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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171845
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】作業機械及び作業支援システム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E02F9/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089097
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】安達 大稀
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015HA03
2D015HB04
2D015HB05
(57)【要約】
【課題】作業機械による作業の効率化を支援できる作業支援システムを提供すること。
【解決手段】作業支援システムSYSは、入力装置42と、空間認識装置80と、入力装置42を通じて入力された、作業現場における、ショベル100による掘削作業、法面整形作業、及び排土作業のそれぞれの対象となる範囲の大きさと、空間認識装置80が認識したそれらの範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示する表示装置40とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置と、
空間認識装置と、
前記入力装置を通じて入力された、作業現場における、作業機械による所定の作業の対象となる範囲の大きさと、前記空間認識装置が認識した前記範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示する表示装置と、を有する、
作業支援システム。
【請求項2】
前記入力装置を通じ、前記作業機械による所定の作業の完了時における前記範囲の状態を示す値である目標値が入力され、
前記空間認識装置は、現在の前記範囲の状態を示す値である現在値を取得し、
前記表示装置は、前記目標値に対する前記現在値の割合である進捗率で表現可能な所定の作業の進捗を視覚的に認識できるように表示する、
請求項1に記載の作業支援システム。
【請求項3】
前記作業機械による所定の作業は、第1作業及び第2作業を含み、
前記表示装置は、前記入力装置を通じて入力された、作業現場における前記第1作業の対象となる第1範囲の大きさと、作業現場における前記第2作業の対象となる第2範囲の大きさと、前記空間認識装置が認識した前記第1範囲の状態と、前記空間認識装置が認識した前記第2範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示する、
請求項1に記載の作業支援システム。
【請求項4】
前記入力装置を通じ、前記第1作業の完了時における前記第1範囲の状態を示す値である第1目標値と、前記第2作業の完了時における前記第2範囲の状態を示す値である第2目標値と、が入力され、
前記空間認識装置は、現在の前記第1範囲の状態を示す値である第1現在値と、現在の前記第2範囲の状態を示す値である第2現在値と、を取得し、
前記表示装置は、前記第1目標値に対する前記第1現在値の割合である第1進捗率で表現可能な前記第1作業の進捗と、前記第2目標値に対する前記第2現在値の割合である第2進捗率で表現可能な前記第2作業の進捗と、を視覚的に認識できるように表示する、
請求項3に記載の作業支援システム。
【請求項5】
前記入力装置を通じ、複数の所定の作業の優先順位が入力され、
前記表示装置は、前記優先順位を視覚的に認識できるように表示する、
請求項1に記載の作業支援システム。
【請求項6】
前記作業機械を制御する制御装置を有し、
前記制御装置は、複数の所定の作業のうちの前記優先順位が最も高い作業が行われるように前記作業機械を移動させる、
請求項5に記載の作業支援システム。
【請求項7】
入力装置と、
空間認識装置と、
前記入力装置を通じて入力された、作業現場における、作業機械による所定の作業の対象となる範囲の大きさと、前記空間認識装置が認識した前記範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示する表示装置と、を備える、
作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械及び作業支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地面の目標形状と地面の実際の形状とに基づき、盛土作業及び埋め戻し作業を自動で行うことが可能なショベルが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/162428号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、作業の効率化を支援する機能については言及していない。そこで、作業機械による作業の効率化を支援できる機能を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る作業機械の作業支援システムは、入力装置と、空間認識装置と、前記入力装置を通じて入力された、作業現場における、作業機械による所定の作業の対象となる範囲の大きさと、前記空間認識装置が認識した前記範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示する表示装置と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
上述の作業支援システムは、作業機械による作業の効率化を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態に係る作業機械の構成例を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係る作業支援システムの構成例を示す概略図である。
図3A】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3B】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3C】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3D】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3E】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3F】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3G】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3H】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図3I】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図4A】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
図4B】表示装置に表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0009】
図1は、本開示の実施形態に係る作業機械の一例であるショベル100の側面図である。図2は、ショベル100の作業の効率化を支援できる作業支援システムSYSの構成例を示す概略図である。なお、作業機械は、アスファルトフィニッシャ、ジブクレーン若しくは門型クレーン等のクレーン、フォークリフト、又はロードローラ等であってもよい。
【0010】
ショベル100は、図1に示すように、下部走行体1、旋回機構2、及び上部旋回体3を有する。下部走行体1には、旋回機構2を介して旋回可能に上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端には、アーム5が取り付けられている。アーム5の先端には、バケット6が取り付けられている。
【0011】
ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例としての掘削アタッチメントを構成している。ブーム4は、ブームシリンダ7によって駆動され、アーム5は、アームシリンダ8によって駆動され、バケット6は、バケットシリンダ9によって駆動される。
【0012】
上部旋回体3にはエンジン11が搭載されている。また、上部旋回体3には、運転室としてのキャビン10が設けられている。図示例では、キャビン10の屋根には、空間認識装置80、通信装置T1、及び測位装置T2が取り付けられている。
【0013】
空間認識装置80は、ショベル100の周囲の空間を認識できるように構成されている。本実施形態では、空間認識装置80は、例えば、LIDAR又はミリ波レーダ等である。空間認識装置80は、単眼カメラ又はステレオカメラ等の撮像装置であってもよい。図示例では、空間認識装置80は、LIDARであり、TOF(Time of Flight)法を利用し、空間認識装置80から測定対象(典型的には地面上の多数の点)までの距離に関するデータの集合である地形データを取得する。地形データは、作業対象領域における地面上の各点の三次元座標を含む。各点の三次元座標は、基準座標系としての世界測地系における座標である。なお、空間認識装置80は、ショベル100の外部に設置されていてもよい。具体的には、空間認識装置80は、マルチコプタ等の飛行体に取り付けられていてもよく、工事現場に設けられた鉄塔等に取り付けられていてもよい。
【0014】
通信装置T1は、ショベル100の外部に存在する機器との間の通信を制御できるように構成されている。本実施形態では、通信装置T1は、携帯電話通信網、衛星通信網、又は近距離無線通信網等を介してショベル100の外部に存在する機器に接続される。
【0015】
測位装置T2は、ショベル100の位置(緯度、経度、及び高度)を検出できるように構成されている。図示例では、測位装置T2は、GNSS受信機であり、世界測地系におけるショベル100の座標を決定できる。
【0016】
また、キャビン10内には、図2に示すように、コントローラ30、表示装置40、入力装置42、及び音出力装置43等が設けられている。
【0017】
コントローラ30は、処理回路の一例であり、ショベル100を制御するための制御装置として機能する。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、RAM、NVRAM、及びROM等を備えたコンピュータで構成されている。そして、コントローラ30は、各機能に対応するプログラムをROMから読み出してRAMにロードし、対応する処理をCPUに実行させる。
【0018】
表示装置40は、各種情報を表示するように構成されている。図示例では、表示装置40は、タッチパネル42Aが取り付けられた液晶ディスプレイであり、専用線を介してコントローラ30に接続されている。具体的には、表示装置40は、画像表示部41上に画像を表示できるように構成されている。なお、タッチパネル42Aは、入力装置42の一例である。また、表示装置40は、入力装置42の別の一例であるスイッチパネル42Bを含む。スイッチパネル42Bは、各種ハードウェアスイッチを含むパネルである。
【0019】
入力装置42は、ショベル100を制御するための制御装置に各種情報を入力できるように構成されている。図示例では、入力装置42は、ショベル100の操作者がコントローラ30に各種情報を入力できるように構成されている。具体的には、入力装置42は、表示装置40の画像表示部41に取り付けられたタッチパネル42A、及び、表示装置40に付属するスイッチパネル42Bを含む。
【0020】
音出力装置43は、音を出力できるように構成されている。図示例では、音出力装置43はスピーカであり、コントローラ30からの出力指令に応じて音を出力するように構成されている。なお、音出力装置43は、ブザー等の警報器であってもよい。
【0021】
ショベル100の駆動系は、図2に示すように、主に、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブユニット17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作センサ29、コントローラ30、及び電磁弁31等を含む。
【0022】
エンジン11は、ショベル100の駆動源の一例であり、例えば、所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。エンジン11の出力軸はメインポンプ14及びパイロットポンプ15のそれぞれの入力軸に接続される。なお、駆動源は、水素エンジン又は電動モータ等であってもよい。また、ショベル100は、燃料電池及び駆動用バッテリを搭載していてもよい。
【0023】
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御するように構成されている。図示例では、レギュレータ13は、メインポンプ14の斜板傾転角を調節してメインポンプ14の吐出量を制御する。
【0024】
メインポンプ14は、作動油ライン16を介して作動油をコントロールバルブユニット17に供給する油圧ポンプである。図示例では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
【0025】
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26等の油圧制御機器に作動油を供給するための油圧ポンプである。図示例では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。パイロットポンプ15は、省略されていてもよい。この場合、パイロットポンプ15が担っていた機能は、メインポンプ14によって実現されてもよい。すなわち、メインポンプ14は、コントロールバルブユニット17に作動油を供給する機能とは別に、絞り等により作動油の圧力を低下させた後で操作装置26等に作動油を供給する機能を備えていてもよい。
【0026】
コントロールバルブユニット17は、ショベル100における油圧システムを制御する油圧制御バルブである。コントロールバルブユニット17は、例えば、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、右走行用油圧モータ1A、左走行用油圧モータ1B、及び旋回用油圧モータ2Aのうちの一つ又は複数の油圧アクチュエータに対し、メインポンプ14から供給された作動油を選択的に供給できる。
【0027】
操作装置26は、操作者がアクチュエータの操作のために用いる装置である。図示例では、操作装置26は、電磁式操作レバーである。なお、操作装置26は、油圧式操作レバーであってもよい。操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15から供給された作動油を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する制御弁のパイロットポートに供給できるように構成されている。なお、パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力であるパイロット圧は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26の操作方向及び操作量に応じた圧力とされる。
【0028】
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出するように構成されている。吐出圧センサ28は、検出した吐出圧に関する情報を、コントローラ30に対して出力する。
【0029】
操作センサ29は、操作装置26の操作内容を検出できるように構成されている。図示例では、操作センサ29は、操作装置26が生成したパイロット圧を検出できるように構成されている。操作センサ29は、検出したパイロット圧に関する情報を、コントローラ30に対して出力する。
【0030】
電磁弁31は、パイロット圧を調節できるように構成されている。図示例では、電磁弁31は、コントローラ30からの制御指令に応じて動作し、操作装置26が生成したパイロット圧を調節できるように構成されている。
【0031】
コントローラ30は、典型的には、操作センサ29の出力に応じ、電磁弁31に対する制御指令を生成するように構成されている。なお、コントローラ30は、操作装置26の操作内容とは無関係に、電磁弁31に対する制御指令を生成してもよい。この場合、コントローラ30は、操作装置26の操作内容とは無関係に、油圧アクチュエータを動作させることができる。また、コントローラ30は、吐出圧センサ28の出力に応じ、レギュレータ13に対する制御指令を生成するように構成されている。
【0032】
通信装置T1は、通信ネットワーク93を介して管理装置90又は支援装置95等と相互に通信可能となるように構成されている。通信ネットワーク93は、携帯電話通信網、衛星通信網、又は近距離無線通信網等によって構成されている。
【0033】
各種情報を管理する管理装置90は、典型的には固定端末装置であり、例えば、作業現場から離れた場所にある管理センタ等に設置されるサーバコンピュータである。管理装置90は、可搬性のコンピュータ(例えば、ノートPC、タブレットPC、又はスマートフォン等の携帯端末装置)であってもよい。また、管理装置90は、入力装置42としてスタイラスペン、マウス、キーボード、又はタッチパネル等を有していてもよい。
【0034】
ショベル100の制御を支援する装置である支援装置95は、典型的には携帯端末装置であり、例えば、作業現場にいる作業者等が携帯するノートPC、タブレットPC、又はスマートフォン等である。支援装置95は、ショベル100の操作者が携帯する携帯端末装置であってもよい。但し、支援装置95は、固定端末装置であってもよい。また、支援装置95は、入力装置42としてスタイラスペン、マウス、キーボード、又はタッチパネル等を有していてもよい。
【0035】
図2に示す例では、1台のショベル100と、1台の管理装置90と、1台の支援装置95とが通信ネットワーク93に接続され、作業機械(ショベル100)の作業を支援する作業支援システムSYSを構成している。通信ネットワーク93に接続されるショベル100、管理装置90、及び支援装置95は、それぞれ複数台であってもよい。また、ショベル100、管理装置90、及び支援装置95のそれぞれは、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格を利用して互いに直接的に接続されていてもよい。
【0036】
管理装置90及び支援装置95の少なくとも一方は、モニタと遠隔操作用の操作装置とを備えていてもよい。この場合、ショベル100と管理装置90及び支援装置95の少なくとも一方とはショベル100の遠隔操作システムを構成する。そして、遠隔操作者は、遠隔操作用の操作装置を用いてショベル100を操作できる。遠隔操作用の操作装置は、例えば、通信ネットワーク93を通じ、コントローラ30に接続される。この構成では、作業支援システムSYSは、支援装置95の利用者が、ショベル100の操作者又は遠隔操作者によるショベル100の操作に介入できるように構成されていてもよい。
【0037】
また、コントローラ30は、管理装置90に含まれていてもよく、支援装置95に含まれていてもよい。また、コントローラ30が実行する機能の全部又は一部は、管理装置90で実行されてもよく、支援装置95で実行されてもよい。
【0038】
作業支援システムSYSでは、コントローラ30は、自動モード又は半自動モードで動作するショベル100による作業を支援するためのユーザインタフェースを提供するように構成されている。自動モードで動作するショベル100は、手動操作によらずに自律的に動作するショベルである。自動モードで動作するショベル100には、操作者が搭乗していてもよく、操作者が搭乗していなくてもよい。半自動モードで動作するショベル100は、一つの操作レバーが操作されたときに複数のアクチュエータを動作させることができるように構成されたショベルである。具体的には、半自動モードで動作するショベル100は、アーム操作レバーが操作されたときに、アーム5の動作に合わせてブーム4及びバケット6の少なくとも一つを動作させることができるように構成されている。半自動モードで動作するショベル100は、キャビン10内の操作者によって操作されてもよく、遠隔操作者によって操作されてもよい。ショベル100による作業を支援するためのユーザインタフェースの提供は、例えば、表示装置40の画像表示部41に各種画像を表示させることによって実現される。また、ショベル100による作業の支援は、例えば、工事現場で行われる作業の内容とその進捗率(進捗度)を工事関係者が一目で確認できるようにすることによって実現される。なお、工事関係者は、ショベル100の操作者、ショベル100の管理者、又は、ショベル100の周囲で作業する作業者等を含む。
【0039】
ここで、図3A図3Iを参照し、作業支援システムSYSによって提供されるインタフェースについて説明する。図3A図3Iは、表示装置40の画像表示部41に表示される画面の例を示す。
【0040】
具体的には、図3Aは、入力装置42の一例であるスイッチパネル42Bにおける所定のスイッチ(簡易設計スイッチ42B1)が押されたときに画像表示部41に表示される画面GP1であり、真上から見た工事現場を表す画像である第1画像G1を含む。
【0041】
図3Bは、画像表示部41に画面GP1が表示された状態で、画像表示部41の所定領域がタップされたときに画像表示部41に表示される画面GP2であり、作業内容を選択する際に利用される画像である第2画像G2を更に含む。画像表示部41の所定領域は、例えば、第1画像G1の外側の領域である。
【0042】
図示例では、第2画像G2は、工事関係者等であるユーザが選択可能な三つの作業内容を表す画像である第1作業画像G21、第2作業画像G22、及び第3作業画像G23を含む。第1作業画像G21は、掘削作業を表す模様(右上がりストライプ)が付された矩形画像であり、その右隣にはテキスト画像「掘削」が付されている。第2作業画像G22は、法面整形作業を表す模様(右下がりストライプ)が付された矩形画像であり、その右隣にはテキスト画像「法面整形」が付されている。第3作業画像G23は、排土作業を表す模様(縦ストライプ)が付された矩形画像であり、その右隣にはテキスト画像「排土」が付されている。
【0043】
ユーザは、例えば、第1作業画像G21の矩形画像をタッチした状態でスライドして第1画像G1内の任意の位置で離すことにより、すなわち、第1作業画像G21の矩形画像のドラッグ操作により、第1画像G1内の任意の位置に、掘削作業が行われる範囲を表す第3画像G3(図3C参照)を表示させることができる。
【0044】
図3Cは、第1作業画像G21の矩形画像のドラッグ操作が行われているときに画像表示部41に表示される画面GP3であり、第3画像G3を更に含む。図3Cにおける破線矢印AR1は、第1作業画像G21の矩形画像のドラッグ操作が行われたことを表す説明のための図形であり、画像表示部41には表示されない。図3Cは、第1画像G1で表される工事現場の左下隅の領域に、掘削作業が行われる範囲を表す第3画像G3が追加されたことを示している。
【0045】
第3画像G3は、第1作業画像G21と同様に、掘削作業を表す模様(右上がりストライプ)が付された画像であり、「掘削」等のテキスト画像が重畳表示されていてもよい。図示例では、第3画像G3は、矩形であるが他の任意の形状を有していてもよい。
【0046】
ユーザは、第3画像G3をタッチした状態でスライドして第1画像G1内の任意の位置で離すことにより、すなわち、第3画像G3のドラッグ操作により、第1画像G1内における第3画像G3の位置を変えることができる。また、ユーザは、第3画像G3の上辺又は下辺をタッチした状態でスライドして任意の位置で離すことにより、すなわち、第3画像G3の上辺又は下辺のドラッグ操作により、上下方向における第3画像G3のサイズを調節できる。また、ユーザは、第3画像G3の左辺又は右辺をタッチした状態でスライドして任意の位置で離すことにより、すなわち、第3画像G3の左辺又は右辺のドラッグ操作により、左右方向における第3画像G3のサイズを調節できる。
【0047】
図3Dは、第3画像G3の上辺のドラッグ操作が行われているときに画像表示部41に表示される画面GP4であり、第3画像G3の一辺がタッチされたときに表示される第4画像G4を更に含む。図3Dでは、第4画像G4は、第3画像G3の上辺がタッチされたときに表示される第4上側画像G41である。第4上側画像G41は、上下方向に延びる両矢印であり、第3画像G3の上辺を上下に移動させることができることを表している。
【0048】
図3Eは、第3画像G3の右辺のドラッグ操作が行われているときに画像表示部41に表示される画面GP5である。図3Eでは、第4画像G4は、第3画像G3の右辺がタッチされたときに表示される第4右側画像G42である。第4右側画像G42は、左右方向に延びる両矢印であり、第3画像G3の右辺を左右に移動させることができることを表している。なお、第3画像G3の下辺又は左辺の移動も同様に行われる。また、第4画像G4は、第3画像G3の頂点がタッチされたときに表示される画像であってもよい。この場合、第4画像G4は、対角線方向に延びる両矢印であり、第3画像G3の頂点を対角線方向に移動させることができることを表す。
【0049】
図3Fは、法面整形作業を表す模様(右下がりストライプ)が付された矩形画像である第2作業画像G22のドラッグ操作が行われているときに画像表示部41に表示される画面GP6であり、第5画像G5を更に含む。図3Fにおける破線矢印AR2は、第2作業画像G22のドラッグ操作が行われたことを表す説明のための図形であり、画像表示部41には表示されない。図3Fは、第1画像G1で表される工事現場の中央上部の領域に、法面整形作業が行われる範囲を表す第5画像G5が追加されたことを示している。
【0050】
第5画像G5は、第2作業画像G22と同様に、掘削作業を表す模様(右下がりストライプ)が付された画像であり、「法面整形」等のテキスト画像が重畳表示されていてもよい。図示例では、第5画像G5は矩形であるが、他の任意の形状を有していてもよい。
【0051】
掘削作業が行われる範囲を表す第3画像G3の場合と同様に、ユーザは、例えば、第2作業画像G22をタッチした状態でスライドして第1画像G1内の任意の位置で離すことにより、すなわち、第2作業画像G22のドラッグ操作により、第1画像G1内の任意の位置に、法面整形作業が行われる範囲を表す第5画像G5を表示させることができる。また、ユーザは、第5画像G5をタッチした状態でスライドして第1画像G1内の任意の位置で離すことにより、すなわち、第5画像G5のドラッグ操作により、第1画像G1内における第5画像G5の位置を変えることができる。また、ユーザは、第5画像G5の一辺をタッチした状態でスライドして任意の位置で離すことにより、すなわち、第5画像G5の一辺のドラッグ操作により、第5画像G5のサイズを調節できる。排土作業が行われる範囲を表す第6画像G6(図3G参照)についても同様である。なお、排土作業が行われる範囲は、例えば、掘削作業又は法面整形作業等で出る土砂が排出される場所を表す。
【0052】
第6画像G6は、第3作業画像G23と同様に、排土作業を表す模様(縦ストライプ)が付された画像であり、「排土」等のテキスト画像が重畳表示されていてもよい。図示例では、第6画像G6は矩形であるが、他の任意の形状を有していてもよい。
【0053】
図3Gは、掘削作業が行われる範囲を表す第3画像G3、法面整形作業が行われる範囲を表す第5画像G5、及び、排土作業が行われる範囲を表す第6画像G6が、工事現場を表す画像である第1画像G1上に追加され、且つ、第3画像G3、第5画像G5、及び、第6画像G6のそれぞれのサイズの調節が完了した後で画像表示部41に表示されている画面GP7である。なお、画面GP7は、作業内容を選択する際に利用される画像である第2画像G2を含んでいない。図示例では、ユーザは、画像表示部41の所定領域をタップすることにより、画像表示部41に表示されていた第2画像G2を消去できる。画像表示部41の所定領域は、例えば、第1画像G1の外側の領域である。
【0054】
また、ユーザは、図3Gに示される第3画像G3をタップすることにより、掘削作業に関する目標値を入力できる。掘削作業に関する目標値は、ショベルによる掘削作業の完了時における、掘削作業が行われる範囲の状態を示す値であり、例えば、掘削深さの値である。また、ショベルによる掘削作業の完了時は、一日の掘削作業の完了時であってもよく、午前中の掘削作業の完了時であってもよく、一週間又はより長期にわたる掘削作業の完了時であってもよく、一時間又はより短期にわたる掘削作業の完了時であってもよい。
【0055】
図3Hは、画像表示部41に画面GP7が表示されている状態で、第3画像G3がタップされたときに画像表示部41に表示される画面GP8である。具体的には、図3Hは、入力対象となっている掘削作業に関する目標値が掘削深さの値であることを表す第7画像G7と、掘削深さの値を調節するための入力インタフェースの一例であるスライダバーを表す第8画像G8とを含む。
【0056】
図示例では、第7画像は、目標値の内容を表すテキスト画像G71、ショベル100を表すショベル画像G72、掘削によって地面が下方に移動することを表す矢印G73、掘削後の地面の位置(深さ)を表す破線G74、及び、入力された掘削深さの値を表すテキスト画像G75を含む。第8画像は、掘削深さの値の設定可能範囲を表す縦棒画像G81、及び、掘削深さの値を調節するためのつまみを表すスライダ画像G82を含む。図示例では、掘削深さの値の設定可能範囲は、0[m]から-5[m]である。負値は、ショベル100の接地面よりも深い位置を表している。
【0057】
ユーザは、スライダ画像G82をタッチした状態で縦棒画像G81に沿ってスライドして任意の位置で離すことにより、すなわち、スライダ画像G82のドラッグ操作により、縦棒画像G81内におけるスライダ画像G82の位置を変えることができる。図示例では、テキスト画像G75によって表される掘削深さの値は、スライダ画像G82の位置の変化に応じて変化するように構成されている。
【0058】
また、ユーザは、図3Gに示される第5画像G5をタップすることにより、法面整形作業に関する目標値を入力できる。法面整形作業に関する目標値は、ショベルによる法面整形作業の完了時における、法面整形作業が行われる範囲の状態を示す値であり、例えば、法面角度の値である。
【0059】
図3Iは、画像表示部41に画面GP7が表示されている状態で、第5画像G5がタップされたときに画像表示部41に表示される画面GP9である。具体的には、図3Iは、入力対象となっている法面整形作業に関する目標値が法面角度の値であることを表す第9画像G9と、法面角度の値を調節するための入力インタフェースの一例であるスライダバーを表す第10画像G10とを含む。
【0060】
図示例では、第9画像は、目標値の内容を表すテキスト画像G91、ショベル100を表すショベル画像G92、法面の向きを表す矢印G93、法面整形後の法面角度を表す破線G94、及び、入力された法面角度の値を表すテキスト画像G95を含む。第10画像は、法面角度の値の設定可能範囲を表す縦棒画像G101、及び、法面角度の値を調節するためのつまみを表すスライダ画像G102を含む。図示例では、法面角度の値の設定可能範囲は、0[度]から90[度]である。0[度]は、法面とショベル100の接地面とが平行であることを意味し、90[度]は、法面とショベル100の接地面とが垂直であることを意味する。
【0061】
ユーザは、スライダ画像G102をタッチした状態で縦棒画像G101に沿ってスライドして任意の位置で離すことにより、すなわち、スライダ画像G102のドラッグ操作により、縦棒画像G101内におけるスライダ画像G102の位置を変えることができる。図示例では、テキスト画像G95によって表される法面角度の値は、スライダ画像G102の位置の変化に応じて変化するように構成されている。
【0062】
上述のような入力操作により、ユーザは、工事現場における各種作業が行われる範囲を設定でき、且つ、各種作業に関する目標値を設定できる。コントローラ30は、このようにして設定された情報を利用することにより、後述のように工事の進捗率をユーザに提示できる。
【0063】
次に、図4A及び図4Bを参照し、ショベル100による作業が開始された後で表示装置40の画像表示部41に表示される画面について説明する。図4A及び図4Bは、ショベル100による作業が開始された後で表示装置40の画像表示部41に表示される画面の例を示す。
【0064】
図4Aは、図3A図3Iを参照して説明した入力操作によって各種作業が行われる範囲が設定され、且つ、各種作業に関する目標値が設定された後に表示される画面GP10であり、第1画像G1、第3画像G3、第5画像G5、第6画像G6、第11画像G11、第12画像G12、及び第13画像G13を含む。
【0065】
第11画像G11は、ショベル100の現在位置を表す画像である。コントローラ30は、測位装置T2の出力に基づいて第1画像G1内における第11画像G11の表示位置を決定する。
【0066】
第12画像G12は、各種作業の進捗率を表す縦棒画像である。図示例では、第12画像G12は、最上部から最下部にかけて、赤色、橙色、黄色、緑色、水色、青色の順で徐々に色が変化するように表示される。赤色は、進捗率が100%であること、すなわち、作業が完了していることを表し、青色は、進捗率が0%であること、すなわち、作業が開始されていないことを表し、他の色は、進捗率が0%より大きく100%未満であること、すなわち、作業が進行中であることを表す。図4Aでは、明瞭化のため、ドッドパターンの粗密によって第12画像G12の色が変化することを表している。図4Bにおいても同様である。
【0067】
また、画面GP10では、掘削作業を表す模様(右上がりストライプ)が付された第3画像G3が赤色に着色され、法面整形作業を表す模様(右下がりストライプ)が付された第5画像G5が水色に着色され、排土作業を表す模様(縦ストライプ)が付された第6画像が緑色に着色されている。すなわち、画面GP10は、掘削作業の進捗率が100%であり、法面整形作業の進捗率が約20%であり、排土作業の進捗率が約40%であることを示している。画面GP10を見ることで、ユーザは、各作業が行われている場所と各作業の進捗率とを同時に且つ直感的に把握することができる。
【0068】
なお、掘削作業の進捗率は、例えば、掘削深さの目標値に対する現在値の割合で表されてもよい。また、法面整形作業の進捗率は、例えば、法面整形作業の対象となる法面の全表面積に対する、法面整形作業が完了した部分の表面積の割合で表されてもよい。図示例では、各作業の進捗率は、リアルタイムで更新される。例えば、各作業の進捗率は、空間認識装置80が新たな情報を取得する度に更新される。
【0069】
第13画像G13は、各種作業の優先順位を表す画像である。図示例では、第13画像G13は、矩形枠で囲まれた数字として表示されている。具体的には、第13画像G13は、優先順位が最も高い作業を表す第1優先画像G13A及び第2優先画像G13Bを含む。第1優先画像G13Aは、優先順位が最も高い作業に関連付けられる画像であり、矩形枠で囲まれた数字「1」として表示されている。また、第2優先画像G13Bは、優先順位が二番目に高い作業に関連付けられる画像であり、矩形枠で囲まれた数字「2」として表示されている。不図示の第3優先画像及び第4優先画像等についても同様である。
【0070】
図4Aに示す例では、ユーザは、掘削作業に関する目標値を入力する場合と同様に、第3画像G3の近傍をタップすることにより、掘削作業の優先順位を入力できる。第3画像G3の近傍は、例えば、第3画像G3の下辺の下に位置する領域である。他の作業の優先順位についても同様である。
【0071】
図4Aに示す例では、第1優先画像G13Aは、掘削作業が行われる範囲を表す第3画像G3の下部に表示され、第2優先画像G13Bは、法面整形作業が行われる範囲を表す第5画像G5の下部に表示されている。すなわち、画面GP10は、掘削作業の優先順位が最も高く、法面整形作業の優先順位が二番目に高いことを表している。
【0072】
作業支援システムSYSは、ユーザが各作業の優先順位を変更できるように構成されている。例えば、ショベル100の管理者は、各作業の優先順位を変更することにより、特定の作業が優先的に行われるようにすることができる。
【0073】
図4Bは、画像表示部41に画面GP10が表示された状態で優先順位が変更されたときに表示される画面GP11である。ユーザは、例えば、図4Aにおける第1優先画像G13Aをタッチした状態でスライドし、法面整形作業が行われる範囲を表す第5画像G5の上で離すことにより、すなわち、第1優先画像G13Aの第5画像G5上へのドラッグ操作により、法面整形作業の優先順位を最も高い優先順位とすることができる。この場合、最も高い優先順位とされていた掘削作業の優先順位は、二番目に高い優先順位となるように自動的に繰り下げられる。或いは、ユーザは、図4Aにおける第2優先画像G13Bをタッチした状態でスライドし、掘削作業が行われる範囲を表す第3画像G3の上で離すことにより、すなわち、第2優先画像G13Bの第3画像G3上へのドラッグ操作により、法面整形作業の優先順位を最も高い優先順位としてもよい。この場合、最も高い優先順位とされていた掘削作業の優先順位は、二番目に高い優先順位となるように繰り下げられ、二番目に高い優先順位とされていた法面整形作業の優先順位は、最も高い優先順位となるように自動的に繰り上げられる。
【0074】
作業支援システムSYSは、管理者等のユーザによって各作業の優先順位が変更された場合、自動モードで動作しているショベル100の位置を自動的に変更できるように構成されていてもよい。図4Bは、法面整形作業の優先順位が最も高い優先順位に変更された場合に、掘削作業が行われる範囲に近い場所に位置していたショベル100が、法面整形作業が行われる範囲に近い場所に移動したことを表している。なお、図4Bにおける破線画像G11Pは、ショベル100の過去の位置を表す説明のための図形であり、画像表示部41には表示されない。また、図4Bにおける破線矢印AR3は、ショベル100の位置が変化したことを表す説明のための図形であり、画像表示部41には表示されない。
【0075】
このような構成により、作業支援システムSYSは、作業機械による作業の効率化を支援できる。具体的には、作業支援システムSYSは、ユーザが簡単な施工図を作成するのを支援できる。また、作業支援システムSYSは、ユーザが作成した施工図を利用し、ユーザが各種作業の進捗を視覚的に認識するのを支援できる。
【0076】
上述のように、本開示の実施形態に係る作業支援システムSYSは、図2に示すように、入力装置42と、空間認識装置80と、入力装置42を通じて入力された、作業現場における、作業機械による所定の作業の対象となる範囲の大きさと、空間認識装置80が認識したこの範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示する表示装置40とを有する。所定の作業の対象となる範囲の状態は、その範囲における障害物の有無、地面の凹凸の度合い、又は、地面の硬さ等である。表示装置40は、その状態を、色、模様、又は文字等を用いて表現する。
【0077】
作業機械は、図示例ではショベル100であるが、アスファルトフィニッシャ、クレーン、又はフォークリフト等であってもよい。また、作業機械による所定の作業の対象となる範囲は、図示例では、ショベル100による掘削作業、法面整形作業、及び排土作業のそれぞれの対象となる範囲である。しかしながら、作業機械による所定の作業の対象となる範囲は、例えば、アスファルトフィニッシャによる舗装作業の対象となる範囲であってもよく、クレーンによる作業の対象となる範囲(移動前の荷物が置かれる範囲又は移動後の荷物が置かれる範囲)であってもよく、フォークリフトによる作業の対象となる範囲(移動前の荷物が置かれる範囲又は移動後の荷物が置かれる範囲)であってもよい。
【0078】
この構成により、作業支援システムSYSは、作業の効率化を支援できるという効果をもたらす。作業支援システムSYSは、例えば、工事現場の各場所で行われている作業の内容とその作業が行われる場所の状態とをユーザが直感的に認識できるようにするためである。
【0079】
また、作業支援システムSYSでは、入力装置42を通じ、作業機械による所定の作業の完了時における、その所定の作業の対象となる範囲の状態を示す値である目標値が入力されてもよい。具体的には、この目標値は、例えば、ショベル100の掘削作業における掘削深さの値、又は、ショベル100の法面整形作業における法面角度の値等である。この場合、空間認識装置80は、その所定の作業の対象となる範囲の現在の状態を示す値である現在値を取得できるように構成されていてもよい。また、表示装置40は、目標値に対する現在値の割合である進捗率で表現可能なその所定の作業の進捗を視覚的に認識できるように表示してもよい。
【0080】
この構成により、作業支援システムSYSは、例えば、工事現場の各場所で行われている作業の内容とその進捗率とをユーザが直感的に認識できるようになるという効果をもたらす。
【0081】
また、作業支援システムSYSでは、作業機械による所定の作業は、第1作業及び第2作業を含んでいてもよい。この場合、表示装置40は、入力装置42を通じて入力された、作業現場における第1作業の対象となる第1範囲の大きさと、作業現場における第2作業の対象となる第2範囲の大きさと、空間認識装置80が認識した第1範囲の状態と、空間認識装置80が認識した第2範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示してもよい。
【0082】
図示例では、ショベル100による所定の作業は、掘削作業及び法面整形作業を含む。この場合、表示装置40は、図4Aに示すように、入力装置42を通じて入力された掘削作業の対象となる範囲の大きさを第3画像G3で表し、入力装置42を通じて入力された法面整形作業の対象となる範囲の大きさを第5画像G5で表している。また、表示装置40は、図4Aに示すように、空間認識装置80が認識した掘削作業の対象となる範囲の状態として、掘削作業の進捗率を色で表し、空間認識装置80が認識した法面整形作業の対象となる範囲の状態として、法面整形作業の進捗率を色で表している。この場合、空間認識装置80が認識した掘削作業の対象となる範囲の状態は、現在の掘削深さであり、空間認識装置80が認識した法面整形作業の対象となる範囲の状態は、法面整形作業が完了した部分の表面積である。
【0083】
この構成により、作業支援システムSYSは、例えば、工事現場の各場所で行われている複数の作業のそれぞれの内容と複数の作業のそれぞれが行われる場所の状態とをユーザがより直感的に認識できるようになるという効果をもたらす。
【0084】
また、作業支援システムSYSには、入力装置42を通じ、第1作業の完了時における第1範囲の状態を示す値である第1目標値と、第2作業の完了時における第2範囲の状態を示す値である第2目標値とが入力されてもよい。
【0085】
図示例では、作業支援システムSYSには、入力装置42を通じ、掘削作業の完了時における掘削深さの値(図3H参照)が第1目標値(掘削深さ目標値)として入力され、且つ、法面整形作業の完了時における法面角度の値(図3I参照)が第2目標値(法面角度目標値)として入力されている。
【0086】
また、空間認識装置80は、現在の第1範囲の状態を示す値である第1現在値と、現在の第2範囲の状態を示す値である第2現在値と、を取得するように構成されていてもよい。図示例では、空間認識装置80は、現在の掘削深さを示す値である第1現在値(掘削深さ現在値)と、現在の法面角度を示す値である第2現在値(法面角度現在値)と、を取得するように構成されている。
【0087】
そして、表示装置40は、第1目標値に対する第1現在値の割合である第1進捗率で表現可能な第1作業の進捗と、第2目標値に対する第2現在値の割合である第2進捗率で表現可能な第2作業の進捗と、を視覚的に認識できるように表示するように構成されていてもよい。図示例では、表示装置40は、図4Aに示すように、掘削深さ目標値に対する掘削深さ現在値の割合である掘削進捗率で表現可能な掘削作業の進捗をユーザが視覚的に認識できるようにしている。また、図示例では、表示装置40は、図4Aに示すように、法面整形作業の対象となる法面の全表面積に対する、法面整形作業が完了した部分の表面積の割合で法面整形作業の進捗を表しているが、法面角度目標値に対する法面角度現在値の割合である法面整形進捗率により、法面整形作業の進捗を表すように構成されていてもよい。
【0088】
この構成により、作業支援システムSYSは、例えば、工事現場の各場所で行われている複数の作業のそれぞれの内容と複数の作業のそれぞれの進捗率とをユーザがより直感的に認識できるようになるという効果をもたらす。
【0089】
また、作業支援システムSYSには、入力装置42を通じ、複数の所定の作業の優先順位が入力されてもよい。そして、表示装置40は、入力された優先順位を表示できるように構成されていてもよい。ユーザが各作業の優先順位を視覚的に認識できるようにするためである。図示例では、作業支援システムSYSには、図4Aに示すように、入力装置42を通じ、掘削作業及び法面整形作業のそれぞれの優先順位が入力されている。そして、表示装置40は、ユーザが掘削作業及び法面整形作業のそれぞれの優先順位を視覚的に認識できるように、入力された優先順位を表示している。
【0090】
この構成により、作業支援システムSYSは、工事の進捗度に応じてユーザが各作業の優先順位を臨機応変に変更できるようになるという効果をもたらす。
【0091】
また、作業支援システムSYSは、作業機械を制御する制御装置としてのコントローラ30を有していてもよい。この場合、コントローラ30は、複数の所定の作業のうちの優先順位が最も高い作業が行われるように作業機械を移動させてもよい。図4Bに示す例では、コントローラ30は、優先順位が最も高い作業である法面整形作業が行われるように、掘削作業が行われる範囲に近い場所に位置していたショベル100を、法面整形作業が行われる範囲に近い場所に移動させている。具体的には、コントローラ30は、電磁弁31に対して制御指令を出力し、右走行用油圧モータ1A及び左走行用油圧モータ1Bのそれぞれに対応する制御弁のパイロットポートに作業するパイロット圧を調節してショベル100を所望の方向に走行させることができる。
【0092】
この構成により、作業支援システムSYSは、優先順位にしたがった各作業の実行をより確実に実現できるという効果をもたらす。
【0093】
また、本開示の実施形態に係る作業機械は、入力装置42と、空間認識装置80と、入力装置42を通じて入力された、作業現場における、作業機械による所定の作業の対象となる範囲の大きさと、空間認識装置80が認識した上記範囲の状態とを視覚的に認識できるように表示する表示装置40と、を備えていてもよい。図示例では、ショベル100は、入力装置42と、空間認識装置80と、表示装置40と、を備えている。そして、表示装置40は、図4Aに示すように、入力装置42を通じて入力された、ショベル100による掘削作業の対象となる範囲の大きさを、第3画像G3の大きさによって表現し、空間認識装置80が認識した上記範囲の状態としての掘削作業の進捗率を、第3画像G3の色によって表現している。掘削作業の対象となる範囲の大きさと掘削作業の進捗率とをユーザが視覚的に認識できるようにするためである。ショベル100による法面整形作業についても同様である。
【0094】
この構成により、作業機械は、作業の効率化を支援できるという効果をもたらす。作業機械は、例えば、工事現場の各場所で行われている作業の内容とその状態とをユーザが直感的に認識できるようにするためである。
【0095】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはなく、後述する実施形態に制限されることもない。上述した或いは後述する実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、別々に説明された特徴は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合わせが可能である。
【0096】
例えば、上述の実施形態では、表示装置40に表示される画面では、工事現場は二次元的に表現されているが、三次元的に表示されてもよい。具体的には、表示装置40に表示される画面では、工事現場は、ポリゴン等を用いて立体的に表現されていてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1・・・下部走行体 1A・・・右走行用油圧モータ 1B・・・左走行用油圧モータ 2・・・旋回機構 2A・・・旋回用油圧モータ 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 11・・・エンジン 13・・・レギュレータ 14・・・メインポンプ 15・・・パイロットポンプ 16・・・作動油ライン 17・・・コントロールバルブユニット 26・・・操作装置 28・・・吐出圧センサ 29・・・操作センサ 30・・・コントローラ 31・・・電磁弁 40・・・表示装置 41・・・画像表示部 42・・・入力装置 43・・・音出力装置 80・・・空間認識装置 90・・・管理装置 93・・・通信ネットワーク 95・・・支援装置 100・・・ショベル G1・・・第1画像 G2・・・第2画像 G21・・・第1作業画像 G22・・・第2作業画像 G23・・・第3作業画像 G3・・・第3画像 G4・・・第4画像 G41・・・第4上側画像 G42・・・第4右側画像 G5・・・第5画像 G6・・・第6画像 G7・・・第7画像 G71・・・テキスト画像 G72・・・ショベル画像 G73・・・矢印 G74・・・破線 G75・・・テキスト画像 G8・・・第8画像 G81・・・縦棒画像 G82・・・スライダ画像 G9・・・第9画像 G91・・・テキスト画像 G92・・・ショベル画像 G93・・・矢印 G94・・・破線 G95・・・テキスト画像 G10・・・第10画像 G101・・・縦棒画像 G102・・・スライダ画像 G11・・・第11画像 G12・・・第12画像 G13・・・第13画像 G13A・・・第1優先画像 G13B・・・第2優先画像 GP1~GP11・・・画面 T1・・・通信装置 T2・・・測位装置
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4A
図4B