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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024172113
(43)【公開日】2024-12-12
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/00 20060101AFI20241205BHJP
   G03B 21/16 20060101ALI20241205BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20241205BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241205BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
G03B21/00 D
G03B21/16
G03B21/14 Z
H04N5/74 E
H04N9/31 440
H05K7/20 H
H04N5/64 501D
H04N5/64 541J
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089636
(22)【出願日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】大月 伸行
(72)【発明者】
【氏名】月岡 敬太
(72)【発明者】
【氏名】松宮 俊夫
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
5C060
5E322
【Fターム(参考)】
2K203KA02
2K203KA07
2K203KA25
2K203LA06
2K203LA12
2K203LA23
2K203LA26
2K203LA29
2K203MA18
2K203MA32
5C058BA35
5C058EA52
5C060JA29
5E322AA01
5E322BA02
5E322BA03
5E322BB03
5E322EA11
5E322FA09
(57)【要約】
【課題】複雑化を抑制できるとともに、小型化できるプロジェクターを提供する。
【解決手段】プロジェクターは、第1軸において互いに反対側となる第1壁及び第2壁と、第2軸において互いに反対側となる第3壁及び第4壁と、第3軸において互いに反対側となる第5壁及び第6壁とを有する外装筐体と、スピーカー筐体、及び、スピーカー筐体に設けられた第1放音部を有するスピーカーユニットと、外装筐体の内部に設けられたファンと、を備え、第1壁は、外装筐体の内部と外部とを連通させて、第1放音部の放音口となる連通口を有し、第5壁は、設置面に接触する接触部と、第1壁に連続して設けられ、設置面に接触しない非接触部と、非接触部に設けられ、連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口と、を有し、スピーカー筐体は、連通口及び吸気口のそれぞれに対向して配置され、ファンは、連通口及び吸気口と連通し、外装筐体の外気を吸引する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸において互いに反対側に設けられた第1壁及び第2壁と、前記第1軸に直交する第2軸において互いに反対側に設けられた第3壁及び第4壁と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸において互いに反対側に設けられた第5壁及び第6壁と、を有する外装筐体と、
スピーカー筐体、及び、前記スピーカー筐体に設けられた第1放音部を有するスピーカーユニットと、
前記外装筐体の内部に設けられたファンと、を備え、
前記第1壁は、前記外装筐体の内部と外部とを連通させて、前記第1放音部の放音口となる連通口を有し、
前記第5壁は、
設置面に接触する接触部と、
前記第1壁に連続して設けられ、前記設置面に接触しない非接触部と、
前記非接触部に設けられ、前記連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口と、を有し、
前記スピーカー筐体は、前記連通口及び前記吸気口のそれぞれに対向して配置され、
前記ファンは、前記連通口及び前記吸気口と連通し、前記外装筐体の外気を吸引する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記非接触部は、前記接触部に対して前記第6壁側に設けられた段差部である、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記非接触部は、前記第1壁及び前記第5壁のそれぞれに跨る傾斜面である、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記接触部は、前記第5壁から突出する脚部である、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、前記連通口を放音口として、前記第1放音部とは異なる音域の音を出力する第2放音部を有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体の内面と前記スピーカー筐体との間に設けられる封止材を備え、
前記スピーカーユニットは、前記スピーカー筐体に設けられ、前記第1放音部とは異なる音域の音を出力する第2放音部を有し、
前記封止材は、前記ファンに流通する気流と前記第2放音部とを仕切り、
前記外装筐体は、前記第2放音部の放音口を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2放音部は、前記第1放音部よりも高音域の音を出力可能である、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、前記スピーカー筐体において前記第1壁と対向しない向きに配置されて、低音域の音を出力する放音部を有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項9】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカー筐体は、前記第1壁の内面に対向する対向面に凹部を有し、
前記第1放音部は、前記凹部に設けられ、
前記ファンに流通する気流は、前記凹部を流通する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項10】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記連通口と前記吸気口と前記ファンとが連通するダクトを有し、
前記スピーカーユニットは、前記ダクト内に配置される、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体は、前記吸気口に設けられるメッシュを有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項12】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、前記第1放音部の少なくとも一部を覆う多孔質部材を有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項13】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、
バスレフダクトと、
多孔質部材と、を備え、
前記バスレフダクトは、
前記スピーカー筐体内に配置された入口側ポートと、
前記第1放音部である出口側ポートと、を有し、
前記多孔質部材は、前記入口側ポートを覆う位置、前記入口側ポートと前記出口側ポートとの間の位置、及び、前記出口側ポートを覆う位置のいずれかの位置に設けられている、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項14】
第1軸において互いに反対側に設けられた第1壁及び第2壁と、前記第1軸に直交する第2軸において互いに反対側に設けられた第3壁及び第4壁と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸において互いに反対側に設けられた第5壁及び第6壁と、を有する外装筐体と、
スピーカー筐体と、前記スピーカー筐体に設けられた第1放音部と、前記第1放音部よりも高音域の音を出力可能な第2放音部と、を有するスピーカーユニットと、
前記外装筐体の内部に設けられたファンと、
前記外装筐体の内部に設けられた封止材と、を備え、
前記第1壁は、前記外装筐体の内部と外部とを連通させて、前記第1放音部の放音口となる連通口を有し、
前記第5壁は、
設置面に接触する接触部と、
前記第1壁に連続して設けられ、前記設置面に接触しない非接触部と、
前記非接触部に設けられ、前記連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口と、を有し、
前記スピーカー筐体は、前記第1壁及び前記第5壁のそれぞれに対向して配置され、
前記ファンは、前記連通口及び前記吸気口と連通し、前記外装筐体の外気を吸引し、
前記封止材は、前記第1放音部と前記第2放音部とを仕切り、前記第1放音部を囲んで、前記連通口及び前記吸気口と前記ファンとを連通させるダクトを構成する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、筐体内に導入した外気によって冷却対象を冷却するプロジェクターが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の液晶プロジェクターでは、冷却対象であるLCDユニット及び偏光板ユニットは、送風用ファンによって第1外気吸気口及び吸気ダクトから取り込まれた外気によって空冷される。吸気ダクトには、第2外気吸気口が設けられており、第1外気吸気口が閉塞された場合に、第2外気吸気口を介して液晶プロジェクターの内部の空気が吸入される。これにより、液晶プロジェクターの内部に新たな空気の流れが形成され、LCDユニット及び偏光板ユニットが冷却される。
なお、特許文献1には、第2外気吸気口を内側に開く蓋によって構成し、第1外気吸気口が閉塞された場合に、液晶プロジェクター内の気圧の低下に応じて、当該蓋が自動的に開くように構成する例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-325982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の液晶プロジェクターでは、第2外気吸気口は、第1外気吸気口が閉塞された緊急時に外気を取り込むための開口であり、通常時には用いられない。すなわち、特許文献1に記載の液晶プロジェクターでは、緊急時の外気取込用の第2外気吸気口を第1外気吸気口とは別に設ける必要がある。
更に、内側に開く蓋によって第2外気吸気口を構成した場合には、第2外気吸気口の構成が更に複雑化し、プロジェクターの小型化が阻害されるという問題がある。
このため、構成の複雑化の抑制、及び、装置の小型化が要望されてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様に係るプロジェクターは、第1軸において互いに反対側に設けられた第1壁及び第2壁と、前記第1軸に直交する第2軸において互いに反対側に設けられた第3壁及び第4壁と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸において互いに反対側に設けられた第5壁及び第6壁と、を有する外装筐体と、スピーカー筐体、及び、前記スピーカー筐体に設けられた第1放音部を有するスピーカーユニットと、前記外装筐体の内部に設けられたファンと、を備え、前記第1壁は、前記外装筐体の内部と外部とを連通させて、前記第1放音部の放音口となる連通口を有し、前記第5壁は、設置面に接触する接触部と、前記第1壁に連続して設けられ、前記設置面に接触しない非接触部と、前記非接触部に設けられ、前記連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口と、を有し、前記スピーカー筐体は、前記連通口及び前記吸気口のそれぞれに対向して配置され、前記ファンは、前記連通口及び前記吸気口と連通し、前記外装筐体の外気を吸引する。
【0006】
本開示の第2態様に係るプロジェクターは、第1軸において互いに反対側に設けられた第1壁及び第2壁と、前記第1軸に直交する第2軸において互いに反対側に設けられた第3壁及び第4壁と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸において互いに反対側に設けられた第5壁及び第6壁と、を有する外装筐体と、スピーカー筐体と、前記スピーカー筐体に設けられた第1放音部と、前記第1放音部よりも高音域の音を出力可能な第2放音部と、を有するスピーカーユニットと、前記外装筐体の内部に設けられたファンと、前記外装筐体の内部に設けられた封止材と、を備え、前記第1壁は、前記外装筐体の内部と外部とを連通させて、前記第1放音部の放音口となる連通口を有し、前記第5壁は、設置面に接触する接触部と、前記第1壁に連続して設けられ、前記設置面に接触しない非接触部と、前記非接触部に設けられ、前記連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口と、を有し、前記スピーカー筐体は、前記第1壁及び前記第5壁のそれぞれに対向して配置され、前記ファンは、前記連通口及び前記吸気口と連通し、前記外装筐体の外気を吸引し、前記封止材は、前記第1放音部と前記第2放音部とを仕切り、前記第1放音部を囲んで、前記連通口及び前記吸気口と前記ファンとを連通させるダクトを構成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
図2】第1実施形態に係るプロジェクターを示す斜視図。
図3】第1実施形態に係るファブリックユニットを示す斜視図。
図4】第1実施形態に係るファブリックユニットを示す斜視図。
図5】第1実施形態に係るプロジェクターを示す断面図。
図6】第1実施形態に係る光源装置の構成を示す模式図。
図7】第1実施形態に係るファブリックユニット及びロアーケースを取り外した状態のプロジェクターを示す斜視図。
図8】第1実施形態に係るスピーカーユニットを示す斜視図。
図9】第1実施形態に係るスピーカーユニットを示す平面図。
図10】第1実施形態に係るプロジェクターを示す断面図。
図11】第1実施形態に係る第1吸気口を介して外装筐体の内部に導入された冷却気体の流れを説明する図。
図12】第1実施形態に係る第1吸気口を介して外装筐体の内部に導入された冷却気体の流れを説明する図。
図13】第2実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示す模式図。
図14】第3実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本開示の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの構成]
図1及び図2は、本実施形態に係るプロジェクター1を示す斜視図である。詳述すると、図1は、上方正面側から見たプロジェクター1を示す斜視図であり、図2は、下方背面側から見たプロジェクター1を示す斜視図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、画像情報に応じた画像光を被投射面に投射する。プロジェクター1は、図1及び図2に示すように、外装筐体2を備える。
以下の説明では、互いに直交する三方向を、+X方向、+Y方向及び+Z方向とする。+Y方向は、プロジェクター1が設置される設置面に対して垂直に起立する方向である。+Y方向からプロジェクター1を見た場合、+Z方向は、プロジェクター1が画像光を投射する方向である。
図示を省略するが、+X方向とは反対方向を-X方向とし、+Y方向とは反対方向を-Y方向とし、+Z方向とは反対方向を-Z方向とする。図示を省略するが、+X方向に沿う軸をX軸とし、+Y方向に沿う軸をY軸とし、+Z方向に沿う軸をZ軸とする。
【0009】
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、図1及び図2に示すように、プロジェクター1の外装を構成する筐体である。外装筐体2は、+Y方向の部分を構成するアッパーケース2Aと、-Y方向の部分を構成するロアーケース2Bと、-Z方向、+X方向及び-X方向のそれぞれの一部を構成するファブリックユニット2Cと、を備える。外装筐体2は、アッパーケース2A、ロアーケース2B及びファブリックユニット2Cが組み合わされて略直方体形状に構成されている。外装筐体2は、正面21、背面22、右側面23、左側面24、天面25、底面26及び傾斜面27を有する。
正面21は、アッパーケース2Aにおける-Y方向の部分と、ロアーケース2Bにおける+Y方向の部分とによって構成される。背面22、右側面23及び左側面24のそれぞれは、アッパーケース2Aにおける-Y方向の部分と、ロアーケース2Bにおける+Y方向の部分と、ファブリックユニット2Cとによって構成される。天面25は、アッパーケース2Aによって構成され、底面26は、ロアーケース2Bによって構成される。
【0010】
[正面及び背面の構成]
図1に示す正面21と、図2に示す背面22とは、Z軸において互いに反対側となる面である。正面21は、第2壁に相当し、背面22は、第1壁に相当する。
正面21は、図1に示すように、外装筐体2において+Z方向を向く側面であり、底面26と連続している。正面21には、被投射面に投射される画像光が通過する投射口211が設けられている。
背面22は、図2に示すように、外装筐体2において+Z方向を向く側面である。背面22における-Y方向の部分は、後述するスピーカーユニット6を-Z方向にて覆うファブリックユニット2Cによって構成されている。
【0011】
[右側面及び左側面の構成]
図1に示す右側面23と、図2に示す左側面24とは、X軸において互いに反対側となる面である。右側面23及び左側面24のうち、一方の側面は、第3壁に相当し、他方の側面は、第4壁に相当する。
右側面23は、図1に示すように、外装筐体2において+X方向を向く側面である。右側面23には、電源ボタン231、接続端子232~235及びインレット236が設けられている。
左側面24は、図2に示すように、外装筐体2において-X方向を向く側面である。左側面24には、外装筐体2内を流通した冷却気体を排出する排出口241,242が設けられている。
【0012】
[ファブリックユニットの構成]
図3及び図4は、外装筐体2の内側から見たファブリックユニット2Cを示す斜視図である。詳述すると、図3は、-X方向と+Z方向と+Y方向とから見たファブリックユニット2Cを示す斜視図であり、図4は、+X方向と+Z方向と-Y方向とから見たファブリックユニット2Cを示す斜視図である。なお、図3及び図4においては、連通口2CA1、右側放音口2CR1及び左側放音口2CL1のそれぞれを構成する複数の開口部2C2のうち一部の開口部2C2についてのみ符号を付す。
ファブリックユニット2Cは、図1及び図2に示すように、背面22、右側面23及び左側面24に跨るように配置される。
ファブリックユニット2Cは、図3及び図4に示すように、フレーム2C1とファブリック2C3とが組み合わされて構成されている。
【0013】
フレーム2C1は、+Y方向から見て略U字状に形成されている。フレーム2C1は、-Z方向の背面22における-Y方向の部分を構成する背面部2CAと、+X方向の右側面23における-Y方向かつ-Z方向の部分を構成する右側面部2CRと、-X方向の左側面24における-Y方向かつ-Z方向の部分を構成する左側面部2CLと、を有する。
背面部2CAは、後述する第1放音部62の放音口となる連通口2CA1を有する。
右側面部2CRは、後述する第2放音部63の放音口となる右側放音口2CR1を有する。
左側面部2CLは、後述する第2放音部64の放音口となる左側放音口2CL1を有する。
連通口2CA1、右側放音口2CR1及び左側放音口2CL1のそれぞれは、縦横に配列された複数の開口部2C2によって構成されており、外装筐体2の内部と外部とを連通させる。なお、連通口2CA1を介する冷却気体の流路抵抗と、右側放音口2CR1を介する冷却気体の流路抵抗と、左側放音口2CL1を介する冷却気体の流路抵抗とのそれぞれは同じである。
【0014】
網で構成されるファブリック2C3は、フレーム2C1の外側の面に設けられている。すなわち、ファブリック2C3は、フレーム2C1の外側にて連通口2CA1、右側放音口2CR1及び左側放音口2CL1を覆う。
このように、外装筐体2の背面22、右側面23及び左側面24のそれぞれの一部を構成するファブリックユニット2Cは、連通口2CA1、右側放音口2CR1及び左側放音口2CL1を備える。このため、ファブリックユニット2Cが取り付けられた外装筐体2は、連通口2CA1、右側放音口2CR1及び左側放音口2CL1を備える。
【0015】
[天面及び底面の構成]
図1に示す天面25と、図2に示す底面26とは、Y軸において互いに反対側となる面である。天面25は、第6壁に相当し、底面26は、第5壁に相当する。
天面25は、図1に示すように、外装筐体2において+Y方向を向く面である。
底面26は、図2に示すように、外装筐体2において-Y方向を向く面である。換言すると、底面26は、プロジェクター1が載置される設置面と対向する対向面であり、外装筐体2において-Y方向から見える部分である。
【0016】
底面26は、突出部261及び段差部263を有する。
突出部261は、底面26の略中央において-Y方向に突出した部分であり、-Y方向から見て略矩形状に形成されている。突出部261には、固定脚部262が設けられている。
固定脚部262は、突出部261において-Z方向の2つの隅部のそれぞれに設けられている。固定脚部262は、設置面に接触する接触部の1つである。
【0017】
段差部263は、底面26において突出部261以外の部分であり、設置面に接触しない非接触部である。具体的に、段差部263は、突出部261において固定脚部262が設けられた面261Aよりも+Y方向に配置されており、プロジェクター1が設置面に設置されたときに設置面から+Y方向に離間する。
段差部263には、第1吸気口264、メッシュ265、第2吸気口266、第3吸気口267及び調節脚部268が設けられている。すなわち、外装筐体2は、第1吸気口264及びメッシュ265を備える。
【0018】
第1吸気口264は、突出部261に対して-Z方向に配置されている。すなわち、第1吸気口264は、底面26において背面22側の位置に設けられている。第1吸気口264は、X軸に沿って配列された複数の開口である。外装筐体2内に配置された後述する第1ファン51が駆動すると、外装筐体2の外気が第1吸気口264を介して外装筐体2の内部に導入される。なお、段差部263において、第1吸気口264が設けられた部分は、背面22と連続して設けられている。
メッシュ265は、第1吸気口264に対応して外装筐体2の内部に設けられて、第1吸気口264を流通する外気に含まれる塵埃を捕集する。メッシュ265の目は、ファブリックユニット2Cのファブリック2C3の目よりも粗い。このため、第1吸気口264を通過する外気の流路抵抗は、連通口2CA1を通過する外気の流路抵抗よりも小さい。
【0019】
第2吸気口266は、底面26において+X方向かつ+Z方向の部分に配置され、第3吸気口267は、底面26において-X方向かつ+Z方向の部分に配置されている。図示を省略するが、第2吸気口266には、スポンジ状のフィルターが設けられ、第3吸気口267には、メッシュが設けられている。
各吸気口264,266,267は、外装筐体2の外気を外装筐体2の内部に、冷却気体として導入する。外装筐体2の内部に導入された冷却気体は、後述する冷却装置5のファン51,54,55によって、冷却対象に流通する。冷却対象を冷却した冷却気体は、排出口241,242から外装筐体2の外部に排出される。
調節脚部268は、X軸において第2吸気口266と第3吸気口267とによって挟まれる位置に設けられている。調節脚部268は、底面26からの突出量を調節可能な脚部であり、設置面に接触する接触部の1つである。
【0020】
[傾斜面の構成]
傾斜面27は、正面21、背面22、右側面23及び左側面24と底面26とに跨るように、ロアーケース2Bに設けられている。傾斜面27は、正面側傾斜面27A、背面側傾斜面27B、右側傾斜面27C及び左側傾斜面27Dを含む。
正面側傾斜面27Aは、正面21における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。正面側傾斜面27Aは、正面21と底面26とに跨り、正面21とは反対側の背面22に向かうに従って設置面に近接する面である。すなわち、正面側傾斜面27Aにおける-Y方向の部分は、正面21に対して傾斜し、正面側傾斜面27Aにおける+Y方向の部分は、底面26に対して傾斜する。
【0021】
背面側傾斜面27Bは、背面22における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。
右側傾斜面27Cは、右側面23における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。
左側傾斜面27Dは、左側面24における-Y方向の部分と、底面26における+Y方向の部分とにより構成されている。
背面側傾斜面27B、右側傾斜面27C及び左側傾斜面27Dのそれぞれは、正面側傾斜面27Aと同様に傾斜している。
【0022】
[外装筐体の内部構成]
図5は、XZ平面に沿うプロジェクター1の断面を示す図である。
プロジェクター1は、外装筐体2の他、図5に示すように、外装筐体2内における+Y方向の部分に配置される画像投射装置3、通信装置4及び冷却装置5を備える。
この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、画像投射装置3、通信装置4及び冷却装置5に対する+Y方向に配置される制御基板を備える。制御基板は、プロジェクター1の動作を制御する。
【0023】
[画像投射装置の構成]
画像投射装置3は、画像情報に応じた画像光を生成し、生成した画像光を投射する。画像投射装置3は、外装筐体2の略中央にX軸及びZ軸に沿って設けられている。画像投射装置3は、光源装置31、均一化光学系32、色分離光学系33、リレー光学系34、画像形成装置35、光学部品用筐体36及び投射光学装置37を備える。
光源装置31は、外装筐体2内において-X方向で、かつ、Z軸における略中央の位置に設けられ、+X方向に照明光を出射する。光源装置31の構成は、後に詳述する。
【0024】
均一化光学系32は、光源装置31から出射された照明光を均一化する。均一化された照明光は、色分離光学系33及びリレー光学系34を経て、後述する光変調装置352の光変調領域を照明する。均一化光学系32は、2つのレンズアレイ321,322、偏光変換素子323及び重畳レンズ324を備える。
色分離光学系33は、均一化光学系32から入射する照明光を赤、緑及び青の各色光に分離する。色分離光学系33は、2つのダイクロイックミラー331,332と、ダイクロイックミラー331によって分離された青色光を反射する反射ミラー333と、を備える。
【0025】
リレー光学系34は、他の色光の光路より長い赤色光の光路に設けられ、赤色光の損失を抑制する。リレー光学系34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、反射ミラー342,344を備える。なお、他の色光の光路よりも長い光路を有する色光を青色光とし、青色光の光路上にリレー光学系34を設ける構成としてもよい。
【0026】
画像形成装置35は、入射する赤、緑及び青の各色光を変調し、変調した各色光を合成して画像光を形成する。すなわち、画像形成装置35は、光源装置31から出射された照明光を変調して画像光を形成する。画像形成装置35は、入射する色光に応じて設けられる3つのフィールドレンズ351と、3つの光変調装置352と、1つの色合成部353と、を備える。
【0027】
3つの光変調装置352は、光源装置31から出射された照明光を画像情報に応じて変調する。3つの光変調装置352は、赤色光を変調する光変調装置352R、緑色光を変調する光変調装置352G、及び、青色光を変調する光変調装置352Bを含む。光変調装置352は、例えば、液晶パネルと、液晶パネルを挟む一対の偏光板とによって構成できる。
色合成部353は、光変調装置352B,352G,352Rによって変調された3つの色光を合成して画像光を形成し、形成した画像光を投射光学装置37に出射する。本実施形態では、色合成部353は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、これに限らず、例えば複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
【0028】
光学部品用筐体36は、均一化光学系32、色分離光学系33及びリレー光学系34を収容する。
投射光学装置37は、画像形成装置35から入射する画像光を被投射面に拡大して投射する投射レンズである。投射光学装置37としては、複数のレンズと、複数のレンズが内部に収容される筒状の鏡筒とを有する組レンズを例示できる。
【0029】
[光源装置の構成]
図6は、光源装置31の構成を示す模式図である。
光源装置31は、均一化光学系32に向けて+X方向に照明光WLを出射する。光源装置31は、図6に示すように、光源311、第1放熱部材312、拡散透過部313、光分離部314、第1集光素子315、波長変換素子316、第2放熱部材317、第2集光素子318、拡散反射素子319及び光源用筐体CAを備える。
【0030】
光源装置31には、Z軸に沿う光軸Ax1と、光軸Ax1に直交してX軸に沿う光軸Ax2とが設定されている。光源装置31の光学部品は、光軸Ax1又は光軸Ax2上に配置されている。
具体的に、光源311、拡散透過部313、光分離部314、第1集光素子315及び波長変換素子316は、光軸Ax1上に配置されている。
拡散反射素子319、第2集光素子318及び光分離部314は、光軸Ax2上に配置されている。すなわち、光分離部314は、光軸Ax1と光軸Ax2との交差部に配置される。
光軸Ax2は、均一化光学系32のレンズアレイ321にて、画像投射装置3の光軸と繋がる。
【0031】
[光源用筐体の構成]
光源用筐体CAは、光源311、拡散透過部313、光分離部314、第1集光素子315、波長変換素子316、第2集光素子318及び拡散反射素子319を収容する。本実施形態では、光源用筐体CAは、内部に塵埃が侵入しにくい密閉筐体である。しかしながら、これに限らず、光源用筐体CAは、上記した光学部品を収容できればよい。
【0032】
[光源の構成]
光源311は、-Z方向に光を出射する。光源311は、発光素子3111及び基板3112を備える。
発光素子3111は、青色光BLを出射する。青色光BLは、波長変換素子316の蛍光体を励起させる励起光である。発光素子3111は、ピーク波長が455nmのレーザー光を出射する半導体レーザーである。
基板3112は、発光素子3111を支持した状態にて光源用筐体CAに固定される。基板3112は、発光素子3111から熱を受熱し、受熱した熱を第1放熱部材312に伝達する。すなわち、基板3112は、発光素子3111を支持する支持基板として機能する他、発光素子3111から受熱する受熱基板として機能する。
【0033】
[第1放熱部材の構成]
第1放熱部材312は、冷却装置5の後述する第3ダクト56内に配置され、基板3112から伝達される熱を放熱する。第1放熱部材312は、後述する第3ファン55から流通する冷却気体に、基板3112を介して伝達される発光素子3111の熱を伝達し、これにより、発光素子3111を冷却する。
【0034】
[拡散透過部の構成]
拡散透過部313は、光源311から入射する青色光BLを拡散させて、照度分布を均一化した光を出射する。拡散透過部313から出射された青色光BLは、光分離部314に入射する。拡散透過部313は、ホログラムを有する構成、複数の小レンズが光軸直交面に配列された構成、及び、光が通過する面が粗面である構成を例示できる。
なお、拡散透過部313に代えて、一対のマルチレンズアレイを有するホモジナイザー光学素子を光源装置31に採用してもよい。一方、拡散透過部313が採用される場合には、ホモジナイザー光学素子が採用される場合に比べて、光源311から光分離部314までの距離を短くできる。
【0035】
[光分離部の構成]
光分離部314は、光源311から拡散透過部313を介して入射する青色光BLのうち、一部の青色光BLを通過させ、他の青色光BLを反射するハーフミラーの機能を有する。すなわち、光分離部314は、拡散透過部313から入射する青色光BLのうち、一部の青色光BLである第1部分光を-Z方向に透過させて第1集光素子315に入射させ、他の青色光BLである第2部分光を-X方向に反射して第2集光素子318に入射させる。
光分離部314は、波長変換素子316から+Z方向に入射する蛍光YLを反射し、拡散反射素子319から+X方向に入射する青色光BLを透過させるダイクロイックミラーの機能を更に有する。
【0036】
[第1集光素子の構成]
第1集光素子315は、光分離部314を透過した第1部分光を波長変換素子316に集光する。また、第1集光素子315は、波長変換素子316から入射する蛍光YLを平行化する。
【0037】
[波長変換素子の構成]
波長変換素子316は、入射する光の波長を変換した変換光を、光の入射方向とは反対方向に拡散させて出射する反射型の波長変換素子である。波長変換素子316は、蛍光体層3161及び基板3162を有し、光源用筐体CAに対して直接又は間接的に固定されている。
蛍光体層3161は、励起光である青色光BLが入射されることによって励起される蛍光体を含有し、入射した青色光BLよりも波長が長い蛍光YLを反射する。蛍光体層3161から出射される光は、例えば500~700nmの範囲にピーク波長を有する非偏光の蛍光YLであり、蛍光YLは、緑色光及び赤色光を含む。
基板3162は、蛍光体層3161を支持するとともに、蛍光体層3161から受熱する。図示を省略するが、蛍光体層3161と基板3162との間には、蛍光体層3161から入射する光を反射する反射層が設けられている。
波長変換素子316から出射された蛍光YLは、光軸Ax1に沿って第1集光素子315を通過した後、光分離部314に入射する。光分離部314に入射した蛍光YLは、光分離部314にて+X方向に反射されて、光軸Ax2に沿って光源装置31の外部に出射される。
【0038】
[第2放熱部材の構成]
第2放熱部材317は、後述する第2ダクト53内に配置され、基板3162から伝達される熱を放熱する。第2放熱部材317は、後述する第1ファン51から流通する冷却気体に、基板3162を介して伝達される蛍光体層3161の熱を伝達し、これにより、波長変換素子316を冷却する。
【0039】
[第2集光素子の構成]
第2集光素子318は、光分離部314から入射する第2部分光を拡散反射素子319に集光する。第2集光素子318は、拡散反射素子319から入射する青色光を平行化する。
【0040】
[拡散反射素子の構成]
拡散反射素子319は、光源用筐体CAの内面に固定されている。拡散反射素子319は、波長変換素子316から出射される蛍光YLの拡散角と略同じ拡散角、もしくは、蛍光YLの拡散角よりも少し小さい拡散角で、第2集光素子318から入射する青色光BLを反射して拡散させる。すなわち、拡散反射素子319は、入射する光の波長を変換せずに、入射する光を反射して拡散させる。
拡散反射素子319にて+X方向に反射された青色光BLは、第2集光素子318を通過した後、光分離部314を+X方向に通過し、蛍光YLとともに光源装置31の外部に出射される。
以上のように、光源装置31の外部に出射される照明光WLは、青色光BLと、緑色光及び赤色光を含む蛍光YLとが混在した白色光である。
【0041】
[通信装置の構成]
図5に示す通信装置4は、上記した制御基板と電気的に接続され、例えば映像出力装置等の図示しない外部機器と無線にて通信する。詳述すると、通信装置4は、映像出力装置から映像信号を受信し、受信した映像信号を制御装置に出力する。
通信装置4は、直方体形状に構成されており、通信装置4の長手方向がX軸に沿うように、背面22に沿って外装筐体2の内部に配置される。通信装置4は、後述する第1ファン51によって流通する冷却気体によって冷却される。
【0042】
[冷却装置の構成]
冷却装置5は、プロジェクター1を構成する冷却対象を冷却する。冷却装置5は、第1ファン51、第1ダクト52、第2ダクト53、第2ファン54、第3ファン55及び第3ダクト56を備える。第1ファン51、第1ダクト52、第2ダクト53、第2ファン54、第3ファン55及び第3ダクト56のそれぞれは、外装筐体2の内部に設けられている。
【0043】
[第1ファンの構成]
第1ファン51は、吸気部511,512及び送出部513を有する両面吸気型のシロッコファンである。第1ファン51は、吸気部511が-Z方向を向き、吸気部512が+Z方向を向き、送出部513が-X方向を向くように、通信装置4に対する+Z方向に、通信装置4と隣接して配置される。
第1ファン51は、外装筐体2内に導入した冷却気体を第1冷却対象及び第2冷却対象に流通させて、各冷却対象を冷却する。具体的に、第1ファン51は、第1ダクト52を流通する冷却気体を吸引し、第1冷却対象としての通信装置4と、第2冷却対象としての波長変換素子316に熱伝達可能に接続された第2放熱部材317とに冷却気体を流通させて、通信装置4及び波長変換素子316を冷却する。
第1ファン51によって吸引される冷却気体については後に詳述する。
【0044】
[第1ダクトの構成]
第1ダクト52は、第1ファン51の吸気側ダクトであり、第1吸気口264又は連通口2CA1から外装筐体2の内部に導入した冷却気体を第1ファン51に流通させる。すなわち、第1ダクト52は、第1ファン51と、連通口2CA1及び第1吸気口264とを連通させ、第1ファン51は、第1ダクト52を介して外装筐体2の外気を吸引する。
第1ダクト52は、外装筐体2の背面22の内面と、後述するスピーカーユニット6とによって構成される。第1ダクト52を流通した冷却気体のうち、一部の冷却気体は、第1ファン51内に吸引される前に、通信装置4に沿って流通して、通信装置4を冷却する。例えば、冷却気体は、通信装置4において-Z方向を向く面41に沿って流通する。
【0045】
[第2ダクトの構成]
第2ダクト53は、第1ファン51の排気側ダクトであり、第1ファン51の送出部513と排出口241とを接続する。第2ダクト53の内部には、通信装置4において+Z方向を向く面42が露出する他、第2放熱部材317が配置される。第1ファン51から-X方向に送出された冷却気体は、第2ダクト53内を-X方向に流通して、通信装置4を冷却した後、第2放熱部材317に流通して第2放熱部材317を冷却する。第2放熱部材317を冷却した冷却気体は、第2ダクト53を流通し、排出口241から外装筐体2の外部に排出される。
【0046】
[第2ファンの構成]
第2ファン54は、外装筐体2の内部において+X方向かつ+Z方向の隅部に設けられている。第2ファン54は、第2吸気口266を介して外装筐体2の外気を冷却気体として吸引し、吸引した冷却気体を光変調装置352と、画像投射装置3に対する+Y方向に配置された制御基板とに送出する。
なお、第2ファン54によって冷却気体が送出されることによって、外装筐体2の内部において画像投射装置3及び制御基板の配置部分は、陽圧となる。一方、詳しい図示を省略するが、制御基板に対する+Y方向の空間は、排出口241と連通している。
このため、光変調装置352を含む画像形成装置35及び制御基板を冷却した冷却気体は、陽圧によって排出口241に向かって押し出されるとともに、第2ダクト53を流通して排出口241から排出される冷却気体の流れによって引っ張られて、排出口241から外装筐体2の外部に排出される。
【0047】
[第3ファン及び第3ダクトの構成]
第3ファン55は、外装筐体2の内部において-X方向かつ+Z方向の隅部に設けられている。第3ファン55は、第3吸気口267を介して外装筐体2の外気を冷却気体として吸引し、吸引した冷却気体を第1放熱部材312に送出する。なお、第3ファン55の送出口551は、第3ダクト56内に開口している。
第3ダクト56は、第3ファン55の送出口551と、左側面24に開口する排出口242とを接続する、第3ダクト56には、第3ファン55から送出された冷却気体が流通する。上記のように、第3ダクト56内には第1放熱部材312が配置されているので、第3ファン55から第3ダクト56内に送出された冷却気体は、第1放熱部材312を冷却した後、排出口242から外装筐体2の外部に排出される。
【0048】
[スピーカーユニットの構成]
図7は、ロアーケース2B及びファブリックユニット2Cを取り外した状態のプロジェクター1を背面側から見た斜視図である。図8は、スピーカーユニット6を示す斜視図であり、図9は、+Y方向から見たスピーカーユニット6を示す平面図である。
プロジェクター1は、上記構成に加えて、図7に示すように、外装筐体2内に配置されるスピーカー装置であるスピーカーユニット6を更に備える。
スピーカーユニット6は、外装筐体2における-Y方向かつ-Z方向の部分に配置されて、制御基板から入力する音声信号に応じた音声を出力する。この他、スピーカーユニット6は、外装筐体2内に配置されることによって、背面22の内面とともに第1ダクト52を構成する。
スピーカーユニット6は、図7図9に示すように、スピーカー筐体61、第1放音部62、第2放音部63,64、多孔質部材65及び封止材66を有する。
【0049】
スピーカー筐体61は、第1放音部62、第2放音部63,64、多孔質部材65及び封止材66を支持するエンクロージャーである。スピーカー筐体61は、図8及び図9に示すように、第1面611、第2面612、第3面613、第4面614、第5面615及び第6面616を有し、横向きの四角錐台形状に形成されている。すなわち、スピーカー筐体61は、-Z方向に向かうに従ってX軸に沿う寸法が小さくなる形状に形成されている。
【0050】
第1面611は、-Z方向を向く面であり、ファブリックユニット2Cにおける背面部2CAの内面と対向する。すなわち、第1面611は、背面部2CAにおいてフレーム2C1のファブリック2C3とは反対側の面と対向する。このような第1面611は、背面部2CAの連通口2CA1と対向する。
第1面611には、+Z方向に凹む凹部617が設けられている。すなわち、スピーカー筐体61は、凹部617を有する。詳しくは後述するが、凹部617は、第1吸気口264から外装筐体2内に導入された冷却気体が流通する流路の幅を大きくする。
【0051】
第2面612は、第1面611とは反対側となる面である。
第3面613は、+X方向かつ-Z方向を向く面である。すなわち、第3面613は、XY平面及びYZ平面のそれぞれに対して傾斜する傾斜面である。
第4面614は、-X方向かつ-Z方向を向く面である。すなわち、第4面614は、XY平面及びYZ平面のそれぞれに対して傾斜する傾斜面である。
第5面615は、+Y方向を向く面であり、通信装置4及び第1ファン51と対向する面である。
第6面616は、-Y方向を向く面であり、底面26の内面と対向する。すなわち、第5面615は、第1吸気口264と対向する。
このようなスピーカー筐体61は、連通口2CA1及び第1吸気口264と対向して配置される。
【0052】
図10は、第1放音部62におけるXZ平面に沿うプロジェクター1の断面を示す図である。すなわち、図10は、スピーカーユニット6が配置されたプロジェクター1を示す断面図である。
第1放音部62は、第1面611に設けられている。詳述すると、第1放音部62は、凹部617の底部に配置されている。第1放音部62は、図10に示すように、スピーカー筐体61に設けられたバスレフダクトBRの出口側ポートである。このため、第1放音部62は、低音域の音を出力する。なお、バスレフダクトBRの入口側ポートは、スピーカー筐体61内に配置されている。
【0053】
スピーカー筐体61には、図7図10に示すように、第1放音部62の少なくとも一部を覆う多孔質部材65が設けられている。本実施形態では、多孔質部材65は、-Z方向から見て第1放音部62の全てを覆うように設けられている。
多孔質部材65は、バスレフダクトBRを流れる空気の流速を出口側ポートにて低減する。これにより、バスレフダクトBRから出てくる空気の流れが遅くなるので、出口側ポートにて発生するポートノイズ及び風切り音を低減できる。
また、多孔質部材65は、ファブリックユニット2Cの内面と接触する。これにより、第1放音部62から出力される低音域の音によって、ファブリックユニット2Cが振動してノイズが発生することが抑制される。なお、多孔質部材65は、例えばスポンジにより構成できる。
【0054】
第2放音部63,64のそれぞれは、制御基板から入力する音声信号に応じた音声を出力する。第2放音部63,64は、フルレンジのスピーカーであり、第1放音部62から出力される音よりも高音域の音を出力可能である。すなわち、第2放音部63,64は、第1放音部62とは異なる音域の音を出力可能である。
第2放音部63は、第3面613に設けられ、第2放音部63において放音する放音面63Aは、図10に示すように、+X方向かつ-Z方向を向く。第2放音部63から出力された音は、ファブリックユニット2Cの右側放音口2CR1及びファブリック2C3を介して外装筐体2の外部に放音される。
第2放音部64は、図8及び図9に示すように、第4面614に設けられ、第2放音部64において放音する放音面64Aは、図10に示すように、-X方向かつ-Z方向を向く。第2放音部64から出力された音は、ファブリックユニット2Cの左側放音口2CL1及びファブリック2C3を介して外装筐体2の外部に放音される。
このように各第2放音部63,64が配置されることによって、外装筐体2の外部に音を効果的に広げることができる。
【0055】
封止材66は、外装筐体2を構成するファブリックユニット2Cの内面と、スピーカー筐体61との間に設けられ、ファブリックユニット2Cの内面とスピーカー筐体61の外面との間の空間を封止する。本実施形態では、封止材66は、スピーカー筐体61に接着材又は両面接着テープによって固定されている。
詳述すると、封止材66は、第1面611、第5面615及び第6面616に跨って設けられている。封止材66は、スピーカー筐体61と外装筐体2の内面との間に設けられ、第1放音部62を囲んで、第1放音部62が配置された空間と第2放音部63,64が配置された空間とを仕切る。すなわち、封止材66は、第1ファン51によって第1放音部62が配置された空間を流通する気流と第2放音部63,64とを仕切る。
【0056】
封止材66は、図8に示すように、第1封止材661、第2封止材662、第3封止材663及び第4封止材664を有する。封止材66は、封止材661~664が接続されて枠状に構成されている。
第1封止材661及び第2封止材662は、第1面611、第5面615及び第6面616に跨って、スピーカー筐体61に設けられている。第1封止材661は、X軸において第1放音部62と第2放音部63との間に配置され、第2封止材662は、X軸において第1放音部62と第2放音部64との間に配置されている。本実施形態では、第1吸気口264は、第1封止材661と第2封止材662との間に開口している。このため、封止材661,662によって、第1吸気口264を介して外装筐体2内に導入された外気が第2放音部63,64に流通することは規制されている。
第3封止材663は、第5面615における+Z方向の部分にX軸に沿って設けられている。第3封止材663には、第1封止材661及び第2封止材662のそれぞれが接続される。
第4封止材664は、第6面616における+Z方向の部分にX軸に沿って設けられている。第4封止材664には、第1封止材661及び第2封止材662のそれぞれが接続される。
【0057】
[第1吸気口から導入された冷却気体の流れ]
図11及び図12は、第1吸気口264を介して外装筐体2の内部に導入された冷却気体の流れを説明する図である。換言すると、図11は、プロジェクター1を背面側から見た斜視図であり、図12は、YZ平面に沿うプロジェクター1の断面を示す図である。なお、図11では、外装筐体2内の気流を示すために、ファブリックユニット2Cの図示を省略している。
第1ファン51が駆動すると、図11及び図12に示すように、設置面SFから離間した第1吸気口264を介して、外装筐体2の外気が外装筐体2の内部に冷却気体FWとして導入される。
第1吸気口264から外装筐体2の内部に導入された冷却気体FWは、第1封止材661と、第2封止材662と、スピーカー筐体61の第1面611と、ファブリックユニット2Cの内面とによって構成される第1ダクト52内を+Y方向に流通する。上記のように、第1封止材661と第2封止材662との間には、+Z方向に凹む凹部617が設けられ、凹部617の底部には、第1放音部62が設けられている。
【0058】
第1ダクト52を流通する冷却気体は、第1放音部62に応じて設けられた多孔質部材65を回避しつつ、更に+Y方向に流通する。そして、+Y方向に流通した冷却気体FWのうち、一部の冷却気体FW1は、第1ファン51の吸気部511によって吸引される。+Y方向に流通した冷却気体FWのうち、他の冷却気体FW2は、第1ファン51と第5面615との間を+Z方向に流通して、第1ファン51の吸気部512によって吸引される。
第1ファン51によって吸引された冷却気体は、上記のように、第2ダクト53に送出され、通信装置4及び第2放熱部材317を冷却した後、排出口241から外装筐体2の外部に排出される。
【0059】
[第1吸気口が閉塞された場合の冷却気体の流れ]
プロジェクター1の通常の設置状態では、第1放音部62の放音口である連通口2CA1を介する冷却気体の流路抵抗は、第1吸気口264を介する冷却気体の流路抵抗よりも大きい。このような状態では、外装筐体2の外気は、連通口2CA1よりも優先して第1吸気口264から外装筐体2の内部に導入される。
一方、障害物等により第1吸気口264が閉塞される等して、第1吸気口264を介する冷却気体の流路抵抗が、連通口2CA1を介する冷却気体の流路抵抗よりも大きくなると、図12に示すように、外装筐体2の外気は、連通口2CA1を介して冷却気体FWAとして外装筐体2の内部に導入されて、第1ダクト52を流通する。これにより、外装筐体2内への外気の導入が維持される。
【0060】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
プロジェクター1は、外装筐体2、第1ファン51及びスピーカーユニット6を備える。第1ファン51は、外装筐体2の内部に設けられたファンである。スピーカーユニット6は、スピーカー筐体61と、スピーカー筐体61に設けられた第1放音部62と、を有する。
【0061】
外装筐体2は、正面21、背面22、右側面23、左側面24、天面25及び底面26を有する。
正面21と背面22とは、Z軸において互いに反対側に設けられている。背面22は、外装筐体2の内部と外部とを連通させて、第1放音部62の放音口となる連通口2CA1を有する。背面22は第1壁に相当し、正面21は第2壁に相当し、Z軸は第1軸に相当する。
右側面23と左側面24とは、Z軸に直交するX軸において互いに反対側に設けられている。右側面23及び左側面24のうち、一方は第3壁に相当し、他方は第4壁に相当し、X軸は第2軸に相当する。
天面25と底面26とは、X軸及びZ軸のそれぞれに直交するY軸において互いに反対側に設けられている。底面26は第5壁に相当し、天面25は第6壁に相当し、Y軸は第3軸に相当する。
【0062】
底面26は、固定脚部262、調節脚部268、段差部263及び第1吸気口264を有する。
固定脚部262及び調節脚部268は、プロジェクター1が設置される設置面に接触する接触部である。
段差部263は、設置面に接触しない非接触部である。
第1吸気口264は、段差部263に設けられており、第1吸気口264の流路抵抗は、連通口2CA1の流路抵抗よりも小さい。なお、段差部263において、第1吸気口264が設けられた部分は、背面22と連続して設けられている。
スピーカー筐体61は、連通口2CA1及び第1吸気口264のそれぞれに対向して配置されている。
第1ファン51は、連通口2CA1及び第1吸気口264と連通し、外装筐体2の外気を吸引する。
【0063】
このような構成によれば、外装筐体2の外気は、第1放音部62の放音口となる連通口2CA1の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する第1吸気口264を通って、外装筐体2の内部に配置された第1ファン51に流通する。このため、連通口2CA1には、外装筐体2の外気が流通しづらいことから、外気に含まれる塵埃によって連通口2CA1が閉塞されることを抑制できる。これにより、第1放音部62から放出されて連通口2CA1を通過する音の品質を維持できる。
一方、障害物等によって第1吸気口264が閉塞された場合には、連通口2CA1から外気を外装筐体2内に流通させることが可能である。このため、第1ファン51により流通する冷却気体によって冷却される冷却対象の冷却効率が低下することを抑制できる。この他、緊急時に外気を取り込むための外気取込口を別途設ける必要がない。従って、プロジェクター1の構成が複雑化することを抑制できるとともに、プロジェクター1の小型化に寄与できる。
【0064】
プロジェクター1では、非接触部としての段差部263は、固定脚部262及び調節脚部268において設置面と接触する接触部分に対して+Y方向に設けられている。すなわち、段差部263は、当該接触部分に対して天面25側に設けられている。
このような構成によれば、段差部263に設けられた第1吸気口264が設置面によって閉塞されることを抑制できる。従って、外装筐体2の外気を第1吸気口264から外装筐体2の内部に導入できる。
【0065】
プロジェクター1では、設置面と接触する接触部は、底面26から突出する固定脚部262及び調節脚部268である。固定脚部262及び調節脚部268は、脚部である。
このような構成によれば、プロジェクター1が設置面に設置された場合、固定脚部262及び調節脚部268が設置面に接触するので、設置面と底面26との間には隙間が発生する。このため、段差部263を設置面から離すことができるので、設置面によって第1吸気口264が閉塞されることを抑制できる。従って、第1吸気口264を介して外装筐体2の外気を外装筐体2内に導入できる。
【0066】
プロジェクター1は、外装筐体2の内面とスピーカー筐体61との間に設けられる封止材66を備える。スピーカーユニット6は、スピーカー筐体61に設けられ、第1放音部62とは異なる音域の音を出力する第2放音部63,64を有する。
封止材66は、第1ファン51に流通する気流と第2放音部63,64とを仕切る。
外装筐体2のファブリックユニット2Cは、第2放音部63の放音口としての右側放音口2CR1と、第2放音部64の放音口としての左側放音口2CL1と、を備える。
このような構成によれば、第2放音部63,64には、第1ファン51に流通する気流が流通しづらい。このため、第2放音部63,64から放出される音に気流の影響が及ぶことを抑制できる。従って、第2放音部63,64から放出される音の品質が低下することを抑制できる。
【0067】
プロジェクター1では、第2放音部63,64は、第1放音部62よりも高音域の音を出力可能である。
ここで、高音域の音の伝播方向に対して交差する方向に気流が流通すると、音が籠る等の影響が発生し、音質が低下する。
これに対し、封止材66によって、第1ファン51に流通する気流が第2放音部63,64に流通しないことから、第2放音部63,64から放出される高音域の音の音質が低下することを抑制できる。従って、プロジェクター1によって高品質の音を放音できる。
【0068】
プロジェクター1では、スピーカー筐体61は、背面22の内面に対向する第1面611に凹部617を有する。第1面611は、対向面に相当する。
第1放音部62は、凹部617に設けられている。
第1ファン51に流通する気流は、凹部617を流通する。
このような構成によれば、凹部617がスピーカー筐体61に設けられていることによって、スピーカー筐体61の第1面611と背面22の内面との間の距離を大きくできる。このため、第1面611と背面22の内面との間を流通する気流の流路幅を大きくできる。従って、第1ファン51に気流を効率よく流通させることができる他、風切音等のノイズが発生することを抑制できる。
【0069】
プロジェクター1では、外装筐体2は、第1吸気口264に設けられるメッシュ265を有する。
このような構成によれば、メッシュ265によって、第1吸気口264から外装筐体2の内部に塵埃が侵入することを抑制できる。
【0070】
プロジェクター1では、スピーカーユニット6は、第1放音部62の少なくとも一部を覆う多孔質部材65を有する。
このような構成によれば、第1吸気口264から第1ファン51に向かって流通する気流は、多孔質部材65を回避して流通する。このため、第1放音部62から放出された音に、気流による影響が及ぶことを抑制できる。
なお、第1放音部62から放出される音は、低音域の音である。このため、音の指向性が低い一方で、第1放音部62から背面22の内面までの距離が短いと、背面22を振動させることによるノイズが発生するおそれがある。
これに対し、多孔質部材65が設けられることによって、背面22が振動することを抑制でき、ノイズの発生を抑制できる。
【0071】
プロジェクター1では、スピーカーユニット6は、バスレフダクトBRと、多孔質部材65と、を備える。バスレフダクトBRは、スピーカー筐体内に配置された入口側ポートと、第1放音部62である出口側ポートと、を有する。多孔質部材65は、出口側ポートを覆う位置に設けられている。
このような構成によれば、多孔質部材65により、バスレフダクトBRを流れて出口側ポートから出力される空気の流速が低減されるので、出口側ポートにて発生するポートノイズ及び風切り音を低減できる。
【0072】
プロジェクター1は、外装筐体2、第1ファン51及びスピーカーユニット6を備える。第1ファン51は、外装筐体2の内部に設けられたファンである。スピーカーユニット6は、スピーカー筐体61と、スピーカー筐体61に設けられた第1放音部62と、第1放音部62よりも高音域の音を出力可能な第2放音部63,64と、を有する。
また、プロジェクター1は、スピーカーユニット6を構成する封止材66を備える。封止材66は、外装筐体2の内部に設けられている。
【0073】
外装筐体2は、正面21、背面22、右側面23、左側面24、天面25及び底面26を有する。
正面21と背面22とは、Z軸において互いに反対側に設けられている。背面22は、外装筐体2の内部と外部とを連通させて、第1放音部62の放音口となる連通口2CA1を有する。背面22は第1壁に相当し、正面21は第2壁に相当し、Z軸は第1軸に相当する。
右側面23と左側面24とは、Z軸に直交するX軸において互いに反対側に設けられている。右側面23及び左側面24のうち、一方は第3壁に相当し、他方は第4壁に相当し、X軸は第2軸に相当する。
天面25と底面26とは、X軸及びZ軸のそれぞれに直交するY軸において互いに反対側に設けられている。底面26は第5壁に相当し、天面25は第6壁に相当し、Y軸は第3軸に相当する。
【0074】
底面26は、固定脚部262、調節脚部268、段差部263及び第1吸気口264を有する。
固定脚部262及び調節脚部268は、プロジェクター1が設置される設置面に接触する接触部である。
段差部263は、設置面に接触しない非接触部である。
第1吸気口264は、段差部263に設けられており、第1吸気口264の流路抵抗は、連通口2CA1の流路抵抗よりも小さい。なお、段差部263において、第1吸気口264が設けられた部分は、背面22と連続して設けられている。
【0075】
スピーカー筐体61は、背面22及び底面26のそれぞれに対向して配置されている。詳述すると、スピーカー筐体61は、連通口2CA1及び第1吸気口264のそれぞれに対向して配置されている。
第1ファン51は、連通口2CA1及び第1吸気口264と連通し、外装筐体2の外気を吸引する。
封止材66は、第1放音部62と第2放音部63,64とを仕切る。封止材66は、第1放音部62を囲んで、連通口2CA1及び第1吸気口264と第1ファン51とを連通させる第1ダクト52を構成する。
【0076】
このような構成によれば、第1ファン51が駆動すると、外装筐体2の外気は、連通口2CA1の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する第1吸気口264を介して外装筐体2の内部に導入されて、第1ファン51に流通する。すなわち、外装筐体2内に導入された外気のうち、連通口2CA1を介して外装筐体2の内部に導入された外気は、第1吸気口264を介して外装筐体2の内部に導入された外気に比べて少ないので、連通口2CA1は、外気に含まれる塵埃によって閉塞されにくい。背面22及び底面26のそれぞれに対向して配置されるスピーカー筐体61に設けられた第1放音部62から放出される音は、第2放音部63,64から放出される音よりも低音域の音である。このため、第1放音部62から放出された低音域の音の一部は、外気の流量が少ない連通口2CA1から放音されるので、第1放音部62から放出された音の品質を保つことができる。
【0077】
一方、障害物等によって第1吸気口264が塞がれると、第1ファン51は、連通口2CA1を介して外装筐体2の外気を吸引するので、第1ファン51により流通する気体によって冷却される冷却対象の冷却効率が低下することを抑制できる。この他、第1放音部62の放音口となる連通口2CA1を介して、外装筐体2の外気を外装筐体2内に導入できるので、緊急時に外気を取り込むための外気取込口を別途設ける必要がない。従って、プロジェクター1の構成が複雑化することを抑制できるとともに、プロジェクター1の小型化に寄与できる。
【0078】
ここで、第2放音部63,64から放出される音が、第1放音部62から放出される低音域の音よりも高音域の音であり、かつ、第2放音部63,64に気流が流通する場合には、第2放音部63,64から放出される高音域の音は、気流の影響を受けやすい。
これに対し、第1放音部62と第2放音部63,64とは、封止材66によって仕切られているので、第2放音部63,64に気流が流通することを抑制できる。従って、第2放音部63,64から放出される音が気流の影響を受けることを抑制できるので、出力される音の劣化を抑制可能なプロジェクター1を提供できる。
【0079】
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の構成を備える。ここで、本実施形態に係るプロジェクターでは、第1ダクトは、外装筐体の内面と、外装筐体内に収容されるフレームとによって構成され、第1ダクト内にスピーカーユニットが配置される。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと、第1実施形態に係るプロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0080】
図13は、本実施形態に係るプロジェクター1Aの内部構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Aは、第1ダクト52に代えて、図13に示すフレームFM及び第1ダクト52Aを備える他は、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の構成及び機能を備える。
フレームFMは、外装筐体2内に収容され、第1吸気口264及び連通口2CA1と第1ファン51の吸気部511とを連通させる第1ダクト52Aを構成する。本実施形態では、第1吸気口264及び連通口2CA1のそれぞれは、外装筐体2の外部と第1ダクト52Aの内部とを連通させる。
【0081】
第1ダクト52A内には、スピーカーユニット6が配置される。このため、スピーカーユニット6が有するスピーカー筐体61の外面は、第1ダクト52Aの内壁を構成する。第1ダクト52A内に導入された冷却気体の一部は、スピーカー筐体61の外面に沿って+Y方向に流通して、第1ファン51によって吸引される。
なお、スピーカーユニット6が備える第1放音部62は、連通口2CA1を介して音を出力する。本実施形態では、第1放音部62は、フルレンジのスピーカーとして図12に図示している。しかしながら、これに限らず、第1放音部62は、第1実施形態に係る第1放音部62と同様に、バスレフダクトのポートであってもよく、パッシブラジエーターであってもよい。第1放音部62が上記ポートである場合には、第1放音部62を覆う多孔質部材65がスピーカー筐体61とファブリックユニット2Cの内面との間に設けられていてもよい。
【0082】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Aは、第1実施形態に係るプロジェクター1と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Aでは、連通口2CA1と第1吸気口264と第1ファン51とが連通する第1ダクト52Aを有する。スピーカーユニット6は、第1ダクト52内に配置されている。
このような構成によれば、第1吸気口264が塞がれていない状態では、第1吸気口264から第1ダクト52A内に導入された外装筐体2の外気は、スピーカー筐体61に沿って流通して、第1ファン51に吸引される。すなわち、スピーカー筐体61の外面を第1ダクト52Aの内面として利用できる。このため、スピーカー筐体61と第1ダクト52Aとを個別に設ける場合に比べて、プロジェクター1の小型化を図ることができる。
【0083】
[第3実施形態]
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、第2実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成を備えるが、スピーカーユニットが他の放音部及び他の封止材を更に備える点で相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0084】
図14は、本実施形態に係るプロジェクター1Bの内部構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1Bは、スピーカーユニット6に代えて、図14に示すスピーカーユニット6Bを備える他は、第2実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の構成及び機能を備える。
スピーカーユニット6Bは、第1ダクト52Aの内部に配置される。スピーカーユニット6Bは、2つの低音域用放音部68と封止材69とを更に備える他は、第1及び第2実施形態に係るスピーカーユニット6と同様の構成を備える。なお、本実施形態に係るスピーカーユニット6Bの第1放音部62は、スピーカーユニット6の第1放音部62と同様に、スピーカーによって構成されており、連通口2CA1を介して外装筐体2の外部に音を出力する。すなわち、本実施形態では、第1放音部62は、低音域用放音部68よりも高音域の音を出力可能である。
【0085】
2つの低音域用放音部68は、低音域の音を出力する放音部である。2つの低音域用放音部68のそれぞれは、背面22と対向しない向きに配置されている。
2つの低音域用放音部68のうち、第1低音域用放音部681は、放音面が-Y方向を向く状態にて第6面616に配置される。詳述すると、第1低音域用放音部681は、第6面616において底面26の第1吸気口264と対向する位置に設けられている。
2つの低音域用放音部68のうち、第2低音域用放音部682は、放音面が+Y方向を向く状態にて第5面615に配置される。なお、第1低音域用放音部681と第2低音域用放音部682とのうち一方は無くてもよい。
【0086】
封止材69は、-Y方向から見て第1低音域用放音部681を囲み、第6面616と底面26の内面とに接触する。
本実施形態では、第1吸気口264のZ軸における寸法は、第1低音域用放音部681のZ軸における寸法よりも大きい。このため、第1吸気口264において封止材69によって囲まれない部分が、第1ダクト52A内の冷却気体を導入する吸気口として機能する。なお、第1吸気口264において封止材69によって囲まれない部分には、メッシュ265が外装筐体2の内側に配置されている。
一方、第1吸気口264において封止材69によって囲まれる部分は、封止材69によって囲まれる部分の内側に配置された第1低音域用放音部681の放音口として機能する。
なお、第1吸気口264のX軸における寸法が、第1低音域用放音部681のX軸における寸法よりも大きくてもよい。
【0087】
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1Bは、第2実施形態に係るプロジェクター1Aと同様の効果を奏する他、以下の効果を奏する。
プロジェクター1Bでは、スピーカーユニット6Bは、低音域用放音部68を備える。低音域用放音部68は、スピーカー筐体61において背面22と対向しない向きに配置され、低音域の音を出力する。
ここで、低音域の音の指向性は、高音域の音の指向性よりも低い。このため、低音域用放音部68は、スピーカー筐体61が対向する連通口2CA1が設けられた背面22に対向させる必要はない。従って、低音域の音を放音する低音域用放音部68をスピーカー筐体61に配置する際のレイアウト自由度を高めることができる。
【0088】
[実施形態の変形]
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形及び改良等は、本開示に含まれるものである。
上記各実施形態では、外装筐体2において第1吸気口264が設けられる非接触部は、固定脚部262及び調節脚部268において設置面と接触する接触部分よりも天面25側に設けられた段差部263であるとした。しかしながら、これに限らず、外装筐体2において第1吸気口264が設けられる非接触部は、背面22及び底面26のそれぞれに跨る背面側傾斜面27Bであってもよい。
この場合、第1吸気口264が設置面によって閉塞されることを抑制できる。従って、外装筐体2の外気を第1吸気口264から外装筐体2の内部に導入できる。
【0089】
上記各実施形態では、封止材66は、第1放音部62と第2放音部63,64とを仕切るとした。しかしながら、このような封止材66は無くてもよい。この場合、スピーカーユニット6において、第1放音部62とは異なる音域の音を出力する第2放音部63,64は、第1放音部62と同じ連通口を放音口として放音してもよい。すなわち、連通口2CA1、右側放音口2CR1及び左側放音口2CL1は、外装筐体2の内部と外部とを連通する1つの連通口であってもよい。
このような構成でも、各放音部62~64の放音口となる連通口を流通する外気の流量は、第1吸気口264を流通する外気の流量よりも少ない。このため、第1放音部62及び第2放音部63,64のそれぞれから放出されて連通口を通過する音の品質を維持できる。
【0090】
上記各実施形態では、スピーカーユニット6,6Bは、第1放音部62に加えて第2放音部63,64を備えるとした。しかしながら、これに限らず、スピーカーユニット6,6Bは、第2放音部63,64を備えなくてもよい。また、スピーカーユニット6,6Bは、第2放音部63,64のうち、一方の第2放音部を備えていてもよい。すなわち、本開示のスピーカーユニットが備える第2放音部の数は、適宜変更可能である。
【0091】
上記各実施形態では、スピーカーユニット6,6Bは、外装筐体2の背面22の内面と底面26の内面とに対向する位置に設けられているとした。しかしながら、これに限らず、外装筐体2内におけるスピーカーユニット6の位置は、適宜変更可能である。例えば、スピーカーユニット6,6Bは、外装筐体2の正面21の内面と底面26の内面とに対向する位置に設けられていてもよい。この場合、正面21は、第1壁に相当する。
【0092】
上記各実施形態では、底面26には、設置面に接触する接触部としての固定脚部262及び調節脚部268が設けられているとした。しかしながら、これに限らず、脚部262,268は設けられていなくてもよい。この場合、底面26において設置面と接触する部分が接触部となる。
【0093】
上記各実施形態では、スピーカー筐体61は、第1壁としての背面22の内面に対向する第1面611に凹部617を有し、第1ファン51に流通する気流は、凹部617を流通するとした。しかしながら、これに限らず、凹部617は無くてもよい。
【0094】
上記各実施形態では、第1吸気口264にはメッシュ265が設けられているとした。しかしながら、これに限らず、例えば第1吸気口264が充分に細かい孔によって形成されている場合等では、メッシュ265は無くてもよい。
【0095】
上記第1実施形態では、スピーカー筐体61には、第1放音部62の少なくとも一部を覆う多孔質部材65が設けられているとした。しかしながら、これに限らず、多孔質部材65は無くてもよい。また、多孔質部材65が設けられる場合でも、多孔質部材65は、第1放音部62を完全に覆わなくてもよい。
更に、多孔質部材65は、スピーカー筐体61においてバスレフダクトBRの出口側ポートを覆う位置に配置されるとした。しかしながら、これに限らず、バスレフダクトBRから出てくる空気の流速を低減するための多孔質部材65の位置は、スピーカー筐体61の外側において出口側ポートを覆う位置に限定されるものではない。例えば多孔質部材65は、バスレフダクトBRの途中に設けられていてもよく、スピーカー筐体61の内部においてバスレフダクトBRの入口側ポートを覆う位置に配置されていてもよい。このような多孔質部材65の配置でも、出口側ポートにて発生するポートノイズ及び風切り音を低減できる。
【0096】
上記各実施形態では、プロジェクター1,1A,1Bは、3つの光変調装置352R,352G,352Bを備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも、本開示を適用可能である。
上記各実施形態では、画像投射装置3は、図5に示したレイアウトに配置される光学部品を備えるとした。しかしながら、これに限らず、画像投射装置3が備える光学部品、及び、光学部品のレイアウトは、上記に限定されない。
上記各実施形態では、光源装置31は、発光素子3111、波長変換素子316及び拡散反射素子319を備えるとした。しかしながら、これに限らず、光源装置31の構成は上記に限定されない。例えば、光源装置31は、赤色光を出射する発光素子、緑色光を出射する発光素子、及び、青色光を出射する発光素子を備えるものでもよく、放電光源ランプを備えるものでもよい。
【0097】
上記各実施形態では、光変調装置352は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルを備えるとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置352は、透過型の液晶パネルに代えて、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを備えていてもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置であってもよい。
【0098】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
[付記1]
第1軸において互いに反対側に設けられた第1壁及び第2壁と、前記第1軸に直交する第2軸において互いに反対側に設けられた第3壁及び第4壁と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸において互いに反対側に設けられた第5壁及び第6壁と、を有する外装筐体と、
スピーカー筐体、及び、前記スピーカー筐体に設けられた第1放音部を有するスピーカーユニットと、
前記外装筐体の内部に設けられたファンと、を備え、
前記第1壁は、前記外装筐体の内部と外部とを連通させて、前記第1放音部の放音口となる連通口を有し、
前記第5壁は、
設置面に接触する接触部と、
前記第1壁に連続して設けられ、前記設置面に接触しない非接触部と、
前記非接触部に設けられ、前記連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口と、を有し、
前記スピーカー筐体は、前記連通口及び前記吸気口のそれぞれに対向して配置され、
前記ファンは、前記連通口及び前記吸気口と連通し、前記外装筐体の外気を吸引する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0099】
このような構成によれば、外装筐体の外気は、第1放音部の放音口となる連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口を通って、外装筐体の内部に配置されたファンに流通する。このため、連通口には、外装筐体の外気が流通しづらいことから、外気に含まれる塵埃によって連通口が閉塞されることを抑制できる。これにより、第1放音部から放出されて連通口を通過する音の品質を維持できる。
一方、障害物等によって吸気口が閉塞された場合には、連通口から外気を外装筐体内に流通させることが可能である。このため、ファンにより流通する気体によって冷却される冷却対象の冷却効率が低下することを抑制できる。この他、緊急時に外気を取り込むための外気取込口を別途設ける必要がない。従って、プロジェクターの構成が複雑化することを抑制できるとともに、プロジェクターの小型化に寄与できる。
【0100】
[付記2]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記非接触部は、前記接触部に対して前記第6壁側に設けられた段差部である、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、非接触部に設けられた吸気口が設置面によって閉塞されることを抑制できる。従って、外装筐体の外気を吸気口から外装筐体の内部に導入できる。
【0101】
[付記3]
付記1に記載のプロジェクターにおいて、
前記非接触部は、前記第1壁及び前記第5壁のそれぞれに跨る傾斜面である、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、非接触部に設けられた吸気口が設置面によって閉塞されることを抑制できる。従って、外装筐体の外気を吸気口から外装筐体の内部に導入できる。
【0102】
[付記4]
付記1から付記3のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記接触部は、前記第5壁から突出する脚部である、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、プロジェクターが設置面に設置された場合、第5壁から突出する脚部が設置面に接触するので、設置面と第5壁との間には隙間が発生する。このため、非接触部を設置面から離すことができるので、設置面によって吸気口が閉塞されることを抑制できる。従って、吸気口を介して外装筐体の外気を外装筐体内に導入できる。
【0103】
[付記5]
付記1から付記4のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、前記連通口を放音口として、前記第1放音部とは異なる音域の音を出力する第2放音部を有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
上記のように、連通口を流通する外気の流量は、吸気口を流通する外気の流量よりも少ない。このため、第1放音部及び第2放音部のそれぞれから放出されて連通口を通過する音の品質を維持できる。
【0104】
[付記6]
付記1から付記4のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体の内面と前記スピーカー筐体との間に設けられる封止材を備え、
前記スピーカーユニットは、前記スピーカー筐体に設けられ、前記第1放音部とは異なる音域の音を出力する第2放音部を有し、
前記封止材は、前記ファンに流通する気流と前記第2放音部とを仕切り、
前記外装筐体は、前記第2放音部の放音口を備える、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、第2放音部には、ファンに流通する気流が流通しづらい。このため、第2放音部から放出される音に気流の影響が及ぶことを抑制できる。従って、第2放音部から放出される音の品質が低下することを抑制できる。
【0105】
[付記7]
付記6に記載のプロジェクターにおいて、
前記第2放音部は、前記第1放音部よりも高音域の音を出力可能である、
ことを特徴とするプロジェクター。
ここで、高音域の音の伝播方向に対して交差する方向に気流が流通すると、音が籠る等の影響が発生し、音質が低下する。
これに対し、封止材によって、ファンに流通する気流が第2放音部に流通しないことから、第2放音部から放出される高音域の音の音質が低下することを抑制できる。従って、プロジェクターによって高品質の音を放音できる。
【0106】
[付記8]
付記1から付記4のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、前記スピーカー筐体において前記第1壁と対向しない向きに配置されて、低音域の音を出力する放音部を有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
ここで、低音域の音の指向性は、高音域の音の指向性よりも低い。このため、低音域の音を放出する放音部は、スピーカー筐体が対向する連通口が設けられた第1壁に対向させる必要はない。従って、低音域の音を放出する放音部をスピーカー筐体に配置する際のレイアウト自由度を高めることができる。
【0107】
[付記9]
付記1から付記8のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカー筐体は、前記第1壁の内面に対向する対向面に凹部を有し、
前記第1放音部は、前記凹部に設けられ、
前記ファンに流通する気流は、前記凹部を流通する、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、上記凹部がスピーカー筐体に設けられていることによって、スピーカー筐体の対向面と第1壁の内面との間の距離を大きくできる。このため、対向面と第1壁の内面との間を流通する気流の流路幅を大きくできる。従って、ファンに気流を効率よく流通させることができる他、風切音等のノイズが発生することを抑制できる。
【0108】
[付記10]
付記1から付記8のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記連通口と前記吸気口と前記ファンとが連通するダクトを有し、
前記スピーカーユニットは、前記ダクト内に配置される、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、吸気口が塞がれていない状態では、吸気口からダクト内に導入された外装筐体の外気は、スピーカー筐体に沿って流通して、ファンに吸引される。すなわち、スピーカー筐体の外面をダクトの内面として利用できる。このため、スピーカー筐体とダクトとを個別に設ける場合に比べて、プロジェクターの小型化を図ることができる。
【0109】
[付記11]
付記1から付記10のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記外装筐体は、前記吸気口に設けられるメッシュを有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、メッシュによって、吸気口から外装筐体の内部に塵埃が侵入することを抑制できる。
【0110】
[付記12]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、前記第1放音部の少なくとも一部を覆う多孔質部材を有する、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、吸気口からファンに向かって流通する気流は、多孔質部材を回避して流通する。このため、第1放音部から放出された音に、気流による影響が及ぶことを抑制できる。
なお、第1放音部から放出される音が低音域の音である場合には、上記のように指向性が低い一方で、第1放音部から第1壁の内面までの距離が短いと、第1壁を振動させることによるノイズが発生するおそれがある。
これに対し、上記多孔質部材が設けられることによって、第1壁が振動することを抑制でき、ノイズの発生を抑制できる。
【0111】
[付記13]
付記1から付記11のいずれか1つに記載のプロジェクターにおいて、
前記スピーカーユニットは、
バスレフダクトと、
多孔質部材と、を備え、
前記バスレフダクトは、
前記スピーカー筐体内に配置された入口側ポートと、
前記第1放音部である出口側ポートと、を有し、
前記多孔質部材は、前記入口側ポートを覆う位置、前記入口側ポートと前記出口側ポートとの間の位置、及び、前記出口側ポートを覆う位置のいずれかの位置に設けられている、
ことを特徴とするプロジェクター。
このような構成によれば、多孔質部材により、バスレフダクトを流れて出口側ポートから出力される空気の流速が低減されるので、出口側ポートにて発生するポートノイズ及び風切り音を低減できる。
【0112】
[付記14]
第1軸において互いに反対側に設けられた第1壁及び第2壁と、前記第1軸に直交する第2軸において互いに反対側に設けられた第3壁及び第4壁と、前記第1軸及び前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸において互いに反対側に設けられた第5壁及び第6壁と、を有する外装筐体と、
スピーカー筐体と、前記スピーカー筐体に設けられた第1放音部と、前記第1放音部よりも高音域の音を出力可能な第2放音部と、を有するスピーカーユニットと、
前記外装筐体の内部に設けられたファンと、
前記外装筐体の内部に設けられた封止材と、を備え、
前記第1壁は、前記外装筐体の内部と外部とを連通させて、前記第1放音部の放音口となる連通口を有し、
前記第5壁は、
設置面に接触する接触部と、
前記第1壁に連続して設けられ、前記設置面に接触しない非接触部と、
前記非接触部に設けられ、前記連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口と、を有し、
前記スピーカー筐体は、前記第1壁及び前記第5壁のそれぞれに対向して配置され、
前記ファンは、前記連通口及び前記吸気口と連通し、前記外装筐体の外気を吸引し、
前記封止材は、前記第1放音部と前記第2放音部とを仕切り、前記第1放音部を囲んで、前記連通口及び前記吸気口と前記ファンとを連通させるダクトを構成する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0113】
このような構成によれば、ファンが駆動すると、外装筐体の外気は、連通口の流路抵抗よりも小さい流路抵抗を有する吸気口を介して外装筐体の内部に導入されて、ファンに流通する。すなわち、外装筐体内に導入された外気のうち、連通口を介して外装筐体の内部に導入された外気は、吸気口を介して外装筐体の内部に導入された外気に比べて少ないので、連通口は、外気に含まれる塵埃によって閉塞されにくい。第1壁及び第5壁のそれぞれに対向して配置されるスピーカー筐体に設けられた第1放音部から放出される音は、第2放音部から放出される音よりも低音域の音である。このため、第1放音部から放出された低音域の音の一部は、外気の流量が少ない連通口から放音されるので、第1放音部から放出された音の品質を保つことができる。
【0114】
一方、障害物等によって吸気口が塞がれると、ファンは、連通口を介して外装筐体の外気を吸引するので、ファンにより流通する気体によって冷却される冷却対象の冷却効率が低下することを抑制できる。この他、第1放音部の放音口となる連通口を介して、外装筐体の外気を外装筐体内に導入できるので、緊急時に外気を取り込むための外気取込口を別途設ける必要がない。従って、プロジェクターの構成が複雑化することを抑制できるとともに、プロジェクターの小型化に寄与できる。
【0115】
ここで、上記のように、第2放音部から放出される音が、第1放音部から放出される低音域の音よりも高音域の音であり、かつ、第2放音部に気流が流通する場合には、第2放音部から放出される高音域の音は、気流の影響を受けやすい。
これに対し、第1放音部と第2放音部とは、封止材によって仕切られているので、第2放音部に気流が流通することを抑制できる。従って、第2放音部から放出される音が気流の影響を受けることを抑制できるので、出力される音の劣化を抑制可能なプロジェクターを提供できる。
【符号の説明】
【0116】
1,1A,1B…プロジェクター、2…外装筐体、21…正面(第2壁)、22…背面(第1壁)、23…右側面(第3壁又は第4壁)、24…左側面(第4壁又は第3壁)、25…天面(第6壁)、26…底面(第5壁)、261…突出部、262…固定脚部(接触部)、263…段差部(非接触部)、264…第1吸気口(吸気口)、265…メッシュ、266…第2吸気口、267…第3吸気口、268…調節脚部(接触部)、27B…背面側傾斜面(傾斜面)、2A…アッパーケース、2B…ロアーケース、2C…ファブリックユニット、2C1…フレーム、2C2…開口部、2C3…ファブリック、2CA…背面部、2CA1…連通口、2CR…右側面部、2CR1…右側放音口、2CL…左側面部、2CL1…左側放音口、5…冷却装置、51…第1ファン(ファン)、52…第1ダクト(ダクト)、53…第2ダクト、54…第2ファン、55…第3ファン、56…第3ダクト、6,6B…スピーカーユニット、61…スピーカー筐体、611…第1面(対向面)、612…第2面、613…第3面、614…第4面、615…第5面、616…第6面、617…凹部、62…第1放音部、63…第2放音部、64…第2放音部、65…多孔質部材、66…封止材、661…第1封止材、662…第2封止材、663…第3封止材、664…第4封止材、68…低音域用放音部、681…第1低音域用放音部、682…第2低音域用放音部、69…封止材、FW,FW1,FW2,FWA…冷却気体、SF…設置面。
図1
図2
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図5
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図7
図8
図9
図10
図11
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