(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172030
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20241205BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20241205BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20241205BHJP
F21Y 115/00 20160101ALN20241205BHJP
【FI】
F21V23/00 120
F21V31/00 100
F21V23/00 160
F21S8/04 110
F21Y115:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089447
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 愛海
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA02
3K014NA04
(57)【要約】
【課題】点灯装置の組み立て時のパッキンの変形を抑制できる点灯装置及び照明器具を得る。
【解決手段】開口が設けられた筐体と、筐体の内部に収納され、筐体の外部に設けられた発光部に電源を供給する電源基板と、筐体の開口を塞ぐ端板と、筐体の開口と端板との間に挟まれたパッキンと、電源基板に接続された電線と、を備え、パッキンには、電線が通過する電線孔が設けられており、パッキンは、開口の縁部の外側、かつ端板の外周部よりも外側に設けられた第1爪部及び第2爪部を備え、第1爪部は、筐体に向かって突出して筐体に係合し、第2爪部は、端板に向かって突出して端板に係合する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口が設けられた筐体と、
前記筐体の内部に収納され、前記筐体の外部に設けられた発光部に電源を供給する電源基板と、
前記筐体の前記開口を塞ぐ端板と、
前記筐体の前記開口と前記端板との間に挟まれたパッキンと、
前記電源基板に接続された電線と、を備え、
前記パッキンには、前記電線が通過する電線孔が設けられており、
前記パッキンは、前記開口の縁部の外側、かつ前記端板の外周部よりも外側に設けられた第1爪部及び第2爪部を備え、
前記第1爪部は、前記筐体に向かって突出して前記筐体に係合し、
前記第2爪部は、前記端板に向かって突出して前記端板に係合する
点灯装置。
【請求項2】
前記パッキンは、
前記端板側の面から前記端板に向かって突出した有底筒状の軸封部を備え、
前記端板には、前記軸封部が挿入される孔部が設けられており、
前記電線孔は、前記軸封部に設けられている
請求項1に記載の点灯装置。
【請求項3】
前記軸封部は、
前記パッキンの前記端板側の面から突出した筒壁部と、
前記筒壁部の先端に設けられた底壁部とを有し、
前記底壁部に、前記電線孔が設けられている
請求項2に記載の点灯装置。
【請求項4】
前記軸封部の、前記端板から突出する部分は、前記軸封部の軸方向に沿って外径が変化しない
請求項2に記載の点灯装置。
【請求項5】
前記電線孔と前記パッキンの外周縁とを最短距離で結ぶ仮想直線上に、前記第1爪部及び前記第2爪部のいずれか又は両方が設けられている
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の点灯装置。
【請求項6】
前記パッキンは、前記開口の縁部の外側、かつ前記端板の外周部よりも外側に突出した突出部を有し、
前記突出部の前記開口側の面に、前記第1爪部が設けられ、前記端板側の面に、前記第2爪部が設けられている
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の点灯装置。
【請求項7】
前記電線は、
外部電源と前記電源基板とを接続する一次側電線と、
前記電源基板と前記発光部とを接続する二次側電線と、を含み、
前記電線孔は、
前記一次側電線が挿入される第1孔と、
前記二次側電線が挿入される第2孔とを含む
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の点灯装置。
【請求項8】
一対の前記第1爪部が、前記パッキンの対向する外周部に設けられている
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の点灯装置。
【請求項9】
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の点灯装置と、
前記発光部とを備えた
照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光を照射する発光部に電源を供給する点灯装置及びこの点灯装置を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光を照射する発光部に電源を供給する点灯装置及び点灯装置を備えた照明器具が知られている。例えば特許文献1には、筐体と、筐体の内部に収納され、発光部に電源を供給する点灯回路と、点灯回路に接続された電線と、筐体に設けられた開口を閉止する端板と、筐体の開口と端板との間に設けられたパッキンとを備えた点灯装置が開示されている。特許文献1のパッキンには、電線が挿入される通過孔が形成された円筒状の電線軸封部が設けられている。この電線軸封部は、端板から突出するようにして、端板に設けられた電線貫通孔に挿入される。電線軸封部は、端板に設けられた電線貫通孔の径よりも外径の大きい鍔部を有し、パッキンの表面と鍔部とで端板を挟み込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具は、パッキンの表面と鍔部とで端板を挟み込んでパッキンと端板とを一体化しているので、点灯装置の組み立て時に電線を通過孔に挿入する際に電線からパッキンに圧力がかかっても、パッキンの変形が抑制される。ところが、円筒状の電線軸封部に鍔部を設けると、パッキンを射出成形により製造しようとした場合に、鍔部がアンダーカットとなるため、金型及び材料に制約が生じうる。このため、鍔部とは異なる構造でパッキンの変形を抑制できる技術が望まれていた。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、点灯装置の組み立て時のパッキンの変形を抑制できる点灯装置及び照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る点灯装置は、開口が設けられた筐体と、前記筐体の内部に収納され、前記筐体の外部に設けられた発光部に電源を供給する電源基板と、前記筐体の前記開口を塞ぐ端板と、前記筐体の前記開口と前記端板との間に挟まれたパッキンと、前記電源基板に接続された電線と、を備え、前記パッキンには、前記電線が通過する電線孔が設けられており、前記パッキンは、前記開口の縁部の外側、かつ前記端板の外周部よりも外側に設けられた第1爪部及び第2爪部を備え、前記第1爪部は、前記筐体に向かって突出して前記筐体に係合し、前記第2爪部は、前記端板に向かって突出して前記端板に係合するものである。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、筐体と端板との間に配置され、電線が通過する電線孔が設けられたパッキンに、筐体に係合する第1爪部と、端板に係合する第2爪部とが設けられている。このため、第1爪部及び第2爪部によって筐体とパッキンと端板とが一体化され、点灯装置の組み立て時に電線がパッキンに挿入されたときに、パッキンの変形を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置の下側から見た分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る点灯装置の斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る点灯装置の分解斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係るパッキンの斜視図である。
【
図6】実施の形態1に係るパッキンの正面図である。
【
図7】実施の形態1に係るパッキンの背面図である。
【
図8】実施の形態1に係るパッキンの側面図である。
【
図9】実施の形態1に係る第1爪部及び第2爪部の側面図である。
【
図10】実施の形態1に係る端板、パッキン及び筐体の組み付け状態を示す縦断面模式図である。
【
図11】実施の形態1に係る入力電線に移動が生じた場合のパッキンの変形を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る点灯装置及び照明器具の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具100の斜視図である。照明器具100は、天井等の被取付部(図示せず)に設けられた吊ボルト等に取り付けられ、照射対象空間に光を照射するものである。照明器具100は、入力電線6が接続された点灯装置10と、点灯装置10から電源供給を受けて光を発する照明装置20とを備えている。さらに本実施の形態の照明器具100は、電源取付金具1と、ヒートシンク2と、アーム3と、アーム取付金具4と、落下防止ワイヤ5とを備える。
【0011】
以下の説明では、照明器具100の点灯装置10の長手方向に沿った方向を、X方向とする。また、X方向に直交し、点灯装置10の短手方向に沿った方向を、Y方向とする。そして、X方向及びY方向のいずれとも直交する方向を、Z方向とする。Z方向は、上下方向である。X方向、Y方向、及びZ方向それぞれにおける互いに反対側への向きを、
図1の矢印に示すとおり、X1方向及びX2方向、Y1方向及びY2方向、並びにZ1方向及びZ2方向と称する場合がある。Z1方向は上向き、Z2方向は下向きであり、照射対象空間は、照明装置20に対してZ2方向にある。
【0012】
(電源取付金具1)
電源取付金具1は、照明装置20に電源を供給する電源装置である点灯装置10を、照明装置20に取り付ける部材である。電源取付金具1によって、点灯装置10と照明装置20とが一体化されている。電源取付金具1の形状は特に限定されないが、本実施の形態では、上から順に点灯装置10、ヒートシンク2、及び照明装置20が重ねられ、電源取付金具1はこれらを固定している。
【0013】
(ヒートシンク2)
ヒートシンク2は、照明装置20に設けられた発熱部品からの放熱を促す部材である。ヒートシンク2は、アルミ等の熱伝導率の高い金属材料によって構成された複数のフィン2aと、フィン2aが取り付けられた板状のベース2bとを備える。ベース2bは、その平板面がX-Y平面に沿うように配置されており、ベース2bの下面に、発熱部品が熱的に接続される。本実施の形態では、ヒートシンク2の複数のフィン2aは、その平板面がZ方向に沿うようにして、互いに間隔をあけて配置されている。点灯装置10と照明装置20との間にあるヒートシンク2のフィン2a同士の隙間は、空気の流通路として機能する。
【0014】
(アーム3)
アーム3は、被取付部(図示せず)に備え付けられている吊ボルト(図示せず)に取り付けられるものである。
図1に示すように、アーム3は、X-Y平面に沿った水平部と、水平部のY1側及びY2側のそれぞれの端部からZ2方向に延びる脚部とを有し、全体としてアーチ状の部材である。アーム3の上面には、吊ボルトが挿入される穴が設けられている。アーム3の脚部の下部には、ねじ穴(図示せず)が形成されており、このねじ穴に挿入されたねじ50によって、アーム3はアーム取付金具4に対して回転可能に取り付けられる。アーム3は、ねじ50を中心として、X-Z平面に沿って回転する。
【0015】
(アーム取付金具4)
アーム取付金具4は、アーム3を照明装置20に対して固定するための部材である。本実施の形態では、ヒートシンク2及び照明装置20の側面にアーム取付金具4が固定されており、このアーム取付金具4に対してアーム3が取り付けられている。
【0016】
(落下防止ワイヤ5)
落下防止ワイヤ5は、照明器具100の落下を防止するための部材である。落下防止ワイヤ5の一端は、照明器具100に固定され、他端は被取付部(図示せず)に固定される。本実施の形態では、落下防止ワイヤ5の一端がヒートシンク2に固定され、落下防止ワイヤ5の他端がねじ穴を有する金具に固定され、この金具を介して落下防止ワイヤ5が被取付部(図示せず)に固定される。
【0017】
(照明装置20)
図2は、実施の形態1に係る照明装置20の下側から見た分解斜視図である。照明装置20は、ベース21と、発光部22と、カバー23とを備える。
【0018】
(ベース21)
ベース21は、発光部22において発生した熱を大気に放出する部材である。ベース21は、平板であり、
図1に示したヒートシンク2の下に取り付けられる。ベース21の下面、すなわちZ2側の面に、発光部22及びカバー23が配置される。ベース21の外周縁には、Z2方向に延びる係合壁211が設けられており、係合壁211がカバー23に係合する。
【0019】
(発光部22)
発光部22は、光を照射する部材である。発光部22は、複数の発光素子221と、基板222とを有している。複数の発光素子221は、基板222のZ2方向側の面に実装される。基板222は、発光素子221をZ2方向に向けた状態でベース21の下面に取り付けられる。発光素子221は、
図1に示した点灯装置10から電源供給を受ける。
【0020】
(カバー23)
カバー23は、光透過性を有する樹脂等の材料で形成されており、発光部22を下から覆うものである。カバー23は、箱型形状をなしており、Z1方向側にベース21と対向する開口が形成されている。カバー23の外周部には、ねじ穴が形成されており、このねじ穴にねじ51が挿入されて、カバー23がベース21に固定される。ベース21とカバー23との間には、発光部22が挟まれた状態であり、発光部22からの光はカバー23を介して照射対象空間に照射される。
【0021】
なお、本実施の形態では、ベース21及びカバー23の平面形状が角丸矩形である態様を図示しているが、平面形状は例えば円形であってもよく、具体的な形状はここで示したものに限定されない。
【0022】
(点灯装置10)
図3は、実施の形態1に係る点灯装置10の斜視図である。
図4は、実施の形態1に係る点灯装置10の分解斜視図である。点灯装置10は、照明装置20の発光部22(
図2参照)に電源を供給する装置である。点灯装置10は、筐体11と、筐体11内に収容された電源基板12と、端板30と、パッキン40とを有する。点灯装置10には、入力電線6と、出力電線7とが接続されている。また、点灯装置10には、入力電線押さえ具8と、結線ケース9とが取り付けられている。
【0023】
(電源基板12)
電源基板12は、筐体11の内部に収納され、出力電線7を介して発光部22に電源を供給する回路基板である。電源基板12には、入力電線6及び出力電線7が接続されており、外部電源(図示せず)から供給される電力を変換して、変換した電力を発光部22に供給する。なお、電源基板12は、照明器具100の外部の制御部(図示せず)から発信された信号を受信して、発光部22の点灯状態を制御することも可能である。
【0024】
(入力電線6及び出力電線7)
入力電線6は、外部電源(図示せず)と点灯装置10の電源基板12とを接続し、外部電源から電源基板12に電力を供給する電線である。出力電線7は、電源基板12と照明装置20の基板222に設けられたコネクタ(図示せず)とを接続し、電源基板12から基板222のコネクタを介して発光素子221に電力を供給する電線である。
【0025】
(筐体11)
筐体11は、電源基板12を収納する部材である。本実施の形態の筐体11は、概ね直方体のケースである。筐体11には開口111が設けられている。本実施の形態では、筐体11の長手方向はX方向に延びており、筐体11のX1方向側の端面に開口111が設けられている。筐体11は、水及び埃等の侵入を防ぐ防水防塵機能を備えていることが望ましい。筐体11は、例えば、アルミ押出材で構成されている。熱伝導率の高い材料で筐体11を構成することにより、電源基板12から発生する熱を外部へ放熱することが可能である。
【0026】
筐体11の開口111には、開口111を塞ぐ端板30と、端板30と開口111との間に配置されるパッキン40とが設けられる。端板30及びパッキン40は、開口111を水密状態で閉止するように取り付けられる。入力電線6及び出力電線7は、端板30及びパッキン40に挿通される。
【0027】
(端板30)
端板30は、筐体11の開口111を閉止する板状の閉止部材である。端板30は、筐体11の開口111を覆うように、ねじ52によって筐体11に取り付けられて、筐体11内に水又は埃等が侵入することを抑制する。端板30は、アルミ板、鋼板、ステンレス鋼板等の金属材料で構成される。
【0028】
図4に示すように、端板30には、端板30をX方向に貫通する穴である入力電線孔部31と、出力電線孔部32とが形成されている。入力電線孔部31には入力電線6が挿入され、出力電線孔部32には出力電線7が挿入される。入力電線孔部31は、出力電線孔部32よりも上側かつY1方向側に配置されている。
【0029】
端板30の下部には、脚部33が設けられている。脚部33は、端板30の下端においてX1方向に延びる平板状の部材である。本実施の形態では、端板30を構成する板の下端が垂直に折り曲げられて脚部33が構成されているが、脚部33を構成する部材が端板30を構成する板の下端に取り付けられてもよい。脚部33の上には、
図3に示した結線ケース9が載置される。
【0030】
(結線ケース9)
結線ケース9は、端板30のX1方向側の面に取り付けられた箱状の部材である。結線ケース9には、
図3のX2方向側の面に開口(図示せず)が設けられており、この開口が端板30で塞がれるようにして、端板30の入力電線押さえ具8を避けた位置に取り付けられる。結線ケース9の中には、出力電線7から電源供給を受ける電気部品と接続されるコネクタ(図示せず)が収容される。結線ケース9は、当該コネクタに直接水又は埃等が付着しないように保護する機能を有する。また、照明器具100が屋外に設置される場合においては、直射日光による紫外線からコネクタを保護することが可能になる。
【0031】
(入力電線押さえ具8)
入力電線押さえ具8は、端板30に取り付けられ、入力電線6の移動を抑制する部材である。入力電線押さえ具8は、端板30のX1方向側の面、すなわち筐体11と対向しない面に取り付けられている。入力電線押さえ具8には、入力電線6が通過する穴が形成されている。入力電線押さえ具8は、入力電線6が挿入された状態で、端板30に固定される。
【0032】
(パッキン40)
パッキン40は、弾性を有する樹脂材料で成型され、筐体11の開口111と端板30との間に配置される。パッキン40は、端板30とともに筐体11にねじ52で取り付けられ、筐体11内に水又は埃が侵入することを抑制する。
図4に示すように、パッキン40は、入力電線軸封部41と、出力電線軸封部42とを有する。パッキン40は例えばシリコーンゴム、NBR、フッ素ゴム等のゴム材料で構成される。
【0033】
図5は、実施の形態1に係るパッキン40の斜視図である。
図6は、実施の形態1に係るパッキン40の正面図である。
図7は、実施の形態1に係るパッキン40の背面図である。
図8は、実施の形態1に係るパッキン40の側面図である。
図9は、実施の形態1に係る第1爪部45及び第2爪部46の側面図である。
図10は、実施の形態1に係る端板30、パッキン40及び筐体11の組み付け状態を示す縦断面模式図である。
【0034】
(入力電線軸封部41)
入力電線軸封部41は、パッキン40の端板30側の面から突出して設けられ、入力電線6(
図4参照)が挿入される入力電線孔43が設けられた有底筒状の軸封部である。入力電線軸封部41は、パッキン40の端板30側の面、すなわち、X1方向側の面から突出した筒壁部411と、筒壁部411のX1方向側の端部である先端に設けられた底壁部412とを有する。底壁部412には、これをX方向に貫通する入力電線孔43が設けられている。
【0035】
筒壁部411は、X方向に沿った軸方向において、外径が変化しない形状である。すなわち、筒壁部411の外周面には、軸方向に沿った凹凸は設けられておらず、筒壁部411の外径は、底壁部412と接続された先端から基端に渡って同じである。このため、パッキン40が射出成形により製造される場合に、入力電線軸封部41にはアンダーカットとなる部分が生じない。なお、本実施の形態では、筒壁部411は円筒形状であるが、楕円筒形状又は長円筒形状等であってもよい。
【0036】
入力電線軸封部41は、端板30に設けられた入力電線孔部31(
図4参照)に挿入され、端板30のX1方向側の面から突出する。入力電線軸封部41の外径は、入力電線孔部31の径と同じあるいは若干大きく、入力電線軸封部41は弾性変形して入力電線孔部31に挿入され、挿入された状態において入力電線軸封部41と入力電線孔部31との間には隙間が生じないように構成されている。また、摩擦力により、入力電線孔部31の縁に対する入力電線軸封部41の外周面の移動が抑制される。
【0037】
入力電線孔43の径は、入力電線6(
図4参照)の入力電線孔43内に位置する部分の外径と同じ又はこれよりも若干小さい。入力電線6が入力電線孔43に挿入されると、挿入に伴って入力電線6が入力電線孔43を押圧してこれを径方向に広げる。入力電線6が所定位置に停止されると、入力電線孔43が弾性力により復元して入力電線6の周囲に接触する。したがって、入力電線6と入力電線孔43との間への、水又は埃等の侵入を抑制することができる。なお、本実施の形態では入力電線孔43が1つ設けられた例を示しているが、入力電線孔43の数は1以上であればよく、パッキン40に挿入される入力電線6の数に応じて定められる。
【0038】
点灯装置10が組み立てられた状態において、入力電線軸封部41は、入力電線押さえ具8(
図3及び
図4参照)によって覆われる。入力電線押さえ具8が端板30に対して締め付けられることにより、端板30と入力電線押さえ具8との間に位置する入力電線軸封部41が入力電線6の軸方向に押圧される。これにより、入力電線押さえ具8と入力電線軸封部41との間、及び端板30と入力電線軸封部41との間において、雨又は異物の侵入を抑制することができる。また、入力電線軸封部41が入力電線6の軸方向に押圧されて軸方向に圧縮されると、入力電線軸封部41が径方向に膨張する。このため、入力電線軸封部41の内径部が入力電線6を押圧して、入力電線6と入力電線軸封部41との間において、雨又は埃等の侵入を抑制することができる。
【0039】
さらに、入力電線軸封部41の内径部が入力電線6を押圧して、入力電線6の軸方向の位置を固定する。このため、点灯装置10の外側において入力電線6に与えられた衝撃が、電源基板12と入力電線6との間の接続状態に与える影響を抑制することができる。
【0040】
(出力電線軸封部42)
出力電線軸封部42は、パッキン40の端板30側の面から突出して設けられ、出力電線7(
図4参照)が挿入される出力電線孔44が設けられた有底筒状の軸封部である。出力電線軸封部42は、パッキン40の端板30側の面、すなわち、X1方向側の面から突出した筒壁部421と、筒壁部421のX1方向側の端部に設けられた底壁部422とを有する。底壁部422には、これをX方向に貫通する出力電線孔44が設けられている。
【0041】
筒壁部421は、X方向に沿った軸方向において、外径が変化しない形状である。すなわち、筒壁部421の外周面には、軸方向に沿った凹凸は設けられておらず、筒壁部421の外径は、底壁部422と接続された先端から基端に渡って同じである。このため、パッキン40が射出成形により製造される場合に、出力電線軸封部42にはアンダーカットとなる部分が生じない。なお、本実施の形態では、筒壁部421は円筒形状であるが、楕円筒形状又は長円筒形状であってもよい。
【0042】
出力電線軸封部42は、端板30に設けられた出力電線孔部32(
図4参照)に挿入され、端板30のX1方向側の面から突出する。出力電線軸封部42の外径は、出力電線孔部32の径と同じあるいは若干大きく、出力電線軸封部42は弾性変形して出力電線孔部32に挿入され、挿入された状態において出力電線軸封部42と出力電線孔部32との間には隙間が生じないように構成されている。また、摩擦力により、出力電線孔部32の縁に対する出力電線軸封部42の外周面の移動が抑制される。
【0043】
出力電線孔44の径は、出力電線7(
図4参照)の出力電線孔44内に位置する部分の外径と同じ又はこれよりも若干小さい。出力電線7が出力電線孔44に挿入されると、挿入に伴って出力電線7が出力電線孔44を押圧してこれを径方向に広げる。出力電線7が所定位置に停止されると、出力電線孔44が弾性力により復元して出力電線7の周囲に接触する。したがって、出力電線7と出力電線孔44との間への、水又は埃等の侵入を抑制することができる。なお、本実施の形態では出力電線孔44が2つ設けられた例を示しているが、出力電線孔44の数は1以上であればよく、パッキン40に挿入される出力電線7の数に応じて定められる。
【0044】
(第1爪部45)
パッキン40には、筐体11(
図4参照)に向かって突出し、筐体11に係合する第1爪部45が設けられている。ここで、本実施の形態のパッキン40には、複数の第1爪部45が設けられており、複数の第1爪部45それぞれの個別の事項について説明するときは添え字a~eを付けて区別し、共通する事項について説明するときには添え字を省略する。本実施の形態では、パッキン40の上端に、2つの第1爪部45a、45bが設けられ(
図5及び
図7等参照)、パッキン40の下端に2つの第1爪部45c、45dが設けられ(
図7等参照)、パッキン40のY2方向側の側端部に1つの第1爪部45eが設けられている(
図7参照)。
図9に示すように、第1爪部45は、パッキン40からX2方向に向かって水平に延びている。
図9では、第1爪部45の先端の面が面取りされている。パッキン40が筐体11に取り付けられると、第1爪部45のパッキン40側の面である係止面451の下に、筐体11の開口111の縁が位置する。
【0045】
図7に示すように、入力電線孔43とパッキン40の外周縁とを最短距離で結ぶ仮想直線L1上に、第1爪部45aが設けられている。本実施の形態では、
図7に破線で示す仮想直線L1は、入力電線孔43と、パッキン40のZ1方向側の外周縁である上辺とを結ぶ仮想線である。また、仮想直線L1を延長した延長線L3上に、第1爪部45cが設けられている。本実施の形態では、
図7に一点鎖線で示す延長線L3は、仮想直線L1をパッキン40のZ2方向側の外周縁である下辺に向けて延長した線である。また、出力電線孔44とパッキン40の外周縁とを最短距離で結ぶ仮想直線L2上に、第1爪部45dが設けられている。本実施の形態では、仮想直線L2は、出力電線孔44と、パッキン40のZ2方向側の外周縁である下辺とを結ぶ仮想線である。また、仮想直線L2を延長した延長線L4上に、第1爪部45bが設けられている。本実施の形態では、
図7に一点鎖線で示す延長線L4は、仮想直線L2をパッキン40のZ1方向側の外周縁である上辺に向けて延長した線である。このような構成により、入力電線孔43を正面視した状態において、入力電線孔43と上方向に重なる位置に第1爪部45aが設けられ、入力電線孔43と下方向に重なる位置に第1爪部45cが設けられている。すなわち、第1爪部45a、入力電線孔43及び第1爪部45cは、Z方向に直線状に配置されている。また、出力電線孔44を正面視した状態において、出力電線孔44と上方向に重なる位置に第1爪部45bが設けられ、出力電線孔44と下方向に重なる位置に第1爪部45dが設けられている。すなわち、第1爪部45b、出力電線孔44、第1爪部45dは、Z方向に直線状に配置されている。第1爪部45eは、Z方向において、入力電線孔43と出力電線孔44との間の位置に配置されている。
【0046】
(第2爪部46)
パッキン40には、端板30(
図4参照)に向かって突出し、端板30に係合する第2爪部46が設けられている。ここで、本実施の形態のパッキン40には、複数の第2爪部46が設けられており、複数の第2爪部46それぞれの個別の事項について説明するときは添え字a、bを付けて区別し、共通する事項について説明するときには添え字を省略する。本実施の形態では、パッキン40の上端に、2つの第2爪部46a、46bが設けられている(
図5及び
図6等参照)。
図9に示すように、第2爪部46は、パッキン40からX1方向に向かって水平に延びている。
図9では、第2爪部46の先端の面が面取りされている。パッキン40が筐体11に取り付けられると、第2爪部46のパッキン40側の面である係止面461の下に、端板30の上端面が位置する。
【0047】
図6に示すように、入力電線孔43とパッキン40の外周縁とを最短距離で結ぶ仮想直線L1上に、第2爪部46aが設けられている。また、仮想直線L2を延長した延長線L4上に、第2爪部46bが設けられている。このような構成により、入力電線孔43を正面視した状態において、入力電線孔43と上方向に重なる位置に第2爪部46aが設けられている。すなわち、第2爪部46a及び入力電線孔43は、Z方向に直線状に配置されている。また、出力電線孔44を正面視した状態において、出力電線孔44と上方向に重なる位置に第2爪部46bが設けられている。すなわち、第2爪部46b及び出力電線孔44は、Z方向に直線状に配置されている。
【0048】
(突出部47)
本実施の形態では、パッキン40の上端に、上へ突出する突出部47が設けられている。突出部47は、パッキン40が端板30とともに筐体11に取り付けられたときに、端板30及び筐体11の上端よりも上となる高さまで延びている。
図8に示すように、突出部47のX方向における厚みは、パッキン40のX方向における厚みと同じである。突出部47のX2方向の面に第1爪部45が設けられ、X1方向の面に第2爪部46が設けられている。すなわち、本実施の形態では、突出部47を基端として、第1爪部45と第2爪部46とが、X方向において互いに反対向きに突出している。
【0049】
(下突出部48)
パッキン40の下端に、下へ突出する下突出部48が設けられている。下突出部48は、パッキン40が筐体11に取り付けられたときに、筐体11の下端よりも下となる位置まで延びている。
図8に示すように、下突出部48のX2方向側の面に、第1爪部45が設けられている。
【0050】
(側方突出部49)
パッキン40のY2方向側の側端部に、Y2方向へ突出する側方突出部49が設けられている。側方突出部49は、パッキン40が筐体11に取り付けられたときに、筐体11のY2方向側の側縁よりもY2方向側となる位置まで延びている。
図7に示すように、側方突出部49のX2方向側の面に、第1爪部45が設けられている。
【0051】
(端板30及びパッキン40の組み付け作業)
本実施の形態の端板30及びパッキン40を筐体11に組み付ける作業を説明するとともに、この組み付け作業におけるパッキン40の作用を説明する。まず、入力電線6及び出力電線7が接続された状態の電源基板12が、筐体11内に収容される。このとき、端板30及びパッキン40は、他の部品に取り付けられていない状態である。
【0052】
続けて、電源基板12から延びる入力電線6が、X2方向側からパッキン40の入力電線孔43に挿入され、出力電線7がX2方向側からパッキン40の出力電線孔44に挿入される。入力電線孔43の縁には入力電線6の外周面が接触した状態となり、出力電線孔44の縁には出力電線7の外周面が接触した状態となる。
【0053】
そして、入力電線6が挿入された入力電線軸封部41が、X2方向側から端板30の入力電線孔部31に挿入される。また、出力電線7が挿入された出力電線軸封部42が、X2方向側から端板30の出力電線孔部32に挿入される。入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42は、それぞれ、圧縮されながら入力電線孔部31及び出力電線孔部32に挿入され、端板30のX2方向側の面とパッキン40のX1方向側の面とが接触すると、挿入作業が終了する。そして、第2爪部46は、端板30の上縁に係合され、これによって端板30とパッキン40との固定状態が強化される。このようにして一体化された端板30とパッキン40とが、筐体11の開口111に取り付けられる。端板30とパッキン40とが筐体11に取り付けられると、
図10に示すように、第1爪部45は、筐体11の縁の外面に引っ掛けられる。
【0054】
ここで、パッキン40は、入力電線孔43及び出力電線孔44から筐体11内へ水又は埃等が侵入することを抑止するための部材である。このため、入力電線孔43及び出力電線孔44と入力電線6及び出力電線7との間は封止されており、両者の間には実質的に隙間がない状態である。このような状態において、入力電線6又は出力電線7に、X方向に押し込む力又は引っ張る力が生じると、入力電線6又は出力電線7の移動に伴って、パッキン40に変形が生じうる。
【0055】
図11は、実施の形態1に係る入力電線6に移動が生じた場合のパッキン40の変形を説明する図である。
図11の上側は
図5に相当する図、下側は
図6に相当する図であり、それぞれ、ここで説明する主要部にのみ符号を付している。
図11において、矢印A1は、入力電線6の移動方向を示し、この移動方向はX方向と一致する。矢印A2及び矢印A3は、パッキン40に生じる変形を概念的に示すものである。以下、入力電線6の移動を例に、パッキン40の変形と本実施の形態の作用効果を説明する。
【0056】
入力電線6が、矢印A1で示す方向に押し込まれあるいは引っ張られると、入力電線孔43が形成されていて入力電線6に接触している入力電線軸封部41にも、矢印A2で示すようにX方向の力が働き、入力電線軸封部41も移動する。このとき、入力電線軸封部41及びパッキン40には、矢印A3で示すように入力電線孔43の外周側から中心に向かって、入力電線孔43の全周において径方向に沿った力が働く。すなわち、入力電線6のX方向への移動に伴って、パッキン40には、X方向と、X方向に直交するY-Z面に沿った方向に移動しようとする力が働く。図示しないが、出力電線7がX方向に移動した場合にも、パッキン40には同様の方向に移動しようとする力が働く。
【0057】
本実施の形態では、パッキン40は、筐体11の開口111の縁部の外側、かつ端板30の外周部よりも外側に設けられた第1爪部45及び第2爪部46を備える。そして、第1爪部45は、筐体11に向かって突出して筐体11に係合し、第2爪部46は、端板30に向かって突出して端板30に係合する。このため、
図11の矢印A2又は矢印A3で示すような力がパッキン40に働いた場合でも、パッキン40は第1爪部45及び第2爪部46によって筐体11及び端板30と係合されているため、パッキン40の変形及び移動を抑制することができる。
【0058】
仮に、パッキン40が大きく変形した場合、パッキン40の外周部が筐体11の開口111内に入り込む可能性があり、そうするとパッキン40と筐体11との間の止水性が確保されなくなるので、筐体11内に水又は埃等が侵入しうる。点灯装置10の組み立て時には、入力電線6及び出力電線7の押し込み又は引っ張り作業が生じうるので、当該作業の際にはパッキン40の変形及び移動のリスクが高くなってしまう。しかし、本実施の形態によれば、第1爪部45及び第2爪部46により、パッキン40の変形及び移動が抑制される。このため、点灯装置10の組み立て時におけるパッキン40の設置不良を抑制することができる。
【0059】
また、本実施の形態の筐体11に係合する第1爪部45は、パッキン40を筐体11に取り付ける際のパッキン40の位置決め機能を発揮する。第1爪部45をまず筐体11に係合させることで、係合方向におけるパッキン40と筐体11との位置関係が規定されるので、その後のパッキン40の取り付け作業が容易になる。
【0060】
また、本実施の形態では、パッキン40は、端板30側の面から端板30に向かって突出した有底筒状の入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42を備える。端板30には、入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42が挿入される入力電線孔部31及び出力電線孔部32が設けられている。そして、入力電線孔43及び出力電線孔44は、入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42に設けられている。端板30に挿入された入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42に、入力電線孔43及び出力電線孔44が設けられているので、入力電線6又は出力電線7に移動の力が加えられた場合でも、端板30とパッキン40とのズレが抑制される。
【0061】
また、本実施の形態では、入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42は、パッキン40の端板30側の面から突出した筒壁部411及び421と、筒壁部411及び422の端板30側の端部に設けられた底壁部412及び422とを有する。そして、底壁部412及び422に、入力電線孔43及び出力電線孔44が設けられている。
【0062】
また、本実施の形態では、筒壁部411及び422の、端板30から突出する部分は、筒壁部411及び422の軸方向に沿って外径が変化しない。すなわち、筒壁部411及び422は、軸方向に沿って外表面が直線的に延びる部材であり、軸方向に沿った凹凸がない。
【0063】
このように、入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42は、軸方向に沿って径が変化しない形状を有しているため、射出成形により製造される場合のアンダーカットが存在しない。パッキン40が弾性あるいは可塑性の高い材料で構成される場合には、アンダーカットが存在してもパッキン40を弾性変形させることで金型から取り出すことができるが、弾性あるいは可塑性が低い材料を用いるとそのような取り出しができない。すなわち、アンダーカットが存在すると、パッキン40の材料にも制約が生じうる。しかし、本実施の形態によれば、パッキン40の入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42にアンダーカットが存在しないので、パッキン40の製造時における金型及び材料の制約を減らすことができる。
【0064】
また、入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42の外表面に凹凸がない場合、入力電線軸封部41及び出力電線軸封部42と入力電線孔部31及び出力電線孔部32との固定状態は、特許文献1の鍔部を有する場合と比較して低下しうる。しかし、本実施の形態では第2爪部46が設けられている。第2爪部46により、端板30とパッキン40との係合状態が維持されるので、上述したパッキン40の変形又は移動を抑制することができる。
【0065】
また、本実施の形態では、入力電線孔43とパッキン40の外周縁とを最短距離で結ぶ仮想直線L1上に、第1爪部45a及び第2爪部46aが設けられている。また、出力電線孔44とパッキン40の外周縁とを最短距離で結ぶ仮想直線L2上に、第1爪部45dが設けられている。このように、入力電線6又は出力電線7が入力電線孔43又は出力電線孔44内を移動した場合に、
図11に矢印A3で示した力が作用しやすいパッキン40の位置に、第1爪部45と第2爪部46のいずれか又は両方が設けられている。このため、入力電線6又は出力電線7が移動して、
図11に矢印A3で示す方向にパッキン40が移動しようとしても、その移動を抑制する効果を高めることができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、端板30の下端には脚部33が設けられていて(
図4及び
図10参照)、パッキン40の下端は端板30の下端に係合できないことから、パッキン40の下端には第2爪部46が設けられていない。しかし、例えば脚部33が設けられていない端板30など、パッキン40の下端よりも上に端板30の下端が位置する構造である場合には、パッキン40の下部に第2爪部46を設けてもよい。また、入力電線孔43及び出力電線孔44を正面視した状態において、入力電線孔43の左又は右方向に重なる位置に第1爪部45が設けられ、出力電線孔44の左又は右方向に重なる位置に第2爪部46が設けられていてもよい。
【0067】
また、パッキン40は、開口111の縁部の外側、かつ端板30の外周部よりも外側に突出した突出部47を有し、突出部47の開口111側の面に、第1爪部45が設けられ、端板30側の面に、第2爪部46が設けられている。
【0068】
このように、1つの突出部47に対して第1爪部45及び第2爪部46が設けられているので、第1爪部45及び第2爪部46をパッキン40の周方向の異なる位置に個別に設ける場合と比較して、パッキン40の構造を単純化でき、製造も容易になる。
【0069】
また、本実施の形態では、外部電源と電源基板12とを接続する一次側電線である入力電線6と、電源基板12と発光部22とを接続する二次側電線である出力電線7とが設けられている。パッキン40には、入力電線6が挿入される第1孔である入力電線孔43と、出力電線7が挿入される第2孔である出力電線孔44とが設けられている。
【0070】
このように、パッキン40に対して、入力電線6と出力電線7の両方が取り付けられるので、点灯装置10の組み付け作業が容易になる。
【0071】
また、一対の第1爪部45a、45cが、パッキン40の対向する外周部である上端と下端とに設けられている。また、一対の第1爪部45b、45dが、パッキン40の対向する外周部である上端と下端とに設けられている。このように、対向する位置に第1爪部45を設けることで、対向方向、例えば本実施の形態ではZ方向において、筐体11に対するパッキン40の位置決めを行うことができる。具体的に、一対の第1爪部45a、45cを筐体11に係合することで、パッキン40の筐体11に対する上下の位置が規定されるので、パッキン40の組み付け作業を容易に行うことができる。
【0072】
なお、
図4では、筐体11のX1方向側の面に開口111が設けられ、この開口111に端板30及びパッキン40が取り付けられる例を示したが、筐体11のX2方向側の面に、同様の開口111、端板30及びパッキン40が設けられていてもよい。
【0073】
以下、本開示の諸態様を付記する。
【0074】
[付記1]
開口が設けられた筐体と、
前記筐体の内部に収納され、前記筐体の外部に設けられた発光部に電源を供給する電源基板と、
前記筐体の前記開口を塞ぐ端板と、
前記筐体の前記開口と前記端板との間に挟まれたパッキンと、
前記電源基板に接続された電線と、を備え、
前記パッキンには、前記電線が通過する電線孔が設けられており、
前記パッキンは、前記開口の縁部の外側、かつ前記端板の外周部よりも外側に設けられた第1爪部及び第2爪部を備え、
前記第1爪部は、前記筐体に向かって突出して前記筐体に係合し、
前記第2爪部は、前記端板に向かって突出して前記端板に係合する
点灯装置。
[付記2]
前記パッキンは、
前記端板側の面から前記端板に向かって突出した有底筒状の軸封部を備え、
前記端板には、前記軸封部が挿入される孔部が設けられており、
前記電線孔は、前記軸封部に設けられている
付記1に記載の点灯装置。
[付記3]
前記軸封部は、
前記パッキンの前記端板側の面から突出した筒壁部と、
前記筒壁部の先端に設けられた底壁部とを有し、
前記底壁部に、前記電線孔が設けられている
付記2に記載の点灯装置。
[付記4]
前記軸封部の、前記端板から突出する部分は、前記軸封部の軸方向に沿って外径が変化しない
付記2に記載の点灯装置。
[付記5]
前記電線孔と前記パッキンの外周縁とを最短距離で結ぶ仮想直線上に、前記第1爪部及び前記第2爪部のいずれか又は両方が設けられている
付記1~付記4のいずれか一つに記載の点灯装置。
[付記6]
前記パッキンは、前記開口の縁部の外側、かつ前記端板の外周部よりも外側に突出した突出部を有し、
前記突出部の前記開口側の面に、前記第1爪部が設けられ、前記端板側の面に、前記第2爪部が設けられている
付記1~付記5のいずれか一つに記載の点灯装置。
[付記7]
前記電線は、
外部電源と前記電源基板とを接続する一次側電線と、
前記電源基板と前記発光部とを接続する二次側電線と、を含み、
前記電線孔は、
前記一次側電線が挿入される第1孔と、
前記二次側電線が挿入される第2孔とを含む
付記1~付記6のいずれか一つに記載の点灯装置。
[付記8]
一対の前記第1爪部が、前記パッキンの対向する外周部に設けられている
付記1~付記7のいずれか一つに記載の点灯装置。
[付記9]
付記1~付記8のいずれか一つに記載の点灯装置と、
前記発光部とを備えた
照明器具。
【符号の説明】
【0075】
1 電源取付金具、2 ヒートシンク、2a フィン、2b ベース、3 アーム、4 アーム取付金具、5 落下防止ワイヤ、6 入力電線、7 出力電線、8 入力電線押さえ具、9 結線ケース、10 点灯装置、11 筐体、12 電源基板、20 照明装置、21 ベース、22 発光部、23 カバー、30 端板、31 入力電線孔部、32 出力電線孔部、33 脚部、40 パッキン、41 入力電線軸封部、42 出力電線軸封部、43 入力電線孔、44 出力電線孔、45 第1爪部、45a 第1爪部、45b 第1爪部、45c 第1爪部、45d 第1爪部、45e 第1爪部、46 第2爪部、46a 第2爪部、46b 第2爪部、47 突出部、48 下突出部、49 側方突出部、50 ねじ、51 ねじ、52 ねじ、100 照明器具、111 開口、211 係合壁、221 発光素子、222 基板、411 筒壁部、412 底壁部、421 筒壁部、422 底壁部、451 係止面、461 係止面。