(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171990
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】管理システム、管理装置、管理方法、管理プログラム、および通知装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089388
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 孝浩
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA11
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】フリーアドレス化された環境におけるユーザによる座席選択を適切に管理することができる技術を提供する。
【解決手段】管理装置10は、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザによる座席の選択を管理する管理システムであって、
前記複数のユーザの各々が座席を選択するためのユーザ装置と、
前記複数のユーザの各々による座席の選択を管理する管理装置とを備え、
前記管理装置は、
前記複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し、
前記座席情報に基づき、前記第1ユーザが前記第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し、
前記第1座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し、
前記座席情報に基づき、前記第2ユーザが前記第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し、
前記第2座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し、
前記第1距離および前記第2距離に基づき、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行する、管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記第1状況が複数回生じた場合における前記第1距離の第1平均値を算出し、
前記第2状況が複数回生じた場合における前記第2距離の第2平均値を算出し、
前記第1平均値と前記第2平均値との差分を算出し、
前記差分に基づき、前記管理処理を実行する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザにおける前記差分が、前記複数のユーザの中から選択可能な2人のユーザの組み合わせの各々における前記差分の中で外れ値となる場合に、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザについて前記管理処理を実行する、請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記複数のユーザによる座席の選択に関する通知を行う通知装置をさらに備え、
前記管理処理は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するための通知信号を前記通知装置に送信する処理を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記通知信号は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々の属性を示す属性情報を含む、請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理処理は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザのうちのいずれかによる特定の座席の選択を不可能とする処理を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記管理処理は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザのうちのいずれかに対して特定の座席の選択を勧める処理を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記管理処理は、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザのうちのいずれかに対して特定の座席の選択を強制する処理を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
複数のユーザによる座席の選択を管理する管理装置であって、
制御装置と、
前記制御装置が実行するプログラムを記憶する記憶装置とを備え、
前記制御装置は、
前記複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し、
前記座席情報に基づき、前記第1ユーザが前記第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し、
前記第1座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し、
前記座席情報に基づき、前記第2ユーザが前記第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し、
前記第2座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し、
前記第1距離および前記第2距離に基づき、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行する、管理装置。
【請求項10】
複数のユーザによる座席の選択を管理する管理方法であって、
コンピュータが実行する処理として、
前記複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップと、
前記座席情報に基づき、前記第1ユーザが前記第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップと、
前記第1座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップと、
前記座席情報に基づき、前記第2ユーザが前記第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップと、
前記第2座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップと、
前記第1距離および前記第2距離に基づき、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行するステップとを含む、管理方法。
【請求項11】
複数のユーザによる座席の選択を管理する管理プログラムであって、
コンピュータに、
前記複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップと、
前記座席情報に基づき、前記第1ユーザが前記第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップと、
前記第1座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップと、
前記座席情報に基づき、前記第2ユーザが前記第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップと、
前記第2座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップと、
前記第1距離および前記第2距離に基づき、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行するステップとを実行させる、管理プログラム。
【請求項12】
複数のユーザによる座席の選択に関する通知を行う通知装置であって、
前記複数のユーザの各々による座席の選択を管理する管理装置と通信するための通信装置と、
ディスプレイと、
前記通信装置および前記ディスプレイを制御する制御装置とを備え、
前記管理装置は、
前記複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し、
前記座席情報に基づき、前記第1ユーザが前記第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し、
前記第1座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し、
前記座席情報に基づき、前記第2ユーザが前記第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し、
前記第2座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し、
前記第1距離および前記第2距離とに基づき、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するための通知信号を前記通知装置に送信し、
前記制御装置は、前記通信装置によって受信した前記通知信号に基づき、前記アラートを示すアラート画面を前記ディスプレイに表示させる、通知装置。
【請求項13】
複数のユーザによる座席の選択を管理する管理方法であって、
前記複数のユーザの各々による座席の選択を受け付けるステップと、
前記複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップと、
前記座席情報に基づき、前記第1ユーザが前記第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップと、
前記第1座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップと、
前記座席情報に基づき、前記第2ユーザが前記第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップと、
前記第2座席情報に基づき、前記第1ユーザが選択した座席の位置と前記第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップと、
前記第1距離および前記第2距離に基づき、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するステップとを含む、管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のユーザによる座席の選択を管理する管理システム、管理装置、管理方法、および管理プログラムと、複数のユーザによる座席の選択に関する通知を行う通知装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、職場および学校など、複数の座席が置かれた環境において、ユーザの座席を固定しないフリーアドレス化が徐々に普及している。フリーアドレスの座席システムが採用されると、複数のユーザの各々は自由に座席を決めることができるため、様々な人とコミュニケーションをとることができる。このようなフリーアドレスの座席システムに関する技術として、特開2023-15528号公報(特許文献1)は、フリーアドレス化されたオフィスの席の管理を適切にすることができる席予約システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された席予約システムによれば、各ユーザは、希望する座席を事前に予約することができる。しかしながら、特定のユーザが他のユーザの近くの座席を頻繁に選択することが可能であるため、他のユーザがストレスを感じたり、他のユーザの生産効率が低下したりするなどの問題が生じるおそれがある。一方、各ユーザによって選択された座席の位置などを示す座席情報を集約することができれば、管理者による座席選択の管理において利便性が向上し、各ユーザによる座席選択を適切に管理することが可能である。
【0005】
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フリーアドレス化された環境におけるユーザによる座席選択を適切に管理することができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従う管理システムは、複数のユーザの各々が座席を選択するためのユーザ装置と、複数のユーザの各々による座席の選択を管理する管理装置とを備える。管理装置は、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行する。
【0007】
本開示の他の局面に従う管理装置は、制御装置と、制御装置が実行するプログラムを記憶する記憶装置とを備える。制御装置は、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行する。
【0008】
本開示の他の局面に従う管理方法は、コンピュータが実行する処理として、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップと、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップと、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップと、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップと、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップと、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行するステップとを含む。
【0009】
本開示の他の局面に従う管理プログラムは、コンピュータに、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップと、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップと、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップと、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップと、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップと、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行するステップとを実行させる。
【0010】
本開示の他の局面に従う通知装置は、複数のユーザの各々による座席の選択を管理する管理装置と通信するための通信装置と、ディスプレイと、通信装置およびディスプレイを制御する制御装置とを備える。管理装置は、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し、第1距離および第2距離とに基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するための通知信号を通知装置に送信する。制御装置は、通信装置によって受信した通知信号に基づき、アラートを示すアラート画面をディスプレイに表示させる。
【0011】
本開示の他の局面に従う管理方法は、複数のユーザの各々による座席の選択を受け付けるステップと、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップと、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップと、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップと、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップと、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップと、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するステップとを含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した場合における第1ユーザおよび第2ユーザの座席間距離と、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した場合における第1ユーザおよび第2ユーザの座席間距離とに基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理することができるため、フリーアドレス化された環境におけるユーザによる座席選択を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1に係る管理システムの適用例を説明するための図である。
【
図2】実施の形態1に係る管理システムの構成を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係るユーザ装置のディスプレイに表示されるユーザ認証画面の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係るユーザ装置のディスプレイに表示される座席選択画面の一例を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係るユーザ装置のディスプレイに表示される座席選択画面の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係るユーザ装置が実行する処理に関するフローチャートである。
【
図8】座席間の距離に応じた複数のユーザの関係を説明するための図である。
【
図9】実施の形態1に係る座席情報テーブルおよび抽出座席情報テーブルを説明するための図である。
【
図10】実施の形態1に係る第1座席情報テーブルおよび第2座席情報テーブルを説明するための図である。
【
図11】実施の形態1に係る距離平均差テーブルを説明するための図である。
【
図12】実施の形態1に係る距離平均差のヒストグラムを示す図である。
【
図13】実施の形態1に係る管理装置が実行する処理に関するフローチャートである。
【
図14】実施の形態1に係る管理装置が実行する処理に関するフローチャートである。
【
図15】実施の形態1に係る通知装置が実行する処理に関するフローチャートである。
【
図16】実施の形態2に係る管理装置が実行する管理処理を説明するための図である。
【
図17】実施の形態3に係る管理装置が実行する管理処理を説明するための図である。
【
図18】実施の形態4に係る管理装置が実行する管理処理を説明するための図である。
【
図19】実施の形態5に係る管理装置の距離平均差テーブルを説明するための図である。
【
図20】変形例に係る管理システムの構成のバリエーションを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0015】
<実施の形態1>
図1~
図15を参照しながら、実施の形態1に係る管理システム1を説明する。
【0016】
[適用例]
図1は、実施の形態1に係る管理システム1の適用例を説明するための図である。管理システム1は、たとえば、職場および学校など、複数の座席が置かれた環境において複数のユーザの各々が自由に座席を決めることができるフリーアドレスに関するサービスを提供する。たとえば、管理システム1が職場で用いられる場合、「ユーザ」として、職場で働く社員が適用され得る。管理システム1が大学などの学校で用いられる場合、「ユーザ」として、学校に通う学生が適用され得る。なお、管理システム1は、職場および学校に限らず、フリーアドレスを適用可能な環境であれば、いずれの環境においても用いられ得る。実施の形態1においては、管理システム1が職場で用いられる例を説明する。
【0017】
図1に示すように、実施の形態1に係る管理システム1は、管理装置10と、ユーザ装置20と、通知装置30とを備える。管理装置10は、ユーザ装置20および通知装置30の各々と通信可能に接続されている。
【0018】
ユーザ装置20は、管理システム1が提供するフリーアドレスに関するサービスを利用する複数のユーザによって使用される。実施の形態1においては、ユーザ装置20は、職場の入口付近に設置され、各ユーザは、出社時に、ユーザ装置20のディスプレイ26に表示された座席選択画面をタッチすることで、所望の座席を選択することができる。
【0019】
上述したように、ユーザは、ユーザ装置20を用いて希望する座席を自由に決めることができるが、特定のユーザが他のユーザの近くの座席を頻繁に選択することもできてしまう。このため、他のユーザが特定のユーザを避けたい場合には、他のユーザがストレスを感じたり、他のユーザの生産効率が低下したりするなどの問題が生じるおそれがある。このような問題に対しては、管理者は、各ユーザによって選択された座席を常にチェックし、特定のユーザが他のユーザの近くの座席を選択することができないようにする対策を講じることが考えられる。あるいは、管理者は、リストに登録された特定のユーザの座席選択をランダムに決定するような対策を講じることも考えられる。しかしながら、管理者が特定のユーザを手動でリストに登録するためには、各ユーザによって選択された座席を常にチェックする必要があり、登録作業が煩雑であるとともに多大な時間を要する。一方、各ユーザによって選択された座席の位置などを示す座席情報を集約することができれば、管理者による座席選択の管理において利便性が向上し、各ユーザによる座席選択を適切に管理することが可能である。
【0020】
そこで、実施の形態1に係る管理システム1は、各ユーザによって選択された座席の位置などを集約した座席情報を用いて、フリーアドレス化された環境におけるユーザによる座席選択を適切に管理するように構成されている。
【0021】
具体的には、管理装置10は、ユーザ装置20を用いて選択された各ユーザの座席の位置(以下、「座席位置」とも称する。)および当該座席が選択されたタイミング(以下、「選択タイミング」とも称する。)を示す座席情報を取得する。管理装置10は、ユーザ装置20から取得した座席情報に基づき、複数のユーザによる座席の選択を管理するための管理処理を実行する。たとえば、管理装置10は、定期的に複数のユーザに関して管理処理を実行することで、任意の2人のユーザによる座席選択に関するアラートを通知するための通知信号を通知装置30に送信する。
【0022】
通知装置30は、管理者によって使用される。通知装置30は、管理装置10から受信した通知信号に基づき、任意の2人のユーザによる座席選択に関するアラートを管理者に通知する。
【0023】
これにより、管理者は、管理システム1を利用することで、管理装置10によって集約された各ユーザの座席情報に基づき、未だ問題としては報告されていない任意の2人のユーザによる問題がありそうな座席選択に関する情報を得ることができ、各ユーザによる座席選択を適切に管理することができる。
【0024】
[管理システムの構成]
図2は、実施の形態1に係る管理システム1の構成を示す図である。
図2に示されるように、管理システム1は、管理装置10と、ユーザ装置20と、通知装置30とを備える。
【0025】
管理装置10は、たとえば、職場で管理される社内のサーバ装置、または管理システム1の運用会社によって提供されるクラウド型のサーバ装置などで構成される。管理装置10は、制御装置11と、メモリ12と、記憶装置13と、メディア読取装置14と、通信装置15とを備える。
【0026】
制御装置11は、各種のプログラムを実行することで、各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。制御装置11は、たとえば、CPU(central processing unit)またはMPU(Micro-processing unit)などのプロセッサで構成されている。なお、制御装置11の一例であるプロセッサは、プログラムを実行することによって各種の処理を実行する機能を有するが、これらの機能の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェア回路を用いて実装してもよい。「プロセッサ」は、CPUまたはMPUのようにストアードプログラム方式で処理を実行する狭義のプロセッサに限らず、ASICまたはFPGAなどのハードワイヤード回路を含み得る。このため、制御装置11の一例である「プロセッサ」は、コンピュータ読み取り可能なコードおよび/またはハードワイヤード回路によって予め処理が定義されている、処理回路(processing circuitry)と読み替えることもできる。なお、制御装置11は、1チップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。さらに、プロセッサおよび関連する処理回路は、ローカルエリアネットワークまたは無線ネットワークなどを介して、有線または無線で相互接続された複数のコンピュータで構成されてもよい。プロセッサおよび関連する処理回路は、入力データに基づきリモートで演算し、その演算結果を離れた位置にある他のデバイスへと出力するような、クラウドコンピュータで構成されてもよい。
【0027】
メモリ12は、制御装置11が各種のプログラムを実行するにあたって、プログラムコードまたはワークメモリなどを一時的に格納する揮発性の記憶領域(たとえば、ワーキングエリア)を含む。メモリ12の一例としては、DRAM(dynamic random access memory)およびSRAM(static random access memory)などの揮発性メモリ、または、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられる。
【0028】
記憶装置13は、制御装置11が実行する各種のプログラムまたは各種のデータなどを記憶する。たとえば、記憶装置13は、制御装置11によって実行される管理プログラム131、および制御装置11が参照する座席情報132などを格納する。記憶装置13は、1または複数の非一時的コンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)であってもよいし、1または複数のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(computer readable storage medium)であってもよい。記憶装置13の一例としては、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)などが挙げられる。
【0029】
管理プログラム131は、制御装置11が座席情報132を用いて、ユーザによる座席選択を管理するための処理手順が規定されたプログラムを含む。座席情報132は、ユーザ装置20を用いてユーザが選択した座席位置および当該座席の選択タイミング(たとえば、日時)を示す情報を含む。なお、管理装置10は、管理プログラム131を予め記憶装置13に記憶してもよいし、メディア読取装置14によって記憶媒体40から取得された管理プログラム131を記憶装置13に記憶してもよい。
【0030】
メディア読取装置14は、記憶媒体40を受け入れて、記憶媒体40から各種のプログラムまたは各種のデータなどを取得する。記憶媒体40は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、またはSD(Secure Digital)カードなどを含む。
【0031】
通信装置15は、ネットワークを介して、ユーザ装置20および通知装置30の各々と通信することによって、ユーザ装置20および通知装置30の各々との間でデータを送受信する。たとえば、通信装置15は、ユーザ装置20と通信することによって、ユーザ装置20からユーザが選択した座席位置および当該座席の選択タイミングを示す情報を取得し、座席情報132として記憶装置13に記憶する。また、通信装置15は、ユーザ装置20と通信することによって、座席選択に関するアラートを通知するための通知信号を通知装置30に送信する。
【0032】
ユーザ装置20は、たとえば、デスクトップ型のPC(Personal Computer)、ラップトップ型のPC、またはタブレット型のPCなどの情報端末で構成される。
図1の例においては、ユーザ装置20として、職場で働く複数のユーザによって利用されるタブレット型のPCが例示されている。なお、ユーザ装置20は、複数のユーザが共通して利用する情報端末に限らず、複数のユーザの各々が個別に所有するスマートフォンなどの携帯端末であってもよい。たとえば、各ユーザは、管理システム1が提供するフリーアドレスに関するサービスを利用するためのアプリケーションをスマートフォン(ユーザ装置20)にインストールし、インストールされたアプリケーションを実行することで、座席選択画面をディスプレイ26に表示させてもよい。
【0033】
ユーザ装置20は、制御装置21と、通信装置25と、ディスプレイ26と、入力インターフェース27とを備える。なお、図示は省略するが、ユーザ装置20は、管理装置10と同様に、メモリ、記憶装置、およびメディア読取装置を備えていてもよい。
【0034】
制御装置21は、各種のプログラムを実行することで、各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。制御装置21は、たとえば、CPUまたはMPUなどのプロセッサで構成されている。なお、制御装置21の一例であるプロセッサは、プログラムを実行することによって各種の処理を実行する機能を有するが、これらの機能の一部または全部を、ASICまたはFPGAなどの専用のハードウェア回路を用いて実装してもよい。制御装置21の一例である「プロセッサ」は、コンピュータ読み取り可能なコードおよび/またはハードワイヤード回路によって予め処理が定義されている、処理回路と読み替えることもできる。なお、制御装置21は、1チップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。
【0035】
ディスプレイ26は、制御装置21の制御に従って、所定の画像を表示する。たとえば、ディスプレイ26は、各ユーザが座席を選択するための座席選択画面など、複数の画像を含む各種の画面を表示する。
【0036】
入力インターフェース27は、ユーザによって入力された所定の情報を受け付けるための操作部であり、マウス、キーボード、またはタッチパネルなどを含む。実施の形態1においては、入力インターフェース27として、ディスプレイ26に貼り付けられたタッチパネルが適用される。
【0037】
通知装置30は、たとえば、デスクトップ型のPC、ラップトップ型のPC、またはタブレット型のPCなどの情報端末で構成される。
図1の例においては、通知装置30として、デスクトップ型のPCまたはラップトップ型のPCが例示されている。なお、通知装置30は、管理者が個別に所有するなどの携帯端末であってもよい。たとえば、管理者は、管理システム1が提供するフリーアドレスに関するサービスを利用するためのアプリケーションをスマートフォン(通知装置30)にインストールし、インストールされたアプリケーションを実行することで、アラートを通知するためのアラート画面をディスプレイ36に表示させてもよい。
【0038】
通知装置30は、制御装置31と、通信装置35と、ディスプレイ36と、入力インターフェース37とを備える。なお、図示は省略するが、通知装置30は、管理装置10と同様に、メモリ、記憶装置、およびメディア読取装置を備えていてもよい。
【0039】
制御装置31は、各種のプログラムを実行することで、各種の処理を実行する演算主体(コンピュータ)である。制御装置31は、たとえば、CPUまたはMPUなどのプロセッサで構成されている。なお、制御装置31の一例であるプロセッサは、プログラムを実行することによって各種の処理を実行する機能を有するが、これらの機能の一部または全部を、ASICまたはFPGAなどの専用のハードウェア回路を用いて実装してもよい。制御装置31の一例である「プロセッサ」は、コンピュータ読み取り可能なコードおよび/またはハードワイヤード回路によって予め処理が定義されている、処理回路と読み替えることもできる。なお、制御装置31は、1チップで構成されてもよいし、複数のチップで構成されてもよい。
【0040】
ディスプレイ36は、制御装置31の制御に従って、所定の画像を表示する。たとえば、ディスプレイ36は、アラートを通知するためのアラート画面など、複数の画像を含む各種の画面を表示する。
【0041】
入力インターフェース37は、管理者によって入力された所定の情報を受け付けるための操作部であり、マウス、キーボード、またはタッチパネルなどを含む。実施の形態1においては、入力インターフェース37として、マウスおよびキーボードが適用される。
【0042】
[ユーザによる座席選択の一例]
図3~
図6を参照しながら、ユーザによる座席選択の一例を説明する。
図3は、実施の形態1に係るユーザ装置20のディスプレイ26に表示されるユーザ認証画面の一例を示す図である。
【0043】
図3に示すように、ユーザ装置20は、ユーザを認証するためのユーザ認証画面をディスプレイ26に表示する。ユーザ認証画面は、座席マップ261と、フロア選択欄262と、ユーザ検索欄263と、メッセージ欄264と、決定アイコン265とを含む。
【0044】
座席マップ261は、平面視された職場のマップであり、四角形状の複数の座席アイコンを用いて、職場に置かれた複数の座席の各々の位置をマップ上で示す。フロア選択欄262は、職場の階数を選択するための欄である。たとえば、ユーザは、フロア選択欄262において、プルダウン形式で職場の階数を選択することができる。ユーザ検索欄263は、ユーザを検索するための欄である。たとえば、ユーザは、ユーザ検索欄263において検索対象であるユーザの所属コードまたは名前を入力することで、所望のユーザの情報を閲覧することができる。メッセージ欄264は、ユーザ向けの各種のメッセージを示す欄である。たとえば、ユーザ認証画面においては、メッセージ欄264は、図示しないカードリーダにIDカードをタッチすることをユーザに促すメッセージを示す。決定アイコン265は、選択した座席を確定させる際にユーザがタッチするためのアイコンである。
【0045】
ユーザは、
図3に示すユーザ認証画面において、自身が所有するIDカードをカードリーダにタッチしてユーザ認証を受けることで、座席を選択するための許可を得ることができる。
【0046】
図4および
図5は、実施の形態1に係るユーザ装置20のディスプレイ26に表示される座席選択画面の一例を示す図である。
図4および
図5に示すように、ユーザ認証が完了すると、ユーザ装置20は、座席を選択するための座席選択画面をディスプレイ26に表示する。座席選択画面は、座席マップ261、フロア選択欄262、メッセージ欄264、および決定アイコン265に加えて、ユーザ情報欄266、座席表示欄267、および選択座席欄268を含む。
【0047】
ユーザ情報欄266は、ユーザ認証されたユーザの情報を示すための欄である。たとえば、ユーザ情報欄266は、ユーザ認証されたユーザの名前(この例では、「B」)およびID(この例では、「23456」)を示す。なお、ユーザIDは、ユーザの社員コードなど、各ユーザを識別可能な情報であればいずれの情報を含んでいてもよい。座席表示欄267は、座席の選択可否および選択状況を示すための欄である。たとえば、座席表示欄267は、選択可能な座席、選択不可能な座席、および選択済みの座席の各々に対応する座席マップ261における座席アイコンの表示態様を示す。なお、選択不可能な座席の座席アイコンの表示態様は、
図4および
図5の例に限らず、グレーアウトなど、その他の表示態様であってもよい。選択座席欄268は、ユーザによってタッチされた座席アイコンに対応する座席を選択済みのユーザの情報を示すための欄である。たとえば、選択座席欄268は、座席アイコンに対応する座席を選択したユーザの名前(この例では、「A」)およびID(この例では、「12345」)を示す。
【0048】
ユーザは、ユーザ認証を受けた後、
図4および
図5に示す座席選択画面において、所望の位置にある座席アイコンをタッチすることで、当該座席アイコンに対応する座席を選択することができる。
【0049】
具体的には、
図4に示すように、ユーザがユーザ認証を受けると、座席選択をユーザに促すメッセージがメッセージ欄264に示される。ユーザが選択済みの座席アイコンをタッチすると、当該座席アイコンに対応する座席を選択しているユーザの情報が選択座席欄268に示される。この例では、ユーザ「A」が選択済みである旨が選択座席欄268に示される。これにより、ユーザは、他のユーザがどの座席を選択したかを認識することができる。
【0050】
図5に示すように、ユーザが選択可能な座席アイコンの中から所望の座席アイコンをタッチすると、当該座席アイコンが選択済みの表示態様に切り替わる。このような状態でユーザが決定アイコン265をタッチすると、座席の選択が確定し、確定した座席の情報(この例では、座席番号が「8」である旨)がメッセージ欄264に示される。
【0051】
図6は、座席の位置座標を説明するための図である。
図6に示すように、座席マップ261においては、各座席に対してX座標およびY座標を含む位置座標が予め定められている。なお、各座席の位置情報は、X座標およびY座標に限らず、他の方法で定められてもよい。たとえば、各座席の位置情報は、各座席に割り当てられた座席番号に対応付けられてもよい。
【0052】
図4および
図5に示す座席選択画面において、ユーザによって座席が選択されると、ユーザ装置20は、ユーザ情報(たとえば、名前およびID)とともに、ユーザによって選択された座席位置および当該座席の選択タイミングを示す座席情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、ユーザ装置20から取得したユーザ情報に紐付けられた座席情報を、座席情報132として記憶装置13に蓄積して記憶する。これにより、管理装置10は、ユーザによって座席が選択される度に、座席位置および選択タイミングを示す座席情報を取得して、取得した座席情報を蓄積して記憶することができる。
【0053】
[ユーザ装置の処理の一例]
図7を参照しながら、ユーザ装置20が実行する処理について説明する。
図7は、実施の形態1に係るユーザ装置20が実行する処理に関するフローチャートである。ユーザ装置20の制御装置21は、図示しない制御プログラムを実行することで、
図7に示すフローチャートの処理を実行する。なお、図中において、「S」は「STEP」の略称として用いられる。
【0054】
図7に示すように、ユーザ装置20は、
図3に示すユーザ認証画面をディスプレイ26に表示する(S1)。ユーザ装置20は、ユーザ認証画面において、ユーザ認証が完了したか否かを判定する(S2)。
【0055】
たとえば、ユーザ装置20は、ユーザがカードリーダにIDカードをタッチすると、IDカードに含まれるIDなどのユーザ情報を管理装置10に送信する。管理装置10は、ユーザ装置20から受信したユーザ情報に基づきユーザの認証可否を判定し、判定結果を示す情報をユーザ装置20に送信する。ユーザ装置20は、管理装置10から受信した判定結果がユーザ認証の完了を示す場合、ユーザ認証が完了したと判定し、管理装置10から受信した判定結果がユーザ認証のエラーを示す場合または管理装置10から判定結果を受信していない場合、ユーザ認証が完了していないと判定する。
【0056】
ユーザ装置20は、ユーザ認証が完了していない場合(S2でNO)、本処理を終了する。なお、ユーザ装置20は、ユーザ登録されていないなどの理由でユーザ認証が完了しない場合(S2でNO)、図示しないユーザ登録画面をディスプレイ26に表示してもよい。さらに、ユーザ装置20は、ユーザ登録画面において入力された新規ユーザのユーザ情報を登録した後、再びS1の処理に戻ってもよい。一方、ユーザ装置20は、ユーザ認証が完了した場合(S2でYES)、
図4および
図5に示す座席選択画面をディスプレイ26に表示する(S3)。
【0057】
ユーザ装置20は、座席選択画面において、座席選択を受け付けたか否かを判定する(S4)。たとえば、ユーザ装置20は、選択可能な座席アイコンの中からユーザによって所望の座席アイコンがタッチされたか否かを判定する。
【0058】
ユーザ装置20は、座席選択を受け付けていない場合(S4でNO)、S4の処理を繰り返す。一方、ユーザ装置20は、座席選択を受け付けた場合(S4でYES)、受け付けたユーザによる座席の選択を確定する(S5)。その後、ユーザ装置20は、ユーザ情報とともに、座席位置および選択タイミングを示す座席情報を管理装置10に送信し(S6)、本処理を終了する。なお、ユーザ装置20は、ユーザからの座席選択を受け付けてユーザの座席を確定する度に座席情報を管理装置10に送信してもよいし、所定期間内で蓄積された座席情報を、当該所定期間ごとに管理装置10に送信してもよい。
【0059】
[管理システムにおけるユーザによる座席選択の管理]
図8~
図12を参照しながら、管理システム1におけるユーザによる座席選択の管理について説明する。
図8は、座席間の距離に応じた複数のユーザの関係を説明するための図である。
【0060】
図8に示すように、複数のユーザのうちの任意の2人のユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)に着目すると、座席位置および選択タイミングに応じて、両者の関係性を概ね見出すことができる。たとえば、第1ユーザが先に座席を選択した後に、かつ第2ユーザが第1ユーザの後に座席を選択した状況(以下、「第1状況」とも称する。)において、第1ユーザが選択した座席位置と第2ユーザが選択した座席位置との間の距離を、「第1距離」と称する。なお、第1距離は、第1状況1回当たりの距離である。詳しくは後述するが、管理システム1においては、複数のユーザによる座席選択の状況に応じて、第1距離の大小が生じることもあるため、1週間または1カ月間といった所定期間における複数回の第1距離を平均した第1平均値を用いることにより、第1ユーザが選択した座席位置と第2ユーザが選択した座席位置との間の距離の精度を上げるようになっている。また、第2ユーザが先に座席を選択し、かつ第1ユーザが第2ユーザの後に座席を選択した状況(以下、「第2状況」とも称する。)において、第1ユーザが選択した座席位置と第2ユーザが選択した座席位置との間の距離を、「第2距離」と称する。なお、第2距離は、第2状況1回当たりの距離である。詳しくは後述するが、管理システム1においては、複数のユーザによる座席選択の状況に応じて、第2距離の大小が生じることもあるため、1週間または1カ月間といった所定期間における複数回の第2距離を平均した第2平均値を用いることにより、第1ユーザが選択した座席位置と第2ユーザが選択した座席位置との間の距離の精度を上げるようになっている。
【0061】
第1距離が比較的小さく、かつ第2距離が比較的小さい場合、第1ユーザおよび第2ユーザが互いに近づく傾向があるため、第1ユーザと第2ユーザの関係性が比較的強いと言える。第1距離が比較的大きく、かつ第2距離が比較的大きい場合、第1ユーザおよび第2ユーザが互いに避ける傾向があるため、第1ユーザと第2ユーザの関係性が比較的弱いと言える。第1距離が比較的大きく、かつ第2距離が比較的小さい場合、第1ユーザは第2ユーザの近くの席を選択する傾向がある一方、第2ユーザは第1ユーザを避ける傾向があると言える。第2距離が比較的大きく、かつ第1距離が比較的小さい場合、第2ユーザは第1ユーザの近くの席を選択する傾向がある一方、第1ユーザは第2ユーザを避ける傾向があると言える。
【0062】
第1ユーザと第2ユーザの関係性が比較的強い場合、または、第1ユーザと第2ユーザの関係性が比較的弱い場合、特に問題は生じない。しかしながら、第1ユーザが第2ユーザに近づく一方、第2ユーザが第1ユーザを避ける傾向がある場合、または第2ユーザが第1ユーザに近づく一方、第1ユーザが第2ユーザを避ける傾向がある場合、特定のユーザが他のユーザの意思に反して近づこうしているため、他のユーザがストレスを感じたり、他のユーザの生産効率が低下したりするなどの問題が生じるおそれがある。
【0063】
そこで、
図9~
図12を用いて説明するように、管理システム1において、管理装置10は、各ユーザによって選択された座席位置および選択タイミングを集約した座席情報を用いて、各ユーザによる座席選択を適切に管理するように構成されている。なお、
図9~
図12に示す例においては、「第1ユーザ」にユーザAが適用され、「第2ユーザ」にユーザBが適用される。
【0064】
図9は、実施の形態1に係る座席情報テーブルおよび抽出座席情報テーブルを説明するための図である。
図9に示すように、管理装置10は、座席情報を座席情報テーブルに格納して記憶する。座席情報テーブルは、ユーザによって座席が選択された選択タイミング(この例では、日時)と、座席を選択したユーザのユーザ情報(この例では、名前およびID)と、ユーザによって選択された座席位置(この例では、座席番号および座席の位置座標)などの座席情報を格納する。
【0065】
管理装置10は、座席情報テーブルに格納された座席情報の中から、任意の2人のユーザの座席情報を取得する。この例では、管理装置10は、座席情報の中から、ユーザAおよびユーザBの各々の座席情報を抽出し、抽出座席情報テーブルに格納する。すなわち、抽出座席情報テーブルは、ユーザAおよびユーザBのみに関する、選択タイミング、ユーザ情報、および座席位置などの座席情報を格納する。
【0066】
図10は、実施の形態1に係る第1座席情報テーブルおよび第2座席情報テーブルを説明するための図である。
図10に示すように、管理装置10は、抽出情報テーブルに格納されたユーザAおよびユーザBの座席情報の中から、ユーザAがユーザBよりも先に座席を選択した状況(第1状況)におけるユーザAおよびユーザBの各々が選択した座席の位置を示す座席情報(以下、「第1座席情報」とも称する。)を取得し、第1座席情報テーブルに格納する。さらに、管理装置10は、抽出情報テーブルに格納されたユーザAおよびユーザBの座席情報の中から、ユーザBがユーザAよりも先に座席を選択した状況(第2状況)におけるユーザAおよびユーザBの各々が選択した座席の位置を示す座席情報(以下、「第2座席情報」とも称する。)を取得し、第2座席情報テーブルに格納する。
【0067】
管理装置10は、第1座席情報テーブルに格納された第1座席情報に基づき、ユーザAが選択した座席位置とユーザBが選択した座席位置との間の距離(以下、「第1距離」とも称する。)を算出する。さらに、管理装置10は、第1状況が複数回生じた場合における第1距離の平均値(以下、「第1平均値」とも称する。)を算出する。たとえば、
図10の例において、管理装置10は、第1平均値として、「3.6」を算出する。なお、第1状況が1回生じた場合における第1平均値は、1回分の第1距離と同じになる。
【0068】
管理装置10は、第2座席情報テーブルに格納された第2座席情報に基づき、ユーザAが選択した座席位置とユーザBが選択した座席位置との間の距離(以下、「第2距離」とも称する。)を算出する。さらに、管理装置10は、第2状況が複数回生じた場合における第2距離の平均値(以下、「第2平均値」とも称する。)を算出する。たとえば、
図10の例において、管理装置10は、第2平均値として、「27.9」を算出する。なお、第2状況が1回生じた場合における第2平均値は、1回分の第2距離と同じになる。
【0069】
さらに、管理装置10は、第1平均値と第2平均値との差分(以下、「距離平均差」とも称する。)を算出する。たとえば、
図10の例において、管理装置10は、第1平均値(「3.6」)から第2平均値(「27.9」)を減算することで、距離平均差として「-24.3」を算出する。
【0070】
図11は、実施の形態1に係る距離平均差テーブルを説明するための図である。
図11に示すように、管理装置10は、上述のようにして、任意の2人のユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)の組み合わせごとに、距離平均差を算出し、距離平均差テーブルに格納する。たとえば、
図11の例において、管理装置10は、ユーザAおよびユーザBに関する距離平均差として、「-24.3」を算出し、ユーザXおよびユーザYに関する距離平均差として、「0.9」を算出し、算出した距離平均差を、ユーザ情報に紐付けて距離平均差テーブルに格納する。
【0071】
ここで、管理装置10は、任意の2人のユーザの組み合わせの各々について距離平均差を算出する際、一律に、第1平均値から第2平均値を減算するように構成されている。このような算出方法においては、距離平均差>0である場合、第1ユーザが第2ユーザに近づく一方、第2ユーザが第1ユーザを避ける傾向がある。一方、距離平均差<0である場合、第2ユーザが第1ユーザに近づく一方、第1ユーザが第2ユーザを避ける傾向がある。たとえば、ユーザAおよびユーザBにおいては、距離平均差が「-24.3」であるため、ユーザBがユーザAに近づく一方、ユーザAがユーザBを避ける傾向がある。
【0072】
なお、管理装置10は、任意の2人のユーザの組み合わせの各々について距離平均差を算出する際、一律に、第2平均値から第1平均値を減算するように構成されてもよい。このような算出方法においては、距離平均差>0である場合、第2ユーザが第1ユーザに近づく一方、第1ユーザが第2ユーザを避ける傾向がある。一方、距離平均差<0である場合、第1ユーザが第2ユーザに近づく一方、第2ユーザが第1ユーザを避ける傾向がある。
【0073】
管理装置10は、距離平均差テーブルに格納された任意の2人のユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)ごとの距離平均差の中から、外れ値となる距離平均差を抽出する。たとえば、
図12は、実施の形態1に係る距離平均差のヒストグラムを示す図である。
図12に示すように、管理装置10は、任意の2人のユーザごとの距離平均差に基づきヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムを用いて、外れ値となる距離平均差を抽出する。
【0074】
図12の例において、管理装置10は、外れ値となる距離平均差として、ユーザAおよびユーザBの座席情報から算出した「-24.3」を抽出する。たとえば、管理装置10は、個数が閾値(たとえば、1)以下となる距離平均差を外れ値として抽出する。あるいは、管理装置10は、絶対値が閾値(たとえば、20)以下となる距離平均差を外れ値として抽出してもよい。なお、管理装置10は、外れ値の抽出方法として、絶対評価に限らず、相対評価で外れ値を抽出してもよい。たとえば、管理装置10は、最も多い個数との差が閾値(たとえば、30)以上となる個数の距離平均差を外れ値として抽出してもよい。あるいは、管理装置10は、最も大きい距離平均差との差の絶対値が閾値(たとえば、20)以上となる距離平均差を外れ値として抽出してもよい。なお、管理装置10は、外れ値の抽出方法として、閾値を用いる方法に限らず、たとえば、スミルノフ-グラブス検定、k近傍法、LOF(Local Outlier Factor)、およびホテリング理論など、その他の方法を用いて外れ値を抽出してもよい。なお、管理装置10は、外れ値を抽出するための閾値などの基準を、管理者が複数の選択肢の中から選択できるように構成されていてもよい。
【0075】
管理装置10は、外れ値を抽出すると、当該外れ値である距離平均差の算出に係る第1ユーザおよび第2ユーザについて、座席選択を管理するための管理処理を実行する。たとえば、管理装置10は、外れ値である「-24.3」に対応するユーザAおよびユーザBについて、ユーザBがユーザAに近づく一方、ユーザAがユーザBを避ける傾向があるため、ユーザAおよびユーザBによる座席選択に関するアラートを通知するための通知信号を通知装置30に送信する。通知装置30は、管理装置10から受信した通知信号に基づき、ユーザAおよびユーザBによる座席選択に関するアラートを管理者に通知する。
【0076】
これにより、管理者は、管理システム1を利用することで、管理装置10によって集約された各ユーザの座席情報に基づき、特定のユーザ(たとえば、ユーザB)が他のユーザ(たとえば、ユーザA)の近くの座席を頻繁に選択するなどの問題を検出することができ、問題が生じている2人のユーザ(ユーザAおよびユーザB)による座席選択を適切に管理することができる。
【0077】
[管理装置の処理の一例]
図13および
図14を参照しながら、管理装置10が実行する処理について説明する。
図13および
図14は、実施の形態1に係る管理装置10が実行する処理に関するフローチャートである。管理装置10の制御装置11は、管理プログラム131を実行することで、
図13および
図14に示すフローチャートの処理を実行する。なお、
図14に示すフローチャートは、
図13のS12に含まれる処理のフローチャートである。なお、図中において、「S」は「STEP」の略称として用いられる。
【0078】
図13に示すように、管理装置10は、座席情報テーブルに格納された座席情報の中から、任意の第1ユーザおよび第2ユーザの座席情報を取得する(S11)。管理装置10は、第1ユーザおよび第2ユーザの座席情報に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの距離平均差を算出する(S12)。
【0079】
図14に示すように、管理装置10は、第1ユーザおよび第2ユーザの座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得する(S21)。
【0080】
管理装置10は、第1座席情報に基づき、第1状況が複数回生じた場合における第1ユーザが選択した座席位置と第2ユーザが選択した座席位置との間の第1距離の平均値(第1距離平均)を算出する(S22)。
【0081】
管理装置10は、第1ユーザおよび第2ユーザの座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得する(S23)。
【0082】
管理装置10は、第2座席情報に基づき、第2状況が複数回生じた場合における第1ユーザが選択した座席位置と第2ユーザが選択した座席位置との間の第2距離の平均値(第2距離平均)を算出する(S24)。
【0083】
管理装置10は、第1距離平均と第2距離平均との差分(距離平均差分)を算出する(S25)。その後、管理装置10は、本処理を終了し、
図13のS13の処理に移行する。
【0084】
図13に戻り、管理装置10は、S12で距離平均差分を算出した後、座席情報を取得している全てのユーザについて距離平均差分を算出したか否かを判定する(S13)。管理装置10は、全てのユーザについて距離平均差分を算出していない場合(S13でNO)、S11の処理を再び実行する。一方、管理装置10は、全てのユーザについて距離平均差分を算出した場合(S13でYES)、距離平均差の外れ値を抽出する(S14)。
【0085】
管理装置10は、外れ値を抽出すると、当該外れ値である距離平均差の算出に係る第1ユーザおよび第2ユーザについて、座席選択を管理するための管理処理を実行する(S15)。たとえば、管理装置10は、外れ値の算出に係る第1ユーザおよび第2ユーザによる座席選択に関するアラートを通知するための通知信号を通知装置30に送信する。その後、管理装置10は、本処理を終了する。
【0086】
[管理装置の処理の一例]
図15を参照しながら、通知装置30が実行する処理について説明する。
図15は、実施の形態1に係る通知装置30が実行する処理に関するフローチャートである。通知装置30の制御装置31は、図示しない制御プログラムを実行することで、
図15に示すフローチャートの処理を実行する。なお、図中において、「S」は「STEP」の略称として用いられる。
【0087】
図15に示すように、通知装置30は、管理装置10から通知信号を受信したか否かを判定する(S31)。通知装置30は、管理装置10から通知信号を受信していない場合(S31でNO)、本処理を終了する。
【0088】
一方、通知装置30は、管理装置10から通知信号を受信した場合(S31でYES)、ディスプレイ36にアラート画面を表示し(S32)、本処理を終了する。
【0089】
アラート画面においては、座席選択に問題があるとしてリストに登録された登録ユーザの情報(たとえば、名前およびID)と、当該特定のユーザのターゲットとなったターゲットユーザの情報(たとえば、名前およびID)とが示される。たとえば、
図8~
図12の例の場合、ユーザBがユーザAに近づく一方、ユーザAがユーザBを避ける傾向があるため、アラート画面においては、登録ユーザとしてユーザBの情報が示され、ターゲットユーザとしてユーザAの情報が示される。なお、アラート通知には、メールまたはSNSを利用した通知など、その他の方法が用いられてもよい。また、管理者がリストにアクセスしたときに、リストに登録された特定のユーザの情報がその他のユーザの情報よりも目立つ色で示されてもよい。なお、管理装置10は、管理処理として、単に、座席選択に問題があるユーザを登録したリストを作成してもよい。
【0090】
以上のように、管理装置10は、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した場合における第1ユーザおよび第2ユーザの座席間距離である第1距離の平均値と、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した場合における第1ユーザおよび第2ユーザの座席間距離である第2距離の平均値との差分(距離平均差分)を算出し、算出した距離平均差分に基づき、アラートを通知するための通知信号を通知装置30に送信することができる。一方、通知装置30は、受信した通知信号に基づき、アラート画面をディスプレイ36に表示することで、管理者に対してアラートを通知することができる。これにより、管理者は、アラート画面で示されたユーザに対して注意を呼びかけるなどの対策を講じることができるため、問題が生じている2人のユーザによる座席選択を適切に管理することができる。
【0091】
<実施の形態2>
図16を参照しながら、実施の形態2に係る管理システム1について説明する。以下では、実施の形態2に係る管理システム1について、実施の形態1に係る管理システム1と異なる部分のみを説明する。
【0092】
図16は、実施の形態2に係る管理装置10が実行する管理処理を説明するための図である。実施の形態1に係る管理装置10は、管理処理として、アラートを通知するための通知信号を通知装置30に送信するように構成されていたが、その他の処理を実行してもよい。
【0093】
具体的には、管理装置10は、管理処理として、第1ユーザおよび第2ユーザのうちのいずれかによる特定の座席の選択を不可能とする処理を実行してもよい。たとえば、
図16には、実施の形態2に係るユーザ装置20がディスプレイ26に表示する座席選択画面が示されている。
【0094】
ユーザは、ユーザ認証を受けた後、
図16に示す座席選択画面において、所望の座席を選択することができるが、
図15に示すような管理装置10のリストに登録された登録ユーザが座席を選択する場合、ターゲットユーザによって選択されている座席から所定範囲内の座席については、座席アイコンが選択不可能な表示態様を示すとともに、選択できない旨を示す選択不可欄269がディスプレイ26に表示される。たとえば、ユーザBが、ユーザAによって選択されている座席の隣りの座席を選択しようとしても、隣りの座席の座席アイコンが選択不可能な表示態様を示すとともに、選択できない旨を示す選択不可欄269がディスプレイ26に表示される。
【0095】
より具体的には、管理装置10は、
図15に示すようなリストに登録された登録ユーザおよびターゲットユーザの情報をユーザ装置20に送信する。ユーザ装置20は、管理装置10から取得した登録ユーザおよびターゲットユーザの情報に基づき、登録ユーザが、ターゲットユーザによって選択されている座席から所定範囲内の座席を選択した場合、選択できない旨を示す選択不可欄269をディスプレイ26に表示する。
【0096】
これにより、管理者は、登録ユーザがターゲットユーザの近くの座席を選択することを防止することができるため、問題が生じている2人のユーザによる座席選択を適切に管理することができる。
【0097】
<実施の形態3>
図17を参照しながら、実施の形態3に係る管理システム1について説明する。以下では、実施の形態3に係る管理システム1について、実施の形態1に係る管理システム1と異なる部分のみを説明する。
【0098】
図17は、実施の形態3に係る管理装置10が実行する管理処理を説明するための図である。実施の形態3に係る管理装置10は、管理処理として、第1ユーザおよび第2ユーザのうちのいずれかに対して特定の座席の選択を勧める処理を実行してもよい。たとえば、
図17には、実施の形態3に係るユーザ装置20がディスプレイ26に表示する座席選択画面が示されている。
【0099】
ユーザは、ユーザ認証を受けた後、
図17に示す座席選択画面において、所望の座席を選択することができるが、
図15に示すような管理装置10のリストに登録された登録ユーザに対しては、ターゲットユーザによって選択されている座席から所定範囲外の座席の選択を勧める推薦欄270がディスプレイ26に表示される。
【0100】
より具体的には、管理装置10は、
図15に示すようなリストに登録された登録ユーザおよびターゲットユーザの情報をユーザ装置20に送信する。ユーザ装置20は、管理装置10から取得した登録ユーザおよびターゲットユーザの情報に基づき、登録ユーザが座席を選択する場合、ターゲットユーザによって選択されている座席から所定範囲外の座席の選択を勧める推薦欄270をディスプレイ26に表示する。
【0101】
これにより、管理者は、登録ユーザがターゲットユーザから離れた座席を選択するように促すことができるため、問題が生じている2人のユーザによる座席選択を適切に管理することができる。
【0102】
<実施の形態4>
図18を参照しながら、実施の形態4に係る管理システム1について説明する。以下では、実施の形態4に係る管理システム1について、実施の形態1に係る管理システム1と異なる部分のみを説明する。
【0103】
図18は、実施の形態4に係る管理装置10が実行する管理処理を説明するための図である。実施の形態4に係る管理装置10は、管理処理として、第1ユーザおよび第2ユーザのうちのいずれかに対して特定の座席の選択を強制する処理を実行してもよい。たとえば、
図18には、実施の形態4に係るユーザ装置20がディスプレイ26に表示する座席選択画面が示されている。
【0104】
ユーザは、ユーザ認証を受けた後、
図18に示す座席選択画面において、所望の座席を選択することができるが、
図15に示すような管理装置10のリストに登録された登録ユーザの座席として、ターゲットユーザによって選択されている座席から所定範囲外の座席が強制的に確定された旨を示す確定欄271がディスプレイ26に表示され、さらに、確定した座席の情報(この例では、座席番号が「45」である旨)がメッセージ欄264に示される。
【0105】
より具体的には、管理装置10は、
図15に示すようなリストに登録された登録ユーザおよびターゲットユーザの情報をユーザ装置20に送信する。ユーザ装置20は、管理装置10から取得した登録ユーザおよびターゲットユーザの情報に基づき、登録ユーザが座席を選択する場合、登録ユーザの座席として、ターゲットユーザによって選択されている座席から所定範囲外の座席を強制的に確定し、確定した座席の位置を示す座席情報を管理装置10に送信する。さらに、ユーザ装置20は、登録ユーザの座席として、ターゲットユーザによって選択されている座席から所定範囲外の座席が強制的に確定された旨を示す確定欄271をディスプレイ26に表示する。なお、管理装置10が登録ユーザの座席を決定してもよいし、ユーザ装置20が登録ユーザの座席を決定してもよい。また、管理装置10またはユーザ装置20は、登録ユーザの座席をランダムに決定してもよいし、登録ユーザの座席を予め定めていてもよい。
【0106】
<実施の形態5>
図19を参照しながら、実施の形態5に係る管理システム1について説明する。以下では、実施の形態5に係る管理システム1について、実施の形態1に係る管理システム1と異なる部分のみを説明する。
【0107】
図19は、実施の形態5に係る管理装置10の距離平均差テーブルを説明するための図である。実施の形態1に係る管理装置10においては、座席情報に紐付けられるユーザ情報がユーザの名前およびIDを含んでいたが、その他の情報を含んでいてもよい。たとえば、座席情報に紐付けられるユーザ情報は、ユーザの属性を示す属性情報を含んでいてもよい。属性情報としては、ユーザが所属する部署、またはユーザの職制などを含んでいてもよい。
【0108】
たとえば、
図19に示す距離平均差テーブルにおいては、第1ユーザおよび第2ユーザの各々の属性情報として、各ユーザが所属する部署および各ユーザの職制が格納されている。管理装置10は、距離平均差テーブルに基づき抽出した外れ値である距離平均差に対応する第1ユーザおよび第2ユーザについて、アラートを通知するための通知信号を通知装置30に送信する際、当該通知信号に第1ユーザおよび第2ユーザの各々の属性情報を含ませてもよい。通知装置30は、管理装置10から受信した通知信号に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザによる座席選択に関するアラートとともに、第1ユーザおよび第2ユーザの各々の属性情報をアラート画面に含ませてディスプレイ36に表示してもよい。
【0109】
たとえば、
図19の例では、第1課の課長であるユーザBが第1課の一般社員であるユーザAに近づく一方、ユーザAがユーザBを避ける傾向がある。この場合、管理者は、通知装置30のディスプレイ36に表示されたアラート画面によって、上司であるユーザBが部下であるユーザAから一定の距離を取りたいと思われているといった問題、または上司であるユーザBが特定の部下であるユーザAにのみ接近しているといった問題などを検出することができる。
【0110】
これにより、管理者は、管理システム1を利用することで、管理装置10によって集約された各ユーザの座席情報に基づき、特定のユーザ(たとえば、ユーザB)が他のユーザ(たとえば、ユーザA)の近くの座席を頻繁に選択するなどの問題を検出することができるとともに、ユーザ情報(属性情報)に基づき、問題が生じている2人のユーザの関係性(たとえば、上司と部下との関係など)を認識することができるため、2人のユーザの関係性を考慮しながら、2人のユーザによる座席選択を適切に管理することができる。
【0111】
<変形例>
以上、実施の形態1~5に係る管理システム1について説明したが、管理システム1の各装置(管理装置10、ユーザ装置20、および通知装置30)が備える構成および各種の処理は、様々なバリエーションで構成されてもよい。
図20は、変形例に係る管理システムの構成のバリエーションを説明するための図である。
【0112】
図20に示すように、パターン1の管理システム1は、クラウドタイプのシステムである。たとえば、パターン1の管理システム1においては、各ユーザが座席を選択するユーザ装置20として、デスクトップ型、ラップトップ型、またはタブレット型のPCが適用され、距離平均差を算出する管理装置10として、社内またはクラウドのサーバ装置が適用され、距離平均差の算出結果を通知装置30に出力する際の出力方法として、ネットワークが適用され、その出力先として、ウェブサービスまたはメールが適用され得る。
【0113】
パターン2の管理システム1は、算出結果のみをウェブ上に出力するタイプのシステムである。たとえば、パターン2の管理システム1においては、ユーザ装置20および管理装置10が一体的に構成された装置として、デスクトップ型、ラップトップ型、またはタブレット型のPCが適用され、距離平均差の算出結果を通知装置30に出力する際の出力方法として、ネットワークが適用され、その出力先として、ウェブサービスが適用され得る。
【0114】
パターン3の管理システム1は、算出結果のみをローカルのPCに出力するタイプのシステムである。たとえば、パターン3の管理システム1においては、ユーザ装置20および管理装置10が一体的に構成された装置として、デスクトップ型、ラップトップ型、またはタブレット型のPCが適用され、距離平均差の算出結果を通知装置30に出力する際の出力方法として、ブルートゥース(登録商標)が適用され、その出力先として、スマートフォンまたは他のタブレット型のPCが適用され得る。
【0115】
パターン4の管理システム1は、スタンドアローンタイプのシステムである。たとえば、パターン4の管理システム1においては、ユーザ装置20、管理装置10、および通知装置30が一体的に構成された装置として、デスクトップ型、ラップトップ型、またはタブレット型のPCが適用され得る。
【0116】
<態様>
(第1項) 一態様に係る管理システム(1)は、複数のユーザの各々が座席を選択するためのユーザ装置(20)と、複数のユーザの各々による座席の選択を管理する管理装置(10)とを備える。管理装置は、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し(S11)、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し(S21)、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し(S22)、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し(S23)、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し(S24)、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行する(S15)。
【0117】
(第2項) 第1項に記載の管理システムにおいて、管理装置は、第1状況が複数回生じた場合における第1距離の第1平均値を算出し(S22)、第2状況が複数回生じた場合における第2距離の第2平均値を算出し(S24)、第1平均値と第2平均値との差分を算出し(S25)、差分に基づき、管理処理を実行する。
【0118】
(第3項) 第2項に記載の管理システムにおいて、管理装置は、第1ユーザおよび第2ユーザにおける差分が、複数のユーザの中から選択可能な2人のユーザの組み合わせの各々における差分の中で外れ値となる場合に、第1ユーザおよび第2ユーザについて管理処理を実行する。
【0119】
(第4項) 第1項~第3項のいずれか1項に記載の管理システムは、複数のユーザによる座席の選択に関する通知を行う通知装置(30)をさらに備える。管理処理は、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するための通知信号を通知装置に送信する処理を含む。
【0120】
(第5項) 第4項に記載の管理システムにおいて、通知信号は、第1ユーザおよび第2ユーザの各々の属性を示す属性情報を含む。
【0121】
(第6項) 第1項~第5項のいずれか1項に記載の管理システムにおいて、管理処理は、第1ユーザおよび第2ユーザのうちのいずれかによる特定の座席の選択を不可能とする処理を含む。
【0122】
(第7項) 第1項~第5項のいずれか1項に記載の管理システムにおいて、管理処理は、第1ユーザおよび第2ユーザのうちのいずれかに対して特定の座席の選択を勧める処理を含む。
【0123】
(第8項) 第1項~第5項のいずれか1項に記載の管理システムにおいて、管理処理は、第1ユーザおよび第2ユーザのうちのいずれかに対して特定の座席の選択を強制する処理を含む。
【0124】
(第9項) 一態様に係る管理装置(10)は、制御装置(11)と、制御装置が実行するプログラムを記憶する記憶装置(13)とを備える。制御装置は、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し(S11)、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し(S21)、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し(S22)、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し(S23)、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し(S24)、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行する(S15)。
【0125】
(第10項) 一態様に係る管理方法は、コンピュータ(11)が実行する処理として、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップ(S11)と、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップ(S21)と、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップ(S22)と、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップ(S23)と、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップ(S24)と、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行するステップ(S15)とを含む。
【0126】
(第11項) 一態様に係る管理プログラム(131)は、コンピュータ(11)に、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップ(S11)と、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップ(S21)と、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップ(S22)と、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップ(S23)と、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップ(S24)と、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択を管理するための管理処理を実行するステップ(S15)とを実行させる。
【0127】
(第12項) 一態様に係る通知装置(30)は、複数のユーザの各々による座席の選択を管理する管理装置(10)と通信するための通信装置(35)と、ディスプレイ(36)と、通信装置およびディスプレイを制御する制御装置(31)とを備える。管理装置は、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得し(S11)、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得し(S21)、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出し(S22)、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得し(S23)、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出し(S24)、第1距離および第2距離とに基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するための通知信号を通知装置に送信する(S15)。制御装置は、通信装置によって受信した通知信号に基づき、アラートを示すアラート画面をディスプレイに表示させる(S32)。
【0128】
(第13項) 一態様に係る管理方法は、複数のユーザの各々による座席の選択を受け付けるステップ(S4)と、複数のユーザに含まれる第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置および当該座席を選択したタイミングを示す座席情報を取得するステップ(S11)と、座席情報に基づき、第1ユーザが第2ユーザよりも先に座席を選択した第1状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第1座席情報を取得するステップ(S21)と、第1座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第1距離を算出するステップ(S22)と、座席情報に基づき、第2ユーザが第1ユーザよりも先に座席を選択した第2状況における第1ユーザおよび第2ユーザの各々が選択した座席の位置を示す第2座席情報を取得するステップ(S23)と、第2座席情報に基づき、第1ユーザが選択した座席の位置と第2ユーザが選択した座席の位置との間の第2距離を算出するステップ(S24)と、第1距離および第2距離に基づき、第1ユーザおよび第2ユーザの各々による座席の選択に関するアラートを通知するステップ(S32)とを含む。
【0129】
以上、複数の実施の形態および変形例について説明したが、これらの複数の実施の形態および変形例の各々における特徴は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0130】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0131】
1 管理システム、10 管理装置、11,21,31 制御装置、12 メモリ、13 記憶装置、14 メディア読取装置、15,25,35 通信装置、20 ユーザ装置、26,36 ディスプレイ、27,37 入力インターフェース、30 通知装置、40 記憶媒体、131 管理プログラム、132 座席情報、261 座席マップ、262 フロア選択欄、263 ユーザ検索欄、264 メッセージ欄、265 決定アイコン、266 ユーザ情報欄、267 座席表示欄、268 選択座席欄、269 選択不可欄、270 推薦欄、271 確定欄。