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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171841
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 5/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B25J5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089092
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】久保 仁
(72)【発明者】
【氏名】岡 朋暉
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707BS26
3C707CS08
3C707HS09
3C707KT02
3C707KT04
3C707LV15
3C707MT08
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】ロボットアームを動作させる作業と、移動を伴う作業とを含む複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度の向上が可能なロボットを提供する。
【解決手段】このロボット100は、ロボットアーム13および14を含むロボット本体部10と、ロボット本体部10と一体的に移動することと、ロボット本体部10とは別個に移動することとを切り替えられて移動する移動部20と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームを含むロボット本体部と、
前記ロボット本体部と一体的に移動することと、前記ロボット本体部とは別個に移動することとを切り替えられて移動する移動部と、を備える、ロボット。
【請求項2】
前記移動部は、前記ロボット本体部とは別個の運搬対象物を載置する載置部を含む、請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記ロボット本体部に配置され、前記ロボットアームの動作を制御するロボット制御部と、
前記ロボット制御部とは別個に前記移動部に配置され、前記移動部の移動を制御する移動制御部と、をさらに備える、請求項1または2に記載のロボット。
【請求項4】
前記移動部は、前記ロボット本体部と一体的に移動する場合に前記ロボット本体部が取り付けられる基台部を含み、
前記ロボット本体部は、前記移動部の前記基台部に取り付けられる取付部を含む、請求項1または2に記載のロボット。
【請求項5】
前記ロボット本体部は、前記移動部が別個に移動する場合において、前記移動部とは別個に床面に配置された架台部に前記取付部が取り付けられることによって、前記移動部とは別個に固定される、請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記ロボット本体部は、前記移動部が別個に移動する場合において、前記ロボットアームを動作させることにより、所定の作業動作を行う、請求項1または2に記載のロボット。
【請求項7】
前記ロボットアームは、互いに異なる第1ロボットアームと第2ロボットアームとを有し、
前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの各々は、互いに離間した状態で独立して動作する、請求項1または2に記載のロボット。
【請求項8】
前記移動部は、前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームと一体的に移動することと、前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの少なくとも一方とは別個に移動することとを、切り替えられて移動し、
前記移動部が前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの少なくとも一方とは別個に移動している場合において、前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの各々は、互いに独立して動作する、請求項7に記載のロボット。
【請求項9】
前記ロボット本体部に取り付けられた状態と、前記ロボット本体部から離間した状態とを切り替えられて配置され、画像を撮像する本体撮像部をさらに備える、請求項1または2に記載のロボット。
【請求項10】
前記移動部に配置され、前記移動部と一体的に移動する移動撮像部をさらに備える、請求項1または2に記載のロボット。
【請求項11】
前記ロボット本体部と前記移動部との少なくとも一方に配置され、入力操作を受け付ける操作部をさらに備える、請求項1または2に記載のロボット。
【請求項12】
前記ロボット本体部に配置され、前記ロボットアームの動作の動力源となる第1バッテリと、
前記第1バッテリとは別個に前記移動部に配置され、前記移動部の移動の動力源となる第2バッテリと、をさらに備える、請求項1または2に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アーム部を備えた自走式ロボットが開示されている。特許文献1には、走行ベース部とアーム支持部とを備えた自走式ロボットが開示されている。特許文献1の自走式ロボットでは、走行ベース部は、一対の駆動輪を回転駆動して、ロボット本体を走行させる。アーム支持部は、アーム部の端部を支持するとともに、アーム部と一体となって走行ベース部の上段に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-131377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている自走式ロボットは、アーム部を動作させることにより所定の作業を実行している最中には、作業を行っている地点から離間した地点まで移動することができない。一方で、この自走式ロボットは、運搬、清掃、または、見回りなどの移動を伴う作業を行う場合には、1つの地点において継続してアーム部を動作させる作業を行うことができない。そこで、ロボットアームを動作させる作業と、移動を伴う作業とを含む複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度の向上が望まれている。
【0005】
この開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この開示の1つの目的は、ロボットアームを動作させる作業と、移動を伴う作業とを含む複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度の向上が可能なロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の一の局面によるロボットは、ロボットアームを含むロボット本体部と、ロボット本体部と一体的に移動することと、ロボット本体部とは別個に移動することとを切り替えられて移動する移動部と、を備える。なお、ここで言う「切り替えられて」とは、移動部がロボット本体部と一体的に移動する状態と、移動部がロボット本体部とは別個に移動する状態とのいずれかの状態を選択的に取ることを意味する。
【0007】
この開示の一の局面によるロボットは、上記のように、ロボット本体部と一体的に移動することと、ロボット本体部とは別個に移動することとを切り替えられて移動する移動部を備える。これにより、ロボット本体部が移動部と一体的に移動する場合には、移動部により移動しながら、複数の地点においてロボット本体部に配置されたロボットアームを用いた作業を行うことができる。また、移動部がロボット本体部と別個に移動する場合には、ロボットアームが作業を行っている最中に移動部が運搬などの移動を伴う作業を行うことができる。これらの結果、ロボットアームを動作させる作業と、移動を伴う作業とを含む複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度を向上できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ロボットアームを動作させる作業と、移動を伴う作業とを含む複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の第1実施形態によるロボットが配置されている配膳システムの全体構成を示す図である。
図2】第1実施形態によるロボットを含む配膳システムの構成を示したブロック図である。
図3】第1実施形態によるロボットの全体構成を模式的に示した斜視図である。
図4】ロボット本体部と移動部とが分離した状態を説明するための図である。
図5】ロボット本体部と移動部とが分離した状態での配膳の動作を示した図である。
図6】頭部が取り外された状態での動作を示した図である。
図7】第2実施形態によるロボットの構成を示した模式図である。
図8】ロボットアームが分離した状態での配膳の動作を示した図である。
図9】第3実施形態によるロボットによる見回りの動作を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を具体化した本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1から図6までを参照して、第1実施形態によるロボット100について説明する。
【0012】
(配膳システムの構成)
図1に示すように、ロボット100は、対象者90に対する料理103の提供が行われる配膳システム101に配置されている。配膳システム101では、ロボット100により調理装置102の操作が行われることによって、料理103の調理が行われる。調理装置102は、たとえば、電子レンジおよび飲料供給装置を含む。調理装置102は、人が使用する電子レンジおよび飲料供給装置などの装置と同じ構成を有している。ロボット100により調理された料理103は、ロボット100によって、対象者90に対して運搬される。ロボット100により調理の作業が行われる調理室101aと、料理103が運搬される対象者90が位置するホール101bとは、互いに異なる部屋である。ロボット100は、たとえば、人の活動空間においてユーザにサービスを提供するように動作するサービスロボットである。また、ロボット100は、人と直接対面してコミュニケーションを行うソーシャルロボットでもある。ロボット100は、制御室101cに配置された制御装置104と通信を行いながら、調理作業および運搬作業の動作を行う。なお、料理103は、運搬対象物の一例である。
【0013】
制御装置104は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、SSD(Solid State Drive)またはハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memory)、および、ROM(Read Only Memory)などの記憶装置、および、通信モジュールを有するパーソナルコンピュータである。また、制御装置104には、作業者95による入力操作を受けつけるマウスおよびキーボードなどの操作部と、演算装置により画像が表示される表示装置が接続されている。制御装置104は、作業者95による入力操作を受け付けるとともに、受け付けられた入力操作に基づいて、ロボット100に実行させる作業を指示する情報をロボット100に対して送信する。また、制御装置104は、ロボット100からの信号を受信するとともに、ロボット100から受信された情報に基づく表示を表示装置に表示する。
【0014】
(ロボットの構成)
図2に示すように、ロボット100は、ロボット本体部10と移動部20とを備えている。第1実施形態によるロボット100は、ロボット本体部10が移動部20と共に一体的に移動する合体状態と、ロボット本体部10とは離間した状態で移動部20が別個に移動する分離状態とを切り替えられて動作する。すなわち、第1実施形態によるロボット100は、移動部20がロボット本体部10と一体的に移動する合体状態と、移動部20がロボット本体部10とは別個に移動する分離状態とに、選択的に変更される。言い換えれば、ロボット100は、合体状態と分離状態との各々の状態で配置可能であって、合体状態と分離状態とのうちのいずれかの状態において配置される。たとえば、合体状態と分離状態との切り替えは、ロボット本体部10の移動部20に対する配置を変更する切り替え作業によって行われる。切り替え作業では、ロボット本体部10が移動部20に取り付けられている合体状態と、ロボット本体部10が、移動部20とは異なる位置に固定されている状態とを切り替える。なお、図1および図3は、ロボット本体部10と移動部20とが一体的に移動する合体状態の例を示しており、図4図5、および、図6は、ロボット本体部10と移動部20とが離間した状態である分離状態の例を示している。
【0015】
図2に示すように、ロボット本体部10は、頭部11と、胴体部12と、互いに異なるロボットアーム13およびロボットアーム14と、駆動部15と、取付部16とを含む。また、ロボット本体部10は、制御部17およびバッテリ18を含む。なお、ロボットアーム13およびロボットアーム14は、それぞれ、第1ロボットアームおよび第2ロボットアームの一例である。また、制御部17およびバッテリ18は、それぞれ、ロボット制御部および第1バッテリの一例である。移動部20は、基台部21、車輪部22、および、駆動部23を含む。また、移動部20は、制御部24およびバッテリ25を含む。制御部24およびバッテリ25は、それぞれ、移動制御部および第2バッテリの一例である。また、ロボット100は、撮像部31、撮像部32、撮像部33、撮像部34、および、撮像部35を備えている。なお、撮像部31は、本体撮像部の一例である。撮像部35は、移動撮像部の一例である。
【0016】
〈ロボット本体部〉
図3に示すように、頭部11は、胴体部12に取り付けられている。頭部11は、タッチパネル11aおよび撮像部31を有する。タッチパネル11aは、入力操作を受け付ける。タッチパネル11aは、制御部17から出力された信号に基づく画像を表示する。タッチパネル11aは、たとえば、対象者90、または、対象者90とは異なる作業者95からの入力操作を受け付ける。タッチパネル11aにより受け付けられた入力操作を示す信号は、制御部17に出力される。タッチパネル11aは、たとえば、ロボット200が行っている作業の状態を表す画像を表示する。また、タッチパネル11aは、人の顔面を模した画像を表示する。撮像部31は、画像を撮像する。撮像部31は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)または、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有する。撮像部31は、撮像された画像を制御部17に対して出力する。タッチパネル11aと撮像部31とは、一体的に配置されている。たとえば、頭部11において、タッチパネル11aおよび撮像部31を含むタブレットPCが配置されている。頭部11におけるタッチパネル11aおよび撮像部31を含むタブレットPCは、CPUなどの演算装置、SSDなどの記憶装置、および、通信モジュールを有しており、制御部17と無線通信を行う。また、頭部11には、バッテリ18から電力が供給される2次電池である頭部用バッテリが配置されている。たとえば、タッチパネル11aは、受け付けられた入力操作を示す信号を、頭部11が有する制御装置を介して出力する。撮像部31は、同様に、撮像された画像を頭部11が有する制御装置を介して出力する。なお、タッチパネル11aは、操作部の一例である。
【0017】
胴体部12は、頭部11、ロボットアーム13、および、ロボットアーム14が配置される筐体である。胴体部12の内部には、制御部17およびバッテリ18が配置されている。ロボットアーム13は、ロボット100の右腕であり、ロボットアーム14は、ロボット100の左腕である。ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々は、複数のリンクと、複数の関節部を有する垂直多関節アームである。ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々は、たとえば、6軸の垂直多関節アームである。ロボットアーム13およびロボットアーム14は、駆動部15の駆動によって動作する。駆動部15は、ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々において、6軸の各々に対応する動作を行うように複数のサーボモータを含む。駆動部15の動作は、制御部17によって制御される。また、ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々は、一端が胴体部12に取り付けられている。ロボットアーム13およびロボットアーム14は、それぞれ、ハンド13aおよびハンド14aが他端に配置されている。ハンド13aおよびハンド14aの各々は、開閉動作を行う複数の爪部を有し、運搬対象物である料理103が載置されたトレー、または、料理103の容器などを爪部によって把持するエンドエフェクタである。また、ハンド13aおよび13bは、調理装置102の操作を行うエンドエフェクタを兼ねる。ロボット100では、配置されるシステムにおいて実行される作業に応じて、所定の作業動作を実行するためのエンドエフェクタが選択されて、ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々に配置される。
【0018】
胴体部12は、撮像部32が配置されている。ロボットアーム13およびロボットアーム14には、それぞれ、撮像部33および撮像部34が配置されている。撮像部32、撮像部33、および、撮像部34の各々は、画像を撮像するとともに、撮像された画像を制御部17に出力する。撮像部32、撮像部33、および、撮像部34の各々は、たとえば、撮像部31と同様に、CCDまたはCMOSなどの撮像素子を有する。
【0019】
また、胴体部12には、取付部16が配置されている。取付部16は、ロボット本体部10と移動部20とが一体的に移動する合体状態の場合に、移動部20の基台部21に取り付けられる。具体的には、取付部16は、ねじなどの締結部材によって締結されることによって、基台部21の鉛直方向の上方側の面である上面に固定されている。取付部16が基台部21に取り付けられることによって、移動部20に対してロボット本体部10が取り付けられる。たとえば、取付部16は、胴体部12の底面側において、基台部21の上面に沿うように延びるフランジ状の形状を有する。取付部16および基台部21には、締結用の孔部が配置されており、作業者95により締結用の孔部に締結部材が締結されることによって、取付部16は基台部21に対して固定される。
【0020】
制御部17は、ロボット本体部10の各部の動作を制御する。たとえば、制御部17は、ハンド13aを含むロボットアーム13の動作、ハンド14aを含むロボットアーム14の動作、タッチパネル11aの表示、および、撮像部31、32、33、および、34による撮像などを制御する。制御部17は、CPUなどの演算装置と、SSDなどのフラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、RAM、および、ROMなどの記憶装置とを含む。また、制御部17は、通信モジュールを含む。制御部17は、記憶装置に記憶されたプログラム、および、パラメータを用いて、制御を行う。また、制御部17は、通信モジュールを用いて、USB通信、LAN(Local Area Network)またはインターネットなどによって、タッチパネル11a、撮像部31、32、33、および、34、移動部20の制御部24、および、制御装置104と通信を行う。
【0021】
バッテリ18は、ロボット本体部10に配置されている。バッテリ18は、たとえば、ロボット本体部10において、胴体部12の内部に配置された2次電池である。バッテリ18は、ロボット本体部10の動作の動力源となる。たとえば、バッテリ18は、頭部11の頭部用バッテリ、駆動部15、および、制御部17の各々を動作させるための駆動源となる電力を供給する。第1実施形態では、バッテリ18は、ロボットアーム13およびロボットアーム14の動力源となる。
【0022】
〈移動部〉
基台部21は、移動部20の筐体である。ロボット本体部10と一体的に移動する場合に、基台部21の上面において、ロボット本体部10が取り付けられる。基台部21は、底面側に車輪部22が配置されている。基台部21は、内部に駆動部23、制御部24、および、バッテリ25が配置される。また、移動部20は、料理103が載置される載置部21aを含む。基台部21の上面に、載置部21aが配置されている。ロボット100では、料理103の運搬作業が行われる場合には、載置部21aに料理103を載置した状態で移動部20による移動が行われる。
【0023】
車輪部22は、たとえば、4つのホイール部材として配置されている。4つのホイール部材は、移動部20の左右に2つずつ配置されている。車輪部22は、基台部21を支持するように、基台部21に取り付けられている。車輪部22は、駆動部23の駆動により回転する。駆動部23は、車輪部22の各々を回転させるサーボモータを含む。駆動部23は、制御部24による制御によって回転動作を行うことによって、車輪部22を回転させる駆動力を出力する。駆動部23の駆動により車輪部22が回転することによって、移動部20が移動する。車輪部22は、移動部20の移動方向を変更させる方向転換機構を含んでいる。
【0024】
また、移動部20には、撮像部35が配置されている。撮像部35は、基台部21の前面側に配置されている。撮像部35は、基台部21に配置されていることにより、移動部20と一体的に移動しながら、画像を撮像する。撮像部35は、たとえば、CCDおよびCMOSなどの撮像素子を含む。撮像部35は、撮像された画像を制御部24に対して出力する。
【0025】
制御部24は、移動部20の各部の動作を制御する。たとえば、制御部24は、移動部20の移動、および、撮像部35により撮像された画像の取得を制御する。制御部24は、ロボット本体部10に配置された制御部17とは別個に移動部20に配置されている。制御部24は、制御部17と同様に、CPUなどの演算装置と、記憶装置とを含む。制御部24は、記憶装置に記憶されたプログラム、および、パラメータを用いて、制御を行う。また、制御部24は、通信モジュールを含んでおり、ロボット本体部10の制御部17、および、制御装置104と通信を行う。
【0026】
バッテリ25は、ロボット本体部10に配置されたバッテリ18とは別個に、移動部20に配置されている。たとえば、バッテリ25は、基台部21の内部に配置された2次電池である。バッテリ25は、移動部20の移動の動力源となる。バッテリ25は、たとえば、駆動部23、および、制御部24の各々を動作させるための駆動源となる電力を供給する。第1実施形態では、バッテリ25は、移動部20において、車輪部22を回転させるための駆動源となる電力を、駆動部23に供給する。
【0027】
(合体状態における動作)
図1に示すように、配膳システム101において、合体状態のロボット100を配置する場合には、ロボット本体部10と移動部20とが一体的に移動する状態で、ロボット100による調理装置102の操作と、料理103の運搬とが行われる。たとえば、ロボット100の制御部17および制御部24は、制御装置104からの信号、または、対象者90および作業者95を含む人によるタッチパネル11aに対する入力操作に基づいて、調理作業と運搬作業の内容を取得する。調理作業の内容は、たとえば、調理装置102により調理する料理103の種類を示す情報を含む。運搬作業の内容は、料理103を運搬する対象者90の位置を示す情報を含む。ロボット100は、取得された調理作業の内容に基づいて、調理装置102を操作するように、制御部17の制御によりハンド13aを含むロボットアーム13とハンド14aを含むロボットアーム14とを動作させる。制御部17は、たとえば、予め設定された制御量と、撮像部31、32、33、および、34により撮像された画像の画像認識とに基づいて、ロボットアーム13および14を動作させることによって、調理装置102を操作する。そして、調理装置102による料理103の調理が完了した後に、ロボット100は、制御部24の制御により移動部20の載置部21aに料理103を載置した状態で、ロボット本体部10と移動部20とを一体的に移動させることによって、対象者90の位置まで料理103を運搬する。制御部24は、たとえば、予め設定された調理室101aおよびホール101bの地図情報と、運搬対象である対象者90の位置情報と、撮像部35により撮像された画像の画像認識とに基づいて、移動部20を移動させる。そして、ロボット100は、制御部17の制御によりロボットアーム13およびロボットアーム14を動作させることによって、対象者90の位置するテーブルなどに料理103を載置部21aから移動させる。
【0028】
ロボット本体部10の制御部17および移動部20の制御部24は、互いに通信を行いながら、調理作業と運搬作業とを実行する。また、制御部17および制御部24は、制御装置104に対して、ロボット100の動作状況を示す情報を送信する。制御部17および制御部24は、制御装置104からの信号に基づいて、ロボットアーム13およびロボットアーム14の動作、および、移動部20の移動の制御を行う。たとえば、ロボット100の動作において異常が生じた場合、または、予め設定されている動作とは異なる動作を実行する場合などにおいて、作業者95による制御装置104に対する入力操作に基づいて、制御装置104からロボット100に対して、ロボット100の動作を制御する操作信号が送信される。ロボット100のロボット本体部10の制御部17と、移動部20の制御部24との各々は、制御装置104から取得された操作信号に基づいて、ロボット本体部10および移動部20の各部の動作を制御する。すなわち、ロボット100は、自律動作と遠隔操作とを切り替えられながら動作する。
【0029】
(分離状態における動作)
また、図4に示すように、配膳システム101において、分離状態のロボット100を配置する場合には、ロボット本体部10と移動部20とが互いに離間した状態で、ロボット100による調理装置102の操作と、料理103の運搬とが行われる。すなわち、第1実施形態では、移動部20は、ロボット本体部10と一体的に移動することと、ロボット本体部10とは別個に移動することとを切り替えられて移動する。
【0030】
ロボット本体部10は、移動部20と一体的に移動する場合には、基台部21に取り付けられるが、移動部20が別個に移動する場合には、移動部20とは別個に固定される。ロボット本体部10は、移動部20とは別個に床面に配置された架台部40に取付部16が取り付けられることによって、移動部20とは別個に固定される。架台部40は、調理室101aの床面にねじなどの締結部材により締結されることによって固定されている。
【0031】
図5に示すように、移動部20がロボット本体部10とは別個に移動する場合において、移動部20は、ロボット本体部10とは別個の運搬対象物である料理103が載置部21aに載置された状態で移動する。ロボット本体部10は、移動部20が移動している最中に、ロボットアーム13およびロボットアーム14を動作させることにより、所定の作業動作を行う。すなわち、分離状態のロボット100では、移動部20によって、料理103の移動を伴う運搬作業の動作が行われている最中に、ロボット本体部10によりロボットアーム13および14を動作させる調理装置102を用いた調理作業の動作が行われる。
【0032】
ロボット本体部10に配置された制御部17と、ロボット本体部10とは別個に移動する移動部20に配置された制御部24との各々が、記憶装置に記憶されたプログラムおよびパラメータに基づいて制御処理を実行することによって、ロボット本体部10と移動部20とは、互いに離間した状態で独立して動作する。すなわち、ロボット本体部10に配置された制御部17によって、ロボットアーム13およびロボットアーム14の動作が制御されるとともに、ロボット本体部10とは別個に移動する移動部20に配置された制御部24によって、移動部20の移動が制御される。ロボット本体部10および移動部20が互いに別個に動作する場合にも、制御部17および制御部24は互いに信号の送受信を行う。たとえば、制御部17および制御部24は、ロボット本体部10と移動部20の位置関係、または、動作状況などを示す情報を互いに送受信する。また、制御部17および制御部24の各々は、移動部20がロボット本体部10とは別個に移動する場合においても、制御装置104と信号の送受信を行う。たとえば、移動部20がロボット本体部10とは別個に移動する場合においても、制御装置104からの操作信号が取得された場合には、ロボット本体部10および移動部20の各々の動作が遠隔操作によって制御される。
【0033】
なお、図6に示すように、ロボット100は、タッチパネル11aおよび撮像部31が配置された頭部11が胴体部12から取り外された状態においても、頭部11が胴体部12に取り付けられた状態と同様に動作する。すなわち、第1実施形態では、タッチパネル11aおよび撮像部31は、ロボット本体部10の胴体部12に取り付けられた状態と、ロボット本体部10の胴体部12から離間した状態とを切り替えられて配置される。たとえば、頭部11は、調理室101aの壁面に配置される。この場合には、撮像部31は、調理装置102による調理作業の動作を行っているロボット本体部10から離間した位置に配置される。撮像部31は、ロボット本体部10から離間した位置から、ロボット本体部10を撮像する。この場合にも、ロボット本体部10の制御部17は、撮像部31により撮像された画像と、撮像部32、33、および、34により撮像された画像とに基づいて、ロボットアーム13およびロボットアーム14の動作を制御する。
【0034】
[第1実施形態の効果]
第1実施形態では、上記のように、ロボット本体部10と一体的に移動することと、ロボット本体部10とは別個に移動することとを切り替えられて移動する移動部20を備える。これにより、ロボット本体部10が移動部20と一体的に移動する場合には、移動部20により移動しながら、複数の地点においてロボット本体部10に配置されたロボットアーム13およびロボットアーム14を用いた作業を行うことができる。また、移動部20がロボット本体部10と別個に移動する場合には、ロボットアーム13およびロボットアーム14が作業を行っている最中に移動部20が運搬などの移動を伴う作業を行うことができる。これらの結果、ロボットアーム13およびロボットアーム14を動作させる作業と、移動を伴う作業とを含む複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度を向上できる。
【0035】
移動部20は、ロボット本体部10とは別個の運搬対象物としての料理103を載置する載置部21aを含む。これにより、料理103を載置部21aに載置することによって、移動部20により料理103の運搬の作業を実行できる。そのため、ロボット本体部10とは別個に移動する移動部20によって、ロボット本体部10がロボットアーム13およびロボットアーム14を動作させる作業を行っている場合にも、移動を伴う料理103の運搬の作業を行うことができる。その結果、料理103の運搬を含む複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度を効果的に向上できる。
【0036】
ロボット100は、ロボット本体部10に配置され、ロボットアーム13およびロボットアーム14の動作を制御するロボット制御部としての制御部17を備える。また、ロボット100は、制御部17とは別個に移動部20に配置され、移動部20の移動を制御する移動制御部としての制御部24を備える。これにより、ロボット本体部10と移動部20とが互いに離間した状態において、制御部17によって、ロボット本体部10の動作を制御できるとともに、制御部24によって移動部20の動作を制御できる。そのため、ロボット本体部10と移動部20との各々が独立した状態で容易に動作できるので、複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度を容易に向上できる。
【0037】
移動部20は、ロボット本体部10と一体的に移動する場合にロボット本体部10が取り付けられる基台部21を含む。ロボット本体部10は、移動部20の基台部21に取り付けられる取付部16を含む。これにより、ロボット本体部10の取付部16を移動部20の基台部21に取り付けることによって、ロボット本体部10を移動部20に固定できるので、ロボット本体部10と移動部20とを一体的に容易に移動できる。
【0038】
ロボット本体部10は、移動部20が別個に移動する場合において、移動部20とは別個に床面に配置された架台部40に取付部16が取り付けられることによって、移動部20とは別個に固定される。これにより、ロボット本体部10と別個に移動部20が移動する場合に、ロボット本体部10の取付部16を架台部40に取り付けることによって、移動部20から離間した状態でロボット本体部10を固定できる。そのため、ロボット本体部10と別個に移動部20が移動する場合に、ロボット本体部10を安定して配置した状態でロボット100を動作できる。
【0039】
ロボット本体部10は、移動部20が別個に移動する場合において、ロボットアーム13およびロボットアーム14を動作させることにより、所定の作業動作を行う。これにより、移動部20がロボット本体部10から離間した状態で移動を伴う作業を行っている最中に、ロボット本体部10に配置されたロボットアーム13およびロボットアーム14を用いた所定の作業動作を行うことができるので、複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度を効果的に向上できる。
【0040】
ロボット100は、ロボット本体部10に取り付けられた状態と、ロボット本体部10から離間した状態とを切り替えられて配置され、画像を撮像する本体撮像部としての撮像部31を備える。これにより、撮像部31を、ロボット本体部10に取り付けられた状態と、ロボット本体部10から離間した状態とを切り替えて配置できるので、ロボット本体部10に取り付けられた状態において撮像された主観的な画像と、ロボット本体部10から離間した状態において撮像された客観的な画像とを切り替えて撮像できる。そのため、撮像された画像に基づいてロボットアーム13およびロボットアーム14の動作を制御する場合に、作業の形態または種類に合わせて撮像される画像の種類を容易に切り換えることができるので、適切な画像に基づいてロボットアーム13およびロボットアーム14の動作を容易に制御できる。
【0041】
ロボット100は、ロボット本体部10と移動部20との少なくとも一方であるロボット本体部10に配置され、入力操作を受け付ける操作部としてのタッチパネル11aを備える。これにより、ロボット本体部10と移動部20との少なくとも一方であるロボット本体部10において、タッチパネル11aに対する入力操作に基づいて、ロボット100により実行される作業の種類を設定する指示を容易に取得することができる。そのため、複数種類の作業の各々を容易に実行できる。
【0042】
ロボット100は、ロボット本体部10に配置され、ロボットアーム13およびロボットアーム14の動作の動力源となる第1バッテリとしてのバッテリ18を備える。また、ロボット100は、バッテリ18とは別個に移動部20に配置され、移動部20の移動の動力源となる第2バッテリとしてのバッテリ25を備える。これにより、ロボット本体部10と移動部20とが一体的に移動する場合と、ロボット本体部10と移動部20とが互いに離間した状態で移動する場合との各々において、所定の電源装置または系統電源などの外部の電源を介して駆動力となる電力が供給される場合に比べて、ロボット本体部10にバッテリ18が配置されており、かつ、移動部20にバッテリ25が配置されているため、ロボット本体部10と移動部20との各々の配置の自由度を向上できるとともに、ロボット本体部10および移動部20を容易に独立して動作させ、かつ、移動部20の移動の自由度をより向上できる。その結果、複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度をより向上できる。
【0043】
[第2実施形態]
図7および図8を参照して、第2実施形態によるロボット200について説明する。第2実施形態では、ロボット200においてロボットアーム13およびロボットアーム14の各々が離間した状態で互いに独立して動作する。
【0044】
図7に示すように、第2実施形態によるロボット200は、ロボット本体部210と、移動部220とを備えている。ロボット200は、たとえば、第1実施形態のロボット100と同様に配膳システム101に配置される。ロボット200は、たとえば、配膳システム101において、調理装置102である飲料供給装置により飲料203を容器に注ぐ調理作業を行うとともに、載置部221aに載置された飲料203を運搬する運搬作業を行う。載置部221aは、移動部220の基台部21の上方に取り付けられたテーブル状の部材である。ロボット200は、第1実施形態のロボット100と同様に、ロボット本体部210と移動部220とが一体的に移動する合体状態と、ロボット本体部210とは別個に移動部220が移動する分離状態とを切り替えられて動作する。なお、飲料203は、運搬対象物の一例である。
【0045】
ロボット本体部210は、胴体部212と、取付部216とを含む。胴体部212は、中央部212a、第1アーム配置部212b、および、第2アーム配置部212cを有する。中央部212aには、頭部11が取り付けられている。第1アーム配置部212bには、ロボットアーム13が配置されている。第2アーム配置部212cには、ロボットアーム14が配置されている。中央部212a、第1アーム配置部212b、および、第2アーム配置部212cの各々は、ロボット本体部210の筐体である。第2実施形態では、ロボットアーム13が取り付けられた第1アーム配置部212bと、ロボットアーム14が取り付けられた第2アーム配置部212cとは、互いに別個に配置されている。
【0046】
胴体部212には、取付部216が配置されている。取付部216は、部分216a、部分216b、および、部分216cを有する。部分216a、部分216b、および、部分216cは、それぞれ、中央部212a、第1アーム配置部212b、および、第2アーム配置部212cに配置されている。取付部216の部分216a、部分216b、および、部分216cの各々は、第1実施形態の取付部16と同様に、ロボット本体部210と移動部220とが一体的に移動する合体状態の場合に、ねじなどの締結部材によって締結されることによって、移動部220の基台部21に取り付けられる。取付部216の部分216a、部分216b、および、部分216cの各々は、互いに別個に基台部21に取り付けられる。すなわち、部分216a、部分216b、および、部分216cの各々は、互いに独立して基台部21から取り外すことができる。
【0047】
また、ロボット本体部210は、制御部217aおよび制御部217bと、バッテリ218aおよびバッテリ218bとが内部に配置されている。制御部217aおよび制御部217bの各々のハードウェア的な構成は、第1実施形態の制御部17と同様である。バッテリ218aおよびバッテリ218bの各々のハードウェア的な構成は、第1実施形態のバッテリ18と同様である。制御部217aおよびバッテリ218aは、胴体部212の第1アーム配置部212bに配置されている。制御部217aは、ロボットアーム13の動作を制御する。バッテリ218aは、ロボットアーム13および制御部217aに電力を供給することによって、ロボットアーム13および制御部217aの動作の動力源となる。制御部217bおよびバッテリ218bは、胴体部212の第2アーム配置部212cに配置されている。制御部217bは、ロボットアーム14の動作を制御する。バッテリ218bは、ロボットアーム14および制御部217bに電力を供給することによって、ロボットアーム14および制御部217bの動作の動力源となる。なお、制御部217aおよび制御部217bは、ロボット制御部の一例である。バッテリ218aおよびバッテリ218bは、第1バッテリの一例である。
【0048】
第2実施形態では、ロボットアーム13が制御部217aおよびバッテリ218aによって駆動するとともに、ロボットアーム14が制御部217bおよびバッテリ218bによって駆動することによって、ロボットアーム13およびロボットアーム14は、互いに離間した状態で独立して動作する。すなわち、制御部217aおよび制御部217bは、互いに独立して、それぞれ、ロボットアーム13およびロボットアーム14の動作の制御を行う。また、制御部217aおよび制御部217bは、互いに通信を行う。そして、制御部217aおよび制御部217bの各々は、タッチパネル11a、撮像部31、32、33、および、34、移動部220の制御部24、および、制御装置104と通信を行う。たとえば、撮像部33は、胴体部212の中央部212aに配置されている。撮像部33は、無線通信により制御部217aおよび制御部217bに撮像された画像を送信する。
【0049】
第2実施形態では、移動部220は、ロボットアーム13およびロボットアーム14と一体的に移動することと、ロボットアーム13およびロボットアーム14の少なくとも一方とは別個に移動することとを、切り替えられて移動する。第1実施形態と同様に、合体状態のロボット200を配膳システム101に配置する場合には、移動部220は、ロボットアーム13およびロボットアーム14の両方と一体的に移動する。すなわち、移動部220の基台部21に、ロボット本体部210の中央部212a、第1アーム配置部212b、および、第2アーム配置部212cの全てが取り付けられた状態で、ロボット200は動作する。また、第1実施形態と同様に、配膳システム101において、分離状態のロボット200を配置する場合には、ロボット本体部210の全体と移動部220とが互いに離間した状態で、ロボット本体部210および移動部220が別個に作業するようにロボット200が動作する。その場合には、取付部216の部分216a、部分216b、および、部分216cが調理室101aの床面に配置された架台部40に取り付けられることによって、ロボット本体部210の全体が移動部220とは別個に固定された状態で作業を行う。言い換えれば、ロボット本体部210の全体とは別個に移動部220が移動する場合には、移動部220は、ロボットアーム13およびロボットアーム14の両方と別個に移動する。
【0050】
図8に示すように、第2実施形態では、ロボット200は、移動部220がロボットアーム13およびロボットアーム14の一方のみと別個に移動するとともに、他方と一体的に移動するアーム分離状態で配置することもできる。たとえば、移動部220は、ロボット本体部210のうち、頭部11、胴体部212の中央部212a、および、ロボットアーム13が配置されている第1アーム配置部212bが、移動部220と一体的に移動する。そして、ロボット本体部210のうち、胴体部212のロボットアーム14が配置されている第2アーム配置部212cのみが、移動部220とは離間した状態で配置される。たとえば、第2アーム配置部212cは、飲料203を配膳される対象者90が位置するホール101bの入り口に配置されている。具体的には、ホール101bの入り口の床面に固定されている架台部240に取付部216の部分216cがねじなどの締結部材により取り付けられることによって、第2アーム配置部212cが移動部220と、中央部212aおよび第1アーム配置部212bを含むロボット本体部210とは別個に固定される。ロボット200は、ホール101bの入り口において、ロボットアーム14を独立して動作させることによって、ホール101bの入り口のドア201dの開閉の動作を行う。
【0051】
ロボットアーム14の制御を行う第2アーム配置部212cの制御部217bは、たとえば、第1アーム配置部212bの制御部217a、移動部220の制御部24、および、制御装置104と通信を行うことによって、移動部220がドア201dに接近してきたことを認識する。また、制御部217bは、ロボットアーム14に配置された撮像部34により撮像された画像に基づいて、ドア201dに対象者90を含む人物が接近してきたことを認識する。制御部217bは、移動部220の接近、または、人物の接近が認識された場合に、ハンド14aによりドア201dの取手を把持するとともに、ドア201dを開くようにロボットアーム14を動作させる。
【0052】
ロボット200は、制御部24の制御により、載置部221aに飲料203を載置した状態で、ホール101bの対象者90の位置まで、移動部220をロボットアーム13と一体的に移動させる。そして、ロボット200は、ロボットアーム13が取り付けられた第1アーム配置部212bの制御部217aの制御により、ハンド13aを含むロボットアーム13を動作させることによって、対象者90の位置するテーブルなどに飲料203を載置部221aから移動させる。第2実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0053】
[第2実施形態の効果]
第2実施形態では、上記のように、ロボット200は、互いに異なる第1ロボットアームとしてのロボットアーム13と第2ロボットアームとしてのロボットアーム14とを有する。ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々は、互いに離間した状態で独立して動作する。これにより、ロボット本体部210にロボットアーム13とロボットアーム14との2つのロボットアームが配置されているため、2つのロボットアーム13および14を有するロボット本体部210によって、より複雑な作業を行うことができる。そのため、2つのロボットアーム13および14を有するロボット本体部210が移動部220と一体的に移動することと離間した状態で配置されることとを切り替えられることによって、より複雑な複数種類の作業を実行する場合にも、動作の自由度を効果的に向上できる。また、ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々は、互いに離間した状態で独立して動作するため、2つのロボットアーム13および14の各々によって、互いに異なる地点における作業を実行できる。そのため、複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度をより向上できる。
【0054】
移動部220は、第1ロボットアームとしてのロボットアーム13と第2ロボットアームとしてのロボットアーム14と一体的に移動することと、ロボットアーム13およびロボットアーム14の少なくとも一方とは別個に移動することとを、切り替えられて移動する。移動部220がロボットアーム13およびロボットアーム14の少なくとも一方とは別個に移動している場合において、ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々は、互いに独立して動作する。これにより、2つのロボットアーム13および14とは別個に移動部220を移動させる場合には、2つのロボットアーム13および14を移動部220から離間した状態で互いに異なる地点において動作させることができるとともに、移動部220により移動を伴う作業を行うことができる。また、2つのロボットアーム13および14の一方とは別個に移動部220を移動させる場合には、一方のロボットアーム14を移動部220とは離間した状態で配置することによって、1つの地点においてロボットアーム14を動作させる作業を行うとともに、他方のロボットアーム13を移動部220と共に移動させながら動作させる作業を行うことができる。その結果、複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度をより一層向上できる。第2実施形態におけるその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0055】
[第3実施形態]
次に、図9を参照して、第3実施形態によるロボット300の構成について説明する。第3実施形態では、ロボット300は、移動部20によって見回り作業の動作を実行する。
【0056】
図9に示すように、第3実施形態によるロボット300は、見回りシステム301に配置されている。見回りシステム301では、たとえば、医療機関または介護施設などにおいて、複数の寝室301bに位置する対象者390の見回りが行われる。第3実施形態によるロボット300は、ロボット本体部10および移動部20を備えている。ロボット本体部10および移動部20の構成は、第1実施形態と同様である。ロボット300は、見回りシステム301において、制御室301cに配置された制御装置104と通信を行いながら、見回り作業の動作を行う。
【0057】
見回りシステム301において、たとえば、ロボット300は、移動部20がロボット本体部10とは別個に移動する分離状態で配置される。ロボット本体部10は、作業室301aに配置されている。具体的には、第1実施形態と同様に、作業室301aの床面に固定された架台部40に取付部16が固定されることによって、ロボット本体部10は、移動部20とは別個に固定されている。ロボット本体部10は、たとえば、作業室301aにおいて、備品の準備および整理などの管理作業、または、検体の処理作業などの軽作業を、ロボットアーム13およびロボットアーム14を動作させることにより実行する。
【0058】
第3実施形態では、移動部20は、制御装置104と通信を行いながら、複数の寝室301bの各々を見回る作業を行うように移動する。移動部20の制御部24は、移動部20に配置された撮像部35により撮像された画像を、制御装置104に送信する。制御装置104において、撮像部35により撮像された画像が、表示装置に表示される。作業者95は、制御装置104の表示装置に表示された画像を監視することによって、移動部20の移動によって、複数の寝室301bの内部の様子を順次確認する。移動部20は、予め設定されている複数の寝室301bの位置情報に基づいて、複数の寝室301bの各々を定期的に巡回するように移動する。なお、第1実施形態と同様に、制御装置104から移動部20の制御部24に対して操作信号が送信された場合には、制御部24は、操作信号に基づいて移動部20の移動を制御する。第3実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0059】
[第3実施形態の効果]
第3実施形態では、上記のように、ロボット300は、移動部20に配置され、移動部20と一体的に移動する移動撮像部としての撮像部35を備える。これにより、移動部20による移動に伴って、撮像部35により複数の地点を撮像できる。そのため、複数の地点の点検、見回り、または、検査などの撮像部35を用いた移動を伴う作業を実行できる。その結果、複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度をより一層向上できる。第3実施形態におけるその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0060】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0061】
たとえば、上記第1、第2および第3実施形態では、ロボット本体部10および210に本体制御部としての制御部17、217a、および217bが配置され、移動部20および220に移動制御部としての制御部24が配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボット本体部に本体制御部を配置しないようにしてもよい。ロボット本体部が移動部と一体的に移動する場合には、移動部に配置された移動制御部による制御処理によって、ロボットアームを含むロボット本体部の各部の動作が行われるようにしてもよい。また、移動部をロボット本体部と別個に移動させる場合には、ロボット本体部が配置される架台部に制御用の信号を入力するための接続部を配置することによって、架台部を介して入力される信号に基づいて、ロボット本体部の動作が制御されてもよい。また、架台部以外の部分において制御用の信号が入力されるケーブルを接続するようにしてもよい。その場合には、ロボットとは別個に配置された制御装置による制御処理によって、ロボットアームを含むロボット本体部の各部の動作が行われるようにしてもよい。また、上記第2実施形態のように移動部が第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々とは別個に移動する場合に、第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々が固定される架台部などに第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々の動作を制御する制御部が配置されていてもよい。
【0062】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、ロボット本体部10および210に第1バッテリとしてのバッテリ18、218a、および、218bが配置され、移動部20に第2バッテリとしてのバッテリ25が配置される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボット本体部に第1バッテリを配置しないようにしてもよい。ロボット本体部が移動部と一体的に移動する場合には、移動部に配置された第2バッテリを駆動源として、第2バッテリからロボット本体部の各部を動作させるための電力が供給されてもよい。また、移動部をロボット本体部と別個に移動させる場合には、ロボット本体部が配置される架台部に電力を供給する接続部を配置することによって、架台部を介して電力が供給されるようにしてもよいし、ロボット本体部に電源ケーブルを接続することにより壁面などに配置された電源コンセントから電力が供給されるようにしてもよい。また、上記第2実施形態のように移動部が第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々とは別個に移動する場合に、第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々が固定される架台部などに第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々に電力を供給するバッテリまたは電源が配置されていてもよい。
【0063】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、ロボット本体部10および210の取付部16および216が移動部20および220の基台部21にねじなどの締結部材によって固定される例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、締結部材ではなく、係合部などによって係合することによって、移動部にロボット本体部が取り付けられるようにしてもよい。移動部に対してロボット本体部を固定せず、移動部にロボット本体部を載置することによって、ロボット本体部と移動部とが一体的に移動するようにしてもよい。また、ロボット本体部および移動部の少なくとも一方の動作によって、ロボット本体部の移動部に対する固定が解除されるようにしてもよい。すなわち、ロボット自身の動作によって、移動部がロボット本体部と一体的に移動することと、ロボット本体部とは別個に移動することとを切り替えられるようにしてもよい。たとえば、ロボット本体部のロボットアームを動作させることによって、ロボット本体部が移動部から離間した位置に配置されることと、ロボット本体部が移動部と一体的に配置されることとを切り替えられるようにしてもよい。たとえば、ロボットアームに締結動作を行うエンドエフェクタを取り付けるとともに、ロボットアームを動作させることによって、取付部の基台部に対する締結および締結の解除の動作と、取付部の架台部に対する締結および締結の解除の動作とを行うようにしてもよい。また、ロボットアームとは別個のアクチュエータをロボット本体部と移動部とのいずれかに配置することによって、移動部がロボット本体部に対して一体的に移動することと、別個に移動することとを切り替えられるようにしてもよい。
【0064】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、移動部20および220をロボット本体部10および210と別個に移動させる場合に、床面に配置された架台部40および240に対してロボット本体部10および210を取り付ける例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、移動部をロボット本体部と別個に移動させる場合に、ロボット本体部を直接的に床面に固定するようにしてもよい。また、ロボット本体部を固定せずに床面に載置するようにしてもよい。また、移動部をロボット本体部と別個に移動させる場合に、壁面、または、天井などの床面以外の場所にロボット本体部を配置するようにしてもよい。
【0065】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、移動部20および220がロボット本体部10および210とは別個に移動する場合において、移動部20および220が移動を行っている最中にロボット本体部10および210が所定の作業動作を行う例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、移動部が移動を行っている最中には、ロボット本体部の動作を停止させるようにしてもよい。その場合にも、移動部をロボット本体部と別個に移動させることによって、たとえば、移動を伴う運搬の作業を行う場合には、ロボット本体部の替わりに移動部に載置する載置対象物の量を増加させることができるため、複数種類の作業を実行する場合における動作の自由度を向上できる。
【0066】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、頭部11を胴体部12から取り外すことによって、本体撮像部としての撮像部31を、ロボット本体部10および210に取り付けられた状態と、ロボット本体部10から離間した状態とを切り替えられて配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、本体撮像部をロボット本体部から離間できないようにしていてもよい。また、ロボット本体部に画像を撮像する撮像部を配置しないようにしてもよい。ロボット本体部に、画像を撮像する撮像部以外のセンサを配置するようにしてもよい。たとえば、光電センサ、静電容量センサ、または、超音波センサなどのセンサをロボット本体部に配置するようにしてもよい。また、ロボット本体部に撮像部を配置する場合には、ロボット本体部の頭部の前面および背面、胴体部の前面および背面、または、ロボットアームの各部など、ロボット本体部のいずれの位置に1つまたは複数の撮像部を配置するようにしてもよい。そして、ロボット本体部に配置された1つまたは複数の撮像部により撮像された画像に基づいて、ロボットアームを含むロボット本体部、および、移動部の動作が制御されてもよい。また、ロボット本体部から離間した位置から、ロボット本体部を撮像する例を示したが、ロボット本体部から離間した位置に配置された画像を撮像する撮像部によって、移動部の移動における経路を撮像してもよい。たとえば、天井などの上方に撮像部を配置することによって、移動部の移動経路を俯瞰した画像を取得できるため、画像に基づく移動部の動作の精度を向上できる。
【0067】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、移動部20および220に移動撮像部としての撮像部35を配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、移動部に移動撮像部を配置しないようにしてもよい。移動部に、画像を撮像する撮像部以外のセンサを配置するようにしてもよい。たとえば、光電センサ、静電容量センサ、または、超音波センサなどのセンサを移動部に配置するようにしてもよい。また、移動部に撮像部を配置する場合に、移動部の側面、または、背面に、撮像部を配置してもよい。その場合には、移動部の前面、側面、および、背面のうちの複数の箇所に撮像部を配置するようにしてもよい。
【0068】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、入力操作を受け付ける操作部としてのタッチパネル11aを頭部11に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、入力操作を受け付ける操作部が移動部に配置されていてもよい。また、ロボットに操作部を配置しなくともよい。ロボットとは別個に配置された制御装置に対する入力操作によって、ロボットの動作を制御するための操作が受け付けられるようにしてもよい。操作部として、レバー、ダイヤル、ジョイスティック、フットスイッチ、または、押しボタンスイッチを配置するようにしてもよい。また、入力操作ではなく、音声による指示を受け付けるためのマイクをロボットに配置するようにしてもよい。また、タッチパネルではなく、操作部とは別個に情報を表示する表示装置を配置するようにしてもよい。また、胴体部、または、ロボットアームに操作部、表示部、または、タッチパネルを配置するようにしてもよい。また、移動部に表示部またはタッチパネルを配置するようにしてもよい。
【0069】
上記第2実施形態では、第1ロボットアームとしてのロボットアーム13が配置された第1アーム配置部212bが移動部220と一体的に移動し、第2ロボットアームとしてのロボットアーム14が配置された第2アーム配置部212cが移動部220とは別個に固定されることによって、ロボットアーム13およびロボットアーム14の各々が互いに離間した状態で独立して動作する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、第1ロボットアームが移動部から離間するとともに、第2ロボットアームが移動部と一体的に移動するようにしてもよい。また、第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々が、互いに別個の地点に配置されることによって、移動部から離間した状態で固定されるようにしてもよい。
【0070】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、移動部20および220が、ホイール部材としての車輪部22を含む例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ホイール部材としての車輪部ではなく、クローラなどの移動機構を含んでいてもよい。また、移動部が、メカナムホイールやオムニホイール等の全方向に移動可能な駆動機構を含んでいてもよい。
【0071】
上記第1、第2、および、第3実施形態では、6軸の垂直多関節アームである第1ロボットアームとしてのロボットアーム13と第2ロボットアームとしてのロボットアーム14とが配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボットにおいて、1つのロボットアームが配置されていてもよいし、3つ以上のロボットアームが配置されていてもよい。また、第1ロボットアームと第2ロボットアームとを含むロボットアームの各々を、5軸以下、または、7軸以上の垂直多関節アームとしてもよい。また、垂直多関節ではなく、水平多関節のロボットアームが配置されるようにしてもよい。また、ロボットアームに配置されるエンドエフェクタは、物を把持するハンドに限らず、加工などの工作、または、装置の操作を行うエンドエフェクタであってもよい。
【0072】
上記第1および第2実施形態では、移動部20および220の基台部21に配置された載置部21aおよび221aに運搬対象物としての料理103および飲料203を載置した状態で移動部20および220を移動させることによって料理103および飲料203を運搬する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、移動部により運搬対象物として荷物を運搬する配送動作を行うようにしてもよい。また、移動部とは別個に配置された台車などの移動載置部に運搬対象物を載置するとともに、移動部により移動載置部を移動させることによって運搬対象物を運搬するようにしてもよい。また、移動部とロボット本体部が一体的に移動する場合に、移動部の上面にロボット本体部を取り付ける場合には、移動部をロボット本体部とは別個に移動させる場合に、ロボット本体部が取り外された分、基台部の上方における載置部の大きさを拡大するようにしてもよい。また、移動部をロボット本体部と別個に移動させる場合に、棚状の部材を移動部に配置するようにしてもよい。
【0073】
上記第1および第2実施形態では、ロボット100およびロボット200を、料理103の調理、運搬、および、配膳を行う配膳システム101に配置し、上記第3実施形態では、ロボット300を、見回りを行う見回りシステム301に配置する例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボットを、介護、医療、清掃、警備、案内、救助、調理、商品提供、および、物流等の様々なサービスを行うシステムに配置するようにしてもよい。たとえば、移動部により移動を行いながら移動部に配置された撮像部である移動撮像部によって画像を撮像することによって、設備または施設などの点検作業を行うようにしてもよい。
【0074】
上記第2実施形態では、胴体部212の中央部212a、第1アーム配置部212b、および、第2アーム配置部212cに、それぞれ、取付部216の部分216a、部分216b、および、部分216cが配置されている例を示したが、本開示はこれに限られない。本開示では、ロボット本体部の胴体部における肩部分において、第1ロボットアームおよび第2ロボットアームが取り付けられていてもよい。すなわち、第1ロボットアームおよび第2ロボットアームの各々が移動部と一体的に移動する場合には、移動部にロボット本体部の胴体部を取り付けるとともに、移動部に取り付けられたロボット本体部の胴体部に対して第1ロボットアームと第2ロボットアームとの各々を取り付けるようにしてもよい。その場合に、ロボット本体部の胴体部が移動部に取り付けられた状態で、第1ロボットアームおよび第2ロボットアームの各々を胴体部から離間した状態で配置することによって、移動部が第1ロボットアームおよび第2ロボットアームの各々と別個に移動するようにしてもよい。
【0075】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0076】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0077】
(項目1)
ロボットアームを含むロボット本体部と、
前記ロボット本体部と一体的に移動することと、前記ロボット本体部とは別個に移動することとを切り替えられて移動する移動部と、を備える、ロボット。
【0078】
(項目2)
前記移動部は、前記ロボット本体部とは別個の運搬対象物を載置する載置部を含む、項目1に記載のロボット。
【0079】
(項目3)
前記ロボット本体部に配置され、前記ロボットアームの動作を制御するロボット制御部と、
前記ロボット制御部とは別個に前記移動部に配置され、前記移動部の移動を制御する移動制御部と、をさらに備える、項目1または2に記載のロボット。
【0080】
(項目4)
前記移動部は、前記ロボット本体部と一体的に移動する場合に前記ロボット本体部が取り付けられる基台部を含み、
前記ロボット本体部は、前記移動部の前記基台部に取り付けられる取付部を含む、項目1~3のいずれか1項に記載のロボット。
【0081】
(項目5)
前記ロボット本体部は、前記移動部が別個に移動する場合において、前記移動部とは別個に床面に配置された架台部に前記取付部が取り付けられることによって、前記移動部とは別個に固定される、項目4に記載のロボット。
【0082】
(項目6)
前記ロボット本体部は、前記移動部が別個に移動する場合において、前記ロボットアームを動作させることにより、所定の作業動作を行う、項目1~5のいずれか1項に記載のロボット。
【0083】
(項目7)
前記ロボットアームは、互いに異なる第1ロボットアームと第2ロボットアームとを有し、
前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの各々は、互いに離間した状態で独立して動作する、項目1~6のいずれか1項に記載のロボット。
【0084】
(項目8)
前記移動部は、前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームと一体的に移動することと、前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの少なくとも一方とは別個に移動することとを、切り替えられて移動し、
前記移動部が前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの少なくとも一方とは別個に移動している場合において、前記第1ロボットアームおよび前記第2ロボットアームの各々は、互いに独立して動作する、項目7に記載のロボット。
【0085】
(項目9)
前記ロボット本体部に取り付けられた状態と、前記ロボット本体部から離間した状態とを切り替えられて配置され、画像を撮像する本体撮像部をさらに備える、項目1~8のいずれか1項に記載のロボット。
【0086】
(項目10)
前記移動部に配置され、前記移動部と一体的に移動する移動撮像部をさらに備える、項目1~9のいずれか1項に記載のロボット。
【0087】
(項目11)
前記ロボット本体部と前記移動部との少なくとも一方に配置され、入力操作を受け付ける操作部をさらに備える、項目1~10のいずれか1項に記載のロボット。
【0088】
(項目12)
前記ロボット本体部に配置され、前記ロボットアームの動作の動力源となる第1バッテリと、
前記第1バッテリとは別個に前記移動部に配置され、前記移動部の移動の動力源となる第2バッテリと、をさらに備える、項目1~11のいずれか1項に記載のロボット。
【符号の説明】
【0089】
10、210 ロボット本体部
11a タッチパネル(操作部)
13 ロボットアーム(第1ロボットアーム)
14 ロボットアーム(第2ロボットアーム)
16、216 取付部
17、217a、217b 制御部(ロボット制御部)
18、218a、218b バッテリ(第1バッテリ)
20、220 移動部
21 基台部
21a、221a 載置部
24 制御部(移動制御部)
25 バッテリ(第2バッテリ)
31 撮像部(本体撮像部)
35 撮像部(移動撮像部)
40、240 架台部
100、200、300 ロボット
103 料理(運搬対象物)
203 飲料(運搬対象物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9