(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172101
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】液体皮膚洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20241205BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241205BHJP
A61K 8/24 20060101ALI20241205BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20241205BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20241205BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
A61K8/36
A61Q19/10
A61K8/24
A61K8/34
A61K8/41
A61K8/39
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089622
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】堀越 愛
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB281
4C083AB282
4C083AC122
4C083AC131
4C083AC132
4C083AC231
4C083AC232
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC541
4C083AC542
4C083BB05
4C083CC23
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD47
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】泡性能(泡立ち及びすすぎ時の泡切れのよさ)に優れ、かつ低温安定性及び黄変抑制効果に優れる液体皮膚洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】
(A)アニオン界面活性剤と、(B)アミノアルコールと、(C)リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩から選ばれるいずれかの塩と、(D)マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、及びパラチニットから選ばれるいずれかと、を含有し、前記(C)の含有量と前記(D)の含有量との和に対する、前記(B)の含有量の質量比[(B)/{(C)+(D)}]が、0.3以上2以下であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アニオン界面活性剤と、
(B)アミノアルコールと、
(C)リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩から選ばれるいずれかの塩と、
(D)マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、及びパラチニットから選ばれるいずれかと、を含有し、
前記(C)の含有量と前記(D)の含有量との和に対する、前記(B)の含有量の質量比[(B)/{(C)+(D)}]が、0.3以上2以下であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(D)の含有量に対する前記(C)の含有量の質量比[(C)/(D)]が、0.2以上1以下である、請求項1に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記液体皮膚洗浄剤組成物が、フォーマー容器用である、請求項1又は2に記載の液体皮膚洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体皮膚洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚洗浄剤組成物には、すすぎ時の泡切れや泡立ちといった泡性能が良好であること、及び長期の保存安定性に優れることが求められている。
【0003】
例えば、タオルドライ後の皮膚状態を良好とし、泡性能(泡立ちの早さ及び泡の濃密さ)に優れた液体皮膚洗浄剤組成物を提供する目的で、アニオン界面活性剤、カチオン性ポリマー、リン酸カリウム塩を含有する液体皮膚洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1を含む従来の皮膚洗浄剤組成物には、洗浄基材として脂肪酸塩(アニオン界面活性剤)が含まれているため、低温安定性が悪化し易く、それに起因してフォーマー容器からの吐出時にメッシュの目詰まりが生じて、泡の吐出性が低下してしまうことが懸念されている。また、低温安定性の悪化を改善する目的で、モノエタノールアミンを添加しているが、当該モノエタノールアミンの酸化に起因して、継時で液色が黄変し、保存安定性が悪化する問題も懸念されている。
【0004】
したがって、泡性能(泡立ち及びすすぎ時の泡切れのよさ)に優れ、かつ低温安定性及び黄変抑制効果に優れる液体皮膚洗浄剤組成物の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、泡性能(泡立ち及びすすぎ時の泡切れのよさ)に優れ、かつ低温安定性及び黄変抑制効果に優れる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、(A)アニオン界面活性剤と、(B)アミノアルコールと、(C)リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩から選ばれるいずれかの塩と、(D)マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、及びパラチニットから選ばれるいずれかと、を含有し、前記(C)の含有量と前記(D)の含有量との和に対する、前記(B)の含有量の質量比[(B)/{(C)+(D)}]が、0.3以上2以下である。
【0008】
本発明は、本発明者による知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1>
(A)アニオン界面活性剤と、
(B)アミノアルコールと、
(C)リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩から選ばれるいずれかの塩と、
(D)マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、及びパラチニットから選ばれるいずれかと、を含有し、
前記(C)の含有量と前記(D)の含有量との和に対する、前記(B)の含有量の質量比[(B)/{(C)+(D)}]が、0.3以上2以下であることを特徴とする液体皮膚洗浄剤組成物である。
<2>
前記(D)の含有量に対する前記(C)の含有量の質量比[(C)/(D)]が、0.2以上1以下である、前記<1>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
<3>
前記液体皮膚洗浄剤組成物が、フォーマー容器用である、前記<1>又は前記<2>に記載の液体皮膚洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、泡性能(泡立ち及びすすぎ時の泡切れのよさ)に優れ、かつ低温安定性及び黄変抑制効果に優れる液体皮膚洗浄剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(液体皮膚洗浄剤組成物)
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、(A)アニオン界面活性剤と、(B)アミノアルコールと、(C)リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩から選ばれるいずれかの塩と、(D)マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、及びパラチニットから選ばれるいずれかと、を含有し、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。
本明細書において、「(A)アニオン界面活性剤」は、「(A)」又は「(A)成分」と称されることがあり、「(B)アミノアルコール」は、「(B)」又は「(B)成分」と称されることがあり、「(C)リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩から選ばれるいずれかの塩」は、「(C)」又は「(C)成分」と称されることがあり、「(D)マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、及びパラチニットから選ばれるいずれか」は、「(D)」又は「(D)成分」と称されることがある。
なお、前記(C)成分及び前記(D)成分における「いずれか」は、「一種以上」と換言することができる。
【0011】
<(A)アニオン界面活性剤>
前記(A)成分としてのアニオン界面活性剤は、すすぎ時の泡切れを向上させるために含有される。
【0012】
前記(A)成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の泡切れ、フォーマー容器から吐出する際の泡立ち、及び低温安定性に優れる観点から、高級脂肪酸塩、エーテルカルボン酸又はその塩が好ましく、高級脂肪酸塩がより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0013】
-高級脂肪酸塩-
前記高級脂肪酸塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、すすぎ時の泡切れ、フォーマー容器から吐出する際の泡立ち、及び低温安定性に優れる観点から、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩が好ましい。
【0014】
前記(A)成分の高級脂肪酸塩における対イオンとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルカノールアミン、塩基性アミノ酸などが挙げられる。
当該アルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。
当該アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
当該塩基性アミノ酸としては、例えば、リジン、アルギニンなどが挙げられる。
【0015】
前記高級脂肪酸塩は、高級脂肪酸塩として配合することも可能であるが、高級脂肪酸と、対イオンとなる塩とを別々に、配合槽中に添加して中和反応させて高級脂肪酸塩としてもよい。
【0016】
前記高級脂肪酸塩の調製に使用する前記高級脂肪酸は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該高級脂肪酸の市販品としては、例えば、商品名で、NAA(登録商標)-122(ラウリン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-142(ミリスチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-160(パルミチン酸、日油株式会社製)、NAA(登録商標)-180(ステアリン酸、日油株式会社製)などが挙げられる。
【0017】
前記高級脂肪酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該高級脂肪酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、NIKKOL ラウリン酸カリLK-120(ラウリン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、NIKKOL ミリスチン酸カリMK-140(ミリスチン酸カリウム、日光ケミカルズ株式会社製)、タイソープ MNK-40(ヤシ油脂肪酸カリウム・ミリスチン酸カリウム配合液体、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
【0018】
-エーテルカルボン酸又はその塩-
前記エーテルカルボン酸又はその塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(A2)又は(A3)で表される化合物などが挙げられる。当該エーテルカルボン酸又はその塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
【0020】
前記一般式(A2)及び(A3)中、R2は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基、又は炭素数5~23の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたフェニル基を示す。当該R2部分の炭素数としては、10~14が好ましい。
当該一般式(A2)中、R3は同一でも異なっていてもよく、炭素数2~4のアルキレン基を示し、炭素数2が好ましい。
当該一般式(A2)中、oは1~20のアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す。当該アルキレンオキサイドの平均付加モル数としては、1~5が好ましい。
当該一般式(A2)及び(A3)中、M1は、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又は塩基性アミノ酸を示す。
【0021】
これらの中でも、すすぎ時の泡切れ、フォーマー容器から吐出する際の泡立ち、及び低温安定性に優れる観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩が好ましい。当該ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩としては、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル酢酸塩が好ましい。
【0022】
当該一般式(A2)又は(A3)で表されるエーテルカルボン酸塩の具体例としては、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸カリウム、ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ラウリルグリコール酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0023】
当該エーテルカルボン酸塩は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該エーテルカルボン酸塩の市販品としては、例えば、商品名で、エナジコールEC-30(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-25F(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-30D(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、ビューライト LCA-H(ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル酢酸)、ビューライト LCA-25NH(ラウレス-4カルボン酸)、ビューライト SHAA(ラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム)、ビューライト LCA(ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、三洋化成工業株式会社製)、カオーアキポRLM-45NV(ポリオキシエチレン(4.5)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)、カオーアキポRLM-100NV(ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム)(以上、花王株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記( )内の数値は、アルキレンオキサイドの平均付加モル数(o)を表す。
【0024】
前記(A)の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の泡切れ、フォーマー容器から吐出する際の泡立ち、及び低温安定性に優れる観点から、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、1.0質量%以上25質量%以下であることが好ましく、3質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。
当該(A)の含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、1.0質量%以上であると、フォーマー容器から吐出する際の泡立ちが良好となるため好適である。
当該(A)の含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物全量に対して、25質量%以下であると、すすぎ時の泡切れ、及び低温安定性が良好となるため好適である。
【0025】
<(B)アミノアルコール>
前記(B)成分としてのアミノアルコールは、低温安定性を向上するために含有される。
【0026】
前記(B)アミノアルコールとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、低温安定性、及び黄変抑制効果が良好となる観点から、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
当該(B)アミノアルコールの含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、低温安定性、及び黄変抑制効果が良好となる観点から、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.5質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
当該(B)アミノアルコールの含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.5質量%以上であると、低温安定性が良好となるため好適である。
当該(B)アミノアルコールの含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、2質量%以下であると、黄変抑制効果が良好となるため好適である。
【0028】
当該(B)アミノアルコールとしては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該(B)アミノアルコールの市販品としては、例えば、商品名で、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(以上、株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
【0029】
<(C)リン酸二水素塩、リン酸水素塩、リン酸塩、トリポリリン酸塩、ポリリン酸塩、及びピロリン酸塩から選ばれるいずれかの塩>
前記(C)成分は、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果を向上させるために配合される。
【0030】
前記リン酸二水素塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウムなどが挙げられる。
前記リン酸水素塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウムなどが挙げられる。
前記リン酸塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸三カリウムなどが挙げられる。
前記トリポリリン酸塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記ポリリン酸塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記ピロリン酸塩としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムなどが挙げられる。
これらの中でも、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果が良好となる観点から、リン酸二水素塩、即ち、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウムが好ましい。
【0031】
前記(C)成分の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果が良好となる観点から、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上1.0質量%以下であることがより好ましい。
当該(C)成分の含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.05質量%以上であると、黄変抑制効果が良好となるため好適である。
当該(C)成分の含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、3質量%以下であると、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果が良好となるため好適である。
【0032】
当該(C)成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該(C)成分の市販品としては、例えば、商品名で、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸三カリウム、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム(以上、太平化学産業株式会社製)、ポリリン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム(以上、富士フイルム和光純薬株式会社製)、ピロリン酸カリウム(米山化学工業株式会社製)などが挙げられる。
【0033】
<(D)マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、及びパラチニットから選ばれるいずれか>
前記(D)成分は、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果を向上させるために配合される。
【0034】
前記(D)成分としては、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果が良好となる観点から、マンニトールが好ましい。
【0035】
前記(D)成分の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果が良好となる観点から、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2質量%以下であることがより好ましい。
当該(D)成分の含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%以上であると黄変抑制効果が良好となるため好適である。
当該(D)成分の含有量が、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、3質量%以下であると、すすぎ時の泡切れ、及び黄変抑制効果が良好となるため好適である。
【0036】
当該(D)成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。当該(D)成分の市販品としては、例えば、商品名で、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール(以上、物産フードサイエンス株式会社製)、パラチニット(DM三井製糖ホールディングス株式会社製)などが挙げられる。
【0037】
-質量比[(B)/{(C)+(D)}]-
本明細書において、「(C)の含有量と(D)の含有量との和に対する、(B)の含有量の質量比」は、質量比[(B)/{(C)+(D)}]と称することがある。
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、当該質量比[(B)/{(C)+(D)}]が0.3以上2以下である。また、当該質量比[(B)/{(C)+(D)}]は、黄変抑制効果及び低温安定性が良好となる観点から、0.4以上1.8以下であることが好ましい。
当該質量比[(B)/{(C)+(D)}]が0.3以上であると、低温安定性が良好となるため好適である。
当該質量比[(B)/{(C)+(D)}]が2以下であると、黄変抑制効果が良好となるため好適である。
【0038】
-質量比[(C)/(D)]-
本明細書において、「前記(D)の含有量に対する前記(C)の含有量の質量比」は、「質量比[(C)/(D)]」と称することがある。
当該質量比[(C)/(D)]としては、特に制限はなく目的に応じて適宜設定することができるが、すすぎ時の泡切れが良好となる観点から、0.05以上5以下であることが好ましく、0.2以上1以下であることがより好ましい。
当該質量比[(C)/(D)]が、0.05以上であることにより、すすぎ時の泡切れが良好となるため好適である。
当該質量比[(C)/(D)]が、5以下であることにより、すすぎ時の泡切れが良好となるため好適である。
【0039】
<その他の成分>
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物には、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分の各成分以外にも、本発明を損なわない範囲で、必要に応じて、液体皮膚洗浄剤組成物などに通常用いられる成分をその他の成分として配合することができる。
【0040】
前記その他の成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分以外の界面活性剤、水溶性高分子、油分、シリコーン類、前記(B)成分以外のアルコール類、ラノリン誘導体、蛋白誘導体、アミノ酸類、ビタミン類等の薬剤、殺菌剤、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、動植物抽出物又はその誘導体、キレート剤、保湿剤、増粘剤、紫外線吸収剤又は散乱剤、色素、顔料、水不溶性高分子化合物粉体などが挙げられる。
【0041】
前記油分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボカド油等の植物油脂類及びそれらのエステル化合物;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類;グリセロールトリ-2-エチルヘキサン酸エステル、2-エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該油分の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
【0042】
前記(B)成分以外のアルコール類としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、低級アルコールであっても、高級アルコールであってもよい。当該アルコール類の具体例としては、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該アルコール類の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
【0043】
前記保湿剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該保湿剤の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
【0044】
前記増粘剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子化合物が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該増粘剤の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
【0045】
前記防腐剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’-トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名:ケーソンCG、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノールなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該防腐剤の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
【0046】
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.001質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
【0047】
前記キレート剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該キレート剤の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.001質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
【0048】
前記pH調整剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、コハク酸、アンモニア水、リン酸、グリコール酸、塩酸などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0049】
前記紫外線吸収剤又は前記散乱剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルクなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該紫外線吸収剤又は当該散乱剤の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
【0050】
前記ビタミン類としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ-オリザノール、α-リポ酸、オロット酸及びその誘導体などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該ビタミン類の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
【0051】
前記アミノ酸類としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該アミノ酸類の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが好ましい。
【0052】
前記水不溶性高分子化合物粉体としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機粉体、粘土鉱物、ナイロン、ポリエチレンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
当該水不溶性高分子化合物粉体の含有量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できるが、液体皮膚洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%以下であることが好ましい。
【0053】
前記その他の成分は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
当該その他の成分の前記液体皮膚洗浄剤組成物全量に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0054】
-pH-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃におけるpHとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、9.5~11.0であることが好ましく、9.8~10.6であることがより好ましい。
当該pHは、例えば、ガラス電極色水素イオン濃度指示計 HM-30R(TOA DKK社製 電極タイプGST-5721)を使用して測定することができる。
【0055】
-粘度-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の25℃における粘度は、20mPa・s以下であることが好ましく、3mPa・s以上10mPa・s以下であることがより好ましい。
当該粘度は、例えば、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、試料温度25℃にて、回転数60rpm、No.1のローターにて1分間後の粘度を測定することにより測定できる。
【0056】
-容器-
本発明の液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマー容器に充填して使用されることが好ましい。
前記フォーマー容器としては、特に制限はなく、公知のフォーマー容器の中から適宜選択することができ、例えば、ノンガス型の泡吐出容器、噴射剤と耐圧容器を使用したエアゾール容器などが挙げられる。これらの中でも、ノンガス型の泡吐出容器が好ましい。
【0057】
前記ノンガス型の泡吐出容器としては、前記液体皮膚洗浄剤組成物を空気と混合して発泡状態で吐出できるものであれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボトル胴部を手で圧搾することによって泡を吐出できるスクイズフォーマー容器、ノズル部を押し下げることによって泡を吐出できるポンプフォーマー容器などが挙げられる。このようなフォーマー容器は、大和製罐株式会社製、株式会社吉野工業所製等のものを使用することができる。より具体的には、フォーマー容器としては、特開平7-315463号公報、特開平8-230961号公報、及び特開2005-193972号公報に記載されたフォーマー容器などを使用することができる。
【0058】
前記ノンガス型の泡吐出容器は、泡形成部材を有し、具体的には、泡を形成するための多孔質膜体(材質は、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチック材料が好ましい)を有し、前記液体皮膚洗浄剤組成物が該多孔質膜体を通過することにより泡が形成されるものである。
【0059】
前記多孔質膜体のメッシュとしては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、100メッシュ以上が好ましく、100~400メッシュがより好ましく、200~305メッシュが特に好ましい。
また、当該多孔質膜体の枚数としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能を向上させる観点から、2~4枚が好ましい。
【0060】
-製造方法-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(A)成分、前記(B)成分、前記(C)成分、前記(D)成分、さらに必要に応じて、前記その他の成分、及び精製水(液体皮膚洗浄剤組成物全量が100質量%となるように残量として配合)を混合して得ることができる。
具体的には、その他の成分である精製水、プロピレングリコール等を使用し、最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全体量の60質量%になる量の混合物を調製した後、当該混合物を70℃~80℃に加温し、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及びその他の成分の水酸化カリウムを溶解させて得ることができる。
【0061】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、装置を用いて調製してもよい。当該装置としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、剪断力があり、全体を混合することができる攪拌羽根を備えた攪拌装置などが挙げられる。
前記攪拌羽根としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プロペラ、タービン、ディスパーなどが挙げられる。
【0062】
-用途-
前記液体皮膚洗浄剤組成物の使用部位としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全身、顔、手などに使用することができる。
【0063】
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、泡性能(泡立ち及びすすぎ時の泡切れのよさ)に優れ、かつ低温安定性及び黄変抑制効果に優れるため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができ、特にボディソープに好適に用いることができる。
【実施例0064】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例及び比較例に記載の各成分の含有量は「質量%」で示し、全量は100質量%であり、全て純分換算した値である。
【0065】
(実施例1~21及び比較例1~7)
実施例1~21及び比較例1~7に示す組成及び含有量の液体皮膚洗浄剤組成物を、以下の方法に準じて調製した。具体的には、その他の成分である精製水、プロピレングリコール等を使用し、最終的に得られる液体皮膚洗浄剤組成物の全体量の60質量%になる量の混合物を調製した。当該その他の成分の混合物を、70℃~80℃に加温した後、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及びその他の成分である水酸化カリウムを溶解させた。その後、所定のpHに満たない場合は、共通成分である水酸化カリウムを添加し、pH10に調整後、全体量が100質量%になるように精製水を加え、実施例及び比較例の液体皮膚洗浄剤組成物を得た。
なお、各成分の混合は、攪拌羽根としてプロペラを使用し、スリーワンモーター(HEIDON BL1200、新東化学株式会社製)を用いて攪拌することにより行った。
なお、pHは、pHメーター(HM-30R、TOA DKK社製)を用いて、25℃で測定した。
得られた液体皮膚洗浄剤組成物の粘度は、25℃に恒温した後、BM型粘度計(株式会社東京計器製)を用いて、25℃でスピンドルNo.1のローターを使用し、回転数60回転/分間で1分間の条件で測定した。
また、得られた実施例1~21及び比較例1~7の各液体皮膚洗浄剤組成物は、フォーマーポンプディスペンサー付き容器[吐出量1mL、株式会社吉野工業所製]に充填した。
【0066】
実施例1~21及び比較例1~7の各液体皮膚洗浄剤組成物について、以下のようにして、「フォーマー容器から吐出する際の泡立ち」、「低温安定性」、「黄変抑制効果」、及び「すすぎ時の泡切れ」を評価及び判定した。結果を下記表1~表4に示した。
【0067】
<フォーマー容器から吐出する際の泡立ち>
実施例1~21及び比較例1~7の各液体皮膚洗浄剤組成物を上記ポンプフォーマー容器に100mL充填し、専門パネル1名が吐出させる操作を5回繰り返した。下記基準に基づいて泡の吐出性を評価した。なお、サンプル数は3とし、「○」以上を合格とした。
-評価基準-
◎:吐出された泡の全体が、きめ細かい
〇:吐出された泡中に粗い泡が多少混在するが、ややきめの細かい泡で排出することができる
△:吐出された泡の5割以上が粗い泡である
×:吐出されず泡が形成されない
【0068】
<低温安定性>
実施例1~21及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を、-5℃で1か月間保存した後に室温に戻して観察を行い、析出物や凝集物の有無を下記評価基準に基づいて評価した。なお、サンプル数は3とし、「〇」以上を合格とした。
-評価基準-
◎:析出物や凝集物が、全く見られない
○:析出物や凝集物が、ほとんど見られない
△:析出物や凝集物が、確認できる
×:析出物や凝集物が、顕著に確認できる
【0069】
<黄変抑制効果>
実施例1~21及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を、50℃で1か月間保存した後に室温に戻して観察を行い、室温で1か月間保存したもの(室温保存品)と比較した際の外観の変化を、下記評価基準に基づいて評価した。なお、サンプル数は3とし、「〇」以上を合格とした。
-評価基準-
◎:室温保存品と比較して、外観が変化していない
○:室温保存品と比較して、ほとんど黄変していない
△:室温保存品と比較して、黄変が確認できる
×:室温保存品と比較して、黄変が顕著に確認できる
【0070】
<すすぎ時の泡切れ>
専門評価者10名が、実施例1~21及び比較例1~7の液体皮膚洗浄剤組成物を手に2プッシュ(約2g)取って泡立てた後、1秒間に1秒の速さですすいだ際の泡切れの良さを下記評価基準に基づいて評価した。結果は、専門評価者10名の評点平均値を求め、下記評点平均値の判定基準に基づき判定した。なお、「〇」以上を合格とした。
-評価基準-
4点:泡切れが非常によい
3点:泡切れがよい
2点:泡切れがあまりよくない
1点:泡切れが非常によくない
-判定基準-
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:1.0点以上2.0点未満
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
実施例1~21、及び比較例1~7で使用した各成分の詳細について、下記表5に示す。
【0076】
【表5】
※1:ラウリン酸カリウムは、ラウリン酸(NAA-122、日油株式会社製)を水酸化カリウム(AGC株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※2:ミリスチン酸カリウムは、ミリスチン酸(NAA-142、日油株式会社製)を水酸化カリウム(AGC株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
※3:パルミチン酸カリウムは、パルミチン酸(NAA-160、日油株式会社製)を水酸化カリウム(AGC株式会社製、液体苛性カリ)で中和させて調製したものを使用した。
前記液体皮膚洗浄剤組成物は、泡性能(泡立ち及びすすぎ時の泡切れのよさ)に優れ、かつ低温安定性及び黄変抑制効果に優れるため、例えば、ボディシャンプー、ボディソープ、洗顔フォーム、ハンドソープ、泡ハンドソープ、クレンジングフォーム、メイク落としなどに用いることができ、特にボディソープに好適に用いることができる。