(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172058
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】発光検出方法、ドラッグデリバリー評価方法、補助剤のスクリーニング方法及び発光検出キット
(51)【国際特許分類】
G01N 33/68 20060101AFI20241205BHJP
C12Q 1/66 20060101ALI20241205BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20241205BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20241205BHJP
G01N 33/15 20060101ALI20241205BHJP
A01K 67/027 20240101ALN20241205BHJP
C12N 15/113 20100101ALN20241205BHJP
C12N 15/53 20060101ALN20241205BHJP
C12N 9/06 20060101ALN20241205BHJP
【FI】
G01N33/68
C12Q1/66
G01N33/48 N
G01N33/50 Z
G01N33/15 Z
A01K67/027 ZNA
C12N15/113 130Z
C12N15/53
C12N9/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089490
(22)【出願日】2023-05-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online 2022年10月4日 Bio Japan2022 2022年8月8日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、研究成果展開事業「大学発新産業創出プログラム 大学・エコシステム推進型 スタートアップ・エコシステム形成支援」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504229284
【氏名又は名称】国立大学法人弘前大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】若林 孝一
(72)【発明者】
【氏名】丹治 邦和
(72)【発明者】
【氏名】三木 康生
【テーマコード(参考)】
2G045
4B063
【Fターム(参考)】
2G045AA29
2G045CB17
2G045DA36
2G045FA11
2G045FB13
4B063QA01
4B063QQ02
4B063QQ22
4B063QR02
4B063QR35
4B063QR58
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
【課題】本発明は、改変型ルシフェラーゼを長期間に亘って安定的に発現できる非ヒト動物を産生し、生体内深部から発光シグナルを検出することで、薬剤等の物質が対象部位に到達したか否かを検出する方法を確立することを目的とする。
【解決手段】本発明は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを投与することを含む発光検出方法であって、改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する、発光検出方法に関する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、前記改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを投与することを含む発光検出方法であって、
前記改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する、発光検出方法。
【請求項2】
前記発光基質と前記siRNAの少なくとも一部は、経鼻投与され脳に到達する、請求項1に記載の発光検出方法。
【請求項3】
さらに補助剤を投与することを含む、請求項1に記載の発光検出方法。
【請求項4】
前記補助剤がポリエチレンイミンである、請求項3に記載の発光検出方法。
【請求項5】
前記改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、T39A、E48Q、I51V、K68R、L86S、Q134R、I136V、Q147R、G175S、N229Y、I231N、F294C、F295L、N308S、H310R、H332R、S347N、I349V、L350M、D357R、A361S、D377V、S456G、N463Y、K524R、L526S、I540T及びG545Dよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の発光検出方法。
【請求項6】
前記改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に記載のアミノ酸配列において、少なくともS347N及びN229Yよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、請求項1に記載の発光検出方法。
【請求項7】
前記改変型ルシフェラーゼは、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の発光検出方法。
【請求項8】
前記改変型ルシフェラーゼは、人工酵素Akalucである、請求項1に記載の発光検出方法。
【請求項9】
ドラッグデリバリー評価に用いられる、請求項1に記載の発光検出方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の発光検出方法を利用したドラッグデリバリー評価方法。
【請求項11】
改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、前記改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、補助剤とを投与することを含む補助剤のスクリーニング方法であって、
前記改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する、補助剤のスクリーニング方法。
【請求項12】
前記改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、T39A、E48Q、I51V、K68R、L86S、Q134R、I136V、Q147R、G175S、N229Y、I231N、F294C、F295L、N308S、H310R、H332R、S347N、I349V、L350M、D357R、A361S、D377V、S456G、N463Y、K524R、L526S、I540T及びG545Dよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、請求項11に記載の補助剤のスクリーニング方法。
【請求項13】
前記改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に記載のアミノ酸配列において、少なくともS347N及びN229Yよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、請求項11に記載の補助剤のスクリーニング方法。
【請求項14】
前記改変型ルシフェラーゼは、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する、請求項11に記載の補助剤のスクリーニング方法。
【請求項15】
前記改変型ルシフェラーゼは、人工酵素Akalucである、請求項11に記載の補助剤のスクリーニング方法。
【請求項16】
改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物と、
ルシフェラーゼの発光基質と、
前記改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、を含む発光検出キットであって、
前記改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する、発光検出キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物を用いた発光検出方法、ドラッグデリバリー評価方法、補助剤のスクリーニング方法及び発光検出キットに関する。
【背景技術】
【0002】
生物発光として知られているホタルの発光は、ホタルルシフェリン(D-ルシフェリン)を発光基質とし、ホタルルシフェラーゼを触媒とした反応によるものである。具体的には、アデノシン三リン酸(ATP)及びマグネシウムイオン(Mg2+)の存在化で、発光基質であるD-ルシフェリンが、ルシフェラーゼによって発光体であるオキシルシフェリンに変換されることで発光が生じる。
【0003】
近年、生物学および医学の研究において、生命現象を分子レベルで動的に捉える必要性が高まってきている。例えば、細胞内のシグナル伝達や遺伝子発現といった細胞の機能を調べるために、蛍光色素や蛍光タンパク質といった蛍光プローブが用いられている。また、上述したホタルの発光系もライフサイエンス、バイオテクノロジー、医学及び薬学など様々な分野において注目され応用されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、D-ルシフェリンとは異なる発光波長を有する発光基質(例えばアカルミネ)に対する基質特異性が向上した改変型ルシフェラーゼが開示されている。また、特許文献2には、高い強度でルシフェリンを発光させる変異型ルシフェラーゼが開示されている。
【0005】
非特許文献1には、ホタルの発光系を利用した生体内発光イメージングシステムが開示されている。非特許文献1では、改変型ルシフェラーゼ遺伝子であるAkaluc遺伝子を生体内で発現させ、基質であるAkalumineを生体内に投与することで、動物の生体内深部からの発光シグナルを検出しており、発光シグナルを従来に比べ100~1,000倍の強さで検出できる非侵襲性イメージングシステムの構築が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2018/038248号
【特許文献2】特開2012-235756号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Iwano et al., Science 359,935-939(2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1には、動物の生体内深部からの発光シグナルを検出できる非侵襲性イメージングシステムが開示されているが、ここでは、ウイルスを用いてAkaluc遺伝子を導入しているため、生体内におけるAkaluc(改変型ルシフェラーゼ)の発現は一過性のものとなる。このため、動物の生体内においてAkalucが発現する期間は長くても数ヶ月程度であり、生命現象を長期間に亘って観察することが困難であった。すなわち、非特許文献1では、Akalucを長期間に亘って安定的に発現させることが難しいという課題があった。
【0009】
ところで、脳は他の臓器と異なり、血液脳関門を有するため、投与した薬剤等の物質が脳に到達し難いことが知られている。このため、薬剤等を経鼻的に投与することなどが検討されているが、この場合、投与した薬剤等の物質が脳に到達したことを経時的に確認する技術の確立が求められている。
【0010】
そこで本発明者らは、改変型ルシフェラーゼを長期間に亘って安定的に発現できる非ヒト動物を産生し、生体内深部(例えば脳)から発光シグナルを検出することで、薬剤等の物質が対象部位に到達したか否かを検出する方法を確立することを目的として検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを投与することで、薬剤等の物質が対象部位に到達したか否かを検出することが可能となる発光検出方法を構築することに成功した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
【0012】
[1] 改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを投与することを含む発光検出方法であって、
改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する、発光検出方法。
[2] 発光基質とsiRNAの少なくとも一部は、経鼻投与され脳に到達する、[1]に記載の発光検出方法。
[3] さらに補助剤を投与することを含む、[1]又は[2]に記載の発光検出方法。
[4] 補助剤がポリエチレンイミンである、[3]に記載の発光検出方法。
[5] 改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、T39A、E48Q、I51V、K68R、L86S、Q134R、I136V、Q147R、G175S、N229Y、I231N、F294C、F295L、N308S、H310R、H332R、S347N、I349V、L350M、D357R、A361S、D377V、S456G、N463Y、K524R、L526S、I540T及びG545Dよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の発光検出方法。
[6] 改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に記載のアミノ酸配列において、少なくともS347N及びN229Yよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の発光検出方法。
[7] 改変型ルシフェラーゼは、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の発光検出方法。
[8] 改変型ルシフェラーゼは、人工酵素Akalucである、[1]~[7]のいずれかに記載の発光検出方法。
[9] ドラッグデリバリー評価に用いられる、[1]~[8]のいずれかに記載の発光検出方法。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の発光検出方法を利用したドラッグデリバリー評価方法。
[11] 改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、補助剤とを投与することを含む補助剤のスクリーニング方法であって、
改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する、補助剤のスクリーニング方法。
[12] 改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、T39A、E48Q、I51V、K68R、L86S、Q134R、I136V、Q147R、G175S、N229Y、I231N、F294C、F295L、N308S、H310R、H332R、S347N、I349V、L350M、D357R、A361S、D377V、S456G、N463Y、K524R、L526S、I540T及びG545Dよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、[11]に記載の補助剤のスクリーニング方法。
[13] 改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に記載のアミノ酸配列において、少なくともS347N及びN229Yよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含む、[11]又は[12]に記載の補助剤のスクリーニング方法。
[14] 改変型ルシフェラーゼは、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有する、[11]~[13]のいずれかに記載の補助剤のスクリーニング方法。
[15] 改変型ルシフェラーゼは、人工酵素Akalucである、[11]~[14]のいずれかに記載の補助剤のスクリーニング方法。
[16] 改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物と、
ルシフェラーゼの発光基質と、
改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、を含む発光検出キットであって、
改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する、発光検出キット。
【0013】
また、本発明は以下の構成を有するものであってもよい。
[A] 改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、薬剤とを投与することを含む薬剤のスクリーニング方法。
[B] [1]~[9]のいずれかに記載の発光検出方法に用いられるsiRNAであって、配列番号9に示されるsiRNA。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、改変型ルシフェラーゼを長期間に亘って安定的に発現できる非ヒト動物に改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAを投与することで、薬剤等の物質が対象部位に到達したか否かを検出することができる。本発明の方法を用いることで、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物を生かしたままの状態で非侵襲的に発光を検出することができるため、リアルタイムで薬剤等の物質の到達を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、トランスジェニック非ヒト動物の作製に使用した発現ベクターの設計図である。Thy1プロモーターにVenus-Akaluc遺伝子が連結されているため、哺乳類動物の脳神経細胞でVenus-Akalucが発現する。XhoIで酵素処理をした後に目的遺伝子を入れ込み、線状化はApaIxEcoRIで行った。
【
図2】
図2は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制する3種類のVenus-Akaluc siRNA(VA-siRNA)について、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制効果を確認するためのウェスタンブロットの結果を示す。VA-siRNA 1(GCACUCUCAUCGACAAGUAdtdt)を用いた時にAkalucの発現量の減少が確認された。
【
図3】
図3は、培養細胞に、改変型ルシフェラーゼ遺伝子、siRNA(VA-siRNA 1)をトランスフェクションし、培地に発光基質を加えた際の、細胞の発光強度を測定した結果である。VA-siRNA 1処理群にて発光量の減少が見られた。
【
図4】
図4は、トランスジェニックマウスの尾から抽出したDNAを用いてPCRを行った選別結果である。+がトランスジェニックマウス(Akalucマウス)、-が通常のマウスである。
【
図5】
図5は、Akalucマウスに、脳送達補助剤(ポリエチレンイミン)と共にVA-siRNA 1を経鼻投与するスキームを説明する概略図である。
【
図6】
図6は、VA-siRNA 1投与前後の発光量を比較した結果である。VA-siRNA 1を投与することで発光強度の減少が確認された(下段)。
【
図7】
図7は、脳送達補助剤(ポリエチレンイミン)と共にVA-siRNA 1を投与した際の投与前後の発光量を比較した結果である。補助剤とVA-siRNA 1を投与することで発光強度の減少が確認された(下段)。
【
図8】
図8は、
図7の発光シグナルを定量化したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
【0017】
本明細書において、アミノ酸配列における20種類のアミノ酸残基は、一文字略記で表現することがある。その場合、グリシン(Gly)はG、アラニン(Ala)はA、バリン(Val)はV、ロイシン(Leu)はL、イソロイシン(Ile)はI、フェニルアラニン(Phe)はF、チロシン(Tyr)はY、トリプトファン(Trp)はW、セリン(Ser)はS、スレオニン(Thr)はT、システイン(Cys)はC、メチオニン(Met)はM、アスパラギン酸(Asp)はD、グルタミン酸(Glu)はE、アスパラギン(Asn)はN、グルタミン(Gln)はQ、リジン(Lys)はK、アルギニン(Arg)はR、ヒスチジン(His)はH、プロリン(Pro)はPである。また、本明細書において、表示するアミノ酸配列は、左端がN末端、右端がC末端である。
【0018】
(発光検出方法)
本発明は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを投与することを含む発光検出方法に関する。ルシフェラーゼは、発光基質が光を放つ化学反応(発光反応)を触媒する作用を有する酸化還元酵素である。本発明において、改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する。本実施形態では、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAは、経鼻投与されることが好ましく、発光基質とsiRNAの少なくとも一部は、経鼻投与された後に脳に到達する。
【0019】
認知症や脳疾患等を治療するために、様々な医薬の開発が進められている。しかし、脳には、血液脳関門(Blood-brain barrier, BBB)と呼ばれる脳バリアが存在しており、投与薬のうち極僅か(1%以下)しか脳へ到達しない場合がある。このため、脳バリアを透過しやすい薬剤の開発や、薬剤を経鼻投与することで、効率よく投与薬を脳へ届けることが検討されている。本発明では、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物において、改変型ルシフェラーゼをトランスジェニック非ヒト動物の脳内において発現させることができため、発光基質と改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAに加えて、薬剤を経鼻投与して、脳からの発光シグナルを検出することで、目的の薬剤が脳に送達されたか否かを検出することができる。
【0020】
脳内において改変型ルシフェラーゼを発現させたトランスジェニック非ヒト動物では、脳内に発光基質が投与されれば、改変型ルシフェラーゼと発光基質がすることで強い発光シグナルが得られる。しかし、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAは改変型ルシフェラーゼの発現を抑制するため、siRNAが脳内に投与され脳内に到達すれば発光シグナルが弱まることになる。本実施形態の発光検出方法は、例えば、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質を投与し、発光シグナルを検出する工程(A)と、工程(A)の後に、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAとを投与し、発光シグナルを検出する工程(B)とを含むことが好ましい。トランスジェニック非ヒト動物にルシフェラーゼの発光基質を投与し、発光シグナルを検出した後に、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAを投与し、発光シグナルの強度を測定し、その発光強度の差を算定することで、siRNAの脳への到達量や到達効率を評価することができる。
【0021】
本実施形態においては、例えば、siRNAと共に薬剤を投与することで、薬剤の到達効率を同様に評価することができる。この場合、薬剤とsiRNAを連結して投与してもよい。siRNAと共に薬剤を投与することで、薬剤の脳への送達状況をリアルタイムで検出することが可能となる。このように、本発明の発光検出方法は、ドラッグデリバリー評価に用いることができる。また、本発明は、上述した発光検出方法を利用したドラッグデリバリー評価方法に関するものであってもよい。
【0022】
このように、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、発光基質と改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAを投与し、脳内からの発光強度をリアルタイムで測定することで、薬剤の到達をリアルタイムで評価することができる。本発明の発光検出方法を用いることで、ドラッグデリバリー評価をリアルタイムで行うことも可能となる。
【0023】
本実施形態では、改変型ルシフェラーゼを、脳において発現させることが好ましいが、脳以外の臓器(例えば、心臓、肺、肝臓、胃、腎臓等)においても発現させることができる。例えば、改変型ルシフェラーゼ遺伝子に、各臓器で発現を促進するプロモーターを連結することで、脳以外の臓器においても改変型ルシフェラーゼを発現させることができる。一方で、改変型ルシフェラーゼ遺伝子に、脳特異的な発現を促すプロモーターを連結することで、脳特異的に改変型ルシフェラーゼを発現するトランスジェニック非ヒト動物を得ることができる。また、多臓器における発現を促すプロモーターを用いることで、全身において改変型ルシフェラーゼを発現するトランスジェニック非ヒト動物を得ることもできる。脳以外の臓器で改変型ルシフェラーゼを発現したトランスジェニック非ヒト動物を用いることで、脳以外の臓器へのドラッグデリバリー評価を行うことも可能となる。
【0024】
本発明の発光検出方法は非侵襲的方法であり、このような方法を用いることにより、トランスジェニック非ヒト動物の生存を維持したまま、リアルタイムで発光を検出することができる。このため、薬剤が脳などの所定の臓器に到達するまでの時間を測定することもできる。また、siRNAの投与前後の発光強度の差分を検出することで、薬剤の到達量や到達速度などをリアルタイムで検出することも可能となる。
【0025】
<トランスジェニック非ヒト動物>
本発明の発光検出方法に用いられるトランスジェニック非ヒト動物には、改変型ルシフェラーゼ遺伝子が導入されている。トランスジェニック非ヒト動物においては、改変型ルシフェラーゼ遺伝子がゲノムに挿入されているため、当該トランスジェニック非ヒト動物は改変型ルシフェラーゼを長期間に亘って安定的に発現することができる。そして、改変型ルシフェラーゼは、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させることができる。このため、改変型ルシフェラーゼが発現したトランスジェニック非ヒト動物において、生体内深部からも発光シグナルを検出することが可能となる。例えば、頭蓋骨に覆われた脳内からの発光シグナルを検出することもできる。また、本発明においては、改変型ルシフェラーゼ遺伝子がゲノムに挿入されているため、長期間に亘って安定的に、改変型ルシフェラーゼを発現することができる。このため、長期間に亘って安定して発光シグナルを検出することが可能となる。このようなトランスジェニック非ヒト動物を用いることで、長期間に亘ってリアルタイムに発光検出が可能となる非侵襲性イメージングシステムを構築することができる。
【0026】
トランスジェニック非ヒト動物においては、改変型ルシフェラーゼ遺伝子が生殖細胞系にも導入されるため、改変型ルシフェラーゼ遺伝子は次世代にも受け継がれる。このため、次世代の非ヒト動物においても、改変型ルシフェラーゼとルシフェラーゼの発光基質による発光シグナルを検出することができ、世代を超えた非侵襲性イメージングシステムの構築が可能となる。
【0027】
本発明の発光検出方法に用いられるトランスジェニック非ヒト動物としては、例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、ヒツジ、ウシ及びウマ等のヒトを除く哺乳類動物が挙げられ、中でも、マウス、ラット及びモルモット等の齧歯類(ネズミ目)動物が好ましく、より好ましくはマウスである。
【0028】
<改変型ルシフェラーゼ遺伝子/改変型ルシフェラーゼ>
トランスジェニック非ヒト動物においては、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼが発現している。改変型ルシフェラーゼは、野生型D-ルシフェラーゼと比較してアミノ酸配列に変異を有している。本明細書において、変異とは、置換、欠失又は挿入を指す。本発明において、変異は、置換又は欠失であることが好ましく、より好ましくは置換である。
【0029】
改変型ルシフェラーゼは、配列番号1(Common eastern firefly由来の野生型D-ルシフェラーゼ)に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含むものであることが好ましい。改変型ルシフェラーゼと野生型D-ルシフェラーゼのアミノ酸の配列同一性は85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが特に好ましい。なお、アミノ酸の配列同一性は、当業者に周知の方法、配列解析ソフトウェア等を使用して求めることができる。例えば、BLASTアルゴリズムのblastpプログラムやFASTAアルゴリズムのfastaプログラムが挙げられる。ここでのアミノ酸配列の配列同一性は、野生型D-ルシフェラーゼのアミノ酸配列に対して改変型ルシフェラーゼのアミノ酸配列を比較し、同一部位に同一のアミノ酸が出現する頻度を%で表示した値である。
【0030】
改変型ルシフェラーゼにおいては、野生型D-ルシフェラーゼと比較して、発光基質であるアカルミネに対する基質特異性が向上している。発光基質に対する基質特異性は、後述するように、発光基質の発光強度の強弱により判定することができる。
【0031】
改変型ルシフェラーゼが発光基質を発光させる発光強度は、野生型D-ルシフェラーゼが発光基質(アカルミネ)を発光させる発光強度の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、10倍以上であることがさらに好ましく、100倍以上であることが一層好ましく、500倍以上であることがより一層好ましく、1000倍以上であることが特に好ましい。改変型ルシフェラーゼが発光基質を発光させる発光強度の上限値は特に限定されるものではなく、上限値は100万倍程度であってもよい。発光強度を測定する際には、例えば、対象のルシフェラーゼを発光基質と反応させた際の最大発光波長における発光強度を測定する。そして、1分間測定した発光強度の積算値を算出することで比較データとすることができる。
【0032】
改変型ルシフェラーゼは、配列番号1に記載の野生型D-ルシフェラーゼのアミノ酸配列において、T39A、E48Q、I51V、K68R、L86S、Q134R、I136V、Q147R、G175S、N229Y、I231N、F294C、F295L、N308S、H310R、H332R、S347N、I349V、L350M、D357R、A361S、D377V、S456G、N463Y、K524R、L526S、I540T及びG545Dよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含むものであることが好ましい。本明細書においては、アミノ酸置換を、置換前のアミノ酸残基を表す一文字略記、アミノ酸置換が生じるアミノ酸残基の位置(特定のアミノ酸配列におけるN末端側からの位置)を表す数字、及び置換後のアミノ酸残基を表す一文字略記の組合せで表現する。例えば、39位のトレオニンがアラニンに置換されるのであれば「T39A」と表現される。
【0033】
中でも、改変型ルシフェラーゼは、少なくともS347N及びN229Yよりなる群から選択される少なくとも1種のアミノ酸置換を含むことが好ましい。また、改変型ルシフェラーゼは、T39A、E48Q、I51V、K68R、L86S、Q134R、I136V、Q147R、G175S、N229Y、I231N、F294C、F295L、N308S、H310R、H332R、S347N、I349V、L350M、D357R、A361S、D377V、S456G、N463Y、K524R、L526S、I540T及びG545Dにアミノ酸置換を含むことが好ましい。
【0034】
改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、配列番号2に示される塩基配列を有することが好ましく、改変型ルシフェラーゼは、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するものであることが好ましい。すなわち、改変型ルシフェラーゼは、人工酵素Akalucであることが好ましい。
【0035】
改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、脳神経細胞内での選択的発現を促すプロモーターに連結されていることが好ましい。脳神経細胞内での選択的発現を促すプロモーターとしては、Thy1プロモーター、シナプシン-Iプロモーター、シヌクレイン1プロモーター、カルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼIIα(CAMKIIα)プロモーター等を挙げることができる。中でも、脳神経細胞内での選択的発現を促すプロモーターは、Thy1プロモーターであることが特に好ましい。
【0036】
<トランスジェニック非ヒト動物の作製方法>
本発明の発光検出方法に用いられるトランスジェニック非ヒト動物は、公知の作出方法で作製することができる。例えば、胚性幹細胞(ES細胞)にDNAを導入した後にキメラを作製する方法、受精卵前核へマイクロインジェクションによりDNAを導入した後にキメラを作製する方法等を用いることができる。以下では、胚性幹細胞(ES細胞)にDNAを導入した後にキメラを作製する方法について説明する。
【0037】
(i)ES細胞に導入するターゲティングベクターの構築
予め改変型ルシフェラーゼ遺伝子が挿入されたプラスミドベクター(例えば、pcDNA3 Venus-Akaluc(理研BRCから譲渡))からPCR等の方法により改変型ルシフェラーゼ遺伝子(Venus-Akaluc部分)を取得する。
【0038】
次いで、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を挿入したターゲティングベクターを得る。ターゲティングベクターを構築する際には、組織特異的プラスミドを選択してもよい。例えば、脳神経細胞内での選択的発現を促すプロモーターを連結した組織特異的プラスミドを用いてもよい。脳神経細胞内での選択的発現を促すプロモーターとしては、Thy1プロモーター、シナプシン-Iプロモーター、シヌクレイン1プロモーター、カルシウム/カルモジュリン依存性キナーゼIIα(CAMKIIα)プロモーター等を挙げることができる。中でも、脳神経細胞内での選択的発現を促すプロモーターはThy1プロモーターであることが特に好ましい。
【0039】
改変型ルシフェラーゼ遺伝子を挿入したターゲティングベクターは、例えば、以下のフラグメントを連結した構成を有していてもよい。
フラグメント1)脳神経細胞で目的タンパク質の発現するThy1プロモーター
フラグメント2)改変型ルシフェラーゼをコードする遺伝子Venus-Akaluc cDNA
フラグメント3)プラスミドに組み込まれた遺伝子の有無を判定できるpUC18配列
フラグメント4)アンピシリン(amp)耐性遺伝子(ポジティブ選択用)
【0040】
(ii)ES細胞へのターゲティングベクターの導入
ターゲティングベクターは、必要に応じて精製したものを用いることが好ましい。例えば、ターゲティングベクターを適当な制限酵素により直鎖化したものを分離し用いてもよい。ターゲティングベクターを非ヒト動物のES細胞に導入する際には、ES細胞にターゲティングベクターをエレクトロポレーションにより導入する。次いで、ターゲティングベクターが導入されたES細胞をマウス胚盤胞にマイクロインジェクションする。この際、少なくとも1個、通常は約10~15個のES細胞を胚盤胞の胞胚腔にインジェクトすることが好ましい。マイクロインジェクション後の胚を、仮親となる偽妊娠雌マウスの子宮に移植する。移植後の雌マウスを通常の飼育条件下で飼育し、仔マウス(キメラマウス)を出産させる。
【0041】
仮親が産んだキメラマウス(創始マウス)を野生型マウスと交配させることで、改変型ルシフェラーゼを発現するトランスジェニックマウス(ヘテロ接合マウス(+/-))が得られる。さらに、このヘテロ接合マウス(+/-)同士を交配させることにより、ホモ遺伝子型マウス(+/+)を得てもよい。
【0042】
トランスジェニック非ヒト動物の選別は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子が、得られた産仔の染色体DNAに組み込まれているか否かを検出することにより行うことができる。当該検出は常法にしたがって行うことができ、例えば、産仔の尾片からDNA抽出した後、PCR法又はサザンブロット法等により、生殖細胞系列伝播を確認することができる。
【0043】
<siRNA>
本発明の発光検出方法で用いるsiRNAは、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するものであれば特に限定されるものではない。このようなsiRNAとしては、例えば、GCACUCUCAUCGACAAGUA dtdtを例示することができる。なお、本発明は、上述した発光検出方法に用いられる、siRNAに関するものであってもよい。
【0044】
本発明の発光検出方法で用いるsiRNAの投与量は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制できる程度の投与量であれば特に限定されるものではないが、例えば、上述したようなトランスジェニックマウスに投与する場合、0.5~100.0μgとすることが好ましい。
【0045】
<発光基質>
発光基質としては、国際公開第2018/038248号の段落0108に記載された発光基質を例示することができる。例えば、ホタルルシフェリン(D-ルシフェリン)、アカルミネTM、アカルミネ-OH、6-アカルミネ、O-アカルミネ、モノエンNMe2、モノエンNH2、モノエンOH、ビフェニル等を挙げることができる。アデノシン三リン酸(ATP)及びマグネシウムイオン(Mg2+)の存在化で、発光基質が、ルシフェラーゼによって発光体に変換されることで発光が生じる。なお、発光反応における発光色は発光基質に依存する。例えば、発光基質がD-ルシフェリンの場合、発光ピークは約560nmとなり、アカルミネTMの場合、発光ピークは675nmとなる。
【0046】
発光基質の投与量は、発光基質がルシフェラーゼと反応することにより発光が検出される程度の投与量であれば特に限定されるものではないが、例えば、上述したようなトランスジェニックマウスに投与する場合、1~100nmolとすることができる。
【0047】
<補助剤>
本発明の発光検出方法の一実施形態では、さらに補助剤を投与する工程を含んでもよい。本明細書において、補助剤とは、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAや薬剤が脳内に到達することを促進する剤をいう。具体的には、補助剤を用いることで、siRNAや薬剤の到達量が、補助剤を用いなかった場合と比較して、1.2倍以上となることが好ましく、1.5倍以上となることがより好ましく、2.0倍以上となることがさらに好ましい。本発明の発光検出方法の一実施形態ではsiRNAや薬剤と共に補助剤を投与することで、siRNAや薬剤をより効率よく脳内に送達することができる。
【0048】
また、本実施形態では、発光基質が脳内に到達することを促進する補助剤を含んでいてもよい。補助剤を用いることで、発光基質の到達量が、補助剤を用いなかった場合と比較して、1.2倍以上となることが好ましく、1.5倍以上となることがより好ましく、2.0倍以上となることがさらに好ましい。
【0049】
補助剤としては、例えば、ポリマー、単糖や二糖、オリゴ糖、多糖(例えば、プルラン)といった糖質、脂質、リン脂質化合物、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、DNA化合物、これらを組み合わせてなる粒子(細胞外小胞等)等を挙げることができる。
【0050】
ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、ポリリシン等を挙げることができる。中でも、補助剤としてポリエチレンイミンを用いることが好ましい。補助剤としてポリエチレンイミンを用いることにより、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAの脳への到達量をより効果的に高めることができる。
【0051】
補助剤の好ましい投与量は、特に限定されるものではなく、補助剤の種類や補助対象に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、上述したようなトランスジェニックマウスに投与する場合、補助剤の投与量は、10~1000nmolとすることができる。
【0052】
糖質としては、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボース等のような単糖;マルトース、ラクトース、シュクロース、トレハロース、セルビオース等の二糖;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、プルラン、澱粉、セルロース等の多糖;マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトール等のアルジトールを挙げることができる。本発明においては、補助剤として、例えば、マルトース、ラクトース、シュクロース、トレハロース、セルビオース等の二糖を用いることが好ましく、マルトース及びトレハロースから選択される少なくとも1種を用いることがより好ましく、トレハロースを用いることがさらに好ましい。
【0053】
脂質としては、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)、コレステリル-3β-N-(ジメチルアミノエチル)カルバメート(DC-chol)、ヘプタデカン-9-イル-8-((2-ヒドロキシエチル)(6-オキソ-6-(ウンデシルオキシ)ヘキシル)アミノ)オクタン酸エステル(SM-102)といった正電荷脂質;コレステロール、2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール(DMG-PEG2000)、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリンといった中性脂質;ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリンといった負電荷脂質を挙げることができる。
【0054】
本実施形態では、補助剤に代えて、各種の細胞外小胞を用いることもできる。細胞外小胞としては、例えば、エクソソーム等を挙げることができる。例えば、脂質膜で覆われた細胞外小胞内に薬剤等を被包することで、脳へ薬剤をより確実に到達させることも可能となる。
【0055】
(スクリーニング方法)
本発明は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、補助剤とを投与することを含む補助剤のスクリーニング方法に関するものであってもよい。本発明において、改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する。本発明のスクリーニング方法で用いるトランスジェニック非ヒト動物、ルシフェラーゼの発光基質、siRNAは、上述したものを用いることができる。
【0056】
本実施形態のスクリーニング方法は、例えば、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質を投与し、発光シグナルを検出する工程(A)と、工程(A)の後に、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、対象となる補助剤とを投与し、発光シグナルを検出する工程(B)とを含むことが好ましい。トランスジェニック非ヒト動物にルシフェラーゼの発光基質を投与し、発光シグナルを検出した後に、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと補助剤を投与し、発光シグナルの強度を測定し、その発光強度の差を算定することで、補助剤の脳内到達促進能を評価することができる。
【0057】
本発明の補助剤のスクリーニング方法では、siRNAや薬剤をより効率よく脳内に送達するための補助剤をスクリーニングすることができる。これにより、医薬品の開発時等に適切な補助剤を低コストで選別することが可能となる。
【0058】
また、本発明は、上述したトランスジェニック非ヒト動物に、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、薬剤とを投与することを含む、医薬(薬剤)のスクリーニング方法に関するものであってもよい。この場合、薬剤とsiRNAを連結して投与してもよい。医薬のスクリーニング方法では、例えば、脳内の分子や組織を標的とする薬剤とsiRNAを同時に投与することで、薬剤が脳内に到達したか否か、また、その到達量を解析することできる。これにより、脳内に到達可能な医薬を選別したり、当該医薬の投与量等を分析することが可能となる。
【0059】
(発光検出キット)
本発明は、改変型ルシフェラーゼ遺伝子を導入したトランスジェニック非ヒト動物と、ルシフェラーゼの発光基質と、改変型ルシフェラーゼ遺伝子の発現を抑制するsiRNAと、を含む発光検出キットに関するものであってもよい。本発明において、改変型ルシフェラーゼ遺伝子は、野生型D-ルシフェラーゼよりも高い発光強度で発光基質を発光させる改変型ルシフェラーゼを発現する。本発明の発光検出キットで用いるトランスジェニック非ヒト動物、ルシフェラーゼの発光基質、siRNAは、上述したものを用いることができる。また、本発明の発光検出キットは、さらに上述したような補助剤を含むものであってもよい。
【実施例0060】
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0061】
(実施例1:培養細胞の発光観察)
<発現ベクター>
Friedrich Miescher Institute, Basel, Switzerlandから譲渡された発現ベクターpThy1.2を、Journal of Neuroscience Methods 71 (1) 3-9 1997に記載の制限酵素で切断して使用した。
【0062】
目的タンパク質(Akaluc)をコードするプラスミド遺伝子pcDNA3 Venus-Akaluc(非特許文献1、理研BRCから譲渡)から、以下2つのプライマーセットを用いてVenus-Akaluc部分をPCRで増幅した。
Forward: 5’-cctagaggatctcgagatggtgagcaagggcgag-3’(配列番号5)
Reverse: 5’-gaggaaggacctcgagttacacggcgatcttgcc-3’ (配列番号6)
増幅した部分の大きさは、2376bpであり、最後の3bpが終始コドンであった。発現するタンパク質は791アミノ酸であった。
【0063】
PCRで増幅したVenus-Akaluc部分のcDNAを発現ベクター内のXhoIサイトに挿入した(
図1)。作製した発現ベクターの確認はシークエンスにより行った。このようにして、発現ベクターを構築した。なお、発現ベクターの構成は以下のとおりである。
1)脳神経細胞で目的タンパク質の発現するThy1プロモーター(配列番号4) 4118bp
2)発現目的のタンパク質をコードする遺伝子Venus-Akaluc cDNA 2376bp
3)プラスミドに組み込まれた遺伝子の有無を判定できるpUC18配列 2363bp
4)アンピシリン(amp)耐性遺伝子(ポジティブ選択用) 861bp
【0064】
<細胞培養>
HeLa細胞(JCRB Cell Bank, Osaka, Japan)を、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン-ストレプトマイシンを含むダルベッコ改変イーグル培地で培養し、35mm dishに1.0 x 105個の細胞を播種した。X-treamGeneHP DNA Transfection Reagent(06366236001; Roche, Basel, Switzerland)を用いて、pcDNA3 Venus-Akaluc 1.5 μgをトランスフェクションし、さらにLipofectamine RNAiMAX Trasfection Reagent (13778030; Invitrogen, Waltham, MA, USA)を用いて3種類のVenus-Akaluc siRNA(VA-siRNA)24 μLをそれぞれ同時にトランスフェクションした。siRNAの配列は、VA-siRNA 1: GCACUCUCAUCGACAAGUAdtdt(配列番号9)、VA-siRNA 2: CGAACGCUCUCAUCGACAAdtdt(配列番号10)、VA-siRNA 3: AGCUACCGAUCAUACGAAAdtdt(配列番号11)(Nippon Gene Co., Ltd, Tokyo, Japan)とした。なお、配列番号9~11においてdtはデオキシチミジンを表す。24時間後に洗浄液(1 x PBS(-); 137 mM NaCl, pH 7.4, 2.68 mM KCl, 20.4 mM Na2PO4, 1.76 mM KH2PO4)で細胞を洗浄し、100 μLのサンプルバッファー(75 mM Tris-HCl, pH 6.8, 4% sodium dodecyl sulfate, 25% glycerol, 5% β-mercaptoethanol)を加えた。23Gの注射針を用いて20回シェアリングし、ウェスタンブロットに使用するまで-20℃で保存した。
【0065】
<ウェスタンブロット>
定電流(90 mA, 1h)下で5%~20%トリス-グリシン濃度勾配ゲル(ATTO, Tokyo, Japan)を用いてサンプル(細胞を含むサンプルバッファー)を電気泳動した。その後、メタノールに浸したpolyvinylidene difluoride membrane(IPVH00010; EMD Millipore, Burlington, MA, USA)にMini Trans-Blot cell system(Bio-Rad, Hercules, CA, USA)を用いて定電圧(90V, 1 h)下で転写した。転写後、メンブレンをブロッキングバッファー(20 mM Tris-HCl, pH 7.5, 133 mM NaCl, 0.1% Tween 20 [TBS-T], 5%スキムミルク)でブロッキングした。その後、1%スキムミルクバッファー(1%スキムミルクを含むTBS-T)に1次抗体を溶かし、メンブレンに乗せ1hインキュベートした。1次抗体として、anti-actin antibody(A5044; Sigma, St Louis, MO, USA, Rabbit; 1:5000)、anti-GFP antibody(A11122; Invitrogen, Waltham, MA, USA, Rabbit; 1:1000)を用いた。1%スキムミルクバッファーで2回洗浄し、2次抗体を同様のバッファーに溶かし、一次抗体の時と同様に1 h インキュベートした。2次抗体として、goat anti-mouse IgG(ab6789; Abcam, Cambridge, UK; 1:30000)、goat anti-rabbit IgG(ab6721; Abcam; 1:30000)を用いた。TBS-Tで3回洗浄し、ECLまたはECL prime(Amersham Pharmacia Biotech, Amersham, UK)のプロトコルにしたがい、タンパク質検出を行った。
【0066】
<結果>
ウェスタンブロット解析の結果、3種類のVenus-Akaluc siRNA(VA-siRNA)うち、VA-siRNA 1(GCACUCUCAUCGACAAGUAdtdt)を用いた時にAkalucの発現量の減少が確認された(
図2)。
【0067】
<発光観察>
35 mm dishに1.0 x 105個のHeLa細胞を播種した。X-treamGeneHP DNA Transfection Reagentを用いてpcDNA3 Venus-Akaluc 2.0 μgをトランスフェクションした。さらに、Lipofectamine RNAiMAX Trasfection Reagentを用いてVA-siRNA 1 24 μLを同時にトランスフェクションした。24時間後に、発光基質として3 mM AkaLumine n-hydrochloride(アカルミネTM n塩酸塩)10 μLを培地に加え、IVIS LuminaXRMS seriesIII ver4.7(Perkin Elmer, Waltham, MA, USA)で培養細胞の発光強度を5分ごとに合計15分間測定した。
【0068】
<結果>
培養細胞を用いてVA-siRNA 1の効果をさらに検証すると、ウェスタンブロット解析の結果と一貫して、VA-siRNA 1処理群にて発光量の減少が見られた(
図3)。
【0069】
(実施例2:トランスジェニックマウスを用いた発光観察)
(トランスジェニックマウスの作製)
<発現ベクターの構築>
Friedrich Miescher Institute, Basel, Switzerlandから譲渡された発現ベクターpThy1.2を、Journal of Neuroscience Methods 71 (1) 3-9 1997に記載の制限酵素で切断して使用した。
【0070】
目的タンパク質(Akaluc)をコードするプラスミド遺伝子pcDNA3 Venus-Akaluc(非特許文献1、理研BRCから譲渡)から、以下2つのプライマーセットを用いてVenus-Akaluc部分をPCRで増幅した。
Forward: 5’-cctagaggatctcgagatggtgagcaagggcgag-3’(配列番号5)
Reverse: 5’-gaggaaggacctcgagttacacggcgatcttgcc-3’ (配列番号6)
増幅した部分の大きさは、2376bpであり、最後の3bpが終始コドンであった。発現するタンパク質は791アミノ酸であった。
【0071】
PCRで増幅したVenus-Akaluc部分のcDNAを発現ベクター内のXhoIサイトに挿入した(
図1)。作製した発現ベクターの確認はシークエンスにより行った。このようにして、発現ベクターを構築した。なお、発現ベクターの構成は以下のとおりである。Akalucマウスは神経細胞で強く活性化されるThy1プロモーター下でVenus-tagged Akalucが発現するように作製した。
1)脳神経細胞で目的タンパク質の発現するThy1プロモーター(配列番号4) 4113bp
2)発現目的のタンパク質をコードする遺伝子Venus-Akaluc cDNA 2376bp
3)プラスミドに組み込まれた遺伝子の有無を判定できるpUC18配列 2369bp
4)アンピシリン(amp)耐性遺伝子(ポジティブ選択用) 861bp
【0072】
<トランスジェニックマウスの作製>
上記で得られた発現ベクターをApaIとEcoRIの酵素処理によって線状化し、100ng/μL濃度となるようにTE(10mM Tris-HCl pH8.0、1mM EDTA・Na2)に溶解した。次いで、Gene Pulser(0.4cm電極距離で800Vと3mF Bio-Rad)によってES細胞にエレクトロポレーションを行った。
【0073】
マウス胚盤胞株129由来のE14細胞をES細胞系として用いた(Hooper et al.,Nature 326, 292-295 1987)。細胞培養と細胞への打ち込みは、Itohara et al.,Cell 72, 337-348 199に従って行った。キメラマウスの作製は、Nature 309, 255-256, 1984に記載された方法に準じて行った。交配後3.5日のC57BL/6J胚盤胞に、ES細胞をマイクロインジェクションした。注入後、胚を、偽妊娠ICRマウスの子宮に移した。得られたキメラマウスについて目視により毛色を確認後、C57BL/6Jマウスと更に交雑させ、ヘテロ接合マウス(トランスジェニックマウス)を作製した。なお、本明細書では、上記手順で得られたトランスジェニックマウスを、脳内可視化マウス(Akalucマウス)と呼ぶこともある。
【0074】
トランスジェニックマウスの遺伝子型は、尾から調製したゲノムDNAのPCR解析によって決定した。解析には、以下2つのプライマーセットを用いた。
Forward: 5’- ggacacgctgaacttgtgg -3’ (配列番号7)
Reverse: 5’-ctggctgacctgtagctttcc -3’ (配列番号8)
PCR産物の大きさは162bpであった(
図4)。
【0075】
脳内可視化マウス(Akalucマウス)を温度および湿度が管理された12時間/12時間の明暗サイクルの自動照明のある部屋で飼育した。マウスは1ケージあたり3~5匹で飼育し、水や餌は自由摂取できるようにした。
【0076】
<In vivo imaging>
Akalucマウスに0.5 mM Akalumine 9 μLを経鼻投与し、IVIS LuminaXRMS seriesIII ver4.7で3分ごとに合計30分または5分ごとに合計25分測定した。次いで、VA-siRNA 1とポリエチレンイミン(101000040; polyplus, Illkirch, France)をN/P比=7で8μg、16μg、24μgのVA-siRNA 1を含むように、10%グルコース溶液 50μL内で30分インキュベートし、懸濁液を作製した。この懸濁液50μLをピペットを用いてAkalucマウスに経鼻投与した。懸濁液を経鼻投与してから24時間後に、0.5 mM Akalumine 9μLを経鼻投与し、IVIS LuminaXRMS seriesIII ver4.7で3分ごとに合計30分インキュベートまたは5分ごとに合計25分測定した。
【0077】
<統計学的解析>
統計学的解析にはShapiro-Wilk検定を用い、その後t-検定を行った。P<0.05で統計学的に有意とみなした。
【0078】
<結果>
図5に示すように、発光基質であるAkalumineを投与したAkalucマウスに、脳送達補助剤(ポリエチレンイミン)と共にVA-siRNA 1を経鼻投与し、siRNA処理前と処理後の発光量を比較することで、脳送達補助剤の送達効率を算出した。VA-siRNA 1のIn vivoでの効果を検証するために、VA-siRNA 1(8 μg、16 μg、24 μg)をピペットを用いてAkalucマウスに経鼻投与し、5分ごとに合計25分間発光を測定した場合、全ての濃度においてVA-siRNA 1処理後に発光量の減少が見られた(
図6)。
【0079】
Akalucマウスに、脳送達補助剤(ポリエチレンイミン)と共にVA-siRNA 1 18 μgを経鼻投与し、siRNA処理前と処理後30分後の発光量を比較すると、処理後において有意な発光量の減少が見られた(
図7及び8)。
【0080】
本発明では、動物を屠殺することなく、リアルタイムで脳送達補助剤の脳への送達効率を見ることに成功した。将来的には、脳送達補助剤の代わりに各種の細胞外小胞を用いることで、さらに脳への送達効率を高めることができるものと考える。
【0081】
配列番号1(Common eastern firefly由来の野生型D-ルシフェラーゼ)
Met Glu Asp Ala Lys Asn Ile Lys Lys Gly Pro Ala Pro Phe Tyr Pro
1 5 10 15
Leu Glu Asp Gly Thr Ala Gly Glu Gln Leu His Lys Ala Met Lys Arg
20 25 30
Tyr Ala Leu Val Pro Gly Thr Ile Ala Phe Thr Asp Ala His Ile Glu
35 40 45
Val Asn Ile Thr Tyr Ala Glu Tyr Phe Glu Met Ser Val Arg Leu Ala
50 55 60
Glu Ala Met Lys Arg Tyr Gly Leu Asn Thr Asn His Arg Ile Val Val
65 70 75 80
Cys Ser Glu Asn Ser Leu Gln Phe Phe Met Pro Val Leu Gly Ala Leu
85 90 95
Phe Ile Gly Val Ala Val Ala Pro Ala Asn Asp Ile Tyr Asn Glu Arg
100 105 110
Glu Leu Leu Asn Ser Met Asn Ile Ser Gln Pro Thr Val Val Phe Val
115 120 125
Ser Lys Lys Gly Leu Gln Lys Ile Leu Asn Val Gln Lys Lys Leu Pro
130 135 140
Ile Ile Gln Lys Ile Ile Ile Met Asp Ser Lys Thr Asp Tyr Gln Gly
145 150 155 160
Phe Gln Ser Met Tyr Thr Phe Val Thr Ser His Leu Pro Pro Gly Phe
165 170 175
Asn Glu Tyr Asp Phe Val Pro Glu Ser Phe Asp Arg Asp Lys Thr Ile
180 185 190
Ala Leu Ile Met Asn Ser Ser Gly Ser Thr Gly Leu Pro Lys Gly Val
195 200 205
Ala Leu Pro His Arg Thr Ala Cys Val Arg Phe Ser His Ala Arg Asp
210 215 220
Pro Ile Phe Gly Asn Gln Ile Ile Pro Asp Thr Ala Ile Leu Ser Val
225 230 235 240
Val Pro Phe His His Gly Phe Gly Met Phe Thr Thr Leu Gly Tyr Leu
245 250 255
Ile Cys Gly Phe Arg Val Val Leu Met Tyr Arg Phe Glu Glu Glu Leu
260 265 270
Phe Leu Arg Ser Leu Gln Asp Tyr Lys Ile Gln Ser Ala Leu Leu Val
275 280 285
Pro Thr Leu Phe Ser Phe Phe Ala Lys Ser Thr Leu Ile Asp Lys Tyr
290 295 300
Asp Leu Ser Asn Leu His Glu Ile Ala Ser Gly Gly Ala Pro Leu Ser
305 310 315 320
Lys Glu Val Gly Glu Ala Val Ala Lys Arg Phe His Leu Pro Gly Ile
325 330 335
Arg Gln Gly Tyr Gly Leu Thr Glu Thr Thr Ser Ala Ile Leu Ile Thr
340 345 350
Pro Glu Gly Asp Asp Lys Pro Gly Ala Val Gly Lys Val Val Pro Phe
355 360 365
Phe Glu Ala Lys Val Val Asp Leu Asp Thr Gly Lys Thr Leu Gly Val
370 375 380
Asn Gln Arg Gly Glu Leu Cys Val Arg Gly Pro Met Ile Met Ser Gly
385 390 395 400
Tyr Val Asn Asn Pro Glu Ala Thr Asn Ala Leu Ile Asp Lys Asp Gly
405 410 415
Trp Leu His Ser Gly Asp Ile Ala Tyr Trp Asp Glu Asp Glu His Phe
420 425 430
Phe Ile Val Asp Arg Leu Lys Ser Leu Ile Lys Tyr Lys Gly Tyr Gln
435 440 445
Val Ala Pro Ala Glu Leu Glu Ser Ile Leu Leu Gln His Pro Asn Ile
450 455 460
Phe Asp Ala Gly Val Ala Gly Leu Pro Asp Asp Asp Ala Gly Glu Leu
465 470 475 480
Pro Ala Ala Val Val Val Leu Glu His Gly Lys Thr Met Thr Glu Lys
485 490 495
Glu Ile Val Asp Tyr Val Ala Ser Gln Val Thr Thr Ala Lys Lys Leu
500 505 510
Arg Gly Gly Val Val Phe Val Asp Glu Val Pro Lys Gly Leu Thr Gly
515 520 525
Lys Leu Asp Ala Arg Lys Ile Arg Glu Ile Leu Ile Lys Ala Lys Lys
530 535 540
Gly Gly Lys Ser Lys Leu
545 550
【0082】
配列番号2(改変型ルシフェラーゼ遺伝子)
atggaagatg ccaaaaacat taagaagggc ccagcgccgt tctacccact cgaagacggg 60
accgccggcg agcagctgca caaagccatg aagcgctacg ccctggtgcc cggcgccatc 120
gcctttaccg acgcacatat tcaggtggac gttacctacg ccgagtactt cgagatgagc 180
gttcggctgg cagaagctat gaggcgctat gggctgaata caaaccatcg gatcgtggtg 240
tgcagcgaga atagctcgca gttcttcatg cccgtgttgg gtgccctgtt catcggtgtg 300
gctgtggccc cagctaacga catctacaac gagcgcgagc tgctgaacag catgggcatc 360
agccagccca ccgtcgtatt cgtgagcaag aaagggctgc gaaaggtcct caacgtgcaa 420
aagaagctac cgatcatacg aaagatcatc atcatggata gcaagaccga ctaccagggc 480
ttccaaagca tgtacacctt cgtgacttcc catttgccac ccagcttcaa cgagtacgac 540
ttcgtgcccg agagcttcga ccgggacaaa accatcgccc tgatcatgaa cagtagtggt 600
agtacaggat tacccaaggg cgtagcccta ccgcaccgca ccgcttgtgt ccgattcagt 660
catgcccgcg accccatctt cggctaccag aacatccccg acaccgctat cctcagcgtg 720
gtgccatttc accacggctt cggcatgttc accacgctgg gctacttgat ctgcggcttt 780
cgggtcgtgc tcatgtaccg cttcgaggag gagctattct tgcgcagctt gcaagactat 840
aagattcaat ctgccctgct ggtgcccaca ctatttagct gcctcgctaa gagcactctc 900
atcgacaagt acgacctaag cagcttgcgc gagatcgcca gcggcggggc gccgctcagc 960
aaggaggtag gtgaggccgt ggccaaacgc ttccgcctac caggcatccg ccagggctat 1020
ggcctgacag aaacaaccaa cgccgtcatg atcacccccg agggggaccg taagcctggc 1080
tcagtaggca aggtggtgcc cttcttcgag gctaaggtgg tagacttggt caccggtaag 1140
acactgggtg tgaaccagcg cggtgagctg tgcgtccgtg gccccatgat catgagcggc 1200
tacgttaaca accccgaggc tacgaacgct ctcatcgaca aggacggctg gctgcacagc 1260
ggcgacatcg cctactggga cgaggacgag cacttcttca tcgtggaccg gctgaagagc 1320
ctgatcaaat acaagggcta ccaggtagcc ccagccgaac tggagggcat cctgctgcaa 1380
cacccctaca tcttcgacgc cggagtcgcc ggcctgcccg acgacgatgc cggcgagctg 1440
cccgccgcag tcgtcgtgtt ggaacacggt aaaaccatga ccgagaaaga gatcgtggac 1500
tatgtggcca gccaggttac aaccgccaag aagctgcgcg gtggtgttgt gtttgtggat 1560
gaagtcccta gaggatcgac cggcaagtta gacgcccgca agatccgcga gattctcact 1620
aaggccaaga aggacggcaa gatcgccgtg taa 1653
【0083】
配列番号3(改変型ルシフェラーゼ)
Met Glu Asp Ala Lys Asn Ile Lys Lys Gly Pro Ala Pro Phe Tyr Pro
1 5 10 15
Leu Glu Asp Gly Thr Ala Gly Glu Gln Leu His Lys Ala Met Lys Arg
20 25 30
Tyr Ala Leu Val Pro Gly Ala Ile Ala Phe Thr Asp Ala His Ile Gln
35 40 45
Val Asp Val Thr Tyr Ala Glu Tyr Phe Glu Met Ser Val Arg Leu Ala
50 55 60
Glu Ala Met Arg Arg Tyr Gly Leu Asn Thr Asn His Arg Ile Val Val
65 70 75 80
Cys Ser Glu Asn Ser Ser Gln Phe Phe Met Pro Val Leu Gly Ala Leu
85 90 95
Phe Ile Gly Val Ala Val Ala Pro Ala Asn Asp Ile Tyr Asn Glu Arg
100 105 110
Glu Leu Leu Asn Ser Met Gly Ile Ser Gln Pro Thr Val Val Phe Val
115 120 125
Ser Lys Lys Gly Leu Arg Lys Val Leu Asn Val Gln Lys Lys Leu Pro
130 135 140
Ile Ile Arg Lys Ile Ile Ile Met Asp Ser Lys Thr Asp Tyr Gln Gly
145 150 155 160
Phe Gln Ser Met Tyr Thr Phe Val Thr Ser His Leu Pro Pro Ser Phe
165 170 175
Asn Glu Tyr Asp Phe Val Pro Glu Ser Phe Asp Arg Asp Lys Thr Ile
180 185 190
Ala Leu Ile Met Asn Ser Ser Gly Ser Thr Gly Leu Pro Lys Gly Val
195 200 205
Ala Leu Pro His Arg Thr Ala Cys Val Arg Phe Ser His Ala Arg Asp
210 215 220
Pro Ile Phe Gly Tyr Gln Asn Ile Pro Asp Thr Ala Ile Leu Ser Val
225 230 235 240
Val Pro Phe His His Gly Phe Gly Met Phe Thr Thr Leu Gly Tyr Leu
245 250 255
Ile Cys Gly Phe Arg Val Val Leu Met Tyr Arg Phe Glu Glu Glu Leu
260 265 270
Phe Leu Arg Ser Leu Gln Asp Tyr Lys Ile Gln Ser Ala Leu Leu Val
275 280 285
Pro Thr Leu Phe Ser Cys Leu Ala Lys Ser Thr Leu Ile Asp Lys Tyr
290 295 300
Asp Leu Ser Ser Leu Arg Glu Ile Ala Ser Gly Gly Ala Pro Leu Ser
305 310 315 320
Lys Glu Val Gly Glu Ala Val Ala Lys Arg Phe Arg Leu Pro Gly Ile
325 330 335
Arg Gln Gly Tyr Gly Leu Thr Glu Thr Thr Asn Ala Val Met Ile Thr
340 345 350
Pro Glu Gly Asp Arg Lys Pro Gly Ser Val Gly Lys Val Val Pro Phe
355 360 365
Phe Glu Ala Lys Val Val Asp Leu Val Thr Gly Lys Thr Leu Gly Val
370 375 380
Asn Gln Arg Gly Glu Leu Cys Val Arg Gly Pro Met Ile Met Ser Gly
385 390 395 400
Tyr Val Asn Asn Pro Glu Ala Thr Asn Ala Leu Ile Asp Lys Asp Gly
405 410 415
Trp Leu His Ser Gly Asp Ile Ala Tyr Trp Asp Glu Asp Glu His Phe
420 425 430
Phe Ile Val Asp Arg Leu Lys Ser Leu Ile Lys Tyr Lys Gly Tyr Gln
435 440 445
Val Ala Pro Ala Glu Leu Glu Gly Ile Leu Leu Gln His Pro Tyr Ile
450 455 460
Phe Asp Ala Gly Val Ala Gly Leu Pro Asp Asp Asp Ala Gly Glu Leu
465 470 475 480
Pro Ala Ala Val Val Val Leu Glu His Gly Lys Thr Met Thr Glu Lys
485 490 495
Glu Ile Val Asp Tyr Val Ala Ser Gln Val Thr Thr Ala Lys Lys Leu
500 505 510
Arg Gly Gly Val Val Phe Val Asp Glu Val Pro Arg Gly Ser Thr Gly
515 520 525
Lys Leu Asp Ala Arg Lys Ile Arg Glu Ile Leu Thr Lys Ala Lys Lys
530 535 540
Asp Gly Lys Ile Ala Val
545 550
【0084】
配列番号4(脳神経細胞で目的タンパク質の発現するThy1プロモーター)
cagagaccgg gaaccaaact agcctttaaa aaacataagt acaggagcca gcaagatggc 60
tcagtgggta aaggtgccta ccagcaagcc tgacagcctg agttcagtcc ccacgaacta 120
cgtggtagga gaggaccaac caactctgga aatctgttct gcaaacacat gctcacacac 180
acacacacaa atagtataaa caattttaaa tttcatttaa aaataatttg taaacaaaat 240
cattagcaca ggttttagaa agagcctctt ggtgacatca agttgatgct gtagatgggg 300
tatcattcct gaggacccaa aaccgggtct cagcctttcc ccattctgag agttctctct 360
tttctcagcc actagctgaa gagtagagtg gctcagcact gggctcttga gttcccaagt 420
cctacaactg gtcagcctga ctactaacca gccatgaaga aacaaggagt ggatgggctg 480
agtctgctgg gatgggagtg gagttagtaa gtggccatgg atgtaatgac cccagcaatg 540
ctggctagaa ggcatgcctc ctttccttgt ctggagacgg aacgggaggg atcatcttgt 600
actcacagaa gggagaacat tctagctggt tgggccaaaa tgtgcaagtt cacctggagg 660
tggtggtgca tgcttttaac tccagtactc aggaggcagg gccaggtgga tctctgtgag 720
ttcaagacca gcctgcacta tggagagagt tttgggacag ccagagttac acagaaaaat 780
cctggtggaa aatctgaaag aaagagagaa agaaagaaag aaagaaagga agaaagaaag 840
aaagagtggc aggcaggcag gcaggaggaa ggaaggaagg aaggaaggaa ggaaggaagg 900
aaggaaggaa aataggtgcg acttcaagat ccggagttac aagcagaatg cactgtttcc 960
ctaacagggc caagtgtttt gagtaactga aggtgggcat gatgcctggg aagcagaaac 1020
aagccaggca gatgcacccc ttgccttgct tccgaagggc tgcagtagca tggaaaacat 1080
ggaaaacaac caatccattc cctttgctga tataacaggc tccaaagcca aaacctgtca 1140
ctggaggctc aagagcagat ctccagccaa gaggcaaagg aatgggggaa gctggagggc 1200
ctccctctgg ttatccaggc ttctgaaggt tcaagcaaag aaagggttac aaccttaaaa 1260
ggagagcgtc ccggggtatg ggtagaagac tgctccaccc cgacccccag ggtccctaac 1320
cgtcttttcc ctgggcgagt cagcccaatc acaggactga gagtgcctct ttagtagcag 1380
caagccactt cggacaccca aatggaacac ctccagtcag ccctcgccga ccaccccacc 1440
ccctccatcc ttttccctca gcctccgatt ggctgaatct agagtccctc cctgctcccc 1500
cctctctccc cacccctggt gaaaactgcg ggcttcagcg ctgggtgcag caactggagg 1560
cgttggcgca ccaggaggag gctgcagcta ggggagtcca ggtgagagca ggccgacggg 1620
agggacccgc acatgcaagg accgccgcag ggcgaggatg caagccttcc ccagctacag 1680
ttttgggaaa ggataccagg gcgctcctat atgggggcgc gggaactggg gaaagaaggt 1740
gctcccaggt cgaggtggga gaggaaggca gtgcggggtc acgggctttc tccctgctaa 1800
cggacgcttt cgaagagtgg gtgccggagg agaaccatga ggaaggacat caaggacagc 1860
ctttggtccc caagctcaaa tcgctttagt ggtgcgaata gagggaggag gtgggtggca 1920
aactggaggg agtccccagc gggtgacctc gtggctggct gggtgcgggg caccgcaggt 1980
aagaaaaccg caatgttgcg ggaggggact gggtggcagg cgcgggggag gggaaagcta 2040
gaaaggatgc gagggagcgg aggggggagg gagcgggaga atctcaactg gtagaggaag 2100
attaaaatga ggaaatagca tcagggtggg gttagyyars cmrgscsksm sksarrgrrm 2160
gsrmrswwwg tytgkstgkg kgykkrsktr ggykggstrk gwrwkwsrkk ssgsssrmmr 2220
mamwsactgc tgcgcctctg ccaaatcacg ctacccctgt atctagttct gccaggcttc 2280
tccagcccca gccccaattc ttttctctag tgttccccct tccctcccct gaatctcaag 2340
cccacactcc ctcctccata acccactgtt atcaaatcta agtcatttgc cacccaacaa 2400
ccatcaggag gcggaagcag acgggaggag tttgagatca acttgggcta catcacgagt 2460
tccaggctca ccaaggcttc ttaaggagac cttgtctcta aaattaatta attaattaat 2520
taatagtccc ctttctctgc cacagaacct tgggatctgg ctcctggtcg cagctccccc 2580
caccccaggc tgacattcac tgccatagcc catccggaaa tcctagtcta tttccccatg 2640
gatcttgaac tgcagagaga atggcagagt ggcccgccct gtgcaaagga tgttcctagc 2700
ctaggtggag ctcgcgaact cgcagactgt gcctctcttg ggcaaggaca ggctagacag 2760
cctgccggtg tgttgagcta gggcactgtg gggaaggcag agaacctgtg cagggcagca 2820
atgaacacag gaccagaaaa ctgcagccct aggaacactc aagagctggc catttgcaag 2880
catctctggc ctccgtgctt ctcactcatg tcccatgtct tatacaggcc tctgtggcac 2940
ctcgcttgcc tgatctcatc cctagccgtt aagctttctg catgacttat cacttggggc 3000
ataatgctgg atacctacca ttttcttaga ccccatcaaa atcctatttg agtgtacggt 3060
tcggagaacc tcatttatcc ggtaaatgtc ttttactctg ctctcaggga gctgaggcag 3120
gacatcctga gatacattgg gagaggagat acagtttcaa taaaataata ggttgggtgg 3180
aggtacatgc ctataatgcc accactcagg aaatggtggc agcttcgtga gtttgaggcc 3240
aacccaagaa acatagtgaa accctgtcag taaataagta agcaagtatt tgagtatcta 3300
ctatatgcta gggctgacct ggacattagg ggtcatcttc tgaacaaact agtgcttgag 3360
ggaggtattt ggggtttttg tttgtttaat ggatctgaat gagttccaga gactggctac 3420
acagcgatat gactgagctt aacaccccta aagcatacag tcagaccaat tagacaataa 3480
aaggtatgta tagcttacca aataaaaaaa ttgtattttc aagagagtgt ctgtctgtgt 3540
agccctggct gttcttgaac tcactctgta gaccaggctg gcctggaaat ccatctgcct 3600
gcctctgcct ctctgcctct ctgcctctct gcctctctct ctgcctctct ctgcctctct 3660
ctgcccctct ctgcccctct ctgcccctct ctgccgccct ctgccttttg ccctctgccc 3720
tctgttctct ggcctctgcc ctctgccctc tggcctctgg cctctgcctc tgcctcttga 3780
gtgctggaat caaaggtgtg agctctgtag gtcttaagtt ccagaagaaa gtaatgaagt 3840
cacccagcag ggaggtgctc agggacagca cagacacaca cccaggacat aggctcccac 3900
ttccttggct ttctctgagt ggcaaaggac cttaggcagt gtcactccct aagagaaggg 3960
gataaagaga ggggctgagg tattcatcat gtgctccgtg gatctcaagc cctcaaggta 4020
aatggggacc cacctgtcct accagctggc tgacctgtag ctttccccac cacagaatcc 4080
aagtcggaac tcttggcacc tagaggatct cga 4113
【0085】
配列番号5(プライマー)
cctagaggat ctcgagatgg tgagcaaggg cgag
【0086】
配列番号6(プライマー)
gaggaaggac ctcgagttac acggcgatct tgcc
【0087】
配列番号7(プライマー)
ggacacgctgaacttgtgg
【0088】
配列番号8(プライマー)
ctggctgacc tgtagctttc c
【0089】
配列番号9(Venus-Akaluc siRNA 1(VA-siRNA 1))
gcacucucaucgacaagua dtdt
【0090】
配列番号10(Venus-Akaluc siRNA 2(VA-siRNA 2))
cgaacgcucucaucgacaa dtdt
【0091】
配列番号11(Venus-Akaluc siRNA 3(VA-siRNA 3))
agcuaccgaucauacgaaa dtdt