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  • 特開-横引ドレンキャップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024171994
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】横引ドレンキャップ
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/04 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
E04D13/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089394
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】592179137
【氏名又は名称】株式会社アルテック
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植田 敦郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 忠明
(57)【要約】
【課題】従来よりも広い範囲の排水口の口径に対応させることが可能で且つ排水口の口径に関わらず良好な固定性能を発揮させることが可能な横引ドレンキャップを提供する。
【解決手段】壁1と床面2とが成す隅部から雨水を横向きに引き込む排水口3に用いられる横引ドレンキャップ4に関し、前記排水口3の開口部を覆う格子構造のキャップ本体5を備え、該キャップ本体5における前記排水口3と対峙する面の格子模様を左右両側から中間に向け下り勾配を成す複数段のスリット7として形成し、左右一対でV字形を成すスリット7の組の少なくとも一組にスリット7の長手方向への移動が可能で且つ中途位置での固定も可能なスライダ8を夫々嵌着し、該各スライダ8における前記排水口3と対峙する側に該排水口3の内部に窄めて挿入されてから自身の弾性力により広がって前記排水口3の内側に圧接する板ばね部材9を装着した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁と床面とが成す隅部から雨水を横向きに引き込む排水口に用いられる横引ドレンキャップであって、前記排水口の開口部を覆う格子構造のキャップ本体を備え、該キャップ本体における前記排水口と対峙する面の格子模様を左右両側から中間に向け下り勾配を成す複数段のスリットとして形成し、左右一対でV字形を成すスリットの組の少なくとも一組に左右各スリットにおける長手方向への移動が可能で且つ中途位置での固定も可能なスライダを夫々嵌着し、該各スライダにおける前記排水口と対峙する側に該排水口の内部に窄めて挿入されてから自身の弾性力により広がって前記排水口の内側に圧接する板ばね部材を装着したことを特徴とする横引ドレンキャップ。
【請求項2】
スライダが嵌着されるスリットを画定する上下の格子の一方を波形に形成し、該波形の凹みに嵌まり込んで前記スライダを位置固定し且つ該スライダを強制的に移動させることで前記波形の凹みから押し戻される山形の弾性体を前記スライダに装備する一方、前記上下の格子の他方を前記スライダの移動を案内するガイドとして直線状に形成したことを特徴する請求項1に記載の横引ドレンキャップ。
【請求項3】
各板ばね部材の基端がL字形に屈曲された取付端を有し、該取付端の折れ曲りの向きをスライダの移動方向における下り側又は上り側の何れかを選択して装着し得るように構成したことを特徴する請求項1又は2に記載の横引ドレンキャップ。
【請求項4】
各板ばね部材の長手方向適宜位置に弾性ゴムから成る滑り防止具を装着したことを特徴する請求項1、2又は3に記載の横引ドレンキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水を排水する排水口に取り付けられて異物の侵入を防ぐ横引ドレンキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルやマンション等の建築物の屋上や各階のベランダには、雨水を排水する排水口が設けられており、一般的には、床面を貫通して下方向きに雨水を排水する排水口が設置され、落ち葉、小枝、紙、ビニール等(以下、落ち葉等と称する)が前記排水口に流れ込まないよう格子構造の縦引ドレンキャップが前記排水口の開口部に設置されるが、床面の真下に部屋があるような場合は、下方向きに雨水を導く排水口を設けることが難しいため、壁と床面とが成す隅部から横向きに雨水を引き込む排水口が設けられ、該排水口の開口部に横引ドレンキャップが設置されることになる。
【0003】
図10及び図11は従来の横引ドレンキャップaの一例(下記の特許文献1を参照)を示すもので、壁bと床面cとが成す隅部に対応したL字形の側面形状を持つ格子構造のキャップ本体dと、該キャップ本体dにおける排水口eと対峙する面に縦向きのガイド孔fに沿い摺動自在な連結具gと、二つ折りに窄めた状態で排水口eの内部に挿入されてから自身の弾性力により広がって前記排水口eの内側に圧接する板ばね部材hと、該板ばね部材hの二つ折りの基点となる長手方向中間部を保持し且つ前記連結具gに対し俯仰自在に枢着される保持具iとを備えた構造となっており、様々な口径の排水口eにおける中心高さに合わせて板ばね部材hの高さ位置を調整できるようにしてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-145468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、斯かる従来の横引ドレンキャップaにおいては、様々な口径の排水口eに対し板ばね部材hの撓み量だけで対応させなければならなかったため、比較的狭い範囲の排水口eの口径にしか対応させることができず、しかも、その対応させることが可能な範囲内で口径が大きくなるにつれ撓み量が少なくなって圧接力が弱くなるという課題もあった。
本発明は、上述の実情に鑑みてなしたもので、従来よりも広い範囲の排水口の口径に対応させることが可能で且つ排水口の口径に関わらず良好な固定性能を発揮させることが可能な横引ドレンキャップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の横引ドレンキャップは、壁と床面とが成す隅部から雨水を横向きに引き込む排水口に用いられる横引ドレンキャップであって、前記排水口の開口部を覆う格子構造のキャップ本体を備え、該キャップ本体における前記排水口と対峙する面の格子模様を左右両側から中間に向け下り勾配を成す複数段のスリットとして形成し、左右一対でV字形を成すスリットの組の少なくとも一組に左右各スリットにおける長手方向への移動が可能で且つ中途位置での固定も可能なスライダを夫々嵌着し、該各スライダにおける前記排水口と対峙する側に該排水口の内部に窄めて挿入されてから自身の弾性力により広がって前記排水口の内側に圧接する板ばね部材を装着したことを特徴とするものである。
【0007】
而して、このようにすれば、左右のスライダをスリットの長手方向へ移動させて中途位置で固定することにより、各板ばね部材の張り出し位置を排水口の口径に合わせて調整することが可能となり、例えば、前記排水口の口径が比較的大きければ、前記各スライダを上り側に移動させて固定した状態で使用し、斯かる状態で前記各板ばね部材を窄めて前記排水口の内部に挿入し、前記各板ばね部材を自身の弾性力により広げて前記排水口の内側に圧接させることで前記キャップ本体を固定すれば良い。
【0008】
また、前記排水口の口径が比較的小さければ、前記左右のスライダを下り側に移動させて固定した状態で使用し、斯かる状態で前記各板ばね部材を窄めて前記排水口の内部に挿入し、前記各板ばね部材を自身の弾性力により広げて前記排水口の内側に圧接させることで前記キャップ本体を固定すれば良い。
【0009】
この結果、従来の如き各板ばね部材の撓み量だけで排水口の口径に合わせる場合と比較して、より広い範囲の排水口の口径に対応させることが可能となり、しかも、前記各板ばね部材を各調整位置で同じように撓ませて過不足ない圧接力を確保することが可能となる。
【0010】
また、前記各板ばね部材の張り出し位置を排水口の口径に合わせることで前記各板ばね部材を排水管の内側に沿わせて圧接させることが可能となり、前記排水口の開口面積が前記各板ばね部材の配置により殆ど狭められなくて済むので、雨水に随伴される落ち葉等による排水口の詰まりが起こり難くなる。
【0011】
更に、本発明を具体的に実施するにあたっては、スライダが嵌着されるスリットを画定する上下の格子の一方を波形に形成し、該波形の凹みに嵌まり込んで前記スライダを位置固定し且つ該スライダを強制的に移動させることで前記波形の凹みから押し戻される山形の弾性体を前記スライダに装備する一方、前記上下の格子の他方を前記スライダの移動を案内するガイドとして直線状に形成することが好ましい。
【0012】
このようにすれば、スライダの位置決め機構を簡単に且つ安価に構成することが可能となり、しかも、波形の格子を挟んだ上下のスリットを選択的に利用することも可能となるので、上下何れかのスリットに対し弾性体の張り出しの向きを波形の格子へ向かうようにスライダを嵌着することにより更に広い範囲の排水口の口径に対応させることが可能となる。
【0013】
また、本発明においては、各板ばね部材の基端がL字形に屈曲された取付端を有し、該取付端の折れ曲りの向きをスライダの移動方向における下り側又は上り側の何れかを選択して装着し得るように構成することが好ましく、このようにすれば、各板ばね部材における取付端の折れ曲りの向きを変えてスライダに装着することで前記各板ばね部材の張り出し位置の調整範囲をシフトさせることが可能となり、更に広い範囲の排水口の口径に対応させることが可能となる。
【0014】
尚、各板ばね部材の長手方向適宜位置に弾性ゴムから成る滑り防止具を装着しても良く、このようにすれば、板ばね部材を滑り防止具を介して排水口の内側に圧接させることが可能となり、前記滑り防止具による摩擦力の向上により高い滑り止め効果が得られる。
【発明の効果】
【0015】
上記した本発明の横引ドレンキャップによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0016】
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、左右のスライダをスリットの長手方向へ移動させて中途位置で固定することにより、各板ばね部材の張り出し位置を排水口の口径に合わせて調整することができるので、従来の如き各板ばね部材の撓み量だけで排水口の口径に合わせる場合と比較して、より広い範囲の排水口の口径に対応させることができ、しかも、前記各板ばね部材を各調整位置で同じように撓ませて過不足ない圧接力を確保することができ、排水口の口径に関わらず良好な固定性能を発揮させることができる。
【0017】
(II)本発明の請求項1に記載の発明によれば、各板ばね部材の張り出し位置を排水口の口径に合わせることで前記各板ばね部材を排水管の内側に沿わせて圧接させることができるので、前記排水口の開口面積が前記各板ばね部材の配置により殆ど狭められないようにして前記排水口の詰まりを効果的に防止することができる。
【0018】
(III)本発明の請求項2に記載の発明によれば、スライダの位置決め機構を簡単に且つ安価に構成することができると共に、波形の格子を挟んだ上下のスリットを選択的に利用することもできて、上下何れかのスリットに対し弾性体の張り出しの向きを波形の格子へ向かうようにスライダを嵌着することにより更に広い範囲の排水口の口径に対応させることができる。
【0019】
(IV)本発明の請求項3に記載の発明によれば、各板ばね部材における取付端の折れ曲りの向きを変えてスライダに装着することで前記各板ばね部材の張り出し位置の調整範囲をシフトさせることができるので、更に広い範囲の排水口の口径に対応させることができる。
【0020】
(V)本発明の請求項4に記載の発明によれば、板ばね部材を滑り防止具を介して排水口の内側に圧接させることができるので、前記滑り防止具による摩擦力の向上により高い滑り止め効果を得ることができ、更なる固定性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明を実施する形態の一例を示す全体斜視図である。
図2図1の横引ドレンキャップを設置する様子を示す斜視図である。
図3図2の横引ドレンキャップの設置を完了した状態を示す斜視図である。
図4図3の横引ドレンキャップの設置完了状態における側断面図である。
図5図1のスライダに装備された弾性体に関する説明図である。
図6図1のスライダの詳細を示す一部を切り欠いた斜視図である。
図7図1の板ばね部材の一例を示す側面図である。
図8図1の板ばね部材の別の例を示す側面図である。
図9図1のスライダの移動と排水口の口径との関係を説明する正面図である。
図10】従来の横引ドレンキャップの一例を示す斜視図である。
図11図10の横引ドレンキャップを設置する様子を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1図9は本発明の実施の形態の一例を示すもので、壁1と床面2とが成す隅部(特に図2図4を参照)から雨水を横向きに引き込む排水口3に用いられる横引ドレンキャップ4を対象としており、ここに図示している横引ドレンキャップ4は、壁1と床面2とが成す隅部に対応したL字形の側面形状を有して前記排水口3の開口部を覆う格子構造のキャップ本体5を備えているが、本形態例の場合、一対の格子板5a,5bを傾動自在にピン6で連結した構造が採用されていて、前記隅部の角度に応じ前記一対の格子板5a,5bの傾動角度を適宜調整できるようにしてある。
【0024】
また、前記キャップ本体5における前記排水口3と対峙する壁1側の格子板5aの格子模様は、左右両側から中間に向け下り勾配を成す複数段のスリット7として形成されており、左右一対でV字形を成すスリット7の組の少なくとも一組に左右各スリット7における長手方向への移動が可能で且つ中途位置での固定も可能なスライダ8が夫々嵌着され、該各スライダ8における前記排水口3と対峙する側に該排水口3の内部に窄めて挿入されてから自身の弾性力により広がって前記排水口3の内側に圧接する板ばね部材9が装着されている。
【0025】
より具体的には、スライダ8が嵌着されるスリット7を画定する上下の格子の一方が波形に形成されて波形格子10を成し、図5に示す如く、この波形格子10の波形の凹みに嵌まり込んで前記スライダ8を位置固定し且つ該スライダ8を強制的に移動させることで前記波形の凹みから押し戻されて図5中の二点鎖線の如く偏平に弾性変形する山形の弾性体11が前記スライダ8に装備されている一方、前記上下の格子の他方は前記スライダ8の移動を案内するガイドとして直線状に形成されたガイド格子12を成している。
【0026】
ここで、図6に示す如く、前記スライダ8は、前後一対の二つの駒8a,8bにより分割構成され、前記スライダ8が移動するスリット7の上下の格子に対し前後から段差形状を介し摺動自在に嵌め込まれてビス8cにより組み付けられた構造となっており、この組み付け時に前記山形の弾性体11が挟み込まれて抱持されるようになっている。
【0027】
また、ここに図示している形態例にあっては、V字形を成すスリット7の組の上下に連続する二組のスリット7における一方の格子が波形に形成されていて、上下何れかのスリット7に対し選択的にスライダ8を付け替えられるようになっている。
【0028】
尚、図示の横引ドレンキャップ4では、スライダ8のガイドとして機能しない残りの格子も全て直線状に形成されている一方、特にスライダ8を嵌着する予定のない床面2側の格子板5a,5bの格子模様についても壁1側の格子板5a,5bと同じパターンが採用されているが、このようにした方が美観的に好ましく、壁1側と床側の格子板5a,5bに部品としての区別が無い方が製作面でのコスト的なメリットが得られるからである。
【0029】
更に、図1図4から見て取れるように、前記各板ばね部材9は、その基端がL字形に屈曲された取付端9aを有し、この取付端9aが前記一対の駒8a,8bの組み付け時に一緒に挟み込まれて装着されるようになっているが、前記各板ばね部材9における取付端9aの折れ曲りの向きをスライダ8の移動方向における下り側又は上り側の何れを選択しても装着できるようにしてある。
【0030】
即ち、各板ばね部材9における取付端9aの折れ曲りの向きを変えてスライダ8に装着することで前記各板ばね部材9の張り出し位置の調整範囲をシフトさせることが可能となるようにしてあるわけであるが、各板ばね部材9はスライダ8への装着時に外側へ広がるような初期形状となっていた方が排水口3への挿入時に大きな弾性力が得られる。
【0031】
このため、図7に示す如き取付端9aの折れ曲りの向きをスライダ8の移動方向における下り側に向けた時に外側へ広がる鋭角の折れ曲がり角を持つ板ばね部材9と、図8に示す如き取付端9aの折れ曲りの向きをスライダ8の移動方向における上り側に向けた時に外側へ広がる鈍角の折れ曲がり角を持つ板ばね部材9とを二種類用意して付け替えるようにすると良い。
【0032】
尚、本形態例にあっては、前記各板ばね部材9の長手方向適宜位置に弾性ゴムから成る滑り防止具13が装着されており、前記各板ばね部材9を滑り防止具13を介して排水口3の内側に圧接させることで摩擦力の向上が図られるようにしてある。
【0033】
而して、このように横引ドレンキャップ4を構成すれば、図9に示す如く、左右のスライダ8をスリット7の長手方向へ移動させて中途位置で固定することにより、各板ばね部材9の張り出し位置を排水口3の口径に合わせて調整することが可能となり、例えば、前記排水口3の口径が比較的大きければ、前記各スライダ8を上り側に移動させて固定した状態で使用し、斯かる状態で前記各板ばね部材9を窄めて前記排水口3の内部に挿入し、前記各板ばね部材9を自身の弾性力により広げて前記排水口3の内側に圧接させることで前記キャップ本体5を固定すれば良い。
【0034】
また、前記排水口3の口径が比較的小さければ、前記左右のスライダ8を下り側に移動させて固定した状態で使用し、斯かる状態で前記各板ばね部材9を窄めて前記排水口3の内部に挿入し、前記各板ばね部材9を自身の弾性力により広げて前記排水口3の内側に圧接させることで前記キャップ本体5を固定すれば良い。
【0035】
この結果、従来の如き各板ばね部材9の撓み量だけで排水口3の口径に合わせる場合と比較して、より広い範囲の排水口3の口径に対応させることが可能となり、しかも、前記各板ばね部材9を各調整位置で同じように撓ませて過不足ない圧接力を確保することが可能となる。
【0036】
また、前記各板ばね部材9の張り出し位置を排水口3の口径に合わせることで前記各板ばね部材9を排水管の内側に沿わせて圧接させることが可能となり、前記排水口3の開口面積が前記各板ばね部材9の配置により殆ど狭められなくて済むので、雨水に随伴される落ち葉等による排水口3の詰まりが起こり難くなる。
【0037】
更に、本形態例のようにスライダ8の位置決め機構を構成すれば、該位置決め機構を簡単に且つ安価に構成することが可能となり、しかも、波形の格子を挟んだ上下のスリット7を選択的に利用することも可能となるので、上下何れかのスリット7に対し弾性体11の張り出しの向きを波形の格子へ向かうようにスライダ8を嵌着することにより更に広い範囲の排水口3の口径に対応させることが可能となる。
【0038】
尚、一部の格子が波形になっていることは意匠的なアクセントにもなり、デザイン性の高い格子模様としてスライダ8の位置決め機構を違和感なく溶け込ませることが可能であるため、横引ドレンキャップ4の外観を損なわなくて済むというメリットもある。
【0039】
また、各板ばね部材9における取付端9aの折れ曲りの向きを変えてスライダ8に装着することで前記各板ばね部材9の張り出し位置の調整範囲をシフトさせることが可能となり、更に広い範囲の排水口3の口径に対応させることが可能となる。
【0040】
尚、各板ばね部材9の長手方向適宜位置に弾性ゴムから成る滑り防止具13を装着しておけば、板ばね部材9を滑り防止具13を介して排水口3の内側に圧接させることが可能となり、前記滑り防止具13による摩擦力の向上により高い滑り止め効果が得られる。
【0041】
以上に説明した通り、上記実施例によれば、左右のスライダ8をスリット7の長手方向へ移動させて中途位置で固定することにより、各板ばね部材9の張り出し位置を排水口3の口径に合わせて調整することができるので、従来の如き各板ばね部材9の撓み量だけで排水口3の口径に合わせる場合と比較して、より広い範囲の排水口3の口径に対応させることができ、しかも、前記各板ばね部材9を各調整位置で同じように撓ませて過不足ない圧接力を確保することができ、排水口3の口径に関わらず良好な固定性能を発揮させることができる。
【0042】
また、各板ばね部材9の張り出し位置を排水口3の口径に合わせることで前記各板ばね部材9を排水管の内側に沿わせて圧接させることができるので、前記排水口3の開口面積が前記各板ばね部材9の配置により殆ど狭められないようにして前記排水口3の詰まりを効果的に防止することができる。
【0043】
更に、スライダ8の位置決め機構を簡単に且つ安価に構成することができると共に、波形の格子を挟んだ上下のスリット7を選択的に利用することもできて、上下何れかのスリット7に対し弾性体11の張り出しの向きを波形の格子へ向かうようにスライダ8を嵌着することにより更に広い範囲の排水口3の口径に対応させることができる。
【0044】
また、各板ばね部材9における取付端9aの折れ曲りの向きを変えてスライダ8に装着することで前記各板ばね部材9の張り出し位置の調整範囲をシフトさせることができるので、更に広い範囲の排水口3の口径に対応させることができる。
【0045】
更に、板ばね部材9を滑り防止具13を介して排水口3の内側に圧接させることができるので、前記滑り防止具13による摩擦力の向上により高い滑り止め効果を得ることができ、更なる固定性能の向上を図ることができる。
【0046】
尚、本発明の横引ドレンキャップは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、図示例においては、板ばね部材の取付端をスライダに装着するにあたり、該スライダの各駒を組み付ける際に前記取付端を一緒に挟み込むようにしているが、後方の駒の背面に板ばね部材の取付端をビス止めするようにしても良く、更には、これ以外の形式を用いて板ばね部材の取付端をスライダに装着するようにしても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0047】
1 壁
2 床面
3 排水口
4 横引ドレンキャップ
5 キャップ本体
7 スリット
8 スライダ
9 板ばね部材
9a 取付端
10 波形格子(波形に形成された格子)
11 弾性体
12 ガイド格子(直線状に形成された格子)
13 滑り防止具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11