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特開2024-171892画像形成装置、画像形成方法、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171892
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241205BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241205BHJP
   B41J 3/01 20060101ALI20241205BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20241205BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20241205BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B41J29/38 301
B41J29/393 105
B41J3/01
B41J2/21
B41J2/01 401
B41J2/01 451
G03G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089169
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晃順
【テーマコード(参考)】
2C055
2C056
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C055JJ00
2C055JJ07
2C056EA25
2C056EB13
2C056EB52
2C056EB58
2C056EC07
2C056EC67
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS06
2C061AS11
2C061HK05
2C061HK07
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV44
2C061HV46
2C061HV50
2C061KK26
2C061KK28
2C061KK31
2H270KA01
2H270KA64
2H270LA17
2H270LA19
2H270LD03
2H270MB25
2H270NE07
2H270NE10
2H270PA68
2H270QA41
2H270QB07
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】 インクの浪費を抑えることを目的とする。
【解決手段】 本発明に掛かる画像形成装置は、印刷媒体に第1画像を形成する第一画像形成手段と、前記第1画像が正常に形成された場合は、前記第1画像上に第2画像を形成し、前記第1画像が正常に形成されなかった場合は、前記第2画像を形成しない第二画像形成手段とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に第1画像を形成する第一画像形成手段と、
前記第1画像が正常に形成された場合は、前記第1画像上に第2画像を形成し、前記第1画像が正常に形成されなかった場合は、前記第2画像を形成しない第二画像形成手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
第二画像形成手段は、前記第1画像が正常に形成されなかった場合、前記第2画像とは異なるパターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記パターンは、二次元コードであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記パターンは、前記第1画像が正常に形成されなかったことを示す情報であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第二画像形成手段は、前記第1画像が形成された位置に前記パターンを形成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1画像が形成された位置にパターンを形成するに十分な領域があることを判断する判断手段を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第二画像形成手段は、前記印刷媒体が透明な場合、前記パターンの背景又は周囲を特定色で埋める画像形成を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第一画像形成手段の後で前記第1画像を読み取る第一読み取り手段を有し、
前記第二画像形成手段は、前記読み取り手段により読み取られた結果に基づき、前記パターンを形成することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第二画像形成手段が前記第2画像を形成しない場合でも前記印刷媒体への画像形成を止めないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第二画像形成手段の後で前記パターンを読み取る第二読み取り手段と、
前記第二読み取り手段により、前記パターンが読み取られた場合、前記印刷媒体への画像形成を止める制御を行う制御手段と
を有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載された画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
印刷媒体に第1画像を形成する第一画像形成工程と、
前記第1画像が正常に形成された場合は、前記第1画像上に第2画像を形成し、前記第1画像が正常に形成されなかった場合は、前記第2画像を形成しない第二画像形成工程と
を有することを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下地を有する画像形成の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール紙への印刷において印刷の不具合が生じた際に、印刷を一時停止すると、印刷を再開させるには、ロール紙を所定の搬送速度に加速させるまでの助走が必要である。その助走の分は余白領域となるため用紙の無駄が生じる。
【0003】
また、印刷の再開に時間がかかる場合もあるため、印刷不具合が印刷中に自動で治るのであれば、印刷を停止せず続行するほうが効率的な場合もある。特許文献1には、装置を停止せずに再印刷を実行することが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、印刷の不具合が有ったページ(以降、不具合ページとも呼ぶ)が印刷の成果物に混入する事を防ぐ為、不具合ページに二次元コードを印刷する方法が記載されている。この方法によれば、印刷後に二次元コードを読み取ることで不具合ページを特定でき、不具合ページを除外することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-44789号公報
【特許文献2】特開2019-217746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
印刷媒体に下地となる第1の画像を形成し、その下地に重ねて第2の画像を形成する際に、第1画像が不具合ページであるにも関わらず第2画像を形成すると、インクを無駄に使用した事になる。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑み、インクの浪費を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に掛かる画像形成装置は、印刷媒体に第1画像を形成する第一画像形成手段と、前記第1画像が正常に形成された場合は、前記第1画像上に第2画像を形成し、前記第1画像が正常に形成されなかった場合は、前記第2画像を形成しない第二画像形成手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、インクの浪費を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の画像形成システムの構成を表した図である。
図2】本実施形態の画像形成システムの機能を表したブロック図である。
図3】本実施形態において正常画像を印刷した際の模式図である
図4】本実施形態において異常画像を印刷した際の模式図である。
図5】本実施形態において異常画像を印刷した際のフローチャートである。
図6】本実施形態において異常画像ページにてメンテナンスを実施する際のフローチャートである。
図7】本実施形態において異常画像ページに二次元コードを印刷する際のフローチャットである。
図8】本実施形態において透明基材に二次元コードを印刷する際のフローチャートである。
図9】本実施形態において透明基材に二次元コードを印刷する際の模式図である。
図10】本実施形態の透明基材に二次元コードを印刷する際のフローチャートである。
図11】本実施形態の透明基材に印刷する二次元コードの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施例に係る画像形成装置としての画像形成システムの装置構成の一例を表す。印刷装置100は、連続した画像形成が可能な連続紙であるロール紙111に画像を形成する装置である。印刷装置100は、ロール紙111を搬送する給紙装置104、第1画像である下地の印刷を行う印刷装置116を有する。ここで、下地とは、例えば、透明媒体に画像を印刷する際の下地となる白インク層を形成する画像である。また、透明媒体に限らず画像を形成する前に、色材を印刷媒体に定着しやすくすることなどを目的に、予め形成される記録層である。図1の説明に戻る。さらに、追い刷り印刷を行うことにより、第2画像を前述した第1画像上に重ねて配置して形成する印刷装置115、ロール紙111の巻き取りを行う排紙装置105、ユーザからの指示を入力するユーザインタフェースである操作表示部101を有する。
【0012】
給紙装置104は、ロール紙111を印刷装置100に供給する装置である。給紙装置104は、回転軸117を中心にロール紙111の紙管を回転させてその紙管に巻かれているロール紙111を、複数ローラ(搬送ローラ、給紙ローラなど)を経由して、一定の速度で印刷装置100に向けて搬送する。
【0013】
排紙装置105は、印刷装置100から搬送されてきたロール紙111を、紙管を中心としてロール状に巻き取る装置である。排紙装置105は、例えば、図1に示すように、ロール紙111が回転軸118の紙管に巻かれてロール状に保持される。排紙装置105は、回転軸118を中心に回転させて紙管に搬送されてきたロール紙111を、複数のローラー(例えば、搬送ローラー、排紙ローラー)を経由して、一定の速度で回転軸118にロール紙111を巻き取る装置である。
【0014】
なお、印刷開始前に、給紙装置104から、排紙装置105にロール紙111を通しておく必要がある。すなわち、給紙装置104にロール紙111をセットして、ロール紙111の先端を斜行補正部110の上に通す。次に、印刷装置116の印字ヘッド103の下を通す。乾燥部112の下を通して、冷却部113の上を通し、スキャナ部114の中を通す。次に、印刷装置115の印字ヘッド102の下を通して、乾燥部106の下を通して、冷却部108及び、109の上を通す。スキャナ部107の中を通して、排紙装置105の回転軸118に巻き付ける。
【0015】
ロール紙111を画像形成システム100内に通したあと、画像形成システム100の制御用PC119に印刷ジョブを投入する。印刷ジョブ投入後、操作表示部101で印刷スタートボタンを押下して印刷を開始する。
【0016】
図2は、印刷装置100の制御構成を示す機能ブロック図である。図に示すように、印刷装置100は、例えば、用紙搬送部21と、画像形成部22と、通信部23と、制御部24と、記憶部25と、操作表示制御部26を備える。
【0017】
用紙搬送部21は、印刷装置100内部のロール紙111の搬送機構である。例えば、複数のローラによって、給紙装置104から搬送されたロール紙111を、画像形成部22へ搬送する。そして、画像形成部22を通過したロール紙111を、排紙装置105へと搬送する。画像形成部22は、出力指示を受けた印刷データに基づいて、給紙装置104から供給されたロール紙111に画像を形成する。
【0018】
画像形成部22は、画像を形成したロール紙111を排紙装置105に向けて搬送する。
【0019】
通信部23は、例えばLAN(Local Area Network)カードなどの通信制御カードで構成される。LAN、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークに接続された外部装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。
【0020】
制御部24のCPUは、記憶部25に記憶されているシステムプログラムや処理プログラムなどの各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。例えば、制御部24は、ユーザの指示に応じて、画像形成ジョブ(以下、ジョブという)を実行する画像形成処理を行うことが可能である。記憶部25は、例えば、不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やHDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。
【0021】
記憶部25には、制御部24で実行されるシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要な各種データが記憶されている。
【0022】
操作表示制御部26は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部26a及び操作部26bを備えている。表示部26aは、制御部24から入力される表示制御信号に従って、表示画面上に各種情報の表示を行う。操作部26bは、テンキー、スタートキーなどの各種操作キーを備え、ユーザによる各種入力指示を受け付けて、操作信号を制御部24に出力する。次に、印刷装置100においてロール紙111に画像形成処理を行う場合の動作について説明する。まずユーザは外部装置において、ジョブの下地データ及び追い刷りデータを作成し、ジョブの印刷設定を行い、通信ネットワークを介してこれらの情報を印刷装置100に送信する。制御部24は、通信部23を介して、外部装置から送信されてきたジョブのデータ及び印刷設定を受け付ける。
【0023】
検査部27は、印刷画像に異常なく印刷できているか確認を行う。通信部を介して受け付けたジョブデータを印刷し、それをスキャナ107やスキャナ114で読み取り、読み取った結果である読み取りデータと印刷画像を印刷する前の印刷データとを比較することで印刷画像に異常がないか確認する。確認の結果、異常を検出した場合には、異常時のシーケンス(後述)を実施する。検査方法については、検査用パターンを印刷してスキャナで読取る方法、印刷画像をカメラやスキャナで直接読取って検査する方法、ノズルからの吐出状況を監視する方法等、様々な方法がある。本実施例では、印刷画像をスキャナで読取る方法で異常がないか確認を行う構成である。
【0024】
図3は、画像形成時の一例を示す。ロール紙111を継続して図中搬送方向に搬送し、移動中のロール紙111に対して印字ヘッド103にて下地300の印刷を行う。そして、乾燥部112、冷却部113にて定着させた後、印字ヘッド102にて追い刷り印刷を行い、画像301を印刷する。その後、乾燥部106、冷却部108及び109にて画像を定着させる。
【0025】
図4は、画像形成時に印字ヘッド103にて、異常画像を検知した際の様子を表す一例である。印刷中、稀にインクが吐出されない現象(以下不吐)が発生することがある。この場合、異常画像400中にはすじ401の様なものが現れ、異常画像と判断される。このような異常画像を検知した場合、該当ページのみ印字ヘッド102での画像形成を中止する。
【0026】
追い刷りの画像形成が中止された場合、追い刷りの画像が印刷されず、下地のみ印刷された不良成果物402が作成される。その際、本画像形成システムに後続される後加工機にて不良成果物の位置が分かる様、画像301の代わりに二次元コード403を印刷してもよい。
【0027】
なお、二次元コード403の位置は、後加工機での扱い易さを考慮して、不良成果物402に追い刷りして重畳するのではなく、所定の別位置に配置してもよい。また、図4では、二次元コードとして、QRコード(登録商標)を記載しているがバーコードや単純なマークでも良い。
【0028】
図5は、図4の実施例の制御フローの一例である。S500で印字ヘッド103がロール紙111に下地画像を印刷する。
【0029】
S501で印字画像をスキャナ114で読み込み、制御部24が読み込んだ画像から印刷画像に異常が無いか判定する。ここで異常とは、前述した不吐のこと、あるいは、インクが全く吐出されない訳ではないが、想定より少なく吐出されてしまう、吐出のむらなどを言う。
【0030】
吐出確認にて異常画像でない場合、すなわち第1画像が正常に形成された場合は、S502の条件分岐を下に行き、S503で印字ヘッド102が追い刷りの画像を印刷する。その後、後続ページの印刷を継続する。
【0031】
S502の条件分岐にて異常画像であった場合、すなわち第1画像が正常に形成されなかった場合は、S504で下地画像の異常の有無を示す異常画像情報を印字ヘッド102に伝達する。S505で印字ヘッド102は異常画像情報を受け取り、該当ページの画像形成を実施せず、後続ページの画像形成を継続する。
【0032】
図6は、異常ページを有効活用する実施例である。S500からS505までは前述と同様である。S505で画像形成しない時、該当ページは使用しない領域の為、S600にて印字ヘッド102の動的メンテナンスに使用する。その後、後続ページの印刷を継続する。動的メンテナンスとは、画像を印刷中に印字ヘッド102が画像領域外に何らかのパターンを印刷し、前記パターンをスキャナ107で読み込み、動的にレジを補正するものである。他に色むらを補正するメンテナンスなどあるが、メンテナンスの種類はこれらに制限されない。
【0033】
図7は、異常ページ情報を後加工機に伝える為のパターンとして、二次元コードを印刷する実施例を説明するための図である。S500からS505までは前述と同様である。S505で画像形成しない場合、S700で該当ページの異常画像情報を後加工機に伝えるために、印字ヘッド102が二次元コード403を印刷する。その後、後続ページの印刷を継続する。二次元コードとして、バーコード・QRコードなど様々な種類がある。すなわち、ここで言うパターンとは、第1画像である下地が正常に形成されなかった場合に、そのことを後工程に伝えられる情報であればよく、幾何学的パターンに限らず、文字や数字あるいはそれらの組み合わせなどでもよい。また、ここで言う後加工機とはカス上げ機や、断裁機のことであり、二次元コードを介して情報を伝える後加工機の種類は問わない。
【0034】
なお、不具合ページ情報を後加工機に通知する為の二次元コードを印刷する際、透明フィルムでは上手く読み取れないことがある。例えば、透明フィルムに黒の二次元コードを印刷した際に、後加工機の筐体が黒色の場合、二次元コードと背景の色の区別がつかず、二次元コードの読み取りに失敗する場合がある。図8は、ロール紙111が透明基材である場合の制御フローである。S500からS503までは前述と同様である。502の条件分岐にて異常画像であった場合、S800でロール紙111が透明であるか制御部24が判断する。具体的には、ユーザから入力される透明か否かの指示を受け取り、その指示に応じて判断する。また別の判断方法として、印刷前における印刷条件の設定時に設定された紙種情報から、事前に登録された紙種情報とのマッチングを行い、マッチングした紙の登録された情報から判断する方法がある。さらに、光センサを用いて透過度を判別する方法などでもよい。
【0035】
ロール紙111が透明でない場合、S802にて制御部24が、印字ヘッド102に異常ページ情報を伝達する。
【0036】
S803にて、印字ヘッド102は該当ページの画像形成を実施せず、S804にて二次元コードを印字ヘッド102が印刷する。その後後続のページの印刷を継続する。
【0037】
ロール紙111が透明な場合、S801にて、制御部24は該当ページ内の下地が十分に印刷された領域を算出する。これは、S501でスキャナ114にて下地画像を読み取った際の情報から領域を算出する。その後、S802にてS801で算出した領域情報を含む異常画像情報を印字ヘッド102に伝達する。印字ヘッド102はS803にて該当ページの追い刷りを行わず、S804にて選択した領域に二次元コードを印刷し、後続ページの印刷を継続する。
【0038】
図9は、図8の制御フロー時の模式図である。印字ヘッド103にて、すじ401が入った異常画像400が形成された際に、印字ヘッド102に異常画像情報を伝える。この異常画像情報の中には、スキャナ114で読み取ったデータから算出した、下地が十分にある領域の情報を含む。印字ヘッド102では、異常画像情報がある該当ページ402の画像形成を行わず、下地が十分にある領域に二次元バーコード900を重畳して印刷する。
【0039】
図10は、ロール紙111が透明な基材である場合の別の制御フローである。S500~S503、およびS800は前述と同様である。
【0040】
S800で、ロール紙111が透明でないと判定された場合、S1000で制御部24が背景無色の二次元コードを生成する。S1002で生成した二次元コードと異常ページ情報を制御部24が印字ヘッド102に伝達する。S1003にて、印字ヘッド102は該当ページの画像形成を実施せず、S1004にて受け取った二次元コードを印字ヘッド102が403の様に画像領域外に印刷する。その後後続のページの印刷を継続する。
【0041】
S800で、ロール紙111が透明と判定された場合、S1001にて背景及び周囲を特定の色にした二次元コードを生成する。S1002で生成した二次元コード及び異常ページ情報を制御部24が印字ヘッド102に伝達する。S1003にて、印字ヘッド102は該当ページの画像形成を実施せず、S1004にて受け取った二次元コードを印字ヘッド102が403の様に画像領域外に印刷する。その後後続のページの印刷を継続する。
【0042】
本実施例では、二次元コードを生成する方式をとっているが、事前に背景無色のコードと背景及び周囲を特定色で塗りつぶした二次元コードの両方を保持しておいてもよい。
【0043】
図11図10の制御フローで作成する二次元コードの模式図である。コード1100は、S1000で作成される背景無色の二次元コードの例である。コード部分を黒色で形成し、背景及び周囲は特定色の印刷を行わない。また、黒に限らず別の色で形成してもよい。コード1101は、S1001で作成される二次元コードである。コード部分を黒色で形成し、背景及び周囲を例えば黄色で塗りつぶし、透明基材でも二次元コードが読めるようにする。黒と黄色の組み合わせに限らず別の色の組み合わせでも良い。
【0044】
なお、上述の実施例では、印刷媒体をロール紙として説明したが、本実施形態における印刷媒体は、ロール紙に限られない。すなわち、カット紙でもよい。さらに、上述の実施例では、印刷に用いる色材としてインクを例に説明したが、他の色材、例えば、トナーでもよい。
【0045】
本実施例は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0046】
102 印字ヘッド
103 印字ヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11