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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171890
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241205BHJP
   B41J 29/387 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241205BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B41J29/38 104
B41J29/387
G03G21/00 398
G06F3/12 374
G06F3/12 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089167
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】中村 善
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP03
2C061AP05
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HK05
2C061HK07
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN08
2C061HN15
2H270KA47
2H270MG02
2H270MG09
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】 画像形成装置を動作させたことにより消費電力が定格電力を上回る虞があった。
【解決手段】 シートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、を備える画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能であり、前記画像形成装置とは異なる1つ以上の機器が接続されており、定格電力と前記1つ以上の機器の消費電力を合計した第1消費電力との差分としての余剰電力を前記画像形成装置に送信する電力測定装置と、を有する画像形成システムであって、前記制御手段は、印刷命令を受信した場合、前記余剰電力と前記画像形成手段により画像形成を行った場合の第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記画像形成手段による画像形成を中断させる。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、を備える画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能であり、前記画像形成装置とは異なる1つ以上の機器が接続されており、定格電力と前記1つ以上の機器の消費電力を合計した第1消費電力との差分としての余剰電力を前記画像形成装置に送信する電力測定装置と、を有する画像形成システムであって、
前記制御手段は、印刷命令を受信した場合、前記余剰電力と前記画像形成手段により画像形成を行った場合の第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記画像形成手段による画像形成を中断させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記電力測定装置から再度、前記余剰電力を受信して更新し、更新した前記余剰電力と前記第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が更新した前記余剰電力以下となれば、前記画像形成手段による画像形成を実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記第2消費電力が前記余剰電力以下となる時刻を予測し、予測した前記時刻になると前記画像形成手段による画像形成を実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
メッセージを表示する表示手段を備え、
前記制御手段は、前記画像形成手段により画像形成を中断した場合、画像形成を中断した旨を示すメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
モードを入力する入力手段を備え、
前記制御手段は、前記入力手段により消費電力制限モードが選択されている、且つ前記印刷命令を受信した場合、前記余剰電力と前記画像形成手段に画像を形成させる場合の第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記画像形成手段による画像形成を中断させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2消費電力が前記余剰電力以下であれば前記画像形成手段に画像形成を実行させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、を備え、
画像形成装置とは異なる1つ以上の機器が接続されている電力測定装置から、定格電力と前記1つ以上の機器の消費電力を合計した第1消費電力との差分としての余剰電力を受信する画像形成装置であって、
前記制御手段は、印刷命令を受信した場合、前記余剰電力と前記画像形成手段により画像形成を行った場合の第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記画像形成手段による画像形成を中断させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記電力測定装置から再度、前記余剰電力を受信して更新し、更新した前記余剰電力と前記第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が更新した前記余剰電力以下となれば、前記画像形成手段による画像形成を実行させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記第2消費電力が前記余剰電力以下となる時刻を予測し、予測した前記時刻になると前記画像形成手段による画像形成を実行させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項10】
メッセージを表示する表示手段を備え、
前記制御手段は、前記画像形成手段により画像形成を中断した場合、画像形成を中断した旨を示すメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項11】
モードを入力する入力手段を備え、
前記制御手段は、前記入力手段により消費電力制限モードが選択されている、且つ前記印刷命令を受信した場合、前記余剰電力と前記画像形成手段に画像を形成させる場合の第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記画像形成手段による画像形成を中断させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第2消費電力が前記余剰電力以下であれば前記画像形成手段に画像形成を実行させることを特徴とする請求項7に記載の画像形成システム。
【請求項13】
シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、を備える画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能な電力測定装置と、を有する画像形成システムであって、
前記電力測定装置は、前記画像形成装置とは異なる1つ以上の機器が接続されており、定格電力と前記1つ以上の機器の消費電力を合計した第1消費電力との差分としての余剰電力と、前記画像形成手段により画像形成を行った場合の第2消費電力とを比較し、前記画像形成装置に画像形成を実行するか否かを示す情報を送信し、
前記制御手段は、受信した前記情報が画像形成を実行しないことを示している場合、前記画像形成手段による画像形成を中断させ、受信した前記情報が画像形成を実行することを示している場合、前記画像形成手段による画像形成を実行させることを特徴とする画像形成システム。
【請求項14】
前記電力測定装置は、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記余剰電力を更新し、更新した前記余剰電力と前記第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が更新した前記余剰電力以下となれば、前記画像形成装置に画像形成を実行することを示す情報を送信することを特徴とする請求項13に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記電力測定装置は、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記第2消費電力が前記余剰電力以下となる時刻を予測し、予測した前記時刻になると前記画像形成装置に画像形成を実行することを示す情報を送信することを特徴とする請求項13に記載の画像形成システム。
【請求項16】
メッセージを表示する表示手段を備え、
前記制御手段は、受信した前記情報が画像形成を実行しないことを示している場合、画像形成を中断した旨を示すメッセージを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項13に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真式や静電記録方式等を採用した画像形成システムや画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像形成装置がひとつのネットワークに接続された画像形成システムが特許文献1に開示されている。特許文献1では、ある画像形成装置に印刷命令が発行された場合、システム全体の消費電力が所定の電力を超えるか否かに応じて、印刷を実装するか否かを判断することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-259359
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば家庭の中を使用環境として鑑みた場合、家庭内の他の機器の消費電力と、画像形成装置の消費電力とを合計した消費電力と、家庭内における電源の定格電力との関係によっては、消費電力が上回りブレーカが落ちてしまう虞があった。
【0005】
本出願にかかる発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、画像形成装置を動作させたことにより消費電力が定格電力を上回ることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、シートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、を備える画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能であり、前記画像形成装置とは異なる1つ以上の機器が接続されており、定格電力と前記1つ以上の機器の消費電力を合計した第1消費電力との差分としての余剰電力を前記画像形成装置に送信する電力測定装置と、を有する画像形成システムであって、前記制御手段は、印刷命令を受信した場合、前記余剰電力と前記画像形成手段により画像形成を行った場合の第2消費電力とを比較し、前記第2消費電力が前記余剰電力より大きければ、前記画像形成手段による画像形成を中断させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
画像形成装置を動作させたことにより消費電力が定格電力を上回ることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の概略構成及び外部電力計測装置との接続を示した図
図2】メッセージを表示する表示部を示した図
図3】メッセージを表示する表示部を示した図
図4】メッセージを表示する表示部を示した図
図5】画像形成装置において印刷を実行するか否かの制御を示したフローチャート
図6】画像形成装置において印刷を実行するタイミングの制御を示したフローチャート
図7】画像形成装置において印刷を実行するタイミングの制御を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
[実施例1]
(ブロック図)
図1は画像形成装置100の概略構成及び外部電力計測装置(電力測定装置)130との接続を示すブロック図である。図中の実線の矢印は制御信号、破線の矢印は電力供給、点線は電力情報の経路をそれぞれ示している。
【0011】
制御手段としてのCPU101は、記憶部103に保存された制御プログラム及び情報を読み出して、画像形成装置100の画像形成手段によるシートへの画像形成など各種動作を制御する。またCPU101は、電源部108のリレー109やトライアック110を制御することで定着部111のヒータ114への電力供給を制御する。RAM102は、SRAMやDRAMなど揮発性の記憶媒体で構成されており、CPU101のワークエリア等の一時的な記憶領域として用いられる。記憶部103はフラッシュROMやHDDの不揮発性の記憶媒体で構成されており、各種データの保存領域として用いられる。操作部104は、表示部105を備えている。操作部104においてユーザが入力した情報はCPU101に送信される。CPU101は、入力された情報に応じて画像形成装置100を制御する。表示部105は、入力された情報に応じたメッセージなどが表示する。電源部108は、コンセント107から供給される電力をリレー109やトライアック110を介して定着部111のヒータ114や、画像形成装置100内の各部に供給する。
【0012】
ネットワークI/F120は、外部電力計測装置130と無線もしくは電力線のような電力通信網116を介して接続されており、電力情報に関する通信を実行する。
【0013】
外部電力計測装置130は、HEMS(Home Energy Management System)とも称され、家電や電気設備と接続して電気やガスなどの使用量をモニタ画面等で可視化、家電機器を自動制御で最適化する電力管理システムである。外部電力計測装置130は、画像形成装置100及び家庭内における1つ以上の他の電気機器140やPC150にも電力通信網116を介して接続されている。外部電力計測装置130は、電力通信網116を介して、画像形成装置100の消費電力、及び他の電気機器140やPC150などの消費電力が通知される。
【0014】
ネットワークI/F120は、有線LAN通信部121、無線LAN通信部122を有する構成となっている。なお、有線LAN通信部121、もしくは無線LAN通信部122の片方のみの構成でもよい。有線LAN通信部121は、有線LANを介してネットワーク網115、電力通信網116に接続するための通信インターフェースであり、ネットワーク上の他端末やサーバとデータのやり取りができる。ネットワーク網115には、PC150が通信可能な状態で接続されている。電力通信網116には、外部電力計測装置130が通信可能な状態で接続されている。
【0015】
無線LAN通信部122は、無線LANを介してネットワーク網115、電力通信網116に接続するための通信インターフェースである。無線LAN通信部122は、無線LAN通信機能を用いて無線LANルータ(不図示)に接続され、無線LANルータを介してネットワーク上の他端末やサーバとデータのやり取りができる。ネットワーク網115には、PC150が通信可能な状態で接続されている。電力通信網116には、外部電力計測装置130が通信可能な状態で接続されている。ネットワークI/F120は、ユーザの指示によりPC150(外部情報端末)から送信された印刷情報(印刷命令としての印刷JOB、印刷データ)を受信する。また、CPU101から外部電力計測装置130に対して電力情報を要求するコマンドを送信し、取得した結果を受信する。受信した印刷情報、電力情報は、記憶部103に保存される。
【0016】
(消費電力制限モードの説明)
近年、在宅勤務が増え、ビジネスユースで一般的に使用される電子写真方式の画像形成装置を、家庭で使用する状況が増えている。しかしながら、家庭では使用可能電力に制限があり、他の電化製品と併用しながら電子写真方式の画像形成装置を使用するとブレーカが落ちる恐れがあった。このような環境下では省電力モードとしての消費電力制限モードを設けることが有効である。
【0017】
次に消費電力制限モードについて説明する。消費電力制限モードとは、例えば家庭内における最大消費電力を抑えるように動作する設定である。モードのオン/オフは、ユーザが操作部104から指示することができる。画像形成装置100は、ネットワークI/F120を介して外部電力計測装置130から他の電気機器140が使用している消費電力(第1消費電力)の情報を取得して、画像形成動作を制御する。
【0018】
画像形成装置100は、消費電力制限モードがオフに設定されている場合、PC150(外部情報端末)から送信された印刷情報(印刷JOB、印刷データ)に基づき、印刷を実行する。画像形成装置100は、消費電力制限モードがオンに設定されている場合、外部電力計測装置130に対して余剰電力Phems(定格電力に対しての消費電力の差分である余剰電力)を要求し、その結果を受信する。なお、ここでは一例として余剰電力を送信する場合を説明するが、これに限られるものではない。例えば、画像形成装置100は、初期動作として外部電力計測装置130から定格電力を受信しておき、消費電力制限モードがオンに設定されると、現状の消費電力を受信し、画像形成装置100において余剰電力を算出するようにしてもよい。
【0019】
CPU101は、余剰電力と、画像形成装置100が印刷時に消費する消費電力との比較を行う。消費電力が余剰電力以下である場合は、画像形成を行っても定格電力を超えることがないため、CPU101は画像形成を実行させる。なお、印刷時に消費する消費電力は記憶部103に予め記憶されている。消費電力が余剰電力より大きい場合は、画像形成を行うと定格電力を超えてしまい、ブレーカが落ちる可能性があるため、CPU101は画像形成を実行させない。そして、CPU101は、図2に示すように表示部105に“電力定格を超えてブレーカが落ちる恐れがある為印刷できない”旨のメッセージを表示させる。なお、消費電力制限モードのオン/オフの切り替えは、操作部104及び表示部105を介してユーザにより設定される。設定されたモードに関する情報は、記憶部103に記憶され、CPU101は記憶部103からモード情報を参照することができる。
【0020】
なお、ここでは一例として画像形成システムとして画像形成装置100側で画像形成動作を判断する方法について説明するが、これに限られるものではない。外部電力計測装置130やPC150など画像形成装置100外の装置で画像形成動作を判断し、画像形成システムとして画像形成装置100の動作を制御することも可能である。つまり、画像形成装置100外の装置は、余剰電力と消費電力の比較を行い、比較した結果に基づき画像形成装置100に画像形成を実行するか否かを示す情報を送信する。画像形成装置100は、受信した情報に応じて、画像形成を実行するか中断するかを制御してもよい。
【0021】
(フローチャート)
図5は、画像形成装置100において印刷を実行するか否かの制御を示したフローチャートである。S101において、CPU101はユーザにより電源スイッチがオンされたことを検知する。S102において、CPU101は記憶部103を参照し、消費電力制限モードが設定されているか否かを判断する。設定されている場合はS103に移行し、設定されていない場合はS108に移行する。
【0022】
S102において消費電力制限モードの設定がオフである場合、S108において、CPU101はネットワークI/F120を介してPC150や操作部104から印刷JOBを受信すると、S109に移行する。S109において、CPU101は受信した印刷JOBの指示内容に従って印刷を実行する。
【0023】
S102において消費電力制限モードの設定がオンである場合、S103において、CPU101は外部電力計測装置130に対し、定格電力に対しての余剰電力Phemsを要求する。そして、外部電力計測装置130から取得した余剰電力Phemsを記憶部103に記憶する。なお余剰電力Phemsを記憶する記憶先は記憶部103でなくRAM102であってもよい。
【0024】
S104において、CPU101はネットワークI/F120を介してPC150や操作部104から印刷JOBを受信するとS105に移行する。受信していない場合はS103に戻り、余剰電力Phemsを再度取得し、更新する。S103への繰り返しの頻度は数秒~30分程度が想定されるがそれ以外の時間間隔でもよい。
【0025】
S105において、CPU101はS104で受信した印刷JOBの紙種条件等から印刷最大電力Pmax(第2消費電力)を算出する。S106において、CPU101は記憶部103に記憶している余剰電力Phemsと印刷最大電力Pmaxを比較する。余剰電力Phems<印刷最大電力Pmaxである場合はS107に移行する。余剰電力Phems≧印刷最大電力Pmaxである場合はS109に移行し、印刷を実行する。
【0026】
S107において、CPU101は印刷JOBに応じた印刷を実行しない。そして、図2に示すような“定格電力を超えてブレーカが落ちる恐れがある為印刷できない”旨のメッセージを表示部105に表示させる。なお、表示部105に表示するメッセージは、これに限らず印刷JOBを実行すると定格電力を超える虞があるため印刷を中止した旨をユーザに伝えることができるものであればよい。
【0027】
このように、近年の住宅ではスマートメータと呼ばれる機器と通信を行う通信機能や機器を管理する管理機能とを有する高機能型の電力メータが普及し始めている。このスマートメータは、通信機能として無線通信機能が組み込まれて、家庭や事業所内の設備されるエアコンや照明機器、温度計、セキュリティー機器などの機器と接続される。また、HEMSと呼ばれる、家電や電気設備と接続して電気やガスなどの使用量をモニタ画面等で可視化、家電機器を自動制御で最適化する電力管理システムも同様に普及し始めている。これらにより、例えば家庭のような様々な家電製品が接続されている環境下においても、家庭内の画像形成装置100以外の機器の消費電力の合計を取得することができる。よって、定格電力に対して余裕がないタイミングでユーザにより画像形成装置100に対して印刷命令が送られた場合、印刷を中断することで、家庭の定格電力を超えてブレーカが落ちてしまうような状況を抑制することができる。
【0028】
[実施例2]
先の実施例1では、余剰電力Phems<印刷最大電力Pmaxである場合は印刷を中止する方法について説明した。本実施例においては、HEMS情報から余剰電力Phemsの変化を予測し、印刷を実施するタイミングを制御する場合について説明する。なお、先の画像形成装置100など実施例1と同様の構成については同様の符号を付し、ここでの詳しい説明は省略する。
【0029】
また、実施例1と同様にここでは一例として画像形成システムとして画像形成装置100側で画像形成動作を判断する方法について説明するが、これに限られるものではない。外部電力計測装置130やPC150など画像形成装置100外の装置で画像形成動作を判断し、画像形成システムとして画像形成装置100の動作を制御することも可能である。つまり、画像形成装置100外の装置は、余剰電力と消費電力の比較を行い、比較した結果に基づき画像形成装置100に画像形成を実行するか否かを示す情報を送信する。画像形成装置100は、受信した情報に応じて、画像形成を実行するか中断するかを制御してもよい。
【0030】
(フローチャート)
図6は、画像形成装置100において印刷を実行するタイミングの制御を示したフローチャートである。S201において、CPU101はユーザにより電源スイッチがオンされたことを検知する。S202において、CPU101は記憶部103を参照し、消費電力制限モードが設定されているか否かを判断する。設定されている場合はS203に移行し、設定されていない場合はS211に移行する。
【0031】
S202において消費電力制限モードの設定がオフである場合、S211において、CPU101はネットワークI/F120を介してPC150や操作部104から印刷JOBを受信すると、S213に移行する。S213において、CPU101は受信した印刷JOBの指示内容に従って印刷を実行する。
【0032】
S202において消費電力制限モードの設定がオンである場合、S203において、CPU101は外部電力計測装置130に対し、定格電力に対しての余剰電力Phemsを要求する。そして、外部電力計測装置130から取得した余剰電力Phemsを記憶部103に記憶する。なお余剰電力Phemsを記憶する記憶先は記憶部103でなくRAM102であってもよい。
【0033】
S204において、CPU101はネットワークI/F120を介してPC150や操作部104から印刷JOBを受信するとS205に移行する。受信していない場合はS203に戻り、余剰電力Phemsを再度取得し、更新する。S203への繰り返しの頻度は数秒~30分が想定されるがそれ以外の時間間隔でもよい。
【0034】
S205において、CPU101はS204で受信した印刷JOBの紙種条件等から印刷最大電力Pmaxを算出する。S206において、CPU101は記憶部103に記憶している余剰電力Phemsと印刷最大電力Pmaxを比較する。余剰電力Phems<印刷最大電力Pmaxである場合はS207に移行する。余剰電力Phems≧印刷最大電力Pmaxである場合はS213に移行し、印刷を実行する。
【0035】
S207において、CPU101は過去の余剰電力Phemsと時刻情報の関係に基づき、余剰電力Phems≧印刷最大電力Pmaxとなる時刻を予測する。例えば、過去1週間の余剰電力Phemsの推移を分析し、余剰電力Phemsが印刷最大電力Pmaxより大きくなる時刻を予測する。S208において、CPU101は記憶部103にS207で予測した時刻を記憶する。S209において、CPU101は印刷JOBに応じた印刷を実行しない。そして、図3に示すような“定格電力を超えてブレーカが落ちる恐れがある為印刷できない”旨と、印刷候補時刻に印刷するか印刷をキャンセルするかを選択させる旨のメッセージを表示部105に表示させる。なお、表示部105に表示するメッセージは、これに限らず印刷JOBを実行すると定格電力を超える虞があるため印刷を中断した旨と、印刷を実行できる時刻をユーザに伝えることができるものであればよい。
【0036】
S210において、CPU101はユーザにより印刷のキャンセルが選択されたか否かを判断する。キャンセルされた場合は処理を終了し、印刷候補時刻に印刷することが選択された場合はS212に移行する。S212において、CPU101は印刷候補時刻になると、外部電力計測装置130から余剰電力Phemsを再度取得する。余剰電力Phems≧印刷最大電力Pmaxである場合は、S213において、CPU101は印刷JOBに応じて印刷を実行する。
【0037】
このように、定格電力に対して余裕がないタイミングでユーザにより画像形成装置100に対して印刷命令が送られた場合、印刷を中断することで、家庭の定格電力を超えてブレーカが落ちてしまうような状況を抑制することができる。さらに、定格電力を超えることがないタイミングで中断した印刷を実行することができる。
【0038】
[実施例3]
先の実施例2では、余剰電力Phems<印刷最大電力Pmaxである場合は余剰電力Phems≧印刷最大電力Pmaxとなる時刻を予測する方法について説明した。本実施例においては、HEMS情報から余剰電力Phemsの再度の取得を繰り返し、印刷を実施するタイミングを制御する場合について説明する。なお、先の画像形成装置100など実施例1と同様の構成については同様の符号を付し、ここでの詳しい説明は省略する。
【0039】
また、実施例1と同様にここでは一例として画像形成システムとして画像形成装置100側で画像形成動作を判断する方法について説明するが、これに限られるものではない。外部電力計測装置130やPC150など画像形成装置100外の装置で画像形成動作を判断し、画像形成システムとして画像形成装置100の動作を制御することも可能である。つまり、画像形成装置100外の装置は、余剰電力と消費電力の比較を行い、比較した結果に基づき画像形成装置100に画像形成を実行するか否かを示す情報を送信する。画像形成装置100は、受信した情報に応じて、画像形成を実行するか中断するかを制御してもよい。
【0040】
(フローチャート)
図7は、画像形成装置100において印刷を実行するタイミングの制御を示したフローチャートである。S301において、CPU101はユーザにより電源スイッチがオンされたことを検知する。S302において、CPU101は記憶部103を参照し、消費電力制限モードが設定されているか否かを判断する。設定されている場合はS303に移行し、設定されていない場合はS309に移行する。
【0041】
S302において消費電力制限モードの設定がオフである場合、S309において、CPU101はネットワークI/F120を介してPC150や操作部104から印刷JOBを受信すると、S312に移行する。S312において、CPU101は受信した印刷JOBの指示内容に従って印刷を実行する。
【0042】
S302において消費電力制限モードの設定がオンである場合、S303において、CPU101は外部電力計測装置130に対し、定格電力に対しての余剰電力Phemsを要求する。そして、外部電力計測装置130から取得した余剰電力Phemsを記憶部103に記憶する。なお余剰電力Phemsを記憶する記憶先は記憶部103でなくRAM102であってもよい。
【0043】
S404において、CPU101はネットワークI/F120を介してPC150や操作部104から印刷JOBを受信するとS305に移行する。受信していない場合はS303に戻り、余剰電力Phemsを再度取得し、更新する。S303への繰り返しの頻度は数秒~30分が想定されるがそれ以外の時間間隔でもよい。
【0044】
S305において、CPU101はS304で受信した印刷JOBの紙種条件等から印刷最大電力Pmaxを算出する。S306において、CPU101は記憶部103に記憶している余剰電力Phemsと印刷最大電力Pmaxを比較する。余剰電力Phems<印刷最大電力Pmaxである場合はS307に移行する。余剰電力Phems≧印刷最大電力Pmaxである場合はS312に移行し、印刷を実行する。
【0045】
S307において、CPU101は図4に示すような“定格電力を超えてブレーカが落ちる恐れがある為印刷できない”旨を表示部105に表示させる。さらに、合わせて印刷最大電力よりも余剰電力の方が大きくなった場合に印刷するか、印刷をキャンセルするかを選択させる旨のメッセージも表示部105に表示させる。なお、表示部105に表示するメッセージは、これに限らず印刷JOBを実行すると定格電力を超える虞があるため印刷を中断した旨と、印刷を実行するかキャンセルするかをユーザに伝えることができるものであればよい。
【0046】
S308において、CPU101はユーザにより印刷のキャンセルが選択されたか否かを判断する。キャンセルされた場合は処理を終了し、余剰電力が発生した場合は印刷することが選択された場合はS310に移行する。S310において、CPU101は外部電力計測装置130に対し、余剰電力Phemsを要求する。そして、外部電力計測装置130から取得した余剰電力Phemsを更新する。
【0047】
S311において、CPU101は記憶部103に記憶している余剰電力Phemsと印刷最大電力Pmaxを比較する。余剰電力Phems<印刷最大電力Pmaxである場合は、印刷を行うことなくS310に戻り、余剰電力Phemsを再度更新する。S310への繰り返しの頻度は、数秒~30分が想定されるが上記以外の時間間隔でもよい。余剰電力Phems≧印刷最大電力Pmaxである場合は、S312において、CPU101は印刷JOBに応じて印刷を実行する。
【0048】
このように、定格電力に対して余裕がないタイミングでユーザにより画像形成装置100に対して印刷命令が送られた場合、印刷を中断することで、家庭の定格電力を超えてブレーカが落ちてしまうような状況を抑制することができる。さらに、定格電力を超えることがないタイミングで中断した印刷を実行することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 画像形成装置
101 CPU
130 外部電力計測装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7