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特開2024-171836浸水検知システム、浸水検知方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171836
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】浸水検知システム、浸水検知方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02H 5/08 20060101AFI20241205BHJP
   H02H 3/02 20060101ALI20241205BHJP
   H02H 3/033 20060101ALI20241205BHJP
   H02B 1/42 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H02H5/08
H02H3/02 J
H02H3/033
H02B1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089086
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 博
【テーマコード(参考)】
5G142
5G211
【Fターム(参考)】
5G142BB02
5G142BD01
5G142BD02
5G211AA08
5G211DD01
5G211DD04
5G211DD13
5G211DD37
(57)【要約】
【課題】電気設備が浸水した場合において、適切に電力を遮断することができる浸水検知システムを提供する。
【解決手段】浸水検知システムは、複数の浸水判定部41と、遮断判定部11と、を備える。複数の浸水判定部41は、各々が識別情報を有する。遮断判定部11は、開閉ユニット30に含まれる複数の開閉器34のうち1以上を遮断するか否かを判定する。複数の浸水判定部41の各々は、検出部と、通信部と、を含む。検出部は、複数の開閉器34のうちの1つに接続されている電気設備30,33を監視対象として、監視対象の浸水状態を検出する。通信部は、検出部の検出結果を遮断判定部11に送信する。遮断判定部11は、複数の浸水判定部41のうち1つの検出結果及び識別情報に基づいて、複数の開閉器34のうち検出結果に対応する監視対象に接続されている開閉器34を遮断するか否かを判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別情報を有する複数の浸水判定部と、
開閉ユニットに含まれる複数の開閉器のうち1以上を遮断するか否かを判定する遮断判定部と、
を備え、
前記複数の浸水判定部の各々は、
前記複数の開閉器のうちの1つに接続されている電気設備を監視対象として、前記監視対象の浸水状態を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果を前記遮断判定部に送信する通信部と、を含み、
前記遮断判定部は、前記複数の浸水判定部のうち1つの前記検出結果及び前記識別情報に基づいて、前記複数の開閉器のうち前記検出結果に対応する前記監視対象に接続されている前記開閉器を遮断するか否かを判定する、
浸水検知システム。
【請求項2】
前記複数の開閉器は、前記開閉ユニットに電力を入力する主電路を導通状態から遮断状態に切り替える主電路開閉器を含み、
前記複数の浸水判定部のうちの1つは、前記主電路開閉器に接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定部は、前記複数の開閉器のうち前記1以上として、前記主電路開閉器を遮断するか否かを判定する、
請求項1に記載の浸水検知システム。
【請求項3】
前記複数の開閉器は、前記開閉ユニットから電力が出力される枝電路を導通状態から遮断状態に切り替える枝電路開閉器を含み、
前記複数の浸水判定部のうちの1つは、前記枝電路開閉器に接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定部は、前記複数の開閉器のうち前記1以上として、前記枝電路開閉器を遮断するか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の浸水検知システム。
【請求項4】
前記複数の開閉器は、2以上の枝電路開閉器を含み、
前記2以上の枝電路開閉器の各々は、前記開閉ユニットから電力が出力される枝電路を導通状態から遮断状態に切り替え、
前記複数の浸水判定部のうち2以上の各々は、前記2以上の枝電路開閉器のいずれか1つに接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定部は、前記2以上の枝電路開閉器の各々について、前記電気設備の設置場所が低い枝電路開閉器から順に遮断するか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の浸水検知システム。
【請求項5】
前記複数の開閉器は、2以上の枝電路開閉器を含み、
前記2以上の枝電路開閉器の各々は、前記開閉ユニットから電力が出力される枝電路を導通状態から遮断状態に切り替え、
前記複数の浸水判定部のうち2以上の各々は、前記2以上の枝電路開閉器のいずれか1つに接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定部は、前記複数の浸水判定部のうち1つの前記検出結果及び前記識別情報に基づいて、前記複数の開閉器のうち1以上を遮断するか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の浸水検知システム。
【請求項6】
前記浸水判定部の前記識別情報は、前記通信部のアドレスである、
請求項1又は2に記載の浸水検知システム。
【請求項7】
1以上のプロセッサが、各々が識別情報を有する複数の浸水判定部を用いて、開閉ユニットに含まれる複数の開閉器のうち1以上を遮断するか否かを判定する遮断判定ステップを含み、
前記複数の浸水判定部の各々は、
前記複数の開閉器のうちの1つに接続されている電気設備を監視対象として、前記監視対象の浸水状態を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果を送信する通信部と、を含み、
前記遮断判定ステップでは、前記複数の浸水判定部のうち1つの前記検出結果及び前記識別情報に基づいて、前記複数の開閉器のうち前記検出結果に対応する前記監視対象に接続されている前記開閉器を遮断するか否かを判定する、
浸水検知方法。
【請求項8】
前記複数の開閉器は、前記開閉ユニットに電力を入力する主電路を導通状態から遮断状態に切り替える主電路開閉器を含み、
前記複数の浸水判定部のうちの1つは、前記主電路開閉器に接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定ステップでは、前記複数の開閉器のうち前記1以上として、前記主電路開閉器を遮断するか否かを判定する、
請求項7に記載の浸水検知方法。
【請求項9】
前記複数の開閉器は、前記開閉ユニットから電力が出力される枝電路を導通状態から遮断状態に切り替える枝電路開閉器を含み、
前記複数の浸水判定部のうちの1つは、前記枝電路開閉器に接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定ステップでは、前記複数の開閉器のうち前記1以上として、前記枝電路開閉器を遮断するか否かを判定する、
請求項7又は8に記載の浸水検知方法。
【請求項10】
前記複数の開閉器は、2以上の枝電路開閉器を含み、
前記2以上の枝電路開閉器の各々は、前記開閉ユニットから電力が出力される枝電路を導通状態から遮断状態に切り替え、
前記複数の浸水判定部のうち2以上の各々は、前記2以上の枝電路開閉器のいずれか1つに接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定ステップでは、前記2以上の枝電路開閉器の各々について、前記電気設備の設置場所が低い枝電路開閉器から順に遮断するか否かを判定する、
請求項7又は8に記載の浸水検知方法。
【請求項11】
前記複数の開閉器は、2以上の枝電路開閉器を含み、
前記2以上の枝電路開閉器の各々は、前記開閉ユニットから電力が出力される枝電路を導通状態から遮断状態に切り替え、
前記複数の浸水判定部のうち2以上の各々は、前記2以上の枝電路開閉器のいずれか1つに接続されている電気設備を前記監視対象とし、
前記遮断判定ステップでは、前記複数の浸水判定部のうち1つの前記検出結果及び前記識別情報に基づいて、前記複数の開閉器のうち1以上を遮断するか否かを判定する、
請求項7又は8に記載の浸水検知方法。
【請求項12】
前記浸水判定部の前記識別情報は、前記通信部のアドレスである、
請求項7又は8に記載の浸水検知方法。
【請求項13】
1以上のプロセッサに、請求項7に記載の浸水検知方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は浸水検知システム、浸水検知方法、及び、プログラムに関し、特に、電気設備の浸水を検知する浸水検知システム、浸水検知方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、商用電源からの電力を分電盤で分岐し、各個室に備えられている複数のコンセントに供給する建物内配電システムが開示されている。分電盤には、主幹ブレーカ及び分岐ブレーカが内蔵されており、主幹ブレーカ及び分岐ブレーカによって、商用電源から複数のコンセントへの電力の供給が制御されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2016-178759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献に開示されている建物内配電システムでは、例えば漏電が発生した場合は、主幹ブレーカの漏電遮断機能によって漏電を検出することが可能である。しかし、洪水などでコンセント(電気設備)が浸水した場合は、適切に電気設備への電力の供給を遮断することができない。
【0005】
本開示は、電気設備が浸水した場合において、適切に電力を遮断することができる浸水検知システム、浸水検知方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る浸水検知システムは、複数の浸水判定部と、遮断判定部と、を備える。前記複数の浸水判定部は、各々が識別情報を有する。前記遮断判定部は、開閉ユニットに含まれる複数の開閉器のうち1以上を遮断するか否かを判定する。前記複数の浸水判定部の各々は、検出部と、通信部と、を含む。前記検出部は、前記複数の開閉器のうちの1つに接続されている電気設備を監視対象として、前記監視対象の浸水状態を検出する。前記通信部は、前記検出部の検出結果を前記遮断判定部に送信する。前記遮断判定部は、前記複数の浸水判定部のうち1つの前記検出結果及び前記識別情報に基づいて、前記複数の開閉器のうち前記検出結果に対応する前記監視対象に接続されている前記開閉器を遮断するか否かを判定する。
【0007】
本開示の一態様に係る浸水検知方法は、遮断判定ステップを含む。前記遮断判定ステップでは、1以上のプロセッサが、各々が識別情報を有する複数の浸水判定部を用いて、開閉ユニットに含まれる複数の開閉器のうち1以上を遮断するか否かを判定する。前記複数の浸水判定部の各々は、検出部と、通信部と、を含む。前記検出部は、前記複数の開閉器のうちの1つに接続されている電気設備を監視対象として、前記監視対象の浸水状態を検出する。前記通信部は、前記検出部の検出結果を送信する。前記遮断判定ステップでは、前記複数の浸水判定部のうち1つの前記検出結果及び前記識別情報に基づいて、前記複数の開閉器のうち前記検出結果に対応する前記監視対象に接続されている前記開閉器を遮断するか否かを判定する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、前記浸水検知方法を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る浸水検知システム、浸水検知方法、及び、プログラムによれば、電気設備が浸水した場合において、適切に電力を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る浸水検知システムが適用される建物の一例を示すブロック図である。
図2図2は、同上の浸水検知システムのブロック図である。
図3図3は、同上の浸水検知システムが備える開閉器の概略構成図である。
図4図4は、同上の浸水検知システムの動作を示すフローチャートである。
図5図5は、変形例1に係る浸水検知システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る浸水検知システムについて、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態)
(1)概要
浸水検知システム1は、例えば、洪水などの水害によって監視対象の電気設備が浸水したときに、その監視対象の浸水を検知し、必要に応じて電気設備に供給される電力を遮断するシステムである。
【0013】
ここで、「電気設備」とは、建物に固定された装置であり、かつ、配電系の設備と、施設(建物)に固定された器具との少なくとも一方を含む。「配電系の設備」とは、配線器具、分電盤、コンセント、電気自動車用の充電装置、パワーコンディショナー、蓄電装置、テーブルタップなどを含む。「施設(建物)に固定された器具」とは、LAN(Local Area Network)・電話・FAX・モデム用のモジュラージャック、テレビコンセントなどを含む。
【0014】
浸水検知システム1では、複数のコンセント33の各々を、対応する浸水判定部41が監視対象として浸水状態であるか否かを検知する。複数のコンセント33の各々は、主電路321及び複数の枝電路322のいずれか1つに接続されている電気設備である。そして、浸水検知システム1では、監視対象が浸水状態であると検知した浸水判定部41を遮断判定部11が浸水判定部41の識別情報に基づいて判定し、開閉器34を用いて監視対象に対応する電路を遮断状態とする。
【0015】
本開示でいう「建物」は、オフィス、店舗、事業所、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は集合住宅の各住戸等の住宅施設を含む。非住宅施設は、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。さらには、本開示でいう「建物」は、球場、庭、駐車場、グランド及び公園等の屋外施設を含む。
【0016】
(2)構成
(2.1)浸水検知システム
浸水検知システム1は、監視対象の電気設備が設置された建物2に設置されている。建物2は、図1に示すように、複数(図1では2つ)のフロア(1階21、2階22)を有している。なお、図1では、電力の経路を実線で示し、信号の経路を破線で示している。建物2は、分電盤30と、複数のコンセント33とを備えている。分電盤30は、本開示の開閉ユニットに相当する。より詳細には、建物2の2階22には、分電盤30と、コンセント33aとが設置されている。また、建物2の1階21には、複数のコンセント33b及び33cが設置されている。分電盤30及び複数のコンセント33は、電力系統31からの電力を複数のコンセント33に分配する系統配電システムを構成している。
【0017】
分電盤30は、建物2の壁などに設置されており、電力系統31からの電力を複数のコンセント33に分配する。分電盤30は、分配回路32と、主幹ブレーカ341と、複数(図1では3つ)の分岐ブレーカ342a~342cと、遮断判定部11とを備えている。主幹ブレーカ341及び複数の分岐ブレーカ342a~342cの各々は、本開示の開閉器34に相当する。
【0018】
分配回路32は、電力系統31からの電力を複数のコンセント33に分配する回路である。分配回路32は、主電路321と、複数の枝電路322とを有する。主電路321は、分電盤30の内部から外部に引き出されており、電力系統31と接続されている。複数の枝電路322は、複数のコンセント33と一対一で対応している。より詳細には、枝電路322aはコンセント33aに対応し、枝電路322bはコンセント33bに対応し、枝電路322cはコンセント33cに対応する。複数の枝電路322は、分電盤30の内部から外部に引き出されており、対応するコンセント33に接続されている。
【0019】
主幹ブレーカ341は、分電盤30に電力を入力する電路である主電路321に設けられている。主幹ブレーカ341は、閉状態又は開状態に切り替わることで、主電路321を導通又は遮断する。また、主幹ブレーカ341は、本開示の主電路開閉器341に相当する。主幹ブレーカ341は、遮断判定部11から遮断信号St1の入力を受け付ける。主幹ブレーカ341は、遮断信号St1が入力されると開状態に切り替わり、主電路321を遮断する。
【0020】
複数の分岐ブレーカ342a~342cの各々は、複数の枝電路322のうち対応する1つに設けられている。複数の枝電路322の各々は、分電盤30から電力が出力される電路である。より詳細には、分岐ブレーカ342aは、枝電路322aに設けられている。また、分岐ブレーカ342bは、枝電路322bに設けられている。また、分岐ブレーカ342cは、枝電路322cに設けられている。複数の分岐ブレーカ342a~342cの各々は、閉状態又は開状態に切り替わることで、対応する枝電路322を導通又は遮断する。複数の分岐ブレーカ342a~342cの各々は、本開示の枝電路開閉器342a~342cに相当する。分岐ブレーカ342a~342cは、遮断判定部11から遮断信号St1の入力を受け付ける。分岐ブレーカ342a~342cは、遮断信号St1が入力されると開状態に切り替わり、対応する枝電路322を遮断する。
【0021】
複数のコンセント33の各々は、建物2で使用される電気機器からのプラグが脱着自在に接続可能であり、接続された電気機器に電力を供給する。複数のコンセント33は、例えば、建物2の1階21又は2階22の壁に設置されている。
【0022】
浸水検知システム1は、図1及び図2に示すように、遮断判定部11と、複数(図1及び図2では4個)の浸水判定部41と、を備える。複数の浸水判定部41のうちの1つである浸水判定部41dは、主幹ブレーカ341に接続されている分電盤30を監視対象とする。すなわち、分電盤30は、本開示における、主電路開閉器341に接続されている電気設備30に相当する。また、複数の浸水判定部41のうち、2以上(図1及び図2では3個)の浸水判定部41a~41cの各々は、複数の分岐ブレーカ342a~342cの各々に一対一に接続されている複数のコンセント33の各々を監視対象とする。すなわち、複数のコンセント33の各々は、本開示における、枝電路開閉器342a~342cに接続されている電気設備33に相当する。より詳細には、浸水判定部41aは、コンセント33aを監視対象とする。また、浸水判定部41bは、コンセント33bを監視対象とする。また、浸水判定部41cは、コンセント33cを監視対象とする。
【0023】
浸水判定部41の各々は、検出部42と、通信部43と、を備えている。
【0024】
検出部42は、監視対象の浸水状態を検出するセンサである。検出部42は、例えば、水に接触して水位を検出する水センサである。検出部42は、検出部42の浸水を検出することで、監視対象が浸水したことを検出する。浸水判定部41の各々は、例えば、監視対象の少なくとも一部が水に接触する場合に検出部42が水を検出する高さに設置されている。例えば、枝電路322cを監視対象とする浸水判定部41cでは、枝電路322cに設けられているコンセント33cのうち最も低い高さと、検出部42が水を検出する高さが一致する。これにより、コンセント33cが一部でも浸水する場合に、浸水判定部41cの検出部42が浸水を検出する。同様に、例えば、主電路321を監視対象とする浸水判定部41aでは、分電盤30のうち最も低い高さと、検出部42が水を検出する高さが一致する。これにより、分電盤30が一部でも浸水する場合に、浸水判定部41dの検出部42が浸水を検出する。
【0025】
通信部43は、検出部42の検出結果を遮断判定部11に送信する。通信部43は、例えば、検出部42が浸水を検出すると、浸水を検出したことを示す信号を遮断判定部11に送信する。通信部43は、例えば、Bluetooth(登録商標)及びECHONET Lite(登録商標)に対応するインターフェースである。
【0026】
浸水判定部41の各々は、遮断判定部11が浸水判定部41を特定するための識別情報を有している。浸水判定部41の識別情報は、例えば、通信部43が備えるアドレスである。より詳細には、通信部43が備えるアドレスは、IPアドレスである。
【0027】
遮断判定部11は、浸水判定部41の通信部43から検出部42の検出結果を受信する。遮断判定部11は、複数の開閉器34の制御内容を判定する。より詳細には、遮断判定部11は、検出部42の検出結果と、検出部42を有する浸水判定部41の識別情報とに基づいて、開閉器34に対応する電路を遮断するか否かを判定する。すなわち、遮断判定部11は、浸水判定部41の検出結果及び識別情報に基づいて、主幹ブレーカを用いて主電路321を遮断するか否かを判定する。また、遮断判定部11は、浸水判定部41の検出結果及び識別情報に基づいて、分岐ブレーカ342a~342cを用いて枝電路322を遮断するか否かを判定する。
【0028】
遮断判定部11は、複数の浸水判定部41のいずれかから検出部42の検出結果を受信すると、浸水判定部41の識別情報に基づいて、検出部42の検出結果の送信元である浸水判定部41を特定する。
【0029】
次に、遮断判定部11は、開閉器34を遮断するか否かを判定する。遮断判定部11は、分電盤30及び複数のコンセント33のうち浸水したものと接続されている電路(主電路321及び複数の枝電路322)を遮断する開閉器34を遮断する。
【0030】
遮断判定部11は、例えば、浸水判定部41の各々の識別情報と、複数の開閉器34の各々とを一対一で対応付けるテーブル(以下、「電路対応テーブル」と言う)を保持している。より詳細には、電路対応テーブルでは、浸水判定部41dの識別情報と、主幹ブレーカ341とが対応付けられている。また、電路対応テーブルでは、浸水判定部41aの識別情報と分岐ブレーカ342aとが、浸水判定部41bの識別情報と分岐ブレーカ342bとが、浸水判定部41cの識別情報と分岐ブレーカ342cとが、各々対応付けられている。
【0031】
遮断判定部11は、検出部42が浸水を検知した浸水判定部41の識別情報に対応する開閉器34について、その開閉器34が遮断可能な電路を遮断すると判定する。より詳細には、遮断判定部11は、検出部42が浸水を検知した浸水判定部41の識別情報に対応する開閉器34に、遮断信号St1を送信する。
【0032】
遮断判定部11は、例えば、プロセッサを有するコンピュータである。より詳細には、遮断判定部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びメモリを有するコンピュータシステムによって構成されている。コンピュータシステムは、メモリに格納されているプログラムをCPUで実行することにより、遮断判定部11の機能を実現する。プログラムは、予めコンピュータシステムのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような記録媒体に記録されて提供されてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよい。
【0033】
(2.2)開閉器
開閉器34は、遮断判定部11からの指示に基づき、対応する主電路321又は枝電路322に接続されている電気設備が浸水状態である場合に、その主電路321又は枝電路322を遮断する。
【0034】
主幹ブレーカ341及び分岐ブレーカ342a~342cの各々は、遮断信号St1が入力されると電路の遮断を行う、リモコン型のブレーカである。
【0035】
以下、開閉器34の具体的構成として、分岐ブレーカ342aの例に基づいて説明する。
【0036】
分岐ブレーカ342aは、例えば、図3に示すように、電路L3と、入力部51と、引回し回路54と、1又は複数(図3では2つ)の開閉部52と、短絡検出部53と、器体50と、二次側端子502と、主電路接続部A1と、操作ハンドルと、を有する。
【0037】
電路L3は、複数相の電路を含む。電路L3は、例えば、単相三線式のL1相とN相とに対応する2つの相の電路L11及びL12を含む。
【0038】
主電路接続部A1は、分電盤30の一対の電路バーと脱着可能に接続される。主電路接続部A1は、複数(図3では2つ)のユニット端子501を含む。複数のユニット端子501は、電路L11の一端と、電路L12の一端に、各々配置される。一対の電路バーの各々は単相三線式のL1相とN相とに対応し、主幹ブレーカ341の二次側端子と接続されている。
【0039】
二次側端子502は、電路L11の他端と、電路L12の他端に、各々配置される。二次側端子502は、分岐ブレーカ342aに対応する枝電路322aに接続されている。
【0040】
入力部51には、遮断判定部11から遮断信号St1が入力される。入力部51は、器体50から部分的に露出する端子部を有し、遮断判定部11と接続されている。入力部51は、引回し回路54と電気的に接続されている。
【0041】
引回し回路54は、一例として、引外しコイル、ヨーク、固定鉄心、可動鉄心、プッシングピン、及び復帰ばね等を有する。ヨークは、主回路コイル531の周囲を覆うように配置される。引外しコイルは、後述する短絡検出部53の主回路コイル531の内部に配置される。引外しコイルは、入力部51と電気的に接続されていて、引外しコイルには、入力部51から入力した遮断信号St1(駆動電流)が流れ得る。固定鉄心は、引外しコイルのコイルボビン内に配置される。可動鉄心は、上記コイルボビン内において、固定鉄心と接触する位置と、固定鉄心から離れる位置との間でスライド可能に配置される。復帰ばねは、例えばコイルばねから構成され、上記コイルボビン内において可動鉄心と固定鉄心との間に収容されている。復帰ばねは、可動鉄心が固定鉄心に接触する向きに移動すると撓み、可動鉄心を固定鉄心から離れる向きに移動させる弾性力を発生する。プッシングピンは、可動鉄心に結合しており、その先端がコイルボビンの外側に突出する。
【0042】
各開閉部52は、固定接点と可動接点とを含む。固定接点と可動接点とで接点P1を構成する。各開閉部52の接点P1は、電路L3の各々に挿入されている。より詳細には、電路L11及びL12には、開閉部521及び522がそれぞれ設けられている。
【0043】
各開閉部52の固定接点は、固定接点板に固着されている、又は固定接点板の一部として一体となっている。固定接点板は、鉄又は銅等の低抵抗の材料から形成されている。固定接点板は、対応する電路(電路L11又は電路L12)の一部を構成する。
【0044】
各開閉部52の可動接点は、金属板に抜き加工及び曲げ加工を施して形成されたアーム(可動接触子)の一端にある。可動接点は、アームの一端に固着されている、又はアームの一部として一体となっている。アームは、対応する電路(電路L11又は電路L12)の一部を構成する。アームは、その他端の側に設けられた軸を支点として、可動接点が固定接点と接触する位置と、固定接点から離れる位置との間で回転可能となっている。
【0045】
2つの開閉部52は、入力部51に入力された遮断信号St1に応じて引外し回路54が作動することで、電路L3に挿入された2つの接点P1をほぼ同時に開極する。その結果、電路L3を導通状態から遮断状態に切り替える。
【0046】
具体的には、遮断信号St1が、駆動電流として、引外しコイルに流れると、ヨークや可動鉄心等によって形成される磁路の磁気抵抗を小さくするように、復帰ばねのばね力に抗して可動鉄心が変位する。これに連動してプッシングピンが突出する。この時プッシングピンの押力がアームに伝達されることで、可動接点を固定接点から引き離すようにアームが駆動される。その結果、各接点P1は、強制的に開極、すなわちトリップされる。駆動電流(遮断信号St1)が止まると、復帰ばねのばね力により、可動鉄心が元の位置に変位して、プッシングピンも元の位置に復帰する。
【0047】
短絡検出部53は、電路L3に配置されて短絡電流を検出するように構成される。開閉部52は、短絡検出部53で短絡電流が検出されることによって接点P1を開極する。短絡検出部53は、主回路コイル531を含む。
【0048】
主回路コイル531は、電路L11に挿入されている。具体的には、主回路コイル531の第1端はユニット端子501と電気的に接続され、主回路コイル531の第2端は開閉部52(521)と電気的に接続される。
【0049】
短絡電流が、主回路コイル531、すなわち電路L11に流れると、ヨークや可動鉄心等によって形成される磁路の磁気抵抗を小さくするように、復帰ばねのばね力に抗して可動鉄心が変位する。その結果、遮断信号St1が引外しコイルに流れる場合と同様に、各接点P1は、強制的に開極される。短絡電流が止まると、復帰ばねのばね力により、可動鉄心が元の位置に変位して、プッシングピンも元の位置に復帰する。
【0050】
操作ハンドルは、その一部が器体50から突出するように器体50に保持されている。分岐ブレーカ342aは、操作ハンドルへの手動操作に応じて、2つの接点P1を閉極から開極へ、及び開極から閉極へ切り替え可能に構成されている。
【0051】
(3)動作
図4は、実施形態に係る浸水検知システム1の動作を示すフローチャートである。
【0052】
複数の浸水判定部41の各々は、検出部42を用いて監視対象が浸水したか否かを判定する(ステップS1)。複数の浸水判定部41の各々は、検出部42が浸水を検知しない場合(ステップS1でNo)は、監視対象が浸水していないと判定してステップS1を繰り返し実行する。一方、複数の浸水判定部41のうちいずれか1つにおいて、検出部42が浸水を検知すると(ステップS1でYes)、監視対象が浸水したことを示す信号を通信部43から遮断判定部11に送信する。
【0053】
遮断判定部11は、浸水判定部41の識別情報に基づいて、監視対象が浸水したことを示す信号を送信した浸水判定部41を特定する(ステップS2)。
【0054】
遮断判定部11は、開閉器34を遮断するか否かを判定する(ステップS3)。より詳細には、遮断判定部11は、分電盤30及び複数のコンセント33のうち浸水したものと接続されている電路を遮断する開閉器34を遮断する。遮断判定部11は、上述の電路対応テーブルに基づいて、監視対象の浸水を検知した浸水判定部41に対応する開閉器34を特定する。例えば、浸水判定部41bが監視対象の浸水を検知した場合、遮断判定部11は、分岐ブレーカ342bを特定する。遮断判定部11は、特定した開閉器34に遮断信号St1を送信する。
【0055】
これにより、例えば、コンセント33bが浸水した場合には、浸水判定部41bが浸水を検知し、枝電路322bに対する電力の供給が分岐ブレーカ342bによって遮断される。したがって、枝電路322bの短絡、及び、コンセント33bからの漏電、などのトラブルを防止することができる。一方、コンセント33a及び33cが浸水状態でない場合には、枝電路322bが浸水状態であることの影響を受けずに、コンセント33a及び33cの使用を継続することができる。したがって、例えば、建物2の1階21が浸水しているが建物2の2階22が浸水していない場合に、2階22に避難している住民が2階22で家電機器を安全に使用することが可能となる。
【0056】
また、遮断判定部11は、例えば、浸水判定部41dが浸水を検知すると、主幹ブレーカ341に遮断信号St1を送信する。これにより、分電盤30及び複数の枝電路322の各々に対する電力の供給が主幹ブレーカ341によって遮断される。したがって、建物2の浸水状況として分配回路32全体への電力供給を遮断させることが適切な場合には、そのようにすることでトラブルを防止することができる。
【0057】
(4)効果
実施形態に係る浸水検知システム1は、複数の浸水判定部41と、遮断判定部11と、を備える。複数の浸水判定部41は、各々が識別情報を有する。遮断判定部11は、分電盤30に含まれる複数の開閉器34を遮断するか否かを判定する。複数の浸水判定部41の各々は、検出部42と、通信部43と、を含む。検出部42は、複数の開閉器34のうちの1つに接続されている分電盤30又はコンセント33を監視対象として、監視対象の浸水状態を検出する。通信部43は、検出部42の検出結果を遮断判定部11に送信する。遮断判定部11は、複数の浸水判定部41のうち1つの検出結果及び識別情報に基づいて、複数の開閉器34のうち検出結果に対応するコンセント33に接続されている開閉器34を遮断するか否かを判定する。これにより、浸水検知システム1では、浸水状態である電気設備に接続されている開閉器34を確実に遮断状態とすることができる。
【0058】
また、実施形態に係る浸水検知システム1では、分電盤30は、開閉器34として、主幹ブレーカ341を含む。主幹ブレーカ341は、分電盤30に電力を入力する主電路321を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部41のうち浸水判定部41dは、主幹ブレーカ341に接続されている分電盤30を監視対象とする。遮断判定部11は、主幹ブレーカ341を遮断するか否かを判定する。これにより、浸水検知システム1では、分電盤30が浸水状態となった場合には、主幹ブレーカ341により主電路321を確実に遮断状態とすることができる。
【0059】
また、実施形態に係る浸水検知システム1では、分電盤30は、開閉器として、分岐ブレーカ342a~342cを含む。分岐ブレーカ342a~342cは、分電盤30から電力が出力される枝電路322を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部41のうち浸水判定部41a~41cの各々は、分岐ブレーカ342a~342cに接続されているコンセント33を監視対象とする。遮断判定部11は、分岐ブレーカ342a~342cを遮断するか否かを判定する。これにより、浸水検知システム1では、コンセント33が浸水状態となった場合には、分岐ブレーカ342a~342cにより枝電路322を確実に遮断状態とすることができる。さらに、浸水検知システム1では、枝電路322が複数存在する場合に、コンセント33が浸水状態でない枝電路322において、浸水状態である枝電路322による影響を受けることなく、電力の供給を受けることができる。
【0060】
また、実施形態に係る浸水検知システム1では、浸水判定部41の識別情報は、監視対象を特定する情報である。これにより、浸水検知システム1では、浸水判定部41の、検出部42の検出結果から、浸水状態にある監視対象の電路がどの電路であるかを容易に特定することができる。
【0061】
また、実施形態に係る浸水検知システム1では、浸水判定部41の識別情報は、通信部43のアドレスである。これにより、浸水検知システム1では、通信部43が遮断判定部11に浸水判定部41の位置情報などの特別な情報を送信しなくても、遮断判定部11が浸水判定部41を識別することが可能となる。
【0062】
また、実施形態に係る浸水検知システム1では、遮断判定部11は、分電盤30に設けられている。これにより、遮断判定部11が浸水状態になる場合と、分電盤30が浸水状態となる場合とが一致する。したがって、分電盤30が浸水状態とならない場合には、例えば、主電路321の遮断を避け、遮断判定部11が枝電路322の浸水状態に同期して浸水状態である枝電路322を順次遮断状態とすることが可能となる。
【0063】
(変形例1)
(1)動作
実施形態に係る浸水検知システム1では、浸水判定部41が監視対象の浸水を検知すると、遮断判定部11は、監視対象に対応する開閉器34を遮断状態とする。これに対し、変形例1に係る浸水検知システム1では、浸水判定部41が監視対象の浸水を検知すると、遮断判定部11は、以下に説明するように1以上の開閉器34について制御を行う。
【0064】
図5は、変形例1に係る浸水検知システム1の動作を示すフローチャートである。
【0065】
複数の浸水判定部41の各々は、検出部42を用いて監視対象が浸水したか否かを判定する(ステップS1)。複数の浸水判定部41の各々は、検出部42が浸水を検知しない場合(ステップS1でNo)は、監視対象が浸水していないと判定してステップS1を繰り返し実行する。一方、複数の浸水判定部41のうちいずれか1つにおいて、検出部42が浸水を検知すると(ステップS1でYes)、通信部43から監視対象が浸水したことを示す信号を遮断判定部11に送信させる。
【0066】
遮断判定部11は、浸水判定部41の識別情報に基づいて、監視対象が浸水したことを示す信号を送信した浸水判定部41を特定する(ステップS2)。
【0067】
遮断判定部11は、浸水判定部41の各々の浸水状態に基づいて、電力を遮断する遮断対象を判定する(ステップS11)。遮断判定部11は、例えば、コンセント33の設置場所が低い分岐ブレーカ342a~342cから順に電力を遮断するか否かを判定した後、主幹ブレーカ341を遮断するか否かを判定する。遮断判定部11は、例えば、上述の電路対応テーブルに加えて、複数の枝電路322について、各々に設けられているコンセント33の高さが低い順序を示すテーブルを保持している。変形例1に係る浸水検知システム1では、図1に示すように、コンセント33b及び33cの高さは、コンセント33aよりも低い位置に設置されている。
【0068】
遮断判定部11は、コンセント33の設置場所が低い分岐ブレーカ342a~342cから順に、遮断対象を判定する。より詳細には、遮断判定部11は、浸水状態のコンセント33に対応する分岐ブレーカ342a~342cと、浸水状態のコンセント33より設置場所が低いコンセント33に対応する分岐ブレーカ342a~342cの全てを、遮断対象として判定する。したがって、例えば、浸水判定部41bがコンセント33bの浸水を検知した場合、遮断判定部11は、コンセント33bに対応する枝電路322bを遮断できる分岐ブレーカ342bを遮断対象として判定する。一方、例えば、浸水判定部41aがコンセント33aの浸水を検知した場合、コンセント33aに対応する分岐ブレーカ342aに加えて、コンセント33aより低い位置に設置されているコンセント33b及び33cに対応する分岐ブレーカ342b及び342cを遮断対象として判定する。コンセント33aが浸水している場合、コンセント33aよりも低い位置に設置されているコンセント33b及び33cはすぐに浸水するか、既に浸水している可能性が高いため、上記動作により、枝電路322b及び322bの安全を確保することができる。
【0069】
遮断判定部11は、遮断対象に含まれる開閉器34を遮断するか否かを判定する(ステップS3)。より詳細には、遮断判定部11は、ステップS11で遮断対象と判定した開閉器34の全てに対し、遮断信号St1を送信する。
【0070】
(2)効果
変形例1に係る浸水検知システム1では、複数の開閉器34は、2以上の分岐ブレーカ342a~342cを含む。2以上の分岐ブレーカ342a~342cの各々は、分電盤30から電力が出力される枝電路322を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部41のうち浸水判定部41a~41cの各々は、2以上の分岐ブレーカ342a~342cのいずれか1つに接続されているコンセント33a~33cを監視対象とする。遮断判定部11は、2以上の分岐ブレーカ342a~342cの各々について、コンセント33の設置場所が低い分岐ブレーカ342a~342cから順に遮断するか否かを判定する。これにより、浸水状態にあるコンセント33より低い位置のコンセント33と接続されている分岐ブレーカ342a~342cについても、速やかに電力を遮断して安全を確保することが可能となる。一方で、浸水状態にあるコンセント33より高い位置のコンセント33については、電力供給を継続することで、建物2にいる人の利便性を向上させることができる。
【0071】
(変形例2)
(1)動作
変形例2に係る浸水検知システム1では、変形例1に係る浸水検知システム1と同様、浸水判定部41が監視対象の浸水を検知すると、遮断判定部11は、以下に説明するように1以上の開閉器34について制御を行う。
【0072】
複数の浸水判定部41の各々は、検出部42を用いて監視対象が浸水したか否かを判定する(ステップS1)。複数の浸水判定部41の各々は、検出部42が浸水を検知しない場合(ステップS1でNo)は、監視対象が浸水していないと判定してステップS1を繰り返し実行する。一方、複数の浸水判定部41のいずれか1つにおいて、検出部42が浸水を検知すると(ステップS1でYes)、通信部43から、監視対象が浸水したことを示す信号を遮断判定部11に送信させる。
【0073】
遮断判定部11は、浸水判定部41の識別情報に基づいて、監視対象が浸水したことを示す信号を送信した浸水判定部41を特定する(ステップS2)。
【0074】
遮断判定部11は、浸水判定部41の各々の浸水状態に基づいて、電力を遮断する遮断対象を判定する(ステップS11)。遮断判定部11は、例えば、浸水が検知された監視対象に対応する分岐ブレーカ342a~342cについて電力を遮断するか否かを判定する。遮断判定部11は、例えば、上述の電路対応テーブルに加えて、複数の枝電路322について、各々に設けられているコンセント33のいずれかが浸水した場合にまとめて遮断することが好ましい枝電路322のグループを示す情報を保持している。枝電路322のグループは、例えば、コンセント33が同じフロアに存在する組み合わせである。例えば、コンセント33bとコンセント33cとはいずれも建物2の1階21に設けられているため、枝電路322bと枝電路322cは、1つのグループとして管理される。
【0075】
遮断判定部11は、浸水状態のコンセント33に対応する分岐ブレーカ342a~342cと、その分岐ブレーカ342a~342cと同じグループの分岐ブレーカ342a~342cと、を遮断領域として判定する。例えば、浸水判定部41bがコンセント33bの浸水を検知した場合、遮断判定部11は、コンセント33bに対応する枝電路322bを遮断できる分岐ブレーカ342bに加えて、分岐ブレーカ342bと同じグループである分岐ブレーカ342cを、遮断対象と判定する。
【0076】
遮断判定部11は、遮断対象に含まれる開閉器34を遮断するか否かを判定する(ステップS3)。より詳細には、遮断判定部11は、ステップS1で遮断対象と判定した開閉器34の全てに対し、遮断信号St1を送信する。
【0077】
(2)効果
変形例2に係る浸水検知システム1では、複数の開閉器34は、複数の分岐ブレーカ342a~342cを含む。複数の分岐ブレーカ342a~342cの各々は、分電盤30から電力が出力される枝電路322を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部41のうち浸水判定部41a~41cの各々は、複数の分岐ブレーカ342a~342cのいずれか1つに接続されているコンセント33a~33cを監視対象とする。遮断判定部11は、複数の浸水判定部41のうち1つの検出結果及び識別情報に基づいて、複数の開閉器34のうち1以上を遮断するか否かを判定する。これにより、浸水状態にあるコンセント33が接続されている枝電路322と、同時に遮断することが好ましい枝電路322とをまとめて速やかに電力を遮断することが可能となる。
【0078】
(実施態様に係るその他の変形例)
(1)実施形態、変形例1及び変形例2に係る浸水検知システム1では、浸水判定部41の識別情報は、通信部43が備えるIPアドレスである。しかしながら、浸水判定部41の識別情報は、複数の浸水判定部41を区別できる情報であればよい。例えば、浸水判定部41の識別情報は、通信部43のMACアドレス、Bluetooth Device Address等のハードウェアアドレスでもよい。また、例えば、浸水判定部41の識別情報は、浸水判定部41の製造番号等、浸水判定部41ごとに固有に付与されるIDでもよい。また、例えば、浸水判定部41の識別情報は、遮断判定部11における浸水判定部41の通信部43からの信号強度であるとしてもよい。
【0079】
(2)実施形態、変形例1及び変形例2に係る浸水検知システム1では、浸水判定部41の通信部43がBluetooth(登録商標)及びECHONET Lite(登録商標)に対応するインターフェースであるが、通信部43の通信プロトコルはこれに限られない。例えば、通信部43の通信規格は、Bluetooth(登録商標) LE(Low Energy)、無線LAN、特定小電力無線規格、有線LANなど任意の通信規格を用いてよい。
【0080】
(3)実施形態、変形例1及び変形例2に係る浸水検知システム1では、検出部42は、例えば、水に接触して水位を検出する水センサである。しかしながら、検出部42は、超音波、電波、レーザ等を用いた非接触式の水位検出センサであってもよい。
【0081】
(4)実施形態、変形例1及び変形例2に係る浸水検知システム1では、複数の枝電路322は複数のコンセント33に一対一で対応するが、複数の枝電路322のうち少なくとも1つは複数のコンセント33に一対多で対応してもよい。例えば、枝電路322aは、コンセント33bと、コンセント33a~33cのいずれとも異なる他のコンセント33と接続されてもよい。この場合、浸水判定部41aは、枝電路322aに接続されている複数のコンセント33のうち少なくとも1つが浸水する場合に検出部42が浸水を検出するように設けられている。また、電路対応テーブルでは、浸水判定部41aと、枝電路322aを遮断可能な分岐ブレーカ342aとが対応付けられている。これにより、枝電路322aに接続されている複数のコンセント33のうち少なくとも1つが浸水すると、分岐ブレーカ342aにより枝電路322aが遮断される。
【0082】
また、枝電路322に接続されている電気設備はコンセント33に限られず、照明器具、空調設備、人感センサ等、電路に接続される任意の機器であってよい。
【0083】
また、枝電路322の数は3に限られず、2以下でもよいし、4以上でもよい。
【0084】
(5)実施形態、変形例1及び変形例2に係る浸水検知システム1では、複数の開閉器34は、遮断信号St1が入力されると電路の遮断を行うリモコン型のブレーカである。しかしながら、複数の開閉器34の各々は、遮断判定部11からの入力に基づいて電路を遮断する機能を有する開閉器34であれば、上述の構成とは異なる構成であってもよい。開閉器34は、例えば、半導体リレーであってもよい。
【0085】
また、例えば、複数の開閉器34の各々は、遮断判定部11から遮断信号を受け付ける構成を有していなくてもよい。例えば、分岐ブレーカ342a~342cは、漏電を検出すると遮断動作を行う漏電ブレーカであり、遮断判定部11は、枝電路322の一方の相を接地線に短絡させることで意図的に漏電を生じさせて分岐ブレーカ342a~342cを遮断させてもよい。また、例えば、開閉器34は手動式のブレーカであり、遮断判定部11は、開閉器34のハンドルを操作するアクチュエータを有していてもよい。
【0086】
(6)実施形態、変形例1及び変形例2に係る浸水検知システム1では、分電盤30が備える全ての開閉器34について遮断するか否かを判定するが、分電盤30が備える複数の開閉器34のうち1以上について遮断するか否かを判定してもよい。また、浸水検知システム1は、複数の分電盤30について、開閉器34のうち1以上について遮断するか否かを判定してもよい。
【0087】
(態様)
第1の態様に係る浸水検知システム(1)は、複数の浸水判定部(41)と、遮断判定部(11)と、を備える。複数の浸水判定部(41)は、各々が識別情報を有する。遮断判定部(11)は、開閉ユニット(分電盤30)に含まれる複数の開閉器(34)のうち1以上を遮断するか否かを判定する。複数の浸水判定部(41)の各々は、検出部(42)と、通信部(43)と、を含む。検出部(42)は、複数の開閉器(34)のうちの1つに接続されている電気設備(30,33)を監視対象として、監視対象の浸水状態を検出する。通信部(43)は、検出部(42)の検出結果を遮断判定部(11)に送信する。遮断判定部(11)は、複数の浸水判定部(41)のうち1つの検出結果及び識別情報に基づいて、複数の開閉器(34)のうち検出結果に対応する監視対象に接続されている開閉器(34)を遮断するか否かを判定する。
【0088】
上記態様に係る浸水検知システム(1)によれば、浸水状態である電気設備(30,33)に接続されている開閉器(34)を確実に遮断状態とすることができる。
【0089】
第2の態様に係る浸水検知システム(1)では、第1の態様において、複数の開閉器(34)は、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)を含む。主電路開閉器(主幹ブレーカ341)は、開閉ユニット(分電盤30)に電力を入力する主電路(321)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうちの1つ(41d)は、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)に接続されている電気設備(分電盤30)を監視対象とする。遮断判定部(11)は、複数の開閉器(34)のうち1以上として、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)を遮断するか否かを判定する。
【0090】
上記態様に係る浸水検知システム(1)によれば、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)に接続されている電気設備(分電盤30)が浸水状態である場合に、主電路(321)を主電路開閉器(主幹ブレーカ341)により確実に遮断状態とすることができる。
【0091】
第3の態様に係る浸水検知システム(1)では、第1又は第2の態様において、複数の開閉器(34)は、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を含む。枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)は、開閉ユニット(分電盤30)から電力が出力される枝電路(322)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうちの1つ(41a~41c)は、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)に接続されている電気設備(コンセント33)を監視対象とする。遮断判定部(11)は、複数の開閉器(34)のうち1以上として、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を遮断するか否かを判定する。
【0092】
上記態様に係る浸水検知システム(1)によれば、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)に接続されている電気設備(コンセント33)が浸水状態である場合に、枝電路(322)を枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)により確実に遮断状態とすることができる。また、上記態様に係る浸水検知システム(1)によれば、複数の枝電路(322)が存在する場合に、電気設備(コンセント33)が浸水状態にない枝電路(322)に安全に電力供給を継続することが可能となる。
【0093】
第4の態様に係る浸水検知システム(1)では、第1又は第2の態様において、複数の開閉器(34)は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を含む。2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)の各々は、開閉ユニット(分電盤30)から電力が出力される枝電路(322)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうち2以上(41a~41c)の各々は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)のいずれか1つに接続されている電気設備(コンセント33)を監視対象とする。遮断判定部(11)は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)の各々について、電気設備(コンセント33)の設置場所が低い枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)から順に遮断するか否かを判定する。
【0094】
上記態様に係る浸水検知システム(1)によれば、浸水状態にある電気設備(コンセント33)より低い位置の電気設備(コンセント33)と接続されている枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)についても、速やかに電力を遮断して安全を確保することが可能となる。一方で、浸水状態にある電気設備(コンセント33)より高い位置の電気設備(コンセント33)については、電力供給を継続することで、建物(2)にいる人の利便性を向上させることができる。
【0095】
第5の態様に係る浸水検知システム(1)では、第1又は第2の態様において、複数の開閉器(34)は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を含む。2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)の各々は、開閉ユニット(分電盤30)から電力が出力される枝電路(322)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうち2以上(41a~41c)の各々は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)のいずれか1つに接続されている電気設備(コンセント33)を監視対象とする。遮断判定部(11)は、複数の浸水判定部(41)のうち1つの検出結果及び識別情報に基づいて、複数の開閉器(34)のうち1以上を遮断するか否かを判定する。
【0096】
上記態様に係る浸水検知システム(1)によれば、浸水状態にある電気設備(コンセント33)が接続されている枝電路(322)と、同時に遮断することが好ましい枝電路(322)とをまとめて速やかに電力を遮断することが可能となる。
【0097】
第6の態様に係る浸水検知システム(1)では、第1から第5の態様のいずれかにおいて、浸水判定部(41)の識別情報は、通信部(43)のアドレスである。
【0098】
上記態様に係る浸水検知システム(1)によれば、通信部(43)が遮断判定部(11)に特別な情報を送信しなくても、遮断判定部(11)が浸水判定部(41)を識別することが可能となる。
【0099】
第7の態様に係る浸水検知方法は、遮断判定ステップを含む。遮断判定ステップは、1以上のプロセッサが、複数の浸水判定部(41)を用いて、開閉ユニット(分電盤30)に含まれる複数の開閉器(34)のうち1以上を遮断するか否かを判定する。複数の浸水判定部(41)は、各々が識別情報を有する。複数の浸水判定部(41)の各々は、電気設備(30,33)を監視対象として、監視対象の浸水状態を検出する検出部(42)と、通信部(43)と、を含む。検出部(42)は、複数の開閉器(34)のうちの1つに接続されている。通信部(43)は、検出部(42)の検出結果を送信する。遮断判定ステップでは、複数の浸水判定部(41)のうち1つの検出結果及び識別情報に基づいて、複数の開閉器(34)のうち検出結果に対応する監視対象に接続されている開閉器(34)を遮断するか否かを判定する。
【0100】
上記態様に係る浸水検知方法によれば、浸水状態である電気設備(30,33)に接続されている開閉器(34)を確実に遮断状態とすることができる。
【0101】
第8の態様に係る浸水検知方法では、第7の態様において、複数の開閉器(34)は、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)を含む。主電路開閉器(主幹ブレーカ341)は、開閉ユニット(分電盤30)に電力を入力する主電路(321)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうちの1つ(41d)は、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)に接続されている電気設備(30)を監視対象とする。遮断判定ステップでは、複数の開閉器(34)のうち1以上として、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)を遮断するか否かを判定する。
【0102】
上記態様に係る浸水検知方法によれば、主電路開閉器(主幹ブレーカ341)に接続されている電気設備(分電盤30)が浸水状態である場合に、主電路(321)を主電路開閉器(主幹ブレーカ341)により確実に遮断状態とすることができる。
【0103】
第9の態様に係る浸水検知方法では、第7又は第8の態様において、複数の開閉器(34)は、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を含む。枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)は、開閉ユニット(分電盤30)から電力が出力される枝電路(322)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうちの1つ(41a~41c)は、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)に接続されている電気設備(コンセント33)を監視対象とする。遮断判定ステップでは、複数の開閉器(34)のうち1以上として、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を遮断するか否かを判定する。
【0104】
上記態様に係る浸水検知方法によれば、枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)に接続されている電気設備(コンセント33)が浸水状態である場合に、枝電路(322)を枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)により確実に遮断状態とすることができる。また、上記態様に係る浸水検知方法によれば、複数の枝電路(322)が存在する場合に、電気設備(コンセント33)が浸水状態にない枝電路(322)に安全に電力供給を継続することが可能となる。
【0105】
第10の態様に係る浸水検知方法では、第7又は第8の態様において、複数の開閉器(34)は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を含む。2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)の各々は、開閉ユニット(分電盤30)から電力が出力される枝電路(322)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうち2以上(41a~41c)の各々は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)のいずれか1つに接続されている電気設備(コンセント33)を監視対象とする。遮断判定ステップでは、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)の各々について、電気設備(コンセント33)の設置場所が低い枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)から順に遮断するか否かを判定する。
【0106】
上記態様に係る浸水検知方法によれば、浸水状態にある電気設備(コンセント33)より低い位置の電気設備(コンセント33)と接続されている枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)についても、速やかに電力を遮断して安全を確保することが可能となる。一方で、浸水状態にある電気設備(コンセント33)より高い位置の電気設備(コンセント33)については、電力供給を継続することで、建物(2)にいる人の利便性を向上させることができる。
【0107】
第11の態様に係る浸水検知方法では、第7又は第8の態様において、複数の開閉器(34)は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)を含む。2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)の各々は、開閉ユニット(分電盤30)から電力が出力される枝電路(322)を導通状態から遮断状態に切り替える。複数の浸水判定部(41)のうち2以上(41a~41c)の各々は、2以上の枝電路開閉器(分岐ブレーカ342a~342c)のいずれか1つに接続されている電気設備(コンセント33)を監視対象とする。遮断判定ステップでは、複数の浸水判定部(41)のうち1つの検出結果及び識別情報に基づいて、複数の開閉器(34)のうち1以上を遮断するか否かを判定する。
【0108】
上記態様に係る浸水検知方法によれば、浸水状態にある電気設備(コンセント33)が接続されている枝電路(322)と、同時に遮断することが好ましい枝電路(322)とをまとめて速やかに電力を遮断することが可能となる。
【0109】
第12の態様に係る浸水検知方法では、第7から第11の態様のいずれかにおいて、浸水判定部(41)の識別情報は、通信部(43)のアドレスである。
【0110】
上記態様に係る浸水検知方法によれば、通信部(43)が特別な情報を送信しなくても、遮断判定ステップにおいて、複数の浸水判定部(41)の各々を識別することが可能となる。
【0111】
第13の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第7から第12の態様のいずれかに係る浸水検知方法を実行させるプログラムである。
【0112】
上記態様に係るプログラムによれば、浸水状態である電気設備(30,33)に接続されている開閉器(34)を確実に遮断状態とすることができる。
【符号の説明】
【0113】
1 浸水検知システム
11 遮断判定部
30 分電盤(開閉ユニット、電気設備)
321 主電路
322 枝電路
33 コンセント(電気設備)
34 開閉器
341 主幹ブレーカ(主電路開閉器)
342a、342b、342c 分岐ブレーカ(枝電路開閉器)
41 浸水判定部
42 検出部
43 通信部
図1
図2
図3
図4
図5