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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171987
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】光検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/17 20060101AFI20241205BHJP
   G01J 1/02 20060101ALI20241205BHJP
   G01J 1/04 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G01N21/17 E
G01J1/02 S
G01J1/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089385
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上平 祥嗣
【テーマコード(参考)】
2G059
2G065
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059CC09
2G059EE02
2G059FF20
2G059GG02
2G059HH01
2G059JJ02
2G059KK01
2G065AA03
2G065AB02
2G065BB25
(57)【要約】
【課題】1つの基板に設けられた複数種類のセンサにおいて、各センサが不要な光を受光することを抑制することが可能な光検出装置を提供することである。
【解決手段】車両100のフロントウインドウ60に表面が向かうように取付けられる基板2と、赤外光を発光する発光装置91と、基板2の表面に設けられ、発光装置91で発光してフロントウインドウ60で反射した赤外光を受光し、受光した光に応じて雨を検出するレインセンサ4と、基板2の表面に設けられ、車両100の前方から受光した光に応じて照度を検出する前方照度センサ31と、レインセンサ4の受光面側に設けられ、レインセンサ4への可視光の入射を抑制する第1光学フィルタ5と、前方照度センサの受光面側に設けられ、前方照度センサへの赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタ6とを備え、発光装置91およびレインセンサ4は、前方照度センサ31よりも上方の位置に設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のフロントウインドウに表面が向かうように取付けられる基板と、
赤外光を発光する発光装置と、
前記基板の表面に設けられ、前記発光装置で発光して前記フロントウインドウで反射した赤外光を受光し、受光した光に応じて雨を検出するレインセンサと、
前記基板の表面に設けられ、前記車両の前方から受光した光に応じて照度を検出する前方照度センサと、
前記レインセンサの受光面側に設けられ、前記レインセンサへの可視光の入射を抑制する第1光学フィルタと、
前記前方照度センサの受光面側に設けられ、前記前方照度センサへの赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタとを備え、
前記発光装置および前記レインセンサは、前記前方照度センサよりも上方の位置に設けられる、光検出装置。
【請求項2】
前記フロントウインドウにおける、前記発光装置で発光した赤外線が透過する第1領域、および、前記前方照度センサが受光する光が透過する第2領域とは異なる第3領域に取付けることが可能であり、外光を遮る遮光部材をさらに備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記フロントウインドウに取付けることが可能であり、前記発光装置で発光した赤外光を、前記フロントウインドウで反射させて光学的に誘導し、前記第1光学フィルタを経て前記レインセンサに入射させる第1光学素子をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記フロントウインドウに取付けることが可能であり、前記車両の前方における限られた方向から前記フロントウインドウに入射した光を、光学的に誘導し、前記第2光学フィルタを経て前記前方照度センサに入射させる第2光学素子をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第1光学素子に取付けることが可能であり、前記第1光学素子における前記可視光の入射および出射を光学的に抑制する第3光学フィルタをさらに備える、請求項3に記載の光検出装置。
【請求項6】
車両のフロントウインドウに表面が向かうように取付けられる基板と、
赤外光を発光する発光装置と、
前記基板の表面に設けられ、前記発光装置で発光して前記フロントウインドウで反射した赤外光を受光し、受光した光に応じて雨を検出するレインセンサと、
前記基板の表面に設けられ、前記車両の周囲の方向から受光した光に応じて照度を検出する周囲照度センサと、
前記レインセンサの受光面側に設けられ、前記レインセンサへの可視光の入射を抑制する第1光学フィルタと、
前記周囲照度センサの受光面側に設けられ、前記周囲照度センサへの赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタとを備え、
前記発光装置および前記レインセンサは、前記周囲照度センサよりも下方の位置に設けられる、光検出装置。
【請求項7】
前記フロントウインドウにおける、前記発光装置で発光した赤外線が透過する第1領域、および、前記周囲照度センサが受光する光が透過する第2領域とは異なる第3領域に取付けることが可能であり、外光を遮る遮光部材をさらに備える、請求項6に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記フロントウインドウに取付けることが可能であり、前記発光装置で発光した赤外光を、前記フロントウインドウで反射させて光学的に誘導し、前記第1光学フィルタを経て前記レインセンサに入射させる第1光学素子をさらに備える、請求項6または請求項7に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記フロントウインドウに取付けることが可能であり、前記フロントウインドウに入射した光を、光学的に誘導し、前記第2光学フィルタを経て前記周囲照度センサに入射させる第2光学素子をさらに備える、請求項6または請求項7に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記第1光学素子に取付けることが可能であり、前記第1光学素子における前記可視光の入射および出射を光学的に抑制する第3光学フィルタをさらに備える、請求項8に記載の光検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両において、受光素子を有する複数種類のセンサが1つの基板上に設けられた光センサ装置が開示されている。特許文献1の光センサ装置では、1つの基板上において、レインセンサ、日射センサ、および、照度センサが設けられた例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4973692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のように、受光素子を有する複数種類のセンサが1つの基板に設けられた構成においては、次のような問題が生じる場合がある。例えば、レインセンサが受光すべき赤外光が、日射センサおよび照度センサにおいて多く受光されたり、日射センサおよび照度センサが受光すべき可視光がレインセンサによって多く受光されたりするので、各センサにおいて不要な光を受光しやすいという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、1つの基板に設けられた複数種類のセンサにおいて、各センサが不要な光を受光することを抑制することが可能な光検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従う光検出装置は、車両のフロントウインドウに表面が向かうように取付けられる基板と、赤外光を発光する発光装置と、基板の表面に設けられ、発光装置で発光してフロントウインドウで反射した赤外光を受光し、受光した光に応じて雨を検出するレインセンサと、基板の表面に設けられ、車両の前方から受光した光に応じて照度を検出する前方照度センサと、レインセンサの受光面側に設けられ、レインセンサへの可視光の入射を抑制する第1光学フィルタと、前方照度センサの受光面側に設けられ、前方照度センサへの赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタとを備え、発光装置およびレインセンサは、前方照度センサよりも上方の位置に設けられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、1つの基板に設けられた複数種類のセンサにおいて、各センサが不要な光を受光することを抑制することが可能な光検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1に係る光検出装置の設置例を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る光検出装置における複合センサ体の構成を示す断面図である。
図3図3は、実施の形態1に係る光検出装置の全体構成を示す図である。
図4図4は、実施の形態2に係る光検出装置における複合センサ体の構成を示す断面図である。
図5図5は、実施の形態2に係る光検出装置の全体構成を示す図である。
図6図6は、実施の形態3に係る光検出装置の全体構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。
【0010】
<実施の形態1>
実施の形態1においては、1つの基板2にレインセンサ4と前方照度センサ31とを設けた光検出装置50の構成を説明する。
【0011】
[光検出装置50の設置例]
図1は、実施の形態1に係る光検出装置50の設置例を示す図である。図1の例では、車両100の側面図が示されている。図1においては、例えば自動車のような車両100におけるガラス製のフロントウインドウ60の内側に光検出装置50が設置された構成が示されている。
【0012】
光検出装置50は、図2に示すような1つの半導体基板である基板2において、複数種類の光センサが設けられた複合センサ体10を含む。
【0013】
[光検出装置50における複合センサ体10の構成例]
図2は、実施の形態1に係る光検出装置50における複合センサ体10の構成を示す断面図である。複合センサ体10は、ベース部材としてのベース基板1、半導体基板としての基板2、レインセンサ4、前方照度センサ31、第1光学フィルタ5、第2光学フィルタ6、および、封止部材8を含む。
【0014】
ベース基板1は、たとえば樹脂製の基板よりなり、複合センサ体10のベース部材として複合センサ体10の底部に設けられる。ベース基板1上には、基板2が設けられている。基板2は、ベース基板1上に形成された半導体よりなる基板である。
【0015】
基板2の表面側においては、レインセンサ4を設ける凹部を構成する第1センサ領域40と、前方照度センサ31を設ける凹部を構成する第2センサ領域30とが形成されている。
【0016】
基板2の第1センサ領域40内には、レインセンサ4が設けられている。レインセンサ4は、雨滴等の雨を検出するセンサである。レインセンサ4は、図示を省略する受光素子およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)を含む。レインセンサ4の受光素子は、フォトダイオードにより構成されている。レインセンサ4は、後述する発光装置91から発光され、フロントウインドウ60で反射した赤外光を受光することに応じて、雨滴を含む雨を検出する。
【0017】
基板2における第2センサ領域30内には、前方照度センサ31が設けられている。前方照度センサ31は、車両100の前方から受光した光に応じて照度を検出するセンサである。前方照度センサ31は、図示を省略する受光素子およびASICを含む。前方照度センサ31の受光素子は、フォトダイオードにより構成されている。前方照度センサ31は、車両100の前方における一部の方向から受光する可視光の照度を検出するセンサである。前方照度センサ31は、フロントエンドセンサと呼ばれる場合がある。
【0018】
基板2の表面と、レインセンサ4の表面(受光面)と、前方照度センサ31の表面(受光面)とは、段差がなくフラットな面が形成される面一状態である。
【0019】
レインセンサ4の受光面側には、可視光を透過させずに赤外光を透過させる光学フィルタである第1光学フィルタ5が設けられている。第1光学フィルタ5により、レインセンサ4への赤外光以外の可視光等の光の入射が抑制される。
【0020】
前方照度センサ31の表面側には、赤外光を透過させずに可視光を透過させる光学フィルタである第2光学フィルタ6が設けられている。第2光学フィルタ6により、前方照度センサ31への可視光以外の赤外光等の光の入射が抑制される。
【0021】
図2において、ベース基板1の上方、基板2の上方および側方、第1光学フィルタ5の上方および側方、および、第2光学フィルタ6の上方および側方には、これらを封止する封止部材8が設けられる。これにより、ベース基板1、基板2、レインセンサ4、前方照度センサ31、第1光学フィルタ5、および、第2光学フィルタ6は、封止部材8により封止される。封止部材8は、透光性を有する樹脂製の部材であり、複合センサ体10の外部から入射する赤外光および可視光等の光を透過させる。
【0022】
[光検出装置50の全体構成]
図3は、実施の形態1に係る光検出装置50の全体構成を示す図である。図3においては、フロントウインドウ60の内側に取付けられた光検出装置50の内部の構成を示す断面図が示されている。図3に示すように、フロントウインドウ60は、車両100の水平方向に対して予め定められた角度で傾斜している。
【0023】
光検出装置50は、筐体500、複合センサ体10、発光装置91、レンズ20,21,22、遮光部材41、および、第3光学フィルタ51を含む。筐体500は、矩形の箱形状である。光検出装置50は、筐体500の内部における底面がフロントウインドウ60に対向するように、フロントウインドウ60の内側に取付けられる。これにより、光検出装置50は、フロントウインドウ60と同様の角度で水平方向に対して傾斜した状態でフロントウインドウ60の内側に取付けられる。図3においては、フロントウインドウ60および光検出装置50が水平方向に対して傾斜している状態が示されている。
【0024】
筐体500の内部には、複合センサ体10、発光装置91、レンズ20,21,22、遮光部材41、および、第3光学フィルタ51が含まれている。
【0025】
筐体500は、非透光性の金属部材または樹脂部材よりなる。筐体500の内部において、底面には、図2に示した複合センサ体10と、発光装置91とが、上下方向に離隔した位置に設けられている。筐体500の内部の底面において、下側には複合センサ体10が設けられ、上側には発光装置91が設けられている。
【0026】
複合センサ体10は、レインセンサ4および第1光学フィルタ5が、前方照度センサ31および第2光学フィルタ6よりも上方に位置する態様で、筐体500の内部の底面に設けられている。
【0027】
複合センサ体10は、基板2の表面がフロントウインドウ60に向かうように筐体500の内部の底面に取付けられる。これにより、筐体500の内部において、レインセンサ4の受光面、第1光学フィルタ5の受光面、前方照度センサ31の受光面、および、第2光学フィルタ6の受光面が、フロントウインドウ60に対向している。
【0028】
発光装置91は、発光部がフロントウインドウ60に向かって発光することが可能となるように、筐体500の内部の底面に取付けられる。これにより、筐体500の内部において、発光装置91は、発光部がフロントウインドウ60に対向している。
【0029】
筐体500の内部においては、フロントウインドウ60の内側の面に接する部材として、レンズ20,21,22、遮光部材41、および、第3光学フィルタ51が設けられている。
【0030】
レンズ21,22は、フロントウインドウ60の内側の面において、レインセンサ4の受光面が対向する領域と、発光装置91の発光部が対向する領域との間の領域に接するように設けられる。レンズ21,22は、樹脂製である。なお、レンズ21,22は、ガラス製であってもよい。
【0031】
レンズ21,22は、破線の矢印で示す光L1のように、発光装置91が発光した赤外光を透過させてフロントウインドウ60まで導いた後、透過した赤外光のうちフロントウインドウ60で反射した赤外光を透過させてレインセンサ4に入射する方向に導くための形状で構成された透光性の光学素子である。レンズ21,22は、例えば三角柱状の形状を有する。
【0032】
レンズ21は、断面が三角形状である。レンズ21は、三角形状の面のうちの1つの面がフロントウインドウ60と接しており、三角形状の面のうちの2つの面が筐体500の内部に突出している。レンズ21において、筐体500の内部に突出している部分は、第3光学フィルタ51で覆われている。第3光学フィルタ51は、可視光を透過させずに赤外光を透過させる光学フィルタにより構成される。
【0033】
レンズ22は、レンズ21と同様に、断面が三角形状である。レンズ22は、レンズ21と同様に、三角形状の面のうちの1つの面がフロントウインドウ60と接しており、三角形状の面のうちの2つの面が筐体500の内部に突出している。レンズ22において、筐体500の内部に突出している部分は、レンズ21と同様に、第3光学フィルタ51で覆われている。
【0034】
破線の矢印で示すように、発光装置91が発光した赤外光である光L1は、第3光学フィルタ51を透過してレンズ21に入射する。そして、レンズ21に入射した光は、破線の矢印で示すように、レンズ21の内部を透過し、フロントウインドウ60に向けて出射する。
【0035】
フロントウインドウ60では、光L1のような赤外光が入射する場合に、フロントウインドウ60の外側に雨滴等の雨が存在しなければ、破線の矢印に示すように、光L1がフロントウインドウ60の内側に向けて反射する。一方、フロントウインドウ60では、光L1のような赤外光が入射する場合に、フロントウインドウ60の外側に雨滴等の雨が存在すれば、光L1がフロントウインドウ60で反射せずにフロントウインドウ60を透過してフロントウインドウ60の外側に向けて出射する。
【0036】
破線の矢印に示すように、フロントウインドウ60で反射した光L1は、レンズ22に入射する。そして、レンズ22に入射した光は、破線の矢印に示すようにレンズ22の内部および第3光学フィルタ51を透過し、レインセンサ4に向けて出射する。破線の矢印に示すように、レンズ22から出射した光L1は、第1光学フィルタ5を透過してレインセンサ4に入射することが可能である。
【0037】
光検出装置50では、発光装置91で発光した赤外光を、フロントウインドウ60で反射させて光学的に誘導し、第1光学フィルタ5を経てレインセンサ4に入射させるための第1光学素子として、レンズ21,22を備える。
【0038】
レインセンサ4は、フロントウインドウ60に雨滴を含む雨が付着している場合に、フロントウインドウ60に雨滴を含む雨が付着していない場合よりも、フロントウインドウ60で反射する赤外光の光線量が減少することに応じて、検出する赤外光の光線量が低下する。その理由は、フロントウインドウ60に雨滴を含む雨が付着している場合は、フロントウインドウ60に雨滴を含む雨が付着していない場合よりも、フロントウインドウ60から外部に出ていく赤外光の光線量が多くなるという現象が生じるためである。したがって、レインセンサ4は、フロントウインドウ60で反射した赤外光の光線量を検出することに応じて、降雨状態を検出することが可能である。
【0039】
光検出装置50では、車両100の前方における限られた方向からフロントウインドウ60に入射した光を、光学的に誘導し、第2光学フィルタ6を経て前方照度センサ31に入射させる第2光学素子として、レンズ20を備える。
【0040】
レンズ20は、フロントウインドウ60の内側の面において、前方照度センサ31の受光面と水平方向に対向する領域に接するように設けられる。レンズ20は、フロントウインドウ60が外部から受ける光のうち、破線の矢印で示すように、車両100の前方における一部の方向から受光する可視光である光L2を透過させて前方照度センサ31に入射する方向に光学的に誘導する形状で構成された透光性の光学素子である。レンズ20を透過した光L2は、第2光学フィルタ6を経て前方照度センサ31に入射することが可能である。レンズ20は、樹脂製である。なお、レンズ20は、ガラス製であってもよい。
【0041】
前方照度センサ31は、車両100の前方における一部の方向から受光する光の照度を主に検出し、その検出情報が車両100における各種の照明の制御条件を判定するため等に用いられる。
【0042】
遮光部材41は、フロントウインドウ60が受光する光を遮光する。遮光部材41は、フロントウインドウ60の内側の面において、レンズ20,21,22、および、第3光学フィルタ51が接する領域以外の領域に接し、その領域の全体を覆うように設けられる。言い換えると、遮光部材41は、フロントウインドウ60の内側の面において、発光装置91で発光した赤外線が透過する第1領域61、および、前方照度センサ31が受光する光が透過する第2領域62とは異なる第3領域64に取付けられる。
【0043】
遮光部材41は、フロントウインドウ60が外部から受光する光のうち、レンズ20,21,22、および、第3光学フィルタ51が接する領域以外の領域において、フロントウインドウ60が外部から受光する光を遮光することが可能である。
【0044】
光検出装置50では、遮光部材41が設けられたことにより、フロントウインドウ60の内側において、フロントウインドウ60に外側から入射する光のうち、前方照度センサ31およびレインセンサ4のような複数の光学センサでの光の検出にとって不要な光が、光検出装置50の内部に入射することが抑制される。
【0045】
前述のように筐体500は、非透光性である。したがって、筐体500は、前方照度センサ31およびレインセンサ4のような複数の光学センサでの光の検出にとって不要な光が光検出装置50の内部に入射することが抑制される。
【0046】
光検出装置50では、レインセンサ4の受光面側に、レインセンサ4への可視光の入射を抑制する第1光学フィルタ5が設けられているので、レインセンサ4が雨の検出に不要な光を受光することが抑制される。さらに、光検出装置50では、前方照度センサ31の受光面側に、前方照度センサ31への赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタ6が設けられているので、前方照度センサ31が照度の検出に不要な光を受光することが抑制される。これらの理由により、光検出装置50では、1つの基板2に設けられた複数種類の光センサであるレインセンサ4および前方照度センサ31において、各センサが不要な光を受光することを抑制することができる。
【0047】
さらに、光検出装置50では、フロントウインドウ60の内側に取付けられた状態で、発光装置91およびレインセンサ4が、前方照度センサ31よりも上方の位置に設けられる。前方照度センサ31は、車両100の前方における一部の方向から受光した光に応じて照度を検出するために設けられるが、発光装置91およびレインセンサ4よりも下方の位置に設けられることにより、車両100の前方における一部の方向から光を受光する場合において、車両100の上方からの光の影響を抑制することができる。
【0048】
光検出装置50では、フロントウインドウ60における、発光装置91で発光した赤外線が透過する第1領域61、および、前方照度センサ31が受光する光が透過する第2領域62とは異なる第3領域64に取付けることが可能であり、外光を遮る遮光部材41を備える。これにより、光検出装置50の内部に、レインセンサ4による雨の検出において不要な光、および、前方照度センサ31による照度の検出にとって不要な光が入ることを抑制することができる。
【0049】
光検出装置50では、フロントウインドウ60に接することが可能となるように設けられ、発光装置91で発光した赤外光を、フロントウインドウ60で反射させて光学的に誘導し、第1光学フィルタ5を経てレインセンサ4に入射させる第1光学素子としてのレンズ21,22をさらに備える。これにより、レインセンサ4による雨の検出精度を向上させることができる。
【0050】
光検出装置50では、フロントウインドウ60に取付けることが可能であり、車両100の前方における限られた方向からフロントウインドウ60に入射した光を、光学的に誘導し、第2光学フィルタ6を経て前方照度センサ31に入射させる第2光学素子としてのレンズ20をさらに備える。これにより、前方照度センサ31による前方照度の検出精度を向上させることができる。
【0051】
光検出装置50では、第1光学素子としてのレンズ21,22に取付けることが可能であり、レンズ21,22における可視光の入射および出射を光学的に抑制する第3光学フィルタ51をさらに備える。これにより、レインセンサ4による雨の検出精度を向上させることができる。
【0052】
なお、光検出装置50では、車両100の前方における限られた方向からフロントウインドウ60に入射した光を前方照度センサ31に向けて光学的に誘導するレンズ20を設けなくてもよい。その場合には、車両100の前方における限られた方向からフロントウインドウ60に入射した光を第2領域62を経て直接的に前方照度センサ31に向けて誘導するようにすればよい。
【0053】
<実施の形態2>
実施の形態2においては、1つの基板2にレインセンサ4と周囲照度センサ32とを設けた光検出装置50Aの構成を説明する。
【0054】
[光検出装置50Aの設置例]
光検出装置50Aは、図1に示す光検出装置50と同様に、車両100におけるフロントウインドウ60の内側に設置される。
【0055】
光検出装置50Aは、図4に示すような1つの半導体基板である基板2において、複数種類の光センサが設けられた複合センサ体10Aを含む。
【0056】
[光検出装置50Aにおける複合センサ体10Aの構成例]
図4は、実施の形態2に係る光検出装置50Aにおける複合センサ体10Aの構成を示す断面図である。複合センサ体10Aは、ベース基板1、半導体の基板2、レインセンサ4、周囲照度センサ32、第1光学フィルタ5、第2光学フィルタ6、および、封止部材8を含む。
【0057】
図4に示す複合センサ体10Aが図2に示す複合センサ体10と異なるのは、基板2の第2センサ領域30内に、前方照度センサ31の代わりに周囲照度センサ32が設けられていることである。周囲照度センサ32は、車両100の周囲から受光した光に応じて照度を検出するセンサである。周囲照度センサ32は、図示を省略する受光素子およびASICを含む。周囲照度センサ32の受光素子は、フォトダイオードにより構成されている。周囲照度センサ32は、車両100の周囲から受光する可視光の照度を主に検出するセンサである。周囲照度センサ32は、ALS(Ambient Light Sensor)と呼ばれる場合がある。
【0058】
基板2の表面と、レインセンサ4の表面(受光面)と、周囲照度センサ32の表面(受光面)とは、段差がなくフラットな面が形成される面一状態である。
【0059】
周囲照度センサ32の表面側には、赤外光を透過させずに可視光を透過させる光学フィルタである第2光学フィルタ6が設けられている。第2光学フィルタ6により、周囲照度センサ32への赤外光等の可視光以外の光の入射が抑制される。
【0060】
[光検出装置50Aの全体構成]
図5は、実施の形態2に係る光検出装置50Aの全体構成を示す図である。図5においては、フロントウインドウ60の内側に取付けられた光検出装置50Aの内部の構成を示す断面図が示されている。
【0061】
光検出装置50Aは、筐体500、複合センサ体10A、発光装置91、レンズ21,22、ライトガイド23、遮光部材41、および、第3光学フィルタ51を含む。
【0062】
図5に示す光検出装置50Aが図3に示す光検出装置50と異なる構成は、次の点である。筐体500の内部の底面において、上側には複合センサ体10Aが設けられ、下側には発光装置91が設けられている。
【0063】
複合センサ体10Aは、レインセンサ4および第1光学フィルタ5が、周囲照度センサ32および第2光学フィルタ6よりも下方に位置する態様で、筐体500の内部の底面に設けられている。
【0064】
複合センサ体10Aは、図3の複合センサ体10と同様に、基板2の表面がフロントウインドウ60に向かうように筐体500の内部の底面に取付けられる。これにより、筐体500の内部において、レインセンサ4の受光面、第1光学フィルタ5の受光面、周囲照度センサ32の受光面、および、第2光学フィルタ6の受光面が、フロントウインドウ60に対向している。
【0065】
筐体500の内部においては、フロントウインドウ60の内側の面に接する部材として、レンズ21,22、ライトガイド23、遮光部材41、および、第3光学フィルタ51が設けられている。
【0066】
発光装置91と、レンズ21,22と、レインセンサ4との関係は、発光装置91とレインセンサ4との設置位置の上下の関係が異なる以外は、図3に示した発光装置91と、レンズ21,22と、レインセンサ4との関係と同様である。
【0067】
破線の矢印で示すように、レインセンサ4よりも下方に設けられた発光装置91が発光した赤外光である光L1は、第3光学フィルタ51を透過してレンズ21に入射する。そして、レンズ21に入射した光は、破線の矢印で示すように、レンズ21の内部を透過し、フロントウインドウ60に向けて出射する。
【0068】
破線の矢印に示すように、フロントウインドウ60で反射した光L1は、レンズ22に入射する。そして、レンズ22に入射した光は、破線の矢印に示すように、レンズ22の内部および第3光学フィルタ51を透過し、レインセンサ4に向けて出射する。破線の矢印に示すように、レンズ22から出射した光L1は、第1光学フィルタ5を透過してレインセンサ4に入射することが可能である。
【0069】
光検出装置50Aでは、図3に示す光検出装置50と同様に、発光装置91で発光した赤外光を、フロントウインドウ60で反射させて光学的に誘導し、第1光学フィルタ5を経てレインセンサ4に入射させるための第1光学素子として、レンズ21,22を備える。
【0070】
ライトガイド23は、フロントウインドウ60の内側の面において、周囲照度センサ32の受光面の斜め上方の位置で対向する領域に接するように設けられる。光検出装置50Aがフロントウインドウ60に取付けられた状態において、ライトガイド23は、レンズ21,22よりも上方に位置する。
【0071】
光検出装置50Aでは、車両100の前上方からフロントウインドウ60に入射した光を、周囲光として光学的に誘導し、第2光学フィルタ6を経て周囲照度センサ32に入射させる第2光学素子として、ライトガイド23を備える。
【0072】
ライトガイド23は、フロントウインドウ60の内側の面において、車両100の前方向における上方から受光する光を、周囲照度センサ32に向けて伝搬させる方向に延在する形状で設けられている。
【0073】
ライトガイド23は、フロントウインドウ60が外部から受ける光のうち、破線の矢印で示すように、車両100の前方向における上方から受光する可視光である光L3を取込み、内部を透過させて周囲照度センサ32に入射する方向に光学的に伝搬する形状で構成される透光性の光学素子である。
【0074】
光検出装置50Aにおいて、ライトガイド23は、一方端部がフロントウインドウ60の内側の面に接し、他方端部が第2光学フィルタ6の上方に位置するように設けられている。フロントウインドウ60の外部からフロントウインドウ60に入射し、ライトガイド23を透過した光L3は、第2光学フィルタ6を経て周囲照度センサ32に入射することが可能である。ライトガイド23は、樹脂製である。なお、ライトガイド23は、ガラス製であってもよい。
【0075】
周囲照度センサ32は、車両100の周囲から受光する光の照度を主に検出し、その検出情報が車両100における各種の照明の制御条件を判定するため等に用いられる。
【0076】
遮光部材41は、フロントウインドウ60の内側の面において、レンズ20,21、ライトガイド23、および、第3光学フィルタ51が接する領域以外の領域に接し、その領域の全体を覆うように設けられる。言い換えると、遮光部材41は、フロントウインドウ60の内側の面において、発光装置91で発光した赤外線が透過する第1領域61、および、周囲照度センサ32が受光する光が透過する第2領域63とは異なる第3領域64に取付けられる。
【0077】
遮光部材41により、フロントウインドウ60の内側においては、フロントウインドウ60に外側から入射する光のうち、周囲照度センサ32およびレインセンサ4のような複数の光学センサでの光の検出にとって不要な光が、光検出装置50Aの内部に入射することが抑制される。
【0078】
前述のように筐体500は、非透光性である。したがって、筐体500は、周囲照度センサ32およびレインセンサ4のような複数の光学センサでの光の検出にとって不要な光が光検出装置50Aの内部に入射することが抑制される。
【0079】
光検出装置50Aでは、レインセンサ4の受光面側に、レインセンサ4への可視光の入射を抑制する第1光学フィルタ5が設けられているので、レインセンサ4が雨の検出に不要な光を受光することが抑制される。さらに、光検出装置50Aでは、周囲照度センサ32の受光面側に、周囲照度センサ32への赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタ6が設けられているので、周囲照度センサ32が照度の検出に不要な光を受光することが抑制される。これらの理由により、光検出装置50Aでは、1つの基板2に設けられた複数種類のセンサであるレインセンサ4および周囲照度センサ32において、各センサが不要な光を受光することを抑制することができる。
【0080】
さらに、光検出装置50Aでは、発光装置91およびレインセンサ4が、周囲照度センサ32よりも下方の位置に設けられる。周囲照度センサ32は、車両100の周囲の方向から受光した光に応じて照度を検出するために設けられるが、発光装置91およびレインセンサ4よりも上方の位置に設けられることにより、上方から照射される太陽光により影響を受ける周囲照度をより正確に検出することができる。
【0081】
光検出装置50Aでは、レインセンサ4の受光面側に、可視光を透過させずに赤外光を透過させる第1光学フィルタ5が設けられているので、レインセンサ4が雨の検出に不要な光を受光することが抑制される。さらに、光検出装置50では、周囲照度センサ32の受光面側に、赤外光を透過させずに可視光を透過させる第2光学フィルタ6が設けられているので、周囲照度センサ32が照度の検出に不要な光を受光することが抑制される。これらの理由により、光検出装置50Aでは、1つの基板2に設けられた複数種類の光センサであるレインセンサ4および周囲照度センサ32において、各センサが不要な光を受光することを抑制することができる。
【0082】
光検出装置50Aでは、フロントウインドウ60における、発光装置91で発光した赤外線が透過する第1領域61、および、周囲照度センサ32が受光する光が透過する第2領域63とは異なる第3領域64に取付けることが可能であり、外光を遮る遮光部材41を備える。これにより、光検出装置50の内部に、レインセンサ4による雨の検出において不要な光、および、周囲照度センサ32による照度の検出にとって不要な光が入ることを抑制することができる。
【0083】
光検出装置50Aでは、フロントウインドウ60に取付けることが可能であり、発光装置91で発光した赤外光を、フロントウインドウ60で反射させて光学的に誘導し、第1光学フィルタ5を経てレインセンサ4に入射させる第1光学素子としてのレンズ21,22をさらに備える。これにより、レインセンサ4による雨の検出精度を向上させることができる。
【0084】
光検出装置50Aでは、フロントウインドウ60に取付けることが可能であり、車両100の前方における限られた方向からフロントウインドウ60に入射した光を、光学的に誘導し、第2光学フィルタ6を経て周囲照度センサ32に入射させる第2光学素子としてのライトガイド23をさらに備える。これにより、周囲照度センサ32による周囲照度の検出精度を向上させることができる。
【0085】
光検出装置50Aでは、第1光学素子としてのレンズ21,22に取付けることが可能であり、レンズ21,22における可視光の入射および出射を光学的に抑制する第3光学フィルタ51をさらに備える。これにより、レインセンサ4による雨の検出精度を向上させることができる。
【0086】
<実施の形態3>
実施の形態3においては、実施の形態2のように1つの基板2にレインセンサ4と周囲照度センサ32とを設ける場合に、ライトガイド23を設けない光検出装置50Bの構成を説明する。
【0087】
[光検出装置50Bの設置例]
光検出装置50Bは、図5に示す光検出装置50Aと同様に、車両100におけるフロントウインドウ60の内側に設置される。
【0088】
光検出装置50Bは、図5に示す光検出装置50Aと同様に、図4に示すような1つの半導体基板である基板2において、複数種類の光センサが設けられた複合センサ体10Aを含む。
【0089】
[光検出装置50Bの全体構成]
図6は、実施の形態3に係る光検出装置50Bの全体構成を示す図である。図6においては、フロントウインドウ60の内側に取付けられた光検出装置50Bの内部の構成を示す断面図が示されている。
【0090】
光検出装置50Bは、筐体500、複合センサ体10A、発光装置91、レンズ21,22、遮光部材41、および、第3光学フィルタ51を含む。
【0091】
図6に示す光検出装置50Bが図5に示す光検出装置50Aと異なる構成は、次の点である。筐体500の内部においては、ライトガイド23が設けられていない。フロントウインドウ60の内側の面において、複合センサ体10Aと対向する第4領域65には、第3光学フィルタ51が設けられていない。
【0092】
具体的に、フロントウインドウ60の内側に取付けられた状態の光検出装置50Bにおいて、レンズ22および第3光学フィルタ51の上端部と、筐体500の上端部の内側の側壁との間には、フロントウインドウ60の内側の面における第4領域65において、第3光学フィルタ51が設けられていない。
【0093】
光検出装置50Bでは、破線の矢印で示すように、フロントウインドウ60の外側からフロントウインドウ60に入射し、フロントウインドウ60の内側の面の第4領域65から出射した可視光である光L4が、第2光学フィルタ6を経て周囲照度センサ32に入射することが可能である。
【0094】
光検出装置50Bでは、周囲照度センサ32に入射させる光の経路において、例えばライトガイド23のような光学素子および第3光学フィルタ51のような光学フィルタが設けられていない。これにより、光検出装置50Bでは、構成を簡素化することができる。
【0095】
また、光検出装置50Bでは、レインセンサ4の受光面側に、レインセンサ4への可視光の入射を抑制する第1光学フィルタ5が設けられているので、レインセンサ4が雨の検出に不要な光を受光することが抑制される。さらに、光検出装置50Bでは、周囲照度センサ32の受光面側に、周囲照度センサ32への赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタ6が設けられているので、周囲照度センサ32が照度の検出に不要な光を受光することが抑制される。これらの理由により、光検出装置50Bでは、1つの基板2に設けられた複数種類の光センサであるレインセンサ4および周囲照度センサ32において、各センサが不要な光を受光することを抑制することができる。
【0096】
なお、実施の形態3の光検出装置50Bでは、フロントウインドウ60の内側の面の第4領域65に接し、第4領域65において赤外光を透過させずに可視光を透過させる光学フィルタを設けてもよい。このようにすれば、周囲照度センサ32が照度の検出に不要な光を受光することがより一層抑制される。
【0097】
<付記>
上述したような本実施の形態は、以下のような技術思想を含む。
【0098】
[構成1] 車両(車両100)のフロントウインドウ(フロントウインドウ60)に表面が向かうように取付けられる基板(基板2)と、
赤外光を発光する発光装置(発光装置91)と、
前記基板(基板2)の表面に設けられ、前記発光装置(発光装置91)で発光して前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)で反射した赤外光を受光し、受光した光に応じて雨を検出するレインセンサ(レインセンサ4)と、
前記基板(基板2)の表面に設けられ、前記車両(車両100)の前方から受光した光に応じて照度を検出する前方照度センサ(前方照度センサ31)と、
前記レインセンサ(レインセンサ4)の受光面側に設けられ、前記レインセンサ(レインセンサ4)への可視光の入射を抑制する第1光学フィルタ(第1光学フィルタ5)と、
前記前方照度センサ(前方照度センサ31)の受光面側に設けられ、前記前方照度センサ(前方照度センサ31)への赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタ(第2光学フィルタ6)とを備え、
前記発光装置(発光装置91)および前記レインセンサ(レインセンサ4)は、前記前方照度センサ(前方照度センサ31)よりも上方の位置に設けられる、光検出装置(光検出装置50)。
【0099】
[構成2] 前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)における、前記発光装置(発光装置91)で発光した赤外線が透過する第1領域(第1領域61)、および、前記前方照度センサ(前方照度センサ31)が受光する光が透過する第2領域(第2領域62)とは異なる第3領域(第3領域64)に取付けることが可能であり、外光を遮る遮光部材(遮光部材41)をさらに備える、構成1に記載の光検出装置(光検出装置50)。
【0100】
[構成3] 前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)に取付けることが可能であり、前記発光装置(発光装置91)で発光した赤外光を、前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)で反射させて光学的に誘導し、前記第1光学フィルタ(第1光学フィルタ5)を経て前記レインセンサ(レインセンサ4)に入射させる第1光学素子(レンズ21,22)をさらに備える、構成1または構成2に記載の光検出装置(光検出装置50)。
【0101】
[構成4] 前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)に取付けることが可能であり、前記車両(車両100)の前方における限られた方向から前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)に入射した光を、光学的に誘導し、前記第2光学フィルタ(第2光学フィルタ6)を経て前記前方照度センサ(前方照度センサ31)に入射させる第2光学素子(レンズ20)をさらに備える、構成1~構成3のいずれかに記載の光検出装置(光検出装置50)。
【0102】
[構成5] 前記第1光学素子(レンズ21,22)に取付けることが可能であり、前記第1光学素子(レンズ21,22)における前記可視光の入射および出射を光学的に抑制する第3光学フィルタ(第3光学フィルタ51)をさらに備える、構成3に記載の光検出装置(光検出装置50)。
【0103】
[構成6] 車両(車両100)のフロントウインドウ(フロントウインドウ60)に表面が向かうように取付けられる基板(基板2)と、
赤外光を発光する発光装置(発光装置91)と、
前記基板(基板2)の表面に設けられ、前記発光装置(発光装置91)で発光して前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)で反射した赤外光を受光し、受光した光に応じて雨を検出するレインセンサ(レインセンサ4)と、
前記基板(基板2)の表面に設けられ、前記車両(車両100)の周囲の方向から受光した光に応じて照度を検出する周囲照度センサ(周囲照度センサ32)と、
前記レインセンサ(レインセンサ4)の受光面側に設けられ、前記レインセンサ(レインセンサ4)への可視光の入射を抑制する第1光学フィルタ(第1光学フィルタ5)と、
前記周囲照度センサの受光面側に設けられ、前記周囲照度センサへの赤外光の入射を抑制する第2光学フィルタ(第2光学フィルタ6)とを備え、
前記発光装置(発光装置91)および前記レインセンサ(レインセンサ4)は、前記周囲照度センサ(周囲照度センサ32)よりも下方の位置に設けられる、光検出装置(光検出装置50A,50B)。
【0104】
[構成7] 前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)における、前記発光装置(発光装置91)で発光した赤外線が透過する第1領域(第1領域61)、および、前記周囲照度センサ(周囲照度センサ32)が受光する光が透過する第2領域(第2領域63)とは異なる第3領域(第3領域64)に取付けることが可能であり、外光を遮る遮光部材(遮光部材41)をさらに備える、構成6に記載の光検出装置(光検出装置50A,50B)。
【0105】
[構成8] 前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)に取付けることが可能であり、前記発光装置(発光装置91)で発光した赤外光を、前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)で反射させて光学的に誘導し、前記第1光学フィルタ(第1光学フィルタ5)を経て前記レインセンサ(レインセンサ4)に入射させる第1光学素子(レンズ21,22)をさらに備える、構成6または構成7に記載の光検出装置(光検出装置50A,50B)。
【0106】
[構成9] 前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)に取付けることが可能であり、前記フロントウインドウ(フロントウインドウ60)に入射した光を、光学的に誘導し、前記第2光学フィルタ(第2光学フィルタ6)を経て前記周囲照度センサ(周囲照度センサ32)に入射させる第2光学素子(ライトガイド23)をさらに備える、構成6~構成8のいずれかに記載の光検出装置(光検出装置50A,50B)。
【0107】
[構成10] 前記第1光学素子(レンズ21,22)に取付けることが可能であり、前記第1光学素子(レンズ21,22)における前記可視光の入射および出射を光学的に抑制する第3光学フィルタ(第3光学フィルタ51)をさらに備える、構成8に記載の光検出装置(光検出装置50A,50B)。
【0108】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
60 フロントウインドウ、91 発光装置、4 レインセンサ、31 前方照度センサ、5 第1光学フィルタ、6 第2光学フィルタ、50,50A,50B 光検出装置、61 第1領域、62,63 第2領域、64 第3領域、20,21,22 レンズ、41 遮光部材、51 第3光学フィルタ、32 周囲照度センサ、23 ライトガイド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6