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特開2024-172009炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172009
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10G 2/00 20060101AFI20241205BHJP
   C07C 1/12 20060101ALI20241205BHJP
   C07C 9/14 20060101ALI20241205BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
C10G2/00
C07C1/12
C07C9/14
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089416
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100095566
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179453
【弁理士】
【氏名又は名称】會田 悠介
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】西岡 海斗
(72)【発明者】
【氏名】隅 英明
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
4H129
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AA04
4H006AC29
4H006BA02
4H006BA09
4H006BA19
4H006BA71
4H006BB61
4H006BC51
4H006BC52
4H006BD84
4H006BE20
4H006BE41
4H006DA12
4H039CL35
4H129AA01
4H129BA12
4H129BB07
4H129BC43
4H129BC44
4H129KA15
4H129KB02
4H129KB04
4H129KC16Y
4H129KD03Y
4H129KD10Y
4H129KD19Y
4H129KD31Y
4H129NA17
4H129NA22
4H129NA23
4H129NA40
4H129NA45
(57)【要約】
【課題】炭化水素の触媒への固着を解消できるとともに、下流側の配管等への固着を抑制しながら、効率よく炭化水素を回収することができる炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る炭化水素製造装置は、フィッシャー・トロプシュ合成反応に活性を示すFT反応触媒を有する反応器7を用いたFT合成反応により、原料ガスから炭化水素を含有する生成物を得る炭化水素製造装置であって、FT合成反応を終了させる際に、反応器7に高温の不活性ガスを供給し、反応器7内の温度をFT合成反応中の温度域に維持するとともに、反応器7内の圧力を低下させる不活性ガスパージ処理を実行することにより、FT反応触媒に固着した炭化水素を気化させるパージ部と、反応器7の下流側に設けられ、気化した炭化水素を凝縮させて液体状で回収する回収部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィッシャー・トロプシュ合成反応(FT合成反応)に活性を示すFT反応触媒を有する反応器を用いたFT合成反応により、原料ガスから炭化水素を含有する生成物を得る炭化水素製造装置であって、
前記FT合成反応を終了させる際に、前記反応器に高温の不活性ガスを供給し、前記反応器内の温度を前記FT合成反応中の温度域に維持するとともに、前記反応器内の圧力を低下させる不活性ガスパージ処理を実行することにより、前記FT反応触媒に固着した炭化水素を気化させるパージ部と、
前記反応器の下流側に設けられ、前記気化した炭化水素を凝縮させて液体状で回収する回収部と、
を備えることを特徴とする炭化水素製造装置。
【請求項2】
前記回収部は、前記反応器の下流側に設けられ、前記FT合成反応を終了させる際に、前記不活性ガスに混流した気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離する第1気液分離部を有することを特徴とする、請求項1に記載の炭化水素製造装置。
【請求項3】
前記回収部は、前記第1気液分離部の下流側に、前記第1気液分離部よりも低温で前記気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離する第2気液分離部を有することを特徴とする、請求項2に記載の炭化水素製造装置。
【請求項4】
前記回収部は、前記第1気液分離部の下流側に、前記第1気液分離部よりも低温で前記気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離することができ、かつ、内部の温度を変化させることにより、前記気体状の炭化水素を炭素数に応じて分離することができる第3気液分離部を有することを特徴とする、請求項2に記載の炭化水素製造装置。
【請求項5】
フィッシャー・トロプシュ合成反応(FT合成反応)に活性を示すFT反応触媒を有する反応器を用いたFT合成反応により、原料ガスから炭化水素を含有する生成物を得る炭化水素製造方法であって、
前記FT合成反応を終了させる際に、前記反応器に不活性ガスを供給し、前記反応器内の温度を前記FT合成反応中の温度域に維持するとともに、前記反応器内の圧力を低下させる不活性ガスパージ処理を実行することにより、前記FT反応触媒に固着した炭化水素を気化させることと、
前記気化した炭化水素を凝縮させて液体状で回収することと、
を含むことを特徴とする炭化水素製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィッシャー・トロプシュ合成反応により原料ガスから炭化水素を含有する生成物を得る炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気候変動の緩和または影響軽減を目的として自動車の排気ガス規制が一段と進んでおり、その一環として、二酸化炭素(CO)の有効利用に関する研究開発が行われている。例えば、二酸化炭素と水素(H)を反応させて一酸化炭素(CO)と水(HO)を生成する逆シフト反応と、一酸化炭素と水素の合成ガスから触媒反応を用いて炭化水素(HC)を合成するフィッシャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合成反応」という。)を組み合わせることで、二酸化炭素を原料として燃料として使用可能な炭化水素を合成する技術が開発されている。また、近年では、逆シフト反応とFT合成反応を1つの反応器で実施することにより、二酸化炭素と水素を直接反応させて炭化水素を得るダイレクトFT合成反応の研究も進められている。
【0003】
FT合成反応では、炭素数5~8程度の軽質炭化水素から、炭素数9~20程度の重質炭化水素、更には炭素数が21以上の超重質炭化水素までを含む幅広い炭素数の炭化水素が生成される。したがって、そこからガソリンや灯油、軽油等の各種燃料製品を製造するためには、例えば分留器などを用い、沸点の違いに応じて生成物を分離する工程などが必要となる。このように炭化水素の分留を行う場合、重質以上の炭化水素の一部が気液分離器や冷却器、又は配管内に固体として析出し固着することで、FT合成反応の収率の減少や配管閉塞といった問題が生じ得るため、固着した重質又は超重質の炭化水素を回収するための対策が求められる。
【0004】
例えば特許文献1では、FT合成反応により炭化水素を製造する炭化水素製造装置において、軽質炭化水素を分離する第1気液分離槽の前段(上流側)に、第1気液分離槽とは温度域が異なる第2気液分離槽を設け、第2気液分離槽により重質炭化水素を回収することで、重質炭化水素が第1気液分離槽に流れることを抑制し、重質炭化水素が第1気液分離槽で濃縮され固着することを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-196433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FT合成反応を実施している反応器が、原料ガスの供給停止等の所定の操作により反応を終了する際、発熱反応であるFT合成反応の終了に伴い反応器内が急速に冷却されることにより、反応器内に残留した超重質炭化水素が固体として析出して残留したり、反応器内の触媒に固着することがある。こうした超重質炭化水素の触媒への固着は、触媒の性能を劣化させ、FT合成反応の収率を減少させる原因となる。
【0007】
また、こうした触媒への固着を解消するために、FT合成反応終了後に高温の窒素(N)ガス等の不活性ガスによるパージ処理により、触媒に固着した超重質炭化水素を気体として触媒から脱離させた場合、脱離した超重質炭化水素が、下流側に流れる際に冷却され、バルブや配管内で固体として析出し、流路を閉塞させる原因となる場合がある。
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、炭化水素の触媒への固着を解消できるとともに、下流側の配管等への固着を抑制しながら、効率よく炭化水素を回収することができる炭化水素製造装置及び炭化水素製造方法を提供することを目的とする。そして、延いては気候変動の緩和または影響軽減に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、フィッシャー・トロプシュ合成反応(FT合成反応)に活性を示すFT反応触媒を有する反応器7を用いたFT合成反応により、原料ガスから炭化水素を含有する生成物を得る炭化水素製造装置であって、FT合成反応を終了させる際に、反応器7に高温の不活性ガスを供給し、反応器7内の温度をFT合成反応中の温度域に維持するとともに、反応器7内の圧力を低下させる不活性ガスパージ処理を実行することにより、FT反応触媒に固着した炭化水素を気化させるパージ部(制御部17、窒素供給部4、加熱器6、流量調整弁12)と、反応器7の下流側に設けられ、気化した炭化水素を凝縮させて液体状で回収する回収部(第1気液分離器9、保温器8)と、を備えることを特徴とする。
【0010】
FT反応を実施する反応器内の温度は、原料ガスの供給が停止され、発熱反応であるFT合成反応が終了することにより低下する。反応器内の温度が低下すると、反応器内に残留していた液体又は気体の炭化水素のうち、高圧下での凝固点が高い炭化水素が固体として析出し、触媒に固着してしまうことがある。本発明の炭化水素製造装置では、FT合成反応を終了させる際に、反応器に高温の不活性ガスを供給し、反応器内の温度をFT合成反応中の温度と同程度の温度域に維持するとともに、反応器内を減圧する不活性ガスパージ処理を実行することにより、触媒に固着した炭化水素を気化させ、気体として脱離させることができる。したがって、炭化水素の触媒への固着を解消することができる。さらに、触媒を反応器内に包含した状態で固着した炭化水素を脱離させることで、触媒の再活性を簡易的に行うことが可能となり、反応器の再稼働時の稼働効率を向上させることができる。
【0011】
また、反応器内で気体として触媒から脱離した炭化水素は、反応器の下流側に設けられた回収部により凝縮され、液体状で回収されるので、炭化水素を効率よく回収して収率を向上させるとともに、炭化水素が回収部の下流側の配管等に固着することを抑制することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の炭化水素製造装置において、回収部は、反応器7の下流側に設けられ、FT合成反応を終了させる際に、不活性ガスに混流した気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離する第1気液分離部9を有することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、反応器の下流側に、不活性ガスに混流した気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離する第1気液分離部を回収部として有するので、FT合成反応を終了させる際に、不活性ガスパージ処理により反応器内で気体として触媒から脱離した炭化水素を、第1気液分離部により液体状で回収することができる。したがって、炭化水素を効率よく回収して収率を向上させるとともに、炭化水素が回収部の下流側の配管等に固着することを抑制することができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の炭化水素製造装置において、回収部は、第1気液分離部9の下流側に、第1気液分離部9よりも低温で気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離する第2気液分離部13を有することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1気液分離部の下流側に、第1気液分離部よりも低温で気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離する第2気液分離部を回収部として有するので、第1気液分離部で回収できなかったより低級な炭化水素を第2気液分離部により回収することができる。これにより、炭化水素の収率をさらに向上させることができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載の炭化水素製造装置において、回収部は、第1気液分離部9の下流側に、第1気液分離部9よりも低温で気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離することができ、かつ、内部の温度を変化させることにより、気体状の炭化水素を炭素数に応じて分離することができる第3気液分離部(第2気液分離器130)を有することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、第1気液分離部の下流側に、第1気液分離部よりも低温で気体状の炭化水素を凝縮させて液体状で分離することができるとともに、内部の温度を変化させることで炭化水素を炭素数に応じて分離することができる第3気液分離部を回収部として有するので、第1気液分離部で回収できなかったより低級な炭化水素を第3気液分離部により回収することができる。また、第3気液分離部の温度をより高温に変化させることにより、第1気液分離部で回収しきれずに下流側に流れたより高級な炭化水素をあらためて第3気液分離部により回収することができる。これにより、炭化水素の収率をさらに向上させることができる。
【0018】
請求項5に係る発明は、フィッシャー・トロプシュ合成反応(FT合成反応)に活性を示すFT反応触媒を有する反応器7を用いたFT合成反応により、原料ガスから炭化水素を含有する生成物を得る炭化水素製造方法であって、FT合成反応を終了させる際に、反応器7に不活性ガスを供給し、反応器7内の温度をFT合成反応中の温度域に維持するとともに、反応器7内の圧力を低下させる不活性ガスパージ処理を実行することにより、FT反応触媒に固着した炭化水素を気化させることと、気化した炭化水素を凝縮させて液体状で回収することと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の炭化水素製造方法では、FT合成反応を終了させる際に、反応器に高温の不活性ガスを供給し、反応器内の温度をFT合成反応中の温度と同程度の温度域に維持するとともに、反応器内を減圧する不活性ガスパージ処理を実行することにより、触媒に固着した炭化水素を気化させ、気体として脱離させることができる。したがって、炭化水素の触媒への固着を解消することができる。さらに、FT反応触媒を反応器内に包含した状態で固着した炭化水素を脱離させることで、FT反応触媒の再活性を簡易的に行うことが可能となり、反応器の再稼働時の稼働効率を向上させることができる。また、反応器内で気体として触媒から脱離した炭化水素は、凝縮され、液体状で回収されるので、炭化水素を効率よく回収して収率を向上させるとともに、炭化水素が下流側の配管等に固着することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る炭化水素製造装置の全体構造を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る炭化水素製造装置におけるFT合成反応中の処理を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施形態に係る炭化水素製造装置におけるFT合成反応終了の処理を示すフローチャートである。
図4】圧力及び温度と重質炭化水素の相変化の関係を示した状態図である。
図5】圧力及び温度と超重質炭化水素の相変化の関係を示した状態図である。
図6】別の実施形態に係る炭化水素製造装置の全体構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の炭化水素製造装置の好ましい実施形態を詳細に説明する。以下に説明する構成は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明において、上流側や下流側という用語は、説明対象となる各部における流体が流れる方向における上流側と下流側を表す。
【0022】
図1は、本実施形態に係る炭化水素製造装置1の全体構造の構成例を示す。炭化水素製造装置1は、二酸化炭素供給部2、水素供給部3、窒素供給部4、圧縮器5、加熱器6、反応器7、保温器8、第1気液分離器9、冷却器10、背圧制御弁11、流量調整弁12、第2気液分離器13、重質炭化水素回収タンク14、超重質炭化水素回収タンク15、軽質炭化水素回収タンク16、及び制御部17を有する。炭化水素製造装置1の上記各部の動作は、制御部17によって制御される。このような構成により、炭化水素製造装置1は、二酸化炭素ガス及び水素ガスを原料として、FT合成反応により炭素数の異なる様々な炭化水素を生成し、生成された炭化水素を炭素数5~8程度の軽質炭化水素(以下、「軽質HC」ともいう。)、炭素数9~20程度の重質炭化水素(以下、「重質HC」ともいう。)、炭素数21以上の超重質炭化水素(以下、「超重質HC」ともいう。)に分離して回収する。以下、各部の構成を詳細に説明する。
【0023】
二酸化炭素供給部2及び水素供給部3は、それぞれ二酸化炭素ガス、水素ガスを、圧縮器5に接続された配管に供給する。反応器7におけるFT合成反応の原料ガスとなる二酸化炭素ガス及び水素ガスの供給量は、不図示の流量センサ等により検出され、その検出値が制御部17に送信される。制御部17は、二酸化炭素及び水素がFT合成反応に適した所定の比率となるように供給量の制御を行う。本実施形態では、モル比H/CO=3となるような供給量に制御される。
【0024】
窒素供給部4は、圧縮器5に接続された配管に不活性ガスである窒素(N)ガスを供給する。窒素ガスは、反応器7で行われるFT合成反応の終了時に、二酸化炭素と水素からなる原料ガスと入れ替える形で、圧縮器5、加熱器6、反応器7、保温器8、第1気液分離器9、冷却器10、背圧弁11、流量調整弁12、及び第2気液分離器とそれらを繋ぐ配管からなる合成路に供給される。
【0025】
圧縮器5と加熱器6は、後述するように、本実施形態におけるFT合成反応を実施するのに適した高圧・高温状態を作り出すために用いられる。圧縮器5は、二酸化炭素供給部2及び水素供給部3から供給された原料ガスを圧縮して下流側の加熱器6に送出可能なものであれば、特に形式は限定されず、例えば電動モータを駆動源とする遠心式のターボ圧縮器や電動ポンプ等を用いることができる。圧縮器5の下流側には不図示の圧力センサが設けられ、その検出値が制御部17へと送信される。本実施形態の圧縮器5は、合成路において原料ガスを3MPaG程度まで昇圧するように制御部17により制御される。また、加熱器6は、圧縮された原料ガスを昇温して下流側の反応器7に送出可能なものであればよく、公知の加熱器を用いることができる。加熱器6の下流側には不図示の温度センサが設けられ、その検出値が制御部17へと送信される。本実施形態の加熱器6は、原料ガスを380℃程度まで昇温させるように制御部17により制御される。
【0026】
反応器7は、内部にFT合成反応に活性を示す触媒(以下、「FT反応触媒」という。)を収容し、FT合成反応により、反応器7を通過する原料ガスから様々な炭素数の炭化水素を生成する。本実施形態の反応器7内で行われる反応は、次式(1)で示される、二酸化炭素と水素を直接反応させて炭化水素と水を生成するダイレクトFT合成反応である。
nCO+mH→HC+HO …(1)
【0027】
本実施形態のFT反応触媒としては、触媒金属である鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)に助触媒としてナトリウム(Na)を加えたペレット状のナトリウム鉄触媒と、アルミノシリケートゼオライト(ZSM-5)を用いたゼオライト触媒を所定の割合で組み合わせたものを用いる。ナトリウム鉄触媒とゼオライト触媒は、いずれも細孔構造を有する触媒である。
【0028】
上記FT反応触媒を用いたダイレクトFT合成反応により、合成燃料の原料となり得る炭素数5~8程度の軽質HC、炭素数9~20程度の重質HC、炭素数21以上の超重質HCの他、副生物としてメタン(CH)を含む炭素数2~4の炭化水素や水が生成される。
【0029】
保温器8は加熱器の一種であり、反応器7からの流出物を加熱して、その温度を適度な高温に維持することにより、後述する下流側の第1気液分離器9における炭化水素の分離を促進する。本実施形態において、保温器8は、反応器7からの流出物が、炭素数9~20程度の重質HCが高圧(3MPa)下及び常圧下で液体となり、かつ、炭素数21以上の超重質HCが常圧下で液体となる温度になるように、制御部17によって加熱制御される。本実施形態では、第1気液分離器9に流入する流体の温度が概ね100℃程度に維持されるように加熱を行うように制御される。
【0030】
第1気液分離器9は、公知の気液分離器で構成することができ、反応器7からの流出物を液体成分と気体成分とに分離する。上述のとおり、第1気液分離器9は保温器8により100℃程度の高温に保たれている。後述するように、第1気液分離器9は、FT合成反応の実施時と停止時とで与えられる圧力が変化するため、それにより分離する成分も変化する。第1気液分離器9は、FT合成反応中の高圧時には、炭素数9~20程度の重質HCを液体成分として分離し、炭素数8以下の軽質HC、水、及び未反応ガスを気体成分として分離するように機能する。分離された重質HCは、重質HC回収タンク14に送られ、軽質HC、水、及び未反応ガスを含む気体成分は、冷却器10に送られる。また、FT合成反応の終了の際の常圧時には、重質HCに加えて炭素数21以上の超重質HCも液体成分として分離するように機能する。分離された重質HC及び超重質HCは、不図示の分留器によって分離された後、それぞれ重質HC回収タンク14、超重質HC回収タンク15に送られる。回収された重質HC及び超重質HCは、その後、不図示の改質器等により水素化・精製されることで、灯油や軽油等の合成燃料製品として利用される。
【0031】
冷却器10は、冷却器10に流入した気体成分を、冷媒と熱交換させることにより冷却する熱交換器である。流入した気体成分に対する冷却量は、冷却器10内を流れる冷媒の流量によって調整可能であり、冷媒の流量は、制御部17が不図示の流量調整弁の開度を調整することで行われる。本実施形態において、冷却器10は、流入した気体成分が、炭素数5~8程度の軽質HCが凝縮する温度まで冷却されるように冷媒の流量を制御される。本実施形態では、冷却器10に流入した気体成分は、概ね10℃程度まで冷却される。
【0032】
冷却器10の下流側の配管には分岐部が設けられており、分岐した配管の先にはそれぞれ背圧弁11と流量調整弁12が設けられている。分岐部には切替弁18が設けられており、切替弁18の操作により、上流側からの流体が背圧弁11側と流量調整弁12側のいずれか一方のみに流れるように制御することができる。切替弁18の動作は、制御部17によって制御される。
【0033】
背圧弁(BPCV)11は、冷却器10の下流側の分岐部から分岐した配管の一方に接続され、背圧弁11よりも上流側(一次側)の圧力を一定に保つように機能する。背圧弁11としては公知の背圧弁を用いることが可能であり、本実施形態では、背圧弁11の前後に繋がる流路をダイヤフラム弁で仕切り、このダイヤフラム弁をスプリングによって押さえつける構成のものを採用する。このような背圧弁11により、背圧弁11の上流側の圧力を所定の圧力に保つことができる。背圧弁11は、切替弁18の制御により、反応器7におけるFT合成反応の実施中にのみ流体が流れるように構成されており、FT合成反応の実施中、背圧弁11より上流側の圧力を3MPaに維持する。
【0034】
流量調整弁12は、冷却器10の下流側の分岐部から分岐する配管のもう一方に接続され、流量調整弁12を流れる流体の流量を調整するように機能する。流量調整弁12としては、公知の任意のものを採用可能であるが、本実施形態では、流量調整弁12として公知のニードルバルブ(NV)を用いる。ニードルバルブは、バルブ内のオリフィス状の流路を針状又は棒状のニードルで開度調整することにより流量を制御する。流量調整弁12は、切替弁18の制御により、反応器7におけるFT合成反応の停止中にのみ流体が流れるように構成されており、特にFT合成反応の終了時には、背圧弁11側から流量調整弁12側に流路が切り替えられることにより、高圧に保たれていた合成路を徐々に常圧まで減圧するように機能する。
【0035】
第2気液分離器13は、公知の気液分離器で構成することができ、第1気液分離器9よりも低温で上流側から流入した流体を液体成分と気体成分とに分離する。第2気液分離器13に流入する軽質HC、水、及び未反応ガスが混合した流体は、上流側に設けられた冷却器10によって概ね10℃程度まで冷却されていることにより、炭素数5~8程度の軽質HC及び水が液体成分として分離され、炭素数4以下の炭化水素及び未反応ガスは気体成分として分離される。液体成分として分離された炭素数5~8程度の軽質HC及び水は、不図示の分留器によって分離された後、軽質HCが軽質HC回収タンクに送られ、水はそのまま外部に放出される。また、気体成分として分離された炭素数4以下の炭化水素及び未反応ガスは、反応器7の上流側に戻されてリサイクルされる。回収された軽質HCは、その後、不図示の改質器等により水素化・精製されることで、ガソリン等の合成燃料製品として利用される。
【0036】
制御部17は、炭化水素製造装置1の各部を制御するECU(Electronic Control Unit)であり、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されている。本実施形態における制御部17は、少なくとも、二酸化炭素供給部2、水素供給部3,窒素供給部4、圧縮器5、加熱器6、保温器8、冷却器10、切替弁18の動作を制御する。
【0037】
続いて、FT合成反応の実施中の各部の処理を説明する。図2は、FT合成反応実施中の処理を示したフローチャートである。当該フローチャートに示す処理は、制御部17が有するプロセッサがROM等の記憶装置に格納されるプログラムをRAM等のメモリに開放することで実行される。
【0038】
まず、ステップ201(「S201」と図示。以下同じ)において、不活性ガスである窒素ガスを合成路に流通させた状態で圧縮器5、加熱器6、保温器8、及び冷却器10を稼働させるとともに、切替弁18を背圧弁11側に開弁するように設定する。これにより、圧縮器5から背圧弁11までの合成路を3MPaまで加圧するとともに、反応器7を380℃程度まで昇温させる。
【0039】
次に、不活性ガスで満たされた合成路に、原料ガスとなる二酸化炭素ガス及び水素ガスの供給を開始する(ステップ202)。二酸化炭素ガス及び水素ガスは、モル比H/CO=3となるように各供給量が制御される。この不活性ガスの原料ガスへの置換が進むにつれて、反応器7が有する触媒を介してダイレクトFT合成反応が開始される(ステップ203)。
【0040】
ダイレクトFT合成反応が実施されることで、反応器7の下流側には、軽質HC、重質HC、超重質HCを含む炭化水素と、副生物である炭素数1~4の炭化水素、水、及び未反応ガスからなる流出物が流出し、保温器8を通って第1気液分離器9に流入する。
【0041】
次のステップ204では、100℃程度に維持された第1気液分離器9により、炭素数9~20程度の重質HCが分離され、回収される。図4は、圧力及び温度と重質HCの相変化の関係を示した状態図である。同図に示すように、重質HCは、FT合成反応直後の高温(380℃)・高圧(3MPa)下においては気体で存在するが、下流側への移動により温度が下がることで容易に液体化する。そのまま温度が下がり続けるといずれ固体化するが、本実施形態の炭化水素製造装置1では、保温器8により第1気液分離器9までの流路が100℃ほどに維持されているため、第1気液分離器において、重質HCを液体で回収することができる。これにより、重質HCが下流側の配管や装置において固体で析出して固着することを防止できる。
【0042】
その後、第1気液分離器9を出た流体は、冷却器10を通る際に10℃程度まで冷却された後、背圧弁11を通って第2気液分離器13に流入する。第2気液分離器13では、炭素数5~8程度の軽質HCが分離され、回収される(ステップ205)。
【0043】
このようにして、ダイレクトFT合成反応を実施している間、ステップ204~205を繰り返すことにより、重質HC及び軽質HCが分離・回収される。その後、例えば所定時間が経過した後、所定の操作によりFT合成反応を終了する(ステップ206)。FT合成反応の終了時の操作については後述する。
【0044】
続いて、FT合成反応終了の際の各部の処理を説明する。図3は、FT合成反応終了の処理を示したフローチャートである。当該フローチャートに示す処理は、制御部17が有するプロセッサがROM等の記憶装置に格納されるプログラムをRAM等のメモリに開放することで実行される。
【0045】
まず、ステップ301では、FT合成反応を終了させるための操作として、原料ガスで満たされている合成路に対し、不活性ガスである窒素ガスの供給を開始することにより、合成路内の原料ガスを徐々に窒素ガスに置換する。なお、窒素ガスは、反応器7の上流側で加熱器6を通過することにより昇温させているため、反応器内の温度が急激に低下することを抑制することができる。
【0046】
一方で、反応器7内の原料ガスの減少によってFT合成反応による発熱反応が徐々に弱まることにより、反応器7内の温度はある程度まで低下することになる。図5は、圧力及び温度と超重質HCの相変化の関係を示した状態図である。同図に示すように、超重質HCは、FT合成反応直後の高温(380℃)・高圧(3MPa)下においては液体で存在するが、下流側に流れて温度が低下した場合、また、FT合成反応終了時の高圧下で、発熱反応の終了により温度が低下した場合に、比較的容易に固体化する。固体として析出する超重質HCは、反応器7内や下流側の配管等に残留することとなり、特に細孔構造を有するFT反応触媒に固着した場合、触媒性能を劣化させる原因となり得る。本実施形態の炭化水素製造装置1では、以降の処理により、固体として析出した超重質HCを気化させ、特に触媒に固着した超重質HCを脱離させることで、超重質HCを液体として効率よく回収する。
【0047】
続くステップ302では、ステップ301における不活性ガスへの置換が終了した後、圧縮器5の運転を停止することにより、合成路の加圧を停止する。次いで、ステップ303において、切替弁18を制御することにより、背圧弁11側に設定されていた流路を流量調整弁12側に切り替える。これにより、合成路内の圧力が3MPaの高圧状態から徐々に常圧まで減圧される。
【0048】
合成路内の圧力が常圧まで下がった後、続くステップ304において、引き続き合成路に高温の窒素ガスを供給することで原料ガスと入れ替えるパージ処理を、30分間程度、継続する。図5に示すように、高温(380℃)・常圧下でのパージ処理により、固体として反応器7内や配管等に残留していた超重質HCを気化させることができ、また、反応器7内で触媒に固着していた超重質HCを気化させることができる(ステップ305)。
【0049】
気体化した超重質HCは下流側に流れ、保温器8を通って第1気液分離器9に入る。その過程で380℃程度から100℃程度まで温度が下がった超重質HCは、図5に示すように、凝縮して液体化する。液体化した超重質HCは、第1気液分離器9において液体成分として分離され、超重質HC回収タンク15へと送られる(ステップ306)。
【0050】
このようにして、FT合成反応終了の際、窒素ガスによるパージ処理の間にステップ305~ステップ306を繰り返すことにより、超重質HCのFT反応触媒への固着が解消されるとともに、気体化した超重質HCを凝縮させ、第1気液分離器9において液体で回収することができる。
【0051】
以上に説明したとおり、本実施形態の炭化水素製造装置1によれば、FT合成反応終了の際の反応器7に、高温の不活性ガスを供給し、反応器内の温度をFT合成反応中の温度と同程度の温度域に維持するとともに、反応器内を減圧して常圧を維持するパージ処理を実行することにより、反応器7内のFT反応触媒に固着した超重質HCを気化させ、気体として脱離させることができるので、超重質HCのFT反応触媒への固着を解消することができる。また、こうした触媒に固着した超重質HCを、触媒を反応器7内に設置したままの状態で脱離させることでき、触媒の再活性を簡易的に行うことができる。これにより、反応器7の再稼働時の稼働効率を向上させることができる。
【0052】
また、反応器7及び配管内に残留していた超重質HCは、気体化して下流側に流れた際に、保温器8により温度調節されることにより凝縮し、第1気液分離器9において液体状で分離・回収されるので、超重質HCを効率よく回収して収率を向上させるとともに、超重質HCが第1気液分離器9の下流側の配管等に固着することを抑制することができる。
【0053】
さらに、第1気液分離器9の下流側に、第1気液分離器9よりも低温で気体状の軽質HCを凝縮させて液体状で分離する第2気液分離器13を有するので、第1気液分離器9で回収できない軽質HCを第2気液分離器13により回収することができる。これにより、炭化水素の収率をさらに向上させることができる。
【0054】
続いて、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る炭化水素製造装置100について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上述の実施形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0055】
上述の実施形態に係る炭化水素製造装置1では、重質HC及び超重質HCを分離・回収可能な第1気液分離器9の下流側に、軽質HCを分離・回収可能な第2気液分離器13を設けたが、第2実施形態に係る炭化水素製造装置100では、第2気液分離器13に代えて、内部の温度を変化させることにより、分離させる気体成分及び液体成分を変化させ、軽質HC及び重質HCを分離・回収することができる第2気液分離器130を採用したことを特徴としている。
【0056】
第2気液分離器130は、例えば前段に不図示の熱交換部を備え、熱源の制御により内部の温度を変化させることが可能な公知の気液分離器である。第2気液分離器130は、常圧下で炭素数5~8程度の軽質HCを凝縮させることができる低温の第1温度と、常圧下で炭素数9~20程度の重質HCを凝縮させることができる高温の第2温度の間で内部の温度を変化させることが可能に構成される。本実施形態において、第1温度は10℃、第2温度は100℃に設定される。
【0057】
第2気液分離器130の温度は、FT合成反応の実施中は、低温の第1温度に設定される。FT合成反応の実施中、背圧弁11を通って第2気液分離器130に流入する流体には、軽質HC、水、及び未反応ガスの他、第1気液分離器9で回収しきることができなかった少量の重質HCが含まれる場合がある。これらが混合した流体は、上流側に設けられた冷却器10によって概ね10℃程度まで冷却されており、また、第2気液分離器130自体も第1温度である10℃に設定されていることにより、第2気液分離器130において、軽質HC及び水が液体成分として分離され、炭素数4以下の炭化水素及び未反応ガスが気体成分として分離される。一方、残留していた少量の重質HCは、第2気液分離器130において固体として析出する。液体成分として分離された炭素数5~8程度の軽質HC及び水は、不図示の分留器によって分離された後、軽質HCが軽質HC回収タンクに送られ、水はそのまま外部に放出される。また、気体成分として分離された炭素数4以下の炭化水素及び未反応ガスは、反応器7の上流側に戻されてリサイクルされる。回収された軽質HCは、その後、不図示の改質器等により水素化・精製されることで、ガソリン等の合成燃料製品として利用される。
【0058】
第2気液分離器130の温度は、FT合成反応の終了の際、例えば第2気液分離器130による軽質HCの分離・回収が終了した後、高温の第2温度へと切り替えられる。これにより、第2気液分離器130内で固体として析出していた重質HCが融解するので、液体化した重質HCを第2気液分離器130で回収することができる。回収された重質HCは、重質HC回収タンク14に送られる。
【0059】
このように、第2実施形態に係る炭化水素製造装置100によれば、第2気液分離器130の温度を、FT合成反応の実施中は低温の第1温度に設定することにより、軽質HCを分離・回収し、FT合成反応の終了の際には高温の第2温度に設定することにより、第1気液分離器9で回収しきれずに下流側に流れた重質HCを分離・回収することができる。これにより、炭化水素の収率をさらに向上させることができる。
【0060】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。また、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0061】
1…炭化水素製造装置
2…二酸化炭素供給部
3…水素供給部
4…窒素供給部(パージ部)
5…圧縮機
6…加熱器(パージ部)
7…反応器
8…保温器(回収部)
9…第1気液分離器(回収部、第1気液分離部)
10…冷却器
11…背圧弁
12…流量調整弁(パージ部)
13…第2気液分離器(回収部、第2気液分離部)
14…重質炭化水素回収タンク
15…超重質炭化水素回収タンク
16…軽質炭化水素回収タンク
17…制御部(パージ部、回収部)
130…第2気液分離器(回収部、第3気液分離部)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
窒素供給部4は、圧縮器5に接続された配管に不活性ガスである窒素(N)ガスを供給する。窒素ガスは、反応器7で行われるFT合成反応の終了時に、二酸化炭素と水素からなる原料ガスと入れ替える形で、圧縮器5、加熱器6、反応器7、保温器8、第1気液分離器9、冷却器10、背圧弁11、流量調整弁12、及び第2気液分離器13とそれらを繋ぐ配管からなる合成路に供給される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正の内容】
図3