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特開2024-171865搬送システム、制御装置及び制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171865
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】搬送システム、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20241205BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20241205BHJP
【FI】
B65G1/137 G
G06Q10/08
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089130
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 暁治
(72)【発明者】
【氏名】和田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】永原 聡士
(72)【発明者】
【氏名】岡田 幸大
(72)【発明者】
【氏名】阿部 哲也
【テーマコード(参考)】
3F522
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB06
3F522CC01
3F522CC10
3F522DD03
3F522DD05
3F522DD29
3F522EE15
3F522GG05
3F522GG13
3F522GG18
3F522GG23
3F522GG24
3F522JJ02
3F522LL59
5L010AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】オーダに対応する複数の物品の保管位置が、複数のエリアに跨る場合でも、仕分け作業の作業負荷を低減する。
【解決手段】第一オーダに対応する複数の物品が二つ以上の保管エリアに配置されている場合、制御装置は、第一オーダに対応する一部の物品が配置された第一保管エリアを選択し、第一保管エリアから当該一部の物品を出庫するように第一保管エリアのマテハン設備を制御し、一部の物品が出庫されるワークステーションである搬送先WSを特定し、搬送先WSに対応する停車エリアに移動するように、第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載する第一搬送装置を制御する。第一オーダ容器に一部の物品が入れられた後、制御装置は、第一オーダに対応する別の一部の物品が配置された第二保管エリアに対応する停車エリアに移動するように、第一搬送装置を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェース装置と、記憶装置と、前記インターフェース装置及び前記記憶装置に接続されたプロセッサとを備え、
前記記憶装置は、少なくとも保管方式、出庫方式、ピッキング方式のいずれかが異なる複数の保管エリア其々に配置された物品の在庫に関する情報を含んだ在庫情報を記憶し、
前記複数の保管エリア其々について、一つ以上のワークステーション(WS)と一つ以上の停車エリアとがあり、
前記一つ以上のWSの各々は、当該WSが関連付いた保管エリアからの物品の出庫先になり得るエリアであり、出庫された物品をピッキングする作業及び/又はピッキングした物品をオーダ容器に入れる作業が行われるエリアであり、
前記一つ以上の停車エリアの各々は、搬送装置が停車するエリアであり、
前記複数の保管エリアのうちの一つ以上の保管エリアが、マテハン設備を有しており、
前記インターフェース装置は、前記一つ以上の保管エリアのマテハン設備と、第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載する第一搬送装置を含む複数の搬送装置と通信し、
前記第一オーダに対応する複数の物品が前記複数の保管エリアのうちの二つ以上の保管エリアに配置されていることを前記在庫情報から特定した場合、前記プロセッサは、
前記特定した二つ以上の保管エリアのうち、前記第一オーダに対応する一部の物品が配置された第一保管エリアを選択し、
前記第一保管エリアから、前記第一オーダに対応する前記一部の物品を出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSを特定し、
前記搬送先WSに対応する停車エリアに移動するように、前記第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載する前記第一搬送装置を制御し、
前記第一搬送装置が積載する前記第一オーダ容器に前記出庫された一部の物品が入れられた後、前記第一オーダに対応する別の一部の物品が配置された第二保管エリアに対応する停車エリアに移動するように、前記第一搬送装置を制御する、
制御装置。
【請求項2】
前記第一オーダを含む二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する物品が、前記第一保管エリアに配置されている物品を含む場合、前記プロセッサは、
当該二つ以上のオーダに対応する二つ以上の物品を前記搬送先WSに出庫するように前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、且つ、当該二つ以上の物品が前記搬送先WSに到着する順を特定し、
前記二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応するオーダ容器を積載する搬送装置が前記搬送先WSに対応する停車エリアに到着する順が、当該オーダに対応する物品が前記搬送先WSに到着する順となるように、前記第一搬送装置を含む二つ以上の搬送装置を制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第一オーダに対応する前記一部の物品が出庫されて前記搬送先WSに到着するタイミング又は前記搬送先WSでピッキングされるタイミングを特定し、
前記特定したタイミングにあわせて、第一オーダに対応する前記第一オーダ容器を積載する前記第一搬送装置が前記搬送先WSに対応する停車エリアに到着するように、前記第一搬送装置を制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第一オーダを含む二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する物品が、前記第一保管エリアに配置されている物品を含む場合、前記プロセッサは、
当該二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応するオーダ容器を積載する搬送装置が前記搬送先WSに対応する停車エリアに到着する順を特定し、
当該二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する物品が前記搬送先WSに到着する順が、当該オーダに対応するオーダ容器を積載する搬送装置が前記搬送先WSに対応する停車エリアに到着する順となるように、当該オーダに対応する物品を前記搬送先WSに出庫するように前記第一保管エリアのマテハン設備を制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第一オーダに対応する前記第一オーダ容器を積載する前記第一搬送装置が前記搬送先WSに対応する停車エリアに到着するタイミングを特定し、
前記特定したタイミングにあわせて、前記第一オーダに対応する前記一部の物品が前記搬送先WSに到着するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
複数のオーダに対応する物品について、出庫可能なWSを特定し、
前記第一オーダに対応する物品と、第二オーダに対応する物品について、出庫可能なWSが同じ物品が、少なくとも一部に含まれることを特定し、
前記第一搬送装置が積載する前記第一オーダ容器と第二オーダ容器について、前記第一オーダに前記第一オーダ容器を割り当て、前記第二オーダに前記第二オーダ容器を割り当て、
前記出庫可能なWSが同じ物品について、当該物品が配置された前記第一保管エリアから、当該出庫可能なWSである搬送先WSに出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記搬送先WSに対応する停車エリアに移動するように、前記第一オーダ容器と前記第二オーダ容器を積載した前記第一搬送装置を制御し、
前記出庫可能なWSが同じ物品について、前記第一オーダにおける当該物品の数量であって前記第一オーダ容器に入れる数量を含む作業指示情報と、前記第二オーダにおける当該物品の数量であって前記第二オーダ容器に入れる数量を含む作業指示情報を、前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に出力する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記第一オーダに対応する前記複数の物品のうち、前記第一オーダに対応する前記第一オーダ容器に入れられていない物品が配置されている一つ又は二つ以上の保管エリアの各々について、当該保管エリアでの状況、又は、当該保管エリアのWSでの状況を特定し、
少なくとも前記特定された状況に基づき、前記一つ又は二つ以上の保管エリアのうち移動先となる保管エリアに対応する目的位置を決定し、当該決定した目的位置に移動するように前記第一搬送装置を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記第一オーダに対応する前記第一オーダ容器に入れられていない物品である第一物品と第二物品について、前記第一物品を前記第一オーダ容器に入れる作業を行う第一WSと、前記第二物品を前記第一オーダ容器に入れる作業を行う第二WSとの其々における作業タスクの状況を特定し、
少なくとも前記特定した作業タスクの状況に基づいて、前記第一WSより作業タスクが少ない前記第二WSに移動するように前記第一搬送装置を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記第一オーダに対応する前記第一オーダ容器に入れられていない物品である第一物品と第二物品について、前記第一物品を前記第一オーダ容器に入れる作業を行う第一WSと、前記第二物品を前記第一オーダ容器に入れる作業を行う第二WSとの其々に対応する搬送装置の待機状況を特定し、
少なくとも前記特定した搬送装置の待機状況に基づいて、前記第一WSより待機する搬送装置が少ない前記第二WSに移動するように前記第一搬送装置を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第一保管エリアから、前記第一オーダに対応する前記一部の物品を出庫する場合、前記一部の物品を出庫可能なWSである第一WS及び第二WS其々における作業タスクの状況を特定し、
少なくとも前記特定した作業タスクの状況に基づいて、前記第一WSより作業タスクが少ない前記第二WSを、前記一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSとして決定する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記第一保管エリアから、前記第一オーダに対応する前記一部の物品を出庫する場合、前記一部の物品を出庫可能なWSである第一WS及び第二WS其々に対応する搬送装置の待機状況を特定し、
少なくとも前記特定した搬送装置の待機状況に基づいて、前記第一WSより待機する搬送装置が少ない前記第二WSを、前記一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSとして決定する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記第一保管エリアに関し停車エリアの他に一時待機エリアがある場合、前記プロセッサは、
前記一時待機エリアに移動するように前記第一搬送装置を制御し、
前記第一搬送装置が前記一時待機エリアに到着した後、又は、前記第一搬送装置が前記一時待機エリアへの移動を開始した後、前記一部の物品を前記搬送先WSに出庫するように前記第一保管エリアのマテハン設備を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、少なくともオーダ容器のサイズに基づいて、前記第一搬送装置に、複数のオーダ容器を積載するか又は一つのオーダ容器を積載するかを決定し、
当該決定された一つ又は複数のオーダ容器の一つが、前記第一オーダ容器である、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、少なくとも前記第一オーダの作業期限に基づいて、前記第一搬送装置に、複数のオーダ容器を積載するか又は一つのオーダ容器を積載するかを決定する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項15】
前記インターフェース装置は、WSに関し設けられた情報処理端末であるステーション端末と通信し、
前記第一保管エリアの搬送先WSに対応する停車エリアに前記第一搬送装置が到着する前に、前記プロセッサは、前記第一保管エリアのマテハン設備に、前記搬送先WSに前記一部の物品を出庫するように制御し、
前記プロセッサは、前記搬送先WSに出庫された物品をピッキングするように、前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に、物品のピッキングを指示し、
前記第一搬送装置の移動先保管エリアが前記第二保管エリアの場合、前記プロセッサは、前記第二保管エリアのWSに対応する停車エリアに前記第一搬送装置が到着した後に、前記第二保管エリアのWSのステーション端末に、物品のピッキングを指示する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項16】
前記記憶装置は、保管エリア毎に出庫又はピッキングの方式を表す情報を含んだ保管エリア情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記保管エリア情報から、移動先保管エリアに対応の方式が、マテハン設備により搬送先WSに出庫された物品をピッキングする方式であることを特定した場合、当該移動先保管エリアの搬送先WSに対応する停車エリアに搬送装置が到着する前に、当該移動先保管エリアの搬送先WSに物品を出庫するようマテハン設備を制御し、搬送先WSに出庫された物品をピッキングするように前記移動先保管エリアの搬送先WSのステーション端末に物品のピッキングを指示し、
前記プロセッサは、前記保管エリア情報から、移動先保管エリアに対応の方式が、作業者が保管位置から物品をピッキングする方式であることを特定した場合、当該移動先保管エリアのWSに対応する停車エリアに搬送装置が到着した後に、当該移動先保管エリアのWSのステーション端末に、物品のピッキングを指示する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に、前記第一保管エリアから出庫される物品について、ピッキングする数量を含む作業指示情報を出力し、
前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に、前記第一保管エリアから出庫されピッキングされた物品について、当該搬送先WSに対応する停車エリアに到着した搬送装置の積載するオーダ容器に入れる物品の数量を含む作業指示情報を出力する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記第一オーダ及び第二オーダを含む複数のオーダに対応する物品であり、前記第一保管エリアから出庫される物品について、当該複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量を含む作業指示情報を、前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に出力し、
前記第一保管エリアから出庫されピッキングされた物品について、当該搬送先WSに対応する停車エリアに到着した前記第一搬送装置の積載する第一オーダ容器に入れる当該物品の数量であって、当該第一オーダ容器に対応する前記第一オーダにおける当該物品の数量を含む作業指示情報を、前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に出力し、
前記複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量は、当該第一オーダ容器に対応する前記第一オーダにおける当該物品の数量より大きい、
請求項17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、
前記第一オーダに対応する前記第一オーダ容器を積載する前記第一搬送装置と、前記第二オーダに対応する第二オーダ容器を積載する第二搬送装置を含む複数の搬送装置について、当該複数の搬送装置が積載するオーダ容器に割り当てられた複数のオーダに対応する物品であって、当該オーダ容器に入れられていない物品のうち、前記第一保管エリアに配置され前記搬送先WSに出庫可能な物品を特定し、
前記特定した物品を前記搬送先WSに出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記特定した物品のうち、同じ識別情報で識別される物品が、前記第一オーダ及び前記第二オーダ其々に対応する物品であって、前記第一オーダ容器及び前記第二オーダ容器に入れられていない物品である場合、前記搬送先WSに対応する停車エリアに、前記第一搬送装置及び前記第二搬送装置が所定の範囲の順番で到着するように、前記第一搬送装置及び前記第二搬送装置を制御し、
前記同じ識別情報で識別される物品について、前記第一オーダ及び前記第二オーダを含む複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量を含む作業指示情報を、前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に出力する、
請求項18に記載の制御装置。
【請求項20】
前記第一搬送装置が、前記第一オーダに対応する前記第一オーダ容器と、前記第二オーダに対応する第二オーダ容器を積載し、
前記プロセッサは、
前記第一オーダ及び前記第二オーダ其々に対応する物品であって、前記第一オーダ容器及び前記第二オーダ容器に入れられていない物品のうち、前記第一保管エリアに配置され前記搬送先WSに出庫可能な物品を特定し、
前記特定した物品を前記搬送先WSに出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記特定した物品のうち、同じ識別情報で識別される物品について、前記第一オーダ及び前記第二オーダを含む複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量を含む作業指示情報を、前記第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末に出力する、
請求項18に記載の制御装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、
同じ搬送装置が積載する1又は複数のオーダ容器に割り当てられたオーダに対応する物品であって、当該オーダ容器に入れられていない物品のうち、前記第一保管エリアに配置され前記搬送先WSに出庫可能な物品を特定し、
前記特定した物品のうち、其々異なる識別情報で識別される複数の物品について、前記搬送先WSに所定の範囲の順番で到着するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項22】
前記プロセッサは、
前記複数のオーダのうち、前記第一オーダに対応する物品と、第二オーダに対応する物品について、少なくとも一部に同じ識別情報で識別される物品が含まれることを特定し、
前記第一搬送装置が積載する前記第一オーダ容器と第二オーダ容器について、前記第一オーダに前記第一オーダ容器を割り当て、前記第二オーダに前記第二オーダ容器を割り当てる、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項23】
プロセッサは、
複数のオーダの優先度を特定し、
前記第一保管エリアから前記搬送先WSに出庫予定の複数の物品のうち、優先度が高いオーダに対応する物品を、当該オーダより優先度が低いオーダの少なくとも一部の物品より先に搬送先WSに出庫するように、又は先に搬送先WSに到着するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項24】
プロセッサは、
複数のオーダの優先度を特定し、
前記搬送先WSに対応する停車エリアに移動予定の複数の搬送装置のうち、優先度が高いオーダに対応するオーダ容器を積載する搬送装置を、当該オーダより優先度が低いオーダに対応するオーダ容器を積載する搬送装置の少なくとも一部より先に当該停車エリアに到着するように、当該複数の搬送装置を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項25】
前記プロセッサは、
前記第一保管エリアに配置されている物品であって、第二オーダに対応する一部の物品が出庫可能なWSとして第一WSを特定し、前記第一保管エリアに配置されている物品であって、前記第二オーダに対応する別の一部の物品が出庫可能なWSとして第二WSを特定し、
前記第二オーダに対応する一部の物品を前記第一WSに出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記第一WSに対応する停車エリアに移動するように、前記第二オーダに対応するオーダ容器を積載した第二搬送装置を制御し、
前記第二搬送装置が積載するオーダ容器に当該出庫された一部の物品が入れられた後、前記第二オーダに対応する別の一部の物品を前記第二WSに出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記第二WSに対応する停車エリアに移動するように、前記第二搬送装置を制御する、
請求項2乃至5のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項26】
複数の搬送装置と制御装置とを備え、
前記複数の搬送装置のうち、第一搬送装置は、第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載し、
前記制御装置は、少なくとも保管方式、出庫方式、ピッキング方式のいずれかが異なる複数の保管エリア其々に配置された物品の在庫に関する情報を含んだ在庫情報を記憶し、
前記複数の保管エリア其々について、一つ以上のワークステーション(WS)と一つ以上の停車エリアとがあり、
前記一つ以上のWSの各々は、当該WSが関連付いた保管エリアからの物品の出庫先になり得るエリアであり、出庫された物品をピッキングする作業及び/又はピッキングした物品をオーダ容器に入れる作業が行われるエリアであり、
前記一つ以上の停車エリアの各々は、搬送装置が停車するエリアであり、
前記複数の保管エリアのうちの一つ以上の保管エリアが、マテハン設備を有しており、
前記第一オーダに対応する複数の物品が前記複数の保管エリアのうちの二つ以上の保管エリアに配置されていることを、前記在庫情報から特定した場合、前記制御装置は、
前記特定した二つ以上の保管エリアのうち、前記第一オーダに対応する一部の物品が配置された第一保管エリアを選択し、
前記第一保管エリアから、前記第一オーダに対応する前記一部の物品を出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSを特定し、
前記搬送先WSに対応する停車エリアに移動するように、前記第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載する前記第一搬送装置を制御し、
前記第一搬送装置が積載する前記第一オーダ容器に前記出庫された一部の物品が入れられた後、前記第一オーダに対応する別の一部の物品が配置された第二保管エリアに対応する停車エリアに移動するように、前記第一搬送装置を制御する、
搬送システム。
【請求項27】
複数の搬送装置と制御装置とを備え、
前記複数の搬送装置のうち、第一搬送装置は、第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載し、
前記制御装置は、少なくとも保管方式、出庫方式、ピッキング方式のいずれかが異なる複数の保管エリア其々に配置された物品の在庫に関する情報を含んだ在庫情報を記憶し、
前記複数の保管エリア其々について、一つ以上のワークステーション(WS)と一つ以上の停車エリアとがあり、
前記一つ以上のWSの各々は、当該WSが関連付いた保管エリアからの物品の出庫先になり得るエリアであり、出庫された物品をピッキングする作業及び/又はピッキングした物品をオーダ容器に入れる作業が行われるエリアであり、
前記一つ以上の停車エリアの各々は、搬送装置が停車するエリアであり、
前記複数の保管エリアのうちの一つ以上の保管エリアが、マテハン設備を有しており、
前記第一オーダに対応する複数の物品が前記複数の保管エリアのうちの二つ以上の保管エリアに配置されていることを、前記在庫情報から特定した場合、前記制御装置は、
前記特定した二つ以上の保管エリアのうち、前記第一オーダに対応する一部の物品が配置された第二保管エリアに対応する停車エリアに移動するように、前記第一搬送装置を制御し、
前記第一搬送装置が積載する前記第一オーダ容器に前記一部の物品が入れられた後、前記第一オーダに対応する別の一部の物品が配置された第一保管エリアから、前記第一オーダに対応する前記別の一部の物品を出庫するように、前記第一保管エリアのマテハン設備を制御し、
前記別の一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSを特定し、
前記搬送先WSに対応する停車エリアに移動するように、前記第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載する前記第一搬送装置を制御する、
搬送システム。
【請求項28】
オーダに対応するオーダ容器を積載する搬送装置と、保管エリアのマテハン設備と、を制御する制御装置による制御方法であって、
制御装置により、前記保管エリアに配置されている物品であって、前記オーダに対応する物品が出庫可能なワークステーション(WS)を特定するステップと、
制御装置により、前記保管エリアから、前記オーダに対応する一部の物品が出庫可能なWSである第一WSに、当該一部の物品を出庫するように、前記マテハン設備を制御し、前記第一WSに対応する停車エリアに前記オーダ容器を積載する前記搬送装置を移動するように、前記搬送装置を制御するステップと、
制御装置により、前記搬送装置が積載する前記オーダ容器に当該出庫された一部の物品が入れられた後、前記保管エリアから、前記オーダに対応する別の一部の物品が出庫可能なWSである第二WSに、当該別の一部の物品を出庫するように、前記マテハン設備を制御し、前記第二WSに対応する停車エリアに前記オーダ容器を積載する前記搬送装置を移動するように、前記搬送装置を制御するステップと、を含む、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、搬送装置の走行により搬送物を搬送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、「商品を集品のために保管する保管エリアに沿って集品コンベアを設けて構成される集品ラインを複数ライン備えており、前記複数の集品ラインのそれぞれで、前記集品コンベアを流れてくる集品容器に作業員が前記保管エリアから必要な商品を取り出して投入する作業であるピッキングを行うことにより商品を購入者向けに仕分けて集品するようにされている商品仕分けシステム」に関する技術がある。例えば、特許文献1に記載の技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-182290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物流センタにおいて、各保管エリアからオーダに対応する物品(例えば商品)をピッキングして、梱包単位に仕分けをする作業は、負荷が高い作業である。特に、EC市場の拡大する一方で、物流センタにおける作業員の不足等の問題も生じており、作業負荷を減らすニーズは高い。
【0005】
そこで、オーダに対応する複数の物品の保管位置が、複数のエリアに跨る場合でも、仕分け作業の作業負荷を低減可能なシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
制御装置は、少なくとも保管方式、出庫方式、ピッキング方式のいずれかが異なる複数の保管エリア其々に配置された物品の在庫に関する情報を含んだ在庫情報を記憶する。複数の保管エリア其々について、一つ以上のワークステーション(WS)と一つ以上の停車エリアとがある。一つ以上のWSの各々は、当該WSが関連付いた保管エリアからの物品の出庫先になり得るエリアであり、出庫された物品をピッキングする作業及び/又はピッキングした物品をオーダ容器に入れる作業が行われるエリアである。一つ以上の停車エリアの各々は、搬送装置が停車するエリアである。複数の保管エリアのうちの一つ以上の保管エリアが、マテハン設備を有している。制御装置は、一つ以上の保管エリアのマテハン設備と、第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載する第一搬送装置を含む複数の搬送装置と通信する。第一オーダに対応する複数の物品が複数の保管エリアのうちの二つ以上の保管エリアに配置されていることを在庫情報から特定した場合、制御装置は、二つ以上の保管エリアのうち、第一オーダに対応する一部の物品が配置された第一保管エリアを選択し、第一保管エリアから、第一オーダに対応する一部の物品を出庫するように、第一保管エリアのマテハン設備を制御し、一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSを特定し、搬送先WSに対応する停車エリアに移動するように、第一オーダに対応する第一オーダ容器を積載する前記第一搬送装置を制御する。第一搬送装置が積載する第一オーダ容器に出庫された一部の物品が入れられた後、制御装置は、第一オーダに対応する別の一部の物品が配置された第二保管エリアに対応する停車エリアに移動するように、第一搬送装置を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、オーダに対応する複数の物品の保管位置が、複数のエリアに跨る場合でも、仕分け作業の作業負荷を低減することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の発明を実施するための形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態における複数種類のエリアの概略を示す図である。
図2】移動エリアの構成の説明図である。
図3A】搬送装置と搬送装置への積載の例を示す図である。
図3B】搬送装置と搬送装置への積載の別の例を示す図である。
図4A】平置きエリアの例を示す模式図である。
図4B】自動倉庫エリアの例を示す模式図である。
図4C】棚搬送エリアの例を示す模式図である。
図4D】流動棚エリアの例を示す模式図である。
図5】梱包エリアの例を示す模式図である。
図6】搬送システムにおける要素の具体的な構成例の一部を示す図である。
図7】搬送システムにおける要素の具体的な構成例の残りを示す図である。
図8】オーダテーブルの構成例を示す図である。
図9】在庫テーブルの構成例を示す図である。
図10】保管エリアテーブルの構成例を示す図である。
図11】搬送装置テーブルの構成例を示す図である。
図12】移動エリアテーブルの構成例を示す図である。
図13】出荷箱テーブルの構成例を示す図である。
図14】積載作業管理テーブルの構成例を示す図である。
図15】ピッキング作業管理テーブルの構成例を示す図である。
図16】オーダ処理の流れの一部を示すフローチャートである。
図17】オーダ処理の流れの一部を示すフローチャートである。
図18】オーダ処理の流れの一部を示すフローチャートである。
図19】オーダ処理の流れの一部を示すフローチャートである。
図20】オーダ処理の流れの一部を示すフローチャートである。
図21】オーダ処理の流れの一部を示すフローチャートである。
図22】出荷箱選択処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、「インターフェース装置」は、一つ以上のインターフェースデバイスでよい。当該一つ以上のインターフェースデバイスは、下記のうちの少なくとも一つでよい。
・一つ以上のI/O(Input/Output)インターフェースデバイス。I/O(Input/Output)インターフェースデバイスは、I/Oデバイスと遠隔の表示用計算機とのうちの少なくとも一つに対するインターフェースデバイスである。表示用計算機に対するI/Oインターフェースデバイスは、通信インターフェースデバイスでよい。少なくとも一つのI/Oデバイスは、ユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボード及びポインティングデバイスのような入力デバイスと、表示デバイスのような出力デバイスとのうちのいずれでもよい。
・一つ以上の通信インターフェースデバイス。一つ以上の通信インターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば一つ以上のNIC(Network Interface Card))であってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であってもよい。
【0010】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0011】
また、以下の説明では、「永続記憶装置」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上の永続記憶デバイスでよい。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(例えば補助記憶デバイス)でよく、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、NVME(Non-Volatile Memory Express)ドライブ、又は、SCM(Storage Class Memory)でよい。
【0012】
また、以下の説明では、「記憶装置」は、「メモリ」でもよいし、及び/又は、「永続記憶装置」でもよい。
【0013】
また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスでよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスでよいが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア記述言語によりゲートアレイの集合体である回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。
【0014】
また、以下の説明では、「xxxテーブル」といった表現にて、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、当該情報は、どのような構造のデータでもよいし(例えば、構造化データでもよいし非構造化データでもよいし)、入力に対する出力を発生するニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムやランダムフォレストに代表されるような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、一つのテーブルは、二つ以上のテーブルに分割されてもよいし、二つ以上のテーブルの全部又は一部が一つのテーブルであってもよい。
【0015】
また、以下の説明では、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶装置及び/又はインターフェース装置を用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコンピュータ、装置又はシステム)とされてもよい。プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、以下の説明において、二つ以上のプログラムが一つのプログラムとして実現されてもよいし、一つのプログラムが二つ以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0016】
また、要素を識別するための情報(識別情報、識別子)として、任意の情報(例えば、「ID」、「名前」、及び「番号」のうちの少なくとも一つ)が採用されてよい。
【0017】
また、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通符号を使用し、同種の要素を区別して説明する場合には、参照符号を使用することがある。
【0018】
また、以下の説明では、「日時」の単位は、年月日時分よりも粗い単位でも細かい単位でもよい。
【0019】
図1は、実施の形態における複数種類のエリアの概略を示す図である。図1に示す複数種類のエリアは、例えば物流施設(例えば、倉庫や物流センタ)のエリアの一部であってよい。物流施設は、例えば、通販会社や機器製造業の企業が物品を保管するために利用する保管庫である。物流施設に保管されている物品は、例えば商品でもよいし、部品でもよい。
【0020】
搬送システムは、移動エリア150を走行する複数の搬送装置3と、各搬送装置3の移動をリモート制御する制御装置4とを備える。搬送装置3には出荷箱87(図3A及び図3B参照)が積載され、出荷箱87に物品(例えば商品又は部品)が入れられる。「出荷箱87」は、出荷単位(梱包単位)として同じ箱(例えばダンボール箱)に梱包される物品が入れられる容器(例えば箱)であり、「オーダ容器」と呼ばれてもよい。出荷単位として異なる箱に梱包される物品は、同じ出荷箱87には入れず、出荷単位毎に対応する出荷箱87にそれぞれ入れられる。出荷箱87内に物品が揃うと、出荷箱87の物品は、検品及び梱包を経て出荷される。出荷箱87に入れられた物品は、出荷される箱(例えばダンボール箱)に作業者または作業ロボットにより移し替えられて、梱包され出荷されてもよい。または、出荷箱87が、出荷される箱そのものであってもよい。
【0021】
移動エリア150は、検品エリア103、充電エリア104、待機エリア105、及び、異常対応エリア106を含む。検品エリア103は、搬送装置3に積載の出荷箱87にある物品の検品が行われるエリアである。充電エリア104は、搬送装置3の充電が行われるエリアである。待機エリア105は、搬送装置3が待機するエリアである。異常対応エリア106は、搬送装置3の異常への対応が行われるエリアである。エリア103~106の少なくとも一つは、移動エリア150の外にあってもよい。また、エリア103~106の少なくとも一つに代えて又は追加して、他のエリアが移動エリア150の中又は外に設けられてもよい。また、検品は、本実施形態では、移動エリア150内の検品エリア103を搬送装置3が通過する際に行われるが、それに代えて、梱包エリア102に物品が受け渡された後に行われてもよい(この場合、移動エリア150に検品エリア103が無く、梱包エリア102が検品エリアを兼ねてもよい)。
【0022】
移動エリア150の外に、出荷箱供給エリア100、複数の保管エリア101、及び、梱包エリア102がある。出荷箱供給エリア100は、出荷箱87が供給されるエリアであり、搬送装置3に出荷箱87が積載される。本実施形態では、出荷箱供給エリア100で空の出荷箱87が供給されるとするが、例えば搬送システム外で取得した物品が出荷箱87に入った状態で供給される等、出荷単位として同じ箱に梱包される物品が一部入れられた状態の出荷箱87が供給されてもよい。保管エリア101は、物品が保管(配置)されているエリアである。梱包エリア102は、物品を有する出荷箱87の梱包がされるエリアである。
【0023】
複数の保管エリア101は、少なくとも保管方式、出庫方式、ピッキング方式のいずれかが異なる。複数の保管エリア101の例として、平置きエリア101A、自動倉庫エリア101B、棚搬送エリア101C及び流動棚エリア101Dがある。保管エリア101A~101Dについては後述する。
【0024】
図2は、移動エリア150の構成の説明図である。なお、便宜上、二次元方向を、x方向とx方向と直交するy方向とする。
【0025】
移動エリア150は、所定大きさの方形状の複数の区画201に区分されて管理されてよい。区画201を、区画(α、β)と表現することができる。αは、x座標(x方向に沿った区画位置)、βは、y座標(y方向に沿った区画位置)である。
【0026】
なお、例えば、移動エリア150が、複数のフロアのエリアを含む場合や、メザニンの上下のエリアを含む場合は、z座標を用いることで、各エリアの高さ方向におけるエリア位置を表現可能である。この場合、区画201は、例えば区画(α、β、γ)といった座標形式でもよい。αは、x座標(x方向に沿った区画位置)、βは、y座標(y方向に沿った区画位置)は、γは、z座標(高さ方向におけるエリア位置)である。なお、移動エリア150が複数のフロアに及ぶ場合におけるフロア間の搬送や、メザニンを設けた場合におけるメザニン上下間の搬送は、例えば垂直搬送機により行われてもよい。このとき、垂直搬送機で出荷箱のみを搬送してもよいし、垂直搬送機で出荷箱を積載した搬送装置3を搬送してもよい。
【0027】
各区画201内に、当該区画201の位置を表すマーカ(図示せず)が表記されていてよい。マーカは、その区画の位置を特定するための情報を含んでいればよく、例えばその区画の位置情報でもよいし、その区画の位置情報と対応づけられている情報(例えば区画201の識別情報など)であってもよい。マーカは、搬送装置3のセンサ14(図6参照)により読み取り可能な情報であり、例えば一次元コード、QRコード(登録商標)等の二次元コード、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ等の情報であってもよい。例えば、搬送装置3は、各区画201を通過する時に、その区画201にあるマーカを読み取る。各搬送装置3は、搬送装置3の識別情報と共に、読み取ったマーカの情報を、制御装置4に送信する。制御装置4は、各搬送装置3から受信した、搬送装置3の識別情報とマーカの情報を基に、各搬送装置3の位置を特定する。区画201の全域に板状部材があり、当該区画201から隣接する別の区画201への移動が可能であり、また、当該区画201において搬送装置3の旋回が可能でよい。
【0028】
搬送装置3や出荷箱87は、例えば一つの区画201より小さいサイズであってよい。なお、区画の設定の仕方は様々な変形例があってもよい。また、搬送装置3が進入してはならない区画(例えば区画(3,1))が設けられてもよい。
【0029】
移動エリア150の各区画201について、図2に例示する矢印の通り、当該区画201において搬送装置3が移動可能な方向は、制限されないでよい(例えば、+x方向、-x方向、+y方向及び-y方向のいずれも搬送装置3が移動可能な方向でよい)。また、区画201間は、双方向に移動可能に設定されてもよいし、一方向のみに移動可能に設定されてもよい。例えば、一部の区画201間を一方向のみに移動可能な設定とすることで、搬送装置3の渋滞の発生を抑制又は低減し、全体の移動効率を向上することが期待できる。また、一方向のみにしか移動できない区画201間が多い場合には、搬送装置3の移動経路が長くなる可能性があるので、移動エリア150における搬送装置3の数、又は、各区画201の位置や区画設定1202等により、搬送装置3の移動可能な方向が予め設定されてもよいし、そのような方向が動的に制御装置4により設定又は変更されてもよい。
【0030】
再び図1を参照する。搬送装置3は、制御装置4からの移動指示に従い移動する装置であり、典型的には、AGV(Automatic Guided Vehicle)でよい。例えば、搬送装置3は、制御装置4からの一つ又は複数の移動指示に従い、空の出荷箱87を積載した状態で出荷箱供給エリア100から移動を開始し、二つ以上(又は一つ)の保管エリア101へそれぞれ移動し、当該二つ以上(又は一つ)の保管エリア101の各々から出荷箱87に入れられた物品を有した状態で検品エリア103を経て梱包エリア102に到着する。具体的には、例えば、搬送装置3Aの移動順序は、図示の通り、出荷箱供給エリア100→平置きエリア101A→自動倉庫エリア101B→棚搬送エリア101C→検品エリア103→梱包エリア102である。また、搬送装置3Bの移動順序は、図示の通り、出荷箱供給エリア100→流動棚エリア101D→棚搬送エリア101C→平置きエリア101A→検品エリア103→梱包エリア102である。
【0031】
異なる複数の物品が指定されるオーダがあるが、オーダ毎に、制御装置4が、一つ又は複数の出荷箱87を当該オーダに割り当て、当該一つ又は複数の出荷箱87が、一つ又は複数の搬送装置3に積載される。例えば、あるオーダに対応する物品の全てが、出荷単位として同じ箱に梱包される場合、当該オーダ(当該オーダに対応する物品の全て)を一つの出荷箱87に割り当ててもよいが、同じ出荷箱87に入りきらないとき等において複数の出荷箱87に割り当ててもよい。制御装置4は、一つの出荷箱87を配送先が異なる複数のオーダに割り当てないようにする。出荷箱供給エリア100から梱包エリア102への移動順序は、一つの移動指示において指定されてもよいし、複数の移動指示の組み合わせから定まる順序でもよい。なお、搬送装置3に送信される「移動指示」には、当該搬送装置3に割り当てられた移動タスクを表す情報が関連付けられる。なお、本実施の形態において、搬送装置3の「移動」とは、搬送物(出荷箱87や出荷箱87内の物品)の有無に関わらず搬送装置3の移動全般を表す。搬送装置3の「移動」は、搬送装置3の「走行」と言い換えられてもよい。搬送装置3が搬送物を有している状態での「移動」を、特に「搬送」と言うことがある。移動タスクは、当該移動タスク(移動指示)で指定するエリアに、搬送装置3を移動させるタスクであり、搬送装置3に出荷箱87を指定のエリアへと搬送させるタスクが含まれていてよい。移動タスクを表す情報は、例えば、搬送装置3が移動する経路である移動経路と、搬送装置3の移動方向とを含んでよい。
【0032】
搬送装置3は、図3Aに示すように、台85を有しており、台85に出荷箱87が積載される。一つの搬送装置3には、図3Aに示すように一つの出荷箱87が積載されてもよいし、図3Bに示すように、複数(二つ以上)の出荷箱87が積載されてもよい。
【0033】
搬送装置3には、搭載されたバッテリ(図示しない)の残量が所定値を下回った場合、搬送装置3は、充電エリア104に移動して自動的に充電を行うようになっている。例えば、搬送装置3のバッテリの残量が所定値を下回った場合、搬送装置3が制御装置4に充電要求を行い、制御装置4が充電要求に応答して搬送装置3に充電エリア104に移動し充電するように指示してもよい。
【0034】
以下、複数の保管エリア101A~101Dを説明する。なお、その説明において、保管エリア101毎の「停車エリア」は、移動エリア150の中のエリア(例えば、保管エリア101に隣接し移動エリア150の一つ以上の区画201で構成されたエリア)でもよいし、移動エリア150の外(例えば保管エリア101の中)のエリアでもよい。
【0035】
図4Aは、平置きエリア101Aの例を示す模式図である。
【0036】
平置きエリア101Aは、PTG(Person to Goods)が適用されたエリアの一例である。PTGによれば、作業者(Person)が、物品(Goods)の保管場所2まで歩いて、ピッキングする。
【0037】
平置きエリア101Aは、物品エリア400及び一つ以上の作業エリア163Aを含み、作業エリア163A毎に、作業エリア163Aに隣接した停車エリア164Aが設けられている。物品エリア400は、物品が平置きされている各保管場所2を備えるエリアである。物品エリア400は、保管場所2として棚が設けられていて、棚に物品が置かれていてもよい。停車エリア164Aは、搬送装置3が停車するエリアである。作業エリア163Aでは、制御装置4からの作業指示に従い、保管場所2からピッキングされた物品が、当該作業エリア163Aに隣接の停車エリア164Aに停車している搬送装置3の出荷箱87に、作業者により入れられる(積載される)。
【0038】
図4Bは、自動倉庫エリア101Bの例を示す模式図である。
【0039】
自動倉庫エリア101Bは、GTP(Goods To Person)が適用されたエリアの一例である。GTPによれば、物品(Goods)が、ピッキングする作業者(Person)の場所まで、ロボット(又はその他の装置)により運ばれる。
【0040】
自動倉庫エリア101Bは、自動倉庫161B、一つ以上のコンベア162及び一つ以上の作業エリア163Bを含み、作業エリア163B毎に、作業エリア163Bに隣接した停車エリア164Bが設けられている。自動倉庫161Bは、制御装置4からの出庫指示に従い、いずれかのコンベア162に物品を出す(出庫する)。コンベア162は、自動倉庫161Bから出てきた物品を、作業エリア163B(搬送先WS及び/又は出庫先WS)に搬送する。作業エリア163Bは、コンベア162により搬送されている物品が作業者によりピッキングされるエリアである。停車エリア164Bは、搬送装置3が停車するエリアである。作業エリア163Bで、ピッキングされた物品が、当該作業エリア163Bに隣接の停車エリア164Bに停車している搬送装置3の出荷箱87に、作業者により入れられる。
【0041】
移動エリア150には、各保管エリア101に対応する一時待機エリア165が設けられてもよいし、設けられないでもよい。各保管エリア101に対応する一時待機エリア165は、作業エリア163毎に対応する一時待機エリア165や、停車エリア164毎に対応する一時待機エリア165を設けてもよいし、複数の作業エリア163や停車エリア164に対応する一時待機エリア165を設けてもよい。なお、本実施の形態では、自動倉庫エリア101Bに対応する一時待機エリア165が設けられてもよい。一時待機エリア165は、停車エリア164Bへと移動する搬送装置3が一時待機するエリアである。一時待機エリア165は、停車エリア164Bの近くに設けられてよい。例えば、全ての停車エリア164Bに搬送装置3が停車済である場合に、搬送装置3が一時待機エリア165に一時待機する。一時待機エリア165は、移動エリア150に代えて又は加えて、自動倉庫エリア101Bや他の保管エリア101についても設けられてよい。また、一時待機エリア165は、保管エリア101の中又は外に設けられてよい。例えば、一時待機エリア165は、待機エリア105に含まれてもよい。
【0042】
図4Cは、棚搬送エリア101Cの例を示す模式図である。
【0043】
棚搬送エリア101Cは、GTPが適用されたエリアの一例である。棚搬送エリア101Cには、複数の棚5が配置されており、複数の棚5に複数の物品が置かれている。棚搬送エリア101Cにおいて、制御装置4からの出庫指示(移動指示)に従い、搬送装置161Cが棚5を搬送する。棚搬送エリア101Cは、一つ以上の作業エリア163Cを含み、作業エリア163C毎に、作業エリア163Cに隣接した停車エリア164Cが設けられている。作業エリア163Cは、搬送装置161Cにより搬送された棚5から物品が作業者によりピッキングされるエリアである。停車エリア164Cは、搬送装置3が停車するエリアである。作業エリア163Cで、ピッキングされた物品が、当該作業エリア163Cに隣接の停車エリア164Cに停車している搬送装置3の出荷箱87に、作業者により入れられる。
【0044】
図4Dは、流動棚エリア101Dの例を示す模式図である。
【0045】
流動棚エリア101Dは、流動棚450及び一つ以上の作業エリア163Dを含み、作業エリア163D毎に、作業エリア163Dに隣接した停車エリア164Dが設けられている。流動棚450は、上下に配列されたトレーを有し、各トレーに物品が並ぶ。作業エリア163Dにおいて、制御装置4からの作業指示に従い、作業者が、流動棚450から物品をピッキングし、当該作業エリア163Dに隣接した停車エリア164Dに停車している搬送装置3の出荷箱87に、ピッキングした物品を入れる。
【0046】
このように、複数の保管エリア101A~101Dは、少なくとも保管方式、出庫方式、ピッキング方式のいずれかが異なる。
【0047】
図5は、梱包エリア102の例を示す模式図である。
【0048】
梱包エリア102は、一つ以上のコンベア171を含み、コンベア171毎に、梱包機172及び作業エリア173を含む。また、コンベア171毎に停車エリア174がある。例えば、大、中、小といった出荷箱サイズ別に停車エリア174が用意されてもよい。
【0049】
コンベア171毎に、停車エリア174は作業エリア173の近傍にある(例えば隣接)。作業エリア173において、作業者が、停車エリア174に停車している搬送装置3からコンベア171に出荷箱87を移す。出荷箱87が出荷される箱(例えばダンボール箱)そのものである場合、コンベア171により搬送されている出荷箱87が、梱包機172により梱包され、梱包された出荷箱87が、コンベア171により搬送され、やがて、出荷(配送)される。または、出荷箱87に入れられた物品が、出荷される箱(例えばダンボール箱)に作業者により移し替えられて、当該出荷される箱がコンベア171により搬送されて梱包機172により梱包され、梱包された箱がコンベア171により搬送され、やがて、出荷(配送)されてもよい。
【0050】
停車エリア174は、移動エリア150の中のエリア(例えば、梱包エリア102に隣接し移動エリア150の一つ以上の区画201で構成されたエリア)でもよいし、移動エリア150の外(例えば梱包エリア102の中)のエリアでもよい。
【0051】
図6及び図7は、本実施の形態における搬送システムの要素の具体的な構成例を示す図である。
【0052】
搬送システムは、制御装置4と、搬送装置3と、マテハン設備161と、ステーション端末710と、ネットワーク551(例えば、無線LAN(Local Area Network)などの無線通信回線)と、を備える。搬送システムの各構成要素は、一つ又は複数あってもよい。搬送装置3、制御装置4、マテハン設備161及びステーション端末710の各々が、ネットワーク551を介して通信可能である。搬送システムは、「物流システム」と呼ばれてもよい。
【0053】
搬送装置3は、駆動装置11、記憶装置12、インターフェース装置13、複数種類のセンサ14、バッテリ、及び、それらに接続されたコントローラ10を備える。
【0054】
コントローラ10は、制御装置4からの移動指示や内蔵するバッテリの充電状態などに応じて搬送装置3の動作の制御を司るコントローラである。駆動装置11は、駆動輪20、補助輪21のほか、駆動輪20を回転駆動するためのモータ等のアクチュエータ(図示せず)を備える。
【0055】
インターフェース装置13は、所定の無線通信方式により制御装置4と通信を行うための装置であり、例えば無線LANカードなどから構成されてよい。
【0056】
センサ14は、搬送装置3が走行する床面の情報や搬送装置3に関する各種情報を収集等するためのデバイスである。例えば、センサ14は、例えば、床面の区画201上のマーカの情報を読み込むことが可能である。搬送装置3は、複数種類のセンサ14として、区画201の状態を撮像したりするためのカメラ、移動中の搬送装置3が受ける振動を検出するための振動センサ、搬送装置3の速度を計測する速度センサ、搬送装置3の加速度を計測する加速度センサ、積載物(搬送物)の重量を計測する重量センサ、及び、搬送装置3の向きを計測するジャイロセンサなどのセンサを備えていてもよい。
【0057】
記憶装置12には、例えば、経路テーブル23、装置テーブル24、地図テーブル25、計測テーブル27及び実績テーブル28が格納される。コントローラ10には、通信プログラム29、移動制御プログラム30、計測プログラム31及び位置推定プログラム32が格納されている。通信プログラム29、移動制御プログラム30、計測プログラム31及び位置推定プログラム32がコントローラ10により実行されることで、通信部、走行制御部、計測部及び位置推定部が実現される。
【0058】
経路テーブル23は、制御装置4から受信した上述の移動指示や、移動指示で指定された移動経路を表す情報が格納されるテーブルである(移動経路を表す情報は、移動経路の区画の情報等を含んでよい)。装置テーブル24は、搬送装置3のID、現在の位置(区画)、及び、状態(例えば、「待機」、「移動中」又は「搬送中」)が格納されたテーブルである。地図テーブル25は、区画毎の位置及び属性(例えば、いずれの領域に属するか)を表す情報が格納されたテーブルである。なお、地図テーブル25は、図2に例示されるような情報を含んでよい。計測テーブル27は、複数種類のセンサ14により計測された値(例えば、速度、加速度、旋回、重量、位置(マーカから読み取られた値)、区画の撮影画像等)が格納されるテーブルである。実績テーブル28は、搬送装置3が移動した経路及び日時を含む移動実績を表す情報が格納されるテーブルである。
【0059】
通信プログラム29は、インターフェース装置13を介して制御装置4との間でコマンドや情報をやり取りする機能を有するプログラムである。例えば、通信プログラム29は、制御装置4からの要求に応じて(又は要求無しに)、テーブル23~25、27及び28のうちの少なくとも一部の情報を制御装置4に送信する。なお、各搬送装置3の通信プログラム29は、これらの情報のそれぞれについて、定期的又は不定期のタイミングで制御装置4に送信してもよい。
【0060】
移動制御プログラム30は、制御装置4から通信プログラム29を通じて受信した移動指示に応じて搬送装置3の移動を制御するプログラムである。例えば、移動制御プログラム30は、制御装置4からの移動指示に従い、指定された移動経路で移動するよう駆動装置11を制御する。
【0061】
計測プログラム31は、各センサ14の出力(計測結果)を計測テーブル27に登録する。位置推定プログラム32は、搬送装置3のセンサ14を通じて検出されたマーカ(移動エリア150の区画201におけるマーカ)を基に搬送装置3の位置を推定する。
【0062】
制御装置4は、プロセッサ40、メモリ41、記憶装置42、入力装置43、出力装置44及びインターフェース装置45といったハードウェアを有する一つ以上の物理計算機でもよいし、一つ以上の物理計算機(例えば、クラウド基盤)に実現されたシステム(例えば、クラウドコンピューティングシステム)でもよい。また、制御装置4が有する各装置については、一つの物理計算機に配置されてもよいし、分散するように複数の物理計算機に配置されてもよい。記憶装置42が有する各プログラムや各情報については、一つの記憶装置に格納されてもよいし、分散するように複数の記憶装置に分けて記憶されてもよい。入力装置43及び出力装置44に代えて、インターフェース装置45を通じて通信可能なクライアントシステムを介して情報の入出力が可能でよい。
【0063】
プロセッサ40は、制御装置4全体の動作制御を司るデバイスである。メモリ41は、プロセッサ40のワークメモリとして利用される。記憶装置42には、プログラムやテーブルが格納される。入力装置43は、例えばマウスやキーボードなどから構成され、オペレータが必要な情報や指示を制御装置4に入力するために利用される。出力装置44は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置でよい。インターフェース装置45は、所定の無線通信方式により搬送装置3、マテハン設備161、及びステーション端末710と通信を行うための装置であり、例えば無線LANカードなどから構成されてよい。
【0064】
記憶装置42には、例えば、搬送装置テーブル53、在庫テーブル54、オーダテーブル55、地図テーブル56、保管エリアテーブル57、作業管理テーブル58(ピッキング作業管理テーブル581及び積載作業管理テーブル582)、出荷箱テーブル59及び移動エリアテーブル60が格納される。地図テーブル56は、移動エリア150(及び各停車エリア)の地図を表す情報(例えば、区画毎の位置(座標)及び属性が格納されたテーブル)である(このテーブル56が各搬送装置3に配信され、各搬送装置3において地図テーブル25として保存されてよい)。なお、地図テーブル56は、図2に例示されるような情報を含んでよい。
【0065】
記憶装置42には、統合WCSプログラム51及び複数のWCSプログラム50が格納されている。統合WCSプログラム51及びWCSプログラム50がプロセッサ40により実行されることで、統合WCS及びWCSが実現される。WCSは、Warehouse Control Systemの略である。統合WCSプログラム51は、搬送装置3やマテハン設備161を統合的に制御する。WCSプログラム50は、マテハン設備161又は搬送装置3を制御する。例えば、第一のWCSプログラム50は、自動倉庫エリア101Bのマテハン設備161(具体的には自動倉庫161B)を制御する。第二のWCSプログラム50は、棚搬送エリア(具体的には搬送装置161C)を制御する。第三のWCSプログラム50は、搬送装置3を制御する。
【0066】
マテハン設備161は、保管エリア101(典型的には、GTPが適用された保管エリア)に設けられており、当該保管エリア101の入庫、保管又は出庫等のために用いられる設備である。マテハン設備161は、例えば、自動倉庫エリア101Bにおける自動倉庫161Bや、棚搬送エリア101Cにおける搬送装置161Cである。マテハン設備161は、例えば、インターフェース装置711、記憶装置713、駆動装置714、センサ715及びそれらに接続されたプロセッサ712を有する。
【0067】
インターフェース装置711は、所定の無線通信方式により制御装置4と通信を行うための装置であり、例えば無線LANカードなどから構成されてよい。駆動装置714は、マテハン設備161を駆動する装置である。センサ715は、マテハン設備161の位置等を検出するセンサでよい。
【0068】
記憶装置713には、在庫テーブル760及び入出庫テーブル761が格納される。在庫テーブル760は、制御装置4が有する在庫テーブル54の少なくとも一部と同じ情報を含んだテーブルでよい。入出庫テーブル761は、物品の入庫又は出庫に関する情報を含んだテーブルでよい。プロセッサ712は、記憶装置713内のプログラムを実行することで、例えば在庫テーブル760及び入出庫テーブル761を基に、マテハン設備161全体の動作制御を司る。
【0069】
ステーション端末710は、WS(作業ステーション(つまり作業エリア163))に設けられ、作業者の作業(例えばピッキング作業又は積載作業)に関する情報の一例である作業管理テーブル770を表示し、作業完了時に作業者からの入力を受け付ける情報処理端末である。作業完了の入力により、対象の作業の作業状態が更新される。ステーション端末710が、インターフェース装置731、記憶装置732及びそれらに接続されたプロセッサ733を有する。なお、WSは、ワークステーション(Work Station)やワーキングステーション(Working Station)と呼ばれてもよい。
【0070】
インターフェース装置731は、所定の無線通信方式により制御装置4と通信を行うための装置であり、例えば無線LANカードなどから構成されてよい。記憶装置732には、作業管理テーブル770が格納される。作業管理テーブル770は、制御装置4が有する作業管理テーブル58のうち、当該WSに対応の情報を含んだテーブルでよい。プロセッサ733は、記憶装置732内のプログラムを実行することで、例えば作業管理テーブル770を基に、ステーション端末710全体の動作制御を司る。ステーション端末710は、入力装置及び出力装置を備えていてもよい。入力装置は、作業の完了等、作業者による作業に関する情報の入力を受け付けてよい。出力装置は、作業者への作業に関する指示等を出力してよい。
【0071】
図8は、オーダテーブル55の構成例を示す図である。
【0072】
オーダテーブル55は、顧客からのオーダに関する各種情報が格納されるテーブルである。オーダテーブル55は、物品毎にレコードを有する。各レコードが、ステータス601、伝票番号602、出荷箱ID603、店ID604、物品名605、物品ID606、個数607、納期608、受信日時609、作業日時610及び優先フラグ611といった情報を保持する。一つの物品を例に取る(図8の説明において「注目物品」)。図8が示す例によれば、伝票番号602が同じあれば、物品の種類(例えば、物品名605及び物品ID606)が違っていても、一つのオーダとして扱われてよい。
【0073】
ステータス601は、注目物品に関する作業ステータスを表す。伝票番号602は、注目物品が指定されたオーダの番号(伝票の番号)を表す。
【0074】
出荷箱ID603は、注目物品に割り当てられた出荷箱87のIDを表す。店ID604は、物品の販売元又は製造元の店のIDを表す。
【0075】
物品名605は、注目物品の名前を表し、物品ID606は、注目物品のIDを表し、個数607は、注目物品の数(オーダされた個数)を表す。
【0076】
納期608は、注目物品が配送先(典型的には顧客)へ届けられる期限を表す。受信日時609は、注目物品が指定されたオーダを受信した日時を表す。作業日時610は、注目物品に関する特定の作業(例えばピッキング作業、積載作業、検品作業、梱包作業等)が行われる日時を表す。これらの情報に加えて又は代えて、作業期限や出荷期限の情報があってもよい。
【0077】
優先フラグ611は、突発的なオーダや作業期限が迫っている等、優先すべきオーダ(伝票番号又は出荷箱グループ)に付与されるフラグである。優先フラグ611が「あり」のオーダは、優先フラグ611がないオーダに比べて、優先度が高いオーダである。なお、優先フラグ611は、優先度が「高い」「普通」「低い」等の多段階の優先度であってもよい。
【0078】
優先フラグ611は、例えば作業期限まで所定の時間以下の場合や、オーダが特急の指定があるオーダである場合等に、自動的に付与されてもよいし、管理者及び/又は作業者の入力により付与されてもよい。また、オーダが複数の出荷箱に分かれており、一部の出荷箱のステータス601がピッキング完了であるが、残りの出荷箱のステータス601がピッキング未完了の場合に、当該残りの出荷箱に関して優先フラグ611を付与する等、オーダに関する物品の滞留を防ぐ等の効率化の目的で、付与されるものであってもよい。
【0079】
図9は、在庫テーブル54の構成例を示す図である。
【0080】
在庫テーブル54は、物品に関する情報が格納されるテーブルである。在庫テーブル54は、物品と保管エリア101との組毎にレコードを有する。在庫テーブル54は、物品と保管エリア101のエリア内位置705との組毎にレコードを有していてもよい。各レコードが、物品名701、物品ID702、在庫数703、保管エリア704、エリア内位置705、保管容器ID706、容器内位置707、出庫回数708及び物品サイズ重量709といった情報を保持する。一つの物品を例に取る(図9の説明において「注目物品」)。
【0081】
物品名701は、注目物品の名前を表す。物品ID702は、注目物品のIDを表す。在庫数703は、注目物品の在庫数を表す。保管エリア704は、注目物品が配置されている保管エリア101のIDを表す。エリア内位置705は、注目物品の保管エリア101での位置を表す。保管容器ID706は、エリア内位置705が表す位置にある保管容器のIDを表す。容器内位置707は、注目物品の保管容器での位置を表す。出庫回数708は、物品の出庫回数を表す。物品サイズ重量709は、物品のサイズ又は重量を表す。
【0082】
保管エリア101によって、情報705~707の構成は異なる。例えば、保管エリア101が自動倉庫エリア101Bの場合、エリア内位置705は、自動倉庫エリア101BのIDと、自動倉庫内位置(列、段、行)とを表す値で構成され、保管容器ID706は、自動倉庫エリア101Bで用いられる保管容器であるバケットのIDを表す値で構成され、容器内位置707は、バケット内の間口を表す値で構成される。保管エリア101が平置きエリア101Aの場合、エリア内位置705は、平置きエリア101AのIDと、当該平置きエリア101A内の位置(例えば、列、段、行(又は、列、行))とを表す値で構成される。保管エリア101が棚搬送エリア101Cの場合、エリア内位置705は、移動棚の保管区画ID(又は番地)と、移動棚の面と、移動棚の段と、移動棚の間口とを表す値で構成され、保管容器ID706は、移動棚のIDを表す値で構成され、容器内位置707は、移動棚の間口内の位置を表す値で構成される。保管エリア101が流動棚エリア101Dの場合、エリア内位置705は、流動棚のIDを表す値で構成され、容器内位置707は、流動棚内の位置を表す値で構成される。
【0083】
図10は、保管エリアテーブル57の構成例を示す図である。
【0084】
保管エリアテーブル57は、保管エリア101に関する情報が格納されるテーブルである。保管エリアテーブル57は、エリア内位置毎にレコードを有する。各レコードが、保管エリア801、方式802、一時待機エリア803、エリア内位置804及びステーションID805といった情報を保持する。一つのエリア内位置を例に取る(図10の説明において「注目エリア内位置」)。
【0085】
保管エリア801は、注目エリア内位置を有する保管エリア101の種類を表す。方式802は、出庫又はピッキングの方式を表す。
【0086】
一時待機エリア803は、一時待機エリアの有無を表す。一時待機エリアの有無は、保管エリア101毎に管理されてもよいし、WS(又はWSグループ(二つ以上のWS))毎に管理されてもよい。一時待機エリアは、WS毎にエリアが確保されてもよいが、複数のWSが一時待機エリアを共有してもよい。
【0087】
エリア内位置804は、注目エリア内位置を表す。ステーションID805は、エリア内位置に対応したWS(出庫可能なWS)のIDを表す。
【0088】
図11は、搬送装置テーブル53の構成例を示す図である。
【0089】
搬送装置テーブル53は、各搬送装置3に関する情報が格納されたテーブルである。搬送装置テーブル53は、搬送装置3毎にレコードを有する。各レコードが、装置ID1101、出荷箱ID1102、位置1103、バッテリ残量1104、装置状態1105、保管エリア1106、目的位置1107及び到着予定日時1108といった情報を保持する。一つの搬送装置3を例に取る(図11の説明において「注目搬送装置3」)。
【0090】
装置ID1101は、注目搬送装置3のIDを表す。出荷箱ID1102は、注目搬送装置3に積載される出荷箱87のIDを表す。注目搬送装置3に複数の出荷箱87が積載される場合、注目搬送装置3のIDとして複数のIDが記録される。例えば、図11の例において、装置ID1101が「AGV04-R」と「AGV04-L」のレコードは、装置IDが「AGV04」の装置正面の右側(R)に出荷箱ID「B08」の出荷箱が積載され、装置IDが「AGV04」の装置正面の左側(L)に出荷箱ID「B09」の出荷箱が積載されていることを表している。
【0091】
位置1103は、注目搬送装置3が位置する区画(つまり現在区画)の座標を表す。バッテリ残量1104は、注目搬送装置3のバッテリの残量を表す。
【0092】
装置状態1105は、注目搬送装置3の状態を表す。“移動中”は、注目搬送装置3が移動していることを意味する。“空き”は、注目搬送装置3に出荷箱が割り当てられていないことを意味する。“停車中”は、注目搬送装置3が停車エリア(又は一時待機エリア)に停車していることを意味する。
【0093】
保管エリア1106は、注目搬送装置3の移動先の保管エリアを表す。目的位置1107は、注目搬送装置3の移動先の位置を表し、保管エリア1106に関連する場所又は保管エリア1106に近傍の場所でよい。例えば、保管エリア1106のWS(作業エリア)前の停車エリア、又は、一時待機エリアでよい。
【0094】
到着予定日時1108は、注目搬送装置3が移動先に到着する予定日時である。到着予定日時1108は、例えば、注目搬送装置3の移動先への移動経路を基に統合WCSプログラム51(又はWCSプログラム50)により算出された日時でよい。
【0095】
図12は、移動エリアテーブル60の構成例を示す図である。
【0096】
移動エリアテーブル60は、移動エリア150における区画毎の情報を保持する。移動エリアテーブル60は、区画毎にレコードを有する。各レコードが、番地1201、区画設定1202、ステーションID1203、使用不可フラグ1204、旋回不可フラグ1205及び方向1206といった情報を保持する。一つの区画を例に取る(図12の説明において「注目区画」)。
【0097】
番地1201は、注目区画の番地(位置情報)を表す。区画設定1202は、注目区画がどのような区画として設定されているかを表す。例えば、“移動用区画”とは、搬送装置3が走行する区画である。“停車エリア”は、停車エリアに属する区画である。“一時待機エリア”は、一時待機エリアに属する区画である。ステーションID1203は、注目区画に対応するWSのIDを表す。
【0098】
使用不可フラグ1204は、注目区画が使用不可(移動経路の構成要素になり得ない)か否かを表すフラグである。旋回不可フラグ1205は、注目区画が搬送装置3の旋回が不可か否かを表す。方向1206は、注目区画に存在する搬送装置3が移動可能な方向を表す。
【0099】
なお、保管エリア101内でAGVのような搬送装置が走行する場合、その保管エリア101について、移動エリアテーブル60と同様のテーブルが管理されてよい。この場合、主に、その搬送装置を制御するWCSプログラム50が、当該テーブルを参照又は更新してもよい。
【0100】
図13は、出荷箱テーブル59の構成例を示す図である。
【0101】
出荷箱テーブル59は、各出荷箱に関する情報が格納されたテーブルである。出荷箱テーブル59は、出荷箱のサイズ区分毎にレコードを有する。各レコードが、サイズ区分1301、積載可能サイズ1302、積載可能重量1303、積載可能数1304及び出荷箱ID1305といった情報を保持する。一つの出荷箱を例に取る(図13の説明において「注目出荷箱」)。
【0102】
サイズ区分1301は、注目出荷箱が属するサイズ区分(例えば、大中小)を表す。積載可能サイズ1302は、注目出荷箱に積載可能な物品のサイズ(例えば、幅、奥行き、高さ)を表す。積載可能重量1303は、注目出荷箱に積載可能な物品の重量を表す。
【0103】
積載可能数1304は、注目出荷箱が属するサイズ区分と同じサイズ区分に属する出荷箱を搬送装置3に積載可能な最大数を表す。
【0104】
出荷箱ID1305は、注目出荷箱のIDを表す。具体的には、サイズ区分毎に、出荷箱ID1305は、当該サイズ区分に属する注目出荷箱のIDのリストである。なお、出荷箱ID1305に含まれるIDは、全ての出荷箱を対象にしてもよいが、伝票番号に対して未割当の出荷箱(つまり空きの出荷箱)のIDのみとしてもよい(つまり、出荷箱ID1305から割当て対象の出荷箱のIDが選択された場合、出荷箱ID1305から当該IDは削除されてよい)。
【0105】
また、出荷箱テーブル59について、出荷箱ごとにレコードを有して、上述の情報1301~1305に加えて、各出荷箱の割り当て状況(未割当て又は割当て済のステータス、割当て済の伝票番号、割当て済みの搬送装置3のID等)を管理してもよい。
【0106】
図14は、積載作業管理テーブル582の構成例を示す図である。
【0107】
積載作業管理テーブル582は、積載作業に関するテーブルである。積載作業管理テーブル582は、積載作業毎にレコードを有する。各レコードが、ステーションID1401、伝票番号1402、装置ID1403、出荷箱ID1404、物品ID1405、数量1406、開始予定日時1407、終了予定日時1408及び作業状態1409といった情報を保持する。一回の積載作業を例に取る(図14の説明において「注目積載作業」)。
【0108】
ステーションID1401は、注目積載作業が行われるWSのIDを表す。伝票番号1402は、注目積載作業に対応したオーダの伝票番号を表す。装置ID1403は、注目積載作業において物品を入れる(積載する)出荷箱87をWSに搬送する搬送装置3のIDを表す。
【0109】
出荷箱ID1404は、注目積載作業において物品を入れる(積載する)出荷箱のIDを表し、物品ID1405は、当該物品のIDを表し、数量1406は、注目積載作業において積載される当該物品の数を表す。
【0110】
開始予定日時1407は、注目積載作業の開始予定日時を表す。終了予定日時1408は、注目積載作業の終了予定日時を表す。開始予定日時1407は、移動経路に沿って搬送装置3がWSに到着する予定日時や、注目積載作業より前に行われる積載作業に要する予測時間長(又は終了予定日時)を基に、統合WCSプログラム51又はWCSプログラム50により算出されてよい。終了予定日時1408は、開始予定日時1407と、注目積載作業に要する予測時間長とを基に統合WCSプログラム51又はWCSプログラム50により算出されてよい。積載作業に要する予測時間長は、積載作業対象の物品の数量、積載作業の平均的な所用時間、及び、積載作業の作業者の過去の積載作業履歴、のうちの少なくとも一つを基に、統合WCSプログラム51又はWCSプログラム50により算出されてよい。なお、積載作業は、作業者に代えて又は加えてロボットにより行われてもよい。
【0111】
作業状態1409は、注目積載作業の状態を表す。“作業前”は、注目積載作業が開始される前であることを意味する。“作業中”は、注目積載作業が開始されたが注目積載作業が完了していないことを意味する。“完了”は、注目積載作業が完了したことを意味する。なお、作業状態1409の変更は、注目積載作業の作業者からの入力を基に行われてもよいし、注目積載作業に関して自動検出された値を基に自動で行われてもよい。
【0112】
なお、積載作業管理テーブル582は、各WSの積載作業の状況が分かるように、例えばWS毎にテーブルを作成する等、WS毎にレコードを管理してもよく、またレコードの順番は、各WSに搬送装置3(出荷箱87)が到着した順番でよい。
【0113】
図15は、ピッキング作業管理テーブル581の構成例を示す図である。
【0114】
ピッキング作業管理テーブル581は、ピッキング作業に関するテーブルである。ピッキング作業管理テーブル581は、ピッキング作業毎にレコードを有する。各レコードが、ステーションID1501、伝票番号1502、保管容器ID1503、物品ID1504、数量1505、開始予定日時1506、終了予定日時1507及び作業状態1508といった情報を保持する。一回のピッキング作業を例に取る(図15の説明において「注目ピッキング作業」)。
【0115】
ステーションID1501は、注目ピッキング作業が行われるWSのIDを表す。伝票番号1502は、注目ピッキング作業に対応したオーダの伝票番号を表す。保管容器ID1503は、注目ピッキング作業においてピッキングされる物品を有する保管容器のIDを表す。
【0116】
物品ID1504は、注目ピッキング作業においてピッキングされる物品のIDを表し、数量1505は、ピッキングされる物品の数を表す。
【0117】
開始予定日時1506は、注目ピッキング作業の開始予定日時を表す。終了予定日時1507は、注目ピッキング作業の終了予定日時を表す。開始予定日時1506は、保管容器がWSに到着する予定日時や、注目ピッキング作業より前に行われるピッキング作業に要する予測時間長(又は終了予定日時)を基に、統合WCSプログラム51又はWCSプログラム50により算出されてよい。終了予定日時1507は、開始予定日時1506と、ピッキング作業に要する予測時間長とを基に統合WCSプログラム51又はWCSプログラム50により算出されてよい。ピッキング作業に要する予測時間長は、ピッキング作業対象の物品の数量、ピッキング作業の平均的な所用時間、及び、ピッキング作業の作業者の過去のピッキング作業履歴、のうちの少なくとも一つを基に、統合WCSプログラム51又はWCSプログラム50により算出されてよい。なお、ピッキング作業は、作業者に代えて又は加えてロボットにより行われてもよい。
【0118】
作業状態1508は、注目ピッキング作業の状態を表す。“作業前”は、注目ピッキング作業が開始される前であることを意味する。“作業中”は、注目ピッキング作業が開始されたが注目ピッキング作業が完了していないことを意味する。“完了”は、注目ピッキング作業が完了したことを意味する。なお、作業状態1508の変更は、注目ピッキング作業の作業者からの入力を基に行われてもよいし、注目ピッキング作業に関して自動検出された値を基に自動で行われてもよい。
【0119】
なお、ピッキング作業管理テーブル581は、各WSのピッキング作業の状況が分かるように、例えばWS毎にテーブルを作成する等、WS毎にレコードを管理してもよく、またレコードの順番は、各WSに物品(保管容器)が到着した順番でよい。
【0120】
また、異なる複数の伝票番号(例えば“81”及び“85”)を表す伝票番号1502があるが、これは、積載作業管理テーブル582(例えば、伝票番号1402“81”及び“85”を有するレコード)に関連し、一回のピッキング作業において、当該伝票番号の異なるオーダの物品が纏めてピッキングされることを表す。
【0121】
以下、本実施の形態で行われる処理の例を説明する。なお、本実施の形態では、各搬送装置3、各マテハン設備161、各ステーション端末710から制御装置4が定期的又は不定期的に受信する情報(例えば、センサの計測値を含んだ情報)を基に、統合WCSプログラム51又はWCSプログラム50により、テーブル53~60のうちの該当部分が適宜に更新される。
【0122】
図16図21は、オーダ処理の流れを示すフローチャートである。なお、以下の説明において、「WCSプログラム50X」は、移動先の保管エリア101のマテハン設備161に対応のWCSプログラム50である。「WCSプログラム50Y」は、搬送装置3に対応のWCSプログラム50である。
【0123】
図16に示すように、S1601で、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55から、作業日時610が所定の作業日時に該当する一つ以上のレコードを選択する。なお、優先フラグ611が「あり」のオーダは、当該オーダに対する以下のオーダ処理における少なくとも一部の処理において、優先フラグのないオーダに比べて、優先的な処理がされてよい(例えば、保管エリア101のマテハン設備161からの物品の出庫順や、搬送装置3の停車エリア164への到着順及び/又は待機順における優先を含む)。
【0124】
S1602で、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55を参照し、出荷箱ID603が未割当の伝票番号を特定し、出荷箱選択処理(図22)を行う。ここでは、例えば、特定された伝票番号に対応の全ての物品が一つの出荷箱に入らない場合、それらの物品を複数の出荷箱に分けることが決定される。また、出荷箱のサイズが複数ある場合、出荷箱のサイズが特定され、且つ、一つの搬送装置3に、複数の出荷箱が積載されるか否かが判定される(複数の出荷箱を積載する場合、積載する出荷箱の数を決定する)。このS1602が行われることで、S1601で特定された全てのレコードの各々における出荷箱に関する情報(例えば、各レコードに対応する出荷箱グループID、出荷箱のサイズ、搬送装置3に積載する出荷箱の数、出荷箱グループの組合せ、出荷箱ID等の一部又は全部の情報)が設定(決定)され、オーダテーブル55に記録される。
【0125】
S1603で、統合WCSプログラム51は、搬送装置テーブル53を参照する。
【0126】
S1604で、統合WCSプログラム51は、出荷箱が未割当て(装置状態1105が“空き”)の搬送装置3を特定する。
【0127】
S1605で、統合WCSプログラム51は、特定した搬送装置3を供給WS(出荷箱供給エリア100のWS)に移動させる移動要求をWCSプログラム50Yに送信する。移動要求には、S1604で特定された搬送装置の装置IDと行先エリア(例えば移動先の停車エリア)とが指定される。
【0128】
S1606で、WCSプログラム50Yは、当該移動要求に従い、指定された搬送装置3に、供給WSへの移動の移動指示を送信する。
【0129】
S1607で、WCSプログラム50Yは、搬送装置3から、供給WSに到着完了の通知を受信し、搬送装置3が供給WSに到着したことを統合WCSに報告する。
【0130】
S1608で、統合WCSプログラム51は、到着完了の報告を受信する。
【0131】
図17に示すように、S1609で、統合WCSプログラム51は、供給WSのステーション端末710に、出荷箱の積載要求を送信する。積載要求は、例えば、S1602で特定された出荷箱に関する情報(例えば、出荷箱グループID、出荷箱のサイズ、搬送装置3に積載する出荷箱の数、出荷箱グループの組合せ、出荷箱ID等の一部又は全部の情報)を含む。
【0132】
S1610で、供給WSのステーション端末710は、当該積載要求を基に、出荷箱の積載指示を表示する。表示される積載指示は、供給WSに対応の停車エリアに到着している搬送装置3に積載する出荷箱に関する情報であって、積載要求に含まれていた情報を含む。表示された積載指示に従い積載作業が行われる。例えば、供給WSでは、作業者又は作業ロボットが、積載指示で指定された「出荷箱のサイズ」及び「出荷箱の数」の出荷箱について、積載する出荷箱に付いているコード(例えば、出荷箱IDを含む)をコードリーダのようなスキャン端末でスキャンする(読み取る)こと等により、積載する出荷箱IDの情報がステーション端末710に入力されてよい。コードがスキャンされた出荷箱を、作業者又は作業ロボットがWSの搬送装置3に積載する。出荷箱のサイズが複数ある場合、積載指示の表示は、出荷箱のサイズの情報を含む。作業者は、そのサイズの出荷箱を積載する(つまり、積載指示に従い、一つの搬送装置3に、一つ又は複数の出荷箱が積載される)。
【0133】
なお、変形例として、出荷箱のサイズ毎に、供給WSが分かれていてもよく、この場合、統合WCSプログラム51は、出荷箱のサイズに応じた供給WSに搬送装置3を移動させるように移動要求をWCSプログラム50Yに送信してよい。別の変形例として、装置状態1105“空き”に対応の搬送装置3がある場合に、供給WSで、先に出荷箱を積載しておき、その後で、未割当ての伝票番号(出荷箱グループ)がその出荷箱に割り当てられてもよい。
【0134】
S1611で、ステーション端末710は、作業者から、積載完了の入力を受け、統合WCSプログラム51に、積載完了(例えば、出荷箱IDの情報を含む)を報告する。
【0135】
S1612で、統合WCSプログラム51は、積載完了の報告を受信して、搬送装置テーブル53を更新する(対象の搬送装置3について、出荷箱ID1102として、積載された出荷箱のIDを設定する)。
【0136】
S1613で、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55を更新する。例えば、統合WCSプログラム51は、対象の伝票番号(出荷箱グループ)に当該積載された出荷箱を割り当てる。統合WCSプログラム51は、同じ搬送装置に複数の出荷箱が積載されている場合、対象の出荷箱グループの組合せに対応する各出荷箱グループに、当該積載された出荷箱を其々割り当てる。統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55において、各出荷箱グループに対応する各物品のレコードに、出荷箱ID603として、積載された(割り当てた)出荷箱のIDを設定する。
【0137】
なお、変形例として、S1602(図22)で出荷箱IDが設定され、S1609の積載要求及びS1610の積載指示に出荷箱IDの情報が含まれる場合、作業者又は作業ロボットが、積載指示で指定された出荷箱IDの出荷箱を、搬送装置3に積載してもよい。
【0138】
図18に示すように、S1614で、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55及び在庫テーブル54を参照して、対象の伝票番号に対応する物品(ステータス601がピッキング又は積載が未完了であることを表す物品)を保管している保管エリア101を特定する。
【0139】
S1615で、統合WCSプログラム51は、作業管理テーブル58(ピッキング作業管理テーブル581及び積載作業管理テーブル582)、保管エリアテーブル57、移動エリアテーブル60、及び、搬送装置テーブル53を参照する(更に、例えば、各マテハン設備161の入出庫テーブル761を参照する)。統合WCSプログラム51は、参照したテーブルから、各WSの作業状況(例えば、作業能力や混雑状況)、各搬送装置3の位置や移動状況(例えば、移動先や到着予定日時)、出庫予定の物品等を特定し、移動先の保管エリアと目的位置(例えば移動先保管エリア101のWS又は一時待機エリア)を決定(選択)する。統合WCSプログラム51は、その決定に基づき、巡回順序(少なくとも最初の移動先を含む全部又は一部の移動先)を決定する。統合WCSプログラム51は、搬送装置テーブル53(例えば、装置状態1105、保管エリア1106及び目的位置1107)を更新する。
【0140】
S1616で、統合WCSプログラム51は、保管エリアテーブル57を参照し、移動先の保管エリア101がGTPエリア(GTPが適用されたエリア)であるか否かを判定する。S1616の判定結果が偽の場合(S1616:NO)、処理がS1632(図20)に進む。
【0141】
S1616の判定結果が真の場合(S1616:YES)、S1617で、統合WCSプログラム51は、搬送装置3を目的位置に移動させる移動要求をWCSプログラム50Yに送信する。
【0142】
S1618で、WCSプログラム50Yは、移動要求に従い、搬送装置3を目的位置へ移動させる移動指示を搬送装置3に送信する。
【0143】
S1619で、WCSプログラム50Yは、搬送装置3から、目的位置に到着したとの完了の通知を受信し、統合WCSプログラム51に、到着完了を報告する。
【0144】
S1620で、統合WCSプログラム51は、到着完了の報告を受信する。
【0145】
図19に示すように、S1621で、統合WCSプログラム51は、移動先保管エリア101から物品(対象の伝票番号に対応する物品)を出庫する出庫要求を、移動先保管エリア101のマテハン設備161に対応のWCSプログラム50Xに送信する。
【0146】
S1622で、WCSプログラム50Xは、出庫要求に従い、対象の伝票番号に対応する物品を出庫する出庫指示を、対応のマテハン設備161に送信する。なお、出庫指示が、例えば、保管エリア101における出庫先WSや、物品の到着順及びタイミングを表す情報を一部又は全部含んでいてもよい。
【0147】
例えば、WCSプログラム50Xは、在庫テーブル54を参照して、出庫対象の物品の物品名701及び/又は物品ID702に対応するエリア内位置705を特定する。WCSプログラム50Xは、保管エリアテーブル57を参照して、エリア内位置705に対応するエリア内位置804を特定し、当該エリア内位置804に対応するステーションID805を特定し、出庫先となるWS(出庫先WS、搬送先WS)を特定(決定)する。
【0148】
なお、ステーションIDが複数ある場合、WCSプログラム50Xは、ピッキング作業管理テーブル581を参照して、各WSの作業タスクが平準化又は(作業者の作業処理スピード等に基づいて)最適化されるように、各WSのピッキング作業タスクの状況を考慮して、当該物品の出庫先となるWSを決定してもよい。また、他のピッキング作業タスク(他の伝票番号に対応する物品等、同じ又は異なる物品に対するピッキング作業タスク)とあわせて、纏めてピッキングしたほうが効率的な場合は、WCSプログラム50Xは、纏めてピッキング可能なように、出庫先となるWSが同じWSとなるよう出庫先WSを決定し、また出庫先WSに物品が到着する到着順及び/又はタイミングを決定してもよい。
【0149】
S1623で、WCSプログラム50Xは、マテハン設備161から、物品の出庫状況や搬送状況を表す状況情報を受信し、状況情報を統合WCSに報告する。状況情報は、例えば、保管エリア101における出庫先WSや、物品の到着順及びタイミングを表す情報を含んでよい。
【0150】
S1624で、統合WCSプログラム51は、出庫状況及び搬送状況の状況情報を含んだ報告を受信する。
【0151】
S1625で、統合WCSプログラム51は、保管WS(移動先保管エリア101のWS)のステーション端末710に出力要求(ピッキング及び積載の作業指示の表示の要求)を送信したり、WCSプログラム50Yに移動要求を送信したりする。具体的には、例えば、統合WCSプログラム51は、状況情報(例えば、出庫先WSや、物品の到着順及びタイミングの情報)を基に、保管WSのステーション端末710に出力要求を送信したり、搬送装置3が保管WSに対応する停車エリア164に到着する順やタイミングと、物品が出庫先WSに到着する順やタイミングとが同じになるような移動要求を決定してWCSプログラム50Yに送信したりする。作業指示は、移動先保管エリア101でピッキングし搬送装置3に積載すべき物品、物品個数、及び物品位置(エリア内位置や容器内位置)を表す情報を含む。
【0152】
S1626で、WCSプログラム50Yは、移動要求に従い、搬送装置3の目的位置(保管エリア101のWS)への移動指示を当該搬送装置3に送信する。
【0153】
S1627で、WCSプログラム50Yは、搬送装置3から、目的位置に到着したとの完了の通知を受信し、統合WCSプログラム51に、到着完了を報告する。
【0154】
S1628で、保管WSのステーション端末710は、出力要求を基に、ピッキング及び/又は積載の作業指示を表示する。
【0155】
S1629で、ステーション端末710は、作業者から、ピッキング完了及び/又は積載完了の入力を受け、統合WCSプログラム51に、作業完了を報告する。
【0156】
S1630で、統合WCSプログラム51は、到着完了の報告を受信する。
【0157】
S1631で、統合WCSプログラム51は、ピッキング完了及び/又は積載完了の報告を受信し、オーダテーブル55のステータス601を更新(対象の伝票番号に対応の当該物品のステータス601をピッキング及び/又は積載が“完了”に更新)する。そのステータス601についてピッキング及び積載が“完了”のステータスとなった後、処理がS1640(図21)に進む。
【0158】
図18のS1616:NOの場合、上述したように、処理が図20のS1632に進む。S1632で、統合WCSプログラム51は、搬送装置3を移動先保管エリア101の目的位置(保管WS)に移動させる移動要求をWCSプログラム50Yに送信する。
【0159】
S1633で、WCSプログラム50Yは、移動要求に従い、搬送装置3の目的位置への移動指示を当該搬送装置3に送信する。
【0160】
S1634で、WCSプログラム50Yは、搬送装置3から、目的位置に到着したとの完了の通知を受信し、統合WCSプログラム51に、到着完了を報告する。
【0161】
S1635で、統合WCSプログラム51は、到着完了の報告を受信する。
【0162】
S1636で、統合WCSプログラム51は、保管WSのステーション端末710に、ピッキングや積載の作業指示を表示する要求である出力要求を送信する。作業指示は、移動先保管エリア101でピッキングし搬送装置3に積載すべき物品、物品個数、及び物品位置(エリア内位置や容器内位置)を表す情報を含む。
【0163】
S1637で、ステーション端末710は、出力要求を基に、ピッキングや積載の作業指示を表示する。
【0164】
S1638で、ステーション端末710は、作業者から、ピッキングや積載の完了の入力を受け、統合WCSプログラム51に、作業完了を報告する。
【0165】
S1639で、統合WCSプログラム51は、作業完了の報告を受信し、オーダテーブル55のステータス601を更新(対象の伝票番号に対応の当該物品のステータス601をピッキング及び/又は積載が“完了”に更新)する。そのステータス601についてピッキング及び積載が“完了”のステータスとなった後、処理がS1640(図21)に進む。
【0166】
図21に示すように、S1640で、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55のうち、対象の伝票番号(及び/又は対象の出荷箱ID)に対応する各物品のステータス601を参照する。
【0167】
S1641で、統合WCSプログラム51は、対象の伝票番号(又は対象の出荷箱ID、又は同じ搬送装置3に積載する複数の出荷箱ID)に対応する各物品のステータス601が“完了”か否か(すなわち、対象の伝票番号に対応の全ての物品を出荷箱に積載済か否か)を判定する。S1641の判定結果が偽の場合(S1641:NO)、処理が図18のS1614に戻る。つまり、別の移動先保管エリアが特定され、同様の処理が進む。
【0168】
S1641の判定結果が真の場合(S1641:YES)、S1642で、統合WCSプログラム51は、搬送装置3を検品エリア103の目的位置に移動させる移動要求をWCSプログラム50Yに送信する。
【0169】
S1643で、WCSプログラム50Yは、移動要求に従い、搬送装置3を目的位置(検品エリア103)へ移動させる移動指示を当該搬送装置3に送信する。
【0170】
S1644で、WCSプログラム50Yは、搬送装置3から、目的位置に到着したとの完了の通知を受信し、統合WCSプログラム51に、到着完了を報告する。
【0171】
S1645で、統合WCSプログラム51は、到着完了の報告を受信し、検品エリア103の検品装置(図示せず)に検品指示を送信する。
【0172】
S1646で、統合WCSプログラム51は、は、検品完了の報告を受信し、搬送装置3を梱包エリア102の目的位置に移動させる移動要求をWCSプログラム50Yに送信する。
【0173】
S1647で、WCSプログラム50Yは、移動要求に従い、搬送装置3を目的位置(梱包エリア102)へ移動させる移動指示を当該搬送装置3に送信する。
【0174】
S1648で、WCSプログラム50Yは、搬送装置3から、目的位置に到着したとの完了の通知を受信し、統合WCSプログラム51に、到着完了を報告する。
【0175】
S1649で、統合WCSプログラム51は、到着完了の報告を受信し、梱包エリア102のWSのステーション端末710に、出荷箱を梱包エリア102に移載させる積載指示の出力要求を送信する。統合WCSプログラム51は、出荷箱が取り出された搬送装置3の装置状態1105を“空き”に更新して、搬送装置3を次の目的位置(例えば、待機エリア105や、出荷箱供給エリア100等)に移動させる移動要求をWCSプログラム50Yに送信する。
【0176】
図22は、出荷箱選択処理の流れを示すフローチャートである。
【0177】
S2201で、統合WCSプログラム51は、対象の伝票番号(出荷箱が未割当の伝票番号)に対応する合計サイズ重量(サイズ及び/又は重量の合計)を算出する。具体的には、例えば、統合WCSプログラム51は、対象の伝票番号に対応する物品名605、物品ID606及び個数607をオーダテーブル55から特定する。統合WCSプログラム51は、物品名605及び物品ID606の組毎に、当該組に対応する物品サイズ重量709を在庫テーブル54から特定し、特定された物品サイズ重量709と、当該組に対応の個数607との積を算出する。統合WCSプログラム51は、算出された全ての積を合算することで、対象の伝票番号に対応する合計サイズ重量を算出する。
【0178】
S2202で、統合WCSプログラム51は、S2201で算出された合計サイズ重量が所定の閾値以下か否かを判定する。
【0179】
S2202の判定結果が偽の場合(S2202:NO)、S2203で、統合WCSプログラム51は、合計サイズ重量が所定の閾値以下になるように、対象の伝票番号に対応する複数の物品を複数の小グループに分ける。「小グループ」は、出荷箱の単位に相当する。つまり、S2202:NOは、対象の伝票番号に対応の複数の物品が一つの出荷箱に入らないと判定されたことを意味し、この場合、統合WCSプログラム51は、当該複数の物品を複数の出荷箱に分けることを決定する。なお、少なくとも一つの物品が、合計サイズ重量の閾値を越える場合は、統合WCSプログラム51は、管理者にエラー(又は、手動ピッキング要求)を通知してよい。
【0180】
ここで、一つの出荷箱に割り当てる複数の物品のグループ(単位)を、「出荷箱グループ(オーダ容器グループ)」と呼ぶことがある。例えば、S2202の判定結果が偽の場合(S2202:NO)等、対象の伝票番号に対応する複数の物品を複数の「小グループ」に分ける場合、「小グループ」其々が「出荷箱グループ」となる。また、例えば、S2202の判定結果が真の場合(S2202:YES)等、対象の伝票番号に対応する全ての物品が同じ出荷箱に入れられる場合、当該対象の伝票番号に対応する全ての物品が、同じ「出荷箱グループ」となる。統合WCSプログラム51は、各「出荷箱グループ」に、固有の識別情報である出荷箱グループIDが付与する。
【0181】
S2203の後、又は、S2202の判定結果が真の場合(S2202:YES)、S2204で、統合WCSプログラム51は、出荷箱テーブル59(例えばサイズ区分1301のカラム)を参照し、出荷箱のサイズが複数あるか否かを判定する。
【0182】
S2204の判定結果が真の場合(S2204:YES)、S2205で、統合WCSプログラム51は、出荷箱テーブル59や在庫テーブル54を参照し、積載可能サイズ1302及び/又は積載可能重量1303や各物品の物品サイズ重量709を基に、対象の出荷箱グループの合計サイズ重量に対応可能な出荷箱のサイズを特定する。
【0183】
S2205の後、又は、S2204の判定結果が偽の場合(S2204:NO)、S2206で、統合WCSプログラム51は、出荷箱テーブル59を参照し、出荷箱のサイズが、搬送装置3に複数の出荷箱を積載可能なサイズであるか否かを判定する。具体的には、統合WCSプログラム51は、出荷箱のサイズ区分1301に対応の積載可能数1304の値が“2”又はそれより大きいか否かを判定する。
【0184】
S2206の判定結果が真の場合(S2206:YES)、S2207で、統合WCSプログラム51は、作業期限(又は出荷期限)までの時間が閾値以上か否かを判定する。なお、各オーダに対応する作業期限(及び/又は出荷期限)の情報は、例えば、オーダテーブル55に含まれていてよい。
【0185】
S2207の判定結果が真の場合(S2207:YES)、S2208で、統合WCSプログラム51は、搬送装置3に複数の出荷箱を積載することに決定し、搬送装置3に積載する出荷箱の個数(例えば、当該出荷箱のサイズ区分1301に対応する積載可能数1304)を決定する。
【0186】
また、搬送装置3に複数の出荷箱を積載する場合、統合WCSプログラム51は、「対象の出荷箱グループ」を割り当てる出荷箱と同じ搬送装置3に一緒に積載される別の出荷箱に割り当てる「他の未割当ての出荷箱グループ」を選択する。例えば、統合WCSプログラム51は、他の未割当ての伝票番号についても、図22の出荷箱選択処理を行い、「他の未割当ての出荷箱グループ」に割り当てる出荷箱のサイズを特定しておき、当該別の出荷箱のサイズにあう「他の未割当ての出荷箱グループ」を選択する。
【0187】
また、一つの搬送装置3に複数の出荷箱を積載する場合、統合WCSプログラム51は、ピッキング作業、積載作業、及び/又は搬送等の効率化のため、当該複数の出荷箱に割り当てる出荷箱グループの組合せを選択(決定)する。例えば、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55を参照し、対象の出荷箱グループと同じ伝票番号で、別の未割当ての出荷箱グループがある場合、統合WCSプログラム51は、当該別の未割当ての出荷箱グループを選択してもよい。同じ伝票番号の物品が各出荷箱に揃ったタイミングで、検品エリア103や梱包エリア102に搬送できるので、搬送、検品、梱包を効率化できる。
【0188】
例えば、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55を参照し、対象の出荷箱グループに対応する物品と同じ物品がある又は同じ物品が多い等、物品の重複率(重複度)が高い物品を有する「他の未割当ての出荷箱グループ」を選択してもよい。当該同じ物品を纏めてピッキングして、同じ搬送装置3が搬送する其々の出荷箱に積載することで、ピッキング作業、積載作業、及び/又は搬送を効率化できる。また、例えば、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55と在庫テーブル54と保管エリアテーブル57を参照し、対象の出荷箱グループに対応する物品と保管エリア(又は出庫可能な搬送先WS)が同じ物品がある又は多い等、保管エリア(又は出庫可能な搬送先WS)の重複率(重複度)が高い物品を有する「他の未割当ての出荷箱グループ」を選択してもよい。これにより、搬送装置3の移動効率が向上することに加えて、搬送先WSで搬送装置3の到着待ちが減り、さらにピッキングした物品がWSに滞留することを減らすことが可能になり、ピッキング作業、積載作業も効率化できる。なお、上記の選択基準に加えて又は代えて、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55と在庫テーブル54と保管エリアテーブル57等を参照し、保管エリア(搬送先WS)の巡回先が多くなると、搬送装置3の搬送時間(待ち時間を含む)が長くなるため、作業期限に間に合うように(作業完了予定日時を算出し、作業完了予定日時から作業期限までの時間が所定の閾値以上となるように)、また搬送装置3の充電率が閾値以下とならないように(搬送時間を算出し、搬送時間が所定の範囲内となるように)、また保管エリア(搬送先WS)の巡回先の数が所定の閾値以下となるように等、他の選択基準を基に、「他の未割当ての出荷箱グループ」を選択してもよい。統合WCSプログラム51は、対象の出荷箱グループのみならず、作業日時に含まれる伝票番号全体に対する処理が効率化(最適化)されるように、「他の未割当ての出荷箱グループ」を選択してもよい。
【0189】
統合WCSプログラム51は、S1609及びS1610で、対象の出荷箱グループを割り当てる出荷箱と、選択された「他の未割当ての出荷箱グループ」を割り当てる出荷箱とが、同じ搬送装置3に積載されるように制御する(出荷箱の積載を要求する、積載指示する)。なお、対象の出荷箱グループと、当該選択された出荷箱グループとの組合せを、「出荷箱グループの組合せ」と呼ぶことがある。
【0190】
統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55に、対象の出荷箱グループに対応して、出荷箱に関する情報(例えば、出荷箱グループID、出荷箱のサイズ、搬送装置3に積載する出荷箱の数、出荷箱グループの組合せ等)を記録してもよい。
【0191】
S2206の判定結果が偽の場合(S2206:NO)、又は、S2207の判定結果が偽の場合(S2207:NO)、S2209で、統合WCSプログラム51は、搬送装置3に一つの出荷箱を積載することに決定する。具体的には、例えば、統合WCSプログラム51は、オーダテーブル55に、対象の出荷箱グループに対応して、出荷箱に関する情報(例えば、出荷箱グループID、出荷箱のサイズ、搬送装置3に積載する出荷箱の数等)を記録する。
【0192】
なお、一例として、図22の出荷箱選択処理において出荷箱IDを設定する場合には、S2208及びS2209の後に、統合WCSプログラム51は、出荷箱テーブル59を参照し、S2205で特定したサイズに対応する未割当ての出荷箱であって、S2208又はS2209で特定した数(搬送装置3に積載する出荷箱の数)の出荷箱のIDを、対象の出荷箱グループに対応する出荷箱ID603として設定し、オーダテーブル55に記録してもよい。
【0193】
図22に例示の処理において、少なくともこのS2207はオプションでよい。例えば、一つの搬送装置3に複数の伝票番号に対応する複数の出荷箱を積載する場合、複数の出荷箱の全てに物品を集め終えるまで時間がかかる。故に、対象の伝票番号の作業期限が迫っている等、作業期限との関係で、時間が優先される場合には、統合WCSプログラム51は、一つの出荷箱のみ積載することを決定してよい。但し、搬送装置3に複数の出荷箱が積載されていても、いずれかの出荷箱を優先して物品を集め、その出荷箱について先に検品や梱包がされてもよい。その後、搬送装置3は、梱包がされない残りの出荷箱に対応する物品を集めるために、梱包エリア102から一つ以上の保管エリア101を順次移動してよい。
【0194】
以上、実施の形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施の形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
【0195】
また、例えば、区画の形状は、方形に限られず、他の形状でもよい。また、異なる大きさ又は形状の区画が混在してもよい。また、区画の位置は、当該区画上のマーカから特定されることに代えて、他種の方法により特定されてもよい。
【0196】
また、例えば、統合WCSプログラム51及びWCSプログラム50は、制御装置4に代えて又は加えて搬送装置3で実行されてもよい。また、搬送装置3が制御装置4を兼ねてもよい。
【0197】
なお、以上の説明を、例えば下記のように総括することができる。下記の総括は、上述の説明の補足説明や上述の実施の形態の変形例の説明を含んでもよい。
【0198】
制御装置4が、インターフェース装置45と、記憶装置42と、インターフェース装置45及び記憶装置42に接続されたプロセッサ40とを備える。物流施設(例えば、倉庫や物流センタ)は、少なくとも保管方式、出庫方式及びピッキング方式のいずれかが異なる複数の保管エリア101を備える。複数の保管エリア101の各々について、一つ以上のワークステーション(WS)と一つ以上の停車エリア164がある。一つ以上のWSの各々は、当該WSが関連付いた保管エリア101からの物品の出庫先になり得るエリアであり、出庫された物品をピッキングする作業(ピッキング作業)及び/又はピッキングした物品をオーダ容器に入れる作業が行われるエリア(作業エリア163)である。
【0199】
ここで、「ピッキングした物品をオーダ容器に入れる」ことについて、「ピッキングした物品をオーダ容器に積載する(収納する、格納する、移載する又は搭載する)」等、他の表現が用いられることがある。同様に「ピッキングした物品がオーダ容器に入れられる」ことについて、「ピッキングした物品がオーダ容器に積載される(収納される、格納される、移載される又は搭載される)」等、他の表現が用いられることがある。また、「ピッキングした物品をオーダ容器に入れる」作業について、積載作業、収納作業、格納作業、移載作業又は搭載作業等、他の表現が用いられることがある。
【0200】
一つ以上の停車エリア164の各々は、搬送装置3が停車するエリアである。複数の保管エリア101のうちの一つ以上の保管エリア101が、マテハン設備161を有している。インターフェース装置45は、一つ以上の保管エリア101のマテハン設備161と、第一オーダ(第一伝票番号又は第一出荷箱グループ)に対応する第一出荷箱(第一オーダ容器の一例)を積載する第一搬送装置を含む複数の搬送装置3と通信する。記憶装置42は、複数の保管エリア101其々に配置された物品の在庫に関する情報を含んだ在庫テーブル54(在庫情報の一例)を記憶する。
【0201】
プロセッサ40で実行される統合WCSプログラム51及び複数のWCSプログラム50は、複数の物理的又は仮想的な計算機に分散されていてもよい。統合WCSプログラム51が、各WCSプログラム50を含んでもよい。プロセッサ40は、第一オーダを第一出荷箱に割り当て、第一オーダに対応する第一出荷箱を第一搬送装置に割り当ててよい。例えば、搬送装置3に出荷箱が一つのみ積載する搬送システムの場合等、プロセッサ40は、第一オーダを第一搬送装置に割り当ててよい。出荷箱は、オーダ容器の一例である。オーダ容器として、箱以外の容器が採用されてもよい。
【0202】
プロセッサ40は、第一オーダに対応する複数の物品が複数の保管エリア101のうちの二つ以上の保管エリア101に配置(保管)されていることを在庫テーブル54から特定した場合、プロセッサ40は、特定した二つ以上の保管エリア101のうち、第一オーダに対応する一部の物品が配置された第一保管エリア101(例えば自動倉庫エリア101B)を選択する。プロセッサ40は、選択した第一保管エリア101(例えば、第一保管エリア101に対応する一時待機エリア又は停車エリア)に移動するように、第一搬送装置3を制御してもよい(例えば、統合WCSプログラム51がWCSプログラム50Yに移動要求を送信しWCSプログラム50Yが第一搬送装置3に移動指示を送信する)。プロセッサ40は、第一保管エリア101から第一オーダに対応する一部の物品を出庫するように第一保管エリア101のマテハン設備161(例えば、自動倉庫161B)を制御する。プロセッサ40は、保管エリアテーブル57を参照して、一部の物品が出庫されるWSである搬送先WS(第一保管エリアのWS、出庫先WS)を特定する。プロセッサは、搬送先WS(例えば作業エリア163B)に対応する停車エリア(例えば停車エリア164B)に移動するように第一搬送装置3(第一オーダに対応する第一出荷箱を積載する搬送装置)を制御する。作業者(及び/又は作業ロボット)により第一搬送装置3が積載する第一出荷箱に出庫された一部の物品が入れられた後、プロセッサ40は、第一オーダに対応する(未積載の)別の一部の物品が配置された第二保管エリア101(例えば、平置きエリア101A)に対応する停車エリア(例えば停車エリア164A)に移動するように第一搬送装置3を制御する。第一オーダに対応する第一出荷箱には、出荷単位(梱包単位)が同じ物品が入れられるため、第一出荷箱内の物品は仕分け不要となる。これにより、第一オーダに対応する複数の物品の保管位置が少なくとも保管方式、出庫方式、ピッキング方式のいずれかが異なる複数の保管エリア101に跨る場合でも、仕分け作業の作業負荷を低減することができる。
【0203】
また、AGV等の搬送車である搬送装置3は、各保管エリア101や各WSの状況(搬送装置3の待機状況や混雑状況、作業者又は作業ロボットの作業タスクの状況等)に基づいて、移動先となる保管エリアやWSを変更したり、移動タイミングを変更したり、移動先における他の搬送装置3との到着順(待機順)を変更したりする制御が可能であり、コンベアのような固定的な搬送設備と比べて、容易で柔軟性がある。そのため、コンベアのような固定的な搬送設備と比べて、突発的なオーダに対応しやすく、また作業者や搬送装置3の待機時間を減らして作業効率や移動効率を向上可能であり、さらに物流施設における保管エリア101や移動エリア等の複数種類のエリアのレイアウトに柔軟性がある(レイアウト変更しやすい)。
【0204】
なお、第一オーダに対応する複数の物品が二つ以上の保管エリア101に配置されている場合、プロセッサ40は、第一保管エリア101から第一オーダに対応する一部の物品を出庫するように第一保管エリア101のマテハン設備161を制御し、一部の物品が出庫された搬送先WSに対応する停車エリア164に移動するように第一搬送装置3を制御し、第一出荷箱に一部の物品が入れられた後に第二保管エリア101に移動するように第一搬送装置3を制御してよい。また、第一保管エリア101は、GTPが適用されたエリアでよく、第二保管エリア101は、GTPが適用された別方式のエリア、又は、PTGが適用されたエリアでよい。或いは、第一保管エリア101は、PTGが適用されたエリアでよく、第二保管エリア101は、PTGが適用された別方式のエリア、又は、GTPが適用されたエリアでよい。
【0205】
また、第一オーダに対応する複数の物品が複数の保管エリア101のうちの二つ以上の保管エリア101に配置されていることを、在庫情報(在庫テーブル54)から特定した場合、プロセッサ40(制御装置4)は、特定した二つ以上の保管エリアのうち、第一オーダに対応する一部の物品が配置された第二保管エリア101に対応する停車エリア164(例えば停車エリア164A)に移動するように、第一搬送装置3を制御してもよい。第一搬送装置3が積載する第一出荷箱に当該一部の物品が作業者(及び/又は作業ロボット)により入れられた後、プロセッサ40は、第一オーダに対応する別の一部の物品が配置された第一保管エリア101(第一保管エリア101に対応する停車エリア164)を、第一搬送装置3の移動先として決定してもよい。プロセッサ40は、第一保管エリア101から、第一オーダに対応する当該別の一部の物品を出庫するように、第一保管エリア101のマテハン設備161を制御する。プロセッサ40は、保管エリアテーブル57を参照して、当該別の一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSを特定する。プロセッサは、搬送先WSに対応する停車エリア164に移動するように、第一オーダに対応する第一出荷箱を積載する第一搬送装置3を制御する。第一搬送装置3が積載する第一出荷箱に、出庫された当該別の一部の物品が、作業者(及び/又は作業ロボット)により積載される。
【0206】
第一オーダを含む二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する物品が、第一保管エリア101に配置されている物品を含む場合(つまり、例えば作業日時610が同時間帯に属する二つ以上のオーダに対応の二つ以上の物品のいずれもが第一保管エリア101に配置されている場合)、例えばS1621~S1624において、プロセッサ40は、当該二つ以上のオーダに対応する二つ以上の物品を搬送先WSに出庫するように第一保管エリア101のマテハン設備161を制御し、且つ、当該二つ以上の物品が搬送先WSに到着する順を特定してよい(決定してよい)。プロセッサ40は、例えばS1625及びS1626において、二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する出荷箱を積載する搬送装置3が搬送先WSに対応する停車エリア164に到着する順(例えば、移動する順、接車する順、又は、待機の順)が、当該オーダに対応する物品が搬送先WSに到着する順(上記特定された順)となるように、第一搬送装置3を含む二つ以上の搬送装置3を制御してよい。これにより、出庫された物品をピッキングして搬送装置3の出荷箱に積載する作業の作業効率を向上し、また、ピッキングした物品がWSに滞留することを低減することが期待できる。
【0207】
プロセッサ40は、例えばS1621~S1624において、第一オーダに対応する一部の物品が出庫されて搬送先WSに到着するタイミング又は搬送先WSでピッキングされるタイミングを特定してよい(決定してよい)。プロセッサ40は、例えばS1625及びS1626において、当該特定されたタイミングにあわせて、第一オーダに対応する第一出荷箱を積載する第一搬送装置3が搬送先WSに対応する停車エリア164に到着するように、第一搬送装置3を制御してよい。これにより、出庫された物品をピッキングして搬送装置3の出荷箱に積載する作業の作業効率を向上し、また、ピッキングした物品がWSに滞留することを低減することが期待できる。なお、例えば、物品が搬送先WSに「到着するタイミング」は、所定の方法により予測された日時でよく、物品が搬送先WSにおいて「ピッキングされるタイミング」は、当該物品及び搬送先WSに対応する開始予定日時1506又は終了予定日時1507でよい。
【0208】
第一オーダを含む二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する物品が、第一保管エリア101に配置されている物品を含む場合、プロセッサ40は、例えばS1625及びS1626において、当該二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する出荷箱を積載する搬送装置3(二つ以上の搬送装置3)が搬送先WSに対応する停車エリア164に到着する順を特定してよい(決定してよい)。また、プロセッサ40は、例えばS1621及びS1622において、当該二つ以上のオーダ其々について、当該オーダに対応する物品が第一保管エリア101から搬送先WSに到着する順が、当該オーダに対応する出荷箱を積載する搬送装置3(二つ以上の搬送装置3)が搬送先WSに対応する停車エリア164に到着する順(上記特定された順)となるように、当該オーダに対応する物品を搬送先WSに出庫するように第一保管エリア101のマテハン設備(例えば自動倉庫161B又は搬送装置161C)を制御してよい。このように、搬送WSに物品が出庫される順を制御することで、出庫された物品をピッキングして搬送装置3の出荷箱に積載する作業の作業効率を向上し、また、ピッキングした物品がWSに滞留することを低減することが期待できる。
【0209】
プロセッサ40は、例えばS1625及びS1626において、第一オーダに対応する第一出荷箱を積載する第一搬送装置3が搬送先WSに対応する停車エリア164に到着するタイミングを特定してよい(決定してよい)。プロセッサ40は、例えばS1621及びS1622において、特定したタイミングにあわせて、第一オーダに対応する一部の物品が搬送先WSに到着するように、第一保管エリア101のマテハン設備を制御してよい。これにより、出庫された物品をピッキングして搬送装置3の出荷箱に積載する作業の作業効率を向上し、また、ピッキングした物品がWSに滞留することを低減することが期待できる。なお、例えば、「第一搬送装置3が搬送先WSに対応する停車エリア164に到着するタイミング」は、対応する「到着予定日時1108」でよい。
【0210】
プロセッサ40は、複数のオーダに対応する物品について、オーダテーブル55と在庫テーブル54を参照して、保管(配置)されている保管エリア101を特定し、保管エリアテーブル57を参照して、出庫可能なWSを特定してよい。プロセッサ40は、第一オーダに対応する物品と、第二オーダ(例えば第二伝票番号又は第二出荷箱グループ)に対応する物品について、出庫可能なWSが同じ物品が、少なくとも一部に含まれることを特定してよい。プロセッサ40は、第一搬送装置3が積載する第一出荷箱と第二出荷箱(第二オーダ容器の一例)について、第一オーダに第一出荷箱を割り当て、第二オーダに第二出荷箱を割り当ててよい。当該出庫可能なWSが同じ物品が第一保管エリア101に配置(保管)されており、当該出庫可能なWSが搬送先WSである場合、プロセッサ40は、第一保管エリア101から、当該出庫可能なWSが同じ物品を、搬送先WSに出庫するように、前記第一保管エリア101のマテハン設備を制御してよい(例えばS1621及びS1622)。プロセッサ40は、当該出庫可能なWSが同じ物品について、第一オーダと第二オーダを少なくとも含む複数のオーダに対応する数量であってピッキングする数量を含むピッキング情報(作業指示情報)を、第一保管エリアの搬送先WSのステーション端末710に出力してもよい(例えばS1625及びS1628)。プロセッサ40は、搬送先WSに対応する停車エリア164に移動するように、第一出荷箱と第二出荷箱を積載した第一搬送装置3を制御してよい(例えばS1625及びS1626)。プロセッサ40は、当該出庫可能なWSが同じ物品について、第一オーダにおける当該物品の数量であって第一出荷箱に入れる数量を含む積載情報(作業指示情報)と、第二オーダにおける当該物品の数量であって第二出荷箱に入れる数量を含む積載情報(作業指示情報)を、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に出力してよい(例えばS1625及びS1628)。これにより、例えばS1629において、複数のオーダ(第一オーダ及び第二オーダ)で当該出庫可能なWSが同じ物品について、同じ搬送装置(第一搬送装置3)に積載される複数の出荷箱(第一出荷箱及び第二出荷箱)の其々に入れることが可能となり、ピッキング効率、積載効率及び移動効率の向上が可能である。
【0211】
プロセッサ40は、第一オーダに対応する複数の物品のうち、未搬送の物品(第一オーダに対応する第一出荷箱に入れられていない物品)が配置されている一つ又は二つ以上の保管エリア101の各々について、当該保管エリア101での状況(例えば混雑状況)、又は、当該保管エリア101のWSでの状況(例えば作業状況)を特定してよい。プロセッサ40は、少なくとも特定された状況に基づき、一つ又は二つ以上の保管エリア101のうち移動先保管エリア101の目的位置(移動先となる保管エリア101に対応する目的位置)を決定し、当該決定した目的位置に移動するように第一搬送装置3を制御してよい。例えば、S1641:NOの都度のS1614及びS1615において、プロセッサ40は、状況の特定と、特定された状況に基づく移動先保管エリア(目的位置)の決定とを行ってよい。これにより、特定の保管エリア101又は特定のWSが混雑することを抑制して、作業タスクを分散でき、また、搬送装置3やマテハン設備161の待機時間を低減することが期待でき、以って、システム全体として作業効率や移動効率の向上が期待できる。
【0212】
プロセッサ40は、第一オーダに対応する第一出荷箱に入れられていない物品である第一物品と第二物品について、第一物品を第一出荷箱に入れる作業を行う第一WSと、第二物品を第一出荷箱に入れる作業を行う第二WSとの其々における作業タスクの状況を特定してよい。プロセッサ40は、少なくとも特定した作業タスクの状況に基づいて、第一WSより作業タスクが少ない第二WSに移動するように第一搬送装置3を制御してもよい。また、プロセッサ40は、第一WSと第二WSとの其々に対応する搬送装置の待機状況を特定し、少なくとも特定した搬送装置の待機状況に基づいて、第一WSより待機する搬送装置が少ない第二WSに移動するように第一搬送装置3を制御してもよい。これにより、特定の保管エリア101又は特定のWSが混雑することを抑制して、作業タスクを分散でき、また、搬送装置3やマテハン設備161の待機時間を低減することが期待でき、以って、システム全体として作業効率や移動効率の向上が期待できる。
【0213】
プロセッサ40は、第一保管エリア101から、第一オーダに対応する一部の物品を出庫する場合、当該一部の物品を出庫可能なWSである第一WS及び第二WS其々における作業タスクの状況を特定してよい。プロセッサ40は、少なくとも特定した作業タスクの状況に基づいて、第一WSより作業タスクが少ない第二WSを、当該一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSとして決定してもよい。また、プロセッサ40は、第一WS及び第二WS其々に対応する搬送装置の待機状況を特定し、少なくとも特定した搬送装置の待機状況に基づいて、第一WSより待機する搬送装置が少ない第二WSを、当該一部の物品が出庫されるWSである搬送先WSとして決定してよい。プロセッサ40は、搬送先WSに出庫するように、第一保管エリア101のマテハン設備を制御してよい。これにより、特定のWSが混雑することを抑制して、作業タスクを分散でき、また搬送装置3の待機時間を低減することが期待でき、以って、システム全体として作業効率や移動効率の向上が期待できる。
【0214】
各WSの「作業タスクの状況」は、例えば各WSについて、ピッキング作業管理テーブル581で作業状態1508が「作業中」や「作業前」の作業タスク(当該WSに出庫される物品に対する作業タスクが含まれていてよい)の量であってもよい。また、各WSの「作業タスクの状況」は、例えば各WSについて、積載作業管理テーブル582で作業状態1409が「作業中」や「作業前」の作業タスクの量であってもよい。例えば、第一WSの作業タスクの量が所定の閾値を越えている場合、第一搬送装置3の移動先として又は搬送先WSとして、第一WSを除外して第二WSに決定してもよい。また、第一WSの作業タスクの量と、第二WSの作業タスクの量とが分散(例えば平準化)されるように、第一搬送装置3の移動先として又は搬送先WSとして、第二WSに決定してもよい。
【0215】
また、各WSに対応する「搬送装置の待機状況」は、例えば各WSについて、積載作業管理テーブル582で作業状態1409が「作業中」や「作業前」の作業タスクに対応する装置ID1403の搬送装置の待機数であってもよい。また、各WSに対応する「搬送装置の待機状況」は、例えば移動エリアテーブル60や搬送装置テーブル53等により特定可能な、各WSに対応する停車エリア164又は一時待機エリア165の空き(例えば搬送装置のいない区画の数)であってもよい。例えば、第一WSの「搬送装置の待機状況」として、搬送装置の待機数が所定の閾値を越えている場合、又は各WSに対応する停車エリア164又は一時待機エリア165の空きが所定の閾値を下回る場合、第一搬送装置3の移動先として又は搬送先WSとして、第一WSを除外して第二WSに決定してもよい。また、第一WSと、二WSの「搬送装置の待機状況」が分散(例えば平準化)されるように、第一搬送装置3の移動先として又は搬送先WSとして、第二WSに決定してもよい。
【0216】
なお、搬送装置3(例えば第一搬送装置)が複数の出荷箱を積載する場合は、複数の出荷箱(複数のオーダ)に対応する物品を処理対象としてよく、例えば第一搬送装置3の移動先や搬送先WS等が決定されてもよい。また、第一物品や第二物品は、複数の物品の例示であって、他の物品があってもよい。第一WSや第二WSは、複数のWSの例示であって、他のWSがあってもよい。
【0217】
第一保管エリア101に関し停車エリア164の他に一時待機エリア165がある場合(例えば、保管エリアテーブル57の一時待機エリア803(第一保管エリア101又は搬送先WSに対応する一時待機エリア803)が“あり”の場合)、プロセッサ40は、前記一時待機エリア165に移動するように第一搬送装置3を制御し、第一搬送装置3が一時待機エリア165に到着した後、又は、第一搬送装置3が一時待機エリア165への移動を開始した後、対象のオーダ(例えば第一オーダ)に対応する一部の物品を搬送先WSに出庫するように第一保管エリア101のマテハン設備161を制御してよい。一時待機エリア165により、移動先保管エリア101の特定のWSに、同じタイミングで搬送装置3が集中してしまう等の混雑を抑制できる。また、各搬送装置3が搬送先WSに到着する順又はタイミングが制御される場合にも、一時待機エリア65は有用である。
【0218】
なお、例えばS1615について、次のうちの少なくとも一つが採用されてよい。すなわち、積載作業管理テーブル582(及び/又はピッキング作業管理テーブル581)を基に、プロセッサ40は、各WSの作業状況(作業タスクの状況(混雑状況を含む))や作業能力を特定してよい。搬送装置テーブル53を基に、プロセッサ40は、第一搬送装置以外の搬送装置3に対応の位置1103、保管エリア1106、目的位置1107及び到着予定日時1108から、混雑状況(将来の混雑予定も含んでよい)を特定してよい。プロセッサ40は、第一搬送装置3の位置から、各保管エリア101への移動コスト(例えば時間や距離)や各保管エリア101への到着予定の日時を算出してもよい(例えば、同じタイミングで特定のWSが混雑しないで分散するよう、プロセッサ40は、移動先保管エリア及び目的位置(例えば保管エリア101のWSに対応の停車エリア又は当該WSに対応の一時待機エリア)を決定してよい)。一度に複数の出荷箱(複数の伝票番号)の分の同じ物品を纏めてピッキングするほうが効率的な場合があるため(但し、ピッキングした物品をすぐに搬送装置3に積載できずにWSに滞留すると効率がよくない場合はあり得る)、ピッキング作業管理テーブル581を基に、プロセッサ40は、出庫予定(ピッキング予定)の物品とピッキング開始(終了)予定日時から、移動先保管エリア及び目的位置を決定してよい。
【0219】
プロセッサ40は、少なくとも出荷箱のサイズに基づいて、第一搬送装置3に、複数の出荷箱を積載するか又は一つの出荷箱を積載するかを決定してよく、当該決定された一つ又は複数の出荷箱の一つ(少なくとも一つ)が、第一オーダに対応する第一出荷箱でよい。複数の出荷箱を一緒に搬送することにより、作業効率及び移動効率を向上することが期待できる。
【0220】
少なくとも第一オーダの作業期限に基づいて、プロセッサ40は、第一搬送装置3に、複数の出荷箱を積載するか又は一つの出荷箱を積載するかを決定してよい。複数の出荷箱を一緒に搬送する場合、それらの出荷箱の全てに物品を集めきるには時間がかかることがあり、そのために、オーダの作業期限に余裕がないときは、プロセッサ40は、一つの出荷箱のみ積載することを決定してよい。これにより、作業期限や出荷期限を遵守しつつ、複数の出荷箱を一緒に搬送することを取り得ることで、作業効率及び移動効率の向上が期待される。
【0221】
インターフェース装置45は、WSに関し設けられた情報処理端末であるステーション端末710と通信してよい。第一保管エリア101の搬送先WSに対応する停車エリア164に第一搬送装置3が到着する前に、プロセッサ40は、第一保管エリア101のマテハン設備161に、搬送先WSに一部の物品を出庫するように制御してよい。プロセッサ40は、搬送先WSに出庫された物品をピッキングするように、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末に、物品のピッキングを指示してよい。第一搬送装置3の移動先保管エリア101が第二保管エリア101の場合、プロセッサ40は、第二保管エリア101のWSに対応する停車エリア164に第一搬送装置3が到着した後に、第二保管エリア101のWSのステーション端末710に、物品のピッキングを指示してよい。保管エリア101の方式に応じた制御を行うことで、作業者や搬送装置3の待機時間を減らすことができ、効率の向上が期待される。なお、ステーション端末710に物品のピッキング(又は積載)を指示するとは、指示内容を表示することをステーション端末710に要求すること(出力要求を送信すること)でもよいし、ステーション端末710を通じてピッキング又は積載を行うロボットにピッキング又は積載を指示することであってもよい。
【0222】
記憶装置42は、保管エリア毎に出庫又はピッキングの方式を表す情報を含んだ保管エリア情報を記憶してよい。プロセッサ40は、例えばS1616において、保管エリアテーブル57(保管エリア情報の一例)から、移動先保管エリア101に対応の方式が、マテハン設備161により搬送先WSに出庫された物品をピッキングする方式(例えばGTP)であることを特定した場合、当該移動先保管エリア101の搬送先WSに対応する停車エリア164に搬送装置3が到着する前に、当該移動先保管エリア101の搬送先WSに物品を出庫するようマテハン設備161を制御し、搬送先WSに出庫された物品をピッキングするように移動先保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に物品のピッキングを指示してよい。プロセッサ40は、例えばS1616において、保管エリアテーブル57から、移動先保管エリア101に対応の方式が、作業者が保管位置から物品をピッキングする方式(例えばPTG)であることを特定した場合、当該移動先保管エリア101のWSに対応する停車エリア164に搬送装置3が到着した後に、当該移動先保管エリア101のWSのステーション端末に、物品のピッキングを指示してよい。保管エリア101の方式に応じた制御を行うことで、作業者や搬送装置3の待機時間を減らすことができ、効率の向上が期待される。
【0223】
プロセッサ40は、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に、第一保管エリア101から出庫される物品について、ピッキングする数量を含むピッキング情報(作業指示情報)を出力してよい。また、プロセッサ40は、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に、第一保管エリア101から出庫されピッキングされた物品について、当該搬送先WSに対応する停車エリア164に到着した搬送装置3の積載する出荷箱に入れる物品の数量を含む積載情報(作業指示情報)を出力してよい(例えばS1625及びS1628)。これにより、例えばS1629において、搬送先WSにおいて作業者が正しく作業することができる。なお、ピッキング情報と積載情報は、どちらか一方の情報のみの場合や、纏めて表示される場合等、一つの作業指示情報であってもよい。また、複数のオーダ分纏めてピッキングする場合等、ピッキング情報と積載情報を分けて表示してもよい。
【0224】
プロセッサ40は、第一オーダ及び第二オーダを含む複数のオーダに対応する物品であり、第一保管エリア101から出庫される物品について、第一オーダ及び第二オーダを含む複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量(複数のオーダ分纏めてピッキングする数量)を含むピッキング情報(作業指示情報)を、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に出力してよい。プロセッサ40は、第一保管エリア101から出庫されピッキングされた物品について、当該搬送先WSに対応する停車エリア164に到着した搬送装置3の積載する第一出荷箱に入れる当該物品の数量であって、当該第一出荷箱に対応する第一オーダにおける当該物品の数量を含む積載情報(作業指示情報)を、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に出力してよい(例えばS1625及びS1628)。第一オーダ及び第二オーダを含む複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量は、当該第一出荷箱に対応する第一オーダにおける当該物品の数量より大きくてよい。これにより、例えばS1629において、纏めてピッキングして、複数の出荷箱に積載することで、ピッキング効率の向上が期待される。
【0225】
複数の搬送装置3は、第一オーダに対応する第一出荷箱を積載する第一搬送装置3と、第二オーダに対応する第二出荷箱(第二オーダ容器の一例)を積載する第二搬送装置3とを含んでよい。プロセッサ40は、オーダテーブル55を参照して、当該複数の搬送装置3が積載する出荷箱に割り当てられた複数のオーダに対応する物品であって、当該出荷箱に入れられていない物品(ステータス601がピッキング未完了の物品)のうち、第一保管エリア101に配置され搬送先WSに出庫可能な物品を特定してよい。プロセッサ40は、複数のオーダに対応する物品について、在庫テーブル54を参照して、保管(配置)されている保管エリア101を特定し、保管エリアテーブル57を参照して、出庫可能なWSを特定してよい。プロセッサ40は、特定した物品を搬送先WSに出庫するように、第一保管エリア101のマテハン設備161を制御してよい。プロセッサ40は、特定した物品のうち、当該同じ識別情報(例えば物品名や物品ID)で識別される物品が、第一オーダ及び第二オーダ其々に対応する物品(共通する物品)であって、第一出荷箱及び第二出荷箱に入れられていない物品である場合、搬送先WSに対応する停車エリア164に、第一搬送装置3及び第二搬送装置3が所定の範囲の順番(例えば、連続など、所定の範囲内)で到着するように、第一搬送装置3及び第二搬送装置3を制御してよい。プロセッサ40は、当該同じ識別情報で識別される物品について、第一オーダ及び第二オーダを含む複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量を含む作業指示情報を、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に出力してよい。これにより、当該同じ識別情報で識別される物品を纏めてピッキングすることや、また当該物品を複数の出荷箱に入れる際、当該出荷箱を積載する搬送装置3が例えば連続して到着することができ、当該ピッキングした物品の滞留を防ぐとともに、ピッキング作業及び積載作業の作業効率が向上することが期待される。なお、同じ識別情報で識別される物品は、纏めてピッキングしてもよいし、纏めてピッキングしなくてもよい。
【0226】
第一搬送装置3が、第一オーダに対応する第一出荷箱と、第二オーダに対応する第二出荷箱を積載してよい。プロセッサ40は、オーダテーブル55、在庫テーブル54、保管エリアテーブル57を参照して、第一オーダ及び第二オーダ其々に対応する物品(共通する物品)であって、第一出荷箱及び第二出荷箱に入れられていない物品(ステータス601がピッキング未完了の物品)のうち、第一保管エリア101に配置され搬送先WSに出庫可能な物品を特定してよい。プロセッサ40は、当該特定した物品を搬送先WSに出庫するように、第一保管エリア101のマテハン設備161を制御してよい。プロセッサ40は、特定した物品のうち、同じ識別情報(例えば物品名や物品ID)で識別される物品について、第一オーダ及び第二オーダを含む複数のオーダに対応する数量であるピッキングする数量を含む作業指示情報を、第一保管エリア101の搬送先WSのステーション端末710に出力してよい。これにより、例えばS1629において、複数のオーダ(第一オーダ及び第二オーダ)に対応する同じ識別情報で識別される物品について、纏めてピッキングして、同じ搬送装置(第一搬送装置3)に積載される複数の出荷箱(第一出荷箱及び第二出荷箱)の其々に積載することが可能となり、当該ピッキングした物品の滞留を防ぐとともに、ピッキング効率、積載効率、移動効率の向上が可能である。
【0227】
プロセッサ40は、オーダテーブル55、在庫テーブル54、保管エリアテーブル57を参照して、同じ搬送装置3が積載する1又は複数の出荷箱に割り当てられたオーダに対応する物品であって、当該出荷箱に入れられていない物品(ステータス601がピッキング未完了の物品)のうち、第一保管エリア101に配置され搬送先WSに出庫可能な物品を特定してよい。プロセッサ40は、特定した物品のうち、其々異なる識別情報(例えば物品名や物品ID)で識別される複数の物品について、搬送先WSに所定の範囲の順番(例えば、連続など、所定の範囲内)で到着するように、第一保管エリア101のマテハン設備161を制御してよい。これにより、当該出荷箱に入れる物品(其々異なる識別情報で識別される複数の物品)が例えば連続して到着することで、ピッキングした物品の滞留を防ぐとともに、ピッキング作業及び積載作業の作業効率が向上することが期待される。
【0228】
プロセッサ40は、オーダテーブル55を参照して、複数のオーダのうち、第一オーダに対応する物品と、第二オーダに対応する物品について、少なくとも一部に同じ識別情報(例えば物品名や物品ID)で識別される物品が含まれることを特定してよい。プロセッサ40は、第一搬送装置3が積載する第一出荷箱と第二出荷箱について、第一オーダに第一出荷箱を割り当て、第二オーダに第二出荷箱を割り当ててよい。これにより、例えばS1629において、複数のオーダ(第一オーダ及び第二オーダ)に対応する同じ識別情報で識別される物品について、纏めてピッキングして、同じ搬送装置(第一搬送装置3)に積載される複数の出荷箱(第一出荷箱及び第二出荷箱)の其々に積載することが可能となり、当該ピッキングした物品の滞留を防ぐとともに、ピッキング効率、積載効率、移動効率の向上が可能である。
【0229】
プロセッサ40は、オーダテーブル55を参照して、複数のオーダの優先度(例えば優先フラグ611)を特定してよい。例えば、プロセッサ40は、複数のオーダの中で、優先度が高いオーダ(優先フラグ611が「あり」のオーダ)を特定してもよい。プロセッサ40は、第一保管エリア101から搬送先WSに出庫予定の複数の物品のうち、優先度が高いオーダに対応する物品を、当該オーダより優先度が低いオーダ(優先フラグ611がないオーダ)の少なくとも一部の物品より先に搬送先WSに出庫するように、又は先に搬送先WSに到着するように、第一保管エリア101のマテハン設備161を制御してよい。これにより、例えば突発的なオーダ等、優先度の高いオーダに対する、人手による作業負荷を減らす等の効率化ができ、また突発的なオーダ対応や作業期限遵守等のサービスレベルの向上が可能となる。
【0230】
プロセッサ40は、オーダテーブル55を参照して、複数のオーダの優先度(例えば優先フラグ611)を特定してよい。例えば、プロセッサ40は、複数のオーダの中で、優先度が高いオーダ(優先フラグ611が「あり」のオーダ)を特定してもよい。プロセッサ40は、搬送先WSに対応する停車エリア164に移動予定の複数の搬送装置3のうち、優先度が高いオーダに対応する出荷箱を積載する搬送装置3を、当該オーダより優先度が低いオーダ(優先フラグ611がないオーダ)に対応する出荷箱を積載する搬送装置3の少なくとも一部より先に当該停車エリア164に到着するように、当該複数の搬送装置3を制御してよい。これにより、例えば突発的なオーダ等、優先度の高いオーダに対する、人手による作業負荷を減らす等の効率化ができ、また突発的なオーダ対応や作業期限遵守等のサービスレベルの向上が可能となる。
【0231】
プロセッサ40は、第一保管エリア101に配置されている物品であって、第二オーダに対応する一部の物品が出庫可能なWSとして第一WSを特定し、第一保管エリア101に配置されている物品であって、第二オーダに対応する別の一部の物品が出庫可能なWSとして第二WSを特定してよい。例えば、プロセッサ40は、第二オーダに対応する各物品について、オーダテーブル55と在庫テーブル54を参照して、保管(配置)されている保管エリア101とエリア内位置(エリア内位置705)を特定し、保管エリアテーブル57を参照して、特定したエリア内位置(エリア内位置804)に対応する出庫可能なWS(ステーションID805で特定されるWS)を特定してよい。プロセッサ40は、第二オーダに対応する一部の物品を第一WSに出庫するように、第一保管エリア101のマテハン設備161を制御してよい。プロセッサ40は、第一WSに対応する停車エリア164に移動するように、第二オーダに対応するオーダ容器を積載した第二搬送装置3を制御してよい。プロセッサ40は、第二搬送装置3が積載するオーダ容器に当該出庫された一部の物品が入れられた後、第二オーダに対応する別の一部の物品を第二WSに出庫するように、第一保管エリア101のマテハン設備161を制御してよい。プロセッサ40は、第二WSに対応する停車エリア164に移動するように、第二搬送装置3を制御してよい。これにより、オーダに対応する複数の物品の保管位置が、同じ保管エリア内の複数のエリアに跨る場合でも、仕分け作業の作業負荷を低減することができる。
【0232】
プロセッサ40は、オーダテーブル55の複数のオーダ(ステータス601がピッキング未完了の物品に対応するオーダ)を対象に、システム全体としての作業効率や搬送効率が良くなるように、1又は複数の保管エリア101のマテハン設備161から出庫される物品の順番やタイミングを決定してもよい。また、搬送装置テーブル53の保管エリア1106や目的位置1107等を参照して、移動先保管エリア101又は移動先保管エリア101のWSに移動予定又は待機中の搬送装置3が積載する出荷箱に対応するオーダ(ステータス601がピッキング未完了の物品に対応するオーダ)を対象に、当該保管エリア101のマテハン設備161から出庫される物品の順番やタイミングを決定してもよい。
【0233】
あるオーダ(伝票番号又は出荷箱グループ)に対応する物品が、複数の保管エリア101に保管(配置)されていてもよいし、一つの保管エリア101に保管(配置)されていてもよい。また、保管エリアテーブル57で示すように、ある保管エリア101がそのエリア内位置804(同じ保管エリア内の複数のエリア)に対応して、出庫可能WSが決まっている場合等において、あるオーダに対応する物品が、当該保管エリア101に対応する同じWSから出庫される場合もあるし、当該保管エリア101に対応する異なるWSから出庫される場合もある。そのため、例えば、あるオーダに対応する出荷箱を積載する搬送装置3が、複数の保管エリア101(複数の保管エリア101の停車エリア164)を巡回して出荷箱に対応する物品が揃う場合もあれば、一つの保管エリアに対応する複数のWS(当該WSに対応する停車エリア164)を巡回して出荷箱に対応する物品が揃う場合もある。このように、オーダに対応する複数の物品の保管位置が、複数のエリアに跨る場合でも、上述した搬送システム、制御装置4、制御装置4による制御方法等により、仕分け作業の作業負荷を低減可能なシステムを提供する。
【0234】
上述の実施の形態は、物流施設(例えば、倉庫や物流センタ)は、少なくとも一つ以上の保管エリア101を備える場合に適用可能である。すなわち、上述の実施の形態は、オーダ(伝票番号又は出荷箱グループ)に対応する出荷箱を積載する搬送装置3が、当該一つの保管エリアに対応する1つ又は複数のWS(当該WSに対応する停車エリア164)を移動するシステムにも適用可能である。
【0235】
例えば、搬送システムは、複数の搬送装置3と制御装置4とを備える。複数の搬送装置3のうち、第一搬送装置3は、第一オーダに対応する第一出荷箱を積載する。制御装置4の記憶装置42は、保管エリア101に配置された物品の在庫に関する情報を含んだ在庫情報を記憶する。保管エリア101は、複数のWSと、複数の停車エリア164とがある(各WSに対応する一つ以上の停車エリアがある)。複数のWSの各々は、当該WSが関連付いた保管エリアからの物品の出庫先になり得るエリアであり、出庫された物品をピッキングする作業及び/又はピッキングした物品をオーダ容器に入れる作業が行われるエリアであるワークステーションである。複数の停車エリア164の各々は、搬送装置3が停車するエリアである。保管エリア101は、マテハン設備161(例えば自動倉庫161B等)を有する。
【0236】
制御装置4のプロセッサ40は、第一オーダに対応する複数の物品其々について、在庫テーブル54(在庫情報)を参照して、エリア内位置705を特定し、保管エリアテーブル57を参照して、特定したエリア内位置から出庫可能なWS(ステーションID805で識別されるWS)を特定する。例えば、プロセッサ40は、第一オーダに対応する一部の物品が出庫可能なWS(又は出庫されるWS)として第一WSを特定し、第一オーダに対応する別の一部の物品が出庫可能なWS(又は出庫されるWS)として第二WSを特定する。プロセッサ40は、特定した二つ以上の出庫可能なWSのうち、第一オーダに対応する当該一部の物品を出庫可能な第一WSを選択する。プロセッサ40は、第一オーダに対応する当該一部の物品を、第一WSに出庫するように、マテハン設備161を制御する。プロセッサ40は、第一WSに対応する停車エリア164に移動するように、第一オーダに対応する第一出荷箱を積載する第一搬送装置3を制御する。プロセッサ40は、第一搬送装置3が積載する第一出荷箱に出庫された当該一部の物品が入れられた後、プロセッサ40は、第一オーダに対応する当該別の一部の物品を、第二WSに出庫するように、マテハン設備161を制御する。第一オーダに対応する当該別の一部の物品を出庫可能な第二WSに対応する停車エリア164に移動するように、第一搬送装置3を制御する。
【0237】
また、オーダに対応する出荷箱(オーダ容器の一例)を積載する搬送装置3と、保管エリア101のマテハン設備161と、を制御する制御装置4(制御装置4のプロセッサ40)による制御方法として、制御装置4により、保管エリア101に配置されている物品であって、当該オーダに対応する物品が出庫可能なワークステーション(WS)を特定するステップを含む。また、当該制御方法は、制御装置4により、保管エリア101から、当該オーダに対応する一部の物品が出庫可能なWSである第一WSに、当該一部の物品を出庫するように、マテハン設備161を制御し、第一WSに対応する停車エリア164に当該出荷箱を積載する搬送装置を移動するように、当該搬送装置を制御するステップを含む。さらに、当該制御方法は、制御装置4により、搬送装置3が積載する当該出荷箱に当該出庫された一部の物品が入れられた後、保管エリア101から、当該オーダに対応する別の一部の物品が出庫可能なWSである第二WSに、当該別の一部の物品を出庫するように、マテハン設備161を制御し、第二WSに対応する停車エリア164に当該出荷箱を積載する搬送装置3を移動するように、当該搬送装置3を制御するステップを含む。オーダに対応する出荷箱には、出荷単位(梱包単位)が同じ物品が入れられるため、出荷箱内の物品は仕分け不要となる。これにより、オーダに対応する複数の物品の保管位置が複数のエリア(1又は複数の保管エリア内のエリア)に跨る場合でも、仕分け作業の作業負荷を低減することができる。
【符号の説明】
【0238】
3:搬送装置、4:制御装置
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
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