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特開2024-171822再生利用管理装置、再生利用管理方法、および、再生利用管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171822
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】再生利用管理装置、再生利用管理方法、および、再生利用管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089065
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村田 真一
(72)【発明者】
【氏名】川 耕平
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC04
5L050CC04
(57)【要約】
【課題】再生時に使用される再生品の在庫金額を変動させずに在庫数量のみを減算し、完成品に使用された追加原価の金額を製造原価として加算する製造実績管理を実行することができる再生利用管理装置、再生利用管理方法、および、再生利用管理プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得し、在庫データ、および、製造指示データに基づいて、再生品を利用した完成品の再生製造実績データを取得し、再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得し、移動データに基づいて、在庫データに設定された再生品の在庫数量を更新し、再生製造実績データに基づいて、在庫データに設定された在庫数量および在庫金額を更新する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた再生利用管理装置であって、
前記記憶部は、
製品の完成品および前記製品の製造に用いる構成品の在庫数量、ならびに、在庫金額を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得する製造指示手段と、
前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記再生品を利用した前記完成品の再生製造実績データを取得し、前記再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する移動取得手段と、
前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫数量を更新し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数量および前記在庫金額を更新する在庫更新手段と、
を備えたことを特徴とする再生利用管理装置。
【請求項2】
前記移動取得手段は、
前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記完成品を構成する前記再生品の原価を0と設定した前記再生製造実績データを取得し、前記再生品の原価を0と設定し、且つ、前記再生品の前記減算在庫数量を設定した前記移動データを取得することを特徴とする請求項1に記載の再生利用管理装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
商品識別子、ならびに、前記完成品もしくは前記構成品が再生用であるか否かを示す再生用品フラグを紐付けて設定した商品マスタ、
を更に備え、
前記製造指示手段は、
前記再生品を利用した前記製品製造に使用する払出品の前記商品識別子を設定した前記製造指示データを取得し、
前記移動取得手段は、
前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記商品マスタにて前記再生用であることを示す前記再生用品フラグと紐付けられた前記商品識別子の前記払出品である前記再生品の原価を0と設定した前記再生製造実績データを取得し、前記再生品の原価を0と設定し、且つ、前記再生品の前記減算在庫数量を設定した前記移動データを取得することを特徴とする請求項2に記載の再生利用管理装置。
【請求項4】
前記在庫更新手段は、
前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫金額を変更せずに当該再生品の前記在庫数量に前記減算在庫数量を反映し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記払出品の前記在庫数量および前記在庫金額を更新することを特徴とする請求項3に記載の再生利用管理装置。
【請求項5】
前記在庫記憶手段は、
更に、前記完成品の製品製造実績データを記憶し、
前記在庫データ、前記移動データ、および、前記製品製造実績データは、
更に、ロット識別子が紐付けて設定され、
前記再生製造実績データ、および、前記移動データは、
更に、製造識別子が紐付けて設定され、
前記制御部は、
前記再生製造実績データが指定された場合、前記再生製造実績データに設定された前記製造識別子、ならびに、前記移動データに設定された前記製造識別子および前記ロット識別子に基づいて、再生利用前の前記再生品の前記製品製造実績データを特定する特定手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の再生利用管理装置。
【請求項6】
記憶部と制御部とを備えた再生利用管理装置に実行させるための再生利用管理方法であって、
前記記憶部は、
製品の完成品および前記製品の製造に用いる構成品の在庫数量、ならびに、在庫金額を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部において実行される、
再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得する製造指示ステップと、
前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記再生品を利用した前記完成品の再生製造実績データを取得し、前記再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、
前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫数量を更新し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数量および前記在庫金額を更新する在庫更新ステップと、
を含むことを特徴とする再生利用管理方法。
【請求項7】
記憶部と制御部とを備えた再生利用管理装置に実行させるための再生利用管理プログラムであって、
前記記憶部は、
製品の完成品および前記製品の製造に用いる構成品の在庫数量、ならびに、在庫金額を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得する製造指示ステップと、
前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記再生品を利用した前記完成品の再生製造実績データを取得し、前記再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、
前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫数量を更新し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数量および前記在庫金額を更新する在庫更新ステップと、
を実行させるための再生利用管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生利用管理装置、再生利用管理方法、および、再生利用管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不良生成品等の再生品を使用する場合も含めた生成品の生産において、標準歩留、および、実際の歩留を用いて、生産品の標準原価、および、実際原価を算出する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-258559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、在庫品を投入原料の一部として使用する製品製造において、システム上で正しく製造原価を把握することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、再生時に使用される再生品の在庫金額を変動させずに在庫数量のみを減算し、完成品に使用された追加原価の金額を製造原価として加算する製造実績管理を実行することができる再生利用管理装置、再生利用管理方法、および、再生利用管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る再生利用管理装置は、記憶部と制御部とを備えた再生利用管理装置であって、前記記憶部は、製品の完成品および前記製品の製造に用いる構成品の在庫数量、ならびに、在庫金額を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部は、再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得する製造指示手段と、前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記再生品を利用した前記完成品の再生製造実績データを取得し、前記再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する移動取得手段と、前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫数量を更新し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数量および前記在庫金額を更新する在庫更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る再生利用管理装置において、前記移動取得手段は、前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記完成品を構成する前記再生品の原価を0と設定した前記再生製造実績データを取得し、前記再生品の原価を0と設定し、且つ、前記再生品の前記減算在庫数量を設定した前記移動データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る再生利用管理装置において、前記記憶部は、商品識別子、ならびに、前記完成品もしくは前記構成品が再生用であるか否かを示す再生用品フラグを紐付けて設定した商品マスタ、を更に備え、前記製造指示手段は、前記再生品を利用した前記製品製造に使用する払出品の前記商品識別子を設定した前記製造指示データを取得し、前記移動取得手段は、前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記商品マスタにて前記再生用であることを示す前記再生用品フラグと紐付けられた前記商品識別子の前記払出品である前記再生品の原価を0と設定した前記再生製造実績データを取得し、前記再生品の原価を0と設定し、且つ、前記再生品の前記減算在庫数量を設定した前記移動データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る再生利用管理装置において、前記在庫更新手段は、前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫金額を変更せずに当該再生品の前記在庫数量に前記減算在庫数量を反映し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記払出品の前記在庫数量および前記在庫金額を更新することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る再生利用管理装置において、前記在庫記憶手段は、更に、前記完成品の製品製造実績データを記憶し、前記在庫データ、前記移動データ、および、前記製品製造実績データは、更に、ロット識別子が紐付けて設定され、前記再生製造実績データ、および、前記移動データは、更に、製造識別子が紐付けて設定され、前記制御部は、前記再生製造実績データが指定された場合、前記再生製造実績データに設定された前記製造識別子、ならびに、前記移動データに設定された前記製造識別子および前記ロット識別子に基づいて、再生利用前の前記再生品の前記製品製造実績データを特定する特定手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る再生利用管理方法は、記憶部と制御部とを備えた再生利用管理装置に実行させるための再生利用管理方法であって、前記記憶部は、製品の完成品および前記製品の製造に用いる構成品の在庫数量、ならびに、在庫金額を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部において実行される、再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得する製造指示ステップと、前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記再生品を利用した前記完成品の再生製造実績データを取得し、前記再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫数量を更新し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数量および前記在庫金額を更新する在庫更新ステップと、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る再生利用管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた再生利用管理装置に実行させるための再生利用管理プログラムであって、前記記憶部は、製品の完成品および前記製品の製造に用いる構成品の在庫数量、ならびに、在庫金額を紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段、を備え、前記制御部において、再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得する製造指示ステップと、前記在庫データ、および、前記製造指示データに基づいて、前記再生品を利用した前記完成品の再生製造実績データを取得し、前記再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する移動取得ステップと、前記移動データに基づいて、前記在庫データに設定された前記再生品の前記在庫数量を更新し、前記再生製造実績データに基づいて、前記在庫データに設定された前記在庫数量および前記在庫金額を更新する在庫更新ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、再生に使用される製品の在庫金額を変動させず、数量のみ減算させることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、再生品完成時には元の製品原価に加えて追加した原料・資材・労務費等の原価を加算することが可能となるという効果を奏する。また、本発明によれば、再生時に払出される製品コードとして別コードを使用し、再生品の払出品(使用品)とすることで減算処理を実行することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、再生品コードを使用した場合に、減算処理とは別に、トレース・履歴用の移動データを作成することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、製造実績の計上時に払出品として再生品を指定した場合のデータ生成方法と、生成したデータを基にすることで追加発生原価のみを原価算入させる原価計算処理を実行することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、再生品により原価上のつながりを断ち切ることによる弊害であるロットトレースを移動データを基に回避することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、完成品構成の一例を示す図である。
図2図2は、原価ループの一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における処理フローの一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における原価積上の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における再生利用管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図6は、本実施形態における製品データの一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における商品マスタの一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における再生利用管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本実施形態における再生利用管理処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における製造実績トレースの一例を示す図である。
図11図11は、本実施形態における再生利用管理処理の一例を示す図である。
図12図12は、本実施形態における再生利用管理処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
まず、図1から図4を参照して、本発明の概要を説明する。図1は、完成品構成の一例を示す図である。図2は、原価ループの一例を示す図である。図3は、本実施形態における処理フローの一例を示す図である。図4は、本実施形態における原価積上の一例を示す図である。
【0017】
従来、化学製造業では、品質調整や長期保存品の在庫品の維持、規格値に満たない余剰品等の製品を投入原料の一部として使用する再生品の運用があり、製品と原料とが同一品となるため、製造原価の積み上げ方式において、原価計算がループしてしまい、システム上正しい原価の把握ができない問題があった。例えば、従来、製品Zが再生品(以下:製品Z(再生利用品))として利用され、製品Z(以下:製品Z(完成品))が作成された場合、図1に示すような構成状況の通りとなり、原価の積上げ時に製品Z(完成品)が作成されるために、製品Z(再生利用品)が使用されることになり、図2に示すように、原価のループが発生すると、原価の積上げ計算ができず正しい原価把握ができなかった。なお、製品Z(再生利用品)と製品Z(完成品)とは、便宜上分かれているが、システム上同一商品である。
【0018】
そこで、本実施形態においては、製品Z(再生利用品)の利用時において、追加原価(原料・資材・労務費等)のみを製品Z(完成品)の製造原価に加算する仕組みに着目し、再生時に使用される製品Z(再生利用品)の在庫金額を変動させず、在庫数量のみを減算し、製品Z(完成品)に使用された追加原価(原料・資材・労務費等)の原価金額を製造原価として加算できる仕組みを提供している。すなわち、本実施形態においては、在庫品が再生利用品として投入されるため、在庫数量を減算させる必要があるが、完成品の製造原価に再生利用品の原価を含めないため、在庫金額を変動させないようにしている。また、本実施形態においては、図3に示すように、実績登録時に製品Z(再生利用品)を別コードの再生品用コード:Q999を用いることで、在庫金額(原価金額)「0」の出庫処理というロジックを組み込み、再生時に使用する製品の数量の減算を行い整合性が保てる形とした上で、トレース・履歴データとして保持できる仕組みを提供している。
【0019】
また、図4に示すように、本実施形態においては、払出品である製品Z(再生利用品)に再生品用コード:Q999を使用したことで、同一製品から同一製品を作成する原価ループの構成状況が無くなり、原価ループを解消した原価の積上計算を可能としている。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る再生利用管理装置100の構成の一例について、図5から図7を参照して説明する。図5は、本実施形態における再生利用管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図5に示すように、再生利用管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、再生利用管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
再生利用管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。再生利用管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、再生利用管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、再生利用管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、在庫データベース106aと商品マスタ106bとを備えている。
【0026】
在庫データベース106aは、製品の在庫データを記憶する。ここで、在庫データベース106aは、製品の完成品および製品の製造に用いる構成品の在庫数量、ならびに、在庫金額を紐付けて設定した在庫データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106aは、完成品の製品製造実績データを記憶していてもよい。また、在庫データベース106aは、製品の構成データ、製造指示データ、再生製造実績データ、および、移動データを記憶していてもよい。また、在庫データ、移動データ、および、製品製造実績データは、ロット識別子(例えば、ロット番号等)が紐付けて設定されていてもよい。また、再生製造実績データ、および、移動データは、製造識別子(例えば、製造番号等)が紐付けて設定されていてもよい。
【0027】
ここで、図6を参照して、本実施形態における製品データの一例について説明する。図6は、本実施形態における製品データの一例を示す図である。
【0028】
図6に示すように、本実施形態における在庫データにおいては、商品コード、ロット番号、在庫数量、在庫単価、および、在庫金額が紐付けて設定されていてもよい。また、図6に示すように、本実施形態においては、Y001およびB004から構成されるZ001を再生品:Q999として使用し、A003およびB005を追加して、同一製品のZ001を製造するための構成データが在庫データベース106aに記憶されていてもよい。なお、本実施形態においては、再生に関して状況により使用される構成データが異なるため、構成マスタとして設定されていない。
【0029】
図5に戻り、商品マスタ106bは、商品識別子(例えば、商品コード等)を設定したマスタである。ここで、商品マスタ106bは、商品識別子、ならびに、完成品もしくは構成品が再生用であるか否かを示す再生用品フラグが紐付けて設定されていてもよい。
【0030】
ここで、図7を参照して、本実施形態における商品マスタ106bの一例について説明する。図7は、本実施形態における商品マスタ106bの一例を示す図である。
【0031】
図7に示すように、本実施形態における商品マスタ106bにおいては、商品コード、商品名、および、再生用品フラグが紐付けて設定されていてもよい。
【0032】
図5に戻り、制御部102は、再生利用管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、製造指示部102aと移動取得部102bと在庫更新部102cと特定部102dとを備えている。
【0033】
製造指示部102aは、製品製造の製造指示データを取得する。ここで、製造指示部102aは、再生品を利用した製品製造の製造指示データを取得してもよい。また、製造指示部102aは、再生品を利用した製品製造に使用する払出品の商品識別子を設定した製造指示データを取得してもよい。
【0034】
移動取得部102bは、再生品を利用した完成品の再生製造実績データを取得し、再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する。ここで、移動取得部102bは、在庫データ、および、製造指示データに基づいて、再生品を利用した完成品の再生製造実績データを取得し、再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得してもよい。また、移動取得部102bは、在庫データ、および、製造指示データに基づいて、完成品を構成する再生品の原価を0と設定した再生製造実績データを取得し、再生品の原価を0と設定し、且つ、再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得してもよい。また、移動取得部102bは、在庫データ、および、製造指示データに基づいて、商品マスタ106bにて再生用であることを示す再生用品フラグと紐付けられた商品識別子の払出品である再生品の原価を0と設定した再生製造実績データを取得し、再生品の原価を0と設定し、且つ、再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得してもよい。
【0035】
在庫更新部102cは、在庫データを更新する。ここで、在庫更新部102cは、移動データに基づいて、在庫データに設定された再生品の在庫数量を更新し、再生製造実績データに基づいて、在庫データに設定された在庫数量および在庫金額を更新してもよい。また、在庫更新部102cは、移動データに基づいて、在庫データに設定された再生品の在庫金額を変更せずに当該再生品の在庫数量に減算在庫数量を反映し、再生製造実績データに基づいて、在庫データに設定された払出品の在庫数量および在庫金額を更新してもよい。
【0036】
特定部102dは、再生利用前の再生品の製品製造実績データを特定する。ここで、特定部102dは、再生製造実績データが指定された場合、再生製造実績データに設定された製造識別子、ならびに、移動データに設定された製造識別子およびロット識別子に基づいて、再生利用前の再生品の製品製造実績データを特定してもよい。
【0037】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図8から図12を参照して説明する。
【0038】
[再生利用管理処理]
ここで、図8を参照して、本実施形態における再生利用管理処理の一例について説明する。図8は、本実施形態における再生利用管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0039】
図8に示すように、製造指示部102aは、ユーザにより入力装置112を介して再生品を利用した製品製造に使用する払出品の商品識別子、払出数量およびロット識別子が設定された場合、当該商品識別子、当該払出数量および当該ロット識別子を設定した製造指示データを取得する(ステップSA-1)。
【0040】
そして、移動取得部102bは、在庫データベース106aに記憶された在庫データ、および、製造指示データに基づいて、商品マスタ106bにて再生用であることを示す再生用品フラグと紐付けられた商品識別子の払出品である再生品の原価を0と設定した再生製造実績データを取得する(ステップSA-2)。
【0041】
そして、移動取得部102bは、在庫データベース106aに記憶された在庫データ、および、製造指示データに基づいて、再生品の原価を0と設定し、且つ、再生品の減算在庫数量を設定した移動データを取得する(ステップSA-3)。
【0042】
そして、在庫更新部102cは、移動データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された在庫データに設定された再生品の在庫金額を変更せずに当該再生品の在庫数量に減算在庫数量を反映し、再生製造実績データに基づいて、在庫データベース106aに記憶された在庫データに設定された払出品の在庫数量および在庫金額を更新し(ステップSA-4)、処理を終了する。
【0043】
ここで、図6図7および図9から図12を参照して、本実施形態における再生利用管理処理の一例について説明する。図9図11および図12は、本実施形態における再生利用管理処理の一例を示す図である。図10は、本実施形態における製造実績トレースの一例を示す図である。
【0044】
図6図7および図9に示すように、本実施形態においては、ユーザによる再生品のデータ登録時に、受入側の商品コードが設定され、移動データが自動作成される。ここで、図9に示すように、本実施形態においては、商品マスタ106bに設定された再生用品FLG=Trueの再生用品が払出品(使用品)に含められることで、在庫数量の減算データを含むトレース・履歴用の移動データが作成され、在庫データに設定された在庫数量のみ減算させる。また、図9に示すように、本実施形態においては、移動データに設定された発生元伝票番号・発生元行番号に、製造実績データに設定された製造番号・受入行番号が保持され、再生品データの内訳データが確認可能となる。また、図9に示すように、本実施形態においては、再生用品FLG=Trueの商品の場合、原価単価・原価が0で更新される。また、図9に示すように、本実施形態における移動データおいては、商品データが製造実績の完成品データから取得され、数量データが完成品の数量×(-1)として算出される。
【0045】
ここで、図6図9および図10に示すように、本実施形態においては、再生品が完成品の製造実績から作成されているため、上位の親データの内容から、移動データ・製造実績データの検索が可能となり、使用数量等の製造実績データが参照可能となる(なお、ロット管理が実施された場合、再生品用コードが使用されることで、移動データにロットデータが加味されるため、ロットトレース時も移動データが参照されることで、トレースが可能となる)。
【0046】
また、図11に示すように、本実施形態における原価トレースにおいては、再生用品が使用されることで、原価計算上のループを回避しつつ(原価の階層のつながりを断ち切り)、実際に再生利用された使用量を保持することができるため、再生運用で使用された実績の製造原価を正しく見ることが可能となる。
【0047】
また、図12に示すように、本実施形態におけるロットトレースにおいては、再生用品が使用されることで、商品が製造実績受入明細に設定された商品でロットトレースが実施され、再生利用品として移動データのロットが使われることで、規格値に満たない余剰品の投入であっても、下位原料の特定まで可能となる。
【0048】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0051】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0052】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0053】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0054】
また、再生利用管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0055】
例えば、再生利用管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて再生利用管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0056】
また、このコンピュータプログラムは、再生利用管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0057】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0058】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0059】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0060】
また、再生利用管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、再生利用管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0061】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、製品を使用した再生運用がある化学業界、または、機械業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0063】
100 再生利用管理装置
102 制御部
102a 製造指示部
102b 移動取得部
102c 在庫更新部
102d 特定部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 在庫データベース
106b 商品マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
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図3
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図5
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図12