(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172040
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】マッサージシステム、コンピュータシステム、コンピュータシステムの動作方法
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A61H7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089461
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100BA02
4C100CA03
4C100CA13
4C100DA05
4C100DA06
4C100DA08
4C100DA10
4C100DA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マッサージ施設において、効果的なマッサージをするために有用な情報を、施療者に提供する。
【解決手段】マッサージシステムは、第1マッサージ装置と、コンピュータシステムと、を備える。マッサージ施設は、被施療者の状態を把握する第1工程と、前記第1工程の後に、1又は複数の第1マッサージ装置によって、前記被施療者に対して第1マッサージを行う第2工程と、前記第2工程の後に、施療者によって、前記被施療者に対して第2マッサージを行う第3工程と、が行われる。前記コンピュータシステムは、前記第1工程において把握された前記被施療者の前記状態を示す被施療者データを、保存するデータベースと、前記第3工程におけるマッサージを受けようとする前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記第3工程において前記第2マッサージを行う前記施療者に対して提示する処理を実行するプロセッサと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ施設のためのマッサージシステムであって、
1又は複数の第1マッサージ装置と、
コンピュータシステムと、
を備え、
前記マッサージ施設は、
被施療者の状態を把握する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって、前記被施療者に対して第1マッサージが行われる第2工程と、
前記第2工程の後に、施療者によって、前記被施療者に対して第2マッサージが行われる第3工程と、
が行われる施設であり、
前記コンピュータシステムは、
前記第1工程において把握された前記被施療者の前記状態を示す被施療者データを、保存するデータベースと、
前記第3工程におけるマッサージを受けようとする前記被施療者の前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記第3工程において前記第2マッサージを行う前記施療者に対して提示する処理を実行するプロセッサと、
を備える、
マッサージシステム。
【請求項2】
前記データベースは、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって前記被施療者に対して前記第2工程において行われる第1マッサージに関するマッサージデータを、前記被施療者の前記被施療者データと関連付けて保存するよう構成され、
前記プロセッサは、前記第3工程における第2マッサージを受けようとする前記被施療者の前記被施療者データ及び前記被施療者データに関連付けられた前記マッサージデータを、前記データベースから読み出し、前記第3工程におけるマッサージを行う施療者に対して提示する処理を実行する
請求項1に記載のマッサージシステム。
【請求項3】
前記データベースは、前記被施療者データと前記マッサージデータとを、前記被施療者を識別するための識別データとともに保存するよう構成され、
前記プロセッサが実行する前記処理において、前記被施療者データ及び前記マッサージデータは、前記被施療者の前記識別データに基づいて、前記データベースから読み出される
請求項2に記載のマッサージシステム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記被施療者データに基づいて、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって行われるべきマッサージをレコメンドする処理を実行し、レコメンドされたマッサージを示すデータを、前記マッサージデータとして、前記データベースに保存し、
前記マッサージデータを前記施療者に提示する処理は、レコメンドされたマッサージを示す前記データを提示することを含む
請求項2に記載のマッサージシステム。
【請求項5】
前記1又は複数の第1マッサージ装置は、複数の異なる種類の第1マッサージ装置であり、
前記プロセッサがマッサージをレコメンドする処理は、前記複数の第1マッサージ装置のうちのいずれの第1マッサージ装置を前記被施療者が使用するべきかをレコメンドすることを含む
請求項4に記載のマッサージシステム。
【請求項6】
前記マッサージ施設は、前記第3工程の後に、前記第1マッサージ装置とは異なる1又は複数の第2マッサージ装置によって、前記被施療者に対してマッサージが行われる第4工程が更に行われ得る施設である
請求項1に記載のマッサージシステム。
【請求項7】
前記第1マッサージ装置は、前記第2マッサージ装置よりもマッサージを施すことができる身体部位が少ない、又は、前記第2マッサージ装置よりもマッサージ動作の種類が少ない
請求項6に記載のマッサージシステム。
【請求項8】
1又は複数の第1マッサージ装置を備えるマッサージ施設のためのコンピュータシステムであって、
前記マッサージ施設は、
被施療者の状態を把握する第1工程と、
前記第1工程の後に、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって、前記被施療者に対してマッサージが行われる第2工程と、
前記第2工程の後に、施療者によって、前記被施療者に対してマッサージが行われる第3工程と、
が行われる施設であり、
前記コンピュータシステムは、
前記第1工程において把握された前記被施療者の前記状態を示す被施療者データを、保存するデータベースと、
前記第3工程におけるマッサージを受けようとする前記被施療者の前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記第3工程におけるマッサージを行う施療者に対して提示する処理を実行するプロセッサと、
を備える、
コンピュータシステム。
【請求項9】
1又は複数の第1マッサージ装置を備えるマッサージ施設のためのコンピュータシステムの動作方法であって、
前記1又は複数の第1マッサージ装置によって被施療者に対する第1マッサージが行われる前に、前記コンピュータシステムが、前記被施療者の状態を示す被施療者データを取得してデータベースに保存し、
前記1又は複数の第1マッサージ装置によって前記被施療者に対する第1マッサージが行われた後に前記被施療者に対して第2マッサージを行う施療者に対して、前記コンピュータシステムが、前記被施療者の前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記施療者に対して提示する処理を実行する
ことを含む、
コンピュータシステムの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッサージシステム、コンピュータシステム、コンピュータシステムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、被施療者にマッサージ装置により仕上げ前マッサージを施し、仕上げ前マッサージの施療後に施療者による仕上げマッサージを施すマッサージ施設用のマッサージ装置を開示している。
【0003】
特許文献1のマッサージ装置は、仕上げ前マッサージの施療中に得られる情報から仕上げマッサージのために施療者へ提供するための提供情報を生成し、仕上げ前マッサージの施療後に提供情報を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示は、マッサージ施設おいて好適に用いられるマッサージシステム、コンピュータシステム、又はコンピュータシステムの動作方法を提供する。
【0006】
本開示において、マッサージシステムが用いられるマッサージ施設は、被施療者の状態を把握する第1工程と、前記第1工程の後に、第1マッサージ装置によって被施療者に対して第1マッサージが行われる第2工程と、第2工程の後に施療者によって被施療者に対して第2マッサージが行われる第3工程と、が行われる施設であり得る。
【0007】
上記のようなマッサージ施設において、第3工程における施療者が、第1工程を踏まえて、効果的な第2マッサージをするために有用な情報を、施療者に提供することが望まれる。
【0008】
本開示のある側面は、マッサージ施設のためのマッサージシステムである。開示のマッサージシステムは、1又は複数の第1マッサージ装置と、コンピュータシステムと、を備え、前記マッサージ施設は、被施療者の状態を把握する第1工程と、前記第1工程の後に、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって、前記被施療者に対して第1マッサージが行われる第2工程と、前記第2工程の後に、施療者によって、前記被施療者に対して第2マッサージが行われる第3工程と、が行われる施設であり、前記コンピュータシステムは、前記第1工程において把握された前記被施療者の前記状態を示す被施療者データを、保存するデータベースと、前記第3工程におけるマッサージを受けようとする前記被施療者の前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記第3工程において前記第2マッサージを行う施療者に対して提示する処理を実行するプロセッサと、を備える。
【0009】
本開示の他の側面は、コンピュータシステムである。本開示の更に他の側面は、コンピュータシステムの動作方法である。更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、マッサージ施設及びマッサージシステムを示す説明図である。
【
図2】
図2は、マッサージサービスの手順を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、サーバコンピュータの構成図である。
【
図5】
図5は、マッサージサービスとしての第1コースの手順を示すタイムシーケンスである。
【
図6】
図6は、マッサージサービスとしての第1コースの手順を示すタイムシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.マッサージシステム、コンピュータシステム、コンピュータシステムの動作方法の概要>
【0012】
(1)実施形態に係るシステムは、マッサージ施設のためのマッサージシステムであり得る。マッサージシステムは、1又は複数の第1マッサージ装置と、コンピュータシステムと、を備え得る。前記マッサージ施設は、被施療者の状態を把握する第1工程と、前記第1工程の後に、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって、前記被施療者に対して第1マッサージが行われる第2工程と、前記第2工程の後に、施療者によって、前記被施療者に対して第2マッサージが行われる第3工程と、が行われる施設であり得る。
【0013】
前記コンピュータシステムは、前記第1工程において把握された前記被施療者の前記状態を示す被施療者データを、保存するデータベースを備え得る。前記コンピュータシステムは、前記第3工程におけるマッサージを受けようとする前記被施療者の前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記第3工程において前記第2マッサージを行う前記施療者に対して提示する処理を実行するプロセッサを備え得る。この場合、上記のようなマッサージ施設において、第3工程における施療者が、第1工程を踏まえて、効果的な第2マッサージをするために有用な情報を、施療者に提供することができる。
【0014】
(2)前記データベースは、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって前記被施療者に対して前記第2工程において行われる第1マッサージに関するマッサージデータを、前記被施療者の前記被施療者データと関連付けて保存するよう構成され得る。前記プロセッサは、前記第3工程における第2マッサージを受けようとする前記被施療者の前記被施療者データ及び前記被施療者データに関連付けられた前記マッサージデータを、前記データベースから読み出し、前記第3工程におけるマッサージを行う施療者に対して提示する処理を実行し得る。この場合、施療者は、被施療者の状態及び第1マッサージに関する情報を把握できる。
【0015】
(3)前記データベースは、前記被施療者データと前記マッサージデータとを、前記被施療者を識別するための識別データとともに保存するよう構成され得る。前記プロセッサが実行する前記処理において、前記被施療者データ及び前記マッサージデータは、前記被施療者の前記識別データに基づいて、前記データベースから読み出され得る。
【0016】
(4)前記プロセッサは、前記被施療者データに基づいて、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって行われるべきマッサージをレコメンドする処理を実行し、レコメンドされたマッサージを示すデータを、前記マッサージデータとして、前記データベースに保存し得る。前記マッサージデータを前記施療者に提示する処理は、レコメンドされたマッサージを示す前記データを提示することを含み得る。
【0017】
(5)前記1又は複数の第1マッサージ装置は、複数の異なる種類の第1マッサージ装置であり、前記プロセッサがマッサージをレコメンドする処理は、前記複数の第1マッサージ装置のうちのいずれのマッサージ装置を前記被施療者が使用するべきかをレコメンドすることを含み得る。
【0018】
(6)前記マッサージ施設は、前記第3工程の後に、前記第1マッサージ装置とは異なる1又は複数の第2マッサージ装置によって、前記被施療者に対してマッサージが行われる第4工程が更に行われ得る施設であり得る。
【0019】
(7)前記第1マッサージ装置は、前記第2マッサージ装置よりもマッサージを施すことができる身体部位が少ない、又は、前記第2マッサージ装置よりもマッサージ動作の種類が少ないのが好ましい。
【0020】
(8)実施形態に係るシステムは、1又は複数の第1マッサージ装置を備えるマッサージ施設のためのコンピュータシステムであり得る。前記マッサージ施設は、被施療者の状態を把握する第1工程と、前記第1工程の後に、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって、前記被施療者に対してマッサージが行われる第2工程と、前記第2工程の後に、施療者によって、前記被施療者に対してマッサージが行われる第3工程と、が行われる施設であり得る。前記コンピュータシステムは、前記第1工程において把握された前記被施療者の前記状態を示す被施療者データを、保存するデータベースと、前記第3工程におけるマッサージを受けようとする前記被施療者の前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記第3工程におけるマッサージを行う施療者に対して提示する処理を実行するプロセッサと、を備え得る。
【0021】
(9)実施形態に係る方法は、1又は複数の第1マッサージ装置を備えるマッサージ施設のためのコンピュータシステムの動作方法であり得る。実施形態に係る方法は、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって被施療者に対する第1マッサージが行われる前に、前記コンピュータシステムが、前記被施療者の状態を示す被施療者データを取得してデータベースに保存し、前記1又は複数の第1マッサージ装置によって前記被施療者に対する第1マッサージが行われた後に前記被施療者に対して第2マッサージを行う施療者に対して、前記コンピュータシステムが、前記被施療者の前記被施療者データを、前記データベースから読み出し、前記施療者に対して提示する処理を実行することを含み得る。
【0022】
<2.マッサージシステム、コンピュータシステム、コンピュータシステムの動作方法の例>
【0023】
図1は、マッサージ施設10の一例を示している。
図1に示すマッサージ施設10は、例えば、顧客である被施療者C1,C2,C3にマッサージを施すための店舗である。マッサージ施設10は、マッサージ装置220A,220B,240によるマッサージと、人である施療者W2,W3によるマッサージとを、両方実施できる。
【0024】
マッサージ装置220A,220B,240は、被施療者に対してマッサージを施すためのマッサージ動作を実行するよう構成されている。施療者は、マッサージ施設10において被施療者に対して人手によるマッサージを行う。したがって、マッサージ施設10は、被施療者に対して、マッサージ装置によるマッサージと、施療者によるマッサージと、の複合的なマッサージサービスを提供できる。
【0025】
マッサージ施設10においては、被施療者の健康状態又はその他の状態を把握する工程が行われ得る。被施療者の状態は、被施療者の身体状態及び精神的な状態のいずれか一方及び両方を含み得る。被施療者の状態は、被施療者の生活状況の状態を含み得る。被施療者の状態を把握することは、「健康測定」と呼んでもよい。健康測定は、被施療者の健康状態を身体的側面又は精神的側面、または身体的側面と精神的側面の両方から把握すること、といえる。
【0026】
被施療者の状態を把握することは、例えば、被施療者へのマッサージに先立って行われ得る。したがって、マッサージ施設では、把握された被施療者の状態を踏まえた効果的なマッサージを、被施療者に施すことが可能である。
【0027】
実施形態に係るマッサージシステムは、マッサージ施設10において用いられる。マッサージシステムは、マッサージ施設10に設置された1又は複数のマッサージ装置220A,220B,240と、コンピュータシステム100と、を備え得る。コンピュータシステム100は、マッサージ装置220A,220B,240に対して通信可能に接続されてもよいし、接続されていなくてもよい。接続は、有線通信による接続、及び、無線通信による接続のいずれであってもよい。
【0028】
1又は複数のマッサージ装置220A,220B,240は、被施療者によって使用され得る。マッサージ装置220A,220B,240は、それぞれ、種類の異なるマッサージ装置であり得る。マッサージ装置220A,220B,240は、例えば、マッサージチェアである。マッサージチェアは、着座した被施療者に対して、マッサージを施す。マッサージ装置は、マッサージチェアに限られるものではなく、マット型マッサージ装置など、他の形態のマッサージ装置であってもよい。また、マッサージ装置は、フットマッサージャー、アームマッサージャー、頭部マッサージャー、肩部マッサージャーなど、被施療者の特定の部位だけに対してマッサージを行うものであってもよい。
【0029】
複数のマッサージ装置220A,220B,240は、1又は複数の第1マッサージ装置220A,220Bと、1又は複数の第2マッサージ装置240と、を含み得る。第2マッサージ装置240は、第1マッサージ装置220A,220Bとは異なるマッサージ装置であり得る。
【0030】
第1マッサージ装置220A,220Bは、それぞれ、第2マッサージ装置240よりもマッサージを施すことができる身体部位が少ない、又は、第2マッサージ装置240よりもマッサージ動作の種類が少ないものであり得る。
【0031】
例えば、第1マッサージ装置220Aは、被施療者の肩及び背中へマッサージ可能に構成されている。第1マッサージ装置220Aは、例えば、肩に対する掴み揉みが可能であり、肩を効果的にマッサージすることができる。掴み揉みは、肩を、例えば前後から、挟んだ状態で揉むマッサージである。第1マッサージ装置220Aは、掴み揉み機構を備える。ただし、第1マッサージ装置220Aは、腕、脚、足裏などへマッサージする機能は有していない。
【0032】
第1マッサージ装置220Bは、脚及び背中へのマッサージ可能に構成されている。第1マッサージ装置220Bは、例えば、脚を効果的にマッサージすることができる。ただし、第1マッサージ装置は、腕、足裏などをマッサージする機能は有していない。
【0033】
第2マッサージ装置240は、肩、背中、腕、脚、足裏へマッサージ可能に構成されている。第2マッサージ装置240は、第1マッサージ装置220A,220Bに比べて多機能であり、被施療者の全身に対してマッサージを施すことができる。また、第2マッサージ装置240は、第1マッサージ装置220A,220Bに比べて、実行可能なマッサージ動作の種類が多いため、被施療者に対して効果的なマッサージを施すことができる。
【0034】
マッサージ装置220A,220B,240は、マッサージコースを実行可能であり得る。マッサージコースは、例えば、複数のマッサージ動作の組み合わせからなる一連のマッサージ動作をマッサージ装置に自動的に行わせるものである。マッサージ装置220A,220B,240それぞれは、複数のマッサージコースを有し、複数のマッサージコースから選択されたマッサージコースを実行可能であり得る。被施療者は、操作器を用いて、マッサージコースを選択する操作を行うことができる。被施療者は選択されたマッサージコースに基づくマッサージを、マッサージ装置から受けることができる。
【0035】
マッサージ施設10に設置された複数のマッサージ装置は、それぞれ、異なるマッサージコースを実行可能であるのが好ましい。この場合、被施療者は、複数のマッサージ装置によって実行可能な多数のマッサージコースの中から選択されたマッサージコースを受けることができる。したがって、被施療者が受けられるマッサージコースの候補の数は、1種類のマッサージ装置だけが存在する場合に比べて、多くなる。マッサージ装置220A,220B,240の更なる詳細については後述される。
【0036】
コンピュータシステム100は、例えば、インターネット等のネットワーク50に接続されたサーバコンピュータ(以下、単に「サーバ」という)を備える。コンピュータシステムは、サーバコンピュータ100と通信可能なクライアント端末(以下、単に「端末」という。)211,231A,231Bを含んでもよい。すなわち、コンピュータシステムは、サーバコンピュータクライアントシステムであってもよい。なお、サーバコンピュータ100は、マッサージ施設10の外部に設置されていてもよいし、マッサージ施設10の内部に設置されていてもよい。サーバ100の更なる詳細については後述される。
【0037】
端末211,231A,231Bは、マッサージ施設10において使用され得る。端末211,231A,231Bは、マッサージを行う施療者W2,W3などマッサージ施設10のスタッフW1,W2,W3によって使用され得る。端末211,231A,231Bは、マッサージ施設10の顧客である被施療者によって使用されてもよい。
【0038】
端末211,231A,231Bは、後述の施療者データなどのデータの入力操作、及び、施療者データの出力に用いられ得る。端末211,231A,231Bは、例えば、プロセッサ及びプロセッサに接続された記憶装置を備えるコンピュータによって構成される。端末211,231A,231Bは、例えば、タブレット、スマートフォン、パーソナルコンピュータによって構成され得る。端末211,231A,231Bは、一例として、マッサージ施設10に設置された無線アクセスポイント(AP)30を介して、互いに通信可能、又は、サーバ100と通信可能である。アクセスポイント(AP)は、ネットワーク50を介して、サーバ100に接続されている。
【0039】
マッサージシステムは、計測器215A,215Bを備え得る。計測器215A,215Bは、マッサージ施設10に設置され得る。計測器215A,215Bは、マッサージ施設10において、被施療者を計測する。計測器215A,215Bは、例えば、健康測定機器である。計測器215A,215Bは、例えば、体重計、体組成計、身長測定計、血圧計、又はパルスオキシメーターである。マッサージ施設10には、複数の異なる種類の計測器215A,215Bが設置され得る。したがって、マッサージ施設では、被施療者の状態を様々な観点から把握することができる。なお、計測器は、被施療者が備える装置であってもよい。被施療者が備える装置は、例えば、被施療者を計測する機能を有するウェアラブルデバイスである。
【0040】
計測器215A,215Bは、例えば、有線又は無線通信などの通信機能を有し、端末211,231A,231B及びサーバ100のいずれか一方又は両方と通信可能である。計測器215A,215Bは、端末211,231A,231Bを介して、サーバ100と通信可能であってもよい。計測器215A,215Bは被施療者の計測データを外部に送信し得る。例えば、サーバ100は、計測器215A,215Bから、計測データを受信し得る。サーバ100は、受信した計測データを記憶装置120に記憶することができる。
【0041】
図1に示すように、マッサージ施設10は、第1スペース21、第2スペース22A,22B、第3スペース23A,23B、及び第4スペース24を備える。
【0042】
第1スペース21は、被施療者C1の状態を把握するために用いられる。第1スペース21には、例えば、被施療者C1の状態を把握する際に用いられる端末211及び計測器215A,215Bが設置される。第1スペース21では、例えば、マッサージ施設10のスタッフW1が、被施療者C1と対話(問診)することによって、被施療者C1の状態把握が行われる。被施療者の状態把握は、サーバ100が、端末211を介して被施療者C1に対する質問を表示し、被施療者C1が音声又は端末211の操作によって回答することによって行われてもよい。また、第1スペース21では、計測器215A,215Bによって、被施療者C1の計測が行われ、計測データがサーバ100へ送信される。計測データは、端末211に表示されてもよい。この場合、被施療者C1に対する問診は、計測データを参照しつつ行うことができる。
【0043】
第2スペース22A,22Bは、第1マッサージ装置220A,220Bが設置される。被施療者C1,C2,C3は、第2スペース22A,22Bにおいて、第1マッサージ装置220A,220Bによるマッサージを受けることができる。第3スペース23A,23Bは、施療者W2,W3が被施療者C1,C2,C3にマッサージを施すために用いられる。第3スペース23A,23Bには、例えば、ベッド型又は椅子型の施療台が設置される。被施療者は施療台に横臥又は着座した状態でマッサージを受けることができる。被施療者C1,C2,C3は、第4スペース24において、第2マッサージ装置240によるマッサージを受けることができる。
【0044】
各スペース21,22A,22B,23A,23B,24は、壁、仕切り板、仕切り布などによって仕切られていてもよいし、仕切られていなくてもよい。また、あるスペースが他のスペースと兼用されていてもよい。また、端末211,231A,231Bは、各スペース21,23A,23Bに設置されている必要はなく、スタッフW1,W2,W3が携帯していてもよい。また、端末211,231A,231Bは、被施療者C1,C2,C3に貸し出されて、被施療者C1,C2,C3が携帯していてもよい。
【0045】
図2は、被施療者C1,C2,C3が、マッサージ施設10において受けられるサービスの流れを示している。まず、被施療者C1,C2,C3は、マッサージ施設10において受けられるサービスとしてのコースを選択する(ステップS201)。コースによって、所要時間及び料金が異なり得る。
図2では、一例として、選択可能なコースとして、第1コース、第2コース及び第3コースがある。
【0046】
第1コースは、第1工程S211、第2工程S212、第3工程S213、及び第4工程S214を有する。第2コースは、第1コースと同じく、第1工程S211、第2工程S212、及び第3工程S213を有する。第1コースから第4工程S214を省略したものである。第2コースは、第1コースよりも短時間で終了する。
【0047】
第3コースは、第2コースと同じく第1工程S211、及び第2工程S212を有する。第3コースは、第2コースから、第3工程S213を省略したものである。第3コースは、第2コースよりも短時間で終了する。
【0048】
図3は、サーバ100の構成の一例を示している。
図3に示すサーバ100は、プロセッサ110及びプロセッサ110に接続された記憶装置120を備えるコンピュータによって構成され得る。また、サーバ100は、通信部130を備え、外部の装置と通信可能である。記憶装置120は、例えば、一次記憶装置及び二次記憶装置を備える。一次記憶装置は、例えば、RAMである。二次記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)又はソリッドステートドライブ(SSD)である。記憶装置120は、プロセッサ110によって実行されるコンピュータプログラム121を備える。プロセッサ110は、記憶装置120に格納されたコンピュータプログラムを読み出して実行する。記憶装置120のコンピュータプログラム121は、コンピュータを、マッサージ施設10のためのサーバ100として動作させるための命令を示すプログラムコードを有する。
【0049】
記憶装置120は、マッサージ装置データ122を有する。マッサージ装置データ122は、マッサージ施設10に設置されたマッサージ装置220A,220B,240に関するデータを備える。マッサージ装置データ122は、データ送信先としてのマッサージ装置を識別するためのデータを含み得る。マッサージ装置データ122は、例えば、各マッサージ装置220A,220B,240が有するマッサージ機能、マッサージ可能部位、又はマッサージコースに関するデータを含み得る。マッサージ装置データ122は、例えば、後述のレコメンド処理によってレコメンドされるマッサージコースを示すデータを、レコメンドされたマッサージ装置に送信する際に、送信先マッサージ装置(送信先アドレスなど)を特定するために参照され得る。
【0050】
記憶装置120は、データベース123を有する。データベース123は、被施療者に関するデータを保存する。
図3に示すデータベース123は、顧客ID123Aを含み得る。顧客ID123Aは、顧客である被施療者C1,C2,C3を識別するための識別データである。つまり、顧客ID123Aは、被施療者識別データであり得る。被施療者識別データは、被施療者の氏名であってもよい。他のデータ要素123B,123C,123D,123E,123Fは、顧客ID123Aに関連付けて、データベース123に保存される。
【0051】
データベース123は、日時データ123Bを含み得る。日時データは、他のデータ要素123C,123D,123E,123Fが発生した日時を示す。
【0052】
データベース123は、顧客データ123Cを含み得る。顧客データ123Cは、顧客である被施療者C1,C2,C3に関するデータを含む。顧客データ123Cは、被施療者C1,C2,C3の氏名、生年月日、性別、第1工程S211で得られた被施療者C1,C2,C3のデータ、第1工程で得られた被施療者C1,C2,C3のデータに基づいてサーバ100が生成したデータ(健康アドバイスデータ・マッサージレコメンドレコメンドデータなど)を含み得る。
【0053】
データベース123は、第1マッサージデータ123Dを含み得る。第1マッサージデータ123Dは、第2工程S212において実施された第1マッサージの内容及び第2工程S212において実施されることがレコメンドされた第1マッサージの内容のいずれか一方又は両方を示す。レコメンドされたマッサージ内容は、実際に実施されていなくてもよい(以下、同様)。
【0054】
データベース123は、第2マッサージデータ123Eを含み得る。第2マッサージデータ123Eは、第3工程S213において実施された第2マッサージの内容及び第3工程S213において実施されることがレコメンドされた第2マッサージの内容のいずれか一方又は両方を示す。
【0055】
データベース123は、第3マッサージデータ123Fを含み得る。第3マッサージデータ123Fは、第4工程S214において実施された第3マッサージの内容及び第4工程S214において実施されることがレコメンドされた第3マッサージの内容のいずれか一方又は両方を示す。
【0056】
図4は、マッサージ装置220A,220B,240の構成例を示している。マッサージ装置240は、コントローラ301を備える。コントローラ301は、マッサージ装置220A,220B,240を制御する。コントローラ301は、例えば、マッサージコース内容を規定するマッサージコースデータ302を備える。コントローラ301は、マッサージコースデータ302に基づいて、マッサージ駆動部305を制御し、マッサージコースの内容に応じたマッサージ動作をマッサージ機構306に行わせ得る。なお、マッサージ駆動部305は、例えば、モータ、その他のアクチュエータ、ポンプ、電磁弁などである。マッサージ機構306は、例えば、モータ駆動によって揉み・叩きなどのマッサージ動作を生じさせる機械的機構、又は、ポンプから供給される空気の給排によって膨張収縮する空気袋である。
【0057】
マッサージ駆動部305及びマッサージ機構306は、マッサージ装置220A,220B,240によって異なり得る。例えば、第2マッサージ装置240は、第1マッサージ装置210A,220Bに比べて、マッサージ駆動部305及びマッサージ機構306の数が多く、多機能である。また、第1マッサージ装置220Aと第1マッサージ装置220Bとは、マッサージを施せる部位及びマッサージの内容が異なり得るため、マッサージ駆動部305及びマッサージ機構306が配置される位置及び機能が異なり得る。
【0058】
コントローラ301は、マッサージ装置220A,220B,240に設けられた各種のセンサ304に基づいて、マッサージ動作を制御し得る。
【0059】
コントローラ301は、通信部303を介して、外部と通信可能である。コントローラ301は、例えば、サーバ100、端末211、又は計測器215A,215Bと通信して、データを受信又はデータを送信し得る。コントローラ301は、例えば、サーバ100又は端末211などの外部装置から、実行すべきマッサージコースを示すデータを受信し、そのデータが示すマッサージコースを実行し得る。
【0060】
マッサージ装置220A,220B,240は、操作器307を備え得る。被施療者C1,C2,C3は、操作器307を操作して、マッサージコースの選択など、マッサージ装置に実行させるマッサージの内容を選択することができる。コントローラ301は、操作器307の操作に基づいて、マッサージ駆動部305を制御し得る。
【0061】
マッサージ装置220A,220B,240は、ディスプレイ308を備え得る。ディスプレイ308は、被施療者C1,C2,C3に提示される情報を画面表示し得る。ディスプレイは、操作器307と一体的に設けられていてもよいし、操作器307とは別体として設けられていてもよい。ディスプレイは、操作器としても機能するようにタッチパネルであってもよい。ディスプレイ308の表示内容は、コントローラ301によって制御され得る。
【0062】
マッサージ装置220A,220B,240は、音声出力部309を備え得る。音声出力部309は、例えば、スピーカーと音声出力回路とを備え得る。音声出力部309は、被施療者C1,C2,C3に提示される情報を音声出力し得る。音声出力部309の出力内容は、コントローラ301によって制御され得る。
【0063】
図5及び
図6は、マッサージ施設10において被施療者にマッサージサービスが提供される際の各装置の処理を示している。まず、
図2に示すコースの選択(S201)が行われる。被施療者が選択したコースを示すデータは、例えば、端末211から、サーバ100へ送信される(ステップS501)。サーバ100は、選択されたコースを示すデータに基づいて、コース設定を行う(ステップS502)。コース設定では、サーバ100は、選択されたコースを把握するとともに、選択されたコースに応じて、第2工程S212、第3工程S213、及び第4工程S214のどこまで実行すればよいかを把握する。
【0064】
なお、ここでは、被施療者は、
図2に示す第1コースを選択するものとする。したがって、ここでは、
図2に示す第1工程S211、第2工程S212、第3工程S213、及び第4工程S214の全てが実施される。第2コース又は第3コースが選択された場合には、適宜、工程S213,S214が省略される。
【0065】
コースの選択後、まず、第1工程S211が行われる。第1工程S211では、計測器215A,215Bによって、被施療者の計測が行われる。計測データが、計測器215A,215Bは、計測データを、サーバ100へ送信する(ステップS503)。計測データは、例えば、体重、体組成、身長、血圧、心拍数を含む。計測データは、被施療者の識別データ(顧客ID又は氏名)とともに、サーバ100へ送信される。
【0066】
また、第1工程S211では、スタッフW1などから被施療者への問診が行われ、問診結果が端末211へ入力される。端末211は、入力された問診結果(入力データ)を、サーバ100へ送信する(ステップS504)。問診結果は、例えば、被施療者の体調を示すデータを含む。問診結果(入力データ)は、被施療者の識別データ(顧客ID又は氏名)とともに、サーバ100へ送信される。問診結果及び計測データは、それらを取得した端末211から、送信されてもよい。問診結果及び計測データは同時に送信されてもよい。
【0067】
サーバ100は、受信した計測データ及び問診結果(入力データ)を、被施療者データ123Cとして、データベース123に保存する(ステップS505)。サーバ100は、被施療者データ123Cを、被施療者の識別データ123A及び被施療者データ123Cの生成日時又はサーバ100の受信日時などの日時データ123Bと関連付けて、データベース123に保存し得る。
【0068】
サーバ100は、ステップS503,S504で受信した被施療者データに基づいて、被施療者への健康アドバイスを生成する(ステップS506)。サーバ100は、データベース123に保存されている過去の被施療者データ123C又はマッサージデータ123D,123E,123Fをも用いて、健康アドバイスを生成してもよい。
【0069】
健康アドバイスは、被施療者データが入力されると健康アドバイスを出力するよう機械学習された学習モデルに対して、被施療者データ等を入力することによって生成され得る。学習モデルは、サーバ100が備え得る。健康アドバイスは、被施療者に提示される文章として生成され、被施療者の健康に関するアドバイスを含む。健康に関するアドバイスは、例えば、健康状態を改善するために、被施療者に推奨される行動を示す。
【0070】
健康アドバイスは、被施療者データが入力されると健康アドバイスを出力するよう機械学習された学習モデル(生成AI)に対して、被施療者データ等を入力することによって生成され得る。学習モデルは、サーバ100が備え得る。
【0071】
サーバ100は、ステップS503,S504で受信した被施療者データに基づいて、被施療者が受けるべき第1マッサージをレコメンドするレコメンド処理を実行する(ステップS506)。サーバ100は、データベース123に保存されている過去の被施療者データ123C又はマッサージデータ123D,123E,123Fをも用いて、レコメンド処理を実行してもよい。
【0072】
レコメンド処理は、被施療者に対して、行われるべきマッサージをレコメンドする処理である。マッサージのレコメンドは、例えば、複数の第1マッサージ装置220A,220Bのうちのどの第1マッサージ装置を使用すべきかを示すとともに、使用されるべきマッサージ装置が備える複数のマッサージコースのうちのどのマッサージコースを利用すべきかを示し得る。また、マッサージのレコメンドは、一つだけ設置されたマッサージ装置が備える複数のマッサージコースのうちのどのマッサージコースを利用すべきかを示しえる。なお、マッサージのレコメンドは、施療者W2,W3によって、どの部位にどのようなマッサージが施されるべきかを示し得る。また、マッサージのレコメンドは、第2マッサージ装置240によって行われる第2マッサージに関するレコメンドを含み得る。
【0073】
レコメンド処理は、被施療者データが入力されるとレコメンドを出力するよう機械学習された学習モデルに対して、被施療者データ等を入力することによって生成され得る。学習モデルは、サーバ100が備え得る。レコメンドは、例えば、第2工程において使用されるべきマッサージ装置220A,220Bを示すデータと、そのマッサージ装置220A,220Bにおいて実行されるべきマッサージコースを示すデータと、を含み得る。
【0074】
例えば、被施療者データが、被施療者が肩こりであることを示す情報を含む場合、レコメンド処理では、「第1マッサージ装置220Aによる肩こり改善コースというマッサージコース」がレコメンドされ得る。
【0075】
サーバ100は、生成した健康アドバイス及びマッサージレコメンドをデータベース123に保存する(ステップS507)。健康アドバイスデータは、例えば、被施療者データ123Cとして保存される。また、レコメンドデータは、第1マッサージデータ123Dとして保存される。レコメンドデータは、その被施療者の被施療者データ123Cと関連付けて保存される。なお、レコメンドデータは、被施療者データ123Cとして保存されてもよい。
【0076】
サーバ100は、健康アドバイスを外部へ出力する(ステップS508)。例えば、サーバ100は、健康アドバイスを端末211に送信(ステップS508A)及び/又は第1マッサージ装置220A,220Bに送信する(ステップS508B)。健康アドバイスが端末211に送信される場合、被施療者は、第1工程S211において、端末211から出力される健康アドバイスデータによって、健康に関するアドバイスを受けることができる。健康アドバイスが第1マッサージ装置220A,220Bに送信される場合、第2工程S212において、第1マッサージ装置220A,220Bのディスプレイ又はスピーカーから出力される健康アドバイスデータによって、健康に関するアドバイスを受けることが出来る。健康アドバイスを第2工程S212における第1マッサージ中に受けることで、健康アドバイスを第1工程S211において受ける場合に比べて、第1コース全体の所要時間を短くすることができる。
【0077】
サーバ100は、健康アドバイスデータの送信先であるマッサージ装置を、レコメンドデータによって特定した上で、健康アドバイスデータを送信し得る。また、被施療者が利用するマッサージ装置220A,220Bが、被施療者の識別データを用いて、被施療者の健康アドバイスデータをサーバ100に対して要求してもよい。
【0078】
サーバ100は、マッサージレコメンドを外部へ出力する(ステップS508)。例えば、サーバ100は、マッサージレコメンドデータを端末211に送信(ステップS508A)及び/又は第1マッサージ装置220A,220Bに送信する(ステップS508B)。マッサージレコメンドが端末211に送信される場合、被施療者は、第1工程S211において、第2工程S212で受けるべきマッサージの内容(例えば、マッサージ装置の種類及びマッサージコース)を知ることができる。被施療者は、レコメンドされたマッサージ装置220A,220Bの設置スペース22A,22Bへ移動し、そのマッサージ装置において、レコメンドされたマッサージコースを選択して、そのマッサージコースによる第1マッサージを受けることができる。
【0079】
マッサージレコメンドデータが第1マッサージ装置220A,220Bにも送信される場合、被施療者は、レコメンドされたマッサージ装置220A,220Bにおいてレコメンドされたマッサージコースを選択する操作することなく、そのマッサージコースによる第1マッサージを受けることができる。
【0080】
ステップS508まで終了すると、第1工程S211が終了する。第1工程S211が終了したことは、例えば、端末211からサーバ100へ通知される(ステップS509A)。例えば、スタッフW1又は被施療者C1が端末211を操作して、第1工程が終了したことを、サーバ100へ通知する。
【0081】
また、第1工程S211の終了は、第1マッサージ装置220A,220Bからサーバ100へ通知されてもよい(ステップS509B)。例えば、被施療者が第1マッサージ装置220A,220Bへ移動してその第1マッサージ装置220A,220Bを操作すると、第1マッサージ装置220A,220Bからサーバ100へ通知されてもよい。この通知は、第1工程S211の終了を示し得るとともに、第2工程S212の開始を示し得る。
【0082】
第2工程S212において、被施療者が使用開始したマッサージ装置220A,220Bによって、第1マッサージが被施療者に施される(ステップS510)。被施療者に施される第1マッサージは、例えば、第1工程において、レコメンドされたマッサージ装置におけるレコメンドされたマッサージコースである。レコメンドされたマッサージ装置のコントローラ301は、サーバ100からレコメンドされたマッサージコースを示すデータを受信し、そのマッサージコースを実行する。
【0083】
第2工程S212において、被施療者は、第1工程S211でレコメンドされたマッサージコースを操作器307の操作によって選択し、選択したマッサージコースによる第1マッサージコースを受けてもよい。この場合、被施療者は、被施療者の体調等に基づいてレコメンドされたマッサージを受けることができる。
【0084】
また、被施療者は、レコメンドされたマッサージコース以外のマッサージコースを操作器の操作によって選択し、選択したマッサージコースによる第1マッサージを受けてもよい。この場合、被施療者の自由度が高まる。
【0085】
第1マッサージ装置220A,220Bによる第1マッサージの実行中において、第1マッサージの220A,220Bの音声出力部309又はディスプレイ308からは、前述の健康アドバイスが出力される。被施療者は、第1マッサージを受けつつ、健康アドバイスを受けることができる。
【0086】
被施療者が実際に第1マッサージとして受けた内容は、第1マッサージデータ123Dとしてサーバ100へ送信され、データベース123に保存され得る。第1マッサージデータ123Dは、その被施療者の被施療者データ123Cに関連付けて保存される。第1マッサージデータ123Dは、第1マッサージ装置220A,220Bから送信されてもよいし、適宜の端末から送信されてもよい。
【0087】
ステップS510の第1マッサージが終了すると、第2工程S212が終了する。第2工程S212が終了したことは、例えば、第2工程S212において使用されたマッサージ装置220A,220Bからサーバへ通知される(ステップS511A)。例えば、マッサージ装置220A,220Bのコントローラ301は、第1マッサージとしてのマッサージコース実行が終了すると、第2工程S212が終了したことを、サーバ100へ通知する。
【0088】
また、第2工程S212の終了は、第3工程で用いられる端末231A,231Bを、施療者W2,W3又は被施療者が操作して、端末231A,231Bからサーバ100へ通知されてもよい(ステップS511B)。例えば、被施療者が、第2工程のための第2スペース22A,22Bから、第3工程S213のための第3スペースS23A,23Bへ移動して、施療者W2,W3又は被施療者が端末231A,231Bを操作すると、端末231A,231Bからサーバ100へ通知されてもよい。この通知は、第2工程S212の終了を示し得るとともに、第3工程S213の開始を示し得る。
【0089】
図6に示す第3工程S213において、サーバ100は、被施療者の被施療者データ及び/又は第1マッサージデータを、被施療者C2,C3に第2マッサージを施す施療者W2,W3に提示する。例えば、施療者が、第3スペース23A,23Bに移動してくると、施療者W2,W3は、端末231A,231Bを操作し、その施療者の識別データに基づいて、その被施療者C2,C3のデータを、サーバ100のデータベース123から読み出す(ステップS601)。サーバ100は、データベース123から読み出されたデータを、端末231A,231Bへ送信する(ステップS602)。端末231A,231Bはサーバ100から送信されたデータ(被施療者データ及び/又は第1マッサージデータ)を端末231A,231Bのディスプレイに表示する(ステップS603)。
【0090】
施療者W2,W3は、端末231A,231Bに表示されたデータを参照することで、第1工程S211において把握された被施療者の状態・健康アドバイス・マッサージレコメンド、及び、第1マッサージにおいて行われたマッサージ内容などを把握することができる。したがって、被施療者W2,W3は、端末231A,231Bに表示された情報を踏まえて、第2マッサージを実施することができる(ステップS604)。例えば、第1マッサージではマッサージされなかった部位へのマッサージを行ったり、第1マッサージでマッサージされた部位を更にマッサージしたりすることができる。したがって、第3工程S213における第2マッサージを、第1工程S211及び第2工程S212を踏まえた適切なものとすることができる。このように、第3工程S213では、第2工程S212の後に、人の手で仕上げマッサージをすることができる。仕上げマッサージは、例えば、第2工程S212の第1マッサージ装置220A,220Bでは届かない身体部位(例えば、頭と首の付け根、頭、背骨のキワなど)を人の手でマッサージすることである。しかも、第3工程S213のマッサージは、マッサージ装置による第2工程S212の後に行われるため、短時間でよく、人の労力やコスト削減にもつながる。
【0091】
第2工程S212における第1マッサージは、マッサージ装置220A,220Bによって無人で行われ得るものであるが、本実施形態によれば、無人で行われ得る第1マッサージの内容を、その後の工程である第3工程S213における施療者W2,W3が把握できる。
【0092】
また、第3工程S213における第2マッサージは、第1工程S211における状態把握の直後に行われるのではなく、第2工程S212の後に行われる。このため、実施形態に係るコンピュータシステム100を用いない場合、第3工程S213のマッサージを受ける被施療者の状態を、第3工程S213の施療者W2,W3が把握し難いおそれがある。これに対して、実施形態に係るコンピュータシステム100を用いると、第1工程S211において把握された被施療者の状態が、施療者W2,W3に提示されるため、被施療者W2,W3は、施療者の状態を容易に把握できる。特に、第1工程S211において被施療者の状態の把握を担当したスタッフW1と、第3工程S213の施療者W2,W3が同一人でない場合であっても、施療者W2,W3は被施療者の状態を容易に把握できる。
【0093】
また、本実施形態のコンピュータシステム100は、第1工程S211において被施療者の状態の把握を担当したスタッフW1と、第3工程S213の施療者W2,W3が同一人である場合でも、有利である。本実施形態では、第1工程S211と第3工程S213との間に第2工程S212が行われるため、被施療者の状態把握から、被施療者への第2マッサージまで、時間が経っている。このため、多くの被施療者がいる場合には、施療者W2,W3は、状態把握してから第2マッサージが行われるまで、複数人の被施療者の状態を記憶している必要があり、被施療者W2,W3の負担が大きい。これに対して、本実施形態のコンピュータシステム100によれば、施療者W2,W3は、被施療者の状態把握が第1マッサージよりも前にされていても、第2マッサージの直前に、被施療者の状態を確認できる。したがって、施療者W2,W3の負担が軽減される。
【0094】
ステップS604の第2マッサージが終了すると、第3工程S213が終了する。第3工程が終了したことは、例えば、端末231A,231Bから、サーバ100へ通知される(ステップS605A)。また、施療者W2,W3は、端末231A,231Bを操作して、第2マッサージの内容を示す第2マッサージデータ123Eをサーバ100へ送信し得る。サーバ100は、第2マッサージデータ123Eをデータベース123に保存する。
【0095】
また、第3工程S213の終了は、第2マッサージ装置240からサーバ100へ通知されてもよい(ステップS605B)。例えば、被施療者が第2マッサージ装置240へ移動してその第2マッサージ装置240を操作すると、第2マッサージ装置240からサーバ100へ通知されてもよい。この通知は、第3工程S213の終了を示し得るとともに、第4工程S214の開始を示し得る。
【0096】
第4工程S214において、被施療者が使用開始した第2マッサージ装置240によって、第3マッサージが施される(ステップS609)。第4工程S214は、より長時間のマッサージを被施療者に提供するためのものである。第3工程S213までしかない第2コースよりも長時間のマッサージを希望する被施療者には、第4工程S214が含まれる第1コースが好適である。第2マッサージ装置240は、第1マッサージ装置220A,220Bに比べて多機能であり、全身をマッサージできる。したがって、被施療者は、第2マッサージ装置240において選択可能なマッサージコースから好きなマッサージコースを選択して、全身マッサージを受けることができる。
【0097】
なお、第4工程S214においても、マッサージのレコメンドが行われてもよい。
図6に示すように、サーバ100は、マッサージレコメンドを生成し(ステップS606)、それを第3マッサージデータ123Fとして保存し(ステップS607)、マッサージレコメンドを第2マッサージ装置240に出力することができる(ステップS608)。この場合、被施療者は、レコメンドされたマッサージコースによる第3マッサージ(ステップS609)を受けることができる。
【0098】
ステップS609の第3マッサージが終了すると、第4工程S214が終了する。第4工程が終了したことは、例えば、第2マッサージ装置240から、サーバ100へ通知される(ステップS610)。また、第2マッサージ装置240は、実際に行われた第3マッサージの内容を示す第3マッサージデータ123Fをサーバ100へ送信し得る。サーバ100は、第3マッサージデータ123Fをデータベース123に保存する。
【0099】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0100】
10 :マッサージ施設
21 :第1スペース
22A :第2スペース
22B :第2スペース
23A :第3スペース
23B :第3スペース
24 :第4スペース
30 :無線アクセスポイント
50 :ネットワーク
100 :コンピュータシステム
110 :プロセッサ
120 :記憶装置
121 :コンピュータプログラム
122 :マッサージ装置データ
123 :データベース
123A :識別データ
123B :日時データ
123C :被施療者データ
123D :第1マッサージデータ
123E :第2マッサージデータ
123F :第3マッサージデータ
130 :通信部
210A :第1マッサージ装置
211 :端末
215A :計測器
215B :計測器
220A :第1マッサージ装置
220B :第1マッサージ装置
231A :端末
231B :端末
240 :第2マッサージ装置
301 :コントローラ
302 :マッサージコースデータ
303 :通信部
304 :センサ
305 :マッサージ駆動部
306 :マッサージ機構
307 :操作器
308 :ディスプレイ
309 :音声出力部
AP :アクセスポイント
C1 :被施療者
C2 :被施療者
C3 :被施療者
W1 :スタッフ
W2 :施療者
W3 :施療者