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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172041
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20241205BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
B41J29/38 104
H04N1/00 885
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089462
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】正井 克典
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ06
2C061HH11
2C061HJ10
2C061HT02
2C061HT03
2C061HT04
5C062AA05
5C062AA31
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB25
5C062AB33
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB46
5C062AB51
5C062AC02
5C062AC34
5C062AE01
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】利便性を維持しながら消費電力を低減する。
【解決手段】画像形成装置100は、画像形成ユニット1と、電源7と、電源制御部51と、通信ポート4とを備える。画像形成ユニット1は、用紙Pに画像を形成する。電源7は、画像形成ユニット1に電力を供給する。電源制御部51は、電源7を制御する。通信ポート4は、外部機器6が接続され、電源7によって供給される電力を外部機器6に供給するとともに、外部機器6との間で信号の送受信を行う。電源制御部51は、通信ポート4を介して外部機器6と通信して外部機器6の識別情報を受信し、電源7から画像形成ユニット1への電力の供給が制限される制限状態に切り替える際、識別情報に基づいて、通信ポート4への電力の供給を停止する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に電力を供給する電源部と、
前記電源部を制御する電源制御部と、
外部機器が接続され、前記電源部によって供給される前記電力を前記外部機器に供給するとともに、前記外部機器との間で信号の送受信を行う通信ポートと
を備え、
前記電源制御部は、
前記通信ポートを介して前記外部機器と通信して前記外部機器の識別情報を受信し、
前記電源部から前記画像形成部への前記電力の供給が制限される制限状態に切り替える際、前記識別情報に基づいて、前記通信ポートへの前記電力の供給を停止する、画像形成装置。
【請求項2】
前記識別情報を記憶する記憶部を更に備え、
前記電源制御部は、
前記制限状態を解除する際、前記記憶部に記憶された前記識別情報に基づいて、前記通信ポートへ前記電力を供給する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電源制御部は、
前記通信ポートに接続された第1外部機器を介して、前記第1外部機器に接続された第2外部機器と通信して前記第2外部機器の識別情報を受信し、
前記第2外部機器の前記識別情報に基づいて、前記通信ポートへの前記電力の供給又は停止を判定する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の複合装置は、少なくとも原稿の画像を読み取って画像データとして出力する読取手段と、画像データに基づいて画像を記録紙に記録する記録手段と、各種情報を表示する表示手段とに対して電源供給を削減するとともに、各種復帰要因に基づいて前記読取手段、前記記録手段及び前記表示手段への電源供給を復帰させる省エネルギーモード処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-262130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、特許文献1の複合装置に対して、外部機器が接続され、複合装置から外部機器へ電力供給が行われる。特許文献1の複合装置では、省エネルギーモード処理において外部機器への電源供給を削減すると、外部機器の使用が制限され、利便性の低下を招く可能性がある。一方、省エネルギーモード処理において外部機器への電源供給を継続すると、消費電力の低下が妨げられる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性を維持しながら消費電力を低減することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る画像形成装置は、画像形成部と、電源部と、電源制御部と、通信ポートとを備える。前記画像形成部は、記録媒体に画像を形成する。前記電源部は、前記画像形成部に電力を供給する。前記電源制御部は、前記電源部を制御する。前記通信ポートは、外部機器が接続され、前記電源部によって供給される電力を外部機器に供給するとともに、前記外部機器との間で信号の送受信を行う。前記電源制御部は、前記通信ポートを介して前記外部機器と通信して前記外部機器の識別情報を受信し、前記電源部から前記画像形成部への前記電力の供給が制限される制限状態に切り替える際、前記識別情報に基づいて、前記通信ポートへの前記電力の供給を停止する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性を維持しながら消費電力を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の構成を示す図である。
図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図3】制限状態の画像形成装置における電力の供給状態を示す図である。
図4】制限状態から通常モードに移行したときの画像形成装置における電力の供給状態を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る電力供給制御方法を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態に係る電力供給制御方法を示すフローチャートである。
図7】制限状態から通常モードに移行したときの画像形成装置100における電力の供給状態の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図1は、画像形成装置100の構成を示す図である。図1に示すように、画像形成装置100は、複合機である。
【0011】
画像形成装置100は、画像形成ユニット1と、画像読取ユニット2と、後処理ユニット3と、通信ポート4と、制御部5と、電源7と、操作パネル19とを備える。
【0012】
画像形成ユニット1は、用紙Pに画像を形成する。画像形成ユニット1は、例えば、いわゆる「電子写真方式」によって用紙Pに画像を形成する。用紙Pは、「記録媒体」の一例に相当する。画像形成ユニット1は、「画像形成部」の一例に相当する。
【0013】
画像読取ユニット2は、原稿の画像を読み取る。画像読取ユニット2は、例えば、CIS(Contact Image Sensor)ユニットを備え、CISユニットが原稿の画像を読み取る。
【0014】
後処理ユニット3は、画像形成ユニット1によって画像が形成された用紙Pに対して、後処理を行う。本実施形態では、後処理ユニット3は、複数枚の用紙Pの束に対してステープル処理を行う。なお、本実施形態において、画像読取ユニット2及び後処理ユニット3は設けられなくてもよい。
【0015】
制御部5は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーと、記憶部5Bとを備える。記憶部5Bは、半導体メモリーのようなメモリーを備え、HDD(Hard Disk Drive)を備えてもよい。記憶部5Bは、制御プログラムを記憶している。
【0016】
操作パネル19は、例えば、画像形成装置100の筐体における外面に配置される。操作パネル19には、画像形成装置100を操作するための各種の操作が入力される。操作パネル19は、例えばタッチパネルであり、表示部19aと、操作入力部19bとを備える。
【0017】
表示部19aは、例えば液晶表示装置であり、操作入力画面を表示する。操作入力画面は、各種の操作を入力するための画面である。操作入力部19bは、例えばタッチセンサーであり、表示部19aに対するタッチ位置を検出する。タッチ位置は、使用者が、表示部19aの画面をタッチ操作した位置である。従って、使用者は、表示部19aに表示された操作入力画面に対してタッチ操作することで、操作入力が可能である。なお、操作パネル19は、タッチパネルに限らず、操作入力部19bとして物理キーを有する構成でもよい。
【0018】
画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、制御部5及び操作パネル19は、電源7が発生させる直流電力又は交流電力を受けて駆動する。言い換えると、電源7は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、制御部5及び操作パネル19に電力を供給する。電源7は、「電源部」の一例に相当する。
【0019】
次に、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。図2は、画像形成装置100の構成を示すブロック図である。図2は、通常モードの画像形成装置100における電力の供給状態を示す図である。
【0020】
また、画像形成装置100は、通信ポート4を更に備える。一例として、画像形成装置100は、3つの通信ポート41、42、43を備える。通信ポート4には、外部機器6が接続される。例えば、通信ポート4は、電源7によって供給される電力を外部機器6に供給するとともに、外部機器6との間で信号の送受信を行う。一例として、通信ポート4は、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠するUSBインターフェイス(コネクター)である。例えば、通信ポート41には、外部機器6の一例であるカードリーダー61が接続される。通信ポート42には、外部機器6の一例である無線ルーター62が接続される。本実施形態において、通信ポート43には、外部機器6が接続されていないが、通信ポート43には、各種の外部機器6が接続されてもよい。外部機器6は、カードリーダー61及び無線ルーター62に限らず、例えば、タブレット型パーソナルコンピューター、又はスマートフォンのような機器でもよい。
【0021】
また、通信ポート4は、制御部5からの指示に従って、外部機器6に電力を供給する。なお、通信ポート4は、本実施形態では、USB-PD(Power Delivery)規格に準拠して外部機器6に電力を供給する。
【0022】
図2に示すように、画像形成装置100の制御部5は、電源制御部51を備える。具体的には、制御部5のプロセッサーが、記憶部5Bから制御プログラムを読み出して実行することによって、電源制御部51として機能する。電源制御部51は、電源7を制御する。本実施形態において、電源制御部51は、電源7による電力の供給状態を切り替える切替処理を行う。
【0023】
次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置100における電力の供給状態について説明する。図3は、制限状態の画像形成装置100における電力の供給状態を示す図である。
【0024】
具体的には、電源制御部51は、画像形成装置100の画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、制御部5、操作パネル19、及び通信ポート4に電力が供給される通常状態と、画像形成装置100の画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、制御部5、操作パネル19、及び通信ポート4のうちの少なくとも一部への電力の供給が制限される制限状態とを切り替える。
【0025】
例えば、画像形成装置100のユーザーが操作パネル19を介して、画像形成装置100の電源をオンにする操作を入力すると、制御部5(電源制御部51)は、操作パネル19に入力された操作に従って、電源7を駆動させるとともに、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4に対して、電源7からの電力が供給されるように画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4を制御する。具体的には、電源制御部51は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4の各々に設けられた図示しないスイッチを切り替えて、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4を通電させる(図2)。このように、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4に対して、電源7からの電力が供給される状態を、以下、通常モードと記載する。
【0026】
その結果、画像形成装置100のユーザーは、操作パネル19に対して操作の入力が可能になる。したがって、制御部5は、操作パネル19を介して入力されたユーザーの操作に応じた画像形成ユニット1、画像読取ユニット2又は後処理ユニット3等の制御が可能になる。
【0027】
一方、例えば、画像形成装置100の電源がオンの状態において、画像形成装置100のユーザーが操作パネル19を介して、画像形成装置100を、通常モードと比べて消費電力が小さい節電モードに切り替える操作を入力したり、所定期間にわたってユーザーによる操作パネル19の操作がない場合、電源制御部51は、画像形成装置100を節電モードに切り替える。節電モードは、画像形成装置100における電力の供給状態が制限される制限状態の一例に相当する。制限状態は、節電モード以外に、省電力モード又はスリープ状態等を含む。電源制御部51は、節電モードにおいて、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4に対して、電源7からの電力の供給が制限されるように画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4を制御する。具体的には、電源制御部51は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4の各々に設けられた図示しないスイッチを切り替えて、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4における通電を遮断させる(図3)。
【0028】
このとき、電源制御部51は、通信ポート4への電力の供給を停止するか否かを判定する。本実施形態において、電源制御部51は、通信ポート4の接続状況を監視する。例えば、電源制御部51は、通信ポート4における電源端子が通電状態か否かを検出する。電源制御部51は、通信ポート4における電源端子が通電状態であると検出すると、通信ポート4に外部機器6が接続されている接続状態であると判定する。図2及び図3に示す例では、電源制御部51は、通信ポート41及び通信ポート42を接続状態であると判定する。
【0029】
一方、電源制御部51は、通信ポート4における電源端子が通電状態でないと検出すると、通信ポート4に外部機器6が接続されていない開放状態であると判定する。図2及び図3に示す例では、電源制御部51は、通信ポート43を開放状態であると判定する。
【0030】
更に、電源制御部51は、接続状態である通信ポート41及び通信ポート42にそれぞれ接続された外部機器6を特定する。具体的には、電源制御部51は、通信ポート41を介して、通信ポート41に接続されたカードリーダー61と通信する。例えば、電源制御部51は、カードリーダー61に対して、カードリーダー61が有する固有の識別情報IDaの送信を要求する信号を、通信ポート41を介して送信する。カードリーダー61は、電源制御部51から送信された識別情報IDaの送信を要求する信号を受信すると、識別情報IDaを含む応答信号を生成し、通信ポート41を介して電源制御部51に送信する。例えば、識別情報IDaは、カードリーダー61の型番等を示す情報を含む。
【0031】
電源制御部51は、カードリーダー61からの応答信号を受信すると、応答信号に含まれる識別情報IDaを取得する。本実施形態において、例えば、記憶部5Bには、識別情報の一覧が予め記憶されており、電源制御部51は、記憶部5Bの識別情報の一覧を参照することで、識別情報IDaの示す外部機器6の特定が可能である。
【0032】
具体的には、電源制御部51は、取得した識別情報IDaと、記憶部5Bの識別情報の一覧とを比較し、識別情報IDaがカードリーダー61を示すことを特定する。
【0033】
また、電源制御部51は、取得した識別情報IDaと通信ポート41を示す情報とを対応付けて記憶部5Bに記憶させる。
【0034】
同様に、電源制御部51は、通信ポート42を介して、通信ポート42に接続された無線ルーター62と通信し、無線ルーター62が有する固有の識別情報IDbを取得する。電源制御部51は、取得した識別情報IDbと、記憶部5Bの識別情報の一覧とを比較し、識別情報IDbが無線ルーター62を示すことを特定する。
【0035】
また、電源制御部51は、取得した識別情報IDbと通信ポート42を示す情報とを対応付けて記憶部5Bに記憶させる。
【0036】
また、電源制御部51は、通信ポート43が開放状態である旨の情報を記憶部5Bに記憶させる。
【0037】
本実施形態において、電源制御部51による識別情報の取得のタイミングは、特に限定されない。例えば、画像形成装置100の電源がオンの状態になった直後に行われてもよいし、通信ポート4に外部機器6が接続されたときに行われてもよいし、画像形成装置100において切替処理が行われたときに行われてもよい。
【0038】
電源制御部51は、通信ポート4ごとに特定した外部機器6に応じて、通信ポート4の各々への電力の供給を停止するか否かを決定する。言い換えると、電源制御部51は、各々の通信ポート4に接続された外部機器6の識別情報に基づいて、各々の通信ポート4への電力の供給を停止する。これにより、節電モードにおいても、常時電力供給を要する外部機器6が接続された通信ポート4に対して電力の供給を継続しながら、常時電力供給を要しない外部機器6が接続された通信ポート4に対して電力の供給を遮断できる。したがって、利便性を維持しながら消費電力を低減することができる。
【0039】
本実施形態において、識別情報の一覧には、識別情報ごとに、常時電力供給を要するか否かを示す情報が対応付けられている。例えば、識別情報の一覧において、識別情報IDaには、常時電力供給を要しない旨の情報が対応付けられ、識別情報IDbには、常時電力供給を要する旨の情報が対応付けられている。
【0040】
電源制御部51は、記憶部5Bの識別情報の一覧を参照し、通信ポート41に接続されたカードリーダー61を示す識別情報IDaに対応付けられた常時電力供給を要しない旨の情報に基づいて、通信ポート41への電力の供給を停止する。具体的には、電源制御部51は、通信ポート41に設けられた図示しないスイッチを切り替えて、通信ポート41における通電を遮断させる。
【0041】
一方、電源制御部51は、記憶部5Bの識別情報の一覧を参照し、通信ポート42に接続された無線ルーター62を示す識別情報IDbに対応付けられた常時電力供給を要する旨の情報に基づいて、通信ポート42への電力の供給を継続する。
【0042】
また、電源制御部51は、開放状態であると判定した通信ポート43への電力の供給を停止する。具体的には、電源制御部51は、通信ポート43に設けられた図示しないスイッチを切り替えて、通信ポート43における通電を遮断させる。
【0043】
次に、図3及び図4を参照して、制限状態から通常モードに移行したときの画像形成装置100における電力の供給状態について説明する。図4は、制限状態から通常モードに移行したときの画像形成装置100における電力の供給状態を示す図である。
【0044】
例えば、節電モードの画像形成装置100に対して、操作パネル19を介してユーザーによる操作が入力されると、電源制御部51は、画像形成装置100の電力の供給状態を切り替えて、画像形成装置100を節電モードから通常モードに移行(復帰)させる。具体的には、電源制御部51は、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4の各々に設けられた図示しないスイッチを切り替えて、画像形成ユニット1、画像読取ユニット2、後処理ユニット3、操作パネル19、及び通信ポート4を通電させる。
【0045】
このとき、電源制御部51は、通信ポート4へ電力を供給するか否かを判定する。本実施形態において、電源制御部51は、記憶部5Bに記憶された識別情報に基づいて、通信ポート4へ電力を供給するか否かを判定する。
【0046】
具体的には、電源制御部51は、記憶部5Bを参照し、通信ポート41に対応付けられた識別情報IDaを特定する。更に、電源制御部51は、記憶部5Bの識別情報の一覧を参照し、特定した識別情報IDaには常時電力供給を要しない旨の情報が対応付けられていることを特定する。電源制御部51は、特定した常時電力供給を要しない旨の情報に従って、通信ポート41への電力の供給の停止の継続を決定する。
【0047】
一方、電源制御部51は、記憶部5Bを参照し、通信ポート42に対応付けられた識別情報IDbを特定する。更に、電源制御部51は、記憶部5Bの識別情報の一覧を参照し、特定した識別情報IDbには常時電力供給を要する旨の情報が対応付けられていることを特定する。電源制御部51は、特定した常時電力供給を要する旨の情報に従って、通信ポート42への電力の供給の継続を決定する。
【0048】
また、電源制御部51は、記憶部5Bを参照し、通信ポート43が開放状態であることを特定する。電源制御部51は、通信ポート43が開放状態であることから、通信ポート43への電力の供給の停止の継続を決定する。
【0049】
このように、電源制御部51は、節電モードを解除する際、記憶部5Bに記憶された識別情報に基づいて、通信ポート4へ電力を供給する。したがって、通常モードにおいても、常時電力供給を要しない外部機器6が接続された通信ポート4に対して電力の供給が遮断される。その結果、通常モードの画像形成装置100において、消費電力が低減する。
【0050】
なお、図4に示す節電モードから復帰後の通常モードにおいて、カードリーダー61が起動すると、電源制御部51は、通信ポート41における電源端子の通電を検出する。電源制御部51は、通信ポート41における電源端子の通電を検出すると、通信ポート41に設けられた図示しないスイッチを切り替えて、通信ポート41に電力を供給させる。
【0051】
また、本実施形態において、識別情報の一覧には、常時電力供給を要するか否かを示す情報が含まれる構成としたが、例えば、常時電力供給を要するか否か以外に、通常モードのみ電力供給を要する等の分類が更に含まれてもよい。この場合、通常モードのみ電力供給を要する外部機器6が接続された通信ポート4は、節電モードに移行する際には、電源制御部51によって電力の供給が停止され、通常モードに復帰する際には、電源制御部51によって電力が供給される。
【0052】
次に、図5及び図6を参照して、本発明の実施形態に係る電力供給制御方法について説明する。図5及び図6は、本発明の実施形態に係る電力供給制御方法を示すフローチャートである。図6は、図5の続きである。
【0053】
まず、画像形成装置100に対して、電源をオンにする操作が入力されると(ステップS11)、電源制御部51は、画像形成装置100を通常モードで起動させる(ステップS12)。
【0054】
画像形成装置100は、操作パネル19への節電モードに切り替える操作の入力を待ち受ける(ステップS13)節電モードに切り替える操作以外の操作が操作パネル19へ入力されると(ステップS13でNo)、画像形成装置100は、通常モードを維持する(ステップS12)。
【0055】
一方、操作パネル19への節電モードに切り替える操作が入力されたり、所定期間にわたってユーザーによる操作パネル19の操作がない場合(ステップS13でYes)、電源制御部51は、通信ポート4における電源端子が通電状態か否かを検出して通信ポート4に外部機器6が接続されているか否かを判定する(ステップS14)。
【0056】
通信ポート4に外部機器6が接続されている場合(ステップS14でYes)、電源制御部51は、外部機器6が有する固有の識別情報を取得する。具体的には、電源制御部51は、識別情報の送信を要求する信号を、通信ポート4を介して外部機器6に送信する。外部機器6は、電源制御部51からの信号を受信すると、識別情報を含む応答信号を生成し、通信ポート4を介して電源制御部51に送信する。電源制御部51は、外部機器6からの応答信号を受信すると、応答信号に含まれる識別情報を取得する。電源制御部51は、取得した識別情報と通信ポート4を示す情報とを対応付けて記憶部5Bに記憶させる(ステップS15)。
【0057】
電源制御部51は、記憶部5Bにおける識別情報の一覧を参照し、識別情報ごとに対応付けられている常時電力供給を要するか否かを示す情報に従って、通信ポート4への電力の供給を停止するか否かを決定する(ステップS16)。
【0058】
通信ポート4に接続されている外部機器6がる常時電力供給を要する場合(ステップS16でYes)、電源制御部51は、通信ポート4への電力の供給を継続する(ステップS17)。処理は、ステップS19へ進む。
【0059】
一方、通信ポート4に接続されている外部機器6が常時電力供給を要しない場合(ステップS16でNo)、電源制御部51は、通信ポート4への電力の供給を停止する(ステップS17)。処理は、ステップS19へ進む。
【0060】
また、通信ポート4に外部機器6が接続されていない場合(ステップS14でNo)、電源制御部51は、通信ポート4への電力の供給を停止する(ステップS17)。処理は、ステップS19へ進む。
【0061】
節電モードの画像形成装置100は、操作パネル19への操作が入力される等の通常モードに切り替える指示を待ち受ける(ステップS19)。通常モードに切り替える指示が入力されない場合(ステップS19でNo)、画像形成装置100は、節電モードを維持する(ステップS19)。
【0062】
通常モードに切り替える指示が入力されると(ステップS19でYes)、電源制御部51は、記憶部5Bが記憶している識別情報と識別情報に対応付けられた通信ポート4とを示す情報を取得し、取得した識別情報に基づいて、通信ポート4に接続された外部機器6を特定する(ステップS20)。
【0063】
電源制御部51は、記憶部5Bにおける識別情報の一覧を参照し、識別情報ごとに対応付けられている常時電力供給を要するか否かを示す情報に従って、通信ポート4への電力を供給するか否かを決定する(ステップS21)。
【0064】
通信ポート4に接続されている外部機器6がる常時電力供給を要する場合(ステップS21でYes)、電源制御部51は、通信ポート4に電力を供給する(ステップS22)。処理は、ステップS13へ進む。
【0065】
一方、通信ポート4に接続されている外部機器6が常時電力供給を要しない場合(ステップS21でNo)、電源制御部51は、通信ポート4への電力の供給の停止を維持する(ステップS23)。処理は、ステップS13へ進む。
【0066】
次に、図7を参照して、画像形成装置100における電力の供給制御の変形例について説明する。図7は、制限状態から通常モードに移行したときの画像形成装置100における電力の供給状態の他の例を示す図である。なお、変形例における通常モードから制限状態への移行の図示は省略する。
【0067】
図7に示す画像形成装置100は、外部機器6の一例としてハブ(HUB)63が通信ポート43に接続され、更に、ハブ63に各種の外部機器6(64)が接続されている。ハブ(HUB)63は、通信ポート4を拡張する機能を有する。言い換えると、ハブ(HUB)63は、1つ以上の、通信ポート4と同様の通信ポートを有する。つまり、画像形成装置100には、外部機器6が多段接続されている。ハブ63は、第1外部機器の一例である。外部機器6(64)は、第2外部機器の一例である。この場合、電源制御部51は、通信ポート43及びハブ63を介して、ハブ63に接続された外部機器64と通信することが可能である。したがって、電源制御部51は、ハブ63を介してハブ63の通信ポートの接続状況を判定するとともに、通信ポート43及びハブ63を介して外部機器64の識別情報IDcを受信する。
【0068】
本実施形態の変形例において、通常モードから制限状態に移行する際、電源制御部51は、ハブ63に接続された外部機器64の識別情報IDcに基づいて、ハブ63が接続された通信ポート43への電力の供給の継続又は停止を判定する。一方、制限状態から通常モードに移行する際、電源制御部51は、ハブ63に接続された外部機器64の識別情報IDcに基づいて、ハブ63が接続された通信ポート43への電力の供給停止を維持するか否かを判定する。
【0069】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0070】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 :画像形成ユニット
4 :通信ポート
5 :制御部
5B :記憶部
6 :外部機器
7 :電源
41 :通信ポート
42 :通信ポート
43 :通信ポート
51 :電源制御部
61 :カードリーダー
62 :無線ルーター
63 :ハブ(第1外部機器)
64 :外部機器(第2外部機器)
100 :画像形成装置
IDa :識別情報
IDb :識別情報
IDc :識別情報
P :用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7