(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172056
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089488
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100184550
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 珠美
(74)【代理人】
【識別番号】100166785
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 智也
(72)【発明者】
【氏名】市原 卓人
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA12
2C333CA33
2C333CA42
2C333DA01
(57)【要約】
【課題】遊技の進行状況について遊技者に誤認が生じることを回避できる遊技機を提供する。
【解決手段】サブ制御基板のCPUは、主制御基板から送信された遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われたことに応じて、大当たり遊技演出の終了を指示するための大当たり遊技演出終了コマンドを生成して、コマンドバッファにセットする(S561)。CPU581は、大当たり遊技演出が終了した後に実行を開始する報知演出の実行当初に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定のバラケ目の組合せによる図柄態様、すなわち第二態様に決定する(S571)。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動口へ遊技球が入賞することを契機として取得された数値情報に基づいて、特別遊技の実行契機を付与するか否かを示す判定結果を導出する特別判定を実行する判定手段と、
前記特別判定の前記判定結果を示す図柄を表示手段に表示する図柄表示制御手段と、
前記特別判定によって前記特別遊技の実行契機を付与する前記判定結果が導出されることに起因して前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段と
を備え、
前記図柄表示制御手段は、
前記特別判定によって前記特別遊技の実行契機を付与することを示す前記判定結果が導出された場合、前記図柄を第一態様で表示し、
前記特別判定によって前記特別遊技の実行契機を付与しないことを示す前記判定結果が導出された場合、前記図柄を前記第一態様とは異なる第二態様で表示し、
前記特別遊技の実行が終了した場合、前記図柄を前記第二態様で表示することができる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記始動口への入賞の容易度が通常である非時短状態と、前記非時短状態よりも前記容易度が高い時短状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれかを、所定の条件の成立に応じて設定する遊技状態設定手段を備え、
前記図柄表示制御手段は、
前記特別遊技の実行が終了することを前記所定の条件の成立として前記遊技状態設定手段によって前記非時短状態が設定された場合、前記図柄を前記第二態様で表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記特別判定の実行が保留されている前記数値情報を保留情報として記憶する保留手段を備え、
前記図柄表示制御手段は、前記特別遊技の実行が終了する場合において、前記数値情報が前記保留手段によって記憶されていないとき、前記図柄を前記第二態様で表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技状態設定手段は、前記特別遊技の実行契機を付与することを示す前記判定結果が第一確率で導出される非確変状態と、前記特別遊技の実行契機を付与することを示す前記判定結果が前記第一確率よりも高い第二確率で導出される確変状態とを設定することができ、
前記図柄表示制御手段は、
前記特別遊技の実行が終了することを前記所定の条件の成立として前記遊技状態設定手段によって前記非時短状態及び前記非確変状態が設定されるとき、前記図柄を前記第二態様で表示し、
前記特別遊技の実行が終了することを前記所定の条件の成立として前記遊技状態設定手段によって前記非時短状態及び前記確変状態が設定されるときには、前記図柄を前記第一態様で表示することができる
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技が一定期間なされない場合に設定される客待ち状態において、前記客待ち状態であることを示すための客待ち演出を実行する客待ち演出実行手段を備え、
前記図柄表示制御手段は、
前記特別遊技の実行が終了した後に前記客待ち演出の実行が開始された場合において、当該客待ち演出の実行が終了したとき、前記図柄を前記第二態様で表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の条件の成立に応じて取得された数値情報に基づいて所定の判定を実行し、図柄を用いて実行した判定の結果を示す遊技機が知られている。特許文献1は、小当たり遊技において大入賞口に入賞した遊技球が大入賞口内部の特定領域を通過した場合には小当たり遊技の終了後に図柄を特定態様の組合せで表示し、小当たり遊技において遊技球が特定領域を通過しなかった場合には図柄を非特定態様の組合せで表示する遊技機を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機の遊技の仕様は様々である。このため、例えば、遊技機が大当たり遊技の終了後に特定態様の組合せの図柄が表示された状態にあると、遊技者が遊技の進行状況を誤認することがあるといった問題がある。
【0005】
本発明は、遊技の進行状況について遊技者に誤認が生じることを回避できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遊技機は、始動口へ遊技球が入賞することを契機として取得された数値情報に基づいて、特別遊技の実行契機を付与するか否かを示す判定結果を導出する特別判定を実行する判定手段と、前記特別判定の前記判定結果を示す図柄を表示手段に表示する図柄表示制御手段と、前記特別判定によって前記特別遊技の実行契機を付与する前記判定結果が導出されることに起因して前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段とを備え、前記図柄表示制御手段は、前記特別判定によって前記特別遊技の実行契機を付与することを示す前記判定結果が導出された場合、前記図柄を第一態様で表示し、前記特別判定によって前記特別遊技の実行契機を付与しないことを示す前記判定結果が導出された場合、前記図柄を前記第一態様とは異なる第二態様で表示し、前記特別遊技の実行が終了した場合、前記図柄を前記第二態様で表示することができることを特徴とする。
【0007】
従来の遊技機は、特別遊技の実行終了後には、特別遊技の実行の契機となった判定結果を示す態様で図柄を表示することを一般に行っている。しかしながら、例えば、特別遊技の実行終了後に遊技が進行されない場合等には、図柄が第一態様で表示された状態が継続することとなる。このような場合、第一態様の図柄を視認した遊技者が、今後に特別遊技が実行されるかと誤解する可能性がある。本発明に係る遊技機は、このような場合において、図柄を第二態様で表示することができる。したがって、本発明に係る遊技機は、遊技の進行状況について遊技者に誤認が生じることを回避できる。
【0008】
前記遊技機は、前記始動口への入賞の容易度が通常である非時短状態と、前記非時短状態よりも前記容易度が高い時短状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれかを、所定の条件の成立に応じて設定する遊技状態設定手段を備えてもよい。前記図柄表示制御手段は、前記特別遊技の実行が終了することを前記所定の条件の成立として前記遊技状態設定手段によって前記非時短状態が設定された場合、前記図柄を前記第二態様で表示してもよい。
【0009】
特別遊技の実行終了後に非時短状態が設定される場合、始動口への入賞の容易度が時短状態よりも低くなるので、設定された非時短状態において遊技球が始動口に入賞しない状態が継続することがある。このような場合、図柄が第一態様で表示された状態が続くと、第一態様の図柄を視認した遊技者が、今後に特別遊技が実行されるかと誤解する可能性がある。遊技機は、このような場合において、図柄を第二態様で表示することができる。したがって、遊技機は、遊技の進行状況について遊技者に誤認が生じることを回避できる。
【0010】
前記遊技機は、前記特別判定の実行が保留されている前記数値情報を保留情報として記憶する保留手段を備えてもよい。前記図柄表示制御手段は、前記特別遊技の実行が終了する場合において、前記数値情報が前記保留手段によって記憶されていないとき、前記図柄を前記第二態様で表示してもよい。
【0011】
このような条件下では、特別遊技の実行が終了した後に、特別判定が実行されず遊技が進行しない状態が継続しやすくなる。したがって、遊技機は、特別遊技の実行が終了した場合に図柄を第二態様で表示することによって、遊技者に誤認が生じることを回避できる。
【0012】
前記遊技状態設定手段は、前記特別遊技の実行契機を付与することを示す前記判定結果が第一確率で導出される非確変状態と、前記特別遊技の実行契機を付与することを示す前記判定結果が前記第一確率よりも高い第二確率で導出される確変状態とを、前記非時短状態及び前記時短状態に加えて設定することができてもよい。前記図柄表示制御手段は、前記特別遊技の実行が終了することを前記所定の条件の成立として前記遊技状態設定手段によって前記非時短状態及び前記非確変状態が設定されるとき、前記図柄を前記第二態様で表示し、前記特別遊技の実行が終了することを前記所定の条件の成立として前記遊技状態設定手段によって前記非時短状態及び前記確変状態が設定されるときには、前記図柄を前記第一態様で表示することができてもよい。
【0013】
この場合、遊技機は、遊技者にとって有利な確変状態が設定されているかを、特別遊技の実行が終了した後に表示する図柄の態様によって遊技者に示唆することができる。したがって、遊技機は、図柄の表示態様に遊技者の注目を集め、遊技の興趣を向上することができる。
【0014】
前記遊技機は、遊技が一定期間なされない場合に設定される客待ち状態において、前記客待ち状態であることを示すための客待ち演出を実行する客待ち演出実行手段を備えてもよい。前記図柄表示制御手段は、前記特別遊技の実行が終了した後に前記客待ち演出の実行が開始された場合において、当該客待ち演出の実行が終了したとき、前記図柄を前記第二態様で表示してもよい。
【0015】
客待ち演出の終了後に図柄が第一態様で表示されると、第一態様の図柄を視認した遊技者が、その後に特別遊技が実行されるかと誤解する可能性がある。このような場合に、遊技機は、図柄を第二態様で表示するので、遊技者に誤認が生じることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図4】ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図5】ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図6】主制御基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
【
図7】メイン処理において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図10】特別図柄処理において行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図11】メイン処理において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図12】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図14】サブ制御基板処理において行われる遊技状態制御処理のフローチャートである。
【
図15】サブ制御基板処理において行われる確定図柄態様決定処理のフローチャートである。
【
図16】サブ制御基板処理において行われる報知演出実行処理のフローチャートである。
【
図17】遊技状態制御処理において行われる大当たり遊技演出終了処理のフローチャートである。
【
図18】第一実施形態における演出図柄100の図柄態様を説明する説明図である。
【
図21】第二実施形態における大当たり遊技演出終了処理のフローチャートである。
【
図22】第二実施形態における報知演出実行処理のフローチャートである。
【
図23】第二実施形態における演出図柄100の図柄態様を説明する説明図である。
【
図24】第二実施形態における演出図柄100の図柄態様を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、
図1を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。パチンコ機1は、特別図柄を備えた、いわゆる旧1種タイプの遊技機である。本願が開示する技術は、複数の図柄を変動させた後に、所定の組合せで停止する図柄変動を行うことで、大当たり判定、普通当たり判定等、遊技機において行われる判定の判定結果を報知する報知演出を実行できる遊技機であれば、旧1種タイプ、旧2種タイプ、1種2種混合タイプ等、様々な遊技仕様の遊技機に適用できる。
【0018】
図1に示すように、パチンコ機1は、遊技機枠30と遊技盤2とを備える。遊技機枠30は、前面枠31と、図示しない本体枠及び外枠を備える。外枠は、パチンコ機1をホールの島設備に固定するための枠部材である。本体枠は、遊技盤2等を取り付けるための枠体である。本体枠は、外枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31は、本体枠に対して開閉可能に装着されている。前面枠31には、図示しない透明板が着脱可能に固定されている。透明板は、例えばガラス板である。前面枠31は、透明板とともに遊技盤2を前方から覆う。
【0019】
前面枠31は、発射ハンドル32、上皿33、下皿34、演出ボタン35、演出レバー36、枠ランプ38及びスピーカ39を備える。発射ハンドル32は、前面枠31の右下部に設けられている。発射ハンドル32は、遊技者が回転操作をできるように構成されている。遊技者が発射ハンドル32を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル32の回転角度に応じた強度で、
図2に示す遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。上皿33は、前面枠31の中央下部に設けられている。上皿33は、遊技球発射装置37に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。下皿34は、上皿33の下方に設けられている。下皿34は、賞球を受ける。演出ボタン35は、上皿33の上面に設けられている。演出ボタン35は、遊技者が押下操作をできるように構成されている。演出レバー36は、前面枠31の左下部に設けられている。演出レバー36は、遊技者が左右方向への回転操作及び後方への押込操作をできるように構成されている。枠ランプ38は、前面枠31の上部、左部及び右部等に設けられる装飾部である。枠ランプ38は、LED等の光源を内蔵し、光を用いた各種の演出を実行する。スピーカ39は、前面枠31の上部の左右の角部に設けられている。スピーカ39は、音楽、音声、効果音等の各種の音を出力する。
【0020】
遊技盤2は正面視略正方形の板状である。遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、センター飾り21が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り21の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り21の右側を流下する。以下、遊技球がセンター飾り21の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、遊技球がセンター飾り21の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0021】
センター飾り21は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り21の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成される画像表示手段であり、数字・文字、様々な動画等を表示可能である。表示画面28には、有機EL、ドットマトリクス等、種々のものが用いられてよい。表示画面28は、報知演出を実行可能である。報知演出は、
図14に示す演出用の図柄である演出図柄100を変動させた後に、後述する大当たり判定の結果を示す演出図柄100の組合せを確定表示させる図柄変動を行うことで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出である。また、センター飾り21は、LED等の光源を有して構成される、
図2に示す盤ランプ27を内蔵している。センター飾り21は、盤ランプ27によって、光を用いた各種の演出を実行する。
【0022】
センター飾り21の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14は、後述する第一特別図柄の始動口として機能する。第一始動口14の右下方には、第一大入賞口16が設けられている。第一大入賞口16は、いわゆる特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の大きさを変化する役物)に係る入賞口として構成されている。第一大入賞口16は、左右方向に長手方向を有して延び、第一大入賞口16の入口を開閉可能に構成された開閉部材161を備える。遊技球は、開閉部材161が開放された場合にのみ、第一大入賞口16に入賞することができる。第一大入賞口16の開閉部材161は、
図2に示す第一大入賞口ソレノイド70によって電気的に開閉される。第一大入賞口16の開閉部材161は、後述する大当たり遊技において開放する。
【0023】
第一大入賞口16の右上方には、第二大入賞口17が設けられている。第二大入賞口17も、第一大入賞口16と同様に、いわゆる特別電動役物に係る入賞口として構成されている。第二大入賞口17は、左右方向に長手方向を有して延び、第二大入賞口17の入口を開閉可能に構成された開閉部材171を備える。遊技球は、開閉部材171が開放された場合にのみ、第二大入賞口17に入賞することができる。第二大入賞口17の開閉部材171は、
図2に示す第二大入賞口ソレノイド71によって電気的に開閉される。第二大入賞口17の開閉部材171は、第一大入賞口16の開閉部材161と同様に、後述する大当たり遊技において開放する。以下では、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を総称する場合、単に大入賞口という。
【0024】
センター飾り21の右方には、遊技球が通過可能なゲート12が設けられている。ゲート12は、普通図柄の作動ゲートである。ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられている。第二始動口15は、後述する第二特別図柄の始動口として機能する。第二始動口15は、いわゆる普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口として構成されている。第二始動口15は、片羽根状であり、第二始動口15の入口を開閉可能に構成された開閉部材151を備える。遊技球は、開閉部材151が開放された場合にのみ、第二始動口15に入賞することができる。第二始動口15の開閉部材151は、
図2に示す第二始動口ソレノイド69によって電気的に開閉される。第二始動口15の開閉部材151は、後述する普通当たり遊技において開放される。なお、第二始動口15は、開閉部材151が閉鎖された状態で遊技球が入賞可能であって、開閉部材151が開放された状態では、開閉部材151が閉鎖された状態よりも遊技球が入賞容易になるように構成されていてもよい。
【0025】
遊技盤2の右下部には、図柄表示部29が設けられている。図柄表示部29は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LED等を備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ、7セグメントLEDを含む複数個のLEDからなる。第一特別図柄表示部は、LEDを点滅表示すること等による変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第一特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第一特別図柄という。以下、第一始動口14に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図1大当たり判定」という。第二特別図柄表示部は、第一特別図柄表示部と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行された大当たり判定の結果を報知する。第二特別図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、第二特別図柄という。以下、第二始動口15に遊技球が入賞したことを契機として実行される大当たり判定を、「特
図2大当たり判定」という。以下では、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、単に特別図柄という。
【0026】
普通図柄表示部は、特別図柄の変動表示と同様の変動表示をした後に、LEDの点灯及び消灯を所定の組合せとして確定表示することによって、遊技球がゲート12を通過することを契機として実行される普通当たり判定の結果を報知する。普通図柄表示部に確定表示される組合せのそれぞれを、普通図柄という。第一保留数表示LEDは、特
図1大当たり判定の実行が保留されている数である第一保留数を表示する。第二保留数表示LEDは、特
図2大当たり判定の実行が保留されている数である第二保留数を表示する。普通保留数表示LEDは、普通当たり判定の実行が保留されている数である普通保留数を表示する。
【0027】
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、各種の装飾部材、その他の入賞口及び図示しない遊技くぎ等が設けられている。アウト口19は、遊技盤2の下部に設けられている。遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、第一大入賞口16、第二大入賞口17及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0028】
なお、遊技領域4において、各遊技部材が上記のように配設されるため、左打ちされた遊技球は、右打ちされた遊技球よりも、第一始動口14へ入賞しやすい。右打ちされた遊技球が第一始動口14へ入賞することは困難である。また、右打ちされた遊技球は、左打ちされた遊技球よりも、ゲート12、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を通過又は入賞しやすい。左打ちされた遊技球がゲート12、第二始動口15、第一大入賞口16及び第二大入賞口17を通過又は入賞することは困難である。したがって、遊技者は、後述する確変状態、時短状態及び大当たり遊技中には右打ちによって遊技を進め、それ以外の場合は左打ちによって遊技を進める。
【0029】
図1を参照して、パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。役物連続作動装置とは、特別電動役物を連続して作動させるための装置である。本実施形態において、条件装置は、大当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に作動する。本実施形態において、役物連続作動装置は、条件装置が作動した場合に作動する。役物連続作動装置が作動することによって、特別電動役物に係る第一大入賞口16の開閉部材161及び第二大入賞口17の開閉部材171が所定の開放パターンで開放されることが所定回数繰り返される、大当たり遊技が実行される。以下、大当たり遊技において第一大入賞口16の開閉部材161及び第二大入賞口17の開閉部材171が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。また、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態、すなわち、大当たり遊技が実行中の状態を、大当たり遊技状態という。本実施形態では、ラウンド数は「4」又は「8」である。以下、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す特別図柄を、大当たり図柄という。大当たり判定の結果がはずれであることを示す特別図柄を、はずれ図柄という。
【0030】
パチンコ機1は、確変状態又は非確変状態を設定できる。確変状態とは、大当たり判定において大当たりであると判定される確率が通常よりも高い確率に変動している遊技状態である。大当たり判定において大当たりであると判定される確率を、以下、「大当たり確率」という。非確変状態は、確変状態が設定されておらず、大当たり確率が通常の確率である状態である。本実施形態において、非確変状態における大当たり確率は、1/200であり、確変状態における大当たり確率は、1/20である。本実施形態では、大当たり遊技の終了後に60%の割合で確変状態が設定される。大当たり遊技の終了後に確変状態が設定されるか否かは、後述する特別図柄決定乱数の値に応じて決定される特別図柄の種別によって定まる。以下では、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される種別の特別図柄を、「確変大当たり図柄」という。大当たり遊技の終了後に非確変状態が設定される種別の特別図柄を、「非確変大当たり図柄」という。設定された確変状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。本実施形態において、大当たり遊技が実行された場合、大当たり遊技の終了後に、確変状態の他、後述の時短状態が設定されることがある。
【0031】
普通当たり遊技について説明する。普通当たり遊技は、普通当たり判定の判定結果が当たりであることを示す普通図柄が図柄表示部29に確定表示された場合に実行される。普通当たり判定は、ゲート12を遊技球が通過することを契機として行われる。普通当たり遊技は、普通電動役物に係る第二始動口15の開閉部材151が所定の開放パターンで開放されることによって実行される。
【0032】
パチンコ機1は、非時短状態及び時短状態のいずれかを設定する。非時短状態は、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる割合が通常の頻度である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が高くなる遊技状態である。本実施形態において、非時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、約0.1秒×1回である。普通当たり判定において当たりであると判定される確率を、以下では「普通当たり確率」という。非時短状態における普通当たり確率は、約1/11である。また、非時短状態における普通図柄の変動時間は、約10秒である。時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材151の開放パターンは、約1.2秒×3回である。時短状態における普通当たり確率は、約10/11である。また、時短状態における普通図柄の変動時間は、約2秒である。このため、遊技者は、時短状態において、非時短状態よりも第二始動口15に遊技球を容易に入賞させることができる。
【0033】
本実施形態において、パチンコ機1は、所定の大当たり遊技の終了後に時短状態を設定する。設定された時短状態は、確変状態が継続する間又は時短状態において行われた大当たり判定の回数、すなわち特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計が、予め定められた時短回数に達するまで継続する。すなわち、パチンコ機1は、いわゆるA時短状態を設定できる。本実施形態において、時短回数は100回である。パチンコ機1は、この他に、いわゆるB時短状態及びC時短状態を設定できるように構成されていてもよい。B時短状態は、大当たり遊技が終了し、非確変状態における大当たり判定の実行が開始されたこと及び後述するRAMクリア処理が行われたことを起点として計数された大当たり判定の実行回数が、予め定められた上限回数に到達することに応じて設定される時短状態である。C時短状態は、非確変状態において、はずれ図柄のうち特定のはずれ図柄が確定表示されたことを契機として設定される時短状態である。
【0034】
パチンコ機1は、これら確変状態、非確変状態、時短状態及び非時短状態を組合せて、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の遊技状態を設定できる。本実施形態では、「通常状態」、「確変時短状態」、「確変非時短状態」、「非確変時短状態」の4種類の遊技状態のうちのいずれかが設定される。通常状態は、非確変状態と非時短状態との組合せによる。確変時短状態は、確変状態と時短状態との組合せによる。確変非時短状態は、確変状態と非時短状態との組合せによる。非確変時短状態は、非確変状態と時短状態との組合せによる。なお、パチンコ機1における初回電源投入後の初期状態には、通常状態が設定される。パチンコ機1が備える遊技状態が、3種類以下であってもよい。
【0035】
図2を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプ制御基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継端子板47及び電源基板42を主に備える。
【0036】
主制御基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主制御基板41のCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。RAM52は、確変状態、時短状態等の遊技状態を示すフラグ等の情報、大当たり判定の結果を示す情報、第一保留数、第二保留数等、遊技に関する処理のための遊技処理情報を記憶する。CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力する図示しないクロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主制御基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0037】
また、主制御基板41には、RAMクリアスイッチ412が実装されている。RAMクリアスイッチ412は、RAMクリア処理を行う際に操作されるスイッチである。RAMクリア処理は、RAM52に記憶されている遊技処理情報を消去し、RAM52の初期設定を行うために行われる。なお、RAMクリアスイッチ412は、電源基板42に設けられても良い。RAMクリアスイッチ412は、主制御基板41、電源基板42等とは別に設けられる専用の基板に設けられてもよい。
【0038】
主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継端子板47、図柄表示部29、外部端子板55、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62に接続している。図柄表示部29の表示制御は、CPU51によって行われる。外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口14に設けられており、第一始動口14への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第二始動口スイッチ62は、第二始動口15に設けられており、第二始動口15への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0039】
サブ制御基板58は、各種の演算処理を行うCPU581、データを一時的に記憶するRAM582、制御プログラム等を記憶したROM583及びパチンコ機1における音出力を制御する音制御回路585を備える。サブ制御基板58は、ランプ制御基板46、演出制御基板43及びスピーカ39に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。
【0040】
ランプ制御基板46は、演出ボタン35、演出レバー36、枠ランプ38及び盤ランプ27に接続している。ランプ制御基板46は、図示しないLEDドライバ等を備える。ランプ制御基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、枠ランプ38及び盤ランプ27の発光動作等を制御する。演出ボタン35は押下操作をされた場合、押下操作をされたことを示す信号を出力する。演出レバー36は回転操作及び押込操作をされた場合、回転操作及び押込操作をされたことを示す信号を出力する。ランプ制御基板46は、演出ボタン35から受信した信号及び演出レバー36から受信した信号を、サブ制御基板58に中継する。
【0041】
演出制御基板43は、各種の演算処理を行うCPU431、表示画面28に対する画像出力を制御する画像制御回路435及び画像データを記憶するCGROM(図示略)等を備える。演出制御基板43は、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
【0042】
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
【0043】
中継端子板47は、第二始動口ソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、ゲートスイッチ74、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材151を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材161を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、大当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材171を開閉する。ゲートスイッチ74は、ゲート12に設けられており、ゲート12への遊技球の通過を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に設けられており、第一大入賞口16への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17に設けられており、第二大入賞口17への遊技球の入賞を検出した場合、検出信号を主制御基板41に出力する。
【0044】
電源基板42は、主制御基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では約0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。電源基板42には、電源スイッチ423が設けられている。電源スイッチ423は、パチンコ機1の電源をON、OFFするために操作されるスイッチである。
【0045】
図3を参照して、RAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。特
図1大当たり関係情報記憶エリアは、
図7から
図9において後述するメイン処理の特別図柄処理において使用される。特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、最大第一保留数に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態において、記憶可能な第一保留数の上限である最大第一保留数は「4」である。このため、特
図1大当たり関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に第一保留数が4未満、すなわち0~3であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0046】
第一保留数は、第一始動口14へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図1大当たり判定の実行、第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンの決定等が保留された状態で特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数を、図示しない判定エリアにシフトする。判定エリアは、大当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアであり、特
図1大当たり判定と特
図2大当たり判定とで共通に用いられる。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図1大当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が、判定エリアにシフトされると、次の番号以降の記憶エリアに記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数が判定エリアに順次シフトされて、特
図1大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、特
図1大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、及び判定結果に応じて実行される大当たり遊技のラウンド数に関する処理等が含まれる。なお、判定エリアの乱数は、大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
【0047】
各記憶エリアには、大当たり乱数の値が記憶される特
図1大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球が第一始動口14へ入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。特
図1大当たり乱数欄に記憶される大当たり乱数は、特
図1大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数欄に記憶される特別図柄決定乱数は、第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数欄に記憶される変動パターン決定乱数は、図柄表示部29の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間等を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。大当たり乱数とともに取得されて特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶される特別図柄決定乱数及び変動パターン決定乱数を総称して、第一乱数ともいう。特
図1大当たり判定、第一変動パターンの決定、第一特別図柄の決定が実行されず保留された状態で特
図1大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一乱数を、第一保留乱数という。また、特
図1特別図柄の変動時間を、第一変動時間ともいう。この他、報知演出を後述するリーチ演出として行うか否かを決定するためのリーチ乱数等、上記以外の乱数が、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として第一乱数として取得されてもよい。
【0048】
図示しないが、RAM52には、特
図2大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。特
図2大当たり関係情報記憶エリアも、メイン処理の特別図柄処理において使用される。本実施形態では、特
図2大当たり関係情報記憶エリアに、最大第二保留数に対応する4つの記憶エリアが設けられている。第二保留数は、第二始動口15へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、特
図2大当たり判定の実行、第二特別図柄の変動時間を示す第二変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている第二保留乱数の個数である。第二始動口15に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、特
図2大当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。特
図2大当たり関係情報記憶エリアには、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に、大当たり乱数の値が記憶される特
図2大当たり乱数欄、特別図柄決定乱数の値が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、及び変動パターン決定乱数の値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。
【0049】
CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、前述の判定エリアにシフトする。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について特
図2大当たり判定等の各種処理を行う。大当たり乱数と、大当たり乱数とともに取得されて特
図2大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている特別図柄決定乱数及び変動パターン決定乱数を総称して、第二乱数ともいう。また、第二特別図柄の変動時間を、第二変動時間ともいう。
【0050】
以下の説明では、大当たり乱数のうち特
図1大当たり判定のために用いられるものを、特
図1大当たり乱数ともいう。大当たり乱数のうち特
図2大当たり判定のために用いられるものを、特
図2大当たり乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第一変動パターンを決定するために用いられるものを、第一変動パターン決定乱数ともいう。変動パターン決定乱数のうち第二変動パターンを決定するために用いられるものを、第二変動パターン決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第一特別図柄を決定するために用いられるものを、第一特別図柄決定乱数ともいう。特別図柄決定乱数のうち第二特別図柄を決定するために用いられるものを、第二特別図柄決定乱数ともいう。
【0051】
パチンコ機1において、第一変動時間及び第二変動時間は、特
図1大当たり判定及び特
図2大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主制御基板41は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。主制御基板41は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄100の変動表示の開始を制御する。主制御基板41は、第一変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。本実施形態において、特別図柄確定表示時間は0.8秒である。また、主制御基板41は、第二特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた第二特別図柄を、所定の特別図柄確定表示時間の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄確定表示時間に同期して、演出図柄100を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、演出図柄100による他、表示画面28、盤ランプ27、枠ランプ38、スピーカ39等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出の実行を制御する。以下では、第一特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第一報知演出という。第二特別図柄の変動時間と同期した報知演出を、第二報知演出という。
【0052】
なお、図示しないが、RAM52には、ゲート12を遊技球が通過することを契機として取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、特
図1大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアには、記憶可能な普通保留数の上限である最大普通保留数「4」に対応する4つの記憶エリアが設けられている。記憶エリアには、普通当たり乱数の値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定乱数の値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。
【0053】
図4を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、特
図1大当たり判定の結果を示す第一特別図柄と、特
図2大当たり判定の結果を示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。特に、特別図柄決定テーブルは、第一特別図柄及び第二特別図柄の大当たり図柄を定義している。特別図柄決定テーブルは、複数の大当たり図柄のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0~99)を対応付けている。なお、大当たり判定の結果がはずれである場合には、所定のはずれ図柄が決定される。
【0054】
第一特別図柄は、「4R時短大当たり」及び「4R確変大当たり」の2種類の図柄名称の大当たり図柄を含む。「4R時短大当たり」は、非確変大当たり図柄である。「4R確変大当たり」は、確変大当たり図柄である。第一特別図柄の大当たり図柄の割合は、「4R通常大当たり」が40%、「4R確変大当たり」が60%である。「4R通常大当たり」及び「4R確変大当たり」が決定されたことに応じて実行される大当たり遊技のラウンド数は、「4」である。
【0055】
第二特別図柄は、「8R時短大当たり」、「8R通常大当たり」、「8R潜伏大当たり」及び「8R確変大当たり」の4種類の図柄名称の大当たり図柄を含む。「8R時短大当たり」及び「8R通常大当たり」は、非確変大当たり図柄である。「8R潜伏大当たり」及び「8R確変大当たり」は、確変大当たり図柄である。第二特別図柄の大当たり図柄の割合は、「8R時短大当たり」が30%、「8R通常大当たり」が10%、「8R潜伏大当たり」が10%、「8R確変大当たり」が50%である。「8R時短大当たり」、「8R通常大当たり」、「8R潜伏大当たり」及び「8R確変大当たり」が決定されたことに応じて実行される大当たり遊技のラウンド数は、「8」である。なお、これらの図柄名称の大当たり図柄が決定される割合は一例であり、任意に変更されてもよい。
【0056】
特別図柄決定テーブルは、「大当たり遊技終了後の遊技状態」欄を設け、大当たり図柄が決定されたことに起因して大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を、図柄名称に対応付けて定義している。特別図柄決定テーブルは、設定された遊技状態が終了する条件である終了条件も、図柄名称に対応付けて定義されている。
【0057】
第一特別図柄として4R時短大当たりが決定された場合対応する大当たり遊技の終了後に非確変時短状態が設定される。設定された非確変時短状態は、非確変時短状態において行われた大当たり判定の回数、すなわち特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計が、時短回数である100回に到達するまで継続する。特
図1大当たり判定の実行回数と特
図2大当たり判定の実行回数との合計を、以下、判定回数という。その後は時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に移行する。第一特別図柄として4R確変大当たりが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に確変時短状態が設定される。設定された確変時短状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。
【0058】
第二特別図柄として8R時短大当たりが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に非確変時短状態が設定される。設定された非確変時短状態は、非確変時短状態における判定回数が、時短回数である100回に到達するまで継続する。その後は時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に移行する。第二特別図柄として8R通常大当たりが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に非確変非時短状態が設定される。
【0059】
第二特別図柄として8R潜伏大当たりが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に確変非時短状態が設定される。本実施形態において、確変非時短状態は、確変状態が設定されているが時短状態が設定されていないことから、見かけ上、非確変非時短状態である通常状態と同様の遊技状態となる。すなわち、特
図2大当たり判定が実行されて大当たりの判定結果が導出されたことに起因して大当たり遊技が実行された場合において、その大当たり遊技の実行終了後に非時短状態が設定されたとき、非確変非時短状態又は確変非時短状態が設定されることとなる。確変非時短状態は、確変状態が設定されている点において、非確変非時短状態である通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。詳細は後述するが、パチンコ機1は、通常状態が設定されているか、確変非時短状態が設定されているか、すなわち、確変状態が潜伏しているか否かを、遊技者が一見して判別し難くしている。本実施形態において、確変非時短状態を、潜伏確変状態ともいう。第二特別図柄として8R確変大当たりが決定された場合、対応する大当たり遊技の終了後に確変時短状態が設定される。設定された確変時短状態は、次回に大当たり遊技が実行されるまでの間継続する。
【0060】
図5を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルは、大当たり判定による判定結果及び変動パターンが決定される時点における遊技状態に応じて、複数のテーブルを設けている。複数のテーブルのそれぞれには、1又は複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0~511)及び特別図柄の変動時間が対応付けられている。
【0061】
特
図1大当たり判定が行われた場合、その時点の遊技状態と特
図1大当たり判定による判定結果とに応じたテーブル区分が参照され、特
図1大当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する第一変動パターンが1つ決定される。本実施形態において、変動パターン決定テーブルは、通常状態と確変非時短状態とに共通して一つのテーブル区分を対応付けている。これにより、パチンコ機1は、非時短状態が設定されている場合、通常状態が設定されているか、確変非時短状態が設定されているかを、遊技者が一見して判別しにくくしている。なお、これは一例であり、変動パターン決定テーブルが、通常状態と確変非時短状態とのそれぞれに対して別のテーブル区分を対応付けるように構成されていてもよい。
【0062】
通常状態及び確変非時短状態における特
図1大当たり判定の判定結果が大当たりの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄100のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、通常状態において特
図1大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に高くなる。同様に、確変時短状態において特
図1大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出F」、「リーチ演出G」の順に高くなる。非確変時短状態において特
図1大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出H」、「リーチ演出I」の順に高くなる。
【0063】
本実施形態において、通常状態に決定されうる「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の第一変動パターンのうち、「リーチ演出B」から「リーチ演出E」は、いわゆるスーパーリーチ演出(以下では、SPリーチ演出という。)に対応する。一般的に、SPリーチ演出は、リーチ状態が構成されたことを契機として、リーチ状態が構成される前までの内容に対して演出内容が変化又は発展して、大当たりの可能性がより高いことを示す報知演出である。
【0064】
なお、本実施形態において、「非リーチ演出A」等の「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく終了する報知演出である。本実施形態では、「非リーチ」の変動パターンは、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。「非リーチ」の第一変動パターンは、第一特別図柄の変動開始時における第一保留数に応じて、第一変動時間が変動する。
図5において、保留数「0」は、第一保留数が「0」の状態において遊技球が第一始動口14へ入賞したことを契機として第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。保留数「1」、「2」又は「3」は、第一保留数が「1」、「2」又は「3」である状態において、第一乱数に基づいて第一特別図柄が変動を開始する場合を示す。
【0065】
遊技状態が確変時短状態及び非確変時短状態である場合においても、通常状態の場合と同様に、大当たり判定による判定結果に応じて、特
図1大当たり乱数とともに取得されている第一変動パターン決定乱数の値に対応する第一変動パターンが1つ決定される。図示を省略するが、第二変動パターンについても第一変動パターンと同様に、遊技状態に応じた複数のテーブルのそれぞれに、1又は複数種類の第二変動パターンが割り当てられている。各変動パターンには、第二変動パターン決定乱数の値(0~511)及び第二変動時間が対応付けられている。特
図2大当たり判定が行われた時点の遊技状態と特
図2大当たり判定による判定結果とに応じたテーブル区分が参照され、特
図2大当たり乱数とともに取得されている第二変動パターン決定乱数の値に対応する第二変動パターンが1つ決定される。
【0066】
主制御基板41は、決定した変動パターンに応じて定められている変動時間だけ、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動させる。また、主制御基板41は、変動パターンが決定されると、変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて、報知演出を制御する。
【0067】
図6から
図11を参照して、パチンコ機1の主制御基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。
図6に示す制御プログラムのメイン処理は、電源スイッチ423がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONになると、CPU51において実行が開始される。その後は、CPU51は、
図2に示す割込信号発生回路57が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、メイン処理を実行する。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0068】
メイン処理で使用されるフラグについて説明する。メイン処理では、稼働中フラグ、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される遊技処理情報である。稼働中フラグは、パチンコ機1が稼働中であるかを示すフラグである。稼働中フラグは、電源スイッチ423がOFF状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がOFFにされるときに「OFF」になる。稼働中フラグは、電源スイッチ423がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONにされるときに実行される後述する電源投入時処理(S2)の実行に伴って「ON」になる。以下では、メイン処理のうち、稼働中フラグが「ON」の場合に実行されるS11からS20の処理を、稼働中処理ともいう。
【0069】
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態に「ON」になり、大当たり遊技状態でない場合に「OFF」になる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が確定表示されている場合(確定表示中)に「2」、いずれも変動中でも確定表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確変状態であるかを示すフラグであり、確変状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。時短フラグは、前述の時短状態であるかを示すフラグであり、時短状態が設定される場合に「1」が記憶されて「ON」になり、時短状態が終了する場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0070】
メイン処理が開始されると、CPU51は、稼働中フラグが「ON」であるかを判断する(S1)。パチンコ機1の電源がONにされた直後は稼働中フラグが「OFF」である。稼働中フラグが「OFF」の場合(S1:NO)、電源投入時処理が実行されて(S2)、メイン処理が終了する。
【0071】
電源投入時処理では、CPU51は、電源投入に伴う初期化処理を実行する。具体的には、CPU51は、サブ制御基板58等が動作可能な状態になるのを待つためのウエイト処理、RAM52に対する遊技処理情報の書き込み及び読み出しを可能とするための、RAM52へのアクセス許可設定等を実行する。また、CPU51は、電源スイッチ423がON状態に操作されてパチンコ機1の電源がOFFからONに切り替わったときに、RAMクリアスイッチ412がON状態になっている場合には、RAMクリア処理を実行する。RAMクリア処理では、RAM52の使用領域に記憶されている遊技処理情報がクリアされ、所定の初期値がRAM52に記憶される等のRAM52の初期設定が行われる。RAMクリア処理が行われることによって、RAM52に記憶される大当たり遊技状態フラグ、確変フラグ及び時短フラグ等の各種のフラグが「OFF」になる。RAM52には、後述する時短回数計数カウンタ等の各種のカウンタが設けられる。RAMクリア処理が行われることによって、これらのカウンタに記憶される値が「0」にクリアされる。CPU51は、電源投入時処理の終了時に稼働中フラグを「ON」にし、電源投入時処理を終了する。
【0072】
次の割込信号でメイン処理が開始されると、稼働中フラグが「ON」であるので(S1:YES)、CPU51は、スイッチ読込処理を実行する(S11)。スイッチ読込処理では、
図2で示したゲートスイッチ74,第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ62、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77及びその他の入賞口に設けられた各スイッチの検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。RAM52は、各スイッチに対応するフラグを記憶する。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」になる。
【0073】
次いで、CPU51は、カウンタ更新処理を実行する(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタ及び特別図柄確定表示時間を計測するための特別図柄確定表示時間カウンタの値が減算される。
【0074】
次いで、CPU51は、特別電動役物処理を実行する(S13)。詳細は
図11を参照して後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作を制御するための処理、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる。大当たり遊技の動作とは、主に、大当たり遊技における第一大入賞口16及び第二大入賞口17の開閉部材161,171の開閉動作である。
【0075】
次いで、特別図柄処理が行われる(S15)。詳細は
図7から
図9を参照して後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び遊技状態移行処理等が行われる。
【0076】
次いで、CPU51は、普通電動役物処理を実行する(S16)。普通電動役物処理では、普通当たり判定の結果が当たりとなった場合に、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材151の開閉動作)を制御するための処理が行われる。前述したように、CPU51は、時短状態が設定されている場合、第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度を非時短状態よりも高くする。
【0077】
次いで、CPU51は、普通図柄処理を実行する(S17)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ74が遊技球の通過を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの生成等の処理が行われる。前述したように、時短状態中の普通図柄の変動時間は、非時短中の普通図柄の変動時間よりも短い。
【0078】
次いで、CPU51は、払出処理(S18)、エラーチェック(S19)及び情報出力処理(S20)を実行し、メイン処理を終了する。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」にされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28及びスピーカ39等を用いてエラーを報知するためのコマンドが、サブ制御基板58に送信される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、前述の遊技場管理用コンピュータに対して各種の情報が出力される。
【0079】
図7から
図9を参照して、
図6のS15で示した特別図柄処理の詳細について説明する。特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。特別図柄処理では、前述の大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ及び時短フラグ等に加えて、客待ちフラグが使用される。
【0080】
客待ちフラグは、特
図1大当たり関係情報記憶エリア及び特
図2大当たり関係情報記憶エリアに第一保留乱数及び第二保留乱数が記憶されておらず、遊技が行われていない状態である客待ち状態であることを示すために設けられるフラグである。客待ち状態は、遊技が一定期間なされない場合に設定される遊技の状態である。本実施形態では、大当たり判定及び大当たり遊技が実行されない状態に客待ち状態が設定される。例えば、RAMクリア処理を伴って又はRAMクリア処理を伴わずにパチンコ機1の電源がONにされた後に、一定期間遊技が開始されない状態でパチンコ機1が待機した場合に、客待ち状態が設定される。また、報知演出の実行終了後に第一保留乱数及び第二保留乱数が記憶されていない状態でパチンコ機1が一定期間待機した場合等にも、客待ち状態が設定される。客待ちフラグは、パチンコ機1が客待ち状態である場合に「1」が記憶されて「ON」になり、客待ち状態でない場合には「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0081】
図7に示すように、特別図柄処理が開始されると、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したかを判断する(S61)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検知すると、
図6のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」にされる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞していないと判断し(S61:NO)、処理をS71の判断へ移行する。
【0082】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第一始動口14に遊技球が入賞したと判断し(S61:YES)、第一保留数が「4」であるかを判断する(S63)。RAM52は、第一保留数を記憶する第一保留数記憶エリアを備える。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」である場合(S63:YES)、第一保留数が最大第一保留数に達しているため、CPU51は、処理をS71の判断へ移行する。第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「4」でない場合(S63:NO)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に「1」を加算する(S65)。CPU51は、第一乱数を取得し、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第一乱数の各乱数値を記憶する(S66)。具体的には、特
図1大当たり乱数欄には大当たり乱数の乱数値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一図柄決定乱数の乱数値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0083】
次いで、CPU51は、S66で取得された第一乱数に関する情報である第一保留情報を参照する(S68)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第一保留情報コマンドを生成し、RAM52に設けられるコマンドバッファにセットする(S69)。コマンドバッファにセットされたコマンドは、コマンドバッファにセットされた順に、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継端子板47等に送信される。なお、前回実施されたメイン処理においてコマンドバッファにセットされたコマンドをサブ制御基板58等へ送信するコマンド送信処理が、メイン処理に設けられていてもよい。この場合、コマンド送信処理によって、コマンドバッファにセットされたコマンドがコマンドバッファにセットされた順に、メイン処理の1割込毎にサブ制御基板58等へ送信されてもよい。第一保留情報は、S66で取得及び記憶された第一乱数について大当たり判定等の処理がなされる前に、その第一乱数を参照することによって得られる情報であり、いわゆる先読み情報である。本実施形態において、第一保留情報は、第一保留乱数に含まれる特
図1大当たり乱数、第一特別図柄決定乱数及び第一変動パターン決定乱数に基づく情報である。
【0084】
第一保留情報に含まれる情報のうち、特
図1大当たり乱数に関する情報を、特
図1大当たり先読み情報という。第一保留情報に含まれる情報のうち、第一特別図柄決定乱数に関する情報を、第一特別図柄先読み情報という。第一保留情報に含まれる情報のうち、第一変動パターン決定乱数に関する情報を、第一変動パターン先読み情報という。第一乱数が前述のリーチ乱数等を含む場合には、第一保留情報は、それらの乱数を参照して得られる情報も含む。第一保留球情報コマンドは、S66で取得及び記憶された第二保留情報をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。第一保留情報コマンドは、第一保留情報に含まれる情報のうち、特
図1大当たり先読み情報及び第一変動パターン先読み情報を、少なくとも含んで生成される。また、第一保留情報コマンドは、第一乱数に関する先読み情報に加えて、第一保留数を示す情報を含んで生成される。第一保留数を示す情報は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数に基づく。
【0085】
CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したかを判断する(S71)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検知すると、
図5のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞していないと判断し(S71:NO)、処理を
図8に示すS81の判断へ移行する。
【0086】
このフラグが「ON」の場合には、CPU51は、第二始動口15に遊技球が入賞したと判断し(S71:YES)、第二保留数が「4」であるかを判断する(S72)。RAM52は、第二保留数を記憶する第二保留数記憶エリアを備える。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」である場合(S72:YES)、第二保留数が最大第二保留数に達しているため、CPU51は、処理をS81の判断へ移行する。第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「4」でない場合(S72:NO)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数に「1」を加算する(S75)。CPU51は、第二乱数を取得し、第二大当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに、取得した第二乱数の各乱数値を記憶する(S76)。具体的には、特
図2大当たり乱数欄には特
図2大当たり乱数の乱数値が、第二特別図柄決定乱数欄には第二特別図柄決定乱数の乱数値が、第二変動パターン決定乱数欄には第二変動パターン決定乱数の乱数値が、それぞれ記憶される。
【0087】
次いで、CPU51は、S76で取得された第二乱数に関する情報である第二保留情報を参照する(S78)。CPU51は、参照した情報をサブ制御基板58へ通知するための第二保留情報コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S79)。第二保留情報は、S76で取得及び記憶された第二乱数について大当たり判定等の処理がなされる前に、その第二乱数を参照することによって得られる先読み情報である。本実施形態において、第二保留情報は、第二保留乱数に含まれる特
図2大当たり乱数、第二特別図柄決定乱数及び第二変動パターン決定乱数に基づく情報である。
【0088】
第二保留情報に含まれる情報のうち、特
図2大当たり乱数に関する情報を、特
図2大当たり先読み情報という。第二保留情報に含まれる情報のうち、第二特別図柄決定乱数に関する情報を、第二特別図柄先読み情報という。第二保留情報に含まれる情報のうち、第二変動パターン決定乱数に関する情報を、第二変動パターン先読み情報という。第二乱数が前述のリーチ乱数等を含む場合には、第二保留情報は、それらの乱数を参照して得られる情報も含む。第二保留球情報コマンドは、S76で取得及び記憶された第二保留情報をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。第二保留情報コマンドは、第二保留情報に含まれる情報のうち少なくとも第二変動パターン先読み情報と、第二保留数を示す情報とを含んで生成される。第二保留数を示す情報は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数に基づく。コマンドバッファにセットされた第二保留球情報コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、処理をS81の判断へ移行する。以下では、第一保留情報と、第二保留情報とを総称する場合、単に保留情報という。また、第一保留情報コマンドと、第二保留情報コマンドとを総称する場合、単に保留情報コマンドという。
【0089】
図8に示すように、CPU51は、大当たり遊技状態であるかを判断する(S81)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、CPU51は、大当たり遊技状態であると判断し(S81:YES)、処理をメイン処理へ戻す。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、CPU51は、大当たり遊技状態でないと判断し(S81:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄が変動中であるか否かを判断する(S82)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でないと判断し(S82:NO)、第一特別図柄又は第二特別図柄が停止状態中であるか否かを判断する(S83)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合、CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも確定表示中でないと判断し(S83:NO)、処理を
図9に示すS91へ移行し、大当たり判定等の処理を実行する。
【0090】
本実施形態では、大当たり判定において、特
図2大当たり判定が特
図1大当たり判定よりも優先して行われる。
図9に示すように、CPU51は、第二保留数が「1」以上であるかを判断する(S91)。RAM52の第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数が「1」以上である場合(S91:YES)、特
図2大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留数が「0」である場合(S91:NO)、CPU51は、第一保留数が「1」以上であるかを判断する(S92)。RAM52の第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数が「0」である場合(S92:NO)、CPU51は、客待ち状態であるかを判断する(S97)。CPU51は、客待ちフラグが「ON」である場合には客待ち状態であると判断して(S97:YES)、処理をメイン処理へ戻す。
【0091】
CPU51は、客待ちフラグが「OFF」である場合には客待ち状態でないと判断して(S97:NO)、客待ちコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S98)。客待ちコマンドは、客待ち状態が開始されたことを通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた客待ちコマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、客待ちフラグを「ON」にして(S99)、処理をメイン処理へ戻す。
【0092】
第一保留数が「1」以上である場合(S92:YES)、CPU51は、第一保留数記憶エリアに記憶されている第一保留数を「1」減算する(S93)。CPU51は、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S94)。また、CPU51は、特
図1大当たり関係情報エリアに記憶されている第一保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0093】
CPU51は、特
図1大当たり判定処理を実行する(S95)。図示しないが、ROM53は、大当たり判定を行うための大当たり判定テーブルを記憶している。大当たり判定テーブルは、特
図1大当たり判定テーブルと、特
図2大当たり判定テーブルとによって構成されている。特
図1大当たり判定テーブルは、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとによって構成されている。低確率判定テーブル及び高確率判定テーブルのそれぞれには、「大当たり」及び「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。本実施形態では、大当たり乱数の乱数値は、非確変状態における大当たり確率が1/200となり、確変状態における大当たり確率が1/20となるように定義されている。特
図2大当たり判定テーブルも低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとによって構成されており、非確変状態における大当たり確率が1/200となり、確変状態における大当たり確率が1/20となるように大当たり乱数の乱数値が定義されている。特
図1大当たり判定処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において確変状態が設定されているかが特定される。CPU51は、確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルを、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルを、それぞれ選択する。CPU51は、選択した低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルを参照して、S95で判定エリアにシフトされた特
図1大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の特
図1大当たり乱数に基づく特
図1大当たり判定が、特
図1大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0094】
CPU51は、S95で導出された特
図1大当たり判定の結果に応じた第一特別図柄を決定する(S96)。S96の処理では、CPU51は、S94で判定エリアにシフトされた第一特別図柄決定乱数の値に応じて、大当たり又ははずれの判定結果を示す第一特別図柄を決定する。決定された第一特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS111へ移行する。
【0095】
一方、第二保留数が「1」以上である場合(S91:YES)、CPU51は、第二保留数記憶エリアに記憶されている第二保留数を「1」減算する(S101)。CPU51は、特
図2大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、判定エリアにシフトする(S102)。また、CPU51は、特
図2大当たり関係情報エリアに記憶されている第二保留乱数の各乱数値を、一つ番号の小さい記憶エリアにシフトする。
【0096】
CPU51は、特
図2大当たり判定処理を実行する(S103)。CPU51は、確変フラグの状態を参照し、前述の特
図2大当たり判定テーブルから、確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルを、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルを、それぞれ選択する。CPU51は、選択した低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルを参照して、S102で判定エリアにシフトされた特
図2大当たり乱数が「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかを判定する。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0097】
CPU51は、S103で導出された特
図2大当たり判定の結果に応じた第二特別図柄を決定する(S105)。S105の処理では、CPU51は、S102で判定エリアにシフトされた第二特別図柄決定乱数の値に応じて、大当たり又ははずれの判定結果を示す第二特別図柄を決定する。決定された第二特別図柄の内容を示す情報は、RAM52に記憶される。CPU51は、処理をS111へ移行する。
【0098】
CPU51は、停止図柄指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S111)。停止図柄指定コマンドは、S98又はS105の処理で特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。本実施形態において、停止図柄指定コマンドは、特別図柄の図柄名称を特定可能に構成される。以下、第一特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第一停止図柄指定コマンドという。第二特別図柄として決定された大当たり図柄又ははずれ図柄の内容をサブ制御基板58に通知するためのコマンドを、第二停止図柄指定コマンドという。コマンドバッファにセットされた第一停止図柄指定コマンド及び第二停止図柄指定コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。
【0099】
CPU51は、変動パターンを決定する(S112)。S112では、CPU51は、確変フラグ及び時短フラグの状態を参照し、現時点において通常状態、確変時短状態又は非確変時短状態のいずれの遊技状態が設定されているかを特定する。そして、CPU51は、
図5で示した変動パターン決定テーブルを参照して、特定した遊技状態と、大当たり判定による判定結果にと応じて、変動パターン決定乱数に対応する変動パターンを決定する。
【0100】
CPU51は、S112で決定した変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S113)。以下、S112で決定された変動パターンが第一変動パターンである場合において、第一変動パターンを指定するコマンドを第一変動パターン指定コマンドという。S111で決定された変動パターンが第二変動パターンである場合において、第二変動パターンを指定するコマンドを第二変動パターン指定コマンドという。第一変動パターン指定コマンドと、第二変動パターン指定コマンドとを総称する場合、単に変動パターン指定コマンドという。変動パターン指定コマンドは、決定された変動パターンの種類及び変動パターンに対応する特別図柄の変動時間の情報を含む。コマンドバッファにセットされた変動パターン指定コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信される。中継端子板47を介して第一変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第一特別図柄表示部における第一特別図柄の変動を開始する。第二変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部29は、第二特別図柄表示部における第二特別図柄の変動を開始する。第一変動パターン指定コマンド及び第二変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、表示画面28の演出図柄100の変動開始を指示する。
【0101】
CPU51は、S112で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を、特別図柄変動時間カウンタに記憶する(S115)。CPU51は、特別図柄が変動中であることを示す「1」を特別図柄表示状態フラグに記憶し(S116)、処理をメイン処理へ戻す。
【0102】
また、
図8に示すS82の判断において、特別図柄表示フラグに「1」が記憶されている場合には、CPU51は、特別図柄が変動中であると判断し(S82:YES)、第一変動時間又は第二変動時間が経過したかを判断する(S121)。この判断は、S115において記憶された特別図柄変動時間カウンタの値に応じて行われる。CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には第一変動時間又は第二変動時間がまだ経過していないと判断し(S121:NO)、処理をメイン処理へ戻す。
【0103】
CPU51は、特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には第一変動時間又は第二変動時間が経過したと判断し(S121:YES)、特別図柄停止コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S122)。特別図柄停止コマンドは、特別図柄の変動を停止することを図柄表示部29及びサブ制御基板58に通知するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされた特別図柄停止コマンドは、中継端子板47及びサブ制御基板58に送信され、図柄表示部29における第一特別図柄又は第二特別図柄の変動停止及び表示画面28の演出図柄100の変動停止を指示する。以下、第一特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第一特別図柄停止コマンドという。第二特別図柄の変動停止を指定するコマンドを第二特別図柄停止コマンドという。第一特別図柄停止コマンドと、第二特別図柄停止コマンドとを総称する場合、単に特別図柄停止コマンドという。
【0104】
CPU51は、特別図柄確定表示時間を、RAM52の特別図柄確定表示時間カウンタに記憶する(S123)。CPU51は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが確定表示中であることを示す「2」を特別図柄表示状態フラグに記憶する(S124)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0105】
また、S83の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S83:YES)、CPU51は、S113において記憶された特別図柄確定表示時間カウンタの値に応じて、特別図柄確定表示時間が経過したかを判断する(S126)。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」でない場合には特別図柄確定表示時間が経過していないと判断し(S126:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、特別図柄確定表示時間カウンタの値が「0」の場合には特別図柄確定表示時間が経過したと判断し(S126:YES)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれも変動中でも確定表示中でもないことを示す「0」を、特別図柄表示状態フラグに記憶する(S127)。その後、CPU51は、遊技状態移行処理を実行し(S128)、処理をメイン処理へ戻す。
【0106】
図10を参照して、
図8のS128で示した遊技状態移行処理の詳細について説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって大当たりと判定された場合に、遊技を大当たり遊技状態に移行させるための処理が行われる。また、遊技状態移行処理では、時短フラグ及び確変フラグの制御も適宜行われる。
【0107】
遊技状態移行処理が開始されると、CPU51は、特別図柄が大当たり図柄で確定表示したかを判断する(S131)。特別図柄が大当たり図柄で確定表示した場合(S131:YES)、CPU51は、時短状態が設定されているかを判断する(S133)。CPU51は、時短フラグが「OFF」である場合には時短状態が設定されていないと判断して(S133:NO)、処理をS141の判断へ移行する。CPU51は、時短フラグが「ON」である場合には時短状態が設定されていると判断して(S133:YES)、時短回数計数カウンタのいずれも「0」にクリアする(S135)。時短回数計数カウンタは、時短状態において実行された判定回数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。CPU51は、時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S136)。CPU51は、時短フラグを「OFF」にする(S138)。
【0108】
CPU51は、確変状態が設定されているかを判断する(S141)。CPU51は、確変フラグが「OFF」である場合には確変状態が設定されていないと判断して(S141:NO)、処理をS145へ移行する。CPU51は、確変フラグが「ON」である場合には確変状態が設定されていると判断して(S141:YES)、確変状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S142)。CPU51は、確変フラグを「OFF」にする(S143)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が通常状態に設定される。
【0109】
CPU51は、大当たり図柄に対応するラウンド数を、Rカウンタにセットする(S145)。Rカウンタは、ラウンド数を記憶するカウンタとしてRAM52に設けられている。前述したように、本実施形態において、大当たり図柄に対応するラウンド数は「4」又は「8」である。CPU51は、大当たり遊技状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S146)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「ON」にする(S148)。CPU51は、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0110】
一方、CPU51は、特別図柄がはずれ図柄で確定表示した場合(S131:NO)、時短フラグが「ON」であるかを判断する(S151)。CPU51は、時短フラグが「OFF」である場合(S151:NO)、処理を特別図柄処理へ戻す。時短フラグが「ON」である場合(S151:YES)、CPU51は、時短回数計数カウンタの値を「1」減算する(S152)。CPU51は、時短回数計数カウンタの値が「0」であるかを判断する(S153)。時短回数計数カウンタの値が「0」でない場合(S153:NO)、以降も時短状態が継続する。この場合、CPU51は、処理を特別図柄処理へ戻す。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S153:YES)、CPU51は、確変状態が設定されているかを判断する(S155)。CPU51は、確変フラグが「OFF」である場合には確変状態が設定されていないと判断する(S155:NO)。この場合、時短状態における判定回数が時短回数に到達したことにより、非確変時短状態が終了する。CPU51は、時短状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S156)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58に順次送信される。CPU51は、時短フラグを「OFF」にし(S158)、処理を特別図柄処理へ戻す。一方、S155の判断において確変フラグが「ON」である場合(S155:YES)、遊技状態は確変時短状態であり、確変状態が終了するまで時短状態が継続する。この場合、CPU51は、S156及びS158の処理を実行せず、処理を特別図柄処理へ戻す。
【0111】
図11を参照して、
図6のS13で示した特別電動役物処理の詳細について説明する。特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ等が使用される。開放中フラグは、第一大入賞口16及び第二大入賞口17が開放状態であるか否かを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグは、第一大入賞口16の開閉部材161が開放状態にある場合に「1」、第二大入賞口17の開閉部材171が開放状態にある場合に「2」、いずれも開放状態にない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0112】
特別電動役物処理が開始されると、CPU51は、大当たり遊技状態であるかを判断する(S181)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合には大当たり遊技状態でないと判断して(S181:NO)、処理をメイン処理へ戻す。CPU51は、大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合には大当たり遊技状態であると判断して(S181:YES)、大当たりラウンドが全て終了しているか、すなわち、Rカウンタの値が「0」であるかを判断する(S182)。Rカウンタの値は、後述のS197の処理で、大当たりラウンドが1回終了する毎に「1」減算される。すなわち、Rカウンタの値が「0」であれば、大当たり遊技における最終ラウンドが終了していることとなる。
【0113】
Rカウンタの値が「0」でない場合(S182:NO)、CPU51は、大入賞口が開放中であるかを判断する(S183)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。CPU51は、開放中フラグが「1」又は「2」である場合には大入賞口が開放中であると判断して(S183:YES)、処理をS191の判断へ移行する。CPU51は、開放中フラグが「OFF」である場合には大入賞口が開放中でないと判断して(S183:NO)、大入賞口を開放させるための大入賞口開放コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S185)。
【0114】
第一実施形態では、奇数回目の大当たりラウンドにおいては第一大入賞口16が開放し、偶数回目の大当たりラウンドにおいては第二大入賞口17が開放するようにされている。したがって、CPU51は、奇数回目の大当たりラウンドを実行する場合(Rカウンタの値が偶数である場合)には、第一大入賞口16を開放させる内容の大入賞口開放コマンドを生成する。CPU51は、偶数回目の大当たりラウンドを実行する場合(Rカウンタの値が奇数である場合)には、第二大入賞口17を開放させる内容の大入賞口開放コマンドを生成する。コマンドバッファにセットされた大入賞口開放コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して第一大入賞口16を開放させる内容の大入賞口開放コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。中継端子板47を介して第二大入賞口17を開放させる内容の大入賞口開放コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を開放させる。
【0115】
CPU51は、大当たり遊技における大入賞口の開放時間である大入賞口開放時間(本実施形態では29秒)を、RAM52の大入賞口開放時間カウンタに記憶する(S186)。CPU51は、開放中フラグを「ON」にする(S188)。CPU51は、処理をS191の判断へ移行する。CPU51は、S185で第一大入賞口16を開放させる内容の大入賞口開放コマンドを生成した場合、開放中フラグに「1」を記憶する。CPU51は、S185で第二大入賞口17を開放させる内容の大入賞口開放コマンドを生成した場合、開放中フラグに「2」を記憶する(S188)。
【0116】
CPU51は、大入賞口へ遊技球が入賞したかを判断する(S191)。第一大入賞口スイッチ76又は第二大入賞口スイッチ77が遊技球の入賞を検知すると、
図7のS11で示したメイン処理のスイッチ読込処理において第一大入賞口スイッチ76又は第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」にされる。CPU51は、このフラグが「OFF」である場合には大入賞口へ遊技球が入賞していないと判断し(S191:NO)、処理をS193の判断へ移行する。CPU51は、このフラグが「ON」である場合には大入賞口へ遊技球が入賞したと判断し(S191:YES)、大入賞口へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」を加算する(S192)。CPU51は、処理をS193の判断へ移行する。
【0117】
CPU51は、入賞球数カウンタに記憶されている入賞球数が、「10」以上であるかを判断する(S193)。入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S193:NO)、CPU51は、大入賞口開放時間が経過したかを、大入賞口開放時間カウンタの値に基づいて判断する(S194)。大入賞口開放時間が経過していない場合(S194:NO)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。以降に行われる特別電動役物処理において、大当たり遊技状態であり(S181:YES)、Rカウンタの値が「0」でない場合(S182:NO)、大入賞口に10個以上の遊技球が入賞するか、又は大入賞口開放時間が経過するまで、S193及びS194の判断が繰り返して実行される。
【0118】
大入賞口へ10個以上の遊技球が入賞するか(S193:YES)、又は大入賞口開放時間が経過した場合(S194:YES)、大入賞口閉鎖コマンドが生成され、コマンドバッファにセットされる(S195)。大入賞口閉鎖コマンドは、開放している大入賞口の開閉部材161,171を閉鎖させるためのコマンドである。CPU51は、奇数回目の大当たりラウンドを実行中の場合(Rカウンタの値が偶数である場合)には、第一大入賞口16を閉鎖させる内容の大入賞口開放コマンドを生成する。CPU51は、偶数回目の大当たりラウンドを実行中の場合(Rカウンタの値が奇数である場合)には、第二大入賞口17を閉鎖させる内容の大入賞口開放コマンドを生成する。セットされた大入賞口閉鎖コマンドは、中継端子板47に順次送信される。中継端子板47を介して第一大入賞口16を閉鎖させる内容の大入賞口閉鎖コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、第一大入賞口16の開閉部材161を閉鎖させる。中継端子板47を介して第二大入賞口17を閉鎖させる内容の大入賞口閉鎖コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させる。CPU51は、開放中フラグを「OFF」にする(S196)。CPU51は、Rカウンタの値を「1」減算する(S197)。CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。
【0119】
一方、Rカウンタの値が「0」である場合(S182:YES)、大当たり遊技が終了するので、CPU51は、大当たり遊技状態終了通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S201)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、大当たり遊技状態フラグを「OFF」にする(S202)。
【0120】
CPU51は、RAM52に記憶されている大当たり図柄の内容を示す情報を参照し、参照した情報が確変大当たり図柄を示すかを判断する(S203)。参照した情報が確変大当たり図柄を示す場合(S203:YES)、CPU51は、確変状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S205)。CPU51は、確変フラグを「ON」にする(S206)。
【0121】
CPU51は、RAM52に記憶されている大当たり図柄の内容を示す情報を参照し、参照した情報が8R潜伏大当たりを示すかを判断する(S208)。参照した情報が8R潜伏大当たりを示す場合(S208:YES)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。参照した情報が8R潜伏大当たりを示さない場合(S208:NO)、CPU51は、時短状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S209)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、処理をS216へ移行する。
【0122】
一方、CPU51は、参照した情報が非確変大当たり図柄を示す場合(S203:NO)、RAM52に記憶されている大当たり図柄の内容を示す情報を参照し、参照した情報が8R通常大当たりを示すかを判断する(S211)。参照した情報が8R通常大当たりを示す場合(S211:YES)、CPU51は、処理をメイン処理へ戻す。参照した情報が8R通常大当たりを示さない場合(S211:NO)、時短状態開始通知に対応する遊技状態コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S212)。コマンドバッファにセットされた遊技状態コマンドは、サブ制御基板58へ順次送信される。CPU51は、時短回数計数カウンタに、時短回数に対応する「100」をセットする(S213)。CPU51は、時短フラグを「ON」にして(S216)、処理をメイン処理へ戻す。
【0123】
図12を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、各種の演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、報知演出に関する制御が行われる。サブ制御基板58は、所定の周期でクロック信号を出力するクロック回路(図示略)及び割込信号発生回路(図示略)を備える。割込信号発生回路は、クロック回路からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。サブ制御基板58のCPU581は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、割込信号発生回路から割込信号が入力される毎にサブ制御基板処理を実行する。
【0124】
サブ制御基板処理では、サブ確変フラグ、サブ時短フラグ、サブ客待ちフラグ等が使用される。これらのフラグはRAM582に記憶される。サブ確変フラグは、確変状態であるかを示すフラグであり、確変状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。サブ時短フラグは、時短状態であるかを示すフラグであり、時短状態に「1」が記憶されて「ON」になり、非時短状態に「0」が記憶されて「OFF」になる。サブ客待ちフラグは、客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。サブ客待ちフラグは、パチンコ機1が客待ち状態である場合に「1」が記憶されて「ON」になり、客待ち状態でない場合には「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0125】
パチンコ機1の電源スイッチ423がON状態に操作されることによってパチンコ機1の電源がONにされると、
図12に示すように、CPU581は、サブ制御基板処理を開始する。サブ制御基板処理が開始されると、CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信したかを判断する(S401)。CPU581は、主制御基板41から遊技状態コマンドを受信していない場合(S401:NO)、処理をS403の判断へ移行する。主制御基板41から遊技状態コマンドを受信した場合(S401:YES)、遊技状態制御処理を実行して(S402)、処理をS403の判断へ移行する。
【0126】
図14を参照して、
図12のS402で示した遊技状態制御処理の詳細について説明する。遊技状態制御処理では、遊技状態コマンドによって通知される各種の状態に応じた処理が行われる。
【0127】
遊技状態制御処理が開始されると、CPU581は、遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態開始通知が行われたかを判断する(S501)。遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態開始通知が行われた場合(S501:YES)、CPU581は、大当たり遊技演出開始コマンドを生成して、RAM582に設けられるコマンドバッファにセットする(S502)。大当たり遊技演出開始コマンドは、大当たり遊技状態において実行される大当たり遊技演出を開始することを指示するためのコマンドである。コマンドバッファにセットされたコマンドは、コマンドバッファにセットされた順に、演出制御基板43等に送信される。大当たり遊技演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、大当たり遊技演出に対応する画像データをCGROMから読み出す。CPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、大当たり遊技演出の演出画像の表示を開始する。また、CPU581は、ランプ制御基板46を介して、枠ランプ38及び盤ランプ27の電飾演出を制御する。また、CPU581は、音制御回路585による音処理を制御する。これにより、大当たり遊技演出の実行が開始される。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0128】
遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態開始通知が行われていない場合(S501:NO)、CPU581は、遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われたかを判断する(S503)。遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われた場合(S503:YES)、CPU581は、大当たり遊技演出終了処理を実行して(S505)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。大当たり遊技演出終了処理の詳細については後述する。
【0129】
遊技状態コマンドによって大当たり遊技状態終了通知が行われていない場合(S503:NO)、CPU581は、遊技状態コマンドによって通知される各種の状態に応じた処理を実行する(S509)。具体的には、CPU581は、遊技状態コマンドによって確変状態開始通知が行われた場合、サブ確変フラグを「ON」にし、確変状態終了通知が行われた場合には、サブ確変フラグを「OFF」にする。CPU581は、遊技状態コマンドによって時短状態開始通知が行われた場合、サブ時短フラグを「ON」にし、時短状態終了通知が行われた場合には、サブ時短フラグを「OFF」にする。CPU581は、サブ確変フラグ及びサブ時短フラグの状態に応じて遊技状態を把握し、各種の演出を制御する。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0130】
図12の説明に戻る。CPU581は、主制御基板41から客待ちコマンドを受信したかを判断する(S403)。客待ちコマンドを受信していない場合(S403:NO)、CPU581は、処理をS406の判断へ移行する。客待ちコマンドを受信した場合(S403:YES)、CPU581は、客待ちコマンドを受信してから客待ち演出を開始するまでの時間である客待ち演出開始時間を計測する客待ち演出開始時間カウンタに所定、客待ち演出開始時間を示す値をセットする(S405)。本実施形態では、客待ち演出開始時間は、約30秒である。CPU581は、客待ち演出開始時間カウンタの値を時間の経過に応じて順次減算する。CPU581は、処理をS406の判断へ移行する。
【0131】
CPU581は、客待ち演出開始時間カウンタの値が「0」に到達し、客待ち演出開始時間が経過したかを判断する(S406)。CPU581は、客待ち演出開始時間が未経過の場合(S406:NO)、処理をS411の判断へ移行する。CPU581は、客待ち演出開始時間が経過した場合(S406:YES)、表示画面28に表示中の演出図柄100の態様を取得し、取得した演出図柄100の態様をRAM582に記憶する(S407)。主制御基板41から客待ちコマンドを受信した場合、特別図柄は停止表示を継続する状態にあり、演出図柄100も特別図柄の停止表示に同期して停止表示を継続する状態にある。この場合の演出図柄100の停止表示態様は、後述する確定図柄態様決定処理において直近に決定された、後述する確定図柄の態様に対応する。したがって、CPU581は、RAM582に記憶されている確定図柄の態様を参照して取得し、所定の条件下で客待ち状態が終了した直後に表示する演出図柄100の態様として記憶する。
【0132】
CPU581は、客待ち状態において実行する客待ち演出の実行開始を指示するための客待ち演出開始コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S408)。コマンドバッファにセットされた客待ち演出開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。客待ち演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、客待ち演出に対応する画像データをCGROMから読み出す。CPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、客待ち演出の演出画像の表示を開始する。これにより、客待ち演出の実行が開始される。
【0133】
本実施形態において、客待ち演出は、
図23(U-1)に示すように、パチンコ機1の演出に登場するキャラクタCH1及びCH2に加えて、所定の表示121等が表示画面28に表示される内容で実行される。表示121は、実行中の演出が客待ち演出であり、報知演出は実行中でないことを示すための「デモムービー」の文字を用いて構成されている。なお、客待ち演出の実行終了時等に演出図柄100が変動表示を行ったかのように見えることを回避するため、客待ち演出は、演出図柄100を表示しない態様で構成されることが好ましい。本実施形態では、客待ち演出の実行中には、演出図柄100が表示画面28から消去される。CPU581は、サブ客待ちフラグを「ON」にして(S409)、処理をS411の判断へ移行する。
【0134】
CPU581は、主制御基板41から保留情報コマンドを受信したかを判断する(S411)。CPU581は、主制御基板41から保留情報コマンドを受信していない場合(S411:NO)、処理をS413の判断へ移行する。CPU581は、主制御基板41から保留情報コマンドを受信した場合(S411:YES)、保留表示処理を実行し(S412)、処理をS413の判断へ移行する。
【0135】
保留表示処理では、保留表示の表示制御のための処理が行われる。保留表示とは、第一保留乱数に対応する先読み情報である第一保留情報、第二乱数に対応する先読み情報である第二保留情報を所定の図柄等で示すものである。CPU581は、
図12のS412で受信した保留情報コマンドの示す保留情報に対応する保留表示を表示画面28に表示するための処理を実行する。これにより、パチンコ機1は、第一保留情報を示す第一保留表示NH1及び第二保留情報を示す第二保留表示NH2のそれぞれを、表示画面28に表示できる。
【0136】
パチンコ機1は、
図18等に示すように、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄100の変動表示を行い、特別図柄の確定表示に同期して演出図柄100を確定表示することで、報知演出を実行する。
図18に示すように、演出図柄100は、左図柄101、中図柄102及び右図柄103を備える。左図柄101は、表示画面28の左部の変動ラインに主に表示される。中図柄102は、表示画面28の中央部の変動ラインに主に表示される。右図柄103は、表示画面28の右部の変動ラインに主に表示される。
図18(A),(B)に示すように、左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインにおいて「1」図柄から「8」図柄が上方から下方に順にスクロールされることによって、演出図柄100の図柄変動が行われる。矢印Y1は、演出図柄100のそれぞれがスクロールを継続していることを模式的に示す。
図18(C)に示すように、左図柄101、中図柄102及び右図柄103をそれぞれの変動ラインの中央部において停止表示させることによって、演出図柄100の確定表示が行われる。
図19(J)は、演出図柄100がゾロ目の組合せで確定表示することで、大当たり判定の結果が大当たりであることが報知された例を示す。
図18(C)、(H)等は、演出図柄100がゾロ目以外の組合せで確定表示することで、大当たり判定の結果がはずれであることが報知された例を示す。
【0137】
パチンコ機1は、表示画面28において、
図3で示した主制御基板41のRAM52の特
図1大当たり関係情報記憶エリアに第一保留乱数が記憶された順に、第一保留乱数に対応する第一保留情報を示す第一保留表示NH1を表示する。
図18等に示すように、本実施形態では、第一保留表示NH1は、円形のシンボルで構成される。第一保留表示NH1は、円形以外の各種の形状等を有していてもよい。第一保留表示NH1は、その表示色の違い、形状の違い等によって、第一保留情報の期待度の高低を示すものであってもよい。本実施形態においては、第一保留表示NH1は、その表示色の違いによって第一保留情報の期待度を遊技者に示唆することができる。保留情報の期待度とは、保留情報に対して大当たり判定が行われた場合に、その結果が大当たりとなる期待度である。第一保留情報に含まれる特
図1大当たり先読み情報及び第一変動パターン先読み情報等に基づいて、第一保留情報の期待度が定まる。
【0138】
表示画面28の左下部には、第一保留表示NH1を表示する位置を示す位置H1~位置H4が設けられている。位置H1,H2,H3,H4のそれぞれには、
図3で示した特
図1大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第一保留乱数に対応する第一保留表示NH1が表示される。
図18(A)において、第一特別図柄の変動時間と同期して第一報知演出の実行が開始された状態であり、第一保留数が「1」であり、1個の第一保留表示NH1が、位置H1に表示されている。また、
図18(B)は、第一報知演出の実行中に第一始動口14に遊技球が入賞することによって第一保留乱数が新たに記憶されたことに対応して、位置H2に第一保留表示NH1が表示された様子を示す。
【0139】
パチンコ機1は、表示画面28に、第二保留乱数を示す第二保留表示NH2を表示する。
図19(M)に示すように、本実施形態では、第二保留表示NH2は、三角形のシンボルで構成される。第二保留表示NH2は、三角形以外の各種の形状等を有していてもよい。第二保留表示NH2は、その表示色の違い、形状の違い等によって、第二保留情報の期待度の程度を示すものであってもよい。第二保留情報の期待度は、第一保留情報の期待度と同様に、第二保留情報に基づくものである。表示画面28の右下部には、第二保留表示NH2を表示する位置を示す位置H5~位置H8が設けられている。位置H5,H6,H7,H8のそれぞれには、特
図2大当たり関係情報記憶エリアのNo.1,2,3,4のそれぞれに記憶されている第二保留乱数に対応する第二保留表示NH2が表示される。
【0140】
CPU581は、S412の保留表示処理において、第一保留表示NH1及び第二保留表示NH2の表示制御のための処理を実行する。具体的には、CPU581は、受信した保留情報コマンドが第一保留情報コマンドである場合、第一保留情報コマンドを解析し、第一保留情報を取得する。CPU581は、第一保留表示NH1を、位置H1~位置H4のうち空いている位置に左詰めで表示することを演出制御基板43に指示するコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファにセットする。また、CPU581は、受信した保留情報コマンドが第二保留情報コマンドである場合、第二保留情報コマンドを解析し、第二保留情報を取得する。CPU581は、第二保留表示NH2を、位置H5~位置H8のうち空いている位置に左詰めで表示することを演出制御基板43に指示するコマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされたコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、表示画面28に第一保留表示NH1又は第二保留表示NH2を追加表示する。
【0141】
RAM582は、第一保留数を計数するサブ第一保留数カウンタ及び第二保留数を計数するサブ第二保留数カウンタを備える。CPU581は、保留表示処理において、第一保留情報コマンドを受信した場合、サブ第一保留数カウンタに「1」を加算する。CPU581は、保留表示処理において、第二保留情報コマンドを受信した場合、サブ第二保留数カウンタに「1」を加算する。
【0142】
CPU581は、主制御基板41から停止図柄指定コマンドを受信したかを判断する(S413)。停止図柄指定コマンドを受信していない場合(S413:NO)、CPU581は、処理をS416の判断へ移行する。停止図柄指定コマンドを受信した場合(S413:YES)、CPU581は、確定図柄態様決定処理を実行して(S415)、処理をS416の判断へ移行する。
【0143】
図15を参照して、
図12のS415で示した確定図柄態様決定処理の詳細について説明する。確定図柄態様決定処理では、停止図柄指定コマンドによって通知される特別図柄の種類に応じた確定図柄を決定し、決定した確定図柄で演出図柄100を確定表示するための処理が行われる。
【0144】
確定図柄態様決定処理が開始されると、CPU581は、主制御基板41から受信した停止図柄指定コマンドを解析して、コマンドの示す特別図柄の図柄名称を取得する(S511)。CPU581は、取得した図柄名称をRAM582に記憶する。CPU581は、取得した図柄名称が、8R潜伏大当たりを除く確変大当たり図柄に対応するかを判断する(S512)。CPU581は、取得した図柄名称が4R確変大当たり又は8R確変大当たりの場合には、8R潜伏大当たりを除く確変大当たり図柄に対応すると判断する(S512:YES)。この場合、CPU581は、「左図柄101・中図柄102・右図柄103」の順で「3・3・3」、「7・7・7」等の奇数のゾロ目の組合せを確定図柄として決定する(S513)。
【0145】
CPU581は、取得した図柄名称が4R確変大当たり及び8R確変大当たりでない場合には、取得した図柄名称が非確変大当たり図柄又は8R潜伏大当たりであるかを判断する(S515)。本実施形態において、4R時短大当たり、8R時短大当たり及び8R通常大当たりが、非確変大当たり図柄に対応する図柄名称である。CPU581は、取得した図柄名称が4R時短大当たり、8R時短大当たり、8R通常大当たり又は8R潜伏大当たりの場合には、非確変大当たり図柄又は8R潜伏大当たりに対応すると判断する(S515:YES)。この場合、CPU581は、「左図柄101・中図柄102・右図柄103」の順で「2・2・2」、「6・6・6」等の偶数のゾロ目の組合せを確定図柄として決定する(S516)。前述したように、奇数又は偶数のゾロ目の組合せは、大当たり判定の結果が大当たりであることを報知するための図柄態様である。本実施形態において、このような奇数又は偶数のゾロ目の組合せによる図柄態様を、「第一態様」ともいう。
【0146】
CPU581は、取得した図柄名称が4R時短大当たり、8R時短大当たり、8R通常大当たり及び8R潜伏大当たりでない場合(S515:NO)、確定図柄としてリーチはずれ目の図柄態様を決定するかを判断する(S521)。リーチはずれ目の図柄態様は、報知演出において演出図柄100のうち左図柄101及び右図柄103が同じ数字を示してリーチ状態を構成した後に、その報知演出が大当たり判定の結果がはずれであることを報知する場合に採られる図柄態様である。すなわち、リーチはずれ目の図柄態様は、「7・6・7」、「2・3・2」等、左図柄101及び右図柄103が同じ数字を示し、中図柄102が左図柄101及び右図柄103とは異なる数字を示す組合せによる図柄態様である。
【0147】
CPU581は、S521において、後述する報知演出実行処理によってRAM582に記憶されている変動パターンを示す情報を参照して、参照した変動パターンを示す情報がリーチ演出に対応するかを判断する。CPU581は、参照した変動パターンを示す情報がリーチ演出に対応する場合(S521:YES)、リーチはずれ目の図柄態様を確定図柄として決定する(S522)。一方、CPU581は、参照した変動パターンを示す情報が非リーチ演出に対応する場合(S521:NO)、ゾロ目、リーチはずれ目以外の組合せであるバラケ目の図柄態様を確定図柄として決定する(S523)。本実施形態において、左図柄101、中図柄102及び右図柄103が異なる数字を含んで構成される、リーチハズレ目及びバラケ目の組合せによる図柄態様を、「第二態様」ともいう。
【0148】
CPU581は、S513、S516、S512又はS523のいずれかで決定した図柄態様を、RAM582に記憶する(S525)。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0149】
図12の説明に戻る。CPU581は、主制御基板41から変動パターン指定コマンドを受信したかを判断する(S416)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S416:NO)、CPU581は、処理を
図13に示すS421の判断へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信した場合(S416:YES)、CPU581は、報知演出実行処理を実行し(S418)、処理をS421の判断へ移行する。
【0150】
図16を参照して、
図12のS418で示した報知演出実行処理の詳細について説明する。報知演出実行処理では、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに基づく報知演出の制御が行われる。
【0151】
報知演出実行処理が開始されると、CPU581は、変動パターン指定コマンドを解析して、コマンドの示す変動パターンを特定し、特定した変動パターンを取得する(S531)。CPU581は、取得した変動パターンをRAM582に記憶する。CPU581は、S531で取得した変動パターンが第一変動パターンである場合には、サブ第一保留数カウンタを「1」減算する。CPU581は、S531で取得した変動パターンが第二変動パターンである場合には、サブ第二保留数カウンタを「1」減算する(S532)。
【0152】
CPU581は、保留表示シフトコマンドを生成し、生成した保留表示シフトコマンドをコマンドバッファにセットする(S533)。保留表示シフトコマンドは、S531で取得した変動パターンが第一変動パターンである場合には、位置H1に表示されている第一保留表示NH1を削除し、位置H2~位置H4に表示されている第一保留表示NH1のそれぞれを一つずつ左の位置へ繰り上げて移動することを指示する情報を含む。保留表示シフトコマンドは、S531で取得した変動パターンが第二変動パターンである場合には、位置H5に表示されている第二保留表示NH2を削除し、位置H6~位置H8に表示されている第二保留表示NH2のそれぞれを一つずつ左の位置へ繰り上げて移動することを指示する情報を含む。コマンドバッファにセットされた保留表示シフトコマンドは、演出制御基板43に順次送信される。保留表示シフトコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、位置H1~位置H4に表示されている第一保留表示NH1又は位置H5~位置H8に表示されている第二保留表示NH2を、一つずつ左の位置へ繰り上げて移動する。
【0153】
CPU581は、客待ち状態であるかを判断する(S534)。CPU581は、サブ客待ちフラグが「OFF」である場合には客待ち状態でないと判断して(S534:NO)、処理をS539へ移行する。
【0154】
CPU581は、サブ客待ちフラグが「ON」である場合には客待ち状態であると判断して(S534:YES)、客待ち演出の実行終了を指示するためのコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S535)。コマンドバッファにセットされたコマンドは、演出制御基板43等に順次送信される。このコマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、表示画面28における客待ち演出に対応する画像データの表示を終了する。CPU581は、サブ客待ちフラグを「OFF」にする(S536)。
【0155】
CPU581は、図柄表示コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S538)。図柄表示コマンドは、報知演出の実行開始時点において表示画面28に表示される演出図柄100の組合せを指示するためのコマンドである。遊技が大当たり遊技状態以外の状態にあって、客待ち状態でない場合には、前回に実行された報知演出が終了した場合に表示画面28に表示された演出図柄100の組合せがそのまま表示画面28に表示されている。このような場合には、CPU581は、報知演出の実行開始時点において表示画面28に表示される演出図柄100の組合せを指定する必要はない。一方、本実施形態では、客待ち演出の実行中には、演出図柄100が表示画面28から消去されている。このため、パチンコ機1が客待ち演出を終了して報知演出の実行を開始する場合には、演出図柄100の変動表示を開始するために演出図柄100を報知演出の当初に表示する必要がある。CPU581は、客待ち演出を終了して報知演出の実行を開始する場合、前述のS405においてRAM582に記憶した演出図柄100の組合せを参照する。CPU581は、参照した演出図柄100の組合せを、報知演出の実行開始時点において表示する演出図柄100の組合せとして指示する内容の図柄表示コマンドを生成する。
【0156】
コマンドバッファにセットされた図柄表示コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。図柄表示コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、図柄表示コマンドの示す演出図柄100の組合せを、今回実行を開始する報知演出の実行開始時点における演出図柄100の組合せとして表示画面28に表示させる。
【0157】
CPU581は、報知演出開始コマンドを生成し、生成した報知演出開始コマンドをコマンドバッファにセットする(S539)。報知演出開始コマンドは、報知演出の実行開始を指示するためのコマンドである。報知演出開始コマンドは、変動パターンに基づく報知演出の演出パターンを示す情報を含む。コマンドバッファにセットされた報知演出開始コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。報知演出開始コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、報知演出開始コマンドが含む報知演出の演出パターンを示す情報に対応する画像データをCGROMから読み出す。そしてCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、読み出した画像データを表示画面28に表示させることによって、報知演出の演出画像の表示を開始する。また、CPU581は、ランプ制御基板46を介して、枠ランプ38及び盤ランプ27の電飾演出を制御する。また、CPU581は、音制御回路585による音処理を制御する。これにより、報知演出の実行が開始される。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0158】
図13を参照して、サブ制御基板処理の続きを説明する。CPU581は、主制御基板41から特別図柄停止コマンドを受信したかを判断する(S421)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S421:NO)、CPU581は、処理をS423の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S421:YES)、CPU581は、演出図柄確定コマンドを生成して、コマンドバッファにセットする(S422)。
【0159】
演出図柄確定コマンドは、前述したS525においてRAM582に記憶された図柄態様で演出図柄100を確定表示することを指示するためのコマンドである。CPU518は、演出図柄100を確定表示することで報知演出の実行を終了するために、演出図柄確定コマンドを生成する。具体的には、CPU581は、受信した特別図柄停止コマンドが第一特別図柄停止コマンドである場合、第一報知演出の実行終了を指示するための演出図柄確定コマンドを生成し、生成した演出図柄確定コマンドをコマンドバッファにセットする。CPU581は、受信した特別図柄停止コマンドが第二特別図柄停止コマンドである場合、第二報知演出の実行終了を指示するための演出図柄確定コマンドを生成し、生成した演出図柄確定コマンドをコマンドバッファにセットする。コマンドバッファにセットされた演出図柄確定コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。演出図柄確定コマンドは、S525でRAM582に記憶された確定図柄の図柄態様を示す情報を含む。演出図柄確定コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、画像制御回路435による画像処理を制御して、演出図柄100の変動表示を終了し、演出図柄100を、確定図柄態様決定処理において決定された確定図柄の図柄態様で確定表示する。これにより、報知演出の実行が終了する。CPU581は、処理をS423の判断へ移行する。
【0160】
CPU581は、主制御基板41からその他のコマンドを受信したかを判断する(S423)。その他のコマンドを受信していない場合(S423:NO)、CPU581は、サブ制御基板処理を終了する。その他のコマンドを受信した場合(S423:YES)、CPU581は、コマンドに応じた各種の処理を実行する(S425)。CPU581は、サブ制御基板処理を終了する。
【0161】
図17を参照して、
図14のS505で示した大当たり遊技演出終了処理の詳細について説明する。大当たり遊技演出終了処理では、大当たり遊技演出を終了させるための処理が行われる。大当たり遊技演出終了処理が開始されると、CPU581は、大当たり遊技演出終了コマンドを生成して、コマンドバッファにセットする(S561)。大当たり遊技演出終了コマンドは、大当たり遊技演出の終了を指示するためのコマンドである。大当たり遊技演出終了コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、表示画面28における大当たり遊技演出に対応する画像データの表示を終了する。
【0162】
CPU581は、サブ第一保留数カウンタ及びサブ第二保留数カウンタを参照して、それぞれの値が「0」であるかを判断する(S562)。CPU581は、サブ第一保留数カウンタ及びサブ第二保留数カウンタの少なくともいずれかが「0」でない場合(S562:NO)、大当たり遊技演出が終了した後に実行を開始する報知演出の実行当初に表示する演出図柄100の図柄態様を、前述したS525においてRAM582に記憶された図柄態様に決定する(S572)。すなわち、CPU581は、S572の処理において、大当たり遊技演出が終了した後に表示する演出図柄100の図柄態様を、大当たり遊技状態の開始直前に実行された報知演出において確定表示された演出図柄100の組合せに決定する。大当たり遊技状態の開始直前に実行された報知演出においては、演出図柄100は奇数又は偶数のゾロ目の組合せによる図柄態様、すなわち第一態様で確定表示されている。S572の処理は、大当たり遊技演出が終了した後に表示する演出図柄100の図柄態様を、第一態様に決定する処理である。CPU581は、処理をS573へ移行する。
【0163】
CPU581は、サブ第一保留数カウンタ及びサブ第二保留数カウンタのいずれもが「0」である場合(S562:YES)、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非時短状態であるかを判断する(S563)。CPU581は、S511の処理において取得してRAM582に記憶した図柄名称を参照することによって、S563の判断を実行する。CPU581は、参照した図柄名称が8R通常大当たり又は8R潜伏大当たりである場合には、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非時短状態であると判断する(S563:YES)。この場合、CPU581は、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が潜伏確変状態、すなわち確変非時短状態であるかを判断する(S565)。
【0164】
CPU581は、参照した図柄名称が8R通常大当たりである場合には、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が非確変非時短状態であると判断する(S565:NO)。この場合、CPU581は、大当たり遊技演出が終了した後に実行を開始する報知演出の実行当初に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定のバラケ目の組合せによる図柄態様、すなわち第二態様に決定する(S571)。S571で決定される図柄態様の内容は、所定の一種類のバラケ目の組合せであってもよい。例えば、S571で決定される図柄態様は、パチンコ機1がRAMクリアを伴って電源がONにされた場合に最初に表示される演出図柄100の組合せである、いわゆる朝一出目であってもよい。また、S571で決定される図柄態様の内容は、所定の複数種類のバラケ目の組合せのうちからいずれかが選択されることによって決定されてもよい。すなわち、S571で決定される図柄態様は、第一態様以外の図柄態様であればよい。CPU581は、処理をS573へ移行する。
【0165】
一方、CPU581は、参照した図柄名称が8R潜伏大当たりである場合には、大当たり遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が確変非時短状態であると判断する(S565:YES)。この場合、CPU581は、大当たり遊技演出が終了した後に表示する演出図柄100の図柄態様を、第一態様に決定するかを決定する所定の抽選を実行する(S566)。CPU581は、所定の抽選に当選した場合(S566:YES)、S572の処理を実行する。CPU581は、所定の抽選に当選しなかった場合(S566:NO)、S571の処理を実行する。CPU581は、所定の抽選に当選した場合(S566:YES)、S572の処理を実行する。本実施形態において、S566における所定の抽選の当選確率は約50%である。なお、S566における所定の抽選の当選確率は、任意に設けられてよい。また、S566の所定の抽選の実行は任意である。したがって、例えば、CPU581は、S566における所定の抽選を実行せず、S565の判断結果が「YES」の場合、必ずS572の処理を実行してもよい。
【0166】
CPU581は、S571又はS572で決定した図柄態様を、報知演出の実行開始時点において表示画面28に表示される演出図柄100の組合せとして指示する図柄表示コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S573)。この図柄表示コマンドは、大当たり遊技状態が終了した後に最初に実行される報知演出の実行開始時点において表示画面28に表示される演出図柄100の組合せを指示するものである。コマンドバッファにセットされた図柄表示コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。図柄表示コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、図柄表示コマンドの示す演出図柄100の組合せを、大当たり遊技状態の終了後に最初に実行を開始する報知演出の実行開始時点における演出図柄100の組合せとして表示画面28に表示させる。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0167】
図18から
図20を参照して、第一実施形態における報知演出において表示画面28に表示される演出図柄100の図柄態様の例について説明する。
図18(A)~(C)は、非確変非時短状態において、非リーチの変動パターンに対応して第一報知演出が行われる例を示す。
図18(A)に示すように演出図柄100が図柄変動を開始することによって、第一報知演出が開始される。
図18(A)は、第一保留数が「1」であり、1個の第一保留表示NH1が位置H1に表示されている様子を示す。次いで、
図18(B)に示すように、この第一報知演出における演出図柄100の図柄変動が進行する間に新たに第一保留乱数が記憶され、位置H2に第一保留表示NH1が表示されたとする。その後、
図18(C)に示すように、演出図柄100が図柄変動を終了してはずれを示すバラケ目の組合せで確定表示し、実行中であった第一報知演出が終了する。
【0168】
図18(D)~(H)は、
図18(A)~(C)で示した第一報知演出に引き続いて、リーチ演出を伴う第一報知演出が行われる例を示す。
図18(D)に示すように演出図柄100が図柄変動を開始することによって、第一報知演出の実行が開始される。
図18(E)は、この第一報知演出が進行し、左図柄101と右図柄103とが「7」を示す図柄で仮停止し、演出図柄100がリーチ状態を構成した様子を示す。本実施形態では、リーチ状態において左図柄101と右図柄103とが、僅かに揺れた揺れ変動を伴って仮停止した状態にある。
図18(E)等に示す記号Y2は、左図柄101及び右図柄103が揺れ変動をしていることを模式的に表している。パチンコ機1は、リーチ状態を構成することによって、第一報知演出がリーチ状態に至ったことを見た遊技者に、実行中の第一報知演出によって大当たりの判定結果が報知される可能性があることを認識させて、遊技者の期待感を維持及び向上させることができる。
【0169】
図18(D)~(H)で示す第一報知演出は、SPリーチ演出であるとする。この場合、第一報知演出においてリーチ状態が構成されたことを契機として、その後の演出内容が、リーチ状態が構成される前までに対して発展的に変化する。
図18(F)は、変化後の演出の例を示す。本実施形態では、所定のキャラクタCH1がA地点からB地点を目指して疾走する内容の演出が、変化後の演出として実行される。表示画面28には、変化後の演出の内容を説明するための説明表示111が表示される。本実施形態では、説明表示111は、「ゴールできたら大当たり」の文字を示しており、キャラクタCH1がB地点に到達するか否かが、変化後の演出として展開されることを示す。この演出が展開される間において、演出図柄100はリーチ状態を示して、表示画面28の左上部に縮小表示される。
【0170】
図18(G)は、
図18(F)の示す内容に引き続いて実行される演出が、キャラクタCH1がB地点に到達することができなかった内容で展開される場合の例を示す。この場合、キャラクタCH1がB地点に到達することができず、実行中の第一報知演出によって大当たりの判定結果が報知されないことを遊技者に報知する表示112が表示画面28に表示される。
図18(H)は、その後に演出図柄100のうち変動を継続していた中図柄102が左図柄101及び右図柄103とは異なる「6」を示す図柄で停止することによって、演出図柄100がリーチはずれ目の組合せによる図柄態様で確定表示して終了した例を示す。ゾロ目の組合せではない第二態様によって演出図柄100が確定表示したことを視認した遊技者は、実行されていた第一報知演出がはずれの判定結果を報知したことを認識できる。
【0171】
一方、
図19(I)及び(J)は、第一報知演出が
図18(D)~(F)に示すようにしてリーチ状態を構成した後、キャラクタCH1がB地点に到達できた内容で展開される場合の例を示す。この場合、キャラクタCH1がB地点に到達することができ、実行中の第一報知演出によって大当たりの判定結果が報知されることを遊技者に暗示する「GOAL!」の文字を含む所定の表示113が表示画面28に表示される。
【0172】
その後、
図19(J)に示すように、キャラクタCH1及び表示113が表示画面28から消去され、演出図柄100が、演出内容が発展する前に表示されていたのと同様の大きさで表示される。そして、リーチ状態を構成する左図柄101及び右図柄103と同じ「7」の数字を示す図柄で中図柄102が停止することによって、演出図柄100が大当たりを示す「7」の数字のゾロ目の組合せで確定表示する。前述したように、本実施形態において、奇数のゾロ目の組合せによる図柄態様は第一態様であり、特に、8R潜伏大当たりを除く確変大当たり図柄に対応する。すなわち、第一報知演出は、確変大当たりであることを報知して、その実行を終了する。
【0173】
図19(K)は、
図19(J)に示すように確変大当たりであることが第一報知演出によって報知されたことを受けて遊技が大当たり遊技状態に移行し、大当たり遊技演出が実行される例を示す。本実施形態において、大当たり遊技状態は、大当たり遊技において開放する第一大入賞口16及び第二大入賞口17に遊技球を入賞させるべく、右打ちによって遊技を進めることが遊技者にとって有利となる状態である。パチンコ機1は、大当たり遊技演出において、右打ち表示119を表示画面28に表示して、遊技者に右打ちを促す。なお、大当たり遊技状態において第一保留数が「1」であるとする。なお、この状態において、第二保留数は「0」であるとする。このため、
図19(K)に示すように、表示画面28の位置H1には、第一保留表示NH1が表示されており、第二保留表示NH2は表示画面28に表示されていない。
【0174】
図19(L)は、
図19(K)で示した大当たり遊技演出が終了したことに伴い確変時短状態が設定された直後の状態の例を示す。
図19(L)の状態においては、第一保留数が「1」であり、第二保留数が「0」であるので、確変時短状態が設定された直後に特
図1大当たり判定が実行され、この特
図1大当たり判定の結果を報知するための第一報知演出の実行が開始される。この場合、
図17で示した大当たり遊技演出終了処理におけるS572において、大当たり遊技演出が終了した後に表示される演出図柄100の図柄態様が、大当たり遊技の直前に実行された報知演出において確定表示された演出図柄100の組合せに決定されている。したがって、
図19(J)で示した大当たり遊技の直前に実行された第一報知演出において確定表示された7のゾロ目の組合せが、
図19(L)に示すように、大当たり遊技状態が終了して確変時短状態が設定された直後に表示画面28に表示される。すなわち、大当たり遊技状態が終了した後に確変時短状態が設定される場合、表示画面28に表示される演出図柄100の図柄態様は第一態様である。奇数のゾロ目の組合せによる第一態様の演出図柄100を視認した遊技者は、その後に実行される大当たり遊技の終了後に確変時短状態が設定されることを認識できる。
【0175】
なお、
図19(L)は、大当たり遊技状態が終了して確変時短状態が設定された直後の一瞬の状態を示す。その後、
図19(M)に示すように、直ちに第一報知演出の実行が開始されるためである。また、時短状態においては、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が高くなる。このため、遊技者が右打ちで遊技を進行することによって第二始動口15に遊技球が順次入賞することに応じて、特
図2大当たり判定が繰り返して実行される。よって、大当たり遊技状態が終了した後に確変時短状態が設定される場合には、第一態様の演出図柄100の組合せが長時間に亘って表示画面28に表示されることが生じにくい。したがって、大当たり遊技状態が終了した後に確変時短状態が設定される場合において、確変時短状態が設定された当初に演出図柄100が第一態様で表示されても、それを見た遊技者が大当たりの判定結果が報知されたと誤認する可能性は低い。また、表示画面28の位置H1における第一保留表示NH1も大当たり遊技状態が終了して確変時短状態が設定された直後の一瞬だけ表示され、その後は、
図19(M)に示すように、第一保留表示NH1は表示画面28から消去される。
【0176】
図19(N)は、その後に確変時短状態における遊技が進行した状況において実行された第二報知演出において左図柄101と右図柄103とが「2」を示す図柄で仮停止し、演出図柄100がリーチ状態を構成した様子を示す。そして、
図19(O)に示すように、その第二報知演出において中図柄102も「2」を示す図柄で停止することによって、演出図柄100が2のゾロ目の組合せで確定表示したとする。偶数のゾロ目の組合せによる第一態様で確定表示された演出図柄100を視認した遊技者は、その後に実行される大当たり遊技の終了後に確変時短状態以外の遊技状態、すなわち、非確変状態又は潜伏確変状態が設定されることを認識できる。
【0177】
図20(P)は、
図19(O)に示すように非確変大当たり又は潜伏大当たりであることが第二報知演出によって報知されたことを受けて遊技が大当たり遊技状態に移行し、大当たり遊技演出が実行される例を示す。この状態において、第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるとする。このため、
図20(P)に示すように、表示画面28には第一保留表示NH1及び第二保留表示NH2のいずれも表示されていない。
【0178】
図20(Q)は、
図20(P)で示した大当たり遊技演出が終了したことに伴い、非確変非時短状態が設定された直後の状態の例を示す。非確変非時短状態は、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態であることから、大当たり遊技状態には表示画面28に表示されていた右打ち表示119は表示されない。
図20(Q)の状態においては、第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるので、非確変非時短状態が設定された後に、左打ちされた遊技球が新たに第一始動口14に入賞しない限り、特
図1大当たり判定が実行されず、対応する第一報知演出も実行されない。また、非時短状態は、時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が低くなるため、仮に右打ちの遊技が進行されても、遊技球は第二始動口15に入賞し難い。このため、大当たり遊技状態が終了した後に非時短状態が設定される場合、その後に新たに報知演出の実行が開始されるか、客待ち演出開始時間が経過するまでの間、変動表示を待機した状態の演出図柄100が表示画面28に表示され続けることが生じやすい。
図20(Q)に示すように、パチンコ機1は、大当たり遊技演出が終了したことに伴い、非確変非時短状態が設定された場合には、演出図柄100を第二態様で表示する。
【0179】
従来は、大当たり遊技演出が終了した後に表示される演出図柄100の図柄態様は、当たり遊技の直前に実行された報知演出において確定表示された第一態様とされていた。しかしながら、新たな報知演出の実行が開始されない状態で演出図柄100が第一態様で表示されることが継続された場合、それを視認した遊技者が大当たりの判定結果が報知されていると誤認し、今後に大当たり遊技が実行されるとも誤認する可能性がある。このような遊技者の誤認を回避するため、CPU581は、
図17で示した大当たり遊技演出終了処理のS571において、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が非時短状態となる場合には、大当たり遊技終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を第二態様に決定する。特に、大当たり遊技状態が終了する場合における第一保留数及び第二保留数がともに「0」である場合に、大当たり遊技終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を第二態様に決定する。
【0180】
なお、CPU581は、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が非時短状態となる場合、第一保留数及び第二保留数の値に関わらず、大当たり遊技終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を第二態様に決定してもよい。また、CPU581は、大当たり遊技状態が終了する場合における第一保留数及び第二保留数がともに「0」である場合、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が非時短状態となるか否かに関わらず、大当たり遊技終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を第二態様に決定してもよい。大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が非時短状態となる場合は、その後に新たに第一始動口14又は第二始動口15に遊技球が入賞しない限り報知演出が実行されない状態である。このため、第一態様の演出図柄100が継続して表示されやすい状態にあり、遊技者の誤認を回避する意義があるためである。また、大当たり遊技状態が終了する場合に第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるときには、その後にいずれの遊技状態が設定されても、その後に新たに第一始動口14又は第二始動口15に遊技球が入賞しない限り報知演出が実行されない状態である。このため、第一態様の演出図柄100が継続して表示されやすい状態にあり、遊技者の誤認を回避する意義があるためである。
【0181】
図20(R)は、
図20(P)で示した大当たり遊技演出が終了したことに伴い、潜伏確変状態である確変非時短状態が設定された直後の状態の例を示す。確変非時短状態は、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態であることから、非確変非時短状態と同様に、表示画面28に表示されていた右打ち表示119は表示されない。本実施形態では、確変非時短状態は、確変状態が設定されているが時短状態が設定されていないことから、見かけ上、非確変非時短状態である通常状態と同様の遊技状態となる。このため、大当たり遊技状態が終了した後に確変非時短状態が設定される場合には、非確変非時短状態と同様に、その後に新たに報知演出の実行が開始されるまでの間、変動表示を待機した状態の演出図柄100が表示画面28に表示され続けることとなる。
図20(R)に示すように、パチンコ機1は、大当たり遊技演出が終了したことに伴い、非確変非時短状態が設定された場合には、演出図柄100を第一態様で表示する。
【0182】
CPU581は、
図17で示した大当たり遊技演出終了処理のS572において、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が確変非時短状態となる場合には、所定の割合で、大当たり遊技終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を第一態様に決定する。特に、大当たり遊技状態が終了する場合における第一保留数及び第二保留数がともに「0」である場合に、所定の割合で、大当たり遊技終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を第一態様に決定する。このことは、
図20(Q)で示した、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が非確変非時短状態となる場合においては、大当たり遊技終了後に表示する演出図柄100の図柄態様が第二態様とされる点において異なる。
【0183】
確変非時短状態は、見かけ上は非確変非時短状態と同様であるが、確変状態が潜伏している点において、非確変非時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。パチンコ機1は、潜伏確変状態においては、非確変非時短状態とは異なり、大当たり遊技状態の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を所定の割合で第一態様とすることによって、確変状態が潜伏していることを遊技者に示唆することができる。これにより、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に非時短状態が設定された場合に表示される演出図柄100の図柄態様に遊技者の興味を引き付けるといった、新たな興趣を提供することができる。
【0184】
なお、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に確変非時短状態が設定される場合において、大当たり遊技状態の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定の割合で第一態様とする。このため、大当たり遊技状態の終了後に確変非時短状態が設定された場合、大当たり遊技状態の終了後に表示される演出図柄100の図柄態様が第二態様であっても、確変非時短状態が設定されている可能性がある。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に確変非時短状態が設定した場合、大当たり遊技状態の終了後に表示される演出図柄100の図柄態様を第二態様としても、確変状態が潜伏していることに対して遊技者に期待感を抱かせることができる。
【0185】
以上説明したように、従来の遊技機は、大当たり遊技状態の終了後には、大当たり遊技の実行の契機をもたらした演出図柄100の組合せ、すなわちゾロ目の組合せ等による第一態様の演出図柄100を表示画面28に表示することを一般に行っている。しかしながら、例えば、大当たり遊技状態の終了後に遊技が進行されない場合等には、その間に演出図柄100が第一態様で表示された状態が継続することとなる。このような場合、第一態様の演出図柄100を視認した遊技者が、大当たりの判定結果が報知されるかと誤解する可能性がある。このような場合において、パチンコ機1は、演出図柄100をバラケ目の組合せ等、第一態様とは異なる第二態様で表示することができる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後の遊技の進行状況について遊技者に誤認が生じることを回避できる。
【0186】
大当たり遊技状態の終了後に非時短状態が設定される場合、左打ちされた遊技球が新たに第一始動口14に入賞しない限り、特
図1大当たり判定が実行されず、対応する第一報知演出も実行されない。また、非時短状態は、時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が低くなるため、仮に右打ちの遊技が進行されても、遊技球は第二始動口15に入賞し難い。このため、大当たり遊技状態の終了後に非時短状態が設定される場合、その後に報知演出が実行されず、遊技が進行しない状態が継続することがある。この場合、報知演出の開始を待機して、演出図柄100が停止表示された状態を継続する。第一態様の演出図柄100が継続して表示される場合、これを視認した遊技者が、演出図柄100が大当たりを報知しており、今後に大当たり遊技が実行されるかと誤解する可能性がある。パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に非時短状態が設定される場合、演出図柄100を第二態様で表示することができる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技状態が終了した後の遊技の進行状況について、遊技者に誤認が生じることを回避できる。
【0187】
パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に第一保留数及び第二保留数がともに「0」である場合、遊技球が新たに第一始動口14又は第二始動口15に入賞しない限り、対応する報知演出が実行されない。この場合、その後に報知演出が実行されず、遊技が進行しない状態が継続することがある。報知演出の開始を待機して、演出図柄100が停止表示された状態を継続する。第一態様の演出図柄100が継続して表示される場合、これを視認した遊技者が、演出図柄100が大当たりを報知しており、今後に大当たり遊技が実行されるかと誤解する可能性がある。パチンコ機1は、大当たり遊技状態が終了する場合において、第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるとき、演出図柄100を第二態様で表示することができる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技状態が終了した後の遊技の進行状況について、遊技者に誤認が生じることを回避できる。
【0188】
パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に確変状態を設定する場合、演出図柄100を第一態様で表示することができる。特に、パチンコ機1において、確変非時短状態は、見かけ上、非確変非時短状態と同様の遊技状態となる。確変非時短状態は、確変状態が潜伏している点において、非確変非時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。パチンコ機1は、確変状態が潜伏している場合には、大当たり遊技状態の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定の割合で第一態様とすることができる。これにより、確変状態が潜伏している場合には、そのことを遊技者に示唆することができる。したがって、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に表示される演出図柄100の図柄態様に遊技者の注目を集め、遊技者の期待感を向上させるといった、新たな興趣を遊技者に提供することができる。
【0189】
第一実施形態において、大当たり遊技が、「特別遊技」の一例である。大当たり判定が、「特別判定」の一例である。
図9のS96及びS103で大当たり判定を実行する主制御基板41のCPU51が、「判定手段」の一例である。演出図柄100が、「図柄」の一例である。表示画面28が、「表示手段」の一例である。
図13のS422の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「図柄表示制御手段」の一例である。
図11のS185及びS195の処理を実行する主制御基板41のCPU51が、「特別遊技実行手段」の一例である。大当たり判定の結果が大当たりであることを示すゾロ目の演出図柄100の組合せが、「第一態様」の一例である。大当たり判定の結果が大当たりでないことを示すバラケ目、リーチはずれ目の演出図柄100の組合せが、「第二態様」の一例である。
図10のS138、S143、S158、
図11のS206、S216で時短フラグ又は確変フラグを制御する主制御基板41のCPU51が、「遊技状態設定手段」の一例である。
図3に示す特
図1大当たり関係情報記憶エリア及び特
図2大当たり関係情報記憶エリアを備える主制御基板41のRAM52が、「保留手段」の一例である。
【0190】
次いで、
図21から
図24を参照して、本発明に係る遊技機の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態のパチンコ機1において、以下で説明する構成以外の構成については、第一実施形態のパチンコ機1と共通する。したがって、第二実施形態における第一実施形態と共通する構成については、説明を適宜省略する。
【0191】
図21を参照して、第二実施形態の大当たり遊技演出終了処理について説明する。以下では、第二実施形態において、第一実施形態と同じ処理については第一実施形態と同じステップ番号を、第一実施形態と異なる処理については第一実施形態と異なるステップ番号を付して説明する。第二実施形態の大当たり遊技演出終了処理は、
図17で示した第一実施形態の大当たり遊技演出終了処理のうちS562からS573の処理に替えて、
図21のS575の処理を実行する。詳細には、
図21に示すように、CPU581は、S561の処理の後、図柄表示コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S575)。S575において、CPU581は、大当たり遊技演出が終了した後に実行を開始する報知演出の実行当初に表示する演出図柄100を、前述したS525においてRAM582に記憶された図柄態様で表示することを指示する内容の図柄表示コマンドを生成する。CPU581は、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0192】
図22を参照して、第二実施形態の報知演出実行処理について説明する。第二実施形態の報知演出実行処理は、
図16で示した第一実施形態の報知演出実行処理のうちS538の処理に替えて、
図22のS601からS609の処理を実行する。
【0193】
第二実施形態の報知演出実行処理が開始されると、CPU581は、第一実施形態と同様にS531からS534の各処理を順に実行する。その後、CPU581は、客待ち状態であるかを判断する(S534)。CPU581は、サブ客待ちフラグが「OFF」である場合には客待ち状態でないと判断して(S534:NO)、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0194】
CPU581は、サブ客待ちフラグが「ON」である場合には客待ち状態であると判断して(S534:YES)、客待ち演出の実行終了を指示するためのコマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S535)。CPU581は、サブ客待ちフラグを「OFF」にする(S536)。
【0195】
CPU581は、現在の遊技状態が非時短状態であるかを判断する(S601)。CPU581は、サブ時短フラグの状態を参照することによって、S601の判断を実行する。CPU581は、現在の遊技状態が非時短状態である場合(S601:YES)、現在の遊技状態が潜伏確変状態、すなわち確変非時短状態であるかを判断する(S602)。CPU581は、サブ確変フラグ及びサブ時短フラグの状態を参照することによって、S602の判断を実行する。
【0196】
CPU581は、現在の遊技状態が確変非時短状態でない場合(S602:NO)、CPU581は、客待ち演出が終了した後に実行を開始する報知演出の実行当初に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定のバラケ目の組合せによる図柄態様、すなわち第二態様に決定する(S606)。S606で決定される図柄態様の内容は、所定の一種類のバラケ目の組合せであってもよい。例えば、S606で決定される図柄態様は、パチンコ機1がRAMクリアを伴って電源がONにされた場合に最初に表示される演出図柄100の組合せである、いわゆる朝一出目であってもよい。また、S606で決定される図柄態様の内容は、所定の複数種類のバラケ目の組合せのうちからいずれかが選択されることによって決定されてもよい。すなわち、S606で決定される図柄態様は、第一態様以外の図柄態様であればよい。CPU581は、処理をS609へ移行する。
【0197】
一方、CPU581は、現在の遊技状態が非時短状態である場合(S601:YES)、処理をS608へ移行する。また、CPU581は、現在の遊技状態が確変非時短状態である場合(S602:YES)、客待ち演出が終了した後に表示する演出図柄100の図柄態様を、第一態様に決定するかを決定する所定の抽選を実行する(S605)。CPU581は、所定の抽選に当選した場合(S605:YES)、S608の処理を実行する。CPU581は、所定の抽選に当選しなかった場合(S605:NO)、S606の処理を実行する。CPU581は、所定の抽選に当選した場合(S605:YES)、S608の処理を実行する。本実施形態において、S605における所定の抽選の当選確率は約50%である。なお、S605における所定の抽選の当選確率は、任意に設けられてよい。また、S605の所定の抽選の実行は任意である。したがって、例えば、CPU581は、S605における所定の抽選を実行せず、S605の判断結果が「YES」の場合、必ずS608の処理を実行してもよい。
【0198】
CPU581は、客待ち演出が終了した後に実行を開始する報知演出の実行当初に表示する演出図柄100の図柄態様を、前述したS525においてRAM582に記憶された図柄態様に決定する(S608)。すなわち、CPU581は、S608の処理において、客待ち演出が終了した後に表示する演出図柄100の図柄態様を、客待ち演出の開始直前に表示画面28に表示されていた演出図柄100の組合せに決定する。CPU581は、処理をS609へ移行する。
【0199】
CPU581は、S606又はS608で決定した図柄態様を、報知演出の実行開始時点において表示画面28に表示される演出図柄100の組合せとして指示する図柄表示コマンドを生成し、コマンドバッファにセットする(S609)。この図柄表示コマンドは、客待ち状態が終了した後に最初に実行される報知演出の実行開始時点において表示画面28に表示される演出図柄100の組合せを指示するものである。コマンドバッファにセットされた図柄表示コマンドは、演出制御基板43に順次送信される。図柄表示コマンドを受信した演出制御基板43のCPU431は、図柄表示コマンドの示す演出図柄100の組合せを、客待ち状態の終了後に最初に実行を開始する報知演出の実行開始時点における演出図柄100の組合せとして表示画面28に表示させる。CPU581は、S539の処理を実行して、処理をサブ制御基板処理へ戻す。
【0200】
図23及び
図24を参照して、第二実施形態における報知演出において表示画面28に表示される演出図柄100の図柄態様の例について説明する。
図23(P)は、第一実施形態における
図20(P)と同様に、第一実施形態の
図19(O)に示すように非確変大当たり又は潜伏大当たりであることが第二報知演出によって報知されたことを受けて遊技が大当たり遊技状態に移行し、大当たり遊技演出が実行される例を示す。この状態において、第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるとする。このため、
図23(P)に示すように、表示画面28には第一保留表示NH1及び第二保留表示NH2のいずれも表示されていない。
【0201】
図23(T-1)は、
図23(P)で示した大当たり遊技演出が終了したことに伴い、非確変非時短状態が設定された直後の状態の例を示す。非確変非時短状態は、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態であることから、大当たり遊技状態には表示画面28に表示されていた右打ち表示119は表示されない。
図23(T-1)の状態においては、第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるので、非確変非時短状態が設定された後に左打ちされた遊技球が新たに第一始動口14に入賞しない限り、特
図1大当たり判定が実行されず、対応する第一報知演出も実行されない。また、非時短状態は、時短状態よりも第二始動口15の開閉部材151が開放状態にされる頻度が引くなるため、仮に右打ちの遊技が進行されても、遊技球は第二始動口15に入賞し難い。このため、大当たり遊技状態が終了した後に非時短状態が設定される場合、その後に新たに報知演出の実行が開始されるか、客待ち演出開始時間が経過するまでの間、変動表示を待機した状態の演出図柄100が表示画面28に表示され続けることとなる。
【0202】
図23(T-1)に示すように、パチンコ機1は、大当たり遊技演出が終了したことに伴い、非確変非時短状態が設定された場合には、演出図柄100を第一態様で表示する。
図23(T-1)は、「2」の数字のゾロ目の組合せによる第一態様の演出図柄100が表示画面28に表示された状態の例を示す。この第一態様の演出図柄100の図柄態様は、
図23(P)で示した大当たり遊技状態が開始される直前に実行された報知演出において確定表示された演出図柄100の図柄態様と同一である。
【0203】
本実施形態において、大当たり遊技状態が終了した場合に第一保留数及び第二保留数がともに「0」であり、大当たり遊技状態の終了後に非時短状態が設定された場合、その後に新たに報知演出の実行が開始されるまでの間、遊技が進行しない状態になる。この状態になることは、遊技者が休憩を取る等で遊技を中断したり、遊技を終了したりする契機となりやすい。大当たり遊技状態が終了した後には、変動表示を待機した状態の演出図柄100が表示画面28に表示される。その後も遊技の中断、中止等によって遊技が進行しない状態が継続したまま客待ち演出開始時間が経過すると、パチンコ機1は、客待ち状態に至っていることから、客待ち演出の実行を開始する。
【0204】
図23(U-1)は、客待ち演出の一例を示す。本実施形態の客待ち演出では、前述したように、パチンコ機1の演出に登場するキャラクタCH1及びCH2に加えて、所定の表示121等が表示画面28に表示される内容で実行される。客待ち状態において、休憩を終えた遊技者又は新たな遊技者等が発射ハンドル32を操作して遊技を開始した場合、パチンコ機1は、遊技盤2に向けて発射された遊技球が第一始動口14又は第二始動口15へ入賞することに応じて、客待ち状態を終了する。ここでは、左打ちされた遊技球が第一始動口14へ入賞したとする。パチンコ機1は、これに応じて客待ち演出の実行を終了して、第一報知演出の実行を開始する。
【0205】
図23(V-1)は、
図23(U-1)で示した客待ち演出が終了して、第一報知演出の実行が開始された直後の状態例を示す。
図23(V-1)では、
図23(U-1)で示した客待ち演出の実行中に遊技球が第一始動口14へ入賞したことに応じて、位置H1に第一保留表示NH1が表示されている。その後、第一保留表示NH1は表示画面28から消去され、
図23(W-1)に示すように、直ちに第一報知演出の実行が開始される。
【0206】
第二実施形態において、パチンコ機1は、客待ち演出の開始前には
図23(T-1)に示すように第一態様で表示していた演出図柄100を、客待ち演出の終了後には、
図23(V-1)に示すように所定のバラケ目による第二態様で表示する。これにより、パチンコ機1は、客待ち状態に遊技を再開又は新たに開始した遊技者が、客待ち演出の直後に大当たりの判定結果が報知されたと誤認することを防止することができる。
【0207】
図24(P)は、
図23(P)と同様に、非確変大当たり又は潜伏大当たりであることが第二報知演出によって報知されたことを受けて遊技が大当たり遊技状態に移行し、大当たり遊技演出が実行される例を示す。
図24(P)においても、
図23(P)と同様に、第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるとする。
【0208】
図24(T-2)は、
図24(P)で示した大当たり遊技演出が終了したことに伴い、確変非時短状態が設定された直後の状態の例を示す。確変非時短状態は、非確変非時短状態と同様に、左打ちで遊技を進行することが推奨される遊技状態であることから、大当たり遊技状態には表示画面28に表示されていた右打ち表示119は表示されない。
図24(T-2)の状態においては、
図23(T-1)の状態と同様に、第一保留数及び第二保留数がともに「0」であるので、非確変非時短状態が設定された後に左打ちされた遊技球が新たに第一始動口14に入賞しない限り、特
図1大当たり判定が実行されず、対応する第一報知演出も実行されない。
【0209】
図24(T-2)に示すように、パチンコ機1は、大当たり遊技演出が終了したことに伴い、確変非時短状態が設定された場合には、非確変非時短状態が設定された場合と同様に、演出図柄100を第一態様で表示する。この第一態様の演出図柄100の図柄態様は、
図24(P)で示した大当たり遊技状態が開始される直前に実行された報知演出において確定表示された演出図柄100の図柄態様と同一である。
【0210】
図24(T-2)で示した状態から、その後に新たに報知演出の実行が開始されるまでの間、遊技が進行しない状態になる。遊技が進行しない状態が継続したまま客待ち演出開始時間が経過すると、パチンコ機1は、客待ち状態に至っていることから、
図24(U-2)に示すように客待ち演出の実行を開始する。
図24(U-2)に示す客待ち演出の内容は、
図23(U-1)で示したものと同様である。この客待ち状態において遊技者が遊技を再開又は新たに開始した場合、パチンコ機1は、遊技盤2に向けて発射された遊技球が第一始動口14又は第二始動口15へ入賞することに応じて、客待ち状態を終了する。ここでは、左打ちされた遊技球が第一始動口14へ入賞したとする。パチンコ機1は、これに応じて客待ち演出の実行を終了して、第一報知演出の実行を開始する。
【0211】
図24(V-2)は、
図24(U-2)で示した客待ち演出が終了して、第一報知演出の実行が開始された直後の状態例を示す。
図24(V-2)に示すように、客待ち演出が終了した場合において確変非時短状態が設定されているとき、パチンコ機1は、客待ち状態の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定の割合で、客待ち演出の開始直前に表示画面28に表示されていた演出図柄100の組合せにする。前述したように、大当たり遊技状態が終了した場合に第一保留数及び第二保留数がともに「0」であり、大当たり遊技状態の終了後に確変非時短状態が設定された場合、その後に新たに報知演出の実行が開始されるまでの間、遊技が進行しない状態になる。このような状態を経て、パチンコ機1が客待ち状態に至った場合、その客待ち状態の開始直前に表示画面28に表示されていた演出図柄100は、
図24(T-2)に示すように第一態様である。
【0212】
パチンコ機1は、潜伏確変状態においては、非確変非時短状態とは異なり、客待ち演出の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定の割合で第一態様とすることができる。パチンコ機1は、客待ち状態の終了後に第一態様の演出図柄100を表示することによって、確変状態が潜伏していることを遊技者に示唆することができる。第一態様の演出図柄100が表示されるのは、客待ち演出が終了して報知演出が開始される際の一瞬であるため、パチンコ機1が大当たりの判定結果を報知したように遊技者に誤解させる可能性は低い。また、第一態様の演出図柄100を視認して遊技者が違和感等を抱いたとしても、第一態様の演出図柄100が確変状態の潜伏を報知していることを遊技者が認識できた場合には、パチンコ機1は、その後の遊技に対する遊技者の期待感を向上させることができる。このように、パチンコ機1は、客待ち状態の終了後に非時短状態が設定された場合に表示される演出図柄100の図柄態様に遊技者の興味を引き付けるといった、新たな興趣を提供することができる。
【0213】
なお、図示しないが、大当たり遊技状態の終了後に設定される遊技状態を問わず、大当たり遊技状態の終了後において報知演出が実行されている場合には、客待ち状態の開始直前に実行された報知演出においてバラケ目、リーチはずれ目等の第二態様の演出図柄100が表示されることとなる。この場合、その後にパチンコ機1が客待ち状態に至り客待ち演出を実行し、その客待ち演出を終了して報知演出の実行を開始する場合、パチンコ機1は、客待ち状態の開始直前に表示していた第二態様の演出図柄100を、その報知演出の当初に表示する。したがって、パチンコ機1は、客待ち演出の終了後の演出図柄100の図柄態様によって遊技者に遊技の状態を誤認させることを回避できる。この場合において、パチンコ機1は、客待ち演出の終了後に表示する第二態様の演出図柄100を、所定の第二態様とすることを予め定めていてもよい。すなわち、パチンコ機1は、客待ち状態の開始直前に表示していた内容の第二態様とは異なる演出図柄100の組合せによる第二態様で、客待ち演出の終了後に演出図柄100を表示してもよい。
【0214】
以上説明したように、パチンコ機1は、遊技が一定期間なされない場合に客待ち状態に至る。このため、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に報知演出が実行されない状態が継続することに応じて客待ち状態に至ることがある。パチンコ機1は、客待ち状態に至った場合、客待ち演出を実行する。このためパチンコ機1は、このような大当たり遊技状態の終了後に客待ち状態に至った場合にも、客待ち演出を実行する。このような場合、客待ち状態に遊技が再開又は新たに開始され、客待ち演出の終了後に実行される報知演出の実行開始当初に第一態様の演出図柄100が表示されると、客待ち演出の直後に大当たりの判定結果が報知されたと遊技者が誤認する可能性がある。パチンコ機1は、客待ち演出の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を第二態様とすることができる。したがって、パチンコ機1は、客待ち演出の終了に伴い開始される遊技において、遊技者に誤認が生じることを回避することができる。
【0215】
パチンコ機1は、客待ち演出が終了する場合において、確変状態が設定されているとき、大当たり遊技状態の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様を、所定の割合で第一態様とすることができる。これにより、確変状態が潜伏している場合には、そのことを遊技者に示唆することができる。したがって、パチンコ機1は、客待ち演出の終了後に表示される演出図柄100の図柄態様に遊技者の注目を集め、遊技者の期待感を向上させるといった、新たな興趣を遊技者に提供することができる。
【0216】
第一実施形態において、S406の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、「客待ち演出実行手段」の一例である。
【0217】
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、大当たり判定によって導出される判定結果は、大当たり及びはずれに限られず、小当たり等の判定結果が含まれてもよい。パチンコ機1が大当たり判定によって小当たりの判定結果を導出する変形例について説明する。
【0218】
変形例のパチンコ機1において小当たりの判定結果が導出された場合には、第二大入賞口17が所定時間の開放を行う小当たり遊技が行われることとする。小当たり遊技の実行が開始される時点においては、条件装置が作動しておらず、役物連続作動装置も作動していない状態である。第二大入賞口17の内部には、図示しない特定領域、非特定領域及び振分部材が設けられているとする。特定領域、非特定領域は、第二大入賞口17に入賞した遊技球のみが通過できる領域である。小当たり遊技において、開閉部材171が開放状態にされた第二大入賞口17に10個程度の遊技球が入賞できることとする。第二大入賞口17へ入賞した遊技球は、振分部材によって特定領域又は非特定領域を通過するように振り分けられる。例えば、第二大入賞口17へ入賞した10個程度の遊技球のうち少なくとも1個が特定領域を通過し、残りの9個程度の遊技球が非特定領域を通過するように構成されていることとする。
【0219】
小当たり遊技において開閉部材171が開放状態にされた第二大入賞口17に入賞した遊技球が、第二大入賞口17の内部の特定領域を通過すると、条件装置が作動することとする。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、大当たり遊技状態が生起され、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が実行されることとする。
【0220】
変形例のパチンコ機1は、報知演出によって小当たりの判定結果を報知する場合、演出図柄100が、「左図柄101・中図柄102・右図柄103」の順で、「1・2・3」「5・6・7」等の順目の組合せで確定表示することとする。この場合、小当たり遊技において開閉部材171が開放状態にされた第二大入賞口17に入賞した遊技球が、第二大入賞口17の内部の特定領域を通過することに起因して、大当たり遊技が行われる。この大当たり遊技の終了後に最初に実行される報知演出の実行開始時点において表示画面28に表示される演出図柄100の図柄態様が、「1・2・3」、「5・6・7」等の順目の組合せである場合には、その後に小当たり遊技が行われるかと遊技者が誤認する可能性がある。
【0221】
ここで、変形例のパチンコ機1において、小当たりの判定結果を報知する演出図柄100による「1・2・3」、「5・6・7」等の順目の組合せを、第一態様の図柄態様とする。そして、パチンコ機1は、大当たり遊技状態の終了後に表示される演出図柄100の図柄態様を、「1・2・3」「5・6・7」等の順目以外の組合せによる第二態様としてもよい。これにより、パチンコ機1は、大当たり遊技の終了後に表示する演出図柄100の図柄態様によって、小当たり遊技が行われるか、ひいては小当たり遊技に起因する大当たり遊技が行われるかと遊技者を誤認させることを防止できる。
【0222】
本発明は、大当たり判定の結果として、大当たりの判定結果を導出せず、小当たり又ははずれの判定結果を導出する遊技機にも適用できる。
【0223】
大当たりの判定結果を示す演出図柄100の組合せは、上記実施形態で示したゾロ目に限られず、例えば「1・3・5」等の奇数の順目、「2・4・6」等の偶数の順目等であってもよい。小当たりの判定結果を示す演出図柄100の組合せについても、上記変形例で示した「1・2・3」「5・6・7」等の順目に限られず、ゾロ目などであってもよい。また、大当たりの判定結果又は小当たりの判定結果を示す演出図柄100の図柄態様は、数字を用いた図柄で構成されることに限られない。例えば、「1・数字を含まない特定の絵柄・1」等の図柄態様が、第一態様に含まれてもよい。パチンコ機1は、このような大当たり又は小当たりの判定結果を示す演出図柄100の組合せを第一態様とし、第一態様とは異なる図柄態様を第二態様とすることで、様々な図柄態様を採用する場合にも本発明を適用できる。なお、これらの場合、リーチ状態は、第一態様を構成する演出図柄100の組合せの一部を構成するものであればよい。
【0224】
上記実施形態及び変形例では、報知演出が潜伏確変大当たり以外の確変大当たりを報知する場合、演出図柄100が奇数のゾロ目の組合せで確定表示され、報知演出が非確変大当たり又は潜伏確変大当たりを報知する場合、演出図柄100が偶数のゾロ目の組合せで確定表示される。大当たりを報知する演出図柄100の図柄態様は、この例に限られない。例えば、報知演出が確変大当たりを報知する場合、演出図柄100が赤い文字の図柄によるゾロ目の組合せで確定表示され、報知演出が非確変大当たりを報知する場合、演出図柄100が青い文字の図柄によるゾロ目の組合せで確定表示されてもよい。この場合、潜伏確変大当たり等、確変大当たりであるか非確変大当たりであるかを明確に示さない図柄の種類が、演出図柄100に設けられてもよい。例えば、黄色の文字の図柄によるゾロ目の組合せで演出図柄100が確定表示された場合には、大当たりであることは報知されるが、確変大当たりであるか非確変大当たりであるかは報知されない構成であってもよい。
【0225】
上記実施形態及び変形例では、演出図柄100が左図柄101、中図柄102及び右図柄103の3つの図柄で構成されるが、演出図柄100が2つ以下の図柄又は4つ以上の図柄で構成されてもよい。
【0226】
上記実施形態では、パチンコ機1が客待ち状態にある場合には、客待ち演出が継続して実行されるように構成されている。この他、例えば、客待ち演出の実行時間が20秒間程度であり、客待ち状態が継続する間において客待ち演出が所定間隔で繰り返して実行されるように構成されていてもよい。この場合、パチンコ機1は、客待ち状態において1回の客待ち演出が終了した後に、演出図柄100が表示されるように表示画面28における表示を制御してもよい。この場合において、パチンコ機1は、客待ち状態において1回目の客待ち演出が終了した場合に本発明を適用して、その客待ち演出の開始直前に第一態様の演出図柄100が表示されているとき、その客待ち演出の終了直後に表示する演出図柄100を第二態様としてもよい。すなわち、
図22で示したS601の判断は、客待ち状態が終了した場合に実行されることに限られない。CPU581は、客待ち状態が継続していても、客待ち演出の実行が終了した場合にS601の判断を実行してもよい。
【符号の説明】
【0227】
1 パチンコ機
28 表示画面
41 主制御基板
51,581 CPU
52,582 RAM
53,583 ROM
100 演出図柄