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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172059
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1343 20060101AFI20241205BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20241205BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20241205BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20241205BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241205BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/133 550
G09G3/36
G09G3/20 680G
G09G3/20 680H
G09G3/20 621M
G09G3/20 621B
G09G3/20 623G
G09G3/20 622E
G09G3/20 623H
G09G3/20 641C
G09G3/20 611J
G09G3/20 642B
G09G3/20 670K
G09F9/30 338
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089492
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104695
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 明宏
(74)【代理人】
【識別番号】100148459
【弁理士】
【氏名又は名称】河本 悟
(72)【発明者】
【氏名】今井 雅博
(72)【発明者】
【氏名】海瀬 泰佳
(72)【発明者】
【氏名】山口 尚宏
(72)【発明者】
【氏名】下敷領 文一
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
2H193
5C006
5C080
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA13
2H092GA17
2H092GA28
2H092GA30
2H092GA38
2H092HA04
2H092JA24
2H092JB05
2H092JB06
2H092JB51
2H092PA06
2H092PA10
2H092PA11
2H192AA24
2H192BA13
2H192BC11
2H192BC31
2H192BC61
2H193ZA04
2H193ZA31
2H193ZB07
2H193ZD32
2H193ZE40
2H193ZF32
2H193ZF33
2H193ZJ20
5C006AA02
5C006AA16
5C006AA22
5C006AC01
5C006AC25
5C006AC26
5C006AF33
5C006AF36
5C006AF42
5C006AF43
5C006AF50
5C006AF51
5C006AF83
5C006BB14
5C006BB16
5C006BB28
5C006BB29
5C006BC02
5C006BC03
5C006BC12
5C006BC20
5C006BC22
5C006BC23
5C006BF03
5C006BF04
5C006BF06
5C006BF24
5C006BF27
5C006BF33
5C006BF34
5C006EA01
5C006EC09
5C006FA22
5C006FA41
5C006FA55
5C006GA03
5C080AA10
5C080BB03
5C080BB05
5C080BB06
5C080CC03
5C080CC08
5C080DD05
5C080DD07
5C080DD25
5C080DD29
5C080EE01
5C080EE29
5C080FF08
5C080FF11
5C080FF13
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C080KK20
5C080KK49
5C094AA15
5C094BA03
5C094BA27
5C094BA43
5C094CA19
5C094DA03
5C094DA12
5C094EA04
5C094HA03
5C094HA05
(57)【要約】
【課題】非矩形のアクティブエリア(表示領域)6を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化を実現する。
【解決手段】TFT基板2上には、それぞれが1つの画素を形成する複数の画素電極23が設けられる。非矩形のアクティブエリア6と当該アクティブエリア6の外側の領域である額縁領域との境界部に位置する画素電極23のサイズは、境界部に位置していない画素電極23のサイズよりも小さくなっている。このような構成において、複数の画素電極23には、常時、電圧が印加される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非矩形の表示領域を有する液晶表示装置であって、
それぞれが1つの画素を形成する複数の画素電極を有する第1基板と、
前記複数の画素電極と対向するように設けられた共通電極を有する第2基板と、
前記複数の画素電極と前記共通電極との間に設けられた液晶と
を備え、
前記複数の画素電極には、常時、電圧が印加され、
前記表示領域と前記表示領域の外側の領域である額縁領域との境界部に位置する画素電極のサイズは、前記境界部に位置していない画素電極のサイズよりも小さいことを特徴とする、液晶表示装置。
【請求項2】
前記境界部に位置する画素電極は、全体が前記表示領域に含まれるよう、通常の画素電極の形状から前記額縁領域に含まれる部分を除去することによって得られる形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記額縁領域のうちの少なくとも前記境界部近傍において前記第2基板上に遮光膜が設けられ、
前記境界部に位置する少なくとも一部の画素電極は、前記表示領域に含まれている部分と前記額縁領域のうち前記遮光膜が設けられている領域に含まれている部分とからなることを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記境界部に位置する前記少なくとも一部の画素電極が設けられている領域において、前記表示領域の外縁は円弧を形成し、
Nを3以上5以下の整数として、前記境界部に位置する前記少なくとも一部の画素電極は、前記円弧の接線を1つの辺とするN角形の形状を有していることを特徴とする、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記境界部に位置する各画素電極のうち前記額縁領域に含まれている部分は、平面視で階段状の形状を有していることを特徴とする、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1基板は、
前記複数の画素電極と1対1で対応する複数の画素トランジスタと、
前記複数の画素電極と前記複数の画素トランジスタとをそれぞれ接続する複数の配線電極と、
前記複数の画素トランジスタを駆動する、前記額縁領域に設けられた駆動回路と
前記複数の画素電極に印加される電圧の極性を所定期間ごとに切り替えるための、前記額縁領域に設けられ前記複数の画素トランジスタを含む極性切替回路と
を更に有し、
前記駆動回路は、直列に接続された複数の単位回路からなるシフトレジスタを含み、
前記複数の単位回路は、順次にアクティブとなる複数の出力信号を、複数のタイミング信号として出力し、
前記複数のタイミング信号に基づいて、複数のデータ信号の取り込みが行われ、
Mを2以上の整数として、前記駆動回路は、1つのタイミング信号につきM個のラッチ回路を含み、
前記M個のラッチ回路は、対応するタイミング信号に基づいてM個のデータ信号を取り込み、その取り込んだM個のデータ信号を出力し、
前記極性切替回路は、前記複数の配線電極にそれぞれ対応する複数の極性制御部からなり、
各極性制御部は、対応するラッチ回路から出力されたデータ信号に基づいてオン/オフ状態が相反的に変化する第1画素トランジスタおよび第2画素トランジスタを含み、
各極性制御部には、第1レベルと第2レベルとの間で電圧レベルが前記所定期間ごとに相反的に変化する第1電圧および第2電圧が与えられ、
前記第1画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応する画素電極に前記第1電圧が印加され、
前記第2画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応する画素電極に前記第2電圧が印加されることを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記表示領域は、円形の形状を有していることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
非矩形の表示領域を有する液晶表示装置であって、
同じサイズの複数のサブ画素電極を有する第1基板と、
前記複数のサブ画素電極と対向するように設けられた共通電極を有する第2基板と、
前記複数のサブ画素電極と前記共通電極との間に設けられた液晶と
を備え、
Kを2以上の整数として、
前記表示領域と前記表示領域の外側の領域である額縁領域との境界部では、各画素は、1個のサブ画素電極または互いに電気的に接続された2個以上K個以下のサブ画素電極によって形成され、
前記表示領域のうち前記境界部以外の領域では、各画素は、互いに電気的に接続されたK個のサブ画素電極によって形成され、
少なくとも一部が前記表示領域に含まれるサブ画素電極のみが前記第1基板上に設けられ、全体が前記額縁領域に含まれるサブ画素電極は前記第1基板上に設けられていないことを特徴とする、液晶表示装置。
【請求項9】
前記第1基板は、
各画素を形成するK個以下のサブ画素電極を互いに電気的に接続するための1以上の接続電極と、
前記複数のサブ画素電極と前記1以上の接続電極との間に形成された絶縁膜と、
各サブ画素電極とそれに対応する接続電極とを電気的に接続するために前記絶縁膜を貫くように形成されたコンタクトホールと
を更に有することを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記第1基板は、前記1以上の接続電極と同じ層に形成された複数の配線電極を更に有し、
各画素を形成するK個以下のサブ画素電極の1つに、対応する配線電極を介して、データ信号に応じた電圧が印加されることを特徴とする、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記複数のサブ画素電極および前記複数の配線電極は、透明な導電性材料で形成されていることを特徴とする、請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
各サブ画素電極は、矩形の形状を有し、
各サブ画素電極の4つの頂点のそれぞれが、前記コンタクトホールを介して、対応する接続電極と電気的に接続されていることを特徴とする、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
隣接する2個のサブ画素電極の間の間隙部の全体において前記共通電極と接続電極とが対向するように、前記1以上の接続電極が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記第1基板は、前記1以上の接続電極とは別の層に形成された複数の配線電極を更に有し、
各画素を形成するK個以下のサブ画素電極の1つに、対応する配線電極を介して、データ信号に応じた電圧が印加されることを特徴とする、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記複数のサブ画素電極および前記1以上の接続電極は、透明な導電性材料で形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
隣接する2個のサブ画素電極の間の間隙部の全体および隣接する2個の画素の間の間隙部の全体において前記共通電極と接続電極とが対向するように、前記1以上の接続電極が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
各画素を形成する画素電極を分割することによって得られるK個のサブ画素電極のうち前記表示領域に少なくとも一部が含まれる全てのサブ画素電極が前記第1基板上に設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
各画素を形成する画素電極を分割することによって得られるK個のサブ画素電極のうち前記表示領域に予め定められた面積以上の部分が含まれるサブ画素電極のみが前記第1基板上に設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記第1基板は、
前記複数のサブ画素電極によって形成される複数の画素と1対1で対応する複数の画素トランジスタと、
前記複数の画素と前記複数の画素トランジスタとをそれぞれ接続する複数の配線電極と、
前記複数の画素トランジスタを駆動する、前記額縁領域に設けられた駆動回路と
前記複数のサブ画素電極に印加される電圧の極性を所定期間ごとに切り替えるための、前記額縁領域に設けられ前記複数の画素トランジスタを含む極性切替回路と
を更に有し、
前記駆動回路は、直列に接続された複数の単位回路からなるシフトレジスタを含み、
前記複数の単位回路は、順次にアクティブとなる複数の出力信号を、複数のタイミング信号として出力し、
前記複数のタイミング信号に基づいて、複数のデータ信号の取り込みが行われ、
Mを2以上の整数として、前記駆動回路は、1つのタイミング信号につきM個のラッチ回路を含み、
前記M個のラッチ回路は、対応するタイミング信号に基づいてM個のデータ信号を取り込み、その取り込んだM個のデータ信号を出力し、
前記極性切替回路は、前記複数の配線電極にそれぞれ対応する複数の極性制御部からなり、
各極性制御部は、対応するラッチ回路から出力されたデータ信号に基づいてオン/オフ状態が相反的に変化する第1画素トランジスタおよび第2画素トランジスタを含み、
各極性制御部には、第1レベルと第2レベルとの間で電圧レベルが前記所定期間ごとに相反的に変化する第1電圧および第2電圧が与えられ、
前記第1画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応するサブ画素電極に前記第1電圧が印加され、
前記第2画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応するサブ画素電極に前記第2電圧が印加されることを特徴とする、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記表示領域は、円形の形状を有していることを特徴とする、請求項8から19までのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、非矩形の表示領域を有する液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、一般に、互いに対向する2枚の絶縁性のガラス基板からなる液晶パネルを備えている。一方のガラス基板は例えば「TFT基板」と呼ばれており、他方のガラス基板は例えば「対向基板」と呼ばれている。TFT基板にはTFT(薄膜トランジスタ)や画素電極などが形成され、対向基板には共通電極(画素電極との間に電圧を印加するための電極)やカラーフィルタなどが形成されている。このような従来の一般的な液晶パネルは、矩形の表示領域を有している。表示領域には、複数本のソースバスライン(映像信号線)と、複数本のゲートバスライン(走査信号線)と、それら複数本のソースバスラインと複数本のゲートバスラインとの交差点にそれぞれ対応して設けられた複数個の画素形成部とが形成されている。各画素形成部には、対応する交差点を通過するゲートバスラインにゲート電極が接続されると共に当該交差点を通過するソースバスラインにソース電極が接続されたTFTと、そのTFTのドレイン電極に接続された画素電極と、上記複数個の画素形成部に共通的に設けられた共通電極および補助容量電極と、画素電極と共通電極とによって形成される液晶容量と、画素電極と補助容量電極とによって形成される補助容量とが含まれている。液晶容量と補助容量とによって画素容量が構成されている。以上のような構成において、各TFTのゲート電極がゲートバスラインからアクティブな走査信号を受けたときに当該TFTのソース電極がソースバスラインから受けるデータ信号に基づいて、画素容量の充電が行われる。このようにして上記複数個の画素形成部内の画素容量の充電が行われることにより、矩形の表示領域に所望の画像が表示される。なお、以下においては、上記のような構成の液晶表示装置を「TFT-LCD」という。
【0003】
上述したように、従来の一般的な液晶表示装置は、矩形の表示領域を有していた。ところが、近年、時計用途の液晶表示装置や車載用途の液晶表示装置など、矩形以外の形状の表示領域を備えた液晶表示装置も徐々に増加している。このような表示装置は「異型ディスプレイ」と呼ばれている。
【0004】
異型ディスプレイに関する発明は、例えば、特開2009-300556号公報や特開2006-276580号公報に開示されている。特開2009-300556号公報に開示された液晶表示装置においては、表示領域の端部に位置する絵素に関し、1つの絵素に含まれるR、G、およびBの有効表示領域の開口率が同じにされている。これにより、表示領域の端部で色バランスが崩れて色づきが生じるという現象の発生が防止されている。また、特開2006-276580号公報に開示された液晶表示装置においては、表示領域が実質的に楕円形または円形に形成されるとともにカラーフィルタ層が表示領域と実質的に同形状に形成されている。これに関し、より詳しくは、カラーフィルタ層は、表示領域からはみ出す部分を遮光部材で遮蔽することによって、表示領域と実質的に同形状に形成されている。このような構成により、表示領域の端部における表示ムラの発生が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-300556号公報
【特許文献2】特開2006-276580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、低解像度表示を行う異型ディスプレイを実現しようとする場合に関し、表示領域と額縁領域とに跨がる画素電極を設けない構成を採用すると、表示領域内において画像が表示されない欠け領域が大きくなる。その結果、表示が不十分となる。一方、表示領域と額縁領域とに跨がる画素電極を設ける構成を採用すると、画素電極を形成する領域のうち額縁領域にはみ出す領域が大きくなる。そのため、額縁領域を大きくせざるを得ない。しかしながら、近年、表示装置の小型化を実現するために狭額縁化が強く求められている。それ故、額縁領域を大きくすることは好ましくない。
【0007】
特開2009-300556号公報や特開2006-276580号公報に開示された液晶表示装置は、TFT-LCDである。TFT-LCDでは、画素形成部内のTFTがオフ状態で維持されている期間中、画素電極-共通電極間に電圧は保持されているが、画素電極に対して画素形成部の外部からは電圧は印加されない。ところで、画素形成部内のTFTがオン状態からオフ状態へと変化する時、画素容量比(画素電極と他の電極とによって形成される全体の容量に対する画素容量の比)に応じて画素電極の電圧は変動する(画素容量比に応じたフィードスルー電圧が生じる)。これに関し、表示領域と額縁領域との境界部においてのみ画素サイズ(画素電極のサイズ)を通常の画素サイズよりも小さくすると、境界部での画素容量比と境界部以外の部分での画素容量比とが異なることとなる。これにより、境界部と境界部以外の部分とでフィードスルー電圧の大きさが異なることとなる。その結果、例えば一定の輝度表示が行われるべき場合に境界部と境界部以外の部分とで異なる輝度表示が行われる。すなわち、表示品位が低下する。また、境界部と境界部以外の部分とでフィードスルー電圧の大きさが異なると、正極性と負極性との電圧差が生じ、この電圧差による液晶の劣化、すなわち、信頼性の低下が懸念される。
【0008】
以上のような事情に鑑み、以下の開示は、非矩形の表示領域を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、非矩形の表示領域を有する液晶表示装置であって、
それぞれが1つの画素を形成する複数の画素電極を有する第1基板と、
前記複数の画素電極と対向するように設けられた共通電極を有する第2基板と、
前記複数の画素電極と前記共通電極との間に設けられた液晶と
を備え、
前記複数の画素電極には、常時、電圧が印加され、
前記表示領域と前記表示領域の外側の領域である額縁領域との境界部に位置する画素電極のサイズは、前記境界部に位置していない画素電極のサイズよりも小さい。
【0010】
(2)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(1)の構成を含み、
前記境界部に位置する画素電極は、全体が前記表示領域に含まれるよう、通常の画素電極の形状から前記額縁領域に含まれる部分を除去することによって得られる形状を有する。
【0011】
(3)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(1)の構成を含み、
前記額縁領域のうちの少なくとも前記境界部近傍において前記第2基板上に遮光膜が設けられ、
前記境界部に位置する少なくとも一部の画素電極は、前記表示領域に含まれている部分と前記額縁領域のうち前記遮光膜が設けられている領域に含まれている部分とからなる。
【0012】
(4)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(3)の構成を含み、
前記境界部に位置する前記少なくとも一部の画素電極が設けられている領域において、前記表示領域の外縁は円弧を形成し、
Nを3以上5以下の整数として、前記境界部に位置する前記少なくとも一部の画素電極は、前記円弧の接線を1つの辺とするN角形の形状を有している。
【0013】
(5)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(3)の構成を含み、
前記境界部に位置する各画素電極のうち前記額縁領域に含まれている部分は、平面視で階段状の形状を有している。
【0014】
(6)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(1)の構成を含み、
前記第1基板は、
前記複数の画素電極と1対1で対応する複数の画素トランジスタと、
前記複数の画素電極と前記複数の画素トランジスタとをそれぞれ接続する複数の配線電極と、
前記複数の画素トランジスタを駆動する、前記額縁領域に設けられた駆動回路と
前記複数の画素電極に印加される電圧の極性を所定期間ごとに切り替えるための、前記額縁領域に設けられ前記複数の画素トランジスタを含む極性切替回路と
を更に有し、
前記駆動回路は、直列に接続された複数の単位回路からなるシフトレジスタを含み、
前記複数の単位回路は、順次にアクティブとなる複数の出力信号を、複数のタイミング信号として出力し、
前記複数のタイミング信号に基づいて、複数のデータ信号の取り込みが行われ、
Mを2以上の整数として、前記駆動回路は、1つのタイミング信号につきM個のラッチ回路を含み、
前記M個のラッチ回路は、対応するタイミング信号に基づいてM個のデータ信号を取り込み、その取り込んだM個のデータ信号を出力し、
前記極性切替回路は、前記複数の配線電極にそれぞれ対応する複数の極性制御部からなり、
各極性制御部は、対応するラッチ回路から出力されたデータ信号に基づいてオン/オフ状態が相反的に変化する第1画素トランジスタおよび第2画素トランジスタを含み、
各極性制御部には、第1レベルと第2レベルとの間で電圧レベルが前記所定期間ごとに相反的に変化する第1電圧および第2電圧が与えられ、
前記第1画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応する画素電極に前記第1電圧が印加され、
前記第2画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応する画素電極に前記第2電圧が印加される。
【0015】
(7)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(1)から(6)までのいずれかの構成を含み、
前記表示領域は、円形の形状を有している。
【0016】
(8)本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、非矩形の表示領域を有する液晶表示装置であって、
同じサイズの複数のサブ画素電極を有する第1基板と、
前記複数のサブ画素電極と対向するように設けられた共通電極を有する第2基板と、
前記複数のサブ画素電極と前記共通電極との間に設けられた液晶と
を備え、
Kを2以上の整数として、
前記表示領域と前記表示領域の外側の領域である額縁領域との境界部では、各画素は、1個のサブ画素電極または互いに電気的に接続された2個以上K個以下のサブ画素電極によって形成され、
前記表示領域のうち前記境界部以外の領域では、各画素は、互いに電気的に接続されたK個のサブ画素電極によって形成され、
少なくとも一部が前記表示領域に含まれるサブ画素電極のみが前記第1基板上に設けられ、全体が前記額縁領域に含まれるサブ画素電極は前記第1基板上に設けられていない。
【0017】
(9)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(8)の構成を含み、
前記第1基板は、
各画素を形成するK個以下のサブ画素電極を互いに電気的に接続するための1以上の接続電極と、
前記複数のサブ画素電極と前記1以上の接続電極との間に形成された絶縁膜と、
各サブ画素電極とそれに対応する接続電極とを電気的に接続するために前記絶縁膜を貫くように形成されたコンタクトホールと
を更に有する。
【0018】
(10)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(9)の構成を含み、
前記第1基板は、前記1以上の接続電極と同じ層に形成された複数の配線電極を更に有し、
各画素を形成するK個以下のサブ画素電極の1つに、対応する配線電極を介して、データ信号に応じた電圧が印加される。
【0019】
(11)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(10)の構成を含み、
前記複数のサブ画素電極および前記複数の配線電極は、透明な導電性材料で形成されている。
【0020】
(12)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(9)の構成を含み、
各サブ画素電極は、矩形の形状を有し、
各サブ画素電極の4つの頂点のそれぞれが、前記コンタクトホールを介して、対応する接続電極と電気的に接続されている。
【0021】
(13)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(8)の構成を含み、
隣接する2個のサブ画素電極の間の間隙部の全体において前記共通電極と接続電極とが対向するように、前記1以上の接続電極が設けられている。
【0022】
(14)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(13)の構成を含み、
前記第1基板は、前記1以上の接続電極とは別の層に形成された複数の配線電極を更に有し、
各画素を形成するK個以下のサブ画素電極の1つに、対応する配線電極を介して、データ信号に応じた電圧が印加される。
【0023】
(15)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(13)の構成を含み、
前記複数のサブ画素電極および前記1以上の接続電極は、透明な導電性材料で形成されている。
【0024】
(16)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(8)の構成を含み、
隣接する2個のサブ画素電極の間の間隙部の全体および隣接する2個の画素の間の間隙部の全体において前記共通電極と接続電極とが対向するように、前記1以上の接続電極が設けられている。
【0025】
(17)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(8)の構成を含み、
各画素を形成する画素電極を分割することによって得られるK個のサブ画素電極のうち前記表示領域に少なくとも一部が含まれる全てのサブ画素電極が前記第1基板上に設けられている。
【0026】
(18)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(8)の構成を含み、
各画素を形成する画素電極を分割することによって得られるK個のサブ画素電極のうち前記表示領域に予め定められた面積以上の部分が含まれるサブ画素電極のみが前記第1基板上に設けられている。
【0027】
(19)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(8)の構成を含み、
前記第1基板は、
前記複数のサブ画素電極によって形成される複数の画素と1対1で対応する複数の画素トランジスタと、
前記複数の画素と前記複数の画素トランジスタとをそれぞれ接続する複数の配線電極と、
前記複数の画素トランジスタを駆動する、前記額縁領域に設けられた駆動回路と
前記複数のサブ画素電極に印加される電圧の極性を所定期間ごとに切り替えるための、前記額縁領域に設けられ前記複数の画素トランジスタを含む極性切替回路と
を更に有し、
前記駆動回路は、直列に接続された複数の単位回路からなるシフトレジスタを含み、
前記複数の単位回路は、順次にアクティブとなる複数の出力信号を、複数のタイミング信号として出力し、
前記複数のタイミング信号に基づいて、複数のデータ信号の取り込みが行われ、
Mを2以上の整数として、前記駆動回路は、1つのタイミング信号につきM個のラッチ回路を含み、
前記M個のラッチ回路は、対応するタイミング信号に基づいてM個のデータ信号を取り込み、その取り込んだM個のデータ信号を出力し、
前記極性切替回路は、前記複数の配線電極にそれぞれ対応する複数の極性制御部からなり、
各極性制御部は、対応するラッチ回路から出力されたデータ信号に基づいてオン/オフ状態が相反的に変化する第1画素トランジスタおよび第2画素トランジスタを含み、
各極性制御部には、第1レベルと第2レベルとの間で電圧レベルが前記所定期間ごとに相反的に変化する第1電圧および第2電圧が与えられ、
前記第1画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応するサブ画素電極に前記第1電圧が印加され、
前記第2画素トランジスタがオン状態であれば、対応する配線電極を介して、対応するサブ画素電極に前記第2電圧が印加される。
【0028】
(20)また、本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置は、上記(8)から(19)までのいずれかの構成を含み、
前記表示領域は、円形の形状を有している。
【発明の効果】
【0029】
本発明のいくつかの実施形態による液晶表示装置によれば、表示領域は非矩形であって、当該表示領域と額縁領域との境界部に位置する画素電極のサイズは境界部に位置していない画素電極のサイズよりも小さい。このような構成により、画素電極を形成する領域のうち額縁領域にはみ出す領域が従来よりも小さくなるので、額縁領域を狭くすることが可能となる。また、このような構成において、全ての画素電極には、常時、電圧が印加される。それ故、境界部と境界部以外の部分との間でフィードスルー電圧の大きさの違いに起因する輝度差や液晶の劣化が生じることがない。以上より、非矩形の表示領域を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化が実現される。
【0030】
また、本発明の他のいくつかの実施形態による液晶表示装置によれば、画素を形成する画素電極は互いに電気的に接続された複数のサブ画素電極に分割されていて、少なくとも一部が表示領域に含まれるサブ画素電極のみが第1基板上に設けられ、全体が額縁領域に含まれるサブ画素電極は第1基板上に設けられていない。このような構成により、画素を形成する電極が設けられる領域のうち額縁領域にはみ出す領域が従来よりも小さくなるので、額縁領域を狭くすることが可能となる。また、第1基板上に設けられている全てのサブ画素電極のサイズは同じであるので、サブ画素間でフィードスルー電圧の大きさの違いに起因する輝度差が生じることがない。以上より、非矩形の表示領域を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1の実施形態における複数の画素電極の形状を模式的に示す図である。
図2】上記第1の実施形態に係る液晶表示装置(液晶パネル)の概略側面図である。
図3】上記第1の実施形態において、TFT基板上に設けられている構成要素について説明するための図である。
図4図1で符号61を付した部分の拡大図である。
図5】参考例における複数の画素電極の形状を模式的に示す図である。
図6】上記第1の実施形態において、配線電極の駆動に関わる構成について説明するための機能ブロック図である。
図7】上記第1の実施形態において、シフトレジスタの構成を示すブロック図である。
図8】上記第1の実施形態において、シフトレジスタの動作について説明するための信号波形図である。
図9】上記第1の実施形態において、ラッチ部の構成を示すブロック図である。
図10】上記第1の実施形態において、1つのラッチ回路の概略について説明するための図である。
図11】上記第1の実施形態において、1つのラッチ回路の詳細な構成を示す回路図である。
図12】上記第1の実施形態において、極性切替回路の概略構成を示すブロック図である。
図13】上記第1の実施形態において、極性制御部の概略構成を示す回路図である。
図14】上記第1の実施形態において、片チャネルのスイッチを用いた極性制御部の詳細な構成を示す回路図である。
図15】上記第1の実施形態において、CMOSスイッチを用いた極性制御部の詳細な構成を示す回路図である。
図16】上記第1の実施形態において、液晶印加電圧の極性の切り替えについて説明するための信号波形図である。
図17】第2の実施形態において、アクティブエリアと額縁領域との境界部に位置する画素電極について説明するための図である。
図18】上記第2の実施形態における境界部近傍の断面図である。
図19】上記第2の実施形態の第1の変形例において、三角形の形状を有する画素電極の一例を示す図である。
図20】上記第2の実施形態の第1の変形例において、四角形の形状を有する画素電極の一例を示す図である。
図21】上記第2の実施形態の第1の変形例において、五角形の形状を有する画素電極の一例を示す図である。
図22】上記第2の実施形態の第2の変形例において、アクティブエリアと額縁領域との境界部に位置する画素電極の形状について説明するための図である。
図23図22で符号66を付した部分の拡大図である。
図24】第3の実施形態において、画素電極を分割することによって得られる複数のサブ画素電極が設けられることについて説明するための図である。
図25】上記第3の実施形態において、TFT基板上に設けられているサブ画素電極について説明するための図である。
図26】上記第3の実施形態において、サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図である。
図27図26のA-A’線概略断面図である。
図28】上記第3の実施形態において、はみ出し領域の具体例について説明するための図である。
図29】上記第3の実施形態の変形例において、TFT基板上に設けられているサブ画素電極について説明するための図である。
図30】第4の実施形態に係る表示装置の概略構成について説明するための模式図である。
図31】上記第4の実施形態において、サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図である。
図32図31のA-A’線概略断面図である。
図33】第5の実施形態の概要について説明するための図である。
図34】上記第5の実施形態において、サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図である。
図35図34のA-A’線概略断面図である。
図36図34のB-B’線概略断面図である。
図37】上記第5の実施形態において、間隙部で接続電極と共通電極との間に電圧が印加されることについて説明するための図である。
図38】上記第5の実施形態の第1の変形例において、サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図である。
図39】上記第5の実施形態の第1の変形例における液晶表示装置の部分断面図である。
図40】上記第5の実施形態の第2の変形例において、サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付図面を参照しつつ、実施形態について説明する。なお、第2~第5の実施形態については、第1の実施形態と同様の点についての説明は省略する。
【0033】
<1.第1の実施形態>
<1.1 液晶表示装置の概略>
図2は、第1の実施形態に係る液晶表示装置(液晶パネル)の概略側面図である。この液晶表示装置は、液晶4を挟んで互いに対向するように設けられた2枚のガラス基板であるTFT基板(アレイ基板)2および対向基板3によって構成されている。TFT基板2と対向基板3とは、例えばシール材5によって貼り合わせられている。符号6を付した領域は、実際に画像が表示される領域であるアクティブエリア(表示領域)に相当する。符号7を付した領域は、額縁領域に相当する。TFT基板2上には画素電極などが形成され、対向基板3上には画素電極と対向するように共通電極が形成されている。共通電極は全ての画素で共通的に用いられる1つの電極であって、液晶4の劣化を抑制するために、電圧レベルがハイレベルとローレベルとの間で所定期間ごとに変化する共通電極駆動信号が共通電極に与えられる。なお、TFT基板2によって第1基板が実現され、対向基板3によって第2基板が実現される。
【0034】
図3は、TFT基板2上に設けられている構成要素について説明するための図である。図3から把握されるように、TFT基板2およびアクティブエリア6は円形の形状を有している。なお、図3に関し、アクティブエリアについては実際に画像が表示される領域のうちの外縁部に符号6を付している(図1等についても同様)。アクティブエリア6は複数の単位表示エリアに分割されており、それら複数の単位表示エリアと1対1で対応するように複数の画素電極23がTFT基板2上に形成されている。それら複数の画素電極23のそれぞれが1つの画素を形成している。TFT基板2上の額縁領域(アクティブエリア6の外側の領域)7には、複数の入力パッド21と、駆動回路40と、複数の画素トランジスタ30と、複数の入力パッド21に与えられた駆動信号群を駆動回路40に伝達するための信号配線群22とが形成されている。また、アクティブエリア6には、複数の画素トランジスタ30と複数の画素電極23とを1対1で電気的に接続する複数の配線電極24が形成されている。このように複数の配線電極24が形成されていることにより、アクティブエリア6内の画素は個別に駆動される。なお、図3に示す構成は一例であって、これには限定されない。例えば、図3に示す構成によれば駆動回路40は額縁領域7に設けられていて額縁領域7のうちの駆動回路40とアクティブエリア6との間の領域に画素トランジスタ30が設けられているが、これには限定されない。
【0035】
<1.2 画素電極の詳細>
次に、本実施形態における画素電極23について詳しく説明する。図1は、本実施形態においてTFT基板2上に形成されている複数の画素電極23の形状を模式的に示す図であり、図4は、図1で符号61を付した部分の拡大図である。なお、図5に、図1に示した例と比較するための参考例における複数の画素電極23の形状を模式的に示している。ここで着目するケースでは、画素ピッチは1.2mmであって、画素サイズ(画素電極23のサイズ)は1.195mm×1.195mmであって、TFT基板2を平面視したときの左右方向の最大画素数は28個であって、TFT基板2を平面視したときの上下方向の最大画素数は28個であって、アクティブエリア6の直径は33.6mm(すなわち、半径は16.8mm)であると仮定する。
【0036】
参考例においては、図5から把握されるように、アクティブエリア6と額縁領域7とに跨がった状態の画素電極23が多数存在する。図5で符号23zを付した画素電極は、アクティブエリア6の中心から最も離れた位置に存在する画素電極の1つである。画素電極23zを形成する領域のうちアクティブエリア6の中心から最も離れた位置を「最外郭画素位置」と定義すると、アクティブエリア6の中心から最外郭画素位置までの距離は18.3mmとなる。アクティブエリア6と額縁領域7とに跨がった状態の画素電極23を形成する領域のうちの額縁領域7に含まれている領域を「はみ出し領域」と定義すると、アクティブエリア6の半径は16.8mmであるので、アクティブエリア6の外縁部から外側に向かって最大で1.5mmまでの領域がはみ出し領域となる。参考例においては、このようなはみ出し領域の存在が狭額縁化を阻害する要因となる。
【0037】
これに対して、本実施形態においては、アクティブエリア6と額縁領域7とに跨がった状態の画素電極23は存在していない(図1および図4を参照)。すなわち、はみ出し領域は存在していない。これに関し、アクティブエリア6の外縁部に相当する部分(図4で符号62を付した部分)を「境界部」と定義すると、境界部62に位置する画素電極23は、その全体がアクティブエリア6に含まれるよう、通常の画素電極23の形状から額縁領域7に含まれる部分を除去することによって得られる形状を有している。これにより、本実施形態においては、境界部62に位置する画素電極23のサイズは、境界部62に位置していない画素電極23のサイズよりも小さくなっている。
【0038】
ところで、上述したように、TFT-LCDでは、境界部62においてのみ画素サイズを通常の画素サイズよりも小さくすると、例えば一定の輝度表示が行われるべき場合に境界部と境界部以外の部分とで異なる輝度表示が行われる。そこで、本実施形態においては、境界部62に位置していない画素電極23と境界部62に位置する画素電極23とに同じように電圧が印加されるよう、TFT基板2上に設けられている複数の画素電極23には常時電圧が印加されるという構成が採用されている。
【0039】
<1.3 配線電極の駆動に関わる構成>
以下、配線電極24の駆動に関わる構成について説明する。以下に記す構成により、TFT基板2上に設けられている複数の画素電極23に常時電圧が印加される。なお、ここでは、説明の便宜上、TFT基板2上には960個の画素電極23が存在するものと仮定する。
【0040】
<1.3.1 概要>
本実施形態においては、図6に示すように、配線電極24の駆動に関わる構成要素として、アクティブエリア6の外側の領域(すなわち、額縁領域7)に駆動回路40と極性切替回路50とが設けられている。駆動回路40は、シフトレジスタ41とラッチ部42とによって構成されている。なお、画素トランジスタ30は極性切替回路50に含まれている。
【0041】
シフトレジスタ41には、信号配線群22(図3参照)を介して、制御クロック信号BCKと制御クロック信号BCKBとスタートパルス信号BSPと初期化信号INIとが与えられる。シフトレジスタ41の内部の状態は、初期化信号INIに基づいて初期化される。シフトレジスタ41は、制御クロック信号BCKと制御クロック信号BCKBとスタートパルス信号BSPとに基づいてシフト動作を行う。そして、そのシフト動作に基づいて、後述する各単位回路からの出力信号がデータ信号の取り込みタイミングを表すタイミング信号として出力される。
【0042】
ラッチ部42には、信号配線群22を介して、バイナリデータを表すデータ信号BDAT<0:7>が与えられる。なお、データ信号BDAT<0:7>は、8ビットのデータである。ラッチ部42には複数のラッチ回路が含まれており、各ラッチ回路は、対応するタイミング信号(シフトレジスタ41から出力されたタイミング信号)に基づいて対応するデータ信号を取り込み、その取り込んだデータ信号を出力する。
【0043】
極性切替回路50には、信号配線群22を介して、白色表示用電圧VAと黒色表示用電圧VBとが与えられる。白色表示用電圧VAと黒色表示用電圧VBとに関し、それらの電圧レベルはハイレベル(第1レベル)とローレベル(第2レベル)との間で所定期間ごとに相反的に変化する。極性切替回路50にはアクティブエリア6内の複数の配線電極24にそれぞれ対応する複数の極性制御部が含まれており、各極性制御部は、対応するラッチ回路から出力されたデータ信号に基づいて、白色表示用電圧VAまたは黒色表示用電圧VBのいずれかを対応する配線電極24に印加する。なお、本実施形態においては、白色表示用電圧VAによって第1電圧が実現され、黒色表示用電圧VBによって第2電圧が実現されている。
【0044】
以上のようにして各画素電極23にデータ信号BDAT<0:7>に応じた電圧(白色表示用電圧VAまたは黒色表示用電圧VB)が印加されることにより、アクティブエリア6に所望の画像が表示される。
【0045】
<1.3.2 駆動回路の詳細な構成>
図7は、シフトレジスタ41の詳細な構成を示す回路図である。図7に示すように、シフトレジスタ41は、直列に接続された120個の単位回路411(1)~411(120)と、リセット信号生成回路412と、複数のバッファ413とによって構成されている。各単位回路411は、フリップフロップ回路である。上述したように、シフトレジスタ41には、制御クロック信号BCKと制御クロック信号BCKBとスタートパルス信号BSPと初期化信号INIとが与えられる。単位回路411(1)~411(120)の状態は、初期化信号INIに基づいて初期化される。各単位回路411には、前段の単位回路411からの出力信号Qがセット信号SBとして与えられ、次段の単位回路411からの出力信号Qがリセット信号Rとして与えられる。但し、1段目の単位回路411(1)についてはスタートパルス信号BSPがセット信号SBとして与えられ、120段目の単位回路411(120)についてはリセット信号生成回路412によって生成された信号がリセット信号Rとして与えられる。各単位回路411では、セット信号SBがハイレベルになった後、制御クロック信号BCK,BCKBに基づいて出力信号Qがハイレベルとなる(すなわち、シフトパルスが出力される)。そして、リセット信号Rがハイレベルになることによって、出力信号Qはローレベルとなる。
【0046】
単位回路411が上述のように動作するので、スタートパルス信号BSPのパルスの発生後、制御クロック信号BCK,BCKBに基づいて、1段ずつ単位回路411からの出力信号Qがハイレベルとなる。すなわち、各単位回路411から出力されるハイレベルの出力信号Qがシフトパルスとして1段目から120段目へと順次に転送される。また、各単位回路411からの出力信号Qは、次段および前段の単位回路411に与えられる他、タイミング信号SRとしてラッチ回路に与えられる。以上より、図8に示すように、スタートパルス信号BSPのパルスの発生後、制御クロック信号BCK,BCKBに基づいて、「タイミング信号SR(1)、タイミング信号SR(2)、・・・、タイミング信号SR(119)、タイミング信号SR(120)」の順序でタイミング信号が所定期間ずつハイレベル(アクティブ)となる。
【0047】
図9は、ラッチ部42の構成を示すブロック図である。図9に示すように、ラッチ部42は、120個のラッチ回路群421(1)~421(120)によって構成されている。各ラッチ回路群421には8個のラッチ回路が含まれている。従って、全体では960個のラッチ回路が設けられている。各ラッチ回路群421には、データ信号BDAT<0:7>と、シフトレジスタ41から出力されたタイミング信号SRとが与えられる。各ラッチ回路群421は、入力されたタイミング信号SRがローレベルからハイレベルに変化すると、データ信号BDAT<0:7>を取り込み、その取り込んだデータ信号を出力する。なお、ラッチ回路から出力されるデータ信号には符号BOUTを付している。タイミング信号は上述したように「タイミング信号SR(1)、タイミング信号SR(2)、・・・、タイミング信号SR(119)、タイミング信号SR(120)」の順序でハイレベルとなるので(図8参照)、「ラッチ回路群421(1)、ラッチ回路群421(2)、・・・、ラッチ回路群421(119)、ラッチ回路群421(120)」の順序でラッチ回路群でのデータ信号BDAT<0:7>の取り込みが行われる。
【0048】
以上より、スタートパルス信号BSPのパルスの発生後、制御クロック信号BCKおよび制御クロック信号BCKBの論理レベルが反転する毎に、ラッチ回路群421によるデータ信号BDAT<0:7>の取り込みが行われる。すなわち、制御クロック信号BCKおよび制御クロック信号BCKBの論理レベルが1回反転すると、8ビット分のデータがラッチ回路群421に取り込まれる。従って、スタートパルス信号BSPのパルスの発生後、制御クロック信号BCKおよび制御クロック信号BCKBの論理レベルの反転が120回行われた時点で、全ての画素電極12に対応するデータについてのラッチ回路への取り込みが終了する。
【0049】
図10は、1つのラッチ回路(1ビット分のデータに対応するラッチ回路)422の概略について説明するための図である。ラッチ回路422には、1ビット分のデータ信号BDATが入力信号INとして与えられ、シフトレジスタ41から出力されたタイミング信号SRがイネーブル信号ENとして与えられる。そして、ラッチ回路422から出力される出力信号OUTは、データ信号BOUTとして極性切替回路50に与えられる。
【0050】
図11は、1つのラッチ回路422の詳細な構成を示す回路図である。なお、ここで示す構成は一例であって、これには限定されない。ラッチ回路422は、インバータ481と、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタとからなるCMOSスイッチ450と、pチャネル型トランジスタ461とpチャネル型トランジスタ462とnチャネル型トランジスタ463とnチャネル型トランジスタ464とからなるクロックドインバータ460と、pチャネル型トランジスタ471とnチャネル型トランジスタ472とからなるCMOSインバータ470と、インバータ482とによって構成されている。
【0051】
ラッチ回路422に入力されたイネーブル信号ENは、CMOSスイッチ450を構成するnチャネル型トランジスタのゲート端子に与えられる。また、図11に示すようにインバータ481が設けられていることにより、反転イネーブル信号ENBがCMOSスイッチ450を構成するpチャネル型トランジスタのゲート端子に与えられる。以上より、イネーブル信号ENがハイレベルであれば、CMOSスイッチ450がオン状態となるので、入力信号INがクロックドインバータ460に与えられる。一方、イネーブル信号ENがローレベルであれば、CMOSスイッチ450がオフ状態となるので、入力信号INはクロックドインバータ460に与えられない。
【0052】
クロックドインバータ460については、入力端子は節点484に接続され、出力端子は節点483に接続されている。CMOSインバータ470については、入力端子は節点483に接続され、出力端子は節点484に接続されている。また、イネーブル信号ENがローレベルであればpチャネル型トランジスタ461およびnチャネル型トランジスタ464の双方がオン状態となり、イネーブル信号ENがハイレベルであればpチャネル型トランジスタ461およびnチャネル型トランジスタ464の双方がオフ状態となる。以上より、イネーブル信号ENがハイレベルになっている時にこのラッチ回路422に入力された入力信号INの値は、次にイネーブル信号ENがハイレベルとなるまでの期間を通じて、クロックドインバータ460とCMOSインバータ470とによって保持される。ところで、入力信号INがハイレベルであれば、節点483の電位はハイレベルとなり、出力信号OUTもハイレベルとなる。一方、入力信号INがローレベルであれば、節点483の電位はローレベルとなり、出力信号OUTもローレベルとなる。
【0053】
なお、上述したように、本実施形態においては、各ラッチ回路群421には8個のラッチ回路422が含まれている。すなわち、1つのタイミング信号につき8個のラッチ回路422が設けられている。しかしながら、これには限定されず、Mを2以上の整数として、駆動回路40が1つのタイミング信号につきM個のラッチ回路422を含むような構成を採用することもできる。この場合、それらM個のラッチ回路422は、対応するタイミング信号SRに基づいてM個のデータ信号(Mビット分のデータ)を取り込み、その取り込んだM個のデータ信号を出力する。
【0054】
<1.3.3 極性切替回路の詳細な構成>
図12は、極性切替回路50の概略構成を示すブロック図である。図12に示すように、極性切替回路50は、960本の配線電極24にそれぞれ対応する960個の極性制御部51によって構成されている。各極性制御部51は、データ信号BOUTに基づいて、白色表示用電圧VAまたは黒色表示用電圧VBのいずれかを配線電極24に印加するデータ信号SLとして出力する。
【0055】
図13は、極性制御部51の概略構成を示す図である。図13に示すように、極性制御部51は、オン/オフ状態がデータ信号BOUTに基づいて制御される2つのスイッチ511,512を含んでいる。スイッチ511およびスイッチ512のオン/オフ状態は相反的に変化する。それら2つのスイッチ511,512は、画素トランジスタ30として機能する。例えば、データ信号BOUTがハイレベルになっている時にはスイッチ511がオフ状態かつスイッチ512がオン状態となり、データ信号BOUTがローレベルになっている時にはスイッチ511がオン状態かつスイッチ512がオフ状態となる。これにより、データ信号BOUTがハイレベルになっている時には黒色表示用電圧VBがデータ信号SLとして配線電極24に印加され、データ信号BOUTがローレベルになっている時には白色表示用電圧VAがデータ信号SLとして配線電極24に印加される。以下、極性制御部51のさらに詳しい構成に関する2つの例について説明する。
【0056】
図14は、片チャネルのスイッチを用いた極性制御部51の詳細な構成を示す回路図である。図14に示すように、この極性制御部51は、nチャネル型トランジスタ513とnチャネル型トランジスタ514とインバータ515とによって構成されている。nチャネル型トランジスタ513およびnチャネル型トランジスタ514は画素トランジスタ30として機能する。インバータ515の入力端子にはデータ信号BOUTが与えられ、インバータ515の出力端子はnチャネル型トランジスタ513の制御端子に接続されている。nチャネル型トランジスタ514の制御端子にはデータ信号BOUTが与えられる。nチャネル型トランジスタ513の第1導通端子には白色表示用電圧VAが与えられ、nチャネル型トランジスタ513の第2導通端子は配線電極24に接続されている。nチャネル型トランジスタ514の第1導通端子には黒色表示用電圧VBが与えられ、nチャネル型トランジスタ514の第2導通端子は配線電極24に接続されている。
【0057】
以上のような構成により、データ信号BOUTがハイレベルになっている時には、nチャネル型トランジスタ513がオフ状態かつnチャネル型トランジスタ514がオン状態となるので、黒色表示用電圧VBがデータ信号SLとして配線電極24に印加される。一方、データ信号BOUTがローレベルになっている時には、nチャネル型トランジスタ513がオン状態かつnチャネル型トランジスタ514がオフ状態となるので、白色表示用電圧VAがデータ信号SLとして配線電極24に印加される。このようにして、画素電極23には、配線電極24を介して、常時、電圧(白色表示用電圧VAまたは黒色表示用電圧VB)が印加される。
【0058】
なお、この図14に示す例では、nチャネル型トランジスタ513によって第1画素トランジスタが実現され、nチャネル型トランジスタ514によって第2画素トランジスタが実現されている。
【0059】
図15は、CMOSスイッチを用いた極性制御部51の詳細な構成を示す回路図である。図15に示すように、この極性制御部51は、CMOSスイッチ516とCMOSスイッチ517とインバータ518とによって構成されている。CMOSスイッチ516およびCMOSスイッチ517は画素トランジスタ30として機能する。インバータ518の入力端子にはデータ信号BOUTが与えられ、インバータ518の出力端子はCMOSスイッチ516を構成するnチャネル型トランジスタの制御端子とCMOSスイッチ517を構成するpチャネル型トランジスタの制御端子とに接続されている。CMOSスイッチ516を構成するpチャネル型トランジスタの制御端子とCMOSスイッチ517を構成するnチャネル型トランジスタの制御端子とにはデータ信号BOUTが与えられる。CMOSスイッチ516の入力端子には白色表示用電圧VAが与えられ、CMOSスイッチ516の出力端子は配線電極24に接続されている。CMOSスイッチ517の入力端子には黒色表示用電圧VBが与えられ、CMOSスイッチ517の出力端子は配線電極24に接続されている。
【0060】
以上のような構成により、データ信号BOUTがハイレベルになっている時には、CMOSスイッチ516がオフ状態かつCMOSスイッチ517がオン状態となるので、黒色表示用電圧VBがデータ信号SLとして配線電極24に印加される。一方、データ信号BOUTがローレベルになっている時には、CMOSスイッチ516がオン状態かつCMOSスイッチ517がオフ状態となるので、白色表示用電圧VAがデータ信号SLとして配線電極24に印加される。このようにして、画素電極23には、配線電極24を介して、常時、電圧(白色表示用電圧VAまたは黒色表示用電圧VB)が印加される。
【0061】
なお、この図15に示す例では、CMOSスイッチ516を構成するnチャネル型トランジスタおよびpチャネル型トランジスタによって第1画素トランジスタが実現され、CMOSスイッチ517を構成するnチャネル型トランジスタおよびpチャネル型トランジスタによって第2画素トランジスタが実現されている。
【0062】
図16は、液晶印加電圧の極性の切り替えについて説明するための信号波形図である。図16に示すように、白色表示用電圧VAおよび黒色表示用電圧VBに関しては、それらの電圧レベルがハイレベルとローレベルとの間で所定期間ごとに相反的に変化する。また、共通電極に印加される共通電極駆動信号VCOMについても、その電圧レベルがハイレベルとローレベルとの間で所定期間ごとに変化する。ここで、共通電極駆動信号VCOMの電圧レベルがローレベルになっている期間には、液晶4に正極性の電圧が印加される。一方、共通電極駆動信号VCOMの電圧レベルがハイレベルになっている期間には、液晶4に負極性の電圧が印加される。以上のようにして液晶印加電圧の極性が所定期間ごとに反転するので、液晶4の劣化が抑制される。
【0063】
<1.4 効果>
本実施形態によれば、アクティブエリア6と額縁領域7との境界部62に位置する画素電極23のサイズは、境界部62に位置していない画素電極23のサイズよりも小さい。詳しくは、境界部62に位置する画素電極23は、その全体がアクティブエリア6に含まれるよう、通常の画素電極23の形状から額縁領域7に含まれる部分を除去することによって得られる形状を有している。これにより、上述したはみ出し領域は存在していない。このような構成において、全ての画素電極23には、常時、電圧が印加される。それ故、境界部62と境界部62以外の部分との間でフィードスルー電圧の大きさの違いに起因する輝度差や液晶の劣化が生じることがない。以上より、本実施形態によれば、円形のアクティブエリア(表示領域)6を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化が実現される。
【0064】
<2.第2の実施形態>
第2の実施形態について説明する。なお、配線電極24の駆動に関わる構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0065】
<2.1 画素電極の詳細>
上記第1の実施形態においては、はみ出し領域(アクティブエリア6と額縁領域7とに跨がった状態の画素電極23を形成する領域のうちの額縁領域7に含まれている領域)が生じないように、境界部62に位置する画素電極23は、その全体がアクティブエリア6に含まれるよう、通常の画素電極23の形状から額縁領域7に含まれる部分を除去することによって得られる形状を有していた。すなわち、アクティブエリア6と額縁領域7とに跨がった状態の画素電極23は存在していなかった。
【0066】
これに対して、本実施形態においては、TFT基板2と対向基板3との貼り合わせ公差を考慮して、アクティブエリア6と額縁領域7との境界部に位置する画素電極23は、図17に示すように、アクティブエリア6と額縁領域7とに跨がった状態となっている。すなわち、はみ出し領域が存在する。例えば、符号23aを付した画素電極は符号64を付した太実線で表される形状を有している。また、図17から把握されるように、境界部に位置する画素電極のうち額縁領域に含まれている部分の外縁は円弧を形成している。ところで、はみ出し領域はTFT基板2と対向基板3との貼り合わせ公差を考慮したものであるので、はみ出し領域の大きさは、液晶表示装置の狭額縁化にほとんど影響を及ぼさない程度の大きさである。
【0067】
また、本実施形態では、図18に示すように、額縁領域7のうちの境界部近傍において、対向基板3上に遮光膜32が形成されている。このように遮光膜32が形成されているため、境界部に位置する画素電極23bは、アクティブエリア6に含まれている部分と額縁領域7のうち遮光膜32が設けられている領域に含まれている部分とからなる。以上のような構成により、はみ出し領域が存在していても、遮光膜32が設けられているので、不必要な画像がアクティブエリア6外の部分に表示されることはない。
【0068】
<2.2 効果>
本実施形態によれば、上記第1の実施形態と同様、円形のアクティブエリア(表示領域)6を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化が実現される。
【0069】
<2.3 変形例>
以下、上記第2の実施形態の変形例について説明する。
【0070】
<2.3.1 第1の変形例>
上記第2の実施形態においては、境界部に位置する画素電極23については、平面視で円弧を形成する部分が存在していた(図17参照)。これに対して、本変形例においては、境界部に位置する画素電極23は、Nを3以上5以下の整数として、N角形の形状を有する。また、アクティブエリア6の外縁は円弧を形成しており、上記N角形を構成するN個の辺のうち全体が額縁領域7に含まれる辺は、アクティブエリア6の外縁を形成する円弧の接線である。すなわち、境界部に位置する画素電極23は、アクティブエリア6の外縁を形成する円弧の接線を1つの辺とするN角形の形状を有している。なお、本変形例においても、はみ出し領域は、遮光膜32が設けられている領域に含まれている。
【0071】
図19図21に、境界部に位置する画素電極23の形状の具体例を示す。図19に三角形の形状を有する画素電極23の一例を示し、図20に四角形の形状を有する画素電極23の一例を示し、図21に五角形の形状を有する画素電極23の一例を示している。いずれの例についても、その全体が額縁領域7に含まれる辺は、アクティブエリア6の外縁を形成する円弧の接線である。
【0072】
<2.3.2 第2の変形例>
図22は、本変形例においてアクティブエリア6と額縁領域7との境界部に位置する画素電極23の形状について説明するための図である。図23は、図22で符号66を付した部分の拡大図である。図22および図23から把握されるように、本変形例においては、境界部に位置する各画素電極23を形成する領域のうち額縁領域7に含まれている部分は、平面視で階段状の形状を有している。なお、本変形例においても、はみ出し領域は、遮光膜32が設けられている領域に含まれている。
【0073】
<3.第3の実施形態>
第3の実施形態について説明する。なお、配線電極24の駆動に関わる構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0074】
<3.1 概要>
本実施形態においては、各画素電極23は、互いに電気的に接続された複数のサブ画素電極に分割されている。例えば、本来的には図24のA部に示すような画素電極23が、図24のB部に示すような16個(縦4個×横4個)のサブ画素電極230に分割されている。但し、少なくとも一部がアクティブエリア6に含まれるサブ画素電極230のみがTFT基板2上に設けられ、全体が額縁領域7に含まれるサブ画素電極230はTFT基板2上に設けられていない。これに関し、例えば図25のA部で符号23bを付した画素電極を分割することによって形成されるサブ画素電極230については、図25のB部に示すように、全てのサブ画素電極230がTFT基板2上に設けられる。これに対して、例えば図25のA部で符号23cを付した画素電極を分割することによって形成されるサブ画素電極230については、図25のB部に示すように、一部のサブ画素電極230はTFT基板2上に設けられるが、残りのサブ画素電極230はTFT基板2上に設けられない。このような構成を採用することによって、はみ出し領域が大きくなることが抑制されている。なお、図24および図25から把握されるように、各サブ画素電極230は矩形の形状を有し、全てのサブ画素電極230は同じサイズを有している。
【0075】
以上のように、本実施形態においては、TFT基板2上に複数のサブ画素電極230が形成されている。また、Kを2以上の整数として、各画素が次のように形成されている。アクティブエリア6と額縁領域7との境界部では、各画素は、1個のサブ画素電極230または互いに電気的に接続された2個以上K個以下のサブ画素電極230によって形成されている。アクティブエリア6のうち境界部以外の領域では、各画素は、互いに電気的に接続されたK個のサブ画素電極230によって形成されている。
【0076】
<3.2 サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造>
図26は、サブ画素電極230が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図であり、図27は、図26のA-A’線概略断面図である。なお、ここでは、1つの画素電極23が9個(縦3個×横3個)のサブ画素電極230に分割された例に着目している。
【0077】
本実施形態においては、図27に示すように、サブ画素電極230の下層に接続電極25が設けられている。接続電極25は、画素電極23を分割することによって形成された9個のサブ画素電極230を互いに電気的に接続するための電極である。サブ画素電極230と接続電極25との間には絶縁膜27が設けられている。各サブ画素電極230は、図26に示すように、4つの接続電極25とそれぞれコンタクトホール26を介して接続されている。換言すれば、各サブ画素電極230の4つの頂点のそれぞれが、コンタクトホール26を介して、対応する接続電極25と電気的に接続されている。このように、各サブ画素電極230とそれに対応する接続電極25とを電気的に接続するために、絶縁膜27を貫くようにコンタクトホール26が形成されている。また、例えば図26で符号71を付した点線部分にある接続電極25は1個のサブ画素電極230のみに接続され、例えば図26で符号72を付した点線部分にある接続電極25は2個のサブ画素電極230に接続され、例えば図26で符号73を付した点線部分にある接続電極25は4個のサブ画素電極230に接続されている。このように、本実施形態においては、1個のサブ画素電極230のみに接続された接続電極25と、2個のサブ画素電極230に接続された接続電極25と、4個のサブ画素電極230に接続された接続電極25とが存在する。
【0078】
なお、本実施形態においては、上述した配線電極24(図26および図27では不図示)が、9個のサブ画素電極230のうちのいずれかとコンタクトホール26を介して接続されている。9個のサブ画素電極230は接続電極25によって互いに電気的に接続されているので、上記データ信号BOUTに応じた電圧(白色表示用電圧VAまたは黒色表示用電圧VB)が配線電極24を介していずれかのサブ画素電極230に与えられると、当該電圧が9個のサブ画素電極230に与えられる。但し、このような構成には限定されず、アクティブエリア6内に駆動回路40や極性切替回路50を設ける構成を採用し、9個のサブ画素電極230のうちのいずれかにデータ信号BOUTに応じた電圧が与えられるようにすることもできる。
【0079】
<3.3 はみ出し領域の具体例>
上記第1の実施形態の例では、画素ピッチは1.2mmであって、画素サイズは1.195mm×1.195mmであって、アクティブエリア6の直径は33.6mm(すなわち、半径は16.8mm)であった。ここで、その例の画素電極23をサブ画素ピッチが0.1mmでサブ画素サイズが0.095mm×0.095mmとなるように分割することを想定する。この場合、1つの画素電極23は144個(縦12個×横12個)のサブ画素電極230に分割される。このとき、アクティブエリア6の中心から最も離れた位置に存在するサブ画素電極(図28で符号230zを付したサブ画素電極)を形成する領域のうちアクティブエリア6の中心から最も離れた位置(図28で符号74を付した位置)を「最外郭サブ画素位置」と定義すると、アクティブエリア6の中心から最外郭サブ画素位置までの距離は16.9mmである。アクティブエリア6の半径は16.8mmであるので、はみ出し領域の幅W1は0.1mmである。
【0080】
ところで、はみ出し領域の幅はサブ画素電極230の対角寸法を超えることはない。従って、はみ出し領域の幅として許容することのできる幅に基づいて実際のサブ画素サイズを決定すれば良い。
【0081】
<3.4 効果>
本実施形態によれば、各画素を形成する画素電極23は、互いに電気的に接続された複数のサブ画素電極230に分割されている。そして、少なくとも一部がアクティブエリア6に含まれるサブ画素電極230のみがTFT基板2上に設けられ、全体が額縁領域7に含まれるサブ画素電極230はTFT基板2上に設けられていない。このような構成を採用することによって、はみ出し領域を顕著に小さくすることができる。また、TFT基板2上に設けられている全てのサブ画素電極230のサイズは同じであるので、サブ画素間でフィードスルー電圧の大きさの違いに起因する輝度差や液晶の劣化が生じることはない。以上より、本実施形態によっても、円形のアクティブエリア(表示領域)6を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化が実現される。
【0082】
<3.5 変形例>
上記第3の実施形態においては、各画素を形成する画素電極23を分割することによって得られる複数のサブ画素電極230のうちアクティブエリア6に少なくとも一部が含まれる全てのサブ画素電極230がTFT基板2上に設けられていた。これに対して、本変形例においては、各画素を形成する画素電極23を分割することによって得られる複数のサブ画素電極230のうちアクティブエリア6に予め定められた面積以上の部分が含まれるサブ画素電極230のみがTFT基板2上に設けられる。
【0083】
上記第3の実施形態の構成を採用すると図29のA部に示すような状態が得られるケースに関し、本変形例の構成を採用すると、例えば図29のB部に示すような状態が得られる。図29のA部で符号230a、230b、230c、および230dを付しているサブ画素電極は、図29のB部には存在していない。このように、本変形例においては、アクティブエリア6に含まれる部分が予め定められた面積未満であるサブ画素電極230はTFT基板2上には設けられない。
【0084】
<4.第4の実施形態>
第4の実施形態について説明する。なお、配線電極24の駆動に関わる構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0085】
<4.1 液晶表示装置の概略構成>
液晶表示装置は表示部の背面に設けられたバックライトからの出射光を利用する透過型液晶表示装置と外光の反射光を利用する反射型液晶表示装置とに大別できるが、近年、反射型液晶表示装置の背面に有機EL表示装置を設けた2層構造の表示装置(以下、「2層ディスプレイ」という。)が開発されている。2層ディスプレイは典型的には腕時計に採用されており、例えば、高精細表示を行う際には有機EL表示装置による画像表示が行われ、文字情報の表示など簡易な表示を行う際には反射型液晶表示装置による画像表示が行われる。本実施形態に係る表示装置は、そのような2層ディスプレイである。
【0086】
図30は、本実施形態に係る表示装置(2層ディスプレイ)100の概略構成について説明するための模式図である。図30に示すように、この表示装置100は、偏光板140と位相差板130と液晶表示装置120と有機EL表示装置110とによって構成されている。それらの構成要素は、図30に示すように、視聴者側から偏光板140、位相差板130、液晶表示装置120、有機EL表示装置110の順で配置されている。偏光板140については、吸収型であっても良いし、反射型であっても良い。液晶表示装置120は反射型液晶表示装置であって、そのセル厚は一般的な透過型液晶表示装置に比べて約2分の1である。有機EL表示装置110は、反射層を有している。なお、位相差板130は光学補償や視野角拡大のために設けられているが、位相差板130を設けない構成を採用することもできる。
【0087】
以上のような構成において、高精細表示を行う際には、液晶表示装置120の全ての画素を透過状態にして有機EL表示装置110による画像表示が行われる。一方、文字情報の表示など簡易な表示を行う際には、液晶表示装置120によって、有機EL表示装置110の反射層による外光の反射光を利用した画像表示が行われる。
【0088】
なお、上述したように、本開示は、非矩形の表示領域(アクティブエリア6)を有する液晶表示装置に関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化を実現することを目的としている。そこで、以下においては、液晶表示装置120に関する説明のみを行う。
【0089】
<4.2 サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造>
本実施形態においては、上記第3の実施形態と同様、各画素を形成する画素電極23は、互いに電気的に接続された複数のサブ画素電極230に分割されている(図24参照)。また、画素電極23を分割することによって得られる複数のサブ画素電極230に関し、少なくとも一部がアクティブエリア6に含まれるサブ画素電極230のみがTFT基板2上に設けられ、全体が額縁領域7に含まれるサブ画素電極230はTFT基板2上に設けられていない(図25参照)。
【0090】
図31は、サブ画素電極230が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図であり、図32は、図31のA-A’線概略断面図である。なお、ここでも、1つの画素電極23が9個(縦3個×横3個)のサブ画素電極230に分割された例に着目している。上記第3の実施形態と同様、本実施形態においても、サブ画素電極230の下層に接続電極25が設けられ、各サブ画素電極230は4つの接続電極25とそれぞれコンタクトホール26を介して接続されている。また、本実施形態においては、上述した配線電極24がサブ画素電極230の下層に設けられている。そして、9個のサブ画素電極230のうちの1つがコンタクトホール26を介していずれかの配線電極24と接続されている(図31で符号75を付した矢印で示す部分を参照)。接続電極25と配線電極24とは、同じ層に形成されている。サブ画素電極230と接続電極25および配線電極24との間には絶縁膜27が設けられている。
【0091】
ところで、反射型液晶表示装置については、外光の反射光を利用するため、アクティブエリア6の開口率が低いと充分な表示品位が得られない。それ故、できるだけ開口率を高くすることが好ましい。そこで、本実施形態においては、サブ画素電極230および配線電極24は、透明な導電性材料で形成されている。すなわち、サブ画素電極230および配線電極24は、いわゆる透明電極である。また、アクティブエリア6で十分な開口率を得るために、上記第1の実施形態と同様、駆動回路40および極性切替回路50は額縁領域7に設けられている。
【0092】
<4.3 効果>
本実施形態によれば、非矩形のアクティブエリア6を有する2層ディスプレイに関し、表示品位および信頼性を低下させることなく狭額縁化が実現される。
【0093】
<5.第5の実施形態>
第5の実施形態について説明する。
【0094】
<5.1 概要>
本実施形態においては、上記第3の実施形態と同様、各画素を形成する画素電極23は、互いに電気的に接続された複数のサブ画素電極230に分割されている(図24参照)。また、画素電極23を分割することによって得られる複数のサブ画素電極230に関し、少なくとも一部がアクティブエリア6に含まれるサブ画素電極230のみがTFT基板2上に設けられ、全体が額縁領域7に含まれるサブ画素電極230はTFT基板2上に設けられていない(図25参照)。
【0095】
ところで、隣接する2つのサブ画素電極230の間には必然的に間隙部が生じ、その間隙部が視聴者に格子状に視認されるおそれがある。これについて、図33を参照しつつ説明する。サブ画素電極230が形成されている部分(以下、「サブ画素電極部」という。)76では、液晶4を挟んで共通電極31とサブ画素電極230とが対向しているので、電圧の印加が行われる。これに対して、間隙部77では、共通電極31と対向する位置にサブ画素電極230が存在していないので、電圧の印加が行われない。従って、サブ画素電極230に電圧が印加されている状態下では、サブ画素電極部76と間隙部77とで液晶4の状態が異なり得る。サブ画素電極部76と間隙部77とで液晶4の状態が異なると、例えばサブ画素電極部76では反射表示が行われるのに対して間隙部77では透過表示が行われる。このような表示が行われることによって、間隙部77が視聴者に格子状に視認されるおそれがある。そこで、本実施形態においては、サブ画素電極部76における液晶4の状態と間隙部77における液晶4の状態とが同じになるよう、間隙部77にも接続電極25が形成される。
【0096】
<5.2 サブ画素電極が形成される領域の詳細な構造>
図34は、サブ画素電極230が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図であり、図35は、図34のA-A’線概略断面図であり、図36は、図34のB-B’線概略断面図である。図34図35、および図36から、間隙部77にも電圧が印加されるようにサブ画素電極230の下層に接続電極25が設けられていることが把握される。詳しくは、隣接する2個のサブ画素電極230の間の間隙部の全体において共通電極31と接続電極25とが対向するように、接続電極25が設けられている。サブ画素電極230と接続電極25との間には絶縁膜27が設けられており、各サブ画素電極230は絶縁膜27を貫くように形成されたコンタクトホール26を介して接続電極25と接続されている。接続電極25は、9個のサブ画素電極230を互いに電気的に接続することに寄与する。また、模式的には図37に示すように、サブ画素電極部76ではサブ画素電極230と共通電極31との間に電圧が印加され、間隙部77では接続電極25と共通電極31との間に電圧が印加される。このように、接続電極25は、サブ画素電極部76における液晶4の状態と間隙部77における液晶4の状態とを同じにすることにも寄与する。さらに、サブ画素電極230および接続電極25を透明な導電性材料で形成する(すなわち、サブ画素電極230および接続電極25として透明電極を採用する)ことによって、アクティブエリア6の開口率を高くすることができる。
【0097】
なお、本実施形態においては、例えば、アクティブエリア6内に駆動回路40や極性切替回路50が設けられ、9個のサブ画素電極230のうちのいずれかにデータ信号BOUTに応じた電圧(白色表示用電圧VAまたは黒色表示用電圧VB)が与えられる。
【0098】
<5.3 効果>
本実施形態によれば、各画素を形成する画素電極23を複数のサブ画素電極230に分割することによって必然的に生じる間隙部77にも、複数のサブ画素電極230を互いに電気的に接続するための接続電極25が形成される。このため、サブ画素電極部76と間隙部77とで同じように電圧の印加が行われ、サブ画素電極部76における液晶4の状態と間隙部77における液晶4の状態とを同じにすることが可能となる。これにより、間隙部77が視聴者に格子状に視認されることが防止される。また、上記第3の実施形態と同様の効果も得られる。以上より、円形のアクティブエリア(表示領域)6を有する液晶表示装置に関し、顕著に良好な表示品位を確保しつつ狭額縁化が実現される。
【0099】
<5.4 変形例>
以下、上記第5の実施形態の変形例について説明する。
【0100】
<5.4.1 第1の変形例>
図38は、本変形例においてサブ画素電極230が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図である。図39は、本変形例における液晶表示装置の部分断面図である。本変形例においては、上記第4の実施形態と上記第5の実施形態とを組み合わせた構成が採用されている。すなわち、上記第4の実施形態と同様にサブ画素電極230の下層に接続電極25に加えて配線電極24が設けられるとともに、上記第5の実施形態と同様に間隙部77にも接続電極25が形成されている。但し、上記第4の実施形態とは異なり、接続電極25と配線電極24とは、別の層に形成されている。
【0101】
本変形例においては、図39に示すように、TFT基板2を構成するガラス基板81上に配線電極24が形成され、配線電極24を覆うように絶縁膜としてのJAS膜82が形成されている。JAS膜82の厚さは、例えば2μmである。また、JAS膜82の表面のうちの間隙部77に相当する部分に接続電極25が形成され、JAS膜82および接続電極25を覆うように絶縁膜としての窒化膜83が形成されている。窒化膜の厚さは、例えば100nmである。窒化膜83上にはサブ画素電極230が形成され、サブ画素電極230を覆うようにポリイミド配向膜84が形成されている。さらに、サブ画素電極230と接続電極25とを電気的に接続するコンタクトホール26およびサブ画素電極230と配線電極24とを電気的に接続するコンタクトホール26が形成されている。また、対向基板3を構成するガラス基板85上に共通電極31が形成され、共通電極31を覆うようにポリイミド配向膜86が形成されている。
【0102】
以上のように、サブ画素電極230の下層に配線電極24を形成する構成が採用される場合においても、画素電極23を複数のサブ画素電極230に分割することによって必然的に生じる間隙部77に接続電極25を形成することによって、間隙部77が視聴者に格子状に視認されることを防止することができる。
【0103】
<5.4.2 第2の変形例>
図40は、本変形例においてサブ画素電極230が形成される領域の詳細な構造について説明するための平面図である。図40に関し、矩形の太点線で表す領域は、画素を形成する領域である。図40に示すように、本変形例においては、隣接する2個のサブ画素電極230の間の間隙部77の全体および隣接する2個の画素の間の間隙部77の全体において共通電極31と接続電極25とが対向するように、接続電極25が設けられている。従って、隣接する2個のサブ画素電極230の間の間隙部77に加えて隣接する2個の画素の間の間隙部77においても、サブ画素電極部76と同じように電圧の印加が行われる。これにより、間隙部77が視聴者に格子状に視認されることが、より効果的に防止される。
【0104】
<6.その他>
以上において本発明を詳細に説明したが、以上の説明は全ての面で例示的なものであって制限的なものではない。多数の他の変更や変形が本発明の範囲を逸脱することなく案出可能であると了解される。
【0105】
例えば、表示内容に応じて複数のセグメント電極のそれぞれに対して2以上のセグメント電圧のいずれかを与えるスタティック駆動が採用されている場合にも、上記開示内容を適用することができる。
【0106】
また、上記各実施形態では円形のアクティブエリア6を有する液晶表示装置を例に挙げて説明したが、円形以外の非矩形のアクティブエリア6を有する液晶表示装置にも、上記開示内容を適用することができる。
【符号の説明】
【0107】
2…TFT基板
3…対向基板
4…液晶
6…アクティブエリア(表示領域)
7…額縁領域
23…画素電極
24…配線電極
25…接続電極
26…コンタクトホール
27…絶縁膜
30…画素トランジスタ
31…共通電極
32…遮光膜
40…駆動回路
62…境界部
70…極性切替回路
77…間隙部
100…表示装置(2層ディスプレイ)
110…有機EL表示装置
120…液晶表示装置
230…サブ画素電極
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