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特開2024-171929情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171929
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20241205BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G16H20/00
A61B10/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089300
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石 紘太朗
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】対象者に適した認知機能のサポートをする情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【解決手段】情報処理システムは、対象者の認知機能をサポートする。上記処理システムは、制御部を備える。上記制御部は、上記対象者に認知機能を測定する課題を提供し、上記対象者による上記課題の応答結果を取得し、上記応答結果に基づいて、上記対象者に提供する認知機能の改善に係わる支援情報を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の認知機能をサポートする情報処理システムであって、
前記対象者に認知機能を測定する課題を提供し、
前記対象者による前記課題の応答結果を取得し、
前記応答結果に基づいて、前記対象者に提供する認知機能の改善に係わる支援情報を生成する
制御部
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記対象者の性別情報及び/又は年齢情報を含む対象者情報を取得し、
前記応答結果及び前記対象者情報に基づいて、前記支援情報を生成する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記応答結果及び前記対象者情報に基づき、前記対象者を認知機能に応じて予め設定した複数のクラスのいずれかに分類し、
分類されたクラスに応じて前記支援情報を生成する
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記支援情報は、認知機能を改善する有効成分を含有する食品及び/又は医薬品に関する情報を含む
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記有効成分はクロロゲン酸であり、
前記課題は、前記認知機能に含まれる実行機能及び/又は認知機能速度を測定する課題を含む
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、
認知機能を改善する有効成分を含有する食品及び/又は医薬品の摂取前の前記対象者による前記課題の応答結果である第1の応答結果を取得し、
前記食品及び/又は医薬品の摂取後の前記対象者による前記課題の応答結果である第2の応答結果を取得し、
前記対象者に提示する、前記第1の応答結果に基づく認知機能評価結果と前記第2の応答結果に基づく認知機能評価結果との比較結果に係わる比較結果情報を生成し、
前記比較結果情報に基づき、前記対象者に提供する認知機能の改善に係わる支援情報を生成する
請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記食品及び/又は医薬品の摂取開始日に係わる情報を含む摂取開始情報を取得し、
前記接種開始情報に基づいて、前記食品及び/又は医薬品の摂取後の前記対象者への前記課題の提供のタイミングを設定し、当該設定に基づいて前記対象者に対し前記課題を提供する
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
対象者の認知機能をサポートする情報処理方法であって、
情報処理装置に、
前記対象者に認知機能を測定する課題を提供するステップと、
前記対象者による前記課題の応答結果を取得するステップと、
前記応答結果に基づいて、前記対象者に提供する認知機能の改善に係わる支援情報を生成するステップ
を実行させる情報処理方法。
【請求項9】
対象者の認知機能をサポートするプログラムであって、
情報処理装置に、
前記対象者に認知機能を測定する課題を提供するステップと、
前記対象者による前記課題の応答結果を取得するステップと、
前記応答結果に基づいて、前記対象者に提供する認知機能の改善に係わる支援情報を生成するステップ
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、対象者の認知機能をサポートする情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、認知能力を測定するためのプロセッサ実装システムおよび方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-97488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、認知能力を測定する記載はあるものの、認知機能の改善については記載されておらず、対象者に適した認知機能の改善は不十分であった。
【0005】
本発明は、対象者に適した認知機能のサポートをする情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る情報処理システムは、対象者の認知機能をサポートする。
上記情報処理システムは、制御部を備える。
上記制御部は、
上記対象者に認知機能を測定する課題を提供し、
上記対象者による上記課題の応答結果を取得し、
上記応答結果に基づいて、上記対象者に提供する認知機能の改善に係わる支援情報を生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対象者に適した認知機能のサポートをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係わる情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
図2】上記情報処理システムのサーバ(情報処理装置)のハードウェア構成図である。
図3】有効成分含有物購入後を想定した、サーバでの1回目のアクセス時の情報処理方法を示すフロー図である。
図4】有効成分含有食品購入後を想定した、サーバでの2回目以降のアクセス時の情報処理方法を示すフロー図である。
図5】上記サーバでのユーザの認知機能のクラス判定を説明するための、応答結果に基づくスコアの正規分布をもつ確率分布を示す図である。
図6】上記情報処理システムに含まれるフィードバック情報データベースが記憶する情報の一例を示す図である。
図7】有効成分含有物購入前を想定したサーバアクセス時の情報処理方法を示すフロー図である。
図8】有効成分含有物が包装された製品の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を、図面を用いて説明する。以下の情報処理方法の説明において、既出のステップについては同様のステップ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0010】
<情報処理システム>
図1に示すように、情報処理システム100は、認知機能サポートサーバ(以下、単に「サーバ」という。)10と、ユーザ端末1とを含む。サーバ10は、認知機能サポート事業者が運営に用いる情報処理装置である。サーバ10は、例えば自身の認知機能に関心を示す対象者(以下、「ユーザ」という。)に対して、認知機能を測定する課題を提供し(課題提供)、当該課題に対する応答結果に基づいてユーザの認知機能を評価し(認知機能評価)、認知機能評価結果に応じた認知機能の改善に係わる支援情報を提供する(支援情報提供)、といった認知機能をサポートする一連のサービスを提供する。サーバ10とユーザ端末1とは、無線又は有線の通信網により接続可能となっており、当該通信網を介してデータの送受信が可能となっている。通信網は、例えばインターネットである。
【0011】
本実施形態では、ユーザが、認知機能を改善する有効成分を含有する食品及び/又は医薬品(以下、「有効成分含有物」という。)を購入した者である例を挙げる。
【0012】
有効成分含有物とは、認知機能の改善をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品や医薬品、機能性食品、特定保健用食品、機能性表示食品、サプリメントが含まれる。典型的には、有効成分含有物は、有効成分が効率的に摂取できるように、所定量以上の有効成分を含むものである。有効成分含有物の形態は、固形、半固形、顆粒状、粉末状又は液状であり得る。
【0013】
「認知機能の改善に係わる支援情報(以下、単に「支援情報」という。)」は、課題に対する応答結果に基づくユーザの認知機能評価結果に係わる情報(現状の認知機能評価結果、認知機能の経時変化等)の提示を含む。また、支援情報は、認知機能評価結果に基づいた、有効成分含有物に関する製品情報の提示や当該有効成分含有物の摂取の提案等を含む。また、支援情報は、応答結果に基づいた生活習慣に係わるアドバイスが含んでいてもよい。ユーザに対して、ユーザに適した支援情報が提示されることで、ユーザの認知機能をサポートすることができる。
【0014】
認知機能を改善する有効成分としては、例えばコーヒー豆由来のクロロゲン酸等がある。クロロゲン酸は、加齢等によって衰える認知機能の一部である、実行機能、認知機能速度を改善し得る。
【0015】
実行機能(遂行機能)とは、目標達成のために計画的に段取りをつけて行動し、状況に応じて適切に注意を切り替える力のことである。実行機能が衰えると日常生活や仕事における様々な行動が思うようにいかなくなる。
【0016】
認知機能速度(精神運動速度)とは、思考(情報処理)、反応、動作などのスピードのことを示し、複雑な視知覚情報を認識し、応答し、運動協調する力のことである。認知機能速度は、例えば楽器の演奏や車の運転のような、機械や道具の正確な操作など、認知機能との協調が必要な単純動作に関連する。このような認知機能との協調が必要な動作は、例えばスマートフォンの文字入力等も含まれると考えられる。
【0017】
<ユーザ端末の機能ブロック構成>
ユーザ端末1は、典型的には、認知機能のサポートを受けるユーザが所持する端末である。ユーザ端末1は、例えばスマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。ここでは、スマートフォンである場合を例にあげて説明する。
【0018】
図1に示すように、ユーザ端末1は、通信部2と、入力部3と、出力部4と、処理部5と、センサ部6と、記憶部7とを有する。入力部3は、操作受付部31と、音声入力部32とを含む。出力部4は、各種情報を提示する出力デバイスである。出力部4は、表示部41と、音声出力部42とを含む。センサ部6は、撮像部61を含む。
【0019】
本実施形態では、ユーザに提示される提示情報が表示部41に表示される画像信号(画像情報)である例を挙げる。尚、提示情報が、画像情報に加えて、或いは、替えて、音声出力信号(音声出力情報)によってユーザに提示されてもよい。
【0020】
[通信部]
通信部2は、例えばインターネットを介して、サーバ10との間で各種情報の送受信をする。通信部2は、サーバ10から、提示情報として、ユーザ情報を取得するためのアンケートが示された入力用画像(以下、「アンケート画像」という。)、ユーザの認知機能を測定する課題が示された入力用画像(以下、「課題画像」という。)、支援情報が示された画像を受信する。
【0021】
通信部2は、アンケート画像に対してユーザが入力した入力情報(ユーザ情報)及び課題画像に対してユーザが入力した入力情報(応答結果情報)を、サーバ10に送信する。通信部2は、入力部3で取得した入力情報(操作受付部31で取得した入力操作情報、音声入力部32で取得した音声入力情報等)、撮像部61で取得した画像情報をサーバ10に送信する。詳細については後述する。
【0022】
[操作受付部]
操作受付部31は、例えば、タッチパネル、タッチパッド、ペンタブレット、マウス等のポインティングデバイスやキーボードといった入力デバイスである。操作受付部31がタッチパネルを含む場合、そのタッチパネルは後述する表示部41と一体となり得る。ユーザ端末がスマートフォンの場合、操作受付部は典型的にはタッチパネルである。操作受付部31からの入力操作情報は、サーバ10に送信され得る。
【0023】
例えば、認知機能を測定する課題にユーザの反応速度をみる課題がある場合、サーバ10は、入力操作情報を用いて、課題が表示部41に表示されてからユーザが操作受付部31での入力操作を行うまでにかかった時間、つまりユーザの反応時間を用いて反応速度(応答速度)を算出し、当該算出結果を用いて認知機能を測定することができる。
【0024】
[音声入力部]
音声入力部32は、マイクロホン等で構成される。音声入力部32は、例えばユーザの音声を取得する。ユーザによるアンケートに対する回答や課題に対する応答が音声入力部32を用いた音声入力であってもよく、当該音声入力情報がサーバ10に送信されてもよい。
【0025】
例えば、課題応答が音声で行われる場合、サーバ10は、ユーザ端末1から送信された音声入力情報を用いて反応速度を算出し、当該算出結果を用いて認知機能を測定してもよい。
【0026】
[表示部]
表示部41は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示パネルで構成される。表示部41では、サーバ10から受信したアンケート画像、課題画像、支援情報が示された画像が表示される(視覚提示)。
【0027】
[音声出力部]
音声出力部42は、スピーカ等で構成される。音声出力部42は、上記画像表示に加えて、或いは、上記画像表示に替えて、サーバ10から受信した提示情報を音声によって提示(聴覚提示)してもよい。例えば、画像に加えて、当該画像に示される事項が音声で読み上げられることで、周囲環境により画面が見づらい時であっても、提示内容を把握しやすい。
【0028】
[他の出力部例]
また、出力部4は、触覚提示部を含んでいてもよい。触覚提示部は、ユーザに対して物理的振動による触覚提示を与えることのできる振動モータで構成される。例えば、サーバ10は、有効成分含有物の摂取忘れを防止するために所定の時間に摂取を促す通知を、画像に加えて、或いは、替えて、音声や振動でユーザに対して行ってもよい。また、有効成分含有物の摂取開始から所定期間経過したときに、摂取による効果を評価するための課題を実施するタイミングを知らせる通知を、画像に加えて、或いは、替えて、音声や振動でユーザに対して行ってもよい。
【0029】
[処理部]
処理部5は、例えば表示部41での画像表示を制御する。具体的には、通信部2で受信した提示情報に基づく画像を表示部41に表示させる。また、処理部5は、アンケート画像や課題画像に対して行われた入力情報等を、通信部2を介してサーバ10へ送信するように制御する。また、処理部5は、音声出力部42による音声提示や触覚提示部による触覚振動提示等を制御してもよい。
【0030】
[撮像部]
撮像部61としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Devices)センサ等のイメージセンサを備えるカメラが用いられる。撮像部61は、例えばユーザ端末1を使用するユーザの目を撮影することが可能である。
【0031】
例えば、課題にユーザの反応速度をみる課題がある場合、サーバ10は、撮像部61で取得されたユーザの目の動き情報を含む画像情報を用いて、黒目の軌跡からユーザの反応速度を算出し、当該算出結果を用いて認知機能を評価してもよい。また、ユーザの入力操作情報、ユーザの目の動きを含む画像情報、音声入力情報から選択される1以上の情報を用いて、反応速度が算出されてもよい。
【0032】
[記憶部]
記憶部7は、例えば通信部2がサーバ10と送受信する各種情報を記憶してもよい。
【0033】
<サーバ(情報処理装置)のハードウェア構成>
図2に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、入出力インタフェース55、及び、これらを互いに接続するバス54を備える。
【0034】
CPU51は、必要に応じてRAM53等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながらサーバ10の各ブロック全体を統括的に制御する。ROM52は、CPU51に実行させるOS、プログラムや各種パラメータ等のファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM53は、CPU51の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0035】
入出力インタフェース35には、表示部56、操作受付部57、記憶部58、通信部59等が接続される。
【0036】
表示部56は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等を用いた表示デバイスである。
【0037】
操作受付部57は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、タッチパネル、その他の入力装置である。操作受付部57がタッチパネルである場合、そのタッチパネルは表示部56と一体となり得る。
【0038】
記憶部58は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部58には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0039】
通信部59は、例えばEthernet用のNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールであり、上記ユーザ端末1との間の通信処理を担う。
【0040】
なお、図示しないが、ユーザ端末1の基本的なハードウェア構成も上記サーバ10のハードウェア構成と略同様である。
【0041】
<サーバ(情報処理装置)の機能ブロック構成>
サーバ10は、通信部11と、制御部12と、記憶部13とを有する。
【0042】
記憶部13は、プログラム記憶部131と、評価情報DB(データベース)132と、課題DB133と、ユーザ情報DB134と、フィードバック情報DB135と、を有する。記憶部13は、図2のハードウェア構成における記憶部58に対応する。
【0043】
制御部12は、ユーザの認知機能のサポートに係わる一連の処理、具体的には、課題提供処理、認知機能評価処理及び支援情報提供処理を行う。制御部12は、提示情報生成部121と、評価部122とを有する。CPU51が、プログラム記憶部131に記憶されているプログラムをRAM53にロードして実行することにより、提示情報生成部121、評価部122を実現する。
【0044】
[通信部]
通信部11は、例えばインターネットを介して、ユーザ端末1との間で各種情報の送受信をする。通信部11は、ユーザ端末1の表示部41に表示する各種画像(アンケート画像、課題画像、支援情報を示す画像)を含む提示情報をユーザ端末1に送信する。通信部11は、ユーザ端末1での入力操作情報、ユーザ端末1で取得された画像情報や音声入力情報等を受信する。
【0045】
[提示情報生成部]
提示情報生成部121は、ユーザ端末1の表示部41に表示する表示画像等の提示情報を生成する。生成された提示情報は、通信部11を介して、ユーザ端末1に送信される。ユーザ端末1では、当該提示情報に基づき、表示部41に画像が表示される。尚、本実施形態では、画像情報を生成する例をあげるが、提示情報生成部121は、提示情報として、ユーザ端末1の音声出力部42から出力される音声出力信号や触覚振動を提示する振動モータの駆動信号を生成してもよい。
【0046】
提示情報生成部121は、アンケート画像を生成する。アンケート画像は、ユーザ情報を取得するためのアンケートが示される画像である。ユーザ情報には、ユーザの属性情報等が含まれる。ユーザの属性情報としては、氏名、年齢(年代)、職業・業種、住所(居住エリア)、性別、メールアドレス等の連絡先、といった一般的な情報が含まれる。
【0047】
また、アンケートには、現在気になる症状をチェックする項目があってもよい。気になる症状としては、認知機能低下に伴って現れやすい症状がある。以下の(1)~(4)は、チェック項目の一例である。アンケート画像には各項目に対応してチェックボックスを設け、ユーザが該当すると思う項目にチェックするようになっている。
【0048】
(1)以前より段取りが悪くなった。
(2)優先順位がつけられなくなった。
(3)予期できないことが起きると対処できないときがある。
(4)複数のやるべき物事のうち、いくつかし忘れることがある。
【0049】
このようなチェック項目を設け、ユーザ自身がチェックすることで、ユーザは自身の状態を自覚することができ、認知機能の改善への意識を高めることができる。
【0050】
ユーザ端末1の表示部41にアンケート画像が表示され、ユーザによりアンケートに対する回答が入力される。当該入力情報(アンケート回答結果情報)は、ユーザ情報であり、サーバ10へ送信される。サーバ10は、ユーザ情報を受信すると、ユーザを識別するためのユーザID(ユーザ識別情報)を発行し、ユーザ端末1に送信し、ユーザの会員登録を行う。会員登録を行うことで、ユーザは、サーバ10が提供するサービスを受けることができる。ユーザIDは、サーバ10にアクセスするためのアカウント情報として機能してもよい。提示情報生成部121は、ユーザID及びアンケートによって取得したユーザ情報を、ユーザ毎に対応付けてユーザ情報DB134に記憶する。
【0051】
提示情報生成部121は、課題DB133に予め記憶されている情報を用いて、認知機能を測定する課題が示される課題画像を生成する。
【0052】
ユーザ端末1の表示部41に課題が表示され、ユーザにより課題に対する応答が入力される。当該入力情報(応答結果情報)は、サーバ10へ送信される。サーバ10は、応答結果情報を、課題を行った日時情報とともにユーザ毎にユーザ情報DB134に記憶する。
【0053】
ここで、詳細については後述するが、評価部122は、応答結果情報を用いて、ユーザの認知機能のスコア及び偏差値を算出し、偏差値に基づいてユーザの認知機能のクラスを判定する。「スコア」は、応答結果情報(課題の成績)を100点満点で換算した点数を示す。以下、スコア、偏差値及びクラスに係わる情報を、「認知機能評価結果情報」ということがある。認知機能評価結果情報は、評価部122から提示情報生成部121へ出力される。
【0054】
提示情報生成部121は、ユーザに対して提示する認知機能評価結果情報を示す画像を生成する。当該画像において、ユーザの認知機能は、偏差値及びスコアにおいては数値で表現され、クラスにおいてはA~Dの文字で表現され、可視化される。これにより、ユーザは、自身の認知機能の状態を可視化した状態で把握することができ、自身の認知機能を客観的に把握しやすい。認知機能評価結果情報は、認知機能の改善に係わる支援情報である。
【0055】
提示情報生成部121は、比較結果情報を示す画像を生成する。当該比較結果情報は、有効成分含有物摂取前に実施した課題に対する応答結果(第1の応答結果)に基づく認知機能評価結果と、有効成分含有物摂取後に実施した課題に対する応答結果(第2の応答結果)に基づく認知機能評価結果との比較結果に係わる情報である。
【0056】
比較結果情報によって、ユーザは、自身の認知機能の変化を可視化した状態で把握するとともに、有効成分含有物摂取による効果を実感することができる。比較結果に係わる情報は、認知機能の改善に係わる支援情報である。
【0057】
比較結果情報は、偏差値の経時変化を表すものであり、比較結果情報の提示はユーザに対して提供されるモニタリングサービスといえる。比較結果情報は、例えば、C、C、B…、47、49、50といったように、課題実施日が古いものから新しいものに向かって順に時系列に並んだクラスや偏差値で、画像上に表示されてもよい。また、偏差値の経時変化をグラフで表現してもよく、認知機能の経時変化をより直感的に把握しやすい。モニタリングサービスが提供されることで、ユーザは有効成分含有物摂取による認知機能の向上、維持、低下といった変化を確認することができる。これにより、ユーザは、自身の認知機能により一層関心をもちやすく、また、有効成分含有物摂取を継続する意欲を良好に維持させやすい。
【0058】
また、比較結果情報の他の提示例として、今回の偏差値から前回の偏差値を差し引いた値(差分)が表示されてもよい。差分がプラスであれば認知機能が改善していると推定される。差分が0であれば認知機能は維持されていると推定される。差分がマイナスであれば認知機能が低下していると推定される。また、認知機能のクラスを表すA~Dの文字に網掛けをし、クラス毎に網掛けの色を変えるといった表示としてもよい。例えば、A及びBクラスに緑色の網掛けをし、Cクラスに黄色の網掛けをし、Dクラスに赤色の網掛けをし、AクラスとBクラスとでは緑色の濃淡を変えた網掛けとするなどしてもよい。このようにクラスを色分け表示することで直感的に自身の認知機能の状態を把握しやすく、また、前回のクラスと今回のクラスと並べて表示した際に、例えば、網掛けの色が黄色から緑色になった等から認知機能の変化を直感的に把握することができる。
【0059】
このように、有効成分含有物摂取による効果は自身ではわかりづらいところがあるが、本発明のように、認知機能を測定する課題の応答結果に基づいて求めたクラスや偏差値で可視化して比較提示されることで、ユーザは、有効成分含有物摂取による効果を実感しやすく、また、生活習慣を見直すきっかけを得ることができる。例えば、クラス(又は偏差値)が前回より上がった場合、ユーザは、現在実行している有効成分含有物の摂取が自身に適したものであると認識しやすくなり、有効成分含有物摂取の継続の意思を維持しやすい。また、例えば、クラス(又は偏差値)が前回より下がった場合、しばらく有効成分含有物の摂取を忘れていた等、生活習慣を見直すきっかけとなる。
【0060】
提示情報生成部121は、評価部122により判定されたユーザの認知機能のクラス情報に基づいて、後述するフィードバック情報DB135を参照して、ユーザに提示するフィードバック情報が示される画像を生成する。フィードバック情報は、認知機能の改善に係わる支援情報である。支援情報には、有効成分含有物の摂取の勧め等が含まれる。
【0061】
[評価部]
評価部122は、後述する課題DB133に記憶される課題の解答情報を参照して、応答結果の答え合わせをし、課題実施に対する成績を100点満点のスコア(点数)で算出する。更に、評価部122は、課題DB133に記憶される年代毎の平均値情報及び標準偏差情報を参照し、評価対象のユーザの年代と同じ年代に紐づけられている平均値情報及び標準偏差情報を用いてスコアから偏差値を算出する。
【0062】
評価部122は、後述する評価情報DB132を参照し、算出したユーザの偏差値に基づいて、ユーザの認知機能をA~Dの4つのクラスのいずれかに分類し、ユーザの認知機能のクラスを判定する。Aが最も認知機能が高いことを示し、B、C、Dといくにつれて認知機能が順に低くなっていく。
【0063】
このように、年代毎の平均値情報及び標準偏差情報を参照して、ユーザの認知機能の偏差値を算出することで、偏差値及び当該偏差値に基づいて判定されたクラスが提示されることで、ユーザは自身と同じ年代の中で自身の認知機能がどの程度のものなのかを把握することができる。また、認知機能の経時変化をみる場合、偏差値を用いることで、例えば同一ユーザが、50代の時に実施した課題の成績と60代の時に実施した課題の成績とを、同じ評価基準で比較することができ、ユーザ自身の認知機能の変化をより正確に把握することができる。
【0064】
評価部122は、算出したスコア情報、算出した偏差値情報、判定したクラス情報を、提示情報生成部121に出力する。
【0065】
また、評価部122は、スコア情報及びユーザ情報(年代情報)に加え、アンケートの現在気になる症状を問う質問に対する回答結果情報を用いて、ユーザの認知機能を評価するクラスを判定してもよい。例えば、スコア情報及び年代情報を用いて判定したクラスはBであるが、限りなくCクラスの偏差値に近い場合(例えばCクラスに分類される偏差値の上限値との差が2以下等)は、気になる症状にチェックされた項目が所定の数以上(例えば2以上)あればCクラスに分類する等してもよい。これにより、ユーザが普段の生活の中で実感している身体の状態により適したクラスを判定することができ、より適切な認知機能改善に係わる支援情報を提供することができる。
【0066】
[プログラム記憶部]
プログラム記憶部131は、サーバ(情報処理装置)10に、ユーザの認知機能のサポートに係わる一連の処理等を実行させるためのプログラムを記憶している。当該プログラムは、光ディスク、半導体メモリなどの可搬性の記録媒体から読み取られてもよいし、ネットワーク上のサーバからダウンロードされてもよい。
【0067】
上記ユーザの認知機能のサポートに係わる一連の処理は、認知機能を測定する課題をユーザに提供するステップと、ユーザによる課題の応答結果を取得するステップと、応答結果に基づいて、ユーザに提供する認知機能の改善に係わる支援情報を生成するステップを含む。
【0068】
[課題DB]
課題DB132は、認知機能を測定する課題と、各課題を識別する課題識別番号と、課題の解答情報と、年代毎の課題の平均値情報及び標準偏差情報とを、課題毎に、対応付けて予め記憶する。
【0069】
課題は1以上用意される。精度の良い認知機能の変化情報を得る観点からは、複数の内容が異なる課題が用意されることが好ましい。ユーザに対して課題を定期的に課して認知機能の経時変化をみる場合、毎回同じ内容の課題を課すことで、ユーザが課題に慣れてしまい、正確な認知機能の測定が難しくなる場合があるので、内容が異なる課題が複数用意されることが好ましい。課題は、典型的には、全ての年代(例えば概ね20歳代~90歳台)に共通して用いることができるものが用意される。
【0070】
課題の解答情報に基づいて、応答結果(成績)が100点満点で換算されたスコア(点数)で表現される。課題の具体的な内容、及び、課題の解答情報については、後述する(課題例)で説明する。
【0071】
課題に対する成績の平均値及び標準偏差について説明する。各課題の成績の平均値及び標準偏差値は、年代毎に予め算出されて課題DB132に記憶される。平均値及び標準偏差値は、予め取得した年代別の複数の人の応答結果データに基づくスコアを基に、年代毎に算出する。一般にデータ総数が1000を超えた分布では、図5に示すような正規分布に近い確率分布が得られるケースが多いことがわかっている。つまり、予め取得した複数の人の応答結果データを用いて、年代毎に、正規分布の形を決定する平均値と標準偏差を求めることできる。当該平均値及び標準偏差は、年代毎に異なる数値を取り得る。図5において、中央の破線で示される箇所が偏差値50を示し、平均点に対応する。
【0072】
尚、ここでは、年代毎に平均値情報及び標準偏差情報を設定する例をあげたが、性別毎に設定してもよい。また、60歳代の女性、60歳代の男性、70歳代の女性、70歳代の男性・・・というように、年代及び性別毎に平均値情報及び標準偏差情報を設定してもよい。
【0073】
年代毎及び/又は性別毎の平均値及び標準偏差を用いることで、ユーザのスコアから、当該ユーザの年代及び/又は性別に応じた偏差値を求めることができる。このように、年齢及び/又は性別といったデモグラフィックデータを用いることで、より正確にユーザの認知機能を評価することができ、このような評価結果に基づいて支援情報が提示されることで、ユーザにより適した認知機能のサポートをすることができる。
【0074】
また、複数の内容が異なる課題毎(言い換えると課題識別番号毎)に、平均値情報及び標準偏差情報が対応付けられることで、認知機能の評価を精度良く行うことができる。例えば、課題の難易度が異なる場合であっても、各課題の成績に基づく認知機能の評価を同じ基準で評価することができる。従って、毎回内容が異なる課題を実施して、認知機能の経時変化をみる場合であっても、認知機能の経時変化を精度良く評価することができる。更に、本実施形態では、年代毎に平均値及び標準偏差が予め算出されているので、同一ユーザが、60歳代のときに実施した課題の成績と70歳代のときに実施した課題の成績とを、自然な加齢による認知機能の低下が加味された形で評価することができ、認知機能の経時変化を精度良く評価することができる。このような評価結果に基づいて支援情報が提示されることで、ユーザに適した認知機能のサポートをすることができる。
【0075】
(課題例)
認知機能は、「実行機能」、「認知機能速度」、「記憶」、「注意」等を含む複数の領域に分類される。支援情報として、ユーザに有効成分含有物の摂取を提案する場合、提案する有効成分含有物の有効成分による改善効果が期待される領域に対する力を測定する課題がユーザに課されるよう構成することが好ましい。これにより、認知機能の中のある領域の改善を必要とするユーザに対して、的確に当該ユーザに適した支援情報を提供することができる。
【0076】
本実施形態では、有効成分としてクロロゲン酸を含む有効成分含有物の摂取を提案する例を挙げる。課題DB133は、認知機能の一部である、「実行機能」、「認知機能速度」を測定することができる課題を記憶する。
【0077】
例えば、実行機能を測定する課題例として、所要時間約4~5分のストループテスト(Stroop Test)、所要時間約2.5分の注意シフトテスト(Shifting Attention Test)、所要時間約15分のトレイルメイキングテスト-B(Trail Making Test-B)等がある。いずれのテストもユーザ端末1の表示部41に課題が表示されるものとする。また、ユーザ端末1は、タッチパネルを備えるものとし、表示パネル上におかれたタッチパネルのユーザが接する面を以下、画面という。
【0078】
尚、どの種類のテストをいくつユーザに課すかは特に限定されないが、例えば各テストの所要時間を参照し、ユーザの年代に応じてユーザの負担にならないように課すテストを選択するようにしてもよい。或いは、ユーザが課題実施にどのくらいの時間を割けるかをアンケートで予め質問し、その回答結果に応じて課すテストを選択するようにしてもよい。これにより、課題実施の負担をユーザに感じさせにくくすることができ、また、定期的な課題実施の負担も感じさせにくくすることができる。その結果、ユーザは、自身の認知機能の変化により関心を抱きやすくなり、ひいては、有効成分含有物の摂取継続を意識することができる。
【0079】
また、ここでは、ユーザ端末がタッチパネルを備え、タッチパネルを用いて入力操作を行う例をあげるが、例えばユーザ端末がタッチパネルを備えない場合、キーボード等の他の入力操作手段から入力操作が行なわれてもよい。サーバ10は、タッチパネルを有さないユーザ端末に対して、タッチパネルが必要な課題を提示しないようにしてもよい。
【0080】
ストループテストは3つのパートから成る。第1パートは黒文字で赤、黄、青及び緑の文字がランダムに画面に現れる。文字が出たらできるだけ早く画面をタッチする。第2パートでは、赤、黄、青及び緑の文字が色文字で表示される。ユーザは文字の色と文字の意味が一致したら画面をタッチする。第3パートでは、赤、黄、青及び緑の文字が色文字で表示される。ユーザは文字の色が文字の意味と一致しない時だけ画面をタッチする。このような課題に応答することで反応速度と正確さから実行機能を測定する。「反応速度と正確さ」は「応答結果情報」であり、他の2つのテストにおいても同様である。課題DBに記憶される、ストループテストに対応付けられる解答情報は、例えば、反応速度及び正確さに応じたスコア情報である。
【0081】
注意シフトテストは一つの指示から異なる指示へ、素早く正確に対応する力を測定する。ユーザは、画面に表示される幾何学図形について形か色の適合を指示される。画面には、画面上部に1つ、画面下部に2つ、計3つの図形が表示される。画面上部の図形は四角又は円である。画面下部の図形は四角と円である。図形は赤又は青の色にランダムに塗られている。ユーザは、画面上部の図と適合する図形を画面下部の図形から、画面をタッチすることで選ぶが、その選ぶ際のルールは、例えば形があっているもの、又は、色が同じもの、というようにランダムに変わる。選ぶ際のルールは音声によって指示されてもよいし、画面上に文字で指示されてもよい。このような課題に応答することで反応速度と正確さから実行機能を測定する。課題DBに記憶される、注意シフトテストに対応付けられる解答情報は、例えば、反応速度及び正確さに応じたスコア情報である。
【0082】
トレイルメイキングテストは、画面上に数字と平仮名が表示され、数字と平仮名を交互に、それぞれ順に結ぶ課題である。このような課題に応答することで反応速度と正確さから実行機能を測定する。課題DBに記憶される、実行機能を測定する課題であるトレイルメイキングテストに対応付けられる解答は、例えば、反応速度及び正確さに応じたスコア情報である。
【0083】
例えば、認知機能速度を測定する課題例として、集団から特定のシンボルを探し出す課題等がある。例えば、表示部41に表示された複数の数字がかかれた表(集団)から特定の数字(特定のシンボル)を探し出しタッチするといった課題がある。当該課題は、単純な視覚運動活動を測定するものであり、特定の数字を見つけ出すまでにかかった時間を測定し、当該時間情報に基づいて反応速度(認知機能速度)を測定してもよい。「反応速度」は「応答結果情報」である。一般に、年配の方よりも若い成人の方が素早く反応する。課題DBに記憶される、当該認知機能速度を測定する課題に対応付けられる解答情報は、例えば反応速度に応じたスコア情報である。
【0084】
実行機能を測定する課題、認知機能速度を測定する課題の一方をユーザに提示してもよいし、両方をユーザに提示してもよい。また、ユーザ端末の種類(例えば、タッチパネルを有するか有さないか等)によって提示する課題が決定されてもよい。以下、実行機能及び認知機能速度を、単に「認知機能」と称して説明することがある。
【0085】
[評価情報DB]
本実施形態では、スコア情報に基づいて、ユーザの認知機能を、4つのクラスA~Dのいずれかに分類して、評価する。
【0086】
評価情報DB132は、4つの評価クラスA~Dそれぞれに対応付けた偏差値に関する情報(以下、「評価基準情報」という。)を記憶する。例えば、本実施形態では、評価基準情報として、偏差値60以上をAクラス、偏差値50以上59以下をBクラス、偏差値40以上49以下をCクラス、偏差値39以下をDクラスとする。尚、各クラスの偏差値の値は一例であり、これに限定されない。また、ここでは認知機能をA~Dの4段階で評価する例をあげたが、これに限定されず、2段階以上あればよい。評価基準情報は、クラス判定に際し、あらゆる年代に共通して用いることができる。
【0087】
本実施形態では、課題DB133に、年代毎の平均値情報及び標準偏差情報が記憶されている(性別毎の情報はない)。ここで、同じ年代であっても性別の違いによって平均値及び標準偏差が異なる場合がある。このような場合、評価情報DB132は、性別毎に、異なる評価基準情報を記憶してもよい。例えば、女性の方が男性よりも認知機能低下の進行が早く、全体的に偏差値が男性よりも低くなる場合、ユーザが男性のときは、偏差値60以上をAクラス、偏差値50以上59以下をBクラス、偏差値40以上49以下をCクラス、偏差値39以下をDクラスとする評価基準情報とする。ユーザが女性のときは、偏差値58以上をAクラス、偏差値48以上57以下をBクラス、偏差値38以上47以下をCクラス、偏差値37以下をDクラスとする評価基準情報とする。これにより、性別及び年代に応じたユーザの認知機能のクラスを判定することができる。
【0088】
尚、課題DB133が、年代毎及び性別毎に平均値情報及び標準偏差情報を記憶する場合は、当該情報を用いて性別及び年代に応じた認知機能の偏差値を算出することができるので、当該偏差値に基づいて同一の評価基準情報を用いてクラスを判定してもよい。
【0089】
[ユーザ情報DB]
ユーザ情報DB134は、認知機能の改善に係わる支援情報の提供をうけるユーザのユーザ情報をユーザ毎に記憶している。ユーザ情報には、ユーザID、ユーザの属性情報、行った課題の識別番号、当該課題を行った日時情報、認知機能評価結果情報(スコア情報、偏差値情報及びクラス情報)、比較情報、摂取開始情報、購入情報等がある。
【0090】
摂取開始情報は、有効成分含有物の摂取開始日に係わる情報を含む。摂取開始日は、アンケート画像に摂取開始日を入力する項目を設けることで取得してもよい。或いは、本実施形態では、有効成分含有物を購入したユーザがサーバ10にアクセスすることを想定しているので、当該ユーザが初めてサーバ10にアクセスした日を摂取開始日として設定し、摂取開始情報として記憶してもよい。
【0091】
サーバ10は、摂取開始情報に基づいて、有効成分含有物摂取開始から所定期間経過後(例えば摂取開始から4週間後等)にユーザへの課題の提供のタイミングを設定し、当該設定に基づいてユーザに対し課題を提供するようにしてもよい。これにより、ユーザの課題のし忘れを防止し、ユーザの認知機能の経時変化の情報をより確実に取得することができる。
【0092】
また、サーバ10は、摂取開始情報に基づいて、ユーザの手元に有効成分含有物が残り少なくなってくるタイミングを想定し、そのタイミングに、有効成分含有物の購入に係わるお知らせをしてもよい。これにより、ユーザは買い忘れを防止することができ、有効成分含有物摂取を継続しやすい。購入に係わるお知らせに基づいて行われたユーザによる有効成分含有物の購入に係わる情報(購入情報)は、ユーザ毎に対応づけてユーザ情報DB134に記憶される。当該購入情報は、購入数、購入日時等の情報を含む。
【0093】
また、ユーザ情報DB134には、ユーザ毎に、当該ユーザが入力した、有効成分含有物(例えばクロロゲン酸含有食品)の摂取に対する感想や気付きといった情報が記憶されてもよい。
【0094】
[フィードバック情報DB]
フィードバック情報DB135は、図6(A)に示す例のように、各クラスに応じた支援情報(フィードバック情報)を記憶する。図6(A)に示すように、クラス毎に、現在の認知機能の成績、有効成分含有物の摂取の勧め等の認知機能改善に係わる情報といった支援情報(フィードバック情報)が対応付けられる。
【0095】
フィードバック情報DB135は、図6(B)に示す例のように、比較結果に応じた支援情報(フィードバック情報)を記憶する。比較結果は、有効成分含有物摂取前に実施した課題の応答結果(第1の応答結果)に対する偏差値(図6(B)では前回偏差値と表現する。)と、有効成分含有物摂取開始以降に実施した課題の応答結果(第2の応答結果)に対する偏差値(図6(B)では今回偏差値と表現する。)との比較である。つまり、図6(B)に示すフィードバック情報は、2回目以降の課題実施の際に提示される情報である。
【0096】
図6(B)に示すように、比較結果毎に、ユーザの認知機能の変化、有効成分含有物の摂取継続のすすめ、生活習慣の見直し(有効成分含有物の摂取忘れ防止を目的とした摂取タイミングの見直し等)のすすめ等の支援情報(フィードバック情報)が対応付けられる。
【0097】
ユーザに対してフィードバック情報が提示されることで、ユーザは、自身の認知機能の状態への関心を維持しやすく、有効成分含有物摂取を継続する意欲を良好に維持しやすくなる。
【0098】
<情報処理方法>
サーバ(情報処理装置)10における認知機能サポートするサービスの提供に係わる情報処理の流れについて図3及び図4を用いて説明する。図3は有効成分含有物摂取開始前、図4は有効成分含有物摂取開始以降の情報処理の流れを示す。図3図4、後述の図7において、「ST」は「ステップ」を意味する。図3図4図7に示す情報処理は、制御部12が主体となって実行する処理である。また、同じステップには同じステップ番号を付している。
【0099】
[有効成分含有物摂取開始前]
ここでは、有効成分含有物を購入したユーザが摂取開始前にサーバ10にアクセスする場合(1回目のアクセス)を例にあげて説明する。
【0100】
例えば、図8に示すように、有効成分含有物を内容品として収容する製品20は、包装用袋21と、包装用袋21内に収容される複数の個装体22と、包装用袋21内に収容される説明書23と、を有する。個装体22には、1回使用分の分量の有効成分含有物が収容される。説明書23には、有効成分含有物の内容物の説明、摂取方法(摂取頻度、摂取量、摂取タイミングなどの情報を含む)が印刷されている他、認知機能をサポートするサービスの提供をうけることができるサーバ10へのアクセス手段が印刷されている。アクセス手段は、サーバ10へアクセスするためのURLや、ユーザ端末1で読み取ることでサーバ10へアクセスするURLに変換されるQRコード(登録商標)等である。ここでは、QRコードが印刷されているとする。
【0101】
製品20を購入したユーザが、説明書23に印刷されているQRコードをユーザ端末1で読み取ってサーバ10にアクセスすると、サーバ10は、ユーザ端末1に対して、ユーザ情報を取得するためのアンケート画像の画像情報を送信する。ユーザ端末1は、受信した画像情報に基づいて、表示部41にアンケート画像を表示する。アンケート画像に表示されるアンケート内容は、氏名、年齢(年代)、職業、住所(居住エリア)、性別、メールアドレス等の連絡先、といったユーザの一般的な属性情報である。加えて、上述したように、アンケートに、現在気になる症状をチェックする項目があってもよい。ユーザ端末1では、アンケートに対する回答がユーザにより入力される。この入力情報は、サーバ10へ送信される。当該入力情報は、アンケート結果情報であり、ユーザ情報である。
【0102】
図3に示すように、サーバ10の提示情報生成部121は、ユーザ端末1から、アンケート結果であるユーザ情報(入力情報)を取得する(ST1)。制御部12は、ユーザに対して、会員番号等のユーザID(ユーザ識別情報)を付与し、当該ユーザIDとユーザの属性情報等を紐づけて、ユーザ情報として、ユーザ情報DB134に記憶する。ユーザIDは、ユーザ端末1に送信される。ユーザは、当該ユーザIDを用いて、任意のタイミングで、ユーザ端末1等からサーバ10の会員サイトにアクセスし、サービスを利用することができる。
【0103】
次に、提示情報生成部121は、課題DB132から認知機能を測定する課題に係わる課題情報を取得し、ユーザ端末1に送信し、ユーザ端末1に課題を提示させる(ST2)。
【0104】
ユーザ端末1では、ユーザによる課題への応答が行われる。評価部122は、ユーザ端末1から、課題に対するユーザの応答である応答結果に係わる情報を取得する(ST3)。この応答結果は、有効成分含有物の摂取前の応答結果であり、「第1の応答結果」ということがある。
【0105】
次に、評価部122は、課題DB132が記憶する解答情報を参照して第1の応答結果のスコアを算出する。続いて、評価部122は、スコアとユーザ情報(年代情報)を用い、評価情報DB132が記憶する年代毎の平均値と標準偏差の情報を参照して、評価対象のユーザの認知機能の偏差値を算出する。次に、評価部122は、評価情報DB132を参照し、算出した偏差値に基づいて、評価対象のユーザの認知機能のクラスをA~Dのいずれかに判定する(ST4)。算出したスコア、算出した偏差値、判定したクラスに係わる情報は、提示情報生成部121に出力される。
【0106】
次に、提示情報生成部121は、スコア、偏差値、クラス等の情報を用いて、ユーザに提示する提示情報を生成する(ST5)。当該提示情報は、ユーザ端末1に送信され、表示部41に表示される。本実施形態では、提示情報は、スコア情報、クラス情報、偏差値情報及びフィードバック情報を含む。ユーザの認知機能の状態をユーザがより正確に把握する観点からは、クラス及び偏差値の少なくとも一方が提示されることが好ましく、クラス及び偏差値の両方が提示されることがより好ましい。有効成分含有物摂取前に判定されるクラス及び偏差値は、有効成分含有物摂取によってユーザの認知機能がどのように変化したかを評価する際の重要な基準であり、認知機能の改善に係わる支援情報である。
【0107】
フィードバック情報は、提示情報生成部121により、判定したクラスに基づいて、フィードバック情報DB135を参照して生成される。本実施形態では、図6(A)に示すクラスに応じたフィードバック情報が提示される。これにより、ユーザは、現在の自身の認知機能の状態を把握することができるとともに、認知機能改善に対してどのようなことをすればよいかを把握することができる。
【0108】
また、提示情報には、クラス、偏差値、スコア、フィードバック情報の他、有効成分含有物の内容の説明や摂取の注意点といった情報が含まれていてもよい。また、提示情報には、実際に有効成分含有物を摂取した他のユーザの認知機能の変化や他のユーザの摂取の感想等の情報が含まれていてもよい。
【0109】
提示情報生成部121は、評価対象のユーザが課題を実施した日時、当該課題の課題識別番号、当該課題の応答結果(第1の応答結果)に基づく認知機能評価結果(スコア、偏差値及びクラス)に係わる情報を、ユーザIDに対応づけて記憶し、ユーザ情報を更新し(ST6)、ユーザ情報DB134に記憶する。
【0110】
[有効成分含有物摂取開始以降]
有効成分含有物摂取開始以降に、ユーザがサーバ10にアクセスする場合(2回目以降のアクセス)を例にあげて説明する。
【0111】
サーバ10は、ユーザ情報DB134に記憶されるユーザ情報の前回の課題実施日時から所定の時間が経過すると、ユーザ端末1に対して、電子メールやプッシュ通知などの仕組み又はそれらと同様の仕組みを用いて、認知機能を測定する課題の実施を勧めるお知らせを届けてもよい。例えば、LINE(登録商標)アカウントに、課題の実施の勧めのメッセージを送るようにしてもよい。これにより、課題のし忘れを防止することができる。メッセージ送信のタイミングは、例えば前回の認知機能課題の実施から1か月後等、適宜設定されてもよい。メッセージを受け取ったユーザがサーバ10にアクセスすることで、ユーザに対してサービスが提供され得る。また、ユーザが任意のタイミングで、サーバ10にアクセスし、自身のユーザIDを用いてログインすることで、ユーザに対してサービスが提供されてもよい。尚、ユーザIDによるログインがなされることで、サーバ10へのアクセスが2回目以降であることをわかる。
【0112】
図4に示すように、ユーザ端末1がサーバ10にアクセスすると、サーバ10の提示情報生成部121は、ユーザ情報DB134から、アクセスしてきたユーザのユーザIDに紐づけられたユーザ情報を取得する(ST11)。当該ユーザ情報には、前回以前に実施された課題の実施日時、課題識別番号、認知機能評価結果(スコア、偏差値及びクラス)に係わる情報が含まれる。
【0113】
次に、提示情報生成部121は、課題DB132から認知機能を測定する課題に係わる課題情報を取得し、ユーザ端末1に送信し、ユーザ端末1に課題を提示させる(ST2)。ここで、提示情報生成部121は、前回以前に実施した課題の課題識別番号とは異なる課題識別番号の課題が課題DB132にある場合は、異なる課題識別番号の課題をユーザに対して提示するようにしてもよい。これにより、同じ内容の課題を繰り返し行うことで課題に慣れてしまい、実際の認知機能を正確に示すスコアが得られないといったことがなく、精度よく認知機能を測定することができる。また、認知機能の変化をクラスや偏差値で評価する際、認知機能の変化を精度よく評価することができる。
【0114】
ユーザ端末1では、ユーザによる課題への応答が行われる。評価部122は、ユーザ端末1から、課題に対するユーザの応答である応答結果情報を取得する(ST3)。この応答結果は、有効成分含有物の摂取後の応答結果であり、「第2の応答結果」ということがある。
【0115】
次に、評価部122は、課題DB132が記憶する解答情報を参照して第2の応答結果の答え合わせをし、スコアを算出する。続いて、評価部122は、スコアとユーザ情報(年代情報)を用い、評価情報DB132に記憶される年代毎の平均値と標準偏差の情報を参照して、評価対象のユーザの認知機能の偏差値を算出する。次に、評価部122は、評価情報DB132を参照し、算出した偏差値に基づいて、評価対象のユーザの認知機能のクラスをA~Dのいずれかに判定する(ST4)。算出したスコア、算出した偏差値、判定したクラスに係わる情報は、提示情報生成部121に出力される。
【0116】
次に、提示情報生成部121は、今回実施した課題に対する認知機能評価結果(スコア、偏差値及びクラス)に係わる情報と、1回目に実施した課題に対する認知機能評価結果(スコア、偏差値及びクラス)に係わる情報とを比較する(ST15)。1回目に実施した課題は、有効成分含有物摂取前に実施した課題である。尚、ここでは、1回目に実施した課題に対応する応答結果(第1の応答結果)に基づく認知機能評価結果と、今回実施した課題に対応する応答結果(第2の応答結果)に基づく認知機能評価結果とを比較する例を挙げるが、実施した全ての課題に対する応答結果に基づく認知機能評価結果が時系列に並ぶように比較結果情報を生成してもよい。
【0117】
次に、提示情報生成部121は、ST15での比較結果情報、今回実施した課題に対する認知機能評価結果(スコア、偏差値及びクラス)に係わる情報、及びフィードバック情報を含む提示情報を生成する(ST16)。生成された提示情報はユーザ端末1に送信され、表示される。
【0118】
ユーザは、比較結果情報が提示されることで、有効成分含有物摂取によって自身の認知機能がどのように変化したかを把握することができる。また、偏差値やクラスを提示することによって、現在のユーザの認知機能の状態を把握することができる。
【0119】
上記フィードバック情報は、フィードバック情報DB135を参照し、比較結果情報に基づいて生成される。例えば、図6(B)に示すように、前回のスコアと今回のスコアとの差分(比較結果)に応じたフィードバック情報が提示される。当該フィードバック情報には、ユーザの認知機能の成績の変化、有効成分含有物の摂取継続のすすめ、生活習慣の見直しのすすめ等の支援情報が含まれる。フィードバック情報が提示されることで、ユーザは、自身の認知機能の変化を把握することができるとともに、認知機能改善に対してどのようなことをすればよいかを把握することができる。
【0120】
また、提示情報には、有効成分含有物摂取以外の認知機能のスコア改善(認知機能改善)に効果的なゲーム情報等が含まれていてもよい。また、提示情報生成部121は、ユーザ情報DB134を参照して、ユーザと同じ年代、同じ性別の他のユーザに紐づけられている当該他のユーザの有効成分含有物摂取に対する感想や気付き等の情報を含むように、提示情報を生成してもよい。
【0121】
提示情報生成部121は、今回実施した課題の課題識別番号、当該課題の実施日時、当該課題に対する認知機能評価結果(スコア、偏差値及びクラス)、比較結果に係わる情報等を、ユーザIDに対応づけて記憶し、ユーザ情報を更新し(ST17)、ユーザ情報DB134に記憶する。
【0122】
次に、提示情報生成部121は、有効成分含有物の購入希望の有無を問う質問用画像を提示情報として生成してユーザ端末1に送信し、ユーザ端末1に質問用画像を表示させる。提示情報生成部121は、ユーザ端末1から、ユーザ端末1で質問用画像に対して入力され、購入希望の質問に対するユーザの回答情報を取得する。提示情報生成部121は、取得した回答情報に基づいて、購入希望の有無を判定する(ST18)。
【0123】
提示情報生成部121は、購入希望なし(ST18に対してNO)と判定すると、処理を終了する。尚、提示情報生成部121は、購入希望なしという情報をユーザIDに対応づけて記憶し、ユーザ情報を更新して、ユーザ情報DB134に記憶してもよい。
【0124】
一方、提示情報生成部121は、購入希望あり(ST18に対してYES)と判定すると、ST19に進む。ST19では、提示情報生成部121は、購入する有効成分含有物の数等の入力が可能な購入用画像を提示情報として生成してユーザ端末1に送信し、ユーザ端末1に購入用画像を表示させる。
【0125】
次に、提示情報生成部121は、ユーザ端末1から、ユーザ端末1で購入用画像に対して入力された購入数及び購入日時に係わる入力情報を、ユーザIDに対応づけて記憶し、ユーザ情報を更新して、ユーザ情報DB134に記憶する(ST20)。
【0126】
サーバ10を運営する認知機能サポート事業者は、購入希望ありのユーザへ直接的又は間接的に有効成分含有物を発送する。また、サーバ10は、ユーザ情報DB134が記憶する購入情報に基づいて、ユーザの有効成分含有物の所持状況を推定し、所定のタイミングに有効成分含有物の購入の有無を問う質問をユーザ端末1に提示してもよい。所定のタイミングとは、例えば、ユーザの手元にある有効成分含有物が残り少なくなっていると推定されるタイミングである。これにより、ユーザの有効成分含有物の買い忘れを防止することができる。
【0127】
以上のように、本発明では、ユーザに認知機能を測定する課題を課し、当該課題に対する応答結果を基にユーザの認知機能を評価し、当該評価結果に基づいて、ユーザの認知機能に適した認知機能の改善に係わる支援情報を提供することができる。
【0128】
<その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。以下、変形例を説明する。
【0129】
[変形例1]
上述の実施形態では、有効成分含有物を購入したユーザが摂取開始前にサーバ10にアクセスする例を挙げたが、有効成分含有物を購入する前にユーザ(サービスを受ける対象者となり得る者)がサーバ10にアクセスするようにしても良い。以下、図7を用いて説明する。
【0130】
ユーザ端末1からサーバ10にアクセスすると、サーバ10は、ユーザ端末1に対して、ユーザ情報を取得するためのアンケート画像情報を送信する。ユーザ端末1は、表示部41にアンケート画像を表示する。ユーザ端末1でユーザによって入力されたアンケートに対する回答(ユーザ情報)は、サーバ10へ送信される。
【0131】
図7に示すように、サーバ10の提示情報生成部121は、ユーザ端末1から、ユーザ情報を取得する(ST1)。制御部12は、ユーザに対して、会員番号等のユーザID(ユーザ識別情報)を付与し、当該ユーザIDとユーザの属性情報等を紐づけて、ユーザ情報として、ユーザ情報DB134に記憶する。
【0132】
次に、提示情報生成部121は、課題DB132から認知機能を測定する課題に係わる課題情報を取得し、ユーザ端末1に送信し、ユーザ端末1に課題を表示させる(ST2)。
【0133】
ユーザ端末1では、ユーザによる課題への応答が行われる。評価部122は、ユーザ端末1から、課題に対するユーザの応答である応答結果情報を取得する(ST3)。次に、評価部122は、応答結果情報に基づいてスコア及び偏差値を算出する。次に、評価部122は、算出した偏差値に基づいて、評価対象のユーザの認知機能のクラスをA~Dのいずれかに判定する(ST4)。算出したスコア及び偏差値、判定したクラスに係わる情報は、提示情報生成部121に出力される。
【0134】
次に、提示情報生成部121は、スコア、偏差値、クラス等の情報を用いて、ユーザに提示する提示情報を生成する(ST25)。当該提示情報は、ユーザ端末1に送信され、表示部41に表示される。本実施形態では、提示情報は、クラス情報、偏差値情報、フィードバック情報及びレコメンドの希望問合せ情報を含む。
【0135】
フィードバック情報は、提示情報生成部121により、判定したクラスに基づいて、フィードバック情報DB135を参照して生成される。例えば、上述の実施形態と同様に、図6(A)に示すクラスに応じたフィードバック情報が提示される。これにより、ユーザは、現在の自身の認知機能の状態を把握することができるとともに、認知機能改善に対してどのようなことをすればよいかを把握することができる。
【0136】
レコメンドの希望問合せ情報は、ユーザに対し、レコメンドを希望するか否かを問うものである。ユーザは、表示部41に表示される自身の認知機能のクラス、偏差値、フィードック情報を参照し、レコメンドを希望するか否かの問いに対し、回答することができる。ユーザ端末1にて行われた当該回答結果は、サーバ10に送信される。
【0137】
提示情報生成部121は、受信したレコメンドの希望の問合せに対する回答結果に基づいて、レコメンドを希望しているか否かを判定する(ST27)。
提示情報生成部121は、レコメンド希望なし(ST27に対してNO)と判定すると、処理を終了する。
一方、提示情報生成部121は、レコメンド希望あり(ST27に対してYES)と判定すると、ユーザに提示する、認知機能の改善する有効成分含有物に関する説明等を含む提示情報を生成する(ST28)。当該提示情報は、ユーザ端末1に送信され、表示部41に表示される。
【0138】
次に、提示情報生成部121は、課題を実施した日時、当該課題の課題識別番号、当該課題の認知機能評価結果(スコア、偏差値及びクラス)に係わる情報、レコメンド希望の有無に係わる情報を、ユーザIDに対応づけて記憶し、ユーザ情報を更新し(ST29)、ユーザ情報DB134に記憶する。
【0139】
このように、有効成分含有物購入前のユーザに対して支援情報が提供されてもよい。
【0140】
[変形例2]
上述の実施形態では、応答結果情報に加えユーザ情報(年代情報)を用いて認知機能改善に係わる支援情報を提供する例をあげたが、ユーザ情報を用いずに応答結果情報のみを用いて支援情報を提供してもよい。尚、一般に加齢により認知機能は低下する傾向にあるので、上述の実施形態のように、年代毎に評価情報を作成し、応答結果情報及びユーザ情報(年代情報)に基づいてクラス及び偏差値を算出することが好ましく、認知機能をより精度よく測定することができる。
【0141】
[変形例3]
上述の実施形態の情報処理システム100では、1つのサーバによって支援情報提供に係わる処理が実行される例をあげたが、複数のサーバによって当該処理が行われてもよい。
【0142】
例えば、上述の実施形態では、サーバ10が制御部12と記憶部13を有する例をあげたが、記憶部13に含まれるDBの一部又は全てがサーバ10とは異なる別個のサーバで構成されていてもよい。一例として、サーバ10とは異なる、課題情報を提供する事業者が運営する課題情報提供サーバに課題DBが含まれていてもよい。この場合、サーバ10からの指示によって課題情報提供サーバがユーザ端末1に対して直接課題を提供してもよい。また、サーバ10が、課題情報提供サーバから課題情報(課題内容、課題識別番号、解答情報、平均値情報及び標準偏差情報)を取得した後、ユーザ端末1に課題を提供してもよい。
【0143】
また、ユーザ端末1が、認知機能をサポートする一連のサービスの提供に係わる処理を実行するプログラムの一部又は全てをダウンロードして記憶部7に記憶し、ユーザ端末が支援情報提供に係わる処理の一部又は全てを実行するようにしてもよい。
【0144】
[変形例4]
上述の実施形態では、アンケート画像の表示、課題の提示、支援情報の提示が、ユーザが所持するユーザ端末で行われる例にあげたが、これに限定されない。例えば、店頭や介護施設等に設置される不特定多数の人が使用可能な情報処理装置で行われてもよい。これにより、サービスを受けるのに適当な端末を所持していないユーザであっても、サービスを受けることができる。また、スマートフォン等の使用に慣れていないユーザであっても、例えば店員による補助をうけながらサービスを受けることができる。
【0145】
[変形例5]
上述の実施形態では、1つの有効成分含有物を勧める例をあげたが、複数の異なる有効成分含有物から選択した有効成分含有物をユーザに勧めてもよい。
【0146】
有効成分として、「実行機能」及び「認知機能速度」の改善に効果的なクロロゲン酸を含む有効成分含有物Aと、認知機能に含まれる「記憶」する力の改善に効果的なイチョウ葉フラボノイドを含む有効成分含有物Bと、認知機能に含まれる「注意」する力の改善に効果的なDHA、EPAを含む有効成分含有物Cとがあるとする。
【0147】
このような場合、課題DB132は、実行機能を測定する課題と、認知機能速度を測定する課題と、記憶力を測定する課題と、注意力を測定する課題を記憶してもよい。サーバ10は、ユーザに対して、各領域(実行機能、認知機能速度、記憶力、注意力)を測定する課題をユーザに提供し、それぞれの課題に対する応答結果情報を取得して、ユーザの認知機能のうちどの領域に改善が必要かを判定してもよい。そして、サーバ10は、当該判定結果に基づいて、有効成分含有物A、有効成分含有物B、有効成分含有物Cから選択した1以上の有効成分含有物の摂取を提案する、又は、いずれの有効成分含有物の摂取も提案しない、としてもよい。
【0148】
これにより、ユーザの認知機能の状態に適した有効成分含有物の摂取を提案することができる。また、例えば、いずれの領域の課題の応答結果も高スコアでAクラスが付与される場合は、有効成分含有物の摂取の提案はしないことで、ユーザの経済的な負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0149】
1…情報処理システム
10…サーバ(情報処理装置)
11…制御部
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