(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171980
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】自走式カートの監視システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20241205BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20241205BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20241205BHJP
【FI】
H04N23/60
H04N7/18 E
H04N23/63 310
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089372
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】395023118
【氏名又は名称】株式会社テクノクラフト
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栂坂 昌業
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CC02
5C054CF06
5C054CG07
5C054CH09
5C054EA01
5C054EA05
5C054EA07
5C054FC15
5C054FE16
5C054FE18
5C054FE28
5C054FF02
5C054GB01
5C054GB05
5C122DA11
5C122FA01
5C122FA10
5C122FA18
5C122FK12
5C122FK35
5C122FK38
5C122FK40
5C122FL03
5C122GC14
5C122GD01
5C122GE06
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA90
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】撮影手段により自走式カート内や周囲を撮影可能な自走式カートの監視システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る自走式カートの監視システムは、ゴルフカート1と、ゴルフカート1に取り付けられた情報端末8と、を備えるゴルフカートの監視システムであって、情報端末8は、情報端末8の前方を撮影可能なアウトカメラ12と、情報端末8の後方を撮影可能なインカメラと、を有し、アウトカメラ12とインカメラは、ゴルフカート1の動作に応じて撮影を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式カートと、前記自走式カートに取り付けられた情報端末と、を備える自走式カートの監視システムであって、
前記情報端末は、前記情報端末の前方を撮影可能な第1の撮影手段と、前記情報端末の後方を撮影可能な第2の撮影手段と、を有し、
前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段は、前記自走式カートの動作に応じて撮影を行うことを特徴とする自走式カートの監視システム。
【請求項2】
前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段は、同時に撮影を行わないことを特徴とする請求項1に記載の自走式カートの監視システム。
【請求項3】
前記自走式カートが前進しているときに前記第1の撮影手段が撮影し、前記自走式カートが後進しているときに前記第2の撮影手段が撮影することを特徴とする請求項1に記載の自走式カートの監視システム。
【請求項4】
前記第2の撮影手段は、前記自走式カート内を撮影可能であることを特徴とする請求項1に記載の自走式カートの監視システム。
【請求項5】
前記情報端末は、データを保存する記憶部を有し、
前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段は、所定の時間間隔で静止画像を撮影し、
複数の前記静止画像がコマ送り動画として前記記憶部に保存されることを特徴とする請求項1に記載の自走式カートの監視システム。
【請求項6】
前記第1の撮影手段による撮影と前記第2の撮影手段による撮影を交互に行うことを特徴とする請求項1に記載の自走式カートの監視システム。
【請求項7】
前記情報端末の向きを調節可能な調節具を備え、
前記情報端末の向きが適切でない場合に警告を報知することを特徴とする請求項1に記載の自走式カートの監視システム。
【請求項8】
自走式カートに取り付けられた情報端末が前記情報端末の前方を撮影可能な第1の撮影手段と、前記情報端末の後方を撮影可能な第2の撮影手段と、を有し、
前記情報端末のコンピュータに、前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段が同時に撮影しないように前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段を制御させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
自走式カートに取り付けられた情報端末が前記情報端末の前方を撮影可能な第1の撮影手段と、前記情報端末の後方を撮影可能な第2の撮影手段と、を有し、
前記自走式カートが前進しているときに前記第1の撮影手段により撮影するステップと、
前記自走式カートが後進しているときに前記第2の撮影手段により撮影するステップと、
を前記情報端末のコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影手段を備えた自走式カートの監視システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフ場でゴルフをプレーする際に、キャディバッグを乗せて運んだり、プレイヤー自身が移動する場合に、例えば特許文献1に記載のようなゴルフカートを使用する。特許文献1に記載のゴルフカート(1)は、自動走行モードと手動走行モードとに切り換え可能であり、手動走行モードにすることで運転者が運転操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゴルフカートの走行中に追突事故や転落事故等が発生した際に、事故の責任の所在が不明確である場合がある。また、手動走行モードによりプレイヤーがゴルフカートを運転操作中に乗り入れが禁止されている区域に侵入し、例えば、芝を傷つけてしまうこともある。
【0005】
ゴルフカートの運転操作以外でも、ゴルフカートに乗車しているプレイヤー同士やプレイヤーとキャディとの間でトラブルが発生する場合もあるが、事実関係や責任の所在が明確でないことがある。
【0006】
さらに、自動走行モードによる走行中であっても事故が発生しているという現状がある。
【0007】
そこで、本発明は以上の問題点を解決し、自走式カートの運転方式に依らず、全ての運転方式において、撮影手段により自走式カート内や周囲を撮影可能な自走式カートの監視システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る自走式カートの監視システムは、自走式カートと、前記自走式カートに取り付けられた情報端末と、を備える自走式カートの監視システムであって、前記情報端末は、前記情報端末の前方を撮影可能な第1の撮影手段と、前記情報端末の後方を撮影可能な第2の撮影手段と、を有し、前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段は、前記自走式カートの動作に応じて撮影を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプログラムは、自走式カートに取り付けられた情報端末が前記情報端末の前方を撮影可能な第1の撮影手段と、前記情報端末の後方を撮影可能な第2の撮影手段と、を有し、前記情報端末のコンピュータに、前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段が同時に撮影しないように前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段を制御させることを特徴とするプログラム。
【0010】
本発明に係るプログラムは、自走式カートに取り付けられた情報端末が前記情報端末の前方を撮影可能な第1の撮影手段と、前記情報端末の後方を撮影可能な第2の撮影手段と、を有し、前記自走式カートが前進しているときに前記第1の撮影手段により撮影するステップと、前記自走式カートが後進しているときに前記第2の撮影手段により撮影するステップと、前記情報端末のコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る自走式カートの監視システム及びプログラムによれば、自走式カート内やその周囲で発生した事象を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態の自走式カートの監視システムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態の情報端末の正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態の情報端末電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態のインカメラが上部に設けられた情報端末の側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態のインカメラが中段部に設けられた情報端末の側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態の情報端末の報知画面を示す正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態の情報端末の角度調節時を示す正面図である。
【
図8】本発明の一実施形態の録画データの再生方法及び保存方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態の自走式カートの監視システムを示している。自走式カートであるゴルフカート1は、車両本体2と、4つの車輪3と、乗員が着座するシート4と、運転操作を行う操舵装置5と、屋根部6と、を備えている。シート4の後方にはゴルフバッグ7を積載できるようになっている。本実施形態における自走式カートとは、外部の動力によらず、カート自身が備える動力により走行可能なものをいう。そのため、人が運転操作(遠隔操作を含む。)するものに限らず、自動走行するものも含む。
【0015】
図1及び
図2に示すように、情報端末8は、各種画像や動画等を表示可能な表示部9と、タッチパネル式の操作部10と、情報端末8の後面部11に設けられた撮影手段であるアウトカメラ12(前カメラ)と、情報端末8の前面部13に設けられた撮影手段であるインカメラ14(後カメラ)と、を有している。
【0016】
屋根部6には、情報端末8が取り付けられている。情報端末8の取り付け位置は、アウトカメラ12とインカメラ14により前方、後方、ゴルフカート1内を撮影可能であれば他の位置であってもよい。
図1は、情報端末8が屋根部6に固定された実施形態を示しているが、後述するように、情報端末8の向きや角度を調節する角度調節具28を用いる場合がある。
【0017】
情報端末8は、インターネットを介して管理サーバ15(クラウド)と双方向の無線通信が可能となっている。また、ゴルフ場に設置された管理パソコン16もインターネットを介して管理サーバ15と双方向の通信が可能となっている。なお、情報端末8と管理パソコン16が、有線や無線の近距離通信手段を介して双方向の通信が可能であってもよい。情報端末8としては、アウトカメラ12とインカメラ14を備え、アプリケーションをインストールして動作可能なタブレット端末やスマートフォン等を使用することができる。なお、管理サーバ15は、複数の情報端末8や複数の管理パソコン16との通信が可能であり、当然に、異なるゴルフ場に配設された情報端末8や管理パソコン16との通信も可能である。
【0018】
図3は、情報端末8の電気的構成を示している。同図において情報端末8は、前述した表示部9、操作部10、アウトカメラ12、インカメラ14の他に、制御手段17と、慣性計測部18と、GPS(Global Positioning System:地球測位システム)受信部19と、送受信部20と、記憶部21と、を備えている。
【0019】
制御手段17は、CPU(中央演算装置)を含んで構成され、記憶部21に記憶されたプログラム22に基づいて情報端末8の全体を制御する。このCPUがプログラム22にしたがって演算処理を実行することにより、情報端末8の各機能が実現される。
【0020】
慣性計測部18は、情報端末8が取り付けられたゴルフカート1の動きを検知するための検知手段として、何れも慣性センサーとなる加速度センサー23及びジャイロセンサー24が組み込まれている。また、加速度センサー23は、直交三軸方向の加速度を計測することができ、ジャイロセンサー24は、直交三軸の各軸回りの角速度を計測することができる。慣性計測部18は、ゴルフカート1の加速度や方向転換を計測する。慣性計測部18により計測された加速度情報や角速度情報は、制御手段17の判定部25に送出される。なお、ゴルフカート1が車輪3の回転の有無や回転数を検知する車輪用検知センサー(図示せず)を備え、この車輪用検知センサーの検知結果を取得して判定部25がゴルフカート1の走行の有無を判定してもよい。
【0021】
制御手段17は、アウトカメラ12及びインカメラ14を駆動制御するカメラ制御部26を有している。アウトカメラ12及びインカメラ14は、カメラ制御部26からの駆動信号を受信することで駆動を開始して撮影し、カメラ制御部26からの停止信号を受信することで駆動を停止して撮影を停止する。
【0022】
GPS受信部19は、情報端末8の現在位置を取得する位置計測手段を構成し、複数の人工衛星27からの電波を無線で受信することで、情報端末8の三次元位置(経度、緯度及び高度)を計測し、その位置情報を制御手段17に送出するものである。なお、情報端末8の現在位置を検出できるものであれば、GPS受信部19以外の位置検出装置を利用してもよい。
【0023】
送受信部20は、有線や無線の通信手段を介して、管理サーバ15や管理パソコン16との間の双方向通信を可能にするものである。そのため情報端末8は、管理サーバ15や管理パソコン16との間で後述する各種情報を含む画像データ等を送受信することができる。
【0024】
記憶部21は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成され、GPS受信部19が受信した情報端末8の位置情報の他に、アウトカメラ12及びインカメラ14で撮影した画像データを書き込み及び読み出し可能となっている。
【0025】
表示部9は、情報端末8の本体正面に露出して設けられる液晶モジュールや液晶パネルにより構成され、これらの液晶モジュールや液晶パネルは周知のように、多数のサブ画素を格子状に配列したドットマトリクスによる表示を行なうものである。
【0026】
操作部10は、使用者による操作を受けて、電気的な操作信号を制御手段17に送出するものである。本実施形態の情報端末8では、表示部9がタッチパネルとなっており、表示部9の表面部が操作部10として機能する。
【0027】
情報端末8は、表示部9に広告等を表示することができ、操作部10を操作することでスコアの入力も可能である。情報端末8は、ゴルフカート1から給電可能となっている。
【0028】
図3及び
図4は、情報端末8が角度調節具28によりゴルフカート1の屋根部6に取り付けられた実施形態を示している。なお、
図4に示す情報端末8は、インカメラ14が情報端末8の上部に設けられており、
図5に示す情報端末8は、インカメラ14が情報端末8の中段部に設けられている。角度調節具28は、
図3及び
図4に白抜き矢印で示すように、上下方向(垂直方向)と左右方向(水平方向)の角度を調節可能となっており、情報端末8を所望の角度で固定可能である。
図3及び
図4は、アウトカメラ12が下側となるように情報端末8を角度調節具28に取り付けた状態を示している。情報端末8を取り付ける向きは、アウトカメラ12やインカメラ14の位置や、アウトカメラ12とインカメラ14が撮影可能な範囲等を考慮して決定する。
【0029】
判定部25は、ジャイロセンサー24からの検知信号やアウトカメラ12とインカメラ14の画像データから、アウトカメラ12とインカメラ14が適切な範囲を撮影しているか否かを判定する。判定部25が適切な範囲を撮影していないと判定すると、
図6に示すように、表示部9に警告メッセージMが表示(報知)される。また、表示部9の下部には、「×とじる」の文字が表示されたとじるボタンB1と、「タブレット角度調節へ」の文字が表示された移行ボタンB2が表示される。移行ボタンB2をタップ操作すると、
図7に示すように、表示部9にアウトカメラ12(前カメラ)の映像とインカメラ14(後カメラ)の映像が同時に表示され、この映像を見ながら情報端末8の角度を調節することができる。表示部9の下部には、ボタンB1と、「この角度で決定」の文字が表示された決定ボタンB3が表示される。情報端末8の角度が決定したら、決定ボタンB3をタップ操作する。アウトカメラ12やインカメラ14として広角レンズが使用可能な情報端末8の場合には、広角レンズを使用した状態で情報端末8の角度を決定し撮影してもよい。
【0030】
なお、情報端末8をゴルフカート1に直接取り付けて固定することで、アウトカメラ12とインカメラ14が適切な範囲を撮影可能であれば、
図1に示すように、角度調節具28を使用しなくてもよい。
【0031】
次に、ゴルフカート1の動作とカメラ制御部26によるアウトカメラ12とインカメラ14の制御方法について説明する。
【0032】
ゴルフカート1の動作を慣性計測部18が検知すると、加速度情報や角速度情報が判定部25に送出される。また、GPS受信部19が受信した位置情報が判定部25に送出される。判定部25が加速度情報、角速度情報、位置情報や車輪用検知センサーの検知結果に基づいてゴルフカート1が前進していると判定すると、カメラ制御部26からアウトカメラ12に対して駆動信号が送信される。また、判定部25が、ゴルフカート1が前進している状態から停止したと判定すると、カメラ制御部26からアウトカメラ12に対して停止信号が送信される。駆動中のアウトカメラ12は、所定の時間間隔T(例えば、0.5秒や1.0秒等)で静止画像を連続して撮影する。撮影された画像は、記憶部21に画像データとして記憶保存される。これにより、ゴルフカート1の前進走行時の前方を撮影し記憶することができる。
【0033】
一方、判定部25が加速度情報、角速度情報、位置情報や車輪用検知センサーの検知結果に基づいてゴルフカート1が後進していると判定すると、カメラ制御部26からインカメラ14に対して駆動信号が送信される。また、判定部25が、ゴルフカート1が後進している状態から停止したと判定すると、カメラ制御部からインカメラ14に対して停止信号が送信される。駆動中のインカメラ14は、所定の時間間隔T2(例えば、0.5秒や1.0秒等)で静止画像を連続して撮影する。撮影された画像は、記憶部21に画像データとして記憶保存される。これにより、ゴルフカート1の後進走行時のゴルフカート1内及び後方を記憶することができる。
【0034】
その他、判定部25が加速度情報、角速度情報、位置情報や車輪用検知センサーの検知結果に基づいてゴルフカート1が停止していると判定すると、カメラ制御部26からアウトカメラ12とインカメラ14に対して駆動信号が送信される。駆動中のアウトカメラ12とインカメラ14は、所定の時間間隔T3(例えば、0.5秒や1.0秒等)で、アウトカメラ12による静止画像の撮影とインカメラ14による静止画像の撮影を交互に行う。これにより、ゴルフカート1の停止時の前方、ゴルフカート1内及び後方を撮影し記憶することができる。一般的なタブレット型端末では、アウトカメラとインカメラを同時に起動させて撮影を行うことができない。そのため、本実施形態ではアウトカメラ12による撮影とインカメラ14による撮影を短時間(例えば、0.5秒や1.0秒等)で交互に行うという方法を採用し、アウトカメラ12による撮影の時間間隔(例えば、1.0秒や2.0秒等)と、インカメラ14による撮影の時間間隔(例えば、1.0秒や2.0秒等)をなるべく短くすると共に、ほぼ同時刻におけるゴルフカート1の前方、ゴルフカート1内及び後方の映像を撮影することを実現している。
【0035】
なお、判定部25が、ゴルフカート1が前進していると判定した場合に、カメラ制御部26からアウトカメラ12とインカメラ14に対して駆動信号を送信し、所定の時間間隔T3(例えば、0.5秒や1.0秒等)で、アウトカメラ12による静止画像の撮影とインカメラ14による静止画像の撮影を交互に行うように制御してもよい。これにより、ゴルフカート1の前進走行時の前方を撮影し記憶すると共に、ゴルフカート1内及び後方を撮影し記憶することができる。そのため、運転者による操舵装置5の操作の仕方等を撮影し記憶保存することができる。
【0036】
また、判定部25が、ゴルフカート1が後進していると判定した場合に、カメラ制御部26からアウトカメラ12とインカメラ14に対して駆動信号を送信し、所定の時間間隔T3(例えば、0.5秒や1.0秒等)で、アウトカメラ12による静止画像の撮影とインカメラ14による静止画像の撮影を交互に行うように制御してもよい。これにより、ゴルフカート1の後進走行時の前方を撮影し記憶すると共に、ゴルフカート1内及び後方を撮影し記憶することができる。そのため、運転者による操舵装置5の操作の仕方等を撮影し記憶保存することができる。なお、時間間隔T1、T2、T3は、同一でもよく一部又は全部が異なっていてもよい。
【0037】
情報端末8は、GPS受信部19により位置情報を受信しているため、情報端末8が取り付けられたゴルフカート1が、ゴルフ場内の所定の位置にいる場合にカメラ制御部26からアウトカメラ12とインカメラ14に対して駆動信号を送信し、アウトカメラ12とインカメラ14により静止画像を撮影、それ以外の位置にいる場合には、アウトカメラ12とインカメラ14に対して停止信号を送信するように制御してもよい。
【0038】
本発明に係るゴルフカートの監視システムは、管理サーバ15から情報端末8にダウンロードしインストールしたアプリケーションを起動することで動作する。そのため、カメラ制御部26によるアウトカメラ12とインカメラ14の制御は、アプリケーションを起動することで開始され、アプリケーションを停止するとカメラ制御部26によるアウトカメラ12とインカメラ14の制御も停止する。アプリケーションは、情報端末8の表示部9に表示されたアイコン(図示せず)をタップ操作することで起動するように設定してもよい。また、情報端末8の電源がオンになるとアプリケーションが起動するように設定してもよい。
【0039】
アウトカメラ12とインカメラ14により撮影された画像は、撮影時の日時情報と共に記憶部21に画像データとして記憶保存される。また、情報端末8は、画像データを編集する編集部29を有しており、アウトカメラ12とインカメラ14が撮影した画像データをコマ送り動画に編集することができる。このコマ送り動画は、例えば、アウトカメラ12とインカメラ14により撮影が開始され停止されるまでの間に連続して撮影された複数の画像を時系列に表示するものである。また、アウトカメラ12とインカメラ14が交互に撮影を行った場合には、アウトカメラ12が撮影した画像のみをコマ送り動画とし、インカメラ14が撮影した画像のみをコマ送り動画とする。これらのコマ送り動画は録画データとして記憶部21に記憶保存される。
【0040】
本実施形態では、記憶部21にデータを記憶保存する録画モードとして、全録画モードと自動削除モードの2つを有している。全録画モードは、撮影した録画データを全て記憶部21に記憶保存するように設定したものである。一方、自動削除モードは、ゴルフカート1が停止時に撮影した録画データのうち、撮影後10秒(10秒以外の時間を設定してもよい。)を経過したものを順次削除するように設定したものである。ただし、ゴルフカート1が停止時に撮影した録画データであっても、ゴルフカート1が走行を開始する前5秒(5秒以外の時間を設定してもよい。)から走行開始までの間と、走行しているゴルフカート1が停止した場合に、停止から5秒(5秒以外の時間を設定してもよい。)後までの間に撮影した録画データは削除しない設定となっている。また、加速度センサー23がゴルフカート1に対する衝撃等を検知した場合には、録画データの削除を行わず、少なくとも衝撃等を検知した前後10秒(10秒以外の時間を設定してもよい。)の録画データを記憶保存する。全録画モードと自動削除モードの切り替えは、操作部10を操作することで可能であり、例えば、ゴルフ場の管理者等が切り替えを行う。
【0041】
記憶部21に記憶保存された録画データは、表示部9に表示可能となっている。また、記憶部21に記憶保存された録画データは、送受信部20を介して管理サーバ15や管理パソコン16に送信可能となっており、管理パソコン16の表示手段30により表示可能となっている。そのため、アウトカメラ12とインカメラ14により撮影し、記憶部21に保存された画像や動画は、情報端末8や管理パソコン16により閲覧可能となっている。
【0042】
図8は、録画データの再生方法及び管理サーバ15(クラウド)への保存方法を示している。先ず、メニュー画面から「録画データ確認」の文字が表示された録画データ確認ボタンB4をタップ操作すると、情報端末8に保存されている録画データの一覧が日付け毎に表示される。このとき、アウトカメラ12(前カメラ)で撮影された録画データとインカメラ14(後カメラ)で撮影された録画データは異なる欄に区別して表示される。再生したい日付けをタップ操作すると、当該日付けに撮影された録画データの一覧が表示される。このとき録画データは撮影した時間毎に表示される。再生したい時間の録画データをタップ操作すると、当該録画データが再生される。再生画面の下部には、「この動画を保管する」の文字が表示された保管ボタンB5が表示される。この保管ボタンB5をタップ操作すると、録画データを管理サーバ15(クラウド)に保存するか否かを問う画面が表示され、「はい」の文字が表示されたはいボタンB6をタップ操作すると、録画データを管理サーバ15(クラウド)に保存することを確認する画面が表示され、「確認」の文字が表示された確認ボタンB7をタップ操作すると、再生していた録画データが管理サーバ15(クラウド)に送信され保存される。管理サーバ15(クラウド)に保存された録画データは、管理パソコン16等でダウンロード可能である。
【0043】
以上のように、本実施形態の自走式カートの監視システムは、自走式カートとしてのゴルフカート1と、ゴルフカート1に取り付けられた情報端末8と、を備える自走式カートの監視システムであって、情報端末8は、情報端末8の前方を撮影可能な第1の撮影手段としてのアウトカメラ12と、情報端末8の後方を撮影可能な第2の撮影手段としてのインカメラ14と、を有し、アウトカメラ12とインカメラ14は、ゴルフカート1の動作に応じて撮影を行うことにより、ゴルフカート1が前進、後進、停止しているときのゴルフカート1内やその周囲で発生した事象を撮影することができる。
【0044】
また、本実施形態の自走式カートの監視システムは、アウトカメラ12とインカメラ14が、同時に撮影を行わないことにより、アウトカメラ12とインカメラ14を同時に駆動させた場合と比較して、情報端末8の負荷を緩和することができる。
【0045】
また、本実施形態の自走式カートの監視システムは、ゴルフカート1が前進しているときにアウトカメラ12が撮影し、ゴルフカート1が後進しているときにインカメラ14が撮影することにより、ゴルフカート1の前進時の前側及び後進時の後側での衝突事故等の事象を確実に撮影することができる。
【0046】
また、本実施形態の自走式カートの監視システムは、インカメラ14が、ゴルフカート1内を撮影可能であることにより、ゴルフカート1の乗員同士のトラブル等を確実に撮影することができる。
【0047】
また、本実施形態の自走式カートの監視システムは、情報端末8が、データを保存する記憶部21を有し、アウトカメラ12とインカメラ14は、所定の時間間隔T1、T2、T3で静止画像を撮影し、複数の静止画像がコマ送り動画として記憶部21に保存されることにより、動画を撮影して保存する場合と比較して記憶部21に保存されるデータ容量を抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態の自走式カートの監視システムは、情報端末8の向きを調節可能な角度調節具28を備え、情報端末8の向きが適切でない場合に警告を報知することにより、報知された警告の内容を確認し、角度調節具28により情報端末8の向きを調節することができる。
【0049】
また、本実施形態のプログラムは、ゴルフカート1に取り付けられた情報端末8が情報端末8の前方を撮影可能なアウトカメラ12と、情報端末8の後方を撮影可能なインカメラ14と、を有し、情報端末8のコンピュータに、アウトカメラ12とインカメラ14が同時に撮影しないようにアウトカメラ12とインカメラ14を制御させることにより、アウトカメラ12とインカメラ14を同時に駆動させた場合と比較して、情報端末8の負荷を緩和することができる。
【0050】
また、本実施形態のプログラムは、ゴルフカート1に取り付けられた情報端末8が情報端末8の前方を撮影可能なアウトカメラ12と、情報端末8の後方を撮影可能なインカメラ14と、を有し、ゴルフカート1が前進しているときにアウトカメラ12により撮影するステップと、ゴルフカート1が後進しているときにインカメラ14により撮影するステップと、を情報端末8のコンピュータに実行させることにより、ゴルフカート1の前進時の前側及び後進時の後側での衝突事故等の事象を確実に撮影することができる。
【0051】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、自走式カートは、ゴルフカート以外にも、電動車椅子や、いわゆるシニアカーといわれる自走カート等であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 ゴルフカート(自走式カート)
8 情報端末
12 アウトカメラ(第1の撮影手段)
14 インカメラ(第2の撮影手段)
21 記憶部
28 角度調節具(調節具)
T1 時間間隔
T2 時間間隔
T3 時間間隔