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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171785
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】被検知体、および検知範囲測定装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20241205BHJP
   G01V 8/20 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
E05F15/73
G01V8/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023088991
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】390001904
【氏名又は名称】寺岡オート・ドアシステム株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】523203115
【氏名又は名称】株式会社Life Tech Robotics
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】石川 博也
(72)【発明者】
【氏名】都丸 尚士
(72)【発明者】
【氏名】竹元 翔太
【テーマコード(参考)】
2E052
2G105
【Fターム(参考)】
2E052AA02
2E052BA04
2E052EA15
2E052EC02
2E052GA05
2E052GB01
2E052GD01
2G105AA01
2G105BB16
2G105CC01
2G105DD02
2G105EE02
2G105GG01
2G105HH04
2G105JJ04
2G105KK06
(57)【要約】
【課題】センサの検知範囲を測定する作業時間を短縮できる被検知体を提供する。
【解決手段】本発明の被検知体は、開閉制御される自動扉に設けられた検知センサの検知範囲を測定する際に用いられ、検知センサの検知対象である被検知体であって、駆動部が取り付けられ、自走可能である本体部と、自動扉に対する本体部の位置を検出可能な位置検出部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉制御される自動扉に設けられた検知センサの検知範囲を測定する際に用いられ、前記検知センサの検知対象である被検知体であって、
駆動部が取り付けられ、自走可能である本体部と、
前記自動扉に対する前記本体部の位置を検出可能な位置検出部と、
を備える、被検知体。
【請求項2】
電源部を備え、
前記駆動部は、前記本体部に取り付けられる車輪と、前記車輪を駆動する駆動装置と、を有し、
前記駆動装置には、前記電源部から電力が供給される、請求項1に記載の被検知体。
【請求項3】
請求項1に記載の被検知体と、
前記被検知体の走行位置を検出可能な走行位置検出部と、
を備え、
前記被検知体は、制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記走行位置検出部の検出結果に基づいて前記駆動部を制御して前記被検知体の走行方向を調整する、検知範囲測定装置。
【請求項4】
前記位置検出部の検出結果を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記位置検出部の検出結果を電子計算機に送信可能であり、
前記電子計算機は、前記被検知体を遠隔操作可能である、請求項3に記載の検知範囲測定装置。
【請求項5】
前記位置検出部の検出結果を記憶する記憶部を備え、
前記制御部と通信可能な遠隔操作部によって、前記駆動部および前記位置検出部のそれぞれが遠隔操作可能である、請求項3に記載の検知範囲測定装置。
【請求項6】
前記自動扉の開閉を検出可能な扉開閉検出部を備え、
前記制御部は、前記扉開閉検出部が前記自動扉の開動作を検出すると、前記位置検出部に前記自動扉に対する前記本体部の位置を検出させる、請求項3に記載の検知範囲測定装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記扉開閉検出部と通信可能であり、
前記扉開閉検出部は、前記被検知体と離れて配置される、請求項6に記載の検知範囲測定装置。
【請求項8】
前記扉開閉検出部は、前記被検知体に取り付けられる、請求項7に記載の検知範囲測定装置。
【請求項9】
開閉制御される自動扉に設けられた検知センサと、
前記検知センサに接続された被検知体通信部と、
を備え、
前記被検知体は、前記被検知体通信部と通信可能な通信部をさらに備え、
前記通信部は、前記検知センサの検知信号を受信可能であり、且つ、前記位置検出部の検出結果を前記被検知体通信部に送信可能であり、
前記検知センサは、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記検知範囲を調整可能である、請求項3から8のいずれか一項に記載の検知範囲測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検知体、および検知範囲測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動ドアの開口の近傍の人または物を検知するセンサを備える自動ドアが知られている。例えば、特許文献1には、センサによって人等が開口に近づいてきたことを検知するとドアを開き、センサによって開口の近傍に人等がいないことを検知するとドアを閉じる自動ドアが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-161775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような自動ドアでは、自動ドアの設置時および保守点検時等において、センサの検知範囲を測定する場合がある。従来のセンサの検知範囲の測定では、センサの検知範囲を測定する作業者等が人等を模した被検知体をセンサの検知範囲の外側から手動で移動させ、ドアが開くタイミング等のセンサが被検知体を検知したタイミングで被検知体を停止させ、作業者等が巻き尺等でドアに対する被検知体の位置を測定する作業を繰り返し行っていた。そのため、センサの検知範囲の測定に膨大な作業時間を要していた。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、センサの検知範囲を測定する作業時間を短縮できる被検知体、および検知範囲測定装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、開閉制御される自動扉に設けられた検知センサの検知範囲を測定する際に用いられ、前記検知センサの検知対象である被検知体であって、駆動部が取り付けられ、自走可能である本体部と、前記自動扉に対する前記本体部の位置を検出可能な位置検出部と、を備える、被検知体である。
【0007】
(2)本発明の一態様は、電源部を備え、前記駆動部は、前記本体部に取り付けられる車輪と、前記車輪を駆動する駆動装置と、を有し、前記駆動装置には、前記電源部から電力が供給される、(1)に記載の被検知体である。
【0008】
(3)本発明の一態様は、(1)または(2)に記載の被検知体と、前記被検知体の走行位置を検出可能な走行位置検出部と、を備え、前記被検知体は、制御部をさらに備え、前記制御部は、前記走行位置検出部の検出結果に基づいて前記駆動部を制御して前記被検知体の走行方向を調整する、検知範囲測定装置である。
【0009】
(4)本発明の一態様は、前記位置検出部の検出結果を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記位置検出部の検出結果を電子計算機に送信可能であり、前記電子計算機は、前記被検知体を遠隔操作可能である、(3)に記載の検知範囲測定装置である。
【0010】
(5)本発明の一態様は、前記位置検出部の検出結果を記憶する記憶部を備え、前記制御部と通信可能な遠隔操作部によって、前記駆動部および前記位置検出部のそれぞれが遠隔操作可能である、(3)に記載の検知範囲測定装置である。
【0011】
(6)本発明の一態様は、前記自動扉の開閉を検出可能な扉開閉検出部を備え、前記制御部は、前記扉開閉検出部が前記自動扉の開動作を検出すると、前記位置検出部に前記自動扉に対する前記本体部の位置を検出させる、(3)から(5)のいずれか一項に記載の検知範囲測定装置である。
【0012】
(7)本発明の一態様は、前記制御部は、前記扉開閉検出部と通信可能であり、前記扉開閉検出部は、前記被検知体と離れて配置される、(6)に記載の検知範囲測定装置。
【0013】
(8)本発明の一態様は、前記扉開閉検出部は、前記被検知体に取り付けられる、(7)に記載の検知範囲測定装置である。
【0014】
(9)本発明の一態様は、開閉制御される自動扉に設けられた検知センサと、前記検知センサに接続された被検知体通信部と、を備え、前記被検知体は、前記被検知体通信部と通信可能な通信部をさらに備え、前記通信部は、前記検知センサの検知信号を受信可能であり、且つ、前記位置検出部の検出結果を前記被検知体通信部に送信可能であり、前記検知センサは、前記位置検出部の検出結果に基づいて前記検知範囲を調整可能である、(3)から(8)のいずれか一項に記載の検知範囲測定装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一つの態様によれば、センサの検知範囲を測定する作業時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態の検知範囲測定装置を示すブロック図である。
図2】第1実施形態の被検知体を示す第1の斜視図である。
図3】第1実施形態の被検知体を示す第2の斜視図である。
図4】第1実施形態の検知範囲測定装置の検知範囲測定の手順例1を示す図である。
図5】第1実施形態の遠隔操作部を示す外観図である。
図6】第1実施形態の検知範囲測定装置の検知範囲測定の手順例2を示す図である。
図7】第1実施形態の第1変形例の検知範囲測定装置を示すブロック図である。
図8】第1実施形態の第2変形例の検知範囲測定装置を示すブロック図である。
図9】第2実施形態の検知範囲測定装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る検知範囲測定装置について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成を分かり易くするために、実際の構造と各図の構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0018】
以下の説明において、各図には適宜Z軸方向を示す。Z軸方向は、鉛直方向である。Z軸方向の矢印が向く側(+Z側)は、鉛直方向上側であり、Z軸方向の矢印が向く側と反対側(-Z側)は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。
【0019】
以下の説明において、各図には適宜X軸方向を示す。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって、自動扉80が開閉する開閉方向である。X軸方向の矢印が向く側(+X側)は、自動扉80における右側であり、X軸方向の矢印が向く側と反対側(-X側)は、自動扉80における左側である。以下の説明では、自動扉80におけるにおける右側を単に「右側」と呼び、自動扉80におけるにおける左側を単に「左側」と呼ぶ。
【0020】
以下の説明において、各図には適宜Y軸方向を示す。Y軸方向は、X軸方向およびZ軸方向の両方と直交する方向であって、自動扉80の前後方向である。Y軸方向の矢印が向く側(+Y側)は、自動扉80における後側であり、Y軸方向の矢印が向く側と反対側(-Y側)は、自動扉80における前側である。以下の説明では、自動扉80における後側を単に「後側」と呼び、自動扉80における前側を単に「前側」と呼ぶ。なお、上側、下側、右側、左側、前側、および後側は、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0021】
以下の説明において、各図には適宜第1方向D1を示す。第1方向D1は、Z軸方向と直交する方向であり、本実施形態の被検知体の走行方向である。以下の説明では、第1方向D1の矢印が向く側(+D1側)を、第1方向D1の一方側と呼び、第1方向D1の矢印が向く側と反対側(-D1側)を、第1方向D1の他方側と呼ぶ。
【0022】
以下の説明において、各図には適宜第2方向D2を示す。第2方向D2は、Z軸方向および第1方向D1の両方と直交する方向である。以下の説明では、第2方向D2の矢印が向く側(+D2側)を、第2方向D2の一方側と呼び、第2方向D2の矢印が向く側と反対側(-D2側)を、第2方向D2の他方側と呼ぶ。
【0023】
以下の説明において、「作業者」とは、被検知体を用いて自動扉が備える検知センサの測定範囲を測定する者である。「作業者」は、例えば、自動扉の設置および保守点検を行う者である。
【0024】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態の検知範囲測定装置1を示すブロック図である。図2は、本実施形態の被検知体9を示す斜視図である。図3は、本実施形態の被検知体9を示す第2の斜視図である。図4は、本実施形態の検知範囲測定装置1の検知範囲測定の手順例1を示す図である。図5は、本実施形態の遠隔操作部62を示す外観図である。
【0025】
本実施形態の検知範囲測定装置1は、開閉制御される自動扉80に設けられた検知センサ83の検知範囲を測定する際に用いられる。自動扉80は、建物等の内部や、建物等の内部と外部の境目等に設けられる。自動扉80の構成は限定されず、扉が開閉方向(X軸方向)にスライドすることによって開口を開閉するスライド式の自動扉であってもよいし、扉が回転することにより開口を開閉する回転式の自動扉であってもよい。図1に示すように、検知範囲測定装置1は、被検知体9と、扉開閉検出部60と、電子計算機61と、遠隔操作部62と、を備える。
【0026】
図2に示す被検知体9は、検知センサ83の検知対象である。本実施形態において、被検知体9は、検知センサ83の検知範囲を測定する際に、検知センサ83の検知範囲の外側の任意の箇所から検知センサ83の検知範囲に向けて自走可能である。被検知体9は、予め決められた測定経路に沿って自走可能であってもよい。また、検知センサ83が被検知体9を検知すると、被検知体9は、自動的に自動扉80に対する被検知体9の位置を検出可能である。本実施形態において、被検知体9の鉛直方向の寸法Hは、710mm程度である。被検知体9の第2方向D2の寸法Wは、250mm程度である。被検知体9の第1方向D1の寸法Dは、150mm程度である。被検知体9は、本体部10と、電源部23と、位置検出部30と、走行位置検出部40と、を備える。図1に示すように、被検知体9は、記憶部45と、操作部47と、通信部48と、制御部50と、を有する。
【0027】
図2に示すように、本体部10は、鉛直方向(Z軸方向)に延びる略直方体状である。本体部10は、第1方向D1に走行可能である。本体部10は、ハウジング12と、壁部15と、駆動部20と、を有する。
【0028】
ハウジング12は、本体部10の枠を構成する。ハウジング12は、壁部15、駆動部20、および位置検出部30等の被検知体9の各部を保持する。ハウジング12は、第1ハウジング部13と、第2ハウジング部14と、を有する。
【0029】
第1ハウジング部13は、壁部15の上側の部分、位置検出部30、制御部50等の被検知体9の各部を保持する。第1ハウジング部13は、4本の第1フレーム13a,13b,13c,13dと、第2フレーム13fと、第3フレーム13gと、第1底板部13iと、支持板13jと、接続フレーム13mと、を有する。
【0030】
4本の第1フレーム13a,13b,13c,13dのそれぞれは、鉛直方向(+Z軸方向)に延びる柱状である。第1フレーム13aは、第1フレーム13bの第2方向D2の一方側(+D2側)に配置され、第1フレーム13cは、第1フレーム13dの第2方向D2の一方側に配置される。第1フレーム13aは、第1フレーム13cの第1方向D1の一方側(+D1側)に配置され、第1フレーム13bは、第1フレーム13dの第1方向D1の一方側に配置される。
【0031】
第2フレーム13fは、第1方向D1に延びる柱状である。第1ハウジング部13は、2本の第2フレーム13fを有する。第2フレーム13fの一方は、第1フレーム13aおよび第1フレーム13cそれぞれの下端と接続される。第2フレーム13fの他方は、第1フレーム13bおよび第1フレーム13dそれぞれの下端と接続される。
【0032】
第3フレーム13gは、第2方向D2に延びる柱状である。第1ハウジング部13は、2本の第3フレーム13gを有する。第3フレーム13gの一方は、第1フレーム13aおよび第1フレーム13bそれぞれの下端と接続される。第3フレーム13gの他方は、第1フレーム13cおよび第1フレーム13dそれぞれの下端と接続される。
【0033】
第1底板部13iは、鉛直方向(+Z軸方向)と直交する方向に広がる板状である。鉛直方向に見て、第1底板部13iは、長辺が第2方向D2に延びる略矩形状である。第1底板部13iの外縁は、2本の第2フレーム13fおよび2本の第3フレーム13gのそれぞれに固定される。
【0034】
支持板13jは、鉛直方向と直交する方向に広がる板状である。鉛直方向に見て、支持板13jは、長辺が第2方向D2に延びる略矩形状である。支持板13jは、第1底板部13iよりも上側に配置される。支持板13jは、各第1フレーム13a、13b,13c,13dのそれぞれに固定される。
【0035】
接続フレーム13mは、第2方向D2に延びる板状である。接続フレーム13mの板面は、第1方向D1を向く。接続フレーム13mは、第1フレーム13cおよび第1フレーム13dのそれぞれに固定される。
【0036】
第2ハウジング部14は、壁部15の下側の部分、駆動部20、および走行位置検出部40を保持する。第2ハウジング部14は、第1ハウジング部13の下側に配置される。第2ハウジング部14は、第1ハウジング部13の下端と接続される。第2ハウジング部14は、4本の第4フレーム14a,14b,14c,14dと、第2底板部14gと、を有する。
【0037】
4本の第4フレーム14a,14b,14c,14dのそれぞれは、鉛直方向(+Z軸方向)に延びる柱状である。4本の第4フレーム14a,14b,14c,14dのそれぞれは、第1底板部13iよりも下側に配置される。第4フレーム14aは、第4フレーム14bの第2方向D2の一方側(+D2側)に配置され、第4フレーム14cは、第4フレーム14dの第2方向D2の一方側に配置される。第4フレーム14aは、第4フレーム14cの第1方向D1の一方側(+D1側)に配置され、第4フレーム14bは、第4フレーム14dの第1方向D1の一方側に配置される。第4フレーム14a,14bそれぞれの上端は、第3フレーム13gの一方と接続される。図3に示すように、第4フレーム14c,14dそれぞれの上端は、第3フレーム13gの他方と接続される。
【0038】
第2底板部14gは、鉛直方向(+Z軸方向)と直交する方向に広がる板状である。鉛直方向に見て、第2底板部14gは、長辺が第2方向D2に延びる略矩形状である。第2底板部14gは、第1底板部13iよりも下側に配置される。第2底板部14gは、各第4フレーム14a,14b,14c,14dそれぞれの下端に固定される。
【0039】
壁部15は、検知センサ83が投射したマイクロ波を反射する。図2に示すように、壁部15は、正面部15aと、側面部15bと、頭部15cと、を有する。正面部15aは、ハウジング12を第1方向D1の一方側(+D1側)から覆う。正面部15aは、第1方向D1と直交する方向に広がる板状である。第1方向D1に見て、正面部15aは、長辺が鉛直方向(+Z軸方向)に延びる略矩形状である。正面部15aは、ハウジング12よりも第1方向D1の一方側に配置される。正面部15aの上端は、第1ハウジング部13の上端に固定され、正面部15aの下端は、第2ハウジング部14の下端に固定される。正面部15aの第2方向D2の両端は、第1ハウジング部13および第2ハウジング部14それぞれの第2方向D2の両端に固定される。正面部15aには、第1孔部15fが設けられる。第1孔部15fは、正面部15aを第1方向D1に貫通する孔である。第1孔部15fは、位置検出部30の後述する第1位置検出部30aが投射するレーザビームおよび測定対象物において反射したレーザビームを遮らない位置に設けられる。
【0040】
側面部15bは、ハウジング12を第2方向D2の両側から覆う。側面部15bは、第2方向D2と直交する方向に広がる板状である。第2方向D2に見て、側面部15bは、長辺が鉛直方向(+Z軸方向)に延びる略矩形状である。本実施形態において、壁部15は、2枚の側面部15bを有する。側面部15bの一方は、ハウジング12よりも第2方向D2の一方側(+D2側)に配置される。図3に示すように、側面部15bの他方は、ハウジング12よりも第2方向D2の他方側(-D2側)に配置される。各側面部15bの上端は、第1ハウジング部13の上端に固定され、各側面部15bの下端は、第2ハウジング部14の下端に固定される。各側面部15bの第1方向D1の両端は、第1ハウジング部13および第2ハウジング部14それぞれの第1方向D1の両端に固定される。側面部15bの一方には、第2孔部15gが設けられる。側面部15bの他方には、第3孔部15hが設けられる。
【0041】
図1に示すように、第2孔部15gは、側面部15bの一方を第2方向D2に貫通する孔である。第3孔部15hは、側面部15bの他方を第2方向D2に貫通する孔である。第2孔部15gおよび第3孔部15hのそれぞれは、位置検出部30の後述する第2位置検出部30bおよび第3位置検出部30cのそれぞれが投射するレーザビームおよび測定対象物において反射したレーザビームを遮らない位置に設けられる。
【0042】
頭部15cは、鉛直方向(+Z軸方向)に突出する四角筒状である。頭部15cは、上側および下側に開口する。頭部15cの形状は、下側から上側に向かうにしたがって窄まる狭窄状である。頭部15cの下端は、4本の第1フレーム13a,13b,13c,13dのそれぞれの上端に固定される。頭部15cの内部には、停止釦65が配置される。作業者が停止釦65を押下すると、制御部50は、被検知体9の動作を停止する。
【0043】
駆動部20は、本体部10に取り付けられる。駆動部20は、自走可能である。これにより、本体部10は自走可能である。駆動部20は、車輪21と、駆動装置22と、を有する。
【0044】
車輪21は、本体部10に取り付けられる。より詳細には、車輪21は、ハウジング12に取り付けられる。車輪21は、床面と接触し、第2方向D2と平行な方向に延びる図示しない回転軸線を中心として回転可能である。これにより、被検知体9は、第1方向D1に走行可能である。車輪は、駆動車輪21a、を有する。
【0045】
駆動車輪21aは、駆動装置22によって駆動される。駆動車輪21aは、第2方向D2に延びる図示しない回転軸線を中心とする円環状である。駆動車輪21aは、該回転軸線を中心として回転可能に、第2底板部14gに取り付けられる。本実施形態において、駆動部20は、4個の駆動車輪21aを有する。図2および図3に示すように、2個の駆動車輪21aは、第1方向D1に互いに間隔をあけて配置され、第2底板部14gの第2方向D2の一方側(+D2側)の縁部に取り付けられる。以下の説明では、係る2個の駆動車輪21aを第1駆動車輪21dと呼ぶ場合がある。他の2個の駆動車輪21aは、第1方向D1に互いに間隔をあけて配置され、第2底板部14gの第2方向D2の他方側(-D2側)の縁部に取り付けられる。以下の説明では、係る他の2個の駆動車輪21aを第2駆動車輪21eと呼ぶ場合がある。
【0046】
駆動装置22は、車輪21を駆動する。より詳細には、駆動装置22は、4個の駆動車輪21aを駆動する。なお、本発明において、「車輪を駆動する」とは、車輪21を第2方向D2と平行な方向に延びる回転軸線を中心として回転させることを意味する。本実施形態において、駆動装置22は、電動モータである。図示は省略するが、駆動装置22は、電源部23と接続される。駆動装置22は、第2底板部14gに固定される。
【0047】
本実施形態において、駆動部20は、4個の駆動装置22を有する。各駆動装置22は、互いに異なる駆動車輪21aの第2方向D2の内側に配置される。各駆動装置22は、第2方向D2の外側に配置される駆動車輪21aを駆動する。4個の駆動装置22のそれぞれは、互いに異なる駆動車輪21aを駆動する。電源部23から駆動装置22に電力が供給されると、各駆動車輪21aには駆動装置22から回転トルクが伝達され、各駆動車輪21aは第2方向D2に延びる図示しない回転軸線を中心として回転する。これにより、被検知体9は走行する。なお、以下の説明では、第1駆動車輪21dを駆動する駆動装置22を、第1駆動装置22aと呼ぶ場合があり、第2駆動車輪21eを駆動する駆動装置22を、第2駆動装置22bと呼ぶ場合がある。
【0048】
本実施形態において、第1駆動装置22aの回転速度および第2駆動装置22bの回転速度は、制御部50によって個別に制御可能である。第1駆動装置22aの回転速度と第2駆動装置22bの回転速度とが同じ場合、被検知体9は、第1方向D1と平行な方向に走行する。第1駆動装置22aの回転速度が第2駆動装置22bの回転速度よりも速い場合、被検知体9は、第1方向D1から第2方向D2の他方側(-D2側)に傾いた方向に走行する。第1駆動装置22aの回転速度が第2駆動装置22bの回転速度よりも遅い場合、被検知体9は、第1方向D1から第2方向D2の一方側(+D2側)に傾いた方向に走行する。なお、制御部50は、各駆動装置22の回転方向を変えることによって、被検知体9の走行方向を第1方向D1の一方側(+D1側)および第1方向D1の他方側(-D1側)のそれぞれに制御可能である。
【0049】
電源部23は、駆動装置22、位置検出部30、制御部50等の被検知体9の各部に電力を供給する。本実施形態において、電源部23は電池である。電源部23は、一次電池であってもよいし、二次電池であってもよいし、太陽光発電機であってもよい。本実施形態において、電源部23は、二次電池である。電源部23は、車輪21の回生エネルギーを変換した電力を蓄電可能な蓄電池であってもよい。図3に示すように、本体部10は、複数の電源部23を有する。本実施形態において、本体部10は、2個の電源部23を有する。各電源部23は、第4フレーム14a,14b,14c,14dに固定される。
【0050】
位置検出部30は、被検知体9によって検知センサ83の検知範囲を測定する際に、自動扉80に対する本体部10の位置を検出する。本実施形態において、位置検出部30は、位置検出部30と測定対象物との間の距離を検出可能な距離計である。本実施形態において、位置検出部30は、投射したレーザビームが測定対象物に反射して戻ってくるまでの時間に基づいて位置検出部30と測定対象物との間の距離を検出するレーザ距離計である。位置検出部30は、超音波を投射する超音波距離計等の他の距離計であってもよい。なお、位置検出部30は、測定対象物に反射して戻ってきたレーザビームの角度に基づいて位置検出部30と測定対象物との間の距離を検出するレーザ距離計であってもよい。さらに、位置検出部30は、赤外光を投射する距離計であってもよい。位置検出部30は、支持板13jの上側を向く面に取り付けられる。図1に示すように、位置検出部30は、制御部50と接続される。図示は省略するが、位置検出部30は、電源部23と接続され、電源部23から電力を供給される。本実施形態において、位置検出部30は、第1位置検出部30aと、第2位置検出部30bと、第3位置検出部30cと、を含む。なお、以下の説明では、「自動扉に対する本体部の位置」を単に「本体部の位置」と呼ぶ場合がある。
【0051】
図2に示すように、第1位置検出部30aは、支持板13jの第1方向D1の一方側(+D1側)の部分に取り付けられる。第1方向D1に見て、第1孔部15fは、第1位置検出部30aと重なる。第1位置検出部30aは、第1孔部15fを介して、第1方向D1の一方側に向けてレーザビームを投射し、本体部10と本体部10よりも第1方向D1の一方側に位置する測定対象物との間の第1方向D1の距離を検出する。図1に示すように、位置検出部30は、本体部10と測定対象物との間の第1方向D1の距離を示す信号である位置信号Sp1を制御部50に送信する。
【0052】
図2に示すように、第2位置検出部30bは、支持板13jの第2方向D2の一方側(+D2側)の部分に取り付けられる。第2方向D2に見て、第2孔部15gは、第2位置検出部30bと重なる。第2位置検出部30bは、第2孔部15gを介して、第2方向D2の一方側に向けてレーザビームを投射し、本体部10と本体部10よりも第2方向D2の一方側に位置する測定対象物との間の第2方向D2の距離を検出する。図1に示すように、位置検出部30は、本体部10と測定対象物との間の第2方向D2の距離を示す信号である位置信号Sp2を制御部50に送信する。
【0053】
図3に示すように、第3位置検出部30cは、支持板13jのうち、第2方向D2の他方側(-D2側)の部分に取り付けられる。第2方向D2に見て、第3孔部15hは、第3位置検出部30cと重なる。第3位置検出部30cは、第3孔部15hを介して、第2方向D2の他方側に向けてレーザビームを投射し、本体部10と本体部10よりも第2方向D2の他方側に位置する測定対象物との間の第2方向D2の距離を検出する。図1に示すように、位置検出部30は、本体部10と測定対象物との間の第2方向D2の距離を示す信号である位置信号Sp3を制御部50に送信する。
【0054】
走行位置検出部40は、被検知体9の走行位置を検出可能である。本実施形態において、走行位置検出部40は、図示しない撮像素子を備える撮像装置である。撮像素子は、CCDおよびCMOS等のイメージセンサである。図示は省略するが、走行位置検出部40は、電源部23と接続され、電源部23から電力を供給される。図2に示すように、走行位置検出部40は、第1駆動装置22aと第2駆動装置22bとの間に配置される。走行位置検出部40は、第2底板部14gに固定される。走行位置検出部40は、本体部10の第2方向D2の中央に配置される。走行位置検出部40は、床面を撮影する。図1に示すように、走行位置検出部40は、制御部50と接続される。床面の光学像は図示しない撮像素子によって映像信号である走行位置信号Srに変換され、制御部50に送信される。
【0055】
記憶部45は、位置検出部30の検出結果である位置信号Sp1,Sp2,Sp3を記憶する。本実施形態において、記憶部45は、図3に示す回路基板70に実装される。記憶部45としては、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリ等の記録媒体を例示できる。図1に示すように、記憶部45は、制御部50と接続される。記憶部45は、制御部50から送信される位置信号Sp1,Sp2,Sp3を記憶する。また、記憶部45は、記憶している位置信号Sp1,Sp2,Sp3を制御部50に送信する。
【0056】
操作部47は、電源部23から被検知体9の各部への電力供給の開始および停止を操作可能な入力装置である。図3に示すように、操作部47は、正面部15aの第1方向D1の他方側(-D1側)に配置された接続フレーム13mに取付けられる。これにより、操作部47は、検知センサ83が投射するマイクロ波の影響を受けることを抑制される。図1に示すように、操作部47は、制御部50と接続される。操作部47は、作業者の操作に基づいて、電源部23から被検知体9の各部への電力供給の開始を指示する電源オン信号Sn、および電源部23から被検知体9の各部への電力供給の停止を指示する電源オフ信号Sfを制御部50に送信する。操作部47は、電源オン信号Snおよび電源オフ信号Sfのそれぞれを入力可能な釦を有する装置であってもよいし、液晶パネル等の表示装置とタッチパッド等の入力装置を組み合わせた装置であってもよい。電源オン信号Snを受信した制御部50は、電源部23から被検知体9の各部への電力供給を開始する。電源オフ信号Sfを受信した制御部50は、電源部23から被検知体9の各部への電力供給を停止する。
【0057】
図1に示すように、通信部48は、扉開閉検出部60、電子計算機61、および遠隔操作部62のそれぞれと通信可能である。本実施形態において、通信部48は、無線の通信手段を介して、扉開閉検出部60、電子計算機61、および遠隔操作部62のそれぞれと通信可能な無線の送受信機である。通信部48は、制御部50と接続される。図示は省略するが、通信部48は、回路基板70に実装される。通信部48は、扉開閉検出部60から送信された扉開信号Soおよび扉閉信号Scを制御部50に送信可能である。通信部48は、電子計算機61から送信された第1指示信号S1を制御部に送信可能である。通信部48は、遠隔操作部62から送信された速度指示信号S2、方向指示信号S3、検出開始信号S4、およびモード切替信号Smのそれぞれを制御部50に送信可能である。通信部48は、制御部50から送信された位置信号Sp1,Sp2,Sp3を電子計算機61に送信可能である。
【0058】
制御部50は、駆動部20、位置検出部30、走行位置検出部40、記憶部45、操作部47、および通信部48のそれぞれと接続される。制御部50は、駆動部20、位置検出部30、走行位置検出部40、記憶部45、操作部47、および通信部48のそれぞれの動作を制御する。制御部50は、駆動部20および位置検出部30等の各部とケーブル等を介して接続されもよいし、無線の通信手段を介して接続されてもよい。制御部50は、通信部48を介して、扉開閉検出部60、電子計算機61、および遠隔操作部62のそれぞれと通信可能である。
【0059】
本実施形態において、制御部50は、駆動部20および位置検出部30等の被検知体9の各部の動作を制御するコンピュータである。制御部50には、各部の動作の制御を実行する制御プログラムがインストールされている。制御部50の各構成要素における機能の少なくとも一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが、図示しないメモリ部に記憶された制御プログラム、すなわちソフトウェアを実行することで実現される。
【0060】
なお、制御部50の各構成要素の機能の少なくとも一部は、例えば、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、およびGPU(Graphics Processing Unit)などの回路部を含むハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されていてもよい。制御部50は、図示しないメモリ部を備えてもよい。この場合、図示しないメモリ部は、例えば、RAM、ROM、HDD(hard disk drive)、およびフラッシュメモリなどの記憶媒体によって実現される。制御部50が駆動部20、位置検出部30等の各部の動作を制御する制御方法については、後段で詳細に説明する。
【0061】
図1に示すように、本実施形態において、扉開閉検出部60は、被検知体9と離れて配置される。本実施形態において、扉開閉検出部60は、無線の通信手段を介して、通信部48と通信可能な無線の送信機である。通信部48は、制御部50と接続される。扉開閉検出部60は、検知センサ83から送信された扉閉信号Scおよび扉開信号Soを通信部48に送信する。
【0062】
電子計算機61は、通信部48と通信可能である。電子計算機61は、例えば、CPU等のプロセッサ、RAM、ROM、HDD、およびフラッシュメモリなどの記憶媒体、LSI、ASIC、FPGA、およびGPUなどの回路部等を備え、記憶媒体に記憶されたソフトウェアを実行するパーソナルコンピュータである。電子計算機61は、作業者が入力した被検知体9の走行経路を指示する第1指示信号S1、被検知体9の走行速度を指示する速度指示信号S2、および位置検出部30に本体部10位置を検出させる検出開始信号S4を通信部48に送信可能である。制御部50は、第1指示信号S1および速度指示信号S2に基づいて駆動部20を制御し、検出開始信号S4に基づいて位置検出部30を制御する。これにより、電子計算機61は、被検知体9を遠隔操作可能である。また、制御部50は、位置検出部30の検出結果である位置信号Sp1,Sp2,Sp3を電子計算機61に送信可能である。
【0063】
遠隔操作部62は、被検知体9の各部を遠隔操作可能な操作装置である。作業者は、遠隔操作部62を操作することによって、被検知体9を遠隔操作できる。図5に示すように、遠隔操作部62には、釦B1~B7が設けられる。遠隔操作部62には、図示しない無線LAN送信器が内蔵される。これにより、遠隔操作部62は、無線LANを介して、作業者の操作に基づいた信号を通信部48に送信する。
【0064】
作業者が、釦B1、釦B2、および釦B3を押下すると、図1に示すように、遠隔操作部62は、被検知体9の走行速度を指示する速度指示信号S2を、通信部48を介して制御部50に送信する。これにより、作業者は、被検知体9の走行速度を制御できる。より詳細には、作業者が図5に示す釦B1を押下すると、被検知体9の走行速度を、例えば150[mm/sec]に制御でき、作業者が釦B2を押下すると、被検知体9の走行速度を、例えば50[mm/sec]に制御でき、作業者が釦B3を押下すると、被検知体9の走行を停止できる。これにより、遠隔操作部62は、駆動部20を遠隔操作可能である。
【0065】
作業者が、図5に示す釦B4、および釦B5を押下すると、図1に示すように、遠隔操作部62は、被検知体9の走行方向を指示する方向指示信号S3を、通信部48を介して制御部50に送信する。これにより、作業者は、被検知体9の走行方向を制御できる。より詳細には、作業者が図5に示す釦B4を押下すると、被検知体9の走行方向を第1方向D1から第2方向D2の他方側(-D2側)に傾いた方向に制御できる。作業者が釦B5を押下すると、被検知体9の走行方向を第1方向D1から第2方向D2の一方側(+D2側)に傾いた方向に制御できる。これにより、遠隔操作部62は、駆動部20を遠隔操作可能である。
【0066】
作業者が、図5に示す釦B6を押下すると、図1に示すように、遠隔操作部62は、位置検出部30に本体部10の位置を検出させる検出開始信号S4を、通信部48を介して制御部50に送信する。これにより、作業者は、位置検出部30の動作を制御できる。つまり、遠隔操作部62は、位置検出部30を遠隔操作可能である。
【0067】
本実施形態の被検知体9は、自動測定モードMaおよび手動測定モードMmの2つの測定モードで検知センサ83の検知範囲を測定可能である。自動測定モードMaでは、被検知体9は自動的に検知センサ83の検知範囲を測定する。手動測定モードMmでは、作業者による上述の遠隔操作部62の操作によって、駆動部20および位置検出部30が遠隔操作される。作業者が、図5に示す釦B7を押下すると、図1に示すように、遠隔操作部62は、測定モードを自動測定モードMaと手動測定モードMmとの間で切り替えるモード切替信号Smを、通信部48を介して制御部50に送信する。これにより、制御部50は、被検知体9によって検知センサ83の検知範囲を測定する際の測定モードを自動測定モードMaと手動測定モードMmとの間で切り替える。
【0068】
図1に示すように、自動測定モードMaにおいて、制御部50は、作業者があらかじめ電子計算機61に入力した被検知体9の走行経路を指示する第1指示信号S1に基づいて生成した走行調整信号Shを駆動部20に送信して、駆動部20を制御する。より詳細には、制御部50は、第1駆動装置22aおよび第2駆動装置22bの回転速度を制御する。これにより、被検知体9は、作業者が電子計算機61に入力した走行経路に基づいて自走できる。走行経路は、被検知体9によって検知センサ83の検知範囲を測定する際に、被検知体9が自走する経路である。例えば、走行経路は、後述する図4および図6のそれぞれに示す走行経路75である。
【0069】
自動測定モードMaにおいて、制御部50は、走行位置検出部40から送信される走行位置信号Srに基づいて生成した走行調整信号Shを駆動部20に送信して、駆動部20を制御する。より詳細には、制御部50は、第1駆動装置22aおよび第2駆動装置22bの回転速度を制御する。これにより、制御部50は、走行位置検出部40の検知結果に基づいて被検知体9の走行方向を調整できるため、被検知体9は、より精度よく走行経路を自走できる。走行位置検出部40から送信される走行位置信号Srに基づいて、駆動部20を制御する制御方法については、後段で詳細に説明する。
【0070】
他方、手動測定モードMmにおいて、制御部50は、遠隔操作部62から送信された速度指示信号S2および方向指示信号S3に基づいて生成した走行調整信号Shを駆動部20に送信して、駆動部20を制御する。これにより、被検知体9は、作業者による遠隔操作部62の操作に基づいて決められた走行経路を走行する。
【0071】
自動測定モードMaにおいて、制御部50は、扉開閉検出部60から送信される扉閉信号Scおよび扉開信号Soに基づいて生成した検出指示信号Sdを位置検出部30に送信して、位置検出部30を制御する。より詳細には、制御部50は、検知センサ83が被検知体9を検知した際に扉開閉検出部60を介して送信される扉開信号Soを受信すると、位置検出部30に本体部10の位置を検出させる。これにより、被検知体9は、検知センサ83が被検知体9を検知すると、自動的に本体部10の位置を検出できる。
【0072】
他方、手動測定モードMmにおいて、制御部50は、遠隔操作部62から送信された検出開始信号S4に基づいて生成した検出指示信号Sdを位置検出部30に送信して、位置検出部30を制御する。これにより、位置検出部30は、作業者が遠隔操作部62を操作したタイミングで、本体部10の位置を検出する。つまり、作業者は、遠隔操作部62を操作することによって、位置検出部30を遠隔操作できる。なお、位置検出部30による本体部10の位置の検出は、被検知体9を走行させながら行ってもよいし、被検知体9の走行を停止した後に行ってもよい。
【0073】
自動測定モードMaおよび手動測定モードMmの両方において、制御部50は、位置検出部30の検出結果である位置信号Sp1,Sp2,Sp3を受信すると、記憶部45に位置信号Sp1,Sp2,Sp3を送信し、記憶部45に記憶させる。
【0074】
自動測定モードMaおよび手動測定モードMmの両方において、制御部50は、検知センサ83の検知範囲の測定が終了すると、通信部48を介して、記憶部45が記憶する位置信号Sp1,Sp2,Sp3を電子計算機61に送信する。制御部50は、記憶部45が記憶する全ての位置信号Sp1,Sp2,Sp3をまとめて電子計算機61に送信してもよいし、何度かに分けて電子計算機61に送信してもよい。
【0075】
次に、本実施形態の検知範囲測定装置1によって、検知センサ83の検知範囲Ad1を測定する手順例1について説明する。手順例1において、検知センサ83の検知範囲Ad1を測定する測定モードは、自動測定モードMaであってもよいし、手動測定モードMmであってもよい。以下では、自動測定モードMaによって、検知センサ83の検知範囲Ad1を測定する場合について説明する。
【0076】
図4に示すように、手順例1において、自動扉80は、1枚の扉81が開閉方向(X軸方向)にスライド移動する片開き式自動扉である。開閉方向において、自動扉80は、第1壁部71aと第2壁部71bとの間に配置される。第1壁部71aと第2壁部71bは、人等が通行する通路の壁である。第1壁部71aおよび第2壁部71bのそれぞれは、前後方向(Y軸方向)に延びる。第1壁部71aは、自動扉80の右側(+X側)に配置される。第2壁部71bは、自動扉80の左側(-X側)に配置される。自動扉80は、扉81と、第1固定壁82aと、第2固定壁82bと、検知センサ83と、を備える。
【0077】
第1固定壁82aおよび第2固定壁82bのそれぞれは、鉛直方向(Z軸方向)に延びる板状である。第1固定壁82aおよび第2固定壁82bそれぞれの板面は、前後方向(Y軸方向)を向く。第1固定壁82aおよび第2固定壁82bのそれぞれは、第1壁部71aまたは図示しない床および天井等の構造物に固定される。第1固定壁82aおよび第2固定壁82bは、前後方向に間隔をあけて並んで配置され、扉81が閉まると、扉81が第1固定壁82aおよび第2固定壁82bの間に納まるように配置される。
【0078】
扉81は、鉛直方向に延びる板状である。扉81の板面は、前後方向(Y軸方向)を向く。扉81は、開閉方向(X軸方向)にスライド移動可能である。扉81が右側(+X側)に移動すると、第1固定壁82aおよび第2固定壁82bと、第2壁部71bとの間の空間である開口80aが開く。つまり、扉81が右側に移動すると自動扉80は開く。扉81が左側(-X側)に移動すると、開口80aが扉81によって閉じられる。つまり、扉81が左側に移動すると自動扉80は閉じる。
【0079】
検知センサ83は、自動扉80近傍の人または物を検知するセンサである。本実施形態において、検知センサ83は、マイクロ波を投射し、人等に反射して戻ってきたマイクロ波を検知する。検知センサ83は、赤外線を投射する赤外線センサ等の他のセンサであってもよい。検知センサ83が人等を検知すると、扉81は右側(+X側)に移動し、自動扉80は開く。検知センサ83が人等を検知しないと、扉81は左側(-X側)に移動し、自動扉80は閉じる。図示は省略するが、検知センサ83は、扉81よりも上側に配置される。開閉方向(X軸方向)において、検知センサ83は、開口80aの開閉方向の中央に配置される。図1に示すように、検知センサ83は、扉開閉検出部60と接続される。検知センサ83は扉閉信号Scおよび扉開信号Soを扉開閉検出部60に送信する。検知センサ83の検知範囲の測定において、検知センサ83は被検知体9を検知すると、扉開信号Soを扉開閉検出部60に送信する。扉開閉検出部60は、検知センサ83から送信された扉閉信号Scおよび扉開信号Soを通信部48に送信する。
【0080】
被検知体9による検知センサ83の検知範囲の測定の際には、位置検出部30はレーザビームを測定対象物に投射し、その反射光から距離を測定する。測定対象物は、図4に示す第1壁部71aや第2壁部71bなどの自動扉80周辺の構造物であっても良いが、構造物がレーザビームを透過するガラス等によって構成される場合、および構造物表面の反射率が低い場合は正確な距離が測定できない。そのため、位置検出部30が投射するレーザビームを反射する反射板72を配置する。反射板72は、第1反射板72aと、第2反射板72bと、第3反射板72cと、を有する。
【0081】
第1反射板72aおよび第2反射板72bのそれぞれは、前後方向(Y軸方向)に延びる板状である。第1反射板72aは、第1壁部71aの左側(-X側)に配置される。第1反射板72aは、第1壁部71aと開閉方向(X軸方向)に間隔をあけて配置されてもよいし、第1壁部71aと接触して配置されてもよい。第2反射板72bは、第2壁部71bの右側(+X側)に配置される。第2反射板72bは、第2壁部71bと開閉方向に間隔をあけて配置されてもよいし、第2壁部71bと接触して配置されてもよい。第3反射板72cは、開閉方向に延びる板状である。第3反射板72cは、扉81および第2固定壁82bの前側(-Y側)に配置される。第3反射板72cは、第2固定壁82bと開閉方向に間隔をあけて配置されてもよいし、第2固定壁82bと接触して配置されてもよい。
【0082】
図示は省略するが、鉛直方向(+Z軸方向)において、反射板72は、位置検出部30が投射するレーザビームを反射可能な位置に配置される。よって、位置検出部30が投射されたレーザビームは、反射板72において反射して位置検出部30に戻る。なお、位置検出部30が投射するレーザビームは、第1反射板72aの左側を向く面、第2反射板72bの右側を向く面、および第3反射板72cの前側を向く面において反射する。
【0083】
図4に示す自動扉80の原点Orと第1反射板72aの左側を向く面および第2反射板72bの右側を向く面のそれぞれとの間の開閉方向(X軸方向)の距離、および自動扉80の原点Orと第3反射板72cの前側を向く面との間の前後方向(Y軸方向)の距離のそれぞれは、あらかじめ測定されている。よって、位置検出部30によって検出される被検知体9と反射板72との間の距離の検出結果と、あらかじめ測定されている自動扉80の原点Orと反射板72との間の距離とによって、自動扉80の原点Orに対する本体部10の位置を算出できる。なお、本発明において、上述の「自動扉に対する本体部の位置」および「本体部の位置」は、「自動扉の原点に対する本体部の位置」である。位置信号Sp1,Sp2,Sp3は、自動扉80の原点Orに対する本体部10の位置を示す信号である。なお、開閉方向における自動扉80に対する本体部10の位置を検出可能であれば、第1反射板72aおよび第2反射板72bの一方は設けられなくてもよい。
【0084】
図4に示す目標検知範囲Atは、本実施形態の検知センサ83の検知範囲の目標範囲である。目標検知範囲Atは、自動扉80の近傍を通行する人等の安全性および自動扉80の利便性の観点等から適宜定められる。したがって、検知センサ83の検知範囲は、検知センサ83から見て目標検知範囲Atよりも外側であることが求められる。
【0085】
図4に示す走行経路75は、手順例1によって検知センサ83の検知範囲を測定する際に、被検知体9が走行する経路である。走行経路75は、測定経路76と、戻り経路77と、を有する。測定経路76は、検知センサ83の測定範囲を測定する際に被検知体9が走行する経路である。測定経路76は、第1測定経路76aと、第2測定経路76bと、を有する。
【0086】
第1測定経路76aは、開閉方向(X軸方向)に延びる経路である。第1測定経路76aの右側(+X側)の端部は始点75aであり、目標検知範囲Atよりも右側に位置する。第1測定経路76aの左側(-X側)の端部は終点75bであり、目標検知範囲Atと重なる。測定経路76は、複数個の第1測定経路76aを有する。本実施形態において、測定経路76は、4個の第1測定経路76aを有する。測定経路76が有する第1測定経路76aの個数は、例えば目標検知範囲Atのサイズ等によって適宜決めればよく、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。各第1測定経路76aは、前後方向(Y軸方向)に間隔をあけて配置される。各第1測定経路76aにおいて、被検知体9は始点75aと終点75bとの間を左側(-X側)に向けて走行する。各第1測定経路76aにおいて、検知センサ83が被検知体9を検知した際の本体部10の位置を検出することにより、検知センサ83の検知範囲Ad1の右側の部分を測定できる。
【0087】
第2測定経路76bは、前後方向(Y軸方向)に延びる経路である。第2測定経路76bの前側(-Y側)の端部は始点75aであり、目標検知範囲Atよりも前側に位置する。第2測定経路76bの後側(+Y側)の端部は終点75bであり、目標検知範囲Atと重なる。測定経路76は、複数個の第2測定経路76bを有する。本実施形態において、測定経路76は、4個の第2測定経路76bを有する。測定経路76が有する第2測定経路76bの個数は、例えば扉81の開閉方向(X軸方向)の寸法等によって適宜決めればよく、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。各第2測定経路76bは、開閉方向(X軸方向)に間隔をあけて配置される。各第2測定経路76bにおいて、被検知体9は始点75aと終点75bとの間を後側に向けて走行する。各第2測定経路76bにおいて、検知センサ83が被検知体9を検知した際の本体部10の位置を検出することにより、検知センサ83の検知範囲Ad1の前側の部分を測定できる。
【0088】
戻り経路77は、1つの測定経路の終点75bと他の測定経路の始点75aとを繋ぐ経路である。戻り経路77において、被検知体9は本体部10の位置を検出しない。戻り経路77は、第1戻り経路77aと、第2戻り経路77bと、第3戻り経路77cと、を有する。
【0089】
第1戻り経路77aは、第1測定経路76aの終点75bと、第1測定経路76aの始点75aとを接続する。本実施形態において、戻り経路77は、3個の第1戻り経路77aを有する。各第1戻り経路77aのそれぞれは、1個の第1測定経路76aを挟んで、前後方向(Y軸方向)に並んで配置される。
【0090】
第2戻り経路77bは、最も前側(-Y側)に配置される第1測定経路76aの終点75bと、最も右側(+X側)に配置される第2測定経路76bの始点75aとを繋ぐ。これにより、被検知体9は、第1測定経路76aから第2測定経路76bに走行可能である。
【0091】
第3戻り経路77cは、第2測定経路76bの終点75bと、第2測定経路76bの始点75aとを接続する。本実施形態において、戻り経路77は、3個の第3戻り経路77cを有する。各第3戻り経路77cのそれぞれは、1個の第2測定経路76bを挟んで、開閉方向(X軸方向)に並んで配置される。
【0092】
手順例1において、被検知体9は、最も後側(+Y側)に配置される第1測定経路76aの始点75aを出発すると、各第1測定経路76aと各第1戻り経路77aとを交互に通過した後、第2戻り経路77bを通過し、各第2測定経路76bと各第3戻り経路77cとを交互に通過した後、最も左側(-X側)に配置される第2測定経路76bの終点75bに達する経路を走行する。
【0093】
本実施形態において、測定経路76、戻り経路77、始点75a、および終点75bのそれぞれは、床面上に配置された図示しないシートに固定されたテープによって可視化される。測定経路76、戻り経路77、始点75a、および終点75bのそれぞれは、床面に直接固定されたテープによって可視化されてもよい。また、測定経路76、戻り経路77、始点75a、および終点75bのそれぞれは、図示しないシートにインク等を印刷等することによって可視化されてもよい。本実施形態において、測定経路76は青色のテープで構成され、戻り経路77は赤色のテープで構成され、始点75aは白色のテープで構成され、終点75bは灰色のテープで構成される。各テープを含む床面の光学像は、走行位置検出部40によって走行位置信号Srに変換され、制御部50に送信される。上述のように、制御部50は、走行位置信号Srに基づいて生成した走行調整信号Shを駆動部20に送信して、駆動部20を制御する。より詳細には、制御部50は、被検知体9が白色のテープ、すなわち始点75aに位置すると検知した場合、被検知体9に青色のテープ、すなわち測定経路76を走行させる。制御部50は、被検知体9が灰色のテープ、すなわち終点75bに位置すると検知した場合、被検知体9に赤色のテープ、すなわち戻り経路77を走行させる。また、制御部50は、被検知体9の位置が測定経路76および戻り経路77からずれていることを検知すると、第1駆動装置22aおよび第2駆動装置22bの回転速度を制御して、被検知体9の位置が測定経路76および戻り経路77と一致するように、被検知体9の走行方向を制御する。
【0094】
なお、被検知体9は、走行位置検出部40が撮影する床面に向けて発光する照明部を備えていてもよい。これにより、走行位置検出部40によって、上述の各テープをより精度よく検出できるため、被検知体9の走行方向をより精度よく調整できる。特に、自動扉80が暗い空間に設置される場合、および検知センサ83の検知範囲の測定を夜間に行う場合等において、被検知体9の走行方向をより精度よく調整できる。
【0095】
次に、手順例1において、被検知体9が検知センサ83の検知範囲Ad1を測定する手順について説明する。被検知体9が各第1測定経路76aを左側(-X側)に向けて走行している際に、検知センサ83が被検知体9を検知すると、自動扉80が開く。このとき、検知センサ83は、図1に示すように、扉開閉検出部60を介して制御部50に扉開信号Soを送信する。扉開信号Soを受信した制御部50は、検出指示信号Sdを位置検出部30に送信する。第1位置検出部30aは、本体部10と第2反射板72bとの間の開閉方向(X軸方向)の距離を検出し、第3位置検出部30cは、本体部10と第3反射板72cとの間の前後方向(Y軸方向)の距離を検出する。これらにより、被検知体9は自動扉80の原点Orに対する本体部10の位置を検出する。位置検出部30が、位置信号Sp1,Sp3を制御部50に送信すると、位置信号Sp1,Sp3は、記憶部45に記憶される。その後、被検知体9は、終点75bまで左側に向けて走行した後、第1戻り経路77aを通過して、次の第1測定経路76aの始点75aに達する。
【0096】
次に、図4に示すように、被検知体9は、各第2測定経路76bにおける検知センサ83の検知範囲の測定を行う。第2測定経路76bを後側(+Y側)に向けて走行している際に、検知センサ83が被検知体9を検知すると、上述の第1測定経路76aの場合と同様に、制御部50は、検出指示信号Sdを位置検出部30に送信する。第2位置検出部30bは、本体部10と第2反射板72bとの間の開閉方向(X軸方向)の距離を検出し、第1位置検出部30aは、本体部10と第3反射板72cとの間の前後方向(Y軸方向)距離を検出する。位置検出部30が、位置信号Sp1,Sp2を制御部50に送信すると、位置信号Sp1,Sp2は、記憶部45に記憶される。
【0097】
なお、各第1測定経路76aおよび各第2測定経路76bにおいて、検知センサ83の検知位置が、終点75bよりも内側の場合、検知センサ83の検知位置は測定されない。この場合、位置検出部30は、係る測定経路76における検知センサ83の検知位置が目標検知範囲Atよりも内側である旨の位置信号Sp1,Sp2,Sp3を生成して、制御部50に送信し、記憶部45には係る位置信号Sp1,Sp2,Sp3が記憶される。
【0098】
測定経路76における検知センサ83の検知位置の測定が終了すると、記憶部45に記憶されている全ての位置信号Sp1,Sp2,Sp3は、電子計算機61に送信される。作業者は、電子計算機61に送信された全ての位置信号Sp1,Sp2,Sp3に基づいて、検知センサ83の検知範囲を得ることができる。例えば、図4に示す検知範囲Ad1のように、検知センサ83の検知範囲が目標検知範囲Atよりも外側にある場合、検知センサ83の検知範囲の測定は終了する。他方、図4に示す検知範囲Ad2のように、検知センサ83の検知範囲の少なくとも一部が、目標検知範囲Atよりも内側にある場合、作業者は、検知センサ83の例えばマイクロ波の強度等を高める等の検知センサ83の調整を行うことによって、検知センサ83の検知範囲を広げる。その後、作業者は、上述の手順1にしたがって再度、検知センサ83の検知範囲の測定を行う。以後は、検知センサ83の検知範囲が目標検知範囲Atよりも外側になるまで、上述の検知センサ83の調整および手順1にしたがった検知センサ83の検知範囲の測定を行い、検知センサ83の検知範囲が、目標検知範囲Atよりも外側になると、検知センサ83の調整および検知センサ83の検知範囲の測定は終了する。
【0099】
図6は、本実施形態の検知範囲測定装置1の検知範囲測定の手順例2を示す図である。
次に、本実施形態の検知範囲測定装置1によって、検知センサ83の検知範囲を測定する手順例2について説明する。手順例2において、検知センサ83の検知範囲を測定する測定モードは、自動測定モードMaであってもよいし、手動測定モードMmであってもよい。以下では、手動測定モードMmによって、検知センサ83の検知範囲を測定する場合について説明する。
【0100】
図6に示すように、手順例2において、自動扉80は、2枚の扉81a,81bが開閉方向(X軸方向)にスライド移動する両開き式自動扉である。自動扉80は、2枚の扉81a,81bと、検知センサ83と、を備える。
【0101】
扉81a,81bは、鉛直方向に延びる板状である。扉81a,81bの板面は、前後方向を向く。扉81a,81bは、開閉方向(X軸方向)にスライド移動可能である。扉81a,81bは、開閉方向に対向して配置される。扉81aが左側(-X側)に移動し,扉81bが右側(+X側)に移動すると、開口80aは開き、自動扉80は開く。扉81aが右側に移動し,扉81bが左側に移動すると、開口80aは閉じ、自動扉80は閉じる。図示は省略するが、検知センサ83は、扉81よりも上側に配置される。開閉方向(X軸方向)において、検知センサ83は、原点Orの近傍に配置される。
【0102】
反射板72は、第1反射板72aと、第2反射板72bと、第3反射板72cと、を有する。第1反射板72aは、前後方向(Y軸方向)に延びる板状である。開閉方向(X軸方向)において、第1反射板72aは、検知センサ83と対向する位置に配置される。第2反射板72bおよび第3反射板72cのそれぞれは、開閉方向に延びる板状である。第2反射板72bは、扉81aの前側(-Y側)に配置される。第3反射板72cは扉81bの前側に配置される。位置検出部30が投射するレーザビームは、第1反射板72aの右側(+X側)を向く面および左側(-X側)を向く面、第2反射板72bの前側を向く面および第3反射板72cの前側を向く面において反射する。上述の手順1と同様に、自動扉80の原点Orと第1反射板72aの右側(+X側)を向く面および左側(-X側)を向く面それぞれとの間の開閉方向の距離、および自動扉80の原点Orと第2反射板72bの前側を向く面および第3反射板72cの前側を向く面との間の前後方向の距離のそれぞれは、予め測定されている。
【0103】
手順例2において、走行経路75は、測定経路76と、戻り経路77と、を有する。測定経路76は、第1測定経路76aと、第2測定経路76bと、第3測定経路76cと、第4測定経路76dと、を有する。
【0104】
第1測定経路76aは、開閉方向(X軸方向)に延びる経路である。本実施形態において、測定経路76は、3個の第1測定経路76aを有する。各第1測定経路76aにおいて、作業者は遠隔操作部62を操作することによって、始点75aと終点75bとの間を左側(-X側)に向けて被検知体9を走行させる。
【0105】
第2測定経路76bは、前後方向(Y軸方向)に延びる経路である。本実施形態において、測定経路76は、5個の第2測定経路76bを有する。各第2測定経路76bにおいて、作業者は遠隔操作部62を操作することによって、始点75aと終点75bとの間を後側(+Y側)に向けて被検知体9を走行させる。
【0106】
第3測定経路76cは、前後方向(Y軸方向)に延びる経路である測定経路76は、5個の第3測定経路76cを有する。各第3測定経路76cにおいて、作業者は遠隔操作部62を操作することによって、始点75aと終点75bとの間を後側(+Y側)に向けて被検知体9を走行させる。
【0107】
第4測定経路76dは、開閉方向(X軸方向)に延びる経路である。測定経路76は、3個の第4測定経路76dを有する。各第4測定経路76dにおいて、作業者は遠隔操作部62を操作することによって、始点75aと終点75bとの間を右側(+X側)に向けて被検知体9を走行させる。
【0108】
戻り経路77は、第1戻り経路77aと、第2戻り経路77bと、第3戻り経路77cと、第4戻り経路77dと、第5戻り経路77eと、第6戻り経路77fと、第7戻り経路77gと、を有する。作業者は、遠隔操作部62を操作することによって、被検知体9を戻り経路77に沿って走行させる。
【0109】
第1戻り経路77aは、第1測定経路76aの終点75bと、第1測定経路76aの始点75aとを接続する。第2戻り経路77bは、最も前側に配置される第1測定経路76aの終点75bと、最も右側(+X側)に配置される第2測定経路76bの始点75aとを繋ぐ。
【0110】
第3戻り経路77cは、第2測定経路76bの終点75bと、第2測定経路76bの始点75aとを接続する。第4戻り経路77dは、最も左側に配置される第2測定経路76bの終点75bと、最も右側に配置される第3測定経路76cの始点75aとを繋ぐ。
【0111】
第5戻り経路77eは、第3測定経路76cの終点75bと、第3測定経路76cの始点75aとを接続する。第6戻り経路77fは、最も左側に配置される第3測定経路76cの終点75bと、最も前側(-Y側)に配置される第4測定経路76dの始点75aとを繋ぐ。第7戻り経路77gは、第4測定経路76dの終点75bと、第4測定経路76dの始点75aとを接続する。
【0112】
次に、手順例2において、作業者が手動で検知センサ83の検知範囲を測定する方法について説明する。作業者が遠隔操作部62を操作して、被検知体9を各第1測定経路76aにおいて左側(-X側)に向けて走行させる際に、検知センサ83が被検知体9を検知すると自動扉80が開く。このとき、手動測定モードMmでは、作業者は、自動扉80が開いたこと確認すると、遠隔操作部62を操作して、図1に示すように、制御部50に検出開始信号S4を送信する。検出開始信号S4を受信した制御部50は、検出指示信号Sdを位置検出部30に送信する。これにより、図6に示すように、第1位置検出部30aは、本体部10と第1反射板72aとの間の開閉方向(X軸方向)の距離を検出し、第3位置検出部30cは、本体部10と第3反射板72cとの間の前後方向(Y軸方向)の距離を検出する。位置検出部30が、位置信号Sp1,Sp3を制御部50に送信すると、位置信号Sp1,Sp3は、記憶部45に記憶される。
【0113】
次に、作業者は、各第2測定経路76bにおける検知センサ83の検知範囲の測定を行う。作業者が遠隔操作部62を操作して、被検知体9を、第2測定経路76bにおいて後側(+Y側)に向けて走行させる際に、検知センサ83が被検知体9を検知して自動扉80が開くと、作業者は、遠隔操作部62を操作して、制御部50に検出開始信号S4を送信する。これにより、第2位置検出部30bは、本体部10と第1反射板72aとの間の開閉方向(X軸方向)の距離を検出し、第1位置検出部30aは、本体部10と第3反射板72cとの間の前後方向(Y軸方向)の距離を検出する。各第2測定経路76bにおける位置信号Sp1,Sp2は、記憶部45に記憶される。
【0114】
次に、作業者は、第3測定経路76cにおける検知センサ83の検知範囲の測定を行う。上述の第2測定経路76bと同様に、検知センサ83が被検知体9を検知して自動扉80が開くと、作業者は、遠隔操作部62を操作して、制御部50に検出開始信号S4を送信する。これにより、第3位置検出部30cは、本体部10と第1反射板72aとの間の開閉方向(X軸方向)の距離を検出し、第1位置検出部30aは、本体部10と第2反射板72bとの間の前後方向(Y軸方向)の距離を検出する。各第3測定経路76cにおける位置信号Sp1,Sp3は、記憶部45に記憶される。
【0115】
次に、作業者は、第4測定経路76dにおける検知センサ83の検知範囲の測定を行う。作業者が遠隔操作部62を操作して、被検知体9を、第4測定経路76dにおいて右側(+X側)に向けて走行させる際に、検知センサ83が被検知体9を検知して自動扉80が開くと、作業者は、遠隔操作部62を操作して、制御部50に検出開始信号S4を送信する。これにより、第1位置検出部30aは、本体部10と第1反射板72aとの間の開閉方向(X軸方向)の距離を検出し、第2位置検出部30bは、本体部10と第2反射板72bとの間の前後方向(Y軸方向)の距離を検出する。各第4測定経路76dにおける位置信号Sp1,Sp2は、記憶部45に記憶される。
【0116】
測定経路76における検知センサ83の検知位置の測定が終了すると、記憶部45に記憶されている全ての位置信号Sp1,Sp2,Sp3は、電子計算機61に送信され、検知センサ83の検知範囲の測定は終了する。以後は、上述の手順1と同様に、作業者は、検知センサ83の検知範囲が目標検知範囲Atよりも外側になるまで、上述の検知センサ83の調整および手順2にしたがった検知センサ83の検知範囲の測定を行い、検知センサ83の検知範囲が、目標検知範囲Atよりも外側になると、検知センサ83の調整および検知センサ83の検知範囲の測定は終了する。
【0117】
本実施形態によれば、被検知体9は、開閉制御される自動扉80に設けられた検知センサ83の検知範囲を測定する際に用いられ、検知センサ83の検知対象である被検知体9であって、駆動部20が取り付けられ、自走可能である本体部10と、自動扉80に対する本体部10の位置を検出可能な位置検出部30と、を備える。よって、駆動部20によって被検知体9が自走可能であるため、検知センサ83の検知範囲を測定する際に、作業者自身が被検知体9を移動させる作業が不要になる。したがって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業の作業性が向上するため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業時間を短縮できる。また、作業者自身が被検知体9を移動させる場合と比較して、被検知体9を安定して所望の速度で移動させることができるため、検知センサ83の検知範囲の測定精度を高めることができる。
【0118】
また、本実施形態では、検知センサ83が被検知体9を検知した際に、位置検出部30によって自動扉80に対する本体部10の位置を検出可能である。そのため、作業者自身が自動扉80に対する本体部10の位置を測定する作業が不要になる。したがって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業の作業性がより向上するため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業時間をより短縮できる。
【0119】
本実施形態によれば、被検知体9は、電源部23を備え、駆動部20は、本体部10に取り付けられる車輪21と、車輪21を駆動する駆動装置22と、を有し、駆動装置22には、電源部23から電力が供給される。よって、商用電源から電力を供給できない場所または商用電源から電力を供給しづらい場所に自動扉80が設置されている場合においても、電源部23から駆動装置22に電力を供給できるため、被検知体9によって検知センサ83の検知範囲を測定できる。したがって、被検知体9の利便性を高めることができる。
【0120】
また、本実施形態では、電源ケーブルを介して商用電源から駆動装置22に電力を供給する構成と比較して、走行する被検知体9が電源ケーブルに引っ掛かることおよび電源ケーブルに乗り上がることを抑制できる。これにより、被検知体9を安定して走行させることができる。したがって、被検知体9によって検知センサ83の検知範囲を安定して測定できる。
【0121】
本実施形態によれば、検知範囲測定装置1は、被検知体9と、被検知体9の走行位置を検出可能な走行位置検出部40と、を備え、被検知体9は、制御部50をさらに備える。制御部50は、走行位置検出部40の検出結果に基づいて駆動部20を制御して被検知体9の走行方向を調整する。よって、上述のように、自動測定モードMaにおいて、制御部50は、被検知体9の位置が測定経路76からずれていることを検知できるため、駆動部20を制御することによって、被検知体9の位置が測定経路76と一致するように、被検知体9の走行方向を調整できる。したがって、被検知体9によって、検知センサ83の検知位置を精度よく測定できるため、検知センサ83の検知範囲の測定精度をより好適に高めることができる。
【0122】
本実施形態によれば、検知範囲測定装置1は、位置検出部30の検出結果を記憶する記憶部45を備える。制御部50は、位置検出部30の検出結果を電子計算機61に送信可能であり、電子計算機61は、被検知体9を遠隔操作可能である。よって、電子計算機61に送信された位置検出部30の検出結果、すなわち位置信号Sp1,Sp2,Sp3を用いて、作業者は、電子計算機61において検知センサ83の検知範囲を作図できる。したがって、作業者が行う検知センサ83の検知範囲を作図する作業、および検知センサ83の検知範囲を記載した報告書等の文書を作成する作業の簡易化を図ることができる。
【0123】
また、本実施形態では、上述のように、制御部50は、作業者があらかじめ電子計算機61に入力した被検知体9の走行経路75を指示する第1指示信号S1基づいて生成した走行調整信号Shを駆動部20に送信して、駆動部20を制御できる。したがって、被検知体9および検知範囲測定装置1の利便性を高めることができる。
【0124】
本実形態によれば、検知範囲測定装置1は、位置検出部30の検出結果を記憶する記憶部45を備え、制御部50と通信可能な遠隔操作部62によって、駆動部20および位置検出部30のそれぞれが遠隔操作可能である。そのため、作業者は、遠隔操作部62を操作することによって、被検知体9を走行経路75に沿って自走させることができる。よって、JIS(日本産業規格)A1551の検出範囲試験の手順にしたがって検知センサ83の検知範囲を測定する際に、作業者自身が手動にて、被検知体9を例えば150[mm/sec]等の一定速度で検知センサ83に向けて移動させる作業、および検知センサ83が被検知体9を検出した位置において被検知体9を停止する作業が不要になる。よって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業の作業性が向上するため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業時間を短縮できる。
【0125】
また、本実施形態では、上述のように、制御部50は、検知センサ83が被検知体9を検知した際に扉開閉検出部60を介して送信される扉開信号Soを受信すると、位置検出部30に本体部10の位置を検出させる。よって、検知センサ83が被検知体9を検知すると自動的に位置検出部30によって自動扉80に対する本体部10の位置を検出できる。そのため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業において、作業者自身が自動扉80の開動作を目視で確認し、自動扉80が開いたタイミングで被検知体9の走行を停止する作業、および作業者自身が自動扉80に対する被検知体9の位置を測定する作業が不要になる。したがって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業の作業性がより向上するため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業時間をより短縮できる。
【0126】
また、本実施形態では、検知センサ83が被検知体9を検知して自動扉80が開いた際に、作業者が遠隔操作部62を操作すると、扉開信号Soを受信した位置検出部30が自動扉80に対する本体部10の位置を検出する。これにより、作業者自身が自動扉80に対する本体部10の位置を測定する作業が不要になる。したがって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業の作業性がより向上するため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業時間をより短縮できる。
【0127】
<第1変形例>
図7は、本実施形態の第1変形例の検知範囲測定装置101を示すブロック図である。
以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0128】
本変形例の扉開閉検出部160は、被検知体9と離れて配置される。本変形例の扉開閉検出部160は、自動扉80の開閉を検出する。より詳細には、扉開閉検出部160は、図4および図6に示す自動扉80の扉81の開閉を検出する。本変形例の扉開閉検出部160は、図示しない撮像素子を備える撮像装置である。撮像素子は、CCDおよびCMOS等のイメージセンサである。被検知体9によって検知センサ83の検知範囲を測定する際に、扉開閉検出部160は、扉81の近傍に配置される。扉開閉検出部160は、扉81を撮影し、扉81の光学像は図示しない撮像素子によって映像信号に変換される。扉開閉検出部160は、係る映像信号に基づいて、自動扉80の開閉を検出可能である。図7に示すように、扉開閉検出部160は、扉81が閉じていると検出すると扉閉信号Scを通信部48に送信する。扉開閉検出部160は、扉81が開いていると検出すると扉開信号Soを通信部48に送信する。本変形例の検知範囲測定装置101のその他の構成等は、上述の第1実施形態の検知範囲測定装置1のその他の構成等と同一である。
【0129】
本変形例の検知範囲測定装置101では、自動測定モードMaにおいて、制御部50は、扉開閉検出部160から送信される扉閉信号Scおよび扉開信号Soに基づいて生成した検出指示信号Sdを位置検出部30に送信して、位置検出部30を制御する。より詳細には、制御部50は、扉開閉検出部160が扉81の開動作を検出した際に送信される扉開信号Soを受信すると、位置検出部30に本体部10の位置を検出させる。これにより、検知センサ83が被検知体9を検知して自動扉80が開くと、被検知体9は自動的に本体部10の位置を検出できる。
【0130】
本変形例によれば、検知範囲測定装置101は、被検知体9と、自動扉80の開閉を検出可能な扉開閉検出部160と、を備える。制御部50は、扉開閉検出部160が自動扉80の開動作を検出すると、位置検出部30に自動扉80に対する被検知体9の位置を検出させる。よって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業において、扉開閉検出部160によって自動扉80の開動作を自動的に検出できる。また、扉開閉検出部160が自動扉80の開動作を検出すると自動的に位置検出部30によって自動扉80に対する本体部10の位置を検出できる。そのため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業において、作業者自身が自動扉80の開動作を目視で確認し、自動扉80が開いたタイミングで被検知体9の走行を停止する作業、および作業者自身が自動扉80に対する被検知体9の位置を測定する作業が不要になる。したがって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業の作業性がより向上するため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業時間をより短縮できる。
【0131】
本変形例によれば、制御部50は、扉開閉検出部160と通信可能であり、扉開閉検出部160は、被検知体9と離れて配置される。よって、扉開閉検出部160を、被検知体9と離れて、自動扉80の近傍に配置できるため、扉開閉検出部160が自動扉80の開動作を検出する検出精度を高めることができる。これにより、検知センサ83が被検知体9を検知したタイミングにより近いタイミングで、自動扉80に対する被検知体9の位置を検出できるため、検知センサ83の検知範囲の測定精度を高めることができる。
【0132】
<第2変形例>
図8は、本実施形態の第2変形例の検知範囲測定装置201を示すブロック図である。
図8に示すように、本変形例の検知範囲測定装置201の被検知体209は、扉開閉検出部235を備える。なお、本変形例の検知範囲測定装置201は、上述の第1実施形態の検知範囲測定装置1が備える扉開閉検出部60を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0133】
本変形例において、扉開閉検出部235は、被検知体209に取り付けられる。扉開閉検出部235は、制御部50と接続される。扉開閉検出部235は、自動扉80の開閉を検出する。本変形例において、扉開閉検出部235は、図示しない撮像素子を備える撮像装置である。撮像素子は、CCDおよびCMOS等のイメージセンサである。扉開閉検出部235は、自動扉80の扉81を撮影し、扉81の光学像は図示しない撮像素子によって映像信号に変換される。扉開閉検出部235は、係る映像信号に基づいて、自動扉80の開閉を検出可能である。扉開閉検出部235は、自動扉80が閉じていると検出すると扉閉信号Scを制御部50に送信する。扉開閉検出部235は、自動扉80が開いていると検出すると扉開信号Soを制御部50に送信する。扉開閉検出部235の鉛直方向(Z軸方向)に直交する方向の画角は、180[°]以上であることが好ましい。これにより、図4に示す手順1によって検知センサ83の検知範囲を測定する際に、被検知体209が開閉方向(X軸方向)および前後方向(Y軸方向)のどちらの方向に走行する場合においても、扉開閉検出部235によって自動扉80の開閉を検出できる。
【0134】
本変形例によれば、扉開閉検出部235は、被検知体209に取り付けられる。よって、扉開閉検出部が、被検知体209と別個に設けられる場合と比較して、検知センサ83の検知範囲を測定する際に、扉開閉検出部を自動扉80の近傍に配置する作業が不要になる。したがって、検知センサ83の検知範囲を測定する作業の作業性が向上するため、検知センサ83の検知範囲を測定する作業時間を短縮できる。
【0135】
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の検知範囲測定装置301を示すブロック図である。
図9に示すように、検知範囲測定装置301は、被検知体9と、電子計算機61と、遠隔操作部62と、検知センサ383と、被検知体通信部384と、を備える。本実施形態の被検知体9、電子計算機61、および遠隔操作部62のそれぞれの構成等は、上述の第1実施形態の被検知体9、電子計算機61、および遠隔操作部62のそれぞれの構成等と同一である。
【0136】
自動扉380は、図示しない扉と、検知センサ383と、被検知体通信部384と、を有する。すなわち、検知センサ383は、自動扉380に設けられる。検知センサ383は、被検知体通信部384と接続される。検知センサ383の検知範囲の測定において、検知センサ383は被検知体9を検知すると、扉開信号Soを被検知体通信部384に送信する。また、検知センサ383は、調整手段385を有する。本実施形態の検知センサ383の構成等は、上述の第1実施形態の検知センサ83の構成等と同一である。
【0137】
被検知体通信部384は、検知センサ383と接続される。被検知体通信部384は、被検知体9の通信部48と通信可能である。被検知体通信部384は、検知センサ383から送信される扉開信号Soを通信部48に送信する。通信部48は、検知センサ383の検知信号である扉開信号Soを受信可能である。上述の自動測定モードMaにおいて、制御部50は、検知センサ383から送信される扉開信号Soに基づいて生成した検出指示信号Sdを位置検出部30に送信して、位置検出部30に本体部10の位置を検出させる。これにより、被検知体9は、検知センサ383が被検知体9を検知すると、自動的に本体部10の位置を検出できる。
【0138】
また、被検知体通信部384は、通信部48を介して記憶部45から送信される位置信号Sp1,Sp2,Sp3を受信可能である。すなわち、通信部48は、位置検出部30の検出結果である位置信号Sp1,Sp2,Sp3を被検知体通信部384に送信可能である。被検知体通信部384は、位置信号Sp1,Sp2,Sp3に基づいて、調整信号Saを生成し、調整手段385に送信する。調整信号Saは、検知センサ383の検知範囲が目標検知範囲Atよりも外側にある場合は、検知センサ383の調整が不要であることを指示する信号である。また、調整信号Saは、検知センサ383の検知範囲の少なくとも一部が目標検知範囲Atよりも内側にある場合は、検知センサ383の調整が必要であることを指示する信号である。
【0139】
調整手段385は、調整信号Saに基づいて検知センサ383の検知条件を調整する。これにより、検知センサ383の検知範囲を調整可能である。検知センサ383の検知条件は、例えば、投射するマイクロ波の強度である。検知センサ83の検知条件は、マイクロ波の投射方向であってもよい。調整信号Saが検知センサ383の調整が不要であることを指示する信号である場合、調整手段385は、検知センサ383の検知条件の調整を行なってもよいし、行わなくてもよい。調整信号Saが検知センサ383の調整が必要であることを指示する信号である場合、調整手段385は、検知センサ383の検知条件の調整を行う。つまり、検知センサ83は、位置検出部30の検出結果である位置信号Sp1,Sp2,Sp3に基づいて検知範囲を調整可能である。
【0140】
本実施形態によれば、検知範囲測定装置301は、開閉制御される自動扉380に設けられた検知センサ383と、検知センサ383に接続された被検知体通信部384被検知体通信部384と、を備える。被検知体9は、被検知体通信部384と通信可能な通信部48を備え、通信部48は、検知センサ383の検知信号である扉開信号Soを受信可能であり、且つ、位置検出部30の検出結果である位置信号Sp1,Sp2,Sp3を被検知体通信部384に送信可能であり、検知センサ383は、位置検出部30の検出結果に基づいて検知範囲を調整可能である。よって、被検知体9が検知センサ383の検知範囲を測定した結果である位置信号Sp1,Sp2,Sp3に基づいて、検知センサ383は検知範囲を自動的に調整できる。そのため、検知センサ383の検知範囲を測定した結果、検知センサ383の検知範囲の少なくとも一部が目標検知範囲Atよりも内側にある場合、検知センサ383の検知範囲の調整を自動的に行うことができる。これにより、検知センサ383の検知範囲を調整する作業の簡易化を図ることができる。
【0141】
また、本実施形態では、被検知体9を検知した検知センサ383が、扉開信号Soを制御部50に送信するため、検知センサ383と別個に扉開閉検出部を設ける必要が無い。したがって、検知範囲測定装置301の構成の簡素化を図れるとともに、検知範囲測定装置301の製造コストが増大することを抑制できる。
【符号の説明】
【0142】
1,101,201,301…検知範囲測定装置、9,209…被検知体、10…本体部、20…駆動部、21…車輪、22…駆動装置、23…電源部、30…位置検出部、60,160,235…扉開閉検出部、40…走行位置検出部、45…記憶部、48…通信部、50…制御部、61…電子計算機、62…遠隔操作部、80,380…自動扉、83,383…検知センサ、384…被検知体通信部
図1
図2
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図9