(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171790
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】車両用空調装置
(51)【国際特許分類】
B60H 1/32 20060101AFI20241205BHJP
B60H 1/24 20060101ALI20241205BHJP
B60H 1/26 20060101ALI20241205BHJP
B60H 1/34 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B60H1/32 614B
B60H1/32 613M
B60H1/32 613E
B60H1/24 651
B60H1/26 651A
B60H1/32 613P
B60H1/32 613A
B60H1/34 631
B60H1/34 611Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089000
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 真一
(72)【発明者】
【氏名】中島 謙司
(72)【発明者】
【氏名】本田 英司
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA08
3L211AA09
3L211BA51
3L211BA55
3L211CA03
3L211CA05
3L211CA16
3L211DA04
3L211DA24
3L211DA30
3L211DA33
3L211DA96
(57)【要約】
【課題】体格を小型化し、重量を軽量化し、車両に容易に取り付け可能な車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置1は、空調ケース10、内気吸込口19、吹出開口部20、外気吸込口21、排気口22、内気通路23、外気通路27、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14、電動モータ15、圧縮機37、凝縮器35、膨張弁38、蒸発器31および冷媒配管39を備える。空調ケース10内において、内気通路23と外気通路27とは車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置されている。また、空調ケース10内において、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14、圧縮機37、凝縮器35および蒸発器31は、空調ケース10の厚み方向に重ならないように配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車両用空調装置において、
車室内(3)に取り付け可能な空調ケース(10)と、
前記空調ケースに設けられ、前記車室内の空気を吸入する内気吸込口(19)と、
前記空調ケースに設けられ、前記車室内に空気を吹き出す吹出開口部(20)と、
前記空調ケースに設けられ、車室外の空気を吸入する外気吸込口(21)と、
前記空調ケースに設けられ、前記車室外に空気を排出する排気口(22)と、
前記内気吸込口から吸い込まれた空気を前記吹出開口部へ流す内気通路(23)と、
前記外気吸込口から吸い込まれた空気を前記排気口へ流す外気通路(27)と、
前記内気通路の途中に設けられる内気用ブロワファン(13)と、
前記外気通路の途中に設けられる外気用ブロワファン(14)と、
前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンを駆動する電動モータ(15)と、
冷媒を吸入し圧縮して吐出する圧縮機(37)と、
前記圧縮機から吐出された冷媒を、前記外気通路を流れる空気との熱交換により凝縮させる凝縮器(35)と、
前記凝縮器から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(38)と、
前記膨張弁から流出した冷媒を、前記内気通路を流れる空気との熱交換により蒸発させる蒸発器(31)と、
前記圧縮機の冷媒吐出口と前記凝縮器と前記膨張弁と前記蒸発器と前記圧縮機の冷媒吸入口とをこの順で接続する冷媒配管(39)と、を備え、
前記空調ケース内において、前記内気通路と前記外気通路とは車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置されており、前記内気用ブロワファン、前記外気用ブロワファン、前記圧縮機、前記凝縮器および前記蒸発器は、前記空調ケースの厚み方向に重ならないように配置されている、車両用空調装置。
【請求項2】
車両搭載時における車両上下方向に垂直、且つ、前記空調ケースの厚み方向に垂直な方向を前記空調ケースの幅方向というとき、
前記内気吸込口は、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の一方側の部位に設けられ、
前記吹出開口部は、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられ、
前記内気通路は、前記空調ケースの幅方向に延びている、請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記外気吸込口は、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられ、
前記排気口も、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられ、
前記外気用ブロワファンは、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の一方側の部位に設けられ、
前記外気通路は、前記外気吸込口と前記外気用ブロワファンの吸込部とを連通する上流側外気通路(271)と、前記外気用ブロワファンの吹出部と前記排気口とを連通する下流側外気通路(272)とを有し、
前記凝縮器は、前記下流側外気通路に設けられ、
前記下流側外気通路の少なくとも一部は、前記上流側外気通路に対し、車両搭載時において前記車室外側に配置される、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記凝縮器は、冷媒が流れるチューブと、前記チューブの外壁に接続される複数のフィンを有するフィンアンドチューブ型熱交換器であり、
前記凝縮器は、車両上下方向から視て前記下流側外気通路の流路中心に対して斜めに配置され、前記凝縮器のうち前記外気用ブロワファン側の端部(351)が車両搭載時において前記車室外側に配置され、前記凝縮器のうち前記外気用ブロワファンとは反対側の端部(352)が車両搭載時において前記車室内側に配置される、請求項3に記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記空調ケースに設けられ、前記車室内の空気を前記上流側外気通路に流入させる換気用内気吸込口(46)と、
前記換気用内気吸込口と前記上流側外気通路との連通および遮断を切り替えると共に、前記外気吸込口と前記上流側外気通路との連通および遮断とを切り替える換気用ドア(47)をさらに備える、請求項3に記載の車両用空調装置。
【請求項6】
車両搭載時において、前記空調ケースは、前記車両のリアウィンドウ(4)の中央よりも車幅方向右側または左側の部位に取り付け可能である、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
車両搭載時において、前記外気吸込口と前記排気口は、前記車両のリアウィンドウから前記車室外に突出している、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記吹出開口部に接続される吹出ダクト(12)をさらに備え、
前記内気通路を流れる空調風は前記吹出開口部から前記吹出ダクトを経由して前記車室内に吹き出される、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項9】
前記吹出ダクトには、空調風を吹き出す向きと風量を調整可能な複数のグリル(24、25、26)が設けられている、請求項7に記載の車両用空調装置。
【請求項10】
前記電動モータは、前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンを同時に作動させる両軸電動モータ(151)であり、前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンと前記両軸電動モータとはそれぞれの回転軸心(CL)が一致している、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項11】
前記電動モータを駆動するモータ駆動用回路基板(152)をさらに備え、
前記モータ駆動用回路基板は、前記内気通路に設けられる、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項12】
車両搭載時において、前記圧縮機は、前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンに対し重力方向下側に配置される、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項13】
前記圧縮機は、電動機(40)と冷媒圧縮部(41)を有する電動圧縮機であり、
前記圧縮機の有する前記電動機に電力を供給するインバータ(42)をさらに備え、
車両搭載時において、前記インバータは、前記空調ケース内で前記圧縮機に対し前記車室外側に配置される、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項14】
車両搭載時において、前記圧縮機は、前記電動モータの回転軸心(CL_comp)が、前記内気用ブロワファン、前記外気用ブロワファンおよび前記電動モータの回転軸心に対し交差するように配置される、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【請求項15】
前記凝縮器の有する上流側のチューブから流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分けて貯留し、前記凝縮器の有する下流側のチューブへ液相冷媒のみを流す気液分離器(36)をさらに備え、
前記気液分離器は、前記凝縮器に対し前記外気用ブロワファンとは反対側に配置される、請求項1または2に記載の車両用空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用空調装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される車両用空調装置が知られている。
特許文献1に記載の空調装置は、トラックのキャビンのリアウィンドウ部に設けた取付パネルより車室外に圧縮機、凝縮器および外気用ブロワファンを配置し、その取付パネルより車室内に蒸発器および内気用ブロワファンを配置する構成である。なお、圧縮機、凝縮器および蒸発器などは冷媒配管で接続され、冷凍サイクルを構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の空調装置は、取付パネルの車両後方側に圧縮機、凝縮器および外気用ブロワファンを配置し、その取付パネルの車両前方側に蒸発器および内気用ブロワファンを配置しているので、車両前後方向の体格が大型化している。また、この空調装置は、リアウィンドウの略全面を塞ぐように設けられており、車幅方向の体格も大型化している。そのため、この空調装置は、キャビン内のベットスペースが非常に狭くなり居住性が悪化するといった問題、および、運転者がリアウィンドウから後方確認を行うことができなくなるといった問題がある。また、この空調装置は、例えば大型トラックのベッドレスキャビンや中型トラックなど、キャビン容積が狭い車両に搭載することは困難である。
【0005】
さらに、特許文献1に記載の空調装置は、リアウィンドウ部に設けた取付パネルや、空調装置の各構成部材をそれぞれ取り付けるための取付ステーなどの部品点数の増加により、重量が重くなる。そのため、この空調装置をトラックに搭載すると車両重量が増加し、その分、積荷の最大積載量が減少するといった問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載の空調装置は、圧縮機、凝縮器および外気用ブロワファンの取り付け作業を車室外から行い、さらに、蒸発器および内気用ブロワファンの取り付け作業を車室内で行わなければならない。そのため、車両への取付時間が長くかかるといった問題がある。また、この空調装置は、取付対象となるトラックに荷台が架装されている場合、車室外からの取り付け作業が出来ず、そのトラックに搭載することができない。また、この空調装置は、冷凍サイクルの各構成部材を取り付けた後、冷媒配管に冷媒を封入するといった専門的な技術が必要となり、車両に容易に取り付けることができない。
【0007】
本開示は上記点に鑑みて、体格を小型化し、重量を軽量化し、車両に容易に取り付け可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の1つの観点によると、車両に搭載される車両用空調装置は、
車室内(3)に取り付け可能な空調ケース(10)と、
空調ケースに設けられ、車室内の空気を吸入する内気吸込口(19)と、
空調ケースに設けられ、車室内に空気を吹き出す吹出開口部(20)と、
空調ケースに設けられ、車室外の空気を吸入する外気吸込口(21)と、
空調ケースに設けられ、車室外に空気を排出する排気口(22)と、
内気吸込口から吸い込まれた空気を吹出開口部へ流す内気通路(23)と、
外気吸込口から吸い込まれた空気を排気口へ流す外気通路(27)と、
内気通路の途中に設けられる内気用ブロワファン(13)と、
外気通路の途中に設けられる外気用ブロワファン(14)と、
内気用ブロワファンと外気用ブロワファンを駆動する電動モータ(15)と、
冷媒を吸入し圧縮して吐出する圧縮機(37)と、
圧縮機から吐出された冷媒を、外気通路を流れる空気との熱交換により凝縮させる凝縮器(35)と、
凝縮器から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(38)と、
膨張弁から流出した冷媒を、内気通路を流れる空気との熱交換により蒸発させる蒸発器(31)と、
圧縮機の冷媒吐出口と凝縮器と膨張弁と蒸発器と圧縮機の冷媒吸入口とをこの順で接続する冷媒配管(39)と、を備え、
空調ケース内において、内気通路と外気通路とは車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置されており、内気用ブロワファン、外気用ブロワファン、圧縮機、凝縮器および蒸発器は、空調ケースの厚み方向に重ならないように配置されている。
【0009】
これによれば、車両用空調装置は、空調ケース内で内気通路と外気通路を車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置し、冷凍サイクルの比較的大きい構成部材とブロワファンを空調ケースの厚み方向に重ならないように配置したことで、体格を小型化できる。そのため、この車両用空調装置を例えば大型トラックのキャビンのベッドスペースに搭載した場合、居住空間を確保し、且つ、リアウィンドウの全面を塞ぐことが無く、運転者がリアウィンドウから後方確認を行うことができる。また、この車両用空調装置は、例えば大型トラックのベッドレスキャビンや中型トラックなど、キャビン容積が狭い車両にも搭載できる。
【0010】
ところで、上記特許文献1に記載の空調装置は、リアウィンドウ部に設けた取付パネルを介して、車室外に圧縮機、凝縮器および外気用ブロワファンを取り付け、車室内に蒸発器および内気用ブロワファンを取り付ける構成である。それに対し、本開示の車両用空調装置は、冷凍サイクルの各構成部材を全て空調ケース内に格納した状態で車両に取り付ける構成である。そのため、特許文献1に記載の空調装置に比べて、本開示の車両用空調装置は、取付パネルや各構成部材それぞれの取付ステーなどの部品点数を減らし、軽量化できる。したがって、本開示の車両用空調装置を例えばトラックなどに搭載した場合、車両重量に与える影響が少なく、積荷の最大積載量の減少を抑制できる。
【0011】
また、この車両用空調装置は、圧縮機、凝縮器および外気用ブロワファンを空調ケース内に格納した状態で車室内に取り付けることで、車室外での取り付け作業が不要となり、車両への取付時間を大幅に短縮できる。また、この車両用空調装置は、取付対象となるトラックがキャブ付シャーシに限らず、荷台が架装されたものであっても、キャビンをティルトすることなく、安全かつ容易に短時間で取り付けできる。また、この車両用空調装置は、冷凍サイクルに冷媒を封入した状態で製品出荷できるため、車両に取り付ける際に冷媒封入などの専門的な技術が不要となり、車両に容易に取り付けできる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る車両用空調装置をトラックの車室内に搭載した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII方向において、車両用空調装置の側面と、吹出ダクトの断面と、トラックのベッドスペースの断面を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る車両用空調装置の側面図と、吹出ダクトの断面図と、トラックのベッドスペースの断面図であり、
図2に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1および
図2に示すように、本実施形態の車両用空調装置1(以下、「空調装置1」という)は、例えば、トラックのキャビン2の車室内3に取り付けられる。詳細には、空調装置1の備える空調ケース10は、車室内3のベッドスペースにおいてリアウィンドウ4の中央よりも車幅方向左側、即ち、右ハンドル車では助手席側に取り付けられる。なお、リアウィンドウ4は、バックプレートとも呼ばれる。
【0016】
図1では、車両における上方、下方、前方、後方、左側方、右側方を矢印で示している。以下、説明の便宜上、空調装置1がリアウィンドウ4に取り付けられた状態で、空調装置1の備える空調ケース10の上下方向が車両上下方向に略一致し、空調ケース10の厚み方向が車両前後方向に略一致するものとして説明する。また、説明の便宜上、空調ケース10の幅方向が車両左右方向、即ち、車幅方向に略一致するものとして説明する。空調ケース10の幅方向とは、車両上下方向に垂直、且つ、空調ケース10の厚み方向に垂直な方向をいう。また、説明の便宜上、空調ケース10の幅方向の一方側を車幅方向左側、空調ケース10の幅方向の他方側を車幅方向右側として説明する。
【0017】
図1~
図8に示すように、空調装置1は、空調ケース10、吹出ダクト12、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14、電動モータ15および冷凍サイクル16などを備えている。
【0018】
空調ケース10は、ベースケース17と意匠ケース18などで構成されている。ベースケース17は、車室外側、即ち、車両後方側に配置され、意匠ケース18は車室内3側、即ち、車両前方側に配置される。なお、本明細書において、車室外側とは、車室外に近い側(例えばリアウィンドウ4等の窓や壁面に近い側)を意味するものであり、車室内3側とは、車室内3の中央部に近い側(例えばリアウィンドウ4等の窓や壁面から遠い側)を意味するものである。空調ケース10には、内気吸込口19、吹出開口部20、外気吸込口21および排気口22が設けられている。内気吸込口19は意匠ケース18に設けられ、外気吸込口21と排気口22はベースケース17に設けられている。
【0019】
図1、
図3、
図4および
図6に示すように、内気吸込口19は、車室内の空気を空調ケース10内に吸い込むための開口部である。内気吸込口19は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の一方側の部位に設けられる。具体的には、内気吸込口19は、空調ケース10のうち中央よりも車幅方向左側の部位に車両前方を向いて設けられている。なお、
図3では、内気吸込口19の位置を一点鎖線で示している。
【0020】
吹出開口部20は、内気吸込口19から空調ケース10内に吸い込まれて、後述する内気通路23を通過した空気を車室内3に吹き出すための開口部である。吹出開口部20は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられる。具体的には、吹出開口部20は、空調ケース10のうち中央よりも車幅方向右側の部位に斜め上方を向いて設けられている。吹出開口部20には、吹出ダクト12が接続される。
【0021】
図1および
図2に示すように、吹出ダクト12は、吹出開口部20に接続される。吹出ダクト12は、吹出開口部20から吹き出される空調風を乗員の体の近くへ導くためのダクトである。内気通路23を流れる空調風は吹出開口部20から吹出ダクト12を経由して車室内3に吹き出される。吹出ダクト12は、リアウィンドウ4の上部に配置される。これにより、リアウィンドウ4の後方視認スペースを確保できる。
【0022】
図1に示すように、吹出ダクト12のうち吹出開口部20とは反対側の端部には、空調風を吹き出す向きと風量を調整可能な複数のグリル24、25、26が設けられている。具体的には、吹出ダクト12の流路軸が延びる方向の先端部に1個のグリル24が設けられ、吹出ダクト12の途中に2個のグリル25、26が設けられている。吹出ダクト12の先端部に設けられた1個のグリル24の向きを調整することで、ベッド5に横たわる乗員の上半身、および、運転席に着座する乗員の上半身に空調風を吹き出すことが可能である。吹出ダクト12の途中に設けられた2個のグリル25、26の向きを調整することで、ベッド5に横たわる乗員の上半身および下半身に空調風を吹き出すことが可能である。このように、空調装置1は、吹出ダクト12から吹き出される空調風により、乗員の周辺を集中的に空調できるので、消費電力が少なく、車両のメインバッテリーを電力源として作動する場合でも長時間使用できる。また、真夏日中の厳しい環境でも乗員が快適性を得ることができる。
【0023】
図2および
図3に示すように、外気吸込口21は、車室外の空気を空調ケース10内に吸い込むための開口部である。外気吸込口21は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられる。具体的には、外気吸込口21は、空調ケース10のうち中央よりも車幅方向右側の部位において、リアウィンドウ4から車室外に突出して設けられている。
【0024】
図2、
図3および
図5に示すように、排気口22は、外気吸込口21から空調ケース10内に吸い込まれて、後述する外気通路を通過した空気を車室外に排出するための開口部である。排気口22は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられる。具体的には、排気口22は、空調ケース10のうち中央よりも車幅方向右側の部位において、リアウィンドウ4から車室外に突出して設けられている。
【0025】
図3~
図7に示すように、空調ケース10内には内気通路23と外気通路27が設けられている。内気通路23は、内気吸込口19から吸い込まれた空気を吹出開口部20へ流す通路である。外気通路27は、外気吸込口21から吸い込まれた空気を排気口22へ流す通路である。
図3に示すように、空調ケース10内には内気通路23と外気通路27とを仕切る仕切壁28が設けられている。仕切壁28は、上下方向に傾斜または屈曲しつつ、空調ケース10の幅方向に延びている。したがって、空調ケース10内において内気通路23と外気通路27は、車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置されている。具体的には、空調ケース10内において、外気通路27に対し内気通路23は車両搭載時に車両上下方向上側に配置されている。
【0026】
図3、
図4および
図6に示すように、内気通路23は、上流側内気通路231と下流側内気通路232を有している。空調ケース10内において仕切壁28より上側の領域には、内気用ブロワケース29とエバポレータケース30が設けられている。上流側内気通路231は、内気用ブロワケース29とエバポレータケース30の外側に形成される通路である。下流側内気通路232は、内気用ブロワケース29とエバポレータケース30の内側に形成される通路である。ここで、上流側内気通路231は、空調ケース10内において、内気用ブロワケース29とエバポレータケース30の外側の比較的広い空間に形成されているので、そこを流れる空気の圧力損失を低減できる。また、下流側内気通路232は空調ケース10の幅方向に延びているので、そこを流れる空気の圧力損失を低減できる。
【0027】
図3、
図4および
図7に示すように、エバポレータケース30の内側には、冷凍サイクル16を構成する蒸発器31が設けられる。蒸発器31は、例えば、所定の間隔をあけて積層された複数の冷媒通路を冷媒が流れ、その冷媒通路同士の隙間を空気が流れるように構成された積層型熱交換器が採用される。
【0028】
図3、
図4および
図6に示すように、内気用ブロワケース29の内側には、内気用ブロワファン13が設けられる。即ち、内気用ブロワファン13は、内気通路23の途中に設けられている。内気用ブロワファン13は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の一方側の部位、即ち、車幅方向左側に設けられている。内気用ブロワファン13は、例えば、遠心ファンが採用される。内気用ブロワケース29に設けられたベルマウス291は、内気用ブロワファン13の吸込部に相当する。内気用ブロワファン13の有する複数の翼の後縁を周方向に結んだ円筒面は、内気用ブロワファン13の吹出部に相当する。
【0029】
内気用ブロワファン13が回転すると、車室内の空気が内気吸込口19から空調ケース10内の上流側内気通路231に吸い込まれる。その空気は内気用ブロワケース29に設けられたベルマウス291から内気用ブロワファン13の内側に吸い込まれた後、内気用ブロワファン13の径方向外側に吹き出される。そして、その空気は、下流側内気通路232を通り、蒸発器31を通過した後、空調風となって吹出開口部20から吹出ダクト12を通って車室内3に吹き出される。
【0030】
図3、
図5、
図6および
図7に示すように、外気通路27は、上流側外気通路271と下流側外気通路272を有している。空調ケース10内において仕切壁28より下側の領域には、上流側外気通路ケース32とコンデンサケース33と外気用ブロワケース34が設けられている。上流側外気通路ケース32は、コンデンサケース33の上側および車室内3側(即ち、車両前方側)と外気用ブロワケース34の外側に設けられている。上流側外気通路271は、上流側外気通路ケース32の内側、且つ、外気用ブロワケース34とコンデンサケース33の外側に形成される通路である。下流側外気通路272は、コンデンサケース33と外気用ブロワケース34の内側に形成される通路である。
図5に示すように、上流側外気通路271の少なくとも一部は、下流側外気通路272に対し、車両搭載時において車室内3側、即ち、車両前方側に配置される。言い換えれば、下流側外気通路272の少なくとも一部は、上流側外気通路271に対し、車両搭載時において車室外側、即ち、車両後方側に配置される。
【0031】
ここで、外気通路27は上流側外気通路271と下流側外気通路272により略U字状になる。上流側外気通路271は空調ケース10の幅方向に延びているので、そこを流れる空気の圧力損失を低減できる。また、下流側外気通路272も空調ケース10の幅方向に延びているので、そこを流れる空気の圧力損失を低減できる。
【0032】
図3、
図5および
図7に示すように、コンデンサケース33の内側には、冷凍サイクル16を構成する凝縮器35が設けられる。凝縮器35は、例えば、冷媒が流れるチューブと、チューブの外壁に接続される複数のフィンを有するフィンアンドチューブ型熱交換器が採用される。凝縮器35は、車両上下方向から視て下流側外気通路272の流路中心に対して斜めに配置されている。詳細には、凝縮器35のうち外気用ブロワファン14側の端部351が車両搭載時において車室外側、即ち、車両後方側に配置され、凝縮器35のうち外気用ブロワファン14とは反対側の端部352が車両搭載時において車室内3側、即ち、車両前方側に配置される。これにより、空調装置1の体格を小型化すると共に、凝縮器35を通過する空気の圧力損失を低減できる。
【0033】
凝縮器35のうち外気用ブロワファン14とは反対側の端部352には、気液分離器としてのモジュレータ36が設けられている。モジュレータ36は、凝縮器35の有する上流側のチューブから流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分けて貯留し、凝縮器35の有する下流側のチューブへ液相冷媒のみを流す液貯めである。モジュレータ36は、コンデンサケース33のうち下流側外気通路272から外側に突出した箇所において、風流れの殆ど無い箇所に設けられている。そのため、下流側外気通路272を流れる空気の圧力損失を低減できる。
【0034】
図3、
図5および
図6に示すように、外気用ブロワケース34の内側には、外気用ブロワファン14が設けられる。即ち、外気用ブロワファン14は、外気通路27の途中に設けられている。外気用ブロワファン14は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の一方側の部位、即ち、車幅方向左側に設けられている。外気用ブロワファン14は、例えば、遠心ファンが採用される。外気用ブロワケース34に設けられたベルマウス341は、外気用ブロワファン14の吸込部に相当する。外気用ブロワファン14の有する複数の翼の後縁を周方向に結んだ円筒面は、外気用ブロワファン14の吹出部に相当する。
【0035】
外気用ブロワファン14が回転すると、車室外の空気が外気吸込口21から空調ケース10内の上流側外気通路271に吸い込まれる。その空気は外気用ブロワケース34に設けられたベルマウス341から外気用ブロワファン14の内側に吸い込まれた後、外気用ブロワファン14の径方向外側に吹き出される。そして、その空気は、下流側外気通路272を通り、凝縮器35を通過した後、排気口22から車室外に排出される。
【0036】
図3および
図6に示すように、内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14との間には、電動モータ15と、その電動モータ15を駆動するモータ駆動用回路基板152が設けられている。なお、
図6では、電動モータ15とモータ駆動用回路基板152を一体に図示している。電動モータ15とモータ駆動用回路基板152は、仕切壁28より上方の内気通路23に設けられている。
【0037】
内気用ブロワファン13の回転軸心CLと外気用ブロワファン14の回転軸心CLと電動モータ15の回転軸心CLとは一致しており、車両搭載時において車両上下方向に延びている。電動モータ15には、両軸電動モータ151が用いられる。両軸電動モータ151は、回転軸心CLの一方側と他方側の両方にシャフト153、154が延びている。シャフト153、154のうち両軸電動モータ本体から車両上方に延びる部位153に内気用ブロワファン13が固定され、シャフト153、154のうち両軸電動モータ本体から車両下方に延びる部位154に外気用ブロワファン14が固定されている。両軸電動モータ151は、内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14を同時に回転駆動させることが可能である。
【0038】
図3~
図8に示すように、空調ケース10の内側には、冷凍サイクル16が設けられている。冷凍サイクル16は、圧縮機37、凝縮器35、モジュレータ36、膨張弁38、蒸発器31などが冷媒配管39で接続されて冷媒が循環するように構成された蒸気圧縮式冷凍サイクルである。なお、
図3~
図7では、膨張弁38および冷媒配管39の図示を省略している。冷凍サイクル16を循環する冷媒として、例えばHFC系冷媒(例えば、R134a)またはHFO系冷媒(例えば、R1234yf)等が用いられる。なお、冷媒として、自然冷媒(例えば、二酸化炭素)等を用いてもよい。
図8の矢印RFは、冷媒配管39内を冷媒が流れる方向を示している。
【0039】
図3、
図6および
図8に示すように、圧縮機37は、電動機40および冷媒圧縮部41などを有する電動圧縮機である。電動機40は、インバータ42からの電力供給により回転駆動する。冷媒圧縮部41は、電動機40により駆動され、冷媒吸入口43から吸入した冷媒を圧縮し、冷媒吐出口44から吐出する。車両搭載時において、圧縮機37は、内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14に対し重力方向下側に配置される。圧縮機37は、空調ケース10に対し、圧縮機保持ブラケット45により固定されている。また、車両搭載時において、圧縮機37は、電動モータ15および冷媒圧縮部41の回転軸心CL_compが、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14および両軸電動モータ151の回転軸心CLに対し交差するように、具体的には略水平になるように配置されている。車両搭載時において、インバータ42は、空調ケース10内において圧縮機37に対し車室外側、即ち、車両後方側に配置される。
【0040】
圧縮機37の冷媒吐出口44から吐き出された高温高圧の冷媒は、凝縮器35に流入する。凝縮器35は、冷媒と空気との熱交換を行う熱交換器である。凝縮器35を流れる冷媒は、外気通路27を流れる空気に放熱して凝縮する。なお、凝縮器35の有する上流側のチューブから流出した冷媒は、モジュレータ36に流入して気相冷媒と液相冷媒とに分離され、その液相冷媒のみが凝縮器35の有する下流側のチューブへ流れ、過冷却される。
【0041】
凝縮器35の下流側のチューブから流出した冷媒は、膨張弁38を通過する際に減圧されて膨張し、気液二相状態となって蒸発器31に流入する。膨張弁38として、温度式膨張弁または電子膨張弁などの可変絞り、或いは固定絞りなどを使用してもよい。
【0042】
蒸発器31は、冷媒と空気との熱交換を行う熱交換器である。蒸発器31を流れる冷媒は、内気通路23を流れる空気から吸熱して蒸発する。そのため、内気通路23を流れる空気は蒸発器31を通過する際に冷却され、空調風となる。蒸発器31から流出した冷媒は、圧縮機37の冷媒吸入口43に吸い込まれる。
【0043】
上述した冷凍サイクル16を構成する圧縮機37、凝縮器35および蒸発器31と、内気用ブロワファン13および外気用ブロワファン14とは、空調ケース10の厚み方向に重ならないように配置されている。空調装置1は、空調ケース10内で内気通路23と外気通路27を車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置し、冷凍サイクル16の比較的大きい構成部材とブロワファンを空調ケース10の厚み方向に重ならないように配置したことで、体格を小型化できる。
【0044】
空調装置1の製造工程は、空調ケース10の有するベースケース17に対し、上述した冷凍サイクル16の各構成と、内気通路23および外気通路27を形成する各ケース29、30、32、33、34と、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14、電動モータ15を組み付ける。そして、冷凍サイクル16の冷媒配管39に冷媒を注入した後、ベースケース17と意匠ケース18を組み付けた状態で空調装置1は製品出荷される。
【0045】
空調装置1を車両に搭載する際、リアウィンドウ4を車両専用のバックプレートに交換し、車両専用のアタッチメントを使用して、空調装置1を車両に取り付けることが可能である。空調装置1は、車室内3で行う作業のみで車両に設置することが可能である。
【0046】
以上説明した第1実施形態の空調装置1は、次の作用効果を奏するものである。
(1)本実施形態の空調装置1は、空調ケース10内において、内気通路23と外気通路27とが車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置されている。また、空調ケース10内において、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14、圧縮機37、凝縮器35および蒸発器31が、空調ケース10の厚み方向に重ならないように配置されている。
これにより、空調装置1は、空調ケース10の厚み方向の体格を小型化できる。そのため、この空調装置1を例えば大型トラックのキャビン2のベッドスペースに搭載した場合、居住空間を確保し、且つ、リアウィンドウ4の全面を塞ぐことが無く、運転者がリアウィンドウ4から後方確認を行うことができる。また、この空調装置1は、例えば大型トラックのベッドレスキャビンや中型トラックなど、キャビン内の容積が狭い車両にも搭載できる。
【0047】
ところで、上記特許文献1に記載の空調装置は、リアウィンドウ部に設けた取付パネルを介して、車室外に圧縮機、凝縮器および外気用ブロワファンを取り付け、車室内に蒸発器および内気用ブロワファンを取り付ける構成である。それに対し、本実施形態の空調装置1は、冷凍サイクル16の各構成部材を全て空調ケース10内に格納した状態で車両に取り付ける構成である。そのため、特許文献1に記載の空調装置に比べて、本実施形態の空調装置1は、取付パネルや各構成部材それぞれの取付ステーなどの部品点数を減らし、軽量化できる。したがって、本実施形態の空調装置1を例えばトラックなどに搭載した場合、車両重量に与える影響が少なく、積荷の最大積載量の減少を抑制できる。
【0048】
また、本実施形態の空調装置1は、圧縮機37、凝縮器35および外気用ブロワファン14を空調ケース10内に格納した状態で車室内3に取り付けることで、車室外での取り付け作業が不要となり、車両への取付時間を大幅に短縮できる。また、この空調装置1は、取付対象となるトラックがキャブ付シャーシに限らず、荷台が架装されたものであっても、キャビン2をティルトすることなく、安全かつ容易に短時間で取り付けできる。また、この空調装置1は、冷凍サイクル16に冷媒を封入した状態で製品出荷できるため、車両に取り付ける際に冷媒封入などの専門的な技術が不要となり、車両に容易に取り付けできる。
【0049】
(2)本実施形態では、内気吸込口19は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の一方側の部位に設けられている。吹出開口部20は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられている。そして、内気通路23は、空調ケース10の幅方向に延びている。
これによれば、内気通路23を一筆書きのように風が流れ、内気通路23を流れる空気の圧力損失を低減できる。そのため、内気用ブロワファン13の送風効率を向上し、電動モータ15の消費電力を低減できる。
【0050】
(3)本実施形態では、外気吸込口21と排気口22はいずれも、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられている。外気用ブロワファン14は、空調ケース10のうち中央よりも幅方向の一方側の部位に設けられている。上流側外気通路271の少なくとも一部は、下流側外気通路272に対し、車両搭載時において車室内3側に配置されている。
これによれば、外気通路27がU字状になり、上流側外気通路271と下流側外気通路272それぞれを流れる空気の圧力損失を低減できる。そのため、外気用ブロワファン14の送風効率を向上し、電動モータ15の消費電力を低減できる。
また、凝縮器35が設けられる下流側外気通路272に対し、上流側外気通路271を車室内3側に配置することで、凝縮器35を流れる冷媒の熱が車室内3の乗員に伝わることを抑制できる。
【0051】
(4)本実施形態では、凝縮器35は、フィンアンドチューブ型熱交換器が採用されており、車両上下方向から視て、下流側外気通路272の流路中心に対して斜めに配置されている。詳細には、凝縮器35のうち外気用ブロワファン14側の端部351が車両搭載時において車室外側に配置され、凝縮器35のうち外気用ブロワファン14とは反対側の端部352が車両搭載時において車室内3側に配置されている。
これによれば、凝縮器35を斜めに配置することで、空調装置1の体格を小型化でき、さらに、下流側外気通路272において凝縮器35を通過する空気の圧力損失を低減できる。そのため、外気用ブロワファン14の送風効率を向上し、電動モータ15の消費電力を低減できる。
【0052】
(5)本実施形態では、車両搭載時において、空調ケース10は、車両のリアウィンドウ4の中央よりも車幅方向左側の部位に取り付けられている。
ところで、上記特許文献1に記載の空調装置は、体格が大きいため、大型トラックのリアウィンドウ部の略全範囲を覆うと共に車室内に大きく張り出して取り付けられる。そのため、乗員がベッドスペースで就寝する際に上半身に干渉するため、居住性が悪い。また、乗員が運転席からベッドスペースに移動する際の動線が狭くなる。また、上記特許文献1に記載の空調装置は、運転者がリアウィンドウから後方確認を行うことができない。さらに、上記特許文献1に記載の空調装置は、例えば大型トラックのベッドレスキャビンや中型トラックなど、キャビン内の容積が狭い車両には取り付けできない。
それに対し、本実施形態の空調装置1は、オールインワンパッケージ化により体格が小型化されているので、大型トラックのリアウィンドウ4の中央よりも車幅方向左側または右側の部位に取り付け可能である。そのため、乗員がベッドで就寝する際の居住空間を確保できる。また、乗員が運転席からベッドスペースに移動する際の動線が狭くなることがない。また、本実施形態の空調装置1は、リアウィンドウ4の一部のみを覆う構成であるので、リアウィンドウ4に後方視認スペースを確保でき、運転者がリアウィンドウ4から後方確認を行うことができる。さらに、本実施形態の空調装置1は、例えば大型トラックのベッドレスキャビンや中型トラックなど、キャビン内の容積が狭い車両に対しても取り付け可能である。
【0053】
(6)本実施形態では、車両搭載時において、外気吸込口21と排気口22が、車両のリアウィンドウ4から車室外に突出している。
これによれば、外気吸込口21から外気通路27に外気を取り入れることができる。また、排気口22から車室外に排気できる。
【0054】
(7)本実施形態の空調装置1は、吹出開口部20に接続される吹出ダクト12を備えている。内気通路23を流れる空調風は吹出開口部20から吹出ダクト12を経由して車室内3に吹き出される。
ところで、上記特許文献1に記載の空調装置は、キャビン全体を空調するため、消費電力が大きい。そのため、車両のメインバッテリーを電力源として作動する場合、長時間使用できない。また、消費電力を低減するため冷房能力を抑制すると乗員が暑く感じるため、快適性を得られない。
それに対し、本実施形態の空調装置1は、吹出ダクト12から吹き出される空調風により、乗員の周辺を集中的に空調できるので、消費電力が少なく、車両のメインバッテリーを電力源として作動する場合でも長時間使用できる。また、真夏日中の厳しい環境でも乗員が快適性を得ることができる。
なお、吹出ダクト12は、リアウィンドウ4の上部もしくは下部に配置することで、リアウィンドウ4の後方視認スペースを確保できる。
【0055】
(8)本実施形態では、吹出ダクト12には、空調風を吹き出す向きと風量を調整可能な複数のグリル24、25、26が設けられている。
これによれば、吹出ダクト12に設けた複数のグリル24、25、26を調整することで、運転者が運転席で休憩するシーンとベッド5で休憩するシーンの両方において、運転者の周辺を集中的に空調できる。
【0056】
(9)本実施形態では、内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14を同時に作動させる両軸電動モータ151が採用されている。内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14と両軸電動モータ151とはそれぞれの回転軸心CLが一致している。
ところで、上記特許文献1に記載の空調装置は、内気用ブロワファンを作動させる電動モータと、外気用ブロワファンを作動させる別の電動モータを備えている。そのため、空調装置の体格が大型化し、重量が増大し、製造コストが増大するといった問題がある。
それに対し、本実施形態の空調装置1は、内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14を同時に作動させる両軸電動モータ151を活用することで、電動モータ15の数を減らすことが可能である。したがって、体格を小型化し、重量を低減し、製造コストを低減できる。
さらに、両軸電動モータ151の使用に伴い、回転軸心CLの一方と他方の両方から風を吸い込むブロワファンを使用することで、送風効率を向上し、両軸電動モータ151の消費電力を低減できる。
【0057】
(10)本実施形態では、モータ駆動用回路基板152は、内気通路23に設けられる。
これによれば、外気吸込口21から雨などが外気吸込口21から外気通路27に浸入した場合でも、モータ駆動用回路基板152が水濡れすることを防ぐことができる。
【0058】
(11)本実施形態では、車両搭載時において、圧縮機37は、内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14に対し重力方向下側に配置される。
これによれば、冷凍サイクル16の各構成部材のうち重量の大きい圧縮機37を重力方向下側に配置することで、重心位置を低くして、空調ケース10の振動を抑制できる。
【0059】
(12)本実施形態では、圧縮機37の有する電動機40に電力を供給するインバータ42は、空調ケース10内で圧縮機37に対し車室外側に配置される。
これによれば、インバータ42から発生する騒音が車室内3の乗員に伝わることを抑制できる。
【0060】
(13)本実施形態では、車両搭載時において、圧縮機37は、電動モータ15の回転軸心CL_compが、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14および両軸電動モータ151の回転軸心CLに対し交差するように配置されている。
これによれば、一般に、圧縮機37は、電動モータ15の回転軸心CL_compの延びる方向の体格が大きい。そのため、圧縮機37は、電動モータ15の回転軸心CL_compを内気用ブロワファン13等の回転軸心CLに対し交差する方向に配置することで、空調装置1の体格を小型化できる。
【0061】
(14)本実施形態では、気液分離器としてのモジュレータ36は、凝縮器35に対し外気用ブロワファン14とは反対側に配置されている。
これによれば、外気通路27を流れる空気の圧力損失を低減できる。そのため、外気用ブロワファン14の送風効率を向上し、電動モータ15の消費電力を低減できる。
【0062】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して車室内3換気ができるように外気通路27の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
図9および
図10に示すように、第2実施形態では、空調ケース10に換気用内気吸込口46が設けられている。詳細には、換気用内気吸込口46は、空調ケース10のうち車幅方向右側を向く面に設けられている。換気用内気吸込口46は、上流側外気通路271に連通している。換気用内気吸込口46は、車室内の空気を上流側外気通路271に流入させるための開口部である。
【0064】
また、上流側外気通路271内には、換気用ドア47が設けられている。換気用ドア47は、換気用内気吸込口46と上流側外気通路271との連通および遮断を切り替えると共に、外気吸込口21と上流側外気通路271との連通および遮断とを切り替えることが可能である。
【0065】
具体的には、換気用ドア47は、
図10の実線471の位置にあるとき、換気用内気吸込口46と上流側外気通路271とを連通し、外気吸込口21と上流側外気通路271とを遮断する。この状態で、外気用ブロワファン14が回転すると、車室内の空気が換気用内気吸込口46から上流側外気通路271に吸い込まれ、その空気は、外気用ブロワファン14から下流側外気通路272を通り、排気口22から車室外に排出される。したがって、車室内の空気の換気を行うことができる。
【0066】
一方、換気用ドア47は、
図10の破線472の位置にあるとき、換気用内気吸込口46と上流側外気通路271とを遮断し、外気吸込口21と上流側外気通路271とを連通する。この状態で、外気用ブロワファン14が回転すると、第1実施形態と同様に、車室外の空気が外気吸込口21から上流側外気通路271に吸い込まれ、その空気は、外気用ブロワファン14から下流側外気通路272を通り、排気口22から車室外に排出される。
【0067】
以上説明した第2実施形態の空調装置1は、第1実施形態で説明した作用効果に加え、次の作用効果を奏するものである。
第2実施形態では、空調装置1は、換気用内気吸込口46と換気用ドア47をさらに備える。
これによれば、換気用ドア47の作動により、換気用内気吸込口46と上流側外気通路271とを連通させ、外気吸込口21と上流側外気通路271とを遮断することで、車室内の空気を車室外へ排出し、車室内3の換気を行うことができる。
【0068】
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態では、空調装置1は、例えば、トラックに取り付けるものとして説明したが、これに限らない。空調装置1は、例えば、ピックアップトラック、バス、キャンピングカーなど、種々の車両に取り付けることも可能である。
【0069】
(2)上記各実施形態では、空調装置1は、例えば、車室内3のベッドスペースにおいてリアウィンドウ4の中央よりも車幅方向左側に取り付けるものとして説明したが、これに限らない。空調装置1は、例えば、車室内3のベッドスペースにおいてリアウィンドウ4の中央よりも車幅方向右側に取り付けてもよく、または、リアウィンドウ4の中央に取り付けてもよい。或いは、空調装置1は、車室内3においてリアウィンドウ4以外の任意の場所に取り付けてもよい。
【0070】
(3)上記各実施形態では、内気用ブロワファン13と外気用ブロワファン14を駆動する電動モータ15に両軸電動モータ151を用いることを説明したが、これに限らない。電動モータ15は、例えば、内気用ブロワファン13を駆動する片軸電動モータと、外気用ブロワファン14を駆動する片軸電動モータといった2つの電動モータを用いてもよい。
【0071】
(4)上記各実施形態では、空調ケース10内において外気通路27に対し内気通路23を車両上下方向上側に配置したが、これに限らない。空調ケース10内において外気通路27に対し内気通路23を車両上下方向下側に配置してもよい。
【0072】
(5)上記各実施形態では、説明の便宜上、空調ケース10の幅方向の一方側を車幅方向左側、空調ケース10の幅方向の他方側を車幅方向右側として説明したが、これに限らない。空調ケース10の幅方向の一方側を車幅方向右側、空調ケース10の幅方向の他方側を車幅方向左側としてもよい。
【0073】
(6)上記各実施形態では、圧縮機37は、電動モータ15および冷媒圧縮部41の回転軸心CL_compが、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14および両軸電動モータ151の回転軸心CLに対し交差するように配置したが、これに限らない。圧縮機37は、電動モータ15および冷媒圧縮部41の回転軸心CL_compが、内気用ブロワファン13、外気用ブロワファン14または両軸電動モータ151の回転軸心CLと平行になるように配置してもよい。
【0074】
本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態およびその一部は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0075】
(本開示の観点)
上記した本開示については、例えば以下に示す観点として把握することができる。
[第1の観点]
車両に搭載される車両用空調装置において、
車室内(3)に取り付け可能な空調ケース(10)と、
前記空調ケースに設けられ、前記車室内の空気を吸入する内気吸込口(19)と、
前記空調ケースに設けられ、前記車室内に空気を吹き出す吹出開口部(20)と、
前記空調ケースに設けられ、前記車室外の空気を吸入する外気吸込口(21)と、
前記空調ケースに設けられ、前記車室外に空気を排出する排気口(22)と、
前記内気吸込口から吸い込まれた空気を前記吹出開口部へ流す内気通路(23)と、
前記外気吸込口から吸い込まれた空気を前記排気口へ流す外気通路(27)と、
前記内気通路の途中に設けられる内気用ブロワファン(13)と、
前記外気通路の途中に設けられる外気用ブロワファン(14)と、
前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンを駆動する電動モータ(15)と、
冷媒を吸入し圧縮して吐出する圧縮機(37)と、
前記圧縮機から吐出された冷媒を、前記外気通路を流れる空気との熱交換により凝縮させる凝縮器(35)と、
前記凝縮器から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁(38)と、
前記膨張弁から流出した冷媒を、前記内気通路を流れる空気との熱交換により蒸発させる蒸発器(31)と、
前記圧縮機の冷媒吐出口と前記凝縮器と前記膨張弁と前記蒸発器と前記圧縮機の冷媒吸入口とをこの順で接続する冷媒配管(39)と、を備え、
前記空調ケース内において、前記内気通路と前記外気通路とは車両搭載時に車両上下方向に重なるように配置されており、前記内気用ブロワファン、前記外気用ブロワファン、前記圧縮機、前記凝縮器および前記蒸発器は、前記空調ケースの厚み方向に重ならないように配置されている、車両用空調装置。
[第2の観点]
車両搭載時における車両上下方向に垂直、且つ、前記空調ケースの厚み方向に垂直な方向を前記空調ケースの幅方向というとき、
前記内気吸込口は、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の一方側の部位に設けられ、
前記吹出開口部は、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられ、
前記内気通路は、前記空調ケースの幅方向に延びている、第1の観点に記載の車両用空調装置。
[第3の観点]
前記外気吸込口は、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられ、
前記排気口も、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の他方側の部位に設けられ、
前記外気用ブロワファンは、前記空調ケースのうち中央よりも幅方向の一方側の部位に設けられ、
前記外気通路は、前記外気吸込口と前記外気用ブロワファンの吸込部とを連通する上流側外気通路(271)と、前記外気用ブロワファンの吹出部と前記排気口とを連通する下流側外気通路(272)とを有し、
前記凝縮器は、前記下流側外気通路に設けられ、
前記下流側外気通路の少なくとも一部は、前記上流側外気通路に対し、車両搭載時において前記車室外側に配置される、第1または第2の観点に記載の車両用空調装置。
[第4の観点]
前記凝縮器は、冷媒が流れるチューブと、前記チューブの外壁に接続される複数のフィンを有するフィンアンドチューブ型熱交換器であり、
前記凝縮器は、車両上下方向から視て前記下流側外気通路の流路中心に対して斜めに配置され、前記凝縮器のうち前記外気用ブロワファン側の端部(351)が車両搭載時において前記車室外側に配置され、前記凝縮器のうち前記外気用ブロワファンとは反対側の端部(352)が車両搭載時において前記車室内側に配置される、第3の観点に記載の車両用空調装置。
[第5の観点]
前記空調ケースに設けられ、前記車室内の空気を前記上流側外気通路に流入させる換気用内気吸込口(46)と、
前記換気用内気吸込口と前記上流側外気通路との連通および遮断を切り替えると共に、前記外気吸込口と前記上流側外気通路との連通および遮断とを切り替える換気用ドア(47)をさらに備える、第3または第4の観点に記載の車両用空調装置。
[第6の観点]
車両搭載時において、前記空調ケースは、前記車両のリアウィンドウ(4)の中央よりも車幅方向右側または左側の部位に取り付け可能である、第1ないし第5の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第7の観点]
車両搭載時において、前記外気吸込口と前記排気口は、前記車両のリアウィンドウから前記車室外に突出している、第1ないし第6の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第8の観点]
前記吹出開口部に接続される吹出ダクト(12)をさらに備え、
前記内気通路を流れる空調風は前記吹出開口部から前記吹出ダクトを経由して前記車室内に吹き出される、第1ないし第7の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第9の観点]
前記吹出ダクトには、空調風を吹き出す向きと風量を調整可能な複数のグリル(24、25、26)が設けられている、第8の観点に記載の車両用空調装置。
[第10の観点]
前記電動モータは、前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンを同時に作動させる両軸電動モータ(151)であり、前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンと前記両軸電動モータとはそれぞれの回転軸心(CL)が一致している、第1ないし第9の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第11の観点]
前記電動モータを駆動するモータ駆動用回路基板(152)をさらに備え、
前記モータ駆動用回路基板は、前記内気通路に設けられる、第1ないし第10の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第12の観点]
車両搭載時において、前記圧縮機は、前記内気用ブロワファンと前記外気用ブロワファンに対し重力方向下側に配置される、第1ないし第11の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第13の観点]
前記圧縮機は、電動機(40)と冷媒圧縮部(41)を有する電動圧縮機であり、
前記圧縮機の有する前記電動機に電力を供給するインバータ(42)をさらに備え、
車両搭載時において、前記インバータは、前記空調ケース内で前記圧縮機に対し前記車室外側に配置される、第1ないし第12の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第14の観点]
車両搭載時において、前記圧縮機は、前記電動モータの回転軸心(CL_comp)が、前記内気用ブロワファン、前記外気用ブロワファンおよび前記電動モータの回転軸心に対し交差するように配置される、第1ないし第13の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
[第15の観点]
前記凝縮器の有する上流側のチューブから流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分けて貯留し、前記凝縮器の有する下流側のチューブへ液相冷媒のみを流す気液分離器(36)をさらに備え、
前記気液分離器は、前記凝縮器に対し前記外気用ブロワファンとは反対側に配置される、第1ないし第14の観点のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【符号の説明】
【0076】
1:車両用空調装置、3:車室内、10:空調ケース、13:内気用ブロワファン、14:外気用ブロワファン、15:電動モータ、19:内気吸込口、20:吹出開口部、21:外気吸込口、22:排気口、23:内気通路、27:外気通路、31:蒸発器、35:凝縮、37:圧縮機、38:膨張弁、39:冷媒配管。