(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171873
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A63F7/02 334
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089143
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100150430
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 元
(72)【発明者】
【氏名】下田 諒
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC21
2C088BC31
2C088BC51
(57)【要約】
【課題】従来の遊技機において、液晶表示装置やLED表示装置や可動部材等を有し、これらを所定の態様で駆動させることで、遊技者を遊技機に引き付けたり、遊技興趣を高めたりすることが行われていた。前述したような遊技機では、遊技者の遊技意欲を高める一方で、電力消費量が大きく、コストが高いといった問題があった。
【解決手段】本発明は、遊技興趣を高める遊技演出を実行すると共に、遊技者に明確に遊技情報の提供をしつつ、状況に応じてコストの低減を図ることが可能な遊技機を提供する。
【選択図】
図52
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
識別情報の変動表示の結果が特定結果となると特別遊技を実行する遊技機であって、
遊技に関する情報を表示する第1発光手段と、
遊技に関する情報を表示する第2発光手段と、
前記第1発光手段の表示制御、及び、前記特別遊技を実行するか否かの判定制御を含む主制御を実行する主制御手段と、
前記第2発光手段の表示制御を含む副制御を実行する副制御手段と、
時間を計測するカウント手段と、
前記カウント手段で計測した計測値が特別値になると、所定の発光手段の発光状態を第1電力状態から前記第1電力状態よりも電力消費量が小さい第2電力状態に設定する電力状態設定手段と、を備え、
前記電力状態設定手段は、前記第2発光手段を前記第2電力状態に設定する対象とし、前記第1発光手段を前記第2電力状態に設定する非対象とし、
前記カウント手段が前記特別値に向けて計測中において、特別条件が成立すると前記カウント手段が計測した計測値をリセットするものとされ、
前記特別条件は、前記主制御に異常が発生した場合は成立し、前記副制御に異常が発生した場合は成立しない
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機において、始動口への入球に基づいて、所定の大当り確率で当否判定を行うと共に図柄を変動表示し、当否判定の結果が大当りに
なると図柄を大当り図柄で停止表示し、大入賞口を開放する大当り遊技を実行するものがあった。また、図柄の変動表示に伴って遊技演出(リーチ演出やキャラクタ演出等)を実行し、当該遊技演出の実行態様によって当否判定の結果が大当りとなる可能性、すなわち、図柄が大当り図柄で停止表示する可能性を示していた(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、液晶表示装置やLED表示装置や可動部材等を有し、これらを所定の態様で駆動させることで、遊技者を遊技機に引き付けたり、遊技興趣を高めたりすることが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したような遊技機では、遊技者の遊技意欲を高める一方で、電力消費量が大きく、コストが高いといった問題があった。
【0006】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を高める遊技演出を実行すると共に、遊技者に明確に遊技情報の提供をしつつ、状況に応じてコストの低減を図ることが可能な遊技機を提供するものである。
【0007】
前述の課題を解決するための第1発明の遊技機は、
識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
識別情報の変動表示の結果が特定結果となると特別遊技を実行する遊技機であって、
遊技に関する情報を表示する第1発光手段と、
遊技に関する情報を表示する第2発光手段と、
前記第1発光手段の表示制御、及び、前記特別遊技を実行するか否かの判定制御を含む主制御を実行する主制御手段と、
前記第2発光手段の表示制御を含む副制御を実行する副制御手段と、
時間を計測するカウント手段と、
前記カウント手段で計測した計測値が特別値になると、所定の発光手段の発光状態を第1電力状態から前記第1電力状態よりも電力消費量が小さい第2電力状態に設定する電力状態設定手段と、を備え、
前記電力状態設定手段は、前記第2発光手段を前記第2電力状態に設定する対象とし、前記第1発光手段を前記第2電力状態に設定する非対象とし、
前記カウント手段が前記特別値に向けて計測中において、特別条件が成立すると前記カウント手段が計測した計測値をリセットするものとされ、
前記特別条件は、前記主制御に異常が発生した場合は成立し、前記副制御に異常が発生した場合は成立しない
ことを特徴とするものである。
【0008】
このような遊技機によれば、第1発光手段の発光制御及び特別遊技に係る判定制御を含む主制御を実行する主制御手段と、第2発光手段の発光制御を含む副制御を実行する副制御手段とを備える。また、カウント手段で計測した計測値が特別値になると、電力消費量の小さい第2電力状態に設定するものであって、第2発光手段を第2電力状態に設定する対象とし、第1発光手段をその非対象としている。そして、第2電力状態に設定すべくカウント手段が計測中において、計測値が特別値になる前に主制御に異常が発生した場合は計測値をリセットし、計測値が特別値になる前に副制御に異常が発生した場合は計測値をリセットしないものとする。これにより、所定時間経過後は対象となる発光手段を第2電力状態とすることで、コストを適切に低減すると共に特定の発光手段を対象外とすることで遊技者に確実に情報を伝えることを可能とする。またこれにより、遊技に重大な主制御に異常が発生した場合は計測値をリセットして第2電力状態への移行をさせず、主制御と比較すると重大でない副制御に異常が発生した場合は計測値をリセットすることなく第2電力状態への移行を可能とし、状況に応じて適切にコストの低減を可能とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技機によれば、遊技興趣の高い遊技演出を実行すると共に、遊技者に明確に遊技情報を提供をし且つ状況に応じて適切にコストの低減を可能とした遊技機の提供を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。
【
図3】本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。
【
図4】
図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図5】同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。
【
図7】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図8】(A)は当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。
【
図10】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図12】始動口センサ検知処理のフローチャートである。
【
図15】普通図柄待機処理のフローチャートである。
【
図16】普通図柄当否判定処理のフローチャートである。
【
図17】普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図18】普通図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図19】普通図柄確定処理のフローチャートである。
【
図20】普通電動役物処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図23】特
図2当否判定処理のフローチャートである。
【
図24】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図25】特
図2変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図26】特
図2乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図27】特
図1当否判定処理のフローチャートである。
【
図28】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図29】特
図1変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図30】特
図1乱数シフト処理のフローチャートである。
【
図31】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図32】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図33】特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。
【
図34】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図35】特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。
【
図36】特定領域センサ検知処理のフローチャートである。
【
図39】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図40】受信割り込み処理のフローチャートである。
【
図41】2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図42】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図43】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図44】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図45】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図48】第1音量スイッチ及び操作時の表示画面を示す図である。
【
図51】第1音量スイッチ操作時の表示画面を示す図である。
【
図52】省エネモード設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下の実施例では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用したものについて説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
【0012】
尚、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、
図1や
図3における上側、下側、左側、右側を指す。
【実施例0013】
図1乃至
図3に示すように、本実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。
図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
【0014】
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67(遊技音出力手段、第1遊技装置)等も設けられている。
【0015】
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例1の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
【0016】
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(
図5を参照)も設けられている。
【0017】
遊技領域3の中央付近には、演出表示手段の一態様である画像表示装置7(第2遊技装置)が設けられている。本実施例の画像表示装置7は液晶表示装置からなるもので、その表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)と、表示画面7aの背景を構成する背景画像が表示される背景表示領域7cとが設けられている。演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様があり、本実施例では、原則、上下方向にスクロール表示する。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
【0018】
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなる。演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の表示結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の表示結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している演出図柄8L,8C,8Rの停止順序を、原則、「左→右→中」としている。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということがある。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特
図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特
図2」「第2特図」ということがある。
【0019】
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)となった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
【0020】
ここで、演出図柄の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」や「特定表示結果」等ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」や「非特定表示結果」等ということがある。また、特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に対応する停止表示態様のことを「小当り態様」や「所定表示結果」等ということがある。
【0021】
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の様々な演出画像も表示される。
【0022】
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(
図4を参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
【0023】
さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(
図3を参照)。
【0024】
また、画像表示装置7の表示画面7aには、遊技状態に応じて、後述の左打ち指示画像70を表示する左打ち表示領域70c(左打ち指示画像表示部)、および、後述の右打ち指示画像71を表示する右打ち表示領域71c(右打ち指示画像表示部)が設けられている。尚、左打ち指示画像70と右打ち指示画像71を総じて「発射指示画像」ともいう。
【0025】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。またセンター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらにセンター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
【0026】
また、センター装飾体10の上部であって、装飾部材13の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14が設けられている。
図3では、可動装飾部材14の一部分のみが視認可能となっているが、例えば、比較的当りの可能性の高い遊技演出の実行に伴って、可動装飾部材14が下方に落下し、当該可動装飾部材が表示画面7aの前面を覆い、その大部分が視認可能となる。これにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
【0027】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0028】
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
【0029】
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(
図5を参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
【0030】
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図5を参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0031】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(
図5を参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
【0032】
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。このような確変作動口としての特定領域39(V領域)を備える第2大入賞口35(第2大入賞装置36)のことを「Vアタッカー」ともいう。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
【0033】
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると第2始動口21を開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「4」、第2始動口21の賞球数は「2」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
【0034】
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
【0035】
また、
図3および
図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
【0036】
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示部41」ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示部43」ということがある。
【0037】
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当り図柄や小当り図柄等の当り態様である場合には、停止表示された当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0038】
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「15R第1大当り」、「15R第2大当り」、「5R第3大当り」および「2R第4大当り」の4種類の大当りと、第1小当りが設けられており(
図6、
図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら大当り及び小当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(15R大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第2大当り図柄)。また、第3大当り(15R大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第3大当り図柄)。また、第4大当り(2R大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第4大当り図柄)。また、第1小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
【0039】
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「15R第5大当り」と「15R第6大当り」の2種類の大当りとが設けられており(
図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら大当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が、第5大当り(15R大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第5大当り図柄)。また、第6大当り(15R大当り)となった場合には、「abc」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第6大当り図柄)。また、第2小当りとなった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(第2小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
【0040】
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
【0041】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留(第1取得情報)として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留(第2取得情報)として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
【0042】
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
【0043】
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
【0044】
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0045】
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
【0046】
具体的には
図4に示す通り、普通図柄表示器42は、「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
【0047】
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
【0048】
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
【0049】
次に
図2及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
【0050】
また、
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
【0051】
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0052】
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
【0053】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域(図示せず)に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域を通過した遊技球(つまり、特定領域39を通過しなかった遊技球)を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
【0054】
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
【0055】
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0056】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(
図1を参照)が含まれる。
【0057】
払出制御基板110は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60(
図1を参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
【0058】
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0059】
また、
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
【0060】
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる制御を行う演出制御手段(演出実行手段)として機能するものである。
【0061】
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。また、サブ制御基板90には、スピーカから出力される遊技音の音量を調節可能な第2音量スイッチ64(第2遊技音調節手段)が設けられている(実装されている)。この第2音量スイッチ64は、サブ制御基板収納ケースから露出しており、遊技機の裏面側から操作することで、音量設定(調節)を行うことが可能となっている。
【0062】
また、画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0063】
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部、又は第2演出保留表示部の一部または全部が視認できない状態になることがあり得るため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
【0064】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
【0065】
このスピーカ67から出力される音声、楽曲、効果音等(総じて「音」や「遊技音」ともいう)は、音量スイッチ63a、64を操作(調節操作)することで、音量(音の大きさ)を調節する(変化させる)ことが可能である。具体的に、音量スイッチとして、遊技機前面側に設けられる第1音量スイッチ(第1演出ボタン、入力検知手段)63aと、遊技機裏面側に設けられる第2音量スイッチ64と、を備えている。第1音量スイッチ(第1遊技音調節手段)としての機能を有する演出ボタン63aは、内部に複数の操作(操作方向)を検知可能な複数の検知スイッチ(第1演出ボタン検知スイッチ63e、f、g、h)を有している。そして、遊技者(第1操作者)が当該演出ボタン63aを任意(の方向)に操作することで、現在の音量(音の大きさ、ボリューム)の段階を変えて、予め定めた音量域の範囲内で大きくしたり、小さくしたりすることができる。尚、第1音量スイッチ(演出ボタン63a)は、遊技機前面側の遊技者が操作可能な位置に設けられており、遊技音を、遊技者の任意のタイミングで(音量調節が可能な時期に限る)、任意の音量(予め定めた音量域内に限る)に調節可能としている。
【0066】
また、第2音量スイッチ64(第2遊技音調節手段)は、ディップスイッチ型で構成されており、遊技店員(第2操作者)が第2音量スイッチ64の有する左右にスライド操作可能な突出部を移動させる(任意の方向に操作する)ことが可能となっている。そして、この突出部をスライド操作することで、現在の音量を、予め定めた音量域の範囲内で大きくしたり、小さくしたりすることができる。尚、第2音量スイッチ64は、遊技機裏面側に設けられており、遊技機が島設備に設置されて枠を閉じた状態(遊技可能状態ともいう)では、遊技者が操作できない位置に設けられている。そのため、本第2音量スイッチ64は、遊技機が島設備に取り付けられた遊技機の枠を開状態として、遊技機裏面側にアクセスできるようにした状態で、遊技店員等が、遊技音を任意の音量に調節することを想定したスイッチである。
【0067】
尚、本実施例では、第1音量スイッチとして、他の遊技演出にも使用する演出ボタン63aを使用するが、このような態様に替えて、遊技機前面側に音量調節専用のスイッチを設けてもよい。これにより、遊技者は、演出ボタン63をリーチ中等のボタン操作演出に使用している場合であっても、専用の音量スイッチを操作することで、音の大きさを任意に変更することが可能となる。また、遊技音の音量は、第1音量スイッチ63a及び第2音量スイッチ64の何れを用いても変更可能であるが、これら両音量スイッチの関係については後述する。
【0068】
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
【0069】
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10(装飾部材13の後方)に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0070】
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(
図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからサブ制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
【0071】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」、「外れ」がある。特別図柄当否判定の結果が「大当り」のときには、特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「小当り」のときには、特別図柄表示部41に「小当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」という。
【0072】
当りには複数の種別がある。
図6に示すように大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「15R第3大当り」、「2R第4大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」がある。「15R第1大当り」および「15R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過(V通過)が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドを「Vラウンド」や「チャンスラウンド」ともいう。
【0073】
「15R第2大当り」、「15R第3大当り」および「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のVラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、これらの大当りは、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させることのない大当りであるといえる。
【0074】
「2R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、Vラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
【0075】
本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りまたは15R第5大当りとなった場合には、特定領域39への遊技球の通過可能性が極めて高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。また、特別図柄当否判定の結果が2R第4大当りとなった場合には、15R第1大当りや15R第5大当りほどではないものの特定領域39への遊技球の通過可能性がある態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができれば、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。
【0076】
これに対して、特別図柄当否判定の結果が15R第2大当り、15R第3大当り又は15R第6大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中における特定領域39への遊技球の通過可能性は極めて低くなり(実質的に不可能となり)、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
【0077】
一方、小当り(第1小当り、第2小当り)は、見かけ上2R第4大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったとしても、小当り遊技の実行後の遊技状態は小当り遊技の実行前から変化しないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第4大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が「2R第4大当り」になったのか「小当り」になったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第4大当りとしての特別遊技中(大当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中(小当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合および2R第4大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数をラウンド数とはいわず、単に開放回数という。
【0078】
本実施例のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、
図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)および15R第5大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第5大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rでは第2大入賞口35を最大28秒開放させ、3R~15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いものとなっている。
【0079】
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第3大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第3大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第6大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第6大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放させ、3R~15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過することはほぼ不可能となっている。
【0080】
このように、本実施例では、15R第2,第3,第6大当り用の開放パターンと、15R第1,第5大当り用の開放パターンと比べて第1ラウンドおよび第2ラウンド(Vラウンド)とでは、開放態様が異なっている。そして、15R第1,第5大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、当該Vラウンドでは、球詰まりや遊技球発射系のトラブル等が発生しない限り、略確実に遊技球が第2大入賞口35に入球して、高い確率で特定領域39を通過することとなる。これに対して、15R第2,第3,第6大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35に遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2,第3,第6大当りに係る大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は、15R第1,第5大当りと比してかなり低くなっており、実質的には通過不可能といってもよい。
【0081】
尚、特定領域39への遊技球の通過可能性(V通過可能性)が極めて高い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V通過予定大当り」ともいい、V通過可能性が極めて低い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V非通過予定大当り」ともいう。
【0082】
また、
図6に示すように、2R第4大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに2R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R~2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目の第2大入賞口35の開放時間の合計が最大で1.8秒となるため、そのラウンド中に遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。本実施例の本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で1個の遊技球が発射されるようになっているので、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させて特定領域39への遊技球の通過を狙うことは十分に可能である。但し、2R第4大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
【0083】
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)と、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35の最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第4大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。しかし、前述の通り、小当り遊技にて特定領域39への通過があっても、小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。また、小当り遊技では、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第4大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼ無いもの(入球による賞球のみ)となっている。
【0084】
本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第5大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り、15R第3大当り、15R第6大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第4大当り)、を有するものとすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
【0085】
尚、第1特別図柄(特
図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている(
図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。これに対して、第2特別図柄(特
図2)の当否判定における大当りは、15R第5大当りが80%、15R第6大当りが20%となっている(
図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。この振分確率は、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性、すなわち高確率状態となる確率を表しているものといえ、また、後述の開放延長機能が作動する高ベース状態となる確率を表しているものといえる。
【0086】
すなわち、高確率状態となる確率については、第1始動口20への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は少なくとも40%となっており、2R第4大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する場合を含めると、その確率は50%となっている。一方、第2始動口21への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は80%となっている。
【0087】
また、高ベース状態となる確率については、開放延長機能が作動していない遊技状態(低ベース状態)において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は60%となっており、高ベース状態において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合の2R第4大当りを含めると、その確率は70%となっている。一方、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は100%となっている。そして、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合には、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合に発生し得る2R大当りが発生することはなく、必ず15R大当りとなる。
【0088】
このように本実施例のパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、高確率状態になる確率や高ベース状態になる確率、さらには15R分の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。つまり、第2特別図柄当否判定で大当りとなる場合の方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されており、第2特別図柄を変動表示させた方が、第1特別図柄を変動表示させるよりも遊技者にとって有利に働く可能性が高いものとなっている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行うこととなる。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(高ベース状態)においては顕著である。尚、前述の振分確率は一例であり、遊技性やスペック等を考慮して任意に設定することができる。
【0089】
また、本実施例では、第2特別図柄を第1特別図柄に比して優位にしていることから、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示が共に実行可能な場合、すなわち、第1特図保留と第2特図保留が共に「1」以上存在する場合には、第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)に優先して行うものとしている。これにより、第2始動口21への入球頻度が高まる高ベース状態は、第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まるので、遊技者にとって有利に遊技を進めることが可能な状態といえる。にもかかわらず、高ベース状態で第1特別図柄の変動表示が行われることは、遊技者にとっては、せっかくの有利な状態(高ベース状態)での遊技に水を差されることとなり、第1特別図柄の変動表示は第2特別図柄の変動表示に比べ不利に働く可能性もあることから、高ベース状態での第1特別図柄の変動表示は、遊技者にとって望ましいことではないといえる。
【0090】
ここで、特別図柄の停止表示の態様として、大当り図柄のことを「特定表示結果」ともいい、小当り図柄のことを「所定表示結果」ともいい、外れ図柄のことを「所定態様」や「非特定表示結果」ともいう。また、高ベース状態の設定契機とならない大当り図柄(15R第3大当り図柄、低ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第1特定表示結果」ともいい、高ベース状態の設定契機となる大当り図柄(15R第1,第2,第5,第6大当り図柄、高ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第2特定表示結果」ともいう。また、特別図柄が変動表示する際の遊技状態として、開放延長機能が作動しない遊技状態を低ベース状態といい、開放延長機能が作動する遊技状態を高ベース状態という。
【0091】
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。
図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0~198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、
図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0~240」までの範囲で値をとる。
【0092】
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄に対する確率変動機能、普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が通常状態よりも多い高確率状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(
図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
【0093】
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなる。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(
図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
【0094】
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能は同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(
図8(C)を参照)。つまり、普通図柄についての確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の表示結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
【0095】
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(
図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
【0096】
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21への遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
【0097】
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
【0098】
本実施例のパチンコ遊技機1では、15R第1,第5大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0099】
また、15R第2,第6大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であることから特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当りに当選して当該大当りに係る特別遊技(大当り遊技)が実行されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第2,第6大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」となる。また、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第1,第5大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「低確高ベース状態」となる。
【0100】
また、15R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから、特別図柄の通常状態となり、これに加えて特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態は、本パチンコ遊技機1において基本となる遊技状態、すなわち初期の遊技状態である。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第3大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は、後述の「高確低ベース状態」となる。
【0101】
また、低確低ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(
図6を参照)。この遊技状態を特に「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。
【0102】
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
【0103】
また、高ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば「高確高ベース状態」となる(
図6を参照)。すなわち、特別図柄の時短機能およびベース状態については、大当り遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
【0104】
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、高ベース状態では、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行うことで、左打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
【0105】
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行うことで、右打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
【0106】
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
【0107】
また、本実施例では、遊技領域3のうち左遊技領域3Aと右遊技領域3Bの何れに向けて遊技球を発射するかを指示する発射指示報知を、発射方向表示器47におけるLEDの表示態様だけでなく、画像表示装置7(表示画面7a)における発射指示画像(左打ち指示画像70、右打ち指示画像71)の表示によっても行うこととしている。一般に、遊技者にしてみれば、発射方向表示器47に比べ画像表示装置7(表示画面7a)の方が、表示内容を視認しやすく把握(理解)しやすいといえる。したがって、遊技者は、一般的には、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される発射指示画像を見て、「左打ち」と「右打ち」の何れを行うべきなのか、つまり、現在の遊技状態が左打ちを行う「左打ち遊技状態」なのか、右打ちを行う「右打ち遊技状態」なのかを把握する。
【0108】
尚、本実施例では、前述のように、遊技状態が特別遊技状態(大当り遊技状態)や高ベース状態(高確高ベース状態、低確低ベース状態)にあるときに「右打ち」を行うことから、「右打ち遊技状態」は特別遊技状態や高ベース状態を指す。この「右打ち遊技状態」のことを「所定遊技状態」ともいい、「特別遊技状態」のことを「第1所定遊技状態」ともいい、「高ベース状態」のことを「第2所定遊技状態」ともいう。
【0109】
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、小当り遊技や大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。また、高確高ベース状態と低確高ベース状態とは、何れも高ベース状態であるところ、高確高ベース状態(第2遊技状態)は、特別図柄当否判定の大当り確率が高確率に設定されているため、特別図柄当否判定の大当り確率が低確率に設定される低確高ベース状態よりも有利な遊技状態である。また、高確高ベース状態と低確高ベース状態(第1遊技状態)とは、遊技者にとっての有利度合いが異なる遊技状態ともいえる。
【0110】
そして、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
【0111】
また、小当り遊技は、大当り遊技ほどではないものの、大入賞口(第1大入賞口32、第2大入賞口35)への遊技球の入球により賞球を得ることは可能なので、一応は、通常遊技に比べ遊技者に有利な遊技といえる。よって、小当り遊技も「特別遊技」として捉えることができ、当該小当り遊技が行われる遊技状態も「特別遊技状態」として捉えることができる。尚、大当り遊技としての特別遊技と、小当り遊技としての特別遊技を区別するため、小当り遊技としての特別遊技を「小利益特別遊技」として捉えることもできる。
【0112】
[主制御メイン処理]
次に、
図10~
図38に基づいて、遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから
図10に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(S101)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。尚、初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0113】
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、
図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
【0114】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
【0115】
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。
図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
【0116】
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(
図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、第1始動口センサ20aや第2始動口センサ21aが遊技球を検知した場合、後述の始動入球時処理(S205)により、各始動口に対応する始動入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
【0117】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、
図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、
図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0118】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、特定領域センサ検知処理(S208)、保留球数処理(S209)および電源断監視処理(S210)を実行する。この他、遊技を進行させる上で必要な「その他の処理」を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまで主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(
図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0119】
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
【0120】
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、
図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0121】
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特
図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特
図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特
図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特
図2保留球数に1を加算する(S307)。
【0122】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特
図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0123】
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終え、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特
図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特
図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には処理を終え、特
図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
【0124】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S312)では、特
図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり
図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特
図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
【0125】
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。
図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特
図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特
図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特
図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特
図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
【0126】
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特
図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317の処理は、後述の特
図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
【0127】
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(
図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
【0128】
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特
図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特
図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特
図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特
図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特
図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
【0129】
また、主制御部80から送信した特
図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特
図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特
図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特
図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
【0130】
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特
図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
【0131】
次いでS319では、前述の特
図2に係る処理と同様に、特
図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特
図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特
図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特
図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
【0132】
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
【0133】
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特
図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特
図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特
図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特
図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
【0134】
ここで、高ベース状態では、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特
図2の当否判定(
図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特
図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特
図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このことから、本実施例では、特
図1保留に係る事前判定(特
図1事前判定)を、第1特別図柄の変動表示が主として行われる低ベース状態にて行うこととし、特
図2保留に係る事前判定(特
図2事前判定)については、低ベース状態であるか高ベース状態であるかを問わず行うこととしている。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、後述するように、大当り遊技中は低確低ベース状態に制御されるが、大当り遊技中に遊技球が第1始動口20に入球して特
図1保留球数が「1」増加したとしても、S321~S323の処理(特
図1事前判定処理)は行わないものとなっている。
【0135】
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球遊技処理(S206)に次いで、
図14に示す普図動作処理(S207)を行う。普図動作処理(S207)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0136】
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、
図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
【0137】
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、
図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
【0138】
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1デクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
【0139】
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
【0140】
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
【0141】
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
【0142】
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0143】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0144】
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0145】
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)ではまず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
【0146】
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)処理を終え、至っていれば第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
【0147】
そして第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
【0148】
これに対してS1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(
図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
【0149】
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。
図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、特図動作ステータスが「1」である場合(S1101でYES)には特別図柄待機処理(S1102)、特図動作ステータスが「2」である場合(S1101でNO、S1103でYES)には特別図柄変動中処理(S1104)、特図動作ステータスが「3」である場合(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)には特別図柄確定処理(S1106)、特図動作ステータスが「4」である場合(S1101,S1103,S1105で共にNO、S1107でYES)には大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)、特図動作ステータスが「5」である場合(S1101,S1103,S1105,S1107の全てがNO)には小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)、をそれぞれ行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0150】
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特
図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特
図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
【0151】
S1201において特
図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図2当否判定処理(S1202)、特
図2変動パターン選択処理(S1203)、特
図2乱数シフト処理(S1204)、特
図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特
図2保留球数が「0」であるが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、特
図2保留球数が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして、本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(
図8(B)を参照)。
【0152】
[特
図2当否判定処理]
図23に示すように、特
図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、当り判定テーブル(
図8(A)を参照)のうち通常状態用の当り判定テーブル(大当り判定値が「3」、「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、当り判定テーブル(
図8(A)を参照)のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1309)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値が「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
【0153】
当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、
図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。そして、第1特別図柄(特
図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのうち何れかとされ、第2特別図柄(特
図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第5大当りまたは15R第6大当りとされる(
図8(B)を参照)。
【0154】
このことに対応して、本実施例では、大当りフラグとして、大当りの種別が15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り、15R第5大当り又は15R第6大当りであった場合にONにする長当りフラグと、2R第4大当りであった場合にONにする短当りフラグと設けている。そして、2R第4大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第4大当り図柄が確定表示するタイミングで、ラウンド表示器45の2R用ランプ(
図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1~第3大当り、15R第5大当り及び15R第6大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプ(
図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
【0155】
ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
【0156】
一方、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りであるか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)が、小当り判定値である「101」~「105」の何れかと一致するか否かを判定する(
図8(A)を参照)。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
【0157】
[特
図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(
図22)では、特
図2当否判定処理(S1202)に次いで、特
図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。
図24及び
図25に示すように、特
図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONであるか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。尚、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また、本実施例では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている(
図9を参照)。しかし、本処理は、特
図2についての変動パターン選択処理であり、特
図2の抽選にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しない(
図6を参照)。したがって、本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1またはP2が選択される。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
【0158】
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。具体的には、本実施例では必ず変動パターンP4が選択される。
【0159】
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、大当りでもなく小当りでもない外れということになり、この場合、第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1406)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1406で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1406でYES)、非時短状態中第1保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP5乃至P8の何れかが選択される。
【0160】
一方、S1406で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1406でNO)、非時短状態中第2保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。本実施例では、変動パターンP9乃至P12の何れかが選択される。ここで、非時短状態中の第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最短の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。つまり、外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっており、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「1」又は「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0161】
また、前述のS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(
図25のS1410)。そして、大当りフラグがONであると判定した場合(S1410でYES)、時短状態中大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。前述したように、本処理は、特
図2についての変動パターン選択処理であり、特
図2の抽選にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しないことから(
図6を参照)、S1411では、長当りに対応する変動パターンP13またはP14が選択される。
【0162】
一方、S1410で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1410でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1412)。そして、小当りフラグがONであれば(S1412でYES)、時短状態中小当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1416)。具体的には、本実施例では必ず変動パターンP16が選択される。
【0163】
また、S1412で小当りフラグがONでないと判定した場合(S1412でNO)、すなわち外れの場合、第2特別図柄の保留数が「1」であるか否かを判定する(S1413)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。そして、保留数が「1」であると判定した場合(S1413でYES)、時短状態中第3保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。本実施例では、変動パターンP17乃至P20の何れかが選択される。一方、S1413で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1413でNO)、時短状態中第4保留数外れ用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1415)。本実施例では、変動パターンP21乃至P24の何れかが選択される。
【0164】
このように、時短状態中の変動パターンテーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が、保留球数「2」~「4」のときに働く。また、大当りのうち長当りに当選した場合に、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。これにより、時短状態においては、非時短状態(通常状態)に比して、特図保留の消化スピードが早まる(時短中の遊技が迅速に進行していく)ものとなっている。
【0165】
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図24に示すその他の処理(S1404)を行って、本処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特
図2対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
【0166】
[特
図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特
図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特
図2保留球数を1デクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
【0167】
特
図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、
図22に示す特別図柄待機処理(S1102)の中の特
図2変動開始処理(S1205)を実行する。特
図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
【0168】
また、
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特
図2保留球数が「0」であり、かつ、特
図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特
図1当否判定処理(S1207)、特
図1変動パターン選択処理(S1208)、特
図1乱数シフト処理(S1209)、特
図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
【0169】
[特
図1当否判定処理]
図27に示すように、特
図1当否判定処理(S1207)では、
図23に示した特
図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
【0170】
但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出す。またS1610における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのいずれとも判定される可能性がある(
図8(B))。
図8(B)の第1特別図柄(特
図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り、15R第2大当り及び15R第3大当りの何れかと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第4大当りと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
【0171】
[特
図1変動パターン選択処理]
図28及び
図29に示すように、特
図1変動パターン選択処理(S1208)では、
図24及び
図25に示した特
図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701~S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
【0172】
但し、本処理は特
図1に関する処理であるので、S1702(
図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして、15R大当り(長当り)である場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。具体的には、変動パターンP1またはP2が選択される。
【0173】
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。具体的には、変動パターンP3が選択される。
【0174】
また、この特
図1変動パターン選択処理では、S1712(
図29)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当り(長当り)である場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。具体的には、変動パターンP13またはP14が選択される。
【0175】
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(
図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。具体的には、変動パターンP15が選択される。
【0176】
この特
図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択を行った後は、その他の処理(S1705、
図28)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特
図1対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御基板90に送られる。
【0177】
[特
図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特
図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特
図1保留球数を1デクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
【0178】
特
図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、
図22の特
図1変動開始処理(S1210)を実行する。特
図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
【0179】
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(
図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。そして、変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0180】
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、または確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
【0181】
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、または時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に進む。S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
【0182】
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15第3大当り及び15R第5大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S2002)。そして、15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉鎖まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして(
図6を参照)、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン、15R第3大当りであれば15R第3大当り用の開放パターン、15R第5大当りであれば15R第5大当り用の開放パターン、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンを、それぞれセットする(S2003)。
【0183】
一方、S2002において15R大当りでないと判定した場合(すなわち短当りフラグがONである場合)、大当り種別は2R第4大当りということになるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、2R第4大当り用の開放パターン(
図6を参照)をセットする(S2004)。
【0184】
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
【0185】
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。その結果、小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(
図6を参照)をセットする(S2009)。そして、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。尚、S2008において小当りフラグがONでなければ(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
【0186】
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONと判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONと判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低確低ベース状態に制御されることにもなる。
【0187】
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
【0188】
S2107の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2107の判定結果がYESであれば、実行されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否か、すなわち、Vラウンドであるか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。実行されるラウンドがVラウンドでない場合(S2108でNO)、すなわち、3~15ラウンドの何れかである場合、S2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(
図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。一方、実行されるラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)であると判定した場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(
図6を参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく、第2大入賞装置36を作動させる。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放する際、すなわちラウンドを開始する際には、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドをセットする。セットしたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
【0189】
V有効期間設定処理(S2109)では、Vラウンド(本実施例では1ラウンド又は2ラウンド)における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚、本実施例ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理のS2401~S2403を参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONにしないということである。
【0190】
ここで、特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1a2a3」の3個のLEDで構成されている。そして、本実施例では、通常状態(低確率状態)においては、「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技中の特定領域センサ39aによって遊技球が検知され、VフラグがONになったタイミングで、「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。また、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
【0191】
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(S208)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。尚、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、すなわち大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。
【0192】
また、大当り遊技のVラウンド(1R目または2R目)でV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も通常状態とし、小当り遊技前の遊技状態が高確率状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も高確率状態とする。つまり、小当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
【0193】
尚、本実施例では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2,第3大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2,第3大当りの場合は、Vラウンドにおいて第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2,第3大当りの場合はVラウンドを第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2,第3大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグがONになることはない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。尚、本実施例では1ラウンドと2ラウンドをVラウンドとし、当該Vラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、Vラウンドの場所はこれに限らなくてもよい。
【0194】
S2106において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(
図6を参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
【0195】
これに対して、規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1デクリメントし(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2115)。「0」でないと判定した場合(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する際、すなわちラウンドを終了する際には、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドをセットする。このセットしたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。尚、ラウンド終了コマンドは、大当り遊技の最終ラウンドを除くラウンドの終了の際、すなわち、S2115でラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合に送信される。例えば、実行する大当り遊技のラウンド数が15R大当り遊技であれば、14Rの終了まではラウンド終了コマンドが送信されるが、15Rの終了に際しては送信されない。最終ラウンドの終了に際しては、後述するS2116の処理でセットするエンディングコマンドが送信されるからである。
【0196】
一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
【0197】
また、S2105において大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにし(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。以上の特別電動役物処理1(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
【0198】
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるかどうかを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(
図36)にてONされるフラグである。そして、VフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「100」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにし(S2204)、S2205の処理に進む。一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、確変フラグをONにすることなく、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
【0199】
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであるか否かを判定する。そして、15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、その15R大当りが15R第3大当りであるか否かを判定し(S2206)、15R第3大当りであれば(S2206でYES)、そのまま処理を終え、15R第3大当りでない、すなわち、15R第1,第2,第5大当りの何れかであれば(S2206でNO)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。ここで、今回の大当り遊技が15R第1大当り又は15R第5大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39(V通過)を通過してVフラグがONになっている筈なので(S2201でYES)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第2大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第3大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態になる。
【0200】
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りでない、すなわち、2R第4大当りであると判定した場合(S2205でNO)、今回の大当り遊技開始前の遊技状態、すなわち2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったか否かを判定し(S2209)、時短状態でなかったと判定した場合(S2209でNO)、時短フラグをONにすることなく、そのまま処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確低ベース状態となる。
【0201】
一方、S2209で、2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2209でYES)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態となる。
【0202】
尚、高確高ベース状態、低確高ベース状態および高確低ベース状態は、いずれも、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
【0203】
また、2R第4大当りに係る大当り遊技開始前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2209)を行うのは、当該大当り遊技前後の時短機能および高ベース機能の作動状態を、小当りが発生した場合の状態(条件)と同じにするためである。これらの作動状態が2R第4大当りの場合と小当りの場合とで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識し難くしたとしても、その後の遊技状態(時短機能および高ベース機能の作動状態)によって、何れの当りかが容易に判別可能となってしまうからである。これにより、2R第4大当りと小当りとを大入賞口の開放パターンによって判別し難くすると共に、その後の時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別し難くするものとしている。
【0204】
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図35に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否かを判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。S2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、S2303の判定結果がYESであれば、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(
図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
【0205】
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理では、有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、V有効期間の経過をカウントダウンにて計測するVタイマ(主制御基板80のRAMに設けられている)が「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。尚、Vタイマが「0」か否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする即ち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技開始前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態に移行しないようになる。尚、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
【0206】
S2302において第2大入賞口35の開放中であれば、(S2302でYES)、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数が、規定の最大入球個数(本実施例では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図6参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
【0207】
これに対して、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2306でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1デクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2310)。S2310で「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。
【0208】
一方、S2310で「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に移行する。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
【0209】
S2301において、小当り終了フラグがONであれば(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
【0210】
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121、
図36)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。以上の特別電動役物処理2(S1109)を実行する遊技制御用マイコン81は「小利益特別遊技実行手段」として機能するといえる。
【0211】
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで特定領域センサ検知処理(S208)を行う。
図36に示すように、特定領域センサ検知処理(S208)では、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し(S2401)、検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。一方、S2401で検知があると判定した場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(S1108)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。本実施例では、V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
【0212】
また、S2402でV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにすると共に(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第4大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドをサブ制御基板90に送信し、サブ制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
【0213】
また、S2402でV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S208)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
【0214】
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S208)に次いで保留球数処理(S209)を行う。
図37に示すように、保留球数処理(S209)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特
図1保留球数、特
図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。
【0215】
この保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特
図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特
図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特
図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特
図1保留球数「1」に対応する箇所、
図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを消去するか、または、図示しない当該変動保留表示領域に移動して表示し、これに伴って、第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。一方、第2演出保留9b(第2特図保留)についても、第1演出保留9a(第1特図保留)と同様に表示内容を更新することができる。
【0216】
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
【0217】
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。
図38に示すように、電源断監視処理(S210)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変かどうか、当り遊技中かどうか、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONし(S2603)、その後は割り込み処理(
図11)に戻ることなくループ処理をする。
【0218】
[サブ制御メイン処理]
次に、
図39~
図45に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから
図39に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
【0219】
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化せず、RAMにバックアップしたデータに基づいて情報を復元する。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
【0220】
尚、このS4001~S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例1では、演出制御用マイコン91においても、
図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
【0221】
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
【0222】
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
【0223】
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、
図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
【0224】
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
【0225】
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。
図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する第1演出モード設定処理(S4301)を行う。第1演出モード設定処理(S4301)では、所定の契機に基づいて複数の演出モード(「遊技モード」ともいう)から所定の演出モードを選択し、当該選択した演出モードを設定する。詳しくは後述するが、これら複数の演出モードは、表示画面に表示される遊技演出の表示態様の一部又は全部が異なったり、LED等の表示パターンの一部又は全部が異なったり、スピーカから出力する音声パターンの一部又は全部が異なったりしている。次いで、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。
【0226】
次いで、前述した第1音量スイッチ及び第2音量スイッチの設定に基づいて、パチンコ遊技機のスピーカから出力される遊技音の音量の設定を行う音量設定処理(S4305)を行う。次いで、非遊技状態が所定時間経過した場合に実行される省エネモードの設定を行う省エネモード設定処理(S4306)を行う。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4307)。
【0227】
[受信コマンド解析処理]
次に、
図43及び
図44を用いて、受信コマンド解析処理(S4302)について説明する。受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4404の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、演出保留情報記憶処理(S4402)を行い、事前判定処理を行い(S4403)、S4404の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4402)は、S4401で受信した始動入球コマンド(特
図1始動入球コマンド又は特
図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値、変動パターン情報等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。
【0228】
例えば、受信した始動入球コマンドが特
図1の保留球数「4」に対応する特
図1始動入球コマンドである場合、その特
図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特
図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特
図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。このサブ制御基板(サブ制御部)において取得情報に基づく判定を行う手段を「判定実行手段」ともいう。また、事前判定処理(S4403)では、演出保留情報記憶処理で記憶した各種情報を事前判定し、当該事前判定の結果に基づく遊技演出(事前演出)を、当該各種情報に係る変動表示よりも前の変動表示に伴って実行するための処理である。このサブ制御基板(サブ制御部)において各種情報(取得情報)に基づく事前判定を行う手段を「事前判定手段」ともいう。
【0229】
次に、S4404では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4404)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4404でYES)、次いで、変動演出開始処理(S4405)を行って、S4406の処理に移行する。一方、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4404でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行い(S4407)、S4408の処理に移行する。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。
【0230】
ここで、変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
【0231】
続いて、S4408では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド等が該当する。S4408では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し(S4408)、大当り遊技関連コマンドを受信したと判定した場合(S4408でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じて大当り遊技関連演出処理を行い(S4409)、S4410の処理に移行する。
【0232】
大当り遊技関連演出処理では、例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
【0233】
また、S4409は、前述した大当り遊技関連コマンドのいずれかを受信した場合(例えば、オープニングコマンドを受信した場合)に実行される処理(大当りとなった場合に実行される処理)である。S4410は、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4410)。
【0234】
[変動演出開始処理]
図45に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、S4501で、演出制御用マイコン91が予告演出決定用乱数や演出図柄決定用乱数等の演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数取得処理(S4501)を行う。具体的に本実施例では、予告演出決定用乱数として、会話予告決定用乱数(「第1予告演出決定用乱数」ともいう)、ステップアップ予告決定用乱数(「第2予告演出決定用乱数」ともいう)、疑似変動予告決定用乱数(「第3予告演出決定用乱数」ともいう)、可動部予告決定用乱数(「第4予告演出決定用乱数」ともいう)、及び、事前報知演出決定用乱数(「第5予告演出決定用乱数」)を有しており、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングで、S4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得することとなる。また、後述の予告演出等設定処理(S4506)において、この取得した値に基づいて演出図柄(特別図柄)の変動表示に伴って実行する予告演出等を決定する。
【0235】
次に、S4502で、演出制御用マイコン91により変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、
図9に示す変動パターン情報(P1乃至P17)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の判定結果や、当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(
図8参照)。変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
【0236】
次に、S4503で、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。
【0237】
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。本実施例では、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA~Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。
【0238】
本実施例では、低確高ベース状態(第1遊技状態)の演出モードBと、高確高ベース状態(第2遊技状態)の演出モードCとで、共通の楽曲(遊技音)を出力する一方で、画像表示装置7の表示画面に表示される遊技演出として異なる遊技演出を有している。また、共通の楽曲は、少なくとも、演出図柄の変動表示中に出力可能であり、演出図柄の変動表示中以外の期間であっても共通の楽曲を出力してもよい。これにより、有利度合いの異なる低確高ベース状態(第1遊技状態)の演出モードBと、高確高ベース状態(第2遊技状態)の演出モードCとにおいて、何れも遊技者の期待感を維持することができると共に、遊技演出の相違によって遊技状態を見分けることを可能としている。尚、演出モードBと演出モードCとで、楽曲(遊技音)の出力制御を行う制御部を、「遊技音制御手段」(サブ制御部、第1演出制御手段)という。また、遊技演出の実行を制御する制御部を、「遊技演出制御手段」(サブ制御部、第2演出制御手段)という。
【0239】
また、演出モードBと演出モードCとで異なる遊技演出を、画像表示装置7の表示画面に表示される遊技演出とした。このような態様に加えて、又は、替えて、演出モードBと演出モードCとで異なる遊技演出を、可動部材の動作態様や、盤LED又は/及び枠LEDの点灯態様としてもよい。また、このような楽曲その他の遊技音は、後述する音量設定処理(S4305)で設定した大きさの音量で出力される。
【0240】
また、演出モードD又は演出モードEは、高確低ベース状態又は低確低ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがD又はEであるときには、遊技者は演出モードを確認しても、特別図柄当否判定の確率状態が、高確率状態にあるのか低確率状態(通常状態)にあるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD及びEは、確率非報知モードと言える。
【0241】
次に、S4504で、演出制御用マイコン91が制御する画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等の変動演出パターン(「演出パターン」ともいう)を決めるための変動演出パターン決定用のテーブルをセットする(S4504)。具体的に、変動演出パターン決定用のテーブルとして、主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、図示はしないが、演出図柄の変動態様を決定するための演出図柄変動態様決定テーブルがセットされる。本実施例では、遊技状態や演出モードによって、異なる演出図柄変動態様決定テーブルがセットされる。
【0242】
次いでS4505で、S4504においてセットした変動演出パターンテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合し、且つ参照したモードステータスが示す演出モードに応じた変動演出パターンを選択する(S4505)。また、S4505では、変動演出パターンのうち、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)が決定される。これにより、演出図柄遊技演出において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有演出図柄遊技演出)と、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)と、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無演出図柄遊技演出)とが設定される。
【0243】
また、本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄の変動態様として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出が設定されており、S4505で、演出図柄変動態様決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。
【0244】
そして、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び演出図柄変動態様決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。また、リーチ有演出図柄遊技演出が実行される場合において、リーチA、リーチB、又はリーチC(「ノーマルリーチ」ともいう)が実行されるとき、「リーチフラグ」をONにして「スーパーリーチフラグ」をOFFにし、スーパーリーチA、スーパーリーチB、又はスーパーリーチCが実行されるとき、「スーパーリーチフラグ(「SPリーチフラグ」ともいう)」をONにして「リーチフラグ」をOFFにする。また、リーチ有演出図柄遊技演出が実行されない場合には、「リーチフラグ」及び「スーパーリーチフラグ」をOFFにする。これらのフラグの状態を判定して、後述の事前報知演出を行うものとする。
【0245】
ここで、遊技演出として、スーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。
【0246】
次いで、S4506で、後述する予告演出等設定処理を行う。予告演出等設定処理(S4506)では、S4501で取得した演出決定用乱数に基づいて、変動演出パターンのうち、主に、後述する予告演出種のうち何れの予告演出種の予告演出を実行するかを決定する。また、停止表示する演出図柄(「停止演出図柄」ともいう)を決定する。これらの処理(S4505及びS4506)により、変動演出パターンが決定される。
【0247】
次いで、S4507で、S4505及びS4506において選択した変動演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出等を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。
【0248】
また、S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の演出画像を画像制御基板100のROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7a上で演出図柄遊技演出を行う。
【0249】
尚、演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄は、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りのときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、15R第2大当りのときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄のうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄のうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。また、2R第3大当り及び小当りのときは「135」等予め定めたチャンス目や「3☆3」等の2R第3大当り及び小当りの専用図柄を停止表示してもよい。すなわち、2R第3大当りのときと小当りのときとで、同じ演出図柄を停止表示するようになっている。このため、遊技者は、停止表示された演出図柄を確認しただけでは、2R第3特定大当りとなったのか、小当りとなったのかを判別することはできない。尚、前述の演出図柄の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
【0250】
[音量設定処理]
次に、
図46乃至
図51を用いて、本実施例のパチンコ遊技機から出力される遊技音の音量の設定について説明する。前述した通り、本実施例では、パチンコ遊技機の表面側に設けられた第1音量スイッチ(第1演出ボタン63a)と、裏面側に設けられた第2音量スイッチと、により、音量の調節(調節操作)を行うことがでいる。具体的に、第1音量スイッチ(第1演出ボタン63a)は、
図48(a)に示す第1演出ボタン63aからなっている。
【0251】
第1演出ボタン63a(63s、t、u、v)は、4個の第1演出ボタン検知スイッチ63e、f、g、hを有しており(第1音量スイッチ、第1遊技音調節手段)、上下左右の操作を夫々別の操作として(区別して)検知可能となっている。本実施例では、このうち左右の操作方向(63u、v)を、音量の調整に使用する第1音量スイッチに設定する。具体的に、第1音量スイッチ63vを操作(押圧操作又はタッチ)することで遊技音の音量を増加させ、第1音量スイッチ63uを操作(押圧又はタッチ)することで遊技音の音量を減少させる。また、上下方向の第1演出ボタン63s及び第1演出ボタン63tは、LEDの輝度調整や、遊技中の演出進行に用いる。例えば、演出図柄の変動表示中に、遊技者が演出ボタンを操作することで実行中の遊技演出を進行可能な遊技演出に用いる。
【0252】
また、第1音量スイッチ63u、vを用いた音量調節は、演出図柄の変動表示中や変動表示を行っていない場合にも行うことができる。設定音量表示部201が表示されていない状況で、第1音量スイッチ63u、63vの何れかが操作されると、表示画面7の下方に現在の音量の設定(段階)を示す設定音量表示部201が表示される(
図48(b))。尚、設定音量表示部201が表示されていない状況で、第1音量スイッチ63u、63vを操作しても、音量の設定は変更されず、設定音量表示部201が表示される。
【0253】
設定音量表示部201には、音量の設定値を示す長方形の図形が5個表示されている。このうち、黒く塗りつぶし表示されているものが現在の音量の設定(段階)を示す設定音量値201aとなる。その他の4個は操作により設定可能な非設定音量値201bである。
図48(b)に示すように、第1音量スイッチの操作で、音量を5段階(複数段、段階1~段階5)に変更可能とされ、
図48(b)は、中央値である段階3に設定中の場面を示している。また、左右には、音量の減少方向又は増加方向が分かり易いように、設定音量表示部201の右側位置に+、左側位置に-を表示している。これにより、遊技者は、第1音量スイッチ63vを操作すれば音量を増加させ、第1音量スイッチ63uを操作すれば音量を減少させることができることを直感的に理解することができる。
【0254】
また、設定音量表示部201が表示された状況で、第1音量スイッチ63u、63vが操作されると、当該操作方向(増加方向又は減少方向)に応じて、音量が増加又は減少(大きくなる又は小さくなる)と共に、設定音量表示部201の表示態様が更新される。具体的に、
図48(b)の状況から、遊技者が第1音量スイッチ63vを1回操作すると、遊技音の音量が大きくなると共に、
図48(c)に示すように、設定音量表示部201において設定音量値201aが段階4を示す位置に変化し、その他の部分が非設定音量値201bとなる。
【0255】
また、本実施例では、パチンコ遊技機の前面側に設けられた第1音量スイッチ63aだけでなく、裏面側にも遊技音の音量(大きさ)を調節可能な第2音量スイッチ64を備えている。前述したように、第2音量スイッチ64はサブ制御基板90に実装され、スイッチ部がサブ制御基板ケースから露出しているため、遊技機裏面側から操作することができる(
図2、
図49参照)。
【0256】
図49(a)乃至(c)に示すように、第2音量スイッチ64は、音量を3段階(段階1~段階3)に変化可能なスイッチである。つまみ部64aを左右にスライド操作することで、音量の設定を変更することができる。
図49(a)は第2音量スイッチ64の設定を段階1に設定した場面、
図49(b)は第2音量スイッチ64の設定を段階2に設定した場面、
図49(c)は第2音量スイッチ64の設定を段階3に設定した場面を示している。段階1→段階2→段階3の順により大きい音量(音量域)に設定可能となる。
【0257】
次に、
図50を用いて、第1音量スイッチ63aと第2音量スイッチ64との関係について説明する。前述した通り、第1音量スイッチでは5段階、第2音量スイッチでは3段階の設定が可能である。まず、遊技店側が遊技店の事情や好みに応じて、第2音量スイッチを操作して任意の段階に設定することで、第1音量スイッチで変化可能な音量域を設定する。
図50に示す通り、遊技音の音量レベルとして、音量1~音量9まで設定可能となっている。
【0258】
そして、第2音量スイッチを最も小さい音量の音量域(第1音量域)である段階1に設定した状態で、第1音量スイッチを操作することで、音量レベルを1~5(第1音量域)の何れかに設定することができる。尚、第2音量スイッチが段階1の状態で、第1音量スイッチを段階1~段階5に設定したときの音量設定値を、1-1~1-5とする(前方の数値が第2音量スイッチの段階、後方の数値が第1音量スイッチの段階を示す)。このとき、音量が、この音量設定値に応じて対応する音量レベル1~5に変化する。尚、音量レベルの数値が大きいほど、出力される遊技音の音量は大きくなる。また、これら音量設定値はサブ制御部の記憶部(遊技音情報記憶手段)に記憶する。
【0259】
また、第2音量スイッチを最も中間音量の音量域(第2音量域)である段階2に設定した状態で、第1音量スイッチを操作することで、音量レベルを3~7(第2音量域)の何れかに設定することができる。尚、第2音量スイッチが段階2の状態で、第1音量スイッチを段階1~段階5に設定したときの音量設定値を、2-1~2-5とする。このとき、音量が、この音量設定値に応じて対応する音量レベル3~7に変化する。
【0260】
また、第2音量スイッチを最も大きい音量の音量域(第3音量域)である段階3に設定した状態で、第1音量スイッチを操作することで、音量レベルを5~9(第2音量域)の何れかに設定することができる。尚、第2音量スイッチが段階3の状態で、第1音量スイッチを段階1~段階5に設定したときの音量設定値を、3-1~3-5とする。このとき、音量が、この音量設定値に応じて対応する音量レベル5~9に変化する。
【0261】
このように、遊技店側で任意の音量域を設定し、遊技者が当該音量域の範囲内で任意の音量に設定する。これにより、遊技店側及び遊技者側の双方が満足する音量の遊技音に設定することが可能となる。また、所定の設定状況において、第2音量スイッチを操作すると(設定を変更すると)、第1音量スイッチの段階は強制的に段階3に設定されるものとする。例えば、音量設定値1-4(音量レベル4)が設定されている状況で、第2音量スイッチが操作されて、第2音量スイッチが段階2に変更操作されると、第1音量スイッチの段階は強制的に段階3となり、音量設定値は2-3に設定される(音量レベル5)。
すなわち、第2音量スイッチの設定を変更すると、第1音量スイッチの現在の設定値にかかかわらず、第1音量スイッチの設定(遊技音の大きさ)は、変更後の音量域の中間値(予め定められた音量)に設定される(音量設定値1-3、2-3又は3-3の何れか)。
【0262】
また、第2音量スイッチで何れの段階(段階1~3)に設定した場合においても、その後、第1音量スイッチを操作することで、予め定められた音量域において、遊技音の音量を変更可能である。尚、本実施例では、第2音量スイッチで設定する第1音量域~第3音量域において、音量レベルが一部重複するように設定したが、音量レベルが重複しないようにせっていしてもよい。例えば、第1音量域を音量レベル1~5とし、第2音量域を音量レベル6~10とし、第3音量域を音量レベル11~15としてもよい。また、音量レベルに消音(無音)を設けてもよい。これら第1音量スイッチ63a及び第2音量スイッチ64は、何れもサブ制御基板90(サブ制御部)に接続されており、操作者の入力に基づいて、サブ制御部が制御する。
【0263】
また、他の態様として、第2音量スイッチで設定を行った際に、設定される音量設定値(音量レベル)を各音量域の初期値とし(具体的には、1-3、2-3、3-3)、遊技者が、所定の音量域において第1音量スイッチで任意に音量を設定した場合において、遊技を終了して非遊技時間が所定時間経過すると、当該音量域の初期値に設定する(初期化される)ものとしてもよい。具体的に、第2音量スイッチが段階3に設定されており、遊技者が第1音量スイッチで段階5に設定した場合、音量設定値は3-5、音量レベルは9に設定される。これは設定可能な最大の音量レベルである。当該遊技者が遊技を終え、非遊技状態となって、所定時間(例えば、5分)が経過したと判定された場合、音量設定が初期化され、第3音量域の音量の初期値である音量設定値3-3、音量レベル7に設定される。これにより、新たな遊技者が遊技開始後に、突然大きな遊技音が出力される等の事態を防止し、遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
【0264】
尚、非遊技状態は、図柄の変動表示(特別図柄、普通図柄、演出図柄)が終了し、当り遊技も実行されていない状態になると、計測を開始し、予め定められた時間(例えば、5分)が経過すると、初期化する。また、表示画面上では、非遊技状態が所定時間(例えば、2分間)経過すると、デモンストレーション演出が実行される。このデモンストレーション演出の実行中に音量設定が初期化されるものとしてもよい。また、デモンストレーション演出と、音量の初期化を同じタイミングで実行してもよい。
【0265】
また、デモンストレーション演出を先に実行し、音量の初期化を後に実行してもよい。これは、遊技中であっても、ときとして、遊技球を発射していても始動入賞せず、演出図柄が変動表示しない場合が発生しうる。このような状況で、表示画面の映像が停止したままでは遊技興趣を低下させてしまう。そこで、図柄が変動表示していない状況(非遊技状態の検知)が発生すると早めに(例えば、2分)デモンストレーション演出を実行して遊技興趣の維持を図ることができる。一方で、同様に早めの時間で(例えば、2分)音量もあわせて初期化してしまうと同じ遊技者が遊技しているにもかかわらず、好みの音量がリセットされてしまい、遊技興趣の低下を招く恐れがある。また音量の再設定も手間である。そこで、音量の初期化タイミングを、確実に遊技を終了しているであろう時間に設定し(非遊技時間が5分)、当該時間が経過したと判定すると音量を初期化するのが望ましい。これにより、今回の遊技者の遊技興趣の低下を防ぐと共に、次の遊技者の遊技興趣の低下を防止するといった顕著な効果を奏することが可能となる。
【0266】
また、他の態様として、音量だけでなく、同様に、遊技盤に設けられた遊技盤LEDや遊技機枠に設けられた枠LEDを備え、当該遊技盤LED及び枠LEDの輝度を遊技者が調節可能(輝度段階1~5)な輝度スイッチ(輝度調節手段)を備え、音量の初期化を実行する同じタイミングで、輝度も初期化(輝度段階3)するようにしてもよい。
【0267】
次に、
図46及び47を用いて、音量設定処理(S4404)について説明する。音量設定処理(S4404)ではまず、S5101で、第2音量スイッチによる音量の設定操作(調節操作)があったか否かを判定する(S5101)。S5101で、調節操作があった(段階に変更があった)と判定した場合(S5101でYES)、次いで、最新(変更後)の第2音量スイッチの設定を記憶し(S5102)、第1音量スイッチを段階3に設定して記憶し(S5102)、S5105に移行する。本処理により、第2音量スイッチの調節操作があった場合には、第1音量スイッチの設定が強制的に切り替わる(初期値に設定される)。尚、第1音量スイッチの設定が段階3であった場合には、そのまま段階3が維持される。
【0268】
一方S5101で、第2音量スイッチによる音量の設定操作がなかったと判定した場合(S5101でNO)、次いで、第2音量スイッチの設定の記憶があるかどうかを判定する(S5103)。S5103で、第2音量スイッチの設定の記憶がないと判定した場合(S5103)、S5102に移行して、第2音量スイッチの機械的な設定位置を検知して、現在の第2音量スイッチに設定されている段階を記憶する(S5102)。第2音量スイッチの調節操作をしていないにもかかわらず、第2音量スイッチの設定の記憶がないと判定される場合として、例えば、電源投入時が挙げられる。また、エラーでデータが破壊又は消失したような場合も該当しうる。このような場合は、現在の第2音量スイッチの設定状況を判定し、当該設定されている段階を記憶する。尚、他の態様で、第2音量スイッチの設定の記憶がないと判定した場合、予め定めた初期値を記憶したもよい(例えば、中間値である段階2を初期値とする)。
【0269】
S5103で、第2音量スイッチの設定の記憶があると判定した場合(S5103でYES)、次いで、第1音量スイッチの設定の記憶があるかどうかを判定する(S5104)。S5104で、第1音量スイッチの設定の記憶がないと判定した場合(S5104でNO)、S5102に移行して、第1音量スイッチを段階3に設定して記憶し(S5102)、S5105に移行する。前述と同様に、電源投入時やエラー発生時に該当しうる。一方、S5104で、第1音量スイッチの設定の記憶があると判定した場合(S5104でYES)、S5105に移行する。
【0270】
S5105では、第1音量スイッチ(第1演出ボタン63u、v)の操作があったかどうかを判定し(S5105)、操作がなかったと判定した場合(S5105でNO)、処理を終える。一方、S5105で、第1音量スイッチの操作があったと判定した場合(S5105でYES)、次いで、表示画面7に設定音量表示部201を表示中かどうかを判定する。S5106で、設定音量表示部を表示していないと判定した場合(S5106でNO)、第1音量スイッチの操作に基づいて音量の設定を変更することなく、表示画面に設定音量表示部を表示して(S5112)、処理を終える。表示画面上に表示された設定音量表示部を見た遊技者は、現在の設定が5段階の音量設定のうち何れの段階であるかを認識し、音量の変更又は維持を決定し、操作を行う。
【0271】
S5106で、設定音量表示部は既に表示画面に表示されていると判定した場合(S5106でYES)、次いで、当該第1音量スイッチの操作が、音量域内における操作かどうかを判定する(S5107)。ここで、音量域内における操作とは、第1音量スイッチの現在の設定が段階2~4の場合、音量を上げる方向の操作も下げる方向の操作も何れも音量域内における操作に該当する。一方で、現在の設定が段階1(下限値)の場合、音量を上げる方向の操作は音量域内操作であるが、音量を下げる方向の操作はそれ以上下がらない(変更できない)ため、音量域内の操作ではない。また、現在の設定が段階5(上限値)の場合も同様に、音量を下げる方向の操作は音量域内操作であるが、音量を上げる方向の操作はそれ以上上がらない(変更できない)ため、音量域内の操作ではない。
【0272】
S5107で、第1音量スイッチの操作が、音量域内における操作であると判定した場合(S5107でYES)、当該操作によって設定された第1音量スイッチの段階を記憶し(S5108)、設定音量表示部を変更後の段階を示す表示態様に変更し(S5109)、S5110の処理に移行する。S5110では、新たに設定した段階が音量域内の上限又は下限の何れかであるかを判定し(S5110)、上限でも下限でもないと判定した場合(S5110でNO)、処理を終える。一方、S5110で、新たに設定した段階が音量域内の上限又は下限の何れかであると判定した場合(S5110でYES)、上限又は下限のうちの対応する報知を行い(S5111)、処理を終える。尚、上限であると判定した場合には上限であることの報知(「最大音量です!」の表示や、スピーカから最大音量である旨の音声を出力)を行い、下限である場合には下限であることの報知(「最小音量です!」の表示や、スピーカから最大音量である旨の音声を出力)を行う。
【0273】
S5107で、第1音量スイッチの操作が音量域内の操作でないと判定した場合(S5107)、音量の設定(段階)を変更することなく、S5111に移行して、上限又は下限のうちの対応する報知を行い(S5111)、処理を終える。すなわち、第1音量スイッチの設定が上限である段階5に設定されている状況で、更に音量を増加させる方向の音量域外に操作を行った場合には、当該操作に対応して、上限値に操作されたときと同様の表示制御(報知制御)を行う。より具体的には、段階4から段階5に設定を変更したときと、段階5が設定された状況で音量域外に操作したとき(第1音量スイッチ63vを押圧操作したとき)とで、何れも表示画面に「最大音量です!」の表示を実行するといった同様の制御を行う。
【0274】
同様に、第1音量スイッチの設定が下限である段階1に設定されている状況で、更に音量を減少させる方向の音量域外に操作を行った場合には、当該操作に対応して、下限値に操作されたときと同様の表示制御(報知制御)を行う。より具体的には、段階2から段階1に設定を変更したときと、段階1が設定された状況で音量域外に操作したとき(第1音量スイッチ63uを押圧操作したとき)とで、何れも表示画面に「最小音量です!」の表示を実行するといった同様の制御を行う。
【0275】
これにより、遊技者に、当該操作が音量域外への操作であり、既に音量は最大値又は最小値であるため、音量はこれ以上変更されないことを明確に伝えることが可能となる。また、最大値又は最小値に設定されたときと、音量域外への操作されたときとで、制御態様が同じであるので、別途のプログラムが必要なく(共通化でき)、効率的である。
【0276】
図51に、実際に第2音量スイッチが所定の段階(例えば、段階2)に設定された状況で、第1音量スイッチが操作された場面を示している。
図51(a)は、演出図柄が変動表示している場面である。
図51(b)は、
図51(a)と同じ変動表示中の所定時間経過後で、第1音量スイッチ63u又は63vが操作されたことで、表示画面に設定音量表示部201が表示された場面を示している。尚、現在の第1音量スイッチの設定は、段階3であることを認識できる。
【0277】
図51(c)は、
図51(b)と同じ変動表示中の所定時間経過後で、設定音量表示部201が表示された状況で第1音量スイッチ63vが操作されたことに対応して、音量が段階4に変更され、当該変更に対応して設定音量表示部201の表示態様が更新された場面を示している。
図51(d)は、
図51(c)と同じ変動表示中の所定時間経過後で、設定音量表示部201が表示された状況で第1音量スイッチ63vが更に操作されたことに対応して、音量が段階5に変更され、当該変更に対応して設定音量表示部201の表示態様が更新された場面を示している。またあわせて、設定が段階5、すなわち、上限段階に設定されたため、設定音量表示部201の上部の限界音量報知部202に上限報知202a(「最大音量です!」)が表示された場面を示している。尚、この上限報知202aと共に、スピーカから上限であることを示す音声を出力してもよい。
【0278】
図51(e)は、
図51(d)と同じ変動表示中の所定時間経過後で、設定音量表示部201が表示された状況(段階5)で、音量域外の方向である第1音量スイッチ63vが更に操作された場面を示している。音量域外への操作に対応して、現在の設定である段階5を示す設定音量表示部201と共に、
図51(d)と同様の表示制御が実行されて、限界音量報知部202に上限報知202aが表示される。尚、設定音量表示部201は表示されてから第1時間(例えば、3秒間)が経過するまでの間に第1音量スイッチの操作がなければ表示を終了する。また、限界音量報知部202の上限報知202a又は下限報知202bは、第1時間より短い第2時間(例えば、1秒間)が経過するまでの間に新たな音量域外の操作がなければ表示を終了する。
図51(f)は、
図51(e)と同じ変動表示中の所定時間経過後で、設定音量表示部201及び限界音量報知部202の表示が終了した場面を示している。
【0279】
他の態様として、複数段階(複数段)ある音量設定値のうち、予め定められた特定の音量設定値(特定音量設定、特定の情報)に設定すると(音量設定値を記憶する記憶手段が特定の音量設定値を記憶していると)、他の音量設定が設定されている(記憶されている)場合には実行されない特別演出(特別の遊技演出)を実行するものとしてもよい。例えば、特定音量設定を、
図50で示す中間値である音量設定値2-3(音量レベル5)することができる。また、特定音量設定を複数設けてもよい。複数設けた場合、夫々実行態様(表示態様)が異なる特別演出を実行可能としてもよい。また、特別演出は、表示画面に表示される表示上の演出であってもよいし、スピーカから出力される音声演出であってもよい。また、リーチ中に出現するキャラクタや背景を他と異なる特別の色としてもよいし、他の音量設定のときは表示されない特別なキャラクタを表示してもよい。
【0280】
また、特定音量設定を、所定の入力操作により設定可能(予め登録可能)としてもよい。例えば、遊技店が自店の事情に応じてお勧めの音量(音量設定値)を設定し、遊技者が第1音量スイッチを操作する等して、該当する音量(音量設定値)に設定した場合に、所定タイミングで、又は、抽選で、「お勧めの音量設定です!」等の特別演出を表示するようにしてもよい。
【0281】
また、第1音量スイッチの入力態様について、音量の段階を異なる段階に設定する有効な入力操作(「今回の入力」という)がなされた場合、当該今回の入力と、次の入力との間隔が所定時間(例えば、0.1秒)より短い場合、次の入力は有効な入力とせず、音量域内の操作であったとしても、当該操作に戻づく音量の設定の変更はしない。すなわち、無効な入力とする。有効な入力から所定時間以上経過した後に検知された入力は、有効な入力として対応する音量設定制御がなされる。
【0282】
また、前述した実施例では、第1音量スイッチによって設定する音量の段階が変更された場合には、設定音量表示部の表示態様を変更する態様を説明した。このような態様に替えて又は加えて、設定する音量の段階が変更された場合には、当該変更後の音量に対応する基準音(調節音)をスピーカ(調節音出力手段)から出力するものとしてもよい。この基準音の出力制御はサブ制御部(調節音出力手段)が行うものとする。これにより、遊技者は、どの程度の大きさの遊技音が出力されるかを確認しながら、第1音量スイッチの操作を行うことが可能となる。
【0283】
[省エネモード設定処理]
次に、
図52を用いて、本実施例のパチンコ遊技機が備える省エネモード設定処理(S4306)について説明する。「省エネモード」とは、省エネルギーモードの略で、パチンコ遊技機の電力消費状態を、通常消費状態(通常電力モード、第1電力状態)から省電力状態(低電力モード、第2電力状態)に設定するモードをいう。パチンコ遊技機には多種多様な電力を消費する駆動物(LED、液晶、可動物、ランプ、表示装置、発射装置、制御部等)が設けられている。省エネモードが設定されるとこれら駆動物のうち、予め定めた対象駆動物を消費電力が通常より小さい省エネモードに設定する。非対象駆動物については、省エネモードの対象外とする。本実施例では、非遊技状態が所定時間経過した場合に、省エネモードを設定し、非遊技状態における電力コストを低減することを目的としている。これにより、遊技状況に応じて消費電力量を小さくすることで、コストを低減すると共に遊技興趣の低下を防止することが可能となる。
【0284】
省エネモード設定処理(S4306)ではまず、カウント禁止フラグががONかどうかを判定する(S5201)。S5201でカウント禁止フラグがONであると判定した場合(S5201でYES)、その後、省エネモードに設定する処理を行うことなく、処理を終える。尚、本実施例では、カウント禁止フラグは、ONに設定されると、パチンコ遊技機の電源をOFFして、再度電源をONする(再起動する)まで、ONのまま維持され、再起動しない限り省エネモードが設定されることはない。すなわち、カウント禁止フラグは、省エネカウンタのカウントを禁止(停止)し、省エネモードの実行を禁止(阻止)するためのフラグである。「省エネカウンタ(カウント手段)」は、省エネモードの開始タイミングを計るカウンタで、非遊技時間が連続して所定時間経過したか(カウンタ値が特別値になったか)どうかを計測するカウンタである。
【0285】
S5201で、カウント禁止フラグがONでない、すなわちOFFであると判定した場合(S5201でNO)、次いで、現在遊技中かどうかを判定する(S5202)。S5202で、現在遊技中であると判定した場合(S5202でYES)、現在のモードが省エネモードかどうかを判定し(S5113)、省エネモードでないと判定した場合(S5113でNO)、処理を終える。一方、S5113で、現在のモードが省エネモードである、すなわち、省エネモードに設定されている状況で遊技者が遊技を開始したと判定した場合(S5113でYES)、省エネモードを終了して通常電力モードに切り替えて(S5114)、処理を終える。このとき、省エネカウンタのカウント値をリセットするものとする。
【0286】
S5202で、遊技中でないと判定した場合(S5202でNO)、次いで、省エネカウンタで非遊技期間の計測(カウント)を開始しているかどうかを判定する(S5203)。S5203で、省エネカウンタでのカウントを未だ開始していないと判定した場合(S5203でNO)、次いで、現在のモードが省エネモードかどうかを判定する(S5204)。S5204で、省エネモードに設定されていると判定した場合(S5204でYES)、処理を終える。省エネモードに設定されている場合、省エネカウンタでのカウントは行われない。
【0287】
S5204で、現在のモードは省エネモードでない、すなわち、通常電力モードであると判定した場合、すなわち、非遊技状態になったタイミングである場合(S5204でNO)、省エネカウンタでのカウントを開始して非遊技状態の期間を計測し(S5205)、S5206の処理に移行する。一方、S5203で、既に省エネカウンタでのカウントを開始していると判定した場合(S5203でYES)、S5206の処理に移行する。ここで、本実施例の省電力モードは、非遊技状態が検知されてから10分が経過すると設定されるものとしている。尚、非遊技状態は、図柄の変動表示(特別図柄、普通図柄、演出図柄)が終了し、当り遊技も実行されていない状態になると、成立したと判定され、省エネカウンタでのカウント(計測)を開始する。非遊技状態の成立条件は、前述した音量設定の初期化の際の条件、デモ演出実行の際の条件と同様である。
【0288】
S5206では、エラーが発生したかどうかを判定する(S5206)。ここでの処理は、省エネカウンタのカウント中にエラーが発生した場合にカウントを停止するかどうかを判断するための処理である。S5206で、エラーは発生していないと判定した場合(S5206でNO)、次いで、省エネカウンタのカウント値が特定値(特別値)に達したかどうか、すなわち、非遊技状態が予め定めた期間(10分)継続したかどうかを判定する(S5207)。S5207で、カウント値が特定値に達していない、すなわち、非遊技状態は未だ予め定めた期間継続していないと判定した場合(S5207でNO)、処理を終える。
【0289】
S5207で、カウント値が特定値に達した、すなわち、非遊技状態が予め定めた期間継続したと判定した場合(S5208)、省エネカウンタのカウントを終了し(S5208)、対象駆動物を省エネモードに設定し(S5209)、処理を終える。またこのとき、省エネカウンタのカウント値をリセットするものとする。ここで、省エネモードの対象駆動物について説明する。原則として、省エネモードの非対象駆動物(第1発光手段)は、主制御部(払出制御部を含む)が直接制御する駆動物の全てと、サブ制御部が制御する駆動物の一部である。例えば、メイン制御部が直接制御する特別図柄表示装置41、普通図柄表示装置42、主表示機40に表示される表示部(当り表示器、ラウンド表示器、発射方向表示器等)や、サブ制御部が制御する演出表示器102等が該当する(第1発光手段)。これらは遊技の進行や、遊技者に遊技の結果を正確に報知するうえで重要であるため、省エネモード中であっても、通常電力モードと同様の態様で制御する。
【0290】
また、省エネモードの対象駆動物(第2発光手段)は、遊技の結果に影響を与えない駆動物とされ、具体的には、サブ制御部が直接的に制御する液晶表示装置や、装飾LEDや、可動物等である(第2発光手段)。具体的に、省エネモードに設定されると、LEDや液晶の輝度を低下させたり、通常電力モードでは点灯しているLEDの一部又は全部を消灯したり、点灯時間(駆動時間)を短くしたり、デモ演出で駆動している液晶や可動物等の駆動態様を省電力化したり、省エネモード中は駆動しないようにしてもよい。これにより、非遊技中の消費電力を低下させることができる。
【0291】
S5206で、遊技機に何らかのエラーが発生したと判定した場合(S5206でYES)、次いで、当該エラーが予め定めたエラー(メイン制御エラー)かどうかを判定する(S2210)。S2210で、予め定めたエラー(メイン制御エラー)ではないと判定した場合(S5210でNO)、省エネカウンタのカウントを継続してS5207の処理に移行する。一方、S5210で、発生したエラーが予め定めたエラー(メイン制御エラー)であると判定した場合(S5210でYES)、省エネカウンタのカウントを特定値に達する前に途中終了(停止)し(S5211)、カウント禁止フラグをONにし(S5212)、処理を終える。またこのとき、省エネカウンタのカウント値をリセットするものとする。これにより、省エネカウンタのカウント値が特定値となることはなく、省エネモードに設定されない。また、このカウント禁止フラグは、パチンコ遊技機を再起動することでOFFにされる。尚、S5211で、メイン制御エラーを検知した場合(特別条件が成立した場合)、省エネカウンタのカウントを途中終了(停止)するとしたが、これはカウンタ値をリセット(初期化、0にする)するものとしてもよい。
【0292】
また、省エネカウンタのカウントを停止する原因とFなる予め定めたエラーは、メイン制御エラーとされ、メイン制御部(払出制御部を含む)自体(メイン制御プログラム、払出制御プログラム等)に生じたエラー、及び、メイン制御部が直接制御する駆動部(可変入球口、特図表示装置、普図表示装置、主表示器)に生じたエラーである。このような、正常な遊技の進行を妨げうる(遊技の結果に関係しうる)重要な箇所にエラーが生じた場合は、省電力モードには設定せず、エラー状態からの復旧処理を行うべく省エネモードの対象駆動物も用いてエラー報知処理を行う。
【0293】
一方で、予め定めたエラー(メイン制御エラー)以外のエラーとは、サブ制御部自体に生じたエラー、及び、サブ制御部が直接的に制御する駆動部(液晶表示装置、盤装飾LED、枠装飾LED等)に生じたエラーである。すなわち、サブ制御部及び関連する駆動部にエラーが発生した場合、視認性の低下等、遊技興趣の点では影響はあるかもしれないが、遊技の結果には関係しない。そのため、これらにエラーが生じた場合でも、省エネカウンタのカウントは停止せず、予め定めた期間、非遊技状態が継続すると、エラー発生状態であっても省エネモードに設定する。
【0294】
前述した実施例では、音設定データの初期化時期を非遊技状態を検知してから第1特定時間とし、省電力モードの設定時期を非遊技状態を検知してから第1特定時間よりも長い第2特定時間とした。このような態様に替えて、音設定データの初期化時期と省電力モードの設定時期とを、何れも非遊技状態を検知してから同時間経過したとき(例えば、何れも5分)としてもよい。これにより、制御負担が軽減される。
【0295】
以上、本発明の実施形態として実施例および他の態様を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
【0296】
[他の態様]
また、前述した実施例等では、大当り遊技のラウンド数として「2R」と「15R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、ラウンド数の種類を3種類以上としてもよく、あるいは1種類だけとしてもよい。さらに、第1大入賞口30および第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンも前述の実施例に限定されるものではなく、例えば、1ラウンドあたりの開放時間や開放回数等は、種々の態様を採ることが可能である。
【0297】
また、前述した実施例等では、Vラウンドにおける第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放時間の長短によって、V通過可能性が高くなる(容易となる)場合と、低くなる(実質的に不可能となる)場合とを設定していた。すなわち、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に長い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が容易となって、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がほぼ確実に特定領域39を通過するものとし、一方、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に短い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が困難(実質的に不可能)となり、これにより遊技球が特定領域39を通過しないものとしていた。これに代えて、特定領域を開閉する可動片を設け、Vラウンドでの第2大入賞口35への入球数(入球数計数手段による計数値)に基づいて可動片を動作させることとし、その動作態様によってV通過可能性が異なるようにしてもよい。
【0298】
例えば、Vラウンドでの第2大入賞口35への第1所定数(例えば1個目)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が低くなる(実質的に不可能となる)態様とし、第2所定数(例えば2個目~規定数の何れか)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が高くなる態様とする。そして、Vラウンドにて可動片がV通過可能性の低い態様でしか動作しない大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球に基づいてのみ可動片が動作する大当りを「V非通過予定大当り」とし、V通過可能性の低い態様で動作する場合とV通過可能性の高い態様で動作する場合とがある大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球と第2所定数の入球とに基づいて可動片が動作する大当りを「V通過予定大当り」とすればよい。このような構成によっても、前述した実施例等と同様に、特定領域への遊技球の通過有無に基づき確率変動機能の作動有無(高確率状態の発生有無)を決定することが可能となる。
【0299】
また、前述した実施例等では、大当り遊技中(特別遊技中)のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。
【0300】
また、前述した実施例では、確変作動口としての特定領域39を有するパチンコ(所謂「V確機」)に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)に基づいて高確率状態を付与するか否かを決定するタイプの遊技機(所謂「図柄確変機」)においても、本発明は適用可能である。あるいは、確率変動機能を備えていないタイプの遊技機にも本発明は適用可能である。また、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
【0301】
また、前述した実施例では、第2特図保留(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留(第1特別図柄の変動表示)に優先して消化する制御処理(いわゆる特
図2優先変動)を採用していたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理(いわゆる特
図1優先変動)としてもよい。あるいは、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留および第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(いわゆる入球順(記憶順)変動)の制御処理としてもよい。また、前述の実施例における特
図2優先変動に代えて、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化と第2特図保留の消化)とを並行して実行する制御処理(いわゆる特
図1,2同時変動)を採用してもよい。
【0302】
[その他]
また前述した遊技機の参考発明として、以下のようにしてもよい。
(参考発明1)
従来の遊技機において、始動口への入球に基づいて、所定の大当り確率で当否判定を行うと共に図柄を変動表示し、当否判定の結果が大当りになると図柄を大当り図柄で停止表示し、大入賞口を開放する大当り遊技を実行するものがあった。また、図柄の変動表示に伴って遊技演出(リーチ演出やキャラクタ演出等)を実行し、当該遊技演出の実行態様によって当否判定の結果が大当りとなる可能性、すなわち、図柄が大当り図柄で停止表示する可能性を示していた(例えば、特開平10-57583)。
【0303】
また、液晶表示装置やLED表示装置や可動部材等を有し、これらを所定の態様で駆動させることで、遊技者を遊技機に引き付けたり、遊技興趣を高めたりすることが行われていた。
【0304】
前述したような遊技機では、遊技者の遊技意欲を高める一方で、電力消費量が大きく、コストが高いといった問題があった。
【0305】
本参考発明1は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を高める遊技演出を実行すると共に、遊技者に明確に遊技情報の提供をしつつ、状況に応じてコストの低減を図ることが可能な遊技機を提供するものである。
【0306】
前述の課題を解決するための参考発明1-1の遊技機は、
識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
識別情報の変動表示の結果が特定結果(大当り)となると特別遊技を実行する遊技機であって、
遊技に関する情報を表示する第1発光手段と、
遊技に関する情報を表示する第2発光手段と、
前記第1発光手段の表示制御、及び、前記特別遊技を実行するか否かの判定制御を含む主制御を実行する主制御手段と、
前記第2発光手段の表示制御を含む副制御を実行する副制御手段と、
時間を計測するカウント手段(計測手段、計時手段)と、
前記カウント手段で計測した計測値が特別値になると、所定の発光手段の発光状態を第1電力状態(高電力状態、通常電力状態)から前記第1電力状態よりも電力消費量が小さい第2電力状態(低電力状態)に設定する電力状態設定手段と、を備え、
前記電力状態設定手段は、前記第2発光手段を前記第2電力状態に設定する対象とし、前記第1発光手段を前記第2電力状態に設定する非対象とし、
前記カウント手段が前記特別値に向けて計測中において、特別条件が成立すると前記カウント手段が計測した計測値を(初期値に)リセットするものとされ、
前記特別条件は、前記主制御に異常が発生した場合は成立し、前記副制御に異常が発生した場合は成立しない
ことを特徴とするものである。
【0307】
このような遊技機によれば、第1発光手段の発光制御及び特別遊技に係る判定制御を含む主制御を実行する主制御手段と、第2発光手段の発光制御を含む副制御を実行する副制御手段とを備える。また、カウント手段で計測した計測値が特別値になると、電力消費量の小さい第2電力状態に設定するものであって、第2発光手段を第2電力状態に設定する対象とし、第1発光手段をその非対象としている。そして、第2電力状態に設定すべくカウント手段が計測中において、計測値が特別値になる前に主制御に異常が発生した場合は計測値をリセットし、計測値が特別値になる前に副制御に異常が発生した場合は計測値をリセットしないものとする。これにより、所定時間経過後は対象となる発光手段を第2電力状態とすることで、コストを適切に低減すると共に特定の発光手段を対象外とすることで遊技者に確実に情報を伝えることを可能とする。またこれにより、遊技に重大な主制御に異常が発生した場合は計測値をリセットして第2電力状態への移行をさせず、主制御と比較すると重大でない副制御に異常が発生した場合は計測値をリセットすることなく第2電力状態への移行を可能とし、状況に応じて適切にコストの低減を可能とした。
【0308】
本参考発明1の遊技機によれば、遊技興趣の高い遊技演出を実行すると共に、遊技者に明確に遊技情報を提供をし且つ状況に応じて適切にコストの低減を可能とした遊技機の提供を図ることが可能となる。
【0309】
また、遊技演出を実行する遊技演出制御手段(遊技演出実行手段)を備え、遊技演出制御手段は副制御手段に含まれる。遊技演出としては、例えば、遊技盤や遊技枠に設けられる装飾用のLEDやランプを所定態様で表示させる演出や、遊技盤や遊技枠に設けられた可動物を用いた演出や、液晶表示部(演出図柄表示部)上で実行される表示演出や、演出ボタンを用いて液晶表示部上の表示態様や可動物やLED(の表示態様)を変化させる(表示を進行させる)演出が挙げられる。
【0310】
主制御として、第1発光手段の表示制御の他に、特別図柄当否判定制御や普通図柄当否判定制御等を含む。また、副制御として、第2発光手段の表示制御の他に、可動物(遊技盤に設けられた盤側可動物、遊技機枠に設けられた枠側か動物)の動作制御や演出ボタンの演出ボタン制御等を含む。また、主制御を、主制御部(主制御基板、払出制御基板)のCPUが主として制御する制御の一部又は全部としてもよい。また、副制御を、サブ制御部(演出制御部、図柄制御部)のCPUが主として制御する制御の一部又は全部としてもよい。
【0311】
カウント手段(計時手段)のカウント値が特別値となった場合(計時手段が特定時間を計時した)に、所定の発光手段を、電力状態を第1電力状態から第2電力状態(低電力状態)に設定する。この第2電力状態に設定する対象の発光手段を、副制御手段(サブ制御部)が制御する発光手段(LED、液晶)としたが、副制御手段(サブ制御部)が制御する全ての発光手段としてもよいし、副制御手段(サブ制御部)が制御する一部の発光手段としてもよい。また、副制御手段(サブ制御部)が制御する発光手段に限らず、副制御手段(サブ制御部)が制御する可動物等、他の駆動物(モータ、ソレノイド、LED、液晶等の遊技部材)を含めてもよい(「低電力対象駆動部」ともいう)。また、副制御手段(サブ制御部)が制御するもの(遊技部材)であっても、所定の入力(動作、遊技球)を検知する検知センサは、第2電力状態に設定する対象外としてもよい(「低電力対象外駆動部」ともいう)。
【0312】
また、主制御部が制御する低電力対象外駆動部として、具体的には、特別図柄表示部(第1特別図柄表示器、第2特別図柄表示器)、普通図柄表示部(普通図柄表示器)、特別図柄保留表示部(第1特図保留表示器、第2特図保留表示器)、普通図柄保留表示部(普図保留表示器)、当り表示器、ラウンド表示器、遊技状態表示器、発射方向表示器が挙げられる。これらは、どのような状況にあっても、遊技者に明確に遊技情報を表示する必要があるため、低電力状態には設定しない。
【0313】
また、カウント手段(計時手段)は、電源投入時又は遊技終了と判断した時から特別値のカウント(特定時間の計時)を開始するものとする。「遊技終了と判断した時」とは、例えば、発射が検知されないとき(又は、このときから所定時間経過後)としてもよいし、図柄の変動表示が終了したとき(又は、このときから所定時間経過後)としてもよいし、発射球が検知されない状態が所定時間経過したときとしてもよいし、これらの条件又はこれ以外の条件の2以上を組合せて設定してもよい。
【0314】
また、異常(エラー)が発生したことにより、カウント手段のカウント値がリセット(「0」、初期値に設定)された場合、異常が解除(エラー解除)されることを条件に、カウント手段が再度初期値からカウントを開始するものとする。
【0315】
[参考発明2]
従来の遊技機において、始動口への入球に基づいて、所定の大当り確率で当否判定を行うと共に図柄を変動表示し、当否判定の結果が大当りになると図柄を大当り図柄で停止表示し、大入賞口を開放する大当り遊技を実行するものがあった。また、図柄の変動表示に伴って遊技演出(リーチ演出やキャラクタ演出等)を実行し、当該遊技演出の実行態様によって当否判定の結果が大当りとなる可能性、すなわち、図柄が大当り図柄で停止表示する可能性を示していた(例えば、特開平10-57583)。
【0316】
また、液晶表示装置やLED表示装置や可動部材等を有し、これらを所定の態様で駆動させることで、遊技者を遊技機に引き付けたり、遊技興趣を高めたりすることが行われていた。
【0317】
前述したような遊技機では、遊技演出の実行と共に遊技音を出力し、遊技興趣をより高めるべく、適切な遊技音の出力制御を行う必要がある。
【0318】
本参考発明2は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を高める遊技演出と共に遊技音を出力する遊技機において、適切な遊技音の出力制御をすることが可能な遊技機を提供するものである。
【0319】
前述の課題を解決するための参考発明2-1の遊技機は、
識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果(大当り)となると特別遊技を実行する遊技機であって、
複数の遊技演出から所定の遊技演出を選択して実行可能な遊技演出実行手段と、
遊技音を出力可能な遊技音出力手段と、
遊技者による入力を検知可能な入力検知手段と、
前記入力検知手段への入力によって、予め定めた音量域において、前記遊技音の大きさを複数段に調節可能な遊技音調節手段と、
前記入力検知手段への入力によって調節された前記遊技音の大きさに関する情報を記憶する遊技音情報記憶手段と、
調節された遊技音の大きさに対応する調節音を出力する調節音出力手段と、
を備え、
前記遊技演出実行手段は、前記遊技音情報記憶手段に記憶された情報に対応する大きさの前記遊技音で前記遊技演出を実行し、
前記識別情報の変動表示中も前記遊技音の大きさを調節可能であると共に、前記入力検知手段への今回の入力から次の入力までの期間が所定期間より短い場合は、当該次の入力に対応して遊技音の大きさの調節がなされないものとされ、
調節された遊技音の大きさが前記予め定めた音量域の最大値又は最小値に調節されている合において、前記入力検知手段に対して、当該音量域の外域に調節する入力がなされると、当該調節されている最大値又は最小値に対応した制御処理(報知処理)を実行し、
前記遊技音情報記憶手段に特定の情報が記憶されているときに限り、前記複数の遊技演出から特別の遊技演出を選択して実行可能である
ことを特徴とするものである。
【0320】
このような遊技機によれば、入力検知手段への遊技者の入力によって、遊技音を予め定めた音量域で調節可能とし、当該調節した遊技音の大きさに対応する調節音を出力可能とすると共に、当該遊技音の大きさに関する情報を記憶可能とする。また、遊技音の調節のための今回の入力から次回の入力までの期間が所定期間よりも短い場合には、次の入力に対応する調節は行われない。また、遊技音の大きさが音量域の最大値又は最小値にあるときに、その外域に調節する方向の入力がなされた場合には、当該最大値又は当該最小値に対応する制御処理を実行する。そして、遊技音情報記憶手段に特定の情報が記憶されているときに限り、特別の遊技演出を実行可能としている。これにより、遊技音の調節制御を適切に行うと共に、遊技興趣を高める遊技音を出力可能とする。
【0321】
本発明の遊技機によれば、遊技興趣を高める遊技音を遊技演出と共に出力する遊技機において、適切な遊技音の出力制御をし、遊技興趣を高める遊技機の提供を図ることが可能となる。
【0322】
また、遊技演出として、入力検知手段への入力に基づいて演出を進行可能な入力演出を複数有し、
遊技演出実行手段は、遊技音記憶手段に記憶した情報に対応する大きさの遊技音で、選択した入力演出を実行し、
遊技音記憶手段に特定の情報が記憶されているときに限り、複数の遊技演出から特別の遊技演出を選択して実行可能であるものとしてもよい。
【0323】
また、入力検知手段は、複数の入力検知手段(例えば、第1の入力検知手段、第2の入力検知手段、第3の入力検知手段等、又は、複数の操作部でもよい)で構成されるものとしてもよい。また、遊技音の大きさを調節する入力検知手段と、入力演出において演出進行に用いる入力検知手段とは、同じ入力検知手段であってもよいし(例えば、何れも第1の入力検知手段)、異なる入力検知手段であってもよい(例えば、一方は第1の入力検知手段、他方は第2の入力検知手段)。
【0324】
遊技演出は、少なくとも、識別情報(演出図柄、特別図柄、普通図柄)の変動表示に伴って(並行して)実行可能である。具体的に、表示画面で実行される画像演出や、スピーカーから出力される遊技音や、所定タイミングで動作する可動部演出や、LEDの発光演出等(これらの1又は複数の組合せも含む)が遊技演出に該当する。また、遊技音の大きさを変更する操作として、操作ボタン(入力検知手段)を連打操作(連続して入力操作)したような場合において、今回の入力が有効な入力である(今回の入力操作に応じて遊技音の大きさ等が変化される)場合において、当該今回の入力から次の入力までの時間が所定時間以上の場合に次の入力を有効な入力として制御処理(当該次の入力操作に応じて遊技音の大きさ等が変化される)する。また、今回の入力から次の入力までの時間が所定時間未満の場合には、当該次の入力を有効な入力として制御処理しない(すなわち、無効な入力とし、当該入力に基づいて、演出の進行や遊技音の大きさ等の制御処理を行わない)。
【0325】
また、遊技音情報記憶手段に特定の情報が記憶されているときに限り、複数の遊技演出から特別の遊技演出を選択して実行可能とし、更に、特定の情報が記憶されている旨の報知(特定情報記憶報知)を行う特定情報報知手段を備えてもよい。例えば、遊技音の大きさを、段階1~段階5までの5段階(複数段)に設定可能とされ、遊技者が、予め定めた段階(例えば段階4、「特別段階」ともいう)に設定した場合に、当該特別な遊技演出を実行可能とすることができる。特別な遊技演出として、例えば、演出図柄の変動表示に伴って他の段階の設定中には実行されない遊技演出(画像演出、リーチ中のキャラクタの色、形状等の表示態様が異なる)を実行したり、当該特別段階に設定されたときに「お勧めの大きさですよ!」等の画像表示や音声出力を実行したりする。これにより、ホールバランスに配慮した遊技音の大きさの設定を遊技者にお勧めすることが可能となる。また、この特別段階を何れの段階にするかを、遊技店の事情に応じて遊技店側が選択・設定できるようにしてもよい(遊技機裏面側等に設定スイッチを設けてもよい)。また、電源投入時等の抽選により設定できるようにしてもよい。
【0326】
また、表示画面において、段階1が選択されたときだけ「最小値です!」の表示を行ったり、段階5が設定されたときだけ「最大値です!」の表示をおこなってもよい。また、調節された遊技音の大きさが予め定めた音量域の最大値に調節されている合に、入力検知手段に対して、当該音量域の外域(更に大きくする方向)に調節する入力がなされると、当該調節されている最大値に対応した制御処理(報知処理)を実行するようにしてもよい。これは例えば、音量域の最大値(段階5)に設定されたときに表示される「最大値です!」の表示を、更に音量域の外域に調節する入力が行われた場合も、当該入力に対応して「最大値です!」の表示を行うことを意味する。
【0327】
また、このような表示(「最大値です!」)に替えて、又は加えて、遊技音の大きさが予め定めた音量域の最大値に調節された場合(段階5が選択された場合)に出力される段階5用の調節音と同じ大きさの調節音を、更に音量域の外域に調節する入力が行われた場合にも同様に出力してもよい。また、調節された遊技音の大きさが予め定めた音量域の最小値に調節されている合の制御処理(報知処理)も同様にすることができる。
【0328】
[参考発明3]
従来の遊技機において、始動口への入球に基づいて、所定の大当り確率で当否判定を行うと共に図柄を変動表示し、当否判定の結果が大当りになると図柄を大当り図柄で停止表示し、大入賞口を開放する大当り遊技を実行するものがあった。また、図柄の変動表示に伴って遊技演出(リーチ演出やキャラクタ演出等)を実行し、当該遊技演出の実行態様によって当否判定の結果が大当りとなる可能性、すなわち、図柄が大当り図柄で停止表示する可能性を示していた(例えば、特開平10-57583)。
【0329】
また、液晶表示装置やLED表示装置や可動部材等を有し、これらを所定の態様で駆動させることで、遊技者を遊技機に引き付けたり、遊技興趣を高めたりすることが行われていた。
【0330】
前述したような遊技機では、遊技演出の実行と共に遊技音を出力し、遊技興趣をより高めるべく、適切な遊技音の出力制御を行う必要がある。
【0331】
本参考発明3は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣を高める遊技演出と共に遊技音を出力する遊技機において、適切な遊技音の出力制御をすることが可能な遊技機を提供するものである。
【0332】
前述の課題を解決するための参考発明3-1の遊技機は、
識別情報を変動表示する識別情報表示手段と、
前記識別情報の変動表示の結果が特定結果(大当り)となると特別遊技を実行する遊技機であって、
遊技音を出力可能な遊技音出力手段(第1遊技装置、スピーカ)と、
前記遊技音の大きさを、所定の調節操作によって複数段に調節可能な遊技音調節手段と、
複数の遊技演出から選択された所定の遊技演出(表示演出)を実行可能な遊技演出実行手段(第2遊技装置、表示装置)と、
前記遊技音出力手段から出力される遊技音を制御する遊技音制御手段(第1演出制御手段)と、
前記遊技演出実行手段が実行する遊技演出を制御する遊技演出制御手段(第2演出制御手段、表示制御手段)と、
通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な第1遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利であって前記第1遊技状態と有利度合いが異なる第2遊技状態と、を設定可能な遊技状態設定手段と、を備え、
前記遊技音制御手段は前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで前記遊技音出力手段から出力される遊技音を同じ態様で制御する(共通の遊技音を出力する)と共に、遊技演出制御手段は前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで前記遊技演出実行手段で実行される遊技演出を異なる態様で制御し、
前記遊技音調節手段は、前記識別情報の変動表示が実行されていないことを少なくとも条件の一つとして、前記遊技音の大きさの設定を初期化する(非遊技状態が、例えば5分間継続すると、遊技音の大きさを段階3に自動設定)ことを可能とするものであって、
前記遊技音調節手段として、遊技音の大きさを調節可能であって遊技者が調節操作可能な第1遊技音調節手段と(表側)、遊技音の大きさを調節可能であって遊技者が調節操作不能な第2遊技音調節手段と(裏側)、を有し、
前記遊技音制御手段は、遊技音の大きさを第1遊技音調節手段又は(及び)前記第2遊技音調節手段の調節に基づいて制御し、
前記第2遊技音調節手段を調節操作して遊技音の大きさが変更されると、当該変更された大きさに設定され、当該設定後に前記第1遊技音調節手段が調節操作されると、前記第2遊技音調節手段の調節操作で設定された大きさを初期値として、当該初期値から遊技音の大きさを変更することが可能となり、
前記第1遊技音調節手段及び前記第2遊技音調節手段のいずれか一方の調節操作により遊技音の大きさが変更されると、何れか他方で設定されている大きさにかかわらず、当該変更された遊技音の大きさが前記遊技音出力手段から出力される大きさとして設定される
ことを特徴とするものである。
【0333】
このような遊技機によれば、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも有利な第1遊技状態と第2遊技状態と、を有し、第1遊技状態と第2遊技状態とで同じ態様の遊技音(例えば、同じ楽曲)を出力する一方で、異なる態様の遊技演出を実行する。また、遊技音を複数段に調節可能とし、識別情報の変動表示が実行されていないことを条件として、遊技音の大きさの設定を初期化可能としている。また、遊技音の大きさを調節する手段として、遊技者が操作可能な第1遊技音調節手段と、遊技者が操作不能な第2遊技音調節手段と、を有し、これら遊技音調節手段の調節に基づいて遊技音の大きさを制御するものとし、第2遊技音調節手段での設定を初期値として、遊技者は第1遊技音調節手段を用いて遊技音の大きさを変更可能とする。また、第1遊技音調節手段及び第2遊技音調節手段のいずれか一方の調節操作により遊技音の大きさが変更されると、何れか他方で設定されていた大きさであっても、当該一方の調節操作により変更した遊技音の大きさで出力される。
【0334】
これにより、有利度合いの異なる第1遊技状態と第2遊技状態において、同じ態様の遊技音を出力することで、両遊技状態における遊技興趣を高めると共に、遊技演出を異ならせることで、より有利な遊技状態を認識可能とした。またこのような遊技機において、複数の遊技音調節手段を用いて適切に遊技音の大きさを設定することを可能にした。
【0335】
本参考発明3の遊技機によれば、遊技興趣を高める遊技音を遊技演出と共に出力する遊技機において、適切な遊技音の出力制御をし、遊技興趣を高める遊技機の提供を図ることが可能となる。
【0336】
遊技音は、遊技演出の実行に伴って出力可能である。また、遊技音は、遊技中又は非遊技中に遊技機から出力される遊技に関する音(演出音、各種設定音、エラー音、待機中音等)をいう。遊技音の出力と、遊技演出の実行とは、並行して実行可能である。また、遊技演出は、識別情報(演出図柄、特別図柄、普通図柄)の変動表示に伴って実行可能である。遊技演出の実行と、識別情報の変動表示は、並行して実行可能である。遊技演出実行手段は、複数の遊技演出から所定の遊技演出を選択して実行可能なものとしてもよい。また、所定の遊技演出(表示演出)を実行可能な遊技演出実行手段(第2遊技装置)として、識別図柄の変動表示に伴って、所定の演出態様で演出を進行する演出図柄表示部、LED表示部、可動装飾部等があげられる。また、複数の遊技演出を記憶する遊技演出記憶手段を備えるものとしてもよい。
【0337】
また、遊技音調節手段は、遊技音の大きさ(音量)を複数段(複数段階)の何れかの段階(大きさ)に調節可能な手段である。第1遊技音調節手段は、遊技者が遊技中(遊技を行おうとする状態を含む)に遊技音の大きさを変更可能な位置に設けられている。具体的には、遊技機の前面側に設けられた1又は複数の入力検知スイッチを採用することができる。また、第2遊技音調節手段は、遊技者が遊技中(遊技を行おうとする状態を含む)に遊技音の大きさを変更不能な位置に設けられている。具体的には、遊技機の裏面側に設けられた1又は複数の入力検知スイッチを採用することができる。遊技店の島設備に設置されて、閉じた状態の遊技機では、遊技機前面側から触れることができない位置に設けられている。これは、島設備に設置された遊技機を、遊技機裏面側に接触可能に開放した状態(開放状態)で、遊技店員等が調節操作することを想定したスイッチである。
【0338】
また、第1遊技音調節手段(表側)で遊技音の大きさ(音量)を変更する調節操作(設定操作)が行われた後も、第2遊技音調節手段(裏側)での調節操作で遊技音の大きさ(設定の段階)が変更されると、当該第2遊技音調節手段で変更された遊技音の大きさが遊技音出力手段から出力可能な遊技音の大きさとして設定され、当該設定後の第1遊技音調節手段の調節操作では、第2遊技音調節手段で設定された遊技音の大きさが初期値として反映されて、当該初期値から遊技音の大きさの変更が可能となる。
【0339】
また、「遊技音調節手段は、識別情報の変動表示が実行されていないことを少なくとも条件の一つとして、遊技音の設定を初期化する」とは、例えば、遊技機が遊技されない非遊技状態(最後の特別図柄の変動表示の終了を契機としてもよい)が特定時間(例えば、5分間)継続すると、現在の遊技音の大きさの設定(設定段階)にかかわらず、遊技音の大きさの設定が段階3に自動設定される制御をいう。具体的には、遊技者の好みで最大音量(段階5)の遊技音で遊技を行った後、遊技を終了して非遊技状態が特定時間経過したと判定された場合、遊技音の大きさの設定が大きさの中間値である段階3に自動的に設定される。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、7 画像表示装置、7a 表示画面、7b、演出図柄表示領域、7c 背景表示領域、8 演出図柄、9a 第1演出保留、9b 第2演出保留、9c 第1演出保留表示領域(第1演出保留表示部)、9d 第2演出保留表示領域(第2演出保留表示部)、20 第1始動口、21 第2始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、80 主制御基板(主制御部、遊技制御手段)、81 遊技制御用マイコン(主制御部、遊技制御手段)、90 サブ制御基板(サブ制御部、演出制御手段)、91 演出制御用マイコン(サブ制御部、演出制御手段)、100 画像制御基板(画像制御部、演出制御手段)、101 画像制御用マイコン(画像制御部、演出制御手段)。