(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172094
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089615
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 優太
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA09
5D208CC06
5D208CE02
5D208CE06
5D208CF05
5D208CF06
(57)【要約】
【課題】任意の楽曲を飲み歌として用いることが可能なカラオケ装置を提供する。
【解決手段】飲み歌として選曲された楽曲のカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す飲み回数を設定する設定部、設定された飲み回数及び楽曲の楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する決定部、楽曲のカラオケ演奏中、決定されたタイミングに基づいて利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示する提示部を有するカラオケ装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲み歌として選曲された楽曲のカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す飲み回数を設定する設定部と、
設定された前記飲み回数及び前記楽曲の楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する決定部と、
前記楽曲のカラオケ演奏中、決定された前記タイミングに基づいて利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示する提示部と、
を有するカラオケ装置。
【請求項2】
前記設定部は、カラオケ装置を利用する利用者の盛り上がり度に応じて前記飲み回数を設定することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記提示部は、前記楽曲のカラオケ演奏を開始する前に、前記楽曲が飲み歌として選曲されていること、及び前記決定されたタイミングに関する情報を提示することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記決定部は、設定された前記飲み回数及び前記楽曲データに含まれる歌詞テロップデータに基づいて、前記酒類を飲むタイミングとして所定の単語がカラオケ歌唱されるタイミングを決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記決定部は、設定された前記飲み回数及び前記楽曲データに含まれる背景映像データに基づいて、前記酒類を飲むタイミングとして所定の対象が表示されるタイミングを決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【請求項6】
前記決定部は、設定された前記飲み回数及び前記楽曲データに含まれるリファレンスデータに基づいて、前記酒類を飲むタイミングとして所定のフレーズがカラオケ演奏されるタイミングを決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【請求項7】
カラオケ装置を利用する利用者に対し、前記楽曲の歌唱区間を割り当てる割当部を有し、
前記提示部は、前記楽曲のカラオケ演奏に合わせて、歌唱区間毎に割り当てられた利用者に関する利用者情報を提示することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【請求項8】
前記酒類を飲むよう促すメッセージを提示した後、撮影手段により撮影された映像を解析し、利用者が実際に酒類を飲んでいるかどうかを判別する判別部を有し、
前記提示部は、酒類を飲んでいないという判別結果が得られた場合、前記楽曲のカラオケ演奏を変更させる旨のメッセージを提示することを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の利用者でカラオケ歌唱を行う際、カラオケ歌唱中に聴衆が合いの手を入れることにより場を盛り上げることがある。
【0003】
ここで、特許文献1には、複数の利用者がいる場合に、合いの手の表示データを所定のタイミングにて表示出力させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、カラオケ装置でカラオケ演奏可能な楽曲のうち、飲み会やイベントの2次会等で場を盛り上げるための「飲み歌(或いは飲み曲)」として利用されるものがある。飲み歌を用いたカラオケ歌唱は、カラオケ演奏に合わせて利用者がマイクを回しながら行う。そして、カラオケ演奏中、歌詞テロップに予め決められた単語が表示された場合や、背景映像に予め決められた人物が表示された場合に、そのタイミングでカラオケ歌唱を行っていた利用者が飲酒を行う。このように飲み歌を用いてカラオケ歌唱を行うことにより、酒類を飲む機会を積極的に提供し、場を盛り上げることができる。
【0006】
一方、飲み歌は、専用の楽曲として多数の楽曲が登録されているものではなく、あくまでも既存の楽曲のうち利用者の間で飲み歌として知られている数曲に過ぎない。従って、飲み歌を用いたカラオケ歌唱は、バリエーションが少ないため飽きやすい。また、そもそも飲み歌のカラオケ歌唱のルールを知らない場合には、カラオケ歌唱を楽しむことができない。
【0007】
本発明の目的は、任意の楽曲を飲み歌として用いることが可能なカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一の発明は、飲み歌として選曲された楽曲のカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す飲み回数を設定する設定部と、設定された前記飲み回数及び前記楽曲の楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する決定部と、前記楽曲のカラオケ演奏中、決定された前記タイミングに基づいて利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示する提示部と、を有するカラオケ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、任意の楽曲を飲み歌として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るカラオケルームを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る盛り上がり度と飲み回数を示すテーブルである。
【
図5】第1実施形態に係る決定部が生成するリストを示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係るカラオケ装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1~
図6を参照して、第1実施形態に係るカラオケ装置について説明する。
【0012】
==カラオケ装置==
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。カラオケ装置は、カラオケ店舗のカラオケルームに設置される。カラオケ装置は、外部のサーバ装置(図示なし)と通信可能に接続されている。
【0013】
また、カラオケルーム毎に、利用者を撮影するための撮影手段及び利用者が発声した音声を集音するための集音手段が設けられている。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置KはカラオケルームRに設置される。この例では、利用者U1~利用者U4の4名がカラオケ装置Kを利用している。また、テーブルTには各利用者が注文した複数の酒類ALが置かれている。酒類は、ビール、日本酒、ワイン、カクテル等、アルコールを含む飲料である。
【0015】
カラオケルームRには、利用者を撮影するためのカメラC及び利用者が発声した音声を集音するためのマイクMが設けられている。カメラCは撮影手段の一例であり、マイクMは集音手段の一例である。なお、カメラ及びマイクは一のカラオケルームに複数設けられていてもよい。また、カラオケ装置が撮影手段や集音手段を有していてもよい。
【0016】
図2に示すように、カラオケ装置Kは、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、リモコン装置50を備える。
【0017】
カラオケ本体10は、楽曲のカラオケ演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20はカラオケ本体10からの信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者のカラオケ歌唱に伴う歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する操作をおこなうための装置である。
【0018】
図3に示すように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、演奏手段10d、及び制御手段10eを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0019】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、楽曲データを記憶する。
【0020】
楽曲データは、個々の楽曲を特定するための楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、伴奏データ、リファレンスデータ、区間情報等を含む。伴奏データは、カラオケ演奏音の元となるデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の歌唱旋律(所謂、メロディ)を示すデータであって、利用者によるカラオケ歌唱を評価する際に用いられるデータである。伴奏データ及びリファレンスデータは、楽曲毎に一のテンポが設定されている。区間情報は、演奏区間を示す。演奏区間は、カラオケ演奏が行われる区間である。演奏区間は、歌唱区間及び非歌唱区間を含む。歌唱区間は、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されている区間(たとえば、1番のAメロ、Bメロ、サビ)である。非歌唱区間は、たとえば前奏、間奏、後奏のような、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されていない区間である。
【0021】
更に、楽曲データは、各楽曲に対応する歌詞をカラオケ演奏に合わせて表示装置30等に表示させるための歌詞テロップデータ、カラオケ演奏時に表示装置30等に表示される背景映像等の背景映像データ、及び楽曲の属性情報(楽曲名、歌手名、ジャンル、演奏時間等)を含む。歌詞テロップデータは、複数の歌詞に対応するデータが含まれている。各歌詞は複数の単語や文字(漢字、外国語または仮名)により構成されている。また、歌詞テロップデータは、カラオケ演奏の進行に伴って歌詞の表示色を変えるタイミングを示すタイミングデータを含む。タイミングデータが示すタイミングは、楽曲のカラオケ演奏開始からの経過時間に相当する。背景映像データは、楽曲毎に一のフレームレートが設定されている。
【0022】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、外部との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者が指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10に設けられたボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0023】
[演奏手段]
演奏手段10dは、制御手段10eの制御に基づき、楽曲のカラオケ演奏、及びマイク40を通じて入力された歌唱音声に基づく信号の処理を行う。演奏手段10dは、音源、ミキサ、アンプ等を含む(いずれも図示なし)。
【0024】
[制御手段]
制御手段10eは、カラオケ装置Kにおける各種の制御を行う。制御手段10eは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0025】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、設定部100、決定部200、及び提示部300として機能する(
図3参照)。
【0026】
(設定部)
設定部100は、飲み回数を設定する。飲み回数は、飲み歌として選曲された楽曲のカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す。なお、酒類を飲むことができない利用者がいる場合、酒類を飲む代わりに清涼飲料を飲んだり、食べ物を食べてもよい。この場合、飲み回数には、清涼飲料を飲む回数や食べ物を食べる回数も含まれる。
【0027】
飲み回数の設定は様々な方法により行うことができる。たとえば、カラオケ装置Kを利用する利用者は、リモコン装置50を操作し、専用のモード(具体的には飲み歌のカラオケ歌唱を行うためのモード)を選択した後、任意の値を入力することができる。設定部100は、入力された値を飲み回数として設定する。
【0028】
或いは、設定部100は、カラオケ装置Kを利用する利用者の盛り上がり度に応じて飲み回数を設定することができる。
【0029】
盛り上がり度は、カラオケ歌唱の盛り上がりを数値化した具体的な値である。盛り上がり度は、公知の手法を利用して求めることができる。
【0030】
たとえば、設定部100は、マイクMから入力される音声データを解析し、その音量(dB)に応じて設定される値を盛り上がり度として求めることができる。また、設定部100は、カメラCで撮影した利用者の顔の動きの度合いにより、盛り上がり度を求めることができる(特開2012-68373号公報参照)。或いは、設定部100は、カメラCで聴衆の動きを撮影し、楽曲のテンポと一致するテンポで動作している聴衆の数により盛り上がり度を求めたり(特開2015-106061号公報)、聴衆の数により盛り上がり度を求める代わりに、楽曲のテンポと、撮影された聴衆の動作テンポとのずれにより、盛り上がり度を求めることもできる。なお、聴衆とは、カラオケ歌唱を行っている利用者以外の利用者である。
【0031】
盛り上がり度を求めるタイミングや頻度は様々である。たとえば、設定部100は、飲み歌としての楽曲が選曲された時点において盛り上がり度を求めることができる。また、設定部100は、利用者がカラオケ装置Kの利用を開始した時点から終了する時点まで(以下、カラオケ装置の利用時間中)連続して盛り上がり度を求めてもよい。カラオケ装置の利用時間中とは、たとえば、利用者がカラオケ装置にログインした時点からログアウトした時点まで、或いはカラオケ装置が設置されているカラオケルーム内のカメラで撮影された映像に利用者が映った時点から利用者が映らなくなって一定時間(たとえば3分)が経過した時点までである。
【0032】
複数の盛り上がり度を求めた場合、設定部100は、求めた盛り上がり度の合計値や平均値を算出することができる。また、設定部100は、求めた盛り上がり度のうち、所定範囲の盛り上がり度の値のみの合計値や平均値を算出することもできる。所定範囲は、たとえば、現時点から10分前まで等、予め一の範囲が設定されている。
【0033】
なお、カラオケ装置Kへのログインは公知の手法を用いることができる。たとえば、ログインを希望する利用者は、リモコン装置50を操作し、自己の利用者識別情報及び予め設定したパスワードを入力する。利用者識別情報は、利用者を識別するための利用者ID等、各利用者に固有の情報である。カラオケ装置Kは、サーバ装置(図示なし)に対して入力された利用者ID及びパスワードを含むログイン要求を送信する。サーバ装置(図示なし)は、受信したログイン要求に含まれる利用者IDに対応する利用者情報を記憶手段から読み出し、カラオケ装置Kに送信する。利用者情報は、利用者の歌唱履歴や顔画像、ニックネーム等である。ログイン要求を行ったカラオケ装置Kが利用者情報を受信することにより、カラオケ装置Kへのログインが完了する。
【0034】
設定部100は、求めた盛り上がり度を予め設定されているテーブルに当てはめることにより、飲み回数を設定する。
【0035】
図4は盛り上がり度と飲み回数の対応関係を示したテーブルである。たとえば求めた盛り上がり度が10であった場合、設定部100は、
図4のテーブルを参照することで飲み回数として「8」を設定する。なお、この例では、幅がある盛り上がり度の値に対して、一の飲み回数の値が対応付けられているが、飲み回数の値にも幅を持たせることも可能である。たとえば、盛り上がり度「10~14」に対して飲み回数「7~9」を対応付けることができる。
【0036】
なお、設定部100は、求めた盛り上がり度をそのまま飲み回数として設定してもよい。
【0037】
たとえば、設定部100は、特開2012-68373号公報に記載の技術を用いて、カメラで撮影された映像に基づいて人物の顔、表情、体躯の動きを認識し、認識結果が予め記憶された盛り上がり判定テーブルに記述された盛り上がり条件に該当するか否かを判定する。該当すると判定された場合、設定部100は、盛り上がり条件に対応付けられたポイントを飲み回数として設定する。また、設定部100は、マイクで集音された音声に基づいて音量、音高、音種などを認識し、認識結果が予め記憶された盛り上がり判定テーブルに記述された盛り上がり条件に該当するか否かを判定する。該当すると判定された場合、設定部100は、盛り上がり条件に対応付けられたポイントを飲み回数として設定する。或いは、設定部100は、映像及び音声に基づいて求めたポイントの合計値を飲み回数として設定してもよい。これらの方法で飲み回数を設定する場合、予め飲み回数の上限値(たとえば、15回まで)を設けていてもよい。
【0038】
(決定部)
決定部200は、設定された飲み回数及び楽曲の楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する。
【0039】
酒類を飲むタイミングの決定は様々な方法により行うことができる。たとえば、決定部200は、設定された飲み回数及び楽曲データに含まれる歌詞テロップデータに基づいて、酒類を飲むタイミングとして所定の単語がカラオケ歌唱されるタイミングを決定することができる。
【0040】
この場合、決定部200は、飲み歌として選曲された楽曲の歌詞テロップデータを記憶手段10aから読み出し、歌詞テロップデータに含まれる歌詞データを参照して、歌詞に含まれる単語毎の出現回数をカウントする。決定部200は、各単語を出現回数順にソートしたリストを生成する。
【0041】
図5は、ある楽曲における単語毎の出現回数を出現回数順にソートしたリストである。この例によれば、ある楽曲においては、単語「君」の出現回数が最も多く(5回)なっている。
【0042】
次に、決定部200は、生成されたリストを参照し、設定部100で設定された飲み回数と一致する出現回数となる単語を、所定の単語として特定する。
【0043】
そして、決定部200は、歌詞テロップデータに含まれるタイミングデータを参照し、特定された所定の単語の表示色を変えるタイミング(すなわち、当該所定の単語がカラオケ歌唱されるタイミング)を、酒類を飲むタイミングとして決定する。酒類を飲むタイミングは、楽曲のカラオケ演奏開始からの経過時間に相当する。
【0044】
なお、設定部100で設定された飲み回数と一の単語の出現回数とが一致しない場合もありうる。たとえば、設定部100で設定された飲み回数が「10」であるのに対し、リストに含まれる単語の出現回数の最大値が「5」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「10」になるように複数の単語を所定の単語として特定する。一方、設定部100で設定された飲み回数が「3」であるのに対し、リストに含まれる単語の出現回数の最大値が「6」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「3」になるように「6」の中から3つを所定の単語として特定する。
【0045】
別の方法として、決定部200は、設定された飲み回数及び楽曲データに含まれる背景映像データに基づいて、酒類を飲むタイミングとして所定の対象が表示されるタイミングを決定することができる。
【0046】
この場合、決定部200は、飲み歌として選曲された楽曲の背景映像データを記憶手段10aから読み出し、公知の技術を用いて解析を行い、背景映像データに含まれる対象(たとえば、人物、動物、乗り物、家具)を特定する。公知の技術は、たとえばGoogle Cloud Video Intelligence API(Googleは登録商標)である。決定部200は、特定した対象毎に出現回数をカウントする。決定部200は、各対象を出現回数順にソートしたリストを生成する。
【0047】
次に、決定部200は、生成されたリストを参照し、設定部100で設定された飲み回数と一致する出現回数となる対象を、所定の対象として特定する。
【0048】
そして、決定部200は、背景映像データ及びフレームレートを参照し、特定された対象が背景映像で表示されるタイミングを、酒類を飲むタイミングとして決定する。酒類を飲むタイミングは、背景映像の表示開始からの経過時間に相当する。
【0049】
なお、設定部100で設定された飲み回数と一の対象の出現回数とが一致しない場合もありうる。たとえば、設定部100で設定された飲み回数が「10」であるのに対し、リストに含まれる対象の出現回数の最大値が「5」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「10」になるように複数の対象を所定の対象として特定する。一方、設定部100で設定された飲み回数が「3」であるのに対し、リストに含まれる対象の出現回数の最大値が「6」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「3」になるように「6」の中から3つを所定の対象として特定する。
【0050】
更に別の方法として、決定部200は、設定された飲み回数及び楽曲データに含まれるリファレンスデータに基づいて、酒類を飲むタイミングとして所定のフレーズがカラオケ演奏されるタイミングを決定することができる。
【0051】
この場合、決定部200は、飲み歌として選曲された楽曲のリファレンスデータを記憶手段10aから読み出し、所定の拍毎(たとえば4拍毎、8拍毎)に区切ることで複数の比較区間を生成する。決定部200は、先頭の比較区間から順に、それ以外の比較区間との間でフレーズが一致するかどうかを判断する。決定部200は、一致するフレーズ毎に出現回数をカウントする。決定部200は、各フレーズを出現回数順にソートしたリストを生成する。
【0052】
次に、決定部200は、生成されたリストを参照し、設定部100で設定された飲み回数と一致する出現回数となるフレーズを、所定のフレーズとして特定する。
【0053】
そして、決定部200は、楽曲に設定されているテンポを参照し、特定されたフレーズがカラオケ演奏されるタイミングを、酒類を飲むタイミングとして決定する。酒類を飲むタイミングは、楽曲のカラオケ演奏開始からの経過時間に相当する。
【0054】
なお、設定部100で設定された飲み回数と一のフレーズの出現回数とが一致しない場合もありうる。たとえば、設定部100で設定された飲み回数が「10」であるのに対し、リストに含まれるフレーズの出現回数の最大値が「5」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「10」になるように複数のフレーズを所定のフレーズとして特定する。一方、設定部100で設定された飲み回数が「3」であるのに対し、リストに含まれるフレーズの出現回数の最大値が「6」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「3」になるように「6」の中から3つを所定のフレーズとして特定する。
【0055】
(提示部)
提示部300は、楽曲のカラオケ演奏中、決定されたタイミングに基づいて利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示する。
【0056】
提示されるメッセージは、たとえば「歌詞中に「●●」が表示されました。「●●」を歌唱した人はお酒を飲んでください!」といったような、利用者に対して酒類を飲むように促すメッセージである。
【0057】
メッセージの提示は様々な方法で行うことができる。提示部300は、メッセージに対応する文字を表示装置30の表示画面に表示できる。或いは、提示部300は、メッセージに対応する音声をスピーカ20から放音できる。
【0058】
提示部300は、決定されたタイミングに基づいてメッセージの提示を行う。具体的に、提示部300は、決定されたタイミングが到来したかどうか(或いは決定されたタイミングが近付いたかどうか)を確認する。決定されたタイミングが到来した場合(或いは決定されたタイミングに近付いた場合)、提示部300は、メッセージの提示を行う。
【0059】
たとえば、決定された所定の単語がカラオケ歌唱されるタイミングが「カラオケ演奏開始から25秒」であったとする。この場合、提示部300は、当該決定されたタイミングである「カラオケ演奏開始から25秒」の時点でメッセージの提示を行うことができる。或いは、提示部300は、当該決定されたタイミングの直前のタイミング(たとえばカラオケ演奏開始から20秒)でメッセージの提示を行うことができる。
【0060】
なお、提示部300は、楽曲のカラオケ演奏を開始する前に、楽曲が飲み歌として選曲されていること、及び決定されたタイミングに関する情報を提示することができる。
【0061】
決定されたタイミングに関する情報は、タイミングを決定する際に利用したデータにより異なる。たとえば、歌詞テロップデータを利用した場合、決定されたタイミングに関する情報は、所定の単語自体である。背景映像データを利用した場合、決定されたタイミングに関する情報は、所定の対象の名称や特徴である。リファレンスデータを利用した場合、決定されたタイミングに関する情報は、所定のフレーズを言語化した文章(たとえば所定のフレーズがサビの一小節目の場合、「サビの一小節目」という文章)である。
【0062】
たとえば、カラオケ装置Kを利用する利用者は、リモコン装置50を操作し、飲み歌のカラオケ歌唱を行うためのモードを選択した後、楽曲Xを選曲する。この場合、カラオケ装置Kは、飲み歌のフラグと選曲された楽曲Xの楽曲IDとを対応付けて予約待ち行列に登録する。カラオケ装置Kは、楽曲X(すなわち飲み歌)の楽曲データ(ここでは歌詞テロップデータ)及び設定された飲み回数に基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する。
【0063】
カラオケ装置Kは、予約待ち行列に登録されている楽曲IDの順に伴奏データを読み出し、演奏手段10dを制御してカラオケ演奏を行う。
【0064】
ここで、楽曲Xのカラオケ演奏の順番が到来した場合、提示部300は、予約待ち行列に登録されている飲み歌のフラグを参照し、楽曲Xが飲み歌として選曲されている旨のメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。また、提示部300は、カラオケ装置Kで決定されたタイミングに関する情報として所定の単語を表示させる。
【0065】
たとえば、提示部300は、「次にカラオケ演奏される楽曲Xは飲み歌として予約されています。歌詞中に「●●」が表示されたら、歌っている人はお酒を飲んでください。」といったメッセージを表示装置30の表示画面に表示させることができる。
【0066】
更に、提示部300は、酒類を飲むよう促すメッセージを提示した後、場を盛り上げるようなメッセージを追加で提示してもよい。たとえば、提示部300は、酒類類を飲むよう促すメッセージを提示した後、「飲んで、飲んで、飲んで」といったメッセージを提示してもよい。
【0067】
==カラオケ装置の動作について==
次に、
図6を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。
図6は、カラオケ装置Kにおける動作を示すフローチャートである。この例では、
図1に示したカラオケルームRにおけるカラオケ装置Kの動作を説明する。
【0068】
イベントの2次会としてカラオケ歌唱を行うため、利用者U1~利用者U4がカラオケルームRに入室したとする。利用者U1~利用者U4は、それぞれ好みの酒類を注文した後、リモコン装置50を操作し、楽曲の選曲を行う。
【0069】
ここで、利用者U1がリモコン装置50を操作し、飲み歌のカラオケ歌唱を行うためのモードを選択した後、楽曲Xを選曲したとする。カラオケ装置Kは、飲み歌のフラグと楽曲Xの楽曲IDとを対応付けて予約待ち行列に登録する。
【0070】
飲み歌のカラオケ歌唱を行うモードが選択され、且つ飲み歌として楽曲Xが選曲された場合(楽曲Xを飲み歌とするカラオケ歌唱。ステップ10)、設定部100は、楽曲Xのカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す飲み回数を設定する(飲み回数を設定。ステップ11)。設定部100は、設定した飲み回数の値を決定部200に出力する。
【0071】
具体例として、設定部100は、ステップ10の時点から8分前までに求められた盛り上がり度の合計値として「8」を算出したとする。設定部100は、算出した盛り上がり度を
図4に示したテーブルに当てはめることにより飲み回数「5」を設定する。設定部100は、設定した飲み回数「5」を決定部200に出力する。
【0072】
決定部200は、ステップ11で設定された飲み回数及び楽曲Xの楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する(酒類を飲むタイミングを決定。ステップ12)。
【0073】
その後、カラオケ装置Kは、楽曲Xのカラオケ演奏の順番が到来した場合、予約待ち行列に登録されている楽曲Xの楽曲IDに基づいて伴奏データを読み出し、演奏手段10dを制御してカラオケ演奏を行う(カラオケ演奏開始。ステップ13)。
【0074】
提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏中、ステップ12で決定されたタイミングが到来したかどうかを確認する。決定されたタイミングが到来した場合(ステップ14でYの場合)、提示部300は、利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示する(酒類を飲むよう促すメッセージを提示。ステップ15)。
【0075】
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏が終了するまで(ステップ16でYの場合)、ステップ14及びステップ15の処理を行う。
【0076】
具体例として、決定部200は、飲み歌として選曲された楽曲Xの歌詞テロップデータを記憶手段10aから読み出し、歌詞テロップデータに含まれる歌詞データを参照して、歌詞に含まれる単語毎の出現回数をカウントする。決定部200は、各単語を出現回数順にソートしたリストを生成する。ここでは
図5に示したリストが楽曲Xのリストに相当するとする。
【0077】
決定部200は、生成されたリストを参照し、設定部100で設定された飲み回数「5」と一致する出現回数となる単語を特定する。
図5を参照すると、「君」の出現回数が5回となっている。よって、決定部200は、飲み回数「5」と一致する出現回数(5回)となる単語「君」を所定の単語として特定する。
【0078】
決定部200は、歌詞テロップデータに含まれるタイミングデータを参照し、特定された単語「君」の表示色を変えるタイミングを、酒類を飲むタイミングT1~T5として決定する。
【0079】
提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏中、タイミングT1が到来した時点で「歌詞テロップに「君」が表示されました。歌った人はお酒を飲んでください!」というメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。同様に、提示部300は、タイミングT2~タイミングT5が到来した時点で同様のメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0080】
別の例として、決定部200は、飲み歌として選曲された楽曲Xの背景映像データを記憶手段10aから読み出し、公知の技術を用いて解析を行い、背景映像データに含まれる対象を特定する。決定部200は、特定した対象毎に出現回数をカウントする。決定部200は、各対象を出現回数順にソートしたリストを生成する。
【0081】
決定部200は、生成されたリストを参照し、設定部100で設定された飲み回数「5」と一致する出現回数となる対象を特定する。ここでは、人物Hの出現回数が「5」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「5」と一致する出現回数(5回)となる対象「人物H」を所定の対象として特定する。
【0082】
決定部200は、背景映像データ及びフレームレートを参照し、人物Hが背景映像で表示されるタイミングを、酒類を飲むタイミングT1~T5として決定する。
【0083】
提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏中、タイミングT1が到来した時点で「背景映像に「人物H」が表示されました。歌った人はお酒を飲んでください!」というメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。同様に、提示部300は、タイミングT2~タイミングT5が到来した時点で同様のメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0084】
別の例として、決定部200は、飲み歌として選曲された楽曲Xのリファレンスデータを記憶手段10aから読み出し、4拍毎に区切ることで複数の比較区間D1~比較区間Dnを生成する。決定部200は、比較区間D1(比較元)のフレーズと比較区間D2(比較先)のフレーズを比較し、一致するかどうかを判断する。同様に、決定部200は、比較区間D1(比較元)のフレーズと、比較区間D3(比較先)のフレーズ、比較区間D4(比較先)のフレーズ、・・・・比較区間Dn(比較先)のフレーズとの比較を順に行う。ここで、たとえば比較区間D1のフレーズと、比較区間D12、比較区間D24、及び比較区間D36のフレーズとが一致すると判断された場合、比較区間D1のフレーズの出現回数は4回とカウントされる。
【0085】
その後、決定部200は、次の比較区間である比較区間D2を比較元とし、比較区間D3から比較区間Dnを比較先として上記と同様の処理を行う。なお、既に比較区間D1とフレーズが一致すると判断されている比較区間D12、比較区間D24、比較区間D36が比較先または比較元となった場合、決定部200は、比較を行わず、次の比較区間を比較先や比較元として処理を行う。このような処理を行うことにより、同じフレーズとしてカウント済みの比較区間の比較を防止できる。決定部200は、各フレーズを出現回数順にソートしたリストを生成する。
【0086】
決定部200は、生成されたリストを参照し、設定部100で設定された飲み回数「5」と一致する出現回数となるフレーズを特定する。ここでは、比較区間D3におけるフレーズの出現回数が「5」であったとする。この場合、決定部200は、飲み回数「5」と一致する出現回数(5回)となるフレーズを所定のフレーズとして特定する。
【0087】
決定部200は、楽曲Xに設定されているテンポを参照し、特定されたフレーズがカラオケ演奏されるタイミングを、酒類を飲むタイミングT1~T5として決定する。
【0088】
提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏中、タイミングT1が到来する前の時点(具体的には、タイミングT1が含まれるフレーズよりも一つ前のフレーズがカラオケ演奏されている時点)で「次のフレーズを歌った人はお酒を飲んでください!」というメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。同様に、提示部300は、タイミングT2~タイミングT5が到来した時点で同様のメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0089】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、飲み歌として選曲された楽曲のカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す飲み回数を設定する設定部100と、設定された飲み回数及び楽曲の楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する決定部200と、楽曲のカラオケ演奏中、決定されたタイミングに基づいて利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示する提示部300と、を有する。
【0090】
このようなカラオケ装置Kによれば、設定された飲み回数及び利用者が選曲した楽曲の楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを自動的に決定することができる。また、カラオケ装置Kは、決定したタイミングに基づいて利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示することができる。よって、カラオケ歌唱を行う利用者は、カラオケ装置でカラオケ演奏可能な楽曲の中から任意の楽曲を飲み歌として選曲するだけで、メッセージに応じて飲酒を行うことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、任意の楽曲を飲み歌として用いることができる。
【0091】
また、本実施形態に係る設定部100は、カラオケ装置Kを利用する利用者の盛り上がり度に応じて飲み回数を設定することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、場の盛り上がりに合わせて適当な飲み回数を設定することができる。
【0092】
また、本実施形態に係る提示部300は、楽曲のカラオケ演奏を開始する前に、楽曲が飲み歌として選曲されていること、及び決定されたタイミングに関する情報を提示することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、これからカラオケ演奏される楽曲が飲み歌であること、及び飲酒するタイミングを利用者が予め把握できる。
【0093】
また、本実施形態に係る決定部200は、設定された飲み回数及び楽曲データに含まれる歌詞テロップデータに基づいて、酒類を飲むタイミングとして所定の単語がカラオケ歌唱されるタイミングを決定することができる。また、本実施形態に係る決定部200は、設定された飲み回数及び楽曲データに含まれる背景映像データに基づいて、酒類を飲むタイミングとして所定の対象が表示されるタイミングを決定することができる。また、本実施形態に係る決定部200は、設定された飲み回数及び楽曲データに含まれるリファレンスデータに基づいて、酒類を飲むタイミングとして所定のフレーズがカラオケ演奏されるタイミングを決定することができる。このように、本実施形態に係るカラオケ装置Kによれば、飲み歌として選曲された楽曲に対応する各種データに応じて酒類を飲むタイミングを決定できる。
【0094】
<第2実施形態>
次に、
図7及び
図8を参照して、第2実施形態に係るカラオケ装置について説明する。本実施形態に係るカラオケ装置は、利用者毎に歌唱区間を割り当てることができる。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0095】
==カラオケ装置==
[制御手段]
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10eは、設定部100、決定部200、提示部300、及び割当部400として機能する(
図7参照)。
【0096】
(割当部)
割当部400は、カラオケ装置Kを利用する利用者に対し、楽曲の歌唱区間を割り当てる。なお、ここでの楽曲は飲み歌として選曲された楽曲である。
【0097】
歌唱区間の割り当ては様々な方法により行うことができる。たとえば、割当部400は、楽曲の区間情報に基づいて割り当てを行うことができる。具体的に、割当部400は、飲み歌として選曲された楽曲の区間情報に基づいて、楽曲の歌唱区間を特定する。割当部400は、特定した歌唱区間に対し、カラオケ装置Kにログインしている利用者の利用者IDを順番に対応付けることにより、歌唱区間の割り当てを行う。
【0098】
或いは、割当部400は、楽曲の演奏時間に基づいて割り当てを行うことができる。具体的に、割当部400は、飲み歌として選曲された楽曲における歌唱区間の演奏時間を求める。割当部400は、求めた歌唱区間の演奏時間をカラオケ装置Kにログインしている利用者の数及び各利用者の歌唱回数で除した時間に対応する区間を一の歌唱区間として設定する。割当部400は、設定した歌唱区間に対し、カラオケ装置Kにログインしている利用者の利用者IDを順番に対応付けることにより、歌唱区間の割り当てを行う。
【0099】
(提示部)
本実施形態に係る提示部300は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて、歌唱区間毎に割り当てられた利用者に関する利用者情報を提示する。
【0100】
提示部300は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて、各歌唱区間に対して割り当てられている利用者IDを参照する。提示部300は、割り当てられている利用者IDに対応する利用者情報を提示する。
【0101】
利用者情報の提示は、ログインの際に得られる利用者情報に基づいて行うことができる。たとえば提示部300は、利用者情報に含まれるニックネームに基づいて「次は●●さん(ニックネーム)の歌う順番です」といったようなメッセージを表示させることができる。また、提示部300は、利用者情報に含まれる顔画像に基づいて、次の歌唱区間に割り当てられている利用者の顔画像を表示させることができる。
【0102】
また、提示部300は、決定されたタイミングに基づいてメッセージの提示を行う際に利用者情報を合わせて提示することができる。具体的に、提示部300は、決定されたタイミングが到来したかどうか(或いは決定されたタイミングが近付いたかどうか)を確認する。決定されたタイミングが到来した場合(或いは決定されたタイミングに近付いた場合)、提示部300は、当該タイミングが含まれる歌唱区間に割り当てられている利用者の利用者情報を含むメッセージの提示を行うことができる(詳細は後述)。
【0103】
==カラオケ装置の動作について==
次に、
図8を参照して本実施形態におけるカラオケ装置Kの動作の具体例について述べる。
図8は、カラオケ装置Kにおける動作を示すフローチャートである。この例では、
図1に示したカラオケルームRにおけるカラオケ装置Kの動作を説明する。
【0104】
イベントの2次会としてカラオケ歌唱を行うため、利用者U1~利用者U4がカラオケルームRに入室したとする。利用者U1~利用者U4は、それぞれ好みの酒類を注文した後、リモコン装置50を操作し、自己の利用者ID及び予め設定したパスワードを入力する。カラオケ装置Kは、サーバ装置(図示なし)に対して入力された利用者ID及びパスワードを含むログイン要求を送信する。サーバ装置は、受信したログイン要求に含まれる利用者IDに対応する利用者情報を記憶手段から読み出し、カラオケ装置Kに送信する。ログイン要求を行ったカラオケ装置Kが利用者情報を受信することにより、カラオケ装置Kへのログインが完了する。
【0105】
ここで、利用者U1がリモコン装置50を操作し、飲み歌のカラオケ歌唱を行うためのモードを選択した後、楽曲Xを選曲したとする。カラオケ装置Kは、飲み歌のフラグと楽曲Xの楽曲IDとを対応付けて予約待ち行列に登録する。なお、この際に飲み歌のカラオケ歌唱を行う利用者の利用者IDだけ(たとえば利用者U1~利用者3の3名)を合わせて入力することもできる。この場合、カラオケ装置Kは、飲み歌のフラグ及び楽曲Xの楽曲IDと各利用者の利用者IDとを対応付けて予約待ち行列に登録する。
【0106】
飲み歌のカラオケ歌唱を行うモードが選択され、且つ飲み歌として楽曲Xが選曲された場合(楽曲Xを飲み歌とするカラオケ歌唱。ステップ20)、設定部100は、楽曲Xのカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す飲み回数を設定する(飲み回数を設定。ステップ21)。設定部100は、設定した飲み回数の値を決定部200に出力する。
【0107】
決定部200は、ステップ21で設定された飲み回数及び楽曲Xの楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する(酒類を飲むタイミングを決定。ステップ22)。
【0108】
一方、割当部400は、カラオケ装置Kを利用する利用者U1~利用者U4に対し、楽曲Xの歌唱区間を割り当てる(楽曲Xの歌唱区間を割り当て。ステップ23)。
【0109】
具体的に、割当部400は、飲み歌として選曲された楽曲Xの区間情報に基づいて、楽曲Xの歌唱区間を特定する。この例では、楽曲Xの歌唱区間として、1番Aメロ、1番Bメロ、1番サビ、2番Aメロ、2番Bメロ、2番サビ、3番Bメロ、3番サビが特定されたとする。割当部400は、特定した歌唱区間に対し、カラオケ装置Kにログインしている利用者U1~利用者U4の利用者IDを順番に対応付けることにより、歌唱区間の割り当てを行う。すなわち、割当部400は、利用者U1に対して1番Aメロ及び2番Bメロを割り当て、利用者U2に対して1番Bメロ及び2番サビを割り当て、利用者U3に対して1番サビ及び3番Bメロを割り当て、利用者U4に対して2番Aメロ及び3番サビを割り当てる。
【0110】
なお、ステップ23の処理は、ステップ21及びステップ22の処理よりも前に行われてもよいし、ステップ21及びステップ22の処理と並行して行われてもよい。
【0111】
その後、カラオケ装置Kは、楽曲Xのカラオケ演奏の順番が到来した場合、予約待ち行列に登録されている楽曲Xの楽曲IDに基づいて伴奏データを読み出し、演奏手段10dを制御してカラオケ演奏を行う(カラオケ演奏開始。ステップ24)。
【0112】
提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏に合わせて、歌唱区間毎に割り当てられた利用者に関する利用者情報を提示する(歌唱区間毎に利用者情報を提示。ステップ25)。
【0113】
提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏中、ステップ22で決定されたタイミングが到来したかどうかを確認する。決定されたタイミングが到来した場合(ステップ26でYの場合)、提示部300は、利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージ及び利用者情報を提示する(酒類を飲むよう促すメッセージ及び利用者情報を提示。ステップ27)。
【0114】
カラオケ装置Kは、カラオケ演奏が終了するまで(ステップ28でYの場合)、ステップ25からステップ27の処理を行う。
【0115】
ここで、第1実施形態と同様、決定部200が、歌詞テロップデータに含まれるタイミングデータを参照し、特定された単語「君」の表示色を変えるタイミングを、酒類を飲むタイミングT1~T5として決定したとする。また、タイミングT1は、楽曲Xの1番のAメロの歌唱区間に含まれるとする。
【0116】
この場合、提示部300は、タイミングT1が含まれる歌唱区間に割り当てられている利用者U1の利用者情報から、たとえばニックネームを特定する。そして、提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏中、タイミングT1が到来した時点で「歌詞テロップに「君」が表示されました。■■■(利用者U1のニックネーム)はお酒を飲んでください!」というメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0117】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケ装置Kは、カラオケ装置を利用する利用者に対し、楽曲の歌唱区間を割り当てる割当部400を有する。また、提示部400は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて、歌唱区間毎に割り当てられた利用者に関する利用者情報を提示する。このようなカラオケ装置Kによれば、飲み歌のカラオケ歌唱を行う際に、歌唱区間毎にカラオケ歌唱を行うべき利用者を認識できる。
【0118】
<変形例>
飲み歌のカラオケ歌唱においては、決定されたタイミングで飲酒を行うことが要求される。よって、カラオケ装置Kは、実際に飲酒が行われたかどうかを判別できることが好ましい。
【0119】
ここで、制御手段10eのCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、本変形例に係る制御手段10eは、設定部100、決定部200、提示部300、及び判別部500として機能する(
図9参照)。
【0120】
(判別部)
判別部500は、酒類を飲むよう促すメッセージを提示した後、撮影手段により撮影された映像を解析し、利用者が実際に酒類を飲んでいるかどうかを判別する。
【0121】
利用者が実際に酒類を飲んでいるかどうかの判別は公知の手法を用いて行うことができる。たとえば、判別部500は、カメラCで撮影された、酒類を飲むよう促すメッセージを提示する前後におけるテーブルTに置かれた酒類ALの映像を比較する。テーブルTに置かれた酒類ALの映像に変化があった場合(たとえば一つのグラスが空になっていた場合)、判別部500は、利用者が酒類を飲んでいると判別する。一方、テーブルTに置かれた酒類ALの映像に変化がなかった場合、判別部500は、利用者が実際に酒類を飲んでいないと判別する。判別部500は、判別結果を提示部300に出力する。
【0122】
また、利用者によるカラオケ装置Kへのログインが完了している場合、判別部500は、利用者情報に含まれる顔画像に基づいて、特定の利用者が実際に酒類を飲んでいるかどうかを判別できる。
【0123】
たとえば、第2実施形態で述べたように、提示部300は、楽曲Xのカラオケ演奏中、タイミングT1が到来した時点で「歌詞テロップに「君」が表示されました。■■■(利用者U1のニックネーム)はお酒を飲んでください!」というメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。
【0124】
この場合、判別部500は、利用者U1の利用者情報に含まれる顔画像に基づいて、カメラCで撮影された、酒類を飲むよう促すメッセージを提示する前後における映像の中から、利用者U1を特定する。判別部500は、特定した利用者U1の映像を比較し、飲酒をしているかどうかを判別する。
【0125】
(提示部)
本変形例に係る提示部300は、酒類を飲んでいないという判別結果が得られた場合、楽曲のカラオケ演奏を変更させる旨のメッセージを提示する。
【0126】
楽曲のカラオケ演奏を変更させるとは、たとえば、カラオケ演奏を中断することや、同じフレーズのカラオケ演奏を繰り返し行うことである。
【0127】
たとえば、酒類を飲んでいないという判別結果が得られた場合、提示部300は、「飲むまでカラオケ演奏を中断します!」というメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。このメッセージの表示に合わせて、カラオケ装置Kは、楽曲のカラオケ演奏を中断するよう演奏手段10dを制御する。
【0128】
或いは、上記第2実施形態の例において酒類を飲んでいないという判別結果が得られた場合、提示部300は、「利用者U1さんが飲むまで同じカラオケ演奏を繰り返します!」というメッセージを表示装置30の表示画面に表示させる。このメッセージの表示に合わせて、カラオケ装置Kは、決定されたタイミングT1が含まれる歌唱区間のカラオケ演奏を繰り返すよう演奏手段10dを制御する。
【0129】
以上から明らかなように、本変形例に係るカラオケ装置Kは、酒類を飲むよう促すメッセージを提示した後、撮影手段により撮影された映像を解析し、利用者が実際に酒類を飲んでいるかどうかを判別する判別部500を有する。提示部300は、酒類を飲んでいないという判別結果が得られた場合、楽曲のカラオケ演奏を変更させる旨のメッセージを提示することができる。このようなカラオケ装置Kによれば、飲み歌のカラオケ歌唱を行う際に、利用者に対して飲酒を勧めることができる。
【0130】
<その他>
開示される技術的特徴の組み合わせのいくつかの例を以下に記載する。
(1)飲み歌として選曲された楽曲のカラオケ演奏中に利用者が酒類を飲む回数を示す飲み回数を設定する設定部と、設定された前記飲み回数及び前記楽曲の楽曲データに基づいて、酒類を飲むタイミングを決定する決定部と、前記楽曲のカラオケ演奏中、決定された前記タイミングに基づいて利用者に対して酒類を飲むよう促すメッセージを提示する提示部と、を有するカラオケ装置。
(2)前記設定部は、カラオケ装置を利用する利用者の盛り上がり度に応じて前記飲み回数を設定することを特徴とする(1)記載のカラオケ装置。
(3)前記提示部は、前記楽曲のカラオケ演奏を開始する前に、前記楽曲が飲み歌として選曲されていること、及び前記決定されたタイミングに関する情報を提示することを特徴とする(1)または(2)記載のカラオケ装置。
(4)前記決定部は、設定された前記飲み回数及び前記楽曲データに含まれる歌詞テロップデータに基づいて、前記酒類を飲むタイミングとして所定の単語がカラオケ歌唱されるタイミングを決定することを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
(5)前記決定部は、設定された前記飲み回数及び前記楽曲データに含まれる背景映像データに基づいて、前記酒類を飲むタイミングとして所定の対象が表示されるタイミングを決定することを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
(6)前記決定部は、設定された前記飲み回数及び前記楽曲データに含まれるリファレンスデータに基づいて、前記酒類を飲むタイミングとして所定のフレーズがカラオケ演奏されるタイミングを決定することを特徴とする(1)から(3)のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
(7)カラオケ装置を利用する利用者に対し、前記楽曲の歌唱区間を割り当てる割当部を有し、前記提示部は、前記楽曲のカラオケ演奏に合わせて、歌唱区間毎に割り当てられた利用者に関する利用者情報を提示することを特徴とする(1)から(6)のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
(8)前記酒類を飲むよう促すメッセージを提示した後、撮影手段により撮影された映像を解析し、利用者が実際に酒類を飲んでいるかどうかを判別する判別部を有し、前記提示部は、酒類を飲んでいないという判別結果が得られた場合、前記楽曲のカラオケ演奏を変更させる旨のメッセージを提示することを特徴とする(1)から(7)のいずれか一つに記載のカラオケ装置。
【0131】
上記実施形態等は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0132】
100 設定部
200 決定部
300 提示部
400 割当部
500 判別部
K カラオケ装置