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特開2024-171816ロボットシステムおよびロボットシステムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171816
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ロボットシステムおよびロボットシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/06 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B25J15/06 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089058
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 祥一
(72)【発明者】
【氏名】石戸 陽平
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707DS02
3C707DS10
3C707FS01
3C707FT02
3C707FT11
3C707MT10
3C707NS19
(57)【要約】
【課題】複数の吸着部のうちからワークを吸着するための吸着部を選択する制御部の制御負荷を軽減することが可能なロボットシステムを提供する。
【解決手段】このロボットシステム100は、ロボットアーム20と、ワーク200の上面201を吸着する複数の上面吸着部45と、ワーク200の側面202を吸着する複数の側面吸着部54と、を含み、ロボットアーム20に取り付けられるハンド30と、複数の上面吸着部45および複数の側面吸着部54の吸着力を発生させる複数の吸着力発生源60と、複数の上面吸着部45のうちから選択した上面吸着部45と、選択した上面吸着部45に対応する側面吸着部54とに共通の吸着力発生源60を制御する制御部80と、を備える。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームと、
ワークの上面を吸着する複数の上面吸着部と、前記ワークの側面を吸着する複数の側面吸着部と、を含み、前記ロボットアームに取り付けられるハンドと、
前記複数の上面吸着部および前記複数の側面吸着部の吸着力を発生させる複数の吸着力発生源と、
前記複数の上面吸着部のうちから選択した前記上面吸着部と、選択した前記上面吸着部に対応する前記側面吸着部とに共通の前記吸着力発生源を制御する制御部と、を備える、ロボットシステム。
【請求項2】
前記制御部は、共通の前記吸着力発生源に、共通の配管または共通の配線を介して接続された前記上面吸着部と前記側面吸着部とにより前記ワークを吸着する制御を実行する、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記複数の上面吸着部は、
第1上面吸着部と、
前記第1上面吸着部に対して、第1方向に隣り合うように配置される第2上面吸着部と、を含み、
前記複数の側面吸着部は、
第1側面吸着部と、
前記第1側面吸着部に対して、前記第1方向に隣り合うように配置される第2側面吸着部と、を含み、
前記制御部は、
共通の前記吸着力発生源に接続されている前記第1上面吸着部と前記第1側面吸着部とにより前記ワークを吸着する制御を実行し、
共通の前記吸着力発生源に接続されている前記第2上面吸着部と前記第2側面吸着部とにより前記ワークを吸着する制御を実行する、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記第2上面吸着部は、前記第1方向に沿って複数配置され、
前記第2側面吸着部は、複数の前記第2上面吸着部に対応するように前記第1方向に沿って複数配置されている、請求項3に記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記第1上面吸着部および前記第2上面吸着部は、各々、前記ワークを吸着する複数の吸着パッドを含み、
前記複数の第2上面吸着部の各々の、前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の、前記第1方向に直交する第2方向の長さは互いに異なり、
互いに前記第2方向の長さが異なる前記配置領域に配置される前記吸着パッドの数は同じであるとともに、前記第2方向の長さが大きい前記配置領域に配置される前記吸着パッド同士の間隔は、前記第2方向の長さが小さい前記配置領域に配置される前記吸着パッド同士の間隔よりも大きい、請求項4に記載のロボットシステム。
【請求項6】
前記第1側面吸着部および前記第2側面吸着部は、各々、前記ワークを吸着する複数の吸着パッドを含み、
前記第1側面吸着部および前記第2側面吸着部に含まれる前記複数の吸着パッドは、前記第1方向および前記第2方向に対して直交する第3方向に交差する方向に並んで配置されている、請求項5に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記第1方向において、前記第1上面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さは、前記第1側面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さに対応し、
前記第1方向において、前記第2上面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さは、前記第2側面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さに対応している、請求項3に記載のロボットシステム。
【請求項8】
前記複数の上面吸着部は、前記第1上面吸着部に対して、前記第1方向に直交する第2方向に隣り合うように配置され、前記上面吸着部および前記側面吸着部に接続される前記吸着力発生源とは異なる吸着力発生源に接続される第3上面吸着部を含み、
前記制御部は、前記第3上面吸着部の吸着を、前記第1上面吸着部、前記第2上面吸着部、前記第1側面吸着部および前記第2側面吸着部とは別個に制御する、請求項3に記載のロボットシステム。
【請求項9】
前記制御部は、前記ワークの大きさに応じて、前記ワークを吸着する前記上面吸着部を選択する、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項10】
前記ワークの大きさを検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部に検出された前記ワークの大きさに基づいて、前記複数の上面吸着部のうちいずれの前記上面吸着部により前記ワークを吸着するのかを決定する、請求項9に記載のロボットシステム。
【請求項11】
ロボットアームに取り付けられるハンドに含まれる、ワークの上面を吸着する複数の上面吸着部のうちから、前記ワークを吸着する前記上面吸着部を選択することと、
選択した前記上面吸着部と、前記ハンドに含まれる複数の側面吸着部のうち、選択した前記上面吸着部に対応する前記側面吸着部とに共通の吸着力発生源を制御することにより、前記ワークを吸着することと、を備える、ロボットシステムの制御方法。
【請求項12】
前記ワークを吸着することは、
前記上面吸着部により前記ワークを吸着することと、
前記上面吸着部の高さ位置を維持した状態で、前記側面吸着部により前記ワークを吸着することと、を含む、請求項11に記載のロボットシステムの制御方法。
【請求項13】
前記ワークを吸着することは、
前記上面吸着部により前記ワークを吸着して前記ワークを持ち上げることと、
前記上面吸着部により持ち上げられた前記ワークを、前記側面吸着部により吸着することと、を含む、請求項11に記載のロボットシステムの制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、ロボットシステムおよびロボットシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを吸着する吸着部を備えるロボットシステムが知られている。特許文献1には、ワークの上面を吸着する複数の第1の吸着パッドと、ワークの側面を吸着する複数の第2の吸着パッドと、制御部と、を備える荷役装置が開示されている。特許文献1では、制御部は、複数の荷物のうちから選択された荷物の上面の大きさに基づいて、複数の第1の吸着パッドのうちからワークの上面を吸着する第1の吸着パッドを選択する。また、制御部は、選択された荷物の側面の大きさに基づいて、複数の第2の吸着パッドのうちからワークの側面を吸着する第2の吸着パッドを選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6668417号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、制御部が第1の吸着パッドを選択する制御と第2の吸着パッドを選択する制御とを個別に実行しているため、制御部の制御負荷が増加するという問題点がある。
【0005】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、複数の吸着部のうちからワークを吸着するための吸着部を選択する制御部の制御負荷を軽減することが可能なロボットシステムおよびロボットシステムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の第1の局面によるロボットシステムは、ロボットアームと、ワークの上面を吸着する複数の上面吸着部と、ワークの側面を吸着する複数の側面吸着部と、を含み、ロボットアームに取り付けられるハンドと、複数の上面吸着部および複数の側面吸着部の吸着力を発生させる複数の吸着力発生源と、複数の上面吸着部のうちから選択した上面吸着部と、選択した上面吸着部に対応する側面吸着部とに共通の吸着力発生源を制御する制御部と、を備える。
【0007】
この開示の第1の局面によるロボットシステムは、上記のように、ロボットアームに取り付けられるハンドと、複数の上面吸着部および複数の側面吸着部の吸着力を発生させる複数の吸着力発生源と、複数の上面吸着部のうちから選択した上面吸着部と、選択した上面吸着部に対応する側面吸着部とに共通の吸着力発生源を制御する制御部と、を備える。これにより、制御部が複数の上面吸着部のうちからワークを吸着する上面吸着部を選択するだけで、選択された上面吸着部と共通の吸着力発生源により吸着力が発生される側面吸着部が自動的に選択される。このため、側面吸着部を選択する制御を実行する必要がないので、複数の吸着部のうちからワークを吸着するための吸着部を選択する制御部の制御負荷を軽減できる。
【0008】
この開示の第2の局面によるロボットシステムの制御方法は、ロボットアームに取り付けられるハンドに含まれる、ワークの上面を吸着する複数の上面吸着部のうちから、ワークを吸着する上面吸着部を選択することと、選択した上面吸着部と、ハンドに含まれる複数の側面吸着部のうち、選択した上面吸着部に対応する側面吸着部とに共通の吸着力発生源を制御することにより、ワークを吸着することと、を備える。
【0009】
この開示の第2の局面によるロボットシステムの制御方法は、上記のように、選択した上面吸着部と、ハンドに含まれる複数の側面吸着部のうち、選択した上面吸着部に対応する側面吸着部とに共通の吸着力発生源を制御することにより、ワークを吸着することを備える。これにより、制御部が複数の上面吸着部のうちからワークを吸着する上面吸着部を選択するだけで、選択された上面吸着部と共通の吸着力発生源により吸着力が発生される側面吸着部が自動的に選択される。このため、側面吸着部を選択する制御を実行する必要がないので、複数の吸着部のうちからワークを吸着するための吸着部を選択する制御部の制御負荷を軽減することが可能なロボットシステムの制御方法を提供できる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、複数の吸着部のうちからワークを吸着するための吸着部を選択する制御部の制御負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態によるロボットシステムを示す図である。
図2】本実施形態によるロボットシステムのブロック図である。
図3】本実施形態によるハンドを示す図である。
図4】本実施形態による上面吸着部をC2側から見た図である。
図5】本実施形態による上面吸着部の配置領域の長さを説明するための図である。
図6】本実施形態による側面吸着部をB1側から見た図である。
図7】本実施形態による側面吸着部の配置領域の長さを説明するための図である。
図8】本実施形態による共通の吸着力発生源に接続される上面吸着部および側面吸着部を示す図である。
図9】本実施形態によるロボットシステムの制御方法のフロー図である。
図10】側面が露出しているワークを吸着する動作を説明するための図である。(a)下降するハンドを示す図である。(b)ワークを吸着した上面吸着部を示す図である。(c)ワークの側面に向かって移動する側面吸着部を示す図である。(d)ワークを吸着した側面吸着部を示す図である。(e)ワークを持ち上げたハンドを示す図である。
図11】側面が露出していないワークを吸着する動作を説明するための図である。(a)下降するハンドを示す図である。(b)ワークを吸着した上面吸着部を示す図である。(c)ワークの側面において下降する側面吸着部を示す図である。(d)ワークの側面に向かって移動する側面吸着部を示す図である。(e)ワークを持ち上げたハンドを示す図である。
図12】変形例による共通の吸着力発生源に接続される上面吸着部および側面吸着部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示を具体化した本開示の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本願明細書において、図4に示す下側板部44の長辺に沿った方向を、A方向とし、A方向に直交する上側板部42の短辺に沿った方向をB方向とする。また、A方向およびB方向に直交する方向をC方向とする。また、A方向の一方側および他方側を、それぞれ、A1側およびA2側とする。B方向の一方側および他方側を、それぞれ、B1側およびB2側とする。C方向の一方側および他方側を、それぞれ、C1側およびAC側とする。なお、A方向、B方向およびC方向は、それぞれ、第1方向、第2方向および第3方向の一例である。
【0013】
本実施形態によるロボットシステム100について説明する。図1に示すように、ロボットシステム100は、ワーク200を吸着して所望の位置に搬送する。
【0014】
(ワーク)
まず、ワーク200について説明する。ワーク200は、たとえば、直方体形状を有する段ボール箱や、直方体形状を有するプラスチックのケースなどである。また、ワーク200は、複数配置されている。複数のワーク200は、積層されていてもよいし、バラバラに配置されていてもよい。また、複数のワーク200の大きさは、全て同じでもよいし、サイズの異なるワーク200が混在していてもよい。
【0015】
(ロボットシステム)
次に、ロボットシステム100の構成について説明する。図2に示すように、ロボットシステム100は、ロボット10と、吸着力発生源60と、撮像部70と、制御部80と、を備えている。
【0016】
ロボット10の構成について説明する。図1に示すように、ロボット10は、垂直多関節型のロボット10である。ロボット10は、ロボットアーム20と、ハンド30と、を含む。ロボットアーム20は、複数の関節JTを含む。たとえば、ロボットアーム20は、6個の関節JT1、JT2、JT3、JT4、JT5およびJT6を含む。すなわち、ロボットアーム20は、6軸を有するロボットアーム20である。また、関節JT1から関節JT6までの各々には、図2に示す駆動部21が配置されている。
【0017】
ハンド30の構成について説明する。図3に示すように、ハンド30は、ロボットアーム20の先端に取り付けられている。ハンド30は、複数の上面吸着部45によりワーク200の上面201を吸着し、複数の側面吸着部54によりワーク200の側面202を吸着する。以下、ハンド30の構成を具体的に説明する。
【0018】
ハンド30は、ワーク200の上面201を吸着する上面吸着機構40と、ワーク200の側面202を吸着する側面吸着機構50と、を備えている。
【0019】
上面吸着機構40について説明する。上面吸着機構40は、取付部41と、上側板部42と、クッション部43と、下側板部44と、複数の上面吸着部45と、を含む。取付部41は、たとえば、柱形状を有し、取付部41のC1側の面には、ロボットアーム20の先端が取り付けられる。また、取付部41のC2側の面には、上側板部42が取り付けられる。上側板部42と下側板部44とは、たとえば、矩形形状を有し、互いに離間して配置されている。上側板部42と下側板部44との間には、クッション部43が配置されている。クッション部43は、両端が上側板部42と下側板部44とに接続される柱部43aと、柱部43aを取り囲むように配置されるばね部43bとを含む。柱部43aとばね部43bとの組は、上側板部42および下側板部44の四隅に各々配置されている。クッション部43は、ハンド30がワーク200に接触した際の衝撃を吸収する。また、複数の上面吸着部45は、下側板部44の下側に配置されている。
【0020】
本実施形態における吸着部および配置領域の定義について説明する。本実施形態では、複数の吸着パッドのグループを吸着部と呼ぶ。また、複数の吸着パッドが配置される領域を配置領域と呼ぶ。上面吸着機構40では、配置領域は、下側板部44のC2側の面の一領域を意味する。後述する側面吸着機構50では、配置領域は、側方板部53のB1側の面の一領域を意味する。
【0021】
複数の上面吸着部45について説明する。図4に示すように、本実施形態では、複数の上面吸着部45は、ワーク200の上面201を吸着する。また、複数の上面吸着部45は、第1上面吸着部45aと、複数の第2上面吸着部45bと、複数の第3上面吸着部45cと、を含む。複数の第2上面吸着部45bは、第1上面吸着部45aに対して、A方向に隣り合うように配置されている。本実施形態では、複数の第2上面吸着部45bは、たとえば、5つ配置されている。5つの第2上面吸着部45bを、各々、第2上面吸着部451b、452b、453b、454bおよび455bとする。
【0022】
第1上面吸着部45aおよび第2上面吸着部45bの詳細な構成について説明する。本実施形態では、第1上面吸着部45aおよび第2上面吸着部45bは、各々、ワーク200を吸着する複数の吸着パッド46を含む。複数の吸着パッド46は、下側板部44のC2側の面に配置されている。たとえば、第1上面吸着部45aに対応する下側板部44のC2側の面の矩形形状の配置領域a1には、12個の吸着パッド46が配置されている。12個の吸着パッド46は、A方向およびB方向に沿って3行4列のマトリクス状に配置されている。また、複数の第2上面吸着部45bは、各々、複数の吸着パッド46を含む。第2上面吸着部45bの複数の吸着パッド46は、第2上面吸着部45bに対応する下側板部44のC2側の面の台形形状の配置領域a21、a22、a23、a24およびa25に配置されている。たとえば、配置領域a21、a22、a23、a24およびa25には、各々、3個、4個、4個、5個、および、5個の吸着パッド46が配置されている。配置領域a21、a22、a23、a24およびa25の各々に配置される複数の吸着パッド46は、B方向に沿って一列配置されている。また、第1上面吸着部45aおよび第2上面吸着部45bに含まれる吸着パッド46は、C方向から見て、円形状を有する。
【0023】
複数の第2上面吸着部45bについて説明する。図5に示すように、本実施形態では、複数の第2上面吸着部451b、452b、453b、454bおよび455bの各々の、複数の吸着パッド46が配置される配置領域a21、a22、a23、a24およびa25の、A方向に直交するB方向の長さL1は互いに異なる。たとえば、配置領域a21、a22、a23、a24およびa25のB方向の長さL1は、配置領域a21、a22、a23、a24およびa25の順に大きくなる。そして、互いにB方向の長さL1が異なる配置領域a22およびa23に配置される吸着パッド46の数は同じであるとともに、B方向の長さが大きい配置領域a23に配置される吸着パッド46同士の間隔D1は、B方向の長さが小さい配置領域a22に配置される吸着パッド46同士の間隔D1よりも大きい。たとえば、配置領域a22およびa23の各々に配置される吸着パッド46の数は4個で、同じである。そして、配置領域a23に配置される吸着パッド46同士の間隔D1が、配置領域a22に配置される吸着パッド46同士の間隔D1よりも大きくされているため、B方向において、配置領域a23の一方端から他方端に亘って複数の吸着パッド46が配置されている。なお、配置領域a22においても、B方向において配置領域a22の一方端から他方端に亘って複数の吸着パッド46が配置されている。同様に、互いにB方向の長さL1が異なる配置領域a24およびa25に配置される吸着パッド46の数は5つで同じであるとともに、B方向の長さが大きい配置領域a25に配置される吸着パッド46同士の間隔D1は、B方向の長さが小さい配置領域a24に配置される吸着パッド46同士の間隔D1よりも大きい。
【0024】
複数の第3上面吸着部45cについて説明する。図4に示すように、複数の第3上面吸着部45cは、第1上面吸着部45aに対して、A方向に直交するB方向に隣り合うように配置されている。本実施形態では、第3上面吸着部45cが、B方向に沿って3個配置されている。3個の第3上面吸着部45cを、各々、第3上面吸着部451c、452cおよび453cとする。また、第3上面吸着部451c、452cおよび453cは、各々、複数の吸着パッド46を含む。第3上面吸着部45cの複数の吸着パッド46は、第3上面吸着部45cに対応する下側板部44のC2側の面の台形形状の配置領域a31、a32およびa33に配置されている。たとえば、配置領域a31、a32およびa33には、各々、4個、6個、および、7個の吸着パッド46が配置されている。配置領域a31、a32およびa33の各々に配置される複数の吸着パッド46は、A方向に沿って一列配置されている。また、図5に示すように、第3上面吸着部451c、452cおよび453cの各々の、複数の吸着パッド46が配置される配置領域a31、a32およびa33の長さL2は互いに異なる。たとえば、配置領域a31、a32およびa33のA方向の長さL2は、配置領域a31、a32およびa33の順に大きくなる。複数の吸着パッド46は、配置領域a31、a32およびa33の各々において、配置領域a31、a32およびa33の各々の一方端から他方端に亘って配置されている。
【0025】
側面吸着機構50について説明する。図3に示すように、側面吸着機構50は、第1移動機構51と、第2移動機構52と、側方板部53と、複数の側面吸着部54と、を含む。第1移動機構51は、上面吸着機構40の下側板部44のC1側の面に配置されているとともに、第1移動機構51の先端には、第2移動機構52が取り付けられている。第1移動機構51は、たとえば、エアシリンダであり、B方向に沿って第2移動機構52を移動させる。第2移動機構52の先端には、側方板部53が取り付けられている。第2移動機構52も、たとえば、エアシリンダであり、C方向に沿って側方板部53を移動させる。側方板部53は、A-C平面に沿って配置されている。
【0026】
複数の側面吸着部54について説明する。図6に示すように、本実施形態では、複数の側面吸着部54は、ワーク200の側面202を吸着する。複数の側面吸着部54は、第1側面吸着部54aと、第1側面吸着部54aに対して、A方向に隣り合うように配置される第2側面吸着部54bと、を含む。また、第2側面吸着部54bは、複数の第2上面吸着部45bに対応するようにA方向に沿って複数配置されている。本実施形態では、第2側面吸着部54bは、5個の第2上面吸着部45bに対応するようにA方向に沿って5個配置されている。5個の第2側面吸着部54bを、第2側面吸着部541b、542b、543b、544bおよび545bとする。
【0027】
第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bの詳細な構成について説明する。本実施形態では、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bは、各々、ワーク200を吸着する複数の吸着パッド55を含む。複数の吸着パッド55は、側方板部53のうちの、上面吸着部45が配置されているB1側の面に配置されている。たとえば、第1側面吸着部54aに対応する側方板部53の面の配置領域b1には、8個の吸着パッド55が配置されている。また、複数の第2側面吸着部54bは、各々、複数の吸着パッド55を含む。第2上面吸着部45bの複数の吸着パッド55は、第2側面吸着部54bに対応する側方板部53の面の矩形形状の配置領域b21、b22、b23、b24およびb25に配置されている。たとえば、配置領域b21、b22、b23、b24およびb25には、各々、2個の吸着パッド55が配置されている。そして、本実施形態では、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bに含まれる複数の吸着パッド55は、A方向およびB方向に対して直交するC方向に交差するE方向に並んで配置されている。たとえば、配置領域b21、b22、b23、b24およびb25の各々において、2個の吸着パッド55が、C方向に交差するE方向に並んで配置されている。なお、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bに含まれる吸着パッド55は、B方向から見て、円形状を有する。
【0028】
図5よび図7を参照して、第1上面吸着部45aおよび第2上面吸着部45bの長さと、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bの長さとの関係について説明する。本実施形態では、A方向において、第1上面吸着部45aの複数の吸着パッド46が配置される配置領域a1の長さL11は、第1側面吸着部54aの複数の吸着パッド55が配置される配置領域b1の長さL21に対応している。また、A方向おいて、第2上面吸着部45bの複数の吸着パッド46が配置される配置領域a21、a22、a23、a24およびa25の長さL12は、各々、第2側面吸着部54bの複数の吸着パッド55が配置される配置領域b21、b22、b23、b24およびb25の長さL22に対応している。具体的には、配置領域a1の長さL11と配置領域b1の長さL21とは、等しい。配置領域a21、a22、a23、a24およびa25の長さL12は、各々、配置領域b21、b22、b23、b24およびb25の各々の長さL22に等しい。
【0029】
吸着力発生源60について説明する。図8に示すように、本実施形態では、吸着力発生源60は、複数の上面吸着部45および複数の側面吸着部54の吸着力を発生させる。吸着力発生源60は、複数配置されている。吸着力発生源60は、たとえば、エジェクタである。エジェクタとは、真空を発生させる装置である。また、吸着力発生源60は、共通の配管61を介して、上面吸着部45および側面吸着部54に接続されている。たとえば、吸着力発生源60は、9個配置されている。9個の吸着力発生源60を、それぞれ、吸着力発生源60a、60b、60c、60d、60e、60f、60g、60hおよび60iとする。吸着力発生源60aには、配管61aを介して、第1上面吸着部45aおよび第1側面吸着部54aが接続されている。すなわち、第1上面吸着部45aおよび第1側面吸着部54aは、共通の吸着力発生源60aに接続されている。ここで、共通の吸着力発生源60とは、同一の吸着力発生源60という意味と、同時にオンまたはオフする複数の吸着力発生源60という意味とを含む。また、共通の配管61とは、一端が共通の吸着力発生源60aに接続されるとともに他端が分岐した同一の配管61という意味と、共通の吸着力発生源60によって空気が吸引される複数の配管61という意味とを含む。そして、エジェクタにより真空が発生されることにより、第1上面吸着部45aおよび第1側面吸着部54aに各々配置される吸着パッド46および吸着パッド55に吸着力が発生する。同様に、吸着力発生源60bには、共通の配管61bを介して、第2上面吸着部451bおよび第2側面吸着部541bが接続されている。吸着力発生源60cには、共通の配管61cを介して、第2上面吸着部452bおよび第2側面吸着部542bが接続されている。吸着力発生源60dには、共通の配管61dを介して、第2上面吸着部453bおよび第2側面吸着部543bが接続されている。吸着力発生源60eには、共通の配管61eを介して、第2上面吸着部454bおよび第2側面吸着部544bが接続されている。吸着力発生源60fには、共通の配管61fを介して、第2上面吸着部455bおよび第2側面吸着部545bが接続されている。
【0030】
第3上面吸着部45cと吸着力発生源60との接続について説明する。本実施形態では、第3上面吸着部45cは、上面吸着部45および側面吸着部54に接続される吸着力発生源60とは異なる吸着力発生源60に接続されている。具体的には、吸着力発生源60gには、配管61gを介して、第3上面吸着部451cが接続されている。吸着力発生源60hには、配管61hを介して、第3上面吸着部452cが接続されている。吸着力発生源60iには、配管61iを介して、第3上面吸着部453cが接続されている。
【0031】
撮像部70について説明する。図1に示すように、撮像部70は、ロボット10の上方に配置されている。撮像部70は、カメラ部71と、カメラ部71によって撮像された画像を処理する撮像部用制御部72と、を含む。カメラ部71は、たとえば、3次元のカメラである。カメラ部71は、上からワーク200を撮像する。そして、カメラ部71に撮像された画像に基づいて撮像部用制御部72がワーク200の大きさを検出する。検出したワーク200の大きさが、制御部80に送信される。なお、撮像部70は、検出部の一例である。
【0032】
制御部80の構成について説明する。図2に示すように、制御部80は、ロボットコントローラである。制御部80は、メイン制御部81と、サーボ制御部82と、駆動回路部83と、を含む。メイン制御部81、および、サーボ制御部82は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)を含む。メイン制御部81は、ロボットアーム20の駆動部21を制御する。サーボ制御部82は、メイン制御部81からの指令に基づいて、ロボットアーム20の駆動部21に供給される電力を制御する。駆動回路部83は、ロボットアーム20の駆動部21に駆動電力を供給する。駆動回路部83は、ロボットアーム20の駆動部21の各々に対して配置されている。駆動部21は、各々、サーボモータとエンコーダと減速機とを含む。また、制御部80は、側面吸着機構50の第1移動機構51および第2移動機構52と、吸着力発生源60とを制御する。なお、制御部80と撮像部用制御部72とは、上記のように別個に配置されていてもよいし、制御部80と撮像部用制御部72とが一体として配置されていてもよい。
【0033】
制御部80の上面吸着部45および側面吸着部54の制御について説明する。本実施形態では、制御部80は、ワーク200の大きさに応じて、ワーク200を吸着する上面吸着部45を選択する。具体的には、制御部80は、撮像部70に検出されたワーク200の大きさに基づいて、複数の上面吸着部45のうちいずれの上面吸着部45によりワーク200を吸着するのかを決定する。たとえば、カメラ部71に撮像された画像に基づいて撮像部用制御部72がワーク200の大きさを検出する。検出したワーク200の大きさが、制御部80に送信される。そして、制御部80は、複数の上面吸着部45のうちワーク200の大きさに応じて選択した上面吸着部45と、選択された上面吸着部45と共通の吸着力発生源60に接続されている側面吸着部54とによるワーク200の吸着を制御する。すなわち、制御部80は、共通の吸着力発生源60に、共通の配管61を介して接続された上面吸着部45と側面吸着部54とによりワーク200を吸着する制御を実行する。また、制御部80は、第3上面吸着部45cの吸着を、第1上面吸着部45a、第2上面吸着部45b、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bとは別個に制御する。以下、例を挙げて、制御部80の吸着部の選択の動作を説明する。
【0034】
図5に示すように、制御部80は、制御上において、C方向から見て、基準点Pにワーク200の角部を合わせる。この状態で、ワーク200と全領域がオーバラップしている配置領域に配置された吸着パッド46および55によりワーク200を吸着するように制御する。なお、基準点Pは、C方向から見て、下側板部44の角部から離間した点である。たとえば、図5において一点鎖線で示されるワーク200aでは、C方向から見て、ワーク200aの短辺が配置領域a21にオーバラップし、ワーク200aの長辺が配置領域a31にオーバラップしている。この場合、制御部80は、配置領域a1の全体がワーク200aにオーバラップしている一方、配置領域a21および配置領域a31の一部が、ワーク200aとオーバラップしていないため、配置領域a1に対応する第1上面吸着部45aと、第1側面吸着部54aとによってワーク200を吸着するように、吸着力発生源60aを動作させる。また、図5において点線で示されるワーク200bについて説明する。ワーク200bの上面201の面積は、ワーク200aの上面201の面積よりも大きい。また、ワーク200bのA2側の短辺とB2側の長辺とは、各々、ワーク200aのA2側の短辺とB2側の長辺と重なっている。ワーク200bでは、C方向から見て、ワーク200bの短辺が配置領域a22にオーバラップし、ワーク200aの長辺が配置領域a32にオーバラップしている。この場合、制御部80は、配置領域a1、a21およびa31の全体がワーク200bにオーバラップしている一方、配置領域a22およびa32の一部が、ワーク200bとオーバラップしていないため、配置領域a1、a21およびa31に各々対応する第1上面吸着部45a、第2上面吸着部451b、および、第3上面吸着部451cと、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部541bと、によってワーク200を吸着するように、吸着力発生源60a、吸着力発生源60bおよび吸着力発生源60gを動作させる。
【0035】
次に、図9を参照して、ワーク200を搬送するためのロボットシステム100の制御方法について説明する。なお、本実施形態では、複数のワーク200が積層されている場合についてのロボットシステム100の制御方法について説明する。
【0036】
ステップS1において、カメラ部71によりワーク200が撮像される。カメラ部71に撮像された画像に基づいて撮像部用制御部72がワーク200の大きさを検出する。検出されたワーク200の大きさが、制御部80に送信される。
【0037】
ステップS2において、制御部80は、撮像部70に検出されたワーク200の大きさに基づいて、複数のワーク200のうちいずれのワーク200を吸着するのかを選択する。
【0038】
ステップS3において、制御部80は、撮像部70に検出されたワーク200の大きさに基づいて、複数の上面吸着部45のうちいずれの上面吸着部45によりワーク200を吸着するのかを決定する。
【0039】
ステップS4において、制御部80は、選択したワーク200の側面202が露出しているか否かを判定する。ステップS4において、yesの場合、ステップS5に進む。ステップS4において、noの場合、ステップS6に進む。
【0040】
ステップS5におけるワーク200の側面202が露出している場合の、ワーク200の吸着動作について説明する。図10に示すように、ワーク200の側面202が露出している場合とは、たとえば、吸着対象となるワーク200が、積層された複数のワーク200の端部に配置されており、ワーク200の4つの側面202のうちの少なくとも1つの側面202が露出している場合である。図10(a)に示すように、まず、制御部80は、ハンド30をワーク200に向かって下降させる。次に、図10(b)に示すように、制御部80は、上面吸着部45によりワーク200の上面201を吸着させる。さらに、制御部80は、第2移動機構52により側面吸着部54を下降させる。次に、図10(c)に示すように、制御部80は、第1移動機構51により側面吸着部54をワーク200の側面202に向かって移動させる。次に、図10(d)に示すように、本実施形態では、制御部80は、ハンド30に含まれる複数の側面吸着部54のうち、選択された上面吸着部45と、選択された上面吸着部45に対応する側面吸着部54とに共通の吸着力発生源60を制御する。具体的には、制御部80は、ハンド30に含まれる複数の側面吸着部54のうち、選択された上面吸着部45と共通の吸着力発生源60に接続されている側面吸着部54とにより、ワーク200を吸着させる。また、制御部80は、上面吸着部45の高さ位置を維持した状態で、側面吸着部54によりワーク200を吸着させる。すなわち、制御部80は、上面吸着部45によりワーク200の上面201を吸着した後、ワーク200を持ち上げることなく、側面吸着部54によりワーク200を吸着させる。次に、図10(e)に示すように、制御部80は、ハンド30を上昇させて、ワーク200を所望の位置に搬送するようにロボットアーム20を制御する。
【0041】
ステップS6におけるワーク200の側面202が露出していない場合の、ワーク200の吸着動作について説明する。図11に示すように、ワーク200の側面202が露出していない場合とは、たとえば、吸着対象となるワーク200の4つの側面202が他のワーク200に接している場合である。図11(a)に示すように、まず、制御部80は、ハンド30をワーク200に向かって下降させる。次に、図11(b)に示すように、制御部80は、上面吸着部45によりワーク200の上面201を吸着させる。次に、図11(c)に示すように、本実施形態では、制御部80は、上面吸着部45によりワーク200を吸着させてワーク200を持ち上げるようにロボットアーム20を制御する。また、制御部80は、第2移動機構52により側面吸着部54を下降させる。次に、図11(d)に示すように、本実施形態では、制御部80は、上面吸着部45により持ち上げられたワーク200を、側面吸着部54により吸着させる。具体的には、制御部80は、第2移動機構52により側面吸着部54をワーク200の側面202に向かって移動させた後、側面吸着部54によりワーク200を吸着させる。ここで、本実施形態では、ハンド30に含まれる複数の側面吸着部54のうち、選択された上面吸着部45と共通の吸着力発生源60に接続されている側面吸着部54とにより、ワーク200を吸着する。次に、図11(e)に示すように、制御部80は、ハンド30を上昇させて、ワーク200を所望の位置に搬送するようにロボットアーム20を制御する。
【0042】
図9に示すように、ステップS7において、制御部80は、把持対象となるワーク200が全て所望の位置に搬送されたか否かを判定する。ステップS7において、noの場合、ステップS2からステップS6までの動作が繰り返される。ステップS7において、yesの場合、ワーク200を搬送するためのロボットシステム100の動作が終了する。
【0043】
[本実施形態の効果]
ロボットシステム100は、複数の上面吸着部45および複数の側面吸着部54の吸着力を発生させる複数の吸着力発生源60と、複数の上面吸着部45のうちから選択した上面吸着部45と、選択した上面吸着部45に対応する側面吸着部54とに共通の吸着力発生源60を制御する制御部80を備える。これにより、制御部80が複数の上面吸着部45のうちからワーク200を吸着する上面吸着部45を選択するだけで、選択された上面吸着部45と共通の吸着力発生源60により吸着力が発生される側面吸着部54が自動的に選択される。このため、側面吸着部54を選択する制御を実行する必要がないので、複数の吸着部のうちからワーク200を吸着するための吸着部を選択する制御部80の負担を軽減できる。また、吸着力発生源60が共通であることにより、ロボットシステム100の構成を簡略化できる。
【0044】
制御部80は、共通の吸着力発生源60に、共通の配管61を介して接続された上面吸着部45と側面吸着部54とによりワーク200を吸着する制御を実行する。これにより、共通の配管61によって空気を吸引することによって吸引力を発生させることにより、容易に、互いに対応する上面吸着部45と側面吸着部54とによりワーク200を吸着することができる。また、配管61が共通であることにより、ロボットシステム100の構成を簡略化できる。
【0045】
複数の上面吸着部45は、第1上面吸着部45aと、第1上面吸着部45aに対して、A方向に隣り合うように配置される第2上面吸着部45bと、を含む。複数の側面吸着部54は、第1側面吸着部54aと、第1側面吸着部54aに対して、A方向に隣り合うように配置される第2側面吸着部54bと、を含む。制御部80は、共通の吸着力発生源60に接続されている第1上面吸着部45aと第1側面吸着部54aとによりワーク200を吸着する制御を実行し、共通の吸着力発生源60に接続されている第2上面吸着部45bと第2側面吸着部54bとによりワーク200を吸着する制御を実行する。これにより、ワーク200のA方向のサイズが小さい場合では、制御部80が第1上面吸着部45aを選択するだけで、選択された第1上面吸着部45aと共通の吸着力発生源60に接続されている第1側面吸着部54aが自動的に選択される。また、ワーク200のA方向のサイズが大きい場合では、制御部80が第1上面吸着部45aおよび第2上面吸着部45bを選択するだけで、選択された第1上面吸着部45aおよび第2上面吸着部45bの各々と共通の吸着力発生源60に接続されている第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bが自動的に選択される。その結果、A方向のサイズが異なるワーク200が混在している場合でも、ワーク200を吸着するための吸着部を選択する制御部80の負担を軽減できる。
【0046】
第2上面吸着部45bは、A方向に沿って複数配置され、第2側面吸着部54bは、複数の第2上面吸着部45bに対応するようにA方向に沿って複数配置されている。これにより、A方向のサイズの種類が比較的多くなった場合でも、第1上面吸着部45a、複数の第2上面吸着部45b、第1側面吸着部54a、および、複数の第2側面吸着部54bのいずれかを選択することより、ワーク200を吸着するための吸着部をワーク200のサイズに合うように適切に選択することができる。
【0047】
第1上面吸着部45aおよび第2上面吸着部45bは、各々、ワーク200を吸着する複数の吸着パッド46を含む。なお、複数の吸着パッド46は、各々、空気のリークを防止するためのバルブを内蔵しており、吸着面からパッドがずれたり、穴が開いているところに重なったりした場合に、吸着力が低下することを防ぐことが可能である。複数の第2上面吸着部45bの各々の、複数の吸着パッド46が配置される配置領域a21、a22、a23、a24およびa25の、A方向に直交するB方向の長さL1は互いに異なり、互いにB方向の長さL1が異なる配置領域に配置される吸着パッド46の数は同じであるとともに、B方向の長さL1が大きい配置領域に配置される吸着パッド46同士の間隔D1は、B方向の長さL1が小さい配置領域に配置される吸着パッド46同士の間隔D1よりも大きい。これにより、配置領域のB方向の長さL1が大きい場合でも、吸着パッド46が偏りなく配置されるので、ワーク200を安定して吸着することができる。
【0048】
第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bは、各々、ワーク200を吸着する複数の吸着パッド55を含む。なお、複数の吸着パッド55も、複数の吸着パッド46と同様に、各々、空気のリークを防止するためのバルブを内蔵しており、吸着面からパッドがずれたり、穴が開いているところに重なったりした場合に、吸着力が低下することを防ぐことが可能である。第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bに含まれる複数の吸着パッド55は、A方向およびB方向に対して直交するC方向に交差するE方向に並んで配置されている。これにより、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bに含まれる複数の吸着パッド55が、C方向に沿って並んで配置されている場合と比べて、複数の吸着パッド55が配置される領域のC方向の幅を短縮できる。その結果、C方向の幅が比較的小さいワーク200に対しても、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bにより吸着できる。
【0049】
A方向において、第1上面吸着部45aの複数の吸着パッド46が配置される配置領域a1の長さL11は、第1側面吸着部54aの複数の吸着パッド55が配置される配置領域b1の長さL21に対応する。A方向おいて、第2上面吸着部45bの複数の吸着パッド46が配置される配置領域a21、a22、a23、a24およびa25の長さL12は、各々、第2側面吸着部54bの複数の吸着パッド55が配置される配置領域b21、b22、b23、b24およびb25の長さL22に対応している。これにより、第1上面吸着部45aの複数の吸着パッド46が配置される配置領域a1の長さL11は、第1側面吸着部54aの複数の吸着パッド55が配置される配置領域b1の長さL21と略同じになるので、第1上面吸着部45aと第1側面吸着部54aとのうちの一方が、ワーク200からはみ出すことを抑制できる。第2上面吸着部45bおよび第2側面吸着部54bについても同様に、第2上面吸着部45bと第2側面吸着部54bとのうちの一方が、ワーク200からはみ出すことを抑制できる。
【0050】
複数の上面吸着部45は、第1上面吸着部45aに対して、A方向に直交するB方向に隣り合うように配置され、上面吸着部45および側面吸着部54に接続される吸着力発生源60とは異なる吸着力発生源60に接続される第3上面吸着部45cを含む。制御部80は、第3上面吸着部45cの吸着を、第1上面吸着部45a、第2上面吸着部45b、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bとは別個に制御する。これにより、B方向のサイズが異なるワーク200が混在している場合でも、ワーク200のサイズに応じてワーク200を吸着できる。
【0051】
制御部80は、ワーク200の大きさに応じて、ワーク200を吸着する上面吸着部45を選択する。これにより、制御部80は、大きさの異なるワーク200が複数存在している場合でも、ワーク200の大きさに応じて、ワーク200を吸着する上面吸着部45を適切に選択することができる。
【0052】
ロボットシステム100は、ワーク200の大きさを検出する撮像部70を備える。制御部80は、撮像部70に検出されたワーク200の大きさに基づいて、複数の上面吸着部45のうちいずれの上面吸着部45によりワーク200を吸着するのかを決定する。これにより、制御部80は、撮像部70に検出されたワーク200の大きさに基づいて、容易に、ワーク200を吸着する上面吸着部45を選択できる。
【0053】
ワーク200を吸着することは、上面吸着部45によりワーク200を吸着することと、上面吸着部45の高さ位置を維持した状態で、側面吸着部54によりワーク200を吸着することと、を含む。これにより、側面202が露出しているワーク200を容易に吸着できる。
【0054】
ワーク200を吸着することは、上面吸着部45によりワーク200を吸着してワーク200を持ち上げることと、上面吸着部45により持ち上げられたワーク200を、側面吸着部54により吸着することと、を含む。これにより、吸着対象となるワーク200の側方に別のワーク200が配置されている場合でも、上面吸着部45により一旦ワーク200が持ち上げられるので、側面吸着部54によりワーク200の側面202を容易に吸着できる。
【0055】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0056】
たとえば、上記実施形態では、ロボット10が6軸の垂直多関節型のロボット10である例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、ロボット10が6軸以外の軸数を有する垂直多関節型のロボット10であってもよい。また、ロボット10が垂直多関節型の以外のロボット10であってもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、上面吸着部45および側面吸着部54が、エジェクタにより吸引された空気によりワーク200を吸着する吸着部である例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、上面吸着部45および側面吸着部54が、吸着力発生源60が噴出した空気のサイクロン効果によりワーク200を吸着するベルヌーイ型の吸着部であってもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、上面吸着部45および側面吸着部54が、共通の吸着力発生源60に共通の配管61を介して接続されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、図12の変形例に示すように、上面吸着部145および側面吸着部154が、共通の吸着力発生源160に共通の配線161を介して接続されていてもよい。たとえば、上面吸着部145および側面吸着部154は、吸着力発生源160から流れる電流により磁力を発生させる電磁石である。なお、磁力によってワーク200を保持することを、吸引と呼んでもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、第2上面吸着部45bおよび第2側面吸着部54bが各々複数配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、第2上面吸着部45bおよび第2側面吸着部54bが1つずつ配置されていてもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、複数の第2上面吸着部45bのB方向の長さが互いに異なる例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、複数の第2上面吸着部45bのB方向の長さが互いに同じであってもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bに含まれる複数の吸着パッド55は、C方向に交差するE方向に並んで配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、第1側面吸着部54aおよび第2側面吸着部54bに含まれる複数の吸着パッド55がC方向に沿って並んで配置されていてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、上面吸着部45に、第3上面吸着部45cが含まれる例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、上面吸着部45に、第3上面吸着部45cが含まれていなくてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、第3上面吸着部45cが複数配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、第3上面吸着部45cが1つのみ配置されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、撮像部70により撮像された画像に基づいてワーク200の大きさが検出される例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、反射型の光センサを走査するとともに、反射型の光センサから出射された光が反射されたか否かに基づいてワーク200の大きさを検出してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、複数の吸着パッドのグループを本開示の吸着部と定義した。すなわち、上記実施形態では、上面吸着部45および側面吸着部54の各々に、複数の吸着パッド46および複数の吸着パッド55が配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。たとえば、上面吸着部45および側面吸着部54に、複数のスポンジ状の吸着部が配置されていてもよい。この場合、複数のスポンジ状の吸着部の各々の形状が、上面吸着部45の配置領域の形状および側面吸着部54の配置領域の形状に一致する。つまり、1つのスポンジ状の吸着部を本開示の吸着部と定義してもよい。
【0066】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0067】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0068】
(項目1)
ロボットアームと、
ワークの上面を吸着する複数の上面吸着部と、前記ワークの側面を吸着する複数の側面吸着部と、を含み、前記ロボットアームに取り付けられるハンドと、
前記複数の上面吸着部および前記複数の側面吸着部の吸着力を発生させる複数の吸着力発生源と、
前記複数の上面吸着部のうちから選択した前記上面吸着部と、選択した前記上面吸着部に対応する前記側面吸着部とに共通の前記吸着力発生源を制御する制御部と、を備える、ロボットシステム。
【0069】
(項目2)
前記制御部は、共通の前記吸着力発生源に、共通の配管または共通の配線を介して接続された前記上面吸着部と前記側面吸着部とにより前記ワークを吸着する制御を実行する、項目1に記載のロボットシステム。
【0070】
(項目3)
前記複数の上面吸着部は、
第1上面吸着部と、
前記第1上面吸着部に対して、第1方向に隣り合うように配置される第2上面吸着部と、を含み、
前記複数の側面吸着部は、
第1側面吸着部と、
前記第1側面吸着部に対して、前記第1方向に隣り合うように配置される第2側面吸着部と、を含み、
前記制御部は、
共通の前記吸着力発生源に接続されている前記第1上面吸着部と前記第1側面吸着部とにより前記ワークを吸着する制御を実行し、
共通の前記吸着力発生源に接続されている前記第2上面吸着部と前記第2側面吸着部とにより前記ワークを吸着する制御を実行する、項目1または項目2に記載のロボットシステム。
【0071】
(項目4)
前記第2上面吸着部は、前記第1方向に沿って複数配置され、
前記第2側面吸着部は、複数の前記第2上面吸着部に対応するように前記第1方向に沿って複数配置されている、項目3に記載のロボットシステム。
【0072】
(項目5)
前記第1上面吸着部および前記第2上面吸着部は、各々、前記ワークを吸着する複数の吸着パッドを含み、
前記複数の第2上面吸着部の各々の、前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の、前記第1方向に直交する第2方向の長さは互いに異なり、
互いに前記第2方向の長さが異なる前記配置領域に配置される前記吸着パッドの数は同じであるとともに、前記第2方向の長さが大きい前記配置領域に配置される前記吸着パッド同士の間隔は、前記第2方向の長さが小さい前記配置領域に配置される前記吸着パッド同士の間隔よりも大きい、項目4に記載のロボットシステム。
【0073】
(項目6)
前記第1側面吸着部および前記第2側面吸着部は、各々、前記ワークを吸着する複数の吸着パッドを含み、
前記第1側面吸着部および前記第2側面吸着部に含まれる前記複数の吸着パッドは、前記第1方向および前記第2方向に対して直交する第3方向に交差する方向に並んで配置されている、項目5に記載のロボットシステム。
【0074】
(項目7)
前記第1方向において、前記第1上面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さは、前記第1側面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さに対応し、
前記第1方向おいて、前記第2上面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さは、前記第2側面吸着部の前記複数の吸着パッドが配置される配置領域の長さに対応している、項目3から項目6までのいずれか1項に記載のロボットシステム。
【0075】
(項目8)
前記複数の上面吸着部は、前記第1上面吸着部に対して、前記第1方向に直交する第2方向に隣り合うように配置され、前記上面吸着部および前記側面吸着部に接続される前記吸着力発生源とは異なる吸着力発生源に接続される第3上面吸着部を含み、
前記制御部は、前記第3上面吸着部の吸着を、前記第1上面吸着部、前記第2上面吸着部、前記第1側面吸着部および前記第2側面吸着部とは別個に制御する、項目3から項目7までのいずれか1項に記載のロボットシステム。
【0076】
(項目9)
前記制御部は、前記ワークの大きさに応じて、前記ワークを吸着する前記上面吸着部を選択する、項目1から項目8までのいずれか1項に記載のロボットシステム。
【0077】
(項目10)
前記ワークの大きさを検出する検出部を備え、
前記制御部は、前記検出部に検出された前記ワークの大きさに基づいて、前記複数の上面吸着部のうちいずれの前記上面吸着部により前記ワークを吸着するのかを決定する、項目9に記載のロボットシステム。
【0078】
(項目11)
ロボットアームに取り付けられるハンドに含まれる、ワークの上面を吸着する複数の上面吸着部のうちから、前記ワークを吸着する前記上面吸着部を選択することと、
選択した前記上面吸着部と、前記ハンドに含まれる複数の側面吸着部のうち、選択した前記上面吸着部に対応する前記側面吸着部とに共通の吸着力発生源を制御することにより、前記ワークを吸着することと、を備える、ロボットシステムの制御方法。
【0079】
(項目12)
前記ワークを吸着することは、
前記上面吸着部により前記ワークを吸着することと、
前記上面吸着部の高さ位置を維持した状態で、前記側面吸着部により前記ワークを吸着することと、を含む、項目11に記載のロボットシステムの制御方法。
【0080】
(項目13)
前記ワークを吸着することは、
前記上面吸着部により前記ワークを吸着して前記ワークを持ち上げることと、
前記上面吸着部により持ち上げられた前記ワークを、前記側面吸着部により吸着することと、を含む、項目11に記載のロボットシステムの制御方法。
【符号の説明】
【0081】
20 ロボットアーム
30 ハンド
45 上面吸着部
45a 第1上面吸着部
45b 第2上面吸着部
45c 第3上面吸着部
46 吸着パッド
54 側面吸着部
54a 第1側面吸着部
54b 第2側面吸着部
55 吸着パッド
60 吸着力発生源
61 配管
70 撮像部(検出部)
80 制御部
100 ロボットシステム
160 吸着力発生源
161 配線
200 ワーク
201 上面
202 側面
A方向(第1方向)
B方向(第2方向)
C方向(第3方向)
E方向(第3方向に交差する方向)
a1、a21、a22、a23、a24、a25 配置領域
a31、a32、a33 配置領域
b1、b21、b22、b23、b24、b25 配置領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12