(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172100
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20241205BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20241205BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20241205BHJP
【FI】
F21S8/02 410
F21S2/00 443
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089621
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公史
(72)【発明者】
【氏名】松田 康平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼▲濱▼ 佑一郎
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA05
3K244BA32
3K244BA39
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA16
3K244DA20
3K244EA02
3K244EA14
3K244GA02
3K244GA08
3K244KA02
3K244KA07
3K244KA15
(57)【要約】
【課題】器具本体に支持された導光板と保護カバーとが接触することを抑制した照明器具を得ることを目的とする。
【解決手段】照明器具は、中央部に第1方向に向かって光が照射できるように開口が設けられた器具本体と、器具本体の開口の周囲に配置され、第1方向に直交する第2方向に向かって光が出射される光源と、光源に対し第2方向に位置し、発光面を第1方向に向けて配置された板状の導光板と、導光板に対し第2方向に位置し、発光面に沿って配置される保護カバーと、導光板を第1方向に支持する支持体と、を備え、支持体は、導光板の開口に面している部分に対し第2方向にずれた位置において、導光板の発光面及び発光面の裏面のそれぞれに当接する円筒面を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に第1方向に向かって光が照射できるように開口が設けられた器具本体と、
前記器具本体の前記開口の周囲に配置され、前記第1方向に直交する第2方向に向かって光が出射される光源と、
前記光源に対し前記第2方向に位置し、発光面を前記第1方向に向けて配置された板状の導光板と、
前記導光板に対し前記第2方向に位置し、前記発光面に沿って配置される保護カバーと、
前記導光板を前記第1方向に支持する支持体と、を備え、
前記支持体は、
前記導光板の前記開口に面している部分に対し前記第2方向にずれた位置において、前記導光板の前記発光面及び前記発光面の裏面のそれぞれに当接する円筒面を備える、照明器具。
【請求項2】
前記支持体は、
前記導光板の前記発光面及び前記裏面のそれぞれに当接する前記円筒面が形成された2つの回転体を備え、
前記2つの回転体は、
回転軸が互いに平行である、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記導光板は、
前記支持体に対し前記開口を挟んで前記第2方向に対向する位置において前記器具本体に固定されている、請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記2つの回転体のうち少なくとも一方は、
前記第2方向において前記開口から外側に向かって前記導光板を付勢する、請求項2に記載の照明器具。
【請求項5】
前記円筒面は、
摩擦係数が小さい表面処理が施され、前記導光板の前記発光面に平行な方向に摺動可能に構成されている、請求項1に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明器具に関し、特に、導光板を有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天井などの被取付部に設置された照明器具がある。照明器具は、下方が開口している箱形の器具本体と、器具本体の内部に配置された板状の導光板と、導光板の長手方向に延びた端面のそれぞれの下側から支持する下ガイドプレートと、上側から支持する上ガイドプレートと、導光板の長手方向に延びた2つの端面に対応するように配置されるLEDなどで構成される光源と、を備える。照明器具は、LEDモジュールから出射した光を導光板の端面に入射させ、導光板の開口側を向いた面である出射面からその光を出射させる。導光板は、出射面が面発光し、開口から光を照射する(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導光板はアクリルなどの透明樹脂を素材としており、導光板の端面から入光することにより面発光する。導光板の表面にキズや汚れが付着すると導光された光の障害となるため輝点になって見栄えが悪くなる場合がある。そこで、導光板の器具本体の開口の側を向いた発光面に保護カバーを設けることにより、発光面の傷や汚れを抑制している。導光板と保護カバーとは接触しないように隙間を設けて配置されており、導光板と保護カバーとの隙間は小さいほうがよりきれいな面発光を実現できる。
【0005】
一方、導光板は、熱膨張や吸湿によって伸びる場合がある。特許文献1に開示されている照明器具においては、導光板の端面の上下をガイドプレートによって支持し、導光板の長手方向の移動を規制しているため、導光板が下方向に撓む場合がある。したがって、導光板と保護カバーとの隙間を小さくすると、導光板と前面カバーとが接触してしまうという課題がある。導光板とカバーとが接触してしまうと、導光された光がカバーに伝わってしまい、靄のような意図しない光り方をしてしまう。
【0006】
本開示は、かかる課題を解決するためになされたものであり、器具本体に支持された導光板と保護カバーとが接触することを抑制した照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明器具は、中央部に第1方向に向かって光が照射できるように開口が設けられた器具本体と、前記器具本体の前記開口の周囲に配置され、前記第1方向に直交する第2方向に向かって光が出射される光源と、前記光源に対し前記第2方向に位置し、発光面を前記第1方向に向けて配置された板状の導光板と、前記導光板に対し前記第2方向に位置し、前記発光面に沿って配置される保護カバーと、前記導光板を前記第1方向に支持する支持体と、を備え、前記支持体は、前記導光板の前記開口に面している部分に対し前記第2方向にずれた位置において、前記導光板の前記発光面及び前記発光面の裏面のそれぞれに当接する円筒面を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る照明器具は、導光板が第2方向に伸縮するように変形した場合においても支持体がその変形を拘束しない。そのため、導光板は、面方向への変形が抑えられ、保護カバーとの接触が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具1の構成を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具1の全体構成の概略を示す分解斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具1の断面構造の説明図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具1の第2光源ユニット200の構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図5】実施の形態1に係る第1光源ユニット300の構成の一例を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る照明器具の実施の形態について図面を参照して説明する。各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。また、明細書の全文において、床面から天井に向かう方向、即ちz方向のうちz2方向を「上方向」と呼び、天井側を「上側」と呼ぶ場合がある。また、同様に、天井から床面に向かう垂直な方向、即ちz1方向を「下方向」と呼び、床面側を「下側」と呼ぶ場合がある。また、x方向及びy方向は、z方向に垂直であり、水平方向と呼ぶ場合がある。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係または形状等が実際のものとは異なる場合がある。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の構成を示す斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る照明器具1の全体構成の概略を示す分解斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る照明器具1の断面構造の説明図である。照明器具1は、第1光源ユニット300と、第2光源ユニット200とを有している。第1光源ユニット300は、導光板17及び導光板17に光を入射する青色用LEDモジュール18を支持する構造である。第2光源ユニット200は、拡散カバー13、拡散カバー13に向かって光を照射する白色用LEDモジュール14及び導光板17のz方向を向いた発光面17aを保護する前面カバー29を支持する構造である。
【0012】
照明器具1は、導光板17のz方向に位置し斜めに向けて配置された発光面である前面13a及び導光板17のz方向を向いた発光面17aから光を射出するものである。実施の形態1においては、照明器具1が備える光源が設置されているモジュールは、白色用LEDモジュール14及び青色用LEDモジュール18として説明されているが、光源から出射される光の色は照明器具1の用途などによって適宜変更されるものであり、光源の色は限定されない。なお、
図3は、第1光源ユニット300及び第2光源ユニット200の主要部分のみを示したものであり、実際には
図3に示された構造にその他の部材が取り付けられるものである。
【0013】
図2に示す様に、照明器具1は、上面及び側面を覆う筐体60を備える。筐体60の内部には、第1光源ユニット300及び第2光源ユニット200が配置されている。第1光源ユニット300は、光源を発光させるための電源及び発光を制御するための制御装置を備える制御ユニット70を含む。実施の形態1に係る照明器具1は、例えば天井埋め込み型の照明器具である。照明器具1は、天井に設けられた埋め込み穴に埋め込まれ、第2光源ユニット200の下端面Aが天井面に沿って露出するように設置される。
【0014】
照明器具1の筐体60は、長方形の箱形に形成され、下側が開口している。筐体60は、
図2に示す様に、主面61と、4つの側面62とを有している。主面61は、長方形の板状に形成されている。また、側面62のそれぞれは、細長い長方形の板状に形成されている。側面62のそれぞれは、主面61に対して垂直な方向に、主面61の4辺のそれぞれから下方向に向かって延びるように設けられている。
【0015】
また、筐体60の4つの側面62のうち、対向する2つの側面62の内側の面には、Vばね取り付け金具63が取り付けられている。Vばね取り付け金具63は、第2光源ユニット200に設けられたVばね12を引掛けて保持する。
【0016】
主面61には、ボルト孔が形成され、天井の埋め込み穴から延びる吊り下げボルトなどに取り付けできるように構成されている。筐体60は、ボルト孔に吊り下げボルトを挿入した後、吊り下げボルトをナットで締めるなどして固定される。
【0017】
また、主面61には、電線孔及び端子台が設けられている。端子台は、照明器具1に設けられた制御ユニット70に電気的に接続されている。
【0018】
以上に、照明器具1の天井との取り付け構造の概要について説明したが、取付構造は上記に限定されるものではなく、適宜変更できるものである。
【0019】
また、照明器具1は、筐体60が天井に取り付けられ、
図3に示す様な第1光源ユニット300と第2光源ユニット200とが組み合わされた構造が筐体60に取り付けられることにより、天井面に固定される。ただし、照明器具1の構造は、これに限定されるものではなく、第1光源ユニット300、第2光源ユニット200及び筐体60のそれぞれを互いに連結する構造については変更できる。例えば、第1光源ユニット300と筐体60とが一体に連結された状態で天井に固定され、後から第2光源ユニット200を筐体60に連結するような構造でも良い。
【0020】
(第2光源ユニット200)
図4は、実施の形態1に係る照明器具1の第2光源ユニット200の構成の一例を示す分解斜視図である。
図4に示すように、第2光源ユニット200は、フランジ部11、Vばね12、パッキン21、拡散カバー13、白色用LED(Light Emitting Diode)モジュール14、第2モジュール保持部材15、及び前面カバー29を備える。なお、パッキン21は、必ずしも設ける必要はなく、必要に応じて設けるようにすればよい。
【0021】
フランジ部11は、矩形の枠形に形成されている。フランジ部11は、例えば金属から構成されている。
【0022】
Vばね12は、フランジ部11の上面に、合計4個設けられている。
【0023】
第2モジュール保持部材15は、z方向から見たときに矩形の枠形に形成されている。第2モジュール保持部材15は、4つの部材を組み合わせて構成されている。4つの部材のそれぞれは、
図3に示す様にL字断面を有している。また、
図4に示すように、第2モジュール保持部材15の4つの部材のそれぞれの下端には、取付フランジ15-1が設けられている。取付フランジ15-1は、ねじによってフランジ部11に取り付けられる。
【0024】
白色用LEDモジュール14は、z方向から見たときに、コの字形に形成されている。すなわち、白色用LEDモジュール14は、矩形の4辺のうち3つの辺を形成するように構成されている。白色用LEDモジュール14は、板状の3つの基板と、3つの基板のそれぞれに設けられた白色LEDとを有している。隣接する基板同士のなす角度は90°になっている。このように、白色用LEDモジュール14は、光源を有する光モジュールである。光源は、LEDに限定されず、他の発光素子または発光装置を用いてもよい。白色用LEDモジュール14は、3つの基板のそれぞれに設けられた白色LEDから、コの字形の内側に向かって白色光を出射する。このように、白色用LEDモジュール14は、コの字を構成する3方向から第2の光である白色光を出射する。白色用LEDモジュール14は、第2モジュール保持部材15の内側に配置され、例えば第2モジュール保持部材15に設けられたガイドに沿ってシリコーン接着剤等により接着されている。
【0025】
拡散カバー13は、z方向から見たときに矩形の枠形に形成されている。拡散カバー13は、例えば、乳白色などの白色の樹脂から構成される。拡散カバー13は、上側と下側が開口した四角錐台に形成される。従って、拡散カバー13の4つの側面のそれぞれは、上下方向に対して予め設定された角度で傾斜している。拡散カバー13の4つの側面のそれぞれは、台形形状の拡散板13-A、13-Bから構成され、上辺の長さが下辺の長さよりも短くなっている。また、拡散カバー13の4つの側面のそれぞれが傾斜している関係で、z方向から見たときに上辺の位置が下辺の位置よりも内側になるように配置されている。それにより、拡散カバー13の内部空間は、下方向に向かってテーパ状に大きくなっている。拡散カバー13は、上述したように、4枚の台形形状の拡散板13-A、13-Bを組み合わせて形成される。しかしながら、この形成方法に限らず、拡散カバー13を一体成型で形成してもよい。
【0026】
拡散カバー13を構成している4つの拡散板13-A、13-Bのうち、3つの拡散板13-Aは発光面13-1を有し、他の1つの拡散板13-Bは非発光面13-2を有している。3つの発光面13-1は、コの字型の白色用LEDモジュール14に合わせて、コの字形状に配置されている。
【0027】
ここで、拡散カバー13の4つの拡散板13-A、13-Bのそれぞれにおいて、拡散カバー13が形成している内側の空間に面している内側の面を前面13aと呼び、外側の面を背面13bと呼ぶこととする。
【0028】
拡散カバー13は、白色用LEDモジュール14の内側に配置される。そのため、発光面13-1を有する拡散板13-Aのそれぞれの背面13b側に、白色用LEDモジュール14が配置されることになる。白色用LEDモジュール14から出射された白色光は、拡散板13-Aの入射面である背面13bから入射して、拡散板13-Aを透過して、拡散板13-Aの発光面13-1である前面13aから出射される。発光面13-1のそれぞれが傾斜しているため、3つの発光面13-1から出射される白色光は、斜め下方向を照射する。
【0029】
非発光面13-2を有する拡散板13-Bの背面13bには、遮光シートが貼付され、非発光面13-2から光が漏れないように構成されている。遮光シートは、図示を省略している。
【0030】
このように、拡散カバー13は、白色光を発する3つの発光面13-1と、光を発しない1つの非発光面13-2とを組み合わせた構成を有している。そのため、拡散カバー13から発せられる光は、3方向からの光となるため、太陽光に照らされた日向の窓枠又は日陰の窓枠越しに、外からの光が差し込んでいるような奥行き感のある視覚効果を演出することができる。
【0031】
また、拡散カバー13は、第1端面である上側の端面13-3と、第2端面である下側の端面13-4とを有している。上側の端面13-3および下側の端面13-4は、フランジ部11の上面に対して平行な面である。
【0032】
照明器具1は、発光面13-1から出射される白色光により、発光面13-1の斜め下方向を照らす照明器具として用いることができる。なお、後述する導光板17から出射される青色光は、青空を見るような視覚効果を演出するための照明であって、照明用として用いる場合には光束が不足する。一方、発光面13-1から出射される光は、照明用として用いる場合の光束を満たしている。このように、発光面13-1から出射される白色光の光強度は、導光板17の出射面から出射される青色光の光強度と異なり、白色光の光強度の方が、青色光の光強度よりも強い。
【0033】
なお、発光面13-1から出射される白色光は、単一の色温度の白色光でなくてもよい。すなわち、具体的には、白色用LEDモジュール14が、色温度の異なる2種類の白色LEDを備えるようにしてもよい。このように、白色用LEDモジュール14が、白色LEDとして、1種類の白色LEDのみを備えていてもよく、あるいは、昼色用の白色LEDと暖色用の白色LEDとの2種類の白色LEDを備えるようにしてもよい。白色用LEDモジュール14が2種類の白色LEDを備えている場合、2種類の白色LEDの調光率を変化させることにより、発光面13-1から、様々な色温度および様々な光束の白色光を出射することができる。また、時刻に合わせて、昼色用の白色LEDと暖色用の白色LEDとを切り替えて使用するようにしてもよい。具体的には、例えば、午前8:00から午後5:00までの日中の時間帯は昼色用の白色LEDを用い、それ以外の時間帯は暖色用の白色LEDを用いるようにしてもよい。なお、これらの時間帯は、単なる一例であって、これらに限定されず、適宜設定してよい。
【0034】
拡散カバー13はフランジ部11上に載置される。拡散カバー13の下側の端面13-4は、例えばパッキン21を介して、フランジ部11に保持されると良い。金属製のフランジ部11に拡散カバー13を載せた状態で、地震などの振動を受けた場合、フランジ部11または拡散カバー13が振動し、互いにぶつかり合うことになる。その結果、拡散カバー13が割れてしまう可能性がある。そのため、フランジ部11と拡散カバー13の下側の端面13-4との間にパッキン21を挟み込むことが望ましいが、必ずしも設けなくてもよい。パッキン21を設けた場合、パッキン21は、フランジ部11または拡散カバー13が振動した際に、互いが直接的にぶつかり合うのを防止する。パッキン21が挟み込まれることで、パッキン21の弾力性により、フランジ部11から拡散カバー13に与える力が緩和され、拡散カバー13が割れてしまうのを防止することができる。また、フランジ部11と拡散カバー13との間にパッキン21を設けることで、窓枠としての印象を持たせることができる。特に、パッキン21が白色系の色調の場合に、窓枠としての印象を強めることができる。さらに、パッキン21は、拡散カバー13とフランジ部11との隙間から白色光が漏れることを防ぐ。
【0035】
なお、白色用LEDモジュール14に用いられる白色LEDの配光は、広角タイプである。白色用LEDモジュール14に広角タイプのLEDを用いることにより、拡散カバー13の発光面13-1の傾斜角度を変化させても、拡散カバー13から発せられる光の光度を変化しにくくすることができる。従って、傾斜角度が異なる拡散カバー13に対して、同じタイプの白色用LEDモジュールを用いることができる。
【0036】
前面カバー29は、板状に形成された透明で透光性のカバーで、例えばアクリルなどの透明樹脂材料で形成されている。前面カバー29は、拡散カバー13のz2側の端に載置される。前面カバー29は、接着剤によって拡散カバー13に接着されて固定されていてもよいし、拡散カバー13と一体成型で形成されていてもよい。前面カバー29は、xy方向の周縁部が拡散カバー13の上端と固定されて、拡散カバー13の上側の開口を覆うように配置される。
【0037】
(第1光源ユニット300)
図3に示すように、第1光源ユニット300は、導光板17、青色用LEDモジュール18、上ガイドプレート19、第1モジュール保持部材24、弾性部材30、及び支持体40を有している。
【0038】
図5は、実施の形態1に係る第1光源ユニット300の構成の一例を示す分解斜視図である。第1光源ユニット300は、第1モジュール保持部材24を器具本体50の内部にねじ止めなどにより固定して構成されている。第1モジュール保持部材24は、例えばy方向に延びる2つの第1モジュール保持部材24A及び24Bから構成されている。第1モジュール保持部材24A及び24Bは、z方向視点において矩形に形成された器具本体50の対向する2辺のそれぞれに固定されており、x方向において対向する位置に配置されている。
【0039】
青色用LEDモジュール18は、第1モジュール保持部材24A及び24Bのそれぞれに固定されるものである。青色用LEDモジュール18は、基板80にLED等の発光体81が実装されたものであり、基板80と第1モジュール保持部材24A又は24Bとをクリップ状の固定部材25により互いに固定されている。
【0040】
図3に示す様に、導光板17のz方向を向いた発光面17aは、x方向の両端において下ガイドプレート24aと支持体40の一方の回転体42とにより支持されている。下ガイドプレート24aは、第1モジュール保持部材24Aの一部であり、導光板17が載置される支持面22を備える。下ガイドプレート24aは、第1モジュール保持部材24Aが延びるy方向に沿って設けられており、導光板17のx方向の一方の端部をz方向においてz1側から支持する。回転体42は、例えば第2モジュール保持部材24B又は器具本体50に取り付けられており、回転軸42aをy方向に平行にして配置されている。回転体42は、導光板17のx方向の他方の端部をz方向においてz1側から支持する。回転体42は、下側回転体とも称する。なお、
図5においては、支持体40は表示を省略されている。
【0041】
回転体42は、矩形の導光板17の1辺に沿って発光面17aに線接触する円筒状の棒状部材である。回転体42は、導光板17が吸湿や熱膨張などによってx方向に伸びた場合に、回転して導光板17が伸びた分だけ導光板17を移動できるように構成されている。回転体42が回転する機構としては、y方向に延びる円柱状の部材の両端を回転可能に支持する支持部を有する機構が挙げられる。ただし、回転体42を支持する機構は、これに限定されず回転する機構であれば良い。
【0042】
図3に示す様に、導光板17のz方向においてz2側を向いた裏面17bは、x方向の両端において上ガイドプレート19と支持体40の一方の回転体41とにより支持されている。上ガイドプレート19は、例えば断面がコ字形のy方向に延びる棒状の部材であり、導光板17上に載置される。上ガイドプレート19は、x方向において対向する導光板17の対向する2つの端面17-1に平行になるように配置される。上ガイドプレート19は、下ガイドプレート24aとともに導光板17をz方向の両側から挟みこみ、導光板17を固定する。上ガイドプレート19は、導光板17の裏面17bとの間に弾性部材30を介在させて、導光板17の上に載置される。
【0043】
回転体41は、矩形の導光板17の1辺に沿って裏面17bに線接触する円筒状の棒状部材である。回転体41は、回転体42と同様に構成されており、導光板17が吸湿や熱膨張などによってx方向に伸びた場合に、回転して導光板17が伸びた分だけ導光板17を移動できるように構成されている。回転体41は、例えば第2モジュール保持部材24B又は器具本体50に取り付けられており、回転軸41aをy方向に平行にして配置されている。なお、回転体41の回転軸41aと回転体42の回転軸42aとは、実質的に平行に配置されている。
【0044】
導光板17は、z方向からみたときに矩形の板状に形成されている。従って、導光板17は、z1側を向いた発光面17aと、z2側を向いた裏面17bと、x方向において対向する2つの端面17-1と、y方向において対向する2つの端面17-2とを有している。
図2に示す様に、導光板17は、器具本体50の開口をz2側から覆う様に配置される。
図3に示す様に、導光板17の端面17-1のそれぞれに沿った両端部は、一方を下ガイドプレート24aと上ガイドプレート19とで上下方向から挟持され、他方を上側回転体41及び下側回転体42とにより構成された支持体40により挟持される。これにより、導光板17は、第1モジュール保持部材24に対する位置が決まり、青色用LEDモジュール18の発光体81から出射された光が端面17-1から入射する様に構成されている。導光板17は、青色用LEDモジュール18から出射された光を透光させて、出射面である下面から青色光を出射する。また、導光板17は、光を散乱させる粒子である散乱体を内部に備えたアクリル樹脂で形成される。導光板17は、散乱体として、例えばシリカを含むものである。導光板17の端面17-1と発光体81とのz方向の位置関係は、下ガイドプレート24a、上ガイドプレート19及び回転体42により決まり、光が端面17-1から導光板17内に確実に入射できるようになっている。
【0045】
照明器具1に組み立てられた状態の前面カバー29と導光板17との関係を説明する。前面カバー29と導光板17は、ともに器具本体50の内部に配置される。前面カバー29は、導光板17とz方向に離間して配置され、導光板17の発光面17aと対向するように配置されるものである。前面カバー29は、拡散カバー13と共に器具本体50の下方の開口を塞ぎ、導光板17のごみ又は塵などの付着及び傷を抑制するものである。また、前面カバー29は、導光板17の下側の発光面17aから出射された光を透光するものである。
【0046】
前面カバー29が導光板17に接触すると、導光板17内に導光している光が前面カバー29に入射するため、前面カバー29が靄のような意図しない光り方をしてしまう場合がある。そのため、前面カバー29は、導光板17に対して離間して配置される必要がある。しかし、導光板17と前面カバー29との隙間は、小さいほうが導光板17の発光面17aのきれいな面発光を実現できる。そのため、前面カバー29は、導光板17と隙間を小さくし、接触しない位置に配置される。
【0047】
ここで比較例として導光板17のx方向の両端部において下ガイドプレート24a及び上ガイドプレート19が導光板17の移動を固定する機構で支持した状態を考える。つまり、比較例に係る照明器具は、
図3に示す支持体40が、
図3の左側に示された下ガイドプレート24a及び上ガイドプレート19に置換されたものである。この比較例に係る照明器具においては、導光板17が熱膨張や吸湿などによってx方向に伸びた場合、長手方向の端部の上下を下ガイドプレート24aと上ガイドプレート19とで支持しているため、x方向への伸びが規制されて、
図3において上下のどちらかにたわむ。導光板17は、照明器具1に組み込まれた状態において重力を受けて
図3において下側にたわむことがあるため、熱膨張などにより長手方向に伸びると下側にたわむことになる。これにより、比較例に係る照明器具の導光板17は、下側に配置された前面カバー29と接触する虞がある。
【0048】
一方、本開示の照明器具1の導光板17は、x方向の他端側の上下を回転可能な回転体41及び42により挟み込まれて支持される。そのため、導光板17は、吸湿や熱膨張などによって伸びたときに、回転体41及び42が回転して、x方向に移動することができる。そのため、導光板17は、吸湿や熱膨張などによってx方向に伸びたときに移動することができるので上下方向、特に下方向にたわむことを抑制できる。よって、本実施の形態1の照明器具1は、導光板17と前面カバー29とが接触することを抑制することができ、導光板17の発光面の意匠が低下することを抑制することができる。
【0049】
なお、回転体41及び42は、導光板17を導光板17のx方向において開口部51から外側方向に引っ張るように常にトルクがかかっていてもよい。これによって、導光板17が長手方向に伸びた場合に、導光板17から回転体41及び42に掛かる負荷が小さい状態でも回転し易いため、導光板17は、x方向に掛かる荷重が小さくなり、上下方向にたわみにくくなる。
【0050】
なお、支持体40は、回転する機構を備えると説明したが、この機構に限定されるものではなく、導光板17が発光面17aに沿った方向(xy方向)に移動できるように導光板17の上下(z方向)を支持する機構であればよい。例えば、支持体40は、表面がフィルム又はコーティングなどにより摩擦係数の小さい表面処理が施されており、導光板17が発光面17aに沿った方向(xy方向)に伸びた場合に導光板17を摺動させて移動させるものであってもよい。このとき、支持体40の回転体41及び42は、回転可能であっても良いし、回転しないように構成されていても良い。また、支持体40は、摺動により導光板17が移動可能に構成されている場合に、回転体41及び42の代わりに、少なくとも導光板17の発光面17a及び裏面17bのそれぞれに当接する円筒面を有する支持部材を備えるように構成されていても良い。
【0051】
図3に示す様に、第1光源ユニット300は、第2光源ユニット200に載置される構造が望ましい。このとき、第1光源ユニット300の第1モジュール保持部材24は、第2光源ユニット200の第2モジュール保持部材15の上に載置されて固定されている。第1モジュール保持部材24と第2モジュール保持部材15との位置関係が当接することにより決まるため、第1モジュール保持部材24に支持されている導光板17と第2モジュール保持部材15に保持された拡散カバー13の上に載置された前面カバーとの位置関係も精度良く決まる。これにより、導光板17と前面カバー29との隙間を小さく設定しつつ、導光板17と前面カバー29との接触を抑制できる。ただし、照明器具1は、第1モジュール保持部材24と第2モジュール保持部材15とが直接当接する構造を有するものに限定するものではなく、例えば第1モジュール保持部材24と第2モジュール保持部材15とが筐体60を介して連結されるような構造であっても良い。
【0052】
以上に本開示を実施の形態に基づいて説明したが、本開示は上述した実施の形態の構成のみに限定されるものではない。例えば、第1モジュール保持部材24と基板80との間に絶縁部材23を挟んでいるが、第1モジュール保持部材24の材質によっては省略することもできる。また、照明器具1は、各部からの光の漏れを防ぐための遮光シート、導光板カバー26を備えていても良いし、省略することもできる。さらに、照明器具1は、実施の形態においてz方向を上下に向けた態様で説明されているが、例えば傾斜させて設置されても良いし、壁面などに取り付けられていても良い。つまり、いわゆる当業者が必要に応じてなす種々なる変更、応用、利用の範囲をも本開示の要旨(技術的範囲)に含むことを念のため申し添える。
【0053】
上記に説明した照明器具1は、以下の付記1~5に示す各特徴の組み合わせも含み得るものである。その組み合わせについて下記に示す。
【0054】
[付記1]
中央部に第1方向に向かって光が照射できるように開口が設けられた器具本体と、
前記器具本体の前記開口の周囲に配置され、前記第1方向に直交する第2方向に向かって光が出射される光源と、
前記光源に対し前記第2方向に位置し、発光面を前記第1方向に向けて配置された板状の導光板と、
前記導光板に対し前記第2方向に位置し、前記発光面に沿って配置される保護カバーと、
前記導光板を前記第1方向に支持する支持体と、を備え、
前記支持体は、
前記導光板の前記開口に面している部分に対し前記第2方向にずれた位置において、前記導光板の前記発光面及び前記発光面の裏面のそれぞれに当接する円筒面を備える、照明器具。
[付記2]
前記支持体は、
前記導光板の前記発光面及び前記裏面のそれぞれに当接する前記円筒面が形成された2つの回転体を備え、
前記2つの回転体は、
回転軸が互いに平行である、付記1に記載の照明器具。
[付記3]
前記導光板は、
前記支持体に対し前記開口を挟んで前記第2方向に対向する位置において前記器具本体に固定されている、付記1又は2に記載の照明器具。
[付記4]
前記2つの回転体のうち少なくとも一方は、
前記第2方向において前記開口から外側に向かって前記導光板を付勢する、付記2又は3に記載の照明器具。
[付記5]
前記円筒面は、
摩擦係数が小さい表面処理が施され、前記導光板の前記発光面に平行な方向に摺動可能に構成されている、付記1~4の何れか1つに記載の照明器具。
【符号の説明】
【0055】
1 照明器具、11 フランジ部、12 Vばね、13 拡散カバー、13-1 発光面、13-2 非発光面、13-3 端面、13-4 端面、13-A 拡散板、13-B 拡散板、13a 前面、13b 背面、14 白色用LEDモジュール、15 第2モジュール保持部材、15-1 取付フランジ、15-3 ガイド、17 導光板、17-1 端面、17-2 端面、17a 発光面、17b 裏面、18 青色用LEDモジュール、19 上ガイドプレート、21 パッキン、22 支持面、23 絶縁部材、24 第1モジュール保持部材、24A 第1モジュール保持部材、24B 第2モジュール保持部材、24a 下ガイドプレート、25 固定部材、26 導光板カバー、29 前面カバー、30 弾性部材、40 支持体、41 (上側)回転体、41a 回転軸、42 (下側)回転体、42a 回転軸、50 器具本体、51 開口部、60 筐体、61 主面、62 側面、63 取り付け金具、70 制御ユニット、80 基板、81 発光体、200 第2光源ユニット、300 第1光源ユニット。