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  • 特開-ミスト発生装置 図1
  • 特開-ミスト発生装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171919
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】ミスト発生装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 17/06 20060101AFI20241205BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20241205BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20241205BHJP
   F24F 6/00 20060101ALI20241205BHJP
   F24F 6/12 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B05B17/06
A61L9/14
A61L9/01 Q
F24F6/00 A
F24F6/00 B
F24F6/00 Z
F24F6/12 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089281
(22)【出願日】2023-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】303048662
【氏名又は名称】コニシセイコー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100173277
【弁理士】
【氏名又は名称】紀田 馨
(72)【発明者】
【氏名】小西 義光
(72)【発明者】
【氏名】小西 由佳子
(72)【発明者】
【氏名】長野 満裕
(72)【発明者】
【氏名】副島 良一
(72)【発明者】
【氏名】小西 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 裕子
【テーマコード(参考)】
3L055
4C180
4D074
【Fターム(参考)】
3L055BB11
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA13
4C180AA18
4C180BB12
4C180BB15
4C180CB01
4C180EB43X
4C180EC01
4C180GG08
4C180HH05
4D074AA02
4D074AA10
4D074BB02
4D074DD03
4D074DD12
4D074DD13
4D074DD17
4D074DD22
4D074DD32
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、ミスト排出に加えてさらなる効果を得ることのできるミスト発生装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生装置1は、ケース2と、保持部3と、液体収容タンク4と、ミスト発生機構5とを備えている。保持部3は、香気体9を保持している。ケース2内には、排出口23Aに連通する流路101が形成されている。保持部3は、流路101に設けられている。ミスト発生装置1においてミストを発生させると、そのミストは流路101を通って排出口23Aから外部に排出される。このとき、保持部3で保持される香気体9により、ミストに香りが移る。そして、香気体9の香りが移ったミストが外部に排出される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発生するミストを外部に排出するための排出口が設けられたケースと、
前記ケースの内部に設けられ、ミストの原料となる液体を収容する液体収容タンクと、
前記ケースの内部に設けられ、前記液体収容タンクの液体からミストを発生させるミスト発生機構と、
飲料用抽出材料を保持する保持部と、を備え、
前記ケース内には、前記ミスト発生機構により発生させたミストを前記排出口まで導く流路が形成されており、
前記保持部は、前記流路に設けられている、ミスト発生装置。
【請求項2】
前記保持部は、水平方向に拡がる板状であって、1ないし複数の貫通穴が形成されており、
前記飲料用抽出材料は、茶葉(紅茶を含む)またはコーヒー豆を挽いた粉末であって、袋体に封入された状態で前記保持部上に載置されている、請求項1に記載のミスト発生装置。
【請求項3】
前記ケースは、ノズルを備えており、
前記排出口は、前記ノズルの先端に設けられており、
前記保持部は、前記ノズルの下方側に位置している、請求項2に記載のミスト発生装置。
【請求項4】
前記ミスト発生機構は、
前記液体収容タンクの底面に設けられた超音波振動子と、
前記超音波振動子に接続された増幅器と、
前記増幅器に接続され、発振信号を送る発振回路と、を備え、
前記ミスト発生機構は、前記発振回路により発振信号を送り、前記増幅器により発振信号を増幅させて前記超音波振動子を振動させて超音波を発振させ、当該超音波により前記液体収容タンクの液体を振動させてその液面から液柱を噴出させ、当該液柱によってミストを発生させる、請求項1~3のいずれか一項に記載のミスト発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、美顔術や空間にミスト充満させる等の用途に使用する装置としてミスト発生装置が利用されている。ミスト発生装置は、液体を収容する液体収容タンクと、液体収容タンクの底面に設けられた超音波振動子と、超音波振動子に接続された増幅器と、増幅器に接続され、発振信号を送る発振回路と、を備える。ミスト発生装置では、発振回路により発振信号を送り、増幅器により発振信号を増幅し、超音波振動子を振動することで超音波を発振させ、その超音波により液体収容タンクの液体を振動させる。そして、その液面から液柱を噴出させ、液柱によってミストが発生させられる。このミストは、例えば、顔や皮膚に吹き付けられ、美顔術において利用されることや、周囲の空間における湿度を調整する目的などで利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4447656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したミスト発生装置において、効果をさらに高めることを検討した場合、ミストに加えて様々な物質をあわせて利用することが考えられる。その目的で、ミストとする液体自身に香料などを溶かし込んだ特別な液体を採用されることが多い。しかしながら、こういった特別な液体は家庭等で自由に精製することは困難であるし、流通させるためには一定期間の品質を保証する必要があり、どうしても保存料などの添付を伴うこととなる。そのため、乳幼児がいる環境、病院など免疫力や抵抗力が万全ではない方がおられる環境では用いることが躊躇わられることも多かった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料のみを用いてミスト排出に加えてさらなる効果を得ることができるミスト発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るミスト発生装置は、ケースと、液体収容タンクと、ミスト発生機構と、保持部と、を備える。前記ケースは、発生するミストを外部に排出するための排出口が設けられている。前記液体収容タンクは、前記ケースの内部に設けられ、ミストの原料となる液体を収容する。前記ミスト発生機構は、前記ケースの内部に設けられ、前記液体収容タンクの液体からミストを発生させる。前記保持部は、飲料用抽出材料を保持する。前記ケース内には、前記ミスト発生機構により発生させたミストを前記排出口まで導く流路が形成されており、前記保持部は、前記流路に設けられている。
【0007】
このような構成によれば、ミスト発生装置においてミストを発生させると、ミスト発生機構により液体収容タンクの液体からミストが発生させられ、そのミストは流路を通って排出口から外部に排出される。このとき、流路に設けられた保持部で保持される飲料用抽出材料により、ミストに飲料用抽出材料の香りが移る。そして、飲料用抽出材料の香りが移ったミストが外部に排出される。
【0008】
このように、本発明によれは、飲料用抽出材料を保持するための保持部を流路に設けるのみで、飲料用抽出材料の香りが移ったミストを排出させることができる。そして、このミストを、美顔術や医療において利用することができる。また、飲料用抽出材料は、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料である。
【0009】
よって、簡易な構成で、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料のみを用いて香りを有するミストを排出させることができる。
【0010】
すなわち、簡易な構成で、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料のみを用いてミスト排出に加えてさらなる効果を得ることができる。
【0011】
(2)また、前記保持部は、水平方向に拡がる板状であって、1ないし複数の貫通穴が形成されていてもよい。前記飲料用抽出材料は、茶葉(紅茶を含む)またはコーヒー豆を挽いた粉末であって、袋体に封入された状態で前記保持部上に載置されていてもよい。
【0012】
このような構成によれば、茶葉(紅茶を含む)またはコーヒー豆を挽いた粉末を袋体に封入し、当該袋体を保持部に載置させた状態で、ミスト発生装置においてミストを発生させれば、香りを有するミストを排出させることができる。
【0013】
すなわち、板状の保持部を設けるのみという簡易な構成で、ミスト排出に加えてさらなる効果を得ることができる。
【0014】
(3)また、前記ケースは、ノズルを備えてもよい。前記排出口は、前記ノズルの先端に設けられていてもよい。前記保持部は、前記ノズルの下方側に位置していてもよい。
【0015】
このような構成によれば、発生したミストを一旦ノズル内に留めておき、そのミストに対して飲料用抽出材料の香りを移すことができる。そして、ミストを排出口から外部に排出できる。
【0016】
そのため、簡易な構成でありながら、飲料用抽出材料の香りが十分に移ったミストを排出できる。
【0017】
また、排出するミストに指向性をもたせることができる。その結果、ミスト発生装置の使い勝手を向上させることができる。
【0018】
(4)また、前記ミスト発生機構は、超音波振動子と、増幅器と、発振回路と、を備えてもよい。前記超音波振動子は、前記液体収容タンクの底面に設けられている。前記増幅器は、前記超音波振動子に接続されている。前記発振回路は、前記増幅器に接続され、発振信号を送る。前記ミスト発生機構は、前記発振回路により発振信号を送り、前記増幅器により発振信号を増幅させて前記超音波振動子を振動させて超音波を発振させ、当該超音波により前記液体収容タンクの液体を振動させてその液面から液柱を噴出させ、当該液柱によってミストを発生させる。
【0019】
このような構成によれば、超音波により粒径の小さいミストを発生させることができる。粒径が小さいことにより飲料用抽出材料の香りを効率よく吸収し、かつ、空間に拡散することができるため、香りが立ちやすい。
【0020】
また、熱を発生させないでミストを発生させるため、飲料用抽出材料の香りが変化することを抑制でき、長時間にわたって飲料用抽出材料の香りを持続させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡易な構成で、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料のみを用いてミスト排出に加えてさらなる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るミスト発生装置を示した断面図である。
図2】本発明の第2実施形態を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
1.ミスト発生装置の構成
図1は、ミスト発生装置1を示した断面図である。
ミスト発生装置1は、ケース2と、保持部3と、液体収容タンク4と、ミスト発生機構5と、電源回路6と、通気菅7と、ファン8とを備えている。
【0024】
ケース2は、ミスト発生装置1の筐体を構成しており、本体ケース21と、筒状部22と、ノズル23とを備えている。
【0025】
本体ケース21は、上下方向に延びる中空状に形成されている。
【0026】
筒状部22は、筒状に形成されており、本体ケース21の上方に配置されている。
【0027】
ノズル23は、筒状部22の上方に配置されている。ノズル23は、上方に向かって先細る中空状のテーパー形状に形成されている。ノズル23の先端(上端)の開口部は、排出口23Aとなっている。
【0028】
本体ケース21、筒状部22及びノズル23は、ミスト発生装置1の外形を構成している。
【0029】
保持部3は、水平方向に拡がる板状に形成されており、筒状部22の内壁に取り付けられている。保持部3には、複数の貫通穴3Aが形成されている。保持部3には、ミストに香りを移すための香気体9が載置されている。すなわち、保持部3は、香気体9を保持している。
【0030】
香気体9は、飲料用抽出材料が袋体に封入された状態のものである。飲料用抽出材料は、茶又はコーヒーであり、茶は、玄米茶、ほうじ茶、緑茶、烏龍茶、ジャスミン茶、紅茶などの茶葉が好適である。なお、コーヒーとはコーヒー豆をひくことで得られた粉末状のものを意味している。飲料用抽出材料として茶を用いる場合、例えば、市販のティーバッグ(茶が封入されたティーバッグ袋)を用いることができる。
【0031】
なお、保持部3に大きな貫通穴を1つ形成し、当該貫通穴をフィルター等で覆い、その上に飲料用抽出材料(袋体に封入された状態の飲料用抽出材料)を載置してもよい。また、飲料用抽出材料は、袋体に封入しない状態でそのまま保持部3上に載置してもよい。
【0032】
液体収容タンク4は、上下方向に延びる中空状に形成されている。
【0033】
ミスト発生機構5は、透過膜51と、超音波振動子52と、増幅器53と、発振回路54とを備えている。
【0034】
透過膜51は、液体収容タンク4の内壁に設けられており、水平方向に拡がっている。液体収容タンク4の内部は、透過膜51によって上方側空間と下方側空間に区画されている。液体収容タンク4の上方側空間には液体41が入れられている。液体収容タンク4の上方側空間の上端部は、筒状部22内と連通している。液体収容タンク4の下方側空間に液体42が充填されており、透過膜51によって封入されている。液体41は、ミストの原料であり、液体42は振動子の冷却水として機能する。なお、透過膜51を廃してもよいが、透過膜51を備えていたほうが動作が安定する。
【0035】
超音波振動子52は、液体収容タンク4の下部(底面)に設けられている。
【0036】
増幅器53は、ケース2の内部に設けられている。増幅器53は、発振信号を増幅させるためのものであって、パワートランジスタからなる。増幅器53は、超音波振動子52と電気的に接続されている。
【0037】
発振回路54は、ケース2の内部に設けられている。発振回路54は、発振信号を送るためのものである。発振回路54は、増幅器53と電気的に接続されている。
【0038】
電源回路6は、ケース2の内部に設けられている。電源回路6は、発振回路54と電気的に接続されている。
【0039】
通気菅7は、ケース2の内部に設けられている。通気菅7は、ケース2の下方側から上方に向かって延びた後、液体収容タンク4に接続されている。
【0040】
ファン8は、通気菅7内の下部に設けられている。
【0041】
ケース2内においては、通気菅7の内部空間、液体収容タンク4の内部空間(液体収容タンク4の上方側空間)、筒状部22の内部空間及びノズル23の内部空間により流路101が形成されている。流路101は、排出口23Aに通じている(排出口23Aと連通している)。保持部3は、流路101のうち、液体収容タンク4から排出口23Aに通じる領域に設けられている。
【0042】
2.ミストの排出
ミスト発生装置1において、電源がオンとなり、発振回路54によって発振信号が送られると、発振信号は増幅器53により増幅されて超音波振動子52に伝達され、超音波振動子52が振動して超音波102が発振される。なお、発振回路54に超音波振動子52と増幅器53を組み込み一体化させてもよい。超音波102によって液体収容タンク4の液体41が振動し、その液面103から液柱104が噴出し、液柱104によってミストが発生する。本構成によって得られるミストは、粒径を非常に小さくすることが可能であり、そのために後述する香気体9の香り成分を非常に効率よく抽出することが可能であるばかりか、空間中にミストが放出された際にも香りが立つ効果を高くすることができる。
【0043】
ミストは、液体収容タンク4(液体収容タンク4の上方側空間)に充満する(留まる)と共に、筒状部22内及びノズル23内に充満する(留まる)。このとき、ミストは、筒状部22内において貫通穴3Aを通過し、香気体9の周囲を通過する(香気体9の近辺を通過し、又は、香気体9の内部を通過する)。これにより、ミストに香気体9の香りが移る。液体収容タンク4の内部空間(液体収容タンク4の上方側空間)、筒状部22の内部空間及びノズル23の内部空間は、1つの空間領域(閉鎖的空間)として形成されており、その中に香気体9が配置されているため、発生するミストに対して香気体9の香りを十分に移すことができる。
【0044】
また、ファン8が駆動され、流路101にエアが流入する。このエアは、流路101内を通過して、排出口23Aから排出される。これにより、液体収容タンク4、筒状部22及びノズル23に充満するミストがエアと共に排出口23Aから排出される。ミストには、上記したように香気体9の香りが移っているため、排出口23Aからは香気体9の香りを有するミストが排出される。
【0045】
ミスト発生装置1から排出されるミストは、例えば、美顔術や医療、空間中の湿度を適切に保つ用途などに用いられている。ミスト発生装置1から排出されるミストは香りを有しているため、美容効果や医療効果、空間で過ごす人間にとっての快適さを高めることにも用いることが可能となる。また、このミストは、消臭効果を高めることもできる。より好適には、密閉空間、例えば会議室やトイレ、浴室などの臭いがこもりやすい空間において香気体9由来の香りを充満させるために用いることである。香気体9に茶、特にカテキンを有する茶を採用した場合は消臭効果や殺菌効果を得ることもできる。
【0046】
3.作用効果
(1)本実施形態によれば、図1に示すように、ミスト発生装置1は、ケース2と、液体収容タンク4と、ミスト発生機構5と、保持部3とを備えている。保持部3は、香気体9(飲料用抽出材料)を保持している。ケース2内には、排出口23Aに連通する流路101が形成されている。保持部3は、流路101のうち、液体収容タンク4から排出口23Aに通じる領域に設けられている。
【0047】
ミスト発生装置1においてミストを発生させると、ミスト発生機構5により液体収容タンク4の液体41からミストが発生させられ、そのミストは流路を通って排出口23Aから外部に排出される。このとき、保持部3で保持される香気体9(飲料用抽出材料)により、ミストに香気体9(飲料用抽出材料)の香りが移る。そして、香気体9(飲料用抽出材料)の香りが移ったミストが外部に排出される。
【0048】
このように、本実施形態によれは、香気体9(飲料用抽出材料)を保持するための保持部3を流路に設けるのみで、香気体9(飲料用抽出材料)の香りが移ったミストを排出させることができる。また、香気体9(飲料用抽出材料)は、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料である。そして、このミストを、美顔術や医療において利用することができる。さらに、密閉空間、例えば会議室やトイレ、浴室などの臭いがこもりやすい空間において香気体9由来の香りを充満させるために用いることである。香気体9に茶、特にカテキンを有する茶を採用した場合は消臭効果や殺菌効果を得ることもできる。
【0049】
よって、簡易な構成で、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料のみを用いて香りを有するミストを排出させることができる。
【0050】
すなわち、簡易な構成で、一般家庭においても簡易に得ることのできる材料のみを用いてミスト排出に加えてさらなる効果を得ることができる。
【0051】
(2)また、本実施形態によれば、図1に示すように、保持部3は、水平方向に拡がる板状に形成されており、複数の貫通穴3Aが形成されている。飲料用抽出材料は、茶(茶葉)又はコーヒー(コーヒー豆を挽いた粉末)であって、袋体に封入された状態で(香気体9として)保持部3上に載置されている。そして、ミスト発生装置1においてミストが発生すると、香気体9の香りがミストに移り、香りを有するミストを排出させることができる。
【0052】
すなわち、板状の保持部3を設けるのみという簡易な構成で、ミスト排出に加えてさらなる効果を得ることができる。
【0053】
(3)また、本実施形態によれば、図1に示すように、ミスト発生装置1において、ケース2は、ノズル23を有している。排出口23Aは、ノズル23の先端に設けられている。保持部3は、ノズル23の下方側に位置している。
【0054】
そのため、発生したミストを一旦ノズル23内に留めておき、そのミストに対して香気体9(飲料用抽出材料)の香りを移すことができる。そして、香りを有するミストを排出口23Aから外部に排出できる。
【0055】
よって、簡易な構成でありながら、香気体9(飲料用抽出材料)の香りが十分に移ったミストを排出できる。
【0056】
また、排出するミストに指向性をもたせることができる。その結果、ミスト発生装置1の使い勝手を向上させることができる。
【0057】
(4)また、本実施形態によれば、図1に示すように、ミスト発生装置1において、ミスト発生機構5は、超音波振動子52と、増幅器53と、発振回路54とを備えている。そして、ミスト発生装置1において、電源がオンとなり、発振回路54によって発振信号が送られると、発振信号は増幅器53により増幅されて超音波振動子52に伝達され、超音波振動子52が振動して超音波102が発振される。超音波102によって液体収容タンク4の液体41が振動し、その液面103から液柱104が噴出し、液柱104によってミストが発生する。
【0058】
そのため、ミスト発生装置1において、超音波により粒径の小さいミストを発生させることができる。
【0059】
また、ミスト発生装置1では、熱を発生させないでミストを発生させるため、香気体9(飲料用抽出材料)の香りが変化することを抑制でき、長時間にわたって飲料用抽出材料の香りを持続させることができる。
【0060】
4.第2実施形態
以下では、図2を用いて本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付することにより説明を省略する。
【0061】
図2に示すように、ミスト発生装置200は、第1実施形態のミスト発生装置1と同様の構成を有しているが、ミスト発生装置1におけるノズル23を有していない。
【0062】
ミスト発生装置200は、例えば、卓上等に載置されて用いられる。ミスト発生装置200では、筒状部22の上端部の開口が排出口22Aとなっている。
【0063】
ミスト発生装置200でミストを発生させると、ミスト発生機構5により液体収容タンク4の液体41からミストが発生させられ、そのミストは流路を通って排出口22Aから外部に排出される。このとき、保持部3で保持される香気体9(飲料用抽出材料)により、ミストに香気体9(飲料用抽出材料)の香りが移る。そして、香気体9(飲料用抽出材料)の香りが移ったミストが外部に排出される。
【0064】
ミスト発生装置200のように、ノズル23を有しない構成であっても、香りを有するミストを外部に排出させることができる。
【0065】
5.変形例
上記した実施形態では、ミスト発生装置では、超音波によりミストを発生させるとして説明した。しかし、ミスト発生装置において、熱を利用する等、超音波以外の方法によりミストを発生させてもよい。
【0066】
また、保持部3が板状であるとして説明したが、保持部3は、かご状に形成されていてもよい。さらに、保持部3は、上記で説明した箇所以外の流路上に設けられていてもよい。この場合、保持部3は、液体収容タンク4の下流側に設けられることが好ましい。また、例えば、保持部3は、ノズル23内に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1,200 ミスト発生装置
2 ケース
3 保持部
3A 貫通穴
4 液体収容タンク
5 ミスト発生機構
9 香気体
21 本体ケース
22 筒状部
22A,23A 排出口
41,42 液体
51 透過膜
52 超音波振動子
53 増幅器
54 発振回路
101 流路
102 超音波
103 液面
104 液柱

図1
図2