(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171811
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】駐車支援装置及び駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20241205BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20241205BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20241205BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20241205BHJP
【FI】
B60W30/06
B60W40/02
B60W50/14
B60R99/00 330
B60R99/00 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089042
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩口 拓真
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA22
3D241BA60
3D241BB03
3D241CE01
3D241CE04
3D241CE05
3D241DC33Z
3D241DD14Z
(57)【要約】
【課題】車両の周囲の状況をドライバがより正確に把握することができる駐車支援装置及び駐車支援方法を提供する。
【解決手段】駐車支援装置30は、俯瞰画像100を生成する俯瞰画像生成部65と、駐車スペースPを構成する辺のうち、駐車スペースPの短手方向の辺である短辺T1の位置を基準位置とし、駐車スペースPの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を俯瞰画像100から切り出して第1部分俯瞰画像131を生成し、駐車スペースPの短手方向の辺であり、短辺T1とは異なる短辺T2の位置を基準位置とし、駐車スペースPの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を俯瞰画像100から切り出して第2部分俯瞰画像133を生成し、第1部分俯瞰画像131と第2部分俯瞰画像133とを合成して合成画像150を生成する合成画像生成部66と、合成画像150を表示部20に表示する表示制御部67と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲の状況を示す周囲情報を取得する周囲情報取得部と、
前記周囲情報に基づき、前記車両を駐車可能な矩形形状の駐車スペースを検出する駐車スペース検出部と、
前記周囲情報に含まれる撮像画像に基づき、所定の仮想視点から前記車両を俯瞰した俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、
前記駐車スペースを構成する辺のうち、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺である第1短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第1部分俯瞰画像を生成し、
前記駐車スペースの短手方向に平行な辺であり、前記第1短辺とは異なる前記駐車スペースの第2短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第2部分俯瞰画像を生成し、前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記合成画像を表示部に表示する表示制御部と、
を備える、駐車支援装置。
【請求項2】
前記合成画像生成部は、
前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、前記第2部分俯瞰画像を、予め設定された表示倍率となるように拡大し、
拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、
前記表示制御部は、前記合成画像を前記表示部に表示する、
請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記合成画像生成部は、
前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、
前記第2短辺と前記車両との距離に応じて設定される前記第2部分俯瞰画像の表示倍率であって、前記第2短辺と前記車両との距離が短くなるほど前記表示倍率が大きくなるように前記第2部分俯瞰画像を拡大し、
拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、
前記表示制御部は、前記合成画像を前記表示部に表示する、
請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記表示部が備える表示パネルに対するタッチ操作を受け付ける受付部を備え、
前記表示制御部は、前記合成画像の前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像との境界領域に境界線を重畳し、
前記合成画像生成部は、
前記受付部が、前記境界線を、前記第1部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を検出すると、前記第2部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第2部分俯瞰画像と前記第1部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成し、
前記受付部が、前記境界線を、前記第2部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を検出すると、前記第1部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成する、請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項5】
車両の周囲の状況を示す周囲情報を取得するステップと、
前記周囲情報に基づき、前記車両を駐車可能な矩形形状の駐車スペースを検出するステップと、
前記周囲情報に含まれる撮像画像に基づき、所定の仮想視点から前記車両を俯瞰した俯瞰画像を生成するステップと、
前記駐車スペースを構成する辺のうち、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺である第1短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第1部分俯瞰画像を生成するステップと、
前記駐車スペースの短手方向に平行な辺であり、前記第1短辺とは異なる前記駐車スペースの第2短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第2部分俯瞰画像を生成するステップと、
前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成するステップと、
前記合成画像を表示部に表示するステップと、
を含む、駐車支援方法。
【請求項6】
前記合成画像を生成するステップは、
前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、前記第2部分俯瞰画像を、予め設定された表示倍率となるように拡大し、
拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、
前記表示するステップは、前記合成画像を前記表示部に表示する、
請求項5記載の駐車支援方法。
【請求項7】
前記合成画像を生成するステップは、
前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、
前記第2短辺と前記車両との距離に応じて設定される前記第2部分俯瞰画像の表示倍率であって、前記第2短辺と前記車両との距離が短くなるほど前記表示倍率が大きくなるように前記第2部分俯瞰画像を拡大し、
拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、
前記表示するステップは、前記合成画像を前記表示部に表示する、
請求項5記載の駐車支援方法。
【請求項8】
前記表示部が備える表示パネルに対するタッチ操作を受け付けるステップを備え、
前記表示するステップは、前記合成画像の前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像との境界領域に境界線を重畳し、
前記合成画像を生成するステップは、
前記受け付けるステップにより、前記境界線を、前記第1部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を受け付けると、前記第2部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第2部分俯瞰画像と前記第1部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成し、
前記受け付けるステップにより、前記境界線を、前記第2部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を受け付けると、前記第1部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成する、
請求項5記載の駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置及び駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、駐車可能領域取得手段と、誘導位置算出手段と、後方映像取得手段と、表示手段と、を具備した駐車支援装置を開示する。
駐車可能領域取得手段は、車両に取り付けられた距離センサの検出信号を用いて、車両の位置と位置的に関連付けられた駐車可能領域を取得する。
誘導位置算出手段は、取得した駐車可能領域に前記車両を移動させるために、経由すべき誘導位置を算出する。
後方映像取得手段は、誘導位置を含む車両の後方の映像を取得する。
表示手段は、取得した映像と取得した誘導位置を映像上で判別可能に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両が駐車スペースに駐車するときの周囲の状況をより詳細に知りたいという要望がある。
【0005】
本開示は、車両の周囲の状況をドライバがより詳細に把握することができる駐車支援装置及び駐車支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の駐車支援装置は、車両の周囲の状況を示す周囲情報を取得する周囲情報取得部と、前記周囲情報に基づき、前記車両を駐車可能な矩形形状の駐車スペースを検出する駐車スペース検出部と、前記周囲情報に含まれる撮像画像に基づき、所定の仮想視点から前記車両を俯瞰した俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、前記駐車スペースを構成する辺のうち、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺である第1短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第1部分俯瞰画像を生成し、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺であり、前記第1短辺とは異なる前記駐車スペースの第2短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第2部分俯瞰画像を生成し、前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、前記合成画像を表示部に表示する表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の駐車支援装置及び駐車支援方法によれば、車両の周囲の状況をドライバが正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】駐車支援装置を搭載した車両の構成を示すブロック図である。
【
図3】俯瞰画像上に設定された第1部分俯瞰画像と第2部分俯瞰画像との範囲を示す図である。
【
図4】表示部に表示される合成画像を示す図である。
【
図5】表示部に表示される合成画像を示す図である。
【
図6】表示部に表示される合成画像を示す図である。
【
図7】表示部に表示される合成画像を示す図である。
【
図8】表示部に表示される俯瞰画像を示す図である。
【
図9】タッチ操作が検出された場合に、表示部に表示される合成画像を示す図である。
【
図10】タッチ操作が検出された場合に、表示部に表示される合成画像を示す図である。
【
図11】駐車支援装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら実施形態を説明する。
【0010】
図1は、駐車支援装置30を搭載した車両1Aの構成を示すブロック図である。
駐車支援装置30は、検出部10と、表示部20と、駐車支援装置30と、を備える。
【0011】
検出部10は、車両1Aの周囲に存在する他車両や障害物等を検出する複数のセンサを備える。検出部10は、センサとして、カメラ11及びソナー13を備える。
車両1Aは、例えば、車両1Aの前方、後方、左側方及び右側方にそれぞれ1つずつカメラ11を備え、車両1Aの前方、後方、左側方及び右側方をこれらのカメラ11により撮像する。車両1Aの前方に搭載されたカメラ11をフロントカメラといい、車両1Aの後方に搭載されたカメラ11をリアカメラという。また、車両1Aの左側方に搭載されたカメラ11を左サイドカメラといい、車両1Aの右側方に搭載されたカメラ11を右サイドカメラという。車両1Aの前方、後方、左側方及び右側方に設けられたカメラ11により車両1Aの周囲360度°の範囲の撮像が可能である。また、カメラ11のレンズに魚眼レンズを用いることで、車両1Aの周囲360°を撮像するために必要なカメラ11の数を削減することができる。
【0012】
また、車両1Aは、カメラ11を、車両1Aの底部前方及び底部後方、又は底部中央部に搭載してもよい。車両1Aの底部にカメラ11を搭載することで、車体の低い位置からの撮像が可能となる。車両1Aの底部のカメラ11により、例えば、機械式駐車場のパレット110を撮像することで、機械式駐車場のパレット110の凹凸の検出精度が向上する。
【0013】
車両1Aは、カメラ11としてステレオカメラを備える。カメラ11は、単眼カメラであってもよい。また、カメラ11は、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサの出力から撮像画像を生成するデータ処理回路とを備える。
カメラ11は、生成した撮像画像を駐車支援装置30に出力する。駐車支援装置30は、カメラ11が出力する撮像画像を、駐車支援装置30が備える記憶部50により一時的に記憶する。撮像画像は、車両の周囲の状況を示す周囲情報の一例に相当する。
【0014】
車両1Aは、例えば、車両1Aの左前方、右前方、左後方及び右後方にそれぞれ1つずつソナー13を搭載する。これらのソナー13は、車両1Aの左前方、右前方、左後方及び右後方に検出波としての音波をそれぞれ射出する。ソナー13は、射出した検出波が車両1Aの周囲に存在する車両等の障害物で反射した反射波を受信することで、障害物までの距離や、障害物が存在する方位を検出する。ソナー13は、検出した障害物までの距離や方位を示すデータを、センサデータとして駐車支援装置30に出力する。駐車支援装置30は、ソナー13が出力するセンサデータを、駐車支援装置30が備える記憶部50により一時的に記憶する。センサデータは、車両の周囲の状況を示す周囲情報の一例に相当する。
【0015】
表示部30は、表示パネル21と、タッチセンサ23と、を備える。表示パネル21及びタッチセンサ23は、タッチパネルを構成する。タッチセンサ23、又は、表示パネル21及びタッチセンサ23により構成されるタッチパネルは、受付部に相当する。
車両1Aは、液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等により構成される表示パネル21を備える。
タッチセンサ23は、表示パネル21に対するタッチ操作を検出するセンサである。タッチセンサ23は、タッチされた表示パネル21の座標を示す信号を駐車支援装置30に出力する。
【0016】
駐車支援装置30は、入出力I/F(Interface)40、記憶部50及びプロセッサ60を備えるコンピュータ装置である。
【0017】
入出力I/F40は、通信バス5に接続する。通信バス5には、検出部10や表示部30が接続する。車両1Aは、通信バス5として、例えば、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)、イーサネット(登録商標)等の規格に対応したバスを備える。入出力I/F40は、通信バス5を介して、検出部10が出力する撮像画像やセンサデータを入力し、駐車支援装置30が生成する表示データを表示部30に出力する。
【0018】
記憶部50は、揮発性の記憶部と、不揮発性の記憶部とを備える。
揮発性の記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される。不揮発の記憶部は、例えば、ROM(Read Only Memory)により構成される。
揮発性の記憶部は、プロセッサ60の演算領域として使用される。また、揮発性の記憶部は、撮像画像やセンサデータを記憶する。不揮発の記憶部は、プロセッサ60が実行する制御プログラムや、駐車支援装置30の動作に関する設定データを記憶する。
【0019】
プロセッサ60は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等のプロセッサを備える演算処理装置である。プロセッサ60は、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、プロセッサ60は、記憶部50の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System-on-a-chip)により構成してもよい。また、プロセッサ60は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSPとの組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサ60は、プロセッサ60の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0020】
駐車支援装置30は、機能ブロックとして、周囲情報取得部61、障害物検出部62、グリッドマップ生成部63、駐車スペース検出部64、俯瞰画像生成部65、合成画像生成部66及び表示制御部67を備える。これらの機能ブロックは、プロセッサ60が制御プログラムに従った演算を行うことで実現される機能をブロックにより示したものである。
【0021】
周囲情報取得部61は、車両1Aの周囲情報である撮像画像やセンサデータを取得する。周囲情報取得部61は、記憶部50から撮像画像及びセンサデータを読み出すことで取得する。周囲情報取得部61は、取得した撮像画像及びセンサデータを障害物検出部62に出力する。また、周囲情報取得部61は、取得した撮像画像を俯瞰画像生成部65に出力する。
【0022】
障害物検出部62は、撮像画像及びセンサデータに基づき、車両1Aの周囲に存在する障害物や、駐車場の路面に引かれた駐車区画線等を検出する。障害物には、例えば、他車両や、建物の壁面や柱、柵、段差、輪留め等の構造物等が含まれる。また、障害物検出部62は、駐車場が機械式の駐車場である場合、パレット110の幅や、パレット110に形成された段差等を検出する。
【0023】
障害物検出部62は、パターンマッチング等の公知の画像解析手法に基づいて撮像画像を解析し、車両1Aに周囲に存在する障害物を検出する。また、障害物検出部62は、ソナー13のセンサデータに基づき、車両1Aと、障害物との距離、及び、障害物が位置する方位を検出する。例えば、車両1Aに複数のソナー13を搭載し、1つのソナー13が射出した検出波の反射波を、他のソナー13でも検出できるようにすることで、障害物からの反射波を複数のソナー13で受信し、各ソナー13の位置と、検出波の伝搬時間の差とから障害物が存在する方位を検出する。障害物検出部62は、検出結果をグリッドマップ生成部63に出力する。
【0024】
グリッドマップ生成部63は、障害物検出部62の検出結果に基づき、三次元のグリッドマップを生成する。三次元のグリッドマップは、障害物や駐車区画線の距離や方位を示す点群をプロットしたマップである。グリッドマップの生成方法は、公知であるため詳細な説明は省略する。
【0025】
駐車スペース検出部64は、グリッドマップ生成部63が生成したグリッドマップに基づいて駐車スペースPを検出する。駐車スペース検出部64は、車両1Aを駐車可能な矩形形状の駐車スペースPを検出する。駐車スペース検出部64は、障害物検出部62が路面に引かれた駐車区画線を検出している場合や、機械式駐車場のパレット110を検出している場合には、駐車区画線により区画された領域内や、パレット110の領域内を、駐車スペースPとして検出する。
【0026】
俯瞰画像生成部65は、撮像画像を用いて俯瞰画像100を生成する。俯瞰画像生成部65は、撮像画像に基づき、例えば、車両1Aを表す車両画像1Bを真上から臨み、車両画像1Bを中心位置に表示する俯瞰画像100を生成する。車両1Aを真上から臨む視点は、所定の仮想視点に相当する。カメラ11の撮像画像に撮像される車両1Aの画像を車両画像1Bという。
【0027】
図2は、俯瞰画像生成部65が生成した俯瞰画像100の一例を示す。
俯瞰画像100は、フロントカメラの撮像画像に基づいて生成される前方ビュー101と、リアカメラの撮像画像に基づいて生成される後方ビュー102と、を含む。また、俯瞰画像100は、左サイドカメラの撮像画像に基づいて生成される左方向ビュー103と、右サイドカメラの撮像画像に基づいて生成される右方向ビュー104と、を含む。
【0028】
また、俯瞰画像100は、駐車スペース検出部64が検出した駐車スペースPの少なくとも一部を含む。
図2には、駐車スペースPが機械式駐車場のパレット110である場合を示す。また、駐車スペースPには、輪留め120を含む。
【0029】
合成画像生成部66は、俯瞰画像100から、第1部分俯瞰画像131と、第2部分俯瞰画像133と、を切り出す。
合成画像生成部66は、駐車スペースPの短手方向に平行な辺である短辺T1、T2の位置を基準位置として、第1部分俯瞰画像131と、第2部分俯瞰画像133とを切り出す範囲を設定する。
【0030】
図3は、俯瞰画像100上に設定された第1部分俯瞰画像131と、第2部分俯瞰画像133との範囲を示す図である。
矩形形状の駐車スペースPを構成する4つの辺のうち、車両1Aが駐車スペースPに進入する前に、車両1Aに近い側の短辺を短辺T1といい、車両1Aから遠い側の短辺を短辺T2という。短辺T1は、第1短辺に相当し、短辺T2は、第2短辺に相当する。
【0031】
まず、合成画像生成部66は、第1部分俯瞰画像131の範囲J1を設定する。範囲J1は、駐車スペースPの長手方向の辺の延伸方向での範囲である。範囲J1の駐車スペースPから離れる側の範囲は、短辺T1から距離J2だけ離れる範囲である。また、範囲J1の駐車スペースP側の範囲は、短辺T1から距離J3だけ離れる範囲である。距離J2と距離J3とは同一の距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。
【0032】
次に、合成画像生成部66は、第1部分俯瞰画像131の範囲L1を設定する。範囲L1は、駐車スペースPの短手方向の辺の延伸方向での範囲である。図面視で、範囲L1の左側の範囲は、短辺T1の左端の点K1から距離L2だけ離れた範囲である。図面視で、範囲L1の右側の範囲は、短辺T1の右端の点K2から距離L3だけ離れた範囲である。距離L2と距離L3とは同一の距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。
【0033】
次に、合成画像生成部66は、第2部分俯瞰画像133の範囲J5を設定する。範囲J5は、駐車スペースPの長手方向の辺の延伸方向での範囲である。範囲J5の駐車スペースPから離れる側の範囲は、短辺T2から距離J6だけ離れる範囲である。また、範囲J5の駐車スペースP側の範囲は、短辺T2から距離J7だけ離れる範囲である。距離J6と距離J7とは同一の距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。
【0034】
次に、合成画像生成部66は、第2部分俯瞰画像133の範囲L5を設定する。範囲L5は、駐車スペースPの短手方向の辺の延伸方向での範囲である。図面視で、範囲L5の左側の範囲は、短辺T2の左端の点K3から距離L6だけ離れた範囲である。図面視で、範囲L5の右側の範囲は、短辺T2の右端の点K4から距離L7だけ離れた範囲である。距離L6と距離L7とは同一の距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。
【0035】
合成画像生成部66は、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133の範囲を設定すると、設定した範囲の画像を俯瞰画像100から切り出し、切り出した第1部分俯瞰画像131と、第2部分俯瞰画像133とを合成する。
【0036】
なお、
図3では、説明の便宜上、俯瞰画像100上に、第1部分俯瞰画像131や第2部分俯瞰画像133を切り出す範囲を設定した例を示したが、駐車支援装置30は、俯瞰画像100を生成する前のカメラ11の撮像画像に基づいて、第1部分俯瞰画像131や第2部分俯瞰画像133を切り出す範囲を設定する。そして、駐車支援装置30は、複数枚の撮像画像から俯瞰画像100に座標変換する変換式を用いて第1部分俯瞰画像131や第2部分俯瞰画像133を切り出す範囲を変換し、俯瞰画像100上の範囲を算出する。
【0037】
俯瞰画像100から切り出した第1部分俯瞰画像131の駐車スペースPの短辺T1に平行な辺であって、第2部分俯瞰画像133側の辺を辺M1とする(
図3参照)。
また、俯瞰画像100から切り出した第2部分俯瞰画像133の駐車スペースPの短辺T2に平行な辺であって、第1部分俯瞰画像131側の辺を辺M2とする(
図3参照)。
合成画像生成部66は、第1部分俯瞰画像131の辺M1と、第2部分俯瞰画像133の辺M2とが重なり合うように、第1部分俯瞰画像131と第2部分俯瞰画像133とを配置して合成画像150を生成する。また、合成画像生成部66は、辺M1と辺M2とを一定の距離をおいて平行に並べるように第1部分俯瞰画像131と第2部分俯瞰画像133とを配置して合成画像150を生成してもよい。
【0038】
次に、合成画像生成部66は、合成画像150に、境界線160や、駐車スペースPの範囲を示す枠画像170を合成する。
境界線160は、第1部分俯瞰画像131と第2部分俯瞰画像133との境界を示す画像である。境界線160は、第1部分俯瞰画像131と第2部分俯瞰画像133との境界領域に表示される。
枠画像170は、駐車スペースPの範囲を示す画像である。本実施形態では、駐車スペースPの4隅にそれぞれ配置される、鉤括弧の形状の画像を用いた例を示すが、枠画像170は、駐車スペースPの周囲を囲む画像であってもよい。
【0039】
また、駐車スペースP内に輪留め120が検出される場合、合成画像生成部66は、合成画像150に、輪留め120の位置を示す画像である輪留め画像125を合成する。合成画像150は、生成した合成画像150を表示制御部67に出力する。
また、合成画像生成部66は、駐車スペースPが、機械式駐車場のパレット110である場合、合成画像150に、パレット110の車輪誘導溝を示す画像である溝画像を合成する。合成画像生成部66は、生成した合成画像150を表示制御部67に出力する。
【0040】
表示制御部67は、合成画像生成部66が生成した合成画像150に対応した表示データを表示部20に出力する。
表示部20は、駐車支援装置30から入力される表示データに基づく画像である合成画像150を表示パネル21に表示する。
【0041】
図4~
図7は、表示部20に表示される合成画像150を示す図である。
図4は、車両1Aの後端部が駐車スペースPに近づき、車両画像1Bの後端部が合成画像150の第1部分俯瞰画像131に表示された状態を示す図である。
図5は、車両1Aが後端部側から駐車スペースP内に侵入した状態を示す。
図5の表示状態では、車両1Aの後端部と、駐車スペースPの短辺T1との距離が離れているため、第2部分俯瞰画像133に車両画像1Bは表示されない。
図6は、
図5に示す表示状態から、車両1Aがさらに後退し、第2部分俯瞰画像133内に車両画像1Bが表示された状態を示す。
【0042】
図7は、第2部分俯瞰画像133が拡大表示された状態を示す図である。
合成画像生成部66は、車両1Aと、予め設定された基準位置との距離が、設定距離以下になると、第2部分俯瞰画像133を、予め設定された表示倍率となるように拡大する。予め設定された基準位置は、例えば、駐車スペースPの短辺T2であってもよいし、駐車スペースPの後部に壁面がある場合、この壁面との距離であってもよい。また、駐車スペースP内に輪留め120が設けられている場合、この輪留め120を基準位置として用いてもよい。車両1Aの後方に搭載されたカメラ11が、駐車スペースPの短辺T2側に近づくと、第2部分俯瞰画像133を拡大しても、第2部分俯瞰画像133の表示画像が粗くなることがない。このため、ドライバは、駐車スペースPの短辺T2側の状態をより確実に確認することができる。
【0043】
また、合成画像生成部66は、車両1Aの後端部と、予め設定された基準位置との距離が、設定距離以下になった場合に、車両1Aの後端部と、予め設定された基準位置との距離に応じて第1部分俯瞰画像131を拡大し、第1部分俯瞰画像131の表示倍率を徐々に大きくしていってもよい。
合成画像生成部66は、例えば、予め設定された基準位置を短辺T2とする場合、短辺T2と車両1Aとの距離に応じて設定される第2部分俯瞰画像133の表示倍率となるように第2部分俯瞰画像133を拡大する。この第2部分俯瞰画像133の表示倍率は、短辺T2と車両1Aとの距離が短くなるほど表示倍率が大きくなるように設定している。
【0044】
図8は、車両1Aが駐車スペースPに駐車した状態を示す。
表示制御部67は、車両1Aが駐車スペースPに駐車すると、表示パネル21に表示していた合成画像150を消去して、俯瞰画像100を表示パネル21に表示する制御を行う。すなわち、表示制御部67は、表示パネル21に表示されていた第1部分俯瞰画像131や、第2部分俯瞰画像133、境界線160を消去する制御を行う。
【0045】
図9は、ユーザがタッチ操作により、境界線160の位置を表示パネル21の画面の下方向に移動した場合を示す。つまり、境界線160を、合成画像150の第1部分俯瞰画像131の方向に移動するタッチ操作が検出された場合を示す。
合成画像生成部66は、タッチセンサ23が境界線160を画面の下方向に移動する操作を検出すると、第2部分俯瞰画像133を縮小して第2部分俯瞰画像133の表示倍率を下げる。又は、合成画像生成部66は、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を縮小し、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133の表示倍率を下げてもよい。
【0046】
境界線160を画面の下方向に移動することで、合成画像150において、第2部分俯瞰画像133が表示される領域の大きさが大きくなる。合成画像生成部66は、境界線160を画面の下方向に移動する操作を検出すると、第2部分俯瞰画像133を縮小して第2部分俯瞰画像133の表示倍率を下げる。合成画像生成部66は、境界線160の移動距離に対応した表示倍率となるように、第2部分俯瞰画像133を縮小する。第2部分俯瞰画像133を縮小することで、撮像画像から第2部分俯瞰画像133として切り出される範囲J5及びL5が広がる。これにより合成画像150において第2部分俯瞰画像133が表示する車両1Aの画像の範囲が広がる。
【0047】
また、合成画像生成部66は、タッチセンサ23が境界線160を画面の下方向に移動する操作を検出した場合に、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を縮小し、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133の表示倍率を下げてもよい。第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を縮小することで、合成画像150が表示する車両1Aの画像の範囲が広がる。
【0048】
合成画像生成部66は、縮小した第2部分俯瞰画像133と、第1部分俯瞰画像131とを合成して合成画像150を生成する。また、合成画像生成部66は、縮小した第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を合成して合成画像150を生成する。
【0049】
表示制御部67は、合成画像生成部66が生成した合成画像150の表示データを表示部20に出力する。表示部20は、駐車支援装置30から入力される表示データに基づく画像である合成画像150を表示パネル21に表示する。
【0050】
図10は、ユーザがタッチ操作により、境界線160の位置を表示パネル21の画面の上方向に移動した場合を示す。つまり、境界線160を、合成画像150の第2部分俯瞰画像133の方向に移動するタッチ操作が検出された場合を示す。
合成画像生成部66は、タッチセンサ23が境界線160を画面の上方向に移動する操作を検出すると、第1部分俯瞰画像131を縮小して第1部分俯瞰画像131の表示倍率を下げる。又は、合成画像生成部66は、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を拡大して、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133の表示倍率を上げてもよい。
【0051】
境界線160を画面の上方向に移動することで、合成画像150において、第1部分俯瞰画像131が表示される領域の大きさが大きくなる。合成画像生成部66は、境界線160を画面の上方向に移動する操作を検出すると、第1部分俯瞰画像131を縮小して第1部分俯瞰画像131の表示倍率を下げる。合成画像生成部66は、境界線160の移動距離に対応した表示倍率となるように、第1部分俯瞰画像131を縮小する。第1部分俯瞰画像131を縮小することで、撮像画像から第1部分俯瞰画像131として切り出される範囲J1及びL1が広がる。これにより合成画像150において第1部分俯瞰画像131が表示する車両1Aの画像の範囲が広がる。
【0052】
また、合成画像生成部66は、タッチセンサ23が境界線160を画面の上方向に移動する操作を検出した場合に、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を拡大して、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133の表示倍率を上げてもよい。第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を拡大することで、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133に含まれる車両画像1Bの表示サイズが拡大する。
【0053】
合成画像生成部66は、縮小した第1部分俯瞰画像131と、第2部分俯瞰画像133とを合成して合成画像150を生成する。また、合成画像生成部66は、拡大した第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を合成して合成画像150を生成する。
【0054】
表示制御部67は、合成画像生成部66が生成した合成画像150の表示データを表示部20に出力する。表示部20は、駐車支援装置30から入力される表示データに基づく画像である合成画像150を表示パネル21に表示する。
【0055】
図11は、駐車支援装置30の動作を示すフローチャートである。
図11に示すフローチャートを参照しながら駐車支援装置30の動作を説明する。
まず、駐車支援装置30は、駐車支援の開始を指示する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1)。駐車支援装置30は、例えば、表示パネル21に表示された駐車支援の開始を指示するボタンがタッチ操作により選択されたか否かを判定する。
【0056】
駐車支援装置30は、駐車支援の開始を指示する操作を受け付けていない場合(ステップS1/NO)、駐車支援の開始を指示する操作を受け付けるまで待機する。
【0057】
駐車支援装置30は、駐車支援の開始を指示する操作を受け付けると(ステップS1/YES)、記憶部50から周囲情報として、カメラ11の撮像画像と、ソナー13のセンサデータと、を取得する(ステップS2)。ステップS2は、周囲情報を取得するステップに相当する。
【0058】
駐車支援装置30は、取得した撮像画像及びセンサデータに基づいて障害物や路面に引かれた駐車区画線等を検出する(ステップS3)。障害物には、他車両や、建物の柱等の構造物、機械式駐車場のパレット110等が含まれる。
【0059】
次に、駐車支援装置30は、グリッドマップを生成する(ステップS4)。駐車支援装置30は、生成したグリッドマップを参照して駐車スペースPを検出する(ステップS5)。ステップS5は、駐車スペースPを検出するステップに相当する。
【0060】
次に、駐車支援装置30は、ステップS2で取得した撮像画像に基づき俯瞰画像100を生成する(ステップS6)。駐車支援装置30は、車両1Aを表す車両画像1Bを真上から臨み、車両画像を中心位置に表示する俯瞰画像100を生成する。ステップS6は、俯瞰画像を生成するステップに相当する。
【0061】
駐車支援装置30は、撮像画像に撮像された駐車スペースPの短辺T1を基準とする所定範囲の俯瞰画像100を、第1部分俯瞰画像131として切り出す(ステップS7)。また、駐車支援装置30は、撮像画像に撮像された駐車スペースPの短辺T2を基準とする所定範囲の俯瞰画像100を、第2部分俯瞰画像133として切り出す(ステップS7)。ステップS7は、第1部分俯瞰画像131を生成するステップ、及び、第2部分俯瞰画像133を生成するステップに相当する。
【0062】
次に、駐車支援装置30は、第1部分俯瞰画像131の短辺T1と、第2部分俯瞰画像133の短辺T2とが重なるように、第1部分俯瞰画像131と第2部分俯瞰画像133とを合成して、合成画像150を生成する(ステップS8)。ステップS8は、合成画像150を生成するステップに相当する。
【0063】
次に、駐車支援装置30は、合成画像150に、駐車スペースPの範囲を示す枠画像170を重ねて表示する(ステップS9)。
【0064】
次に、駐車支援装置30は、駐車スペースPが機械式駐車場のパレット110であるか否かを判定する(ステップS10)。
駐車支援装置30は、駐車スペースPが機械式駐車場のパレット110である場合(ステップS10/YES)、合成画像150に、輪留め120の位置を示す画像である輪留め画像125を重畳する(ステップS11)。さらに、駐車支援装置30は、駐車スペースPが機械式駐車場のパレット110である場合、パレット110に形成される車輪誘導溝を示す画像である溝画像を重畳する。
【0065】
また、駐車支援装置30は、駐車スペースPが機械式駐車場のパレット110でない場合(ステップS10/YES)、又は、ステップS11の処理が終了すると、合成画像150に境界線160を重畳する(ステップS12)。駐車支援装置30は、第1部分俯瞰画像131と、第2部分俯瞰画像133との境界となる位置に、境界線160を重畳する。
【0066】
次に、駐車支援装置30は、境界線160等が重畳された合成画像150を表示部20に表示する。駐車支援装置30は、合成画像150の表示データを表示部30に出力する。表示部20は、入力される表示データに基づく画像である合成画像150を表示パネル120に表示する(ステップS13)。ステップS13は、表示するステップに相当する。
【0067】
次に、駐車支援装置30は、境界線160の表示位置を変更するタッチ操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS14)。駐車支援装置30は、境界線160の表示位置を変更するタッチ操作を受け付けると(ステップS14/YES)、タッチ操作に基づいて境界線160の表示位置を変更する(ステップS15)。
【0068】
次に、駐車支援装置30は、境界線160が移動することにより、表示パネル21の表示領域が拡大した側の部分俯瞰画像を縮小する。例えば、境界線160を表示パネル21の画面の下方向に移動することで、第1部分俯瞰画像131を表示する表示パネル21の表示領域が拡大する。駐車支援装置30は、第1部分俯瞰画像131を所定倍率で縮小し、縮小した第1部分俯瞰画像131と、第2部分俯瞰画像133とを合成した合成画像150を表示パネル21に表示する(ステップS16)。
【0069】
また、境界線160を表示パネル21の画面の上方向に移動することで、第2部分俯瞰画像133を表示する表示パネル21の表示領域が拡大する。駐車支援装置30は、第2部分俯瞰画像133を所定倍率で縮小し、縮小した第2部分俯瞰画像133と、第1部分俯瞰画像131とを合成した合成画像150を表示パネル21に表示する(ステップS16)。
【0070】
また、駐車支援装置30は、境界線160の表示位置を変更するタッチ操作を受け付けていない場合(ステップS14/NO)、ステップS17の判定に移行する。駐車支援装置30は、車両1Aの後端と、駐車スペースPの短辺T2との距離がしきい値以下となったか否かを判定する(ステップS17)。
【0071】
駐車支援装置30は、車両1Aの後端と、駐車スペースPの短辺T2との距離がしきい値以下になると(ステップS17/YES)、第1部分俯瞰画像131、又は、第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を、所定倍率で拡大する。
【0072】
駐車支援装置30は、所定倍率で拡大した第1部分俯瞰画像131に第2部分俯瞰画像133を合成して合成画像150を生成する。又は、駐車支援装置30は、所定倍率で拡大した第1部分俯瞰画像131及び第2部分俯瞰画像133を合成して合成画像150を生成する。駐車支援装置30は、生成した合成画像150を表示パネル21に表示する(ステップS18)。
【0073】
次に、駐車支援装置30は、車両1Aの駐車スペースP内への駐車が完了したか否かを判定する(ステップS19)。駐車支援装置30は、車両1Aの駐車スペースP内への駐車が完了していない場合(ステップS19/NO)、ステップS14の判定に戻る。
【0074】
また、駐車支援装置30は、車両1Aの駐車スペースP内への駐車が完了すると(ステップS19/YES)、境界線160の表示を消去し、車両画像1Bの全体を表示した俯瞰画像100を表示パネル21に表示する(ステップS20)。
【0075】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、本開示の駐車支援装置30は、ステアリングや、ブレーキ、アクセル等を制御して、車両1Aを駐車スペースPまで自動で走行する制御装置が搭載された車両1Aに搭載されてもよい。
【0076】
また、
図1に示すブロック図は、駐車支援装置30の機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0077】
また、
図11に示すフローチャートの処理単位は、駐車支援装置30の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。駐車支援装置30の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、駐車支援装置30の処理は、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。
【0078】
また、上述した説明では、検出部10がセンサとしてソナー13を備える場合について説明したが、検出部10が備えるセンサはソナー13に限定されない。例えば、検出部10は、LiDAR(Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Ranging)等の光学センサを、ソナー13の代わりに備える構成であってもよい。
【0079】
また、駐車支援装置30が備えるコンピュータが、本開示の駐車支援方法を実行する場合、このコンピュータが実行するプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD、Blu-ray(登録商標)Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、サーバー装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【0080】
以下、本開示のまとめを記載する。
(構成1)
車両の周囲の状況を示す周囲情報を取得する周囲情報取得部と、前記周囲情報に基づき、前記車両を駐車可能な矩形形状の駐車スペースを検出する駐車スペース検出部と、前記周囲情報に含まれる撮像画像に基づき、所定の仮想視点から前記車両を俯瞰した俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、前記駐車スペースを構成する辺のうち、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺である第1短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第1部分俯瞰画像を生成し、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺であり、前記第1短辺とは異なる前記駐車スペースの第2短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第2部分俯瞰画像を生成し、前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成する合成画像生成部と、前記合成画像を表示部に表示する表示制御部と、を備える、駐車支援装置。
(構成5)
車両の周囲の状況を示す周囲情報を取得するステップと、前記周囲情報に基づき、前記車両を駐車可能な矩形形状の駐車スペースを検出するステップと、前記周囲情報に含まれる撮像画像に基づき、所定の仮想視点から前記車両を俯瞰した俯瞰画像を生成するステップと、前記駐車スペースを構成する辺のうち、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺である第1短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第1部分俯瞰画像を生成するステップと、前記駐車スペースの短手方向に平行な辺であり、前記第1短辺とは異なる前記駐車スペースの第2短辺の位置を基準位置として、前記駐車スペースの長手方向の辺の延伸方向の予め設定された範囲内を前記俯瞰画像から切り出して第2部分俯瞰画像を生成するステップと、前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成するステップと、前記合成画像を表示部に表示するステップと、を含む、駐車支援方法。
【0081】
これらの構成によれば、駐車スペースの第1短辺の位置を基準位置として俯瞰画像から切り出した第1部分俯瞰画像と、駐車スペースの第2短辺の位置を基準位置として俯瞰画像から切り出した第2部分俯瞰画像と、を合成して合成画像を生成する。この合成画像を表示部に表示することで、駐車スペースの長手方向の両端部を含む合成画像を表示することができる。このため、車両の周囲の状況をドライバがより正確に把握することができる。
【0082】
(構成2)
前記合成画像生成部は、前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、前記第2部分俯瞰画像を、予め設定された表示倍率となるように拡大し、拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、前記表示制御部は、前記合成画像を前記表示部に表示する、構成1記載の駐車支援装置。
(構成6)
前記合成画像を生成するステップは、前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、前記第2部分俯瞰画像を、予め設定された表示倍率となるように拡大し、拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、前記表示するステップは、前記合成画像を前記表示部に表示する、構成5記載の駐車支援方法。
【0083】
これらの構成によれば、駐車スペースの第2短辺と車両との距離が予め設定された距離以下になると、予め設定された倍率で拡大された第2部分俯瞰画像を含む合成画像が表示される。このため、車両から離れた側の駐車スペースの短辺である第2短辺を含む範囲を、ドライバが確実に把握することができ、ドライバは不安感なく、車両を駐車スペースに駐車することができる。
【0084】
(構成3)
前記合成画像生成部は、前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、前記第2短辺と前記車両との距離に応じて設定される前記第2部分俯瞰画像の表示倍率であって、前記第2短辺と前記車両との距離が短くなるほど前記表示倍率が大きくなるように前記第2部分俯瞰画像を拡大し、拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、前記表示制御部は、前記合成画像を前記表示部に表示する、構成1記載の駐車支援装置。
(構成7)
前記合成画像を生成するステップは、前記第1短辺及び前記第2短辺のうち、前記車両が前記駐車スペースに進入する前に、前記車両との距離が離れている側の短辺である前記第2短辺と、前記車両との距離が予め設定された距離以下になると、前記第2短辺と前記車両との距離に応じて設定される前記第2部分俯瞰画像の表示倍率であって、前記第2短辺と前記車両との距離が短くなるほど前記表示倍率が大きくなるように前記第2部分俯瞰画像を拡大し、拡大した前記第2部分俯瞰画像と、前記第1部分俯瞰画像とを合成して合成画像を生成し、前記表示するステップは、前記合成画像を前記表示部に表示する、構成5記載の駐車支援方法。
【0085】
これらの構成によれば、駐車スペースの第2短辺と車両との距離が予め設定された距離以下になると、第2短辺と車両との距離に応じて設定された倍率であって、第2短辺と車両との距離が短くなるほど倍率が大きくなるように第2部分俯瞰画像が拡大される。このため、車両から離れた側の駐車スペースの短辺である第2短辺を含む範囲を、ドライバが確実に把握することができ、ドライバは不安感なく、車両を駐車スペースに駐車させることができる。
【0086】
(構成4)
前記表示部が備える表示パネルに対するタッチ操作を受け付ける受付部を備え、前記表示制御部は、前記合成画像の前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像との境界領域に境界線を重畳し、前記合成画像生成部は、前記受付部が、前記境界線を、前記第1部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を検出すると、前記第2部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第2部分俯瞰画像と前記第1部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成し、前記受付部が、前記境界線を、前記第2部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を検出すると、前記第1部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成する、構成1から3のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
(構成8)
前記表示部が備える表示パネルに対するタッチ操作を受け付けるステップを備え、前記表示するステップは、前記合成画像の前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像との境界領域に境界線を重畳し、前記合成画像を生成するステップは、前記受け付けるステップにより、前記境界線を、前記第1部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を受け付けると、前記第2部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第2部分俯瞰画像と前記第1部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成し、前記受け付けるステップにより、前記境界線を、前記第2部分俯瞰画像の方向に移動するタッチ操作を受け付けると、前記第1部分俯瞰画像を、前記境界線の移動距離に対応した表示倍率となるように縮小し、縮小した前記第1部分俯瞰画像と前記第2部分俯瞰画像とを合成して前記合成画像を生成する、構成5から7のいずれか一項に記載の駐車支援方法。
【0087】
これらの構成によれば、表示パネルに対するタッチ操作により境界線の表示位置を変更することで、第2部分俯瞰画像又は第1部分俯瞰画像の倍率を変更することができる。このため、ドライバが視認しやすい倍率の合成画像を表示部に表示することができる。
【符号の説明】
【0088】
61 周囲情報取得部
64 駐車スペース検出部
65 俯瞰画像生成部
66 合成画像生成部
67 表示制御部