(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172105
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】液体吐出装置および不良ノズル判定方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20241205BHJP
【FI】
B41J2/01 207
B41J2/01 403
B41J2/01 107
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089626
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ドゥック
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB39
2C056EB40
2C056FA11
(57)【要約】
【課題】ノズルの不良有無を判定する処理を効率的に実行するための改善が求められている。
【解決手段】液体吐出装置は、ノズルを複数有する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドを搭載し、第1方向への移動である第1移動と、第1方向に対して逆方向の第2方向への移動である第2移動とを交互に実行するキャリッジと、液体吐出ヘッドおよびキャリッジを制御する制御部と、を備え、制御部は、ノズルから液体を吐出させるための駆動信号と異なる特定波形の駆動信号を圧電素子へ印加することにより発生する振動に基づいてノズルが不良ノズルであるか否かを判定可能であり、第1移動中のキャリッジが定速移動の状態から減速して停止するまでの第1移動減速期間と、第1移動減速期間よりも後の期間であって、キャリッジが停止状態から加速して第2移動を開始し定速移動の状態になるまでの第2移動加速期間と、を跨ぐ減加速期間に特定波形の駆動信号の印加を行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子の駆動により圧力室に圧力変動を生じさせて、前記圧力室に充填された液体をノズルから吐出することが可能であり、前記ノズルを複数有する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを搭載し、第1方向への移動である第1移動と、前記第1方向に対して逆方向の第2方向への移動である第2移動とを交互に実行するキャリッジと、
前記液体吐出ヘッドおよび前記キャリッジを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ノズルから液体を吐出させるために前記圧電素子へ印加する駆動信号と異なる特定波形の駆動信号を前記圧電素子へ印加することにより発生する振動に基づいて前記ノズルが不良ノズルであるか否かを判定する不良ノズル判定処理を複数の前記ノズルのそれぞれについて実行可能であり、
前記第1移動中の前記キャリッジが所定の定速移動の状態から減速して停止するまでの期間である第1移動減速期間と、前記第1移動減速期間よりも後の期間であって、前記キャリッジが停止状態から加速して前記第2移動を開始し前記定速移動の状態になるまでの期間である第2移動加速期間と、を跨ぐ期間である減加速期間に前記特定波形の駆動信号の印加を行う、ことを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記キャリッジの加速の誤差に応じて予め算出された前記第2移動加速期間の最小値に基づいて、1回の前記第2移動加速期間中に前記特定波形の駆動信号を印加する期間の長さを設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記液体吐出ヘッドは、複数の前記ノズルが前記第1方向および前記第2方向に交差する第3方向に並ぶノズル列をn列有し、
前記制御部は、1回の前記減加速期間に前記n列よりも少ないm列の前記ノズル列分の複数の前記ノズルに対応する複数の前記圧電素子へ前記特定波形の駆動信号を印加可能である場合に、前記圧電素子に前記特定波形の駆動信号を印加する頻度を、液体としての第1色のインクを吐出するための前記ノズル列と、前記第1色と異なる第2色のインクを吐出するための前記ノズル列とで異ならせる、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記減加速期間に含まれる前記キャリッジが停止している停止期間が第1の長さであるときの当該停止期間中に前記特定波形の駆動信号を印加する回数よりも、前記停止期間が前記第1の長さよりも長い第2の長さであるときの当該停止期間中に前記特定波形の駆動信号を印加する回数を、多くすることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
液体吐出装置が実行する不良ノズル判定方法であって、
前記液体吐出装置は、圧電素子の駆動により圧力室に圧力変動を生じさせて、前記圧力室に充填された液体をノズルから吐出することが可能であり、前記ノズルを複数有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを搭載し、第1方向への移動である第1移動と、前記第1方向に対して逆方向の第2方向への移動である第2移動とを交互に実行するキャリッジと、を備え、
前記ノズルから液体を吐出させるために前記圧電素子へ印加する駆動信号と異なる特定波形の駆動信号を前記圧電素子へ印加することにより発生する振動に基づいて前記ノズルが不良ノズルであるか否かを判定する不良ノズル判定処理を複数の前記ノズルのそれぞれについて実行可能であり、
前記第1移動中の前記キャリッジが所定の定速移動の状態から減速して停止するまでの期間である第1移動減速期間と、前記第1移動減速期間よりも後の期間であって、前記キャリッジが停止状態から加速して前記第2移動を開始し前記定速移動の状態になるまでの期間である第2移動加速期間と、を跨ぐ期間である減加速期間に前記特定波形の駆動信号の印加を行う、ことを特徴とする不良ノズル判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置および不良ノズル判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターは、複数のノズルを有するヘッドを搭載したキャリッジを所定の主走査方向に沿って往復移動させながら、ヘッドの各ノズルからインク等の液体を吐出して用紙等の媒体へ印刷する。このようなインクジェットプリンターにおいて、固化したインクやゴミがノズルに詰まる等してノズルによる液体吐出に不良が生じることがある。不良が生じたノズルを不良ノズルと呼ぶ。不良を異常と言い換えてもよい。従来から、ノズルが不良ノズルであるか否かを判定する処理が行われている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1によれば、ノズル毎に対応して設けられた圧電素子に駆動信号を供給し、駆動信号に応じて圧電素子が駆動した後に生じるいわゆる残留振動に基づいて、ノズルの不良有無を判定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャリッジの移動は、停止した状態から所定の速度まで加速する加速期間、所定の速度で定速移動する定速期間、定速移動の状態から減速して停止するまでの減速期間からなる。このような加速期間、定速期間および減速期間が、主走査方向に沿った往路移動、復路移動のそれぞれに有る。媒体への印刷は、キャリッジが媒体上を通過する主に定速期間において実行される。一方、加速期間の序盤や減速期間の終盤では、キャリッジは媒体の外に位置する。そのため従来、インクジェットプリンターは、キャリッジの移動制御に関連付けて、キャリッジの加速期間または減速期間のどちらか一方を利用して上述の残留振動に基づくノズルの不良有無の判定をしていた。
【0006】
インクジェットプリンターは、不良ノズルと判定したノズルについては、その後の印刷では当該不良ノズルの近傍ノズル等の代替となり得る位置のノズルを用いた液体吐出により、媒体におけるドットの欠落を補完することができる。ただし、ヘッドは多数のノズルを有する。インクジェットプリンターは、残留振動を発生させ、残留振動に基づいて不良ノズルであるか否かを判定する処理について、これを実行する処理能力にも限界があるため、キャリッジの一回の移動の中では一部のノズルについてしか当該判定をすることができない。不良ノズルであるにも拘わらず、不良ノズルか否かの判定の対象とならなかったノズルは、その後、不良ノズルか否かの判定の対象となるまでに実行される印刷において、そのノズルによるドットの欠落が補完されないため、印刷品質を低下させる原因となる。
このような状況に鑑みて、ノズルの不良有無を判定する処理を効率的に実行するための改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
液体吐出装置は、圧電素子の駆動により圧力室に圧力変動を生じさせて、前記圧力室に充填された液体をノズルから吐出することが可能であり、前記ノズルを複数有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを搭載し、第1方向への移動である第1移動と、前記第1方向に対して逆方向の第2方向への移動である第2移動とを交互に実行するキャリッジと、前記液体吐出ヘッドおよび前記キャリッジを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ノズルから液体を吐出させるために前記圧電素子へ印加する駆動信号と異なる特定波形の駆動信号を前記圧電素子へ印加することにより発生する振動に基づいて前記ノズルが不良ノズルであるか否かを判定する不良ノズル判定処理を複数の前記ノズルのそれぞれについて実行可能であり、前記第1移動中の前記キャリッジが所定の定速移動の状態から減速して停止するまでの期間である第1移動減速期間と、前記第1移動減速期間よりも後の期間であって、前記キャリッジが停止状態から加速して前記第2移動を開始し前記定速移動の状態になるまでの期間である第2移動加速期間と、を跨ぐ期間である減加速期間に前記特定波形の駆動信号の印加を行う。
【0008】
液体吐出装置が実行する不良ノズル判定方法であって、前記液体吐出装置は、圧電素子の駆動により圧力室に圧力変動を生じさせて、前記圧力室に充填された液体をノズルから吐出することが可能であり、前記ノズルを複数有する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを搭載し、第1方向への移動である第1移動と、前記第1方向に対して逆方向の第2方向への移動である第2移動とを交互に実行するキャリッジと、を備え、前記ノズルから液体を吐出させるために前記圧電素子へ印加する駆動信号と異なる特定波形の駆動信号を前記圧電素子へ印加することにより発生する振動に基づいて前記ノズルが不良ノズルであるか否かを判定する不良ノズル判定処理を複数の前記ノズルのそれぞれについて実行可能であり、前記第1移動中の前記キャリッジが所定の定速移動の状態から減速して停止するまでの期間である第1移動減速期間と、前記第1移動減速期間よりも後の期間であって、前記キャリッジが停止状態から加速して前記第2移動を開始し前記定速移動の状態になるまでの期間である第2移動加速期間と、を跨ぐ期間である減加速期間に前記特定波形の駆動信号の印加を行う。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】媒体と液体吐出ヘッドとの関係性を上方からの視点により示す図。
【
図3】1つのノズルと当該ノズルに対応する圧電素子とを含んだ構造を簡易的に示す断面図。
【
図4】本実施形態において各圧電素子に印加する様々な駆動信号を簡易的に示す図。
【
図5】
図5A、
図5Bはそれぞれ本実施形態と比較される従来技術を簡易的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。各図は例示であるため、形状が正確でなかったり、互いに整合していなかったり、一部が省略されていたりする場合がある。
【0011】
図1は、本実施形態にかかる液体吐出装置10の構成を簡易的に示している。液体吐出装置10は、制御部11、表示部13、操作受付部14、通信IF15、記憶部16、搬送部17、キャリッジ18、液体吐出ヘッド19、駆動回路21等を備える。IFは、インターフェイスの略である。制御部11は、プロセッサーとしてのCPU11a、ROM11b、RAM11c等を有する一つ又は複数のICや、その他の不揮発性メモリー等を含んで構成される。
【0012】
制御部11では、プロセッサーつまりCPU11aが、ROM11bや、その他のメモリー等に保存された一つ以上のプログラム12に従った演算処理を、RAM11c等をワークエリアとして用いて実行することにより、液体吐出装置10を制御する。なお、プロセッサーは、一つのCPUに限られることなく、複数のCPUや、ASIC等のハードウェア回路により処理を行う構成であってもよいし、CPUとハードウェア回路とが協働して処理を行う構成であってもよい。
【0013】
表示部13は、視覚情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部13は、ディスプレイと、ディスプレイを駆動するための駆動回路とを含む構成であってもよい。操作受付部14は、ユーザーによる操作を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタンや、タッチパネルや、マウスや、キーボード等によって実現される。むろん、タッチパネルは、表示部13の一機能として実現されるとしてもよい。
【0014】
通信IF15は、液体吐出装置10が公知の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線又は無線で外部装置と接続するための一つまたは複数のIFの総称である。外部装置とは、例えば、パーソナルコンピューター、サーバー、スマートフォン、タブレット型端末といった各種通信装置である。
【0015】
記憶部16は、例えば、ハードディスクドライブや、ソリッドステートドライブといった記憶装置により構成される。記憶部16は、制御部11が有するメモリーの一部であってもよい。また、記憶部16を制御部11の一部と解してもよい。記憶部16には、液体吐出装置10の制御に必要な各種情報が記憶される。
【0016】
搬送部17は、所定の搬送方向へ媒体を搬送するための手段であり、回転するローラーや、ローラー等を回転させるモーターを含む。搬送の上流、下流を、以下では単に、上流、下流と言う。媒体は、代表的には用紙であるが、用紙の他、生地やフィルム等、液体による印刷、記録の対象となり得る様々な素材を媒体として採用可能である。また、搬送方向を副走査方向とも呼ぶ。搬送部17は、媒体をベルトやパレットに載せて搬送する機構であってもよい。
【0017】
キャリッジ18は、不図示のキャリッジモーターによる動力を受けて所定の主走査方向に沿って往復移動可能な機構である。主走査方向と搬送方向とは交差している。主走査方向と搬送方向との交差は、直交あるいはほぼ直交と解してよい。キャリッジ18は液体吐出ヘッド19を搭載している。従って、液体吐出ヘッド19はキャリッジ18とともに、主走査方向に沿って往復移動する。液体吐出ヘッド19の移動とキャリッジ18の移動とは同義である。
【0018】
液体吐出ヘッド19は、液体を吐出可能な複数のノズル20を有する。液体吐出ヘッド19に対しては、制御部11による制御下で各ノズル20を駆動する駆動回路21が接続している。ノズル20は、液滴であるドットを吐出する。液体吐出ヘッド19は、画像を印刷するための印刷データに基づいて液体吐出を行う。知られているように、制御部11は、各ノズル20が夫々に備える圧電素子への駆動信号の印加を、印刷データに従って駆動回路21を通じて制御することで、各ノズル20からドットを吐出させたり吐出させなかったりして媒体へ画像を印刷する。駆動回路21を制御部11の一部と捉えてもよい。液体吐出ヘッド19は、例えば、シアン(C)インク、マゼンタ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク等の各色インクを吐出可能である。むろん、液体吐出ヘッド19が吐出するインクの色はCMYKに限定されない。また、液体吐出ヘッド19は、インクやインクに該当しない液体を含めて各種液体を吐出可能である。
【0019】
図2は、媒体30と液体吐出ヘッド19との関係性を上方からの視点により簡易的に示している。液体吐出ヘッド19を搭載するキャリッジ18は、第1方向D1への移動である「第1移動」と、第1方向D1に対する逆方向の第2方向D2への移動である「第2移動」とを交互に行う。つまり、第1方向D1および第2方向D2が主走査方向に該当する。第1移動と第2移動とのどちらを往路移動と捉えるかは問題ではない。例えば、第1移動をキャリッジ18の往路移動と捉え、第2移動をキャリッジ18の復路移動と捉える。第1方向D1および第2方向D2に交差する方向D3が、搬送部17による媒体30の搬送方向D3である。
【0020】
図2では、ノズル面23におけるノズル20の配列の一例を示している。ノズル面23は、液体吐出ヘッド19の下面であり、媒体30と相対する面である。ノズル面23内の個々の小さな丸が個々のノズル20を表している。液体吐出ヘッド19は、インクカートリッジやインクタンク等と呼ばれる不図示の液体保持手段から各色のインクの供給を受けてノズル20から吐出する構成において、インク色別のノズル列24を備える。
図2は、CMYKインクを吐出する液体吐出ヘッド19の例を示している。
【0021】
Cインクを吐出するノズル20からなるノズル列24がノズル列24Cである。同様に、Mインクを吐出するノズル20からなるノズル列24がノズル列24M、Yインクを吐出するノズル20からなるノズル列24がノズル列24Y、Kインクを吐出するノズル20からなるノズル列24がノズル列24Kである。
図2の例では、ノズル列24C,24M,24Y,24Kは、方向D1,D2に沿って配列されている。また、これら色別の複数のノズル列24は搬送方向D3において同じ位置に配設されている。1つのノズル列24は、搬送方向D3におけるノズル20同士の間隔であるノズル間隔が一定或いはほぼ一定とされた複数のノズル20により構成される。
【0022】
キャリッジ18の第1移動や第2移動と共に液体吐出ヘッド19が液体を吐出する動作を、主走査あるいはパスと呼ぶ。また、パスとパスとの間に搬送部17が媒体30を決められた距離だけ上流から下流へ搬送する動作を、紙送りと呼ぶ。制御部11は、液体吐出ヘッド19、キャリッジ18、搬送部17を制御することでパスと紙送りとを実行して、媒体30に2次元の画像を印刷することが可能である。
【0023】
液体吐出装置10は、液体吐出ヘッド19が吐出した廃液を受け入れ貯留するメンテナンスボックス22を有する。メンテナンスボックス22を、以下ではMTB22と略す。MTB22は、キャリッジ18による液体吐出ヘッド19の移動範囲内であって、媒体30が通過する印刷領域外の所定位置に配設されている。
図2の例では、MTB22は、第1方向D1において媒体30に対応する印刷領域よりも前方に配設されている。制御部11は、液体吐出ヘッド19がMTB22上に在るタイミングで、液体吐出ヘッド19に、いわゆるフラッシングを実行させる。
【0024】
フラッシングは、液体吐出ヘッド19のメンテナンスの一種であり、各ノズル20に液体吐出の動作を強制的にさせることにより各ノズル20の詰まりを改善する。フラッシングにより吐出される液体を、MTB22が受容する。
図2の例では、装置の大型化を抑制するために、主走査方向においてMTB22の幅は液体吐出ヘッド19の幅よりも小さく設計されている。そのため、液体吐出ヘッド19は、キャリッジ18による移動中に各ノズル列24がMTB22上を通過するタイミングで各ノズル列24のフラッシングを行う。
【0025】
図1に示す液体吐出装置10の構成は、一台のプリンターによって実現されてもよいし、互いに通信可能に接続した複数の装置により実現されてもよい。つまり、液体吐出装置10は、実態として液体吐出システム10であってもよい。液体吐出システム10は、例えば、制御部11として機能する制御装置と、搬送部17、キャリッジ18、液体吐出ヘッド19、駆動回路21等を有するプリンターと、を含む。このような液体吐出装置10または液体吐出システム10により、液体吐出方法や不良ノズル判定方法が実現される。
【0026】
図3は、液体吐出ヘッド19の内部構造の一部であって、1つのノズル20と、当該1つのノズル20に対応する圧電素子25とを含んだ構造を、断面図により簡易的に例示している。当該構造は複数の層により形成されている。むろん、ノズル20とノズル20に対応する圧電素子25とを含んだ構造は、様々な具体例が知られているため、
図3の通りである必要は無い。ノズル面23に開口するノズル20は、液体吐出ヘッド19の内部において圧力室27に連通している。図示は省略しているが、圧力室27にはインク等の液体が充填されている。圧力室27を囲む壁面のうちの一面は振動板26とされており、振動板26に対しては、圧力室27と逆側の面に圧電素子25が設けられている。
図3の圧電素子25は、圧電素子と圧電素子を駆動するために取り付けられた電極とを含んだアクチュエーターと解してもよい。
【0027】
制御部11による制御下で、上述したように駆動回路21を通じて圧電素子25に駆動信号が印加されることで、圧電素子25が変形し、振動板26が撓んで圧力室27内に圧力変動が生じる。この圧力変動に応じて圧力室27から液体が押し出され、ノズル20を通じてノズル面23の外へ液体のドットが吐出される。
【0028】
制御部11は、ノズル20から液体を吐出させるために圧電素子25へ印加する駆動信号と異なる「特定波形」の駆動信号を圧電素子25へ印加することにより発生する振動に基づいて、ノズル20が不良ノズルであるか否かを判定する不良ノズル判定処理を、複数のノズル20のそれぞれについて実行可能である。ここで言う振動とは、いわゆる残留振動であり、特定波形の駆動信号を圧電素子25へ印加して圧電素子25を駆動させた後、例えば、振動板26が振動する。このような残留振動に応じて圧電素子25に発生する残留振動信号の周波数等の特徴を所定の基準に基づいて評価することにより、制御部11は、ノズル20が不良ノズルであるか否かを判定する。残留振動に基づいて不良ノズルであるか否かを判定する方法自体は公知であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
【0029】
本実施形態では、制御部11は、第1移動中のキャリッジ18が所定の定速移動の状態から減速して停止するまでの期間である「第1移動減速期間」と、第1移動減速期間よりも後の期間であって、キャリッジ18が停止状態から加速して第2移動を開始し前記定速移動の状態になるまでの期間である「第2移動加速期間」と、を跨ぐ期間である「減加速期間」に特定波形の駆動信号の印加を行う。
【0030】
図4は、このような本実施形態の特徴を説明するための図であり、制御部11による制御下で駆動回路21から各圧電素子25に印加する様々な駆動信号を簡易的に示している。
図4では、キャリッジ18の第1移動の期間の一部と、第1移動の後のキャリッジ18の第2移動の期間の一部とを示している。第1移動と第2移動との間の期間Eは、キャリッジ18が停止している停止期間Eである。キャリッジ18が第1移動を終えた後、第2移動を開始する前、キャリッジ18の速度は必ず0になる。そのため、ユーザーの体感としては第1移動と第2移動との間や第2移動と第1移動との間にキャリッジ18が停止する時間が実質的に0であっても、停止期間Eは厳密には0にはならない。
【0031】
第1移動に含まれる期間A2は、キャリッジ18が定速移動する定速期間A2である。むろん、定速と言っても厳密に速度が一定とは限らず、細かな速度変動は有り得る。第1移動に含まれる最後の期間A3は、キャリッジ18が定速移動の状態から減速して停止するまでの減速期間A3である。つまり、減速期間A3が第1移動減速期間に該当する。第2移動に含まれる最初の期間B1は、キャリッジ18が停止状態から加速して第2移動を開始し定速移動の状態になるまでの加速期間B1である。つまり、加速期間B1が第2移動加速期間に該当する。第2移動に含まれる期間B2は、キャリッジ18が定速移動する定速期間B2である。
【0032】
符号40で示す印刷波形40は、ノズル20から液体を吐出するために圧電素子25に印加される駆動信号の波形であり、このような印刷波形40が印加されることで、第1移動によるパス、つまり媒体30に対する印刷が実行される。第1移動において印刷波形40が圧電素子25に印加される期間は基本的に定速期間A2であるが、定速期間A2から減速期間A3に入ってもしばらくは印加される。
【0033】
符号41で示す微振動波形41は、所定の微振動を発生させるために圧電素子25に印加される駆動信号の波形であり、微振動波形41が印加されることで、ノズル20や圧力室27等に微振動が発生し、インクの増粘が抑制される。微振動波形41は、ノズル20から液体を吐出させるための波形ではない。第1移動において微振動波形41は、印刷波形40が圧電素子25に印加される期間の後であって、減速期間A3内に印加される。
【0034】
符号42で示すFL波形42は、フラッシングのために圧電素子25に印加される駆動信号の波形であり、FL波形42が印加されることで、ノズル20から液体を強制的に吐出するフラッシングが実行される。第1移動においてFL波形42は、微振動波形41が圧電素子25に印加される期間の後であって、減速期間A3内に印加される。
図2に関する説明からも解るように、FL波形42は、第1移動の減速期間A3において、キャリッジ18がMTB22上を通過するタイミングで圧電素子25に印加される。
【0035】
符号43で示すテスト波形43は、残留振動を発生させるために圧電素子25に印加される駆動信号の波形であり、上述の「特定波形」に該当する。テスト波形43は、ノズル20から液体を吐出させない程度に圧電素子25を駆動し、残留振動を発生させる。符号44で示す残留振動波形44は、テスト波形43の圧電素子25への印加の後に発生した残留振動に応じて圧電素子25に発生する残留振動信号の波形を示しており、上述したように不良ノズル判定処理に用いられる。
【0036】
第1移動においてテスト波形43は、FL波形42が圧電素子25に印加される期間の後であって、減速期間A3に印加される。さらに
図4に示すように、テスト波形43は、減速期間A3の後の停止期間Eや第2移動の加速期間B1においても継続して印加される。減速期間A3の一部、停止期間Eおよび加速期間B1の一部に亘る連続した期間Fが、減速期間A3と加速期間B1とを跨ぐ減加速期間Fである。つまり本実施形態では、このような減加速期間Fがテスト波形43の印加期間であるため、この期間に対応して制御部11は複数のノズル20について不良ノズル判定処理をすることができる。
【0037】
第2移動の加速期間B1においては、減加速期間Fの後、微振動波形41が圧電素子25に印加される。このタイミングでの微振動波形41の印加は、その後の印刷を円滑に開始するために必要な準備動作と言える。このような微振動波形41の印加後、第2移動の加速期間B1の終盤から印刷波形40の印加が開始され、第2移動の定速期間B2へ移行する。このようにして第2移動によるパス、つまり媒体30に対する印刷が実行される。
言うまでもなく、
図4に示す各波形や波形の数は例に過ぎず、実際のものと同じな訳ではない。
【0038】
図5Aおよび
図5Bはそれぞれ従来技術を示しており、圧電素子に印加する様々な駆動信号を簡易的に示している。
図5A,5Bの見方は
図4の見方と同じであるため、
図4と共通する説明は省略する。従来の液体吐出装置においては、フラッシングおよび不良ノズル判定処理の実行タイミングを、第1移動の減速期間A3または第2移動の加速期間B1のいずれか一方に関連付けて制御していた。
【0039】
図5Aによれば、第2移動の加速期間B1の開始から、微振動波形41の印加、FL波形42の印加、テスト波形43の印加が順に実行される。第2移動における印刷波形40の印加前には、準備動作として微振動波形41を印加する期間を確保する必要がある。そのため、このような第2移動の加速期間B1中においてテスト波形43を圧電素子に印加して不良ノズル判定処理を実行できる期間は、かなり制限されていた。また、キャリッジ18が加速する距離を長くすれば、加速期間B1をより長く確保してテスト波形43を印加する期間も長くすることができるが、その場合、装置の大型化という問題が生じる。
【0040】
一方、
図5Bによれば、第1移動の減速期間A3において、印刷終了後、微振動波形41の印加、FL波形42の印加、テスト波形43の印加が順に実行され、キャリッジ18の停止に伴ってテスト波形43の印加も終了する。そのため、テスト波形43を圧電素子に印加して不良ノズル判定処理を実行できる期間は、このような
図5Bの例においても制限されていた。
【0041】
本実施形態によれば、液体吐出装置10は、圧電素子25の駆動により圧力室27に圧力変動を生じさせて、圧力室27に充填された液体をノズル20から吐出することが可能であり、ノズル20を複数有する液体吐出ヘッド19と、液体吐出ヘッド19を搭載し、第1方向への移動である第1移動と、第1方向に対して逆方向の第2方向への移動である第2移動とを交互に実行するキャリッジ18と、液体吐出ヘッド19およびキャリッジ18を制御する制御部11と、を備える。制御部11は、ノズル20から液体を吐出させるために圧電素子25へ印加する駆動信号と異なる特定波形の駆動信号を圧電素子25へ印加することにより発生する振動に基づいてノズル20が不良ノズルであるか否かを判定する不良ノズル判定処理を複数のノズル20のそれぞれについて実行可能であり、第1移動中のキャリッジ18が所定の定速移動の状態から減速して停止するまでの期間である第1移動減速期間と、第1移動減速期間よりも後の期間であって、キャリッジ18が停止状態から加速して第2移動を開始し前記定速移動の状態になるまでの期間である第2移動加速期間と、を跨ぐ期間である減加速期間Fに特定波形の駆動信号の印加を行う。
【0042】
このような構成によれば、制御部11は、キャリッジ18の第1移動減速期間と第2移動加速期間とを跨ぐ減加速期間Fを利用して、特定波形の駆動信号の圧電素子25への印加を行い、不良ノズル判定処理をすることができる。つまり、媒体30に対しては液体吐出ヘッド19を搭載するキャリッジ18の第1移動、第2移動を交互に繰り返すことで印刷が行われるが、1回の第1移動および第2移動あたりに不良ノズル判定処理の対象とするノズル数を従来よりも増やすことができ、ノズル20の不良有無判定の効率を従来よりも高めることができる。この結果、制御部11は、不良ノズルであるノズル20に関して、不良ノズルであることをできるだけ迅速に認識し、その後のパスにおいて、上述の補完を実行して印刷品質を向上させることができる。
【0043】
本実施形態について、さらに説明する。
制御部11は、キャリッジ18の加速の誤差に応じて予め算出された第2移動加速期間の最小値に基づいて、1回の第2移動加速期間中に特定波形の駆動信号を印加する期間の長さを設定する、としてもよい。
【0044】
キャリッジ18の第1移動や第2移動は、予め定められた速度テーブルに基づいて制御部11がキャリッジモーターをフィードバック制御することにより、理想的な速度を実現しようとする。そのため、1回の第1移動、第2移動それぞれにおける加速期間、定速期間、減速期間それぞれの長さも設計上決まっている。しかしながら、液体吐出装置10の個体差や、液体吐出装置10の設置場所や姿勢の傾き等に起因して、キャリッジ18の加速、減速には誤差が生じ得る。そのため、キャリッジ18の加速に生じ得る誤差を様々な要素に基づいて想定し、そのように想定した誤差に応じて、第2移動加速期間の最小値というものが算出される。
【0045】
一例として、速度0の状態から定速移動の所定の速度に達するために必要な第2移動加速期間の長さが、設計上は1.0秒であり、上述のように算出された第2移動加速期間の長さの最小値が0.8秒であるとする。また、
図4に示した第2移動の加速期間B1における微振動波形41の印加は、例えば、加速期間B1が終わる0.3秒前から実行する必要があるとする。そうすると、加速期間B1の長さが1.0秒であれば、微振動波形41の印加を開始する前に0.7秒の余裕がある。しかしながら、加速期間B1の長さが最小値の0.8秒である場合は、微振動波形41の印加を開始する前に0.5秒の余裕しかない。加速期間B1において、テスト波形43の印加は、微振動波形41の印加を開始する前に終える必要がある。
【0046】
このような事情を鑑みると、制御部11は、加速期間B1の長さの最小値、例えば0.8秒に基づいて、1回の加速期間B1中にテスト波形43の駆動信号を印加する期間の長さを、加速期間B1の開始から例えば0.5秒に設定し、その通りに実行する。このような構成によれば、第2移動の加速期間B1におけるテスト波形43の印加期間が微振動波形41の印加期間に干渉して微振動波形41の印加期間を適切に確保できない、といった事態を回避できる。
【0047】
液体吐出ヘッド19は、複数のノズル20が第1方向D1および第2方向D2に交差する第3方向D3に並ぶノズル列24をn列有する。n、mは夫々が2以上の整数である。nは、
図2の例では4であるが、4でなくても当然よい。制御部11は、1回の減加速期間Fにn列よりも少ないm列のノズル列24分の複数のノズル20に対応する複数の圧電素子25へ特定波形の駆動信号を印加可能である場合に、圧電素子25に特定波形の駆動信号を印加する頻度を、液体としての第1色のインクを吐出するためのノズル列24と、第1色と異なる第2色のインクを吐出するためのノズル列24とで異ならせる、としてもよい。
【0048】
一例として、n=12であり、m=5であるとする。液体吐出ヘッド19が12列のノズル列24を有すると想定した場合、12列のノズル列24がそれぞれ異なる色のインクを吐出する構成であってもよいし、例えば、1色につき2列のノズル列24が割り当てられていて計6色のインクを吐出する構成であってもよい。そして、制御部11は、駆動回路21等を含めた処理能力として、1回の減加速期間F中に、5列のノズル列24分の複数のノズル20に対応する複数の圧電素子25へテスト波形43の印加をすることができる。
【0049】
このような具体例においては、12列全てのノズル列24について不良ノズル判定処理をするには、減加速期間Fが3回、パス数で言うと6パス必要である。一方で、減加速期間Fが3回あれば、最大で3×5=15列のノズル列24について不良ノズル判定処理をすることができる。そこで、制御部11は、不良ノズルによるドットの欠落が画質に与える影響が相対的に大きい第1色、例えば、Kインクを吐出するノズル列24については、それ以外の色(第2色)のインクを吐出するノズル列24よりも高い頻度で、圧電素子25へテスト波形43を印加する対象とする。つまり、3回の減加速期間Fの中で、Kインクを吐出するノズル列24については、そのうちの2回の減加速期間Fのそれぞれで圧電素子25へテスト波形43を印加する対象とし、他の色のインクを吐出する各ノズル列24については、3回のうちのいずれか1回の減加速期間Fで圧電素子25へテスト波形43を印加する対象とする。このような構成によれば、制御部11は、圧電素子25に特定波形の駆動信号を印加する頻度を、インクの色に応じて異ならせることで、インクの特性を考慮して、より適切に印刷品質を保持できるようになる。
【0050】
制御部11は、減加速期間Fに含まれるキャリッジ18が停止している停止期間Eが第1の長さであるときの当該停止期間E中に特定波形の駆動信号を印加する回数よりも、停止期間Eが第1の長さよりも長い第2の長さであるときの当該停止期間E中に特定波形の駆動信号を印加する回数を、多くするとしてもよい。
【0051】
停止期間Eの長さは諸条件によって様々である。停止期間Eは、上述したようにユーザーの体感としては実質的に0に設定されていることがある。あるいは、停止期間Eは、ユーザーが所望するインクの乾燥時間や、紙送りの完了を待つ時間を兼ねて、数秒或いは数十秒に設定されることもある。また、印刷に使用する媒体30の種類によっても停止期間Eの設定は異なる。いずれにしても、制御部11は、印刷処理における停止期間Eの設定を取得し、その長さに応じて、停止期間E中のテスト波形43を印加する回数、つまり不良ノズル判定処理の対象とするノズル数を異ならせる。基本的には、停止期間Eが長いほど、停止期間E中のテスト波形43を印加する回数を増やす。
【0052】
これまでの説明から解るように、テスト波形43を印加することが可能な期間の長さは、テスト波形43を印加する回数の多さ、つまり不良ノズル判定処理の対象とするノズル数の多さとなる。
なお、特許請求の範囲においては、請求項同士の組み合わせの一部のみを記載しているが、本実施形態は、独立請求項と従属請求項との一対一の組み合わせだけでなく、当然に、複数の従属請求項の各種組み合わせを開示範囲に含める。
本実施形態は、液体吐出装置10以外にも、液体吐出装置10が実行する工程やステップによる方法、当該方法をプロセッサーと協働して実現するためのプログラム12といった各カテゴリーの発明を開示する。
【0053】
例えば、液体吐出装置10が実行する不良ノズル判定方法であって、液体吐出装置10は、圧電素子25の駆動により圧力室27に圧力変動を生じさせて、圧力室27に充填された液体をノズル20から吐出することが可能であり、ノズル20を複数有する液体吐出ヘッド19と、液体吐出ヘッド19を搭載し、第1方向への移動である第1移動と、第1方向に対して逆方向の第2方向への移動である第2移動とを交互に実行するキャリッジ18と、を備える。当該方法によれば、ノズル20から液体を吐出させるために圧電素子25へ印加する駆動信号と異なる特定波形の駆動信号を圧電素子25へ印加することにより発生する振動に基づいてノズル20が不良ノズルであるか否かを判定する不良ノズル判定処理を複数のノズル20のそれぞれについて実行可能であり、第1移動中のキャリッジ18が所定の定速移動の状態から減速して停止するまでの期間である第1移動減速期間と、第1移動減速期間よりも後の期間であって、キャリッジ18が停止状態から加速して第2移動を開始し前記定速移動の状態になるまでの期間である第2移動加速期間と、を跨ぐ期間である減加速期間Fに前記特定波形の駆動信号の印加を行う。
【符号の説明】
【0054】
10…液体吐出装置、11…制御部、12…プログラム、17…搬送部、18…キャリッジ、19…液体吐出ヘッド、20…ノズル、21…駆動回路、22…MTB、23…ノズル面、24…ノズル列、25…圧電素子、26…振動板、27…圧力室、40…印刷波形、41…微振動波形、42…FL波形、43…テスト波形、44…残留振動波形