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特開2024-172048環境監視装置、環境監視システム、環境監視方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172048
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】環境監視装置、環境監視システム、環境監視方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/52 20180101AFI20241205BHJP
【FI】
F24F11/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089473
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148149
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 幸男
(74)【代理人】
【識別番号】100181618
【弁理士】
【氏名又は名称】宮脇 良平
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】石原 正裕
(72)【発明者】
【氏名】沖野 沙織
(72)【発明者】
【氏名】中村 友信
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AA04
3L260AA09
3L260BA09
3L260CA17
3L260GA17
3L260GA24
(57)【要約】
【課題】利用者の希望に沿った環境監視が実現できる環境監視装置、環境監視システム、環境監視方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】クラウドサーバ1は、環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置5へ送信するか否かを判定する通知判定部114と、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定された後、環境パラメータが基準範囲を外れている限り、複数種類のメッセージ情報の中から判定結果に基づいて少なくとも1つのメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置5へ繰り返し送信するメッセージ通知部115と、端末装置5から送信される設定通知情報を取得すると、取得した設定通知情報に含まれる基準範囲情報を抽出し、抽出した基準範囲情報を、環境基準記憶部132に記憶させる設定部116と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部と、
前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する環境パラメータ判定部と、
前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定する通知判定部と、
前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するメッセージ通知部と、
前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させる設定部と、を備える、
環境監視装置。
【請求項2】
前記環境センサにより計測された計測値と、予め設定された温熱指標を算出するための計算式と、に基づいて、前記温熱指標を前記環境パラメータとして算出する温熱指標算出部を更に備える、
請求項1に記載の環境監視装置。
【請求項3】
前記通知判定部は、前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっている状態から前記基準範囲から外れた状態へ遷移した場合、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定する、
請求項1または2に記載の環境監視装置。
【請求項4】
前記少なくとも1種類の基準範囲情報は、第1基準範囲を示す第1基準範囲情報と、第2基準範囲を示す第2基準範囲情報と、を含み、
前記第1基準範囲の第1上限値は、前記第2基準範囲の第2上限値よりも大きく、
前記通知判定部は、前記環境パラメータが前記第1上限値以下の状態から前記第1上限値を超えた状態へ遷移した場合、および、前記環境パラメータが前記第2上限値を超えた状態から前記第2上限値以下の状態へ遷移した場合、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定する、
請求項3に記載の環境監視装置。
【請求項5】
前記第1基準範囲の第1下限値は、前記第2基準範囲の第2下限値よりも小さく、
前記通知判定部は、前記環境パラメータが前記第1下限値以上の状態から前記第1下限値未満の状態へ遷移した場合、および、前記環境パラメータが前記第2下限値未満の状態から前記第2下限値以上の状態へ遷移した場合、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定する、
請求項4に記載の環境監視装置。
【請求項6】
前記メッセージ通知部は、前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっている状態から前記基準範囲から外れた状態へ遷移し且つ前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された場合、環境が悪化したことを通知するための前記メッセージ情報を選出し、前記環境パラメータが前記基準範囲から外れた状態から前記基準範囲に収まった状態へ遷移し且つ前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された場合、環境が改善したことを通知するための前記メッセージ情報を選出する、
請求項3に記載の環境監視装置。
【請求項7】
前記環境パラメータ判定部は、前記少なくとも1種類の基準範囲情報が、前記環境基準記憶部に新たに記憶されると、前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する、
請求項1または2に記載の環境監視装置。
【請求項8】
前記メッセージ情報の前記端末装置への送信が必要とされる予め設定された通知要時間帯を示す通知要時間帯情報と、前記メッセージ情報の前記端末装置への送信が不要とされる予め設定された通知不要時間帯を示す通知不要時間帯情報と、を記憶する時間情報記憶部と、
前記通知要時間帯情報と前記通知不要時間帯情報とに基づいて、前記通知要時間帯の始期または前記通知不要時間帯の始期が到来したか否かを判定する時期判定部と、を更に備え、
前記通知判定部は、前記通知要時間帯の始期が到来したと判定された後、前記判定結果に基づいて、前記メッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定し、前記通知不要時間帯の始期が到来したと判定された後、前記判定結果に関わらず、前記メッセージ情報を端末装置へ送信しないと判定する、
請求項1または2に記載の環境監視装置。
【請求項9】
環境パラメータが基準範囲を外れている場合における前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信する時間間隔を示す通知間隔情報を記憶する時間情報記憶部と、
前記通知間隔情報に基づいて、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信する通知時期が到来したか否かを判定する時期判定部と、を更に備え、
前記メッセージ通知部は、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、前記通知時期が到来したと判定される毎に、複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信する、
請求項1または2に記載の環境監視装置。
【請求項10】
前記設定部は、前記端末装置から送信される、前記通知間隔情報を含み前記通知時期の設定を通知するための前記設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記通知間隔情報を抽出し、抽出した前記通知間隔情報を、前記時間情報記憶部に記憶させる、
請求項9に記載の環境監視装置。
【請求項11】
前記環境センサとの通信状態を監視する通信状態監視部を更に備え、
前記通知判定部は、前記環境センサとの通信が遮断されていると判定されると、前記判定結果に関わらず、前記メッセージ情報を端末装置へ送信しないと判定する、
請求項1または2に記載の環境監視装置。
【請求項12】
端末装置と、
環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部と、
前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する環境パラメータ判定部と、
前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を前記端末装置へ送信するか否かを判定する通知判定部と、
前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するメッセージ通知部と、
前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させる設定部と、を備える、
環境監視システム。
【請求項13】
前記端末装置は、
利用者による設定変更操作に応じて、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を選択する設定選択部と、
選択された前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含む前記設定通知情報を生成し、生成した設定通知情報を送出する設定通知部と、を有する、
請求項12に記載の環境監視システム。
【請求項14】
環境監視装置が、環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータが 前記環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部が記憶する前記少なくとも1種類の基準範囲情報が示す前記基準範囲に収まっているか否かを判定するステップと、
前記環境監視装置が、前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定するステップと、
前記環境監視装置が、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するステップと、
前記環境監視装置が、前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させるステップと、を含む、
環境監視方法。
【請求項15】
コンピュータを、
環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部、
前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する環境パラメータ判定部、
前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定する通知判定部、
前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するメッセージ通知部、
前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させる設定部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、環境監視装置、環境監視システム、環境監視方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の密集度をモニタリングし、室内の換気が悪いことを報知する密集度監視装置であって、室内のCO濃度を計測するCOセンサと、CO濃度が予め設定されたCO濃度の閾値を超える場合に、第1の報知信号を生成する制御部と、第1の報知信号に基づいて、室内が感染症対策における換気の悪い密閉空間であることを示す第1のメッセージを報知する報知部と、を備える密集度監視装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2022/024629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載されたような装置では、CO濃度の閾値を、メッセージが報知される利用者の希望に応じて細かく設定できるようにすることで、利用者の希望に沿った環境監視を実現できるようにすることが要請されている。
【0005】
本開示は、上記事由に鑑みてなされたもので、利用者の希望に沿った環境監視が実現できる環境監視装置、環境監視システム、環境監視方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る環境監視装置は、
環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部と、
前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する環境パラメータ判定部と、
前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定する通知判定部と、
前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するメッセージ通知部と、
前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させる設定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、設定部が、端末装置から送信される、設定通知情報を取得すると、取得した設定通知情報に含まれる少なくとも1種類の環境基準情報を抽出し、抽出した少なくとも1種類の環境基準情報を、環境基準記憶部に記憶させる。また、通知判定部が、環境パラメータ判定部による判定結果に基づいて、メッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定する。そして、メッセージ通知部が、メッセージ情報を端末装置へ送信すると判定された後、環境パラメータが、環境基準情報が示す基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類のメッセージ情報の中から判定結果に基づいて少なくとも1つのメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置へ繰り返し送信する。これにより、利用者は端末装置を介して設定通知情報を送信することにより、設定通知情報に含まれる少なくとも1種類の環境基準情報が示す基準範囲に環境パラメータが収まっているか否かを監視することができるので、利用者の希望に沿った環境監視が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施の形態に係る環境監視システムの構成の一例を示す図
図2】実施の形態に係る環境監視システムのハードウェア構成を示すブロック図
図3】実施の形態に係る環境監視システムの機能構成を示すブロック図
図4】(A)は実施の形態に係るクラウドサーバの環境情報記憶部が記憶する情報の一例を示す図、(B)は実施の形態に係るクラウドサーバの環境基準記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図5】実施の形態に係る環境監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図6】実施の形態に係る環境監視システムの動作を説明するためのシーケンス図
図7】実施の形態に係る端末装置の表示部に表示される設定画面画像の一例を示す図
図8】実施の形態に係るクラウドサーバが実行する環境監視処理の流れの一例を示すフローチャート
図9】変形例に係る環境監視システムの機能構成を示すブロック図
図10】変形例に係るクラウドサーバの環境基準記憶部が記憶する情報の一例を示す図
図11】変形例に係る環境監視システムの機能構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態に係る制御システムについて図面を参照しながら説明する。本実施の形態に係る環境監視装置は、環境基準記憶部と環境パラメータ判定部と通知判定部とメッセージ通知部と設定部とを備える。環境基準記憶部は、環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する。環境パラメータ判定部は、環境パラメータが基準範囲に収まっているか否かを判定する。通知判定部は、環境パラメータ判定部による判定結果に基づいて、メッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定する。メッセージ通知部は、メッセージ情報を端末装置へ送信すると判定された後、環境パラメータが基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類のメッセージ情報の中から判定結果に基づいて少なくとも1つのメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置へ繰り返し送信する。設定部は、端末装置から送信される、少なくとも1種類の基準範囲情報を含み基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した設定通知情報に含まれる少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した少なくとも1種類の基準範囲情報を、環境基準記憶部に記憶させる。
【0010】
本実施の形態に係る制御システムは、図1に示すように、建物H内に設置された環境センサ2(2A、2B)と、端末装置5と、クラウドサーバ1と、を備える。各環境センサ2は、局所ネットワークNW2に接続されている。また、局所ネットワークNW2は、ブロードバンドルータ(以下、「BBR」と称する。)42を介して広域ネットワークNW1に接続されている。クラウドサーバ1と端末装置5は、広域ネットワークNW1を介して互いに通信可能であり、クラウドサーバ1は、広域ネットワークNW1、局所ネットワークNW2を介して環境センサ2それぞれと通信可能である。局所ネットワークNW2は、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANであり、広域ネットワークNW1は、例えばインターネットである。
【0011】
環境センサ2は、建物Hの内側の環境センサ2の周囲のCO濃度、温度、湿度の環境パラメータを計測するCOセンサ、温度センサ、湿度センサ等からなる。環境センサ2は、例えば建物H内のリビングに設置されたCO濃度を計測する環境センサ2Aと、建物H内の寝室に設置された温度を計測する環境センサ2Bと、建物H内の子供部屋に設置された湿度を計測する環境センサ2Cと、を含む。環境センサ2(2A、2B、2C)は、それぞれ、予め設定された環境情報送信時期が到来する毎に、環境センサ2(2A、2B、2C)により計測される環境パラメータを示す環境パラメータ情報と、環境センサ2(2A、2B、2C)それぞれを識別する機器識別情報と、環境センサ2(2A、2B、2C)の利用者を識別する利用者識別情報と、を含む環境情報を生成し、生成した環境情報をクラウドサーバ1へ送信する。
【0012】
クラウドサーバ1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101と、主記憶部102と、補助記憶部103と、通信部106と、計時部108と、これらを相互に接続するバス109と、を備える。CPU101は、例えばマルチコアプロセッサである。主記憶部102は、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを有し、CPU101の作業領域として使用される。補助記憶部103は、大容量の不揮発性メモリから構成され、クラウドサーバ1の各種機能を実現するためのプログラムを記憶する。通信部106は、広域ネットワークNW1に接続されている。計時部108は、後述するメッセージ情報を繰り返し端末装置5へ送信する際の通知時期を特定するための第1タイマと、後述する通知要時間帯の始期および通知不要時間帯の始期を特定するための第2タイマと、を有する。第1タイマおよび第2タイマは、それぞれ、後述する経過時間が通知されると始動し、通知された経過時間が経過するとタイムアップする。
【0013】
CPU101は、補助記憶部103が記憶するプログラムを主記憶部102に読み出して実行することにより、図3に示すように、環境情報取得部111、環境パラメータ判定部112、時期判定部113、通知判定部114、メッセージ通知部115および設定部116として機能する。また、図2に示す補助記憶部103は、図3に示すように、環境情報記憶部131と、環境基準記憶部132と、時間情報記憶部133と、メッセージ記憶部134と、を有する。環境情報記憶部131は、例えば図4(A)に示すように、環境センサ2(2A、2B、2C)それぞれにより計測される環境パラメータを示す環境パラメータ情報を、環境センサ2(2A、2B、2C)の機器識別情報と利用者識別情報とに対応づけて記憶する。図4(A)に示す例では、環境センサ2Aで計測されたCO濃度が1100ppmであり、環境センサ2Bで計測された温度が26℃であり、環境センサ2Cで計測された湿度が65%であることを示している。
【0014】
環境基準記憶部132は、例えば図4(B)に示すように、環境センサ2それぞれの計測値に対して後述のメッセージ情報を通知するか否かの判定基準となる第1基準範囲、第2基準範囲を示す第1基準範囲情報、第2基準範囲情報を、対応する環境センサ2の機器識別情報に対応づけて記憶している。図4(B)に示す例では、環境センサ2Aで計測されたCO濃度に対して、第1基準範囲が1000ppm以下、第2基準範囲が800ppm以下に設定されている。即ち、第1基準範囲の上限値が、第2基準範囲の上限値よりも大きくなるように設定されている。また、環境センサ2Bで計測された温度に対して、第1基準範囲が20℃以上30℃未満、第2基準範囲が22℃以上28℃未満に設定されている。即ち、第1基準範囲の上限値が、第2基準範囲の上限値よりも大きくなるように設定され、第1基準範囲の下限値が、第2基準範囲の下限値よりも小さくなるように設定されている。更に、環境センサ2Cで計測された湿度に対して、第1基準範囲が30%以上90%未満、第2基準範囲が50%以上70%未満に設定されている。即ち、第1基準範囲の上限値が、第2基準範囲の上限値よりも大きくなるように設定され、第1基準範囲の下限値が、第2基準範囲の下限値よりも小さくなるように設定されている。
【0015】
図3に戻って、時間情報記憶部133は、メッセージ情報の端末装置5への送信が必要とされる予め設定された通知要時間帯の始期を示す通知要時間帯情報と、メッセージ情報の端末装置5への送信が不要とされる予め設定された通知不要時間帯の始期を示す通知不要時間帯情報と、通知要時間帯、通知不要時間帯を設定した時刻を示す設定時刻情報と、を記憶する。例えば通知要時間帯が、10:00~22:00、通知不要時間帯が、22:00~24:00および0:00~10:00に設定される場合、通知要時間帯情報および通知不要時間帯情報は、それぞれ、10:00、22:00に設定される。また、時間情報記憶部133は、環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲に収まっている状態から第1基準範囲を外れた状態に遷移した後において、メッセージ情報を端末装置5へ送信する時間間隔を示す通知間隔情報も記憶する。ここで、通知間隔情報は、例えばメッセージ情報を端末装置5へ一定の時間間隔で繰り返し送信する場合における時間間隔を示し、例えば10min程度に設定される。
【0016】
メッセージ記憶部134は、予め設定された複数種類のメッセージ情報を記憶する。具体的には、メッセージ記憶部134は、環境が悪化した旨を通知するメッセージ情報、環境が改善した旨を通知するメッセージ情報、環境基準情報、通知要時間帯情報、通知不要時間帯情報または時間情報が変更された旨を通知するメッセージ情報を記憶する。
【0017】
環境情報取得部111は、環境センサ2から送信される環境情報を取得すると、取得した環境情報に含まれる環境パラメータ情報と機器識別情報と利用者識別情報とを抽出し、抽出した環境パラメータ情報と機器識別情報と利用者識別情報とを互いに対応づけて環境情報記憶部131に記憶させる。
【0018】
環境パラメータ判定部112は、環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲または第2基準範囲に収まっているか否かを判定する。具体的には、環境パラメータ判定部112は、環境センサ2により計測された計測値が前述の第1基準範囲に収まった状態から第1基準範囲から外れた状態に遷移したか否かを判定する。また、環境パラメータ判定部112は、環境センサ2により計測された計測値が前述の第2基準範囲から外れた状態から第2基準範囲に収まった状態へ遷移したか否かを判定する。
【0019】
時期判定部113は、時間情報記憶部133が記憶する通知要時間帯情報と通知不要時間帯情報と設定時刻情報とに基づいて、通知要時間帯の始期または通知不要時間帯の始期が到来したか否かを判定する。具体的には、時期判定部113は、前述の設定時刻情報が示す設定時刻が通知要時間帯に含まれる場合、設定時刻から通知不要時間帯の始期までの経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。そして、時期判定部113は、計時部108により設定時刻から通知された経過時間だけ経過したと判定されると、通知不要時間帯の始期が到来したと判定する。次に、時期判定部113は、時間情報記憶部133が記憶する通知不要時間帯情報が示す通知不要時間帯の始期から通知要時間帯情報が示す通知要時間帯の始期までの間の経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。そして、時期判定部113は、計時部108により通知不要時間帯の始期から通知された経過時間だけ経過したと判定されると、通知要時間帯の始期が到来したと判定する。続いて、時期判定部113は、時間情報記憶部133が記憶する通知要時間帯情報が示す通知要時間帯の始期から通知不要時間帯情報が示す通知不要時間帯の始期までの間の経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。このとき、計時部108は、経過時間が通知された後、通知された経過時間がセットされた前述の第2タイマを始動させ、第2タイマがタイムアップすると、通知不要時間帯の始期から通知された経過時間だけ経過したと判定する。そして、時期判定部113は、計時部108により通知要時間帯の始期から通知された経過時間だけ経過したと判定されると、通知不要時間帯の始期が到来したと判定する。以後、時期判定部113は、通知要時間帯情報、通知不要時間帯情報が更新されない限り、これらの処理を交互に繰り返す。
【0020】
一方、時期判定部113は、前述の設定時刻情報が示す設定時刻が通知不要時間帯に含まれる場合、設定時刻から通知要時間帯の始期までの経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。このとき、計時部108は、経過時間が通知された後、通知された経過時間がセットされた前述の第2タイマを始動させ、第2タイマがタイムアップすると、通知不要時間帯の始期から通知された経過時間だけ経過したと判定する。そして、時期判定部113は、計時部108により設定時刻から通知された経過時間だけ経過したと判定されると、通知要時間帯の始期が到来したと判定する。その後、時期判定部113は、通知要時間帯情報が示す通知要時間帯の始期から通知不要時間帯情報が示す通知不要時間帯の始期までの間の経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。そして、時期判定部113は、計時部108により通知要時間帯の始期から通知された経過時間だけ経過したと判定されると、通知不要時間帯の始期が到来したと判定する。続いて、時期判定部113は、通知不要時間帯情報が示す通知不要時間帯の始期から通知要時間帯情報が示す通知要時間帯の始期までの間の経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。そして、時期判定部113は、計時部108により通知不要時間帯の始期から通知された経過時間だけ経過したと判定されると、通知要時間帯の始期が到来したと判定する。以後、時期判定部113は、通知要時間情報、通知不要時間情報が更新されない限り、これらの処理を交互に繰り返す。
【0021】
また、時期判定部113は、時間情報記憶部133が記憶する通知間隔情報に基づいて、メッセージ情報を端末装置5へ送信する通知時期が到来したか否かを判定する。具体的には、時期判定部113は、メッセージ情報が端末装置5へ送信された後、通知間隔情報が示す通知間隔を計時部108に通知する。このとき、計時部108は、経過時間が通知された後、通知された経過時間がセットされた前述の第1タイマを始動させ、第1タイマがタイムアップすると、通知間隔に相当する時間が経過したと判定する。そして、時期判定部113は、計時部108によりメッセージ情報を端末装置5へ送信した時点から通知間隔に相当する時間が経過したと判定されると、通知時期が到来したと判定し、判定結果を通知判定部114に通知する。次に、時期判定部113は、再び通知間隔情報が示す通知間隔を計時部108に通知し、計時部108により先に到来した通知時期から通知間隔に相当する時間が経過したと判定されると、再び通知時期が到来したと判定し、判定結果を通知判定部114に通知する。
【0022】
通知判定部114は、環境パラメータ判定部112による判定結果および時期判定部113による判定結果に基づいて、メッセージ情報を端末装置5へ送信するか否かを判定する。具体的には、通知判定部114は、環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲の第1上限値以下の状態から第1上限値を超えた状態へ遷移した場合、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定する。また、通知判定部114は、環境センサ2により計測された計測値が第2基準範囲の第2上限値を超えた状態から第2上限値以下の状態へ遷移した場合にも、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定する。例えば、図4(B)に示すように、環境センサ2Aで計測されたCO2濃度に対して、第1基準範囲が1000ppm以下、第2基準範囲が800ppm以下に設定されているとする。この場合、通知判定部114は、計測値が1000ppm以下の状態から1000ppmを超えた状態に遷移した場合、計測値が800ppmを超えた状態から800ppm以下の状態に遷移した場合にメッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定する。
【0023】
更に、通知判定部114は、環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲の第1下限値以上の状態から第1下限値未満の状態へ遷移した場合、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定する。また、通知判定部114は、環境センサ2により計測された計測値が第2基準範囲の第2下限値未満の状態から第2下限値以上の状態へ遷移した場合にも、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定する。例えば、図4(B)に示すように、環境センサ2Bで計測された温度に対して、第1基準範囲が20℃以上30℃未満、第2基準範囲が22℃以上28℃未満に設定されているとする。この場合、通知判定部114は、計測値が20℃以上の状態から20℃未満の状態に遷移した場合、計測値が22℃未満の状態から22℃以上の状態に遷移した場合にメッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定する。
【0024】
更に、通知判定部114は、環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲内に収まっている状態から第1基準範囲を外れた状態に遷移した後、当該計測値が第1基準範囲を外れている状態を維持している限り、時期判定部113により通知時期が到来したと判定される毎に、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定する。また、通知判定部114は、前述の通知要時間帯の始期が到来したと判定された後、通知要時間帯が終了するまでの間、環境パラメータ判定部112による判定結果に基づいて、メッセージ情報を端末装置5へ送信するか否かを判定する。一方、通知判定部114は、通知不要時間帯の始期が到来したと判定された後、通知不要時間帯が終了するまでの間、環境パラメータ判定部112による判定結果に関わらず、メッセージ情報を端末装置5へ送信しないと判定する。
【0025】
メッセージ通知部115は、通知判定部114により環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲内に収まっている状態から第1基準範囲を外れた状態に遷移することでメッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定された後、計測値が第1基準範囲を外れている状態が継続する限り、時期判定部113により通知時期が到来したと判定される毎に、メッセージ記憶部134が記憶する複数種類のメッセージ情報の中から通知判定部114による判定結果に基づいて少なくとも1つのメッセージ情報を選出する。そして、メッセージ通知部115は、選出したメッセージ情報を端末装置5へ繰り返し送信する。また、メッセージ通知部115は、前述の計測値が第1基準範囲に収まっている状態から第1基準範囲から外れた状態へ遷移し且つメッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定された場合、環境が悪化したことを通知するためのメッセージ情報を選出する。一方、メッセージ通知部115は、計測値が第2基準範囲から外れた状態から第2基準範囲に収まった状態へ遷移し且つメッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定された場合、環境が改善したことを通知するためのメッセージ情報を選出する。
【0026】
設定部116は、端末装置5から送信される、新たな第1基準範囲情報と第2基準範囲情報との少なくとも一方と利用者識別情報とを含み、第1基準範囲、第2基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した設定通知情報に含まれる第1基準範囲情報と第2基準範囲情報との少なくとも一方と利用者識別情報とを抽出する。そして、設定部116は、抽出した第1基準範囲情報と第2基準範囲情報との少なくとも一方を、抽出した利用者識別情報に対応づけて環境基準記憶部132に記憶させる。なお、設定部116は、予め設定された第1基準範囲、第2基準範囲を示す第1基準範囲情報、第2基準範囲情報を、それぞれ、これらを識別する第1基準範囲識別情報、第2基準範囲識別情報と対応づけて管理するものであってもよい。この場合、設定部116は、端末装置5から第1基準範囲識別情報、第2基準範囲識別情報を含む設定通知情報を取得し、取得した設定通知情報に含まれる第1基準範囲識別情報、第2基準範囲識別情報、利用者識別情報を抽出する。そして、設定部116は、抽出した第1基準範囲識別情報、第2基準範囲識別情報の少なくとも一方に対応づけられた第1基準範囲情報、第2基準範囲情報の少なくとも一方を特定し、特定した第1基準範囲情報と第2基準範囲情報との少なくとも一方を、抽出した利用者識別情報に対応づけて環境基準記憶部132に記憶させるようにすればよい。
【0027】
図2に戻って、端末装置5は、例えばスマートフォンであり、CPU501と、主記憶部502と、補助記憶部503と、表示部504と、入力部505と、通信部506と、これらを互いに接続するバス509と、を備える。主記憶部502は、RAMのような揮発性メモリを有し、CPU501の作業領域として使用される。また、主記憶部502は、表示部504に表示させる画像情報を一時的に記憶する画像専用メモリ(図示せず)を有する。補助記憶部503は、半導体フラッシュメモリのような不揮発性メモリであり、CPU501が各種処理を実行するためのプログラムを記憶する。表示部504は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である。入力部505は、例えば表示部504に重ねて配置される透明なタッチパッドである。通信部506は、広域ネットワークNW1に接続され、CPU501から転送される情報を、広域ネットワークNW1を介してクラウドサーバ1へ送信したり、クラウドサーバ1から広域ネットワークNW1を介して受信した情報をCPU501へ転送したりする。
【0028】
CPU501は、補助記憶部503が記憶するプログラムを主記憶部502に読み出して実行することにより、図3に示すように、メッセージ取得部511、表示制御部512、設定選択部513および設定通知部514として機能する。また、図2に示す補助記憶部503は、図3に示すように、メッセージ記憶部531と、設定情報記憶部532と、を有する。メッセージ記憶部531は、クラウドサーバ1から送信されるメッセージ情報を記憶する。設定情報記憶部532は、予め設定された複数種類の環境基準情報と、予め設定された複数種類の通知間隔情報と、を記憶する。
【0029】
メッセージ取得部511は、クラウドサーバ1から送信されるメッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報をメッセージ記憶部531に記憶させる。表示制御部512は、メッセージ記憶部531が新たにメッセージ情報を記憶すると、当該メッセージ情報を用いてメッセージ通知画像を形成して表示部504に表示させる。また、表示制御部512は、利用者の入力部505に対して行った、環境基準情報、通知要時間帯、通知不要時間帯、通知間隔の設定変更を行うための設定変更準備操作を受け付けると、これに応じて、設定変更画像を形成して表示部504に表示させる。
【0030】
設定選択部513は、前述の設定変更画像が表示部504に表示されている状態で、利用者が入力部505に対して行った、環境基準情報、通知要時間帯、通知不要時間帯および通知間隔のうちの少なくとも1つの設定変更を行う設定変更操作を受け付けると、設定変更操作の操作内容に基づいて、前述の設定通知情報を生成する。そして、設定選択部513は、生成した設定通知情報を設定内容記憶部533に記憶させる。設定通知部514は、設定内容記憶部533が記憶する設定通知情報を、クラウドサーバ1へ送信する。ここで、設定選択部513は、環境基準情報の設定の際、具体的な数値範囲を設定するのではなく、例えば「広範囲設定」、「狭範囲設定」のように予め設定された範囲の中から選択する設定変更操作を受け付けると、受け付けた範囲を識別する第1基準範囲識別情報、第2基準範囲識別情報を特定し、特定した第1基準範囲識別情報、第2基準範囲識別情報をクラウドサーバ1へ送信するものであってもよい。
【0031】
次に、本実施の形態に係る環境監視システムの動作について、図5から図7を参照しながら説明する。まず、図7に示すように、環境情報送信時期が到来すると、環境センサ2は、環境センサ2の周囲の環境パラメータを計測し、計測した環境パラメータを示す環境パラメータ情報と環境センサ2を識別する機器識別情報とを含む環境情報を生成する(ステップS1)。次に、生成された環境情報が、環境センサ2からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS2)。一方、クラウドサーバ1は、環境センサ2から送信される環境情報を取得すると、取得した環境情報に含まれる環境パラメータ情報と機器識別情報とを用いて環境情報記憶部131が記憶する環境パラメータ情報を更新する(ステップS3)。次に、クラウドサーバ1が、環境センサ2により計測された環境パラメータが第1基準範囲内の状態から第1基準範囲外の状態に遷移したと判定したとする(ステップS4)。この場合、クラウドサーバ1が、環境が悪化したことを通知するためのメッセージ情報を選出し(ステップS5)、選出されたメッセージ情報が、クラウドサーバ1から端末装置5へ送信される(ステップS6)。続いて、クラウドサーバ1は、時間情報記憶部133が記憶する通知間隔情報が示す通知間隔を特定した上で、計時部108による、次にメッセージ情報を端末装置5へ送信する通知時期の到来を判定するための計時を開始する(ステップS7)。一方、端末装置5は、メッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報に基づいて環境が悪化した旨を利用者に通知するためのメッセージ通知画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS8)。
【0032】
その後、クラウドサーバ1は、計時部108により計時されたメッセージ情報を送信した時点からの経過時間が、通知間隔情報の示す通知間隔に到達し、再び通知時期が到来したと判定したとする(ステップS9)。この場合、クラウドサーバ1は、計時部108により計時された経過時間をクリアする。そして、クラウドサーバ1が、環境センサ2により計測された環境パラメータが未だ第2基準範囲外であると判定したとする(ステップS10)。この場合、クラウドサーバ1が、再び、環境が悪化したことを通知するためのメッセージ情報を選出し(ステップS11)、選出されたメッセージ情報が、クラウドサーバ1から端末装置5へ送信される(ステップS12)。続いて、クラウドサーバ1は、時間情報記憶部133が記憶する通知間隔情報が示す通知間隔を特定した上で、再び計時部108による、次にメッセージ情報を端末装置5へ送信する通知時期の到来を判定するための計時を開始する(ステップS13)。一方、端末装置5は、メッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報に基づいて環境が悪化した旨を利用者に通知するためのメッセージ通知画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS14)。
【0033】
その後、再び環境情報送信時期が到来すると、前述のステップS1からS3までの一連の処理が実行される。次に、クラウドサーバ1が、環境センサ2により計測された環境パラメータが第2基準範囲外の状態から第2基準範囲内の状態に遷移したと判定したとする(ステップS15)。この場合、クラウドサーバ1が、環境が改善したことを通知するためのメッセージ情報を選出し(ステップS16)、選出されたメッセージ情報が、クラウドサーバ1から端末装置5へ送信される(ステップS17)。続いて、図6に示すように、クラウドサーバ1は、計時部108によるメッセージ情報を端末装置5へ送信する通知時期の到来を判定するための計時を停止する(ステップS18)。一方、端末装置5は、メッセージ情報を取得すると、取得したメッセージ情報に基づいて環境が改善した旨を利用者に通知するためのメッセージ通知画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS19)。
【0034】
また、利用者が、端末装置5の入力部505に対して、環境基準情報、通知要時間帯、通知不要時間帯、通知間隔の設定変更を行うための設定変更準備操作を行うと、端末装置5は、当該設定変更準備操作を受け付けて、設定変更画像を形成して表示部504に表示させる(ステップS20)。ここで、端末装置5は、例えば図7に示すような設定変更画像GA1を表示部504に表示させる。設定変更画像GA1は、メッセージ情報の端末装置5への送信を行う曜日を設定するために選択される釦画像BU11と、通知要時間帯の始期を設定する際に選択される釦画像BU12と、通知不要時間帯の始期を設定する際に選択される釦画像BU13と、通知間隔を設定する際に選択される釦画像BU14と、を含む。利用者は、表示部504に設定変更画像GA1が表示されている状態で、タッチパッドである入力部505におけるメッセージ情報の送信を行う曜日に対応する釦画像BU11に対応する部分をタッチすることにより、メッセージ情報の送信を行う曜日を設定することができる。また、利用者は、表示部504に設定変更画像GA1が表示されている状態で、入力部505における釦画像BU12に対応する部分をタッチした後、入力部505を介して通知要時間帯の始期を示す時刻を入力する操作を行うことにより、通知要時間帯の始期を設定することができる。更に、利用者は、表示部504に設定変更画像GA1が表示されている状態で、入力部505における釦画像BU13に対応する部分をタッチした後、入力部505を介して通知不要時間帯の始期を示す時刻を入力する操作を行うことにより、通知不要時間帯の始期を設定することができる。また、利用者は、表示部504に設定変更画像GA1が表示されている状態で、入力部505における釦画像BU14に対応する部分をタッチした後、入力部505を介して予め設定された複数種類の通知間隔のうちのいずれか1つを選択する操作を行うことにより、通知間隔を設定することができる。
【0035】
また、設定変更画像GA1は、CO濃度についての判定を行うか否かを設定するために選択される釦画像BU21と、CO濃度についての第1基準範囲を設定するために選択される釦画像BU22と、を含む。更に、設定変更画像GA1は、温度についての判定を行うか否かを設定するために選択される釦画像BU31と、温度について第1基準範囲を設定するために選択される釦画像BU32と、を含む。また、設定変更画像GA1は、湿度についての判定を行うか否かを設定するために選択される釦画像BU41と、湿度について第1基準範囲を設定するために選択される釦画像BU42と、を含む。利用者は、表示部504に設定変更画像GA1が表示されている状態で、入力部505における釦画像BU22、BU32、BU42に対応する部分をタッチした後、入力部505を介して各環境パラメータに対する第1基準範囲の上限値を入力する操作を行うことにより、各環境パラメータに対する第1基準範囲の上限値を設定することができる。
【0036】
図6に戻って、利用者が、前述の設定変更画像が表示部504に表示されている状態で、利用者が入力部505に対して行った、環境基準情報、通知要時間帯、通知不要時間帯および通知間隔のうちの少なくとも1つの設定変更を行う設定変更操作を受け付けると、設定変更操作の操作内容に基づいて、前述の設定通知情報を生成する(ステップS21)。その後、生成された設定通知情報が、端末装置5からクラウドサーバ1へ送信される(ステップS22)。一方、クラウドサーバ1は、設定通知情報を取得すると、取得した設定通知情報に含まれる環境基準情報、通知要時間帯情報、通知不要時間帯情報および通知間隔情報のうちの少なくとも1つを用いて、環境基準記憶部132が記憶する環境基準情報、時間情報記憶部133が記憶する通知要時間帯情報、通知不要時間帯情報、通知間隔情報を更新する(ステップS23)。次に、クラウドサーバ1が、環境センサ2により計測された環境パラメータが第1基準範囲内の状態から第1基準範囲外の状態に遷移したと判定したとする(ステップS24)。この場合、再びステップS5からS8までの一連の処理が実行される。
【0037】
また、クラウドサーバ1は、通知不要時間帯の始期が到来したと判定すると(ステップS25)、通知不要時間帯情報が示す通知不要時間帯の始期から通知要時間帯情報が示す通知要時間帯の始期までの間の経過時間を算出し、通知不要時間帯の始期からの経過時間の計時を開始する(ステップS26)。続いて、クラウドサーバ1は、通知要時間帯の始期が到来したと判定したとする(ステップS27)。そして、クラウドサーバ1が、環境センサ2により計測された環境パラメータが第1基準範囲内の状態から第1基準範囲外のであると判定したとする(ステップS28)。この場合、再びステップS5からS8までの一連の処理が実行される。
【0038】
次に、本実施の形態に係るクラウドサーバ1が実行する環境監視処理について、図8を参照しながら説明する。なお、この環境監視処理は、クラウドサーバ1において環境監視処理を実行するためのプログラムが起動されたことを契機として開始される。まず、環境情報取得部111は、環境センサ2から送信される環境情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、環境情報取得部111が、環境情報を取得していないと判定すると(ステップS101:No)、後述のステップS106の処理が実行される。一方、環境情報取得部111は、環境情報を取得したと判定すると(ステップS101:Yes)、取得した環境情報に含まれる環境パラメータ情報と機器識別情報と利用者識別情報とを抽出し、環境情報記憶部131が記憶する、抽出した機器識別情報と利用者識別情報との組み合わせに対応する環境パラメータ情報を、抽出した環境パラメータ情報で更新する(ステップS102)。
【0039】
次に、環境パラメータ判定部112は、環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲内の状態から第1基準範囲外の状態へ遷移したか否かを判定する(ステップS103)。ここで、環境パラメータ判定部112が、計測値が第1基準範囲内の状態から第1基準範囲外の状態へ遷移していないと判定すると(ステップS103:No)、後述のステップS106の処理が実行される。一方、環境パラメータ判定部112が、計測値が第1基準範囲内の状態から第1基準範囲外の状態へ遷移したと判定したとする(ステップS103:Yes)。この場合、メッセージ通知部115は、メッセージ記憶部134が記憶する複数種類のメッセージ情報の中から、環境が悪化したことを通知するためのメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置5へ送信する(ステップS104)。続いて、時期判定部113は、時間情報記憶部133が記憶する通知間隔情報が示す通知間隔を特定し、特定した通知間隔を計時部108に通知する。そして、計時部108は、次にメッセージ情報を端末装置5へ送信する通知時期の到来を判定するための計時を開始する(ステップS105)。その後、時期判定部113は、計時部108によりメッセージ情報を端末装置5へ送信した時点から前述の通知間隔に相当する時間が経過したか否か、即ち、次の通知時期が到来したか否かを判定する(ステップS106)。ここで、時期判定部113は、次の通知時期が到来したと判定すると(ステップS106:Yes)、再びステップS104の処理が実行される。
【0040】
一方、時期判定部113が、未だ次の通知時期が到来していないと判定すると(ステップS106:No)、環境パラメータ判定部112が、環境センサ2により計測された計測値が第2基準範囲外の状態から第2基準範囲内の状態へ遷移したか否かを判定する(ステップS107)。ここで、環境パラメータ判定部112が、計測値が第2基準範囲外の状態から第2基準範囲内の状態へ遷移していないと判定すると(ステップS107:No)、再びステップS104の処理が実行される。一方、環境パラメータ判定部112が、計測値が第2基準範囲外の状態から第2基準範囲内の状態へ遷移したと判定したとする(ステップS107:Yes)。この場合、メッセージ通知部115は、メッセージ記憶部134が記憶する複数種類のメッセージ情報の中から、環境が改善したことを通知するためのメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置5へ送信する(ステップS108)。次に、計時部108は、メッセージ情報を端末装置5へ送信する通知時期の到来を判定するための計時を停止する(ステップS109)。
【0041】
続いて、設定部116は、端末装置5から送信される前述の設定通知情報を取得したか否かを判定する(ステップS110)。ここで、設定部116は、設定通知情報を取得したと判定すると(ステップS110:Yes)、取得した設定通知情報に含まれる第1基準範囲情報と第2基準範囲情報との少なくとも一方と利用者識別情報とを抽出する。そして、設定部116は、抽出した第1基準範囲情報と第2基準範囲情報との少なくとも一方を、抽出した利用者識別情報に対応づけて環境基準記憶部132に記憶させる(ステップS111)。その後、再びステップS103の処理が実行される。
【0042】
一方、設定部116が、設定通知情報を取得していないと判定したとする(ステップS110:No)。この場合、時期判定部113は、計時部108により計時された設定時刻或いは通知要時間帯の始期からの経過時間が、通知要時間帯の始期から通知不要時間帯の始期までの間の経過時間に到達したか否か、即ち、通知不要時間帯の始期が到来したか否かを判定する(ステップS112)。ここで、時期判定部113が、未だ通知不要時間帯の始期が到来していないと判定すると(ステップS112:No)、後述のステップS114の処理が実行される。一方、時期判定部113は、通知不要時間帯の始期が到来したと判定すると(ステップS112:Yes)、時間情報記憶部133が記憶する通知不要時間帯情報が示す通知不要時間帯の始期から通知要時間帯情報が示す通知要時間帯の始期までの間の経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。そして、計時部108が、通知不要時間帯の始期からの経過時間の計時を開始する(ステップS113)。その後、時期判定部113は、計時部108により計時された設定時刻或いは通知不要時間帯の始期からの経過時間が、通知不要時間帯の始期から通知要時間帯の始期までの間の経過時間に到達したか否か、即ち、通知要時間帯の始期が到来したか否かを判定する(ステップS114)。ここで、時期判定部113が、未だ通知要時間帯の始期が到来していないと判定する限り(ステップS114:No)、ステップS114の処理が繰り返し実行される。一方、時期判定部113は、通知要時間帯の始期が到来したと判定すると(ステップS114:Yes)、時間情報記憶部133が記憶する通知要時間帯情報が示す通知要時間帯の始期から通知不要時間帯情報が示す通知不要時間帯の始期までの間の経過時間を算出し、算出した経過時間を計時部108に通知する。そして、計時部108が、通知要時間帯の始期からの経過時間の計時を開始する(ステップS115)。次に、再びステップS101の処理が実行される。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態に係る環境監視システムによれば、設定部116が、端末装置5から送信される環境基準情報を含む設定通知情報を取得すると、取得した設定通知情報に含まれる環境基準情報を抽出し、抽出した環境基準情報を、環境基準記憶部132に記憶させる。また、設定部116が、端末装置5から送信される通知要時間帯情報、通知不要時間帯情報および通知間隔情報のうちの少なくとも1つを含む設定通知情報を取得すると、取得した設定通知情報に含まれる通知要時間帯情報、通知不要時間帯情報および通知間隔情報のうちの少なくとも1つを抽出し、抽出した通知要時間帯情報、通知不要時間帯情報および通知間隔情報のうちの少なくとも1つを、時間情報記憶部133に記憶させる。更に、通知判定部114が、環境パラメータ判定部112による判定結果に基づいて、メッセージ情報を端末装置5へ送信するか否かを判定する。そして、メッセージ通知部115が、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定された後、環境パラメータが、環境基準情報が示す第1基準範囲または第2基準範囲を外れている限り、メッセージ記憶部134が記憶する複数種類のメッセージ情報の中から判定結果に基づいて少なくとも1つのメッセージ情報を選出し、選出したメッセージ情報を端末装置5へ繰り返し送信する。これにより、利用者は端末装置5を介して設定通知情報を送信することにより、設定通知情報に含まれる環境基準情報が示す第1基準範囲、第2基準範囲に環境パラメータが収まっているか否かを監視することができるので、利用者の希望に沿った環境監視が実現できる。
【0044】
また、本実施の形態では、例えばCO濃度、温度、湿度に対する第1基準範囲の第1上限値が、それぞれ、CO濃度、温度、湿度に対する第2基準範囲の第2上限値よりも大きい。また、温度、湿度に対する第1基準範囲の第1下限値は、それぞれ、温度、湿度に対する第2基準範囲の第2下限値よりも小さい。そして、通知判定部114は、環境センサ2により計測されたCO濃度、温度、湿度の計測値が第1上限値以下の状態から第1上限値を超えた状態へ遷移した場合、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定し、メッセージ通知部115が、環境が悪化したことを通知するためのメッセージ情報を選出して端末装置5へする。また、通知判定部114は、環境センサ2により計測されたCO濃度、温度、湿度の計測値が第2基準範囲の第2上限値を超えた状態から第2上限値以下の状態へ遷移した場合、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定し、メッセージ通知部115が、環境が改善したことを通知するためのメッセージ情報を選出して端末装置5へする。更に、通知判定部114は、環境センサ2により計測された温度、湿度の計測値が第1基準範囲の第1下限値以上の状態から第1下限値未満の状態へ遷移した場合、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定し、メッセージ通知部115が、環境が悪化したことを通知するためのメッセージ情報を選出して端末装置5へする。また、環境センサ2により計測された温度、湿度の計測値が第2基準範囲の第2下限値未満の状態から第2下限値以上の状態へ遷移した場合、メッセージ情報を端末装置5へ送信すると判定し、メッセージ通知部115が、環境が改善したことを通知するためのメッセージ情報を選出して端末装置5へする。これにより、環境センサ2による計測対象の環境が悪化している状態において、環境センサ2による計測値が突発的に改善した場合に誤って環境が改善したことを通知するためのメッセージ情報が誤って端末装置5へ送信されてしまうことが抑制される。
【0045】
更に、本実施の形態に係る環境パラメータ判定部112は、第1基準範囲情報が環境基準記憶部132に新たに記憶されると、新たに記憶された第1基準情報に基づいて、環境センサ2により計測された計測値が、第1基準範囲情報が示す第1基準範囲に収まっているか否かを判定する。また、環境パラメータ判定部112は、第2基準情報が環境基準記憶部132に新たに記憶されると、新たに記憶された第2基準範囲情報に基づいて、環境センサ2により計測された計測値が、第2基準範囲に収まっているか否かを判定する。これにより、利用者が新たに設定した第1基準範囲と第2基準範囲とが、環境監視システムによる環境監視にリアルタイムで反映されるので、利用者の希望に沿った環境監視が継続的に実施されるという利点がある。
【0046】
また、本実施の形態に係る時期判定部113は、時間情報記憶部133が記憶する通知要時間帯情報と通知不要時間帯情報とに基づいて、通知要時間帯の始期または通知不要時間帯の始期が到来したか否かを判定する。そして、通知判定部114は、通知要時間帯の始期が到来したと判定された後、環境パラメータ判定部112による判定結果に基づいて、メッセージ情報を端末装置5へ送信するか否かを判定し、通知不要時間帯の始期が到来したと判定された後、環境パラメータ判定部112による判定結果に関わらず、メッセージ情報を端末装置5へ送信しないと判定する。これにより、利用者にとって不必要なメッセージ情報が端末装置5へ送信されることが抑制されるので、利用者の利便性を高めることができる。
【0047】
更に、本実施の形態に係る時期判定部113は、時間情報記憶部133が記憶する通知間隔情報に基づいて、メッセージ情報を端末装置5へ送信する通知時期が到来したか否かを判定する。そして、メッセージ通知部115は、環境センサ2により計測された計測値が第1基準範囲を外れた後、第2基準範囲を外れている限り、通知時期が到来したと判定される毎に、環境が悪化したことを通知するためのメッセージ情報を選出して端末装置5へ繰り返し送信する。これにより、利用者に対して環境センサ2による計測対象の環境が悪化していることが繰り返し通知されるので、当該環境が悪化した状態が放置されることを抑制できる。
【0048】
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は前述の実施の形態によって限定されるものではない。例えば、図9に示すクラウドサーバ2001のように、環境センサ2により計測された計測値と、予め設定された温熱指標を算出するための計算式と、に基づいて、温熱指標を環境パラメータとして算出する温熱指標算出部2117を備えるものであってもよい。なお、図9において、実施の形態と同様の構成については図3と同一の符号を付している。クラウドサーバ2001は、温熱指標を算出する際の計算式を示す情報を記憶する計算式記憶部2135と、温熱指標算出部2117により算出された温熱指標を示す環境パラメータ情報を、当該温熱指標を識別する温熱指標識別情報に対応づけて記憶する温熱指標記憶部2136と、を備える。
【0049】
環境基準記憶部2132は、例えば図10に示すように、環境センサ2それぞれの計測値に対する第1基準範囲、第2基準範囲を示す第1基準範囲情報、第2基準範囲情報とともに、算出された温熱指標に対する第1基準範囲、第2基準範囲を示す第1基準範囲情報、第2基準範囲情報を、対応する温熱指標を識別する温熱指標識別情報に対応づけて記憶している。図10に示す例では、不快指数に対して、第1基準範囲が80未満、第2基準範囲が75未満に設定されている。温熱指標算出部2117は、環境情報記憶部131が記憶する環境パラメータ情報が示す計測値から、計算式記憶部2135が記憶する情報が示す温熱指標を計算するための計算式を用いて計算することにより温熱指標を算出する。そして、温熱指標算出部2117は、算出した温熱指標情報を、温熱指標識別情報に対応づけて温熱指標記憶部2136に記憶させる。
【0050】
本変形例では、環境パラメータ判定部2112は、環境センサ2により計測された計測値と温熱指標算出部2117により算出された温熱指標とのそれぞれが第1基準範囲または第2基準範囲に収まっているか否かを判定する。具体的には、環境パラメータ判定部2112は、環境センサ2により計測された計測値または温熱指標が前述の第1基準範囲に収まった状態から第1基準範囲から外れた状態に遷移したか否かを判定するとともに、環境センサ2により計測された計測値または温熱指標が前述の第2基準範囲から外れた状態から第2基準範囲に収まった状態へ遷移したか否かを判定する。
【0051】
本構成によれば、温熱指標に基づくメッセージ情報の端末装置5への送信が可能となるので、利用者の希望により細かく対応することができる。
【0052】
実施の形態において、例えば図11に示すクラウドサーバ3001のように、環境センサ2とクラウドサーバ3001との間の通信状態を監視する通信状態監視部3118を備えるものであってもよい。そして、通知判定部3114が、環境センサ2とクラウドサーバ3001との通信が遮断されていると判定されると、環境パラメータ判定部112による判定結果に関わらず、メッセージ情報を端末装置5へ送信しないと判定するものであってもよい。
【0053】
本構成によれば、環境センサ2とクラウドサーバ3001との間の通信が遮断されていることに起因して誤ったメッセージ情報が端末装置5へ送信されてしまうことを抑制できる。
【0054】
実施の形態では、環境パラメータ判定部112が、互いに異なる第1基準範囲、第2基準範囲に基づいて判定を行う例について説明した。但し、これに限らず、環境パラメータ判定部112が、1つの基準範囲に基づいて判定を行うものであってもよい。或いは、環境パラメータ判定部112が、互いに異なる3種類以上の基準範囲に基づいて判定を行うものであってもよい。
【0055】
また、本開示に係るクラウドサーバ1、2001、3001、端末装置5の各種機能は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、ネットワークに接続されているコンピュータに、上記動作を実行するためのプログラムを、コンピュータシステムが読み取り可能な非一時的な記録媒体(CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等)に格納して配布し、当該プログラムをコンピュータシステムにインストールすることにより、上述の処理を実行するクラウドサーバ1、2001、3001、端末装置5を構成してもよい。
【0056】
また、コンピュータにプログラムを提供する方法は任意である。例えば、プログラムは、通信回線の掲示版(BBS(Bulletin Board System))にアップロードされ、通信回線を介してコンピュータに配信されてもよい。そして、コンピュータは、このプログラムを起動して、OS(Operating System)の制御の下、他のアプリケーションと同様に実行する。これにより、コンピュータは、上述の処理を実行するクラウドサーバ1、2001、3001または端末装置5して機能する。
【0057】
以上、本開示の各実施の形態および変形例について説明したが、本開示はこれらに限定されるものではない。本開示は、実施の形態および変形例が適宜組み合わされたもの、それに適宜変更が加えられたものを含む。
【0058】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0059】
(付記1)
環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部と、
前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する環境パラメータ判定部と、
前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定する通知判定部と、
前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するメッセージ通知部と、
前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させる設定部と、を備える、
環境監視装置。
(付記2)
前記環境センサにより計測された計測値と、予め設定された温熱指標を算出するための計算式と、に基づいて、前記温熱指標を前記環境パラメータとして算出する温熱指標算出部を更に備える、
付記1に記載の環境監視装置。
(付記3)
前記通知判定部は、前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっている状態から前記基準範囲から外れた状態へ遷移した場合、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定する、
付記1または付記2に記載の環境監視装置。
(付記4)
前記少なくとも1種類の基準範囲情報は、第1基準範囲を示す第1基準範囲情報と、第2基準範囲を示す第2基準範囲情報と、を含み、
前記第1基準範囲の第1上限値は、前記第2基準範囲の第2上限値よりも大きく、
前記通知判定部は、前記環境パラメータが前記第1上限値以下の状態から前記第1上限値を超えた状態へ遷移した場合、および、前記環境パラメータが前記第2上限値を超えた状態から前記第2上限値以下の状態へ遷移した場合、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定する、
付記3に記載の環境監視装置。
(付記5)
前記第1基準範囲の第1下限値は、前記第2基準範囲の第2下限値よりも小さく、
前記通知判定部は、前記環境パラメータが前記第1下限値以上の状態から前記第1下限値未満の状態へ遷移した場合、および、前記環境パラメータが前記第2下限値未満の状態から前記第2下限値以上の状態へ遷移した場合、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定する、
付記4に記載の環境監視装置。
(付記6)
前記メッセージ通知部は、前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっている状態から前記基準範囲から外れた状態へ遷移し且つ前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された場合、環境が悪化したことを通知するための前記メッセージ情報を選出し、前記環境パラメータが前記基準範囲から外れた状態から前記基準範囲に収まった状態へ遷移し且つ前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された場合、環境が改善したことを通知するための前記メッセージ情報を選出する、
付記3から付記5のいずれかに記載の環境監視装置。
(付記7)
前記環境パラメータ判定部は、前記少なくとも1種類の基準範囲情報が、前記環境基準記憶部に新たに記憶されると、前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する、
付記1から付記6のいずれかに記載の環境監視装置。
(付記8)
前記メッセージ情報の前記端末装置への送信が必要とされる予め設定された通知要時間帯を示す通知要時間帯情報と、前記メッセージ情報の前記端末装置への送信が不要とされる予め設定された通知不要時間帯を示す通知不要時間帯情報と、を記憶する時間情報記憶部と、
前記通知要時間帯情報と前記通知不要時間帯情報とに基づいて、前記通知要時間帯の始期または前記通知不要時間帯の始期が到来したか否かを判定する時期判定部と、を更に備え、
前記通知判定部は、前記通知要時間帯の始期が到来したと判定された後、前記判定結果に基づいて、前記メッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定し、前記通知不要時間帯の始期が到来したと判定された後、前記判定結果に関わらず、前記メッセージ情報を端末装置へ送信しないと判定する、
付記1から付記7のいずれかに記載の環境監視装置。
(付記9)
環境パラメータが基準範囲を外れている場合における前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信する時間間隔を示す通知間隔情報を記憶する時間情報記憶部と、
前記通知間隔情報に基づいて、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信する通知時期が到来したか否かを判定する時期判定部と、を更に備え、
前記メッセージ通知部は、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、前記通知時期が到来したと判定される毎に、複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信する、
付記1から付記8のいずれかに記載の環境監視装置。
(付記10)
前記設定部は、前記端末装置から送信される、前記通知間隔情報を含み前記通知時期の設定を通知するための前記設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記通知間隔情報を抽出し、抽出した前記通知間隔情報を、前記時間情報記憶部に記憶させる、
付記9に記載の環境監視装置。
(付記11)
前記環境センサとの通信状態を監視する通信状態監視部を更に備え、
前記通知判定部は、前記環境センサとの通信が遮断されていると判定されると、前記判定結果に関わらず、前記メッセージ情報を端末装置へ送信しないと判定する、
付記1から付記10のいずれかに記載の環境監視装置。
(付記12)
端末装置と、
環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部と、
前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する環境パラメータ判定部と、
前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を前記端末装置へ送信するか否かを判定する通知判定部と、
前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するメッセージ通知部と、
前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させる設定部と、を備える、
環境監視システム。
(付記13)
前記端末装置は、
利用者による設定変更操作に応じて、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を選択する設定選択部と、
選択された前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含む前記設定通知情報を生成し、生成した設定通知情報を送出する設定通知部と、を有する、
付記12に記載の環境監視システム。
(付記14)
環境監視装置が、環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータが 前記環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部が記憶する前記少なくとも1種類の基準範囲情報が示す前記基準範囲に収まっているか否かを判定するステップと、
前記環境監視装置が、前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定するステップと、
前記環境監視装置が、前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するステップと、
前記環境監視装置が、前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させるステップと、を含む、
環境監視方法。
(付記15)
コンピュータを、
環境センサにより計測された計測値を含む環境パラメータに対する基準範囲を示す少なくとも1種類の基準範囲情報を記憶する環境基準記憶部、
前記環境パラメータが前記基準範囲に収まっているか否かを判定する環境パラメータ判定部、
前記判定の判定結果に基づいて、前記環境パラメータに関するメッセージ情報を端末装置へ送信するか否かを判定する通知判定部、
前記メッセージ情報を前記端末装置へ送信すると判定された後、前記環境パラメータが前記基準範囲を外れている限り、予め設定された複数種類の前記メッセージ情報の中から前記判定結果に基づいて少なくとも1つの前記メッセージ情報を選出し、選出した前記メッセージ情報を前記端末装置へ繰り返し送信するメッセージ通知部、
前記端末装置から送信される、前記少なくとも1種類の基準範囲情報を含み、前記基準範囲の設定を通知するための設定通知情報を取得すると、取得した前記設定通知情報に含まれる前記少なくとも1種類の基準範囲情報を抽出し、抽出した前記少なくとも1種類の基準範囲情報を、前記環境基準記憶部に記憶させる設定部、
として機能させるためのプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示は、環境を監視するシステムとして好適である。
【符号の説明】
【0061】
1,2001,3001 クラウドサーバ、2 環境センサ、3,3A,3B,3C 機器、5 端末装置、42 BBR、101,501 CPU、102,502 主記憶部、103,503 補助記憶部、106,506 通信部、108 計時部、109,509 バス、111 環境情報取得部、112,2112 環境パラメータ判定部、113 時期判定部、114 通知判定部、115 メッセージ通知部、116 設定部、131 環境情報記憶部、132,2132 環境基準記憶部、133 時間情報記憶部、134,531 メッセージ記憶部、504 表示部、505 入力部、511 メッセージ取得部、512 表示制御部、 513 設定選択部、514 設定通知部、532 設定情報記憶部、533 設定内容記憶部、2117 温熱指標算出部、2135 計算式記憶部、2136 温熱指標記憶部、3118 通信状態監視部、BU11,BU12,BU13,BU14,BU21,BU22,BU31,BU32,BU41,BU42 釦画像、GA1 設定変更画像、H 建物、NW1 広域ネットワーク、NW2 局所ネットワーク
図1
図2
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図5
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図10
図11