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特開2024-172020演算システム、制御方法、および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172020
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】演算システム、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20241205BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089430
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】春木 秀仁
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA11
(57)【要約】
【課題】施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制できる対策を把握可能な、演算システムを提供する。
【解決手段】施設の入居者の外泊理由を取得する取得部と、外泊理由と、外泊理由に関連する対応策との対応関係を記憶する記憶部と、記憶された対応関係を用いて、取得された外泊理由に関連する対応策を出力する出力制御部と、を含む演算システム。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設の入居者の外泊理由を取得する取得部と、
前記外泊理由と、前記外泊理由に関連する対応策との対応関係を記憶する記憶部と、
記憶された前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策を出力する出力制御部と、
を有する演算システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記外泊理由とともに外泊予定期間を取得し、
前記出力制御部は、取得された前記外泊予定期間に基づいて、取得された前記外泊理由ごとに、外泊による前記施設の稼働率への影響度合いを算出して出力する、請求項1に記載の演算システム。
【請求項3】
前記対応関係の前記対応策には、取得すべき加算が含まれ、
前記出力制御部は、前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記加算を、取得すべき前記加算として出力する、請求項1に記載の演算システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を記憶し、
前記出力制御部は、前記効果を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により前記収入減を抑制できる金額を算出して出力する、請求項1に記載の演算システム。
【請求項5】
前記記憶部は、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を記憶し、
前記出力制御部は、記憶された前記効果のうち、取得された前記外泊理由に関連する前記効果を出力する、請求項1に記載の演算システム。
【請求項6】
前記対応策は取得すべき加算であり、
前記出力制御部は、前記施設以外の他の施設における加算前後の外泊の実績を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により取得すべき前記加算を取得したときの、外泊による収入減を抑制できる金額を予測して出力する、請求項1に記載の演算システム。
【請求項7】
前記取得部は、介護収入の情報と、前記入居者ごとの外泊予定期間と、前記施設の収入の年度予算と、を取得し、
前記出力制御部は、取得された前記年度予算に基づいて、所定期間における日々の、前記施設の収入の予算を算出するとともに、取得された、介護収入の情報および前記外泊予定期間に基づいて、前記所定期間における日々の、前記施設の収入の実績を算出し、算出した前記予算および前記実績を出力する、請求項1に記載の演算システム。
【請求項8】
演算システムにより実行される制御方法であって、
施設の入居者の外泊理由を取得するステップ(a)と、
前記外泊理由と、前記外泊理由に関連する対応策との対応関係を記憶部に記憶させるステップ(b)と、
記憶された前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策を出力するステップ(c)と、
を有する制御方法。
【請求項9】
前記ステップ(a)においては、前記外泊理由とともに外泊予定期間を取得し、
取得された前記外泊予定期間に基づいて、取得された前記外泊理由ごとに、外泊による前記施設の稼働率への影響度合いを算出して出力するステップ(d)を有する、請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記対応関係の前記対応策には、取得すべき加算が含まれ、
前記ステップ(c)は、前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記加算を、取得すべき前記加算として出力する、請求項8に記載の制御方法。
【請求項11】
前記ステップ(b)においては、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を前記記憶部に記憶させ、
前記効果を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により前記収入減を抑制できる金額を算出して出力するステップ(e)を有する、請求項8に記載の制御方法。
【請求項12】
前記ステップ(b)においては、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を前記記憶に記憶させ、
記憶された前記効果のうち、取得された前記外泊理由に関連する前記効果を出力するステップ(f)を有する、請求項8に記載の制御方法。
【請求項13】
前記対応策は取得すべき加算であり、
前記施設以外の他の施設における加算前後の外泊の実績を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により取得すべき前記加算を取得したときの、外泊による収入減を抑制できる金額を予測して出力するステップ(g)を有する、請求項8に記載の制御方法。
【請求項14】
介護収入の情報と、前記入居者ごとの外泊予定期間と、前記施設の収入の年度予算と、を取得するステップ(h)と、
取得された前記年度予算に基づいて、所定期間における日々の、前記施設の収入の予算を算出するとともに、取得された、介護収入の情報および前記外泊予定期間に基づいて、前記所定期間における日々の、前記施設の収入の実績を算出し、算出した前記予算および前記実績を出力するステップ(i)と、を有する請求項8に記載の制御方法。
【請求項15】
請求項8~14のいずれか一項に記載の制御方法をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演算システム、制御方法、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護施設においては、入居者や介護保険から得る介護報酬として、基本報酬だけでなく、施設の体制を整えること等によって加算報酬を得ることができる。
【0003】
介護施設における収入源には介護報酬以外に居住費および食費等があるが、介護報酬が収入の8割程度を占める。このため、入居者が外泊することで生じる空床は収入減の大きな要因となり、経営への影響が大きい。
【0004】
入居者の外泊の中でも入居者のケガや病気による入院は長期化しやすく、収入への影響が特に大きい。介護施設としては、入居者のケガや病気を防ぎたいが、入院につながる比較的大きなケガや病気の発生を効果的に抑制する対策にまで手が回っていない。
【0005】
下記特許文献には次の先行技術が開示されている。介護施設の各利用者について当日の健康状態に関する健康情報を取得する。健康情報が所定の条件を満たす対象利用者に対し、当日の介護内容の希望を問い合わせて、当日の介護内容の希望に関する希望介護情報を取得する。健康情報、希望介護情報、および予め設定されている各利用者の当日の介護のスケジュールに関するスケジュール情報に基づいて、スケジュールを改変してリスケジュール案を作成する。そして、各利用者に対し、リスケジュール案における各利用者の当日の介護のスケジュールに関する情報を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-190992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記先行技術は、介護施設の入居者が外泊する場合の収入減に対応できないという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題に対応するためになされたものであり、施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制できる対策を把握可能な、演算システム、制御方法、および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0010】
(1)施設の入居者の外泊理由を取得する取得部と、前記外泊理由と、前記外泊理由に関連する対応策との対応関係を記憶する記憶部と、記憶された前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策を出力する出力制御部と、を有する演算システム。
【0011】
(2)前記取得部は、前記外泊理由とともに外泊予定期間を取得し、前記出力制御部は、取得された前記外泊予定期間に基づいて、取得された前記外泊理由ごとに、外泊による前記施設の稼働率への影響度合いを算出して出力する、上記(1)に記載の演算システム。
【0012】
(3)前記対応関係の前記対応策には、取得すべき加算が含まれ、前記出力制御部は、前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記加算を、取得すべき前記加算として出力する、上記(1)に記載の演算システム。
【0013】
(4)前記記憶部は、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を記憶し、前記出力制御部は、前記効果を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により前記収入減を抑制できる金額を算出して出力する、上記(1)に記載の演算システム。
【0014】
(5)前記記憶部は、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を記憶し、前記出力制御部は、記憶された前記効果のうち、取得された前記外泊理由に関連する前記効果を出力する、上記(1)に記載の演算システム。
【0015】
(6)前記対応策は取得すべき加算であり、前記出力制御部は、前記施設以外の他の施設における加算前後の外泊の実績を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により取得すべき前記加算を取得したときの、外泊による収入減を抑制できる金額を予測して出力する、上記(1)に記載の演算システム。
【0016】
(7)前記取得部は、介護収入の情報と、前記入居者ごとの外泊予定期間と、前記施設の収入の年度予算と、を取得し、前記出力制御部は、取得された前記年度予算に基づいて、所定期間における日々の、前記施設の収入の予算を算出するとともに、取得された、介護収入の情報および前記外泊予定期間に基づいて、前記所定期間における日々の、前記施設の収入の実績を算出し、算出した前記予算および前記実績を出力する、上記(1)に記載の演算システム。
【0017】
(8)演算システムにより実行される制御方法であって、施設の入居者の外泊理由を取得するステップ(a)と、前記外泊理由と、前記外泊理由に関連する対応策との対応関係を記憶部に記憶させるステップ(b)と、記憶された前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策を出力するステップ(c)と、を有する制御方法。
【0018】
(9)前記ステップ(a)においては、前記外泊理由とともに外泊予定期間を取得し、取得された前記外泊予定期間に基づいて、取得された前記外泊理由ごとに、外泊による前記施設の稼働率への影響度合いを算出して出力するステップ(d)を有する、上記(8)に記載の制御方法。
【0019】
(10)前記対応関係の前記対応策には、取得すべき加算が含まれ、前記ステップ(c)は、前記対応関係を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記加算を、取得すべき前記加算として出力する、上記(8)に記載の制御方法。
【0020】
(11)前記ステップ(b)においては、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を前記記憶部に記憶させ、前記効果を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により前記収入減を抑制できる金額を算出して出力するステップ(e)を有する、上記(8)に記載の制御方法。
【0021】
(12)前記ステップ(b)においては、前記外泊理由ごとに、前記対応策により前記施設の収入減を抑える効果を前記記憶に記憶させ、記憶された前記効果のうち、取得された前記外泊理由に関連する前記効果を出力するステップ(f)を有する、上記(8)に記載の制御方法。
【0022】
(13)前記対応策は取得すべき加算であり、前記施設以外の他の施設における加算前後の外泊の実績を用いて、取得された前記外泊理由に関連する前記対応策により取得すべき前記加算を取得したときの、外泊による収入減を抑制できる金額を予測して出力するステップ(g)を有する、上記(8)に記載の制御方法。
【0023】
(14)介護収入の情報と、前記入居者ごとの外泊予定期間と、前記施設の収入の年度予算と、を取得するステップ(h)と、取得された前記年度予算に基づいて、所定期間における日々の、前記施設の収入の予算を算出するとともに、取得された、介護収入の情報および前記外泊予定期間に基づいて、前記所定期間における日々の、前記施設の収入の実績を算出し、算出した前記予算および前記実績を出力するステップ(i)と、を有する上記(8)に記載の制御方法。
【0024】
(15)上記(8)~(14)のいずれか一項に記載の制御方法をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の効果】
【0025】
施設の入居者の外泊理由を取得し、外泊理由と外泊理由に関連する対応策との対応関係を用いて、取得された外泊理由に関連する対応策を出力する。これにより、施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制できる対策を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】システム全体の概略構成を示す図である。
図2】情報処理端末の概略構成を示すブロック図である。
図3】施設の各部屋の設定を受け付けるための部屋設定画面を示す図である。
図4】施設の入居者の設定を受け付けるための入居者設定画面を示す図である。
図5】施設が取得する加算の設定を受け付けるための取得加算設定画面を示す図である。
図6】施設の入居者についての空室の設定を受け付けるための空室設定画面を示す図である。
図7】サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図8】施設テーブルの例を示す図である。
図9】入居者テーブルの例を示す図である。
図10】加算テーブルの例を示す図である。
図11】CPUの機能を示すブロック図である。
図12】外泊対応策データベースに登録された情報を示す図である。
図13】取得された外泊理由に関連する対応策により収入減を抑制できる金額の出力画面の例を示す図である。
図14】システムにおいて実行される処理のフローチャートである。
図15】外泊による施設の稼働率への影響度合いの出力画面の例を示す図である。
図16】システムにおいて実行される処理のフローチャートである。
図17】予算設定画面を示す図である。
図18】収入予算実績出力画面を示す図である。
図19】システムにおいて実行される処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る演算システム、制御方法、および制御プログラムについて説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0028】
(第1実施形態)
図1は、システム10全体の概略構成を示す図である。
【0029】
図1に示すように、システム10は、情報処理端末100およびサーバー200によって構成される。情報処理端末100およびサーバー200は、ネットワークを介して相互に接続可能に構成される。サーバー200は演算システムを構成する。サーバー200および情報処理端末100により演算ステムが構成されてもよい。
【0030】
システム10は、施設内に設置されてもよく、構成要素の一部または全部が施設外に設置されてもよい。サーバー200は、オンプレミスサーバーであってもよくクラウドサーバーであってもよい。
【0031】
以下、説明を簡単にするために、施設は介護施設である場合を例に説明する。
【0032】
<情報処理端末100>
情報処理端末100は、例えば、介護施設の経営者または管理者等のユーザーによって使用される端末である。情報処理端末100は、デスクトップPC、ノートPC、タブレットPC、またはスマートフォン等である。
【0033】
図2は、情報処理端末100の概略構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、情報処理端末100は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、ストレージ140、通信インターフェース150、および操作表示部160を有する。各構成要素は、バス170を介して相互に通信可能に接続されている。
【0035】
CPU110は、ROM120やストレージ140に記録されているプログラムに従って、上記各構成の制御や各種の演算処理を行う。CPU210の機能については後述する。
【0036】
ROM120は、各種プログラムや各種データを格納する。
【0037】
RAM130は、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶する。
【0038】
ストレージ140は、HDD(Hard Disc Drive)、SDD(Solid State Drive)等により構成される。ストレージ140は、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや、各種データを格納する。例えば、ストレージ140には、ユーザーからの入力(指示等)を受け付けてサーバー200等の他の装置との間で各種情報を送受信するためのアプリケーションがインストールされている。ストレージ140には、情報を操作表示部160に出力(表示)するためのアプリケーションがインストールされている。
【0039】
通信インターフェース150は、他の装置と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース150としては、有線または無線の各種規格による通信インターフェースが用いられる。
【0040】
操作表示部160は、例えば、タッチパネル式のディスプレイであり、各種情報を表示すると共に、ユーザーからの各種入力を受け付ける。
【0041】
CPU210の機能について説明する。
【0042】
CPU210は、操作表示部160により、施設の各部屋の設定を受け付ける。CPU210は、受け付けた、施設の各部屋の設定をサーバー200へ送信することで登録する。施設の各部屋の設定は、サーバー200のストレージ240に記憶される部屋情報テーブル(図示せず)に登録される。部屋情報テーブルには、部屋番号、部屋が属するユニット/フロア、部屋タイプ、部屋代(居住費)、および設定人数(定員)が登録され得る。
【0043】
図3は、施設の各部屋の設定を受け付けるための部屋設定画面を示す図である。部屋設定画面は操作表示部160に表示され、部屋設定画面において施設の各部屋の設定が受け付けられる。
【0044】
部屋設定画面において、部屋番号、部屋が属するユニット/フロア、部屋タイプ、部屋代(居住費)、および定員が、管理者等のユーザーにより入力される。サーバー200のストレージ240に記憶される部屋情報テーブルには、部屋設定画面において受け付けられた、施設の各部屋の設定がそのまま登録され得る。例えば、部屋情報テーブルには、部屋番号が「S201」の部屋は、「南フロア」に属し、従来型個室で、部屋代が3000円/日であることが登録される。
【0045】
CPU210は、操作表示部160により、施設の入居者の設定を受け付ける。CPU210は、受け付けた、施設の入居者の設定をサーバー200へ送信することで登録する。施設の入居者の設定は、サーバー200のストレージ240に記憶される入居者テーブル(図9参照)の一部として登録され得る。
【0046】
図4は、施設の入居者の設定を受け付けるための入居者設定画面を示す図である。入居者設定画面は操作表示部160に表示され、入居者設定画面において施設の入居者の設定が受け付けられる。
【0047】
入居者設定画面において、入居者名、要介護度、利用者負担段階、入居するフロア、および部屋番号がユーザーにより入力される。図4の例においては、例えば、入居者名「A」について、要介護度が「要介護4」、利用者負担段階が「第1段階」と入力されている。また、入居者名「A」について、入居するフロアが「北フロア」、そして部屋番号が「N201」と入力されている。
【0048】
CPU210は、操作表示部160において、施設が取得する加算の設定を受け付ける。CPU210は、受け付けた、施設が取得する加算の設定をサーバー200へ送信することで登録する。施設が取得する加算の設定は、サーバー200のストレージ240に記憶される施設テーブル(図8参照)の一部として登録され得る。施設が取得する加算の設定は、入居者テーブル(図9参照)の一部として登録され得る。
【0049】
図5は、施設が取得する加算の設定を受け付けるための取得加算設定画面を示す図である。取得加算設定画面は操作表示部160に表示され、取得加算設定画面において施設が取得する加算の設定が受け付けられる。
【0050】
取得加算設定画面において、施設が取得する加算の項目について「あり」がユーザーにより選択(入力)される。施設が取得する加算の設定は、通常は年度ごとに、4月1日から翌年の3月31日までの期間を単位として行われ得る。
【0051】
CPU210は、操作表示部160により、施設の入居者についての空室の設定を受け付ける。例えば、入居者の入院が決まったとき等に、当該入居者についての空室の設定がCPU210により受け付けられる。すなわち、入院等により利用されない部屋について空室の設定が受け付けられる。CPU210は、受け付けた、施設の入居者についての空室の設定をサーバー200へ送信することで登録する。施設の入居者についての空室の設定は、サーバー200のストレージ240に記憶される空室管理テーブル(図示せず)に登録され得る。
【0052】
図6は、施設の入居者についての空室の設定を受け付けるための空室設定画面を示す図である。空室設定画面は操作表示部160に表示され、空室設定画面において施設の入居者についての空室の設定が受け付けられる。
【0053】
空室設定画面において、部屋番号、入居者名、空室期間(外泊予定期間)、および外泊理由がユーザーにより入力される。サーバー200のストレージ240に記憶される空室管理テーブルには、空室設定画面において受け付けられた、空室の設定がそのまま登録され得る。例えば、空室管理テーブルには、部屋番号が「S201」の部屋は、入居者名が「B」であることが登録される。空室管理テーブルには、部屋番号が「S201」の部屋は、空室期間(外泊予定期間)が1月10日~2月10日であることが登録される。空室管理テーブルには、部屋番号が「S201」の部屋の外泊理由が日中の転倒骨折による入院であることが登録される。
【0054】
なお、入居者の外泊理由が入院の場合等においては、当該入居者の部屋が空室期間中は使用されないが、部屋代の収入は発生する。
【0055】
<サーバー200>
図7は、サーバー200の概略構成を示すブロック図である。
【0056】
図7に示すように、サーバー200は、CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、および操作表示部260を有する。各構成要素は、バス270を介して相互に通信可能に接続されている。
【0057】
CPU210、ROM220、RAM230、ストレージ240、通信インターフェース250、および操作表示部260の各構成要素は、情報処理端末100の対応する各構成要素と同様の機能を有する。このため、これらの構成要素について重複する説明は省略する。CPU210の具体的な機能については後述する。
【0058】
ストレージ240には、CPU210が各処理を実行するためのプログラムがインストールされる。また、ストレージ240には、施設の情報が格納される施設テーブル(図8参照)が記憶される。施設テーブルには、例えば、各施設を区別可能なID(以下、「施設ID」と称する)、および施設を運営する法人を区別可能なID(法人ID)が施設の情報として格納される。施設テーブルには、施設名、および施設による各加算の取得状況が施設の情報として格納される。これらの情報は、互いに関連付けられて施設の情報として格納される。施設テーブルには、さらに、施設IDと関連付けられて、居室形態、入居者数、常勤介護職員数、および非常勤介護職員数が格納されてもよい。施設テーブルには、さらに、施設IDと関連付けられて、常勤看護職員数、非常勤看護職員数、および常勤栄養士数等が格納されてもよい。これらの情報は加算報酬の金額の算出等に使用され得る。
【0059】
ストレージ240には、各入居者の状態情報が格納される入居者テーブル(図9参照)が記憶される。入居者テーブルには、例えば、各入居者を区別可能なID(以下、「入居者ID」と称する)、および入居者名が各入居者の状態情報として格納される。入居者テーブルには、要介護度、利用者負担段階、入居するフロア、部屋番号、および入居者ごとの各加算の取得状況が各入居者の状態情報として格納される。これらの情報は互いに関連付けられて各入居者の状態情報として格納される。
【0060】
加算には、施設が所定の体制等の要件を満たすことで取得できる体制加算と、入居者ことに個別のケアプランを提供することで取得できる個別加算がある。体制加算は、施設として取得する加算であり、すべての入居者により所定の負担割合で負担される。個別加算は、入居者ごとに取得する加算であり、当該個別加算の対象の入居者により所定の負担割合で負担される。
【0061】
ストレージ240には、加算の内容(加算の情報)が格納される加算テーブル(図10参照)が記憶される。加算テーブルには、各加算を区別可能なID(以下、「加算ID」と称する)、加算名、加算の区分、ならびに、単位および点数が、加算の内容として格納され得る。加算の区分には、体制加算と個別加算が含まれ得る。
【0062】
ストレージ240には、施設の部屋の情報が格納される部屋情報テーブルが記憶される。部屋情報テーブルには、部屋番号、部屋が属するユニット/フロア、部屋タイプ、部屋代(居住費)、および定員が部屋の情報として登録され得る。
【0063】
図8は、施設テーブルの例を示す図である。図8の例においては、施設テーブルには、施設ID、法人ID、施設名、および施設による各体制加算の取得状況が登録されている。取得する体制加算が「1」、未取得の体制加算が「0」で示されている。図8の例においては、施設IDが「1」、法人IDが「1」、そして施設名が「施設A」と登録されている。
【0064】
図9は、入居者テーブルの例を示す図である。図9の例においては、入居者テーブルには、入居者ID、入居者名、要介護度、および利用者負担段階が格納されている。入居者テーブルには、入居するフロア、部屋番号、および入居者ごとの各加算の取得状況が格納されている。入居者テーブルにおいては、入居者が対象となっている加算が「1」、入居希望者が対象となっている加算が「0」で示されている。例えば、入居者IDが「1」の入居者名は「A」で、要介護度は「要介護4」と登録されている。入居者IDが「1」の入居者の利用者負担段階は「第1段階」、入居するフロアは「北フロア」、そして部屋番号は「N201」と登録されている。
【0065】
図8の施設テーブルおよび図9の入居者テーブルにおいては、例えば「加算A」および「加算D」が、施設が体制加算として取得されている加算に該当する。入居者テーブルにおいて体制加算が取得されている加算が記録されているのは、体制加算はすべての入居者により所定の負担割合で負担されるからである。図9の入居者テーブルにおいては、例えば「加算B」および「加算Z」が、入居者IDが「2」の入居者を対象として取得されている個別加算に該当する。
【0066】
図10は、加算テーブルの例を示す図である。図10の例においては、加算テーブルに加算ID、加算名、加算の区分、ならびに、単位および点数が格納されている。加算テーブルによれば、加算IDが「1」の加算Aは、加算の区分が「体制」の体制加算であり、1日単位で点数が3点(居住者1人あたり)の加算である。加算IDが「2」の加算Bは、加算の区分が「個別」の個別加算であり、1月単位で点数が300点の加算である。加算IDが「3」の加算Cは、加算の区分が「体制」の体制加算であり、1月単位で点数が5点(居住者1人あたり)の加算である。
【0067】
施設テーブル、入居者テーブル、および加算テーブルは、定期的に、変更、追加、または削除されることで更新され得る。部屋情報テーブルは、部屋代の変更があったとき等に更新され得る。
【0068】
CPU210の機能について説明する。
【0069】
図11は、CPU210の機能を示すブロック図である。CPU210は、取得部211、記憶制御部212、および出力制御部213として機能する。
【0070】
取得部211は、入居者の外泊理由(以下、単に「外泊理由」とも称する)を取得する。取得部211は、情報処理端末100において入力された外泊理由を、通信インターフェース250を介して受信することで取得し得る。外泊理由は、情報処理端末100において表示される空室設定画面(図6参照)において管理者等のユーザーにより入力される。外泊理由には、骨折や肺炎等の病気やケガによる入院や、看取り後の退去が含まれ得る。具体的には、外泊理由には、日中の転倒骨折による入院(「入院(転倒骨折_日中)」)、および夜間の転倒骨折による入院(「入院(転倒骨折_夜間)」)が含まれる。外泊理由には、誤嚥性肺炎による入院(「入院(誤嚥性肺炎)」)、および誤嚥性肺炎以外の肺炎による入院(「入院(その他肺炎)」)が含まれる。外泊理由には、尿路感染による入院(「入院(尿路感染)」)、および褥瘡による入院(「入院(褥瘡)」)が含まれる。外泊理由には、脱水による入院(「入院(脱水)」)が含まれる。外泊理由には、急変による入院(「入院(急変)」)、および一時帰宅(「一時帰宅」)が含まれる。
【0071】
記憶制御部212は、施設テーブル(図8)、入居者テーブル(図9)、加算テーブル(図10)、および部屋情報テーブルへの登録情報を情報処理端末100から通信インターフェース250を介して受信する。上述したように、登録情報は、入居者設定画面(図4)、取得加算設定画面(図5)、および部屋設定画面(図3)等の画面から入力され得る。記憶制御部212は、施設テーブル、入居者テーブル、加算テーブル、および部屋情報テーブルをストレージ240に記憶させる。記憶制御部212は、施設テーブル、入居者テーブル、加算テーブル、および部屋情報テーブルへの登録情報を操作表示部260において受け付けてもよい。
【0072】
記憶制御部212は、外泊理由と、外泊理由に関連する対応策との対応関係(以下、「特定対応関係」とも称する)をストレージ240に記憶させる。記憶制御部212は、ストレージ240に記憶される外泊対応策データベースに登録することで、特定対応関係をストレージ240に記憶させ得る。記憶制御部212は、外泊理由ごとに、外泊理由に関連する対応策により施設の収入減を抑える効果を外泊対応策データベースに登録する。これにより、外泊理由ごとに、外泊理由に関連する対応策により施設の収入減を抑える効果が、ストレージ240に記憶される。
【0073】
図12は、外泊対応策データベースに登録された情報を示す図である。
【0074】
図12の例においては、例えば、日中の転倒骨折による入院(「入院(転倒骨折_日中)」)という外泊理由に関連する対応策として、「個別機能訓練加算を取得」が登録されている。すなわち、日中の転倒骨折による入院の対応策として取得すべき加算として、個別機能訓練加算が登録されている。また、日中の転倒骨折による入院の対応策として、リビングや居室内の環境の見直しや、福祉用具や靴等の再検討が登録されている。
【0075】
外泊対応策データベースには、外泊理由に関連する対応策により施設の収入減を抑える効果が登録される。図12の例においては、例えば、日中の転倒骨折による入院という外泊理由に関連する対応策により施設の収入減を抑える効果として、個別機能訓練加算の取得による加算報酬と、入院数の減少によるロス金額の圧縮が登録されている。ロス金額は、外泊により失われる収入である。具体的には、ロス金額は、外泊する居住者に関連する基本報酬および加算報酬である。すなわち、ロス金額は、外泊する居住者が、外泊しなければ得られたであろう基本報酬および加算報酬である。個別機能訓練加算の取得による加算報酬は、具体的には、入居者数×12単位×単価(例えば10円)×365日であることが登録されている。入院数の減少によるロス金額の圧縮は、具体的には、入院数の減少により、ロス金額が、当該ロス金額に圧縮率(0.3)を乗じた金額(ロス金額×0.3)だけ圧縮されることが登録されている。これにより、外泊対応データベースを用いて、取得部211により取得された外泊理由に関連する対応策により、外泊によるロス金額が圧縮される金額を算出できる。当該ロス金額の圧縮は、例えば、過去の実績により、日中の転倒骨折による入院数が3である場合に、入院数が2に減少することに対応する。
【0076】
図12の例においては、夜間の転倒骨折による入院の対応策として、見守りシステムを導入して夜勤職員配置加算の基準を緩和することが登録されている。職員配置加算の基準が緩和されることで、夜勤職員配置加算を取得するための夜勤職員の数が減少するため、夜勤職員の人件費を削減できる。また、夜間の転倒骨折による入院という外泊理由に関連する対応策により施設の収入減を抑える効果として、夜勤職員の人件費削減と、入院数の減少によるロス金額の圧縮が登録されている。夜勤職員の人件費削減は、具体的には、夜勤職員配置加算の基準の緩和により人件費を144万円/年削減できることが登録されている。入院数の減少によるロス金額の圧縮として、具体的には、次のことが登録されている。見守りシステムの導入による入院数の減少により、ロス金額が、当該ロス金額に圧縮率(0.3)を乗じた金額(ロス金額×0.3)だけ圧縮されることが登録されている。当該ロス金額の圧縮率は、例えば、過去の事績により、夜間の転倒骨折による入院数が3である場合に、見守りシステムの導入による転倒予防効果により、入院数が2に減少することに対応する。
【0077】
図11を再度参照する。出力制御部213は、外泊対応策データベースに登録された特定対応関係を用いて、取得部211により取得された外泊理由に関連する対応策を特定する。出力制御部213は特定した対応策を出力する。例えば、取得された外泊理由が日中の転倒骨折による入院である場合、出力制御部213は、「個別機能訓練加算を取得」を、対応策として出力する。出力制御部213は、「リビングや居室内の環境の見直し」、および「福祉用具や靴等の再検討」を、対応策として出力する。ここで、出力には、操作表示部260による表示、および情報処理端末100等の他の装置への送信が含まれる。出力には、画像形成装置(図示せず)へ送信することによる用紙への画像形成等が含まれる。出力制御部213は、取得された外泊理由に関連する加算である「個別機能訓練加算」(加算の名称または加算ID)を、対応策として取得すべき加算として出力してもよい。
【0078】
出力制御部213は、外泊対応データベースを用いて、取得部211により取得された外泊理由に関連する対応策により収入減を抑制できる金額を算出して出力する。外泊理由に関連する対応策により収入減を抑制できる金額には、新たな加算の取得による加算報酬の金額と、入院数の減少によるロス金額の圧縮額とが含まれる。
【0079】
図13は、取得された外泊理由に関連する対応策により収入減を抑制できる金額の出力画面の例を示す図である。
【0080】
図13の例においては、日中の転倒骨折による入院という外泊理由に関連する対応策により収入減を抑制できる金額が出力されている。具体的には、日中の転倒骨折による入院という外泊理由に関連する対応策として、「機能訓練加算の取得」が出力されている。「機能訓練加算の取得」による加算報酬の金額として240万円/年が出力されている。「機能訓練加算の取得」によって各居住者の身体機能が向上することによる、入院数の減少によるロス金額の圧縮額として36万円/年が出力されている。例えば、「機能訓練加算の取得」前の、1月(30日)入院する入居者数が3人である場合、ロス金額は、3人×30日×1.2万円/月(ロス金額/(人・月))=108万円となる。この場合、108万円×0.3(圧縮率)が入院数の減少によるロス金額の圧縮額になる。
【0081】
出力制御部213は、外泊対応データベースを用いて、取得部211により取得された外泊理由に関連する対応策により収入減を抑える効果を出力してもよい。具体的には、ロス金額の圧縮額の算出に用いられる圧縮率を、取得された外泊理由に関連する対応策により収入減を抑える効果として出力してもよい。取得された外泊理由に関連する対応策により収入減を抑える効果には、取得すべき加算の加算報酬の金額が含まれてもよい。
【0082】
出力制御部213は、外泊による対応策を出力しようとする施設以外の他の施設における加算前後の外泊の実績を用いて、当該対応策により取得すべき加算を取得したときの、外泊による収入減を抑制できる金額を予測して出力してもよい。例えば、他の施設における「機能訓練加算」の取得前の外泊数が3で、取得後の外泊数が2であったとする。この場合、圧縮率は0.3(=(3-2)/3)とされ得る。そして、圧縮率を0.3として算出される、入院数の減少によるロス金額の圧縮額と、「機能訓練加算の取得」による加算報酬の金額とが外泊による収入減を抑制できる金額として予測され得る。
【0083】
図14は、システム10において実行される処理のフローチャートである。本フローチャートに示される処理は、サーバー200のストレージ240に記憶されたプログラムに従って、CPU210が各部を制御することにより実行され得る。
【0084】
CPU210は、施設の入居者の外泊理由を取得する(S101)。
【0085】
CPU210は、外泊理由に関連する対応策を、外泊対応策データベースを用いて特定する(S102)。
【0086】
CPU210は、特定した対応策により外泊による収入減を抑制できる金額を算出する(S103)。
【0087】
CPU210は、特定した対応策と、算出した、外泊による収入減を抑制できる金額とを出力する(S104)。
【0088】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とで異なる点は次の点である。第1実施形態は、外泊対応策データベースを用いて、取得した外泊理由に関連する対応策を出力する。一方、本実施形態は、外泊理由とともに外泊予定期間を取得する。そして、外泊予定期間に基づいて、外泊対応策データベースを用いて、外泊理由ごとに、外泊による施設の稼働率への影響度合いを算出して出力する。これ以外の点に関しては、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
【0089】
図11を参照して、CPU210の機能について説明する。
【0090】
取得部211は、外泊理由とともに外泊予定期間を取得し得る。外泊予定期間(空室期間)は、情報処理端末100において表示された空室設定画面(図6)においてユーザーにより入力され得る。取得部211は、通信インターフェース250を介して情報処理端末100から外泊理由とともに外泊予定期間を受信することで取得し得る。
【0091】
出力制御部213は、取得された外泊予定期間に基づいて、取得された外泊理由ごとに、外泊による施設の稼働率への影響度合いを算出して出力する。施設の稼働率は、施設の全部屋の利用率(%)である。施設の稼働率は、当月の稼働率として、「当月の空室日数の全部屋の合算値」を「全部屋数×当月の日数」で除算することで算出され得る。外泊による施設の稼働率への影響度合いは、施設の稼働率を低下させる外泊理由ごとの割合(%)である。外泊による施設の稼働率への影響度合いは次のように算出されてもよい。当月の影響度合いとして、「外泊予定期間(日数)の合算値」を「当月の日数」で除算した値(%)を外泊理由ごとに合算することで算出されてもよい。なお、施設の稼働率は、今年度の稼働率として算出されてもよい。また、外泊による施設の稼働率への影響度合いは、今年度の影響度合いとして算出されてもよい。
【0092】
図15は、外泊による施設の稼働率への影響度合いの出力画面の例を示す図である。
【0093】
図15に示すように、外泊による施設の稼働率への影響度合いの出力画面には、当月の外泊による施設の稼働率への影響度合いが、外泊理由ごとに出力されている。図15の例においては、当月の施設の稼働率の出力結果が85%であることが判る。また、日中の転倒骨折による入院という外泊理由による、当月の施設の稼働率への影響度合いの出力結果が9%であることが判る。なお、日中の転倒骨折による入院により外泊する入居者が複数いる場合は、当該複数の入居者の外泊による施設の稼働率への影響度合いが9%であることになる。
【0094】
図16は、システム10において実行される処理のフローチャートである。本フローチャートに示される処理は、サーバー200のストレージ240に記憶されたプログラムに従って、CPU210が各部を制御することにより実行され得る。
【0095】
CPU210は、施設の入居者の外泊理由と外泊予定期間を取得する(S201)。
【0096】
CPU210は、取得した外泊予定期間に基づいて、外泊理由ごとに、外泊による施設の稼働率への影響度合いを算出して出力する(S202)。
【0097】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態と第1実施形態とで異なる点は次の点である。第1実施形態は、外泊対応策データベースを用いて、取得した外泊理由に関連する対応策を出力する。一方、本実施形態は、取得した、施設の収入の年度予算に基づいて、所定期間における日々の施設の収入の予算を算出する。取得した、介護収入の情報および外泊予定期間に基づいて、所定期間における日々の、施設の収入の実績を算出する。そして、算出した、所定期間における日々の施設の収入の予算および実績を出力する。これ以外の点に関しては、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
【0098】
図11を参照して、CPU210の機能について説明する。
【0099】
取得部211は、介護収入の情報と、入居者ごとの外泊予定期間と、施設の収入の年度予算とを取得する。介護収入の情報には、施設が現在取得する基本報酬および加算報酬の情報が含まれる。
【0100】
取得部211は、ストレージ240に記憶されている施設テーブル(図8参照)および入居者テーブル(図9参照)を読み出すことで加算報酬の情報を取得し得る。取得部211は、ストレージ240に記憶されている各居住者の基本報酬の情報を読み出すことで基本報酬の情報を取得し得る。
【0101】
施設の収入の年度予算は、情報処理端末100において操作表示部160に表示される予算設定画面(図17参照)にユーザーにより入力され得る。予算設定画面に入力された施設の収入の年度予算は、情報処理端末100からサーバー200へ送信され、ストレージ240に記憶されることで登録され得る。取得部211は、ストレージ240から、施設の収入の年度予算を読み出すことで取得し得る。
【0102】
図17は、予算設定画面を示す図である。
【0103】
図17の例においては、予算設定画面において、施設の収入の2023年度予算として、221,184,000円が入力されている。
【0104】
出力制御部213は、取得部211により取得された年度予算に基づいて、所定期間における日々の、施設の収入の予算を算出する。所定期間は1月(月間)または1年(年間)であり得る。以下、説明を簡単にするために、所定期間は1月である場合を例に説明する。本日が含まれる月の本日までの収入の予算は、施設の収入の年度予算を「12(月)」で除算した値に、「(本日が含まれる月の1日から本日までの経過日数)/(本日が含まれる月の日数)」を乗算することで算出される。本日が含まれる月の本日までの収入の実績は、本日が含まれる月の1日から本日までの収入の合計値として算出される。本日が含まれる月の本日までの収入の実績は、基本報酬、加算報酬、部屋代、および食費の合計値である。外泊する入居者については、空室期間における基本報酬、加算報酬、および食費の収入は0とされる。
【0105】
図18は、収入予算実績出力画面を示す図である。
【0106】
図18の例においては、本日が含まれる月の1日から本日までの収入の予算が、9,089,753円と出力されている。本日が含まれる月の1日から本日までの収入の実績が、9,055,453円と算出されている。なお、本日が含まれる月の本日までの収入の予算に対し、実績が34,300円不足していることが出力されている。
【0107】
なお、図18の収入実績出力画面において、本日が含まれる月の収入の予算(当月予算)、および本日が含まれる月の着地予測(当月着地予測)も出力されている。本日が含まれる月の収入の予算は、施設の収入の年度予算を12(月)で除算することで算出される。本日が含まれる月の着地予測は、本日が含まれる月の1日から本日までの収入の実績に、本日の収入が明日以降月末まで同じと仮定して、明日から月末までに予測される収入を加算することで算出される。
【0108】
図19は、システム10において実行される処理のフローチャートである。本フローチャートに示される処理は、サーバー200のストレージ240に記憶されたプログラムに従って、CPU210が各部を制御することにより実行され得る。
【0109】
CPU210は、介護取得の情報と、入居者ごとの外泊予定期間と、収入の年度予算とを取得する(S301)。
【0110】
CPU210は、年度予算に基づいて月間の日々の収入の予算を算出する。CPU210は、介護収入の情報および外泊予定期間に基づいて月間の日々の収入の実績を算出して出力する(S302)。
【0111】
実施形態は以下の効果を奏する。
【0112】
施設の入居者の外泊理由を取得し、外泊理由と外泊理由に関連する対応策との対応関係を用いて、取得された外泊理由に関連する対応策を出力する。これにより、施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制できる対策を把握できる。
【0113】
また、外泊理由とともに外泊予定期間を取得し、取得された外泊予定期間に基づいて、取得された外泊理由ごとに、外泊による施設の稼働率への影響度合いを算出して出力する。これにより、施設の稼働率の観点から施設の入居者が外泊することによる影響を客観的に把握できる。
【0114】
また、上記対応策に、取得すべき加算を含める。そして、上記対応関係を用いて、取得された外泊理由に関連する加算を、取得すべき加算として出力する。これにより、施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制するために取得すべき適切な加算を客観的に把握できる。
【0115】
また、外泊理由ごとに、上記対応策により施設の収入減を抑える効果を記憶させる。当該効果を用いて、取得された外泊理由に関連する対応策により収入減を抑制できる金額を算出し出力する。これにより、施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制できる対応策と、当該対応策により収入減を抑制できる金額を客観的に把握できる。
【0116】
また、外泊理由ごとに、上記対応策により施設の収入減を抑える効果を記憶させ、記憶された効果のうち、取得された外泊理由に関連する前記効果を出力する。施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制できる対応策による効果を客観的に把握できる。
【0117】
また、対応策を取得すべき加算とする。そして、他の施設における加算前後の外泊の実績を用いて、取得された外泊理由に関連する対応策により取得すべき加算を取得したときの、外泊による収入減を抑制できる金額を予測する。これにより、施設の入居者が外泊することによる収入減を抑制できる対応策により収入減を抑制できる金額を正確かつ簡単に把握できる。
【0118】
また、介護収入の情報と、入居者ごとの外泊予定期間と、施設の収入の年度予算と、を取得する。取得された年度予算に基づいて、所定期間における日々の、施設の収入の予算を算出する。取得された、介護収入の情報および外泊予定期間に基づいて、所定期間における日々の、施設の収入の実績を算出する。そして、算出した予算および実績を出力する。これにより、所定期間における日々の、施設の収入の予算および実績を簡単に把握できる。
【0119】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。
【0120】
例えば、情報処理端末100、およびサーバー200は、それぞれ上記の構成要素以外の構成要素を含んでいてもよい。あるいは、情報処理端末100、およびサーバー200は、上記の構成要素のうちの一部が含まれていなくてもよい。
【0121】
また、情報処理端末100の操作表示部160で受け付ける各種設定は、サーバー200の操作表示部260で受け付けられてもよい。
【0122】
また、情報処理端末100、およびサーバー200は、それぞれ別の装置によって構成されてもよく、あるいは単一の装置によって構成されてもよい。
【0123】
また、各構成が有する機能は、他の構成によって実現されてもよい。例えば、サーバー200において実行されるものとして説明した処理の少なくとも一部は、情報処理端末100やその他の装置によって実行されてもよい。また、情報処理端末100の機能をサーバー200に包含させることで、情報処理端末100を省略してもよい。
【0124】
また、上記の実施形態におけるフローチャートの処理単位は、各処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理ステップの分割の仕方によって、本願発明が制限されることはない。各処理は、さらに多くの処理ステップに分割されることもできる。1つの処理ステップが、さらに多くの処理を実行してもよい。また、複数のステップが同時に、または組み合わさって実行されてもよい。
【0125】
上述した実施形態に係るシステムにおける各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路によって実現することが可能である。システムにおける各種処理を行う手段および方法は、プログラムされたコンピューターによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、フレキシブルディスクおよびCD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよい。上記プログラムは、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0126】
100 情報処理端末、
110 CPU、
120 ROM、
130 RAM、
140 ストレージ、
150 通信インターフェース、
160 操作表示部、
170 バス、
200 サーバー、
210 CPU、
211 取得部、
212 記憶制御部、
213 出力制御部、
220 ROM、
230 RAM、
240 ストレージ、
250 通信インターフェース、
260 操作表示部、
270 バス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図14
図15
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