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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171851
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】コンテナ用冷凍装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 11/00 20060101AFI20241205BHJP
   F25D 29/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
F25D11/00 101D
F25D29/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089109
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 一弘
(72)【発明者】
【氏名】池宮 完
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA05
3L045BA02
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045GA04
3L045HA01
3L045JA02
3L045MA00
3L045PA04
3L045PA05
(57)【要約】
【課題】コンテナの庫内に漏洩した冷媒を比較的速やかに検出する。
【解決手段】コンテナ用冷凍装置は、コンテナ(1)の庫内の空気を収容空間(3)と空気通路(19)との間で循環させる第1搬送器(30)と、空気通路(19)に配置される熱交換器(29)と、熱交換器(29)よりも下方に配置され、コンテナ(1)庫内に漏洩する冷媒を検出する検出部(110a)と、検出部(110a)を収容するケーシング(50,111)とを備え、ケーシング(50,111)は、検出部(110a)と空気通路(19)とを連通する第1開口部(51)を有し、第1開口部(51)は、水平方向または該水平方向よりも下方に向かって開口する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルを行う冷媒回路(R)を備え、庫内が収容空間(3)と該収容空間(3)に連通する空気通路(19)とに区画されるコンテナ(1)に設けられるコンテナ用冷凍装置であって、
前記コンテナ(1)の庫内の空気を前記収容空間(3)と前記空気通路(19)との間で循環させる第1搬送器(30)と、
前記空気通路(19)に配置される熱交換器(29)と、
前記熱交換器(29)よりも下方に配置され、前記コンテナ(1)庫内に漏洩する冷媒を検出する検出部(110a)と、
前記検出部(110a)を収容するケーシング(50,111)とを備え、
前記ケーシング(50,111)は、前記検出部(110a)と前記空気通路(19)とを連通する第1開口部(51)を有し、
前記第1開口部(51)は、水平方向または該水平方向よりも下方に向かって開口する
コンテナ用冷凍装置。
【請求項2】
冷凍サイクルを行う冷媒回路(R)を備え、庫内が収容空間(3)と該収容空間(3)に連通する空気通路(19)とに区画されるコンテナ(1)に設けられるコンテナ用冷凍装置であって、
前記コンテナ(1)の庫内の空気を前記収容空間(3)と前記空気通路(19)との間で循環させる第1搬送器(30)と、
前記空気通路(19)に配置される熱交換器(29)と、
前記熱交換器(29)よりも下方に配置され、前記コンテナ(1)庫内に漏洩する冷媒を検出する検出部(110a)と、
前記検出部(110a)を収容するケーシング(50,111)とを備え、
前記空気通路(19)は、前記第1搬送器(30)により上方から下方に空気が流れるように形成され、
前記ケーシング(50,111)は、前記検出部(110a)と前記空気通路(19)とを連通する第1開口部(51)を有し、
前記第1開口部(51)は、前記空気通路(19)における空気流れに直交する向き、または該空気流れの下流側に向かって開口する
コンテナ用冷凍装置。
【請求項3】
前記空気通路(19)に配置され、前記第1搬送器(30)により搬送される空気によって前記第1開口部(51)に作用する圧力を低減する圧力低減部(120)をさらに備える
請求項1または2に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項4】
前記ケーシング(50,111)は、前記検出部(110a)と前記空気通路(19)とを連通する第2開口部(52)をさらに備え、
前記第2開口部(52)は、前記空気通路(19)における空気流れの上流側に向かって開口する
請求項1または2に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項5】
前記第1搬送器(30)は、前記空気通路(19)に配置され、
前記第1開口部(51)および前記第2開口部(52)は、前記第1搬送器(30)の下方に配置される
請求項4に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項6】
前記ケーシング(50,111)は、前記第2開口部(52)と前記検出部(110a)との間において、前記空気通路(19)から前記第2開口部(52)に流入した水を受ける受け部(53)を有する
請求項4に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項7】
前記ケーシング(50,111)は、前記第2開口部(52)と前記検出部(110a)との間で、前記空気通路(19)から前記第2開口部(52)に流入した水を外部へ排出する排出口(54)を有する
請求項4に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項8】
前記ケーシング(50,111)は、前記第2開口部(52)が形成されると共に前記検出部(110a)に連通する筒部(62)を有する
請求項4に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項9】
前記筒部(62)は、前記空気通路(19)向かって順に形成される第1筒部(62a)と第2筒部(62b)とを有し、
前記第2筒部(62b)の流路断面積は、第1筒部(62a)の流路断面積よりも大きくなるように形成され、
前記第2開口部(52)は、前記第2筒部(62b)に形成される
請求項8に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項10】
前記第2開口部(52)の開口面は、前記空気通路(19)における空気流れに対して傾斜するように形成され、前記空気通路(19)の空気に含まれる異物の流入を抑制する抑制部(55)を備える
請求項4に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項11】
前記ケーシング(50,111)には、前記空気通路(19)の空気を前記第1開口部(51)に吸い込ませる第2搬送器(130)が設けられる
請求項1または2に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項12】
前記第1搬送器(30)は、該第1搬送器(30)を駆動する第1電動機(30b)を有し、
前記第2搬送器(130)は、該第2搬送器(130)を駆動する第2電動機(130a)を有し、
前記第1電動機(30b)および前記第2電動機(130a)には互いに異なる電源から電力が供給される
請求項11に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項13】
前記第2搬送器(130)は、前記空気通路(19)の底面から前記第1開口部(51)までの高さ位置が1m以下の空気を吸い込む
請求項11に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項14】
前記ケーシング(50,111)は、前記第1開口部(51)に吸い込まれた空気を前記空気通路(19)に吹き出す第3開口部(73)と有し、
前記第3開口部(73)は、前記第1開口部(51)と同じ高さ位置またはそれよりも下方に配置される
請求項11に記載のコンテナ用冷凍装置。
【請求項15】
前記コンテナ(1)は、庫外空間(5)と前記空気通路(19)とを隔てる壁部(16a)を有し、
前記ケーシング(50,111)は、前記壁部(16a)に設けられる
請求項1または2に記載のコンテナ用冷凍装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテナ用冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示のコンテナ用冷凍装置は、コンテナ庫内で漏洩した冷媒を検出する冷媒センサを備える。冷媒センサは、熱交換器よりも空気流れの下流側に配置される。これにより、熱交換器を通過した空気は冷媒センサを通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―101327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気中に冷媒が漏洩しても冷媒を含んだ空気は、ファンにより庫内を搬送されるため冷媒センサにより空気中の冷媒を比較的速やかに検出できる。しかし、熱交換器よりも空気流れの下流側に冷媒センサを設けていても、ファンが停止している間は庫内の空気は循環されないため、このようなときに冷媒の漏洩が生じると冷媒センサが漏洩した冷媒を検出するのに時間を要するおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、コンテナの庫内に漏洩した冷媒を比較的速やかに検出することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、
冷凍サイクルを行う冷媒回路(R)を備え、庫内が収容空間(3)と該収容空間(3)に連通する空気通路(19)とに区画されるコンテナ(1)に設けられるコンテナ用冷凍装置であって、
前記コンテナ(1)の庫内の空気を前記収容空間(3)と前記空気通路(19)との間で循環させる第1搬送器(30)と、
前記空気通路(19)に配置される熱交換器(29)と、
前記熱交換器(29)よりも下方に配置され、前記コンテナ(1)庫内に漏洩する冷媒を検出する検出部(110a)と、
前記検出部(110a)を収容するケーシング(50,111)とを備え、
前記ケーシング(50,111)は、前記検出部(110a)と前記空気通路(19)とを連通する第1開口部(51)を有し、
前記第1開口部(51)は、水平方向または該水平方向よりも下方に向かって開口する
コンテナ用冷凍装置である。
【0007】
第1の態様によると、第1開口部(51)は水平方向または該水平方向よりも下方に向かって開口しているため、第1搬送器(30)の停止時に、コンテナ(1)庫内下部に溜まった漏洩冷媒が上方に向かって拡散していく過程で該冷媒が第1開口部(51)に入りやすくなる。これにより、検出部(110a)がコンテナ(1)の庫内に漏洩した冷媒を検知するまでの時間を短縮でき、漏洩した冷媒を比較的速やかに検出することができる。
【0008】
第2の態様は、
冷凍サイクルを行う冷媒回路(R)を備え、庫内が収容空間(3)と該収容空間(3)に連通する空気通路(19)とに区画されるコンテナ(1)に設けられるコンテナ用冷凍装置であって、
前記コンテナ(1)の庫内の空気を前記収容空間(3)と前記空気通路(19)との間で循環させる第1搬送器(30)と、
前記空気通路(19)に配置される熱交換器(29)と、
前記熱交換器(29)よりも下方に配置され、前記コンテナ(1)庫内に漏洩する冷媒を検出する検出部(110a)と、
前記検出部(110a)を収容するケーシング(50,111)とを備え、
前記空気通路(19)は、前記第1搬送器(30)により上方から下方に空気が流れるように形成され、
前記ケーシング(50,111)は、前記検出部(110a)と前記空気通路(19)とを連通する第1開口部(51)を有し、
前記第1開口部(51)は、前記空気通路(19)における空気流れに直交する向き、または該空気流れの下流側に向かって開口する
コンテナ用冷凍装置である。
【0009】
空気通路(19)を流れる空気によって検出部(110a)に作用する圧力が増大すると、検出部(110a)は冷媒を誤検知しやすくなる。このことに対して第2の態様では、第1開口部(51)は空気通路(19)の空気流れに直交する向きに開口しているため、このような第1開口部(51)に作用する圧力を抑制できる。これにより冷媒の誤検知を抑制できる。
【0010】
第3の態様は、第1または第2の態様において、
前記空気通路(19)に配置され、前記第1搬送器(30)により搬送される空気によって前記第1開口部(51)に作用する圧力を低減する圧力低減部(120)をさらに備える。
【0011】
第3の態様では、圧力低減部(120)により検出部(110a)に作用する圧力が抑えられ、冷媒の誤検知を抑制できる。
【0012】
第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、
前記ケーシング(50,111)は、前記検出部(110a)と前記空気通路(19)とを連通する第2開口部(52)をさらに備え、
前記第2開口部(52)は、前記空気通路(19)における空気流れの上流側に向かって開口する。
【0013】
第4の態様では、第1搬送器(30)の運転中、空気流れによる動圧を利用して第2開口部(52)から空気を取り込みやすくできる。また、第1搬送器(30)の停止中、空気の自然拡散を利用して第1開口部(51)から空気を取り込みやすくできる。このように第1搬送器(30)の運転中および停止中の両方において冷媒が漏洩してから検知するまでの時間を短縮できる。
【0014】
第5の態様は、第4の態様において、
前記第1搬送器(30)は、前記空気通路(19)に配置され、
前記第1開口部(51)および前記第2開口部(52)は、前記第1搬送器(30)の下方に配置される。
【0015】
第5の態様では、空気通路(19)において第1搬送器(30)の下方に配置されることで第2開口部(52)に作用する風圧を利用して第2開口部(52)から流入するケーシング(50,111)内の空気の循環を促進できる。
【0016】
第6の態様は、第4または第5の態様において、
前記ケーシング(50,111)は、前記第2開口部(52)と前記検出部(110a)との間において、前記空気通路(19)から前記第2開口部(52)に流入した水を受ける受け部(53)を有する。
【0017】
第6の態様では、受け部(53)により、第2開口部(52)に空気と共に流入した水がケーシング(50,111)内に飛散することを抑制できる。これにより水が検出部(110a)に付着することを抑制でき、冷媒の誤検知や検出部(110a)の故障を抑制できる。
【0018】
第7の態様は、第4~第6の態様のいずれか1つにおいて、
前記ケーシング(50,111)は、前記第2開口部(52)と前記検出部(110a)との間で、前記空気通路(19)から前記第2開口部(52)に流入した水を外部へ排出する排出口(54)を有する。
【0019】
第2開口部(52)に空気と共に流入した水をケーシング(50,111)外へ排出できる。これにより第6の態様と同様の効果を得ることができる。
【0020】
第8の態様は、第4~第7の態様のいずれか1つにおいて、
前記ケーシング(50,111)は、前記第2開口部(52)が形成されると共に前記検出部(110a)に連通する筒部(62)を有する。
【0021】
第8の態様では、筒部(62)を通過する空気がケーシング(50,111)内に流入する際に動圧が低減され風速を低下できる。これにより、検出部(110a)に作用する空気による圧力を抑えることができ冷媒の誤検知を抑制できる。
【0022】
第9の態様は、第8の態様において、
前記筒部(62)は、前記空気通路(19)向かって順に形成される第1筒部(62a)と第2筒部(62b)とを有し、
前記第2筒部(62b)の流路断面積は、第1筒部(62a)の流路断面積よりも大きくなるように形成され、
前記第2開口部(52)は、前記第2筒部(62b)に形成される。
【0023】
第9の態様では、第2筒部(62b)から第1筒部(62a)に空気が流入する際に圧力損失が生じ全圧を低減できる。これにより第1筒部(62a)からケーシング(50,111)に流入する空気の動圧が低減されるため風速を低下できる。
【0024】
第10の態様は、第4~第9の態様のいずれか1つにおいて、
前記第2開口部(52)の開口面は、前記空気通路(19)における空気流れに対して傾斜するように形成され、前記空気通路(19)の空気に含まれる異物の流入を抑制する抑制部(55)を備える。
【0025】
第10の態様では、第2開口部(52)の開口面積を大きくできるため空気を多く取り込むことができる。また、抑制部(55)により空気中に含まれる異物が検出部(110a)に届くのを抑制できるため冷媒の誤検知や検出部(110a)の故障を抑制できる。
【0026】
第11の態様は、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、
前記ケーシング(50,111)には、前記空気通路(19)の空気を前記第1開口部(51)に吸い込ませる第2搬送器(130)が設けられる。
【0027】
第11の態様では、第2搬送器(130)により第1開口部(51)に空気を強制的に吸い込ませることができる。これにより、空気通路(19)の底面に溜まる冷媒を含む空気を冷媒センサ(110)に搬送できる。
【0028】
第12の態様は、第11の態様において、
前記第1搬送器(30)は、該第1搬送器(30)を駆動する第1電動機(30b)を有し、
前記第2搬送器(130)は、該第2搬送器(130)を駆動する第2電動機(130a)を有し、
前記第1電動機(30b)および前記第2電動機(130a)には互いに異なる電源から電力が供給される。
【0029】
第12の態様では、第2搬送器(130)と第1搬送器(30)とを異なる電源に接続することで、第1搬送器(30)が停止時でも第2搬送器(130)を運転でき、冷媒漏洩の検知が可能となる。
【0030】
第13の態様は、第11または第12の態様において、
前記第2搬送器(130)は、前記空気通路(19)の底面から前記第1開口部(51)までの高さ位置が1m以下の空気を吸い込む。
【0031】
第13の態様では、空気通路(19)の底面からの高さ位置が1m以下に溜まる冷媒を検知できる。
【0032】
第14の態様は、第11~第13の態様のいずれか1つにおいて、
前記ケーシング(50,111)は、前記第1開口部(51)に吸い込まれた空気を前記空気通路(19)に吹き出す第3開口部(73)と有し、
前記第3開口部(73)は、前記第1開口部(51)と同じ高さ位置またはそれよりも下方に配置される。
【0033】
第1搬送器(30)の運転中では、第1開口部(51)に生じる圧力は空気流れの下流側にある第3開口部(73)に生じる圧力と同じまたはそれよりも高い。そのため、第2搬送器(130)は第1開口部(51)から空気を吸引するため第2搬送器(130)の運転負荷を抑えることができる。
【0034】
第15の態様は、第1~第14の態様のいずれか1つにおいて、
前記コンテナ(1)は、庫外空間(5)と前記空気通路(19)とを隔てる壁部(16a)を有し、
前記ケーシング(50,111)は、前記壁部(16a)に設けられる。
【0035】
第14の態様では、コンテナ(1)の庫内に入らなくても庫外から検出部(110a)をメンテナンスできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、実施形態に係るコンテナ用冷凍装置を前面から見る斜視図である。
図2図2は、コンテナ用冷凍装置の縦断面図である。
図3図3は、コンテナ用冷凍装置の配管系統図である。
図4図4は、コンテナ用冷凍装置の制御部と、他の機器との関係を示すブロック図である。
図5図5は、図2の破線で囲った部分を拡大した図である。
図6図6は、変形例1にかかるコンテナ用冷凍装置の図5に相当する縦断面図である。
図7図7は、変形例2にかかるコンテナ用冷凍装置の図2に相当する縦断面図である。
図8図8は、図7の破線で囲った部分を拡大した図である。
図9図9は、変形例2にかかるセンサケーシングの縦断面の斜視図である。
図10図10は、変形例3にかかるコンテナ用冷凍装置の図2に相当する縦断面図である。
図11図11は、変形例3のセンサケーシングの斜視図である。
図12図12は、図10の破線で囲った部分を拡大した図である。(A)は図11のA-A矢視線断面を示す図である。(B)は図11のB-B矢視線段面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において、組み合わせたり、一部を置換したりできる。
【0038】
(1)コンテナの全体構成
コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ(1)に適用される。本実施形態のコンテナ(1)の全体構成について図1図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」に関する語句は、図1の矢印で示す方向を基準とする。
【0039】
コンテナ(1)は、海上輸送に用いられる。コンテナ(1)は、その内部の空気を冷却する冷凍コンテナである。コンテナ(1)は、コンテナ本体(2)と、コンテナ用冷凍装置(10)とを有する。図2に示すように、コンテナ本体(2)の庫内は、収容空間(3)と該収容空間(3)に連通する空気通路(19)とに区画される。収容空間(3)は、食品や植物などの対象物を貯蔵する。コンテナ用冷凍装置(10)は、収容空間(3)を冷却する。コンテナ本体(2)の前面には、前面開口(4)が形成される。コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナ本体(2)の前面開口(4)を塞ぐように、コンテナ本体(2)に取り付けられる。
【0040】
(2)コンテナ用冷凍装置
コンテナ用冷凍装置(10)は、コンテナケーシング(11)を有する。コンテナケーシング(11)は、コンテナ本体(2)の前面開口(4)の蓋を構成する。コンテナケーシング(11)は、ケーシング本体(12)と仕切板(13)とを有する。ケーシング本体(12)は、コンテナ本体(2)の外部空間である庫外空間(5)と、収容空間(3)とを仕切る。仕切板(13)は、コンテナケーシング(11)の背面側(後側)に位置する。
【0041】
コンテナ用冷凍装置(10)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路(R)を備える。コンテナ用冷凍装置(10)は、庫外に配置される機器として、圧縮機(25)、庫外熱交換器(26)、および庫外ファン(27)を有する。コンテナ用冷凍装置(10)は、庫内に配置される機器として、庫内熱交換器(29)および庫内ファン(30)を有する。
【0042】
(2-1)ケーシング本体
図2に示すように、ケーシング本体(12)は、平板部(12a)と凹部(12b)とを有する。平板部(12a)は、コンテナケーシング(11)の前面開口(4)と略面一になるようにケーシング本体(12)の上部に形成される。図1に示すように、平板部(12a)には、点検窓(22)と換気装置(40)とが設けられる。点検窓(22)は、平板部(12a)の右寄りの部分に配置される。換気装置(40)は、平板部(12a)の左寄りの部分に配置される。点検窓(22)は、ケーシング本体(12)の内部を確認するための透明の窓である。換気装置(40)は、収容空間(3)の換気を行う。
【0043】
凹部(12b)は、コンテナケーシング(11)の下部に形成される。凹部(12b)は、平板部(12a)の下端から後方に向かって凹んでいる。凹部(12b)の前側には、庫外収容空間(14)が形成される。凹部(12b)の上方であって平板部(12a)と仕切板(13)の間には、庫内収容空間(15)が形成される。凹部(12b)の下端は、底板(12c)を構成する。底板(12c)は、ケーシング本体(12)の左右の両端に亘って延びている。
【0044】
ケーシング本体(12)は、庫外ケーシング(16)と、断熱層(17)と、庫内ケーシング(18)とが厚さ方向(前後方向)に積層されて構成される。庫外ケーシング(16)は、庫外空間(5)に面している。庫内ケーシング(18)は、庫内に面している。このように凹部(12b)は、上下方向に延びる庫外ケーシング(16)の側壁(16a)と庫内ケーシング(18)の側壁とを有する。庫外ケーシング(16)の上下方向に延びる側壁(16a)は、庫外空間(5)と空気通路(19)とを隔てる壁部(16a)の一例である。断熱層(17)は、庫外ケーシング(16)と庫内ケーシング(18)との間に設けられる。庫外ケーシング(16)は、アルミニウム材料によって構成される。庫内ケーシング(18)は、強化繊維プラスチック(FRP)によって構成される。断熱層(17)は、発泡樹脂によって構成される。
【0045】
(2-2)仕切板および空気通路
図2に示すように、仕切板(13)は、凹部(12b)の後側に位置する板状の部材である。仕切板(13)は、凹部(12b)の後面と所定の間隔を置くように上下方向に延びている。ケーシング本体(12)と仕切板(13)との間には、庫内空気が流れる空気通路(19)が形成される。仕切板(13)の上端とコンテナ本体(2)の上壁(2a)との間には、流入口(20)が形成される。流入口(20)は、収容空間(3)と空気通路(19)の流入端とを連通する。仕切板(13)の下端とコンテナ本体(2)の下壁(2b)との間には、流出口(21)が形成される。流出口(21)は、収容空間(3)と空気通路(19)の流出端とを連通する。空気通路(19)では上下方向に空気が流れる。具体的に、空気通路(19)では鉛直方向に空気が流れる。
【0046】
(2-3)庫外空間の要素部品
庫外収容空間(14)には、圧縮機(25)と、庫外熱交換器(26)と、庫外ファン(27)とが設けられる。圧縮機(25)は、コンテナケーシング(11)の底板(12c)の上に設置される。圧縮機(25)は、庫外収容空間(14)の下部寄りに配置される。圧縮機(25)は、庫外収容空間(14)の右寄りに配置される。
【0047】
庫外ファン(27)は、庫外収容空間(14)における上部寄りに位置する。庫外ファン(27)は、庫外ファン本体(27a)および庫外ファンモータ(27b)を有する。庫外ファン本体(27a)は、プロペラファンである。庫外ファンモータ(27b)は通電されることで庫外ファン本体(27a)を駆動する。図2に示すように、庫外ファン(27)の裏側には、庫外空気が流れる外部通路(28)が形成される。
【0048】
庫外熱交換器(26)は、庫外収容空間(14)において、庫外ファン(27)と圧縮機(25)の間の高さ位置に設けられる。庫外熱交換器(26)は、外部通路(28)に位置する。庫外熱交換器(26)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。
【0049】
(2-4)庫内空間の要素部品
空気通路(19)には、庫内熱交換器(29)および庫内ファン(30)が設けられる。具体的に、庫内熱交換器(29)および庫内ファン(30)は、空気通路(19)の一部である庫内収容空間(15)に設けられる。庫内熱交換器(29)は、ケーシング本体(12)と仕切板(13)とに亘るようにコンテナケーシング(11)に支持される。庫内熱交換器(29)は、フィンアンドチューブ式の熱交換器である。庫内熱交換器(29)は熱交換器(29)の一例である。
【0050】
庫内ファン(30)は、コンテナ(1)の庫内の空気を収容空間(3)と空気通路(19)との間で循環させる。庫内ファン(30)は、庫内ファン本体(30a)および庫内ファンモータ(30b)を有する。庫内ファン本体(30a)は、プロペラファンである。庫内ファンモータ(30b)は通電されることで庫内ファン本体(30a)を駆動する。庫内ファンモータ(30b)は、第1電動機(30b)の一例である。
【0051】
(2-5)冷媒回路
図3に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、冷媒回路(R)を有する。冷媒回路(R)には、冷媒が充填される。冷媒回路(R)は、冷媒が循環することで蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
【0052】
冷媒回路(R)の冷媒は、空気よりも密度が大きい。本実施例の冷媒には、2,3,3,3テトラフルオロプロペン(以下ではR1234yf冷媒またはR1234yfと呼ぶ場合がある)が使用される。冷媒は、ジフルオロメタン(R32)、1,3,3,3テトラフルオロプロペン(R1234ze)であってもよい。冷媒は、単一冷媒であってもよいし、他の冷媒を混合した混合冷媒であってもよい。混合冷媒は、2,3,3,3テトラフルオロプロペン(R1234yf)、と、ジフルオロメタン(R32)との2種からなる冷媒であってもよい。混合冷媒は、78.5重量%の2,3,3,3テトラフルオロプロペン(R1234yf)と、21.5重量%のジフルオロメタン(R32)との2種からなる冷媒(R454C)であってもよい。冷媒は、可燃性の冷媒であってもよい。可燃性の冷媒は、強燃性の自然冷媒であるプロパン(R290)、メタン(R50)、エタン(R170)、ブタン(R600)、イソブタン(R600a)でもよいし、アンモニア(R717)でもよい。また、冷媒は、自然冷媒である二酸化炭素(CO)でもよい。
【0053】
冷媒回路(R)は、主として、圧縮機(25)と、庫外熱交換器(26)と、膨張弁(31)と、庫内熱交換器(29)とを有する。
【0054】
圧縮機(25)は、吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機(25)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(25)の吐出部には、吐出管(32)が接続される。圧縮機(25)の吸入部には、吸入管(33)が接続される。吸入管(33)には、アキュムレータ(34)が設けられる。アキュムレータ(34)は、液冷媒を貯める容器である。
【0055】
庫外熱交換器(26)は、その内部を流れる冷媒と、庫外空気とを熱交換させる。庫外熱交換器(26)のガス端は、吐出管(32)と連通する。庫外熱交換器(26)の液端は、液管(35)を介して庫内熱交換器(29)の液端と接続する。庫外熱交換器(26)は、冷媒が空気へ放熱する放熱器(凝縮器)として機能する。
【0056】
膨張弁(31)は、液管(35)に設けられる。膨張弁(31)は、高圧冷媒を低圧冷媒まで減圧する。膨張弁(31)は、開度が調整可能な電子膨張弁である。液管(35)における庫外熱交換器(26)と膨張弁(31)との間には、レシーバ(36)が設けられる。レシーバ(36)は、冷媒回路(R)の余剰の冷媒を貯める容器である。
【0057】
庫内熱交換器(29)は、その内部を流れる冷媒と、庫内空気とを熱交換させる。庫内熱交換器(29)のガス端は、吸入管(33)と連通する。庫内熱交換器(29)は、冷媒が空気から吸熱する蒸発器として機能する。
【0058】
冷媒回路(R)は、バイパス管(37)を有する。バイパス管(37)の流入端は、吐出管(32)と連通し、バイパス管(37)の流出端は、液管(35)と連通する。バイパス管(37)は、圧縮機(25)から吐出された冷媒を、庫外熱交換器(26)をバイパスして庫内熱交換器(29)に送る。
【0059】
冷媒回路(R)には、第1弁(38)と第2弁(39)とが設けられる。第1弁(38)は、圧縮機(25)の吐出側と庫外熱交換器(26)のガス端との間で、且つバイパス管(37)の接続部よりも下流側に設けられる。第2弁(39)は、バイパス管(37)に設けられる。第1弁(38)および第2弁(39)は、電磁開閉弁で構成される。第1弁(38)や第2弁(39)は、開度が調節可能な流量調節弁であってもよい。
【0060】
(2-6)運転動作
コンテナ用冷凍装置(10)は、冷却運転とデフロスト運転とを行う。
【0061】
冷却運転時には、圧縮機(25)で圧縮された冷媒が、庫外熱交換器(26)で凝縮し、膨張弁(31)で減圧され、庫内熱交換器(29)で蒸発する冷凍サイクルが行われる。収容空間(3)から空気通路(19)に流出した空気は、蒸発器として機能する庫内熱交換器(29)で冷却される。冷却された空気は、収容空間(3)に送られる(図2の矢印参照)。
【0062】
デフロスト運転時には、圧縮機(25)で圧縮された冷媒が、バイパス管(37)を流れて、庫内熱交換器(29)を流れる。庫内熱交換器(29)の表面の霜は、庫内熱交換器(29)の内部を流れる冷媒の熱によって融ける。
【0063】
(3)制御部
図4に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、制御部(100)を備える。制御部(100)は、コンテナ用冷凍装置(10)を制御する。制御部(100)は、マイクロプロセッサ(Micro Processor)、電気回路、電子回路を含む。マイクロプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、通信インターフェース、アナログ入出力、および接点入出力インターフェースを含む。メモリには、CPUが実行するための各種のプログラム、およびプログラムが使用するデータが記憶されている。
【0064】
制御部(100)は、コンテナ用冷凍装置(10)の機械要素を制御する。図4に示すように、この目標値は、コンテナ用冷凍装置(10)のユーザが、操作部(101)を介して任意に設定できる値であってもよい。操作部(101)は、例えばコンテナ用冷凍装置(10)に設けられるタッチパネル、リモートコントローラ、ディップスイッチで構成される。操作部(101)は、ネットワークを介してコンテナ用冷凍装置(10)と接続する通信端末であってもよい。目標値は、ユーザが必ずしも設定しなくてもよく、例えば運転モードや運転条件に応じて制御部(100)が自動的に決定する値であってもよい。
【0065】
(4)冷媒センサ
図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は冷媒センサ(110)を備える。冷媒センサ(110)は、コンテナ(1)庫内において冷媒回路(R)からの漏洩した冷媒を検出する。具体的に、冷媒センサ(110)は、空気通路(19)を流れる空気に含まれる冷媒を検出する。以下では、漏洩した冷媒を含む空気および漏洩した冷媒を含まない空気を総称して空気と呼ぶ場合がある。
【0066】
本実施形態の冷媒センサ(110)は、熱伝導式のガスセンサである。図5に示すように冷媒センサ(110)は、ハウジング(111)、検出素子(110a)および検出基板(110b)を有する。ハウジング(111)は、検出素子(110a)および検出基板(110b)を収容する。ハウジング(111)の詳細は後述する。検出素子(110a)は、検出部(110a)の一例である。検出素子(110a)は、空気や冷媒ガスなどの気体の熱伝導率を検知する。このように検出素子(110a)は、コンテナ(1)の庫内に漏洩する冷媒を検出する。検出基板(110b)は、検出素子(110a)が検出する空気と冷媒との熱伝導率の差を検出する。この熱伝導率の差が大きくなるほど検出された空気中の冷媒濃度が高くなる。検出基板(110b)は、冷媒濃度を示す所定の信号を制御部(100)へ出力する。
【0067】
(4-1)センサケーシング
図5に示すように、本実施形態のコンテナ用冷凍装置(10)は、冷媒センサ(110)を収容するセンサケーシング(50)を備える。
【0068】
センサケーシング(50)は、庫外ケーシング(16)の側壁に設けられる。具体的に、センサケーシング(50)は、前後方向に並ぶ庫外ケーシング(16)の側壁(16a)と庫内ケーシング(18)の側壁とを貫通するように設けられる。センサケーシング(50)の前面は庫外収容空間(14)に露出し、後面(56a)は空気通路(19)に露出する。言い換えると、センサケーシング(50)の前面は庫外空間(5)に露出する。
【0069】
図2に示すように、センサケーシング(50)は庫外熱交換器(26)よりも下方に配置される。好ましくは、センサケーシング(50)は、庫外ケーシング(16)を正面に見て圧縮機(25)と同じ高さ位置に配置される。より好ましくは、センサケーシング(50)は、庫外ケーシング(16)を正面に見て底板(12c)の近傍の高さ位置に配置される。センサケーシング(50)は、底板(12c)に接するように配置されてもよい。
【0070】
センサケーシング(50)は、庫内ファン(30)の下方に配置される。センサケーシング(50)は、庫内熱交換器(29)の下方に配置される。センサケーシング(50)には冷媒センサ(110)が収容されるため、検出素子(110a)は庫内熱交換器(29)よりも下方に配置される。
【0071】
図5に示すようにセンサケーシング(50)は、本体部(56)および蓋部(57)を有する。本体部(56)は、前方か開放された箱状に形成される。本体部(56)は、蓋部(57)を固定するための第1フランジ部(56b)を有する。第1フランジ部(56b)は、本体部(56)の前面の開口縁から外側に向かって延びるように形成される。
【0072】
本体部(56)は第1挿通孔(58)を有する。第1挿通孔(58)は、本体部(56)の後面(56a)に形成される。第1挿通孔(58)は、本体部(56)の内側と空気通路(19)とを連通する。第1挿通孔(58)は、後述するハウジング(111)の第2収容部(111b)が挿通する孔である。
【0073】
蓋部(57)は、概ね矩形に形成された板状部材である。蓋部(57)は、本体部(56)の前面の開口を塞ぐ。蓋部(57)は、第1フランジ部(56b)に接する。締結部材であるボルト(90)が蓋部(57)と第1フランジ部(56b)を挿通することで、蓋部(57)および本体部(56)が互いに固定される。センサケーシング(50)がケーシング本体(12)に取り付けられた状態で、本体部(56)の後面(56a)は空気通路(19)内に露出している。センサケーシング(50)がケーシング本体(12)に取り付けられた状態で、蓋部(57)は庫外収容空間(14)に露出する。
【0074】
(4-2)ハウジング
ハウジング(111)は、検出基板(110b)を収容する第1収容部(111a)と、検出素子(110a)およびフィルタ(112)を収容する第2収容部(111b)とを有する。
【0075】
第1収容部(111a)は、扁平な箱状に形成される。第1収容部(111a)は、本体部(56)内の空間に配置される。具体的に、第1収容部(111a)は、本体部(56)内において後面(56a)寄りに配置される。
【0076】
第2収容部(111b)は、筒状に形成される。第2収容部(111b)は、第1収容部(111a)から空気通路(19)内に向かって延びる。具体的に、第2収容部(111b)は、第1収容部(111a)から第1挿通孔(58)を挿通し、空気通路(19)に向かって水平方向に延びる。第2収容部(111b)の先端部分は、空気通路(19)内に突出している。第2収容部(111b)の先端には、第1開口部(51)が形成される。第1開口部(51)は、検出素子(110a)と空気通路(19)とを連通する。本実施形態ではセンサケーシング(50)およびハウジング(111)が本開示のケーシング(11,50)に対応する。
【0077】
第1開口部(51)は水平方向に向かって開口する(図5中の二点鎖線の矢印の向き)。「第1開口部(51)が水平方向に向かう」は、第1開口部(51)の開口面は水平方向対して傾斜していないという意味である。また、「第1開口部(51)が水平方向に向かう」は、第1開口部(51)の開口面は、水平方向に対して垂直な面(鉛直面)に形成されるという意味である。
【0078】
また、第1開口部(51)は、空気通路(19)の空気流れに直交する向きに開口する。本「第1開口部(51)が空気通路(19)の空気流れに直交する」は、第1開口部(51)の開口面は空気流れに沿うように形成され、空気の流れ方向に対して傾いていないという意味である。また、「第1開口部(51)が空気通路(19)の空気流れに直交する」は、第1開口部(51)の開口面が空気流れの上流側にも下流側にも向いていないという意味である。
【0079】
フィルタ(112)および検出素子(110a)は、第2収容部(111b)内において順に第1開口部(51)から第1収容部(111a)に向かって配置される。フィルタ(112)は第1開口部(51)付近に配置され、検出素子(110a)は第1収容部(111a)付近に配置される。これにより、フィルタ(112)は、空気通路(19)から第1開口部(51)に流入する空気に含まれる塵埃を捕捉する。
【0080】
(4-3)空気通路における空気流れ
庫内ファン(30)の運転中は、空気通路(19)内において上方から下方へ流れる気流が生じる(図5中の実線矢印の向き)。例えば庫内熱交換器(29)から漏れ出した冷媒は庫内熱交換器(29)を通過する空気に混ざって空気通路(19)を流れる。第1開口部(51)は、空気通路(19)に対して直交する向きに開口しているため、冷媒を含む空気の一部は冷媒センサ(110)の第1開口部(51)に流れ込み検出素子(110a)に接触する。このように庫内ファン(30)の運転中において空気中に漏れた冷媒を検出できる。
【0081】
庫内ファン(30)の停止中は、空気通路(19)には庫内ファン(30)による気流が生じない。この場合において、庫内熱交換器(29)から漏洩した冷媒は、庫内の底面に溜まっていき、その後徐々に上方に向かって拡散する(図5中の破線矢印の向き)。このとき、第1開口部(51)は、空気通路(19)に対して直交する向きに開口しているため、冷媒を含む空気は、空気通路(19)を下方から徐々に上昇していく過程で第1開口部(51)に流入し、検出素子(110a)に接触する。
【0082】
(5)特徴
(5-1)特徴1
本実施形態のコンテナ用冷凍装置(10)は、庫内熱交換器(29)よりも下方に配置され、コンテナ(1)庫内に漏洩する冷媒を検出する検出素子(110a)(検出部(110a))と、検出素子(110a)を収容するハウジング(111)およびセンサケーシング(50)(ケーシング(111,50))とを備える。ハウジング(111)は、検出素子(110a)と空気通路(19)とを連通する第1開口部(51)を有し、第1開口部(51)は、空気通路(19)側から見て水平方向に向かって開口する。
【0083】
本実施形態によると、第1開口部(51)は水平方向に向かって開口しているため、第1搬送器(30)の停止時に、コンテナ(1)庫内下部に溜まった漏洩冷媒が上方に向かって拡散していく過程で該冷媒が第1開口部(51)に入りやすくなる。これにより、検出素子(110a)がコンテナ(1)の庫内に漏洩した冷媒を検知するまでの時間を短縮でき、漏洩した冷媒を比較的速やかに検出することができる。
【0084】
(5-2)特徴2
本実施形態のコンテナ用冷凍装置(10)では、第1開口部(51)は、空気通路(19)における空気流れに直交する向きに向かって開口する。
【0085】
空気通路(19)を流れる空気によって検出部(110a)に作用する圧力が増大すると、検出部(110a)は冷媒を誤検知しやすくなる。このことに対して本実施形態では、第1開口部(51)は空気通路(19)の空気流れに直交する向きに開口しているため、このような第1開口部(51)に作用する圧力を抑制できる。これにより冷媒の誤検知を抑制できる。
【0086】
(5-3)特徴3
本実施形態では、センサケーシング(50)は、庫外ケーシング(16)の側壁(16a)に設けられる。これにより、コンテナ(1)の庫内内に入らなくても庫外から冷媒センサ(110)をメンテナンスできる。
【0087】
(6)変形例
上記実施形態の変形例について説明する。以下では、上記実施形態と異なる構成について説明する。
【0088】
(6-1)変形例1
図6に示すように、変形例1のコンテナ用冷凍装置(10)は、風除板(120)を備える。風除板(120)は、圧力低減部(120)の一例である。風除板(120)は、空気通路(19)内において第1開口部(51)の上方に配置される。空気通路(19)内では、庫内ファン(30)により上方から下方に向かって気流が形成される。風除板(120)は、第1開口部(51)に向かう空気の流れを邪魔する板部材である。別の言い方をすると、風除板(120)は、第1開口部(51)に向かう空気の流れの一部を遮る板部材である。さらに別の言い方をすると、風除板(120)は、気流により第1開口部(51)に作用する動圧を抑える板部材である。
【0089】
具体的に、風除板(120)は、空気通路(19)の上から見て第2収容部(111b)の先端が隠れるようにセンサケーシング(50)の後面(56a)から後方へ立設する。風除板(120)は、その板面が空気通路(19)の長手方向または気流の向きに対して、直交または斜交するように設置される。言い換えると、風除板(120)は、その板面が空気通路(19)の長手方向または気流の向きに平行になるように設置されない。
【0090】
風除板(120)は、第1開口部(51)に作用する動圧を抑える位置にあればよい。第1開口部(51)に対する気流の影響の受けにくさを考慮すると、風除板(120)は第1開口部(51)に近い位置にあるほど好ましい。
【0091】
風除板(120)は、第1開口部(51)に作用する動圧を抑える形状であればよい。第1開口部(51)に対する気流の影響の受けにくさを考慮すると、空気通路(19)の気流の妨げとならない範囲で、風除板(120)の板面は大きいほど好ましい。
【0092】
風除板(120)により、空気通路(19)を流れる空気の一部が風除板(120)に接触すると、該空気の速度が抑えられる。これにより、風除板(120)と第1開口部(51)との間の空気の速度はその回りの空気の速度よりも低くなる。このように第1開口部(51)に対する動圧が低減する。このように、風除板(120)は、空気通路(19)に配置され、第1搬送器(30)により搬送される空気によって第1開口部(51)に作用する圧力を低減する。
【0093】
(6-2)変形例2
図7図9に示すように、変形例2のセンサケーシング(50)は、上記実施形態のセンサケーシング(50)と異なる構成を有する。変形例2ではセンサケーシング(50)が本開示のケーシング(50)に対応する。変形例2のセンサケーシング(50)は、本体部(56)が庫外ケーシング(16)内に配置される。具体的に、センサケーシング(50)は、本体部(56)が庫外ケーシング(16)の側壁(16a)に固定される。
【0094】
変形例2のセンサケーシング(50)の蓋部(57)は、矩形のトレー状に形成される。蓋部(57)は、冷媒センサ(110)を固定する固定板(57a)および該固定板(57a)の外周縁から本体部(56)に向かって立設する周壁(57b)を有する。蓋部(57)と本体部(56)とは締結部材(図示省略)により互いに固定される。
【0095】
変形例2では冷媒センサ(110)は、その全体がセンサケーシング(50)内に収容されるように配置される。具体的に、ハウジング(111)の第1収容部(111a)は、固定板(57a)に固定される。第1収容部(111a)は固定板(57a)の中央寄りに配置される。ハウジング(111)の第2収容部(111b)は、その先端が空気通路(19)に向くように本体部(56)内に収容される。
【0096】
図9に示すように、変形例2の本体部(56)は第2フランジ部(56c)、取付部(59)、第1通風部材(61)、第2通風部材(62)および受け部(53)を有する。
【0097】
第2フランジ部(56c)は、庫外ケーシング(16)に固定される部分である。具体的に、第2フランジ部(56c)は、本体部(56)の後面(56a)の左側方および右側方のそれぞれへ延びるように形成される。第2フランジ部(56c)には取付孔(H)が形成される。ボルトなどの締結部材(図示省略)が取付孔(H)と庫外ケーシング(16)の側壁(16a)とを挿通することで、センサケーシング(50)は庫外ケーシング(16)に固定される。
【0098】
図8および図9に示すように、取付部(59)は第1通風部材(61)が取り付けられる領域である。取付部(59)は、後面(56a)の下部に形成される。取付部(59)は、凹むように形成される。取付部(59)には、第1連通穴(81)が形成される。第1連通穴(81)は、本体部(56)の内部と第1通風部材(61)とを連通する円形の開口である。第1連通穴(81)は、後面(56a)の下端に接するように形成される。
【0099】
本体部(56)の後面(56a)には第2連通穴(82)が形成される。第2連通穴(82)は、第2通風部材(62)の一端が挿入される開口である。第2連通穴(82)は後面(56a)の上部に形成される。第2連通穴(82)は左右方向に延びる長孔である。第2連通穴(82)と第2通風部材(62)との間には隙間が形成される。この隙間は、第2通風部材(62)の下方および左右側方に形成される。
【0100】
第1通風部材(61)および第2通風部材(62)は、筒状に形成される。第1通風部材(61)および第2通風部材(62)の両端は開口する。第1通風部材(61)および第2通風部材(62)は、本体部(56)の内部空間と空気通路(19)とを連通する。第1通風部材(61)および第2通風部材(62)は、空気通路(19)から取り込んだ空気を本体部(56)内の冷媒センサ(110)に供給すると共に、本体部(56)に取り込まれた空気を再び空気通路(19)に排出する。第1通風部材(61)および第2通風部材(62)は、本体部(56)の後面(56a)から空気通路(19)に向かって延びる。具体的に、第1通風部材(61)および第2通風部材(62)は、前後方向に隣り合う庫内ケーシング(18)の側壁および庫外ケーシング(16)の側壁を貫通するように設けられる。
【0101】
第1通風部材(61)は、本体部(56)の後面(56a)の下部から空気通路(19)に向かって斜め下方向に延びる。言い換えると、第1通風部材(61)は、庫内ファン(30)が運転しているときの空気通路(19)の空気流れの下流側に向かって延びる。
【0102】
第1通風部材(61)の一端は、本体部(56)内にある冷媒センサ(110)に向かって開口する。第1通風部材(61)の一端の開口は、第1連通穴(81)に連通する。第1通風部材(61)の一端は、取付部(59)に固定される。具体的に、第1通風部材(61)の一端には円板状の第3フランジ部(61a)が形成され、第3フランジ部(61a)が取付部(59)に接することで、第1通風部材(61)は本体部(56)に固定される。
【0103】
第1通風部材(61)の他端の開口は、第1開口部(51)に対応する。第1開口部(51)は、空気通路(19)に面する。第1開口部(51)は、水平方向に向かって開口する。具体的に、第1開口部(51)の開口面は、鉛直面となるように形成される。別の言い方をすると、第1開口部(51)の開口面は、空気通路(19)の空気流れに沿うように形成される。
【0104】
第2通風部材(62)は、筒部(62)の一例である。第2通風部材(62)は、本体部(56)から空気通路(19)向かって順に形成される第1筒部(62a)と第2筒部(62b)とを有する。
【0105】
第1筒部(62a)は、本体部(56)の後面(56a)の上部から空気通路(19)に向かって斜め上方向に延びる。第1筒部(62a)の一端は、第2連通穴(82)に挿入される。第1筒部(62a)の一端は、本体部(56)の内側に配置される。第1筒部(62a)の一端は、本体部(56)の内側で冷媒センサ(110)に向かって開口している。第1筒部(62a)の一端は、第2連通穴(82)の上端の縁に接するように配置される。
【0106】
第2筒部(62b)は、第1筒部(62a)に接続される。第2筒部(62b)の流路断面積は、第1筒部(62a)の流路断面積よりも大きくなるように形成される。流路断面積は、筒軸方向に直交する断面に形成される開口面積である。第2筒部(62b)は空気通路(19)の内面を構成する庫内ケーシング(18)の側壁内面に沿って上方へ延びる。言い換えると、第2筒部(62b)は、第1筒部(62a)の一端から空気通路(19)を垂直に上方へ延びる。図8に示すように、上下方向に延びる第2筒部(62b)の側面のうち仕切板(13)側の側面の下部は湾曲して第1筒部(62a)に接続する。このような湾曲した形状により、第2筒部(62b)内を通過する空気は第1筒部(62a)へ案内されやすくなる。
【0107】
第2筒部(62b)の一端には第2開口部(52)が形成される。第2開口部(52)は、空気通路(19)における空気流れの上流側に向かって開口する。第2開口部(52)は、空気通路(19)内で上方を向いている。このように、センサケーシング(50)は、第2開口部(52)を有する。第2開口部(52)は、検出素子(110a)と空気通路(19)とを連通する。第2通風部材(62)は、第2開口部(52)を有し、検出素子(110a)に連通する。
【0108】
第2開口部(52)は、庫内熱交換器(29)の下方に配置される。すなわち、第2開口部(52)は、庫内ファン(30)の下方に配置される。第1開口部(51)は第2開口部(52)の下方に配置されるため、第1開口部(51)および第2開口部(52)は、庫内ファン(30)の下方に配置される。
【0109】
第2開口部(52)は、その開口面が空気通路(19)における空気流れに対して傾斜するように形成される。具体的に図7および図8に示すように、空気通路(19)の縦断面において第2筒部(62b)は空気通路(19)において仕切板(13)よりも庫内ケーシング(18)の側壁の方に寄っており、第2開口部(52)の開口面は、庫内ケーシング(18)の側壁から仕切板(13)に向かうにつれて下方に向かって傾斜する。別の言い方をすると、第2開口部(52)は、空気通路(19)の縦断面において第2開口部(52)の開口面と空気通路(19)の庫内ケーシング(18)の側壁との間を成す角が鈍角となるように形成される。
【0110】
第2開口部(52)の開口面にはフィルタ部(55)が形成される。フィルタ部(55)は、空気通路(19)を流れる空気に含まれる異物が第2通風部材(62)に流入することを抑制する。フィルタ部(55)はメッシュ状に形成される。フィルタ部(55)は、抑制部(55)の一例である。
【0111】
図8および図9に示すように、受け部(53)は第2開口部(52)と検出素子(110a)との間において、空気通路(19)から第2開口部(52)に流入した水を受ける。具体的に、受け部(53)は、第2開口部(52)を介して第2通風部材(62)に流入する空気に含まれる水を受ける。受け部(53)は、第2連通穴(82)の開口縁のうち下側部分から本体部(56)の内側に向かって延びる。受け部(53)は、第2通風部材(62)の一端から本体部(56)内に流入する水を受けるように椀状に形成される。
【0112】
受け部(53)は、第2通風部材(62)の一端と冷媒センサ(110)との間を横切るように設けられる。言い換えると、受け部(53)は、第2通風部材(62)の一端と冷媒センサ(110)の第2収容部(111b)の先端との最短経路を横切るように設けられる。
【0113】
受け部(53)には、排出口(54)が形成される。排出口(54)は、受け部(53)に付着した水を本体部(56)の下方に排出する。排出口(54)は、前後方向に延びるスリット状に形成される。排出口(54)は複数形成されていてもよい。
【0114】
排出口(54)から排出された水は本体部(56)内を下方へ落下する。落下した水は、第1連通穴(81)を介して第1通風部材(61)を通過し空気通路(19)へ排出される。このように、排出口(54)は、第2開口部(52)と検出素子(110a)との間で、空気通路(19)から第2開口部(52)に流入した水を外部へ排出する。
【0115】
庫内ファン(30)の運転中において、空気通路(19)の上方から下方へ流れる空気の一部は、第2開口部(52)を介して第2通風部材(62)に流入する。第2筒部(62b)内を通過する空気が該第2筒部(62b)よりも細い第1筒部(62a)に流入する際に、空気に圧力損失が生じ、全圧が低下する。
【0116】
第1筒部(62a)から本体部(56)内に流入する空気は、第1筒部(62a)の開口よりも広い空間に吹き出されるため風速が低下する。これにより、本体部(56)内を流れる空気の風速が抑えられる。特に、第2通風部材(62)の開口と冷媒センサ(110)との間に配置される受け部(53)により、第2通風部材(62)の開口から冷媒センサ(110)に向かって吹き出す空気流れは遮られるため、検出素子(110a)を収容する第2収容部(111b)の先端に生じる動圧が抑えられる。
【0117】
本体部(56)内の空気の一部が第2収容部(111b)内に流入することで、検出素子(110a)はこの空気に接触する。これにより空気中の冷媒濃度を検知できる。本体部(56)を流れる空気は、第1連通穴(81)を介して第1通風部材(61)に流入し、第1開口部(51)から空気通路(19)へ排出される。
【0118】
庫内ファン(30)の停止中において、仮に冷媒が庫内熱交換器(29)周辺から漏れ始めたとする。冷媒は、コンテナ(1)庫内に底面に溜まっていき次第に庫内を上方に向かって拡散する。第1開口部(51)は、水平方向に開口しているため、空気通路(19)において下方から上方に向かって拡散していく冷媒を含む空気の一部は第1開口部(51)に流入する。第1通風部材(61)は、空気通路(19)から本体部(56)に向かって上方に延びるため、第1開口部(51)に流入した空気は第1通風部材(61)を通って本体部(56)内に流出する。本体部(56)内でも冷媒を含む空気は上昇し、その過程で第2収容部(111b)に流入した空気が第2収容部(111b)の検出素子に触れることで冷媒濃度が検知される。本体部(56)内の空気は第2連通穴(82)を介して第2通風部材(62)を流通し、第2開口部(52)から空気通路(19)内に流出する。
【0119】
変形例2では、センサケーシング(50)は本体部(56)に連通する第2通風部材(62)を有する。第2通風部材(62)の内径は比較的小さいため、第2通風部材(62)から本体部(56)内に流出する空気の風速が抑えられる。これにより、冷媒センサ(110)の検出素子(110a)に作用する圧力も低減されるため、冷媒の誤検知を抑制できる。
【0120】
変形例2では、第2通風部材(62)は第1筒部(62a)および第2筒部(62b)を有する。第1筒部(62a)の流路断面積は第2筒部(62b)の流路断面積よりも小さいため、空気が第2筒部(62b)から第1筒部(62a)に流入する際に圧力損失が生じ、全圧が低下する。全圧が低下することで、第1筒部(62a)から比較的広い空間である本体部(56)に空気が流入する際の動圧を低減でき、ひいては風速を低下できる。具体的に説明すると、仮に筒部(62)が第1筒部(62a)を有さず第2筒部(62b)のみで構成されていた場合、筒部(62)を通過する空気の圧力損失は抑えられてしまい全圧の低下が抑制される。その結果、本体部(56)に流入する空気の動圧は低減されにくくなるが、本例では、第2筒部(62b)から第1筒部(62a)に流入する空気の全圧が低下するため、その分本体部(56)に空気が流入する際の動圧も低減できる。
【0121】
変形例2では、第2開口部(52)は、空気通路(19)における空気流れの上流側に向かって開口する。そのため、庫内ファン(30)の運転中、空気流れによる動圧を利用して第2開口部(52)から空気を取り込みやすくできる。また、庫内ファン(30)の停止中、空気の自然拡散を利用して第1開口部(51)から空気を取り込みやすくできる。このように庫内ファン(30)の運転中および停止中の両方において冷媒が漏洩してから検知するまでの時間を短縮できる。
【0122】
変形例2では、第1開口部(51)および第2開口部(52)は庫内ファン(30)の下方に配置される。これにより、空気通路(19)において、庫内ファン(30)の下方に配置されることで第2開口部(52)にかかる風圧が高くなり、第2開口部(52)は空気を取り込みやすくなる。
【0123】
変形例2では、第2開口部(52)は、その開口面が空気通路(19)における空気流れに対して傾斜するように形成される。第2開口部(52)の開口面の面積を大きくできるため、空気通路(19)を流れる空気を多く取込むことができる。第2開口部(52)の開口面は、庫内ケーシング(18)から仕切板(13)に向かって下方に傾斜しているため、空気通路(19)を流れる空気の通風抵抗を抑えることができる。
【0124】
変形例2では、第2開口部(52)の開口面には抑制部(55)が形成される。空気中に含まれる異物が検出素子(110a)に接触するのが抑制され、検出素子(110a)の故障や冷媒の誤検知を抑制できる。
【0125】
変形例2では、受け部(53)が第2連通穴(82)と冷媒センサ(110)と間を横切るように設けられる。受け部(53)により本体部(56)内に水が飛散することが抑制され、冷媒センサ(110)に水が付着することを抑制できる。また、受け部(53)により第2通風部材(62)から本体部(56)に流入する空気が直接冷媒センサ(110)に当たることを抑制できる。これにより、検出素子(110a)にかかる動圧を抑制できる。このように、受け部(53)により冷媒センサ(110)が故障したり、冷媒を誤検知したりすることを抑制できる。
【0126】
変形例2では、排出口(54)が受け部(53)に形成される。これにより、第2通風部材(62)から本体部(56)内に空気と共に流入した水を本体部(56)外へ排出できる。
【0127】
(6-3)変形例3
図10図12に示すように、変形例3のセンサケーシング(50)は、上記実施形態および上記各変形例のセンサケーシング(50)と異なる構成を有する。変形例3では、センサケーシング(50)が本開示のケーシング(50)に対応する。変形例3のセンサケーシング(50)は、本体部(56)が庫外ケーシング(16)内に配置される。具体的に、センサケーシング(50)は、本体部(56)が庫外ケーシング(16)の側壁の壁面に固定される。
【0128】
センサケーシング(50)は、本体部(56)および閉塞部(74)を有する。本変形例の本体部(56)は、後方が開放された箱状に形成される。言い換えると、本体部(56)の後面は、概ね全域に亘って開口している。閉塞部(74)は、本体部(56)の後面の開口を覆う。閉塞部(74)は本体部(56)に固定される。具体的に、本体部(56)の開口縁に第4フランジ部(56d)が形成され、締結部材であるボルト(90)が閉塞部(74)と第4フランジ部(56d)とを挿通する。
【0129】
図12に示すように、本体部(56)内には冷媒センサ(110)が配置される。冷媒センサ(110)は、本体部(56)の前壁に固定される。冷媒センサ(110)は、本体部(56)内を流れる空気が通過する位置に設けられる。第2本体部(56)内を流れる空気は、第2収容部(111b)内の検出素子(110a)に接触する。
【0130】
図11に示すように、センサケーシング(50)は第3通風部材(63)および第4通風部材(64)を有する。第3通風部材(63)および第4通風部材(64)は、筒状の部材である。第3通風部材(63)および第4通風部材(64)は、本体部(56)内と空気通路(19)とを連通する。第3通風部材(63)および第4通風部材(64)は、閉塞部(74)に形成される。
【0131】
第3通風部材(63)は、閉塞部(74)の下部から空気通路(19)に向かって概ね水平方向に延びた後、空気通路(19)内を下方に向かって延びる。具体的に、第3通風部材(63)は、本体部(56)内の下端から水平方向に延び、前後方向に並ぶ庫外ケーシング(16)の側壁と庫内ケーシング(18)の側壁とを貫通した後、空気通路(19)の下面から所定の高さ位置まで下方に延びる。
【0132】
第3通風部材(63)の端部の開口は、下方に向かって開口する。第3通風部材(63)の端部の開口は、本開示の第3開口部(73)に対応する。第3開口部(73)は、庫内ファン(30)の運転中の空気流れの下流側に向かって開口する。
【0133】
第3開口部(73)にはガード部(75)が設けられる。ガード部(75)には多数の細孔が形成される。これにより、第3通風部材(63)への塵埃等の異物の侵入が抑制される。
【0134】
第4通風部材(64)は、閉塞部(74)の上部から空気通路(19)に向かって概ね水平方向に延びた後、空気通路(19)内を下方に向かって延びる。具体的に、第4通風部材(64)は大径部(64a)および小径部(64b)を有する。大径部(64a)は、閉塞部(74)の上部に設けられ、水平方向に延びる。大径部(64a)の内径は、小径部(64b)および第3通風部材(63)の内径よりも大きい。大径部(64a)は、前後方向に並ぶ庫外ケーシング(16)の側壁と庫内ケーシング(18)の側壁とを貫通する。小径部(64b)は大径部(64a)に連続する。小径部(64b)は、空気通路(19)内を下方に延びる。本変形例では、小径部(64b)の端部の開口が第1開口部(51)に対応する。
【0135】
第1開口部(51)は、下方に向かって開口する。第1開口部(51)は、庫内ファン(30)の運転中の空気流れの下流側に向かって開口する。これにより、庫内熱交換器(29)から落下する水が第3開口部(73)内に流入することが抑制される。
【0136】
第1開口部(51)にはガード部(75)が設けられる。ガード部(75)により、第4通風部材(64)への塵埃等の異物の侵入が抑制される。
【0137】
本変形例では、第1開口部(51)は空気通路(19)の底面から1mの高さ位置に設けられる。第1開口部(51)は、第3開口部(73)よりも上方に配置される。言い換えると、第3開口部(73)は、第1開口部(51)よりも下方に配置される。
【0138】
図12に示すように、変形例3のコンテナ用冷凍装置(10)は、吸込ファン(130)を備える。吸込ファン(130)は、第2搬送器(130)の一例である。吸込ファン(130)は、空気通路(19)の空気を第1開口部(51)に吸い込ませる。
【0139】
吸込ファン(130)は、センサケーシング(50)に設けられる。具体的に、吸込ファン(130)は、本体部(56)内のうち大径部(64a)が接続する部分に設けられる。吸込ファン(130)が運転することで、本体部(56)には第4通風部材(64)から第3通風部材(63)に向かう空気流れが形成される。吸込ファン(130)は、吸込ファン本体(130b)および吸込ファンモータ(130a)を有する。
【0140】
吸込ファン本体(130b)はプロペラファンである。吸込ファン本体(130b)の大きさは、大径部(64a)の大きさよりも小さい。具体的に、吸込ファン本体(130b)の直径は大径部(64a)の内径よりも小さい。このように吸込ファン本体(130b)の直径を大径部(64a)の内径よりも大きくすることで、吸込ファン(130)が空気を吸い込む時の圧力損失を抑えることができる。
【0141】
吸込ファンモータ(130a)は、通電されることでファンを駆動する。吸込ファンモータ(130a)は、庫内ファンモータ(30b)に電力を供給する電源と異なる電源に接続される。このように庫内ファンモータ(30b)および吸込ファンモータ(130a)には互いに異なる電源から電力が供給される。第2電源は、電池などの交換可能なバッテリーであってもよい。
【0142】
本変形例では、吸込ファン(130)は、空気通路(19)の底面から第1開口部(51)までの高さ位置が1m以下の空気を吸い込む。次に本例の吸込ファン(130)の風速について説明する。
【0143】
吸い込む力に逆らう流体の重さ(kg・m/s)をWとし、吸込ファン(130)の吸い込む力(kg・m/s)をFfanとしたときに、W=Ffanが成り立つ。この関係を利用して、吸込ファン(130)の風速を求めることができる。具体的に、WおよびFfanはそれぞれ次の式(1)、式(2)により表される。
【0144】
【数1】
【0145】
【数2】
【0146】
ρair:空気の密度(kg/m)、ρyf:R1234yf冷媒の密度(kg/m)、g:重力加速度(m/s)、A:断面積(m)、h:流体を持ち上げる高さ(m)
式(1)、式(2)およびQ=A×vairに基づいて、vairは式(3)で表すことができる。
【0147】
【数3】
【0148】
空気の密度(ρair)は、乾燥空気の分子量、水蒸気の分子量、気体定数、温度、飽和水蒸気圧、気圧および相対湿度に基づいて求めることができる。1234yf冷媒の密度(ρyf)は、冷媒の分子量、気体定数、温度および気圧に基づいて求めることができる。空気密度をρair=0.65kg/mとしたとき、吸込ファン(130)が流体を1cm持ち上げるときの必要最低風速は式(4)で表すことができる。
【0149】
【数4】
【0150】
R1234yfの密度をρyf=3.95kg/mとしたとき、吸込ファン(130)が流体を1cm持ち上げるときの必要最低風速は、式(4)に基づいてvair=0.703m/sである。
【0151】
第1開口部(51)は空気通路(19)の底面から1mの高さ位置にあるため、吸込ファン(130)は、第1開口部(51)から1m下方にある流体を吸い込むのに必要な風速は、式(3)にh=1mを代入することにより式(5)で表すことができる。
【0152】
【数5】
【0153】
R1234yfの密度をρyf=3.95kg/mとしたとき、吸込ファン(130)が流体を1m下方の流体を吸い込む場合の必要風速は、式(5)に基づいてvair=7.03m/sである。
【0154】
このように、吸込ファン(130)の風速を7.03m/s以上とすることで空気通路(19)の底面に溜まった冷媒を含む空気を冷媒センサ(110)まで吸い上げることができるため、冷媒が漏洩してから冷媒を検出するまでの時間を短縮でき比較的速やかに冷媒の漏洩を検出することできる。
【0155】
本例の空気通路(19)の空気流れについて説明する。吸込ファン(130)は、庫内ファン(30)の運転中および停止中において常時運転しているものとする。
【0156】
図12(B)に示すように、庫内ファン(30)の運転中、空気通路(19)内を下方へ向かって流れる空気の一部は、吸込ファン(130)により第1開口部(51)を介して第4通風部材(64)に吸い込まれる。第4通風部材(64)に吸い込まれた空気は、本体部(56)に流入した後、本体部(56)内を第3通風部材(63)に向かって流れる。本体部(56)を流れる空気の一部は、冷媒センサ(110)の第2収容部(111b)に流入し検出素子(110a)に接触する。これにより冷媒センサ(110)は空気中に含まれる冷媒を検出する。第3通風部材(63)に流入した空気は、第3開口部(73)から空気通路(19)へ排出される。このように第3開口部(73)は、第1開口部(51)に吸い込まれた空気を空気通路(19)に吹き出す。庫内ファン(30)が停止中において、吸込ファン(130)により第1開口部(51)から吸い込まれた空気は、本体部(56)内に流入し、第3通風部材(63)に向かって流れ、第3開口部(73)から空気通路(19)へ排出される。
【0157】
変形例3では、吸込ファン(130)は、庫内空気を冷媒センサ(110)へ搬送する。これにより、上記実施形態および各変形例のように庫内ファン(30)が停止中において空気通路(19)内の冷媒が上方へ拡散するのを待つことなく比較的速やかに漏洩冷媒を検出できる。
【0158】
変形例3では、吸込ファンモータ(130a)には庫内ファンモータ(30b)とは異なる電源から電力が供給される。これにより、例えば故障により庫内ファン(30)への電源の供給が途絶えても、吸込ファン(130)は運転できる。これにより、庫内ファン(30)が停止中であっても吸込ファン(130)を運転することで庫内に漏洩した冷媒を検出できる。
【0159】
変形例3では、庫内ファン(30)が停止中において、吸込ファン(130)の風速を7.03m/s以上とすることで、コンテナ(1)庫内の底面に溜まる冷媒を吸込ファン(130)により強制的に第1開口部(51)に吸い込ませることができる。
【0160】
変形例3では、第1開口部(51)は第3開口部(73)よりも上方に位置するため、より庫内ファン(30)に近い第3開口部(73)に作用する圧力は、第1開口部(51)に作用する圧力よりも高い。吸込ファン(130)は、圧力が高い方の第1開口部(51)から空気を吸い込んで、圧力が低い方の第3開口部(73)から空気を吹き出すことができる。仮に、第1開口部(51)が第3開口部(73)の下方にある場合では、吸込ファン(130)は、圧力が低い方の第1開口部(51)から圧力が高い方の第3開口部(73)に向かって空気を流す必要があるため運転負荷が高くなるところ、本例では第1開口部(51)と第3開口部(73)とにおける圧力差による吸込ファン(130)の運転負荷の増大を抑制できる。また、第1開口部(51)が第3開口部(73)に比較的近い位置にあると、第3開口部(73)から排出された空気を第1開口部(51)が吸い込んでしまうリスクがあるため、第3開口部(73)は第1開口部(51)から離れて配置されることが好ましい。
【0161】
(7)その他の実施形態
上記実施形態および上記各変形例については、以下のような構成としてもよい。
【0162】
上記実施形態、上記変形例1および2において、第1開口部(51)は、水平方向よりも下方に向いていてもよい。具体的には、第1開口部(51)は、その開口面の少なくとも一部が下方に向かって傾くように形成されていればよい。例えば、第1開口部(51)は、開口面の全てが下方に向かって傾いてもよいし、開口面の一部が下方に向かって形成され、かつ、残りの部分は水平方向に対して垂直に形成されてもよい。
【0163】
上記実施形態、上記変形例1および2において、第1開口部(51)は、庫内ファン(30)が運転中の空気通路(19)の空気流れの下流側に向いていてもよい。具体的には、第1開口部(51)は、その開口面の少なくとも一部が空気通路(19)の空気流れの下流側に向かって傾くように形成されてもよい。例えば、第1開口部(51)は、開口面の全てが空気通路(19)の空気流れの下流側に向かって傾いてもよいし、開口面の一部が空気流れの下流側に向かって形成され、かつ、残りの部分は空気流れに対して平行になるように形成されてもよい。
【0164】
上記実施形態および上記変形例1において、空気通路(19)の空気流れの方向が鉛直方向に対して傾いている場合であっても、第1開口部(51)は水平方向に開口していればよい。また、上記実施形態および上記変形例1において、空気通路(19)の空気流れの方向が鉛直方向に対して傾いている場合であっても、第1開口部(51)は空気流れに直交する向きまたは下流側に開口していればよい。
【0165】
上記実施形態において、センサケーシング(50)およびハウジング(111)は一体に形成されていてもよい。
【0166】
上記変形例1において、風除板(120)は空気通路(19)に配置されていればよく、センサケーシング(50)に形成されていなくてもよい。
【0167】
上記変形例2において、センサケーシング(50)は受け部(53)を有さなくてもよい。またセンサケーシング(50)に受け部(53)が設けられる場合、第2通風部材(62)の一端から本体部(56)内に流入する水を受けることができればよく第2連通穴(82)に設けられなくてもよい。
【0168】
上記変形例2において、センサケーシング(50)は排出口(54)を有さなくてもよい。また、センサケーシング(50)に排出口(54)が設けられる場合、本体部(56)内に流入する水を本体部(56)の外部へ排出できればよく、受け部(53)に設けられなくてもよい。
【0169】
上記変形例2において、センサケーシング(50)は第2開口部(52)を有すればよく、第2通風部材(62)を有さなくてもよい。
【0170】
上記変形例2において、第2通風部材(62)には、第1筒部(62a)および第2筒部(62b)の流路断面積と異なる筒部が形成されてもよい。また、第2通風部材(62)は、筒状に形成されていればよく、第1筒部(62a)および第2筒部(62b)を有さなくてもよい。例えば、第2通風部材(62)の内面が第2開口部(52)から本体部(56)に向かって、径が小さくなるようにテーパ状に形成されてもよい。
【0171】
上記変形例2において、フィルタ部(55)は、第2通風部材(62)と一体に形成されてもよいし別体であってもよい。第2開口部(52)は異物が流入されないように形成されていればよく、第2開口部(52)は異物が流入しない構造であってもよい。
【0172】
上記変形例2において、センサケーシング(50)は、本体部(56)、第1通風部材(61)および第2通風部材(62)が一体に形成されていてもよい。
【0173】
上記変形例3において、センサケーシング(50)は、閉塞部(74)、第3通風部材(63)および第4通風部材(64)が一体に形成されていてもよい。
【0174】
上記変形例3において、第1開口部(51)は空気通路(19)底面から1m以下の高さ位置に配置されていればよく、例えば0.2m、0.4m、0.6m、または0.8mの高さ位置であってもよい。
【0175】
上記変形例3において、第1開口部(51)と第3開口部(73)との高さ位置は同一であってもよい。具体的に、第1開口部(51)と第3開口部(73)との開口面の高さ位置が同じであってもよい。
【0176】
上記変形例3において、冷媒は、R32、R744(CO)、R290(プロパン)またはR454Cであってもよい。R32の場合、冷媒密度ρ=1.80kg/mとして、庫内ファン(30)が1cm空気を持ち上げる必要最低風速はvair=0.415m/sである。従って、第1開口部(51)は空気通路(19)の底面から1mの高さ位置にある場合の空気通路(19)の底面の空気を冷媒センサ(110)まで引き込む必要風速vairは、式(5)に基づいてvair=4.15m/sである。同様に、R744(CO)の場合、冷媒密度ρ=1.52kg/mとして、必要最低風速はvair=0.362m/sであり、必要風速vairは、3.62m/sである。R290(プロパン)の場合、冷媒密度ρ=1.53kg/mとして、必要最低風速はvair=0.362m/sであり、必要風速vairは、3.62m/sである。R454Cの場合、冷媒密度ρ=3.144kg/mとして、必要最低風速はvair=0.612m/sであり、必要風速vairは、6.12m/sである。
【0177】
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0178】
以上説明したように、本開示は、コンテナ用冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0179】
1 コンテナ
3 収容空間
5 庫外空間
10 コンテナ用冷凍装置
16a 側壁(壁部)
19 空気通路
29 庫内熱交換器(熱交換器)
30 庫内ファン(第1搬送器)
30b 第1電動機(庫内ファンモータ)
50 センサケーシング(ケーシング)
51 第1開口部
52 第2開口部
53 受け部
54 排出口
55 抑制部(フィルタ部)
62 筒部(第2通風部材)
62a 第1筒部
62b 第2筒部
73 第3開口部
110a 検出部(検出素子)
111 ハウジング(ケーシング)
120 圧力低減部(風除板)
130 第2搬送器(吸込ファン)
130a 第2電動機(吸込ファンモータ)
R 冷媒回路
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