(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171982
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】検出機器及び検出システム
(51)【国際特許分類】
H02H 5/00 20060101AFI20241205BHJP
H01H 83/00 20060101ALI20241205BHJP
H02H 3/04 20060101ALI20241205BHJP
G01V 1/01 20240101ALI20241205BHJP
【FI】
H02H5/00
H01H83/00
H02H3/04 D
G01V1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089375
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】筧 友矩
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宏泰
【テーマコード(参考)】
2G105
5G030
5G142
【Fターム(参考)】
2G105AA03
2G105BB01
2G105EE01
2G105FF02
2G105GG01
2G105JJ05
2G105NN02
5G030XX18
5G142CC01
5G142DD02
5G142DD03
5G142DD15
5G142EE06
5G142GG07
(57)【要約】
【課題】配線異常又は環境異常を検出可能な回路遮断機能付き検出機器において、他の配線異常又は環境異常の検出もでき、検出の程度によって遮断方法を変化させることができるようにすること。
【解決手段】回路遮断機能を有する検出機器1であって、検出部11と、記憶部12と、演算処理部13と、出力部18と、検出機器1で検出する異常とは異なる異常により外部機器の接点がオン又はオフとなったことを伝える外部接点状態判定要素を入力可能な外部接点入力部15と、を備え、記憶部12は、外部接点状態判定要素の入力回数又は入力継続時間を記憶可能であり、演算処理部13は、外部接点状態判定要素の入力回数、もしくは、入力継続時間によって出力部18を動作させることが可能である構成とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路遮断機能を有する検出機器であって、
配線異常又は環境異常を検出可能な検出部と、
異常の検出情報を記憶する記憶部と、
記憶部に記憶された情報から処理を行うことが可能な演算処理部と、
演算処理部による演算結果により回路の開閉遮断か外部への通知か外部への表示の何れかを行うことが可能な出力部と、
検出機器で検出する異常とは異なる異常により外部機器の接点がオン又はオフとなったことを伝える外部接点状態判定要素を入力可能な外部接点入力部と、
を備え、
記憶部は、外部接点状態判定要素の入力回数又は入力継続時間を記憶可能であり、
演算処理部は、外部接点状態判定要素の入力回数、もしくは、入力継続時間によって出力部を動作させることが可能である検出機器。
【請求項2】
外部接点入力部に対する外部接点状態判定要素の入力回数を用いた判定の条件設定、または、外部接点状態判定要素の入力継続時間を用いた判定の条件設定、を変更可能な外部入力設定部を備えた請求項1に記載の検出機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の検出機器と外部機器を備えた検出システムであって、
外部接点入力部に、外部機器から送られる検出機器の演算部により出力部に出力する動作をリセットさせるために用いることが可能なリセット要素を入力可能とした検出システム。
【請求項4】
請求項2に記載の検出機器と外部機器を備えた検出システムであって、
外部入力設定部は、外部機器から送られて検出機器で処理される要素を、センサ機能の検知結果に基づく外部接点状態判定要素から、検出機器の演算処理部により出力部に出力する動作をリセットさせるために用いることが可能なリセット要素に、切り替え可能とした請求項3に記載の検出システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の検出機器と、外部機器を備えた検出システムであって、
検出機器の検出部は地震により生じる異常を検出可能であり、
演算処理部は所定の震度以上であるか否かを判定可能であり、
出力部は演算処理部の判定結果が出てから所定の時間後に開閉装置部を遮断可能であり、
外部機器は、配線の短絡又は断線時に生じるアークを検出可能なセンサであり、
地震によって生じる配線の短絡、断線によるアークの有無を判定可能とする検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出機器及び検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、地震を検出することが可能な感震リレーを用いて、地震検出時にブレーカを遮断させることは知られている。この感震リレーには、感震リレー自体が動作していることを示す表示を行えるものや、地震発生後の所定の時間だけ表示される警告表示を行えるものがある。このような感震リレーは、地震発生から所定時間経過後にブレーカなどの配電機器に遮断信号を送信し、配電機器を遮断する。また、特許文献2に記載されているように、補助端子台と、内部のトリップ状態を検出して外部に出力する付属装置をブレーカに取り付けることが知られている。このような付属装置は、例えば、外部の信号の入力によりブレーカをトリップさせるようにも利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-57171号公報
【特許文献2】特開2017-59380号公報
【0004】
ところで、特許文献1に記載されるような、感震リレーは地震の程度によって、遮断方法を変更するような構造とはなっているが、他の配線異常、温度や光などの環境異常検出に伴う判定を行うことができなかった。このため、それらの判定を行いたい場合には、他の配線異常用のブレーカなどを用意する必要があった。また、特許文献2に記載されるような付属装置付きブレーカは、外部の信号が入力された場合にトリップ操作させることはできるが、異常の程度によって遮断方法を変えるということができなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、配線異常又は環境異常を検出可能な回路遮断機能付き検出機器において、他の配線異常又は環境異常の検出もでき、検出の程度によって遮断方法を変化させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、回路遮断機能を有する検出機器であって、配線異常又は環境異常を検出可能な検出部と、異常の検出情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された情報から処理を行うことが可能な演算処理部と、演算処理部による演算結果により回路の開閉遮断か外部への通知か外部への表示の何れかを行うことが可能な出力部と、検出機器で検出する異常とは異なる異常により外部機器の接点がオン又はオフとなったことを伝える外部接点状態判定要素を入力可能な外部接点入力部と、を備え、記憶部は、外部接点状態判定要素の入力回数又は入力継続時間を記憶可能であり、演算処理部は、外部接点状態判定要素の入力回数、もしくは、入力継続時間によって出力部を動作させることが可能である検出機器とする。
【0007】
また、外部接点入力部に対する外部接点状態判定要素の入力回数を用いた判定の条件設定、または、外部接点状態判定要素の入力継続時間を用いた判定の条件設定、を変更可能な外部入力設定部を備えた構成とすることが好ましい。
【0008】
また、前記検出機器と外部機器を備えた検出システムであって、外部接点入力部に、外部機器から送られる検出機器の演算部により出力部に出力する動作をリセットさせるために用いることが可能なリセット要素を入力可能とした構成とすることが好ましい。
【0009】
また、前記検出機器と外部機器を備えた検出システムであって、外部入力設定部は、外部機器から送られて検出機器で処理される要素を、センサ機能の検知結果に基づく外部接点状態判定要素から、検出機器の演算処理部により出力部に出力する動作をリセットさせるために用いることが可能なリセット要素に、切り替え可能とした構成とすることが好ましい。
【0010】
また、前記検出機器と、外部機器を備えた検出システムであって、検出機器の検出部は地震により生じる異常を検出可能であり、演算処理部は所定の震度以上であるか否かを判定可能であり、出力部は演算処理部の判定結果が出てから所定の時間後に開閉装置部を遮断可能であり、外部機器は、配線の短絡又は断線時に生じるアークを検出可能なセンサであり、地震によって生じる配線の短絡、断線によるアークの有無を判定可能とする検出システムとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、配線異常又は環境異常を検出可能な回路遮断機能付き検出機器において、他の配線異常又は環境異常の検出もでき、検出の程度によって遮断方法を変化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】
図1における検出機器の構成の概略図である。
【
図3】地震波を検出してからの検出機器の動作例の概略を示した図である。ただし、四種類の動作例を表している。
【
図4】
図1における検出機器に対して、外部接点入力部を用いて外部機器をつないだ例の概略図である。
【
図5】記憶部で判定条件として記憶されている情報の例である。
【
図6】記憶部で判定条件として記憶されている情報の例である。ただし、
図5に示す情報とは異なる。
【
図7】記憶部で判定条件として記憶されている情報の例である。ただし、
図5及び
図6に示す情報とは異なる。
【
図8】記憶部で判定条件として記憶されている情報の例である。ただし、
図5から
図7に示す情報とは異なる。
【
図9】リセット機能を備える外部機器を、検出機器に対してつないだ例の概略図である。ただし、リセット機能を備える外部機器から送られる接点の経時変化の例も示している。
【
図10】センサ機能を備える外部機器を、検出機器に対してつないだ例の概略図である。ただし、センサ機能を備える外部機器から送られる接点の経時変化の例も示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1乃至
図4に示されていることから理解されるように、本実施形態の検出機器1は、回路遮断機能を有する。この検出機器1は、電気電子機器収納箱などにおける配線異常又は環境異常を検出可能な検出部11と、異常の検出情報を記憶する記憶部12と、記憶部12に記憶された情報から処理を行うことが可能な演算処理部13と、演算処理部13による演算結果により回路の開閉遮断か外部への通知か外部への表示の何れかを行うことが可能な出力部18と、検出機器1で検出する異常とは異なる異常により外部機器51の接点がオン又はオフとなったことを伝える外部接点状態判定要素を入力可能な外部接点入力部15と、を備え、記憶部12は、外部接点状態判定要素の入力回数又は入力継続時間を記憶可能であり、演算処理部13は、外部接点状態判定要素の入力回数、もしくは、入力継続時間によって出力部18を動作させることが可能である。このため、配線異常又は環境異常を検出可能な回路遮断機能付き検出機器1において、他の配線異常又は環境異常の検出もでき、検出の程度によって遮断方法を変化させることが可能となる。
【0014】
実施形態の検出機器1は、配線異常又は環境異常を検出する回路遮断機能付き検出機器1である。より具体的には、そのような機能を備えた感震ブレーカである。
図1及び
図2に示すことから理解されるように、この感震ブレーカは地震の検出が可能な検出装置部10Aと、検出装置部10Aによる地震の検出により電路を開閉可能な開閉装置部10Bを備えている。
【0015】
また、実施形態の感震ブレーカは、検出装置部10Aに備えられた検出部11によって地震の検出をしてから所定時間経過後(例えば、地震の検出後に一定間隔で生じる信号の数をカウントしていき、信号の数が所定数になったことが確認された後)にブレーカを遮断したり、地震の検出後にすぐに遮断したりすることができる。また、カウントをしている間に再度地震を検出した場合にブレーカを遮断させることもできる。つまり、検出部11の検出状態によって、多様な遮断方法を実施することができる(
図3参照)。
【0016】
実施形態の検出機器1の開閉装置部10Bは、電路を開閉する場合に動かす電路開閉部311を備えている。実施形態の電路開閉部311は、可動接触子や、ハンドルに連動して可動接触子を動作させることが可能な機構部を、備えている。
【0017】
実施形態の検出機器1の検出装置部10Aは、検出部11として、地震波を検出可能な加速度センサを備えている。また、この検出装置部10Aは、情報を記憶可能な記憶部12を備えている。また、この検出装置部10Aは、記憶部12に記憶された情報を元に演算処理を行い、表示部16などに信号出力処理を行うことなどが可能な演算処理部13を備えている。なお、実施形態の演算処理部13はプロセッサである。
【0018】
また、実施形態の検出装置部10Aは、演算処理部13からの指示により各種出力表示を行うことが可能な表示部16や、スピーカ23や、通信部17や、開閉装置部10Bの電路開閉部311を開閉させるために用いる出力部18や、電路開閉部311の動作をテストするために用いられるテストボタン19や、地震検出後のカウント中に操作することでカウントをリセットさせることが可能なリセットボタン21や、地震のカウント時間を変更可能な設定部22などを備えている。ただし、これらは必要に応じて検出機器1に備えるようにすればよいため、必ずしもそれらを全て備える検出機器1とする必要はない。
【0019】
検出機器1は外部機器51とつながる外部接点入力部15を備えている。この外部接点入力部15は、検出機器1で検出する異常とは異なる異常により外部機器51の接点がオン又はオフとなったことを伝える外部接点状態判定要素を入力可能である。
【0020】
図1及び
図2に示す例では、検出機器1が外部機器51とつながる回路を構成する場合に電線が接続される外部接点入力部15を検出装置部10Aに備えている。この外部接点入力部15を通じて、外部機器51から送られた外部接点状態判定要素が検出機器1に入力される(
図4参照)。なお、この例では外部接点状態判定要素は電気である。
【0021】
例えば、検出機器1と外部機器51は、通常は、開路状態であるため、外部接点状態判定要素である電気が外部接点入力部15に入力されることはないが、外部機器51が配線異常や環境異常を検出した場合に、開路状態から閉路状態に切り替えられることで、外部接点入力部15に外部接点状態判定要素である電気が入力するように設定する(
図4参照)。
【0022】
開路状態から閉路状態への切り替えは、外部機器51が配線異常や環境異常を検出したということが検出機器1側で認識できる程度で行うようにしてもよいし、外部機器51が配線異常や環境異常を検出している時間分維持するようにしてもよい。
【0023】
ここで、外部機器51が配線異常や環境異常を検出したということが検出機器1側で認識できる程度で行うようにした場合の例について説明をする。例えば、外部機器51側で検出可能な配線異常や環境異常が生じた場合、検出機器1と外部機器51を繋ぐ回路が一定時間だけ閉路状態となり、外部接点状態判定要素である電気が外部接点入力部15に入力される。検出機器1の記憶部12は、外部接点入力部15を通じて電気が入力された回数を記憶部12に記憶する。
【0024】
実施形態では、この記憶部12に記憶された入力回数を用いてプロセッサ(演算処理部13)で判定を行い、判定結果に基づいて出力部18に出力処理を行うことができる。このため、検出機器1に備えている検出部11以外で検出された配線異常や環境異常の情報を、出力内容を定める要素として用いることができる。また、この場合は、記憶部12に記憶された入力回数を用いてプロセッサ(演算処理部13)の処理を行うようにしたので、例えば、別の異常を判定するための詳細な判定条件などを設定したプロセッサを用意する必要がない。このため、簡易な構造で判定を行うことができる。
【0025】
また、実施形態の検出機器1は、外部接点状態判定要素の入力回数を用いてプロセッサ(演算処理部13)の処理を行うことができるようにしたので、入力回数により、処理内容を変えることができる(
図5及び
図6参照)。また、外部接点入力部15に対する外部接点状態判定要素の入力回数を用いた判定の条件設定を変更可能な外部入力設定部25を検出機器1に備えるようにすれば、諸条件にあわせて、入力回数と処理内容の関係を変更することができる。
【0026】
また、実施形態の外部機器51は、閾値を設定可能な機器値設定部511を備えており、閾値を超えた場合に、接点操作用出力部512を操作して接点を閉じるように構成している。なお、外部機器51で設定された閾値を超えた場合に、外部機器51と外部接点入力部15とが近距離無線通信できるようにしてもよい。この例から理解されるように、外部接点状態判定要素を無線で検出機器1に入力させるものであってもよい。
【0027】
一方、開路状態から閉路状態への切り替えを、外部機器51が配線異常や環境異常を検出している時間分維持する場合は、検出された内容が閾値を超えている間は外部機器51が接点を閉路し続けるように構成するのが好ましい。また、記憶部12は、入力継続時間を用いた判定条件を記憶しておく。このようにして記憶された内容を検出機器1の動作に用いる判定要素とするのが好ましい。
【0028】
この場合、外部接点入力部15に対する外部接点状態判定要素(電気など)の入力継続時間を用いた判定の条件設定を変更可能な外部入力設定部25を検出機器1に備えるようにすれば、諸条件にあわせて、入力継続時間と処理内容の関係を変更することができる(
図7及び
図8参照)。なお、外部接点状態判定要素の入力回数と外部接点状態判定要素の入力継続時間の複合条件により判定する構成としてもよい。
【0029】
これらの記載から理解されるように、外部接点入力部15に対する外部接点状態判定要素の入力回数を用いた判定の条件設定、または、外部接点状態判定要素の入力継続時間を用いた判定の条件設定、を変更可能な外部入力設定部25を備えた構成とするのが好ましい。
【0030】
図1に示す例では、検出機器1のおもて面側に外部入力設定部25を設けている。実施形態の外部入力設定部25は、記憶部12で行う演算処理を変更可能にしており、外部接点状態判定要素の入力回数や入力継続時間の変更などを行うことができるようにすればよい。外部入力設定部25は、DIPスイッチなどを用いて外部入力設定部25を動かして設定変更を可能とする構成してもよいし、外部の端末を接続して、外部の端末から送られた変更指示に従うような構成としてもよい。いずれにせよ、外部入力設定部25を利用することにより、利用者が判定条件を設定することができ、使用環境などにあった判定条件を設定できるようなものであればよい。
【0031】
ところで、検出機器1と外部機器51を備えた検出システムを構成する場合、検出機器1と外部機器51の組み合わせ方により、検出システムで利用可能な内容が変わり得る。検出機器1が感震リレーであれば、外部機器51は、地震によって生じる配線の短絡や断線などにより生じるアークを検出するアーク検出装置とするのが好ましい。このようにすれば、外部機器51で検出される短絡や断線などに生じるアークの検出回数を用いて検出機器1が判定を行うことができる。例えばこのようなアークの検出回数を用いて判定を行い、処理内容を定める。このように、アークについての情報を用いて遮断について判定できるようにすれば、家屋の火災などを未然に防止するために役立つ。
【0032】
もちろん、検出機器1と外部機器51の組み合わせはこれに限る必要はない。例えば、検出機器1をアーク検出装置として、外部機器51を感震センサや加速度センサなどとしてもよい。
【0033】
また、検出機器1を、漏電や過電流、過電圧の配線異常を検出可能なものとし、外部機器51を水位センサとするようにしてもよい。この場合、外部機器51である水位センサで浸水が検知された場合に、それによって生じ得る漏電が発生する前に、遮断するか否かという判断をすることが可能となる。
【0034】
また、検出機器1をコンセントなどで生じるトラッキングのアーク放電を検出するアーク検出装置とし、外部機器51を、埃の重量を測定する質量センサや光センサ、コンセント付近の湿度を測定する湿度センサなどとしてもよい。外部機器51によりトラッキングと関連性のある埃の堆積の程度や湿度などを把握できるようにしておき、トラッキングが生じる前に遮断させるようにすることができる。
【0035】
検出機器1や外部機器51の種類はこれに限らない。各々の機器だけの機能から拡張できる組み合わせであればよいが、検出機器1が外部接点状態判定要素の入力を検出することで、検出機器1による検出対象の変化を検出する機能を拡張させることができるものとすることが好ましい。そのようにすれば、より安全性を高めることができる。
【0036】
また、外部接点状態判定要素が入力されている場合に、検出機器1の遮断条件を変更させることができるようにしてもよい。例えば、検出機器1を感震ブレーカとし、地震を検出した際に60秒後に遮断するように設定しているとする。この場合であっても、既に外部接点状態判定要素が入力されている場合には、即時に遮断したり、60秒後よりも早めて遮断(例えば30秒後に遮断)したりするというように、検出機器1の遮断条件を変更することもできる。
【0037】
また、外部接点状態判定要素が2回入力されている場合に検出機器1を遮断するように設定していた場合でも、検出機器1の検出部11が異常を検出していれば、外部接点状態判定要素が1回入力されたことで遮断するように設定するにしてもよい。検出機器1と外部機器51の双方で異常を検出している場合には、危険度が高いと判定するのが好ましいことがあるからである。このように、検出機器1若しくは外部機器51が単独で異常を検出した場合における遮断までの条件に比べて、検出機器1及び外部機器51で異常を検出した場合には、早めに遮断するように条件を設定するようにすれば、安全性を高めることが可能となる。
【0038】
ところで、検出機器1の外部接点入力部15と接続する外部機器51は一つとは限らない。例えば二つの外部機器51が外部接点入力部15と接続されるような構成としてもよい。この場合、一つ目の外部機器51は、センサ機能を備えたセンサ部513を有するもの若しくはセンサ機能を有する機器と接続されて動作するものとし、センサ機能が異常を検出することに起因して、接点を閉じるものとするのが好ましい。これに対して二つ目の外部機器51についても、センサ機能が異常を検出することに起因して、接点を閉じるものとしてもよい。また、二つ目の外部機器51は、検出機器1の記憶部12に記憶された情報をリセットしたい場合に接点を閉じるものとしてもよい。この場合、リセット操作部515が操作された場合に接点を閉じるものとしてもよい。
【0039】
ここで、後者の例について説明をする。例えば、検出機器1である感震ブレーカに備えられた感震リレーにより地震を検出した後に所定時間の待機時間をカウントさせる。このカウント中にリセットしたい場合に所定の外部機器51の接点を閉じることで、カウントがリセットされて待機状態でなくなる。
【0040】
また、センサ機能に起因して動作する接点を備える外部機器51の接点が閉じると、特定のパルス信号が外部接点入力部15に入力される構成とした場合、リセット機能を有する外部機器51の接点が閉じると、その特定のパルス信号とは異なるパルス信号が外部接点入力部15に入力される構成とするのが好ましい。そうすることで、検出機器1側で情報を整理しやすくなる。また、外部接点入力部15に電線の接続先を多数用意しなくても検出システムとして利用することも可能となる。
【0041】
なお、センサ機能に起因して動作する接点を備える外部機器51の接点が閉じる場合と、リセットしたい場合に動作させる接点を備える外部機器51の接点が閉じる場合とで、閉じている時間を変えるようにしてもよい。この場合でも、検出機器1側で外部機器51の接点が閉じている時間を把握することで、どのような内容の入力であるのかを特定することができる。
【0042】
これらの記載から理解されるように、検出機器1と外部機器51を備えた検出システムであって、外部接点入力部15に、外部機器51から送られる検出機器1の演算部により出力部18に出力する動作をリセットさせるために用いることが可能なリセット要素を入力可能とした構成とするのが好ましい。
【0043】
外部接点入力部15から入力される情報を区分けすることができるようにするために、外部入力設定部25などで、受信する要素の設定の変更をできるようにしてもよい。外部入力設定部25を、そのようなことをできるような構成とすれば、受信する要素の設定の変更のために、別途、機器を追加する必要がない。
【0044】
これらの記載から理解されるように、外部入力設定部25は、外部機器51から送られて検出機器1で処理される要素を、センサ機能の検知結果に基づく外部接点状態判定要素から、検出機器1の演算処理部13により出力部18に出力する動作をリセットさせるために用いることが可能なリセット要素に、切り替え可能とした構成とするのが好ましい。
【0045】
また、検出機器1と、外部機器51を備えた検出システムは、検出機器1の検出部11は地震により生じる異常を検出可能であり、演算処理部13は所定の震度以上であるか否かを判定可能であり、出力部18は演算処理部13の判定結果が出てから所定の時間後に開閉装置部10Bを遮断可能であり、外部機器51は、配線の短絡又は断線時に生じるアークを検出可能なセンサであり、地震によって生じる配線の短絡、断線によるアークの有無を判定可能とする構成とするのが好ましい。
【0046】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、出力部は、演算処理部による演算結果により、「回路の開閉遮断」か「外部への通知」か「外部への表示」の何れかを行うことが可能な構成としてもよい。
【0047】
また、検出部は、配電盤や分電盤といった電気電子機器収納箱の内部における配線異常又は環境異常を検出対象とするものに限らない。例えば、検出部で電気電子機器収納箱に繋がる配線についての異常を確認できる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 検出機器
11 検出部
12 記憶部
13 演算処理部
15 外部接点入力部
18 出力部
25 外部入力設定部
51 外部機器
10B 開閉装置部