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特開2024-1718表示システム、表示装置およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001718
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】表示システム、表示装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/74 20060101AFI20231227BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20231227BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20231227BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20231227BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
G09G5/02 B
G09G5/10 B
G09G5/00 510Q
G09G5/36 520P
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100564
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 大毅
【テーマコード(参考)】
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
5C058BA05
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA26
5C058EA27
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA13
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA14
5C182BA54
5C182BA75
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CB12
5C182CB44
5C182CC26
5C182DA14
5C182DA19
(57)【要約】
【課題】表示画像による効果的な注意喚起を行う。
【解決手段】表示システムは、表示装置と第1撮像装置と記憶装置と処理装置とを備える。表示装置は、コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示する。第1撮像装置は、表示位置を通過する前の人を撮像する。記憶装置は、表示位置を通過する前の人の行動の特徴量と、画像に用いるコンテンツ情報と、表示位置を通過した人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルを記憶する。処理装置は、第1撮像装置の撮像結果に基づいて、表示位置を通過する前の人の行動の特徴量を示す通過前行動データを取得し、通過前行動データと学習済モデルとを用いて、画像に用いるコンテンツ情報を決定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示する表示装置と、
第1撮像装置と、
前記第1撮像装置で撮像した前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量を示す通過前行動データと、前記画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した前記人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルを記憶する記憶装置と、
処理装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記第1撮像装置を用いて前記表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、
前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1の通過前行動データに対応する第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う、
表示システム。
【請求項2】
前記対応関係は、前記通過前行動データと、前記コンテンツ情報と、前記危険度と、前記表示位置の周辺環境に関する環境データと、の関係を含み、
前記処理装置は、
前記表示位置を前記第1の人が通過した時の第1の環境データを取得することと、
前記第1の環境データと前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記処理装置は、
前記第1の通過前行動データと、前記学習済モデルと、を用いて、前記表示位置と、前記第1の画像の表示タイミングと、前記第1の画像の表示色または輝度と、のうちの少なくとも1つを決定することと、を行う、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
第2撮像装置をさらに備え、
前記処理装置は、
前記第2撮像装置を用いて前記表示位置を通過した前記第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過した前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過後行動データに基づいた第1の危険度取得することと、
前記第1の危険度を用いて、前記学習済モデルを再学習することと、を行う、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記処理装置は、前記表示装置を用いて、前記第1のコンテンツ情報に基づいて前記第1の画像を前記表示位置に表示させる、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記第1の画像に用いる前記第1のコンテンツ情報は、画像データを含む、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項7】
前記表示位置の周囲に放音する放音装置をさらに備え、
前記第1の画像に用いる前記第1のコンテンツ情報は、音声データを含み、
前記処理装置は、前記放音装置を用いて、前記第1のコンテンツ情報に基づく音を放音させる、ことを行う、
請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記第1の危険度は、前記表示位置を通過した後の前記人のあらかじめ設定された特徴量と、前記第1の通過後行動データの示す特徴量と、の差分で示される、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項9】
前記第1の通過前行動データは、第1領域を通行する前記第1の人の行動の特徴量を示し、
前記第1の通過後行動データは、前記第1領域とは異なる第2領域を通行する前記第1の人の行動の特徴量を示し、
前記表示位置は、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する、
請求項4に記載の表示システム。
【請求項10】
前記表示位置の周辺環境は、前記表示位置を含む領域における前記人の危険に関する環境である、
請求項2に記載の表示システム。
【請求項11】
コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示する表示装置であって、
前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量を示す通過前行動データと、前記画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルを記憶する記憶装置と、
処理装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、
前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1の通過前行動データに対応する第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う、
表示装置。
【請求項12】
第1のコンテンツ情報に基づく第1の画像の表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、
前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量と、画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した後の前記人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルおよび前記第1の通過前行動データを用いて、前記第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、をコンピューターに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示システム、表示装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の行動に応じた画像を表示する表示システムが知られている。例えば、特許文献1に記載のシステムは、表示装置と、対象人物を撮像するカメラと、カメラの撮像画像に基づいて、対象人物の今後の行動を予測し、予測結果に応じて生成した警告画像を表示装置に表示させるサーバーと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-123277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、警告表示による効果が十分に考慮されないため、対象人物に対して適切な注意喚起を行うことができない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る表示システムは、コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示する表示装置と、第1撮像装置と、前記第1撮像装置で撮像した前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量を示す通過前行動データと、前記画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した前記人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルを記憶する記憶装置と、処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記第1撮像装置を用いて前記表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1の通過前行動データに対応する第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う。
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示する表示装置であって、前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量を示す通過前行動データと、前記画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルを記憶する記憶装置と、処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1の通過前行動データに対応する前記第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、第1のコンテンツ情報に基づく第1の画像の表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量と、前記画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した後の前記人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルおよび前記第1の通過前行動データを用いて、前記第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る表示システムの概略図である。
図2】第1実施形態に係る表示システムのブロック図である。
図3】第1実施形態に係る表示システムの動作を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態における学習済モデルを説明するための図である。
図5】第1実施形態における学習済モデルを生成する機械学習を説明するための図である。
図6】第2実施形態に係る表示システムの概略図である。
図7】第3実施形態に係る表示システムの概略図である。
図8】第4実施形態に係る表示システムのブロック図である。
図9】第4実施形態に係る表示システムの動作を示すフローチャートである。
図10】第4実施形態における学習済モデルを説明するための図である。
図11】第4実施形態における学習済モデルを生成する機械学習を説明するための図である。
図12】通過前行動データに基づく行動ごとのスコアの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と適宜に異なり、理解を容易にするために模式的に示している部分もある。また、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0010】
1.第1実施形態
1-1.表示システムの概要
図1は、第1実施形態に係る表示システム1の概略図である。表示システム1は、人Hの行動に応じた画像Gを表示位置PDに表示することにより、人Hに対して注意喚起を行うシステムである。
【0011】
図1に示す例では、表示システム1が、通路ALを通行する人Hに対して画像Gにより注意喚起を行う。ここで、床面FFには、通路ALの長さ方向での途中に段差STが設けられる。表示位置PDは、段差STに対して人Hの進行方向DRの後方で隣り合う位置で、床面FFに設定される。図1では、人Hに対して段差STの注意を促す旨を表示する画像Gが例示される。進行方向DRは、通路ALの長さ方向に沿う一方向である。
【0012】
なお、通路ALの幅または形状等の態様は、図1に示す例に限定されず、任意である。また、表示位置PDは、図1に示す例に限定されず、例えば、段差STから離れた位置であってもよいし、通路ALに設けられるスクリーン上の位置、通路ALの左右の壁面上または天井の面上の位置でもよい。表示位置PDは、例えば、画像Gの中心である。
【0013】
表示システム1は、表示装置10と第1撮像装置21と第2撮像装置22と制御装置30とを備える。以下、図1に基づいて、これらを簡単に説明する。
【0014】
表示装置10は、制御装置30による制御のもとで、表示位置PDに画像Gを表示するプロジェクターである。なお、表示装置10の詳細な構成については、後に図2に基づいて説明する。
【0015】
第1撮像装置21は、表示位置PDを通過する前の人Hを撮像するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーまたはCMOS(Complementary MOS)イメージセンサー等の撮像素子を有するカメラである。
【0016】
第2撮像装置22は、表示位置PDを通過した後の人Hを撮像するCCDイメージセンサーまたはCMOSイメージセンサー等の撮像素子を有するカメラである。なお、第1撮像装置21が第2撮像装置22を兼ねていてもよい。
【0017】
制御装置30は、第1撮像装置21の撮像結果に基づいて、表示位置PDを通過する前の人Hの行動に応じた画像Gの表示内容および表示方法を決定し、表示装置10を用いて、決定した表示方法で、決定した表示内容の画像Gを表示位置PDに表示する。ここで、画像Gの表示内容および表示方法の決定には、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように所定の対応関係を機械学習した後述の学習済モデルPJが用いられる。また、制御装置30は、第2撮像装置22の撮像結果を用いて、後述の学習済モデルPJの再学習を行う。なお、制御装置30の詳細な構成については、後に図2に基づいて説明する。
【0018】
以上の概略の表示システム1では、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように所定の対応関係を機械学習した後述の学習済モデルPJを用いて、画像Gの表示内容および表示方法が決定されるので、画像Gによる効果的な注意喚起を行うことができる。
【0019】
1-2.表示システムの構成
図2は、第1実施形態に係る表示システム1のブロック図である。図2では、表示システム1の電気的な構成のほか、通路ALを鉛直上方からみた図が併せて図示される。前述のように、表示システム1は、表示装置10と第1撮像装置21と第2撮像装置22と制御装置30とを備える。以下、図2に基づいて、表示システム1の各部を順に詳述する。
【0020】
表示装置10は、図2に示すように、光学装置としての投射装置11と、放音装置12と、を備える。
【0021】
投射装置11は、制御装置30による制御のもと、画像Gを表示位置PDに投射する機構である。図示しないが、投射装置11は、例えば、画像処理回路と光源と光変調装置と投射光学系とを有する。
【0022】
投射装置11の画像処理回路は、制御装置30からのコンテンツ情報DC内の画像データを用いて、光変調装置を駆動するための画像信号を生成する回路である。具体的には、当該画像処理回路は、フレームメモリーを有し、コンテンツ情報DC内の画像データを当該フレームメモリーに展開して、解像度変換処理、リサイズ処理、歪み補正処理等の各種処理を適宜実行することにより、画像信号を生成する。
【0023】
投射装置11の光源は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)またはレーザー光源等を含む。当該光源は、例えば、白色の光を出射するか、または、赤色、緑色および青色の光をそれぞれ出射する。当該光源が白色の光を出射する場合、当該光源から出射される光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布のばらつきが低減され、その後、図示しない色分離光学系によって赤色、緑色および青色の光に分離されて投射装置11の光変調装置に入射する。
【0024】
投射装置11の光変調装置は、前述の赤色、緑色および青色に対応して設けられる3個の光変調素子を含む。当該3個の光変調素子のそれぞれは、例えば、透過型の液晶パネル、反射型の液晶パネルまたはDMD(デジタルミラーデバイス)等を含む。当該3個の光変調素子は、投射装置11の画像処理回路からの画像信号に基づいて、当該赤色、緑色および青色の光をそれぞれ変調して各色の画像光を生成する。当該各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって合成され、フルカラーの画像光となる。
【0025】
投射装置11の投射光学系は、前述のフルカラーの画像光を投射面上に結像させて投射させる。当該投射光学系は、例えば、投射レンズを含む光学系である。なお、当該投射光学系は、投射レンズのほか、例えば、ズームレンズまたはフォーカスレンズ等を含んでもよい。
【0026】
放音装置12は、制御装置30からのコンテンツ情報DC内の音声データを用いて、表示位置PDの周囲に放音するスピーカーである。放音装置12は、当該音声データを再生するためのオーディオアンプ等の回路を含んでもよい。なお、放音装置12は、表示装置10の外部に表示装置10とは別体として設けられてもよい。
【0027】
第1撮像装置21は、第1領域RE1の人Hを撮像することにより、第1撮像データDS1を生成する。第1撮像データDS1は、静止画データであっても動画データであってもよいが、人Hの行動の特徴量を好適に抽出し得ることから、動画データであることが好ましい。第1撮像データDS1の形式は、特に限定されず、任意であるが、例えば、公知の静止画または動画のデータ形式である。
【0028】
図2に示す例では、第1領域RE1が表示位置PDに対して人Hの進行方向での後方で通路ALの長さ方向に沿う所定範囲にわたる領域である。通路ALの長さ方向に沿う第1領域RE1の長さは、第1撮像装置21の撮像結果から人Hの行動の特徴量を抽出可能であればよく、例えば、1m以上2m以下である。
【0029】
第2撮像装置22は、第1領域RE1とは異なる第2領域RE2の人Hを撮像することにより、第2撮像データDS2を生成する。第2撮像データDS2は、静止画データであっても動画データであってもよいが、人Hの行動の特徴量を好適に抽出し得ることから、動画データであることが好ましい。第2撮像データDS2の形式は、特に限定されず、任意であるが、例えば、公知の静止画または動画のデータ形式である。
【0030】
図2に示す例では、第2領域RE2が表示位置PDに対して人Hの進行方向DRでの前方で通路ALの長さ方向に沿う所定範囲にわたる領域である。通路ALの長さ方向に沿う第2領域RE2の長さは、第2撮像装置22の撮像結果から人Hの行動の特徴量を抽出可能であればよく、例えば、1m以上2m以下である。なお、第1撮像装置21の撮像範囲が第1領域RE1および第2領域RE2の両方を包含する場合、第1撮像装置21が第2撮像装置22を兼ねてもよい。
【0031】
制御装置30は、プログラムPG1を実行するコンピューターである。制御装置30は、図2に示すように、通信装置31と記憶装置32と処理装置33とを備える。これらは、共通のバスを介して、互いに通信可能に接続される。
【0032】
通信装置31は、表示装置10、第1撮像装置21および第2撮像装置22のそれぞれと有線または無線により通信可能な装置である。具体的には、通信装置31は、表示装置10と通信するためのインターフェイス回路と、第1撮像装置21と通信するためのインターフェイス回路と、第2撮像装置22と通信するためのインターフェイス回路と、を有する。例えば、通信装置31は、有線LAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(High Definition Multimedia Interface)等の有線通信装置、LPWA(Low Power Wide Area)、Wi-Fiを含む無線LAN、Bluetooth等の無線通信装置を含む。「Wi-Fi」、「HDMI」および「Bluetooth」のそれぞれは、登録商標である。
【0033】
記憶装置32は、処理装置33により実行される各種プログラムと、処理装置33により処理される各種情報と、を記憶する装置である。記憶装置32は、例えば、ハードディスクドライブまたは半導体メモリーで構成される。なお、記憶装置32に記憶される情報の一部または全部は、あらかじめ記憶されてもよいし、前述の通信装置31を介して外部装置から取得されてもよい。
【0034】
記憶装置32には、プログラムPG1と学習済モデルPJと通過前行動データDA1と通過後行動データDA2と第1撮像データDS1と第2撮像データDS2とコンテンツ情報DCとが記憶される。
【0035】
プログラムPG1は、処理装置33を後述の各機能部として機能させるためのプログラムである。
【0036】
通過前行動データDA1は、表示位置PDを通過する前の人Hの行動の特徴量を示すデータである。通過後行動データDA2は、表示位置PDを通過した後の人Hの行動の特徴量を示すデータである。
【0037】
コンテンツ情報DCは、表示装置10で画像Gとして表示されるコンテンツを示す画像データを含む。当該画像データは、人Hに対して注意喚起を促す画像を示すデータである。当該画像データの形式は、特に限定されないが、例えば、公知の動画データまたは静止画データの形式である。ここで、コンテンツ情報DCには、画像データのほか、画像データを表示する位置、タイミング、色合いおよび輝度等の表示方法に関する情報が含まれる。
【0038】
本実施形態では、コンテンツ情報DCは、画像データのほか、放音装置12で再生される音声データを含む。当該画像データは、人Hに対して注意喚起を促す音を示すデータである。当該音声データの形式は、特に限定されないが、例えば、公知の音声データ形式である。
【0039】
学習済モデルPJは、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように、表示位置PDを通過する前の人Hの行動の特徴量と、画像Gに用いるコンテンツ情報DCと、表示位置PDを通過した人Hの危険度と、の対応関係を機械学習した推定モデルである。
【0040】
処理装置33は、制御装置30の各部の動作を制御する機能、および各種データを処理する機能を有する処理装置である。処理装置33は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の1または複数のプロセッサーを含む。なお、処理装置33の一部または全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。
【0041】
処理装置33は、プログラムPG1を実行することにより、取得部33a、決定部33b、表示制御部33cおよび再学習部33dとして機能する。
【0042】
取得部33aは、第1撮像データDS1に基づいて通過前行動データDA1を取得したり、第2撮像データDS2に基づいて通過後行動データDA2を取得したりする。
【0043】
決定部33bは、通過前行動データDA1および学習済モデルPJを用いて、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように、コンテンツ情報DCを決定する。
【0044】
表示制御部33cは、決定部33bで決定したコンテンツ情報DCに基づく画像Gを表示装置10に表示させる。
【0045】
再学習部33dは、通過後行動データDA2を用いて学習済モデルPJの再学習を行う。ここで、後述するように、通過後行動データDA2から表示位置PDを通過した後の人Hの危険度を算出することができる。このため、再学習部33dは、通過後行動データDA2、もしくは、通過後行動データDA2から算出した危険度と、通過前行動データDA1と、コンテンツ情報DCと、の組を再学習に用いる。
【0046】
1-3.表示システムの動作
図3は、第1実施形態に係る表示システム1の動作を示すフローチャートである。表示システム1では、まず、図3に示すように、ステップS1において、取得部33aが第1撮像データDS1を取得する。この取得した第1撮像データDS1は、記憶装置32に記憶される。
【0047】
次に、ステップS2において、取得部33aは、第1領域RE1に人Hが存在するか否かを判断する。この判断は、例えば、第1撮像データDS1から人物を対象として物体認識する画像処理により行われる。第1領域RE1に人Hが存在しない場合(ステップS2:NO)、取得部33aは、ステップS1に戻る。第1領域RE1に存在する人Hは、第1の人に相当する。
【0048】
第1領域RE1に人Hが存在する場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、取得部33aは、通過前行動データDA1を取得する。この取得は、例えば、第1領域RE1に人Hが存在する期間における第1撮像データDS1をそのまま通過前行動データDA1として取得してもよいし、第1領域RE1に人Hが存在する期間における第1撮像データDS1に対して学習済モデルPJへの適用に必要な適宜の処理を施すことにより取得してもよい。ステップS3で取得する通過前行動データDA1は、第1の通過前行動データに相当する。
【0049】
次に、ステップS4において、決定部33bは、通過前行動データDA1および学習済モデルPJを用いて、コンテンツ情報DCを決定する。この決定は、通過前行動データDA1を入力データとし、学習済モデルPJの出力データとしてコンテンツ情報DCを得ることにより行われる。なお、学習済モデルPJの出力データに適宜の後処理を行うことにより、コンテンツ情報DCが決定されてもよい。ステップS4において決定されたコンテンツ情報DCは、第1のコンテンツ情報に相当する。
【0050】
次に、ステップS5において、表示制御部33cは、決定部33bで決定されたコンテンツ情報DCに基づく画像Gを表示装置10に表示させる。
【0051】
次に、ステップS6において、取得部33aが第2撮像データDS2を取得する。この取得した第2撮像データDS2は、記憶装置32に記憶される。
【0052】
次に、ステップS7において、取得部33aは、第2領域RE2に人Hが存在するか否かを判断する。この判断は、例えば、第2撮像データDS2から人物を対象として物体認識する画像処理により行われる。第2領域RE2に人Hが存在しない場合(ステップS7:NO)、取得部33aは、ステップS6に戻る。
【0053】
第2領域RE2に人Hが存在する場合(ステップS7:YES)、ステップS8において、取得部33aは、通過後行動データDA2を取得する。この取得は、例えば、第2領域RE2に人Hが存在する期間における第2撮像データDS2をそのまま通過後行動データDA2として取得してもよいし、第2領域RE2に人Hが存在する期間における第2撮像データDS2に対して学習済モデルPJへの適用に必要な適宜の処理を施すことにより取得してもよい。
【0054】
次に、ステップS9において、再学習部33dは、通過後行動データDA2をこれに対応する通過前行動データDA1およびコンテンツ情報DCと対応付けて、履歴データとして記憶装置32に記憶する。
【0055】
次に、ステップS10において、再学習部33dは、再学習が必要な否かを判断する。この判断は、例えば、履歴データが所定量に達したか否か、あるいは、履歴データの蓄積期間が所定期間に達したか否かにより行われる。また、一定期間ごとに直前の所定期間のデータを用いて、再学習を行ってもよい。これにより、人間の慣れによる効果の低減を防止することができる。例えば、ある学習済モデルPJを履歴データの蓄積期間である1週間の期間使用し、1週間の経過後に、再学習部33dは、当該1週間で蓄積された通過後行動データDA2をこれに対応する通過前行動データDA1およびコンテンツ情報DCと対応付けて、履歴データとして記憶装置32に記憶してもよい。
【0056】
再学習が必要であると判断した場合(ステップS10:YES)、ステップS11において、再学習部33dは、学習済モデルPJの再学習を行った後、ステップS12に移行する。一方、再学習が必要でないと判断した場合(ステップS10:NO)、再学習部33dは、学習済モデルPJの再学習を行わずに、ステップS12に移行する。
【0057】
ステップS12において、処理装置33は、終了指示の有無を判断し、終了指示がない場合(ステップS12:NO)、前述のステップS1に戻り、一方、終了指示がある場合(ステップS12:YES)、処理を終了する。
【0058】
1-4.学習済モデル
図4は、第1実施形態における学習済モデルPJを説明するための図である。学習済モデルPJは、通過前行動データDA1の入力に応じてコンテンツ情報DCを出力する推定モデルである。具体的には、学習済モデルPJは、通過前行動データDA1からコンテンツ情報DCを生成する演算を処理装置33に実行させるプログラムと、当該演算に適用される複数の係数との組合せで実現される。当該プログラムは、例えば人工知能ソフトウェアを構成するプログラムモジュールである。当該複数の係数は、例えば、後述のデータセットDSTを利用した深層学習により設定される。図4では、学習済モデルPJが入力層、出力層および中間層を有する深層ニューラルネットワーク等の数理モデルである場合が好適例として示される。なお、中間層の層数は、図4に示す例に限定されず、任意である。
【0059】
図5は、第1実施形態における学習済モデルPJを生成する機械学習を説明するための図である。学習済モデルPJの生成は、図5に示すように、学習処理部100を有する学習装置での機械学習により行われる。この機械学習には、複数のデータセットDSTが使用される。各データセットDSTは、通過前行動データDA1と、これに対応するコンテンツ情報DCと、通過後行動データDA2に基づく危険度と、を含む。データセットDSTにおける通過前行動データDA1およびコンテンツ情報DCは、前述の制御装置30とは別途の装置を用いて生成したものであってもよい。
【0060】
データセットDSTには、表示位置PDを通過した後の人Hの危険度DAと、その際に表示したコンテンツ情報DCと、これらに対応する通過前行動データDA1との組が用いられる。表示位置PDを通過した後の人Hの危険度DAは、通過後行動データDA2に基づいて算出可能である。例えば、当該危険度DAは、表示位置PDを通過した後の人Hの正常行動の特徴量と、通過後行動データDA2の示す特徴量と、の差分で示される。当該差分が大きいほど、表示位置PDを通過した後の人Hの危険度DAが高い。正常行動とは、予め設定されている統計的に安全であるとされる行動データである。正常行動を設定する数は一つでもよいし複数でもよく、複数の正常行動の特徴量と通過後行動データDA2の示す特徴量の差分をそれぞれ求め、当該差分のうち最も大きい値を、表示位置PDを通過した後の人Hの危険度DAとしてもよい。
【0061】
学習処理部100は、複数のデータセットDSTを利用した教師あり機械学習により学習済モデルPJの複数の係数を設定する。具体的には、学習処理部100は、データセットDSTにおける通過前行動データDA1の入力に対して暫定的な学習済モデルPJが出力するコンテンツ情報DC1と、データセットDSTに含まれる危険度が最小であるコンテンツ情報DCとの相違が低減されるように、学習済モデルPJの複数の係数を更新する。例えば、学習処理部100は、コンテンツ情報DCとコンテンツ情報DC1との相違を表す評価関数が最小化されるように、誤差逆伝播法により学習済モデルPJの複数の係数を反復的に更新する。以上の機械学習後の学習済モデルPJは、複数のデータセットDSTにおける通過前行動データDA1とコンテンツ情報DCと危険度DAとの間に潜在する傾向のもとで、未知の通過前行動データDA1に対して統計的に妥当なコンテンツ情報DCを出力する。これにより、通過前行動データDA1に応じて、コンテンツ情報DCの画像データを変更したり、画像データに基づく画像Gを表示する位置、タイミング、輝度および色合い等の表示方法を変更したりすることができ、画像データに基づく画像Gを表示しない時よりも危険度が小さくなる。また、表示するコンテンツ情報を決定する際には、一定の割合でランダムな内容を表示することを行ってもよい。これにより、通過前行動データDA1とコンテンツ情報DCと危険度DAとの間の関係をデータセットDSTに追加することができ、設置場所または期間に応じて必要なデータを集めて、最適なコンテンツを選択することができる。
【0062】
以上のように、表示システム1は、表示装置10と第1撮像装置21と記憶装置32と処理装置33とを備える。表示装置10は、コンテンツ情報DCに基づく画像Gを表示位置PDに表示する。記憶装置32は、第1撮像装置21で撮像した表示位置PDを通過する前の人Hの行動の特徴量を示す通過前行動データDA1と、画像Gに用いるコンテンツ情報DCと、表示位置PDを通過した人Hの危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルPJを記憶する。処理装置33は、第1撮像装置21を用いて表示位置PDを通過する前の第1の人Hを撮像した撮像結果に基づいて、表示位置PDを通過する前の第1の人Hの行動の特徴量を示す第1の通過前行動データDA1を取得することと、第1の通過前行動データDA1と学習済モデルPJとを用いて、第1の通過前行動データDA1に対応する第1の画像Gに用いる第1のコンテンツ情報DCを決定することと、を行う。
【0063】
以上の表示システム1では、通過前行動データDA1と学習済モデルPJとを用いて、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように、表示装置10により表示される画像Gに用いるコンテンツ情報DCが決定される。このため、画像Gによる効果的な注意喚起を行うことができる。ここで、学習済モデルPJでは、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように当該対応関係が機械学習される。このため、このような学習済モデルPJを用いることにより、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるような効果的なコンテンツ情報DCを決定することができる。この結果、表示位置PDを通過する人Hに対して適切な注意喚起を行うことができる。
【0064】
前述のように、処理装置33は、第1の通過前行動データDA1と学習済モデルPJとを用いて、表示位置PDと、第1の画像Gの表示タイミングと、第1の画像Gの表示色または輝度と、のうちの少なくとも1つを決定することを行う。例えば、コンテンツ情報DCは、画像データだけでなく、表示位置PDと、画像Gの表示タイミングと、画像Gの表示色または輝度と、のうちの少なくとも1つに関する設定情報を含んでおり、処理装置33は、通過前行動データDA1と学習済モデルPJとを用いて、コンテンツ情報DCを決定することにより、表示位置PDと、画像Gの表示タイミングと、画像Gの表示色または輝度と、のうちの少なくとも1つを決定する。このため、同一絵柄を示すコンテンツ情報DCを用いても、コンテンツ情報DCに基づく画像Gによる警告または注意等の効果を調整することができる。
【0065】
また、前述のように、表示システム1は、第2撮像装置22をさらに備える。そして、処理装置33は、第2撮像装置22を用いて表示位置PDを通過した第1の人Hを撮像した撮像結果に基づいて、表示位置PDを通過した第1の人Hの行動の特徴量を示す第1の通過後行動データDA2に基づいた第1の危険度DAを取得することと、第1の危険度DAを用いて、学習済モデルPJを再学習することと、を行う。このため、コンテンツ情報DCに基づく画像Gによる警告または注意等の効果が人の慣れ等により低下することを低減することができる。
【0066】
さらに、前述のように、処理装置33は、表示装置10を用いて、第1のコンテンツ情報DCに基づいて第1の画像Gを表示位置PDに表示させる。このため、コンテンツ情報DCに基づく画像Gによる警告または注意等の効果が得られる。
【0067】
また、前述のように、第1の画像Gに用いる第1のコンテンツ情報DCは、画像データを含む。このため、表示装置10を用いて、コンテンツ情報DCに基づく画像Gを表示位置PDに表示させることができる。
【0068】
さらに、前述のように、表示システム1は、表示位置PDの周囲に放音する放音装置12をさらに備える。また、第1の画像Gに用いる第1のコンテンツ情報DCは、音声データを含む。そのうえで、処理装置33は、放音装置12を用いて、第1のコンテンツ情報DCに基づく音を放音させることを行う。このため、コンテンツ情報DCに基づく音による警告または注意等の効果が得られる。したがって、例えば、表示位置PDを通過する前の人Hの目線が表示位置PDから外れている場合でも、警告または注意等の効果が得られる。
【0069】
また、前述のように、第1の危険度DAは、表示位置PDを通過した後の人Hのあらかじめ設定された特徴量と、第1の通過後行動データDA2の示す特徴量と、の差分で示される。このため、通過後行動データDA2を用いて、学習済モデルPJを作成したり再学習したりすることができる。
【0070】
さらに、前述のように、第1の通過前行動データDA1は、第1領域RE1を通行する第1の人Hの行動の特徴量を示す。一方、第1の通過後行動データDA2は、第1領域RE1とは異なる第2領域RE2を通行する第1の人Hの行動の特徴量を示す。ここで、表示位置PDは、第1領域RE1と第2領域RE2との間に位置する。したがって、第1領域RE1の人Hを撮像した結果に基づいて、通過前行動データDA1を取得することができる。また、第2領域RE2の人Hを撮像した結果に基づいて、通過後行動データDA2を取得することができる。
【0071】
また、前述のように、表示システム1は、プログラムPG1を用いる。プログラムPGは、第1のコンテンツ情報DCに基づく第1の画像Gの表示位置PDを通過する前の第1の人Hを撮像した撮像結果に基づいて、表示位置PDを通過する前の第1の人Hの行動の特徴量を示す第1の通過前行動データDA1を取得することと、表示位置PDを通過する前の人Hの行動の特徴量と、画像Gに用いるコンテンツ情報DCと、表示位置PDを通過した後の人Hの危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルPJおよび第1の通過前行動データDA1を用いて、第1の画像Gに用いる第1のコンテンツ情報DCを決定することと、を制御装置30に実行させる。制御装置30は、「コンピューター」の一例である。このため、前述のような表示システム1を実現することができる。
【0072】
2.第2実施形態
以下、第2実施形態について説明する。第1実施形態と共通する構成には、当該構成と同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、以下では、前述の第1実施形態と相違する事項を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0073】
図6は、第2実施形態に係る表示システム1Aの概略図である。表示システム1Aは、設置場所が異なるとともに画像Gの表示内容が異なること以外は、前述の第1実施形態の表示システム1と同様に構成される。ここで、表示システム1Aは、第1撮像装置21および第2撮像装置22に代えて撮像装置20を備えるとともに、制御装置30に代えて制御装置30Aを備えること以外は、前述の第1実施形態の表示システム1と同様に構成される。撮像装置20は、第1領域RE1および第2領域RE2の両方を撮像すること以外は、第1撮像装置21および第2撮像装置22と同様に構成される。
【0074】
図6に示す例では、通路AL1および通路AL2が十字路をなしており、表示システム1Aが、通路AL1を通行する人H_aに対して画像Gにより注意喚起を行う。ここで、表示位置PDは、当該十字路の交差点付近に位置する。また、第1領域RE1は、表示位置PDに対して人Hの進行方向での後方で通路AL1に設定される。第2領域RE2は、表示位置PDに対して人Hの進行方向での前方で通路AL1に設定される。
【0075】
なお、通路AL1、AL2の幅または形状等の態様は、図6に示す例に限定されず、任意である。また、表示位置PDは、図6に示す例に限定されず、例えば、通路AL1に設けられるスクリーン上の位置、通路AL1の左右の壁面上または天井の面上の位置でもよい。
【0076】
制御装置30Aは、第1領域RE1での人H_aが通路AL2の人H_bにぶつかりそうな場合、画像Gを表示装置10に表示させる。これにより、人H_aに対して注意喚起が行われる。図6では、人H_aに対して人H_bとの衝突注意を促す旨を表示する画像Gが例示される。
【0077】
以上の第2実施形態によっても、表示位置PDを通過する人H_aに対して適切な注意喚起を行うことができる。
【0078】
3.第3実施形態
以下、第3実施形態について説明する。第1実施形態と共通する構成には、当該構成と同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、以下では、前述の第1実施形態と相違する事項を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0079】
図7は、第3実施形態に係る表示システム1Bの概略図である。表示システム1Bは、設置場所が異なるとともに画像Gの表示内容が異なること以外は、前述の第1実施形態の表示システム1と同様に構成される。ここで、表示システム1Bは、第1撮像装置21および第2撮像装置22に代えて撮像装置20を備えるとともに、制御装置30に代えて制御装置30Bを備えること以外は、前述の第1実施形態の表示システム1と同様に構成される。撮像装置20は、第1領域RE1および第2領域RE2の両方を撮像すること以外は、第1撮像装置21および第2撮像装置22と同様に構成される。
【0080】
図7に示す例では、表示システム1Bが、曲がり角を有する通路AL3を通行する人H_aに対して画像Gにより注意喚起を行う。ここで、表示位置PDは、当該曲がり角付近に位置する。また、第1領域RE1は、表示位置PDに対して人Hの進行方向での後方で通路AL3に設定される。第2領域RE2は、表示位置PDに対して人Hの進行方向での前方で通路AL3に設定される。
【0081】
なお、通路AL3の幅または形状等の態様は、図7に示す例に限定されず、任意である。また、表示位置PDは、図7に示す例に限定されず、例えば、通路AL3に設けられるスクリーン上の位置、通路AL3の左右の壁面上または天井の面上の位置でもよい。
【0082】
制御装置30Bは、第1領域RE1での人H_aが通路AL2の人H_bにぶつかりそうな場合、画像Gを表示装置10に表示させる。これにより、人H_aに対して注意喚起が行われる。図7では、通路AL3のセンターラインを越えて曲がり角を曲がろうとする人H_aに対して人H_bとの右側通行を促す旨を表示する画像Gが例示される。
【0083】
以上の第3実施形態によっても、表示位置PDを通過する人H_aに対して適切な注意喚起を行うことができる。
【0084】
4.第4実施形態
以下、第4実施形態について説明する。第1実施形態と共通する構成には、当該構成と同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、以下では、前述の第1実施形態と相違する事項を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0085】
図8は、第4実施形態に係る表示システム1Cのブロック図である。表示システム1Cは、プログラムPG1に代えてプログラムPG2を用いるとともに学習済モデルPJに代えて学習済モデルPJを用いること以外は、前述の第1実施形態の表示システム1と同様に構成される。
【0086】
処理装置33は、プログラムPG2を実行することにより、取得部33e、決定部33f、表示制御部33cおよび再学習部33gとして機能する。
【0087】
取得部33eは、第1撮像データDS1または第2撮像データDS2に基づいて環境データDEを取得する機能を追加したこと以外は、第1実施形態の取得部33aと同様に機能する。環境データDEは、段差STの存在、床面FFの濡れまたは凍結、暗闇等の表示位置PDの周辺環境に関するデータである。取得部33eは、第1撮像データDS1または第2撮像データDS2から物体認識する画像処理により、人Hの危険に関わる情報を環境データDEとして抽出する。
【0088】
決定部33fは、通過前行動データDA1および学習済モデルPJCを用いて、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように、コンテンツ情報DCを決定する。
【0089】
学習済モデルPJCは、表示位置PDを通過した人Hの危険度が最少となるように、表示位置PDを通過する前の人Hの行動の特徴量と、画像Gに用いるコンテンツ情報DCと、環境データDEと、の対応関係を機械学習した推定モデルである。
【0090】
表示制御部33cは、決定部33fで決定したコンテンツ情報DCに基づく画像Gを表示装置10に表示させる。
【0091】
再学習部33gは、通過後行動データDA2を用いて学習済モデルPJCの再学習を行う。
【0092】
図9は、第4実施形態に係る表示システム1Cの動作を示すフローチャートである。表示システム1Cの動作は、ステップS13を追加するとともに、ステップS4、S9、S11に代えてステップS4A、S9A、S11Aを含むこと以外は、第1実施形態の表示システム1の動作と同様である。
【0093】
表示システム1Cでは、図9に示すように、ステップS3の後、ステップS13において、取得部33eが環境データDEを取得する。次に、ステップS4Aにおいて、決定部33fは、通過前行動データDA1および学習済モデルPJCを用いて、コンテンツ情報DCを決定する。その後、ステップS5において、表示制御部33cがコンテンツ情報DCに基づく画像Gを表示装置10に表示させる。
【0094】
また、ステップS8の後、ステップS9Aにおいて、再学習部33gは、通過後行動データDA2をこれに対応する環境データDE、通過前行動データDA1およびコンテンツ情報DCと対応付けて、履歴データとして記憶装置32に記憶する。
【0095】
さらに、ステップS10において再学習が必要であると判断した場合(ステップS10:YES)、ステップS11Aにおいて、再学習部33gは、学習済モデルPJCの再学習を行った後、ステップS12に移行する。一方、再学習が必要でないと判断した場合(ステップS10:NO)、再学習部33gは、学習済モデルPJCの再学習を行わずに、ステップS12に移行する。
【0096】
図10は、第4実施形態における学習済モデルPJCを説明するための図である。学習済モデルPJCは、通過前行動データDA1および環境データDEの入力に応じてコンテンツ情報DCを出力する推定モデルである。具体的には、学習済モデルPJCは、通過前行動データDA1および環境データDEからコンテンツ情報DCを生成する演算を処理装置33に実行させるプログラムと、当該演算に適用される複数の係数との組合せで実現される。当該プログラムは、例えば人工知能ソフトウェアを構成するプログラムモジュールである。当該複数の係数は、例えば、後述のデータセットDST1を利用した深層学習により設定される。図10では、学習済モデルPJCが入力層、出力層および中間層を有する深層ニューラルネットワーク等の数理モデルである場合が好適例として示される。なお、中間層の層数は、図10に示す例に限定されず、任意である。
【0097】
図11は、第4実施形態における学習済モデルPJCを生成する機械学習を説明するための図である。学習済モデルPJCの生成は、図11に示すように、学習処理部100Cを有する学習装置での機械学習により行われる。この機械学習には、複数のデータセットDST1が使用される。各データセットDST1は、通過前行動データDA1と、これに対応する危険度DA、環境データDEおよびコンテンツ情報DCと、を含む。データセットDST1における危険度DA、環境データDE、通過前行動データDA1およびコンテンツ情報DCは、前述の制御装置30Cとは別途の装置を用いて生成したものであってもよい。
【0098】
データセットDST1には、表示位置PDを通過した後の人Hの危険度DAと、その際に表示したコンテンツ情報DCと、これらに対応する環境データDEおよび通過前行動データDA1との組が用いられる。
【0099】
学習処理部100Cは、複数のデータセットDST1を利用した教師あり機械学習により学習済モデルPJCの複数の係数を設定する。具体的には、学習処理部100Cは、データセットDST1における環境データDEおよび通過前行動データDA1の入力に対して暫定的な学習済モデルPJCが出力するコンテンツ情報DC1と、データセットDST1に含まれる危険度DAが最小であるコンテンツ情報DCとの相違が低減されるように、学習済モデルPJCの複数の係数を更新する。例えば、学習処理部100Cは、コンテンツ情報DCとコンテンツ情報DC1との相違を表す評価関数が最小化されるように、誤差逆伝播法により学習済モデルPJCの複数の係数を反復的に更新する。以上の機械学習後の学習済モデルPJCは、複数のデータセットDST1における環境データDEと通過前行動データDA1とコンテンツ情報DCとの間に潜在する傾向のもとで、未知の環境データDEおよび通過前行動データDA1に対して統計的に妥当なコンテンツ情報DCを出力する。これにより、環境データDEおよび通過前行動データDA1に応じて、コンテンツ情報DCの画像データを変更したり、画像データに基づく画像Gを表示する位置、タイミング、輝度および色合い等の表示方法を変更したりすることができる。コンテンツ情報DCの出力に用いる環境データDEは、第1の環境データに相当する。
【0100】
以上の第4実施形態によっても、表示位置PDを通過する人Hに対して適切な注意喚起を行うことができる。本実施形態では、前述のように、学習済モデルPJCの対応関係は、通過前行動データDA1と、コンテンツ情報DCと、危険度DAと、表示位置PDの周辺環境に関する環境データDEと、の関係を含む。処理装置33は、表示位置PDを第1の人Hが通過した時の第1の環境データDEを取得することと、第1の環境データDEと第1の通過前行動データDA1と学習済モデルPJCとを用いて、第1のコンテンツ情報DCを決定することと、を行う。このため、周辺環境の変化に応じて適切なコンテンツ情報DCを決定することができる。
【0101】
また、前述のように、表示位置PDの周辺環境は、表示位置PDを含む領域における人Hの危険に関する環境である。このため、当該領域を撮像した結果に基づいて、表示位置PDの周辺環境に関する情報を取得することができる。
【0102】
5.第5実施形態
以下、第5実施形態について説明する。第1実施形態と共通する構成には、当該構成と同じ符号を付し、その説明を省略する。なお、以下では、前述の第1実施形態と相違する事項を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0103】
図12は、通過前行動データDA1に基づく行動ごとのスコアの一例を示す図である。表示位置PDの通過前に発生し得る行動を分類し、各行動に該当する通過前行動データDA1と、対応する通過後行動データDA2およびコンテンツ情報DCとを用いて、学習済モデルPJを作成してもよい。これにより、図12中の行動a、b、c、d、eそれぞれに対して最適な学習済モデルPJを用いて警告表示を示すコンテンツ情報DCを選択することができる。
【0104】
図12中の行動a、b、c、d、e、…は、例えば、「速度違反」、「つまづき」、「スマホ歩き」、「ポケットハンド」、「衝突注意」等である。なお、分類する行動の数は、図12に示す例に限定されず、任意である。
【0105】
6.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
【0106】
6-1.変形例1
前述の各形態では、制御装置30が表示装置10は別体である構成が例示されるが、当該構成に限定されず、制御装置30が表示装置10の一部であってもよい。
【0107】
6-2.変形例2
前述の各形態では、表示装置に投射装置が用いられる構成が例示されるが、当該構成に限定されず、表示装置は、光学装置として、例えば、液晶表示パネル、有機EL(electro- luminescence)パネル等を表示面とする装置を用いてもよい。
【0108】
7.本開示のまとめ
以下、本開示のまとめを付記する。
【0109】
(付記1)コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示する表示装置と、第1撮像装置と、前記第1撮像装置で撮像した前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量を示す通過前行動データと、前記画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した前記人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルを記憶する記憶装置と、処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記第1撮像装置を用いて前記表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1の通過前行動データに対応する第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う、表示システム。これにより、通過前行動データと学習済モデルとを用いて、表示位置を通過した人の危険度が最少となるように、表示装置により表示される画像に用いるコンテンツ情報が決定されるので、画像による効果的な注意喚起を行うことができる。このため、学習済モデルを用いることにより、第1の通過前行動データから、対応する第1のコンテンツ情報を決定することができる。この結果、表示位置を通過する人に対して適切な注意喚起を行うことができる。
【0110】
(付記2)前記対応関係は、前記通過前行動データと、前記コンテンツ情報と、前記危険度と、前記表示位置の周辺環境に関する環境データと、の関係を含み、前記処理装置は、前記表示位置を前記第1の人が通過した時の第1の環境データを取得することと、前記第1の環境データと前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う、付記1の表示システム。これにより、周辺環境の変化に応じて適切なコンテンツ情報を決定することができる。
【0111】
(付記3)前記処理装置は、前記第1の通過前行動データと、前記学習済モデルと、を用いて、前記表示位置と、前記第1の画像の表示タイミングと、前記第1の画像の表示色または輝度と、のうちの少なくとも1つを決定することと、を行う、付記1または2の表示システム。これにより、同一絵柄を示すコンテンツ情報を用いても、コンテンツ情報に基づく画像による警告または注意等の効果を調整することができる。
【0112】
(付記4)第2撮像装置をさらに備え、前記処理装置は、前記第2撮像装置を用いて前記表示位置を通過した前記第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過した前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過後行動データに基づいた第1の危険度取得することと、前記第1の危険度を用いて、前記学習済モデルを再学習することと、を行う、付記1から3のいずれか1つの表示システム。これにより、コンテンツ情報に基づく画像による警告または注意等の効果が人の慣れ等により低下することを低減することができる。
【0113】
(付記5)前記処理装置は、前記表示装置を用いて、前記第1のコンテンツ情報に基づいて前記第1の画像を前記表示位置に表示させる、付記1から4のいずれか1つの表示システム。これにより、コンテンツ情報に基づく画像による警告または注意等の効果が得られる。
【0114】
(付記6)前記第1の画像に用いる前記第1のコンテンツ情報は、画像データを含む、付記1から5のいずれか1つの表示システム。これにより、表示装置を用いて、コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示させることができる。
【0115】
(付記7)前記表示位置の周囲に放音する放音装置をさらに備え、前記第1の画像に用いる前記第1のコンテンツ情報は、音声データを含み、前記処理装置は、前記放音装置を用いて、前記第1のコンテンツ情報に基づく音を放音させる、ことを行う、付記6の表示システム。これにより、コンテンツ情報に基づく音による警告または注意等の効果が得られる。したがって、例えば、表示位置を通過する前の人の目線が表示位置から外れている場合でも、警告または注意等の効果が得られる。
【0116】
(付記8)前記第1の危険度は、前記表示位置を通過した後の前記人のあらかじめ設定された特徴量と、前記第1の通過後行動データの示す特徴量と、の差分で示される、付記4の表示システム。これにより、通過後行動データを用いて、学習済モデルを作成したり再学習したりすることができる。
【0117】
(付記9)前記第1の通過前行動データは、第1領域を通行する前記第1の人の行動の特徴量を示し、前記第1の通過後行動データは、前記第1領域とは異なる第2領域を通行する前記第1の人の行動の特徴量を示し、前記表示位置は、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する、付記4または8の表示システム。これにより、第1領域の人を撮像した結果に基づいて、通過前行動データを取得することができる。同様に、第2領域の人を撮像した結果に基づいて、通過後行動データを取得することができる。
【0118】
(付記10)前記表示位置の周辺環境は、前記表示位置を含む領域における前記人の危険に関する環境である、付記2の表示システム。これにより、当該領域を撮像した結果に基づいて、表示位置の周辺環境に関する情報を取得することができる。
【0119】
(付記11)コンテンツ情報に基づく画像を表示位置に表示する表示装置であって、前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量を示す通過前行動データと、前記画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルを記憶する記憶装置と、処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、前記第1の通過前行動データと前記学習済モデルとを用いて、前記第1の通過前行動データに対応する第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、を行う、表示装置。これにより、表示位置を通過する人に対して適切な注意喚起を行うことができる。
【0120】
(付記12)第1のコンテンツ情報に基づく第1の画像の表示位置を通過する前の第1の人を撮像した撮像結果に基づいて、前記表示位置を通過する前の前記第1の人の行動の特徴量を示す第1の通過前行動データを取得することと、前記表示位置を通過する前の人の行動の特徴量と、画像に用いるコンテンツ情報と、前記表示位置を通過した後の前記人の危険度と、の対応関係を機械学習した学習済モデルおよび前記第1の通過前行動データを用いて、前記第1の画像に用いる第1のコンテンツ情報を決定することと、をコンピューターに実行させる、プログラム。これにより、表示位置を通過する人に対して適切な注意喚起を行うことができる。
【符号の説明】
【0121】
1…表示システム、1A…表示システム、1B…表示システム、1C…表示システム、10…表示装置、11…投射装置、12…放音装置、20…撮像装置、21…第1撮像装置、22…第2撮像装置、30…制御装置(コンピューター)、30A…制御装置(コンピューター)、30B…制御装置(コンピューター)、30C…制御装置(コンピューター)、31…通信装置、32…記憶装置、33…処理装置、33a…取得部、33b…決定部、33c…表示制御部、33d…再学習部、33e…取得部、33f…決定部、33g…再学習部、100…学習処理部、100C…学習処理部、AL…通路、AL1…通路、AL2…通路、AL3…通路、DA…危険度、DA1…通過前行動データ、DA2…通過後行動データ、DC…コンテンツ情報、DC1…コンテンツ情報、DE…環境データ、DR…進行方向、DS1…第1撮像データ、DS2…第2撮像データ、DST…データセット、DST1…データセット、FF…床面、G…画像、H…人、H_a…人、H_b…人、PD…表示位置、PG…プログラム、PG1…プログラム、PG2…プログラム、PJ…学習済モデル、PJC…学習済モデル、RE1…第1領域、RE2…第2領域、S1…ステップ、S10…ステップ、S11…ステップ、S11A…ステップ、S12…ステップ、S13…ステップ、S2…ステップ、S3…ステップ、S4…ステップ、S4A…ステップ、S5…ステップ、S6…ステップ、S7…ステップ、S8…ステップ、S9…ステップ、S9A…ステップ、ST…段差。
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