30との通信が不安定となる。
【0050】
そこで、実施例1によれば、検出装置10a(第1検出装置)を複数の区画40aから40fに各々1つ設置し、検出装置10bおよび10c(第2検出装置)を複数の区画40aから40fに各々1または複数設置する。
図7のS10ように、検出装置10aのセンサ12は、信号26fを検出する。信号26fは、区画内の利用者の生体活動に関する第1情報である。S14のように、処理部20は、検出装置10bおよび10cから情報D10bおよびD10cを取得する。情報D10bおよびD10cは、区画内の利用者の生体活動に関する第2情報である。処理部20は、S12のように信号26fに基づき情報D10aを生成し、さらにS18のように、情報D10aからD10cに基づき情報D12(第3情報)を生成する。S20のように、処理部20は、情報D12を区画外に別途設置されたサーバ30に送信する。このように、検出装置10aが検出装置10bおよび10cの情報D10bおよびD10cに基づき、サーバ30へ送信する情報D12を生成する。これにより、検出装置10aから10cの各々がサーバ30に情報D10aからD10cを送信する場合に比べネットワーク33のトラフィックを抑制でき、通信の負荷を低減できる。
【0051】
図9(a)から
図10のように、処理部20は、情報D10aからD10cのうち一部のみを情報D12として生成する。これにより、検出装置10aとサーバ30との通信の負荷をより低減できる。
【0052】
信号26fは、利用者の人体の少なくとも一部の動きに対応する値が時系列に並んだ情報である。
図10のように、情報D12は、利用者の心拍数および/または呼吸数に相当する情報を含み、信号26fを含まない。このように、処理部20は、サーバ30に信号26fは送信せず、利用者の心拍数および呼吸数等を送信する。これにより、検出装置10aとサーバ30との通信の負荷を低減できる。
【0053】
処理部20は、
図7のS12のように、信号26fに基づき、利用者の心拍数および/または呼吸数に相当する情報D10a(第4情報)を生成する。これにより、検出装置10aとサーバ30との通信の負荷を低減できる。
【0054】
検出装置10bおよび10cは、データV(i)を検出装置10aに送信してもよい。しかし、この場合には、検出装置10aと検出装置10bおよび10cとの通信の負荷が増大する。そこで、
図9(b)および
図9(c)のように、情報D10bおよびD10cは、検出装置10bおよび10cが生成した利用者の心拍数および/または呼吸数に相当する情報である。これにより、検出装置10bおよび10cは、自律的に動作することができる。よって、検出装置10aと検出装置10bおよび10cとの通信の負荷を低減できる。
図10のように、情報D12は、情報D10aからD10cの少なくとも1つの情報を含み、信号26fを含まない。これにより、検出装置10aとサーバ30との通信の負荷を低減できる。
【0055】
図11のS30ように、サーバ30のプロセッサ34は、複数の区画40aから40fにそれぞれ設置された検出装置10aがそれぞれ送信する複数の情報D12を取得する。S36のように、複数の情報D12に基づき、複数の区画40aから40f内の利用者の状態を判定するためのモデルD14を生成する。S38のように、モデルD14を複数の検出装置に送信する。
図13のS52のように、処理部20は、サーバ30から受信したモデルD14を用い、情報D10aからD10cに基づき、利用者の状態を判定する。このように、サーバ30がモデルD14を生成することで、多くの区画40aから40fの情報D12を教師データとして用い、利用者の状態を判定するモデルD14を生成できる。よって、モデルD14の精度を向上できる。また、各区画40aから40f内の検出装置10aがモデルを作成すると、検出装置10aのメモリ容量の負荷および処理部20の処理の負荷が大きくなり、検出装置10aのコストが増加する。サーバ30がモデルD14を作成することで、検出装置10aの負荷を低減できる。
【0056】
また、比較例として、1つの区画内の検出装置10aの情報D12を教師データとして用いてモデルを作成する場合、教師データの収集に時間がかかってしまい、モデルD14の作成に時間がかかってしまう。実施例1では、1つの区画内の検出装置10aの情報D12だけでなく、類似の多数の区画40fの情報D12を教師データとしてモデルD14を作成できる。よって、短期間において、より多くの教師データを収集することができる。このため、精度の高いモデルD14を短期間で作成できる。また、作成されたモデルD14を、ネットワーク33を介し、類似する多数の区画の検出装置10aに送信できる。さらに、教師データに、時間、曜日、および他のセンサ28の情報を加えることで、モデルD14の精度を向上させることもできる。
【0057】
図2から
図4(b)のように、区画40aから40fにおける部屋の大きさ、部屋の形状および部屋内の装備の配置が異なる場合、例えば信号26bの反射状態が異なる。例えば、家具は壁より信号26bの反射が弱かったりする。そこで、利用者の状態を判定するためのモデルを区画40aから40fのタイプごとに異ならせた方がよい場合がある。実施例1では、複数の区画40aから40fは、複数のグループに分割されている。プロセッサ34は、複数のグループの各々に対応する検出装置10aが送信する情報D12に基づき、複数のモデルD14を生成し、モデルD14を対応するグループの検出装置10aに送信する。これにより、区画40aから40fのタイプに合ったモデルを作成でき、モデルの精度を向上できる。
【0058】
区画40aと40b、区画40cと40d、区画40eと40f、のように左右対称な部屋は、同じグループとしても、3つのグループとしてもよい。また、左右対称な部屋は別のグループとし、6つのグループとしてもよい。
【0059】
図13のように、処理部20は、サーバ30からの指示に基づき、S64およびS66のように、信号26fをサーバ30に送信する。または、処理部20は、S62のように、検出装置10bまたは10cが検出した
図14(b)の情報D20(第5情報)を、検出装置10bまたは10cから取得する。S66のように、処理部20は、情報D20をサーバ30に送信する。このように、サーバ30がより詳細な情報を用いて利用者の異常を判定したい場合に、検出装置10aはサーバ30にデータV(i)を送信できる。データV(i)のデータ量は非常に大きい。そこで、
図6および
図7のように、通常の動作において検出装置10aはサーバ30にデータ量の小さい情報D12を送信する。これにより、複数の区画40aから40fとサーバ30との通信の負荷に余裕を持たせておく。
図12および
図13のように、区画40aから40fの1つの区画において異常を検出した場合に、異常を検出した検出装置10aがサーバ30にデータ量の多い情報D22を送信しても、通信の容量を越えることを抑制できる。
【0060】
センサ12は区画内に信号26a(第1電磁波)を送信し、信号26aが利用者等の対象物において反射した信号26b(第2電磁波)を受信し、信号26aと26bとに基づき信号26eを生成する。このように、マイクロ波またはミリ波の電磁波を用いたレーダを用いることで、区画内の利用者の動きに関する情報を精度よく検出できる。センサ12は、電磁波を用いたセンサ以外のセンサでもよい。
【0061】
次に、
図1において処理部20がPGA18のゲインを調整するフローを説明する。
図16は、実施例1における検出装置の処理部が実行する処理を示すフローチャートである。処理部20は、信号26fを取得する(S90)。次に処理部20は、信号26fの電圧Vが閾値Th1以上か否か判定する(S92)。処理部20は、信号26fのV(i)(iは1からnの整数)における最大値と閾値Th1とを比較してもよい。また、処理部20は、V(i)のうち閾値Th1以上となる点が所定個数以上の場合、Yesと判定してもよい。さらに、閾値Th1を、A/D変換器21が変換するデータの最大値(例えばFFFFなど)に設定し、最大値となるV(i)が続く場合、A/D変換器21が飽和していると考えられる。そこで、このような場合には、処理部20は、Yesと判定してもよい。Yesの場合、処理部20はPGA18のゲインを小さくする(S94)。その後S99に進む。
【0062】
S92において、Noのとき、処理部20は、電圧Vが閾値Th2以下か否か判定する(S96)。処理部20は、信号26fのV(i)(iは1からnの整数)における最小値と閾値Th2とを比較してもよい。また、処理部20は、V(i)のうち閾値Th2以下となる点が所定個数以上の場合、Yesと判定してもよい。Noのとき、S99に進む。Yesのとき、処理部20はPGA18のゲインを大きくする(S98)。その後S99に進む。その後、処理部20は、終了するか否か判定する(S99)。Noのとき、ステップS90に戻る。Yesのとき終了する。
【0063】
センサ12は、利用者の生体活動に関するアナログ信号26eを生成する。処理部20のA/D変換器21は、アナログ信号26eをデジタル信号26fに変換し、処理部20はデジタル信号26fに基づき利用者の生体活動に関する情報D10aを生成する。このような検出装置10aから10cにおいて、例えば利用者が検出装置10aから10cに近づくと、信号26eの振幅が大きくなる。これにより、A/D変換器21において、クリップまたは飽和してしまい、アナログ信号26eが正常にデジタル信号に変換されない。また、利用者が検出装置10aから10cから遠ざかる、または利用者が就寝中の場合、信号26eの振幅が小さくなる。これにより、デジタル信号26fの精度が低下する。そこで、
図16のように、PGA20(調整器)は、デジタル信号26fに基づき、アナログ信号26eの振幅を調整し、調整されたアナログ信号26eを処理部20に出力する。これにより、センサ12の感度を高めることができる。センサ12が対象物の動きに関するアナログ信号26eを生成し、処理部20が対象物の動きに関する情報を生成する検出装置にPGA20を用いてもよい。