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特開2024-171888医用画像共有システム、医用画像共有方法、医用画像共有プログラム、及び、その通信機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171888
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】医用画像共有システム、医用画像共有方法、医用画像共有プログラム、及び、その通信機器
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A61B5/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089165
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】512153267
【氏名又は名称】株式会社ハート・オーガナイゼーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】金内 哲也
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XB09
4C117XB11
4C117XE44
4C117XE45
4C117XF23
4C117XG05
4C117XG16
4C117XG39
4C117XH16
4C117XJ01
4C117XK13
4C117XL05
4C117XL08
4C117XL09
4C117XL12
4C117XL13
4C117XL22
4C117XL23
4C117XQ07
4C117XQ19
4C117XR07
4C117XR08
(57)【要約】
【課題】 より簡便な操作により医用画像の伝送を行い通話相手と同じ医用画像を見ながら通話することにより、通話相手に対話、相談、確認などを行うことができる医用画像共有プログラム等を提供する。
【解決手段】 本発明に係る医用画像共システムは、2台以上の通信機器と、取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器に送信する情報処理装置と、を備え、通信機器は、医用画像情報を受信する画像受信部と、記入情報を受け付ける記入受付部と、記入情報を他の通信機器へ送信する記入送信部と、記入情報を受信する記入受信部と、ユーザ情報として取得するユーザ情報取得部と、ユーザ情報をユーザに割り当てられた態様によってそれぞれ強調して表示部に表示する強調表示部と、記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部に表示する表示制御部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器と、前記通信機器の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得し、かつ、取得した前記医用画像に関する医用画像情報を前記通信機器に送信する情報処理装置と、を備える医用画像共有システムであって、
前記通信機器は、
前記情報処理装置によって送信された前記医用画像に関する医用画像情報を受信する画像受信部と、
前記医用画像が表示される当該通信機器の表示部へのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける記入受付部と、
前記記入情報を他の前記通信機器へ送信する記入送信部と、
前記記入情報を他の前記通信機器から受信する記入受信部と、
ユーザに関する情報をユーザ情報として取得するユーザ情報取得部と、
ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、前記ユーザ情報をユーザに割り当てられた前記態様によってそれぞれ強調して前記表示部に表示する強調表示部と、
前記記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた前記強調表示と同種の態様によって前記表示部に表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする医用画像共有システム。
【請求項2】
前記通信機器は、
当該通信機器を使用するユーザに割り当てる前記強調表示の態様を設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記態様が、既に他の前記ユーザに割り当てられた態様と同じであるか否かを前記ユーザ情報に基づいて判定する判定部と、
を備え、
前記設定部は、設定した前記態様が他の前記ユーザに既に設定された態様と同じであると前記判定部によって判定された場合に、前記態様と異なる態様を設定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像共有システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記記入情報を前記表示部に所定時間表示した後に、前記表示部への表示を止めることを特徴とする請求項1に記載の医用画像共有システム。
【請求項4】
前記通信機器は、
前記記入情報を当該記入情報が記入された前記医用画像との合成画像として記録する記録制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の医用画像共有システム。
【請求項5】
前記記録制御部は、
前記記入情報を当該記入情報の表示に用いられた前記強調表示の態様とともに記録することを特徴とする請求項4に記載の医用画像共有システム。
【請求項6】
前記医用画像は動画であって、
前記情報処理装置は、
前記医用画像に含まれる所定の部位と、当該部位の前記医用画像における位置及び範囲との関係を予め学習した領域推定モデルに、前記情報処理装置により取得された前記医用画像情報を入力して、前記医用画像情報に含まれる前記部位の位置及び範囲を推定する領域推定部と、
前記領域推定部によって推定された前記範囲を静止画として切り出す静止画切り出し部と、
を備え、
前記情報処理装置は、前記静止画切り出し部によって切り出された前記静止画を前記医用画像情報として、前記通信機器に送信することを特徴とする請求項1に記載の医用画像共有システム。
【請求項7】
前記記録制御部は、
他の前記通信機器の間で行われたチャットに関するチャット情報を記録することを特徴とする請求項4に記載の医用画像共有システム。
【請求項8】
前記ユーザ情報は、前記ユーザのプロフィール写真が含まれることを特徴とする請求項1に記載の医用画像共有システム。
【請求項9】
請求項1乃至8に記載の医用画像共有システムに用いられる通信機器。
【請求項10】
ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器と、前記通信機器の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得し、かつ、取得した前記医用画像に関する医用画像情報を前記通信機器に送信する情報処理装置と、を備える医用画像共有システムに用いられる医用画像共有方法であって、
前記通信機器に、
前記情報処理装置によって送信された前記医用画像に関する医用画像情報を受信する画像受信ステップと、
前記医用画像が表示される当該通信機器の表示部へのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける記入受付ステップと、
前記記入情報を他の前記通信機器へ送信する記入送信ステップと、
前記記入情報を他の前記通信機器から受信する記入受信ステップと、
ユーザに関する情報をユーザ情報として取得するユーザ情報取得ステップと、
ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、前記ユーザ情報をユーザに割り当てられた前記態様によってそれぞれ強調して前記表示部に表示する強調表示ステップと、
前記記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた前記強調表示と同種の態様によって前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を実行させることを特徴とする医用画像共有方法。
【請求項11】
ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器と、前記通信機器の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得し、かつ、取得した前記医用画像に関する医用画像情報を前記通信機器に送信する情報処理装置と、を備える医用画像共有システムに用いられる医用画像共有プログラムであって、
前記通信機器に、
前記情報処理装置によって送信された前記医用画像に関する医用画像情報を受信する画像受信機能と、
前記医用画像が表示される当該通信機器の表示部へのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける記入受付機能と、
前記記入情報を他の前記通信機器へ送信する記入送信機能と、
前記記入情報を他の前記通信機器から受信する記入受信機能と、
ユーザに関する情報をユーザ情報として取得するユーザ情報取得機能と、
ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、前記ユーザ情報をユーザに割り当てられた前記態様によってそれぞれ強調して前記表示部に表示する強調表示機能と、
前記記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた前記強調表示と同種の態様によって前記表示部に表示する表示制御機能と、
を実現させることを特徴とする医用画像共有プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像共有システム、医用画像共有方法、医用画像共有プログラム、及び、その通信機器に関し、特に遠隔の医療従事者に対する支援に適した医用画像共有システム、医用画像共有方法、医用画像共有プログラム、及び、その通信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
医療の現場にレントゲン撮影が登場して以来、画像を用いた診察・診断の進歩発展が遂げられてきた。近年では、デジタル画像を液晶モニタに映し出して行われるモニタ診断が普及してきている。モニタ診断の普及の理由の一つとして標準規格「DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)」の登場が挙げられる。「DICOM」は、米国放射線学会(ACR)と北米電子機器工業会(NEMA)が開発した医用画像と通信の標準規格である。
【0003】
「DICOM」は、病院の内外を問わず、様々なメーカー、様々な種類のデジタル画像機器をネットワーク、若しくは、画像保存媒体を介して相互に接続し、医用画像データの伝送、及び、患者の画像検査情報の送受信を実現することを目的としている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
デジタル画像機器の例としては、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)、及び、CR(computed radiography)などが挙げられる。
【0005】
従来からの医師不足の問題に加えて、急速な少子高齢化に伴い医師の需要が高まっていることも相まって、医師不足の問題の深刻さが高まっている。このような問題を克服するための一例として、医療の現場に従事する臨床医と、遠隔地に居る専門医とが、「DICOM」に則って医療の現場で撮影された医用画像などを共有することで、臨床医は専門医から支援等を受けながら連携して医療を行うようになってきている。
【0006】
「DICOM」に則って医用画像を伝送する場合、専用機器の操作が必要な場合があり、また専門知識を持つ技師によって行う必要がある場合があった。このため、「DICOM」に則って医用画像を伝送する場合はある程度の時間(例えば15分程度)の時間が必要であり、緊急の処置が必要な患者への対応には「DICOM」に則って行う医用画像の伝送では間に合わない虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2013-94504号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、より簡便な操作により医用画像の伝送を行い、通話相手と同じ医用画像を見ながら通話することにより、通話相手に対話、相談、確認などを行うことができる医用画像共有プログラム、医用画像共有方法、及び、その通信機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、第1の態様に係る医用画像共有システムは、ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器と、通信機器の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得し、かつ、取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器に送信する情報処理装置と、を備える医用画像共有システムであって、通信機器は、情報処理装置によって送信された医用画像に関する医用画像情報を受信する画像受信部と、医用画像が表示される当該通信機器の表示部へのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける記入受付部と、記入情報を他の通信機器へ送信する記入送信部と、記入情報を他の通信機器から受信する記入受信部と、ユーザに関する情報をユーザ情報として取得するユーザ情報取得部と、ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、ユーザ情報をユーザに割り当てられた態様によってそれぞれ強調して表示部に表示する強調表示部と、記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部に表示する表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係る医用画像共有システムにおいて、通信機器は、当該通信機器を使用するユーザに割り当てる強調表示の態様を設定する設定部と、設定部により設定された態様が、既に他のユーザに割り当てられた態様と同じであるか否かをユーザ情報に基づいて判定する判定部と、を備え、設定部は、設定した態様が他のユーザに既に設定された態様と同じであると判定部によって判定された場合に、態様と異なる態様を設定することとしてもよい。
【0011】
第3の態様は、第1の態様に係る医用画像共有システムにおいて、表示制御部は、記入情報を表示部に所定時間表示した後に、表示部への表示を止めることとしてもよい。
【0012】
第4の態様は、第1の態様に係る医用画像共有システムにおいて、通信機器は、記入情報を当該記入情報が記入された医用画像との合成画像として記録する記録制御部を備えることとしてもよい。
【0013】
第5の態様は、第4の態様に係る医用画像共有システムにおいて、記録制御部は、記入情報を当該記入情報の表示に用いられた強調表示の態様とともに記録することとしてもよい。
【0014】
第6の態様は、第1の態様に係る医用画像共有システムにおいて、医用画像は動画であって、情報処理装置は、医用画像に含まれる所定の部位と、当該部位の医用画像における位置及び範囲との関係を予め学習した領域推定モデルに、情報処理装置により取得された医用画像情報を入力して、医用画像情報に含まれる部位の位置及び範囲を推定する領域推定部と、領域推定部によって推定された範囲を静止画として切り出す静止画切り出し部と、を備え、情報処理装置は、静止画切り出し部によって切り出された静止画を医用画像情報として、通信機器に送信することとしてもよい。
【0015】
第7の態様は、第4の態様に係る医用画像共有システムにおいて、記録制御部は、他の通信機器の間で行われたチャットに関するチャット情報を記録することとしてもよい。
【0016】
第8の態様は、第1の態様に係る医用画像共有システムにおいて、ユーザ情報は、ユーザのプロフィール写真が含まれることとしてもよい。
【0017】
第9の態様に係る通信機器は、第1乃至第8の態様に係る医用画像共有システムに用いられることとしてもよい。
【0018】
第10の態様に係る医用画像共有方法は、ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器と、通信機器の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得し、かつ、取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器に送信する情報処理装置と、を備える医用画像共有システムに用いられる医用画像共有方法であって、通信機器に、情報処理装置によって送信された医用画像に関する医用画像情報を受信する画像受信ステップと、医用画像が表示される当該通信機器の表示部へのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける記入受付ステップと、記入情報を他の通信機器へ送信する記入送信ステップと、記入情報を他の通信機器から受信する記入受信ステップと、ユーザに関する情報をユーザ情報として取得するユーザ情報取得ステップと、ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、ユーザ情報をユーザに割り当てられた態様によってそれぞれ強調して表示部に表示する強調表示ステップと、記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部に表示する表示制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0019】
第11の態様に係る医用画像共有プログラムは、ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器と、通信機器の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得し、かつ、取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器に送信する情報処理装置と、を備える医用画像共有システムに用いられる医用画像共有プログラムであって、通信機器に、情報処理装置によって送信された医用画像に関する医用画像情報を受信する画像受信機能と、医用画像が表示される当該通信機器の表示部へのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける記入受付機能と、記入情報を他の通信機器へ送信する記入送信機能と、記入情報を他の通信機器から受信する記入受信機能と、ユーザに関する情報をユーザ情報として取得するユーザ情報取得機能と、ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、ユーザ情報をユーザに割り当てられた態様によってそれぞれ強調して表示部に表示する強調表示機能と、記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部に表示する表示制御機能と、を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る医用画像共システムは、ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器と、通信機器の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得し、かつ、取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器に送信する情報処理装置と、を備える医用画像共有システムであって、通信機器は、情報処理装置によって送信された医用画像に関する医用画像情報を受信する画像受信部と、医用画像が表示される当該通信機器の表示部へのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける記入受付部と、記入情報を他の通信機器へ送信する記入送信部と、記入情報を他の通信機器から受信する記入受信部と、ユーザに関する情報をユーザ情報として取得するユーザ情報取得部と、ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、ユーザ情報をユーザに割り当てられた態様によってそれぞれ強調して表示部に表示する強調表示部と、記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部に表示する表示制御部と、を備えることを特徴とするので、より簡便な操作により医用画像の伝送を行い、通話相手と同じ医用画像を見ながら通話することにより、通話相手に対話、相談、確認などを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムの構成の一例について説明するための図である。
図2】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムの使用の概要について説明するための図である。
図3】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムの使用の一例について説明するための図である。
図4】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムの使用の一例について説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する情報処理装置の構成の一例について説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する情報処理装置の機能的構成の一例について説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する情報処理装置の領域推定部及び静止画切り出し部について説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する情報処理装置の領域推定部及び静止画切り出し部について説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する通信機器の構成の一例を示すブロック図である。
図10】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する通信機器の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図11】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する通信機器の通話中の表示部の表示画面の一例について説明するための図である。
図12】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する通信機器のチャット機能について説明するための図である。
図13】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する通信機器の接続前の表示部の表示画面の一例について説明するための図である。
図14】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムを構成する通信機器の呼び出し中の表示部の表示画面の一例について説明するための図である。
図15】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムに用いられる医用画像共有プログラムであって、医用画像共有システムを構成する情報処理装置によって実行される医用画像共有プログラムのフローチャートである。
図16】本発明の一実施形態に係る医用画像共有システムに用いられる医用画像共有プログラムであって、医用画像共有システムを構成する通信機器によって実行される医用画像共有プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80の構成の一例について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80の構成の一例について説明するための図である。
【0023】
医用画像共有システム80は、ユーザ間の通話が可能な少なくとも2台以上の通信機器100(100a、100b)と、通信機器100(100a、100b)の間で共有される医用画像を他の機器から取得し、かつ、取得した医用画像を通信機器100(100a、100b)に送信する情報処理装置90と、を備える。
【0024】
通信機器100は、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータ(以下、PC)、及びノートPCに代表される携帯情報通信端末の一種である。通信機器100は、これら携帯情報通信端末の市場に流通している汎用機に後述の医用画像共有プログラムを導入することで、医用画像共有システム80を構成する通信機器100としての後述の機能部を実装して後述の機能を実現する。なお、通信機器100は、携帯情報通信端末の汎用機に当該医用画像共有プログラムを導入して実現されるものに限らず、医用画像共有システム80を構成するために特化した専用品であってもよい。
【0025】
情報処理装置90は、デスクトップPC、ノートPC、ミニPC、サーバーなどと呼ばれるコンピュータのことである。情報処理装置90は、他の機器、例えば、病院で使われている電子カルテシステム18、及びレセコン(レセプトコンピューター、医事コンピュータ)(不図示)などのコンピュータ、並びにデジタル画像機器(例えば、CT、MRI、CRなど。不図示)から医用画像を取得して、通信機器100(100a、100b)に向けて取得した医用画像を送信する。
【0026】
情報処理装置90は、無線若しくは有線の通信、又は画像保存媒体を介して他の機器から医用画像を取得する。例えば、情報処理装置90は、図1に示す様に、他の機器である小規模病院16で使われている電子カルテシステム18がモニタ17に送信し映し出す医用画像に関する医用画像情報を(矢印84)、電子カルテシステム18からモニタ17に送信される映像信号から分配して取得する(矢印85)。
【0027】
情報処理装置90は、電子カルテシステム18から取得した医用画像に関する医用画像情報を(矢印85)、インターネットを含むネットワーク12を経由して、小規模病院16内で使われている通信機器100aと、遠隔地の病院15で使われている通信機器100bに送信することで、電子カルテシステム18から取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器100aと通信機器100bとの間で共有させることができる(図1の矢印86及び矢印89)。
【0028】
小規模病院16内において、情報処理装置90は通信機器100aに対してリアルタイムに、即ち、電子カルテシステム18によってモニタ17に映し出される医用画像(矢印84)を同時進行で通信機器100aに映し出す(矢印86)。通信機器100aでは、ユーザとして登録されている遠隔地の病院15において使われている通信機器100bを選択操作することで、通信機器100bへ発信する(矢印87)。
【0029】
通信機器100bにおいて、発信(矢印87)の着信に応答後に、通信機器100aとの間で音声通話が可能となり(矢印88)、更に、インターネットを含むネットワーク12を経由して、リアルタイムに医用画像を通信機器100aとの間で共有する(矢印89)。即ち、通信機器100bでは、通信機器100aに映し出されている医用画像と同じ医用画像を同時進行で表示する。従って、通信機器100aのユーザと通信機器100bのユーザとは、同じ医用画像を見ながら、音声通話を行うことができる。
【0030】
なお、ユーザは、医用画像共有システム80のユーザであり、通信機器100(100a、100b)を使用する。医用画像共有システム80のユーザは通信機器100に予め登録されており、後述する登録者一覧101の中から発信先として特定のユーザを選択操作することで、当該ユーザが使用する通信機器100(100a、100b)へ発信する。なお、図1では説明の便宜上、2台の通信機器100(100a、100b)を示しているが、医用画像共有システム80を構成する通信機器100は2台に限定されるものではなく、3台以上の通信機器100であってもよい。この場合、通信機器100のユーザは3人以上となる。
【0031】
次に図2を参照して、本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80の使用の概要について説明する。図2は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80の使用の概要について説明するための図である。
【0032】
通信機器100は、通信機器100相互間の音声通話と情報処理装置90が送信する医用画像に係る医用画像情報の受信とが可能となるように、少なくとも2台以上でもって使用される。図2に示す様に、ある病院の医師10とこの病院と遠隔にある病院の医師11とのそれぞれが通信機器100を使用して、共通の医用画像を同時に閲覧するとともに、相互に音声通話及びチャットをすることが可能となる。即ち、医師10と医師11は、他の機器から取得した医用画像を情報処理装置90を用いることでネットワーク12上に設置されたサーバーを経由することなく、ネットワーク12を介して相手に伝送して当該医用画像を共有することが可能となり、さらには通信機器100を利用して医師10と医師11との間で音声通話及びチャットをすることができる。なお、2台の通信機器100との間での使用に限定されるものではなく、3台以上の通信機器100との間で医用画像を共有し、音声通話及びチャットをすることが可能である。
また、通信機器100は、医師のみならず看護師、臨床工学技士などの医療関係従事者が用いることができる。
【0033】
次に図3図4を参照して、一実施形態に係る医用画像共有システム80の使用の一例について説明する。図3図4は、本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80の使用の一例について説明するための図である。
【0034】
図3に示す様に、カテーテル室、操作室13などにおいて、患者に対する検査、治療、処置などの際中のモニタ14に表示される医用画像を、情報処理装置90を用いて、遠隔地の病院15にある通信機器100bに伝送して、病院15に居る医師と当該医用画像を共有するとともに通話して、検査、治療、処置などに関する助言を受けるなどの援助を受けることが想定される。情報処理装置90は、検査、治療、処置などに用いられるデジタル画像機器から当該医用画像に関する医用画像情報を取得し、通信機器100a、及び当該医用画像情報を遠隔地の病院15にある通信機器100bに向けて送信する。また、病院15に設置された情報処理装置90は、医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得して、通信機器100a及び通信機器100bへ伝送して、当該医用画像を通信機器100bと通信機器100aとの間で共有することも可能である。なお、デジタル画像機器の例としては、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)、及び、CR(computed radiography)などが挙げられる。
【0035】
図4に示す様に、小規模病院16において電子カルテを表示するモニタ17に表示された医用画像を、情報処理装置90を用いて、通信機器100a及び遠隔地の病院15にある通信機器100bに伝送して、病院15に居る医師と当該医用画像を共有するとともに音声通話して、当該電子カルテに対する見解などの助言を受けるなどの援助を受けることが想定される。情報処理装置90は、電子カルテシステム18(図1参照)から医用画像に関する医用画像情報を取得し、当該医用画像情報を通信機器100a及び病院15にある通信機器100bに向けて送信する。また、病院15にある情報処理装置90によって取得された医用画像に関する医用画像情報を、通信機器100a及び通信機器100bへ伝送して、当該医用画像を通信機器100bと通信機器100aとの間で共有することも可能である。
【0036】
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する情報処理装置90の構成の一例について説明する。図5は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する情報処理装置90の構成の一例を示すブロック図である。
【0037】
情報処理装置90は、通信インターフェース90d、ROM(Read Only Memory)90e、RAM(Random Access Memory)90f、記録部90g、CPU(Central Processing Unit)90h、表示部90c、及び入出力インターフェース90k等を備えている。
【0038】
通信インターフェース90dは、情報処理装置90が取得したデータについて、ネットワーク12を介して、通信機器100へ送信を行う機能を備える。情報処理装置90が取得したデータは、医用画像に関する医用画像情報である。
【0039】
記録部90gは、記録装置として利用でき、後述の医用画像共有プログラム、情報処理装置90が動作する上で必要となるファームウエア、各種アプリケーション及び当該アプリケーションによって利用される各種データなどが記録される。ファームウエアは、情報処理装置90に内蔵されるソフトウエアの一種であり、情報処理装置90の基本的な機能の制御を司る。
【0040】
情報処理装置90は、後述する医用画像共有プログラムをROM90e若しくは記録部90gに保存し、RAM90fなどで構成されるメインメモリに当該医用画像共有プログラムを取り込む。CPU90hは、当該医療情報共有プログラムを取り込んだメインメモリにアクセスして、当該医用画像共有プログラムを実行する。
【0041】
表示部90cは、情報処理装置90に接続又は内蔵されたモニタのことであり、情報処理装置90のデータなどを表示する。
入出力インターフェース90kは、情報処理装置90の外部装置に対してデータなどの送受信を行う。外部装置とは、情報処理装置90に対してデータなどの入出力を行う入力装置90l及び出力装置90mのことである。入力装置900lはキーボード及びマウスなどのことであり、出力装置90mは外部モニタ、プリンタ及び外部スピーカなどのことである。
【0042】
次に図6を参照して、本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する情報処理装置90の機能的構成について説明する。図6は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する情報処理装置90におけるCPU90hの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
情報処理装置90は、後述する医用画像共有プログラムを実行することで、CPU90hに、画像取得部91、領域推定部92、静止画切り出し部93、画像送信部94などの機能部を備える。
【0044】
画像取得部91は、通信機器100の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得する。
医用画像は、静止画、動画の両方を含み、デジタル画像機器により撮像された医用画像を含む。また、医用画像は、電子カルテシステム18が表示する表示画面を含む。また、医用画像は、通信機器100に内蔵されたカメラなどの撮像機能によって撮像された静止画、動画を含む。また、医用画像は、他の通信機器100により送信された医用画像を含む。また、医用画像は、カテーテル室、操作室13などにおいて用いられる医用画像を含む、また、医用画像は、検査、治療、処置などに用いる医用画像を含む。
【0045】
他の機器は、例えば、病院で使われている電子カルテシステム18(図1参照)、及びレセコン(レセプトコンピューター、医事コンピュータ)などのコンピュータ、並びにデジタル画像機器(例えば、CT、MRI、CRなど)のことである。また、他の機器は、通信機器100であってもよい。この場合、情報処理装置90は、通信機器100に内蔵されたカメラで撮像された医用画像、若しくは通信機器100に記録されていた医用画像に関する医用画像情報を取得する。
【0046】
医用画像情報は、医用画像に関する、コンピュータによる処理可能な形式のデータのことである。
画像取得部91は、無線通信若しくは有線通信によって他の機器に接続されて医用画像情報を取得する。画像取得部91は、ネットワーク12を介して他の機器に接続されて医用画像情報を取得してもよい。また、画像取得部91は、他の通信機器100、電子カルテシステム18、又はデジタル画像機器などの他の機器と、無線通信若しくは有線機器と直接接続されて、医用画像情報を取得してもよい。また、画像取得部91は、他の機器の医用画像情報を、画像保存媒体に一旦保存して、当該画像保存媒体を介して医用画像情報を取得してもよい。画像保存媒体は、SSD(solid state drive)、HDD(hard disk drive)等の補助記録装置、若しくは、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体のことである。
【0047】
領域推定部92は、医用画像は動画であって、医用画像に含まれる所定の部位と、当該部位の医用画像における位置及び範囲との関係を予め学習した領域推定モデルに、情報処理装置90の画像取得部91により取得された医用画像情報を入力して、医用画像情報に含まれる当該部位の位置及び範囲を推定する。
静止画切り出し部93は、領域推定部92によって推定された範囲を静止画として切り出す。
情報処理装置90、即ち画像送信部94は、静止画切り出し部93によって切り出された静止画を医用画像情報として、通信機器100に送信する。
【0048】
図7図8を参照して、領域推定部92及び静止画切り出し部93について説明する。図7図8は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する情報処理装置90の領域推定部92及び静止画切り出し部93について説明するための図である。
領域推定モデルは、医用画像に含まれる所定の部位と、当該部位の医用画像における位置及び範囲との関係を予め学習した機械学習モデルであり、情報処理装置90の記録部90g若しくはRAM90fに予め記録される。
【0049】
所定の部位は、器官、及び器官の一部に生じる腫瘍、ポリープ、腫瘤、炎症発症部などの組織のことをいう。この他、所定の部位は、ユーザが着目する所定の部位、例えば、手術中に損傷し易い部位、所定の薬剤による反応が発生する部位などであってもよい。器官は、臓器、筋肉、靱帯、腱、血管、神経、尿管、骨などのことをいい、人体を構成する単位であり、一定の機能を司る組織の集合体である。
【0050】
領域推定モデルは、医用画像内の所定の部位にアノテーションを付与した教師データを用いて、当該医用画像内における所定の部位の位置及び範囲との関係を予め学習する。教師データとなる医用画像は静止画を用いるが、医用画像の動画を構成するフレームを教師データとして用いてもよい。
【0051】
領域推定部92は、医用画像が静止画であっても、当該部位の医用画像における位置及び範囲との関係を予め学習した領域推定モデルに、情報処理装置90の画像取得部91により取得された医用画像情報を入力して、医用画像情報に含まれる当該部位の位置及び範囲を推定する。
【0052】
図7に示す医用画像250は動画の1コマであり、内視鏡により撮像された大腸の内部映像である。領域推定部92は、大腸の内壁252にあるポリープ253を所定の部位として、医用画像250に含まれるポリープ253の位置及び範囲を推定する。図8は、領域推定部92により推定されたポリープ253の領域を静止画切り出し部93により切り出された静止画251である。
【0053】
画像送信部94は、取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器100に送信する。
画像送信部94は、画像取得部91が取得した医用画像情報を、無線通信若しくは有線通信でもってネットワーク12に接続して、当該ネットワーク12を介して通信機器100へ送信する。また、画像送信部94は、通信機器100に、無線通信若しくは有線通信でもって直接接続して医用画像情報を送信する。
【0054】
画像送信部94は、画像取得部91が取得した医用画像が動画である場合は、動画に係る医用画像情報を通信機器100に送信する。
また、画像送信部94は、画像取得部91が取得した医用画像に含まれる所定の部位の位置及び範囲を領域推定部92によって推定され、当該推定された範囲を静止画として静止画切り出し部93によって切り出された場合は、当該切り出された静止画に係る医用画像情報を通信機器100に送信する。
【0055】
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100の構成の一例について説明する。図9は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100の構成の一例を示すブロック図である。
【0056】
通信機器100は、通信インターフェース100d、ROM(Read Only Memory)100e、RAM(Random Access Memory)100f、記録部100g、CPU(Central Processing Unit)100h、表示部100c、マイク100i、スピーカ100j、及び、入出力インターフェース100k等を備えている。
【0057】
通信インターフェース100dは、ネットワーク12を介して、情報処理装置90によって送信された医用画像に関する医用画像情報を受信するとともに、通信機器100のデータについて、他の通信機器100との間の送受信を行う機能を備える。通信機器100のデータは、医用画像に関する医用画像情報、後述の記入情報、後述の通話相手となるユーザに関するユーザ情報、及び、後述のチャットに関するチャット情報である。また、通信機器100は、他の通信機器100との間における音声通話について、通信インターフェース100dを介して行うパケット通信の他に、携帯情報通信端末としての本来の機能であり、第1世代から第5世代の移動通信システムを利用する音声通話を行うことができる。
【0058】
記録部100gは、記録装置として利用でき、後述の医用画像共有プログラム、通信機器100が動作する上で必要となるファームウエア、各種アプリケーション及び当該アプリケーションによって利用される各種データなどが記録される。ファームウエアは、通信機器100に内蔵されるソフトウエアの一種であり、通信機器100の基本的な機能の制御を司り、第1世代から第5世代の移動通信システムを利用する音声通話、内蔵するマイク100i、及びスピーカ100jなどの制御を行う。
【0059】
通信機器100は、後述する医用画像共有プログラムをROM100e若しくは記録部100gに保存し、RAM100fなどで構成されるメインメモリに当該医用画像共有プログラムを取り込む。CPU100hは、当該医療情報共有プログラムを取り込んだメインメモリにアクセスして、当該医用画像共有プログラムを実行する。
【0060】
表示部100cは、通信機器100に内蔵のモニタのことであり、通信機器100のデータを表示する。また、表示部100cは、通信機器100に内蔵のモニタに限られるものではなく、通信機器100の周辺機器として独立して存在する外部モニタであってもよいし、他の機器のモニタを表示部100cとして利用してもよい。
【0061】
マイク100iは、通信機器100の通話時に話者の音声などを電気信号に変換して取得する機能を担う。スピーカ100jは、通信機器100の通話時に通話相手の音声などに関する電気信号を音に変換して出力する機能を担う。
【0062】
入出力インターフェース100kは、通信機器100の外部装置に対してデータなどの送受信を行う。外部装置とは、通信機器100に対してデータなどの入出力を行う入力装置100l及び出力装置100mのことである。入力装置100lはキーボード及びマウスなどのことであり、出力装置100mは外部モニタ、プリンタ及び外部スピーカなどのことである。
【0063】
次に図10を参照して、通信機器100の機能的構成について説明する。図10は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100におけるCPU100hの機能的構成の一例を示すブロック図である。
通信機器100は、後述する医用画像共有プログラムを実行することで、CPU100hに、画像受信部110、記入受付部130、記入送信部140、記入受信部150、ユーザ情報取得部160、設定部170、判定部180、強調表示部190、表示制御部200、記録制御部210などの機能部を備える。
【0064】
画像受信部110は、情報処理装置90によって送信された医用画像に関する医用画像情報を受信する。
医用画像は、静止画、動画の両方を含み、デジタル画像機器により撮像された医用画像を含む。また、医用画像は、電子カルテシステム18(図1参照)が表示する表示画面を含む。また、医用画像は、通信機器100に内蔵されたカメラなどの撮像機能によって撮像された静止画、動画を含む。また、医用画像は、他の通信機器100により送信された医用画像を含む。また、医用画像は、カテーテル室、操作室13などにおいて用いられる医用画像を含む。また、医用画像は、検査、治療、処置などに用いる医用画像を含む。
【0065】
記入受付部130は、医用画像が表示される当該通信機器100の表示部100cへのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける。
記入は、通信機器100のユーザによる手書きのメモなどのことである。
記入情報は、記入に関する、コンピュータによる処理可能な形式のデータのことである。通話者、及び通話相手は、通信機器100のユーザであり、本件において、通信機器100との関係でユーザと記載する場合がある。
【0066】
表示部100cは、液晶タッチパネルとなっている。液晶タッチパネルは、液晶モニタ、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)などのディスプレイの表面全体がセンサパネルに覆われ、当該センサパネルに触れることでコンピュータ等を操作する入力装置の一種である。液晶タッチパネルは、ペン若しくはユーザの指先など先端が鋭角となったものによって入力が行われる。通信機器100のユーザは、表示部100cに表示された医用画像の上に重畳して直接記入する感覚で入力することができる。
【0067】
記入送信部140は、記入情報を他の通信機器100へ送信する。
記入送信部140は、記入情報を、無線通信若しくは有線通信でもってネットワーク12に接続して、当該ネットワーク12を介して他の通信機器100へ送信する。また、記入送信部140は、他の通信機器100に、無線通信若しくは有線通信でもって直接接続して記入情報を送信する。
【0068】
記入受信部150は、記入情報を他の通信機器100から取得する。
記入受信部150は、記入情報を、無線通信若しくは有線通信でもってネットワーク12に接続して、当該ネットワーク12を介して他の通信機器100から取得する。また、記入受信部150は、他の通信機器100に、無線通信若しくは有線通信でもって直接接続して記入情報を取得する。
【0069】
ユーザ情報取得部160は、ユーザに関する情報をユーザ情報として取得する。
医用画像共有システム80は、予め登録された複数人のユーザによって使用される。ユーザは、医用画像共有システム80を構成する通信機器100をそれぞれ割り当てられる。ユーザは自分自身が使う通信機器100を操作して、登録されているユーザの中から通話相手となるユーザを選択して、通話相手となるユーザが使用する通信機器100に向けて発呼を行う。通話相手は複数人いてもよく、通話相手が複数人になる場合は、ユーザは通信機器100に予め登録されたユーザ一覧の中から複数の通話相手を選択して、通話相手が使う通信機器100のそれぞれに対して発呼を行う。
【0070】
他の通信機器100のユーザは、通信機器100のユーザの通話相手となり、一人に限るものではなく複数人でもよい。即ち、通信機器100のユーザは、複数人の通話相手に対して同じ医用画像を見ながら音声による通話を行うことができる。
【0071】
ユーザ情報は、ユーザのプロフィール写真、ユーザの氏名、所属先などの個人情報、及び連絡先などが含まれ、コンピュータによる処理可能な形式のデータのことである。ユーザ情報は、さらに、ユーザごとに割り当てられる後述の強調表示の態様に関する情報が含まれる。連絡先には、通信機器100から他の通信機器100に対して発呼を行うために必要な電話番号、URL(Uniform Resource Locator)、IP(Internet Protocol)アドレスなどが含まれる。
【0072】
ユーザ情報取得部160は、ユーザ情報を、無線通信若しくは有線通信でもってネットワーク12に接続して、当該ネットワーク12を介して他の通信機器100から取得する。また、ユーザ情報取得部160は、他の通信機器100に、無線通信若しくは有線通信でもって直接接続してユーザ情報を取得する。
ユーザ情報取得部160は、他の通信機器100からの着信が有った際に、他の通信機器100のユーザに関するユーザ情報、及び、当該他の通信機器100が保有している当該他の通信機器100のユーザとは異なる他のユーザに関するユーザ情報を取得する。
【0073】
また、ユーザ情報取得部160は、他の通信機器100からの着信時に限らず、他の通信機器100との間で医用画像の共有が行われているとき、又は他の通信機器100との間で音声通話が行われているときに、ユーザ情報を取得してもよい。さらには、ユーザ情報取得部160は、他の通信機器100との間に通信接続が成立していない場合でも、ユーザ情報を取得する目的で他の通信機器100との間に通信接続を成立させて、当該他の通信機器100からユーザ情報を取得してもよい。
【0074】
設定部170は、通信機器100のそれぞれの表示部100cにおいてユーザ情報のそれぞれを区別して表示するためにユーザごとに割り当てる強調表示の態様を設定する。
強調表示の態様は色の様相であり、ユーザごとに割り当てる色の様相を相違させる。
【0075】
通信機器100を用いて同時に通話可能な人数と同じ数の色の様相が予め用意される。色の選択方法の一例として、色相環(hue circle)において通話可能な人数で等分した色の様相が選択される。例えば、同時に通話可能な人数が6人であった場合、6色の様相が強調表示の態様として予め用意され、当該6色の様相は、色相環で用いられる色相角度が60°づつの等間隔の様相、赤(色相角度=0°)、黄(色相角度=60°)、緑(色相角度=120°)、シアン(色相角度=180°)、青(色相角度240°)、マゼンタ(色相角度=300°)が用意される。設定部170は、通信機器100のユーザの選択により、若しくは、ユーザの意思とは無関係に、6色の様相の中から1の様相を選択する。
【0076】
なお、強調表示の態様は、色の様相に限定されるものではなく、例えば、線種(線の種類と太さ)の種類であってもよい。例えば、線種は、太い実線、細い実線、太い破線、細い破線、点線、太い一点鎖線、細い一点鎖線、太い二点鎖線、細い二点鎖線などが用いられる。また、強調表示の態様は、表示部100cに表示される際の発光パターンの態様であってもい。例えば、点灯、点滅、高速の点滅、中速の点滅、所定のリズムによる点滅などによって、発光のパターンをユーザごとに割り当ててもい。
【0077】
判定部180は、設定部170により設定された態様が、既に他のユーザに割り当てられた態様と同じであるか否かをユーザ情報に基づいて判定する。
判定部180は、強調表示の態様が既に他のユーザに割り当てられているか否かの判定をタイムスタンプの日時に基づいて判定する。タイムスタンプは、通信機器100ごとに導入されているOS(operating system:オペレーティングシステム)によって付加される情報であり、設定部170が強調表示の態様を通信機器100のユーザに設定するたびに、強調表示の態様に関する情報に設定部170が設定した日時のタイムスタンプが付加される。判定部180は、ユーザ情報に含まれる強調表示の態様に関する情報に付加されたタイムスタンプの日時を参照し、当該タイムスタンプの日時が設定部170により設定された日時より早いか否かで判定する。判定部180は、ユーザ情報に含まれる強調表示の態様に関する情報に付加されたタイムスタンプの日時を参照し、当該タイムスタンプの日時が設定部170により設定された日時より早いか否かで判定し、早い場合に設定部170により設定された態様が他のユーザに既に設定された態様と同じであると判定する。
なお、判定部180は、他のユーザの通信機器100との間のP2P(Peer to Peer)通信環境下におけるコンセンサスアルゴリズム又はピアサンプリング手法を用いて、強調表示の態様が既に他のユーザに割り当てられているか否かの判定をしてもよい。
【0078】
設定部170は、設定した態様が他のユーザに既に設定された態様と同じであると判定部180によって判定された場合に、設定した態様と異なる態様を設定する。
設定部170は、判定部180によって設定した態様が他のユーザに既に設定された態様と同じであると判定されなくなるまで設定した態様と異なる態様を設定する。
【0079】
強調表示部190は、通信機器100のそれぞれの表示部100cにおいてユーザ情報のそれぞれを区別して表示するためにユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、ユーザ情報を各ユーザに割り当てられた態様によって強調して表示部100cに表示する。
【0080】
図11図12を参照して、強調表示部190が行うユーザ情報の強調表示について説明する。図11は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100の通話中の表示部100cの表示画面の一例について説明するための図であり、図12は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100のチャット機能について説明するための図である。図11図12ともに、(a)は通信機器100がタブレット型PCの場合の例を示し、(b)は通信機器100がスマートフォンの場合の例を示している。
【0081】
図11図12に示す様に、プロフィール写真105a、105bを囲む輪郭線は、設定部170により割り当てられた色(強調表示107a、107b)が付加される。図11図12中の強調表示107aは、便宜上、太い実線で表されているが、例えば、実際には赤色とする。図11図12中の強調表示107bは、便宜上、破線で表されているが、例えば、実際には青色とする。このように、二つのプロフィール写真105を異なる色による強調表示107によって加飾することで識別を容易にすることができる。
【0082】
表示制御部200は、記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部100cに表示する。
図11図12を参照して、表示制御部200が行う記入情報の強調表示について説明する。表示制御部200によって医用画像108の上に重畳表示されている記入(矢印の手書きメモ)109aは、Aaaa先生によって記入されたものであり、表示制御部200によって、Aaaa先生に割り当てられた太い実線(赤色)でもって強調表示される。表示制御部200によって医用画像108の上に重畳表示されている記入(丸印の手書きメモ)109bは、Bbbb先生によって記入されたものであり、表示制御部200によって、Bbbb先生に割り当てられた破線(青色)でもって強調表示される。このように記入情報は、記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部100cに表示されるので、表示部100cに表示された記入情報がユーザの誰によって記入されたかを一目瞭然に表示することができる。
【0083】
表示制御部200は、記入情報を表示部100cに所定時間表示した後に、表示部100cへの表示を止める。
表示制御部200は、予め設定した所定時間、例えば5秒間の記入情報の表示を表示部100cにおいて行った後に表示部100cへの表示を止める。表示制御部200は、記入情報を表示部100cに表示された記入情報をフェードアウトさせる。フェードアウトは、記入情報が徐々に薄れていったり、又は小さくなったりして消えていく視覚的効果のことである。所定時間は、ユーザによって予め設定することができ、ユーザ毎に異なる長さに設定することができる。
【0084】
表示制御部200は、表示部100cに表示された記入情報を所定時間表示した後に、表示部100cへ表示を止めることで、常に最新の表示情報を表示部100cに表示させることができ、多くの記入情報を表示部100cに記入しても表示部100cの表示画面が見難くなることがない。そして、表示制御部200は、記入情報を表示部100cから消す際にフェードアウトを用いることで、少し前の記入情報を思い出して新たな記入を行うことができる。
【0085】
記録制御部210は、記入情報を当該記入情報が記入された医用画像との合成画像として記録する。
記録制御部210は、記入109(109a、109b)と、当該記入109(109a、109b)が記入された医用画像108とを、重畳した状態の合成画像として、通信機器100のRAM100f又は記録部100gに記録する。
【0086】
さらに、記録制御部210は、記入情報を当該記入情報の表示に用いられた強調表示の態様とともに記録する。
記録制御部210は、記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示の態様と同様の態様によってRAM100f又は記録部100gに記録する。
【0087】
図11を参照して、通信機器100の通話中の表示部100cの表示画面について説明する。図11は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100の通話中の表示部100cの表示画面の一例について説明するための図である。図11の(a)は通信機器100がタブレット型PCの場合の例を示し、(b)は通信機器100がスマートフォンの場合の例を示している。
【0088】
通信機器100の表示部100cにおいて、上部に医用画像108が表示され、下部にユーザのプロフィール写真105の一覧が表示される。ユーザの内、Aaaa先生(105a)は通信機器100のユーザでありユーザ本人であり、Bbbb先生(105b)は通話相手である。ユーザのプロフィール写真105は、ユーザごとに割り当てられた強調表示107によって加飾されるのは前述の通りである。
【0089】
通話相手を増やしたい場合は、通話者追加ボタン20をタッチ操作する。通話者追加ボタン20をタッチ操作すると、図13に示す登録者一覧101が表示され、登録者一覧101の中から、通話者として追加したい人を選択してタッチ操作を行う。
なお、図13は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100の接続前の表示部100cの表示画面の一例について説明するための図である。
【0090】
表示部10cに表示される医用画像108の種別は、選択ボタン21によって変更することができる。選択ボタン21は、「Echo」ボタンと「ECG」ボタンとを備えており、エコー(Echo)検査で取得した画像と心電図(ECG:Electrocardiogram)の検査画像とを切り替えることができる。図11に示す例では、エコー検査で取得した画像が医用画像108として表示されている。選択ボタン21は、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)、及び、CR(computed radiography)などによって取得した医用画像に切り替えることも可能となる。選択ボタン21によって、CT画像が選択可能の場合は選択ボタン21の中に「CT」ボタンが表示され、MRI画像が選択可能の場合は選択ボタン21の中に「MRI」ボタンが表示され、CR画像が選択可能の場合は選択ボタン21の中に「CR」ボタンが表示される。
【0091】
通話を終了する場合は、通信機器100のユーザは終了ボタン104をタッチ操作する。通信機器100はヘッドフォン若しくはイヤホンが接続されていない状態ではスピーカ100jから通話中の音声を出力する。ユーザは、ヘッドフォン若しくはイヤホンを用いないで通信機器100を使用する場合に、スピーカ100jから出力される通話中の音声をミュート(消音)にしたい場合にミュートボタン106をタッチ操作する。
【0092】
図12を参照して、通信機器100のチャット時の表示部200cの表示画面について説明する。図12は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100のチャット機能について説明するための図である。
【0093】
通信機器100の表示部100cは、上部に医用画像108を表示し、下部にチャット画面22を表示する。チャット画面22の右側は、通信機器100のユーザであるユーザ本人であるAaaa先生のプロフィール写真105aとAaaa先生のメッセージ23aが表示される。チャット画面22の左側は、チャットの相手であるBbbb先生のプロフィール写真105bとBbbb先生のメッセージ23bが表示される。通信機器100のユーザは、チャットの相手と同じ医用画像108を見ながらチャットをすることができる。
【0094】
図13を参照して、通信機器100の接続前における表示部100cの表示画面について説明する。図13は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100の接続前の表示部100cの表示画面の一例について説明するための図である。図13の(a)は通信機器100がタブレット型PCの場合の例を示し、(b)は通信機器100がスマートフォンの場合の例を示している。
【0095】
通信機器100は、表示部100cに登録者一覧101を表示する。通信機器100のユーザは、登録者一覧101の中から通話したい相手を選択してタッチ操作をする。選択された者のプロフィール写真105及び氏名102aと同じ行に選択マーク102が表示される。次に、ユーザは架電ボタン103にタッチ操作することで、登録者一覧101の中から選択した相手に電話をかけることができる。なお、ユーザは登録者一覧101の中から複数人を通話相手に選択してもよい。
【0096】
図14を参照して、通信機器100の呼び出し中における表示部100cの表示画面について説明する。図14は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80を構成する通信機器100の呼び出し中の表示部100cの表示画面の一例について説明するための図である。図14の(a)は通信機器100がタブレット型PCの場合の例を示し、(b)は通信機器100がスマートフォンの場合の例を示している。
【0097】
呼び出し中の通信機器100は、表示部100cに、呼び出している通話相手のプロフィール写真105、氏名102a、及び「呼出中」の表示102bを表示する。表示部100cの表示は、呼び出している通話相手が、架電に対して電話に出て受電することで、図11に示す表示部100cの表示に切り替わる。
【0098】
次に図15図16を参照して、本発明の一実施形態に係る医用画像共有プログラムについて、医用画像共有方法とともに説明する。図15は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80に用いられる医用画像共有プログラムであって、医用画像共有システム80を構成する情報処理装置90によって実行される医用画像共有プログラムのフローチャートであり、図16は本発明の一実施形態に係る医用画像共有システム80に用いられる医用画像共有プログラムであって、医用画像共有システム80を構成する通信機器100によって実行される医用画像共有プログラムのフローチャートである。
【0099】
本発明の一実施形態に係る医用画像共有方法は、図15に示すフローチャートの部分に該当する医用画像共有プログラムを実行する情報処理装置90と図16に示すフローチャートの部分に該当する医用画像共有プログラムを実行する通信機器100との協働によって、即ち、情報処理装置90と通信機器100とが連携して動作することによって実行される。一方で、図15に示すフローチャートに該当する医用画像共有プログラムは情報処理装置90のみによって実行され、図16に示すフローチャートに該当する医用画像共有プログラムは通信機器100のみによって実行される。
【0100】
従って、本発明の一実施形態に係る医用画像共有プログラムの説明は、図15に示すフローチャートの説明と図16に示すフローチャートの説明とによってなされたものとし、本発明の一実施形態に係る医用画像共有方法の説明は、図15に示すフローチャートの説明とともにされる医用画像共有方法の説明と図16に示すフローチャートの説明とともにされる医用画像共有方法の説明とによってなされるものとする。
【0101】
図15を参照して、情報処理装置90が実行する医用画像共有プログラムについて、医用画像共有方法のうち情報処理装置90が実行する部分とともに説明する。
医用画像共有方法のうち情報処理装置90が実行する部分は、図15のフローチャートの部分に該当する医用画像共有プログラムに基づいて、情報処理装置90のCPU90hにより実行される。
【0102】
図15のフローチャートの部分に該当する医用画像共有プログラムは、情報処理装置90のCPU90hに対して、画像取得機能、領域推定機能、静止画切り出し機能、画像送信機能などの各種機能を実現させる。これらの機能は図15に示される順に実行されるが、適宜、順番を入れ替えて実行することもできる。なお、各機能は前述の情報処理装置90の各種機能部の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0103】
画像取得機能は、通信機器100の間で共有される医用画像に関する医用画像情報を他の機器から取得する(S91:画像取得ステップ)。
【0104】
領域推定機能は、医用画像に含まれる所定の部位と、当該部位の医用画像における位置及び範囲との関係を予め学習した領域推定モデルに、情報処理装置90(画像取得部91)により取得された医用画像情報を入力して、医用画像情報に含まれる部位の位置及び範囲を推定する(S92:領域推定ステップ)。
【0105】
静止画切り出し機能は、領域推定部92によって推定された範囲を静止画として切り出す(S93:静止画切り出しステップ)。
【0106】
画像送信機能は、取得した医用画像に関する医用画像情報を通信機器100に送信する(S94:画像送信ステップ)。
【0107】
図16を参照して、通信機器100が実行する医用画像共有プログラムについて、医用画像共有方法のうち通信機器100が実行する部分とともに説明する。
医用画像共有方法のうち通信機器100が実行する部分は、図16のフローチャートの部分に該当する医用画像共有プログラムに基づいて、通信機器100のCPU100hにより実行される。
【0108】
図16のフローチャートの部分に該当する医用画像共有プログラムは、通信機器100のCPU100hに対して、画像受信機能、記入受付機能、記入送信機能、記入受信機能、ユーザ情報取得機能、設定機能、判定機能、強調表示機能、表示制御機能、記録制御機能などの各種機能を実現させる。これらの機能は図16に示される順に実行されるが、適宜、順番を入れ替えて実行することもできる。なお、各機能は前述の通信機器100の各種機能部の説明と重複するため、その詳細な説明は省略する。
【0109】
画像受信機能は、情報処理装置90によって送信された医用画像に関する医用画像情報を受信する(S110:画像受信ステップ)。
【0110】
記入受付機能は、医用画像が表示される当該通信機器100の表示部100cへのユーザによる記入に関する記入情報を受け付ける(S130:記入受付ステップ)。
【0111】
記入送信機能は、記入情報を他の通信機器100へ送信する(S140:記入送信ステップ)。
【0112】
記入受信機能は、記入情報を他の通信機器100から取得する(S150:記入受信ステップ)。
【0113】
ユーザ情報取得機能は、ユーザに関する情報をユーザ情報として取得する(S160:ユーザ情報取得ステップ)。
【0114】
設定機能は、当該通信機器100を使用するユーザに割り当てる強調表示の態様を設定する(S170:設定ステップ)。
【0115】
判定機能は、設定機能により設定された態様が、既に他のユーザに割り当てられた態様と同じであるか否かをユーザ情報に基づいて判定する(S180:判定ステップ)。
【0116】
強調表示機能は、ユーザごとに異なる強調表示の態様を割り当て、ユーザ情報をユーザに割り当てられた態様によってそれぞれ強調して表示部100cに表示する(S190:強調表示ステップ)。
【0117】
表示制御機能は、記入情報を、当該記入情報を記入したユーザに割り当てられた強調表示と同種の態様によって表示部100cに表示する(S200:表示制御ステップ)。
【0118】
記録制御機能は、記入情報を当該記入情報が記入された医用画像との合成画像として記録する(S210:記録制御ステップ)。
【0119】
上記した実施形態によれば、医用画像共有プログラムが導入された通信機器100は、他の通信機器100へサーバーを介することなく医用画像を送信することができるので、サーバーに医用画像に関するデータを残すことがなく、個人情報の漏洩を抑制することができる。
【0120】
また、上記した実施形態によれば、通信機器100の簡単な操作により、他の通信機器100へ医用画像を送信し、遠隔地に居る医師との間で同じ医用画像を見ながら通話することができるので、遠隔地に居る医師から即座に助言、意見などを得ることができる。
【0121】
また、上記した実施形態によれば、通信機器100の表示部100cに表示された医用画像108に重畳するように入力した記入109a、109bが、入力したユーザに割り当てられた強調表示よって加飾されるので、誰が入力した記入であるか容易に識別することができる。
【0122】
また、上記した実施形態によれば、通信機器100の表示部100cは、医用画像108とチャット画面22とを一つの表示画面に同時に表示するので、ユーザは医用画像108を見ながらチャットをすることができる。
【0123】
また、上記した実施形態によれば、通信機器100の表示部100cは、記入109(109a、109b)を所定時間経過後に表示部200cから消すので、表示部100cに表示された医用画像108は、入力された記入109(109a、109b)によって見えにくくなることが無い。さらに、古くなった記入109(109a、109b)は表示部100cから消されて、新しい記入109(109a、109b)が表示部100cに残るので、新しい記入109(109a、109b)は常に見やすい状態にある。
【0124】
また、上記した実施形態によれば、通信機器100の表示部100cに表示された記入109(109a、109b)は、徐々に消えていくので、新たに記入を入力する際に参照することができる。
【0125】
なお、本発明は上記した実施形態に係る医用画像共有システム80、医用画像共有方法、医用画像共有プログラム、及び、その通信機器100に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、若しくは応用例により実施可能である。
【符号の説明】
【0126】
10 医師
11 医師
12 ネットワーク
13 手術室、カテーテル室
14 (手術室、カテーテル室の)モニタ
15 遠隔地の病院
16 小規模病院
17 (電子カルテを表示する)モニタ
18 電子カルテシステム
20 通話者追加ボタン
21 選択ボタン
22 チャット画面
23 メッセージ
23a (Aaaa先生の)メッセージ
23b (Bbbb先生の)メッセージ
80 医用画像共有システム
84 矢印
85 矢印
86 矢印
87 矢印
88 矢印
89 矢印
90 情報処理装置
90d 通信インターフェース
90e ROM
90f RAM
90g 記録部
90h CPU
90i マイク
90j スピーカ
90k 入出力インターフェース
90l 入力装置
90m 出力装置
91 画像取得部
92 領域推定部
93 静止画切り出し部
94 画像送信部
100 通信機器
100a 通信機器
100b 通信機器
100c 表示部(モニタ)
100d 通信インターフェース
100e ROM
100f RAM
100g 記録部
100h CPU
100i マイク
100j スピーカ
100k 入出力インターフェース
100l 入力装置
100m 出力装置
101 登録者一覧
102 選択マーク
102a 氏名
102b 呼出中の表示
103 架電ボタン
104 終了ボタン
105 プロフィール写真
105a プロフィール写真
105b プロフィール写真
106 ミュートボタン
107 強調表示
107a 強調表示
107b 強調表示
108 医用画像
109 記入
109a 記入
109b 記入
110 画像受信部
120 画像送信部
130 記入受付部
140 記入送信部
150 記入受信部
160 ユーザ情報取得部
170 設定部
180 判定部
190 強調表示部
200 表示制御部
210 記録制御部
220 領域推定部
230 静止画切り出し部
250 医用画像
251 静止画
252 大胃の内壁
253 ポリープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16